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特開2023-179254電子文書ファイル、デジタル名刺、電子表示装置および電子文書ファイルの製造方法
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  • 特開-電子文書ファイル、デジタル名刺、電子表示装置および電子文書ファイルの製造方法 図1
  • 特開-電子文書ファイル、デジタル名刺、電子表示装置および電子文書ファイルの製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179254
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】電子文書ファイル、デジタル名刺、電子表示装置および電子文書ファイルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/134 20200101AFI20231212BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20231212BHJP
【FI】
G06F40/134
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092464
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】598118994
【氏名又は名称】株式会社アクテム
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【弁理士】
【氏名又は名称】笹沼 崇
(72)【発明者】
【氏名】藤井 純一
【テーマコード(参考)】
5B109
5E555
【Fターム(参考)】
5B109NH02
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA71
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC05
5E555CB33
5E555CB34
5E555CB45
5E555CB47
5E555CB48
5E555CC01
5E555DA23
5E555DB41
5E555DB53
5E555DB57
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】デジタル名刺とした場合に汎用性を向上させ得る電子文書ファイルを提供する。
【解決手段】 内蔵データに従って、文章および図形のうちの少なくとも一つを含むキャラクタを、電子表示装置に表示させる電子文書ファイルであって、電子表示装置に表示された電子文書において、所定位置のキャラクタにおける閲覧者からの指示により、動画、静止画、文字および音声のうちの少なくとも一つを含むマルチメディアデータの再生を行うマルチメディアコンテンツと、電子表示装置に表示された文書において、所定位置のキャラクタにおける閲覧者からの指示により、リンク情報および情報通信情報のうちの少なくとも一つを含み、対応するアプリケーションの起動を行う起動コンテンツと、を有する、電子文書ファイル。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵データに従って、文章および図形のうちの少なくとも一つを含むキャラクタを、電子表示装置に表示させる電子文書ファイルであって、
電子表示装置に表示された電子文書において、所定位置のキャラクタにおける閲覧者からの操作指示により、映像、文字および音声のうちの少なくとも一つを含むマルチメディアデータの再生を行うマルチメディアコンテンツと、
電子表示装置に表示された文書において、所定位置のキャラクタにおける閲覧者からの操作指示により、リンク情報および情報通信情報のうちの少なくとも一つを含み、対応するアプリケーションの起動を行う起動コンテンツと、を有する、
電子文書ファイル。
【請求項2】
請求項1に記載の電子文書ファイルであって、
前記閲覧者からの操作指示を行うための前記所定位置のキャラクタは、少なくとも写真画像を画像処理した処理済み画像を含む、
電子文書ファイル。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子文書ファイルであって、
前記マルチメディアデータの再生において、複数の言語で音声の再生を行う、
電子文書ファイル。
【請求項4】
請求項1または2に記載の電子文書ファイルであって、
前記閲覧者からの指示を行うための前記所定位置のキャラクタは、少なくとも矩形または矩形近似の図形であり、前記閲覧者の指の大きさと対応した大きさの図形である、
電子文書ファイル。
【請求項5】
請求項1または2に記載の電子文書ファイルであって、
外部の装置にアクセスするための二次元バーコードを含む、
電子文書ファイル。
【請求項6】
請求項1または2に記載の電子文書ファイルを使用したデジタル名刺であって、
ビジネス情報を含み、当該ビジネス情報を表示させる、
デジタル名刺。
【請求項7】
請求項1または2に記載の電子文書ファイルの入力を受ける入力部と、
前記入力を受けて前記入力部から出力された文書データを処理する処理部と、
前記処理部から出力された表示データを表示する表示部と、
を備え、
前記電子文書ファイルを表示する、電子表示装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の電子文書ファイルを製造する製造方法であって、
写真画像の入力を受けて前記写真画像の画像処理を行い、処理済み画像を出力する第1ステップと、
音声の入力を受けつつ、前記処理済み画像を元に、動画データを作成する第2ステップと、
前記動画データを前記電子文書ファイル内に埋め込む第3ステップと、
前記閲覧者からの指示を行うための前記所定位置のキャラクタとして、少なくとも前記処理済み画像をセットする第4ステップと、
を含む、
電子文書ファイルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子文書ファイル、デジタル名刺、これらを表示する電子表示装置および電子文書ファイルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビジネスにおけるオンライン化に伴い、名刺交換も電子化が進んでいる。従来では、顧客から入手した紙の名刺の内容を、クラウド型等のデータベース(DB)に電子データ化するアプリケーション(以下、単にアプリとも呼ぶ)やシステムが提供されている。また、携帯電話やタブレット、スマートホン(以下、単にスマホとも呼ぶ)などの携帯端末の機能が充実し、従来の紙名刺に代わって、紙名刺を電子データ化した電子名刺(デジタル名刺)を携帯端末で提示しうるデジタル名刺管理システムが提案されている。
【0003】
従来技術としてのデジタル名刺管理システム(以下、従来デジタル名刺システム)としては、次の特許文献1がある。すなわち、特許文献1では、紙名刺をスキャナ機器等により読み取られた名刺イメージデータとして蓄積し、蓄積した名刺イメージデータをOCR(Optical Character Recognition/Optical Character Reading)処理してDB化し、外部の端末から閲覧、参照等を行うことができるシステムが開示されており、名刺に記載された名刺情報をPC(Personal Computer.以下、パソコンとも称す)や上記携帯端末等で閲覧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-296353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、一元管理のDB化や、高々ビジネス上のマッチング(ビジネス相手の探索)が、主な目的となっている、または当該DB化された(電子化された)情報を参照することが主な目的となっており、提案などを行いたい場合に相手に届きにくいものとなっている。さらに、こうしたデジタル名刺管理システムでは、上記デジタル名刺の参照のみで、電子データに写真の追加等をすることができないものもある。加えて、こうしたデジタル名刺管理システムでは、デジタル名刺を参照したい者はクラウド型DB等にアクセスして参照せねばならない煩わしさがある。このように従来技術では、デジタル名刺の汎用性が限定的である側面や、広告などのビジネス情報の到達度が低い側面がある。
【0006】
そこで、本発明は、デジタル名刺とした場合に汎用性および情報到達度を向上させ得る電子文書ファイル、電子表示装置および電子文書ファイルの製造方法を提供することを目的とし、また汎用性および情報到達度を向上させたデジタル名刺を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一構成にかかる電子文書ファイルは、
内蔵データに従って、文章および図形のうちの少なくとも一つを含むキャラクタを、電子表示装置に表示させる電子文書ファイルであって、
電子表示装置に表示された電子文書において、所定位置のキャラクタにおける閲覧者からの操作指示により、映像、文字および音声のうちの少なくとも一つを含むマルチメディアデータの再生を行うマルチメディアコンテンツと、
電子表示装置に表示された文書において、所定位置のキャラクタにおける閲覧者からの操作指示により、リンク情報および情報通信情報のうちの少なくとも一つを含み、対応するアプリケーションの起動を行う起動コンテンツと、を有する。なお、所定位置のキャラクタにおける閲覧者からの操作指示に代えて、自動的に、マルチメディアデータの再生が行われてもよく、またアプリケーションの起動が行われてもよい。なお、上記マルチメディアデータは、カメラで撮影したままの通常の静止画、動画等に加えて、後述の画像処理した画像(静止画)やこれによる動画が含まれる。
また、本発明の一構成にかかるデジタル名刺は、
上記または後述のような電子文書ファイルを使用したデジタル名刺であって、
ビジネス情報を含み、当該ビジネス情報を表示させる。
例えば、上記電子文書ファイルやデジタル名刺は、PDF(Portable Document Format)ファイルのような形式で実現されうる。こうした構成により、ビジネス当事者の名前や連絡先などの情報に加え、マルチメディアデータによる広告の情報等を含み、また必要に応じて自社のサイト等への誘導が行えるので、当該ビジネス情報の伝達を促進させることができる。
【0008】
この電子文書ファイルの構成によれば、閲覧者からの指示により、動画、静止画(上記映像には、動画、静止画が含まれる)文字および音声のうちの少なくとも一つを含むマルチメディアデータの再生を行う構成と、閲覧者からの指示により、電子メール、インターネット閲覧ブラウザ、SNS(Social Networking Service)閲覧アプリ、地図表示、電話のような対応するアプリケーションの起動しうるリンク情報および情報通信情報のうちの少なくとも一つを含む構成とを一つの電子文書に集約することができる。よって、本発明の一構成にかかる電子文書ファイルは、後述のようなデジタル名刺として使用した場合に汎用性および情報到達度(例えば、複数の情報が電子文書ファイルに集約されていることによる当該情報へのアクセスの容易性のこと)を向上させることができる。また、PDFファイルのような形式で実現された場合、メールに添付して送信可能であり、オンライン動画共有プラットフォームを含む動画投稿サイトやSNSへのアップロードも可能であるので、後述のようなデジタル名刺として使用した場合に汎用性および情報到達度を向上させることができる。
【0009】
上記のような電子文書ファイルを使用したデジタル名刺は、氏名、会社名、部署名のようなビジネス情報に加え、広告等の情報や、自社サイトへの誘導情報を含み、当該ビジネス情報を表示させ、当該ビジネス情報の伝達を促進させる効果があるので、該ビジネス情報と、上記マルチメディアデータの再生を行う構成と、上記リンク情報および情報通信情報のうちの少なくとも一つを含む構成とを一つの電子文書(デジタル名刺)に集約することができる。例えば、上記マルチメディアデータの映像をその名刺を所有する本人の映像とし、リンク情報および情報通信情報を本人の会社の電話番号やメールアドレス、会社ホームページ(HP)の情報とすることで、こうした情報も一つのデジタル名刺に集約することができる。よって、本発明の一構成にかかるデジタル名刺は汎用性および情報到達度を向上できる。さらにその操作性も向上できる。また、PDFファイルのような形式で実現された場合、メールに添付して送信可能であり、オンライン動画共有プラットフォームを含む動画投稿サイトやSNSへのアップロードも可能であるので、本発明の一構成にかかるデジタル名刺は汎用性および情報到達度を向上できる。さらにその操作性も向上できる。
【0010】
電子文書ファイルは、前記閲覧者からの操作指示を行うための前記所定位置のキャラクタは、少なくとも写真画像を画像処理した処理済み画像を含んでもよい。当該画像処理では、文字や画像のオーバーレイ処理、エッジ処理、モザイク加工、コラージュ加工、ぼやけ加工等を取り得るが、AI(Artificial Intelligence)技術等により本人の写真を元に似顔絵イラスト化や所謂漫画顔化等することができ、例えば静止画写真の顔画像から音声に合わせて話すことができる。以下、似顔絵イラスト化や所謂漫画顔化等は、アバター化(仮想人間化)を含み、静止画においては似顔絵化、漫画顔化とも呼び、動画においてはアニメ化とも呼ぶ。この似顔絵化、漫画顔化、アバター化により、実際の写真(顔)を公開したくない、顔写真の悪用を回避したいなどの場合には、写真そのものではないため公開しても個人を特定しにくい利点がある。この一方で、本人の顔を知っている人には本人と伝わる上、アニメ顔等であっても本人の顔のアウトラインや雰囲気等を伝達することができる。
【0011】
電子文書ファイルは、前記マルチメディアデータの再生において、複数の言語で音声の再生を行ってもよい。この構成によれば、多言語(外国語)の音声で自己紹介や挨拶、説明等ができる。
【0012】
前記閲覧者からの指示を行うための前記所定位置のキャラクタは、少なくとも矩形または矩形近似の図形であり、前記閲覧者の指の大きさと対応した大きさの図形であってもよい。なお、該キャラクタは、文字であってもよい。閲覧者の指の大きさと対応した大きさは、例えば、所謂指の大きさとほぼ同じことを含み、また当該矩形、矩形近似の図形の縦辺の長さまたは横辺の長さを指の大きさに合わせることを含む(他辺は任意長の長さとしうる)。矩形近似の図形は、当該矩形の長辺短辺の四辺に近い辺を有する多角形、円、楕円を当該矩形に近づけた図形、また角丸矩形等を含みうる。
【0013】
また、外部の装置にアクセスするための二次元バーコードを含んでもよい。これにより、携帯端末等の機器において、サーバ等の外部の装置にアクセスして、ホームページやビジネス情報などが簡単に閲覧できる。例えば、相手にビジネス情報を渡す時に先行して相手(送付先)のメールアドレス等を取得しないと渡すことができないが、この外部の装置にデジタル名刺等のビジネス情報専用ページを作成しておくなどすれば、相手(受取者)が、自分のメールアドレスを伝えたくない場合や、事前に(送付前に)ビジネス情報のみを知りたい場合に、相手がこの二次元コードを介して(スキャンして)これから送付しようとするビジネス情報の内容を、事前に見る事ができる(プレビュー機能)。また、この二次元バーコードをクリック等することで、商品の購入等が行えてもよい。
【0014】
本発明の一構成にかかる前記電子文書ファイルを表示する、電子表示装置は、
上記のような電子文書ファイルの入力を受ける入力部と、
前記入力を受けて前記入力部から出力された文書データを処理する処理部と、
前記処理部から出力された表示データを表示する表示部と、
を備える。
これによれば、上記電子文書ファイルの効果を奏する電子表示装置を実現できる。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の一構成にかかる電子文書ファイルの製造方法は、
本発明の上記電子文書ファイルについて、
写真画像の入力を受けて前記写真画像の画像処理を行い、処理済み画像を出力する第1ステップと(似顔絵化、漫画顔化)、
音声の入力を受けつつ、前記処理済み画像を元に、動画データを作成する第2ステップと(アニメ化)、
前記動画データを前記電子文書ファイル内に埋め込む第3ステップと、
前記閲覧者からの指示を行うための前記所定位置のキャラクタとして、少なくとも前記処理済み画像をセットする第4ステップと、
を含む。
この構成によれば、上記効果を奏する電子文書ファイルを製造できる。なお、上記動画データでは、前記処理済み画像を元に、音声に合わせて、口等が動いてしゃべることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる電子文書ファイル、電子表示装置および電子文書ファイルの製造方法によれば、デジタル名刺とした場合に汎用性および情報到達度を向上させることが可能であり、本発明にかかるデジタル名刺によれば、汎用性および情報到達度を向上させることができる。さらに、こうした構成により、情報伝達効果、広告効果、多言語による効果を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態にかかる電子文書ファイルの一例であるデジタル名刺の説明図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる電子表示装置の構成を示す概略ブロック図である。
図3】上記電子文書ファイルの製造方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態にかかる電子文書ファイルを説明する。本実施形態の電子文書ファイルは例えば、内部に後述のマルチメディアコンテンツや起動コンテンツのような内蔵データを含みうるPDF(Portable Document Format)ファイルのような形式で実現される。よって、メールに添付して送信可能である。マルチメディアデータは、ファイル自体に埋め込むことができ、またオンライン動画共有プラットフォームを含む動画投稿サイトやSNS(Social Networking Service)等へアップロードされたものも使用可能である。後者の動画では、動画投稿サイトやSNSの専用サーバ等に予めアップロードしておくことで、電子文書ファイルに含まれる動画のリンク情報により、サーバから動画を呼び出して表示(再生)しうる。該電子文書ファイルは、デジタルパンフレットや、デジタルレポート、電子紙芝居、語学研修教材、介護教材、後述のデジタル名刺等を実現するのに使用できる。本実施形態の電子文書ファイルは、後述のような電子表示装置であるスマートホンやパソコン(パーソナルコンピュータ)等において、内蔵データに従って、すなわち処理部(CPU[Central Processing Unit]等)が該内蔵データを解析するなどして、文章および図形のうちの少なくとも一つを含むまたは複数のキャラクタを、電子表示装置の液晶ディスプレイのような表示部に表示させる。ここで、本実施形態の電子文書ファイルは、電子表示装置に対応する電子文書を表示させるものであり、丸や星形等の記号、動物、映画の登場人物の顔などが含まれうるキャラクタが表示されている所定位置において、閲覧者が液晶画面を押す、マウスでクリックするなどの指示動作により、映像、文字および音声のうちの少なくとも一つを含むまたは複数のマルチメディアデータの再生を行うことができるマルチメディアコンテンツを有する。また、本実施形態の電子文書ファイルは、リンク情報および情報通信情報のうちの少なくとも一つを含んでいるため、上記のような、電子表示装置に表示された文書において、上記所定位置のキャラクタにおける閲覧者からの指示により、リンク情報および情報通信情報等に対応するアプリケーションの起動を行うことができる起動コンテンツを有する。
【0019】
すなわち、本実施形態にかかる電子文書ファイルでは、上記マルチメディアコンテンツは例えば、音声ファイルや動画ファイル等であるマルチメディアデータを含む。なお、上記マルチメディアコンテンツが、youtube(登録商標)など固有のプラットフォームのオンライン動画共有プラットフォームを含む動画投稿サイトのリンク情報を有し、動画投稿サイトの当該リンク先の音声ファイルや動画ファイルを再生するコンテンツであってもよい。これらの機能により、日常生活の動画や商品説明、広告、報告、所定のレクチャー等を配信できる。
【0020】
また、本実施形態にかかる電子文書ファイルでは、上記起動コンテンツは例えば、上記閲覧者の指示動作により、リンク情報および情報通信情報と、これらに対応したメーラや電話アプリ(アプリケーション)、インターネット閲覧ブラウザ、地図表示アプリ(マップアプリ)を起動するコンテンツを含む。よって、文字入力等の煩わしさや入力間違いを回避しつつ、上記の各アプリを簡単に起動できる。
【0021】
実施形態にかかる電子文書ファイルでは、さらに、前記閲覧者からの指示を行うための前記所定位置のキャラクタは、少なくとも写真画像を画像処理した処理済み画像を含んでもよく、また、前記マルチメディアデータの再生において、複数の言語で音声の再生を行い、多言語(外国語)で自己紹介や挨拶、説明等を行ってもよい。本実施形態の画像処理は、AI(Artificial Intelligence)技術等により本人の写真を似顔絵化、漫画顔化して、音声を加え、当該似顔絵化、漫画顔化された写真がアニメ化されて音声に合わせて喋ることができる。これにより、実際の写真(顔)を公開したくない、顔写真の悪用を回避したいなどの場合には、写真そのものではないため公開しても個人を特定しにくい一方で、本人の顔を知っている人には本人と伝わる上、本人の顔のアウトラインや雰囲気等は伝達することができる。加えて、本実施形態にかかる電子文書ファイルでは、起動コンテンツにおける前記閲覧者からの指示を行うための前記所定位置のキャラクタは、角部に丸味を有する角丸矩形のような矩形近似の図形であり、縦辺の長さおよび横辺の長さが前記閲覧者の指の大きさとほぼ同じ大きさである。なお、起動コンテンツにおける前記閲覧者からの指示を行うための前記所定位置のキャラクタは、縦辺の長さまたは横辺の長さが指の大きさとほぼ同じで、他辺は所定長の長さとでき、横長(後述の図1)または縦長の角丸矩形のような図形ともできる。また、マルチメディアコンテンツにおける前記閲覧者からの指示を行うための前記所定位置のキャラクタは、角丸矩形のような枠に収まった人物の静止画の写真画像やその画像処理済み画像等とすることができる。
【0022】
次に、本発明の一実施形態にかかる電子文書ファイルの一例であるデジタル名刺を図面に基づいて説明する。図1に示す本実施形態にかかるデジタル名刺は、上記電子文書ファイルを使用し、氏名、会社名、部署名のようなビジネス情報を含み、当該ビジネス情報を電子表示装置に表示させることができ、該ビジネス情報と、上記マルチメディアデータの再生を行う構成と、上記リンク情報および情報通信情報のうちの少なくとも一つを含む構成とを一つのデジタル名刺に集約することができるといった格別のメリットを有する。本実施形態のデジタル名刺では、例えば、上記マルチメディアデータの映像をその名刺を所有する本人の映像とし、リンク情報および情報通信情報を本人の会社の電話番号やメールアドレス、会社ホームページ(HP)の情報としている。なお上記本人の映像は、実際の本人の顔写真でもよいが、本実施形態ではAI技術等により本人の写真を似顔絵化または漫画顔化しており、実際の写真(顔)を公開したくない、顔写真の悪用を回避したい場合に対応できる。本人の写真そのものではないため、公開しても個人を特定しにくい一方で、本人の顔を知っている人には本人として伝える。一方で、本人の顔を知っていなくても、本人の顔のアウトラインや雰囲気等は伝達することができる。
【0023】
図1の電子文書ファイル100を使用したデジタル名刺100Aは、電子表示装置500(図2)に表示させた場合の電子文書SHにおいて、図1のビジネス情報BI、マルチメディアコンテンツ200、起動コンテンツ300を有している。マルチメディアコンテンツ200は、電子文書SHの所定位置のキャラクタとして、本人の写真が似顔絵化または漫画顔化された静止画像SP1(図3)を含んでいる。本実施形態のデジタル名刺100Aは、動画ファイル250を含み、静止画像SP1を押して閲覧者が指示することで、静止画像SP1からAIが動画化(アニメ化)した動画ファイル250を再生できる(音声再生のみ、または動画音声再生。以下同じ)。なお、静止画像SP1を押した場合に、この動画ファイル250の再生に代えて、動画ファイル230がアップロードされた外部の動画投稿サイトC1にアクセスして、動画投稿サイトC1上の動画ファイル230を再生するようにしてもよい。本実施形態のデジタル名刺100Aでは、電子文書SHの所定位置のキャラクタであるスイッチ210を押すことで、複数の言語の外国語音声で動画再生が可能となる。動画再生を起動する押下箇所(スイッチ)は複数設定されてもよい。ここでは、マルチメディアコンテンツ200(スイッチ200)の箇所を押下してアニメ化動画を再生し、もう一つのスイッチ210の箇所を押下して、英語等の多言語動画や商品パンフレットを表示できる。こうしたスイッチは、複数使用でき、例えば横に並べて表示できる。多言語の時は、言語数と同じ数のスイッチ210を、例えばレイアウトに合わせ複数設定できる。
【0024】
起動コンテンツ300は、マップスイッチ301、ホームページスイッチ302、会社メールスイッチ303、キャリアメールスイッチ304、会社電話スイッチ305、スマホ電話スイッチ306を含む。マップスイッチ301は、マップアプリを起動させ、マップ表示サービスC2を利用して会社所在地などを、スマートホンの別画面上または同一画面上のマップ等に表示させる。ホームページスイッチ302は、インターネット閲覧ブラウザを起動させ、各プロバイダの有するサーバやクラウド上等に存在する会社などのホームページC3を上記画面上等に表示させる。会社メールスイッチ303は、メーラA1を起動させ、会社メールアドレス宛にメールを送信できる。キャリアメールスイッチ304は、メーラA1を起動させ、キャリアメールアドレス宛にメールを送信できる。会社電話スイッチ305は、電話アプリA2を起動させ、会社の電話番号宛に電話をかけることができる。スマホ電話スイッチ306は、電話アプリA2を起動させ、個人のスマートホン等の電話番号宛に電話をかけることができる。なお、こうしたスイッチは、例えば所定位置のキャラクタとして角丸矩形形状をしており、紙面のデザインまたはレイアウトや、記載情報の追加によって、必要に応じて複数追加できる。また、デジタル名刺100Aの紙面(電子文書SH)の拡張や各ボタンの配置、形状、大きさ等の変更もできる。なお、デジタル名刺100Aは、メッセージ追加機能が含まれてもよく、これを使用して不図示の活動報告等を追加することができる。これにより、例えば営業活動等をしている人にとって有益なツールとなる。
【0025】
また、デジタル名刺100Aには、二次元バーコード308等が含まれてもよい。これを経由することで、別のスマートホン等の機器において、サーバ等の外部の装置にアクセスして、デジタル名刺の本人が所属する会社のホームページなどが簡単に閲覧できる。このホームページ等にデジタル名刺専用ページを作成しておくなどすれば、例えば、相手にデジタル名刺を渡す時に先行して相手(送付先)のメールアドレス等を取得しないと渡すことができないところ、相手がこの二次元コード308を介して(スキャンして)これから送付しようとするデジタル名刺の内容を、事前に見る事ができる(プレビュー機能)。このプレビュー機能により、対面での商談時や紹介時に手間を軽減でき有効である。また、この二次元バーコード308をクリック等することで、該会社の商品の購入等が簡単にできる。例えばこの際、動画像と連携しつつ、上記商品の販売EC(eコマース[Electronic Commerce])サイトへの誘導等も可能である。当該誘導では、一例として、デジタル名刺上でEC担当者が動画で商品説明をしつつ『私が推薦します』などと購入を促し、二次元バーコード308をクリックすれば、指定の販売ECサイトにリンクでき、商品販売の促進ができる。このように、二次元バーコード308により、動画での販促から、直ぐにECサイトへ誘導でき、商品の購入までの決定が早くなるメリット等がある。なお電子メモ309の欄により、相手方に対して挨拶等の「ちょっとしたメッセージ」を、紙名刺の場合と同様に書き込むことができる。
【0026】
図2に、電子文書SH(電子文書ファイル100)を表示させる本実施形態の電子表示装置500を示す。電子表示装置500は、入力部510と、処理部530と、表示部550とを少なくとも備える。入力部510では、所定のメディアやメール添付等を経由して、上記のpdfファイルのような電子文書ファイル100が入力される。処理部530は、例えばCPU[Central Processing Unit]等であり、上記入力を受けて入力部510から出力された文書データを処理する。具体的には、本実施形態では例えばPDFファイルの解析(PDF構文の解析等)を行う。表示部550は、例えば液晶ディスプレイであり、処理部530から出力された表示データ(解析結果)を閲覧者に向けて表示する。
【0027】
図3を参照して、電子文書ファイル100の製造方法の流れについて、デジタル名刺100Aを一例に説明する。パソコン等からなるデジタル名刺を製造する装置に、デジタル名刺100Aに対応する本人の静止画の写真画像(電子データ)SPを入力する。この写真画像SPの入力後に写真画像SPの画像処理を行い、処理済み画像SP1を出力する(第1ステップS100)。当該画像処理は、文字や画像のオーバーレイ処理、エッジ処理、モザイク加工、コラージュ加工、ぼやけ加工等を取り得るが、本実施形態では、AI(Artificial Intelligence)技術等により本人の写真を元に似顔絵イラスト化や所謂漫画顔化等を行う。この後に、当該本人の音声の入力を受けつつ(声ナレーション挿入)、処理済み画像SP1を元に、動画データを作成する(第2ステップS200)。動画データの作成では、AI技術等により処理済み画像SP1を元に動画化(アニメーション化等)を行う。具体的には、処理済み画像SP1の口と目における動作を、音声と同期して再生し、似顔絵イラスト化等された本人の顔の表情を再現する。次に、本実施形態では、Adobe(登録商標)社のAcrobat(登録商標)のようなpdfファイルへの動画組込アプリ等を使用して、この動画データを電子文書ファイル100(デジタル名刺100A)内に埋め込む(第3ステップS300)。続いて、前記閲覧者からの指示を行うための前記所定位置のキャラクタとして、少なくとも前記処理済み画像SP1をセットする(第4ステップS400)。これにより、上記動画データの画像が本人のそのもの顔ではなく、似顔絵イラスト化等された本人の顔であることを、閲覧者に伝えることができる。
【0028】
以上を踏まえて、上記電子文書ファイルと紙名刺との比較について述べる。紙名刺の欠点として、1.人物の顔写真を記載できるが、人物にしゃべらせることはできない、2.名刺上の顔写真を悪用される可能性がある(肖像権、個人情報乱用の問題等)、3.個人情報である顔写真を記載した場合、公表したくない場合に公表しないとの選択肢がない、4.多言語文字表示は、限定された紙面では文字数が多くなり表示に限界がある、5.名刺に商品情報を記載できるが、その広告用の動画や音声を印刷できない、6.複製(Copy)は有限な上、印刷費用がかかり、森林資源たる紙を必要とする、7.名刺の配布は実際に会わないと難しい、8.名刺の配布後に、拡散の制御、防止ができない、9.記載情報量が限定的である、10. PCやスマホで記載情報を使用する場合、入力の手間が発生する、また名刺上の文字が小さかったり文章が長かったりするため入力を間違える可能性が高まる、等がある。
【0029】
これに対し、上記電子文書ファイルまたはその製造方法の利点として、1.入手した写真だけで(静止画だけで)、AI機能を有するアプリケーション等でアニメーション等に動画化でき、動画の大きさ(サイズ)や文字、ロゴなどデザインを自由に決めることができる、2.アニメーション動画や静止画は実際の写真ではないので、公開しても個人を特定しにくい(その人物の顔を知っている者は本人と認識できる)、3.アニメーションであってもその人物のイメージを伝えることはできる、4.外国語を含む多言語の文字表示と音声による説明文や挨拶文を挿入でき、外国人に分かり易い、5.アニメーションの後等に商品説明などのコマーシャルを挿入することができ、動画や音声を再生できるため、セールスや商品紹介の用に供することができる、6.一度作成すると何枚でも複製でき、また初期費用のみで安価であり、さらに紙を多数消費せず環境にやさしい、7. 実際に会うだけではなく、メールによってもまたオンラインによっても配布が可能であり、電子文書ファイル(デジタル名刺)をプリントして紙名刺化することもできる、8. パスワードを設定するなどして配布先への情報開示やプリント可否の選別ができるので、情報の秘守性の向上や情報拡散の防止ができる、9.記載情報量は、ファイル容量の限度に依存するがほぼ無制限の可能性がある、10.面倒な文字や数字を入力せずにボタンをクリックするだけで直ちに、リンク先への接続や電話、メール等を開始することができる(リンク情報、情報通信情報)、11.連絡先などの記載情報やリンク先への接続等の各機能を1つに一体化(集約)できる、等の利点がある。
【0030】
また、以上を踏まえて、上記電子文書ファイルと従来デジタル名刺システムとの比較についても述べる。従来のデジタル名刺の欠点として、1.住所や名前など記述されている情報の一元管理(DB化)することが目的になっている、2.直接動画や音声の再生ができない、3.多言語文字表示や/音声表示ができない、4.DB方式やクラウド方式なので、ファイル自体の送付ができない、5.仕様に依存するが、特定のクラウドサービスであるため、スマホ汎用通信アプリ(LINE(登録商標)等)を経由してファイル自体の送付ができず汎用性がなくまた使用者が限定的である、6.名刺情報に対して自由にレイアウトを変更できない、7.文字表示が多く文字が小さいため見にくく認識率が低い場合がある、等がある。
【0031】
これに対し、上記電子文書ファイルまたはその製造方法の利点として、1. 特別のアプリケーションを要せずに配布した電子名刺(電子文書ファイル)から直接電話やメールが可能である、2. 電子名刺(電子文書ファイル)に動画やアニメメーションを埋め込んだりリンク情報を組み込むことができる、また動画や音声を再生できるためセールスや商品紹介が可能となる、3. 多言語の表示や再生ができる、4. 汎用性が高いPDF等の電子文書ファイルなのでメール添付等して送信できるため、先方のメールアドレスさえ把握できれば送信可能となり、また一般的なパソコンメールや携帯メール、スマホ汎用通信アプリなどに送信でき、オンラインMeetingなどに最適である、5.メッセージを追加でき、自由メモが可能となる、6.例えば操作しやすいように大きく表示したアイコン表示なので見やすく、見間違いを低減でき、認識率を高くできる、7.QR Cord(登録商標)等の二次元バーコードを表示すると、これを経由してスマートホン等の別の機器においてホームページなどが簡単に閲覧できる、等がある。
【0032】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0033】
100 電子文書ファイル
100A デジタル名刺
200 マルチメディアコンテンツ
300 起動コンテンツ
500 電子表示装置
510 入力部
530 処理部
550 表示部
BI ビジネス情報
SH 電子文書
SP 写真画像
SP1 処理済み画像
図1
図2
図3