(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179236
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】映像記録システム、ナビ機能付携帯端末及び車両
(51)【国際特許分類】
G07C 5/00 20060101AFI20231212BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092429
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周 中智
【テーマコード(参考)】
3E138
5H181
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138MA01
3E138MB08
3E138MB09
3E138MB10
3E138MC17
3E138MD05
3E138ME04
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC11
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF22
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】思い出イベントの発生が予測できない場合でも思い出となる映像を確実に記録する。
【解決手段】車室内又は車外の映像を撮像する車載カメラ11と、車載カメラ11と接続され、位置情報を取得してナビゲーションを行う携帯端末20と、を備える映像記録システム100であって、携帯端末20は、第1記憶部41と、第2記憶部42と、マイクロホン23と、カメラ24と、備え、車室内の音又は画像に基づいて思い出イベントの発生を検出し、思い出イベントの発生を検出した際に、思い出イベントの発生を検出した時刻の所定時間の映像データと位置情報とを第1、第2記憶部41、42から読み出し、第3記憶部43に格納する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内又は車外のいずれか一方又は両方の映像を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置と接続され、位置情報を取得してナビゲーションを行う携帯端末と、を備える映像記録システムであって、
前記携帯端末は、前記撮像装置が撮像した映像データを格納する第1記憶部と、取得した位置情報を格納する第2記憶部と、マイクロホン又はカメラのいずれか一方又は両方と、を備え、
車室内の音又は画像に基づいて思い出イベントの発生を検出し、
前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記思い出イベントの発生を検出した時刻の前後の所定時間の映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記所定時間の位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて第3記憶部に格納すること、
を特徴とする映像記録システム。
【請求項2】
請求項1に記載の映像記録システムであって、
前記携帯端末は、前記マイクロホンを備え、前記マイクロホンで取得した音データから音声信号を抽出し、
抽出した前記音声信号に思い出を形成する会話音が含まれている場合には前記思い出イベントの発生を検出すること、
を特徴とする映像記録システム。
【請求項3】
請求項2に記載の映像記録システムであって、
前記携帯端末は、前記音声信号を格納する第4記憶部を含み、
前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記第4記憶部から前記思い出イベントの発生を検出した時刻より前の前記音声信号を読み出して、前記会話音が含まれる一連の会話の会話開始時刻を抽出し、
前記思い出イベントの発生を検出した時刻より後のデータ格納終了時刻を設定し、
前記会話開始時刻から前記データ格納終了時刻までの映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記会話開始時刻から前記データ格納終了時刻までの位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて前記第3記憶部に格納すること、
を特徴とする映像記録システム。
【請求項4】
請求項2に記載の映像記録システムであって、
前記携帯端末は、前記音声信号を格納する第4記憶部を含み、
前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記第4記憶部から前記思い出イベントの発生を検出した時刻より前の前記音声信号を読み出して、前記会話音が含まれる一連の会話の会話開始時刻を抽出し、
抽出した前記音声信号に基づいて一連の会話の終了する会話終了時刻を検出し、
前記会話開始時刻から前記会話終了時刻までの映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記会話開始時刻から前記会話終了時刻までの位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて前記第3記憶部に格納すること、
を特徴とする映像記録システム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の映像記録システムであって、
思い出を形成する前記会話音は、前記会話の中の笑い声であること、
を特徴とする映像記録システム。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の映像記録システムであって、
前記携帯端末は、前記撮像装置で取得した映像データから乗員の顔画像を抽出し、抽出した顔画像が笑顔の場合には前記思い出イベントの発生を検出すること、
を特徴とする映像記録システム。
【請求項7】
請求項5に記載の映像記録システムであって、
前記携帯端末は、前記撮像装置で取得した映像データから乗員の顔画像を抽出し、抽出した顔画像が笑顔の場合には前記思い出イベントの発生を検出すること、
を特徴とする映像記録システム。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか1項に記載の映像記録システムであって、
前記携帯端末は、前記カメラを備え、前記カメラで取得した画像中の乗員の顔画像を抽出し、抽出した顔画像が笑顔の場合には前記思い出イベントの発生を検出すること、
を特徴とする映像記録システム。
【請求項9】
請求項5に記載の映像記録システムであって
前記携帯端末は、前記カメラを備え、前記カメラで取得した画像中の乗員の顔画像を抽出し、抽出した顔画像が笑顔の場合には前記思い出イベントの発生を検出すること、
を特徴とする映像記録システム。
【請求項10】
車室内又は車外のいずれか一方又は両方の映像を撮像する撮像装置と接続され、位置情報を取得してナビゲーションを行うナビ機能付携帯端末であって、
前記撮像装置が撮像した映像データを格納する第1記憶部と、取得した位置情報を格納する第2記憶部と、マイクロホン又はカメラのいずれか一方又は両方と、を備え、
車室内の音又は画像に基づいて思い出イベントの発生を検出し、
前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記思い出イベントの発生を検出した時刻の前後の所定時間の映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記所定時間の位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて第3記憶部に格納すること、
を特徴とするナビ機能付携帯端末。
【請求項11】
請求項10に記載のナビ機能付携帯端末であって、
前記マイクロホンを備え、前記マイクロホンで取得した音データから音声信号を抽出し、
抽出した前記音声信号に思い出を形成する会話音が含まれている場合には前記思い出イベントの発生を検出すること、
を特徴とするナビ機能付携帯端末。
【請求項12】
請求項11に記載のナビ機能付携帯端末であって、
前記音声信号を格納する第4記憶部を含み、
前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記第4記憶部から前記思い出イベントの発生を検出した時刻より前の前記音声信号を読み出して、前記会話音が含まれる一連の会話の会話開始時刻を抽出し、
前記思い出イベントの発生を検出した時刻より後のデータ格納終了時刻を設定し、
前記会話開始時刻から前記データ格納終了時刻までの映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記会話開始時刻から前記データ格納終了時刻までの位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて前記第3記憶部に格納すること、
を特徴とするナビ機能付携帯端末。
【請求項13】
請求項11に記載のナビ機能付携帯端末であって、
前記音声信号を格納する第4記憶部を含み、
前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記第4記憶部から前記思い出イベントの発生を検出した時刻より前の前記音声信号を読み出して、前記会話音が含まれる一連の会話の会話開始時刻を抽出し、
抽出した前記音声信号に基づいて一連の会話の終了する会話終了時刻を検出し、
前記会話開始時刻から前記会話終了時刻までの映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記会話開始時刻から前記会話終了時刻までの位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて前記第3記憶部に格納すること、
を特徴とするナビ機能付携帯端末。
【請求項14】
車室内又は車外のいずれか一方又は両方の映像を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置と接続され、位置情報を取得してナビゲーションを行うナビゲーション装置と、を備える車両であって、
前記ナビゲーション装置は、前記撮像装置が撮像した映像データを格納する第1記憶部と、取得した位置情報を格納する第2記憶部と、マイクロホン又はカメラのいずれか一方又は両方と、を備え、
車室内の音又は画像に基づいて思い出イベントの発生を検出し、
前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記思い出イベントの発生を検出した時刻の前後の所定時間の映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記所定時間の位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて第3記憶部に格納すること、
を特徴とする車両。
【請求項15】
請求項14に記載の車両であって、
前記ナビゲーション装置は、前記マイクロホンを備え、前記マイクロホンで取得した音データから音声信号を抽出し、
抽出した前記音声信号に思い出を形成する会話音が含まれている場合には前記思い出イベントの発生を検出すること、
を特徴とする車両。
【請求項16】
請求項15に記載の車両であって、
前記ナビゲーション装置は、前記音声信号を格納する第4記憶部を含み、
前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記第4記憶部から前記思い出イベントの発生を検出した時刻より前の前記音声信号を読み出して、前記会話音が含まれる一連の会話の会話開始時刻を抽出し、
前記思い出イベントの発生を検出した時刻より後のデータ格納終了時刻を設定し、
前記会話開始時刻から前記データ格納終了時刻までの映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記会話開始時刻から前記データ格納終了時刻までの位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて前記第3記憶部に格納すること、
を特徴とする車両。
【請求項17】
請求項15に記載の車両であって、
前記ナビゲーション装置は、前記音声信号を格納する第4記憶部を含み、
前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記第4記憶部から前記思い出イベントの発生を検出した時刻より前の前記音声信号を読み出して、前記会話音が含まれる一連の会話の会話開始時刻を抽出し、
抽出した前記音声信号に基づいて一連の会話の終了する会話終了時刻を検出し、
前記会話開始時刻から前記会話終了時刻までの映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記会話開始時刻から前記会話終了時刻までの位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて前記第3記憶部に格納すること、
を特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、思い出イベントが発生した際の車室内又は車外の映像を記録するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像場所や、撮像した画像データの時間の前後関係が直感的に把握できるように、撮像した画像データを地図の上に並べて表示する方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、SNSの普及により、携帯端末で撮像した思い出となる写真や映像を記録に残すことが増えてきている。この際、携帯端末のユーザが自分で撮影を開始或いは終了し、その映像を記録することが多い。一方、思い出となるイベントの発生は予測できない場合が多い、このため、思い出となる映像を記録できない場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、思い出となるイベントの発生が予測できない場合でも思い出となる映像を確実に記録することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
車室内又は車外のいずれか一方又は両方の映像を撮像する撮像装置と、前記撮像装置と接続され、位置情報を取得してナビゲーションを行う携帯端末と、を備える映像記録システムであって、前記携帯端末は、前記撮像装置が撮像した映像データを格納する第1記憶部と、取得した位置情報を格納する第2記憶部と、マイクロホン又はカメラのいずれか一方又は両方と、を備え、車室内の音又は画像に基づいて思い出イベントの発生を検出し、前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記思い出イベントの発生を検出した時刻の前後の所定時間の映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記所定時間の位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて第3記憶部に格納すること、を特徴とする。
【0007】
このように、携帯端末が思い出イベントの発生を検出し、その前後における映像データと位置情報と時刻とを第3記憶部に格納するので、思い出となるイベントの発生が予測できない場合でも思い出となる映像を携帯端末に確実に記録することができる。
【0008】
本発明の映像記録システムにおいて、前記携帯端末は、前記マイクロホンを備え、前記マイクロホンで取得した音データから音声信号を抽出し、抽出した前記音声信号に思い出を形成する会話音が含まれている場合には前記思い出イベントの発生を検出してもよい。
【0009】
これにより、携帯端末によって思い出イベントの検出を行うことができる。
【0010】
本発明の映像記録システムにおいて、前記携帯端末は、前記音声信号を格納する第4記憶部を含み、前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記第4記憶部から前記思い出イベントの発生を検出した時刻より前の前記音声信号を読み出して、前記会話音が含まれる一連の会話の会話開始時刻を抽出し、前記思い出イベントの発生を検出した時刻より後のデータ格納終了時刻を設定し、前記会話開始時刻から前記データ格納終了時刻までの映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記会話開始時刻から前記データ格納終了時刻までの位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて前記第3記憶部に格納してもよい。
【0011】
本発明の映像記録システムにおいて、前記携帯端末は、前記音声信号を格納する第4記憶部を含み、前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記第4記憶部から前記思い出イベントの発生を検出した時刻より前の前記音声信号を読み出して、前記会話音が含まれる一連の会話の前記開始時刻を抽出し、抽出した前記音声信号に基づいて一連の会話の終了する会話終了時刻を検出し、前記会話開始時刻から前記会話終了時刻までの映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記会話開始時刻から前記会話終了時刻までの位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて前記第3記憶部に格納してもよい。
【0012】
これにより、音声に思い出を形成する会話音を含む一連の会話がされている際の映像と位置情報を記録することができるので、より思い出の深い記録を残すことができる。
【0013】
本発明の映像記録システムにおいて、思い出を形成する前記会話音は、前記会話の中の笑い声でもよい。
【0014】
これにより、楽しい思い出のシーンを記録することができる。
【0015】
本発明の映像記録システムにおいて、前記携帯端末は、前記撮像装置で取得した映像データから乗員の顔画像を抽出し、抽出した顔画像が笑顔の場合には前記思い出イベントの発生を検出してもよい。
【0016】
本発明の映像記録システムにおいて、前記携帯端末は、前記カメラを備え、前記カメラで取得した画像中の乗員の顔画像を抽出し、抽出した顔画像が笑顔の場合には前記思い出イベントの発生を検出してもよい。
【0017】
これにより、笑い顔の発生した際の映像データと位置情報を携帯端末に記録することができる。
【0018】
本発明のナビ機能付携帯端末は、車室内又は車外のいずれか一方又は両方の映像を撮像する撮像装置と接続され、位置情報を取得してナビゲーションを行うナビ機能付携帯端末であって、前記撮像装置が撮像した映像データを格納する第1記憶部と、取得した位置情報を格納する第2記憶部と、マイクロホン又はカメラのいずれか一方又は両方と、を備え、車室内の音又は画像に基づいて思い出イベントの発生を検出し、前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記思い出イベントの発生を検出した時刻の前後の所定時間の映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記所定時間の位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて第3記憶部に格納すること、を特徴とする。
【0019】
これにより、思い出となるイベントの発生が予測できない場合でも思い出となる映像を携帯端末に確実に記録することができる。
【0020】
本発明のナビ機能付携帯端末は、前記マイクロホンを備え、前記マイクロホンで取得した音データから音声信号を抽出し、抽出した前記音声信号に思い出を形成する会話音が含まれている場合には前記思い出イベントの発生を検出してもよい。
【0021】
本発明のナビ機能付携帯端末は、前記音声信号を格納する第4記憶部を含み、前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記第4記憶部から前記思い出イベントの発生を検出した時刻より前の前記音声信号を読み出して、前記会話音が含まれる一連の会話の会話開始時刻を抽出し、前記思い出イベントの発生を検出した時刻より後のデータ格納終了時刻を設定し、前記会話開始時刻から前記データ格納終了時刻までの映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記会話開始時刻から前記データ格納終了時刻までの位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて前記第3記憶部に格納してもよい。
【0022】
本発明のナビ機能付携帯端末は、前記音声信号を格納する第4記憶部を含み、前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記第4記憶部から前記思い出イベントの発生を検出した時刻より前の前記音声信号を読み出して、前記会話音が含まれる一連の会話の会話開始時刻を抽出し、抽出した前記音声信号に基づいて一連の会話の終了する会話終了時刻を検出し、前記会話開始時刻から前記会話終了時刻までの映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記会話開始時刻から前記会話終了時刻までの位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて前記第3記憶部に格納してもよい。
【0023】
これにより、音声に思い出を形成する会話音を含む一連の会話とその際の映像とを記録することができるので、より思い出の深い記録をナビ機能付携帯端末に格納することができる。
【0024】
本発明の車両は、車室内又は車外のいずれか一方又は両方の映像を撮像する撮像装置と、前記撮像装置と接続され、位置情報を取得してナビゲーションを行うナビゲーション装置と、を備える車両であって、前記ナビゲーション装置は、前記撮像装置が撮像した映像データを格納する第1記憶部と、取得した位置情報を格納する第2記憶部と、マイクロホン又はカメラのいずれか一方又は両方と、を備え、車室内の音又は画像に基づいて思い出イベントの発生を検出し、前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記思い出イベントの発生を検出した時刻の前後の所定時間の映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記所定時間の位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて第3記憶部に格納すること、を特徴とする。
【0025】
本発明の車両において、前記ナビゲーション装置は、前記マイクロホンを備え、前記マイクロホンで取得した音データから音声信号を抽出し、
抽出した前記音声信号に思い出を形成する会話音が含まれている場合には前記思い出イベントの発生を検出してもよい。
【0026】
本発明の車両において、前記ナビゲーション装置は、前記音声信号を格納する第4記憶部を含み、前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記第4記憶部から前記思い出イベントの発生を検出した時刻より前の前記音声信号を読み出して、前記会話音が含まれる一連の会話の会話開始時刻を抽出し、前記思い出イベントの発生を検出した時刻より後のデータ格納終了時刻を設定し、前記会話開始時刻から前記データ格納終了時刻までの映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記会話開始時刻から前記データ格納終了時刻までの位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて前記第3記憶部に格納してもよい。
【0027】
本発明の車両において、前記ナビゲーション装置は、前記音声信号を格納する第4記憶部を含み、前記思い出イベントの発生を検出した際に、前記第4記憶部から前記思い出イベントの発生を検出した時刻より前の前記音声信号を読み出して、前記会話音が含まれる一連の会話の会話開始時刻を抽出し、抽出した前記音声信号に基づいて一連の会話の終了する会話終了時刻を検出し、前記会話開始時刻から前記会話終了時刻までの映像データを前記第1記憶部から読み出すとともに、前記会話開始時刻から前記会話終了時刻までの位置情報を前記第2記憶部から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて前記第3記憶部に格納してもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、思い出となるイベントの発生が予測できない場合でも思い出となる映像を確実に記録できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】実施形態の映像記録システムの構成を示す系統図である。
【
図2】
図1に示す映像記録システムの機能ブロック図である。
【
図3】
図2に示す第1~第4記憶部のデータの格納時間を示す説明図である。
【
図4】
図2に示す音声認識部が認識した音声信号の変化を示すグラフである。
【
図5】
図2に示す顔認証部が認証した顔画像と顔画像の変化を示すグラフである。
【
図6】実施形態の映像記録システムの動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図6に示す動作の際の第1~第4記憶部のデータの格納時間と、音声信号抽出部が抽出した音声信号の時間変化を示すグラフとを示す説明図である。
【
図8】実施形態の映像記録システムの他の動作を示すフローチャートである。
【
図9】
図8に示す他の動作の際の第1~第4記憶部のデータの格納時間と、音声信号抽出部が抽出した音声信号の時間変化とを示す説明図である。
【
図10】
図8に示す他の動作の変形例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態の映像記録システムの他の動作を示すフローチャートである。
【
図12】
図11に示す他の動作の際の第1~第3記憶部のデータの格納時間と、顔認証部が認証した表情の時間変化とを示す説明図である。
【
図13】実施形態の映像記録システムの他の動作を示すフローチャートである。
【
図14】
図13に示す他の動作の際の第1~第3記憶部のデータの格納時間と、雨滴感知センサが検出した雨滴量の時間変化とを示す説明図である。
【
図15】他の実施形態の映像記録システムの構成を示す機能ブロック図である。
【
図16】実施形態の車両の構成を示す系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら実施形態の映像記録システム100について説明する。
図1に示すように、実施形態の映像記録システム100は、車両10に搭載された車載カメラ11と、車両インターフェース12と、車室ディスプレイ13と、スマートウィンドウ14と、雨滴感知センサ15と、ハンドルスイッチ16と、助手席スイッチ17と、車両10の車室内にユーザが持ち込んだ携帯端末20と、で構成されている。
【0031】
車載カメラ11は、車両前方の車室の天井に取り付けられ、車両前方に向いた前方カメラと車両後方に向いた後方カメラとが内蔵されている撮像装置である。前方カメラは、フロントウィンドウガラスを通して車両前方の車外の映像を撮像し、後方カメラは車室内、及びリアウィンドウガラスを通して車両後方の車外の映像を撮像する。車載カメラ11は、前方カメラ或いは後方カメラによって撮像した映像データを出力する。映像データには撮像した時刻が含まれている。
【0032】
尚、車載カメラ11は、車室内又は車外のいずれか一方又は両方の映像を撮像できれば、前方、後方のいずれか一方のカメラを内蔵したものでもよい。また、魚眼レンズ等を備えて車外と車室内とを同時な撮像できる1つのカメラを内蔵したものでもよい。
【0033】
車室ディスプレイ13は、車室前方に取り付けられて映像、文字などを表示する表示装置である。
【0034】
スマートウィンドウ14は、車両10のフロントウィンドウガラスに取り付けられ、フロントウィンドウガラスの領域に映像を表示する表示装置である。尚、映像の表示を行わない場合には、スマートウィンドウ14は透明なガラスとして機能する。
【0035】
雨滴感知センサ15は、車両10の前方のダッシュボードの上に取り付けられて、雨滴の検知を行うセンサである。雨滴感知センサ15は、雨滴の検知と共に、雨滴量の検出を行い、検出した雨滴量を出力する。
【0036】
ハンドルスイッチ16は、ハンドルの近傍に設けられて運転者が操作するスイッチであり、助手席スイッチ17は、助手席の近傍に設けられて助手席の搭乗者が操作するスイッチである。ハンドルスイッチ16、助手席スイッチ17は、後で説明する思い出シーンデータの生成開始信号、或いは、生成終了信号を出力する。
【0037】
携帯端末20は、例えば、スマートホンやタッチパッド式の通信端末である。携帯端末20は、内部に情報処理を行うプロセッサであるCPU21と、プログラムやデータを格納するメモリ22とを備えるコンピュータである。携帯端末20は、音データを取得するマイクロホン23と、画像を取得するカメラ24が内蔵されている。携帯端末20は、GPS衛星61からの電波を受信して位置情報を取得可能であるとともに、外部の通信回線60を介してクラウド62のサーバに接続可能である。
【0038】
車両インターフェース12は車両10の内部ネットワークであり、車両10に搭載されている車載カメラ11、車室ディスプレイ13、スマートウィンドウ14、雨滴感知センサ15、ハンドルスイッチ16、助手席スイッチ17がそれぞれ接続されている。また、携帯端末20は、例えば、無線通信回線により車両インターフェース12に接続されており、車両インターフェース12を介して車両10に搭載されている車載カメラ11、車室ディスプレイ13、スマートウィンドウ14、雨滴感知センサ15、ハンドルスイッチ16、助手席スイッチ17と接続され、これらの機器との間でデータの授受を行うことができる。
【0039】
次に、
図2を参照しながら携帯端末20の構成について説明する。
図2に示すように、携帯端末20は、映像データ取得部31と、位置情報取得部32と、音声信号抽出部33と、顔画像抽出部34と、思い出イベント発生検出部35と、思い出シーンデータ生成部36と、表示データ生成部37と、ナビゲーション部38と、第1~第4記憶部41~44と、地図情報格納部45の機能ブロックを備えている。
【0040】
映像データ取得部31は、車両インターフェース12を介して接続された車載カメラ11から時刻データを含む映像データを取得して第1記憶部41に上書き保存していく。第1記憶部41は、車載カメラ11から取得した数時間、あるいは1日程度の映像データを格納可能な容量を有している。
図3に示すように、映像データ取得部31は、車載カメラ11から取得した数時間、あるいは1日程度の映像データを順次更新しながら第1記憶部41に格納する。例えば、映像データ取得部31が1日分の映像データを第1記憶部41に格納する場合、第1記憶部41には現時点から1日前までの映像データが格納され、それ以前のデータは順次消去されていく。数日、一週間分のデータを第1記憶部41に格納する場合も同様である。
【0041】
位置情報取得部32は、
図1に示すGPS衛星61からの位置情報信号を受信し、時刻を含む位置情報として第2記憶部42に上書き保存していく。第2記憶部42は、第1記憶部41と同様、数時間、あるいは1日程度の位置情報を格納可能な容量を有している。位置情報取得部32は、映像データ取得部31と同様、
図3に示すように、数時間、あるいは1日程度の位置情報を順次更新しながら第2記憶部42に格納する。
【0042】
音声信号抽出部33は、マイクロホン23から入力された音データを解析し、
図4に示すような音声信号を抽出して思い出イベント発生検出部35に出力する。また、音声信号抽出部33は、音声信号を第4記憶部44に上書き保存していく。音声信号抽出部33は、映像データ取得部31、位置情報取得部32と同様、
図3に示すように、数時間、あるいは1日程度の音声信号を順次更新しながら第4記憶部44に格納する。ここで、音声信号は時間に対する周波数或いは音の大きさの変化を示す信号である。
【0043】
顔画像抽出部34は、
図5に示すように、カメラ24から入力された画像51を分析し、顔画像53を抽出して思い出イベント発生検出部35に出力する。例えば、携帯端末20のカメラ24で車両10の搭乗者52を含む画像51を取得した場合、画像51を分析し、画像51の中から顔画像53を抽出して思い出イベント発生検出部35に出力する。
【0044】
思い出イベント発生検出部35は、音声信号抽出部33から入力された音声信号、顔画像抽出部34から入力された顔画像53、ハンドルスイッチ16又は助手席スイッチ17から入力された思い出シーンデータの生成開始信号、又は雨滴感知センサ15から入力された雨滴量データに基づいて、思い出イベント発生時刻を出力する。また、思い出イベント発生検出部35は、音声信号抽出部33から入力された音声信号、或いはハンドルスイッチ16又は助手席スイッチ17から入力された思い出シーンデータの生成終了信号に基づいて、思い出イベント終了時刻を出力する。
【0045】
思い出シーンデータ生成部36は、思い出イベント発生検出部35から入力された思い出イベント発生時刻の前後の所定時間の映像データを第1記憶部41から読み出すとともに、所定時間の位置情報を第2記憶部42から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて思い出シーンデータとして第3記憶部43に格納する。第3記憶部43には、思い出イベント発生検出部35から思い出イベント発生時刻が入力される毎に、思い出シーンデータが格納される。
【0046】
ここで、所定時間は、例えば、
図3に示すように、思い出イベント発生時刻t0の前の前設定時間t1と後設定時間t2との合計時間としてもよい。この場合、第3記憶部43には、データ格納開始時刻(t0-t1)からデータ格納終了時刻(t0+t2)までの合計時間(t1+t2=t3)の思い出シーンデータが格納される。尚、思い出シーンデータ生成部36は、
図3に示す例以外のいろいろな方法で思い出シーンデータを第3記憶部43に格納することができる。これについては、映像記録システム100の動作の説明で詳細に説明する。
【0047】
表示データ生成部37は、第3記憶部43から思い出シーンデータを読み出し、思い出シーンデータに含まれる位置情報に基づいて地図情報格納部45から地図情報を読み出し、読み出した地図の上に思い出シーンデータに含まれる映像を重ね合わせて表示データを生成する。表示データ生成部37は、車両インターフェース12を介して生成した表示データを車室ディスプレイ13、或いはスマートウィンドウ14に表示する。
【0048】
ナビゲーション部38は、位置情報取得部32から入力された位置情報と、地図情報格納部45から入力された地図情報に基づいて、車両10の走行ルートの案内、ナビゲーションを行う。
【0049】
映像データ取得部31と、位置情報取得部32と、音声信号抽出部33と、顔画像抽出部34と、思い出イベント発生検出部35と、思い出シーンデータ生成部36と、表示データ生成部37と、ナビゲーション部38の各機能ブロックの動作は、
図1に示すプロセッサであるCPU21がメモリ22に格納したプログラムを実行することにより実現される。また、第1~第4記憶部41~44と、地図情報格納部45とは、メモリ22に映像データ、位置情報、思い出シーンデータ、音声信号、地図情報を格納することにより実現できる。
【0050】
次に
図6、7を参照しながら実施形態の映像記録システム100の動作例のうち、音声信号の中に思い出を形成する会話音として笑い声が含まれている場合に思い出イベントの発生を検出する場合について説明する。
【0051】
図6のステップS101に示すように、携帯端末20のユーザが車両10に搭乗し、無線通信回線で携帯端末20を車両インターフェース12に接続し、ユーザが携帯端末20のメモリ22に格納されているアプリを起動すると、携帯端末20と車載カメラ11のリンクが開始される。
【0052】
図6のステップS102に示すように、携帯端末20の映像データ取得部31は、車両インターフェース12を介して車載カメラ11が撮像した撮像時刻を含む映像データを取得し、
図6のステップS103に示すように第1記憶部41に上書き保存する。先に説明したように、第1記憶部41には現時点から数時間前、或いは1日前までの映像データが格納される。
【0053】
同様に、携帯端末20の位置情報取得部32は、
図6のステップS102でGPS衛星61からの位置情報信号を受信し、
図6のステップS103で時刻を含む位置情報として第2記憶部42に上書き保存する。第1記憶部41と同様、第2記憶部42には現時点から数時間前、或いは1日前までの位置情報が格納される。
【0054】
携帯端末20の音声信号抽出部33は、
図6のステップS104において、マイクロホン23から取得した音データから音声信号を抽出して思い出イベント発生検出部35に出力する。また、音声信号抽出部33は、抽出した音声信号を第4記憶部44に上書き保存する。第1、第2記憶部41、42と同様、第4記憶部44には、現時点から数時間前、或いは1日前までの音声信号が格納される。
【0055】
図6のステップS105において、思い出イベント発生検出部35は、音声信号抽出部33から入力された音声信号に基づいて、思い出イベントの発生を検出する。
図7に示すように、思い出イベント発生検出部35は、入力された音声信号の時間変化に基づいて、音声信号中に笑い声に対応する音声信号が含まれているかどうかを判断する。そして、笑い声に対応する音声信号が含まれていない場合には、
図6のステップS105を繰り返し実行する。
【0056】
思い出イベント発生検出部35は、
図6のステップS105で音声信号中に笑い声に対応する音声信号が含まれていると判断した場合には、思い出イベントである笑い声が発生したと判断して
図6のステップS106に進み、
図7に示すように笑い声が発生した時刻を思い出イベント発生時刻t10として思い出シーンデータ生成部36に出力する。
【0057】
図6のステップS107において、思い出シーンデータ生成部36は、第4記憶部44から思い出イベント発生時刻t10より前の音声信号を読み出して、
図7に示すように笑い声が含まれる一連の会話の会話開始時刻t11を抽出する。会話開始時刻t11の抽出はいろいろな方法があるが、例えば、思い出イベント発生時刻t10から前に音声信号がゼロとなる時刻を検出し、その時刻を会話開始時刻t11としてもよい。思い出シーンデータ生成部36は、会話開始時刻t11を抽出したら、
図6のステップS108に進む。
【0058】
思い出シーンデータ生成部36は、
図6のステップS108でデータ格納終了時刻t12を設定する。データ格納終了時刻t12は、思い出イベント発生時刻t10よりも後の時刻であればよく、例えば、思い出イベント発生時刻t10の5分後、或いは10分後に設定してもよい。思い出シーンデータ生成部36は、データ格納終了時刻t12を設定したら
図6のステップS109に進む。
【0059】
思い出シーンデータ生成部36は、
図6のステップS109において、
図7に示すように会話開始時刻t11からデータ格納終了時刻t12までの映像データを第1記憶部41から読み出す。また、思い出シーンデータ生成部36は、
図6のステップS110において会話開始時刻t11からデータ格納終了時刻t12までの位置情報を第2記憶部42から読み出す。そして、思い出シーンデータ生成部36は、
図6のステップS111において、読み出した映像データと位置情報とを関連付けた思い出シーンデータを生成してステップS112において第3記憶部43に格納する。第3記憶部43には、会話開始時刻t11からデータ格納終了時刻t12までの時間t3の思い出シーンデータが格納される。
【0060】
図6のステップS113において、携帯端末20のCPU21は、車載カメラ11とのリンクが解除されているかどうか判断し、車載カメラ11とのリンクが保持されている場合には、
図6のステップS113でNOと判断して
図6のステップS105に戻り、ステップS105からステップS112の動作を繰り返し実行する。一方、CPU21は、
図6のステップS113でYESと判断した場合には、アプリケーションの実行を終了する。
【0061】
以上説明した動作では、笑い声の発生により思い出イベントを検出し、思い出イベント発生時刻t10より前の会話開始時刻t11を抽出するとともに、思い出イベント発生時刻t10よりも後のデータ格納終了時刻t12を設定し、会話開始時刻t11とデータ格納終了時刻t12との間の映像データと位置情報とを関連付けた思い出シーンデータを生成して第3記憶部43に格納するので、思い出イベントの発生が予測できない場合でも、楽しい思い出となる映像を位置情報とともに携帯端末20に確実に記録することができる。
【0062】
次に
図8、9を参照しながら実施形態の映像記録システム100の他の動作について説明する。先に
図6、7を参照して説明したのと同一のステップには同一のステップ番号を付して説明は省略する。
【0063】
本動作は、先に
図6、7を参照して説明した動作におけるデータ格納終了時刻t12の設定に代えて、笑い声が含まれる一連の会話が終了する会話終了時刻t13を検出し、会話開始時刻t11から会話終了時刻t13までの映像データと位置情報とを関連付けて第3記憶部43に格納する。
【0064】
図8のステップS101~S107の動作は、先に説明した
図6のステップS101~S107と同一である。
【0065】
図8のステップS201において、思い出イベント発生検出部35は、音声信号抽出部33が抽出した音声信号に基づいて一連の会話の終了する会話終了時刻t13を検出し、
図8のステップS202において、会話終了時刻t13を思い出シーンデータ生成部36に出力する。会話終了時刻t13は、例えば、思い出イベント発生時刻t10よりも後に音声信号抽出部33から入力される音声信号がゼロとなる時刻を検出し、その時刻を会話終了時刻t13としてもよい。
【0066】
思い出シーンデータ生成部36は、
図8のステップS203において、
図9に示すように会話開始時刻t11から会話終了時刻t13までの映像データを第1記憶部41から読み出す。また、思い出シーンデータ生成部36は、
図8のステップS204において会話開始時刻t11から会話終了時刻t13までの位置情報を第2記憶部42から読み出す。そして、思い出シーンデータ生成部36は、
図8のステップS111において読み出した映像データと位置情報とを関連付けた思い出シーンデータを生成し、
図8のステップS112において生成した思い出シーンデータを第3記憶部43に格納する。第3記憶部43には、会話開始時刻t11から会話終了時刻t13までの時間t4の思い出シーンデータが格納される。
【0067】
本動作は、笑い声を含む一連の会話の会話開始時刻t11から会話終了時刻t13までの映像データと位置情報とを第3記憶部43に格納するので、一連の会話に対応する全ての期間の映像データと位置情報とを記録する。これにより、より詳細な思い出シーンデータとすることができる。
【0068】
次に、
図10を参照しながら
図9を参照して説明した動作の変形例について説明する。
先に、
図8、9を参照して説明したのと同一のステップには同様のステップ番号を付して説明は省略する。
【0069】
図10に示す動作は、
図8に示す動作において会話終了時刻t13を検出してから映像データと位置情報とを読み出して思い出シーンデータとして第3記憶部43に格納するのに代わって、会話開始時刻t11を抽出した時点で映像データと位置情報との読み出しを開始し、会話終了時刻t13を検出したら、その時点で映像データと位置情報との読み出しを停止し、思い出シーンデータを生成して第3記憶部43に格納する。
【0070】
図10のステップS101~S107は
図6に示すステップS101~S107と同一であるから説明は省略する。
【0071】
図10のステップS205、ステップS206において、思い出シーンデータ生成部36は、第1記憶部41と第2記憶部42とから会話開始時刻t11以降の映像データと位置情報との読み出しを開始する。そして、現時点までの映像データと位置情報とを読み出したら、その後は、リアルタイムで第1記憶部41と第2記憶部42とから映像データと位置情報との読み出しを継続する。
【0072】
思い出イベント発生検出部35は、
図8のステップS201と同様、
図10のステップS207において、音声信号抽出部33が抽出した音声信号に基づいて一連の会話の終了する会話終了時刻t13を検出し、
図10のステップS208において、会話終了時刻t13を思い出シーンデータ生成部36に出力する。
【0073】
思い出シーンデータ生成部36は、思い出イベント発生検出部35から会話終了時刻t13が入力されたら、
図10のステップS209において、それまで継続していた第1記憶部41と第2記憶部42とからのリアルタイムでの映像データと位置情報との読み出しを終了する。
【0074】
そして、思い出シーンデータ生成部36は、
図10のステップS111において読み出した映像データと位置情報とを関連付けた思い出シーンデータを生成し、
図10のステップS112において生成した思い出シーンデータを第3記憶部43に格納する。
【0075】
以上、説明した動作は、
図8、9を参照して説明した動作と同様の作用、効果を奏する。
【0076】
次に、
図11、12を参照しながら、思い出イベントとして笑い顔の発生を検出して思い出シーンデータを生成して第3記憶部43に格納する他の動作について説明する。先に、
図6、7を参照して説明したと同一のステップには同一のステップ番号を付して説明は省略する。
【0077】
図11のステップS101~ステップS103は、
図6のステップS101~S103と同一であるから説明は省略する。
【0078】
図11のステップS301において、顔画像抽出部34は、カメラ24から画像データを取得し、
図5に示すように、カメラ24から入力された画像51を分析し、顔画像53を抽出して思い出イベント発生検出部35に出力する。
【0079】
思い出イベント発生検出部35は、
図11のステップS302において、顔画像抽出部34から入力された顔画像53が笑顔かどうか判断し、笑顔であると判断した場合には、
図11のステップS303に進んで、
図12に示すように、笑顔の発生を検出した時刻を思い出イベント発生時刻t20として出力する。また、思い出イベント発生検出部35は、
図11のステップS302においてNOと判断した場合には、
図11のステップS301に戻って画像データの取得と笑顔の発生の検出を継続する。
【0080】
思い出シーンデータ生成部36は、思い出イベント発生検出部35から思い出イベント発生時刻t20が入力されたら、
図12に示すように、思い出イベント発生時刻t20よりも前設定時間t1だけ前の時刻をデータ格納開始時刻t21として設定し、思い出イベント発生時刻t20よりも後設定時間t2だけ後の時刻をデータ格納終了時刻t22として設定する。そして、思い出シーンデータ生成部36は、
図11のステップS304においてデータ格納開始時刻t21からデータ格納終了時刻t22までの映像データを第1記憶部41から読み出し、
図11のステップS305においてデータ格納開始時刻t21からデータ格納終了時刻t22までの位置情報を第2記憶部42から読み出す。
【0081】
そして、思い出シーンデータ生成部36は、
図11のステップS111において読み出した映像データと位置情報とを関連付けた思い出シーンデータを生成し、
図11のステップS112において生成した思い出シーンデータを第3記憶部43に格納する。
【0082】
従って、データ格納開始時刻t21からデータ格納終了時刻t22までの時間は、思い出イベント発生時刻t20の前後の所定時間t5であり、前設定時間t1と後設定時間t2との合計時間である。第3記憶部43には所定時間t5の長さの思い出シーンデータが格納される。
【0083】
本動作は、笑い顔の発生した際の映像データと位置情報を思い出シーンデータとして携帯端末20に記録することができる。
【0084】
次に
図13、14を参照しながら思い出イベントとして雨滴量の急増を検出して思い出シーンデータを生成して第3記憶部43に格納する他の動作について説明する。先に、
図6、7を参照して説明したと同一のステップには同一のステップ番号を付して説明は省略する。
【0085】
図13のステップS101からステップS103は
図6のステップS101からS103と同一である。
【0086】
図13のステップS401において、思い出イベント発生検出部35は、車両インターフェース12を介して雨滴感知センサ15が検出した雨滴量データを取得する。
【0087】
思い出イベント発生検出部35は、
図13のステップS402において、雨滴感知センサ15から入力された雨滴量が急増しているか判断し、
図14に示すように急増していると判断した場合には、
図13のステップS403に進んで、雨滴量の急増した時刻を思い出イベント発生時刻t30として出力する。また、思い出イベント発生検出部35は、
図13のステップS402においてNOと判断した場合には、
図13のステップS401に戻って雨滴量データの取得と雨滴量の急増の検出を継続する。
【0088】
思い出シーンデータ生成部36は、思い出イベント発生検出部35から思い出イベント発生時刻t30が入力されたら、
図14に示すように、思い出イベント発生時刻t30よりも前設定時間t1だけ前の時刻をデータ格納開始時刻t31として設定する。そして、思い出シーンデータ生成部36は、13のステップS405、ステップS406において、第1記憶部41と第2記憶部42とからデータ格納開始時刻t31以降の映像データと位置情報との読み出しを開始する。そして、現時点までの映像データと位置情報とを読み出したら、その後は、リアルタイムで第1記憶部41と第2記憶部42とから映像データと位置情報との読み出しを継続する。
【0089】
思い出シーンデータ生成部36は、
図13のステップS407において、ハンドルスイッチ16又は助手席スイッチ17から思い出シーンデータの生成終了信号が入力されるまで待機する。そして、思い出シーンデータの生成終了信号が入力されたら、
図13のステップS408に進んで、第1記憶部41、第2記憶部42からのデータの読み出しを終了して
図13のステップS111に進む。
【0090】
そして、思い出シーンデータ生成部36は、
図13のステップS111において読み出した映像データと位置情報とを関連付けた思い出シーンデータを生成し、
図13のステップS112において生成した思い出シーンデータを第3記憶部43に格納する。
【0091】
本動作は、雨滴量の急増が発生した際の映像データと位置情報を思い出シーンデータとして携帯端末20に記録することができる。
【0092】
尚、以上の説明では、思い出イベント発生検出部35は、笑い声、笑い顔、雨滴量の急増を検出し、その時刻を思い出イベント発生時刻として設定するとして説明したが、これに限らず、例えば、歓声や拍手等の発生を検出してその時刻を思い出イベント発生時刻として設定してもよい。
【0093】
尚、以上の説明では、顔画像抽出部34は、携帯端末20に内蔵されているカメラ24で撮像した画像51から顔画像53を抽出して思い出イベント発生検出部35に出力するとして説明したが、これに限らない。例えば、顔画像抽出部34は、車載カメラ11で撮像した映像データを取得し、取得した映像データを分析して顔画像53を抽出して思い出イベント発生検出部35に出力してもよい。これにより、携帯端末20は、カメラ24で車外の画像等を撮影している場合でも笑い顔の発生により思い出イベントの発生を検出することができる。
【0094】
また、思い出イベント発生検出部35は、ハンドルスイッチ16、助手席スイッチ17から思い出シーンデータの生成開始信号が入力された時刻を思い出イベント発生時刻として設定してもよい。これにより、本実施形態の映像記録システム100は携帯端末20のユーザが望む際には、何時でも思い出となる映像を記録することができる。
【0095】
次の
図15を参照しながら、他の実施形態の映像記録システム200について説明する。先に
図1~
図14を参照して説明した映像記録システム100と同一の部位には同一の符号を付して説明は省略する。
【0096】
映像記録システム200は、携帯端末20に代えてカメラ24を備えない携帯端末220で構成される。携帯端末220の顔画像抽出部34は、車載カメラ11で撮像した映像データを取得し、取得した映像データを分析して顔画像53を抽出して思い出イベント発生検出部35に出力し、思い出イベント発生検出部35は入力された顔画像53が笑顔の場合に思い出イベントの発生を検出する点で携帯端末20と異なっている。これ以外の点は、携帯端末20と同一である。映像記録システム200は、携帯端末220がカメラ24を備えない場合でも、笑い顔の発生により思い出イベントの発生を検出することができる。
【0097】
以上、映像記録システム100、200について説明したが、携帯端末20、220は、車室内又は車外の映像を撮像する車載カメラ11と接続され、GPS衛星61から位置情報を取得してナビゲーションを行い、第1記憶部41と、第2記憶部42と、マイクロホン23とを備え、車室内の音又は画像に基づいて思い出イベントの発生を検出し、思い出イベントの発生を検出した際に、思い出イベントの発生を検出した時刻の前後の所定時間の映像データと位置情報とを第1、第2記憶部41、42から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて思い出シーンデータとして第3記憶部43に格納する。従って、携帯端末20、220は、請求項に記載のナビ機能付携帯端末である。
【0098】
次に
図16を参照しながら実施形態の車両300について説明する。
図16に示すように、車両300は、先に
図1を参照して説明した携帯端末20と同一構造のナビゲーション装置70を備えている。ナビゲーション装置70は、内部に情報処理を行うプロセッサであるCPU71と、プログラムやデータを格納するメモリ72とを備えるコンピュータである。ナビゲーション装置70は、音データを取得するマイクロホン73と、画像を取得するカメラ74が内蔵されている。ナビゲーション装置70は、GPS衛星61からの電波を受信して位置情報を取得可能であるとともに、外部の通信回線60を介してクラウド62のサーバに接続可能である。
【0099】
ナビゲーション装置70は、先に説明した携帯端末20と同様、車室内又は車外の映像を撮像する車載カメラ11と接続され、GPS衛星61から位置情報を取得してナビゲーションを行い、第1記憶部41と、第2記憶部42と、マイクロホン73とを備え、車室内の音又は画像に基づいて思い出イベントの発生を検出し、思い出イベントの発生を検出した際に、思い出イベントの発生を検出した時刻の前後の所定時間の映像データと位置情報とを第1、第2記憶部41、42から読み出し、読み出した映像データと読み出した位置情報とを関連づけて思い出シーンデータとして第3記憶部43に格納する。
【0100】
ナビゲーション装置70の動作は先に説明した携帯端末20の動作と同一である。従って、ナビゲーション装置70を搭載した車両300は、先に説明した映像記録システム100と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0101】
10、300 車両、11 車載カメラ、12 車両インターフェース、13 車室ディスプレイ、14 スマートウィンドウ、15 雨滴感知センサ、16 ハンドルスイッチ、17 助手席スイッチ、20、220 携帯端末、21、71 CPU、22、72 メモリ、23、73 マイクロホン、24、74 カメラ、31 映像データ取得部、32 位置情報取得部、33 音声信号抽出部、34 顔画像抽出部、35 思い出イベント発生検出部、36 思い出シーンデータ生成部、37 表示データ生成部、38 ナビゲーション部、41~44 第1~第4記憶部、45 地図情報格納部、51 画像、52 搭乗者、53 顔画像、60 通信回線、61 GPS衛星、62 クラウド、70 ナビゲーション装置、100、200 映像記録システム。