(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179343
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
H01L 23/14 20060101AFI20231212BHJP
H05K 1/03 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H01L23/14 R
H05K1/03 630D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142098
(22)【出願日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0068861
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】崔 盛 皓
(72)【発明者】
【氏名】全 成 日
(57)【要約】
【課題】薄い厚さの資材を使用する場合でもボイド不良を防止することが可能なETS構造の基板を提供する。
【解決手段】本発明のプリント回路基板は、絶縁層と、絶縁層の一面側に少なくとも一部が埋め込まれ、一面が絶縁層の一面から露出する第1配線層と、を備え、絶縁層は、第1配線層の側面の少なくとも一部をカバーする第1絶縁層と、第1絶縁層及び第1配線層上に配置される第2絶縁層と、を含み、第1絶縁層と第2絶縁層とは、互いに異なる絶縁材料を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層の一面側に少なくとも一部が埋め込まれ、一面が前記絶縁層の一面から露出する第1配線層と、を備え、
前記絶縁層は、
前記第1配線層の側面の少なくとも一部をカバーする第1絶縁層と、
前記第1絶縁層及び前記第1配線層上に配置される第2絶縁層と、を含み、
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層とは、互いに異なる絶縁材料を含むことを特徴とするプリント回路基板。
【請求項2】
前記第1絶縁層は、補強材を含まず、
前記第2絶縁層は、補強材を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記補強材は、ガラス繊維を含むことを特徴とする請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1絶縁層は、ソルダーレジストを含み、
前記第2絶縁層は、プリプレグを含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1絶縁層は、前記第1配線層よりも厚さが薄いことを特徴とする請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第1絶縁層は、前記第1配線層の側面の一部をカバーし、
前記第2絶縁層は、前記第1配線層の側面の他の一部をカバーすることを特徴とする請求項5に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1配線層の一面は、前記絶縁層の一面と同一平面上にあることを特徴とする請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1配線層の一面は、前記絶縁層の一面と段差を有することを特徴とする請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記絶縁層の他面上に配置される第2配線層を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第2配線層は、前記第1配線層よりも多数の金属層を含むことを特徴とする請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記絶縁層を貫通して前記第1配線層と前記第2配線層とを電気的に連結するビア層を更に含むことを特徴とする請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記絶縁層の一面上に配置されて前記第1配線層の少なくとも一部をオープンさせる第1開口部を有する第1レジスト層を更に含むことを特徴とする請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記絶縁層の他面上に配置されて前記第2配線層の少なくとも一部をオープンさせる第2開口部を有する第2レジスト層を更に含むことを特徴とする請求項12に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層によって側面の一部がカバーされ、一面が前記第1絶縁層の一面から露出する第1配線層と、
前記第1絶縁層の他面及び前記第1配線層の他面上に配置されて前記第1配線層の側面の他の一部をカバーする第2絶縁層と、を備え、
前記第1配線層の他面は、前記第1絶縁層の他面上に突出することを特徴とするプリント回路基板。
【請求項15】
前記第1絶縁層は、前記第2絶縁層よりも厚さが薄いことを特徴とする請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記第1絶縁層に隣接する一面の反対側の面である前記第2絶縁層の他面上に突出して配置される第2配線層と、
前記第2絶縁層を貫通して前記第1配線層と前記第2配線層とを電気的に連結する第1ビア層と、を更に含むことを特徴とする請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
前記第2絶縁層の他面上に配置されて前記第2配線層の少なくとも一部をカバーする第3絶縁層と、
前記第2絶縁層に隣接する一面の反対側の面である前記第3絶縁層の他面上に突出して配置される第3配線層と、
前記第3絶縁層を貫通して前記第2配線層と前記第3配線層とを電気的に連結する第2ビア層と、を更に含むことを特徴とする請求項16に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
薄い厚さの資材を使用するETS(Embedded Trace Substrate)構造のプリント回路基板は、例えばエポキシ及びガラスを含む資材を用いる場合、埋め込まれた銅配線とガラス組織との物理的衝突により、銅配線の上部にエポキシ不足が発生する可能性があるため、積層後にボイド不良を引き起こす虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ボイド不良を防止することが可能なETS構造の基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段の一つは、デタッチコア(回路形成用支持基板)に配線を形成した後、ガラスなどの補強材を含まない第1絶縁層を塗布し、その後シンニング(thinning)工程で第1絶縁層の厚さを薄くし、その後ガラスなどの補強材が含まれる薄い厚さの第2絶縁層を使用して積層工程を行うことである。
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるプリント回路基板は、絶縁層と、前記絶縁層の一面側に少なくとも一部が埋め込まれ、一面が前記絶縁層の一面から露出する第1配線層と、を備え、前記絶縁層は、前記第1配線層の側面の少なくとも一部をカバーする第1絶縁層と、前記第1絶縁層及び前記第1配線層上に配置される第2絶縁層と、を含み、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層とは、互いに異なる絶縁材料を含む。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるプリント回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層によって側面の一部がカバーされ、一面が前記第1絶縁層の一面から露出する第1配線層と、前記第1絶縁層の他面及び前記第1配線層の他面上に配置されて前記第1配線層の側面の他の一部をカバーする第2絶縁層と、を備え、前記第1配線層の他面は、前記第1絶縁層の他面上に突出する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ガラスを含む薄い厚さの資材を使用する場合であっても、ボイド不良を防止することが可能なETS構造の基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【
図4】
図3のA領域の一例による概略的な拡大図である。
【
図5】
図3のA領域の他の例による概略的な拡大図である。
【
図6】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図7】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図8】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図9】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図10】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図11】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図12】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図13】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図14】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図15】プリント回路基板の他の例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小する。
【0011】
<電子機器>
【0012】
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0013】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040が物理的及び/又は電気的に連結される。これらは、後述する他の電子部品とも結合されて様々な信号ライン1090を形成する。
【0014】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれ得ることは勿論である。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせることができることは言うまでもない。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージの形態である。
【0015】
ネットワーク関連部品1030には、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE802.16ファミリなど)、IEEE802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA(登録商標)、TDMA、DECT、Bluetooth(登録商標)、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の多くの無線又は有線標準やプロトコルのうちの任意のものが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030がチップ関連部品1020と共に互いに組み合わせられ得ることは言うまでもない。
【0016】
その他の部品1040には、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)filter、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の様々な用途のために使用されるチップ部品型の受動素子などが含まれる。また、その他の部品1040がチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせられ得ることは言うまでもない。
【0017】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されるか又はされない他の電子部品を含む。他の電子部品の例を挙げると、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などが挙げられる。これ以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれ得ることは言うまでもない。
【0018】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などが挙げられる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器があることは言うまでもない。
【0019】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0020】
図面を参照すると、電子機器は、例えばスマートフォン1100である。スマートフォン1100の内部にはマザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結される。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のように、マザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されるか又はされない他の部品が内部に収容される。部品1120のうちの一部は、上述したチップ関連部品であり、例えば部品パッケージ1121であるが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態である。或いは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態である。一方、電子機器は、必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であり得ることは言うまでもない。
【0021】
<プリント回路基板>
【0022】
図3は、プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図であり、
図4は、
図3のA領域の一例による概略的な拡大図であり、
図5は、
図3のA領域の他の例による概略的な拡大図である。
【0023】
図面を参照すると、一例によるプリント回路基板100は、絶縁層110、及び絶縁層110の一側に少なくとも一部が埋め込まれて一面が絶縁層110の一面から露出する第1配線層120を含む。絶縁層110は、第1配線層120の側面の少なくとも一部をカバーする第1絶縁層111、並びに第1絶縁層111及び第1配線層120上に配置される第2絶縁層112を含む。
【0024】
また、一例によるプリント回路基板100は、絶縁層110の他面上に配置される第2配線層130、絶縁層110を貫通して第1配線層120と第2配線層130とを電気的に連結するビア層140、絶縁層110の一面上に配置されて第1配線層120の少なくとも一部をオープンさせる第1開口部150hを有する第1レジスト層150、及び/又は絶縁層110の他面上に配置されて第2配線層130の少なくとも一部をオープンさせる第2開口部160hを有する第2レジスト層160を更に含む。
【0025】
第1絶縁層111と第2絶縁層112とは、互いに異なる絶縁材料を含む。例えば、第1絶縁層111は補強材を含まない絶縁材を含み、第2絶縁層112は補強材を含む絶縁材を含む。ここで、補強材は、剛性の維持のために含まれるものであり、例えばガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、and/or Glass Fabic)であるが、これに限定されるものではない。より具体的に、第1絶縁層111はソルダーレジストを含み、第2絶縁層112はプリプレグを含むが、これに限定されるものではない。このように、第1配線層120の上部をカバーする第1絶縁層111の材料として補強材を含まない絶縁材を用いることで、第1配線層120の上部でエポキシなどの樹脂不足によるボイドが発生することを効果的に防止することができる。また、第2絶縁層112の材料として補強材を含む絶縁材を用いることで、薄い厚さでも絶縁層110に十分な剛性を提供し、反り(Warpage)制御に有利である。
【0026】
第1絶縁層111の厚さt1は、第2絶縁層112の厚さt2よりも薄い。また、第1絶縁層111の厚さt1は、第1配線層120の厚さt3よりも薄い。従って、第1絶縁層111は第1配線層120の側面の一部をカバーし、第2絶縁層112は第1配線層120の側面の他の一部をカバーする。ここで、厚さとは、平均厚さを意味する。厚さは、プリント回路基板100の切断面を走査顕微鏡で撮影して測定することができ、平均厚さは、任意の5個の地点で測定した厚さの平均値である。このように、ボイド発生を防止する程度にのみ第1絶縁層111を形成して第2絶縁層112を十分な厚さで形成することは、ボイド発生及び反り制御を同時に達成する上でより効果的である。また、第1絶縁層111及び第2絶縁層112がいずれも第1配線層120の側面に接するため、信頼性がより優れる。
【0027】
第2配線層130は、第1配線層120よりも多数の金属層を含む。例えば、第1配線層120は電解めっきで形成される一つの金属層121のみを含むのに対し、第2配線層130は、無電解めっき又は銅箔で形成される金属層131、及び電解めっきで形成される金属層132などの2つ以上の金属層(131、132)を含む。第2配線層130と共に形成されるビア層140も、無電解めっき又は銅箔で形成される金属層141、及び電解めっきで形成される金属層142などの2つ以上の金属層(141、142)を含む。第2配線層130の金属層(131、132)は、それぞれビア層140の金属層(141、142)と一体化される。このように、一例によるプリント回路基板100はETS構造を有するため、基板の全厚さをより薄型化することができる。
【0028】
図4の場合、第1配線層120の一面は、絶縁層110の一面、より具体的には第1絶縁層111の一面と実質的に同一平面上にある。ここで、実質的に同一平面上にあるとは、工程の誤差範囲内で両者の一面が略同じレベルに位置することを意味する。このように、ETS構造を形成する際に、デタッチコアの銅箔等から提供されるシード層をエッチングするときにリセス深さ(recess depth)が発生することを防止することで、第1配線層120の一面と絶縁層110の一面とが実質的に同一平面上になる。
【0029】
一方、
図5の場合、第1配線層120の一面は、絶縁層110の一面、より具体的には第1絶縁層111の一面と段差hを有する。ここで、段差hを有するとは、工程の誤差範囲外で両者の一面が互いに異なるレベルに位置することを意味する。このように、ETS構造を形成する際に、デタッチコアの銅箔等から提供されるシード層をエッチングするときにリセス深さ(recess depth)が発生することを意図することで、第1配線層120の一面と絶縁層110の一面とが段差hを有するようになる。
【0030】
以下では、図面を参照して一例によるプリント回路基板100の構成要素についてより詳細に説明する。
【0031】
第1絶縁層111は絶縁材料を含む。絶縁材料としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、又はこのような樹脂と共に無機フィラー、及び/又は有機フィラーを含む材料を含む。絶縁材料は、感光性材料及び/又は非感光性材料である。例えば、絶縁材料としては、SR(Solder Resist)などが用いられるが、これに限定されるものではなく、それ以外にも他のシンニング(thinning)工程の適用が可能なその他の高分子素材が用いられる。
【0032】
第2絶縁層112は絶縁材料を含む。絶縁材料としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこのような樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー、及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、and/or Glass Fabic)を含む材料を含む。絶縁材料は、感光性材料及び/又は非感光性材料である。例えば、絶縁材料としては、PPG(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper)の絶縁材、CCL(Copper Clad Laminate)の絶縁材などが用いられるが、これらに限定されるものではなく、それ以外にも、他の剛性に優れたその他の高分子素材が用いられる。
【0033】
第1配線層120は金属物質を含む。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含む。第1配線層120は、設計デザインに応じて様々な機能を行う。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含む。ここで、信号パターンは、グランド、パワーなどを除く各種信号、例えばデータ信号などの電気的経路を提供するパターンを含む。これらのパターンは、それぞれライン(line)パターン、プレーン(Plane)パターン、及び/又はパッド(Pad)パターンを含む。第1配線層120は電解めっき層(又は電気銅)である。
【0034】
第2配線層130は金属物質を含む。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含む。第2配線層130は、設計デザインに応じて様々な機能を行う。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含む。ここで、信号パターンは、グランド、パワーなどを除く各種信号、例えばデータ信号などの電気的経路を提供するパターンを含む。これらのパターンは、それぞれライン(line)パターン、プレーン(Plane)パターン、及び/又はパッド(Pad)パターンを含む。第2配線層130は、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含む。或いは、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含む。或いは、金属箔(又は銅箔)、無電解めっき層(又は化学銅)、及び電解めっき層(又は電気銅)を含む。
【0035】
ビア層140は金属物質を含む。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含む。ビア層140は、設計デザインに応じて様々な機能を行う。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含む。ここで、信号ビアは、グランド、パワーなどを除く各種信号、例えばデータ信号などの電気的連結のためのビアを含む。ビア層140のビアは、それぞれ断面上で第1配線層120に連結される一面の幅が第2配線層130に連結される他面の幅よりも狭いテーパ形状を有する。ビア層140は、第2配線層130と同じめっき工程で共に形成され、これにより第2配線層130と一体化される。ビア層140は、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含む。
【0036】
第1レジスト層150は絶縁材料を含む。絶縁材料としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、又はこのような樹脂と共に無機フィラー及び/又は有機フィラーを含む材料を含む。絶縁材料は、感光性材料及び/又は非感光性材料である。例えば、絶縁材料としては、SR(Solder Resist)などが用いられるが、これに限定されるものではなく、その他にも基板の最外層材料として用いることができる様々な高分子物質が用いられる。第1レジスト層150は第1配線層120の少なくとも一部をそれぞれオープンさせる複数の開口部150hを有し、開口部150hはそれぞれSMD(solder Mask Defnied)タイプ又はNSMD(Non-Solder Mask Defined)タイプで第1配線層120の少なくとも一部を露出させる。
【0037】
第2レジスト層160は絶縁材料を含む。絶縁材料としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、又はこのような樹脂と共に無機フィラー及び/又は有機フィラーを含む材料を含む。絶縁材料は、感光性材料及び/又は非感光性材料である。例えば、絶縁材料としては、SR(Solder Resist)などが用いられるが、これに限定されるものではなく、その他にも基板の最外層材料として用いることができる様々な高分子物質が用いられる。第2レジスト層160は第2配線層130の少なくとも一部をそれぞれオープンさせる複数の開口部160hを有し、開口部160hはそれぞれSMD(solder Mask Defnied)タイプ又はNSMD(Non-Solder Mask Defined)タイプで第2配線層130の少なくとも一部を露出させる。一方、ビルドアップ層が更に形成される場合、開口部160hはビルドアップ配線層の少なくとも一部を露出させる。
【0038】
図6~
図14は、
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【0039】
図6を参照すると、絶縁材210の一面又は両面に金属箔220、例えば銅箔が積層されたデタッチコア(回路形成用支持基板)200を準備する。例えば、CCL(Copper Clad Laminate)が用いられるが、これに限定されるものではなく、その他にもコアレス工程に用いられる様々なデタッチコアが用いられる。
【0040】
図7を参照すると、金属箔220上に第1配線層120を形成する。第1配線層120は、フォトレジストを用いて電解めっき工程で形成する。例えば、金属箔220上にフォトレジストを形成して露光及び現像工程でパターニングした後、パターニングされた領域を電解めっきで充填し、フォトレジストを剥離して形成する。
【0041】
図8を参照すると、金属箔220上に第1配線層120を埋め込む第1絶縁層111を形成する。第1絶縁層111は、例えばソルダーレジストを塗布して形成する。
【0042】
図9を参照すると、第1絶縁層111の厚さを第1配線層120の厚さよりも薄く薄型化する。例えば、シンニング(thinning)工程を用いる。これにより、第1絶縁層111が第1配線層120の側面の一部をカバーし、第1配線層120の一面が第1絶縁層111の一面上に突出する。
【0043】
図10を参照すると、第1絶縁層111及び第1配線層120上に第2絶縁層112を形成する。第2絶縁層112は、例えばプリプレグ又はRCC(Resin Coated Copper)が積層されて形成される。第2絶縁層112は、第1絶縁層111及び第1配線層120のそれぞれの他面をカバーし、第1配線層120の側面の他の一部をカバーする。その後、第2絶縁層112上に第2配線層130及びビア層140を形成する。例えば、第2絶縁層112にレーザ加工や機械的ドリル等でビアホールを形成して無電解めっきでシード層を形成した後、フォトレジストを用いた電解めっき工程で第2配線層130及びビア層140を形成する。
【0044】
図11を参照すると、上述した過程によって製造された構造体をデタッチコア200から分離する。
【0045】
図12を参照すると、シード層エッチング工程を行う。シード層エッチング工程によって金属箔220が除去される。また、第2絶縁層112上に形成されたシード層及び/又は銅箔が除去される。
【0046】
図13を参照すると、絶縁層110の両面に第1及び第2レジスト層(150、160)を形成する。第1及び第2レジスト層(150、160)は、それぞれソルダーレジストを塗布して形成されるが、これに限定されるものではない。
【0047】
図14を参照すると、フォトリソグラフィ工程等により、第1及び第2レジスト層(150、160)にそれぞれ第1及び第2開口部(150h、160h)を形成する。
【0048】
一連の過程によって、上述した一例によるプリント回路基板100が形成される。それ以外の他の重複する内容は省略する。
【0049】
図15は、プリント回路基板の他の例を概略的に示す断面図である。
【0050】
図面を参照すると、他の例によるプリント回路基板105は、上述した一例によるプリント回路基板100において、第1絶縁層111に隣接する一面の反対側の面である第2絶縁層112の他面上に配置されて第2配線層130の少なくとも一部をカバーする第3絶縁層113、第2絶縁層112に隣接する一面の反対側の面である第3絶縁層113の他面上に突出して配置される第3配線層135、及び第3絶縁層113を貫通して第2配線層130と第3配線層135とを電気的に連結する第2ビア層145を更に含む。
【0051】
第3絶縁層113は絶縁材料を含む。絶縁材料としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこのような樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー、及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、and/or Glass Fabic)を含む材料を含む。絶縁材料は、感光性材料及び/又は非感光性材料である。例えば、絶縁材料としては、PPG(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper)の絶縁材、CCL(Copper Clad Laminate)の絶縁材などが用いられるが、これらに限定されるものではなく、それ以外にも、他の剛性に優れたその他の高分子素材が用いられる。第3絶縁層113は第2絶縁層112と実質的に同じ絶縁材料を含み、実質的に同じ絶縁材料としては、組成が全く同じ場合のみならず実質的に同じ場合も含み、例えば同じ商品名で市販されている絶縁層などである。
【0052】
第3配線層135は金属物質を含む。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含む。第3配線層135は、設計デザインに応じて様々な機能を行う。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含む。ここで、信号パターンは、グランド、パワーなどを除く各種信号、例えばデータ信号などの電気的経路を提供するパターンを含む。これらのパターンは、それぞれライン(line)パターン、プレーン(Plane)パターン、及び/又はパッド(Pad)パターンを含む。第3配線層135は、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含む。或いは、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含む。或いは、金属箔(又は銅箔)、無電解めっき層(又は化学銅)、及び電解めっき層(又は電気銅)を含む。
【0053】
第2ビア層145は金属物質を含む。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含む。第2ビア層145は、設計デザインに応じて様々な機能を行う。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含む。ここで、信号ビアは、グランド、パワーなどを除く各種信号、例えばデータ信号などの電気的連結のためのビアを含む。第2ビア層145のビアは、それぞれ断面上で第2配線層130に連結される一面の幅が第3配線層135に連結される他面の幅よりも狭いテーパ形状を有する。第2ビア層145は、第3配線層135と同じめっき工程で共に形成され、これにより第3配線層135と一体化される。第2ビア層145は、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含む。
【0054】
一方、必要に応じて、第2絶縁層112と第3絶縁層113との間に第4絶縁層が更に配置され、この場合、第2配線層130は、一面が第4絶縁層の一面から露出するように第4絶縁層の一面側に埋め込まれる。また、第2ビア層145は第4絶縁層も貫通する。また、第4絶縁層は、第2配線層130及び第3絶縁層113のそれぞれよりも厚さが薄い。従って、第4絶縁層は第2配線層130の側面の一部をカバーし、第3絶縁層113は第2配線層130の側面の残りの一部をカバーする。なお、第4絶縁層は、第1絶縁層111と実質的に同じ絶縁材料を含む。それ以外にも、第1絶縁層111で説明したその他の特徴は第4絶縁層にも適用される。
【0055】
また、必要に応じて、絶縁層110の他面上に追加的にビルドアップ絶縁層、ビルドアップ配線層、及びビルドアップビア層が更に形成されるが、具体的な層数は特に限定されない。ビルドアップ絶縁層は、それぞれ絶縁層110と同様に、第1及び第2絶縁層(111、112)等の複数の絶縁層を含むか、又は第2絶縁層112等の一つの絶縁層のみを含む。ビルドアップ配線層は、それぞれ第2配線層130と実質的に同じ構造及び材料を含む。ビルドアップビア層は、それぞれビア層140と実質的に同じ構造及び材料を含む。
【0056】
それ以外の他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100で説明したものと実質的に同一であり、矛盾しない限り、上述した一例によるプリント回路基板100で説明した内容は、他の一例によるプリント回路基板105にも適用される。従って、重複する内容に対する詳細な説明は省略する。
【0057】
本発明において、断面上での意味は、対象物を垂直に切断した場合の断面形状、又は対象物をサイドビューで見た場合の断面形状を意味する。また、平面上での意味は、対象物を水平に切断した場合の形状、又は対象物をトップビュー若しくはボトムビューで見た場合の平面形状である。
【0058】
本発明において、下側、下部、下面等は、便宜上図面の断面を基準にして下方向を意味するものとして使用し、上側、上部、上面等はその反対方向として使用した。但し、これは説明の便宜上、方向を定義したものであって、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論である。
【0059】
本発明において「連結される」とは、直接連結されることのみならず、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結された場合及び連結されない場合の両方を含む概念である。更に、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、該当する構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合に応じて、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名され、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名される。
【0060】
本発明で使用した「一例」とは、それぞれ同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ異なる固有の特徴を強調して説明するために提供したものである。しかし、上記提示した一例は、他の例の特徴に結合されて実現されることを排除しない。例えば、特定の例で説明した事項が他の例で説明されなくても、他の例においてその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の例による説明として理解することができる。
【0061】
本発明で使用した用語は、単に一例を説明するために使用したものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。ここで、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【0062】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない範囲で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
100、105 プリント回路基板
110 絶縁層
111、112、113 第1~第3絶縁層
120、130、135 第1~第3配線層
121、131、132、141、142 金属層
140 ビア層(第1ビア層)
145 第2ビア層
150、160 第1、第2レジスト層
150h、160h 第1、第2開口部
200 デタッチコア(回路形成用支持基板)
210 絶縁材
220 金属箔
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラ
1060 アンテナ
1070 ディスプレイ
1080 バッテリ
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 メインボード
1120 部品
1121 部品パッケージ
1130 カメラモジュール
1140 スピーカ