(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179344
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】寄付を促進するためのシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0279 20230101AFI20231212BHJP
G06Q 20/00 20120101ALI20231212BHJP
【FI】
G06Q30/02 460
G06Q20/00
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156599
(22)【出願日】2022-09-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2022/022980
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】WO
(71)【出願人】
【識別番号】521505770
【氏名又は名称】株式会社オムニバス
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB01
5L055AA00
(57)【要約】
【課題】本発明は、寄付を行うことによって、感謝や祝福の気持ちを誰かに伝えることを可能とする手段を提供する。
【解決手段】本発明の一実施態様にかかる管理システム11は、ユーザ端末装置13から、寄付主体の識別情報と、被寄付主体の識別情報と、寄付の動機付けとなった主体(動機付主体)を識別する識別情報と、寄付金額を示す寄付金額情報とを含む寄付依頼情報を受信する。管理システム11は、寄付依頼情報が示す寄付金額を寄付主体から被寄付主体に支払う処理を決済サーバ装置14に依頼し、決済サーバ装置14はその依頼に従い決済処理を行う。管理システム11は、寄付依頼情報が示す動機付主体から寄付主体を介して被寄付主体に向かう関係を示すペイフォワードカードのURLをユーザ端末装置13に送信する。寄付主体はそのURLを動機付主体に通知することで、動機付主体に対する感謝や祝福の気持ちを伝えることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寄付主体により使用される寄付主体端末装置から、当該寄付主体を識別する寄付主体識別情報と、被寄付主体を識別する被寄付主体識別情報と、寄付する金額を示す寄付金額情報と、寄付の動機付けを示す動機付情報とを含む寄付依頼情報を受信し、
寄付依頼情報を受信した場合、当該寄付依頼情報に応じて、当該寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体の決済手段を用いて、当該寄付依頼情報に含まれる寄付金額情報が示す金額を、当該寄付依頼情報に含まれる被寄付主体識別情報により識別される被寄付主体に支払うための処理である寄付処理を行い、
寄付依頼情報に応じて寄付処理を行った場合、当該寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体により使用される寄付主体端末装置、又は、当該寄付依頼情報に含まれる動機付情報が示す動機付けにより特定される主体により使用される動機付主体端末装置に、当該寄付依頼情報に含まれる動機付情報が示す動機付けにより当該寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体から当該寄付依頼情報に含まれる被寄付主体識別情報により識別される被寄付主体への寄付が行われたことを示すペイフォワードデータ、又は、当該ペイフォワードデータのダウンロード元のネットワーク上のアドレスを送信する
システム。
【請求項2】
寄付の動機付けとして特定の主体を示す動機付情報を含む寄付依頼情報を受信し、
寄付依頼情報に応じて寄付処理を行った場合、当該寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体により使用される寄付主体端末装置、又は、当該寄付依頼情報に含まれる動機付情報が示す主体により使用される動機付主体端末装置に、当該寄付依頼情報に含まれる動機付情報により識別される主体から当該寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体を介して当該寄付依頼情報に含まれる被寄付主体識別情報により識別される被寄付主体へと向かう関係を示すペイフォワードデータ、又は、当該ペイフォワードデータのダウンロード元のネットワーク上のアドレスを送信する
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
過去に受信した複数の寄付依頼情報の各々に関し、当該寄付依頼情報に含まれる動機付情報により示される主体を親ノードとし、当該寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体を子ノードとする木構造データを記憶し、
ユーザが使用するユーザ端末装置に、前記木構造データを用いて生成される画像を表す画像データを送信する
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
新規ユーザにより使用される新規ユーザ端末装置から、紹介元ユーザを識別する紹介元ユーザ識別情報を含む新規ユーザ登録依頼情報を受信し、
新規ユーザ登録依頼情報を受信した場合、当該新規ユーザ登録依頼情報に応じて、新規ユーザのユーザ登録のための処理である新規ユーザ登録処理を行い、
過去に受信した複数の新規ユーザ登録依頼情報の各々に関し、当該新規ユーザ登録依頼情報に含まれる紹介元ユーザ識別情報により識別される紹介元ユーザを親ノードとし、当該新規ユーザ登録依頼情報に応じて行われた新規ユーザ登録処理によりユーザ登録された新規ユーザを子ノードとする木構造データを記憶し、
ユーザが使用するユーザ端末装置に、前記木構造データを用いて生成される画像を表す画像データを送信する
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
ユーザが使用するユーザ端末装置に、前記木構造データが示す人の関係を示すグラフであって、当該ユーザをノードとして含むグラフを表す画像データを送信する
請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
新たな寄付依頼情報を受信した場合、ユーザが使用するユーザ端末装置に、前記木構造データが示す人の関係を示すグラフであって、当該寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体のノードを、他のノードから区別可能な態様で表示するグラフを表す画像データを送信する
請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項7】
新たな寄付依頼情報を受信した場合、当該新たな寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体とは異なるユーザが使用するユーザ端末装置に、前記木構造データが示す当該寄付主体と当該ユーザとの関係に応じて変化する画像を表す画像データを送信する
請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項8】
ユーザが使用するユーザ端末装置に、自システムが記憶している複数の木構造データが示す人の関係を表す木構造であって、当該ユーザを根ノードとする木構造に含まれるノードに応じた寄付主体に関し過去に行った寄付処理において寄付された金額に関する情報を示す寄付金額情報を送信する
請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項9】
過去に受信した寄付依頼情報を記憶し、
ユーザが使用するユーザ端末装置に、自システムが記憶している複数の寄付依頼情報のうち当該ユーザを示す動機付情報を含む寄付依頼情報の数を示す動機付回数情報を送信する
請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
自システムが受信する寄付依頼情報には、動機付情報を含まない寄付依頼情報があり、
過去に受信した寄付依頼情報を記憶し、
ユーザが使用するユーザ端末装置に、自システムが記憶している複数の寄付依頼情報のうち当該ユーザを識別する寄付主体識別情報を含み、かつ、いずれかの主体を示す動機付情報を含む寄付依頼情報の数を示す被動機付回数情報を送信する
請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
複数のユーザの各々に関し、当該ユーザが他のユーザに推薦したい1以上の被寄付主体を識別する推薦被寄付主体識別情報を記憶し、
寄付主体により使用される寄付主体端末装置から寄付依頼情報を受信する際、当該寄付依頼情報に含まれる被寄付主体識別情報を受信するより先に、当該寄付依頼情報に含まれる動機付情報を受信し、
寄付依頼情報に含まれる動機付情報を受信した場合、当該動機付情報の送信元の端末装置に、当該動機付情報により示される主体に関し自システムが記憶している推薦被寄付主体識別情報により示される1以上の被寄付主体に関する情報を含む推薦被寄付主体情報を送信する
請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
過去に受信した寄付依頼情報を記憶し、
ユーザが使用するユーザ端末装置に、自システムが記憶している複数の寄付依頼情報のうち当該ユーザを識別する寄付主体識別情報、又は、当該ユーザを示す動機付情報を含む1以上の寄付依頼情報の各々に関し、当該寄付依頼情報に含まれる動機付情報により示す主体から当該寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体を介して当該寄付依頼情報に含まれる被寄付主体識別情報により識別される被寄付主体へと向かう関係を示すペイフォワードデータを送信し、
ペイフォワードデータの送信先のユーザ端末装置から送信されてくる応答を示す応答情報を受信し、当該応答情報を当該ペイフォワードデータに応じた寄付依頼情報に対応付けて記憶し、
ペイフォワードデータを送信する際、当該ペイフォワードデータに応じた寄付依頼情報に対応付けて自システムが応答情報を記憶している場合、当該応答情報を当該ペイフォワードデータの送信先に送信する
請求項2に記載のシステム。
【請求項13】
過去に受信した寄付依頼情報を記憶し、
複数の被寄付主体の各々に関し、当該被寄付主体の管理下の装置から送信されてくる、当該被寄付主体の活動を示す活動情報、又は、当該活動情報のダウンロード元のネットワーク上のアドレスを受信し、受信した当該活動情報、又は、当該アドレスを、当該被寄付主体を識別する被寄付主体識別情報に対応付けて記憶し、
ユーザが使用するユーザ端末装置に、自システムが記憶している複数の寄付依頼情報のうち当該ユーザを識別する寄付主体識別情報を含む1以上の寄付依頼情報のいずれかに含まれる被寄付主体識別情報に対応付けて自システムが記憶している活動情報、又は、活動情報のダウンロード元のネットワーク上のアドレスを送信する
請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は寄付を促進するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な支援を必要としている主体(以下、被支援主体という)に対し必要な支援を提供する主体(以下、支援主体という)が多くある。それらの支援主体の多くは、支援のために必要な資金の一部又は全てを寄付により調達している。以下、寄付により資金調達をしている支援主体を、被寄付主体という。なお、本願において「主体」とは、個人、団体、組織等の、寄付の提供又は受領を行うことが可能な実体を意味する。
【0003】
被寄付主体の多くは、より多くの被支援主体に対する支援、又は、より充実した被支援主体に対する支援を行うために、より多くの寄付の獲得を願っている。一方、一般の主体の中には、寄付を行うきっかけがないために寄付を行っていない主体も多い。
【0004】
従って、一般の主体に対し寄付を行うきっかけを与える仕組みがあれば、潜在的に寄付を行いたいと願っている主体の願いが顕在化し、それらの主体から被寄付主体への寄付が行われ、寄付を行う主体(以下、寄付主体という)と被寄付主体の双方の願いが叶い望ましい。
【0005】
一般の主体に対し寄付を行うきっかけを与える仕組みを提案している特許文献として、例えば、特許文献1がある。特許文献1に記載の仕組みにおいては、寄付先団体(被寄付主体)に対し寄付の協力を行う協力法人等が、支援主体(寄付主体)に対し何らかのサービスを提供する際に、寄付先団体に対する寄付金の引き落とし及び振り込みを行う寄付金管理団体の管理下のウェブページのURLと、協力法人等を識別する識別情報とを示すポップ広告を支援主体に対し提示する。支援主体は、端末装置を用いて、ポップ広告に示されるURLに対応するウェブページを開き、そのウェブページに、ポップ広告に示される識別情報を入力する。その識別情報の入力に応じて、支援主体の端末装置は、協力法人等が管理するウェブページを表示する。このウェブページにおいて、支援主体は、自分の決済情報と、寄付金額を入力する。その入力に応じて、寄付金管理団体は、支援主体の決済情報を用いて、支援主体が指定した寄付金額を支援主体から寄付先団体へ支払う処理を行う。
【0006】
特許文献1に記載の仕組みによれば、支援主体は、協力団体等からサービス提供を受けることをきっかけに、寄付先団体への寄付を行う。その結果、寄付が促進される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
いずれかの主体(以下、主体Zとする)に対し、感謝や祝福の気持ちを示す方法の1つとして、その主体Zに対し金品を贈る方法が広く普及している。
【0009】
しかしながら、主体Zに対し金品を贈る方法が最適でない場合がある。例えば、主体Zが経済的に豊かであるため、金品を贈っても主体Zが喜ばないと思われる場合や、感謝や祝福の内容に応じた金品の額が少額であるため、送金等に伴う手間や手数料等がその金額に見合わない場合等には、主体Zに対し金品を贈ることは望ましくない。
【0010】
また、多くの主体には、何かの事柄に関し、感謝や祝福の気持ちを誰かに伝えたい場合がある。ただし、そのような気持ちを誰かに自然な形で伝える方法が見つからない場合が多い。
【0011】
上記の事情に鑑み、本発明は、寄付を行うことによって、感謝や祝福の気持ちを誰かに伝えることを可能とする手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明は、寄付主体により使用される寄付主体端末装置から、当該寄付主体を識別する寄付主体識別情報と、被寄付主体を識別する被寄付主体識別情報と、寄付する金額を示す寄付金額情報と、寄付の動機付けを示す動機付情報とを含む寄付依頼情報を受信し、寄付依頼情報を受信した場合、当該寄付依頼情報に応じて、当該寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体の決済手段を用いて、当該寄付依頼情報に含まれる寄付金額情報が示す金額を、当該寄付依頼情報に含まれる被寄付主体識別情報により識別される被寄付主体に支払うための処理である寄付処理を行い、寄付依頼情報に応じて寄付処理を行った場合、当該寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体により使用される寄付主体端末装置、又は、当該寄付依頼情報に含まれる動機付情報が示す動機付けにより特定される主体により使用される動機付主体端末装置に、当該寄付依頼情報に含まれる動機付情報が示す動機付けにより当該寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体から当該寄付依頼情報に含まれる被寄付主体識別情報により識別される被寄付主体への寄付が行われたことを示すペイフォワードデータ、又は、当該ペイフォワードデータのダウンロード元のネットワーク上のアドレスを送信するシステムを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るシステムによれば、ユーザである主体は、寄付を行うことにより生成されるペイフォワードデータによって、自分の感謝や祝福の気持ちを誰かに伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態に係るシステムの全体構成を示した図。
【
図2】一実施形態に係る被寄付主体テーブルのデータ構成を例示した図。
【
図3】一実施形態に係る寄付主体テーブルのデータ構成を例示した図。
【
図4】一実施形態に係る影響テーブルのデータ構成を例示した図。
【
図5】一実施形態に係る寄付テーブルのデータ構成を例示した図。
【
図6】一実施形態に係る動機付入力画面を示した図。
【
図7】一実施形態に係る寄付主体入力画面を示した図。
【
図8】一実施形態に係る被寄付主体検索画面を示した図。
【
図9】一実施形態に係る被寄付主体紹介画面を示した図。
【
図10】一実施形態に係る支援プロジェクト紹介画面を示した図。
【
図12】一実施形態に係る寄付金額入力画面を示した図。
【
図13】一実施形態に係る寄付依頼情報確認画面を示した図。
【
図14】一実施形態に係るペイフォワードカード表示画面を示した図。
【
図15】一実施形態に係るペイフォワードカード選択画面を示した図。
【
図16】一実施形態に係るペイフォワードカード閲覧画面を示した図。
【
図17】一実施形態に係る寄付実績情報閲覧画面を示した図。
【
図18】一実施形態に係る木構造グラフ表示画面を示した図。
【
図19】一実施形態に係る被寄付主体活動情報閲覧画面を示した図。
【
図20】一変形例に係るシステムにおいてユーザ端末装置に表示される画像の例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の一実施形態に係るシステム1を説明する。
図1は、システム1の全体構成を示した図である。システム1は、管理システム11と、被寄付主体の情報を配信する被寄付主体サーバ装置12と、寄付主体(ユーザ)が使用するユーザ端末装置13と、寄付に伴う決済処理を行う決済サーバ装置14を備える。
【0016】
管理システム11は、システム1を利用する被寄付主体及び寄付主体に対する各種情報サービスを提供するシステムである。管理システム11は、例えば、1つのサーバ装置、又は、互いに連係動作する複数のサーバ装置により構成される。
【0017】
管理システム11を構成するサーバ装置は、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサ、プログラム及び各種データを記憶するメモリ、ネットワークを介してシステム1を構成する管理システム11以外の装置との間で各種データの通信を行う通信インタフェースを備えるコンピュータである。管理システム11を構成するコンピュータのプロセッサが、本実施形態に係るプログラムに従い各種データ処理を行うことによって、後述する管理システム11の各種処理が行われる。
【0018】
システム1は、システム1を利用する複数の被寄付主体の各々に関し、その被寄付主体の情報を配信する被寄付主体サーバ装置12を備える。従って、システム1は通常、複数の被寄付主体サーバ装置12を備える。
図1においては、例として、被寄付主体Xの情報を配信する被寄付主体サーバ装置12である被寄付主体サーバ装置12Xと、被寄付主体Yの情報を配信する被寄付主体サーバ装置12である被寄付主体サーバ装置12Yが示されている。なお、物理的に同じサーバ装置が、複数の被寄付主体の情報を配信してもよい。すなわち、1つのサーバ装置が、複数の被寄付主体サーバ装置12の役割を兼ねてもよい。また、互いに連係動作する複数のサーバ装置が1つの被寄付主体サーバ装置12を構成してもよい。
【0019】
被寄付主体サーバ装置12は、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサ、プログラム及び各種データを記憶するメモリ、ネットワークを介して管理システム11との間で各種データの通信を行う通信インタフェースを備えるコンピュータである。
【0020】
システム1は、システム1を利用する複数の寄付主体の各々に関し、その寄付主体が使用するユーザ端末装置13(寄付主体端末装置)を備える。従って、システム1は通常、複数のユーザ端末装置13を備える。
図1においては、例として、寄付主体Aが使用するユーザ端末装置13であるユーザ端末装置13Aと、寄付主体Bが使用するユーザ端末装置13であるユーザ端末装置13Bが示されている。
【0021】
ユーザ端末装置13は、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサ、プログラム及び各種データを記憶するメモリ、ネットワークを介して管理システム11との間で各種データの通信を行う通信インタフェース、ユーザである寄付主体に対し各種情報を表示するディスプレイ、ユーザが自装置に対し行う各種操作を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等)を備えるコンピュータである。なお、ユーザ端末装置13が備えるディスプレイ及び入力デバイスの少なくとも一方が、コンピュータの本体に接続される外付のデバイスにより構成されてもよい。
【0022】
以下、ユーザ端末装置13は移動体通信網を介した通話機能を備えるタブレット型コンピュータであるスマートフォンにより構成されるものとするが、ユーザ端末装置13を構成するコンピュータの種別はスマートフォンに限られず、デスクトップ型コンピュータ、ノートブック型コンピュータ、移動体通信網を介した通話機能を備えないタブレット型コンピュータ等のいずれであってもよい。
【0023】
ユーザ端末装置13を構成するコンピュータのプロセッサが、本実施形態に係るプログラムに従い各種データ処理を行うことによって、後述するユーザ端末装置13の各種処理が行われる。
【0024】
決済サーバ装置14は、寄付主体の決済手段(例えば、クレジットカード)を用いた寄付金の被寄付主体に対する支払いに伴う決済処理を行うサーバ装置である。
【0025】
決済サーバ装置14は、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサ、プログラム及び各種データを記憶するメモリ、ネットワークを介して管理システム11との間で各種データの通信を行う通信インタフェースを備えるコンピュータである。なお、互いに連係動作する複数のサーバ装置が1つの決済サーバ装置14を構成してもよい。
【0026】
システム1を利用する被寄付主体の職員は、例えば、
図1に図示せぬ端末装置を用いて、予め管理システム11に対し、被寄付主体のユーザ登録を行う。管理システム11は、ユーザ登録が行われた複数の被寄付主体の各々に関する情報を、被寄付主体テーブルに記憶している。
【0027】
図2は、被寄付主体テーブルのデータ構成を例示した図である。被寄付主体テーブルは、各被寄付主体に関するデータを格納しているレコードの集まりである。被寄付主体テーブルの各レコードには、被寄付主体を識別する被寄付主体識別情報、被寄付主体を認証するための認証情報(パスワード等)、被寄付主体の属性(活動分野、活動地域等)を示す属性情報、被寄付主体の活動等を紹介する情報である被寄付主体紹介情報、被寄付主体が行っている支援プロジェクトの各々に関しその支援プロジェクトの内容等を紹介する情報である支援プロジェクト紹介情報、被寄付主体により執筆された複数の記事の各々に関しその記事の内容を示す記事情報、被寄付主体に対する寄付の金額の選択肢に関する案内(例えば、「800円で3食分の給食代がまかなえる」等)を示す寄付金額案内情報、寄付金の入金を受け付ける銀行口座の情報である口座情報が格納されている。
【0028】
なお、被寄付主体テーブルが、被寄付主体紹介情報、支援プロジェクト紹介情報、及び、記事情報のうちの1以上に関し、それらの情報に代えて、それらの情報のダウンロード元のネットワーク上のアドレス(例えば、URL)を格納してもよい。また、被寄付主体テーブルに代えて、例えば被寄付主体テーブルを正規化して得られる複数のテーブルにより構成されるデータベースが用いられてもよい。
【0029】
被寄付主体テーブルに格納される被寄付主体紹介情報、支援プロジェクト紹介情報、及び、記事情報(以下、これらの情報を活動情報と総称する)は、例えば、被寄付主体の職員が適宜、その被寄付主体の管理下の被寄付主体サーバ装置12にアップロードする情報である。被寄付主体サーバ装置12は、新たにアップロードされた活動情報があれば、その活動情報を管理システム11に送信する。管理システム11は、被寄付主体サーバ装置12から送信されてくる活動情報を、被寄付主体テーブル(
図2)のレコードのうち、その被寄付主体サーバ装置12に応じたレコードに追加する。
【0030】
システム1を利用する寄付主体は、例えばユーザ端末装置13を用いて、予め管理システム11に対し、寄付主体のユーザ登録を行う。管理システム11は、ユーザ登録が行われた複数の寄付主体の各々に関する情報を、寄付主体テーブルに記憶している。
【0031】
図3は、寄付主体テーブルのデータ構成を例示した図である。寄付主体テーブルは、各寄付主体に関するデータを格納しているレコードの集まりである。寄付主体テーブルの各レコードには、寄付主体を識別する寄付主体識別情報、寄付主体を認証するための認証情報(パスワード等)、寄付主体の属性(関心のある分野、地域等)を示す属性情報、寄付主体を紹介する情報(ニックネーム、利用しているSNSのリンク、自己紹介文等)である寄付主体紹介情報、寄付主体が寄付金の決済に用いる決済手段に関する情報(クレジットカード番号等)である決済情報、寄付主体のメールアドレス、寄付主体が他の寄付主体に推薦したい1以上の被寄付主体の識別情報である推薦被寄付主体識別情報が格納されている。
【0032】
なお、寄付主体テーブルに代えて、例えば寄付主体テーブルを正規化して得られる複数のテーブルにより構成されるデータベースが用いられてもよい。
【0033】
管理システム11は、影響を与えた寄付主体とその寄付主体から影響を受けた寄付主体との関係を管理し、その関係に基づき得られる各種情報を寄付主体に提供する。そのために、管理システム11は、影響を与えた寄付主体を親ノードとし、その寄付主体から影響を受けた寄付主体を子ノードとする木構造データを、影響テーブルに記憶している。
【0034】
図4は、影響テーブルのデータ構成を例示した図である。影響テーブルは、影響を与えた寄付主体とその寄付主体から影響を受けた寄付主体との対に関するデータを格納しているレコードの集まりである。影響テーブルの各レコードには、影響を与えた寄付主体の識別情報である影響元寄付主体識別情報、影響を受けた寄付主体の識別情報である影響先寄付主体識別情報、影響の種別を示す影響種別情報が格納されている。
【0035】
本実施形態において、影響の種別は、システム1を紹介する形で影響を与えたことを示す「紹介」と、寄付の動機付けを行う形で影響を与えたことを示す「ペイフォワード」のいずれかであるものとする。
【0036】
影響の種別の1つである「紹介」は、例えば、管理システム11にユーザ登録を行っている寄付主体が、SNS等を用いてシステム1を紹介し、その紹介に応じて管理システム11にユーザ登録を行っていない寄付主体が新規ユーザとして管理システム11に登録を行った場合に、紹介元の寄付主体から紹介先の寄付主体に対し与えられた影響を意味する。
【0037】
この場合、新規ユーザが使用するユーザ端末装置13(新規ユーザ端末装置)から管理システム11に対し送信される新規ユーザ登録のための情報である新規ユーザ登録依頼情報には、紹介元の寄付主体の識別情報である紹介元ユーザ識別情報が含まれる。なお、新規ユーザが使用するユーザ端末装置13か紹介元のSNS等のページから紹介元ユーザ識別情報を取得する方法としては、例えば、Cookieを用いた既知の方法が用いられる。
【0038】
管理システム11は、新規ユーザ登録依頼情報を受信した場合、その新規ユーザ登録依頼情報に応じてユーザ登録のための処理である新規ユーザ登録処理を行う際、その新規ユーザ登録依頼情報に含まれる紹介元ユーザ識別情報を影響元寄付主体識別情報とし、その新規ユーザの識別情報を影響先寄付主体識別情報とし、「紹介」を影響種別情報として格納するレコードを、影響テーブルに追加する。
【0039】
影響の種別の1つである「ペイフォワード」は、寄付主体が他の主体に動機付けられて寄付を行う場合に、その他の主体から寄付主体に対し与えられた影響を意味する。
【0040】
システム1において、寄付主体は、被寄付主体に対し寄付を行う際、その寄付によって感謝又は祝福の気持ちを示したい主体を指定することができる。この主体は、寄付主体に対し寄付の動機付けを与えた主体といえる。従って、以下、この主体を動機付主体という。「ペイフォワード」は、通常であれば寄付主体から動機付主体に対し贈られる金品に代えて、寄付主体から被寄付主体に対し寄付が行われることによって、動機付主体が寄付主体に与えた恩が被寄付主体へと送られることを意味する。
【0041】
管理システム11は、システム1によって過去に行われた寄付主体から被寄付主体に対する寄付の各々に関する情報を、寄付テーブルに記憶している。
【0042】
図5は、寄付テーブルのデータ構成を例示した図である。寄付テーブルは、過去に行われた寄付の各々に関するデータを格納しているレコードの集まりである。寄付テーブルの各レコードには、寄付を識別する寄付識別情報、寄付が行われた日時を示す日時情報、動機付主体を示す動機付情報、寄付主体を識別する寄付主体識別情報、被寄付主体を識別する被寄付主体識別情報、寄付された金額を示す寄付金額情報、ペイフォワードカード(後述)のURL、寄付に関し寄付主体と動機付主体(ペイフォワードデータ(後述)の送信先のユーザ)との間で交換された情報である応答情報が格納されている。
【0043】
なお、寄付テーブルに代えて、例えば寄付テーブルを正規化して得られる複数のテーブルにより構成されるデータベースが用いられてもよい。
【0044】
以下に、ユーザ端末装置13に表示される画面を参照しつつ、システム1の動作例を説明する。なお、以下の説明において参照される画面は、ユーザ端末装置13が管理システム11から受信するデータを用いて表示する画面である。
【0045】
図6は、ある寄付主体(以下、寄付主体Aとする)が、ある主体(以下、主体Pとする)に対する感謝又は祝福の気持ちを伝えるために、いずれかの被寄付主体に対する寄付を行いたい、と思った場合に、寄付主体Aがユーザ端末装置13Aに対し所定の操作を行って表示させる最初の画面(以下、動機付入力画面という)を示している。動機付入力画面において寄付主体Aは、主体Pの識別情報を入力する。
【0046】
主体Pが管理システム11に寄付主体として未登録の主体であれば、寄付主体Aは動機付入力画面のテキストボックスA1に主体Pの氏名等を入力した後、「次へ」ボタンをタッチする。
【0047】
主体Pが管理システム11に寄付主体としてユーザ登録が行われている主体であれば、寄付主体AはテキストボックスA2に主体Pの氏名等をキーワードとして入力した後、「検索」ボタンをタッチする。そのタッチ操作に応じて、リストボックスA3にキーワードにより検索されたユーザの識別情報(ニックネーム等)がリスト表示される。リストボックスA3に表示される識別情報は、管理システム11が、寄付主体テーブル(
図3)から検索した、テキストボックスA2に入力されたキーワードを含むレコードに格納されているニックネーム等である。
【0048】
寄付主体Aは、リストボックスA3に表示される識別情報の中から主体Pの識別情報を見つけると、その識別情報をタッチする。そのタッチ操作に応じて、テキストボックスA1に、主体Pの識別情報が入力される。その後、寄付主体Aは「次へ」ボタンをタッチする。
【0049】
動機付入力画面において寄付主体Aが「次へ」ボタンをタッチすると、そのタッチ操作に応じて、ユーザ端末装置13Aは
図7に示す画面(以下、寄付主体入力画面という)を表示する。寄付主体入力画面において、寄付主体Aは、テキストボックスA4に、自分の識別情報(ニックネーム等)を入力し、「次へ」をタッチする。そのタッチ操作に応じて、ユーザ端末装置13Aは
図8に示す画面(以下、被寄付主体検索画面という)を表示する。
【0050】
被寄付主体検索画面の領域A5には、管理システム11が寄付主体Aに推薦する被寄付主体の情報(団体名、活動分野等)が表示される。領域A5に情報が表示される被寄付主体は、管理システム11が、例えば、被寄付主体テーブル(
図2)に格納されている属性情報と、寄付主体テーブル(
図3)に格納されている寄付主体Aの属性情報との類似度に基づき選定した被寄付主体である。
【0051】
寄付主体Aは、被寄付主体検索画面のテキストボックスA6に、例えば被支援主体の名称、被支援主体が行っている支援プロジェクトの名称、活動分野等を示すキーワードを入力し、「検索」ボタンをタッチすることで、領域A7に、自分の関心のある被寄付主体の情報(団体名、活動分野等)を表示させることができる。領域A7に表示される情報は、管理システム11が、被寄付主体テーブル(
図2)から検索した、テキストボックスA6に入力されたキーワードを含むレコードに格納されている情報である。
【0052】
寄付主体Aが、被寄付主体検索画面において、領域A5又は領域A7に表示されている情報のうち、興味のある被寄付主体の情報をタッチすると、そのタッチ操作に応じて、ユーザ端末装置13Aは
図9に示す画面(以下、被寄付主体紹介画面という)を表示する。
【0053】
被寄付主体紹介画面の領域A8には、被寄付主体検索画面において寄付主体Aによりタッチされた情報に応じた被寄付主体の紹介情報が表示される。領域A8に表示される情報は、管理システム11が、被寄付主体テーブル(
図2)に格納されているレコードのうち、被寄付主体検索画面において寄付主体Aによりタッチされた情報に応じた被寄付主体のレコードに格納されている被寄付主体紹介情報である。
【0054】
被寄付主体紹介画面において、寄付主体Aが「支援プロジェクト紹介」ボタンをタッチすると、そのタッチ操作に応じて、ユーザ端末装置13Aは
図10に示す画面(以下、支援プロジェクト紹介画面という)を表示する。
【0055】
支援プロジェクト紹介画面の領域A9には、被寄付主体検索画面において寄付主体Aによりタッチされた情報に応じた被寄付主体が行っている支援プロジェクトの紹介情報が表示される。領域A9に表示される情報は、管理システム11が、被寄付主体テーブル(
図2)に格納されているレコードのうち、被寄付主体検索画面において寄付主体Aによりタッチされた情報に応じた被寄付主体のレコードに格納されている支援プロジェクト紹介情報である。
【0056】
被寄付主体紹介画面(
図9)又は支援プロジェクト紹介画面(
図10)において、寄付主体Aが「記事」ボタンをタッチすると、そのタッチ操作に応じて、ユーザ端末装置13Aは
図11に示す画面(以下、記事画面という)を表示する。
【0057】
記事画面の領域A10には、被寄付主体検索画面において寄付主体Aによりタッチされた情報に応じた被寄付主体が執筆した記事の内容が表示される。領域A10に表示される情報は、管理システム11が、被寄付主体テーブル(
図2)に格納されているレコードのうち、被寄付主体検索画面において寄付主体Aによりタッチされた情報に応じた被寄付主体のレコードに格納されている記事情報である。
【0058】
寄付主体Aが支援プロジェクト紹介画面(
図10)又は記事画面(
図11)において「団体紹介」ボタンをタッチすると、そのタッチ操作に応じて、ユーザ端末装置13Aは被寄付主体紹介画面(
図9)を表示する。
【0059】
また、寄付主体Aが記事画面(
図11)において「支援プロジェクト紹介」ボタンをタッチすると、そのタッチ操作に応じて、ユーザ端末装置13Aは支援プロジェクト紹介画面(
図10)を表示する。
【0060】
寄付主体Aは、被寄付主体紹介画面(
図9)、支援プロジェクト紹介画面(
図10)、又は、記事画面(
図11)に表示される情報に基づき、それらの画面に応じた被寄付主体に対する寄付を行わない場合、それらの画面において「戻る」ボタンをタッチする。そのタッチ操作に応じて、ユーザ端末装置13Aは被寄付主体検索画面(
図8)を表示する。
【0061】
一方、寄付主体Aは、被寄付主体紹介画面(
図9)、支援プロジェクト紹介画面(
図10)、又は、記事画面(
図11)に表示される情報に基づき、それらの画面に応じた被寄付主体に対する寄付を行う場合、それらの画面において「次へ」ボタンをタッチする。そのタッチ操作に応じて、ユーザ端末装置13Aは
図12に示す画面(以下、寄付金額入力画面という)を表示する。
【0062】
寄付金額入力画面の領域A11には、被寄付主体に対する寄付金額の1以上の選択肢が、その選択肢の寄付金額(例えば、800円)に関する案内(例えば、「3食分の給食代」)とともに表示される。領域A11に表示される情報は、管理システム11が、被寄付主体テーブル(
図2)に格納されているレコードのうち、寄付主体Aにより選択された被寄付主体(寄付主体Aが「次へ」ボタンをタッチした被寄付主体紹介画面、支援プロジェクト紹介画面、又は、記事画面に応じた被寄付主体)のレコードに格納されている寄付金額案内情報である。
【0063】
寄付主体Aは、領域A11に表示される1以上の選択肢のいずれかをタッチする。寄付主体Aは、領域A11において金額指定の選択肢を選択した場合、テキストボックスA12に寄付金額を入力する。その後、寄付主体Aは「次へ」ボタンをタッチする。そのタッチ操作に応じて、ユーザ端末装置13Aは
図13に示す画面(以下、寄付依頼情報確認画面という)を表示する。
【0064】
寄付依頼情報確認画面の領域A13には、上記の操作によって寄付主体Aが入力又は選択した、動機付主体の識別情報(ニックネーム等)、寄付主体Aの識別情報(ニックネーム等)、被寄付主体の識別情報(団体名等)、及び、寄付金額が表示される。寄付主体Aは、領域A13に表示される情報に誤りがないことを確認した後、「実行」ボタンをタッチする。そのタッチ操作に応じて、ユーザ端末装置13Aは管理システム11に対し、以下の情報を含む寄付依頼情報を送信する。
【0065】
寄付主体Aにより入力された動機付主体(主体P)の識別情報(ニックネーム等)
動機付主体が登録ユーザである場合、動機付主体(主体P)を識別する寄付主体識別情報(動機付情報)
寄付主体Aにより入力された寄付主体Aの識別情報(ニックネーム等)
寄付主体Aを識別する寄付主体識別情報
寄付主体Aにより選択された被寄付主体を識別する被寄付主体識別情報
寄付主体Aにより選択又は入力された寄付金額を示す寄付金額情報
【0066】
管理システム11は、ユーザ端末装置13Aから寄付依頼情報を受信すると、寄付主体テーブル(
図3)から、寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報を格納しているレコードを検索し、検索したレコードに格納されている決済情報を読み出す。
【0067】
また、管理システム11は、被寄付主体テーブル(
図2)から、寄付依頼情報に含まれる被寄付主体識別情報を格納しているレコードを検索し、検索したレコードに格納されている口座情報を読み出す。以下、寄付依頼情報に含まれる被寄付主体識別情報により識別される被寄付主体が被寄付主体Xであるものとする。
【0068】
続いて、管理システム11は、寄付依頼情報に含まれる寄付金額情報が示す金額を、寄付依頼情報に含まれる被寄付主体識別情報により識別される被寄付主体に支払うための処理である寄付処理を行う。具体的には、管理システム11は、上記のように読み出した決済情報及び口座情報と、寄付依頼情報に含まれる寄付金額情報とを含む決済依頼情報を決済サーバ装置14に送信する。決済サーバ装置14は、管理システム11から送信されてくる決済依頼情報に従い、寄付主体Aから被寄付主体Xに対する支払いのための決済処理を行う。決済サーバ装置14は、決済依頼情報に応じた決済処理を完了すると、決済完了通知を管理システム11に送信する。
【0069】
寄付依頼情報に動機付情報が含まれる場合、管理システム11は、決済サーバ装置14から決済完了通知を受信すると、影響テーブル(
図4)から、影響元寄付主体識別情報が主体Pを識別する寄付主体識別情報であり、影響先寄付主体識別情報が寄付主体Aを識別する寄付主体識別情報であり、影響種別情報が「ペイフォワード」であるレコードを検索する。その検索に失敗した場合、管理システム11は、影響元寄付主体識別情報が主体Pを識別する寄付主体識別情報であり、影響先寄付主体識別情報が寄付主体Aを識別する寄付主体識別情報であり、影響種別情報が「ペイフォワード」であるレコードを影響テーブルに追加する。
【0070】
また、管理システム11は、決済サーバ装置14から決済完了通知を受信すると、寄付テーブル(
図5)に新規レコードを追加し、その新規レコードに以下の情報を格納する。
【0071】
新たに割り振られた寄付テーブルにおいてユニークな寄付識別情報
現在の日時を示す日時情報
寄付依頼情報に動機付情報が含まれる場合、その動機付情報(主体Pの寄付主体識別情報)
寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報(寄付主体Aの寄付主体識別情報)
寄付依頼情報に含まれる被寄付主体識別情報(被寄付主体Xの被寄付主体識別情報)
寄付依頼情報に含まれる寄付金額情報
【0072】
続いて、管理システム11は、ペイフォワードカードと呼ぶ画像を表す画像データ(以下、ペイフォワードデータという)を生成する。ペイフォワードカードは、動機付主体から寄付主体を介して被寄付主体へと向かう関係を示す。この場合、管理システム11は、主体Pから寄付主体Aを介して被寄付主体Xに向かう関係を示すペイフォワードデータを生成する。
【0073】
続いて、管理システム11は、生成したペイフォワードデータをダウンロード可能に記憶し、そのペイフォワードデータのダウンロード元のネットワーク上のアドレスを示すURLを、先に寄付テーブルに追加した新規レコードに格納する。
【0074】
続いて、管理システム11は、生成したペイフォワードデータとそのペイフォワードデータのURLをユーザ端末装置13Aに送信する。ユーザ端末装置13Aは、管理システム11から受信したペイフォワードデータを用いて、
図14に示す画面(以下、ペイフォワードカード表示画面という)を表示する。ペイフォワードカード表示画面の領域A14には、ペイフォワードカードが表示される。
【0075】
ペイフォワードカード表示画面において、寄付主体Aが「SNS」ボタンをタッチすると、ユーザ端末装置13Aは寄付主体Aが利用しているSNSに対し、管理システム11から受信したペイフォワードカードのURLをリンク情報として含む定型メッセージを投稿する。
【0076】
ペイフォワードカード表示画面において、寄付主体Aが「メール」ボタンをタッチすると、ユーザ端末装置13Aは管理システム11から受信したペイフォワードカードのURLをリンク情報として含むメッセージを本文とする電子メールを生成し、表示する。寄付主体Aは、その電子メールの宛先を入力又は選択した後、その電子メールを希望する相手に送信することができる。
【0077】
ペイフォワードカード表示画面において、寄付主体Aが「URL」ボタンをタッチすると、ユーザ端末装置13Aは管理システム11から受信したペイフォワードカードのURLをクリップボードにコピーする。寄付主体Aは、例えば、ユーザ端末装置13Aを操作して、チャットアプリを起動した後、そのチャットアプリにおいて希望する相手に、クリップボードにコピーされているURLを貼り付けて送信することで、希望する相手にペイフォワードカードのURLを通知することができる。
【0078】
管理システム11によって生成されたペイフォワードカードは、そのペイフォワードカードに示される動機付主体及び寄付主体によっていつでも閲覧可能である。例えば、寄付主体Aは、ユーザ端末装置13Aに対し所定の操作を行い、ユーザ端末装置13Aに
図15に示す画面(以下、ペイフォワードカード選択画面という)を表示させる。
【0079】
ペイフォワードカード選択画面のリストボックスA15には、寄付主体Aが寄付主体として示されるペイフォワードカードの識別情報(例えば、日時情報、動機付主体のニックネーム等、寄付主体Aのニックネーム等、被寄付主体の団体名等を含む情報)がリスト表示される。
【0080】
リストボックスA15に表示される情報は、管理システム11が寄付テーブル(
図5)から抽出した、寄付主体識別情報として寄付主体Aの寄付主体識別情報を格納しているレコードに格納されている情報である。
【0081】
また、ペイフォワードカード選択画面のリストボックスA16には、寄付主体Aが動機付主体として示されるペイフォワードカードの識別情報(例えば、日時情報、寄付主体Aのニックネーム等、寄付主体のニックネーム等、被寄付主体の団体名等を含む情報)がリスト表示される。
【0082】
リストボックスA16に表示される情報は、管理システム11が寄付テーブル(
図5)から抽出した、動機付情報として寄付主体Aの寄付主体識別情報を格納しているレコードに格納されている情報である。
【0083】
寄付主体Aは、リストボックスA15又はリストボックスA16に表示される識別情報のうち、表示したいペイフォワードカードに応じた識別情報をタッチする。そのタッチ操作に応じて、ユーザ端末装置13Aは
図16に示す画面(以下、ペイフォワードカード閲覧画面という)を表示する。
【0084】
ペイフォワードカード閲覧画面の領域A17には、ペイフォワードカード選択画面(
図15)において寄付主体Aにより選択されたペイフォワードカードが表示される。また、ペイフォワードカード閲覧画面の領域A18には、領域A17に表示されているペイフォワードカードに関し、過去に寄付主体A又は相手が入力した応答情報が入力時刻に従い時系列で表示される。ここで相手とは、ペイフォワードカードに寄付主体Aが寄付主体として表示されていれば、ペイフォワードカードに動機付主体として表示されている主体を意味し、ペイフォワードカードに寄付主体Aが動機付主体として表示されていれば、ペイフォワードカードに寄付主体として表示されている主体を意味する。
【0085】
領域A18に表示される情報は、管理システム11が、寄付テーブル(
図5)から検索した、領域A17に表示されているペイフォワードカードに応じたレコードに格納されている応答情報である。
【0086】
寄付主体Aは、テキストボックスA19に相手に対するメッセージを入力し、「送信」ボタンをタッチすることで、応答情報にそのメッセージを示す情報を追加することができる。ユーザ端末装置13Aは、「送信」ボタンに対するタッチ操作に応じて、テキストボックスA19に入力されているメッセージを示す応答情報を管理システム11に送信する。管理システム11は、ユーザ端末装置13Aから受信した応答情報を、領域A17に表示されているペイフォワードカードに応じた寄付テーブル(
図5)のレコードに格納する。同様に、寄付主体Aの相手は、自分のユーザ端末装置13に表示されるペイフォワードカード閲覧画面のテキストボックスA19に寄付主体Aに対するメッセージを入力し、「送信」ボタンをタッチすることで、応答情報にそのメッセージを示す情報を追加することができる。相手のユーザ端末装置13は、「送信」ボタンに対するタッチ操作に応じて、テキストボックスA19に入力されているメッセージを示す応答情報を管理システム11に送信する。管理システム11は、ユーザ端末装置13Aから受信した応答情報を、領域A17に表示されているペイフォワードカードに応じた寄付テーブル(
図5)のレコードに格納する。このように、寄付主体Aは、ペイフォワードカード閲覧画面において、ペイフォワードカードの相手との間で、メッセージの交換を行うことができる。
【0087】
システム1において、寄付主体は、自分が過去に行った寄付に関する情報に加え、自分の影響を直接的に、又は、間接的に受けた他の寄付主体が過去に行った寄付に関する情報を知ることができる。
【0088】
例えば、寄付主体Aがユーザ端末装置13Aに対し所定の操作を行うと、ユーザ端末装置13Aは
図17に示される画面(以下、寄付実績情報閲覧画面という)を表示する。
【0089】
寄付実績情報閲覧画面の領域A20には、寄付主体Aが過去に行った寄付の寄付金額の合計額が表示される。寄付主体Aが領域A20に表示されている「内訳」ボタンをタッチすると、ユーザ端末装置13Aは領域A20に表示されている合計額の内訳(例えば、被寄付主体毎の寄付金額の合計、被寄付主体の活動分野毎の寄付金額の合計等)を表示する。
【0090】
領域A20に表示される情報、及び、領域A20の「内訳」ボタンがタッチされた場合に表示される情報は、管理システム11が、寄付テーブル(
図5)から抽出した、寄付主体識別情報が寄付主体Aを識別する寄付主体識別情報であるレコードに格納されている情報に基づき生成された情報である。
【0091】
寄付実績情報閲覧画面の領域A21には、寄付主体Aの影響を直接的に、又は、間接的に受けた他の寄付主体が過去に行った寄付に関する情報(寄付金額情報の一例)が表示される。
【0092】
寄付主体Aの影響を直接的に受けた他の寄付主体とは、影響テーブル(
図4)に格納されているレコードのうち、影響元寄付主体識別情報が寄付主体Aを識別する寄付主体識別情報であるレコードに格納されている影響先寄付主体識別情報により識別される寄付主体(以下、直接的影響先寄付主体という)である。
【0093】
寄付主体Aの影響を間接的に受けた他の寄付主体とは、影響テーブル(
図4)に格納されているレコードのうち、影響元寄付主体識別情報が、寄付主体Aの直接的影響先寄付主体を識別する寄付主体識別情報であるレコードに格納されている影響先寄付主体識別情報により識別される寄付主体(以下、間接的影響先寄付主体という)、又は、影響元寄付主体識別情報が、寄付主体Aの間接的影響先寄付主体を識別する寄付主体識別情報であるレコードに格納されている影響先寄付主体識別情報により識別される寄付主体である。
【0094】
寄付実績情報閲覧画面の領域A21には、寄付主体Aの直接的影響先寄付主体又は間接的影響先寄付主体が過去に行った寄付の寄付金額の合計額、寄付主体Aの直接的影響先寄付主体又は間接的影響先寄付主体の人数、寄付主体Aの直接的影響先寄付主体又は間接的影響先寄付主体が過去に行った寄付の回数が表示される。また、領域A21に表示される「内訳」ボタンに対するタッチ操作が行われた場合、ユーザ端末装置13Aは、寄付主体Aの直接的影響先寄付主体又は間接的影響先寄付主体が過去に行った寄付の寄付金額の合計額の内訳(例えば、被寄付主体毎の寄付金額の合計、被寄付主体の活動分野毎の寄付金額の合計等)を表示する。これらの情報は、管理システム11が、寄付テーブル(
図5)から抽出した、寄付主体識別情報が寄付主体Aの直接的影響先寄付主体又は間接的影響先寄付主体を識別する寄付主体識別情報であるレコードに格納されている情報に基づき生成された情報である。
【0095】
寄付実績情報閲覧画面の領域A22には、寄付主体Aの直接的影響先寄付主体又は間接的影響先寄付主体が過去に行った寄付のうち、動機付主体の指定を行った寄付の回数、すなわち、寄付主体Aの直接的影響先寄付主体又は間接的影響先寄付主体が過去にペイフォワードを行った回数(被動機付回数情報)が表示される。
【0096】
領域A22に表示される回数は、管理システム11が、寄付テーブル(
図5)から抽出した、寄付主体識別情報が寄付主体Aの直接的影響先寄付主体又は間接的影響先寄付主体を識別する寄付主体識別情報であり、かつ、動機付情報にいずれかの寄付主体の寄付主体識別情報が格納されているレコードの数である。
【0097】
寄付実績情報閲覧画面の領域A23には、いずれかの寄付主体により過去に行われた寄付のうち、寄付主体Aの直接的影響先寄付主体又は間接的影響先寄付主体が動機付主体として指定された寄付の回数、すなわち、寄付主体Aの直接的影響先寄付主体又は間接的影響先寄付主体が過去にペイフォワードされた回数(動機付回数情報)が表示される。
【0098】
領域A23に表示される回数は、管理システム11が、寄付テーブル(
図5)から抽出した、動機付情報が寄付主体Aの直接的影響先寄付主体又は間接的影響先寄付主体を識別する寄付主体識別情報であるレコードの数である。
【0099】
寄付主体は、寄付実績情報閲覧画面に表示される情報によって、自分の影響を受けて行われた寄付に関する情報を得ることができる。
【0100】
寄付主体Aが、寄付実績情報閲覧画面において「バトンツリー」ボタンをタッチすると、ユーザ端末装置13Aはそのタッチ操作に応じて、
図18に示す画面(以下、木構造グラフ表示画面という)を表示する。
【0101】
寄付実績情報閲覧画面の領域A24には、影響テーブル(
図4)に格納されているデータが示す寄付主体の関係を表す木構造であって、寄付主体Aをノードとして含む木構造を表すグラフが表示される。
図18の例において、ノードN1が寄付主体Aのノードであり、ノードN0が寄付主体Aに直接的に影響を与えた寄付主体のノードであり、ノードN2~N5が寄付主体Aから直接的に影響を受けた寄付主体のノードである。そして、ノードN2~N5の各々の右側に表示されているノードは、寄付主体Aから間接的に影響を受けた寄付主体のノードである。
【0102】
領域A24に表示されるグラフは、管理システム11が影響テーブル(
図4)に格納されている情報に基づき生成したグラフである。
【0103】
なお、寄付実績情報閲覧画面の領域A21に表示される寄付金額の合計額は、木構造グラフ表示画面の領域A24に表示されるグラフが表す木構造における、寄付主体Aに応じたノードN1を根ノードとする木構造に含まれるノード(ノードN2~N5及びそれらのノードの子孫ノード)に応じた寄付主体が過去に行った寄付の寄付金額の合計額である。
【0104】
寄付主体は、木構造グラフ表示画面に表示されるグラフによって、自分の影響の拡がりの程度を知ることができる。
【0105】
システム1において、寄付主体は、自分が過去に行った寄付の被寄付主体の活動を示す活動情報を容易に閲覧できる。
【0106】
例えば、寄付主体Aがユーザ端末装置13Aに対し所定の操作を行うと、ユーザ端末装置13Aは
図19に示される画面(以下、被寄付主体活動情報閲覧画面という)を表示する。
【0107】
被寄付主体活動情報閲覧画面の領域A25には、寄付主体Aが過去に行った寄付の被寄付主体の活動情報、又は、その活動情報のダウンロード元のネットワーク上のアドレスを示すURLが表示される。寄付主体Aは、領域A25に表示される活動情報、又は、領域A25に表示されるURLをタッチした際にユーザ端末装置13AがそのURLからダウンロードして表示する活動情報を見て、自分が過去に行った寄付の被寄付主体の活動について容易に知ることができる。
【0108】
管理システム11は、領域A25に表示される情報を生成するために、まず、寄付テーブル(
図5)から、寄付主体識別情報が寄付主体Aを識別する寄付主体識別情報であるレコードを抽出する。続いて、管理システム11は、抽出したレコードに格納されている1以上の被寄付主体識別情報を特定する。続いて、管理システム11は、被寄付主体テーブル(
図2)から、そのように特定した1以上の被寄付主体識別情報のいずれかを格納しているレコードを抽出する。管理システム11は、そのように抽出したレコードに格納されている被寄付主体紹介情報、支援プロジェクト紹介情報、及び、記事情報を、例えば、それらの情報の追加日時が新しい順に並べたものを、活動情報として生成する。管理システム11は、そのように生成した活動情報をユーザ端末装置13Aに送信する。
【0109】
ユーザ端末装置13Aは、上記のように管理システム11から送信されてくる活動情報を被寄付主体活動情報閲覧画面に表示する。
【0110】
なお、既述のように、被寄付主体テーブルには、被寄付主体紹介情報、支援プロジェクト紹介情報、及び、記事情報に代えて、これらの情報のダウンロード元のネットワーク上のアドレスが格納される場合がある。その場合、管理システム11からユーザ端末装置13Aに送信される活動情報には、それらのアドレス(例えば、URL)が含まれることになる。
【0111】
[変形例]
上述した実施形態に係るシステム1は、本発明の技術的思想の範囲内において様々に変形されてよい。以下にそれらの変形の例を示す。なお、以下の変形例の2以上が適宜、組み合わされてもよい。
【0112】
(1)上述した実施形態において、動機付情報は、寄付の動機付けとして特定の主体を示す情報であるものとした。動機付情報は、寄付の動機付けを示す情報であればいずれの情報であってもよい。例えば、システム1を用いて、ユーザは、嬉しい出来事があった場合、その嬉しい気持ちを寄付という行為で表現し、管理システム11により発行されるペイフォワードカード(又はそのURL)を誰かに送信することで、自分の気持ちをその誰かに自然な形で伝えることができる。
【0113】
この変形例においては、ユーザ端末装置13に表示される動機付入力画面(
図6)において、寄付主体は自分が行う寄付の動機付けを示す情報として、主体に代えて、もしくは、加えて、動機付けとなった事柄に関する情報を入力できる。そのように入力された動機付けとなった事柄に関する情報は、管理システム11により寄付テーブル(
図5)に動機付情報として記憶され、ペイフォワードカードの生成に用いられる。その場合、ペイフォワードカードには、動機付主体の情報に代えて、動機付けとなった事柄の情報が表示されることになる。
【0114】
(2)寄付主体テーブル(
図3)に登録されているユーザのうち、希望するユーザに関する情報が、他のユーザに対し公開されないようにしてもよい。この変形例においては、例えば、寄付主体テーブル(
図3)に、ユーザ(寄付主体)が自分の情報を公開するか否かのフラグデータが格納される。管理システム11は、そのフラグデータに従い、ペイフォワードカード(
図14~
図16参照)やバトンツリー(
図18参照)の表示において、ユーザの情報(ニックネーム等)を表示するか否かを決定する。すなわち、ペイフォワードカードやバトンツリーにおいて、自分の情報を公開しないユーザに関しては、ニックネーム等の情報に代えて、「非公開」等のユーザを特定できない情報が表示される。
【0115】
(3)ペイフォワードカードが発行された時点において、そのペイフォワードカードに動機付主体として示される主体がシステム1のユーザ(寄付主体)として未登録であった場合には、そのペイフォワードカードに対応する寄付テーブル(
図5)のレコードの「動機付情報」欄には、寄付主体テーブル(
図3)に登録されている寄付主体識別情報ではなく、その動機付主体のニックネーム等(寄付主体が動機付入力画面(
図6)において自由に入力した情報)が格納される。従って、その寄付に関する寄付テーブル(
図5)のレコードの情報は、バトンツリー(
図18参照)に反映されない。
【0116】
そこで、ペイフォワードカードの発行後に、そのペイフォワードカードに応じた寄付の動機付主体がシステム1のユーザとして寄付主体テーブル(
図3)に新規登録された場合に、事後的に、そのペイフォワードカードに関する寄付テーブル(
図5)のレコードに、新規登録された動機付主体の寄付主体識別情報が格納されるようにしてもよい。その場合、その後にその新規登録者のユーザ端末装置13に表示される寄付実績情報閲覧画面(
図17)の領域A23に表示されるペイフォワードされた数や、木構造グラフ表示画面(
図18)の領域A24に表示されるバトンツリーに、登録前に発行されたペイフォワードカードの情報が反映される。
【0117】
この場合、例えばペイフォワードカード閲覧画面(
図16)において、表示されているペイフォワードカードに動機付主体の寄付主体識別情報が含まれていない場合に、ペイフォワードカード閲覧画面に動機付主体の寄付主体識別情報の入力欄が表示されるようにし、ユーザ(寄付主体)がその入力欄に動機付主体の寄付主体識別情報を入力するようにすればよい。管理システム11は、ペイフォワードカード閲覧画面において入力された寄付主体識別情報を、そのペイフォワードカード閲覧画面において表示されているペイフォワードカードに応じた寄付テーブル(
図5)のレコードの「動機付情報」欄に格納する。
【0118】
(4)上述した実施形態において、ペイフォワードデータは、文字や図形により情報を視覚的に示すものとしたが、それに加えて、もしくは、代えて、ペイフォワードデータが、聴覚的に情報を示す音や、触覚的に情報を示す点字等により情報を示すデータであってもよい。
【0119】
例えば、ペイフォワードカードに寄付主体の音声メッセージや動画が含まれてもよい。その場合、ペイフォワードカードを閲覧する人は、ペイフォワードカードの表示に伴い再生される音声を聞いたり、動画を見たりすることで、寄付主体の気持ちをより詳しく知ることができる。
【0120】
この場合、寄付主体が使用するユーザ端末装置13は、例えば寄付主体入力画面(
図7)の後に、寄付主体が自分の音声を録音したり、寄付主体をカメラで撮影したり、寄付主体が自由なメッセージを入力したりする画面を表示する。寄付主体は、その画面において、音声メッセージの録音、ビデオメッセージの録画、メッセージの入力等を行う。そのように寄付主体により入力された情報は、寄付テーブル(
図5)に格納され、その後、ペイフォワードカードの表示において使用される。
【0121】
(5)上述した実施形態においてペイフォワードカード、又は、ペイフォワードカードのURLは、寄付主体がSNS、メール等を介して、動機付主体に通知されるものとしたが、それに代えて、もしくは加えて、ペイフォワードカード、又は、ペイフォワードカードのURLが、管理システム11から動機付主体が使用するユーザ端末装置13(動機付主体端末装置)に対し自動的に通知されてもよい。
【0122】
例えば、管理システム11は、新たな寄付が行われ、寄付テーブル(
図5)に新規レコードが追加された場合、その新規レコードの「動機付情報」欄に動機付主体を示す寄付主体識別情報が格納されているか否かを判定する。そして、「動機付情報」欄に動機付主体を示す寄付主体識別情報が格納されている場合、管理システム11は、例えば、寄付主体テーブル(
図3)から、その寄付主体識別情報に応じたレコードを読み出し、そのレコードの「メールアドレス」欄に格納されているメールアドレス宛に、ペイフォワードカードを添付したメール、又は、ペイフォワードカードのURLを通知するメールを送信する。
【0123】
また、管理システム11は、その寄付主体識別情報により識別されるユーザがユーザ端末装置13を用いて管理システム11にログインしている場合、そのユーザ端末装置13にペイフォワードカードが発行された旨の通知を行う。
【0124】
この変形例によれば、ユーザは、自分を動機付主体とするペイフォワードカードが発行されたことを速やかに知ることができる。また、寄付主体は、ペイフォワードカードが発行されたことを、動機付主体に通知する手間を要さない。
【0125】
(6)影響テーブル(
図4)に格納される木構造データに基づきユーザ端末装置13に表示される木構造を表すグラフ(バトンツリー)の表示態様は
図18に示したものに限られない。
【0126】
例えば、
図18に例示のバトンツリーにおいては、ユーザのノード(ノードN1)より上流側のノードとして、親ノードのノードN1のみが表示されるものとしているが、例えば、ユーザが画面を右側にスクロールする操作に応じて、ノードN1よりも上流側(根ノード側)のノードが順次表示されてもよい。また、ユーザが画面を左側にスクロールする操作に応じて、ノードN1の孫ノードより下流側(葉ノード側)のノードが順次表示されてもよい。
【0127】
また、
図18に例示のバトンツリーにおいては、左側が根ノード側、右側が葉ノード側であるが、その方向はこれに限られない。例えば、注目するノードを中心に、放射状に拡がる表示態様が採用されてもよい。さらに、3次元に拡がるように見える表示態様が採用されてもよい。
【0128】
また、
図18に例示の画面(木構造グラフ表示画面)には、ツリーの一部のみが表示されるものとしたが、ツリーの全体が表示されてもよい。また、例えばユーザの操作に応じて、ツリーの縮尺が変更されてもよい。
【0129】
また、
図18に例示のバトンツリーは、システム1を利用する全ユーザのノードのうち、ユーザのノード(ノードN1)を含むツリーであるが、システム1を利用する全ユーザのノードを含むツリー(複数のツリーであってもよい)が表示されてもよい。
【0130】
また、新たに寄付が行われて、寄付テーブル(
図5)や影響テーブル(
図4)が更新されたり、新たなユーザが登録されて、寄付主体テーブル(
図3)が更新された場合に、ユーザ端末装置13に表示されるバトンツリーが更新後のそれらのテーブルのデータに応じて更新されてもよい。なお、バトンツリーの表示の更新は、実質的にリアルタイムに行われてもよいし、例えば、他の画面から木構造グラフ表示画面へと表示される画面が遷移するタイミングで行われてもよい。
【0131】
また、バトンツリーが更新される際、更新されたノードが他のノードから区別可能な態様で表示されてもよい。例えば、更新されたノードが、他のノードと異なる色、形状、又は、サイズで表示されてもよいし、更新されたノードが点滅して見えるように表示されてもよい。
【0132】
そのような変形例において、例えば、いずれかのユーザのユーザ端末装置13から管理システム11が新たな寄付依頼情報を受信した場合、任意のユーザのユーザ端末装置、又は、影響テーブル(
図4)に格納されている木構造データにより寄付依頼情報の送信元のユーザ端末装置13を使用するユーザ(寄付主体)と関係があることが示されるユーザのユーザ端末装置に、管理システム11が、木構造データが示す人の関係を示すグラフであって、寄付主体のノードを他のノードから区別可能な態様(例えば、他のノードと異なる色、形状、又は、サイズ、もしくは、点滅等)で表示するグラフを表す画像データを送信してもよい。画像データを受信したユーザ端末装置13は、受信した画像データが表すグラフを表示する。その結果、ユーザは、新たな寄付が行われたことと、その寄付を行った寄付主体と自分との関係を、直観的に知ることができる。
【0133】
また、更新されたノードが、更新したタイミングからの経過時間に応じて変化する態様で表示されてもよい。例えば、更新されたタイミングからの経過時間に応じて、更新されたノードの色が徐々に変化するように表示されてもよいし、更新されたノードの形状が徐々に変化するように表示されてもよいし、更新されたノードのサイズが徐々に小さくなるように表示されてもよい。
【0134】
また、新たに行われた寄付に動機付主体が伴う場合、すなわち、ペイフォワードの寄付が行われた場合、その動機付主体のノードから寄付主体のノードに向かうエッジ(枝)が他のエッジから区別可能な態様で表示されてもよい。
【0135】
また、バトンツリーに含まれる各ノードの表示態様が、そのノードに対応するユーザの属性や、そのノードに対応するユーザが行った寄付の属性に応じて変化してもよい。例えば、ユーザが新たに寄付を行った場合、そのユーザのノードの色が、その寄付の被寄付主体の活動分野(被寄付主体テーブル(
図2)の属性情報が示す活動分野)に応じた色に変化してもよい。また、ユーザが新たに寄付を行った場合、そのユーザのノードの大きさが、その寄付の金額に応じた大きさに変化してもよい。
【0136】
また、バトンツリーが表示される画面は、
図18に示した木構造グラフ表示画面に限られない。例えば、トップ画面にバトンツリーが表示されてもよい。
【0137】
(7)管理システム11が、影響テーブル(
図4)に格納される木構造データを用いて、木構造を表すグラフ(バトンツリー)とは異なる種類の画像を生成し、生成した画像を表す画像データをユーザ端末装置13に送信してもよい。
【0138】
例えば、木構造データが示す木構造にノードとして含まれるユーザの数に応じてサイズが変化する画像や、それらのユーザの属性(寄付主体テーブル(
図3)の「属性情報」欄に格納されているデータが示す属性)に応じて変化する画像を表す画像データが管理システム11からユーザ端末装置13に送信され、ユーザ端末装置13においてその画像データが表す画像が表示されてもよい。
【0139】
また、いずれかのユーザのユーザ端末装置13から管理システム11が新たな寄付依頼情報を受信した場合、管理システム11が、その新たな寄付依頼情報に含まれる寄付主体識別情報により識別される寄付主体とは異なるユーザが使用するユーザ端末装置に、木構造データが示す当該寄付主体と当該ユーザとの関係に応じて変化する画像を表す画像データを送信してもよい。
【0140】
図20は、そのような変形例にかかるシステム1において、ユーザ端末装置13により表示される画像の一例である。
図20の画像には、この画像を表示するユーザ端末装置13のユーザに応じた点から放射状に伸びる複数線分が描かれている。そして、ごく最近(例えば、直近過去の10分以内)に寄付を行ったユーザに応じた線分の先端の円が、他の円とは異なる態様(異なる色等)で表示される。そして、それらの円は、寄付が行われた時刻からの経過時間が長くなる程、他の円との差異が少なくなるように、表示態様が変化する。
図20の例では、例えば、円D1及び円D2が、他の円とは異なる色で表示されている。そして、円D1及び円D2の色は、この後、徐々に他の円の色に近づくように変化する。
【0141】
図20の画像に含まれる線分の長さは、中心に応じたユーザとの関係性における距離に応じた長さとなっている。例えば、影響テーブル(
図4)に格納される木構造データが示すユーザのノード間の枝の数が多い程、それらのユーザの関係性における距離は長い。例えば、円D1に応じた寄付主体は、円D2に応じた寄付主体より、この画像を表示しているユーザ端末装置13のユーザと近い関係性を有していることが分かる。
【0142】
上述のように、
図20の画像の中心から放射状に延びる線分の数や長さは、この画像を表示するユーザ端末装置13のユーザに応じて変化する。また、新たな寄付が行われた場合、いずれかの円が他の円と異なる態様で表示されるか否か、また、異なる態様で表示される場合、どの円が異なる態様で表示されるかも、この画像を表示するユーザ端末装置13のユーザに応じて変化する。
【0143】
図20の画像により、ユーザは自分に関係のある誰かが新たな寄付を行ったことや、その寄付を行った寄付主体が自分とどれだけ近い関係性のユーザであるか、を直観的に知ることができる。
【0144】
なお、
図20の画像は木構造データを用いて生成される画像の一例であって、木構造データを用いて生成された他の形式の画像がユーザ端末装置13により表示されてもよい。例えば、ユーザ間の関係性の大小に応じて大きさの異なるマークを表示する画像や、ユーザ間の関係の種類(紹介かペイフォワードか、等)に応じて異なる形状のマークや異なる色の線分を表示する画像等が採用されてもよい。
【0145】
(8)寄付主体が動機付主体に動機付けられて寄付を行う場合に、寄付主体が被寄付主体を選択する際に、動機付主体が推薦する被寄付主体の情報が寄付主体に提示されてもよい。例えば、寄付主体のユーザ端末装置13は、被寄付主体検索画面(
図8)を表示する際、領域A5に、寄付主体が動機付入力画面(
図6)において入力した動機付主体の推薦する被寄付主体の情報(推薦被寄付主体情報)を表示する。動機付主体の推薦する被寄付主体とは、寄付主体テーブル(
図3)に含まれる、動機付主体のレコードの「推薦被寄付主体識別情報」欄に格納されている推薦被寄付主体識別情報により識別される被寄付主体である。
【0146】
この変形例によれば、寄付主体は、動機付主体に感謝等を示すために、動機付主体が推薦する被寄付主体に対する寄付を行うことができる。
【符号の説明】
【0147】
1…システム、11…管理システム、12…被寄付主体サーバ装置、13…ユーザ端末装置、14…決済サーバ装置。