(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179275
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/02 20210101AFI20231212BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20231212BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20231212BHJP
【FI】
G03B17/02
H04N5/225 100
G03B17/56 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092514
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】横澤 真人
【テーマコード(参考)】
2H100
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H100AA12
2H100AA16
2H100AA61
2H100CC07
2H105EE21
5C122EA01
5C122EA42
5C122GE03
5C122GE11
(57)【要約】
【課題】 ケーブルの抜け防止や配線方向の選択が可能なケーブルクランプを有する撮像装置を提供する。
【解決手段】 外部機器との接続端子と、着脱可能なケーブルクランプと、装置本体を把持するためのグリップベルトと、外部アクセサリを取り付けるためのアクセサリシューとを備える撮像装置であって、前記ケーブルクランプは、ケーブルを保持するためのケーブル保持部と、前記ケーブルクランプを前記グリップベルトに取り付けるための第一の装着部と、前記ケーブルクランプを前記アクセサリシューに取り付けるための第二の装着部とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器との接続端子と、着脱可能なケーブルクランプと、装置本体を把持するためのグリップベルトと、外部アクセサリを取り付けるためのアクセサリシューとを備える撮像装置であって、
前記ケーブルクランプは、ケーブルを保持するためのケーブル保持部と、前記ケーブルクランプを前記グリップベルトに取り付けるための第一の装着部と、前記ケーブルクランプを前記アクセサリシューに取り付けるための第二の装着部とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像装置に対して前記ケーブルクランプを着脱する方向と、前記ケーブル保持部において前記ケーブルを着脱する方向とは略同じ方向であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置は、さらに外部アクセサリを取り付けるためのビス締結部を備え、
前記ケーブルクランプは、前記ケーブルクランプを前記ビス締結部に取り付けるための第三の装着部を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な目的で電子機器同士を電気的に接続して機能拡張することは一般的である。
【0003】
電子機器間の接続としてケーブルを用いる場合、ケーブルが機器操作の妨げになる場合や、不意な引っ張りによる抜け防止を行うために、ケーブルを保持する構造部品としてケーブルクランプが広く知られている。
【0004】
電子機器と電子機器を様々な組み合わせで接続するため、その組み合わせに合わせて着脱が可能なケーブルクランプが必要となってくる。特許文献1に記載されているように、従来のケーブルクランプには、複数の装着部を有する構成を施したものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来例では装着部は複数あるものの、取り付け形状は一種類のみであり、ケーブルの抜け防止や配線の方向が制限されるといった問題点があった。
【0007】
本発明は、複数の取り付け形状を設けることで、電子機器と電子機器の組み合わせに効果的に対応した、ケーブルの抜け防止や配線方向の選択が可能なケーブルクランプを有する撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の撮像装置は、外部機器との接続端子と、着脱可能なケーブルクランプと、装置本体を把持するためのグリップベルトと、外部アクセサリを取り付けるためのアクセサリシューとを備える撮像装置であって、前記ケーブルクランプは、ケーブルを保持するためのケーブル保持部と、前記ケーブルクランプを前記グリップベルトに取り付けるための第一の装着部と、前記ケーブルクランプを前記アクセサリシューに取り付けるための第二の装着部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ケーブルの抜け防止や配線方向の選択が可能なケーブルクランプを有する撮像装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
<ケーブルクランプ500の構成>
まず、
図1を参照してケーブルクランプ500の構成について説明する。なお、
図1はケーブルクランプ500の外観図であり、
図1はケーブルクランプ500の外観斜視図、
図2はケーブルクランプ500のX軸方向から見た側面図、
図3はケーブルクランプ500のZ軸方向から見た側面図である。
【0012】
図1に示すケーブルクランプ500は、ケーブル保持部501、第一の装着部510、第二の装着部520、第三の装着部530によって構成される。
【0013】
ケーブル保持部501は、円弧形状となっており、後述する接続ケーブル150を保持するために接続ケーブル150の直径より小さい空間であるケーブル挟持部503が設けられている。この空間には一部切欠きが設けられ、接続ケーブル150を挿入するためのケーブル挿入口502が配置されている。
【0014】
また、ケーブル挿入口502はケーブルクランプ500の+Y側(
図1a参照)に配置され、ケーブル挿入口502の開口は、接続ケーブル150の直径より小さくなっている。
【0015】
上記構成により、接続ケーブル150がーY方向(
図1参照)に引っ張られた際に、ケーブル保持部501から接続ケーブル150が抜けにくく、同時に接続ケーブル150を+X方向またはーX方向(
図1参照)に配線することが可能な構造となっている。
【0016】
第一の装着部510はベルト挿入口511とベルト保持部512からなり、後述するベルト部材121に取り付く。
【0017】
第二の装着部520はシュースライド形状521と圧入リブ522からなり、後述するアクセサリ取り付け用金具200に取り付く。
【0018】
第三の装着部530は貫通穴531と小穴形状532と大穴形状533からなり、後述するビス締結部のビス穴534に取り付く。
【0019】
ケーブルクランプ500の各装着部の詳細については後述する。
【0020】
<撮像装置本体100の構成>
図4を参照して、ケーブルクランプ500を装着する電子機器の例として、撮像装置本体100の構成を説明する。
図4は、本実施形態に係る撮像装置本体100の外観斜視図である。ここでは、以降の説明を簡便化するため、各図に示すXYZ座標系を使って、撮像装置本体100の上下左右前後方向を定義する。X軸は撮像装置本体100の撮影光軸方向とし、X軸が負となる方向を前方とする。すなわち被写体側が前面となる。また、X軸が正となる方向を後方とする。すなわち撮影者側が後面となる。
【0021】
X軸に直行するZY平面上において、Z軸を撮像装置本体100の幅方向、Y軸を高さ方向とし、Y軸が正となる側を上方、Y軸が負となる側を下方とする。またZ軸が正となる側面を右側、Z軸が負となる側面を左側と定義する。すなわち本案件では、撮像装置本体100の被写体側から見て左右を、それぞれ左面、および、右面と定義する。これにより、
図4は、前方、および、左方向から見た外観斜視図であり、
図5は後方、および左方向から見た外観斜視図となる。
【0022】
図4に示す撮像装置本体100は、不図示のレンズユニットを内蔵した撮像装置である。撮像装置本体100には、電源スイッチ111、パネル表示部112、ズーム操作部113、前端子保護カバー114、後端子保護カバー115、グリップベルト120が配置されている。また、グリップベルト120には着脱可能なケーブルクランプ500が取り付けられている。
【0023】
撮像装置本体100後方面には、
図5に示すように接眼表示部130、撮影開始ボタン131と、十字キー132と設定表示ボタン133が設けられ、バッテリ134が着脱自在に取り付けられている。また、撮像装置本体100の前側上面には、金属製のアクセサリ取り付け用金具200(コールドシュー)が設けられており、被写体投影用のライトなど種々のアクセサリを取り付けることが出来るようになっている。さらに、撮像装置本体100の後側上面にはビス穴534が設けられており、ハンドルなどの外部アクセサリを取り付けることができるようになっている。
【0024】
グリップベルト120は柔軟性のあるベルト部材121および甲当て部材122により構成され、撮像装置本体100の左面の外観面から突出した前側ベルト取り付け部123、および、後側ベルト取り付け部124に着脱自在に構成されている。撮影者は、前側ベルト取り付け部123、および、後側ベルト取り付け部124を繋ぐように取り付けられたグリップベルト120に掌を通し、撮像装置本体100を把持する。この状態でグリップベルト120を締め付けることにより、撮影者の掌が撮像装置本体100の外観面に密着し、ズーム操作部113や、撮影開始ボタン131、十字キー132の操作を、安定した姿勢で行うことができる。
【0025】
図6は、
図4に示す撮像装置本体100の状態から、前端子保護カバー114及び後端子保護カバー115を外した状態を示している。
図6に示す電源入力端子140は、撮像装置本体100に設けられた電気接点である。後述する接続ケーブル150を電源入力端子140に接続することにより、撮像装置本体100への電源供給を行うことができる。
【0026】
次に、本実施形態における撮像装置本体100の一般的な動作について説明を行う。
【0027】
図2に示す撮像装置本体100は、レンズユニットの対物面から入射した被写体像を内部に設けた撮像センサと信号処理部によって電気信号へ変換し画像処理を施した後、不図示のカード記録メディアに保存する撮像装置である。レンズユニットが捉えた被写体像は、接眼表示部130及びパネル表示部112に映像として表示される。そのため、撮影者は表示映像を確認しながらズーム操作部113を操作することで、撮影画角を意図したものに調整することが出来る。そして、撮影したいタイミングで、撮影開始ボタン131を押圧し撮影を開始する。また、再度撮影開始ボタン131を押圧することで撮影を終了する。
【0028】
前端子保護カバー114および、後端子保護カバー115は、撮像装置本体100を外部機器と接続するための接続端子を覆うフタ部材である。本実施形態における撮像装置本体100は、
図6に示すように、前端子保護カバー114で覆う範囲に、TVなどの表示装置と接続する第一の映像出力端子141、PC等と接続するUSB端子142が配されている。また、映像を長距離伝達するための第二の映像出力端子143、有線での遠隔操作を行うためのリモート操作用端子144、音声を出力する音声出力端子145と、外付けのマイクとの接続する音声入力端子146が配されている。
【0029】
また、後端子保護カバー115で覆う範囲に電源入力端子140が配置されており、例えば電源入力端子140に電源を供給する不図示のケーブルを接続することで、バッテリ134を使用することなく連続で撮影を行うことが出来る。撮像装置本体100は、それぞれの端子に、不図示の接続ケーブルをそれぞれ接続することによって、さまざまな機器との接続を行い、機能の拡張を行うことが出来る。
【0030】
<第一の装着部510の装着方法>
図7と
図8を参照して、ケーブルクランプ500における第一の装着部510を用いた装着方法について説明する。
図7はケーブルクランプ500の第一の装着部510を用いた装着方法の概略図であり、
図8はケーブルクランプ500を第一の装着部510を用いて撮像装置本体100へ取り付けた場合の外観斜視図である。
【0031】
図8に示す接続ケーブル150は撮像装置本体100に電力を供給するためのケーブルであり、前述した電源入力端子140によって撮像装置本体100と接続する。
【0032】
図2に示すように第一の装着部510は長方形状で、内側にベルト部材121の幅と略同一の空間であるベルト保持部512が設けられている。この空間には、一部切欠きが設けられ、ベルト部材121を挿入するためのベルト挿入口511が配置されている。また、ベルト挿入口511はケーブルクランプ500のーY方向に配置されている。
【0033】
上記の構成により、
図7に示すようにケーブルクランプ500を取り付け方向513にスライドさせることで、ケーブルクランプ500をベルト部材121に装着することが可能である。このとき、
図8に示すように、撮像装置本体100に対して接続ケーブル150の抜け防止および左後方側への配線が可能となる。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、ケーブルクランプ500の撮像装置本体100に関する第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態で説明した重複箇所については説明を割愛し、異なる箇所のみ以下で説明する。
【0035】
<第二の装着部520の装着方法>
図9と
図10を参照して、ケーブルクランプ500における第二の装着部520を用いた装着方法について説明する。
図9はケーブルクランプ500の第二の装着部520を用いた装着方法の概略図であり、
図10はケーブルクランプ500を第二の装着部520を用いて撮像装置本体100へ取り付けた場合の外観斜視図である。
【0036】
図3に示すように第二の装着部520は長方形状で、シュースライド形状(アクセサリシュー)521はアクセサリ取り付け用金具200の内部に納まるように設けられる。そして、圧入リブ522はアクセサリ取り付け用金具200の内部とX方向に一部干渉するように構成されている。
【0037】
上記の構成により、
図9に示すようにケーブルクランプ500を取り付け方向523にスライドさせる。変形可能な部材で構成された圧入リブ522をアクセサリ取り付け用金具200の内部に圧入することにより、ケーブルクランプ500をアクセサリ取り付け用金具200に装着することが可能である。このとき、
図10に示すように、撮像装置本体100に対して接続ケーブル150の抜け防止および右前方側への配線が可能となる。
【0038】
(第3の実施形態)
次に、ケーブルクランプ500の撮像装置本体100に関する第3の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態および第2の実施形態で説明した重複箇所については説明を割愛し、異なる箇所のみ以下で説明する。
【0039】
<第三の装着部530の装着方法>
図11と
図12を参照して、ケーブルクランプ500における第三の装着部530を用いた装着方法について説明する。
図11はケーブルクランプ500の第三の装着部530を用いた装着方法の概略図であり、
図12はケーブルクランプ500を第三の装着部530を用いて撮像装置本体100へ取り付けた場合の外観斜視図である。
【0040】
図3に示すように第三の装着部530はZ軸方向に貫通した穴形状であり、前述したケーブル保持部501とシュースライド形状521に貫通穴531が設けられており、それぞれ大穴形状533と小穴形状532を構成している。このとき、
図11に示す締結ビス535の呼び径よりも小穴形状532の直径は大きく、また、締結ビス535のなべ頭よりも小穴形状532の直径は小さい。さらに、締結ビス535のなべ頭よりも大穴形状533の直径は大きく構成されている。
【0041】
上記の構成により、
図11に示すように、撮像装置本体100に対してケーブルクランプ500、締結ビス535を取り付け方向536に落とし込む。そして、締結ビス535をビス穴534に固定することで、ケーブルクランプ500をビス穴534に装着することが可能である。このとき、
図12に示すように、撮像装置本体100に対して接続ケーブル150の抜け防止および右後方側への配線が可能となる。
【0042】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0043】
100 撮像装置本体
120 グリップベルト
150 接続ケーブル
500 ケーブルクランプ
200 アクセサリ取り付け用金具
501 ケーブル保持部
502 ケーブル挿入口
503 ケーブル挟持部
510 第一の装着部
511 ベルト挿入口
512 ベルト保持部
520 第二の装着部
521 シュースライド形状
530 第三の装着部
531 貫通穴