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  • 特開-撮像装置システム 図1
  • 特開-撮像装置システム 図2
  • 特開-撮像装置システム 図3
  • 特開-撮像装置システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179231
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】撮像装置システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20231212BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20231212BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20231212BHJP
【FI】
H04N5/232 930
G02B7/02 E
G03B17/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092416
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 賢大朗
【テーマコード(参考)】
2H044
2H102
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AE02
2H102AA03
2H102AA31
2H102AA41
2H102AA71
2H102CA06
5C122EA47
5C122FK08
5C122FK37
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】 撮影者の視線に応じて、操作リングの目盛情報を表示する表示部部材を有する撮影装置システムを提供する。
【解決手段】 手動操作する手動操作部材と手動操作部材の操作量に応じて駆動する可動レンズ群を有するレンズと、該レンズを通して撮影した映像を表示する頭部装着型表示装置であり、該頭部装着型表示装置は左右に表示内容を分割して表示する表示部と該頭部装着型表示装置を装着した撮影者の視線の方向を撮影するカメラ部を有し、該手動操作部材には目盛マーカーを有し、該表示部に該目盛マーカーに近傍した位置に該レンズの撮影情報を表示することを特徴とする。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動操作する手動操作部材と手動操作部材の操作量に応じて駆動する可動レンズ群を有するレンズと、該レンズを通して撮影した映像を表示する頭部装着型表示装置であり、
該頭部装着型表示装置は左右に表示内容を分割して表示する表示部と該頭部装着型表示装置を装着した撮影者の視線の方向を撮影するカメラ部を有し、該手動操作部材には目盛マーカーを有し、該表示部に該目盛マーカーに近傍した位置に該レンズの撮影情報を表示することを特徴とする撮影装置システム。
【請求項2】
前記表示部に表示する前記レンズの撮影情報の表示内容を選択する表示選択部を有することを特徴とする請求項1記載の撮影装置システム。
【請求項3】
前記レンズの撮影情報は、該レンズのフォーカス位置、ズーム位置、アイリス位置であることを特徴とする請求項1又は2記載の撮影装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮影装置システムに関し、特に各種撮影情報の表示に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、頭部装着型の表示装置に撮影の情報表示をするため、例えば特許文献1にあるように左右の視野に入る一方の表示部に情報を表示するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-42154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例においては、撮影機材の情報を表示部に表示するにはカメラ側への操作が必要であった。そのため、撮影自体の操作で両手が使用できないような場合、瞬時に撮影機材の必要な箇所についての状態を表示することは困難である。
【0005】
そこで、本発明の目的は、頭部に装着し、撮影者の視線に応じて必要な撮影機材の状態を表示する表示装置を有する撮影装置システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、手動操作する手動操作部材と手動操作部材の操作量に応じて駆動する可動レンズ群を有するレンズと、該レンズを通して撮影した映像を表示する頭部装着型表示装置であり、該頭部装着型表示装置は左右に表示内容を分割して表示する表示部と該頭部装着型表示装置を装着した撮影者の視線の方向を撮影するカメラ部を有し、該手動操作部材には目盛マーカーを有し、該表示部に該目盛マーカーに近傍した位置に該レンズの撮影情報を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮影者の視線に応じて必要な撮影機材の状態を表示する表示部を有することで、撮影中に瞬時に撮影機材の必要な箇所についての状態を表示する撮影装置システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例における撮影装置システムを示す図である。
図2】本発明の実施例におけるヘッドマウントディスプレイ上の表示内容を示す図である。
図3】本発明の実施例におけるブロック図である。
図4】本発明の実施例におけるレンズ情報表示処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【実施例0010】
図1から図4を参照しながら、本実施例のレンズ装置について説明する。
【0011】
図1は、本実施例における撮影装置システムを示している。図2は、図1におけるヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)1の表示部2a、2bの表示内容を示したものである。また、図3は本実施例におけるブロック図を、図4はレンズ情報表示処理を示したフローチャートである。レンズ30は、撮影用のレンズであり、内部に不図示のレンズ群を有している。レンズ30のレンズ群は、フォーカス部、ズーム部、アイリス部を有し、レンズ30の外径側に、フォーカス、ズーム、アイリスをそれぞれ回転操作するためのフォーカスリング31、ズームリング32、アイリスリング33を備えている。
【0012】
フォーカス部は、フォーカスリング31の回転に機械的に連動して回転するカム部材に応じて、レンズ群の光軸方向に前後する光学ユニットである。ズーム部は、ズームリング32の回転に機械的に連動して回転するカム部材に応じて、レンズ群の光軸方向に前後する光学ユニットである。アイリス部は、アイリスリング33の回転に機械的に連動して回転する絞り羽根ユニットである。なお、それぞれのカム部材は、回転運動を直線運動に変換するネジ送りの機構であっても良い。
【0013】
また、上述した3つの操作環は、レンズ群と機械的な接続をする必要はなく、その回転角に応じてそれぞれの駆動を電気的に制御する電子リング方式でも良い。レンズ30にはフォーカスリング31、ズームリング32、アイリスリング33の操作量に応じた回転角度を検出するための位置検出部36をそれぞれのリングに対して有している。位置検出部36はリングの回転位置を直接検出する円弧上の電気抵抗式の検出部や、リングの回転動作をカムによって直線動作に変換しその移動距離を検出する直線式の電気抵抗式の検出部である。
【0014】
また、検出方式については電気抵抗式のほかに、光学式のエンコーダを用いてもよい。フォーカスリング31、ズームリング32、アイリスリング33には、それぞれの円周上に間隔をとった位置に目盛マーカー41a、41b、41c、41dが複数印字されている。また、それぞれの目盛マーカーに対応した固定リング34a、34b、34c、34dの円周上には指標マーカー40a、40b、40c、40dが印字されている。レンズ30は、カメラ20と一体的もしくは不図示のマウント部を介して着脱可能な状態で接続している。
【0015】
カメラ20にはCCDやCMOS等の撮像センサーを含んだ撮影部22があり、レンズ30を通して結像した映像を撮影する。HMD1はカメラ20と有線式もしくは無線式で電気的に接続し、カメラ20から撮影した映像を表示する表示部2a、2bを有する。表示部2a、2bは透過型液晶方式などの透過型のディスプレイであり背景に重畳して画面上に情報を表示できる。また、表示部2a、2bのそれぞれの外縁部には、撮影者50の視線と同じ方向に向けて撮影する撮影部3a、3bを備えている。
【0016】
次に、撮影者50が、レンズ30のフォーカス、ズーム、アイリスといった撮影の情報を撮影中に得るためのフローについて説明する。図2は撮影者50がフォーカスの情報を知るためにフォーカスリング31の方向に視線を向けた状態を示している。HMD1の右目側の表示部2bはカメラ20で撮影した映像を表示している。一方の表示部2aは、レンズ30の表面が表示部2aを透過して見える状態である。
【0017】
図4を用いて、フォーカスの撮影情報をHMD1上に表示する具体的なフローについて説明する。レンズ情報表示処理S100が開始されると、レンズ30の制御部35は位置検出部36からフォーカスリング31の回転位置を取得する処理を実行する(S101)。S102では、得られたフォーカスリング31の回転位置から制御部35にてフォーカス距離情報を算出する。次にS103において、フォーカス距離情報と制御部36に記憶している目盛マーカー41aとフォーカス距離情報を比較して最も近い目盛マーカー41aに割り振る距離情報を算出する。S104では、HMD1の制御部4において撮影部3aで取得した画像から指標マーカー40aと目盛マーカー41aの距離を算出する。S105にてS104で得られた情報をもと指標マーカー40aに最も近い目盛マーカー41a近傍にS103で得た距離情報を表示情報42として表示する。S106では、その他の目盛マーカー41aに対して、S105で表示した距離情報を基準に円周上の間隔に応じて、制御部35に記憶している距離情報を表示する。
【0018】
以上のように、撮影者50はレンズ30の知りたい情報に対して、対象とするリングに視線を向けることでHMD1上から情報を得ることができる。ここではフォーカス距離情報に対して説明をしたが、同様にズーム焦点距離情報、アイリスの光量情報についても同様にHMD1上に情報を表示することができる。なお、各リングに対してどの情報を表示するかの識別は指標マーカー40の形状や色を変える、もしくはHMD1上の撮影部3a、3bから得たレンズ30の形状情報から識別する。
【0019】
また、カメラ20にある表示切替え部23を操作することで、例えばフォーカス距離についてはフィートやメートルの単位を選択する、指標マーカー41に近い目盛以外は小さくする、といった表示する内容、形などを切替えることが可能である。表示切替え部23は選択式の専用のダイヤルスイッチや、カメラ20の撮影パラメータを設定する設定部に備える切替え手段である。本実施例では、表示部2aへレンズ30の情報を表示したが、表示部2bへも同様にレンズ30の情報を表示しても良い。
【0020】
以上述べたように、本実施例によると、撮影者の視線に応じて、操作リングの目盛情報を表示する表示部部材を有する撮影装置システムを提供することができる。
【0021】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明のこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲で種々の変形および変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
撮影装置システムに適用できる。
【符号の説明】
【0023】
1 ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
2a、2b 表示部
3a、3b 撮影部
30 レンズ
31 フォーカスリング
32 ズームリング
33 アイリスリング
41a、41b、41c、41d 目盛マーカー
図1
図2
図3
図4