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特開2023-179227ヘアピンコンダクタの製造装置及び製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179227
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】ヘアピンコンダクタの製造装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/04 20060101AFI20231212BHJP
   B21F 1/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H02K15/04 A
B21F1/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092405
(22)【出願日】2022-06-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(71)【出願人】
【識別番号】000128876
【氏名又は名称】株式会社アマダプレスシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】山口 赴仁
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 豊
【テーマコード(参考)】
4E070
5H615
【Fターム(参考)】
4E070AA04
4E070AB15
4E070AC02
4E070BC09
5H615AA01
5H615PP12
5H615QQ03
5H615QQ07
5H615SS03
5H615SS04
5H615SS10
5H615SS13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生産性の高いヘアピンコンダクタの製造装置を提供する。
【解決手段】ヘアピンコンダクタの製造装置は、回動軸線まわりに間欠回動するインデックステーブル71とインデックステーブル71に所定の角度ピッチで取り付けられ切断線材を把持可能な複数のグリッパ721とインデックステーブル71まわりに角度ピッチで設置され把持された切断線材を段階加工し3次元形状のヘアピンコンダクタに成形する複数のステーション装置4とを備える。ステーション装置4はインデックステーブル71の回動方向に沿う設置順で曲げ加工装置とプレス装置4とで構成され、プレス装置4は上型と下型とからなる複数の金型の組4Pが周方向に並べて装着されて回動する金型テーブル43を有し金型テーブル43の回動で複数の金型の組4Pの一つをプレス加工位置にセット可能に構成されている。
【選択図】図9F
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直に延びる回動軸線まわりに間欠回動するインデックステーブルと、
前記インデックステーブルに前記回動軸線を中心とする所定の角度ピッチで取り付けられて、所定長さの直線状の切断線材を放射状に延びる水平姿勢で把持可能な複数のグリッパと、
前記インデックステーブルのまわりに前記回動軸線を中心とする前記角度ピッチで設置され、前記グリッパで把持された前記切断線材を段階的に加工して3次元形状のヘアピンコンダクタに成形する複数のステーション装置と、
を備え、
前記複数のステーション装置は、前記インデックステーブルの回動方向に沿う設置順で、曲げ加工装置とプレス装置とを含んで構成され、
前記プレス装置は、上型と下型とからなる複数の金型の組を周方向に並べて着脱可能とされて回動する金型テーブルを有し、前記金型テーブルを回動させて前記複数の金型の組のうちの一つをプレス加工位置に選択的にセットするよう構成されているヘアピンコンダクタの製造装置。
【請求項2】
間欠回動するインデックステーブルの周囲に所定の角度ピッチで切断線材を3次元形状のヘアピンコンダクタに段階的に加工する曲げ加工装置及びプレス装置を前記インデックステーブルの回動方向に沿ってこの順に配置しておき、
前記インデックステーブルに前記角度ピッチで取り付けられた複数のグリッパで所定長さの直線状の切断線材を放射状に延びる水平姿勢で把持し、
前記インデックステーブルの間欠回動における停止期間中に、前記グリッパで把持した前記切断線材を前記曲げ加工装置で2次元曲げ加工し、
次の停止期間中に、前記曲げ加工した前記切断線材を前記プレス装置で3次元形状の前記ヘアピンコンダクタに成形し、
前記プレス装置に、上型と下型とからなる複数の金型の組を周方向に並べて着脱可能で回動する金型テーブルを設け、前記金型テーブルを回動させてプレス加工位置に前記複数の金型の組のうちの一つを選択的にセットして、前記3次元形状の前記ヘアピンコンダクタを成形するヘアピンコンダクタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアピンコンダクタの製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モータのステータを構成するコイルとして、平角線材からなる略U字状の複数の分割導体(以下、ヘアピンコンダクタ)を接続してコイル化したセグメントコイルが知られている。
【0003】
特許文献1に、ヘアピンコンダクタの製造方法が記載されている。
特許文献1に記載されたヘアピンコンダクタの製造方法は、直線状の導体材料の先端部位を曲げて所定の2次元形状に成形する工程と、2次元形状に成形された部分を型で挟持して成形して3次元形状とした後、所定長さに切断してヘアピンコンダクタとする工程と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-143818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたヘアピンコンダクタの製造方法は、一つのライン上において、直線状の導体材料に対し、曲げによる2次元加工と型の挟持による3次元加工とを施した後に、ヘアピンコンダクタ単体の所定長さに切断する。
従って、一つのヘアピンコンダクタを成形する2次元加工及び3次元加工が終わって切断が完了しないと、次のヘアピンコンダクタの2次元加工を開始できない。
また、特許文献1に記載されたヘアピンコンダクタの製造方法において、3次元形状が異なるヘアピンコンダクタを成形しようとすると、成形装置を異なる型を搭載した別の成形装置に交換するか、あらたに別のラインを設置する必要がある。そのため、一つのラインで異なる形状のヘアピンコンダクタを混在させて製造するいわゆる混流生産が実質的に困難である。そのため、特許文献1に記載されたヘアピンコンダクタの製造方法は高い生産性を得にくいという点で改善の余地がある。
すなわち、生産性の高いヘアピンコンダクタの製造装置及び製造方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様は次の1)の構成、2)の手順を有する。
1) 鉛直に延びる回動軸線まわりに間欠回動するインデックステーブルと、
前記インデックステーブルに前記回動軸線を中心とする所定の角度ピッチで取り付けられて、所定長さの直線状の切断線材を放射状に延びる水平姿勢で把持可能な複数のグリッパと、
前記インデックステーブルのまわりに前記回動軸線を中心とする前記角度ピッチで設置され、前記グリッパで把持された前記切断線材を段階的に加工して3次元形状のヘアピンコンダクタに成形する複数のステーション装置と、
を備え、
前記複数のステーション装置は、前記インデックステーブルの回動方向に沿う設置順で、曲げ加工装置とプレス装置とを含んで構成され、
前記プレス装置は、上型と下型とからなる複数の金型の組を周方向に並べて着脱可能とされて回動する金型テーブルを有し、前記金型テーブルを回動させて前記複数の金型の組のうちの一つをプレス加工位置に選択的にセットするよう構成されているヘアピンコンダクタの製造装置である。
2) 間欠回動するインデックステーブルの周囲に所定の角度ピッチで切断線材を3次元形状のヘアピンコンダクタに段階的に加工する曲げ加工装置及びプレス装置を前記インデックステーブルの回動方向に沿ってこの順に配置しておき、
前記インデックステーブルに前記角度ピッチで取り付けられた複数のグリッパで所定長さの直線状の切断線材を放射状に延びる水平姿勢で把持し、
前記インデックステーブルの間欠回動における停止期間中に、前記グリッパで把持した前記切断線材を前記曲げ加工装置で2次元曲げ加工し、
次の停止期間中に、前記曲げ加工した前記切断線材を前記プレス装置で3次元形状の前記ヘアピンコンダクタに成形し、
前記プレス装置に、上型と下型とからなる複数の金型の組を周方向に並べて着脱可能で回動する金型テーブルを設け、前記金型テーブルを回動させてプレス加工位置に前記複数の金型の組のうちの一つを選択的にセットして、前記3次元形状の前記ヘアピンコンダクタを成形するヘアピンコンダクタの製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ヘアピンコンダクタの生産性が高い、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るヘアピンコンダクタの製造装置の実施例を含む製造システムSTを示す図である。
図2A図2Aは、製造システムSTの剥離装置83で剥離処理された部分剥離線材Wbを示す図であり、図2A(a)は平面図、図2A(b)は側面図である。
図2B図2Bは、図2A(a)における2B-2B位置での断面図である。
図2C図2Cは、製造システムSTの送り切断装置84で切断された切断線材Wcを示す図である。
図3図3は、製造システムSTにおける線材加工装置91のインデックステーブル71を示す上面図である。
図4図4は、線材加工装置91における第1ステーション装置1を示す上面図である。
図5図5は、第1ステーション装置1の側面図である。
図6A図6Aは、第1ステーション装置1の加工工程における第1段階を示す上面図である。
図6B図6Bは、第1ステーション装置1の加工工程における第2段階を示す上面図である。
図6C図6Cは、第1ステーション装置1の加工工程における第3段階を示す上面図である。
図6D図6Dは、第1ステーション装置1の加工工程における第4段階を示す上面図である。
図7図7は、第2ステーション装置2の加工工程を示す上面図である。
図8A図8Aは、第3ステーション装置3の加工工程を示す上面図である。
図8B図8Bは、第3ステーション装置3の加工後の曲げ線材Wfを示す平面図である。
図9A図9Aは、第4ステーション装置4におけるプレス加工を示す図である。
図9B図9Bは、第4ステーション装置4の加工で得られるヘアピンコンダクタWgを示す平面図である。
図9C図9Cは、第4ステーション装置4の加工における曲げ線材Wfの腕部Wm1の変形を示す図である。
図9D図9Dは、腕部Wm1の変形に対応する動作を示す図である。
図9E図9Eは、第4ステーション装置4の側面図である。
図9F図9Fは、第4ステーション装置4の金型テーブルを示す上面図である。
図10図10は、第5ステーション装置5の動作を示す図である。
図11図11は、線材加工装置91のブロック図である。
図12図12は、第1~第3ステーション装置1~3のブロック図である。
図13図13は、第4ステーション装置4のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例)
本発明の実施の形態に係るヘアピンコンダクタの製造装置の実施例は、線材加工装置91である。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に係るヘアピンコンダクタの製造装置の実施例を含む製造システムSTを示す図である。図2Aは、製造システムSTの剥離装置83で剥離処理された部分剥離線材Wbを示す図であり、図2A(a)は平面図、図2A(b)は側面図である。図2Bは、図2Aにおける2B-2B位置での断面図である。図2Cは、製造システムSTの送り切断装置84で切断された切断線材Wcを示す図である。
【0011】
図1に示される製造システムSTは、平角線材からヘアピンコンダクタを連続的に製造するシステムであって、前処理装置群80及び線材加工装置91を備えている。
ヘアピンコンダクタは、平角線に、曲げ加工及びプレス加工を施してヘアピン状に形成した導体である。複数のヘアピンコンダクタが接続されてヘアピンコイルが形成される。ヘアピンコイルは自動車の駆動用及び回生用モータなどに使用される。
製造システムSTにおいて、前処理装置群80は、工程の上流側からアンコイラ81,線材直線矯正機(ストレ-トナ-)82,剥離装置83,及び送り切断装置84を有する。
【0012】
アンコイラ81には、平角線材が巻回されている。線材直線矯正機82は、アンコイラ81から上下方向が扁平となる姿勢で送出された平角線材Waを、直線状になるよう矯正して送出する。
剥離装置83は、線材直線矯正機82から送出された平角線材Waに対し、プレス或いは別の加工方法によって所定長さの範囲の被覆Wb2を剥離する。
剥離装置83によって、平角線材Waは、図2に示されるように、所定長さ範囲で芯線が露出した芯線露出部Wb1を所定ピッチで繰り返し有する部分剥離線材Wbとされて送出する。
図2Bは、部分剥離線材Wbの芯線露出部Wb1における断面図である。芯線露出部Wb1の角部には、面取りが施されていてもよい。
【0013】
送り切断装置84は、図2Cに示されるように、剥離装置83から送出された部分剥離線材Wbを、芯線露出部Wb1の長手方向の中央位置で切断し、切断線材Wcとして線材加工装置91に向け順次送出する。
【0014】
前処理装置群80の下流側には、線材加工装置91が設置されている。線材加工装置91は、インデックス部7,排出部92,及び制御部93などを含んで構成されている。
インデックス部7は、床FLに設置されるベース部73,インデックステーブル71,支柱711,及びカメラ712を有する。
インデックステーブル71は、送り切断装置84から送出された切断された切断線材Wcを把持するグリッパ721を含むグリッパ群72が取り付けられている。
【0015】
(線材加工装置91)
次に線材加工装置91の詳細構成を図3図5、及び図11図13を参照して説明する。
図3は、製造システムSTにおける線材加工装置91のインデックステーブル71を示す上面図である。図4は、線材加工装置91における第1ステーション装置1を示す上面図である。図5は、第1ステーション装置1の側面図である。図11は、線材加工装置91のブロック図である。図12は、第1~第3ステーション装置1~3のブロック図である。図13は、第4ステーション装置4のブロック図である。
【0016】
図3及び図5に示されるように、線材加工装置91は、ベース部73,インデックステーブル71,及び第1~第5ステーション装置1~5を備えている。
図5に示されるように、床FLに設置されるベース部73の内部には、鉛直方向に延びる回動軸線CL7を軸心として、インデックス軸モータ730,シャフト731,スリップリング732,スリップリング軸モータ733が設置されている。
図11に示されるように、インデックス軸モータ730及びスリップリング軸モータ733の動作は、制御部93によって制御される。
【0017】
ベース部73の上方には平板状のインデックステーブル71が水平姿勢で配置されている。インデックステーブル71は、インデックス軸モータ730の出力軸に連結されてインデックス軸モータ730の動作で回動軸線CL7を回動軸線として回動する。
インデックステーブル71は、図3に示されるように、周方向に所定の角度ピッチθpで径方向外方に突出する6つの突出部71aを有する。この例において所定の角度ピッチθpは60°である。
6つの突出部71aそれぞれの上面には、グリッパ721~726が取り付けられている。グリッパ721~726をまとめてグリッパ群72とも称する。
【0018】
グリッパ721~726は、一対のグリップジョー72a,72bを有する(図5参照)。一対のグリップジョー72a,72bは、グリッパ721~726それぞれに備えられたグリッパ駆動部721D~726Dによって互いに離接するよう動作し、平角線材Waを把持可能となっている。また、一対のグリップジョー72a,72bは、クランプ軸線CL1まわりに回動するようになっている(矢印DR01参照)。
【0019】
具体的には、図5において、グリッパ721は、突出部71aに対応して回動軸線CL7を通り径方向に水平に延びる仮想のクランプ軸線CL1を想定したときに、クランプ軸線CL1上に延びるよう配置された切断線材Wcを把持し、クランプ軸線CL1まわりの捩りに相当する回動が可能となっている。
グリッパ722~726及びそれぞれに対応したクランプ軸線CL2~CL6についても同様である。クランプ軸線CL1は、グリッパ721で把持した切断線材Wcの中心軸線と一致する。
グリッパ721~726のグリップジョー72a,72bの動作、及びクランプ軸線CL1まわりの回動は、グリッパ駆動部721D~726Dによって行われる。図11に示されるように、グリッパ駆動部721D~726Dの動作は、制御部93によって制御される。
【0020】
インデックステーブル71は、制御部93の制御により、インデックス軸モータ730の動作によって回動軸線CL7まわりに所定の角度ピッチθpで間欠回動する。この例において、角度ピッチθpは60°である。
制御部93とグリッパ駆動部721D~726Dとの電気的接続は、グリッパ駆動部721D~726Dを備えたインデックステーブル71がベース部73に対して間欠回動することから、スリップリング732を介して行われる(図5参照)。
この例では、スリップリング732の軸を回動させるスリップリング軸モータ733を用い、制御部93による制御の下、インデックステーブル71の軸の回動に対しスリップリング732の軸の回動を同期させている。これにより、グリッパ駆動部721D~726Dからのケーブルは、間欠回動で捩れないようになっている。
【0021】
図3に示されるインデックス部7のインデックステーブル71は、間欠回動で停止した状態が示されている。この状態で、6つの突出部71aに対応した位置が1つの供給位置及び5つのステーション位置とされる。
詳しくは、図3におけるグリッパ726に対応した位置が供給位置とされ、グリッパ721~725に対応した位置がそれぞれ第1~第5ステーション位置である。第1~第5ステーション位置には、それぞれ第1~第5ステーション装置1~5が設置されている。
【0022】
供給位置では、切断線材Wcが、インデックス部7に向け、前処理装置群80から送り出されてくるので、この切断線材Wcをグリッパ726が把持する。
制御部93は、予め設定された所定の時間間隔及び停止時間で、インデックステーブル71を間欠回動させる(図3の時計回り方向:矢印DR1参照)。
間欠回動の停止時間内で、グリッパ721~725それぞれが把持した被加工材に対し第1~第5ステーション装置1~5によって加工などが行われる。
【0023】
インデックステーブル71が間欠回動で停止する毎に、供給位置にあるグリッパ726は、前処理装置群80側から供給された切断線材Wcを把持する。
すなわち、図3で示されるグリッパ721~726それぞれの把持状態は、第1ステーション位置で把持された被加工材が、5回の間欠動作をして第5ステーション位置まで回動した状態で示されている。
【0024】
上述の線材加工装置91は、制御部93の制御の下、概略で次の動作を実行する。
第1ステーション装置1~第3ステーション装置3は、同じ構成の曲げ加工装置であり、被加工材を水平面内で2次元曲げ加工する。
図3において、第6ステーション位置(供給位置)から間欠回動で第1ステーション位置に移動しグリッパ726で把持された切断線材Wcは、第1ステーション装置1によって2次元曲げ加工されて曲げ線材Wdとされる。
曲げ線材Wdは、グリッパ726で把持されたまま次の間欠回動で第2ステーション位置に送られ、第2ステーション装置2によって2次元曲げ加工されて曲げ線材Weとされる。
曲げ線材Weは、グリッパ726で把持されたまま次の間欠回動で第3ステーション位置に送られ、第3ステーション装置3によって2次元曲げ加工されて曲げ線材Wfとされる。
【0025】
第4ステーション装置4は、被加工材に対し、鉛直方向への変形を含む3次元プレス加工を行う。
曲げ線材Wfは、次の間欠動作で第4ステーション位置に送られると、第4ステーション装置4によるプレス加工によって立体形状のヘアピンコンダクタWgに成形される。
【0026】
第5ステーション装置5は、ヘアピンコンダクタWgが所定の形状に成形されているか否かを判定し、否の判定の場合に補正加工を行う。
第4ステーション装置4で得られたヘアピンコンダクタWgは、第5ステーション装置5において良品と判定されたら、グリッパ725は把持を解除し、排出部92に排出する。
不良と判定されたら、その不良内容に応じて補正の曲げ加工を行ってヘアピンコンダクタWhとし、再測定で良品と判定されたらグリッパ725は把持を解除し排出部92に良品として排出する。
再測定で不良品とされたら、良品とは別区分にして排出部92に排出する。
【0027】
図11に示されるように、制御部93は、CPU(中央処理装置)931,同期部932,計測判定部933,記憶部934,曲げ制御部935,プレス制御部936,及び補正動作部937を有する。
同期部932は、前処理装置群80の動作と線材加工装置91の動作との同期,及び線材加工装置91におけるインデックステーブル71の間欠動作と第1~第5ステーション装置1~5との加工動作との同期をとる。
計測判定部933は、カメラ712からの画像に基づいて、第5ステーションにおける補正加工の実行有無を判定する。また、センサ1S2からの検出信号に基づいて第1~第3ステーション装置1~3における曲げ動作の停止指示を出す。
記憶部934は、被加工材から加工するヘアピンコンダクタの形状,及びヘアピンコンダクタにおける良品と判定する寸法範囲などを記憶する。
曲げ制御部935は、第1~第3ステーション装置1~3の2次元曲げ加工動作を制御する。
プレス制御部936は、第4ステーション装置4の3次元曲げ加工動作を制御する。
補正動作部937は、第5ステーション装置5の補正部51の補正動作を制御する。
【0028】
次に、第1~第5ステーション装置1~5の詳細構造と具体的動作について説明する。
構造については、第1~第3ステーション装置1~3の構造は実質的に共通であるので第1ステーション装置1を代表として説明する。以下の説明において、クランプ軸線CL1~CL6それぞれに平行な方向をX軸方向とし、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向とする。また、X軸方向及びY軸方向に垂直な方向である鉛直方向をZ軸方向とする。
【0029】
図4及び図5に示されるように、第1ステーション装置1は、加工部1Mと計測部1Sとを備える。
(加工部1M)
加工部1Mは、X軸アーム11,Y軸アーム12,ベース部13,サポータ14,及び二軸回動部15を有する。
X軸アーム11は、クランプ軸線CL1に対するインデックステーブル71の回動方向(矢印DR方向)側に配置されている。X軸アーム11は、クランプ軸線CL1よりも下方において、クランプ軸線CL1と平行に延びるレール状部材である。
Y軸アーム12は、Y軸方向に延びるアームであってX軸アーム11によってX軸方向に移動可能(矢印DR1参照)に支持されている。Y軸アーム12は、X軸駆動部MXの動作によってX軸方向に移動する。
【0030】
ベース部13は、Y軸アーム12によって、Y軸方向に移動可能(矢印DR2参照)に支持されている。ベース部13は、Y軸駆動部MYの動作によってY軸方向に移動する。
また、ベース部13は、Z軸駆動部MZによって、Z軸方向に移動可能(矢印DR3参照)になっている。
これにより、ベース部13は、X,Y,Z方向の3軸方向に移動可能となっている。
【0031】
図5に示されるように、サポータ14及び二軸回動部15は、ベース部13の上部に配置されている。
サポータ14は、サポータ駆動部の動作によって、グリッパ721によって把持されたクランプ軸線CL1上に延びる切断線材Wcを、その幅方向(Y軸方向)に挟んで保持できるようになっている。
【0032】
二軸回動部15は、同芯で独立して回動する、内側回動部151と内側回動部151よりも大径の外側回動部152とを有する。
内側回動部151は、上方に突出し、上方視で180°ずれた位置にある一対の内側ピン151aを有する。内側回動部151は、内輪駆動部M151の動作によって任意の回動角度及び回動方向で回動する。
一対の内側ピン151aの内法距離は、切断線材Wcの幅よりも大きい。
外側回動部152は、上方に突出する外側ピン152aを有する。外側回動部152は、外輪駆動部M152の動作によって任意の回転角度及び回転方向で回動する。
ベース部13は、Z軸駆動部MZの動作によって昇降する(矢印DR5参照)。
【0033】
すなわち、図5において実線と一点鎖線とによる昇降の両端位置が示されるように、サポータ14及び二軸回動部15は、高さ方向において、グリッパ721に把持された平角線材(切断線材Wc)と高さ方向において干渉する上昇位置と、非干渉となるよう下方に退避した下降位置との間で昇降する。
【0034】
計測部1Sは、クランプ軸線CL1を含む水平面SFよりも上方に配置されている。具体的には、計測部1Sは、インデックス部7の支柱711に一端部が支持されて径方向に延在する支持アーム1S1と、支持アーム1S1の他端となる先端に取り付けられたセンサ1S2とを含んで構成されている。センサ1S2は、例えば光によって対象物の有無を検出する光電センサである。
センサ1S2は、支柱711に備えられたXYZ駆動部1S3によってX,Y,Zの各軸方向に独立して移動可能となっている(矢印DR4~矢印DR6参照)。センサ1S2は、水平面SF上の直下の位置における切断線材の有無を検出する。
【0035】
図12に示されるように、X軸駆動部MX,Y軸駆動部MY,Z軸駆動部MZ,サポータ駆動部M14,内輪駆動部M151,外輪駆動部M152,及び計測部1SのXYZ駆動部1S3の動作は、制御部93の曲げ制御部935によって制御される。
また、センサ1S2は、切断線材を検出したら、検出情報を制御部93に向け出力する。制御部93の計測判定部933は、センサ1S2からの検出情報を把握したら、外輪駆動部M152を停止する。
【0036】
上述の第1ステーション装置1は、グリッパ721が把持した切断線材Wcに対し、いわゆるロール曲げを施して先端側の一部に湾曲部Wc1を成形し、さらに湾曲部Wc1の根元側端部に屈曲部BP1を形成する。
この加工行程について図6A図6Dを参照して詳述する。
【0037】
図6Aは、第1ステーション装置1の加工工程における第1段階を示す上面図である。図6Bは、第1ステーション装置1の加工工程における第2段階を示す上面図である。図6Cは、第1ステーション装置1の加工工程における第3段階を示す上面図である。図6Dは、第1ステーション装置1の加工工程における第4段階を示す上面図である。
【0038】
図6Aに示される第1段階において、サポータ14及び二軸回動部15がZ軸の下方に退避した状態で、インデックステーブル71が回動して切断線材Wcは第2ステーション位置に移動する。二軸回動部15の一対の内側ピン151aは、Y軸方向に対向する位置にあり、外側ピン152aは、切断線材Wcよりも図6Aの上方側の位置にある。
次いで、サポータ14及び二軸回動部15は、切断線材Wcの先端に近い所定位置に移動して上昇する。これにより、切断線材Wcは、一対の内側ピン151aの間に位置する。サポータ14は、二軸回動部15に対しインデックステーブル71側にあって切断線材Wcを保持する。
【0039】
図6Bに示される第2段階において、内輪駆動部M151の動作によって内側回動部151は反時計まわりに回動し(矢印DR7a参照)、切断線材Wcを挟んで保持する。
次いで、外輪駆動部M152の動作によって外側回動部152が時計まわりに回動し(矢印DR7b参照)、外側ピン152aによって外側ピン152aに近い側の内側ピン151aを支点として切断線材Wcを図6Bの下方に曲げる(矢印DR7c参照)。
さらに、サポータ14は切断線材Wcに対して摺動可能な程度に挟む力を弱め、図6Cに示されるように、二軸回動部15をX軸と平行にインデックステーブル71に向け移動させ、所定位置で停止する(矢印DR7d参照)。
これにより、切断線材Wcには、二軸回動部15がX軸と平行に移動した範囲AR1で湾曲部Wc1が形成される。湾曲部Wc1ではないインデックステーブル71側の直線状の部分を腕部Wm1とする。
【0040】
次いで、曲げ制御部935は、二軸回動部15を、外側ピン152aによる曲げ及び内側ピン151aによる把持を解放して下降させ、外側ピン152aを切断線材Wcに対し図6Cの下側に回動して移動させる。そして二軸回動部15を再び上昇させ、図6Dに示されるように、内輪駆動部M151の動作によって一対の内側ピン151aを時計まわりに回動させて切断線材Wcの腕部Wm1を把持する(矢印DR7e参照)。その後、外輪駆動部M152の動作によって外側ピン152aを反時計まわりに回動させ(矢印DR7f参照)、湾曲部Wc1を図6Dの上方に折り曲げる(矢印DR7g参照)。
【0041】
湾曲部Wc1が所定の位置まで曲げられると、上方に配置されているセンサ1S2によって検出される。センサ1S2は、湾曲部Wc1は検出信号を制御部93に向け送出する。制御部93の計測判定部933は、この検出信号を受け外輪駆動部M152を停止させる。
【0042】
このように、切断線材Wcは、第1ステーション装置1によって、湾曲部Wc1のインデックステーブル71側の端部に形成された屈曲部BP1と、屈曲部BP1において所定の角度で曲げられた湾曲部Wc1とを有する曲げ線材Wdとなる。
曲げ制御部935の指示によってサポータ14及び二軸回動部15は下方に退避し、曲げ線材Wdは、第2ステーション位置に移動可能となる。
切断線材Wcが第1ステーション位置に移動してから二軸回動部15が下方に退避完了するまでの時間をT1とする。
【0043】
制御部93は、インデックステーブル71を少なくとも時間T1を超える時間停止させたら、インデックステーブル71を図3の時計回りに60°回動させる。これによりグリッパ721で把持された曲げ線材Wdは、第2ステーション位置へ移動する。
第2ステーション位置では、第2ステーション装置2によって曲げ線材Wdに対し2次元曲げ加工が行われる。以下の説明では符号の煩雑化を防ぐ便宜上、第2ステーション装置2の各部材の符号を第1ステーション装置1の各部材の符号で説明する。
【0044】
図7に示されるように、制御部93の曲げ制御部935は、下降した二軸回動部15を、X軸方向及びY軸方向に移動させてクランプ軸線CL2から離れた所定の位置に移動する。所定の位置は、湾曲部Wc1の中央となる位置である。
第1ステーション位置での2次元曲げ工程と同様に、二軸回動部15を上昇させ、内輪駆動部M151を動作させて内側回動部151を時計まわりに回動させ、一対の内側ピン151aで湾曲部Wc1を挟持する(矢印DR8a参照)。
次いで、外輪駆動部M152を動作させて外側回動部152を反時計まわりに回動し(矢印DR8b参照)、外側ピン152aによって湾曲部Wc1における先端側の部分をインデックステーブル71側に折り曲げる(矢印DR8c参照)。
【0045】
湾曲部Wc1の先端側の部分が所定の位置まで曲げられると、上方に配置されているセンサ1S2によって検出される。センサ1S2は湾曲部Wc1を検出すると検出信号を制御部93に向け送出し、制御部93の計測判定部933は、この検出信号を受け外輪駆動部M152を停止させる。
これにより、曲げ線材Wdは、第2ステーション装置2によって、湾曲部Wc1の中央位置に屈曲部BP2が形成された曲げ線材Weとされる。
【0046】
次いで曲げ制御部935の指示によって二軸回動部15は下方に退避し、曲げ線材Weは第3ステーション位置に移動可能となる。
曲げ線材Wdが第2ステーション位置に移動してから曲げ線材Weとして第3ステーション位置に移動可能になるまでの時間をT2とする。
【0047】
制御部93の同期部932は、インデックステーブル71を少なくとも時間T1及び時間T2のうちの長い方を超える時間停止させたら、インデックステーブル71を図3の時計回りに60°回動させる。これにより、グリッパ721で把持された曲げ線材Weは、第3ステーション位置へ移動する。
第3ステーション位置では、第3ステーション装置3によって曲げ線材Weに対し2次元曲げ加工が行われる。第3ステーション装置3の説明においても、符号の煩雑化を防ぐ便宜上、第3ステーション装置3の各部材の符号を第1ステーション装置1の各部材の符号で説明する。
【0048】
図8Aに示されるように、曲げ制御部935は、下降させた二軸回動部15を、X軸方向及びY軸方向に移動させて、X軸は屈曲部BP1に対応した位置、Y軸は屈曲部BP1と屈曲部BP2との間の距離の2倍の位置、に移動する。この位置は、曲げ線材Weにおける湾曲部Wc1の先端側の端部に相当する。
曲げ制御部935は、第1ステーション位置での2次元曲げ工程と同様に、二軸回動部15を上昇させ、内輪駆動部M151の動作により内側回動部151を時計回りに回動させて一対の内側ピン151aで湾曲部Wc1を挟持する(矢印DR9a参照)。
次いで、曲げ制御部935は、外輪駆動部M152を動作させて外側回動部152を反時計回りに回動する(矢印DR9b参照)。
このように回動する外側ピン152aによって湾曲部Wc1から先端側の直線状の部分(以下、腕部Wm2)は、所定の折り曲げ角度になるよう折り曲げられる(矢印DR9c参照)。
この例において、腕部Wm2は、腕部Wm1と平行とされる。
【0049】
外側ピン152aの回動によって屈曲部BP3が形成されて腕部Wm2が所定の位置まで折り曲げられると、上方に配置されているセンサ1S2によって検出される。センサ1S2は、腕部Wm2を検出すると検出信号を制御部93に向け送出し、制御部93の計測判定部933は、この検出信号を受け外輪駆動部M152を停止させる。
【0050】
このように曲げ線材Weは、第3ステーション装置3によって図8Bに示される曲げ線材Wfとされる。図8Bは、第3ステーション装置3の加工後の曲げ線材Wfを示す平面図である。
曲げ線材Wfは、平行な腕部Wm1及び腕部2m2と、それぞれの一端部にある屈曲部BP1及び屈曲部BP2を連結する連結部Wm3とを有する門型を呈する。
曲げ制御部935は、外輪駆動部M152を停止させたら、二軸回動部15を下方に退避させる。これにより、曲げ線材Wfは第4ステーション位置に移動可能となる。
曲げ線材Weが第3ステーション位置に移動してから曲げ線材Wfとして第4ステーション位置に移動可能になるまでの時間をT3とする。
【0051】
第4ステーション位置では、制御部93のプレス制御部936の制御の下、第4ステーション装置4によって3次元プレス加工が行われる。
第4ステーション装置4の構成と動作について、図9A図9Fを参照して説明する。
図9Aは、第4ステーション装置4におけるプレス加工を示す図である。図9Bは、第4ステーション装置4の加工で得られるヘアピンコンダクタWgを示す平面図である。図9Cは、第4ステーション装置4の加工における曲げ線材Wfの腕部Wm1の変形を示す図であり、図9Aに示されたC部に対応する図である。図9Dは、腕部Wm1の変形に対応する動作を示す図である。図9Eは、第4ステーション装置4の側面図である。図9Fは、第4ステーション装置4の金型テーブルを示す上面図である。
【0052】
図9Eに示されるように第4ステーション装置4は、金型テーブル43,プレス駆動部44,及びXYZ軸駆動部45(図13参照)を備えている。
図9Fに示されるように、金型テーブル43は上面が水平となる姿勢で配置され、鉛直に延びるテーブル回動軸線CL4Pを中心に回動可能となっている(矢印DR11a参照)。
金型テーブル43には、下型41及び上型42の組である複数の金型の組4Pが着脱自在に取り付けられている。この例では、金型の組4Pは8組の金型の組4Pa~4Phとされ、金型テーブル43の上面に、テーブル回動軸線CL4Pまわりに45°ピッチで装着可能となっている。
複数の金型の組4Pのうち、所望の一つの金型の組4P(図9Fにおいて金型の組4Pa)の曲げ線材Wfのプレス加工位置への割り出しは、金型テーブル43を手動で回動させて行う。
プレス加工位置において金型の組4Pの位置は、ロック及びロック解除可能となっている。
図9Fにおいて、8個の金型の組4Pのうちのプレス加工位置にセットされた金型の組4Paの上型42は、プレス駆動部44によって昇降して上型42と下型41との間にセットされた曲げ線材Wfに対し3次元プレス加工が施される。
これにより、ヘアピンコンダクタの製造装置91は、3次元形状が異なる複数種類のヘアピンコンダクタそれぞれの3次元形状に対応した金型の組を、あらかじめ金型テーブル43に装着しておき、金型テーブル43を回動させることで容易に任意の金型の組4Pを選択してプレス加工に用いることができる。
そのため、異なる3次元形状の複数種類のヘアピンコンダクタを、一つのインデックス部7、すなわち一つのヘアピンコンダクタの製造装置91で容易に製造可能である。
これにより、ヘアピンコンダクタの製造装置91は、ヘアピンコンダクタの生産性が高い。
【0053】
図9Eに示されるように、複数の金型の組4Pが装着された金型テーブル43及びプレス駆動部44は、XYZ軸駆動部45によってXYZ軸の各軸の方向に移動可能となっている。
上型42は、プレス駆動部44によって下型41に対し昇降し(矢印DR10a参照)、下降したときに下型41の上面41a(図9A参照)との間にセットされた曲げ線材Wfの連結部Wm3に対し3次元プレス加工を施す。
【0054】
図9Eに示されるように、第4ステーション装置4は、X軸方向において、金型テーブル43とグリッパ721との間に配置された補助クランプ部46を備えている。
補助クランプ部46は、Z軸駆動部461の動作によって昇降し、Y軸方向に互いに接近及び離隔する一対のクランパ463によって腕部Wm1を緩やかに把持する。腕部Wm1に対する一対のクランパ463の把持動作及び解放動作は、クランプ動作部462によって行われる。
【0055】
制御部93の同期部932は、第3ステーション装置3に曲げ線材Weを移動させてから時間T1~時間T3の内の最も長い時間が経過したら、インデックステーブル71を図3の時計回りに60°回動させる。
曲げ線材Wfが第4ステーション位置に移動すると、XYZ軸駆動部45の動作により、金型テーブル43が所定位置に移動する。また、金型テーブル43に装着された複数の金型の組4Pのうち、あらかじめ選択された金型の組4Paがプレス加工位置にセットされる。この状態で、図9Aに示されるように、下型41の上面41aのプレス面は、下方に抉れた所定の曲面になっているので、二点鎖線で示された曲げ線材Wfは、下型41の上面41aに腕部Wm1及び腕部Wm2の外側の下縁部が当接して水平姿勢で載置される。
【0056】
上型42が下降してプレス加工を実行する前に、補助クランプ部46のクランパ463が緩く腕部Wm1を保持し、グリッパ721は腕部Wm1の把持を解除する。
下型41の上面41aは、下方に抉れた面とされている。そのため、上型42が下降してプレス加工が実行されると、一対の腕部wm1,Wm2は、図9Cにも示されるように、Y軸方向で互いに接近しつつ下方に移動して位置が少し下がると共に、外縁が高くなるように角度θaだけ傾いた腕部Wg1,Wg2となる。
そのため、グリッパ721は、プレス加工による曲げ線材Wfの塑性変形で生じる腕部Wg1の傾きに追従するよう、クランプ軸線CL4まわりの同じ方向に角度θaだけ傾けられる。
【0057】
プレス制御部936は、プレス加工の実行後に、上述のように腕部Wm1が傾いて内下方にずれた腕部Wg1の中心位置CL4gを、プレス加工前の曲げ線材Wfの中心位置CL4mに一致させるように、XYZ軸駆動部45を動作させて金型テーブル43を3次元移動させる。これにより、図9Dに示されるように、腕部Wg1は、角度θaだけ傾いた状態で中心位置CL4gがクランプ軸線CL4上に位置するようになる。
【0058】
次いで、補助クランプ部46は腕部Wg1の把持を解除すると共に、グリッパ721の把持面をクランプ軸線CL4回りに角度θaだけ回動させて腕部Wg1を把持する。これにより、ヘアピンコンダクタWgは、第5ステーション位置に移動可能となる。
曲げ線材Wfが第4ステーション位置に移動してからヘアピンコンダクタWgとして第5ステーション位置に移動可能となるまでの時間をT4とする。
【0059】
第4ステーション装置4による3次元プレス加工によって、曲げ線材Wfは、図9Bに示されるヘアピンコンダクタWgとされる。
ヘアピンコンダクタWgは、X軸方向に延びる腕部Wg1,Wg2と腕部Wg1,Wg2の一方の端部同士を連結する連結部Wg3とを有する門型形状を呈する。
【0060】
制御部93の同期部932は、第4ステーション装置4に曲げ線材Wfを移動させてから時間T1~時間T4の内の最も長い時間が経過したら、インデックステーブル71を図3の時計回りに60°回動させる。ヘアピンコンダクタWgは第5ステーション位置に移動する。
【0061】
第5ステーション装置5は、図10に示されるように、補正部51を有する。補正部51は、XZ駆動部52によってX軸方向及びZ軸方向に移動する。また、補正部51は、Y軸方向に離接移動して腕部Wg2を把持可能な接触子511,512を有する。これにより、通常時にヘアピンコンダクタWgの下方の退避位置にある補正部51は、制御部93の計測判定部933がヘアピンコンダクタWgに補正加工が必要と判定した場合に上昇し、接触子511,512の動作によって腕部Wg2をY軸方向に更に折り曲げ変形させる。この一連の動作は、計測判定部933による補正加工が必要との判定に基づいて補正動作部937が制御する。
【0062】
第5ステーション位置での補正動作を具体的に説明する。
ヘアピンコンダクタWgが第5ステーション位置に移動すると、カメラ712は、ヘアピンコンダクタWgを平面視で撮影し、撮影された画像を制御部93に送出する。制御部93の計測判定部933は、その画像に基づいてヘアピンコンダクタWgの一対の腕部Wg1,Wg2の姿勢状態を検出し合否判定する。
詳しくは、一対の腕部Wg1,Wg2の先端から所定距離だけ連結部Wg3側に寄った位置における内法Daを画像から測定し、この内法DaとヘアピンコンダクタWgの仕様で規定される寸法の許容範囲とを比較し、許容範囲内の場合に合格とする合否判定をする。
【0063】
計測判定部933が内法Daは許容範囲内にあり合格と判定したら、グリッパ721は把持を開放してヘアピンコンダクタWgを排出部92の良品受けに排出する。
計測判定部933が、内法Daは許容範囲未満又は許容範囲超えであると判定したら、補正動作部937は、補正加工を実行する。
補正加工は、図10に示されるように、グリッパ721によって腕部Wg1が把持されたヘアピンコンダクタWgの腕部Wg2を、接触子511,512によってY軸方向に強制的に移動変形させて行う。
【0064】
ヘアピンコンダクタWgに補正加工を施したものをヘアピンコンダクタWhとする。カメラ712は、ヘアピンコンダクタWhの平面視画像を撮像し、計測判定部933は得られた平面視画像に基づいてヘアピンコンダクタWhの合否判定を行う。
ヘアピンコンダクタWhは、計測判定部933により合格と判定されたら排出部92の良品受けに排出され、内法Daが許容範囲外として不合格と判定されたら排出部92の不良受けに排出される。
第5ステーション装置5の補正加工動作の時間T5は、時間T1~時間T4のうちの最も長い時間を越えないように設定される。
【0065】
以上詳述のように、ヘアピンコンダクタの製造装置である線材加工装置91は、切断線材に対する2次元曲げ加工工程が複数の工程に分割され、分割された複数の2次元曲げ加工工程と3次元プレス加工工程とが、円周上に等しい角度ピッチθpで配置した複数(n箇所:nは3以上の正の整数)のステーション位置に割り当てられている。
そして、各ステーション位置に、それぞれの加工を行うステーション装置が配置され、被加工材として前処理装置群80において切断された所定長さの平角線材を把持するグリッパ群72を所定の角度ピッチθpで備えたインデックステーブル71を、グリッパ群72が各ステーション位置に対応して停止するよう角度ピッチθpで間欠回動させる。
インデックステーブル71の間欠回動における停止期間内に、n箇所の内の1箇所のステーション位置で所定長さの切断線材が把持されると共に(n-1)箇所のステーション位置で(n-1)個の被加工材に対して同時に加工などの処理が行われる。
そのため、線材加工装置91は、各曲げ加工とプレス加工とを、異なる被加工材に対し同じタイミングで実行できるので、生産性が向上する。
【0066】
2次元曲げ加工工程の分割数は、分割した各工程の加工に要する時間T1~T3及び3次元プレス加工に要する時間T4のうちの最長の時間と最短の時間との差ができるだけ小さくなるように設定する。
また、3次元プレス加工に要する時間が顕著に長い、などの場合は、3次元プレス加工の工程を分割してもよい。また、2次元曲げ加工に要する時間が顕著に短い、などの場合は、複数の曲げ加工の工程を1つのステーションに纏めてもよい。
【0067】
上述のように、本発明のヘアピンコンダクタの製造装置の一態様は、鉛直に延びる回動軸線CL7まわりに間欠回動するインデックステーブル71と、前記インデックステーブル71に前記回動軸線CL7を中心とする所定の角度ピッチθpで取り付けられて、所定長さの直線状の切断線材Wcを放射状に延びる水平姿勢で把持可能な複数のグリッパ721~726と、前記インデックステーブル71のまわりに前記回動軸線CL7を中心とする前記角度ピッチθpで設置され、前記グリッパ721で把持された前記切断線材Wcを3次元形状のヘアピンコンダクタWgに段階的に加工する複数のステーション装置1~5と、を備え、前記複数のステーション装置1~5は、前記インデックステーブル71の回動方向に沿う設置順で、曲げ加工装置1~3とプレス装置4とを含んで構成され、前記プレス装置4は、上型42と下型41とからなる複数の金型の組4Pを周方向に並べて着脱可能とされて回動する金型テーブル43を有し、金型テーブル43を回動させて前記複数の金型の組4Pのうちの一つをプレス加工位置に選択的にセットするよう構成されているヘアピンコンダクタの製造装置91である。
【0068】
これにより、ヘアピンコンダクタの製造装置91の一態様は、プレス装置が複数の異なる金型の組を搭載してそのうちの一つを選択的にプレス加工に用いることができる。そのため、一つのヘアピンコンダクタの製造装置91は、一つの装置で3次元形状の異なる複数種類のヘアピンコンダクタを製造することができ、高い生産性が得られる。
【0069】
一方、本発明のヘアピンコンダクタの製造方法の一態様は、間欠回動するインデックステーブル71の周囲に所定の角度ピッチθpで切断線材Wcを3次元形状のヘアピンコンダクタWgに段階的に加工する曲げ加工装置1~3及びプレス装置4を前記インデックステーブル71の回動方向に沿ってこの順に配置しておき、前記インデックステーブル71に前記角度ピッチθpで取り付けられた複数のグリッパ721~726で所定長さの直線状の切断線材Wcを放射状に延びる水平姿勢で把持し、前記インデックステーブル71の間欠回動における停止期間中に、前記グリッパ721で把持した前記切断線材Wcを前記曲げ加工装置1~3で2次元曲げ加工し、次の停止期間中に、前記曲げ加工した前記切断線材Wcを前記プレス装置4で3次元形状の前記ヘアピンコンダクタWgに成形し、前記プレス装置4に、上型42と下型41とからなる複数の金型の組4Pを周方向に並べて着脱可能で回動する金型テーブル43を設け、前記金型テーブル43を回動させてプレス加工位置に前記複数の金型の組4Pのうちの一つを選択的にセットして、前記3次元形状の前記ヘアピンコンダクタWgを成形するヘアピンコンダクタの製造方法である。
【0070】
これにより、ヘアピンコンダクタの製造方法の一態様は、プレス装置4が複数の異なる金型の組4Pを搭載してそのうちの一つを選択的にプレス加工に用いることができる。そのため、ヘアピンコンダクタの製造方法の一態様は、一つの装置で3次元形状の異なる複数種類のヘアピンコンダクタを製造することができ、高い生産性が得られる。
【0071】
本発明の実施例は、上述した構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 第1ステーション装置
1M 加工部
11 X軸アーム
12 Y軸アーム
13 ベース部
14 サポータ
15 二軸回動部
151 内側回動部
151a 内側ピン
152 外側回動部
152a 外側ピン
1S 計測部
1S1 支持アーム
1S2 センサ
2 第2ステーション装置
3 第3ステーション装置
4 第4ステーション装置
4P,4Pa~4Ph 金型の組
41 下型
41a 上面
42 上型
43 金型テーブル
44 プレス駆動部
45 XYZ軸駆動部
46 補助クランプ部
461 Z軸駆動部
462 クランプ動作部
463 クランパ
5 第5ステーション装置
51 補正部
511,512 接触子
52 XZ駆動部
7 インデックス部
71 インデックステーブル
71a 突出部
711 支柱
712 カメラ
72 グリッパ群
721~726 グリッパ
72a,72b グリップジョー
721D~726D グリッパ駆動部
73 ベース部
730 インデックス軸モータ
731 シャフト
732 スリップリング
733 スリップリング軸モータ
80 前処理装置群
81 アンコイラ
82 線材直線矯正機(ストレートナ―)
83 剥離装置
84 送り切断装置
91 線材加工装置(ヘアピンコンダクタの製造装置)
92 排出部
93 制御部
931 CPU(中央処理装置)
932 同期部
933 計測判定部
934 記憶部
935 曲げ制御部
936 プレス制御部
937 補正動作部
AR1 範囲
BP1,BP2,BP3 屈曲部
CL1~CL6 クランプ軸線
CL4g,CL4m 中心位置
CL4P テーブル回動軸線
CL7 回動軸線
Da 内法
FL 床
MX X軸駆動部
MY Y軸駆動部
MZ Z軸駆動部
M14 サポータ駆動部
M151 内輪駆動部
M152 外輪駆動部
SF 水平面
ST 製造システム
T1~T5 時間
Wa 平角線材
Wb 部分剥離線材
Wb1 芯線露出部
Wb2 被覆
Wc 切断線材
Wc1 湾曲部
Wd,We,Wf 曲げ線材
Wg,Wh ヘアピンコンダクタ
Wm1,Wm2,Wg1,Wg2 腕部
Wm3,Wg3 連結部
θa 角度
θp 角度ピッチ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
グリッパ721~726は、一対のグリップジョー72a,72bを有する(図5参照)。一対のグリップジョー72a,72bは、グリッパ721~726それぞれに備えられたグリッパ駆動部721D~726Dによって互いに離れた位置から接するよう動作し、切断線材Wcを把持可能となっている。また、一対のグリップジョー72a,72bは、クランプ軸線CL1まわりに回動するようになっている(矢印DR01参照)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
供給位置では、切断線材Wcが、インデックス部7に向け、前処理装置群80から送り出されてくるので、この切断線材Wcをグリッパ726が把持する。
制御部93は、予め設定された所定の時間間隔及び停止時間で、インデックステーブル71を間欠回動させる(図3の時計回り方向:矢印DR参照)。
間欠回動の停止時間内で、グリッパ721~725それぞれが把持した被加工材に対し第1~第5ステーション装置1~5によって加工などが行われる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
図11に示されるように、制御部93は、CPU(中央処理装置)931,同期部932,計測判定部933,記憶部934,曲げ制御部935,プレス制御部936,及び補正動作部937を有する。
同期部932は、前処理装置群80の動作と線材加工装置91の動作との同期,及び線材加工装置91におけるインデックステーブル71の間欠動作と第1~第5ステーション装置1~5との加工動作との同期をとる。
計測判定部933は、カメラ712からの画像に基づいて、第5ステーション位置における補正加工の実行有無を判定する。また、センサ1S2からの検出信号に基づいて第1~第3ステーション装置1~3における曲げ動作の停止指示を出す。
記憶部934は、被加工材から加工するヘアピンコンダクタの形状,及びヘアピンコンダクタにおける良品と判定する寸法範囲などを記憶する。
曲げ制御部935は、第1~第3ステーション装置1~3の2次元曲げ加工動作を制御する。
プレス制御部936は、第4ステーション装置4の3次元曲げ加工動作を制御する。
補正動作部937は、第5ステーション装置5の補正部51の補正動作を制御する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
図5に示されるように、サポータ14及び二軸回動部15は、ベース部13の上部に配置されている。
サポータ14は、サポータ駆動部M14の動作によって、グリッパ721によって把持されたクランプ軸線CL1上に延びる切断線材Wcを、その幅方向(Y軸方向)に挟んで保持できるようになっている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
二軸回動部15は、同芯で独立して回動する、内側回動部151と内側回動部151よりも大径の外側回動部152とを有する。
内側回動部151は、上方に突出し、上方視で180°ずれた位置にある一対の内側ピン151aを有する。内側回動部151は、内輪駆動部M151の動作によって任意の回動角度及び回動方向で回動する。
一対の内側ピン151aの内法距離は、切断線材Wcの幅よりも大きい。
外側回動部152は、上方に突出する外側ピン152aを有する。外側回動部152は、外輪駆動部M152の動作によって任意の回動角度及び回動方向で回動する。
ベース部13は、Z軸駆動部MZの動作によって昇降する(矢印DR参照)。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
計測部1Sは、クランプ軸線CL1を含む水平面SFよりも上方に配置されている。具体的には、計測部1Sは、インデックス部7の支柱711に一端部が支持されて径方向に延在する支持アーム1S1と、支持アーム1S1の他端となる先端に取り付けられたセンサ1S2とを含んで構成されている。センサ1S2は、例えば光によって対象物の有無を検出する光電センサである。
センサ1S2は、支持アーム1S1に備えられたXYZ駆動部1S3によってX,Y,Zの各軸方向に独立して移動可能となっている(矢印DR4~矢印DR6参照)。センサ1S2は、水平面SF上の直下の位置における切断線材の有無を検出する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
図12に示されるように、X軸駆動部MX,Y軸駆動部MY,Z軸駆動部MZ,サポータ駆動部M14,内輪駆動部M151,外輪駆動部M152,及び計測部1SのXYZ駆動部1S3の動作は、制御部93の曲げ制御部935によって制御される。
また、センサ1S2は、切断線材を検出したら、検出情報を制御部93に向け出力する。制御部93の計測判定部933は、センサ1S2からの検出情報を把握したら、外輪駆動部M152を停止する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
図6Aに示される第1段階において、サポータ14及び二軸回動部15がZ軸の下方に退避した状態で、インデックステーブル71が回動して切断線材Wcは第ステーション位置に移動する。二軸回動部15の一対の内側ピン151aは、Y軸方向に対向する位置にあり、外側ピン152aは、切断線材Wcよりも図6Aの上方側の位置にある。
次いで、サポータ14及び二軸回動部15は、切断線材Wcの先端に近い所定位置に移動して上昇する。これにより、切断線材Wcは、一対の内側ピン151aの間に位置する。サポータ14は、二軸回動部15に対しインデックステーブル71側にあって切断線材Wcを保持する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
湾曲部Wc1が所定の位置まで曲げられると、上方に配置されているセンサ1S2によって検出される。センサ1S2は、湾曲部Wc1を検出すると検出信号を制御部93に向け送出する。制御部93の計測判定部933は、この検出信号を受け外輪駆動部M152を停止させる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
このように曲げ線材Weは、第3ステーション装置3によって図8Bに示される曲げ線材Wfとされる。図8Bは、第3ステーション装置3の加工後の曲げ線材Wfを示す平面図である。
曲げ線材Wfは、平行な腕部Wm1及び腕部m2と、それぞれの一端部にある屈曲部BP1及び屈曲部BPを連結する連結部Wm3とを有する門型を呈する。
曲げ制御部935は、外輪駆動部M152を停止させたら、二軸回動部15を下方に退避させる。これにより、曲げ線材Wfは第4ステーション位置に移動可能となる。
曲げ線材Weが第3ステーション位置に移動してから曲げ線材Wfとして第4ステーション位置に移動可能になるまでの時間をT3とする。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
上型42が下降してプレス加工を実行する前に、補助クランプ部46のクランパ463が緩く腕部Wm1を保持し、グリッパ721は腕部Wm1の把持を解除する。
下型41の上面41aは、下方に抉れた面とされている。そのため、上型42が下降してプレス加工が実行されると、一対の腕部m1,Wm2は、図9Cにも示されるように、Y軸方向で互いに接近しつつ下方に移動して位置が少し下がると共に、外縁が高くなるように角度θaだけ傾いた腕部Wg1,Wg2となる。
そのため、グリッパ721は、プレス加工による曲げ線材Wfの塑性変形で生じる腕部Wg1の傾きに追従するよう、クランプ軸線CL4まわりの同じ方向に角度θaだけ傾けられる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
プレス制御部936は、プレス加工の実行後に、上述のように腕部Wm1が傾いて内下方にずれた腕部Wg1の中心位置CL4gを、プレス加工前の曲げ線材Wfの中心位置CL4mに一致させるように、XYZ軸駆動部45を動作させて金型テーブル43を3次元移動させる。これにより、図9Dに示されるように、腕部Wg1は、角度θaだけ傾いた状態で中心位置CL4gがクランプ軸線CL4上に位置するようになる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6B
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6B
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8A
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9A