(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179260
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
G08G1/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092481
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 厳太朗
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181FF05
5H181KK01
5H181KK06
5H181KK07
5H181KK08
(57)【要約】
【課題】利便性をより向上させた情報処理装置および情報処理方法を提供すること。
【解決手段】情報処置装置は、自車両の位置と、空きスペースの位置とを示す駐車場マップの表示を制御する表示制御装置と通信を行う情報処理装置であって、自車両、空きスペース、および、複数の駐車スペースに面した通行路において自車両の周辺に存在する他車両それぞれの位置情報を取得する通信部と、それらの位置情報に基づいて、空きスペースが他車両よりも自車両に近い第1空きスペースまたは自車両よりも他車両に近い第2空きスペースのどちらに相当するかを判定する判定部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の位置と、複数の駐車スペースのうちの空きスペースの位置とを示す駐車場マップの表示を制御する表示制御装置と通信を行う情報処理装置であって、
前記自車両、前記空きスペース、および、前記複数の駐車スペースに面した通行路において前記自車両の周辺に存在する他車両の位置情報を取得する通信部と、
前記位置情報に基づいて、前記空きスペースが前記他車両よりも前記自車両に近い第1空きスペースまたは前記自車両よりも前記他車両に近い第2空きスペースのどちらに相当するかを判定する判定部と、を有する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記通信部は、
前記判定部による判定結果の情報を前記表示制御装置へ送信し、
当該判定結果の情報は、前記駐車場マップにおいて前記第1空きスペースが前記第2空きスペースとは異なる態様で示されるための情報である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、
前記位置情報に基づいて、前記空きスペース毎に、当該空きスペースから前記自車両までの前記通行路に沿った第1距離と、当該空きスペースから前記他車両までの前記通行路に沿った第2距離とを算出し、
前記第1距離が前記第2距離未満である前記空きスペースは、前記第1空きスペースに相当すると判定し、
前記第1距離が前記第2距離以上である前記空きスペースは、前記第2空きスペースに相当すると判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、
前記位置情報に基づいて、前記空きスペース毎に、当該空きスペースから前記自車両までの前記通行路に沿った第1距離と、当該空きスペースから前記他車両までの前記通行路に沿った第2距離とを算出し、
さらに、前記第1距離に所定のマージンを加算し、
前記マージンが加算された前記第1距離が前記第2距離未満である前記空きスペースは、前記第1空きスペースに相当すると判定し、
前記マージンが加算された前記第1距離が前記第2距離以上である前記空きスペースは、前記第2空きスペースに相当すると判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、
前記他車両の位置の追跡情報および前記複数の駐車スペースの位置情報に基づいて、前記他車両が前記複数の駐車スペースのいずれかに一定時間以上の駐車を行っていない駐車目的車両であるか否かを判定し、
前記他車両が前記駐車目的車両である場合、前記空きスペースが前記第1空きスペースまたは前記第2空きスペースのどちらに相当するかの判定を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、
前記他車両の位置を基準とした所定範囲内にある複数の前記第2空きスペースを含むグループを設定し、
前記グループ内の空きスペースの数が当該グループ内の空きスペースの周辺に位置する前記他車両の数よりも多いか否かを判定し、
前記通信部は、
前記グループ内の空きスペースの数が当該グループ内の空きスペースの周辺に位置する前記他車両の数よりも多い場合、その旨を示す情報を前記表示制御装置へ送信し、
当該情報は、前記駐車場マップにおいて前記グループ内の空きスペースが前記第1空きスペースと同じ態様で示されるようにするための表示制御処理に用いられる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記他車両の位置を基準とした所定範囲内にある複数の前記第2空きスペースを含むグループを設定し、
前記グループ内の空きスペースの数が当該グループ内の空きスペースの周辺に位置する前記他車両の数よりも多いか否かを判定し、
前記通信部は、
前記グループ内の空きスペースの数が当該グループ内の空きスペースの周辺に位置する前記他車両の数よりも多い場合、その旨を示す情報を前記表示制御装置へ送信し、
当該情報は、前記駐車場マップにおいて前記グループ内の空きスペースが前記第1空きスペースおよび前記第2空きスペースのどちらとも異なる態様で示されるようにするための表示制御処理に用いられる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記判定部は、
前記通行路に規定されている進行方向または前記自車両の進行方向において前記自車両よりも前方にある空きスペースを、前記第1空きスペースまたは前記第2空きスペースのいずれかに判定される対象に決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記判定部は、
予め登録された前記自車両の属性と、前記駐車スペースに規定されている駐車可能車両の属性とが一致する空きスペースを、前記第1空きスペースまたは前記第2空きスペースのいずれかに判定される対象に決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記通信部は、
前記他車両の位置情報を前記表示制御装置へ送信し、
前記他車両の位置情報は、前記駐車場マップにおいて前記他車両の位置が示されるようにするための表示制御処理に用いられる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
自車両の位置と、複数の駐車スペースのうちの空きスペースの位置とを示す駐車場マップの表示を制御する情報処理装置であって、
前記自車両、前記空きスペース、および、前記複数の駐車スペースに面した通行路において前記自車両の周辺に存在する他車両それぞれの位置情報を取得する取得部と、
前記位置情報に基づいて、前記空きスペースが前記他車両よりも前記自車両に近い第1空きスペースまたは前記自車両よりも前記他車両に近い第2空きスペースのどちらに相当するかを判定する判定部と、
前記第1空きスペースが前記第2空きスペースとは異なる態様で示されるように前記駐車場マップの表示を制御する制御部と、を有する、
情報処理装置。
【請求項12】
前記判定部は、
前記位置情報に基づいて、前記空きスペース毎に、当該空きスペースから前記自車両までの前記通行路に沿った第1距離と、当該空きスペースから前記他車両までの前記通行路に沿った第2距離とを算出し、
前記第1距離が前記第2距離未満である前記空きスペースは、前記第1空きスペースに相当すると判定し、
前記第1距離が前記第2距離以上である前記空きスペースは、前記第2空きスペースに相当すると判定する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記判定部は、
前記位置情報に基づいて、前記空きスペース毎に、当該空きスペースから前記自車両までの前記通行路に沿った第1距離と、当該空きスペースから前記他車両までの前記通行路に沿った第2距離とを算出し、
さらに、前記第1距離に所定のマージンを加算し、
前記マージンが加算された前記第1距離が前記第2距離未満である前記空きスペースは、前記第1空きスペースに相当すると判定し、
前記マージンが加算された前記第1距離が前記第2距離以上である前記空きスペースは、前記第2空きスペースに相当すると判定する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記判定部は、
前記他車両の位置の追跡情報および前記複数の駐車スペースの位置情報に基づいて、前記他車両が前記複数の駐車スペースのいずれかに一定時間以上の駐車を行っていない駐車目的車両であるか否かを判定し、
前記他車両が前記駐車目的車両である場合、前記空きスペースが前記第1空きスペースまたは前記第2空きスペースのどちらに相当するかの判定を行う、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記判定部は、
前記他車両の位置を基準とした所定範囲内にある複数の前記第2空きスペースを含むグループを設定し、
前記グループ内の空きスペースの数が当該グループ内の空きスペースの周辺に位置する前記他車両の数よりも多いか否かを判定し、
前記制御部は、
前記グループ内の空きスペースの数が当該グループ内の空きスペースの周辺に位置する前記他車両の数よりも多い場合、当該グループ内の空きスペースが、前記第1空きスペースと同じ態様で示されるように、前記駐車場マップの表示を制御する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記判定部は、
前記他車両の位置を基準とした所定範囲内にある複数の前記第2空きスペースを含むグループを設定し、
前記グループ内の空きスペースの数が当該グループ内の空きスペースの周辺に位置する前記他車両の数よりも多いか否かを判定し、
前記制御部は、
前記グループ内の空きスペースの数が当該グループ内の空きスペースの周辺に位置する前記他車両の数よりも多い場合、当該グループ内の空きスペースが、前記第1空きスペースおよび前記第2空きスペースのどちらとも異なる態様で示されるように、前記駐車場マップの表示を制御する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記判定部は、
前記通行路に規定されている進行方向または前記自車両の進行方向において前記自車両よりも前方にある空きスペースを、前記第1空きスペースまたは前記第2空きスペースのいずれかに判定される対象に決定する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記判定部は、
予め登録された前記自車両の属性と、前記駐車スペースに規定されている駐車可能車両の属性とが一致する空きスペースを、前記第1空きスペースまたは前記第2空きスペースのいずれかに判定される対象に決定する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記制御部は、
前記他車両の位置情報に基づいて、前記駐車場マップにおいて前記他車両の位置が示されるように、前記駐車場マップの表示を制御する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項20】
自車両の位置と、複数の駐車スペースのうちの空きスペースの位置とを示す駐車場マップの表示を制御する表示装置と通信を行う装置の情報処理方法であって、
前記自車両、前記空きスペース、および、前記複数の駐車スペースに面した通行路において前記自車両の周辺に存在する他車両それぞれの位置情報を取得するステップと、
前記位置情報に基づいて、前記空きスペースが前記他車両よりも前記自車両に近い第1空きスペースまたは前記自車両よりも前記他車両に近い第2空きスペースのどちらに相当するかを判定するステップと、を有する、
情報処理方法。
【請求項21】
自車両の位置と、複数の駐車スペースのうちの空きスペースの位置とを示す駐車場マップの表示を制御する装置の情報処理方法であって、
前記自車両、前記空きスペース、および、前記複数の駐車スペースに面した通行路において前記自車両の周辺に存在する他車両それぞれの位置情報を取得するステップと、
前記位置情報に基づいて、前記空きスペースが前記他車両よりも前記自車両に近い第1空きスペースまたは前記自車両よりも前記他車両に近い第2空きスペースのどちらに相当するかを判定するステップと、
前記第1空きスペースが前記第2空きスペースとは異なる態様で示されるように前記駐車場マップの表示を制御するステップと、を有する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の駐車スペース(駐車枠または駐車区画ともいう)を備えた駐車場内に車両が進入した場合に、その車両に搭載された表示装置に、空きスペースを示す駐車場マップを表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、表示された空きスペースへ向けて車両が走行している間に、他車両がその空きスペースに駐車してしまうことが発生しうる。よって、利便性の点で改善の余地があった。
【0005】
本開示の一態様の目的は、利便性をより向上させた情報処理装置および情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、自車両の位置と、複数の駐車スペースのうちの空きスペースの位置とを示す駐車場マップの表示を制御する表示制御装置と通信を行う情報処理装置であって、前記自車両、前記空きスペース、および、前記複数の駐車スペースに面した通行路において前記自車両の周辺に存在する他車両の位置情報を取得する通信部と、前記位置情報に基づいて、前記空きスペースが前記他車両よりも前記自車両に近い第1空きスペースまたは前記自車両よりも前記他車両に近い第2空きスペースのどちらに相当するかを判定する判定部と、を有する。
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、自車両の位置と、複数の駐車スペースのうちの空きスペースの位置とを示す駐車場マップの表示を制御する情報処理装置であって、前記自車両、前記空きスペース、および、前記複数の駐車スペースに面した通行路において前記自車両の周辺に存在する他車両それぞれの位置情報を取得する取得部と、前記位置情報に基づいて、前記空きスペースが前記他車両よりも前記自車両に近い第1空きスペースまたは前記自車両よりも前記他車両に近い第2空きスペースのどちらに相当するかを判定する判定部と、前記第1空きスペースが前記第2空きスペースとは異なる態様で示されるように前記駐車場マップの表示を制御する制御部と、を有する。
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、自車両の位置と、複数の駐車スペースのうちの空きスペースの位置とを示す駐車場マップの表示を制御する表示装置と通信を行う装置の情報処理方法であって、前記自車両、前記空きスペース、および、前記複数の駐車スペースに面した通行路において前記自車両の周辺に存在する他車両それぞれの位置情報を取得するステップと、前記位置情報に基づいて、前記空きスペースが前記他車両よりも前記自車両に近い第1空きスペースまたは前記自車両よりも前記他車両に近い第2空きスペースのどちらに相当するかを判定するステップと、を有する。
【0009】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、自車両の位置と、複数の駐車スペースのうちの空きスペースの位置とを示す駐車場マップの表示を制御する装置の情報処理方法であって、前記自車両、前記空きスペース、および、前記複数の駐車スペースに面した通行路において前記自車両の周辺に存在する他車両それぞれの位置情報を取得するステップと、前記位置情報に基づいて、前記空きスペースが前記他車両よりも前記自車両に近い第1空きスペースまたは前記自車両よりも前記他車両に近い第2空きスペースのどちらに相当するかを判定するステップと、前記第1空きスペースが前記第2空きスペースとは異なる態様で示されるように前記駐車場マップの表示を制御するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、利便性をより向上させた情報処理装置および情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施の形態1に係るサーバおよび表示制御装置の構成例を示すブロック図
【
図2】本開示の実施の形態1、2に係るサーバおよび表示制御装置に含まれるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図
【
図3】本開示の実施の形態1、2に係る駐車場マップの一例を示す図
【
図4】本開示の実施の形態1に係るサーバの動作例を示すフローチャート
【
図5】本開示の実施の形態2に係るサーバおよび表示制御装置の構成例を示すブロック図
【
図6】本開示の実施の形態2に係る表示制御装置の動作例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態1、2および変形例について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素については同一の符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0013】
<実施の形態1>
実施の形態1に係るサーバ100および表示制御装置200それぞれの構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係るサーバ100および表示制御装置200の構成例を示すブロック図である。
【0014】
サーバ100は、所定の通信ネットワーク(例えば、インターネット等)を介して、表示制御装置200、車両検知装置300、および空きスペース検知装置400のそれぞれと通信を行う装置である。実施の形態1では、サーバ100が、本開示の「情報処理装置」の一例に相当する。
【0015】
表示制御装置200は、車両の乗員(例えば、自動車の運転者)に対して種々の画像(例えば、後述する
図3の駐車場マップ)を表示する端末である。表示制御装置200の例としては、例えば、カーナビゲーションシステムまたは携帯端末(例えば、スマートフォン、タブレット等)が挙げられる。
【0016】
以下の説明において、「自車両」とは、表示制御装置200に表示される駐車場マップ(詳細は後述)を参照してこれから駐車を実行しようとしているユーザが乗っており、駐車場内の通行路に存在している車両を言う。また、「他車両」とは、駐車場内の通行路において自車両の周辺(例えば、前方)に存在している車両を言う。通行路とは、駐車場内において複数の駐車スペースに面して設けられた、車両が通行可能なスペースである。
【0017】
車両検知装置300は、例えば、駐車場内に設置された検知デバイス(例えば、カメラ、ソナー、レーダ等)による検知結果に基づいて、駐車場内に存在する複数の車両(自車両も他車両も含む)を検知し、それらの車両の位置を追跡する装置である。車両検知装置300は、各車両が駐車場内に入ってから出るまでの間、随時、それらの位置(例えば、絶対位置)を検知し、車両毎の位置を示す全車両位置情報をサーバ100へ送信する。車両検知装置300としては、公知の移動体(車両)追跡システムを用いることができる。なお、上記検知結果は、例えば、映像であってもよいし、駐車場の入口で各車両に配布された無線通信タグから取得された識別情報であってもよい。
【0018】
空きスペース検知装置400は、例えば、駐車場内に設置された検知デバイス(例えば、カメラ、ソナー、レーダ等)による検知結果に基づいて、駐車場内に設けられた複数の駐車スペースのうちの空きスペースを検知する装置である。空きスペース検知装置400は、随時、各空きスペースの位置(例えば、絶対位置)を示す空きスペース位置情報をサーバ100へ送信する。空きスペース検知装置400としては、公知の駐車場管理システムを用いることができる。
【0019】
なお、サーバ100および表示制御装置200は、それぞれ、
図2に示すように、ハードウェアとして、例えば、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置502、コンピュータプログラムを格納したハードディスク、フラッシュメモリなどの補助記憶装置503、それらを接続するバス504を有する。
【0020】
後述するサーバ100および表示制御装置200それぞれの機能は、CPU501が補助記憶装置503から読み出したコンピュータプログラムを主記憶装置502のRAMに展開して実行することにより実現される。なお、そのコンピュータプログラムは、所定の記録媒体に記録されて、ユーザ等に提供されてもよい。
【0021】
次に、サーバ100の構成要素について説明する。
【0022】
図1に示すように、サーバ100は、記憶部110、通信部120、および判定部130を備える。
【0023】
記憶部110は、種々の情報を記憶する記憶デバイスである。
【0024】
具体的には、記憶部110は、駐車場内における駐車スペースや通行路の位置を示す駐車場マップを記憶する。
【0025】
ここで、
図3を用いて、駐車場マップの一例について説明する。
図3は、駐車場マップの一例を示す図である。
【0026】
図3に示すように、駐車場マップは、駐車スペースS1~S18および通行路Rそれぞれの位置を俯瞰的に示している。
【0027】
駐車スペースS1~S18は、路面上の区画線によって区切られた矩形状のスペースである。通行路Rは、駐車スペースS1~S18に面した帯状のスペースである。
【0028】
また、
図3に示すように、駐車場マップにおいて、駐車スペースS1~S18のそれぞれにはノードN1~N18が設定されており、通行路RにはノードN19~N27が設定されている。ノードN19~N27は、それぞれ、通行路Rを挟んで向かい合う2つの駐車スペースのノードの間に位置している。例えば、ノードN19は、駐車スペースS1のノードN1と駐車スペースS10のノードN10との間に位置している。
【0029】
また、駐車場マップにおいて、ノードN1~N27のそれぞれには、位置情報(例えば、絶対位置情報)が設定されている。
【0030】
また、駐車場マップにおいて、ノードN1~N27のうちの隣り合うノード間には、距離(以下、ノード間距離という)が設定されている。例えばノードN19を基準として説明すると、ノードN19とノードN1との間、ノード19とノードN10との間、ノードN19とノードN20との間のそれぞれには、ノード間距離が設定されている。
【0031】
なお、
図3では、後述の表示例の説明のために自車両および他車両それぞれを示す自車両画像M1、他車両画像M2を図示しているが、記憶部110に記憶される駐車場マップには、それらは含まれない。自車両画像M1、他車両画像M2は、駐車場マップが表示制御装置200の表示部240に表示される際に、自車両および他車両それぞれの位置情報に基づいて、駐車場マップ上に重畳表示される。また、
図3に示したノードN19~N27は、駐車場マップ上に表示されない。
【0032】
以上、駐車場マップの一例について説明した。以下、サーバ100の説明に戻る。
【0033】
通信部120は、表示制御装置200、車両検知装置300、および空きスペース検知装置400のそれぞれと通信を行う通信デバイスである。
【0034】
具体的には、通信部120は、車両検知装置300から、上述した全車両位置情報を受信する。
【0035】
また、通信部120は、空きスペース検知装置400から、上述した空きスペース位置情報を受信する。
【0036】
また、通信部120は、表示制御装置200から、自車両の位置を示す自車両位置情報を受信する。ここでいう自車両の位置は、表示制御装置200の位置推定部210によって推定される。
【0037】
本実施の形態では、通信部120は、上述した各種位置情報を取得する「取得部」の一例に相当する。
【0038】
また、通信部120は、上述した駐車場マップとともに、判定部130によって判定された結果を示す情報(詳細は後述)を表示制御装置200へ送信する。
【0039】
判定部130は、種々の演算処理を行う演算デバイスである。
【0040】
具体的には、判定部130は、上述した各種位置情報および駐車場マップに基づいて、空きスペース検知装置400により検知された空きスペースが、他車両よりも自車両に近い空きスペース(以下、第1空きスペースという)、または、自車両よりも他車両に近い空きスペース(以下、第2空きスペースという)のどちらに相当するかを判定する。この判定処理を、以下「空きスペース種類判定」という。
【0041】
なお、上述したとおり、ここでいう自車両とは、これから駐車を行うために通行路に存在している(例えば、空きスペースを探しながら通行路を徐行している)車両である。また、ここでいう他車両とは、通行路において自車両の周辺に存在している(例えば、通行路において自車両の前方を徐行している)車両である。この他車両は、自車両と同様に、これから駐車を行うために空きスペースを探している車両であってもよい。
【0042】
ここで、空きスペース種類判定の具体例について説明する。
【0043】
まず、判定部130は、駐車場マップに設定されている通行路のノード(例えば、
図3のノードN19~N27)のうち、自車両位置情報が示す位置に該当するノード(例えば、
図3のノードN19)を、自車両ノードとして認識する。
【0044】
次に、判定部130は、全車両位置情報が示す自車両位置以外の位置のうち、自車両位置を基準とした所定範囲内に存在する位置を他車両位置として認識する。そして、判定部130は、駐車場マップに設定されている通行路のノード(例えば、
図3のノードN19~N27)のうち、他車両位置に該当するノード(例えば、
図3のノードN25)を、他車両ノードとして認識する。
【0045】
次に、判定部130は、駐車場マップに設定されている駐車スペースのノード(例えば、
図3のノードN1~N18)のうち、空きスペース位置情報が示す位置に該当するノードを、空きスペースノードとして認識する。例えば、
図3に示す駐車スペースS9、S12が空きスペースである場合、空きスペースノードとしてノードN9、N12が認識される。
【0046】
次に、判定部130は、駐車場マップに設定されているノード間距離に基づいて、空きスペース毎に、その空きスペースから自車両までの距離(以下、第1距離という)と、その空きスペースから他車両までの距離(以下、第2距離という)とを算出する。
【0047】
例えば、自車両ノードがノードN19であり、他車両ノードがノードN25であり、空きスペースノードがノードN9、N12である(空きスペースが駐車スペースS9、S12である)とする。この場合、ノードN9が設定された駐車スペースS9については、第1距離としてノードN9からN19までの距離が算出され、第2距離としてノードN9からN25までの距離が算出される。また、ノードN12が設定された駐車スペースS12については、第1距離としてノードN12からN19までの距離が算出され、第2距離としてノードN12からN25までの距離が算出される。
【0048】
次に、判定部130は、空きスペース毎に、第1距離が第2距離未満であるか否かを判定する。そして、判定部130は、第1距離が第2距離未満である空きスペースは、第1空きスペースに相当すると判定し、第1距離が第2距離以上である空きスペースは、第2空きスペースに相当すると判定する。
【0049】
駐車スペースS9が空きスペースである場合では、第1距離(ノードN9からN19までの距離)が、第2距離(ノードN9からN25までの距離)以上であるので、駐車スペースS9は、第2空きスペースに相当すると判定される。また、駐車スペースS12が空きスペースである場合では、第1距離(ノードN12からN19までの距離)が、第2距離(ノードN12からN25までの距離)未満であるので、駐車スペースS12は、第1空きスペースに相当すると判定される。
【0050】
以上、空きスペース種類判定の具体例について説明した。
【0051】
次に、判定部130は、駐車場マップとともに、空きスペース種類判定の結果を示す情報(以下、判定結果情報という)を生成する。
【0052】
例えば、判定結果情報には、駐車スペースS9は第2空きスペースに相当する旨、および、駐車スペースS12は第1空きスペースに相当する旨を示す情報が含まれる。また、判定結果情報には、例えば、空きスペースおよび他車両それぞれの位置を示す位置情報も含まれる。
【0053】
上述したとおり、判定結果情報は、通信部120から表示制御装置200へ送信される。表示制御装置200にて受信された判定結果情報は、駐車場マップにおいて第1空きスペースが第2空きスペースとは異なる態様で示されるようにする表示制御に用いられる。
【0054】
以上、サーバ100の構成要素について説明した。
【0055】
次に、表示制御装置200の各構成要素について説明する。
【0056】
図1に示すように、表示制御装置200は、位置推定部210、通信部220、描画部230、および表示部240を備える。
【0057】
位置推定部210は、自車両(表示制御装置200と言ってもよい)の位置を推定するデバイスである。位置推定部210としては、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機が挙げられる。なお、位置推定部210は、自車両の進行方向も推定する。
【0058】
通信部220は、サーバ100と通信を行う通信デバイスである。
【0059】
具体的には、通信部120は、位置推定部210により推定された自車両の位置を示す自車両位置情報をサーバ100へ送信する。なお、自車両位置情報には、自車両の進行方向も含まれる。
【0060】
また、通信部120は、サーバ100から、上述した駐車場マップおよび判定結果情報を受信する。
【0061】
描画部230は、画像を生成し、それを表示部240に表示させる描画デバイスである。
【0062】
具体的には、描画部230は、サーバ100から受信した駐車場マップおよび判定結果情報と、位置推定部210により取得された自車両位置情報とに基づいて、自車両、他車両、および空きスペースそれぞれの位置を示す駐車場マップの画像を生成し、その画像を表示部240に表示させる制御を行う。なお、描画部230は、駐車場マップの表示を制御する「制御部」と言ってもよい。
【0063】
例えば、描画部230は、
図3に示した駐車場マップの画像を表示部240に表示させる。この画像には、
図3に示すように、駐車スペースS1~S18のそれぞれを示す画像のほか、自車両画像M1および他車両画像M2が含まれる。その一方で、ノードN1~N27を示す画像は含まれない。
【0064】
また、描画部230は、駐車場マップの画像において第1空きスペースが第2空きスペースとは異なる態様で示されるように制御する。
【0065】
例えば、
図3に示した駐車スペースS9が第2空きスペースであり、駐車スペースS12が第1空きスペースであるとする。この場合、例えば、駐車スペースS12は、駐車スペースS9とは異なる色(色相、明度、彩度のうちの少なくとも1つ)で表示されてもよい。または、駐車スペースS12は所定の色で表示され、駐車スペースS9は非表示であってもよい。または、駐車スペースS12は点滅して表示され、駐車スペースS9は非点滅で表示されてもよい。
【0066】
すなわち、駐車場マップの画像では、他車両よりも自車両に近い第1空きスペースが、自車両よりも他車両に近い第2空きスペースよりも目立つように示される。
【0067】
表示部240は、上述した駐車場マップの画像を表示する表示デバイス(例えば、ディスプレイ)である。
【0068】
以上、表示制御装置200の各構成要素について説明した。
【0069】
次に、
図4を用いて、実施の形態1に係るサーバ100の動作について説明する。
図4は、実施の形態1に係るサーバ100の動作例を示すフローチャートである。
【0070】
図4に示すフローは、例えば、自車両が駐車場内に進入した場合に開始される。なお、
図4のフローの開始にあたり、サーバ100と表示制御装置200との間では、通信の実行に必要な認証処理が公知の方法で行われるものとする。
【0071】
まず、通信部120は、自車両位置情報、全車両位置情報、空きスペース位置情報を受信する(ステップST1)。
【0072】
次に、判定部130は、上述した各種位置情報に基づいて、空きスペース毎に、第1距離と第2距離を算出する(ステップST2)。
【0073】
次に、判定部130は、空きスペース毎に、第1距離は第2距離未満であるか否かを判定する(ステップST3)。
【0074】
第1距離が第2距離未満である場合(ステップST3/YES)、判定部130は、空きスペースは第1空きスペースに相当すると判定する(ステップST4)。
【0075】
第1距離が第2距離未満ではない場合(ステップST3/NO)、判定部130は、空きスペースは第2空きスペースに相当すると判定する(ステップST5)。
【0076】
次に、通信部120は、判定結果情報および駐車場マップを表示制御装置200へ送信する(ステップST6)。
【0077】
その後、表示制御装置200の描画部230は、判定結果情報および駐車場マップに基づいて、駐車場マップの表示用画像を表示部240に表示するとともに、第1空きスペースが第2空きスペースとは異なる態様で示されるように駐車場マップの表示を制御する。
【0078】
以上、サーバ100の動作について説明した。
【0079】
ここまで詳述したように、実施の形態1のサーバ100は、自車両の位置と、複数の駐車スペースのうちの空きスペースの位置とを示す駐車場マップの表示を制御する表示制御装置200と通信を行う情報処理装置であって、自車両、空きスペース、および、複数の駐車スペースに面した通行路において自車両の周辺に存在する他車両それぞれの位置情報を取得する通信部120と、それらの位置情報に基づいて、空きスペースが他車両よりも自車両に近い第1空きスペースまたは自車両よりも他車両に近い第2空きスペースのどちらに相当するかを判定する判定部130と、を有することを特徴とする。
【0080】
この特徴により、他車両の位置を考慮することなく空きスペースを表示する従来技術で発生しうる事態(具体的には、自車両が、表示された空きスペースへ向けて車両が走行している間に、他車両がその空きスペースに駐車してしまうこと)を抑制することができる。よって、利便性をより向上させることができる。
【0081】
<実施の形態2>
実施の形態1で説明したサーバ100の判定部130の機能(具体的には、空きスペース種類判定)は、表示制御装置200で実現されてもよい。この具体例について、
図4、
図5を用いて以下に説明する。
【0082】
実施の形態2に係るサーバ100および表示制御装置200それぞれの構成について、
図5を用いて説明する。
図5は、実施の形態2に係るサーバ100および表示制御装置200の構成例を示すブロック図である。
【0083】
図5に示すように、実施の形態2の構成は、
図1に示した実施の形態1の構成と比べて、サーバ100が記憶部110および判定部130を備えない代わりに、表示制御装置200が記憶部250および判定部260を備える点が異なる。実施の形態2では、表示制御装置200が、本開示の「情報処理装置」の一例に相当する。
【0084】
図5に示す通信部120は、実施の形態1と同様に、車両検知装置300から全車両位置情報を受信し、空きスペース検知装置400から空きスペース位置情報を受信する。そして、通信部120は、受信した全車両位置情報および空きスペース位置情報を表示制御装置200へ送信する。
【0085】
図5に示す通信部220は、サーバ100から全車両位置情報および空きスペース位置情報を受信する。
【0086】
本実施の形態では、位置推定部210および通信部220は、各種位置情報を取得する「取得部」の一例に相当する。
【0087】
図5に示す記憶部250は、実施の形態1で説明した記憶部110と同様に、駐車場マップを記憶する。
【0088】
図5に示す判定部260は、実施の形態1で説明した判定部130と同様に、空きスペース種類判定を行う。この判定処理には、位置推定部210により取得された自車両位置情報、通信部220がサーバ100から受信した全車両位置情報および空きスペース位置情報、記憶部250から読み出した駐車場マップが用いられる。
【0089】
判定部260による空きスペース種類判定の結果は、描画部230による駐車場マップの表示制御に用いられる。すなわち、実施の形態1と同様に、描画部230は、駐車場マップと、判定部260による判定結果と、自車両、他車両、空きスペースそれぞれの位置情報とに基づいて、自車両、他車両、および空きスペースそれぞれの位置を示す駐車場マップの画像を生成し、その画像を表示部240に表示させる制御を行う。また、このとき、描画部230は、駐車場マップの画像において第1空きスペースが第2空きスペースとは異なる態様で示されるように制御する。なお、描画部230は、駐車場マップの表示を制御する「制御部」と言ってもよい。
【0090】
以上、サーバ100および表示制御装置200の各構成要素について説明した。
【0091】
次に、
図6を用いて、実施の形態2に係る表示制御装置200の動作について説明する。
図6は、実施の形態2に係る表示制御装置200の動作例を示すフローチャートである。
【0092】
図6に示すフローは、例えば、自車両が駐車場内に進入した場合に開始される。なお、
図6のフローの開始にあたり、サーバ100と表示制御装置200との間では、通信の実行に必要な認証処理が公知の方法で行われるものとする。
【0093】
まず、位置推定部210は、自車両の位置を推定し、自車両位置情報を取得する(ステップST11)
【0094】
次に、通信部220は、全車両位置情報および空きスペース位置情報を受信する(ステップST12)。
【0095】
次に、判定部260は、上述した各種位置情報に基づいて、空きスペース毎に、第1距離と第2距離を算出する(ステップST13)。
【0096】
次に、判定部260は、空きスペース毎に、第1距離は第2距離未満であるか否かを判定する(ステップST14)。
【0097】
第1距離が第2距離未満である場合(ステップST14/YES)、判定部260は、空きスペースは第1空きスペースに相当すると判定する(ステップST15)。
【0098】
第1距離が第2距離未満ではない場合(ステップST14/NO)、判定部260は、空きスペースは第2空きスペースに相当すると判定する(ステップST16)。
【0099】
次に、描画部230は、その判定結果に基づいて、第1空きスペースが第2空きスペースとは異なる態様で示されるように駐車場マップの表示を制御する(ステップST17)。
【0100】
以上、表示制御装置200の動作について説明した。
【0101】
ここまで詳述したように、実施の形態2の表示制御装置200は、自車両の位置と、複数の駐車スペースのうちの空きスペースの位置とを示す駐車場マップの表示を制御する情報処理装置であって、自車両、空きスペース、および、複数の駐車スペースに面した通行路において自車両の周辺に存在する他車両それぞれの位置情報を取得する取得部(例えば、位置推定部210および通信部220)と、それらの位置情報に基づいて、空きスペースが他車両よりも自車両に近い第1空きスペースまたは自車両よりも他車両に近い第2空きスペースのどちらに相当するかを判定する判定部260と、第1空きスペースが第2空きスペースとは異なる態様で示されるように駐車場マップの表示を制御する制御部(例えば、描画部230)と、を有することを特徴とする。
【0102】
この特徴により、実施の形態1と同様に、他車両の位置を考慮することなく空きスペースを表示する従来技術で発生しうる事態(具体的には、自車両が、表示された空きスペースへ向けて車両が走行している間に、他車両がその空きスペースに駐車してしまうこと)を抑制することができる。よって、利便性をより向上させることができる。
【0103】
<変形例>
本開示は、上述した実施の形態1、2の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下、実施の形態1、2に適用可能な変形例について説明する。
【0104】
[変形例1]
通行路において自車両周辺に存在する他車両の中には、駐車を終えて駐車場から出ようとしている車両も存在しうる。そこで、上記空きスペース種類判定を行う前に、通行路において自車両周辺に存在する他車両が、自車両と同様にこれから駐車を行おうとしている車両(以下、駐車目的車両という)であるか否かを判定してもよい。
【0105】
例えば、実施の形態1の場合では、サーバ100の判定部130は、他車両の位置の追跡情報と、複数の駐車スペースの位置情報とを照合することにより、他車両が駐車目的車両であるか否かを判定してもよい。ここでいう駐車目的車両は、例えば、複数の駐車スペースのいずれかに一定時間(例えば、5分等)以上の駐車を行っていない車両と定義してもよい。
【0106】
上記他車両の位置の追跡情報とは、例えば、車両検知装置300で随時検知される全車両位置情報に相当する。また、上記複数の駐車スペースの位置情報とは、例えば、駐車場マップにおいて駐車スペース(例えば、
図3に示したノードN1~N18)毎に予め設定された位置情報に相当する。
【0107】
そして、判定部130は、他車両が駐車目的車両である場合、空きスペース種類判定を実行する一方で、他車両が駐車目的車両ではない場合には、空きスペース種類判定を実行しないようにしてもよい。
【0108】
このように、本変形例では、駐車を終えて駐車場から出ようとしている他車両を空きスペース種類判定の対象から除外することができるため、無駄な判定処理を行うことを回避できるとともに、判定精度を向上させることができる。
【0109】
上記判定部130の説明は、実施の形態2における表示制御装置200の判定部260にも同様に適用できる。
【0110】
[変形例2]
自車両よりも他車両に近い空きスペース(すなわち、第2空きスペース)の数が他車両の数よりも多い場合、余った空きスペースに自車両を駐車できる可能性がある。例えば、
図3において、他車両(他車両画像M2で示される車両)に近い駐車スペースS9、S18が空きスペースである場合、それらのどちらかに他車両が駐車したとしても、余った方の空きスペースは、自車両(自車両画像M1で示される車両)が駐車可能な候補となる。しかし、駐車スペースS9、S18がともに第2空きスペースと判定され、同じ態様で表示されると、ユーザ(自車両の乗員)は、どちらかに駐車可能であると認識することは困難である。そこで、自車両よりも他車両に近い空きスペースの数が他車両の数よりも多い場合には、それらの空きスペースに駐車可能であることをユーザが認識できるようにしてもよい。
【0111】
例えば、実施の形態1の場合では、サーバ100の判定部130は、例えば空きスペース種類判定の後に、以下の処理(以下、空きスペース数判定という)を行ってもよい。
【0112】
まず、判定部130は、他車両の位置を基準とした所定範囲内に存在する複数の第2空きスペースを含むグループを設定する。例えば、
図3に示すように、他車両の位置がノードN25である場合、その位置の周辺に存在する駐車スペースS6~S9およびS15~S18がグループに設定される。
【0113】
次に、判定部130は、グループ内の空きスペースの数がそのグループ内の空きスペースの周辺に位置する他車両の数よりも多いか否かを判定する。例えば、
図3に示すように、他車両が1台であり、かつ、グループ内の空きスペース(グループに含まれる第2空きスペースのこと。以下同様)が駐車スペースS9、S18の2つである場合、判定部130は、グループ内の空きスペースの方が他車両の数より多いと判定する。
【0114】
次に、判定部130は、上述した判定結果情報を生成する。この際、判定部130は、その判定結果情報に、空きスペース数判定結果情報も含める。空きスペース数判定結果情報は、例えば、グループ内の空きスペースの数が他車両の数よりも多い旨を示す情報や、グループ内の空きスペースの位置情報を含む。
【0115】
このように生成された判定結果情報は、通信部120から表示制御装置200へ送信される。表示制御装置200の描画部230は、サーバ100から受信した判定結果情報に空きスペース数判定結果情報が含まれている場合には、それに基づいて、駐車場マップにおいてグループ内の空きスペースが第1空きスペースと同じ態様で示されるように制御する。
【0116】
一方、実施の形態2の場合では、表示制御装置200の判定部260が、例えば空きスペース種類判定の後に、上述した空きスペース数判定を行ってもよい。
【0117】
判定部260による空きスペース数判定の結果は、描画部230による駐車場マップの表示制御に用いられる。すなわち、グループ内の空きスペースの数が他車両の数よりも多い場合、描画部230は、駐車場マップにおいてグループ内の空きスペースが第1空きスペースと同じ態様で示されるように制御する。
【0118】
なお、上記説明において、例えばグループ外の第2空きスペースがある場合には、描画部230は、駐車場マップにおいてそのグループ外の第2空きスペースを第1空きスペースおよびグループ内の空きスペースとは異なる態様で示されるように制御する。
【0119】
また、上記説明では、駐車場マップにおいてグループ内の空きスペースが第1空きスペースと同じ態様で示されるとしたが、これに限定されない。例えば、グループ内の空きスペースは、第1空きスペースおよび第2空きスペースのどちらとも異なる態様で示されてもよい。
【0120】
このように、本変形例では、自車両よりも他車両に近い空きスペースの数が他車両の数よりも多い場合、ユーザ(自車両の乗員)は、それらの空きスペースのうちのどれかに自車両を駐車できる旨を容易に認識することができるため、さらに利便性を向上させることができる。
【0121】
[変形例3]
実施の形態1、2において、空きスペース種類判定の対象となる空きスペース(具体的には、第1距離、第2距離それぞれの算出において起点となる空きスペース。以下、判定対象空きスペースという)は、車両の進行方向に基づいて限定されてもよい。
【0122】
例えば、実施の形態1の場合では、サーバ100の判定部130は、通行路に規定されている車両の通行方向(例えば、駐車場マップにおいて通行路毎に設定された進行方向)を認識し、その進行方向において自車両よりも前方にある空きスペースを、判定対象空きスペースに決定してもよい。
【0123】
または、例えば、判定部130は、自車両の進行方向(例えば、位置推定部210によって推定された進行方向)を認識し、その進行方向において自車両よりも前方にある空きスペースを、判定対象空きスペースに決定してもよい。
【0124】
上記判定部130の説明は、実施の形態2における表示制御装置200の判定部260にも同様に適用できる。
【0125】
[変形例4]
実施の形態1、2において、判定対象空きスペースは、車両の属性(例えば、軽自動車、優先車両等)に基づいて限定されてもよい。
【0126】
例えば、通信部120は、例えば、表示制御装置200から、予め登録された自車両の属性(例えば、軽自動車、車椅子搭載車等)を示す情報を取得してもよい。そして、判定部130は、その情報が示す自車両の属性と、駐車スペースに規定されている属性(例えば、駐車場マップにおいて駐車スペース毎に設定された属性。軽自動車専用、優先駐車用等)とが一致する空きスペースを、判定対象空きスペースに決定してもよい。
【0127】
上記判定部130の説明は、実施の形態2における表示制御装置200の判定部260にも同様に適用できる。
【0128】
[変形例5]
実施の形態1、2において、安全性を確保するために、第1距離にマージンが加算されてもよい。
【0129】
例えば、実施の形態1の場合では、判定部130は、第1距離の算出後、その第1距離に予め定められたマージンを加算してもよい。そして、判定部130は、マージンが加算された第1距離が第2距離未満である空きスペースは、第1空きスペースに相当すると判定し、マージンが加算された第1距離が第2距離以上である空きスペースは、第2空きスペースに相当すると判定してもよい。
【0130】
上記判定部130の説明は、実施の形態2における表示制御装置200の判定部260にも同様に適用できる。
【0131】
[変形例6]
実施の形態1、2では、駐車場マップにおいて他車両の位置を示す他車両画像M2が表示される場合を例に挙げて説明したが、他車両画像M2は表示されなくてもよい。
【0132】
ただし、駐車場マップ上に他車両の位置を表示することは、安全性の確保に寄与できるため好ましい。例えば、2つの通行路に挟まれた空きスペースへ、一方の通行路から自車両が進入し、他方の通行路から他車両が進入した場合、その空きスペース内で衝突事故が発生しうる。よって、駐車場マップ上に他方の通行路にいる他車両の位置を示すようにすれば、自車両の乗員は、事前に、他車両が同じ空きスペースへ駐車しようとしてくる可能性があると注意を払うことができる。
【0133】
[変形例7]
実施の形態1、2では、サーバ100が車両検知装置300から全車両位置情報を受信する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
【0134】
例えば、サーバ100は、各車両で検知された車両の位置情報を各車両から受信し、それらをまとめて上記全車両位置情報として扱ってもよい。
【0135】
または、例えば、サーバ100は、各車両の車載カメラで撮影された車両周辺の画像を各車両から受信し、それらの画像の解析結果を基に各車両の位置情報を検出し、それらの位置情報をまとめて上記全車両位置情報として扱ってもよい。
【0136】
以上、変形例について説明した。上述した変形例は、適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本開示の情報処理装置および情報処理方法は、車両の駐車を支援する技術に有用である。
【符号の説明】
【0138】
100 サーバ
110 記憶部
120 通信部
130 判定部
200 表示制御装置
210 位置推定部
220 通信部
230 描画部
240 表示部
250 記憶部
260 判定部
300 車両検知装置
400 空きスペース検知装置
501 CPU
502 主記憶装置
503 補助記憶装置
504 バス