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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179346
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】クランプ
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/08 20060101AFI20231212BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20231212BHJP
   F16L 33/04 20060101ALI20231212BHJP
   F02M 35/10 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
F16B2/08 H
F16B7/04 301B
F16L33/04
F02M35/10 101K
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172685
(22)【出願日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0069077
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】522422609
【氏名又は名称】トン-ア、メタル、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DONG-A METAL CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ヨンソク
(72)【発明者】
【氏名】ソ、ヨンギョ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ハンイル
【テーマコード(参考)】
3H017
3J022
3J039
【Fターム(参考)】
3H017FA01
3J022EA34
3J022EB12
3J022EC17
3J022FB04
3J022FB07
3J022FB12
3J022GA03
3J022GA12
3J022GB43
3J022GB45
3J022GB53
3J039AA01
3J039BB01
3J039CA04
(57)【要約】
【課題】クランプを提供する。
【解決手段】本発明のクランプは、ホースなどの円形部品(3)を包み込む円形のバンド部(100)、ワッシャ部(300)、ナット部(200)、並びに、ボルト(400)締め時のバンド部(100)の変形を防止する連結部(500)及び支持部(600)が単一部品として一体に形成されたクランプであって、個別部品の減縮を介してコスト削減、重量減少及び紛失リスクを減らすことができ、ボルト(400)の回転によって締め作業を行うときにクランプ(1)が回転する品質問題を改善することができるように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の円形部品を包み込む円形のバンド部;
前記バンド部の両端に一体に形成されて外側に折り曲げられ、互いに対向するナット部とワッシャ部;及び
前記ナット部とワッシャ部を貫通し、回転の際にバンド部の直径を減少又は増加させるボルト;を含むことを特徴とする、クランプ。
【請求項2】
前記バンド部の一端から他端までバンド部の長手方向に沿って延び、バンド部を貫通する穿孔部が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のクランプ。
【請求項3】
前記ボルトの反対側に位置し、穿孔部を横切ってバンド部を連結し、ボルト締めの際に円形部品を包み込んだバンド部の固定力を強化させることにより、バンド部が押されることを防止する連結部をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載のクランプ。
【請求項4】
前記ボルトと連結部との間に位置し、穿孔部を横切ってバンド部を連結し、ボルト締め時のトルクによるバンド部の変形を防止する多数の支持部をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載のクランプ。
【請求項5】
前記ワッシャ部がバンド部の内側から外側方向に穿孔部を貫通してナット部と対面することを特徴とする、請求項2に記載のクランプ。
【請求項6】
前記ナット部の一面には、ワッシャ部に向かう方向に補強部が突出するように形成され、
前記ボルトと締結されるねじ孔がナット部と補強部を貫通するように形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のクランプ。
【請求項7】
前記ボルトの端部には、ボルトのねじ山よりも直径の小さい延長部が形成され、
前記ワッシャ部には、延長部が貫通するワッシャ孔が形成され、
前記延長部の先端には、ワッシャ孔よりも直径の大きいヘッド部が形成されることにより、ワッシャ孔からのボルトの抜け落ちが防止されることを特徴とする、請求項6に記載のクランプ。
【請求項8】
前記ワッシャ孔は、ワッシャ部の長手方向に沿って延びた楕円状に形成され、
前記ボルト締めの際にナット部とワッシャ部との間隔が離れるように移動するときに楕円状のワッシャ孔に沿ってボルトの延長部が移動することにより、バンド部の内側が円形部品の外側を円周方向に沿って円形に接触して締結できるようにすることを特徴とする、請求項7に記載のクランプ。
【請求項9】
前記ボルトがねじ孔とワッシャ孔を一緒に貫通した状態であるとき、ボルトのセンターとバンド部の一側との第1間隔と、ボルトのセンターとバンド部の他側との第2間隔とは互いに異なることを特徴とする、請求項7に記載のクランプ。
【請求項10】
前記第1間隔はボルトのセンターからのボルト締め時の回転方向側の間隔であり、前記第2間隔はボルトのセンターからのボルト緩め時の回転方向側の間隔であり、
前記第1間隔が前記第2間隔よりもさらに大きく形成されることにより、ボルト締め時のトルクによってバンド部の端部が撓むことを防止することができることを特徴とする、請求項9に記載のクランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両で使用される各種のホース及びパイプを固定させるためのクランプに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の吸気システムには空気移動のためのホースが使用され、吸気システムで使用されるホースを固定させるために多数のクランプが使用されている。
クランプは、ホースを固定することが容易でなければならず、エアクリーナーを通過したクリーンな空気がエンジンに十分に伝達できるようにホースの気密を維持することができる締結力を保有していなければならない。
【0003】
従来のクランプは、円形のバンド、ワッシャ及びナットなどが個別に構成されて互いに組み立てられた構成であって、部品数が多いためコストが高いという欠点があり、個別部品の紛失リスクがあり、特に工具を用いたボルトの回転によってクランプを締め付ける作業を行う際にバンド部が容易に変形して締結力が弱くなるという欠点があり、バンド部の変形発生により再使用が不可能であるという欠点がある。
【0004】
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進するためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならないだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2012-0086161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ホースなどの円形部品を包み込む円形のバンド部、ワッシャ部、ナット部、及び、ボルト締め時のバンド部の変形を防止する連結部などが単一部品として一体に形成されたクランプであって、個別部品の減縮(個別部品数の低減および個別部品の小型化)を介してコスト削減、重量減少及び紛失リスクを減らすことができ、特に工具を用いたボルトの回転によって締め作業を行うときにバンド部の変形を最大限に抑えることができることにより、締結力に対する品質改善及び再使用を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明のクランプは、車両の円形部品を包み込む円形のバンド部;前記バンド部の両端に一体に形成されて外側に折り曲げられ、互いに対向するナット部とワッシャ部;及び前記ナット部とワッシャ部を貫通し、回転の際にバンド部の直径を減少又は増加させるボルトを含むことを特徴とする。
【0008】
前記バンド部の一端から他端までバンド部の長手方向に沿って延び、バンド部を貫通する穿孔部が形成されたことを特徴とする。
【0009】
前記ボルトの反対側に位置し、穿孔部を横切ってバンド部を連結し、ボルト締めの際に円形部品を包み込んだバンド部の固定力を強化させることにより、バンド部が押されることを防止する連結部をさらに含むことを特徴とする。
【0010】
前記ボルトと連結部との間に位置し、穿孔部を横切ってバンド部を連結し、ボルト締め時のトルクによるバンド部の変形を防止する多数の支持部をさらに含むことを特徴とする。
【0011】
前記ワッシャ部がバンド部の内側から外側方向に穿孔部を貫通してナット部と対面することを特徴とする。
【0012】
前記ナット部の一面には、ワッシャ部に向かう方向に補強部が突出するように形成され、前記ボルトと締結されるねじ孔がナット部と補強部を貫通するように形成されたことを特徴とする。
【0013】
前記ボルトの端部には、ボルトのねじ山よりも直径の小さい延長部が形成され、前記ワッシャ部には、延長部が貫通するワッシャ孔が形成され、前記延長部の先端には、ワッシャ孔よりも直径の大きいヘッド部が形成されることにより、ワッシャ孔からのボルトの抜け落ちが防止されることを特徴とする。
【0014】
前記ワッシャ孔は、ワッシャ部の長手方向に沿って延びた楕円状に形成され、前記ボルト締めの際にナット部とワッシャ部との間隔が離れるように移動するときに楕円状のワッシャ孔に沿ってボルトの延長部が移動することにより、バンド部の内側が円形部品の外側を円周方向に沿って円形に接触して締結できるようにすることを特徴とする。
【0015】
前記ボルトがねじ孔とワッシャ孔を一緒に貫通した状態であるとき、ボルトのセンターとバンド部の一側との第1間隔と、ボルトのセンターとバンド部の他側との第2間隔とは互いに異なることを特徴とする。
【0016】
前記第1間隔はボルトのセンターからのボルト締め時の回転方向側の間隔であり、前記第2間隔はボルトのセンターからのボルト緩め時の回転方向側の間隔であり、前記第1間隔が前記第2間隔よりもさらに大きく形成されることにより、ボルト締め時のトルクによってバンド部の端部が撓むことを防止することができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるクランプは、ホースなどの円形部品を包み込む円形のバンド部、ワッシャ部、ナット部、並びに、ボルト締め時のバンド部の変形を防止する連結部及び支持部が単一部品として一体に形成された構成であって、個別部品の減縮(個別部品数の低減および個別部品の小型化)を介してコスト削減、重量減少及び紛失リスクを減らすことができ、特に工具を用いたボルトの回転で締め作業を行うときにバンド部の変形を最大限に抑えることができることにより、締結力に対する品質改善及び再使用が可能であるという効果がある。
【0018】
また、本発明によるクランプは、バンド部と連結部とが一体型となっており、ボルトの回転で締め作業を行う際にクランプが回転する品質問題を改善することができるという効果がある。
【0019】
また、本発明によるクランプは、ワイヤークランプに比べて外観が改善され、エンジンルームの美化及び消費者満足感を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明によるクランプが車両の円形部品に締結された状態を示す図である。
図2】本発明によるクランプの斜視図である。
図3図2の右側面図である。
図4図3における、ボルトが締結された部位の拡大図である。
図5図4の右側面図である。
図6図3の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書又は出願に開示されている本発明の実施形態に対して、特定の構造的又は機能的説明は単に本発明による実施形態を説明するために例示されたものに過ぎず、本発明による実施形態は、様々な形態で実施でき、本明細書又は出願に説明された実施形態に限定されるものではない。
【0022】
本発明による実施形態は、多様な変更を加えることができ、種々の形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に例示して本明細書又は出願に詳細に説明する。しかし、これは、本発明の概念による実施形態を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物又は代替物を含むと理解されるべきである。
【0023】
「第1」、「第2」等の用語は多様な構成要素の説明に使用できるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。例えば、本発明の概念による権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名でき、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名できる。
【0024】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる或いは「接続されて」いるとしたときには、該他の構成要素に直接連結又は接続されていることも意味するが、それらの間に別の構成要素が介在する場合も含むと理解されるべきである。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる或いは「直接接続されて」いるとしたときには、それらの間に別の構成要素が介在しないと理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち「~間に」と「すぐに~間に」又は「~に隣り合う」と「~に直接隣り合う」等も同様に解釈されるべきである。
【0025】
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、説示された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0026】
また、別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含んで、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上において有する意味と一致する意味であると解釈されるべきであり、本明細書において明白に定義しない限りは、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0027】
本発明の例示的な実施形態による制御部(制御器)は、車両の様々な構成要素の動作を制御するように構成されたアルゴリズム、又は前記アルゴリズムを再生するソフトウェア命令語に関するデータを記憶するように構成された不揮発性メモリ(図示せず)、及び当該メモリに記憶されたデータを用いて、以下に説明される動作を実行するように構成されたプロセッサ(図示せず)によって実現できる。ここで、メモリ及びプロセッサは個別チップで実現できる。代案的には、メモリ及びプロセッサは、互いに統合された単一チップで実現できる。プロセッサは、1つ以上のプロセッサの形態を取ることができる。
【0028】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態によるクランプについて説明する。
【0029】
図1図6に示すように、本発明によるクランプ1は、車両の円形部品3に締結されて円形部品3の位置を固定し、円形部品3の気密を維持する役割を果たす。
【0030】
車両の吸気システムには、空気移動のためのホース(hose)が使用され、吸気システムで使用されるホースを固定させるために多数のクランプ1が使用されるので、円形部品3は、吸気システムに使用されるホースになることができる。
【0031】
また、車両エンジンの冷却系又はオイル系で流体が通過するホース及びパイプが車両の円形部品3に該当することもできる。
【0032】
本発明によるクランプ1は、図示の如く、車両の円形部品3を包み込む円形のバンド部100;前記バンド部100の両端に一体に形成されて外側に折り曲げられ、互いに対向するナット部200とワッシャ部300;及び前記ナット部200とワッシャ部300を貫通し、回転の際にバンド部100の直径を減少又は増加させるボルト400;を含む。
【0033】
バンド部100は、車両のホースなどの円形部品3の外面を円周方向に包み込んで締め付けることにより、円形部品3を固定させる役割を果たし、バンド部100の結合力で、円形部品3を通過する空気又はオイルの漏れを防止することができるように円形部品3の気密を維持する役割を果たす。
【0034】
従来のクランプは、バンド部と、ボルトが締結されるナット部及びワッシャ部が全て個別に構成されて互いに組み立てられる構成であって、個別部品が多くてコストが高く、特に紛失リスクがあるという欠点があった。
【0035】
これに反し、本発明によるクランプ1は、ボルト400が締結されるナット部200及びワッシャ部300がバンド部100の両端に一体に形成された構成であって、個別部品の減縮(個別部品数の低減および個別部品の小型化)を介してコスト削減、重量減少及び紛失リスクを減らすことができるという利点がある。
【0036】
本発明によるクランプ1は、バンド部100の一端から他端までバンド部100の長手方向に沿って延び、バンド部100を貫通する穿孔部110が形成される。
【0037】
穿孔部110は、バンド部100の重量を減らす役割を果たし、重量減少及びコスト削減を図ることができる。
【0038】
穿孔部が形成されていないバンド部は、幅の広い1枚のプレートとなるが、穿孔部110が形成されているバンド部100は、穿孔部110によって細長い2枚のプレートに分離される。
【0039】
幅の広い1枚のプレートよりも、細長い2枚のプレートは、円形部品3を包み込む締め付け力が一層優れており、これにより、穿孔部110が形成されているバンド部100は、クランプ1の結合力をより一層強化させることができる。
【0040】
本発明によるクランプ1は、ボルト400の反対側に位置し、穿孔部110を横切ってバンド部100を連結する連結部500をさらに含む。
【0041】
連結部500は、ボルト400の180度反対側でバンド部100を連結するように形成され、ボルト400を締め付けて円形部品3にクランプ1を固定するときに、円形部品3を包み込んだバンド部100の固定力を強化させてクランプ1の位置固定を容易にし、特に工具に力を与えてボルト400を回転させても、バンド部100が押されることを防止することができるようにする。
【0042】
本発明によるクランプ1は、ボルト400と連結部500との間に位置し、穿孔部110を横切ってバンド部100を連結する多数の支持部600をさらに含む。
【0043】
支持部600は、ボルト400を基準に時計方向に90度及び反時計方向に90度離隔した位置でそれぞれバンド部100を連結するように形成され、ボルト400を締めて円形部品3にクランプ1を固定するときに、ボルト400締め時のトルクによるバンド部100の変形を防止する役割を果たす。
【0044】
本発明によるクランプ1は、連結部500及び支持部600がバンド部100と一体に形成された構成であり、これにより、個別部品の減縮(個別部品数の低減および個別部品の小型化)を介してコスト削減、重量減少及び紛失リスクを低減することができるという利点がある。
【0045】
従来のクランプは連結部及び支持部に該当する部品がバンド部と個別に製作されて互いに組み立てられた構成であって、個別部品が多くてコストが高く、特に紛失リスクがあるという欠点があった。
【0046】
本発明によるクランプ1は、ワッシャ部300がバンド部100の内側から外側方向に穿孔部110を貫通してナット部200と同一方向に突出することにより、ナット部200と対面するように形成される。
【0047】
本発明によって、ナット部200の一面には、ワッシャ部300に向かう方向に補強部210が突出するように形成され、ボルト400と締結されるねじ孔220がナット部200と補強部210を貫通するように形成される。
【0048】
補強部210は、ナット部200の強度及び剛性を補強する役割を果たして、ボルト400締め時のトルクによるナット部200の変形を防止する役割を果たす。
【0049】
本発明によって、ボルト400の端部には、ボルト400のねじ山410よりも直径の小さい延長部420が形成され、ワッシャ部300には、延長部420が貫通するワッシャ孔310が形成され、延長部420の先端には、ワッシャ孔310よりも直径の大きいヘッド部430が形成され、ヘッド部430によってワッシャ孔310からボルト400の抜け落ちが防止される。
【0050】
ワッシャ部300に形成されたワッシャ孔310は、ワッシャ部300の長手方向に沿って延びる楕円状に形成される。
【0051】
すなわち、ワッシャ孔310は、図5の図示状態を基準に上下方向に延びた楕円状に形成される。
【0052】
クランプ1が締め付けられるようにボルト400が回転すると、すなわち、バンド部100の直径が減少するようにボルト400が回転すると、ナット部200とワッシャ部300は、相互間の間隔が次第に離れる。ナット部200とワッシャ部300との間隔が離れるほど、ナット部200とワッシャ部300とは次第に角度が変形して平行にならなくなる。
【0053】
ワッシャ孔310が楕円状ではなく、正円状に形成されると、角度が変形したナット部200及びワッシャ部300により、バンド部100は歪んだ円形に変形し、このような場合、バンド部100の内側が円形部品3の外側を円周方向に沿って円形に接触することができないため、一部の区間で浮き上がり現象が発生し、浮き上がり現象により締結力が弱くなることにより、クランプ1としての機能をまともに発揮することができないという問題が発生する。
【0054】
本発明による実施形態は、ワッシャ部300のワッシャ孔310を上下方向に延びた楕円状に形成することにより、ボルト400締めの際にナット部200とワッシャ部300との間隔が離れながら、ナット部200とワッシャ部300が、角度が変形するように歪む力を受けるとき、ボルト400の延長部420が楕円状のワッシャ孔310に沿って移動することができるようにした構成である。
【0055】
したがって、ボルト400の延長部420が楕円状のワッシャ孔310に沿って移動することにより、ナット部200とワッシャ部300は、角度が変形することなく常に平行を維持し、角度が変形していないナット部200及びワッシャ部300により、バンド部100は正円を維持することができ、バンド部100の内側は円形部品3の外側を円周方向に沿って円形に接触してクランプ1の機能をより一層強化させることができる。
【0056】
また、本発明によるクランプ1は、図6に示すように、ボルト400がねじ孔220とワッシャ孔310とを貫通した状態であるとき、ボルト400のセンターC1とバンド部100の一側との第1間隔L1と、ボルト400のセンターC1とバンド部の他側との第2間隔L2とは互いに異なることが特徴である。
【0057】
すなわち、第1間隔L1は、ボルト400のセンターC1からのボルト400締め時の回転方向R1側の間隔であり、第2間隔L2は、ボルト400のセンターC1からのボルト400緩め時の回転方向R2側の間隔であり、第1間隔L1が第2間隔L2よりもさらに大きく形成された構造が特徴である。
【0058】
工具を用いてボルト400を回転させてクランプ1が締め付けられるようにするとき、すなわち、ボルト400締めの際に、バンド部100の端部は、ボルト400締め時の回転方向R1にトルクが伝達され、図6の図示状態でボルト400のセンターC1を基準に右方向に大きな荷重を受ける。
【0059】
したがって、本発明による実施形態は、ボルト400のセンターC1を左側に偏心させて第1間隔L1が第2間隔L2よりもさらに大きくなるようにすることにより、ボルト400締め時のトルクによってバンド部100の端部が撓むことを防止することができるようにし、これによりクランプ1の歪み現象を防止してクランプ1の機能をより一層強化させることができるようにしたことが特徴である。
【0060】
バンド部100の端部はナット部200及びワッシャ部300の端部になることができる。
【0061】
以上説明したように、本発明によるクランプ1は、ホースなどの円形部品3を包み込む円形のバンド部100、ワッシャ部300及びナット部200、並びに、ボルト400締め時のバンド部100の変形を防止する連結部500及び支持部600が単一部品として一体に形成された構成であり、個別部品の減縮(個別部品数の低減および個別部品の小型化)を介してコスト削減、重量減少及び紛失リスクを低減することができ、特に工具を用いたボルト400の回転によって締め付け作業を行うときにバンド部100の変形を極力抑制することができることにより、締結力に対する品質改善及び再使用が可能であるという利点がある。
【0062】
また、本発明によるクランプ1は、バンド部100と連結部500とが一体型となっており、ボルト400の回転によって締め付け作業を行う際にクランプ1が回転する品質問題を改善することができるという利点がある。
【0063】
また、本発明によるクランプ1は、ワイヤークランプに比べて外観が改善され、エンジンルームの美化及び消費者満足感を向上させることができるという利点がある。
【0064】
本発明は、特定の実施形態に関連して図示及び説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想から逸脱することなく、本発明に様々な改良及び変更を加え得ることは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0065】
1 クランプ
3 円形部品
100 バンド部
110 穿孔部
200 ナット部
210 補強部
220 ねじ孔
300 ワッシャ部
310 ワッシャ孔
400 ボルト
410 ねじ山
420 延長部
430 ヘッド部
500 連結部
600 支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6