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特開2023-179272情報提供装置、情報提供システムおよび情報提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179272
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供システムおよび情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231212BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092505
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩津 真一
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一
(72)【発明者】
【氏名】上出 英行
(72)【発明者】
【氏名】盛林 敏之
(72)【発明者】
【氏名】広見 怜
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】ユーザの環境貢献に関する行動変容を効果的に促すこと。
【解決手段】実施形態に係る情報提供装置は、環境貢献に対するユーザの行動変容を促す行動変容情報を提供する情報提供装置であって、コントローラを有し、コントローラは、ユーザの環境貢献に関する特性であるユーザ環境特性を推定し、ユーザのユーザ環境特性に応じて、当該ユーザへ提供する行動変容情報を決定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境貢献に対するユーザの行動変容を促す行動変容情報を提供する情報提供装置であって、コントローラを有し、
前記コントローラは、
ユーザの環境貢献に関する特性であるユーザ環境特性を推定し、
ユーザの前記ユーザ環境特性に応じて、当該ユーザへ提供する前記行動変容情報を決定する、情報提供装置。
【請求項2】
前記ユーザ環境特性は、
環境貢献に関するユーザの持つ、知識の特性である知識特性、意識の特性である意識特性および実績の特性である実績特性の少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
ユーザの前記ユーザ環境特性に応じて、前記行動変容情報の種別を決定する、
請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
環境貢献に関する学習コンテンツを前記行動変容情報としてユーザへ提供し、
前記学習コンテンツの使用状況に基づいて、前記ユーザ環境特性を推定する、
請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
環境貢献に関するクイズを前記行動変容情報としてユーザへ提供し、
前記クイズに対する前記ユーザの回答結果に基づいて、前記ユーザ環境特性を推定する、
請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
環境貢献に関するアンケートを前記行動変容情報としてユーザへ提供し、
前記アンケートに対する前記ユーザの回答結果に基づいて、前記ユーザ環境特性を推定する、
請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記コントローラは、
ユーザの行動履歴に基づいて、前記ユーザ環境特性を推定する、
請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記コントローラは、
外部から収集した外部情報の特性に基づいて、ユーザへ提供する前記行動変容情報を決定する、
請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項9】
環境貢献に対するユーザの行動変容を促す行動変容情報を提供する情報提供装置と、前記情報提供装置から提供される行動変容情報をユーザに報知する端末装置と、を含む情報提供システムであって、
前記情報提供装置は、
前記端末装置から収集したユーザの環境貢献に関する活動のログデータに基づきユーザの環境貢献に関する特性であるユーザ環境特性を推定し、
ユーザの前記ユーザ環境特性に応じて、当該ユーザへ提供する前記行動変容情報を決定して、該当ユーザの前記端末装置に提供し、
前記端末装置は、
前記情報提供装置から提供された行動変容情報をユーザに提供し、
取得したユーザの環境貢献に関する活動のログデータを前記情報提供装置に送信する、
情報提供システム。
【請求項10】
環境貢献に対するユーザの行動変容を促す行動変容情報を提供する情報提供方法であって、
ユーザの環境貢献に関する特性であるユーザ環境特性を推定し、
ユーザの前記ユーザ環境特性に応じて、当該ユーザへ提供する前記行動変容情報を決定する、
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供システムおよび情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザへ行動変容を促す行動変容情報を提供する情報提供装置がある。かかる情報提供装置として、ユーザの身体情報の計測結果に基づき、健康意識レベルを判定し、健康意識レベルに応じた健康に関する情報を提供する技術が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-166886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、ユーザの行動を環境に配慮した行動へ変容させるための行動変容を促す情報を提供することについては考慮されていなかった。このため、ユーザの環境貢献に関する行動変容を効果的に促すことができる技術が求められていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの環境貢献に関する行動変容を効果的に促すことができる情報提供装置、情報提供システムおよび情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報提供装置は、環境貢献に対するユーザの行動変容を促す行動変容情報を提供する情報提供装置であって、コントローラを有し、コントローラは、ユーザの環境貢献に関する特性であるユーザ環境特性を推定し、ユーザのユーザ環境特性に応じて、当該ユーザへ提供する行動変容情報を決定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの環境貢献に関する行動変容を効果的に促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、情報提供システムの概要を示す図である。
図2図2は、情報提供方法の概要を示す図である。
図3図3は、情報提供装置のブロック図である。
図4図4は、ログ情報データベースの一例を示す図である。
図5図5は、エシカル係数データベースの一例を示す図である。
図6図6は、提供情報データベースの一例を示す図である。
図7図7は、外部情報データベースの一例を示す図である。
図8図8は、介入制御に用いるデータテーブルの一例を示す図である。
図9図9は、ユーザ端末における学習コンテンツの表示例を示す図である。
図10図10は、ユーザ端末におけるチェックツールの表示例を示す図である。
図11図11は、ユーザ端末におけるフィードバック情報の表示例を示す図である。
図12図12は、情報提供装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する情報提供装置、情報提供システムおよび情報提供方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、図1および図2を用いて、実施形態に係る情報提供装置、情報提供システムおよび情報提供方法の概要について説明する。図1は、情報提供システムの概要を示す図である。図2は、情報提供方法の概要を示す図である。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報提供システム1は、情報提供装置10と、複数のユーザ端末100とを備える。情報提供装置10は、各ユーザ端末100に対して、行動変容情報を提供する情報提供装置である。
【0012】
情報提供装置10は、環境貢献に対するユーザの行動変容を促す行動変容情報を提供する。ここで、行動変容情報とは、ユーザに対して環境に配慮した行動を促すための情報である。
【0013】
また、環境に配慮した行動とは、たとえば、二酸化炭素(以下、CO2とも記載)の排出量を削減するための行動であり、日常生活における消費エネルギーの削減、廃棄物(食品ロスを含む)の削減、環境に配慮した商品の購入、などといった各種行動が挙げられる。
【0014】
ユーザ端末100は、各ユーザが所有する端末装置であり、たとえば、スマートフォン、タブレット端末、PCなどである。ユーザ端末100は、情報提供装置10が提供するアプリ(以下、単にアプリと記載)を介して情報提供装置10から通知される行動変容情報をユーザへ通知する。
【0015】
また、ユーザ端末100は、アプリの操作履歴やユーザの行動に関する行動履歴を情報提供装置10へ通知する。なお、例えば、ユーザ端末100は、いわゆるスマートウォッチなどのウェラブルデバイスと連携し、ユーザの行動履歴を取得するようにしてもよい。
【0016】
ところで、ネットショッピングなどのECサイトにおいて、ユーザへ商品等のレコメンドを行うことで、ユーザの消費行動に関する行動変容を促すマーケティング手法が広く普及している。
【0017】
このようなマーケティング手法は、ユーザに商品を購入してもらうための手法であり、環境貢献に対するユーザの行動変容を効果的に促すため場合には、異なるアプローチが要求される。
【0018】
具体的には、環境貢献に関する知識、意識、実績(これまでの取り組み)には個人差があるので、行動変容を促すための介入方法やユーザへ提供する行動変容情報をユーザ毎に最適化する必要がある。そこで、実施形態に係る情報提供装置10は、ユーザの環境貢献に関するパラメータであるエシカル係数に基づいて、当該ユーザへ提供する行動変容情報および行動変容に関する介入方法を決定することとした。
【0019】
図2には、人が現在の状況に応じてアクションを起こすまでの一連の動きを「人のモデル」として模式的に示す。図2に示す例では、人は、現在の状況(M0)と、過去の記憶(M1)から、行動および当該行動から得られる結果を事前に予測する(M2)。
【0020】
つづいて、人は、予測結果(M2)に基づき、現在の状況(M0)からどのアクションを取るかを判断し(M3)、行動に移すことになる(M4)。そして、その結果として、人は、行動に応じた結果が得られ(M5)、その行動を評価し(M6)、評価結果を記憶する(M1)。
【0021】
このような人のモデルを前提として、ユーザに行動変容を促すための介入方法には、事前に情報を提示するパターンP1、事後的に情報を提示するパターンP2、および本来行動後に行う行動に対する評価を事前に行うために、シミュレーションによって予測したシミュレーション結果を事前に提示するパターンP3が挙げられる。
【0022】
たとえば、図2に示すように、パターンP1およびパターンP3による介入方法では、ユーザによる判断をサポートすることができ、パターンP2では、ユーザによる評価をサポートすることができる。なお、パターンP1~パターンP3は、それぞれ第1~第3の介入方法の一例に対応する。
【0023】
実施形態に係る情報提供装置10(情報提供方法)は、パターンP1~P3のいずれかの介入方法を用いて、ユーザに対して行動変容情報を提供する。また、実施形態に係る提供方法では、行動変容情報を提供するユーザ(以下、対象ユーザ)のエシカル係数に応じて、提供する行動変容情報や介入方法を決定する。
【0024】
ここで、エシカル係数は、対象ユーザの環境貢献に関する知識、意識、実績等の各種パラメータに応じて抽出される値である。情報提供装置10は、たとえば、ユーザ端末100を介して取得した対象ユーザによるアプリの操作履歴や行動履歴などに基づき、エシカル係数を抽出する。
【0025】
そして、情報提供装置10は、環境貢献に対する知識が低い対象ユーザに対し、知識を補うような学習コンテンツを行動変容情報として提供し、環境貢献に対する意識が低い対象ユーザに対し、意識を上げるようなコンテンツを行動変容情報として提供する。
【0026】
また、情報提供装置10は、環境貢献に対する実績が乏しい対象ユーザに対しては、たとえば、環境貢献に対する実績を上げるためのコンテンツを行動変容情報として提供する。
【0027】
また、情報提供装置10は、対象ユーザのエシカル係数に応じて介入方法を用いて行動変容情報を提供する。一例として、実施形態に係る提供方法では、知識が低い対象ユーザに対して、事前に情報を提示するパターンP1の介入方法を用いて行動変容情報を提供し、対象ユーザの知識の定着度に応じて、パターンP2やパターンP3の介入方法の比重を徐々に大きくする。なお、介入方法の具体例についてついては、図8を用いて後述する。
【0028】
このように、実施形態に係る提供方法では、対象ユーザの環境貢献に関する特性を表すエシカル係数に応じた介入方法を用いることによって、対象ユーザに適した行動変容情報を提供することができ、その結果、対象ユーザの環境貢献に対する行動変容を効率よく促すことができる。
【0029】
次に、図3を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の構成例について説明する。図3は、情報提供装置10のブロック図である。図3に示すように、実施形態に係る情報提供装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを備える。
【0030】
通信部20は、たとえば、例えばNIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部20は、所定の通信ネットワークに双方向通信可能に接続され、各ユーザ端末100との間で情報の送受信を行う。
【0031】
記憶部30は、たとえば、不揮発性メモリやフラッシュメモリ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。図3に示すように、記憶部30は、ログ情報データベース31、エシカル係数データベース32、提供情報データベース33および外部情報データベース34を有する。
【0032】
ログ情報データベース31は、ログ情報を記憶するデータベースである。図4は、ログ情報データベース31の一例を示す図である。ログデータは、ユーザを識別するデータ、例えば「ユーザID」と、当該ユーザが行った行動に関するデータ、例えば、行動内容、行動日時等のデータ(例えば、クイズ回答内容、学習内容、アンケート回答内容等)が対となったデータで、これらログデータが個々のデータとして(1データレコードを構成して)ログ情報データベース31に記憶される。図4では、説明を分かりやすくするために、ユーザ毎に行動種別(「クイズ履歴」、「学習履歴」、「アンケート履歴」、「行動変容履歴」)別(例えば、学習履歴の枠には各学習行動が分離可能に蓄積されている)に整理された形態でログ情報データベース31を模式的に示している。
【0033】
「クイズ履歴」は、環境貢献に関するクイズの実施履歴を示し、クイズの内容(あるいは当該クイズ内容情報のリンク先等)、回答内容等のクイズ関連情報を含み、当該「クイズ履歴」の情報を用いて、クイズ正答率等の加工データを生成し、各ユーザの環境に対する知識レベルの推定に用いることができる。「学習履歴」は、環境貢献に関する学習コンテンツの学習履歴を示し、当該「学習履歴」の情報を用いて、学習済み環境知識の把握および環境学習への取り組み状況の把握が行え、各ユーザの環境に対する知識レベルおよび意識レベルの推定に用いることができる。また、「アンケート履歴」は、環境貢献に関するアンケートの実施履歴を示し、当該「アンケート履歴」の情報(アンケート内容とその回答内容)を用いて、環境知識レベルの推定(環境知識に関する質問への回答)、環境意識レベルの推定(環境意識に関する質問への回答)および環境実績レベルの推定(環境行動履歴に関する質問への回答)を行うことができる。「行動変容履歴」は、環境貢献に関する行動変容の履歴を示し、当該「行動変容履歴」の情報を用いて、環境実績レベルの把握を行うことができる。なお、後述するように、情報提供装置10は、ユーザ端末100にインストールされたアプリの操作履歴等に基づきこれら各種ログデータとして取得する。
【0034】
より具体的には、情報提供装置10は、たとえば、ユーザ端末100で行われた、情報提供装置10によって生成されたクイズやアンケートに対するユーザの回答、学習コンテンツの閲覧、後述するチェックツールに対する入力、などといった各ユーザの各操作内容の基づく情報がログデータとして各ユーザ端末100から取得する。
【0035】
図3の説明に戻り、エシカル係数データベース32について説明する。エシカル係数データベース32は、ユーザの環境貢献に関する各種特性を示すパラメータを記憶するデータベースである。図5は、エシカル係数データベース32の一例を示す図である。
【0036】
図5に示すように、エシカル係数データベース32は、「ユーザID」および「パラメータ」を互いに対応付けて記憶する。ユーザIDは、各ユーザを識別するための識別子である。尚、「ユーザID」は、図4で示したログ情報データベース31における「ユーザID」と共通のデータが使用され、同じユーザIDは同じ人物を示すことになる。
【0037】
パラメータには、ユーザの環境貢献に関する各種特性を示すもので、ここでは、各ユーザの環境貢献に関する知識レベル、意識レベルおよび実績レベルといった項目が含まれる。知識レベル、意識レベルおよび実績レベルは、ユーザの環境貢献に関する知識特性、意識特性および実績特性の一例であり、環境貢献に関する知識、意識、実績を数値化した値である。
【0038】
なお、知識レベル、意識レベルおよび実績レベルは、ユーザ毎に異なる基準によって設定される値であってもよい。たとえば、CO2を削減しやすい環境のユーザと、CO2を削減しにくい環境のユーザとで異なる基準で実績レベルを設定するようにしてもよい。
【0039】
つまり、自家用車での移動が必須であるユーザ(代替手段がないユーザ)と、電車や徒歩での移動が可能なユーザとでは、自家用車による移動を節約する難易度が異なるので、これらを考慮して実績レベルを設定する(この例では、難易度が高い程、実績レベルを高く設定する)ようにしてもよい。
【0040】
図3の説明に戻り、提供情報データベース33、および外部情報データベース34について説明する。提供情報データベース33は、ユーザに提供する環境に関する情報を記憶するデータベースであり、また外部情報データベース34は環境に関する外部情報を記憶するデータベースである。ここで、外部情報とは、外部のメディアから取得した情報であり、特に、ユーザの環境貢献に対する行動に影響を与え得る情報である。たとえば、外部情報には、ニュース(環境に関するニュース)、天気、渋滞などに関する情報が含まれる。
【0041】
図6は、提供情報データベース33の一例を示す図である。図6に示すように、提供情報データベース33は、「提供情報ID」の項目の情報に、「生成日時」、「情報種別」、「介入パターン・効果・レベル」、「内容」などといった項目の情報を対応付けて記憶する。
【0042】
「提供情報ID」には、提供情報を識別するための識別データが記憶される。なお、情報提供装置10は、提供情報を生成、取得等した際に、提供情報データベース33に提供情報IDを主キーとするデータレコードを生成し、そして生成したデータレコードの各種データ項目欄に対応する各種データを記憶する。「生成日時」には、対応する提供情報IDによって識別される提供情報の生成・取得日時のデータが記憶される。また、「情報種別」には、対応する提供情報の情報種別を示すデータが記憶され、「内容」には、対応する提供情報の内容(あるいは要約)のデータが記憶される。「介入パターン・効果・レベル」には、当該外部情報を提供するユーザの特性、情報提供により期待できる効果の種別、効果的な情報介入パターンの条件が記憶される。これらの「生成日時」、「情報種別」、「介入パターン・効果・レベル」データは、提供情報を生成、取得等した際にオペレータ等の入力操作に基づき付与され、あるいは生成・取得等した情報を人工知能等により解析した解析データ等に基づき付与される。
【0043】
たとえば、図6で示す提供情報データベース33では、提供情報IDが「F0001」の外部情報は、情報の生成日時が「2022/01/10」、情報の情報種別が「クイズ」、当該情報の提供条件が「P1用知識レベル向上情報・レベル1(介入パターンP1で知識レベル1のユーザに提供するのが、当該ユーザの知識レベル向上に効果的な情報)、またはP2用意識レベル向上情報・レベル2、あるいはP1用実績レベル向上情報・レベル1or2」、内容が「環境クイズA(実際のクイズデータ)」となり、これらの情報に基づく条件等により対応する内容の情報が提供されることになる。
【0044】
図7は、外部情報データベース34の一例を示す図である。図7に示すように、外部情報データベース34は、「外部情報ID」の項目の情報に、「発表日時」、「情報提供元」、「対象エシカル係数」、「対象介入パターン」、「内容」などといった項目の情報を対応付けて記憶する。
【0045】
「外部情報ID」には、外部情報を識別するための識別データが記憶される。なお、情報提供装置10は、外部情報を取得した際に、外部情報データベース34に外部情報IDを主キーとするデータレコードを生成し、そして生成したデータレコードの各種データ項目欄に対応する各種データを記憶する。「発表日時」には外部情報の発表日時のデータが記憶される。また、「情報提供元」には対応する外部情報の提供元のデータが記憶され、「介入パターン・効果・レベル」には当該外部情報を提供するに適したユーザの特性、情報提供により期待できる効果の種別、効果的な情報介入パターンの条件等、すなわち提供する外部情報を決定するための外部情報の特性情報が記憶され、そして「内容」には対応する外部情報の内容(あるいは要約)のデータが記憶される。これらデータは外部情報に付加された当該外部情報のメタデータや、外部情報を人工知能等により解析した解析データ、あるいはオペレータの入力操作等に基づき生成される。
【0046】
たとえば、図7で示す外部情報データベース34では、外部情報IDが「E0001」の外部情報は、情報の発表日時が「2022/05/10」、情報の提供元が「A社Web」、当該情報の提供条件が「P1用知識レベル向上情報・レベル1(介入パターンP1で知識レベル1のユーザに提供するのが、当該ユーザの知識レベル向上に効果的な情報)、またはP2用意識レベル向上情報・レベル2、あるいはP1用実績レベル向上情報・レベル1or2」、内容が「2100年海面上昇でXX島沈没」(文献画像データ、Webリンク先データ等でも可)となり、これらの情報に基づく条件等により対応する内容の情報が提供されることになる。
【0047】
図3の説明に戻り、制御部40について説明する。制御部40は、所謂コントローラで、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって機能する。
【0048】
制御部40は、取得部41、推定部42、決定部43および生成部44を備える。取得部41は、各種情報を取得する。たとえば、取得部41は、ユーザ端末100からアプリの操作履歴に関するログ情報を取得し、ログ情報データベース31に格納する。なお、ここでのログ情報は、ユーザが実行した、クイズに関するデータ(クイズ内容や、ユーザの回答等)、学習コンテンツの閲覧履歴(受講履歴)、アンケートに関するデータ(アンケート内容や、ユーザの回答等)、行動変容履歴などに関する情報であり、ユーザによるアプリの操作履歴(上記クイズに対する操作等)に関する各種情報が含まれる。
【0049】
なお、取得部41は、たとえば、ユーザ端末100あるいはウェアラブルデバイスにより測定された活動履歴(各種センサ出力)をログ情報として取得するようにしてもよい。ここでの活動履歴には、たとえば、徒歩、ランニング、サイクリングなどの活動の有無や対応する位置情報の履歴に関する情報(GPS位置センサの位置データや移動速度データ、あるいは加速センサを用いた歩数データ等)が含まれる。
【0050】
すなわち、どの区間をどのような手段で移動したかといった情報をログ情報に含むようにしてもよい。たとえば、かかるログ情報を活用することで、移動に伴い削減可能なCO2の排出量を推定することができる。
【0051】
また、取得部41は、ニュースサイト、論文データベース、あるいは、政府機関が運営する政府サイトなどといった各種の外部メディアから外部情報を取得し、取得した外部情報を外部情報データベース34に格納する。
【0052】
推定部42は、ユーザの環境貢献に関する特性を示すパラメータであるエシカル係数を推定する。たとえば、推定部42は、ログ情報データベース31に格納されたログ情報を用いて、エシカル係数を推定する。
【0053】
推定部42は、エシカル係数として、知識レベル、意識レベルおよび実績レベルに関する各パラメータを推定し、エシカル係数データベース32における当該ユーザのデータレコード(当該ユーザに対応するユーザIDが主コードのデータレコード)に記憶する。なお、新規ユーザの場合は当該ユーザのデータレコードを生成して記憶し、既存ユーザの場合は当該ユーザのデータレコードのデータを新しく推定したデータで更新する。具体的には、推定部42は、クイズ履歴データに基づき算出されるクイズ正答率等および学習履歴に基づき、知識レベルを推定し、アンケート結果に基づき、意識レベルを推定する。また、推定部42は、行動変容履歴に基づき、実績レベルを推定する。そして推定部42は、これら推定した知識レベルと意識レベルと実績レベルを、エシカル係数データベース32における当該ユーザのデータレコード(当該ユーザに対応するユーザIDが主コードのデータレコード)に記憶する。
【0054】
決定部43は、エシカル係数データベース32に記憶された情報提供先のユーザに対するエシカル係数に基づいて、ユーザへ提供する行動変容情報を決定する。たとえば、決定部43は、ユーザの知識レベル、意識レベルおよび実績レベルと、それぞれに設定された閾値とを比較し、その比較結果に基づいてユーザへ提供する行動変容情報の種別を決定する。
【0055】
具体的には、決定部43は、ユーザの知識レベル、意識レベルおよび実績レベルと、それぞれの閾値とを比較し、閾値を下回るパラメータを向上させるようなコンテンツをユーザへ提供する行動変容情報として決定する。なお、知識レベル、意識レベルおよび実績レベルのパラメータを向上させるようなコンテンツについては、知識レベル、意識レベルおよび実績レベルのパラメータを向上させるコンテンツ種別を示すテーブルデータ(データベース)を記憶部30に生成しておけば良い。
【0056】
たとえば、決定部43は、知識レベルが閾値を下回る場合、知識向上につながる知識向上コンテンツを行動変容情報として決定し、意識レベルが閾値を下回る場合、意識向上につながる意識向上コンテンツを行動変容情報として決定する。また、決定部43は、実績レベルが閾値を下回る場合には、実績向上につながる実績向上コンテンツを行動変容情報として決定する。
【0057】
なお、たとえば、知識向上コンテンツは、環境自体に関する科学的情報を伝える情報が適しており、環境に関する学習コンテンツ、環境クイズなどといったコンテンツが適用される。また、たとえば、意識向上コンテンツは、環境活動の重要性等を伝える情報が適しており、たとえば環境に関するニュース(たとえば、社会問題)などのコンテンツが適用される。また、たとえば、実績向上コンテンツは、ユーザに環境活動開始のきっかけを与えたり、ユーザに環境活動実施の刺激(競争心)を与えたりする情報が適しており、たとえば他のユーザとの実績に関する比較情報(ランキングや順位など)、環境学習の進捗情報(何パーセント完了など)、環境に関するユーザの各種レベル(知識・意識・実績レベル状況や、ランキングや順位などの他人との比較情報など)などのコンテンツが適用される。
【0058】
また、知識レベル、意識レベルおよび実績レベルに対する閾値を複数段階の閾値として設定し、当該各閾値に対する比較結果(知識レベル、意識レベルおよび実績レベルが下回る最大の閾値)に応じてコンテンツ種別を決定する(当該テーブルデータを生成しておく)方法も有効で、この場合はユーザにおける詳細な知識レベル、意識レベルおよび実績レベルに応じた内容のコンテンツを提供することが可能となる。
【0059】
このように、決定部43は、情報提供先のユーザのエシカル係数に応じて、ユーザへ提供する行動変容情報を決定することによって、ユーザの環境に対する知識レベル、意識レベルおよび実績レベルを効果的に向上することが期待でき、その結果、ユーザに対して行動変容を効果的に促すことができる。
【0060】
また、決定部43は、推定部42によって推定されたエシカル係数に基づいて、行動変容を促す介入方法を決定する。たとえば、決定部43は、エシカル係数に含まれるそれぞれのパラメータ(知識レベル、意識レベル、実績レベル)に応じて、介入方法(ここでは、図2で説明した事前に情報を提示するパターンP1、事後的に情報を提示するパターンP2、行動のシミュレーション結果を事前に提示するパターンP3)を決定する。
【0061】
図8を用いて、具体的な介入方法の一例について説明する。図8は、介入制御に用いるデータテーブルの一例を示す図である。なお、図8に示すデータテーブルにおいて、「レベル低」、「レベル中」、「レベル高」は、対応する知識レベル、意識レベルおよび実績レベルの度合いを示し、「介入方法別頻度」のP1、P2およびP3は、それぞれパターンP1~P3の介入方法を示すとともに、P1、P2およびP3それぞれに続く数値は、介入パターンP1~P3それぞれの重み(適用する頻度(割合))を示す。また、「情報別頻度」は知識レベル向上情報、意識レベル向上情報および実績レベル向上情報の提供の重み(提供する頻度(割合))を示し、そして「情報種別・レベル」は各介入パターンP1~P3において提供する情報の種別(内容)とその内容レベルを示す。
【0062】
つまり、例えば「介入方法別頻度」が「P1:5,P2:1,P3:1」の場合は、介入方法P1と介入方法P2と介入方法P3を5:1:1の頻度で実行することを示す。例えば、1時間に介入方法P1と介入方法P2と介入方法P3を、それぞれ5回、1回、1回、実行する。あるいは、5分毎に介入動作を行うが、その割合を介入方法P1と介入方法P2と介入方法P3とで5:1:1とする等の方法を実行する。
【0063】
また、「情報別頻度」が、該当する各知識レベル、意識レベルおよび実績レベルで「5」、「3」、「1」の場合、知識レベル向上情報、意識レベル向上情報および実績レベル向上情報の提供を、5:3:1の頻度で実行することを示す。
【0064】
そして、「情報種別・レベル」が、「P1用知識レベル向上情報・レベル1」の場合は、介入方法P1においてレベル1の内容の知識レベル向上情報を提供することを示す。具体的には、図7に示したデータテーブルの場合、「知識レベル」がレベル低、「意識レベル」がレベル中、「実績レベル」がレベル低のユーザであれば、次のようになる。
【0065】
「知識レベル」がレベル低の「介入方法別頻度」、「情報別頻度」、「情報種別・レベル」は、それぞれ「P1:5,P2:1,P3:1」、「5」、「介入方法P1ではP1用知識レベル向上情報・レベル1(の情報を使用)、介入方法P2ではP2用知識レベル向上情報・レベル1、介入方法P3ではP3用知識レベル向上情報・レベル1」である。
また、「意識レベル」がレベル中の「介入方法別頻度」、「情報別頻度」、「情報種別・レベル」は、それぞれ「P1:2,P2:5,P3:1」、「3」、「介入方法P1ではP1用知識レベル向上情報・レベル2、介入方法P2ではP2用知識レベル向上情報・レベル2、介入方法P3ではP3用知識レベル向上情報・レベル2」である。
【0066】
また、「実績レベル」がレベル低の「介入方法別頻度」、「情報別頻度」、「情報種別・レベル」は、それぞれ「P1:3,P2:5,P3:1」、「5」、「介入方法P1ではP1用実績レベル向上情報・レベル1、介入方法P2ではP2用実績レベル向上情報・レベル1、介入方法P3ではP3用実績レベル向上情報・レベル1」である。なお、ここで「情報別頻度」は3時間毎の情報提供回数、「介入方法別頻度」は情報提供回数割合とする。
【0067】
この場合、知識レベル向上情報、意識レベル向上情報および実績レベル向上情報の各提供頻度は5:3:5であるので、3時間に知識レベル向上情報、意識レベル向上情報および実績レベル向上情報を各々5回、3回、5回、ユーザに提供する。一定間隔で情報を提供する場合には、180分/13回で約14分毎に情報が提供されることになる。なお、各情報は、各々適宜分散されて(連続しないように)提供されることが望ましいので、提供頻度に応じた順番で提供するのが望ましい。
【0068】
また、「知識レベル」がレベル低の「介入方法別頻度」は、介入パターンP1、介入パターンP2、介入パターンP3での情報提供頻度は5:1:1であるので、該当の情報提供タイミング7回の内、5回、1回、1回の割り当てで介入パターンP1、介入パターンP2、介入パターンP3での情報提供を行う。なお、当該ユーザの「意識レベル」、「実績レベル」における「介入方法別頻度」でも同様になる。
【0069】
そして、「知識レベル」がレベル低の「情報種別・レベル」は、介入方法P1では「知識レベル向上情報・レベル1」であるので、介入方法P1における提供すべき情報として内容レベルがレベル1の介入方法P1に対するP1用知識レベル向上情報が提供する情報として選択される。そして、同様に、介入方法P2では内容レベルがレベル1の介入方法P2に対するP2用知識レベル向上情報が、また介入方法P3では内容レベルがレベル1の介入方法P3に対するP3用知識レベル向上情報が提供する情報として選択される。なお、当該ユーザの「意識レベル」、「実績レベル」における「情報種別・レベル」でも同様になる。
【0070】
従って、上述の条件では、レベル2の知識レベル向上情報(知識・意識・実績レベル、および介入パターンにより異なる)が、21時間(情報提供回数が整数となるように設定)に、介入パターンP1で25回、介入パターンP2で5回、介入パターンP3で5回、提供されることになる。また、レベル2の意識レベル向上情報(知識・意識・実績レベル、および介入パターンにより異なる)が、21時間に、介入パターンP1で35回、介入パターンP2で7回、介入パターンP3で7回、提供されることになる。そして、レベル1の実績レベル向上情報(知識・意識・実績レベル、および介入パターンにより異なる)が、21時間に、介入パターンP1で35回、介入パターンP2で7回、介入パターンP3で7回、提供されることになる。
【0071】
このように、図8に示した情報提供方法によれば、ユーザ(情報提供先)の知識レベル、意識レベルおよび実績レベルの各レベルに応じた情報別頻度で、知識レベル向上用情報、意識レベル向上用情報および実績レベル向上用情報が提供されるので、ユーザの特性(各種レベル)に適した頻度で各々の情報が提供されることになり、ユーザの環境に関する各特性レベルが効率的に向上することが期待できる。
【0072】
またユーザの知識レベル、意識レベルおよび実績レベルの各レベルに応じて、各介入パターンPnでの情報提供頻度(介入方法別頻度)が調整されるので、ユーザの特性に適した頻度で、また効果的なタイミングで各々の情報が提供されることになり、ユーザの環境に関する各特性レベルが効率的に向上することが期待できる。
【0073】
また、ユーザに提供される情報は、ユーザの知識レベル、意識レベルおよび実績レベルの各レベルに応じた内容の情報で、また各介入パターンPnにおける情報提供に適した内容の情報となるため、ユーザの環境に関する各特性レベルが効率的に向上することが期待できる。
【0074】
なお、図8に示した情報提供方法では、ユーザの知識レベル、意識レベルおよび実績レベルの各レベルに応じて、「介入方法別頻度」、「情報別頻度」、「情報種別・レベル」を細かく層別した方法によりユーザに情報提供を行うものであるが、「介入方法別頻度」、「情報別頻度」、「情報種別・レベル」の内の1つ、あるいは2つの項目で層別した制御方法に基づき情報提供を行う方法でも、ユーザの環境に関する各特性レベルが効率的に向上することが期待できる。
【0075】
また、図8に示した情報提供方法では、提供する情報の内容についても、ユーザの知識レベル、意識レベルおよび実績レベルの各レベルに応じた内容の情報で、かつ各介入パターンPnにおける情報提供に適した内容の情報となっているが、ユーザの上記各レベルで共通の内容の情報(知識レベル向上用、意識レベル向上用、実績レベル向上用の区別あり、各介入パターンPnの区別あり、あるいはこれらの区別の一方があり)、あるいは各介入パターンPnで共通の内容の情報(知識レベル向上用、意識レベル向上用、実績レベル向上用の区別あり、各情報内容のレベルの区別あり、あるいはこれらの区別の一方があり)とする方法も有効である。
【0076】
図3の説明に戻り、生成部44について説明する。生成部44は、ユーザのエシカル係数に応じた行動変容情報を生成し(たとえば、図8に示したデータテーブルと図6示した提供情報データベース33を用いて)、生成した行動変容情報をユーザのユーザ端末100へ提供する。なお、生成部44は、過去に提供した行動変容情報を記憶部30に記憶しておくようにしてもよい。この場合、生成部44は、ユーザのエシカル係数に応じた行動変容情報を記憶部30から読み出して、ユーザへ提供する。
【0077】
たとえば、生成部44は、決定部43によって決定された種別のコンテンツを行動変容情報として生成する。たとえば、生成部44は、ユーザの知識レベルや意識レベルに応じた難易度や、あるいは分野における、環境貢献に関するクイズ、学習コンテンツ、アンケートおよび行動履歴容に関するチェックツールおよびフィードバック情報等を行動変容情報として生成する。
【0078】
クイズは、環境貢献に関する知識を問うものであり、アンケートは、環境貢献に関する意識を問うものである。なお、たとえば、生成部44は、ユーザの学習コンテンツの受講履歴に基づき、過去に受講した学習コンテンツに含まれる内容をクイズとして生成するようにしてもよい。
【0079】
生成部44によって生成されたクイズやアンケートは、通信部20によりユーザ端末100に送信される。また、ユーザ端末100は、アプリにより、当該情報の受信およびユーザへの提供(表示等)、ユーザによるクイズやアンケートへの回答操作の入力および当該回答結果の情報提供装置10への送信等を行う。
【0080】
そして、情報提供装置10の取得部41はユーザ端末100からのこれら回答等の送信情報をログ情報として取得し、ログ情報データベース31に記憶する。そして、推定部42は、ログ情報データベース31に記憶されたユーザによるアンケートやクイズの回答結果を含むログ情報に基づきユーザの環境貢献に関する特性(知識レベルや意識レベル、実績レベル)を推定する。
【0081】
このように、行動変容情報として環境に関するクイズのコンテンツを提供することによって、ユーザの知識レベルの向上を図りつつ、ユーザの知識レベルを適切に把握することが可能となる。つまり、クイズには環境に関する知識情報が含まれ、またクイズ自体には学習作用および知識レベルの計測機能があるので、ユーザへのクイズのコンテンツ提供により、ユーザの知識レベルの向上、およびユーザの知識レベルの把握が可能となる。また、行動変容情報として環境に関するアンケートに関するコンテンツを提供することによって、ユーザ(あるいは関係者)によるユーザの環境に関する自己評価情報を得ることができ、ユーザの意識レベルを適切に把握することができる。
【0082】
また、生成部44は、ユーザの知識レベルや意識レベル、そして実績レベルに応じた学習コンテンツを行動変容情報として生成する。図9は、ユーザ端末100における学習コンテンツの表示例を示す図である。
【0083】
図9の例では、生成部44は、エアコンの省エネに関して、冷房時の工夫、暖房時の工夫などといった知識を習得するための学習コンテンツを生成し、通信部20によりユーザ端末100に送信することになる。
【0084】
そして、取得部41は、ユーザによる当該学習コンテンツの使用状況を示すログデータをユーザ端末100から取得し、ログ情報データベース31に記憶する。そして、推定部42は、ユーザによる当該学習コンテンツの使用状況を示すログ情報を含むログ情報データベース31に記憶されたログ情報に基づきユーザの環境貢献に関する特性(知識レベルや意識レベル、実績レベル)を推定する。
【0085】
また、生成部44は、行動変容に関するチェックツールを行動変容情報として生成する。図10は、ユーザ端末100におけるチェックツールの表示例を示す図である。図10に示すように、このチェックツールは、ユーザに対して選択肢を提示したうえで、ユーザが取った行動をチェックしてもらう形式のコンテンツとなっている。生成部44は、ユーザの知識レベルや意識レベル、そして実績レベルに応じたチェックツールのコンテンツを行動変容情報として生成し、通信部20によりユーザ端末100に送信する。そして、ユーザ端末100はアプリによる動作により、チェックツールを受信して表示し、ユーザはユーザ端末100の入力操作により、チェック結果を入力する。そして、そのチェック結果はユーザ端末100から情報提供装置10へ送信され、情報提供装置10の取得部41はユーザ端末100からのこれらチェック結果等の送信情報をログ情報として取得し、ログ情報データベース31に記憶する。情報提供装置10、このチェック結果を実績レベル(ユーザの環境貢献に関する特性)の推定等に用いられる。
【0086】
このように、チェックツールを介してユーザの行動を確認することによって、ユーザの環境貢献に関する行動履歴を適切に把握することが可能となる。また、予め選択肢を提示することによって、ユーザの入力(回答)が容易になり、また収集したい情報を定型的に入手することが可能となって、情報の解析処理等が効率的に、また容易になる。
【0087】
なお、ここではエアコンに関するチェックツールを例示したが、これに限定されるものではない。たとえば、ユーザの操作に応じてユーザへ提示するチェックツールを変更する、つまりユーザが選択可能にできるようにしてもよい。これは、ユーザがその日に行った行動や周囲状況に応じて、チェックすべきECOアクション(環境考慮行動)が異なるためである。この場合、情報提供装置10がユーザ端末100にチェックツールリストを提供し、ユーザ端末100からの当該リストに基づくチェックツール選択結果を情報提供装置10が取得し、そして情報提供装置10が取得したチェックツール選択結果に基づくチェックツールをユーザ端末100に提供することにより実現できる。
【0088】
また、生成部44は、ユーザによる行動変容の実績を示すフィードバック情報を行動変容情報として生成する。図11は、ユーザ端末100におけるフィードバック情報の表示例を示す図である。図11に示すフィードバック情報は、環境行動に関する環境貢献履歴情報(ECOレコード)であり、ユーザの行動変容に伴い削減したCO2の削減量に関する情報である。
【0089】
これらCO2の削減量は、たとえば、図10に示すチェックツールへの入力結果に基づく環境に関するユーザの行動履歴、あるいはユーザ端末100の各種センサ出力やユーザ端末100に記憶されたユーザのスケジュール情報等により推定される行動履歴等に基づき算出(推定)することができる。また、関連情報として、たとえば、図11に示すように、生成部44は、ユーザのCO2の削減量に対する現在の順位、すなわち、他者との比較結果(ランキング)を生成し、ECOレコードに表示するようにしてもよい。なお、他者との比較結果(ランキング)は、たとえば、情報提供装置10のログ情報データベース31に記憶された各ユーザの行動履歴情報(行動に基づくCO2の削減量等)を統計処理すること等により、算出(推定する)ことが可能である。
【0090】
このようなフィードバック情報を生成し、ユーザへフィードバックすることによって、当該ユーザは自己の行動によるCO2の削減量、つまり自己の環境貢献度を知ることができ、ユーザは行動変容に関するモチベーション向上を図ることができる。
【0091】
また、生成部44は、上述のような行動変容情報を、決定部43によって決定された介入方法に応じて、ユーザ端末100へ通知する。つまり、生成部44は、介入方法が事前に情報を提示するパターンP1である場合には、パターンP1に応じた種別の行動変容情報を生成し、パターンP1によって規定された通知タイミング(該当の行動開始前)でユーザ端末100へ通知を行う。
【0092】
生成部44は、介入方法が事後的に情報を提示するパターンP2である場合には、パターンP2に応じた種別の行動変容情報を生成し、パターンP2によって規定された通知タイミング(該当の行動終了後)でユーザ端末100へ通知を行う。
【0093】
また、生成部44は、介入方法がシミュレーション結果に関する情報を事前に提示するパターンP3である場合には、シミュレーションを行ったうえでパターンP3に応じた種別の行動変容情報を生成し、パターンP3によって規定された通知タイミング(該当の行動開始前)でユーザ端末100へ通知を行う。
【0094】
このように、生成部44は、介入方法に応じた種別の行動変容情報を生成し、介入方法に適した通知タイミングで、介入方法に適した内容の行動変容情報をユーザへ通知する。従って、情報提供装置10は、介入方法に応じて、環境貢献に関するユーザの行動変容を効果的に促すことができる。
【0095】
生成部44は、情報提供先のユーザのエシカル係数や介入方法に応じて、提供情報データベース33や、外部情報データベース34を用いて、ユーザに提供する行動変容情報を生成するが、次のその行動変容情報の具体的生成処理について説明する。
【0096】
まず、提供情報データベース33に基づく行動変容情報の生成方法について説明する。生成部44は、決定された提供情報の介入方法や情報種別に基づき、図6に示した提供情報データベース33を検索して情報内容およびその付加情報を抽出し、提供する行動変容情報として生成する。なお、検索された適当な提供情報が複数ある場合は、過去の情報提供実績や情報重要度(予め各情報に付与しておく)に応じて平等、あるいは重みづけした頻度で順番に生成し、ユーザに提供するようにすれば良い。
【0097】
具体的には、たとえば、内容レベルがレベル1の介入方法P1に対するP1用知識レベル向上情報が提供する情報として決定された場合、情報提供装置10は、提供情報データベース33における「介入パターン・効果・レベル」が「P1用知識レベル向上情報・レベル1」の情報内容データを抽出して行動変容情報(「環境クイズA」)を生成し、該当のユーザ端末100に提供する。
【0098】
次に、外部情報データベース34に基づく行動変容情報の生成方法について説明する。生成部44は、決定された提供情報の介入方法や情報種別に基づき、図7に示した外部情報データベース34を検索して情報内容およびその付加情報を抽出し、提供する行動変容情報として生成する。なお、検索された適当な提供情報が複数ある場合は、過去の情報提供実績や情報重要度(予め各情報に付与しておく)に応じて平等、あるいは重みづけした頻度で順番に生成し、ユーザに提供するようにすれば良い。
【0099】
具体的には、たとえば、内容レベルがレベル1の介入方法P1に対するP1用知識レベル向上情報が提供する情報として決定された場合、情報提供装置10は、外部情報データベース34における「介入パターン・効果・レベル」が「P1用知識レベル向上情報・レベル1」の情報内容データを抽出して行動変容情報(内容「2100年海面上昇でXX島沈没」、付加データ(情報提供元)「A社Web」)を生成し、該当のユーザ端末100に提供する。
【0100】
このように、生成部44は、外部情報を用いて行動変容情報を生成することによって、常時情報が更新される外部情報に基づき環境関連情報を生成するので、ユーザに対して現在の状況や未来に想定される状況をより適切に(新しい情報に基づき)イメージさせることができるので、環境貢献に関する行動変容を効率的に促すことができる。
【0101】
次に、図12を用いて、実施形態に係る情報提供装置10が実行する処理手順について説明する。図12は、情報提供装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理は、制御部40によって情報提供装置10稼働中に繰り返し実行される。
【0102】
図12に示すように、制御部40は、ステップS101で、各ユーザ端末100から各種ログデータを収集して記憶部30に記憶し、ステップS102に移る。制御部40は、ステップS102で、記憶部30に記憶したログデータを層別(ユーザ、行動種別による層別等)等の各種解析・統計的処理により整理し、当該データによりログ情報データベース31を更新し、ステップS103に移る。制御部40は、ステップS103で、ログ情報データベース31に記憶されたログ情報に基づき各ユーザの環境行動に対する特性(エシカル係数)を推定し、エシカル係数データベース32を更新し、ステップS104に移る。
【0103】
制御部40は、ステップS104で、外部環境情報を取得して必要な情報解析処理等を行い、取得した外部情報および解析処理結果に基づき外部情報データベース34を更新し、ステップS105に移る。制御部40は、ステップS105で、オペレータ等による入力操作等に基づき提供環境情報を取得して必要な情報解析処理等を行い、提供環境情報および解析処理結果に基づき提供情報データベース33を更新し、ステップS106に移る。
【0104】
制御部40は、ステップS106で、ユーザ端末100からの情報等に基づき、ユーザ端末100への環境情報提供の要求があったかどうか判断し、要求があればステップS107に移り、要求が無ければ処理を終える。
【0105】
制御部40は、ステップS107で、環境情報提供の要求の対象ユーザ(ユーザ端末100の情報等から判断)の環境行動に対する特性(エシカル係数)をエシカル係数データベース32から抽出し、ステップS108に移る。制御部40は、ステップS108で、抽出した対象ユーザの環境行動に対する特性(エシカル係数)とパラメータデータベース32のデータに基づき提供する環境情報、その情報提供条件(方法)を決定し、ステップS109に移る。そして、制御部40は、ステップS109で、決定した環境情報、その情報提供条件(方法)に基づき提供情報データベース33、外部情報データベース33を検索して、提供する環境情報を生成し、また情報提供条件(方法、タイミング等)に基づき対象のユーザ端末100に生成した環境情報を送信(提供)して、処理を終える。
【0106】
上述したように、実施形態に係る情報提供装置10は、環境貢献に対するユーザの行動変容を促す行動変容情報を提供する情報提供装置であって、コントローラを有し、コントローラは、ユーザの環境貢献に関する特性であるユーザ環境特性を推定し、ユーザのユーザ環境特性に応じて、当該ユーザへ提供する行動変容情報を決定する。したがって、実施形態に係る情報提供装置10によれば、ユーザの環境貢献に関する特性に応じた情報をユーザに提供することができ、ユーザの環境貢献に関する行動変容を効果的に促すことができる。
【0107】
ところで、上述した実施形態では、たとえば、図10に示したようなチェックツールを用いて、ユーザの行動変容特性を推定する場合について説明したが、これらに限定されるものではない。
【0108】
たとえば、ショッピングサイトと連携し、ユーザによるエコ商品の購買履歴を取得し、ユーザの行動変容特性を推定するようにしてもよい。この場合、エコ商品に関する購買履歴については、たとえば、電子決済サービスの使用履歴やクレジットカードの利用明細の情報を利用すれば良い。
【0109】
また、電力会社と連携し、電力の使用履歴から省エネに関するユーザの行動変容から行動変容特性を推定するようにしてもよい。
【0110】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 情報提供システム
10 情報提供装置
20 通信部
30 記憶部
31 ログ情報データベース
32 エシカル係数データベース
33 提供情報データベース
34 外部情報データベース
40 制御部
41 取得部
42 推定部
43 決定部
44 生成部
100 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12