(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179237
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】通信機能付ナビゲーション装置、車両のルート案内プログラム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20231212BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20231212BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20231212BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20231212BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20231212BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/0969
G16Y40/60
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092431
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周 中智
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
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2F129GG17
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181FF10
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5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181MB01
5H181MC19
(57)【要約】
【課題】SNSの情報を用いた車両の走行ルートの選択を改善する。
【解決手段】複数のユーザが登録した登録画像と撮影位置情報とを関連付けて格納した共有画像データベース43にアクセス可能であると共に、位置情報を取得して車両のナビゲーションを行う携帯端末20であって、目的地へのルート案内中に、共有画像データベース43にアクセスして車両の現在位置が登録画像の撮影位置に近づいたかどうかを検出し、車両の現在位置が登録画像の撮影位置に近づいた場合に、登録画像と撮影位置情報とを立ち寄り候補地の画像と立ち寄り候補地の位置情報として共有画像データベース43から取得し、立ち寄り候補地の画像と立ち寄り候補地の位置情報とを車室ディスプレイ13に表示し、立ち寄り指令が入力された場合には、立ち寄り候補地を経由して目的地に向かう新ルートを再計算してルート案内を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機能を備え、複数のユーザが登録した登録画像と前記登録画像の撮影位置情報とを関連付けて格納した共有画像データベースにアクセス可能であると共に、位置情報を取得して車両のナビゲーションを行う通信機能付ナビゲーション装置であって、
目的地へのルート案内中に、前記共有画像データベースにアクセスして前記車両の現在位置が前記共有画像データベースに格納した少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいたかどうかを検出し、
前記車両の前記現在位置が前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいた場合に、前記少なくとも1つの登録画像と前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置情報とを立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報として前記共有画像データベースから取得し、
前記立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報とをディスプレイに表示し、
前記車両の搭乗者から立ち寄り指令が入力された場合には、前記立ち寄り候補地を経由して目的地に向かう新ルートを再計算してルート案内を行うこと、
を特徴とする通信機能付ナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信機能付ナビゲーション装置であって、
前記少なくとも1つの登録画像と前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置情報とを前記共有画像データベースから取得する際に、前記少なくとも1つの登録画像を登録した少なくとも1人のユーザの属性情報を前記共有画像データベースから取得し、
前記立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報とを前記ディスプレイに表示する際に、前記少なくとも1つの登録画像を登録した前記少なくとも1人のユーザとの通信を開始する通信開始画面を前記ディスプレイに表示すること、
を特徴とする通信機能付ナビゲーション装置。
【請求項3】
情報処理を行うプロセッサを含み、通信機能を備え、複数のユーザが登録した登録画像と前記登録画像の撮影位置情報とを関連付けて格納した共有画像データベースにアクセス可能であると共に、位置情報を取得して車両のナビゲーションを行う通信機能付ナビゲーション装置の前記プロセッサが実行する車両のルート案内プログラムであって、
目的地へのルート案内中に、前記共有画像データベースにアクセスして前記車両の現在位置が前記共有画像データベースに格納した少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいたかどうかを検出し、
前記車両の前記現在位置が前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいた場合に、前記少なくとも1つの登録画像と前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置情報とを立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報として前記共有画像データベースから取得し、
前記立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報とをディスプレイに表示し、
前記車両の搭乗者から立ち寄り指令が入力された場合には、前記立ち寄り候補地を経由して目的地に向かう新ルートを再計算してルート案内を行うこと、
を特徴とする車両のルート案内プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載の車両のルート案内プログラムであって、
前記少なくとも1つの登録画像と前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置情報とを前記共有画像データベースから取得する際に、前記少なくとも1つの登録画像を登録した少なくとも1人のユーザの属性情報を前記共有画像データベースから取得し、
前記立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報とを前記ディスプレイに表示する際に、前記少なくとも1つの登録画像を登録した前記少なくとも1人のユーザとの通信を開始する通信開始画面を前記ディスプレイに表示すること、
を特徴とする車両のルート案内プログラム。
【請求項5】
通信機能を備え、複数のユーザが登録した登録画像と前記登録画像の撮影位置情報とを関連付けて格納した共有画像データベースにアクセス可能であると共に、位置情報を取得して車両のナビゲーションを行う通信機能付ナビゲーション装置を用いた車両のルート案内方法であって、
目的地へのルート案内中に、前記共有画像データベースにアクセスして前記車両の現在位置が前記共有画像データベースに格納した少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいたかどうかを検出し、
前記車両の前記現在位置が前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいた場合に、前記少なくとも1つの登録画像と前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置情報とを立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報として前記共有画像データベースから取得し、
前記立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報とをディスプレイに表示し、
前記車両の搭乗者から立ち寄り指令が入力された場合には、前記立ち寄り候補地を経由して目的地に向かう新ルートを再計算してルート案内を行うこと、
を特徴とする車両のルート案内方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のルート案内を行う通信機能付ナビゲーション装置の構成並びに車両のルート案内プログラム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末の普及に伴い、LINE(登録商標)、Twitter(登録商標)、Facebook(登録商標)、及びInstagram(登録商標)等のソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、これらを総称してSNSという。)が頻繁に利用されている。
【0003】
例えば、SNSサーバのユーザの投稿情報を取得し、カーナビから取得した車両の現在位置と投稿情報とに基づいて、車両の乗員にお勧めの行先を提供する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、特許文献1に記載された従来技術では、SNS上でつながりのある人の情報を車両の走行ルートの選択に反映するには改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、SNSの情報を用いた車両の走行ルートの選択を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の通信機能付ナビゲーション装置は、通信機能を備え、複数のユーザが登録した登録画像と前記登録画像の撮影位置情報とを関連付けて格納した共有画像データベースにアクセス可能であると共に、位置情報を取得して車両のナビゲーションを行う通信機能付ナビゲーション装置であって、目的地へのルート案内中に、前記共有画像データベースにアクセスして前記車両の現在位置が前記共有画像データベースに格納した少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいたかどうかを検出し、前記車両の前記現在位置が前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいた場合に、前記少なくとも1つの登録画像と前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置情報とを立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報として前記共有画像データベースから取得し、前記立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報とをディスプレイに表示し、前記車両の搭乗者から立ち寄り指令が入力された場合には、前記立ち寄り候補地を経由して目的地に向かう新ルートを再計算してルート案内を行うこと、を特徴とする。
【0007】
このように、複数のユーザがSNSで共有する共有画像データベースに基づいて立ち寄り候補地の画像と位置情報とをディスプレイに表示するので、車両の搭乗者は詳細な情報に基づいてその候補地に立ち寄るかどうかを選択することができる。
【0008】
本発明の通信機能付ナビゲーション装置において、前記少なくとも1つの登録画像と前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置情報とを前記共有画像データベースから取得する際に、前記少なくとも1つの登録画像を登録した少なくとも1人のユーザの属性情報を前記共有画像データベースから取得し、前記立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報とを前記ディスプレイに表示する際に、前記少なくとも1つの登録画像を登録した前記少なくとも1人のユーザとの通信を開始する通信開始画面を前記ディスプレイに表示してもよい。
【0009】
これにより、少なくとも1つの登録画像を登録したSNS上でつながりのある少なくとも1人のユーザと連絡を取ることができ、立ち寄り候補地に関するより詳細な情報を得ることができ、車両の搭乗者はより詳細な情報に基づいてその候補地に立ち寄るかどうかを選択することができる。
【0010】
本発明の車両のルート案内プログラムは、情報処理を行うプロセッサを含み、通信機能を備え、複数のユーザが登録した登録画像と前記登録画像の撮影位置情報とを関連付けて格納した共有画像データベースにアクセス可能であると共に、位置情報を取得して車両のナビゲーションを行う通信機能付ナビゲーション装置の前記プロセッサが実行する車両のルート案内プログラムであって、目的地へのルート案内中に、前記共有画像データベースにアクセスして前記車両の現在位置が前記共有画像データベースに格納した少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいたかどうかを検出し、前記車両の前記現在位置が前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいた場合に、前記少なくとも1つの登録画像と前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置情報とを立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報として前記共有画像データベースから取得し、前記立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報とをディスプレイに表示し、前記車両の搭乗者から立ち寄り指令が入力された場合には、前記立ち寄り候補地を経由して目的地に向かう新ルートを再計算してルート案内を行うこと、を特徴とする。
【0011】
本発明の車両のルート案内プログラムにおいて、前記少なくとも1つの登録画像と前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置情報とを前記共有画像データベースから取得する際に、前記少なくとも1つの登録画像を登録した少なくとも1人のユーザの属性情報を前記共有画像データベースから取得し、前記立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報とを前記ディスプレイに表示する際に、前記少なくとも1つの登録画像を登録した前記少なくとも1人のユーザとの通信を開始する通信開始画面を前記ディスプレイに表示してもよい。
【0012】
本発明の車両のルート案内方法は、通信機能を備え、複数のユーザが登録した登録画像と前記登録画像の撮影位置情報とを関連付けて格納した共有画像データベースにアクセス可能であると共に、位置情報を取得して車両のナビゲーションを行う通信機能付ナビゲーション装置を用いた車両のルート案内方法であって、目的地へのルート案内中に、前記共有画像データベースにアクセスして前記車両の現在位置が前記共有画像データベースに格納した少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいたかどうかを検出し、前記車両の前記現在位置が前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいた場合に、前記少なくとも1つの登録画像と前記少なくとも1つの登録画像の撮影位置情報とを立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報として前記共有画像データベースから取得し、前記立ち寄り候補地の画像と前記立ち寄り候補地の位置情報とをディスプレイに表示し、前記車両の搭乗者から立ち寄り指令が入力された場合には、前記立ち寄り候補地を経由して目的地に向かう新ルートを再計算してルート案内を行うこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、SNSの情報を用いた車両の走行ルートの選択を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】車室に持ち込まれた実施形態の通信機能付ナビゲーション装置である携帯端末と、車両に搭載された機器と、サーバとの接続を示す系統図である。
【
図2】
図1に示すサーバのメモリに格納される共有画像データベースのデータ構造を示す図である。
【
図3】
図1に示す携帯端末とサーバの機能ブロック図である。
【
図4】
図1に示す携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【
図5】車両が走行を開始する前の車室ディスプレイの画面を示す図である。
【
図6】車両が共有画像データベースに格納された登録画像の撮影位置の近傍に近づいた際に1つ目の立ち寄り候補地の画像と位置情報と通信開始画面とを表示した車室ディスプレイの画面を示す図である。
【
図7】車両が共有画像データベースに格納された登録画像の撮影位置の近傍に近づいた際に2つ目の立ち寄り候補地の画像と位置情報と通信開始画面とを表示した車室ディスプレイの画面を示す図である。
【
図8】
図7の画面の通信開始画面に代えて立ち寄り選択画面を表示した車室ディスプレイの画面を示す図である。
【
図9】1つの立ち寄り候補地に立ち寄ってから目的地に向かう新ルートを再計算し、再計算した新ルートを表示した車室ディスプレイスの画面を示す図である。
【
図10】2つの立ち寄り候補地に立ち寄ってから目的地に向かう新ルートを再計算し、再計算した新ルートを表示した車室ディスプレイスの画面を示す図である。
【
図11】他の実施形態の通信機能付ナビゲーション装置である他の携帯端末と、車両に搭載された機器と、サーバとの接続を示す系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態の通信機能付ナビゲーション装置について説明する。以下の説明では、通信機能付ナビゲーション装置の一例の携帯端末20について説明する。
図1に示すように、携帯端末20は、GPS衛星50からの電波を受信し、インストールされたナビゲーションのアプリケーションを動作させることにより車両10のルート案内を行うことができる。また、携帯端末20は、インターネット回線55を介してSNSのサーバ40と通信し、サーバ40との間でデータの授受が可能である。
【0016】
図1に示すように、サーバ40は、内部に情報処理を行うCPU41と、プログラムやデータを格納するメモリ42とを含むコンピュータで構成される。サーバ40のメモリ42には
図2に示すように、複数の共有画像データ431~434を格納する共有画像データベース43が配置されている。
【0017】
共有画像データベース43は、撮影日時と、SNS上でつながりのある複数のユーザA、B、C、Dがそれぞれ登録した登録画像と、各登録画像の撮影位置情報と、各登録画像の公開可否と、各ユーザA、B、C、Dのユーザ名と電話番号とメールアドレスとSNSのIDとを含む属性情報を関連付けた複数の共有画像データ431~434を格納したデータベースである。ここで、撮影位置情報は、撮影位置の経緯度と、撮影位置の名称と、撮影位置の評価情報とを含んでいる。各ユーザA、B、C、Dはそれぞれが所有している携帯端末20で共有画像データ431~434を生成して共有画像データベース43にアップロードしてもよいし、各ユーザA~Dの所有するPC等で共有画像データ431~434を生成してインターネット回線55を介して共有画像データベース43にアップロードしてもよい。
【0018】
共有画像データベース43は、複数のユーザA、B、C、Dの間でのみ共有されており、他のユーザはアクセスできないように構成されている。各ユーザA、B、C、Dはそれぞれ携帯端末20を有しており、公開可否が「可」となっている共有画像データ431、432、434の各登録画像に携帯端末20からアクセス可能となっている。一方、公開可否が「不可」となっている共有画像データ433の登録画像には、登録したユーザCだけがアクセス可能であり、他のユーザA、B、Dはその登録画像にはアクセスすることができない。
【0019】
次に、
図1に戻って携帯端末20について説明する。携帯端末20は、内部に情報処理を行うプロセッサであるCPU21と、CPU21が実行するアプリケーションやデータを格納するメモリ22とを備えるコンピュータで構成されている。携帯端末20は、カメラ23と、マイクロホン24と、ディスプレイ25とを備えている。
【0020】
携帯端末20は、車両10の車室に持ち込まれて、車両10のルート案内を行う。携帯端末20は、車両10が始動すると車両10に搭載された車両インターフェース12と通信し、車両10に搭載された車載カメラ11、車室ディスプレイ13と接続される。車載カメラ11、車室ディスプレイ13と接続されると、携帯端末20は、車載カメラ11が撮影した動画或いは画像を取得できると共に、車室ディスプレイ13に地図と走行ルートを表示したり、画像を表示させたりできる。
【0021】
図3に示すように、携帯端末20は、位置情報取得部31と、ナビゲーション部32と、地図情報格納部33と、アップロードデータ生成部34と、属性付与部35と、ダウンロード部36の各機能ブロックを備えている。位置情報取得部31と、ナビゲーション部32と、アップロードデータ生成部34と、属性付与部35と、ダウンロード部36とは、CPU21がメモリ22に格納したアプリケーションを実行することにより実現できる。また、地図情報格納部33は、メモリ22に地図データを格納することにより実現できる。
【0022】
位置情報取得部31は、
図1に示すGPS衛星50からの電波を受信して携帯端末20の現在の位置情報を算出し、算出した位置情報をナビゲーション部32と、アップロードデータ生成部34と、ダウンロード部36とに出力する。位置情報は、例えば、経緯度のデータでもよい。携帯端末20が車両10の車室に持ち込まれている場合には、位置情報取得部31の出力する位置情報は、車両10の現在の位置情報となる。
【0023】
ナビゲーション部32は、位置情報取得部31から入力された現在の位置情報と、地図情報格納部33から入力された地図情報とに基づいて目的地81(
図5~10参照)までのルート案内を行う。ルート案内は、後で
図4~10を参照して説明するように、車室ディスプレイ13に地図と走行ルートと車両10の位置と進行方向を示すことにより行う。また、ナビゲーション部32は、後で
図4~10を参照して説明するように、立ち寄り候補地83、84の画像と位置情報とを車室ディスプレイ13に表示すると共に、ユーザA~Dとの通信開始画面90と、立ち寄り指令の入力を行う立ち寄り選択画面94とを車室ディスプレイ13にポップアップさせる。尚、携帯端末20はディスプレイ25に車室ディスプレイ13と同様の画面を表示することができる。
【0024】
アップロードデータ生成部34には、カメラ23、マイクロホン24から車室内或いは車外の画像データ、音データが入力される。また、アップロードデータ生成部34には、車両インターフェース12を介して車載カメラ11から車外又は車室内の画像が入力される。また、アップロードデータ生成部34には、属性付与部35から携帯端末20のユーザA~Dの属性情報と画像の公開可否情報と画像の撮影位置の評価情報とが入力され、地図情報格納部33から地図情報が入力される。
【0025】
アップロードデータ生成部34は、カメラ23又は車載カメラ11から入力された画像から登録画像を抽出し、位置情報取得部31から入力された登録画像の撮影位置の経緯度に基づいて、地図情報格納部33から撮影位置の名称を読み出し、撮影位置の経緯度と、名称と、属性付与部35から入力された評価情報とを関連付けて撮影位置情報を生成する。そして、例えば、携帯端末20がユーザAの所有であった場合、アップロードデータ生成部34は、登録画像と、登録画像の撮影日時と、撮影位置情報と、公開可否情報と、ユーザAの属性情報とを関連付けて共有画像データ431を生成する。そして、生成した共有画像データ431をサーバ40の共有画像データベース43にアップロードする。同様に、携帯端末20がユーザB~Dの所有の場合には、共有画像データ432~434を生成して共有画像データベース43にアップロードする。
【0026】
ダウンロード部36には、位置情報取得部31から現在の位置情報が入力される。また、ダウンロード部36は、サーバ40の共有画像データベース43にアクセスして撮影位置情報、共有画像データ431~434を取得する。ダウンロード部36は、共有画像データベース43から取得した撮影位置情報と位置情報取得部31から入力された車両10の現在の位置情報に基づいて車両10が少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいたかどうかを判断する。そして、車両10が少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいたと判断した場合には、複数の共有画像データ431~434の中の少なくとも1つを共有画像データベース43からダウンロードし、その中に含まれる登録画像と、登録画像の撮影位置情報とを立ち寄り候補地83、84の画像と立ち寄り候補地83、84の位置情報とし、その中に含まれるユーザA~Dの属性情報と共にナビゲーション部32に出力する。
【0027】
次に
図4~
図10を参照しながら携帯端末20の動作について説明する。以下の説明では、携帯端末20を所有するユーザDが車両10に携帯端末20を持ち込み、携帯端末20にルート案内を行わせながら出発地60から目的地81まで車両10を運転するとして説明する。尚、
図5~
図10では、車両10を走行方向に尖った三角のマークで示し、ルート案内中の道路を太い実線で示し、走行ルートではない道路を二重線で示す。また、サーバ40の共有画像データベース43には、
図2に示すような登録画像を含む共有画像データ431~434が格納されているとして説明する。
【0028】
図5に示すように、ユーザDが出発地60で車両10に乗車し、車両10を始動すると、携帯端末20と車載カメラ11、車室ディスプレイ13とが接続される。そして、ユーザDが携帯端末20にインストールされているナビゲーションのアプリケーションを始動し、目的地81、経由地82を入力すると、
図4のステップS101に示すように、携帯端末20のナビゲーション部32は目的地81へのルート案内を開始する。ナビゲーション部32は、位置情報取得部31から入力された位置情報と地図情報格納部33から入力された地図情報に基づいて経由地82を通って目的地81へ行くルートを算出し、
図5に示すように、車室ディスプレイ13に表示した地図の上に走行ルートを太い実線で表示する。
【0029】
図5中に太い実線と矢印とで示すように、走行ルートは、出発地60から道路61を西に向かい、分岐点71を右に進み、その次の分岐点72を左に行って道路63を西に進み、湖67の南の経由地82に至り、その後、経由地82から、湖67の西側の道路63を北上して分岐点73を左に進み、交差点74を直進して目的地81に至るものである。尚、
図5中に二重線で示す道路62、64、65、66、68は、走行ルートには含まれない。
【0030】
車両10が走行ルートに沿って走行を開始すると、携帯端末20のダウンロード部36は、
図4のステップS102に示すように、共有画像データベース43にアクセスして車両10の現在位置が共有画像データベース43に格納した少なくとも1つの登録画像の撮影位置に近づいたかどうかを検出する。この検出はいろいろな方法で検出できるが、以下に一例を示す。
【0031】
携帯端末20のダウンロード部36は、共有画像データベース43に格納されている複数の共有画像データ431~434の撮影位置情報中の各経緯度を取得し、位置情報取得部31から入力された車両10の現在の経緯度と比較する。そして、車両10の現在位置の経緯度と共有画像データ431~434の中の少なくとも1つの経緯度との差が第1の所定の閾値よりも小さくなった場合に、
図4のステップS102でYESと判断して
図4のステップS103に進む。一方、
図4のステップS102でNOと判断した場合には、車両10の現在位置の経緯度と共有画像データ431~434の中の少なくとも1つの経緯度との差が第1の所定の閾値よりも小さくなるまで
図4のステップS102を繰り返し実行する。ここで、経緯度の差の第1の所定の閾値は自由に選択することができるが、例えば、直線距離で10km程度に対応する0.1°程度でもよいし、20km程度に相当する0.2°程度でもよい。
【0032】
ダウンロード部36は、
図4のステップS102でYESと判断した場合には、
図4のステップS103で、少なくとも1つの登録画像とその撮影位置情報とを立ち寄り候補地84の画像と立ち寄り候補地84の位置情報として共有画像データベース43から取得する。例えば、
図6に示すように、車両10の現在位置が共有画像データ432の撮影位置に近づいた場合、ダウンロード部36は、共有画像データベース43にアクセスして共有画像データ432に含まれる登録画像(124.JPG)と撮影位置の経緯度(E135.4,N35.1)と名称(レストラン△△)と評価(4.5)とを取得する。
【0033】
また、ダウンロード部36は、
図4のステップS104で共有画像データ432に含まれるユーザBの属性情報(ユーザ名、電話番号、メールアドレス、SNS ID)を共有画像データベース43から取得する。
【0034】
そして、ダウンロード部36は、取得した登録画像(124.JPG)と撮影位置の経緯度(E135.4,N35.1)と名称(レストラン△△)と評価(4.5)とを立ち寄り候補地84の画像、位置情報、評価としてナビゲーション部32に出力する。また、ダウンロード部36は、取得したユーザBの属性情報をナビゲーション部32に出力する。
【0035】
ナビゲーション部32は、
図4に示すステップS105において、
図6に示すように、入力された画像をポップアップ画像85として車室ディスプレイ13に表示する。また、ナビゲーション部32は、ポップアップ画像85の中の枠86の中に、立ち寄り候補地84の名称(レストラン△△)、評価(4.5)を表示する。
【0036】
また、ナビゲーション部32は、
図4に示すステップS106において、車室ディスプレイ13の中にユーザBとの通信開始画面90をポップアップさせる。通信開始画面90には、ユーザ名(Bさん)と、電話を掛けるボタン93と電話を切るボタン92とが表示され、ボタン93をタッチすることによりユーザBに電話連絡することができる。
【0037】
車両10の搭乗者であるユーザDは、通信開始画面90からレストラン△△の画像を登録したユーザBに電話連絡することにより、ユーザBからレストラン△△の詳細な情報を得ることができると共に、ユーザBとつながることができる。尚、電話ではなく、別なマークのボタンを表示させ、SNS、或いはメールによりユーザBとつながるような通信開始画面90をポップアップしてもよい。
【0038】
携帯端末20のダウンロード部36は、
図4のステップS107において、車両10の現在位置の経緯度と共有画像データ432の撮影位置の経緯度(E135.4,N35.1)との差を検出する。そして、その差が第1の所定の閾値よりも小さい第2の所定の閾値よりも小さくなった場合には、
図4のステップS107でYESと判断して
図4のステップS108に進む。一方、
図4のステップS107でNOと判断した場合には、
図4のステップS102に戻って、次の登録画像の撮影位置に近づいたかどうかを判断する。
【0039】
例えば、
図6に示すように立ち寄り候補地84のポップアップ画像85と名称、評価を表示した後、
図4のステップS107でNOと判断した後に、車両10の現在位置の経緯度と共有画像データ431の登録画像(123.JPG)の撮影位置の経緯度(E135.4,N35.0)との差が第1の所定の閾値よりも小さくなった場合には、ダウンロード部36は、
図4のステップS102でYESと判断して
図4のステップS103、ステップS104に進む。ダウンロード部36は、
図4のステップS103、ステップS104で共有画像データ431に含まれる登録画像(123.JPG)と撮影位置の経緯度(E135.4,N35.0)と名称(○○山)と評価(3.5)と、ユーザAの属性情報を共有画像データベース43から取得する。そして、ダウンロード部36は、取得した登録画像(123.JPG)と撮影位置の経緯度(E135.4,N35.0)と名称(○○山)と評価(3.5)とを立ち寄り候補地83の画像、位置情報、評価としてナビゲーション部32に出力する。
【0040】
ナビゲーション部32は、先に
図6を参照して説明した立ち寄り候補地84の場合と同様、
図7に示すように、入力された画像をポップアップ画像87として車室ディスプレイ13に表示し、ポップアップ画像87の中の枠88の中に、立ち寄り候補地83の名称(○○山)、評価(3.5)を表示する。
【0041】
ナビゲーション部32は、
図4のステップS107でYESと判断した場合には、
図4のステップS108に進み、車室ディスプレイ13に立ち寄り選択画面94をポップアップさせる。立ち寄り選択画面94は、立ち寄り候補地83,84に立ち寄るかどうかの質問95と、YES/NOの回答ボタン96,97で構成されている。
【0042】
車両10の搭乗者であるユーザDがYボタンをタッチすると、タッチした立ち寄り候補地83,84への立ち寄り指令がナビゲーション部32に入力される。立ち寄り指令が入力されるとナビゲーション部32は、
図4のステップS109でYESと判断して
図4のステップS110に進み、現在位置から立ち寄り候補地83,84を経由して目的地81に至る新ルートを算出して車室ディスプレイ13に表示された道路を太い実線に変更する。
【0043】
例えば、ユーザDが立ち寄り候補地83に立ち寄り、立ち寄り候補地84には立ち寄らない選択をした場合、ナビゲーション部32は、
図9中の矢印に示すように、現在位置から経由地82を通って、湖67の西の道路63を北上した後、白抜き矢印で示すように分岐点73を右に曲がり、道路65を通って立ち寄り候補地83に至り、立ち寄り候補地83から道路65を戻って分岐点73に戻り、再び矢印で示すように分岐点73を右に曲がって目的地81に至る新ルートを算出し、新ルートに含まれる道路65を太い実線に変更する。そして、ナビゲーション部32は、
図9に示すように、「ルート変更します」とのメッセージ画面99をポップアップする。そして、ナビゲーション部32は、
図4のステップS111に進んで新ルートに従って、車両10を目的地81までルート案内する。
【0044】
また、ユーザDが立ち寄り候補地83,84の両方に立ち寄ると入力した場合、ナビゲーション部32は、
図10の矢印に示すように、現在位置から道路61を通って経由地82に至った後、網掛け矢印で示すように経由地82から分岐点72に戻り、分岐点72を左折して道路64を北上して立ち寄り候補地84に至り、その後、立ち寄り候補地84から道路64を更に北上して白抜き矢印のように分岐点73を右折して道路65を通って立ち寄り候補地83に至る新ルートを算出し、新ルートに含まれる道路64,65を太い実線に変更する。そして、ナビゲーション部32は、「ルート変更します」とのメッセージ画面99をポップアップし、
図4のステップS111に進んで車両10を新ルートに従って目的地81までルート案内する。
【0045】
ナビゲーション部32は、目的地81に到着するまでは、
図4のステップS102からS111を繰り返して実行し、目的地81に到着したら
図4のステップS112でYESと判断してルート案内を終了する。
【0046】
以上説明したように、携帯端末20は、複数のユーザA~DがSNSで共有する共有画像データベース43に基づいて立ち寄り候補地83,84の画像と位置情報とを車室ディスプレイ13に表示するので、車両10に搭乗しているユーザA~Dは詳細な情報に基づいて立ち寄り候補地83,84に立ち寄るかどうかを選択することができる。
【0047】
また、車両10に搭乗しているユーザA~Dは、登録画像を登録したSNS上でつながりのある他のユーザA~Dと連絡を取ることができ、立ち寄り候補地83,84に関するより詳細な情報を得ることができる。このため、車両10に搭乗しているユーザA~Dはより詳細な情報に基づいて立ち寄り候補地83,84に立ち寄るかどうかを選択することができる。
【0048】
また、以上の説明では、通信機能付ナビゲーション装置の一例の携帯端末20について説明したが、共有画像データベース43にアクセス可能であると共に、位置情報を取得して車両10のナビゲーションを行うことができる装置であれば、携帯端末20に限定されない。例えば、車両10に取り付けられたナビゲーション装置に通信機能を組み合わせた装置であってもよい。
【0049】
以上の説明では、車両10の現在位置の経緯度と共有画像データ431~434の経緯度との差により、登録画像の撮影位置に近づいたかどうかを判断することとして説明したが、これに限らない。例えば、車両10の現在位置から共有画像データ431~434の撮影位置までのルートを計算し、現在位置から各撮影位置までのルート長さが所定の長さよりも短くなった場合、或いは、現在位置から各撮影位置までの所要時間が所定の時間よりも短くなった場合に登録画像の撮影位置に近づいたと判断してもよい。
【0050】
また、以上の説明では、サーバ40はSNSのサーバであるとして説明したが、これに限らない。複数のユーザA~Dが登録した登録画像と撮影位置情報とを関連付けて格納し、複数のユーザA~Dのみがデータを共有できる共有画像データベース43を備えていればSNS以外のシステムのサーバであってもよい。
【0051】
次に
図11を参照しながら他の実施形態の携帯端末120について説明する。先に
図1、2を参照して説明した携帯端末20と同一の部位には同一の符号を付して説明は省略する。
【0052】
図11に示すように、携帯端末120は、
図3に示したアップロードデータ生成部34と属性付与部35とを有さず、
図3のカメラ23で撮影した画像データを共有画像データ431~434として共有画像データベース43にアップロードする機能を備えないものである。その他の構成は、先に
図1、3を参照して説明した携帯端末20と同一である。
【0053】
携帯端末120は、先に説明した携帯端末20と同様の作用/効果を奏する。
【符号の説明】
【0054】
10 車両、11 車載カメラ、12 車両インターフェース、13 車室ディスプレイ、20,120 携帯端末、21,41 CPU、22,42 メモリ、23 カメラ、24 マイクロホン、25 ディスプレイ、31 位置情報取得部、32 ナビゲーション部、33 地図情報格納部、34 アップロードデータ生成部、35 属性付与部、36 ダウンロード部、40 サーバ、43 共有画像データベース、50 GPS衛星、55 インターネット回線、60 出発地、61~65,68 道路、67 湖、71~73 分岐点、74 交差点、81 目的地、82 経由地、83,84 立ち寄り候補地、85,87 ポップアップ画像、86,88 枠、90 通信開始画面、92、93 ボタン、94 立ち寄り選択画面、96,97 回答ボタン、99 メッセージ画面、431~434 共有画像データ、A~D ユーザ。