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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179351
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】タレット台
(51)【国際特許分類】
   B23B 29/24 20060101AFI20231212BHJP
   B23C 3/12 20060101ALI20231212BHJP
   B23P 17/00 20060101ALI20231212BHJP
   B23P 23/02 20060101ALI20231212BHJP
   B23Q 5/06 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
B23B29/24 D
B23C3/12 B
B23P17/00 A
B23B29/24 A
B23P23/02 Z
B23Q5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024384
(22)【出願日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】P 2022092492
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000132161
【氏名又は名称】株式会社スギノマシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 陽一
(72)【発明者】
【氏名】晴▲まき▼ 大樹
【テーマコード(参考)】
3C022
3C046
【Fターム(参考)】
3C022DD08
3C046NN03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】液体を噴射するノズルを有するタレットに、高回転できる除去工具を付加する。
【解決手段】タレット台11は、タレット台本体13に回転可能に配置され、除去工具55を取り付け可能な第1工具取付部15aと、ノズル35を取り付け可能な第2工具取付部15bとを有するタレット15と、圧縮空気源75と、タレット台本体13に配置され、第1工具取付部15aが加工位置5にあるときに、圧縮空気源75と第1工具取付部15aとを接続する空気接続装置60と、工具筐体45と、工具筐体45に配置され、空気接続装置60を介して圧縮空気源75から供給された圧縮空気により回転するモータと、モータと接続される第1主軸51と、を有するエア工具40と、加圧した液体を供給し、タレット15を介して、第2工具取付部15bに回転可能に支持されたノズル35に接続される加圧液体源25と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タレット台本体と、
前記タレット台本体に回転可能に配置されるタレットであって、
除去工具を取り付け可能な第1工具取付部と、
ノズルを取り付け可能な第2工具取付部と、
を有するタレットと、
圧縮空気を供給する圧縮空気源と、
前記タレット台本体に配置される空気接続装置であって、前記第1工具取付部が加工位置にあるときに、前記圧縮空気源と前記第1工具取付部とを接続する空気接続装置と、
前記第1工具取付部に配置されたエア工具であって、
工具筐体と、
前記工具筐体に配置され、前記空気接続装置を介して前記圧縮空気源から供給された前記圧縮空気により回転するモータと、
前記工具筐体に回転可能に支持され、前記モータと接続される第1主軸と、
を有する、エア工具と、
加圧した液体を供給する加圧液体源であって、前記タレットを介して、前記第2工具取付部に回転可能に支持されたノズルに接続される加圧液体源と、
を有する、タレット台。
【請求項2】
前記第1主軸と前記工具筐体とは、前記モータを回転させた前記圧縮空気をパージする隙間を有して配置される、
請求項1に記載のタレット台。
【請求項3】
前記タレットの内部に配置されたノズル回転軸であって、前記加工位置にある前記第2工具取付部に向かう端部に第1回転接続部を有するノズル回転軸と、
前記ノズルを結合可能で、前記第2工具取付部に回転可能に支持される第2主軸であって、前記第2工具取付部が前記加工位置にあるときに前記第1回転接続部と接続される第2回転接続部を有する第2主軸と、
を有する、請求項1又は2に記載のタレット台。
【請求項4】
前記空気接続装置は、
前記圧縮空気源と接続されるシリンダ室を有し、前記加工位置と異なる位置に設置された接続ボディと、
前記シリンダ室内を往復可能に配置されるピストンと、
前記ピストンから前記タレット側に延びるロッドと、
前記ロッドの先端部に配置された第1空気接続部と、
前記ロッドと前記ピストンを貫通するピストン流路と、
前記接続ボディに配置され、前記ロッドを縮める方向に前記ピストンを付勢する弾性体と、
前記タレットに配置される第2空気接続部であって、前記第1工具取付部が前記加工位置に位置し、かつ、前記シリンダ室に前記圧縮空気が供給されたとき、前記第1空気接続部と接続される第2空気接続部と、
前記第2空気接続部と前記第1工具取付部とを接続するタレット給気路と、
を有する、請求項1~3のいずれかに記載のタレット台。
【請求項5】
前記第1工具取付部から前記圧縮空気を排出する排気部を更に有し、
前記空気接続装置は、
前記ロッドの先端部に配置された連結板と、
前記連結板に配置され、前記排気部と接続される第3空気接続部と、
前記タレットに配置される第4空気接続部であって、前記第1空気接続部が前記第2空気接続部と接続したときに、前記第3空気接続部と接続され、前記第1空気接続部が前記第2空気接続部と離間したときに、前記第3空気接続部と離間する第4空気接続部と、
前記第1工具取付部と前記第4空気接続部とを接続するタレット排気路と、
を更に有する、請求項4に記載のタレット台。
【請求項6】
1つの接続ボディと、
複数の前記第1工具取付部と、
前記第1工具取付部にそれぞれ接続した複数の前記第2空気接続部と、
を有する、請求項4又は5に記載のタレット台。
【請求項7】
前記第1工具取付部に配置され、前記タレットの内部と前記エア工具を接続するパージ流路と、
前記第1工具取付部に回転可能に配置されたパージ弁であって、
前記第1工具取付部が前記加工位置にあるときに、前記第1回転接続部と接続される第2回転接続部を有し、
前記ノズル回転軸の回転により、前記第1工具取付部が前記加工位置にあるときに、前記パージ流路を閉じ、前記第1工具取付部が前記加工位置にないときに、前記パージ流路を開ける、パージ弁と、
を有する、請求項3に記載のタレット台。
【請求項8】
前記タレットの内部に配置されるレールであって、前記第1工具取付部が前記加工位置にないときに、前記前記第2回転接続部を支持して、前記パージ弁の回転位相を保持するレールを更に有する、
請求項7に記載のタレット台。
【請求項9】
前記第1工具取付部に配置され、前記タレットの内部と前記エア工具を接続するパージ流路と、
前記パージ流路に配置され、前記第1工具取付部が加工位置にあるときに閉じ、前記第1工具取付部が前記加工位置にないときに開く、パージ弁を更に有する、
請求項1~3のいずれかに記載のタレット台。
【請求項10】
前記空気接続装置は、
前記圧縮空気源と接続されるシリンダ室を有し、前記加工位置と同じ位置に設置された接続ボディと、
前記シリンダ室内を往復可能に配置されるピストンと、
前記ピストンから前記タレット側に延びるロッドと、
前記ロッドの先端部に配置された第1空気接続部と、
前記ロッドと前記ピストンを貫通するピストン流路と、
前記接続ボディに配置され、前記ロッドを縮める方向に前記ピストンを付勢する弾性体と、
前記タレットに配置される第2空気接続部であって、前記第1工具取付部が前記加工位置に位置し、かつ、前記シリンダ室に前記圧縮空気が供給されたとき、前記第1空気接続部と接続される第2空気接続部と、
前記第2空気接続部と前記第1工具取付部とを接続するタレット給気路と、
を更に有する、
請求項1又は2に記載のタレット台。
【請求項11】
前記タレットは、前記乾燥空気を噴出するエアブローノズルを取り付け可能な第3工具取付部を有し、
前記タレット台は、
乾燥空気を供給する乾燥空気源と、
前記タレットの内部に配置されたノズル回転軸であって、前記加工位置にある前記第3工具取付部に向かう端部に第1回転接続部を有するノズル回転軸と、
前記エアブローノズルを結合可能で、前記第3工具取付部に回転可能に支持される第3主軸であって、前記第3工具取付部が前記加工位置にあるときに前記第1回転接続部と接続される第3回転接続部を有する第3主軸と、
を更に有し、
前記空気接続装置は、
前記ロッドの先端部に配置された連結板と、
前記連結板に配置され、前記乾燥空気源と接続される第5空気接続部と、
前記第3工具取付部に配置される第6空気接続部であって、前記第3工具取付部が前記加工位置に位置し、かつ、前記シリンダ室に前記圧縮空気が供給されたときに、前記第5空気接続部と接続される第6空気接続部と、
前記第3主軸と前記第6空気接続部とを接続するタレット乾燥空気路と、
を更に有する、
請求項10に記載のタレット台。
【請求項12】
前記接続ボディは、前記ロッドと平行に延びる乾燥空気流入室を有し、
前記空気接続装置は、前記第5空気接続部と接続され、前記連結板から前記ロッドと平行に延びて、前記空気流入室内を往復可能に配置される乾燥空気接続管を更に有する、
請求項11に記載のタレット台。
【請求項13】
前記第1工具取付部から前記圧縮空気を排出する排気部を更に有し、
前記空気接続装置は、
前記連結板に配置され、前記排気部と接続される第3空気接続部と、
前記タレットに配置される第4空気接続部であって、前記第1工具取付部が前記加工位置に位置し、かつ、前記第1空気接続部が前記第2空気接続部と接続したときに、前記第3空気接続部と接続され、前記第1空気接続部が前記第2空気接続部と離間したときに、前記第3空気接続部と離間する第4空気接続部と、
前記第1工具取付部と前記第4空気接続部とを接続するタレット排気路と、
を更に有する、請求項11に記載のタレット台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タレット台に関する。
【背景技術】
【0002】
クイルに固定されたセンターポストに旋回自在に軸支されたタレットヘッドと、洗浄工具に洗浄液を供給する洗浄液供給流路と、洗浄工具を回転させるスピンドル駆動装置と、タレットヘッドを旋回させるタレット駆動装置と、を有するタレット装置が提案されている(特許第5432943号)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高圧噴射のみではバリを根元まで除去できない場合がある。この場合に、高圧噴射に加えて回転する除去工具によるバリ取りを実施することがある。除去工具によるバリ取りでは、除去工具をノズルに比較して高い回転速度で回転させることが望ましい。
本発明は、液体を噴射するノズルを有するタレットに、高回転できる除去工具を付加することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の観点は、
タレット台本体と、
前記タレット台本体に回転可能に配置されるタレットであって、
除去工具を取り付け可能な第1工具取付部と、
ノズルを取り付け可能な第2工具取付部と、
を有するタレットと、
圧縮空気を供給する圧縮空気源と、
前記タレット台本体に配置される空気接続装置であって、前記第1工具取付部が加工位置にあるときに、前記圧縮空気源と前記第1工具取付部とを接続する空気接続装置と、
前記第1工具取付部に配置されたエア工具であって、
工具筐体と、
前記工具筐体に配置され、前記空気接続装置を介して前記圧縮空気源から供給された前記圧縮空気により回転するモータと、
前記工具筐体に回転可能に支持され、前記モータと接続される第1主軸と、
を有する、エア工具と、
加圧した液体を供給する加圧液体源であって、前記タレットを介して、前記第2工具取付部に回転可能に支持されたノズルに接続される加圧液体源と、
を有する、タレット台である。
【0005】
加圧液体は、例えば、洗浄液やクーラントである。加圧液体は、例えば、油性液体、水系液体でもよい。加圧液体の圧力は、例えば、1MPa~100MPaである。加圧液体源は、例えば、液体ポンプ、液体接続口である。
【0006】
除去工具は、例えば、ドリル、リーマ、超硬ロータリーバー、研磨砥石、ブラシである。ノズルは、例えば、直進噴射ノズル、横型噴射ノズル、ランスである。
【0007】
圧縮空気源は、例えば、コンプレッサや、圧縮空気供給口である。圧縮空気供給口は、例えば、外部のコンプレッサと接続される。圧縮空気源は、パージエアや作動エアとして圧縮空気をタレット台に供給する。
【0008】
1つの接続ボディと、複数の第1工具取付部と、第1工具取付部にそれぞれ接続した複数の第2空気接続部の組合せは、
空気接続装置であって、
ロッドの先端部に配置された連結板と、
連結板に配置され、排気部と接続される第3空気接続部と、
タレットに配置される第4空気接続部であって、第1空気接続部が第2空気接続部と接続したときに、第3空気接続部と接続され、第1空気接続部が第2空気接続部と離間したときに、第3空気接続部と離間する第4空気接続部と、
第1工具取付部と第4空気接続部とを接続するタレット排気路と、を有する空気接続装置と組み合わせても良い。
ここで、複数の第2空気接続部は、互いに結合しても良い。互いに結合した複数の第2空気接続部は、円板状でも良い。円板状の第2空気接続部は、タレットの径方向外側に配置されて良い。
【0009】
接続装置は、連結板をピストンの往復方向に案内するガイドを有して良い。ガイドは、例えば、ガイドブッシュと、ガイドブッシュを往復するシャフトである。ガイドは、例えば、直動ガイドでも良い。複数のピストン及びロッドが配置されたときは、ロッドが連結板を案内しても良い。
【0010】
第2空気接続部や第3空気接続部は、圧縮空気をリークしない構造を有しても良い。例えば、第2空気接続部や第3空気接続部は、逆止弁を有して良い。
【0011】
タレット台は、第2工具取付部に配置された主軸支持台と、主軸支持台に回転可能に支持された第2主軸と、主軸支持台と第2主軸との間に配置された環状流路と、加圧液体源と環状流路とを接続する上流側流路と、第2主軸の内部に配置され、環状流路とノズルとを接続する下流側流路とを有して良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、液体を噴射するノズルを有するタレットに、高回転できる除去工具を付加できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1のタレット台を有するバリ取り機
図2】実施形態1のタレット台の縦断面図
図3】実施形態1のリーク弁の組立図
図4A図2のIV部拡大図
図4B】除去工具を取り外した状態における、図2のIV部拡大図
図5図2のV-V線断面図
図6図5のVI-VI線断面図
図7】実施形態2のタレット台の斜視図
図8図7のVIII面による断面図
図9】実施形態2のタレット台の斜視図
図10図9のX-X面による断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態のバリ取り機10は、タレット台11と、ワーク4を設置されるテーブル3と、を有する。タレット台11は、テーブル3に対して相対的に、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)、および上下方向(Z軸)に自在に移動する。タレット台11は、タレット台本体13と、タレット15と、ポンプ(加圧液体源)25と、エア工具40と、空気接続装置60と、圧縮空気源75と、排気部93と、を有する。タレット台11は、ノズル35を有してもよい。エア工具40は、主軸(第1主軸)51と、除去工具55と、を有する。
【0015】
タレット15は、複数の第1工具取付部15aと、複数の第2工具取付部15bと、を有する。本実施形態では、第1工具取付部15aと第2工具取付部15bとは、交互に配置される。本実施形態では、第1工具取付部15aと第2工具取付部15bの総数が6つである。そのため、3つの第1工具取付部15aと、3つの第2工具取付部15bとが、それぞれ、120度の中心角で配置される。
タレット15は、タレット回転軸1を中心に回転する。エア工具40やノズル35は、タレット15から放射状に延びる。タレット15から下方へ延びる位置を加工位置5とする。加工位置5にある第1又は第2工具取付部15a、15bに装着された除去工具55や、ノズル35は、主軸中心軸2を中心に回転する。
【0016】
圧縮空気源75は、タレット台11に圧縮空気を供給する。圧縮空気源75は、作動エアやパージエアを、タレット台11の内部に供給する。
【0017】
図2は、タレット台11をタレット回転軸1及び主軸中心軸2を通る平面で切断した縦断面図である。図2では、タレット台本体13やタレット15の内部は省略されている。
図2に示すように、タレット台11は、ノズル回転軸17と、レール23と、タレット弁27と、回転マニホールド19と、複数の分岐配管26と、を有する。タレット弁27は、第2工具取付部15bにそれぞれ配置される。
【0018】
ノズル回転軸17は、主軸中心軸2を中心に回転可能に、タレット台本体13に支持される。ノズル回転軸17は、下方端にキー溝(第1回転接続部)17aを有する。キー溝17aは、主軸中心軸2と垂直に延びる。
【0019】
レール23は、キーすべり面23aと、切り欠き23bと、を有する。レール23は、タレット回転軸1を中心に、主軸中心軸2に対して、タレット台11の先端側(図2では左側)に配置される。レール23は、円環状である。キーすべり面23aは、タレット台11の基端側(図2では右側)に位置するレール23の端面である。キーすべり面23aは、タレット回転軸1に垂直な平面である。切り欠き23bは、半円筒状であり、主軸中心軸2を中心に配置される。ノズル回転軸17は、切り欠き23bを通って配置される。
【0020】
回転マニホールド19は、タレット15の先端部に配置される。分岐配管26は、回転マニホールド19とタレット弁27とを介して、ポンプ25と第2工具取付部15bとを接続する。
【0021】
タレット台11は、主軸支持台29と、第2主軸33と、軸受31と、を有する。
主軸支持台29は、第2工具取付部15bに配置される。主軸支持台29は、ボディ29aと、上流側液体流路29bと、環状流路29cと、を有する。ボディ29aは、中空円筒状であり、主軸中心軸2を中心に延びる。環状流路29cは、ボディ29aの内部の中央部に配置される。上流側液体流路29bは、分岐配管26と、環状流路29cとを接続する。
【0022】
第2主軸33は、軸受31を介して、主軸支持台29の内部に支持される。第2主軸33は、軸部33aと、フランジ33bと、主軸流路33cと、キー(第2回転接続部)21と、を有する。軸部33aは、ボディ29aの内面に摺動し、環状流路29cと接する。フランジ33bは、軸部33aの先端面に配置される。主軸流路33cは、第2主軸33の内部に配置され、環状流路29cとフランジ33bを接続する。
【0023】
キー21は、軸部33aの基端部に配置される。第2工具取付部15bが加工位置5にあるとき、キー21は、キー溝17aに噛み合い、ノズル回転軸17の回転を第2主軸33に伝達する。タレット15が回転するとき、ノズル回転軸17の角度は、主軸原点6に位置決めされる。ここで、主軸原点6は、キー21とキー溝17aが、キーすべり面23aと平行になる角度である。そして、タレット15が回転し、第2工具取付部15bが加工位置5にないとき、キー21の側面がキーすべり面23aに案内されて、キー21は、第2主軸33が回転することを抑制する。
【0024】
ノズル35は、例えば、直進噴射ノズル、ランス、横向き噴射ノズルである。ノズル35は、フランジ33bに締結される。ノズル35は、主軸流路33cと接続される。
【0025】
図2に示すように、タレット台11は、工具支持台39と、パージ弁41と、を有する。工具支持台39は、ボディ39aと、給気室39bと、排気室39cと、を有する。ボディ39aは、直円筒状で、主軸中心軸2に沿って延びる。給気室39bは、直円筒状である。給気室39bは、工具支持台39の基端側(図2では上方)に、主軸中心軸2に沿って延びる。排気室39cは、円環状であり、給気室39bの先端側(図2では下方)に配置される。例えば、排気室39cは、矩形の横断面を有する。
【0026】
パージ弁41は、工具支持台39の基端部(図2では上方端)に配置される。図2および図3に示すように、パージ弁41は、キー21と、弁シート42と、弁体43と、軸受44とを有する。
弁シート42は、シート42bと、少なくとも1つのパージ流路42aと、を有する。シート42bは、主軸中心軸2に垂直な平板である。パージ流路42aは、主軸中心軸2に平行に延びて、シート42bを貫通する。
【0027】
弁体43は、プレート弁43aと、軸部43bと、パージ流路43cと、を有する。プレート弁43aは、主軸中心軸2に垂直な円板である。プレート弁43aは、弁シート42の内面で、回転方向に摺動する。軸部43bは、プレート弁43aから、主軸中心軸2に沿ってタレット15の中心部(図2図3では上方)に向かって延びる。パージ流路43cは、主軸中心軸2に平行に延びて、プレート弁43a及び軸部43bを貫通する。弁体43が主軸原点6にあるとき、パージ流路43cは、パージ流路42aと接続される。
【0028】
軸受44は、工具支持台39の基端部(図2図3では上端)に配置される。軸受44は、軸部43bを支持する。
キー21は、軸部43bの基端部(図2図3では上端)に配置される。キー21は、弁体43と一体に回転する。
【0029】
図2に示すように、ノズル回転軸17が主軸原点6にあるときに、パージ弁41は全開となる。第1工具取付部15aが加工位置5にないときも、キー21はキーすべり面23aに案内されて、パージ弁41が開く。
第1工具取付部15aが加工位置5にあるとき、ノズル回転軸17が大きく(例えば、90度)回転すると、弁体43も回転する。これにより、パージ流路43cとパージ流路42aの位置が円周方向にずれて、パージ弁41が閉じる。
【0030】
図2及び図4Aに示すように、エア工具40は、ボディ(工具筐体)45と、モータ47と、主軸受49と、主軸51と、カバー53と、パッキン52と、除去工具55と、少なくとも1つのボール(回り止め体)57と、弾性体58と、を有する。ここで、図4Aは、除去工具55を装着した状態を示す。
【0031】
ボディ45は、中空円筒状であり、主軸中心軸2に沿って延びる。
モータ47は、エアモータである。モータ47は、出力軸47aを有する。モータ47は、ボディ45の基端部に埋めこまれて良い。モータ47は、給気室39bや排気室39cと接続される。
【0032】
図2及び図4Aに示すように、主軸51は、主軸受49を介して、ボディ45の内部に支持される。主軸51は、直円筒状であり、主軸中心軸2を中心に延びる。主軸51は、工具保持穴51bと、少なくとも2つ(本実施形態では2つ)のボール保持穴(回り止め体保持穴)51gと、を有する。主軸51は、セレーション穴51aと、連通孔51dと、弾性体保持穴51cと、パッキン溝51fと、細径部51eと、を有して良い。
【0033】
図4Aに示すように、工具保持穴51bは、主軸51の先端に開口して、主軸中心軸2を中心に配置される。工具保持穴51bは、直円筒状の有底穴である。弾性体保持穴51cは、直円筒状の有底穴であり、工具保持穴51bの底部に配置される。
セレーション穴51aは、主軸51の基端部に、主軸中心軸2を中心に配置される。セレーション穴51aは、出力軸47dと締結される。連通孔51dは、主軸中心軸2に沿って延びて、セレーション穴51aと工具保持穴51bとを接続する。
【0034】
細径部51eは、主軸51の先端部に配置される。細径部51eは、主軸51の中央部よりも小さい外径を有する。細径部51eの外面の半径は、主軸中心軸2からボール57の最外面までの距離に実質的に等しい。
パッキン溝51fは、主軸16の先端部の外円筒面に配置される。パッキン溝51fは、角形の断面を有する円周溝である。
ボール保持穴51gは、主軸16の先端部に配置される。ボール保持穴51gは、軸方向において、パッキン溝51fよりも基端側に配置される。ボール保持穴51gは、主軸51の外面から工具保持穴51bに貫通する。
【0035】
カバー53は、押さえ面53bと、逃し部53cとを有する。カバー53は、傘部53dと、軸部53aと、を有しても良い。カバー53は、接続位置7と工具脱着位置8との間を往復する。
傘部53dは、ボディ45の先端部を覆う。軸部53aは、傘部53dの基端部、かつ、ボディ45の内部に配置される。軸部53aは、中空の直円筒状である。
【0036】
押さえ面53bは、軸部53aの内面である。押さえ面53bの直径は、細径部51eの直径と実質的に等しい。カバー53が接続位置7にあるとき、ボール57は、押さえ面53bに当接する。
逃し部53cは、カバー53の基端部に配置される。例えば、逃し部53cは、台形の断面を有する円周溝である。言い換えると、逃し部53cにおいて、軸部53aは、大きな内径を有する。逃し部53cは、カバー53の基端面に開口しても良い。逃し部53cは、押さえ面53bの基端側に配置される。
【0037】
ボール57は、ボール保持穴51gの内部に保持される。カバー53が接続位置7にあるとき、主軸中心軸2からみて、ボール57の最外面は、押さえ面53bに接する。
なお、ボール57の代わりに、ボール保持穴51gの主軸中心軸2の方向に延びるピンでも良い。ピンである回り止め体の先端面は、球面ではなく平面でも良い。
【0038】
カバー53は、膨張室53eを有して良い。膨張室53eは、カバー53の基端面に開口する矩形断面の円周溝である。膨張室53eは、滑らかな内周円筒面53gを有する。
ボディ45は、絞り弁45aを有しても良い。絞り弁45aは、ボディ45の径方向外側に突出する。絞り弁45aは、滑らかな外周円筒面45bを有する。カバー53が接続位置7にあるときに、絞り弁45cは、膨張室53eの内部に挿入される。このとき、外周円筒面45bと内周円筒面53gとは、わずかな隙間54を空けて面する。絞り弁45aの先端面と膨張室53eの底面とは、隙間に比べて十分に大きい間隔を有する。絞り弁45aと膨張室53eは、アキシャルラビリンスシールを構成する。パージエアは、膨張室53e内で膨張して、わずかな隙間54から排出される。これにより、膨張室53e内に流体の乱れが生じ、更に排出速度が上昇する。そして、カバー53とボディ45の隙間からの異物、蒸気や水分の進入を抑制する。
【0039】
例えば、除去工具55は、超硬ロータリーバーである。除去工具55は、外円筒面55aと、ボール溝(回り止め溝)55bと、弾性体保持穴55cと、刃部55dと、を有する。除去工具55は、直円筒状である。外円筒面55aは、工具保持穴51bに摺動する。ボール溝55bは、外円筒面55a上に配置され、主軸51に沿って延びる。ボール溝55bの横断面は、半円状である。複数のボール溝55bは、主軸中心軸2に対して回転対称に配置される。弾性体保持穴55cは、除去工具55の基端面に開口して、主軸中心軸2に沿って延びる。弾性体保持穴55cは、円筒穴である。
【0040】
弾性体58は、圧縮コイルばねや立体板ばねである。弾性体58は、除去工具55を先端方向に付勢する。弾性体58は、弾性体保持穴51cや弾性体保持穴55cによって案内される。
【0041】
パッキン52は、Oリング等のリング状のパッキンである。パッキン52は、パッキン溝51fに装着され、主軸51とカバー53との隙間を封止する。
【0042】
図4Bに示すように、作業者やバリ取り機10は、カバー53を工具脱着位置8に移動できる。例えば、工具脱着位置8は、接続位置7よりも先端側(図4Bでは下方)である。このとき、逃がし部53cは、ボール保持穴51gに重なる。除去工具55は、弾性体58によって先端方向(下方)に付勢される。除去工具55が押し出されて、ボール溝55bがボール保持穴51gを抜けるときに、ボール溝55bによってボール57が径方向外側に押し出される。そして、ボール57は、逃し部53cに収納される。そして、除去工具55は、主軸51から抜ける。
【0043】
作業者やバリ取り機10が除去工具55を工具保持穴51bに再び挿入し、カバー53を接続位置7に移動すると、ボール57は、ボール溝55bに入り込む。パッキン52の弾性やパッキン52とカバー53との摩擦力によって、カバー53は、接続位置7に保持される。
【0044】
図2図5、及び図6に示すように、空気接続装置60は、接続円板61と、接続ボディ77と、ピストン81と、ピストンシール84と、ロッド83と、連結板88と、第1カプラ(第1空気接続部)87と、第2カプラ(第2空気接続部)63と、第3カプラ(第3空気接続部)89と、第4カプラ(第4空気接続部)67と、固定側給気路79と、固定側排気路91と、タレット給気路65と、タレット排気路69と、を有する。
【0045】
図1に示すように、タレット台11の先端から見て、接続ボディ77と、連結板88と、第1カプラ(第1空気接続部)87と、第2カプラ(第2空気接続部)63と、第3カプラ(第3空気接続部)89と、第4カプラ(第4空気接続部)67は、例えば、右斜め上方に配置される。そして、接続円板61は、タレット15の背面に配置される。
【0046】
図2に示すように、接続円板61は、厚み方向に、第1接続板61aと、第2接続板61bに2分割される。第1接続板61aと、第2接続板61bは、同一形状であり、例えば、パッキン(不図示)を介して重ねられる。図5に示すように、第1接続板61aと、第2接続板61bは、それぞれ、複数(図5では3つ)のフランジ部61cと、複数(図5では3つ)のブリッジ部61dを有して良い。フランジ部61cは、工具取付部15aのそれぞれに対応して位置する。各フランジ部61cは、工具支持台39に締結される。
【0047】
第1接続板61aには、複数の給気溝65bと、複数の排気溝69bが設けられる。図2に示すように、給気溝65bと、排気溝69bは、第2接続板61bによってそれぞれ閉じられて、タレット給気路65とタレット排気路69の主要部を形成する。給気溝65bと排気溝69bは、タレット回転軸1を中心とする円弧に沿って延び、径方向内側から順に並んで配置される。排気溝69bは、フランジ部61cにのみ配置される。給気溝65bは、フランジ部61cから時計回りに、ブリッジ部61dを超えて、次のフランジ部(図5では下方)まで延びる。ここで、排気溝69bの曲率半径は、ブリッジ部61dに係るときに小さくなる。複数(図5では3つ)の組の給気溝65bと排気溝69bが、タレット回転軸1を中心に回転対称に配置される。そして、ブリッジ部61dから延びた給気溝65bが、時計回りで隣の給気溝65bの径方向内側に入り込む。
【0048】
図5及び図6に示すように、第2カプラ63と、第4カプラ67は、主軸中心軸2から見て接続円板61の背面に配置される。第2カプラ63と、第4カプラ67は、フランジ部61cのやや径方向外側に、一列に配置される。第4カプラ67は、逆止弁を含んでも良い。
【0049】
タレット給気路65は、給気路65aと、給気路65cと、を有する。図6に示すように、給気路65aは、給気溝65bの時計回りの反対側で、フランジ部61cの径方向外側の一端部において、給気溝65bと第2カプラ63とを接続する。図2及び図5に示すように、給気路65cは、給気溝65bの時計回りの他端部において、第2接続板61bから工具支持台39を通って配置され、給気溝65bと給気室39bとを接続する。つまり、給気路65aと給気路65cとは、タレット回転軸1を中心に約120度異なる位相に配置される。
【0050】
タレット排気路69は、排気路69aと、排気路69cと、を有する。図6に示すように、排気路69aは、フランジ部61cにおいて、排気溝69bと第4カプラ67とを接続する。図1に示すように、排気路69cは、配管で構成される。タレット台11の先端方向(図1の左側)から見て、排気路69cは、排気溝69bの時計回りの端部から出て、時計回りに延びて、隣の(図1では下方の)フランジ部61cと結合している工具支持台39の排気室39cに接続する。
【0051】
図6に示すように、接続ボディ77は、シリンダ室77aと、ロッドガイド77bと、弾性体ガイド77cと、を有する。シリンダ室77aは、直円筒状である。シリンダ室77aは、ピストン81によって、基端側の第1室77a1と先端側の第2室77a2に仕切られる。弾性体ガイド77cは、直円筒状であり、第2室77a2と接続される。ロッドガイド77bは、直円筒状であり、弾性体ガイド77cよりも小径である。ロッドガイド77bは、シリンダ室77aと同軸に配置され、弾性体ガイド77cと接続される。固定側給気路79は、第1室77a1と圧縮空気源75を接続する。固定側給気路79は、タレット台本体13を通って配置されて良い。
【0052】
なお、接続円板61に替えて、接続ブロックと、給気配管と、排気配管と、が配置されて良い。このとき、接続ブロックは、タレット15に締結される。第2カプラ63や第4カプラ67は、接続ブロックに配置される。給気配管は、第2カプラ63と給気室39bとを接続する。排気配管は、第4カプラ67と排気室39cとを接続する。
【0053】
ピストン81は、ピストン本体81aと、シール溝81bと、を有する。ピストン本体81aは、直円筒状であり、シリンダ室77aの内部を往復する。シール溝81bは、ピストン本体81aの外周上に配置される。ピストンシール84は、シール溝81bに装着される。
ロッド83は、接続ボディ77から突出して、ピストン81の先端方向(タレット15側)に延びる。ロッド83は、ロッドガイド77bに摺動して案内される。ロッド83は、連結板88に締結される。弾性体86は、弾性体ガイド77cの内部に配置され、ピストン81を基端方向(ロッド83が縮む方向)に付勢する。ピストン流路85は、ピストン81とロッド83を貫通する。
【0054】
第1カプラ87と第3カプラ89は、連結板88に一列に配置される。第1カプラ87と第3カプラ89は、連結板88のタレット15側の面に高さを揃えて配置される。ピストン流路85は、第1カプラ87に接続される。第1カプラ87は、逆止弁を有しても良い。第3カプラ89は、固定側排気路91によって、排気部93と接続される。排気部93は、例えば、エアマフラーである。固定側排気路91は、タレット台本体13を通って配置されて良い。
【0055】
なお、接続ボディ77は、一組のシリンダ室77aと、弾性体ガイド77cと、ロッドガイド77bを有して良い。また、空気接続装置60は、一組のピストン81と、ロッド83と、ピストン流路85と、弾性体86と、第1カプラ87と、第2カプラ63と、を有して良い。このとき、空気接続装置60は、直動案内装置を有しても良い。直動案内装置は、例えば、レール案内、直線ブッシングとシャフト、ボールスプラインである。
【0056】
以下、バリ取り機10の使用方法について述べる。
第1工具取付部15aが加工位置5にあるときに、ノズル回転軸17は、90度回転し、パージ弁41を閉じる。
次いで、圧縮空気が、圧縮空気源75からシリンダ室77aに送られる。すると、ピストン81が弾性体86の弾性力に抗して、先端方向(図6の左下)に進む。ロッド83が伸びて、第1カプラ87が第2カプラ63に接続する。また、第3カプラ89が第4カプラ67に接続する。
【0057】
圧縮空気は、ピストン流路85、第1カプラ87、第2カプラ63、タレット給気路65及び給気室39bを通って、モータ47に供給される。これにより、モータ47が回転する。モータ47を回転させた圧縮空気の一部は、排気室39cから、タレット排気路69と第4カプラ67と第3カプラ89と固定側排気路91を介して排気部93に至り、排気部93から排出される。バリ取り機10は、タレット台11をワーク4に対して自在に移動させ、回転した除去工具55をワーク4のバリに接触させてバリ取りする。
このとき、モータ47を回転させた圧縮エアの残部は、カバー53とボディ45の隙間54や、主軸51と除去工具55の隙間(不図示)からパージされる。
【0058】
刃部55dがワーク4に押圧されると、除去工具55はワーク4から受けたスラスト力と弾性体58の弾性力とがつり合う位置まで戻る。弾性体58がワーク4の高さに応じて伸縮するため、ワーク4の高さのばらつきによらず、切込み量が一定に保たれる。
【0059】
パッキン52は、主軸51とカバー53の間に配置される。主軸51が回転すると、パッキン52に遠心力が働き、パッキン52が弾性変形してカバー53の内面に押し付けられる。パッキン52とカバー53との間に摩擦力が働くため、カバー53が工具脱着位置8へ移動することが抑制される。
【0060】
圧縮空気源75が、圧縮空気の送気を停止する。すると、ピストン81は、弾性体86の弾性力によって、基端方向に進む。ロッド83が縮み、第1カプラ87が第2カプラ63と離間する。また、第3カプラ89が第4カプラ67と離間する。
【0061】
次いで、ノズル回転軸17は、原位置6に位置決めされ、パージ弁41を開く。タレット台11へ供給されたパージエアは、パージ流路42a、パージ流路43c及び給気室39bを通って、エア工具40に供給される。パージエアは、カバー53とボディ45の隙間54や、主軸51と除去工具55の隙間からパージされる。パージ弁41を開くのと同時に、モータ47を停止しても良い。
【0062】
次いで、タレット台11は、タレット15を回転する。第1工具取付部15aが加工位置5にないとき、キー21がキーすべり面23aに案内されて、パージ弁41の回転が抑制される。そのため、パージ弁41は、開いた状態を保つ。パージエアは、タレット15からエア工具40に供給されて、カバー53とボディ45の隙間や、主軸51と除去工具55の隙間からパージされる。
【0063】
第2工具取付部15bが加工位置5にあるときに、タレット弁27が開く。次いで、ポンプ25は、加圧した洗浄液をタレット15に供給する。ポンプ25から供給された洗浄液は、回転マニホールド19、分岐配管26、タレット弁27、主軸支持台29、第2主軸33を介して、ノズル35に供給される。そして、ノズル35は、洗浄液を噴射する。ノズル回転軸17は、ノズル35を回転できる。バリ取り機10は、ノズル35をワーク4に対して移動し、洗浄液をワーク4のバリに衝突させてバリ取りする。ポンプ25が、タレット15への洗浄液の供給を停止する。すると、ノズル35は、洗浄液の噴射を停止する。ノズル回転軸17が原位置6に位置決めされると、タレット15は回転できる。
【0064】
本実施形態のバリ取り機10によれば、除去工具55は、エア工具40の主軸51に装着され、モータ47で回転する。そのため、除去工具55の回転数、回転トルクは、第2主軸33の回転数、回転トルクと独立して設計できる。モータ47は、圧縮空気を動力とする。そのため、エア工具40に電気を供給しなくて良い。このため、エア工具40からの漏電のおそれがない。そのため、加圧液体を噴射するノズル35との組合せに好適である。特に、導電性を有する液体(例えば、水系液体)を噴射するノズル35との組合せに好適である。
【0065】
タレット台11の先端から見て、接続ボディ77と、連結板88と、第1カプラ(第1空気接続部)87と、第2カプラ(第2空気接続部)63と、第3カプラ(第3空気接続部)89と、第4カプラ(第4空気接続部)67は、例えば、タレット15の右斜め上方に配置される。加工位置5は下方であるため、加工するノズル35やエア工具は、下方に延びる。接続ボディ77等が下方に配置されないため、加工位置5にあるノズル35やエア工具40がワーク4に近接するときに、接続ボディ77等がワーク4やテーブル3と干渉しにくい。
【0066】
エア工具40の使用時も非使用時も、タレット台11は、エア工具40の隙間からパージできる。そのため、外部からの異物や洗浄液のエア工具40内部への進入が抑制される。
【0067】
バリ取り機10は、複数(3つ)の組のタレット給気路65と、タレット排気路69と、工具支持台39と、を有する。そのため、タレット台11は、複数のエア工具40を各工具支持台39に配置できる。複数のエア工具40には、異なる除去工具55(例えば、超硬ロータリーバー、ブラシ、バー付き砥石)をそれぞれ装着できる。タレット台11が各エア工具40を加工位置5に回転させたときに、加工位置5にあるエア工具40は、空気接続装置60と接続される。バリ取り機10は、ワーク4の種類やバリ取り個所に応じて、最適な除去工具55を選択できる。
【0068】
バリ取り機10では、円周方向に均等に配置された工具支持台39に、接続円板61が締結される。そのため、ロッド83が伸びて、第1カプラ87と第2カプラ63、第3カプラ89と第4カプラ67が接続するときに、接続円板61が振れにくい。そのため、第1カプラ87と第2カプラ63、第3カプラ89と第4カプラ67の接続が安定しやすい。
【0069】
(実施形態2)
図7及び図8に示すように、本実施形態のバリ取り機100は、タレット台111と、圧縮空気源75と、乾燥空気源95と、を有する。タレット台111は、タレット台本体13と、タレット115と、主軸支持台29と、第2主軸33と、ノズル35と、工具支持台139と、エア工具40と、主軸支持台(第2主軸支持台)66と、第3主軸73と、軸受68(図10参照)と、エアブローノズル74と、空気接続装置160と、を有する。
【0070】
タレット115は、第1工具取付部115aと、第2工具取付部115bと、第3工具取付部115cと、を有する。
【0071】
図8に示すように、空気接続装置160は、第1カプラ87と、第2カプラ63と、第3カプラ89と、第4カプラ67と、第5カプラ(第5空気接続部)99と、接続ボディ177と、ピストン81と、ピストンシール84と、ピストン流路85と、弾性体86と、連結板188と、ロッド83と、乾燥空気接続管97と、を有する。
【0072】
工具支持台139は、第1工具取付部115aに配置される。図8に示すように、工具支持台139は、給気室39bと、排気室39cと、タレット給気路165と、タレット排気路169と、を有する。第2カプラ63と第4カプラ67は、工具支持台139の背面に並んで配置される。第2カプラ63は、タレット給気路165によって、給気室39bと接続される。第4カプラ67は、タレット排気路169によって、排気室39cと接続される。
【0073】
接続ボディ177は、加工位置5と同じ位置に配置される。接続ボディ177は、シリンダ室77aと、ロッドガイド77bと、弾性体ガイド77cと、空気流入室177dと、を有する。空気流入室177dは、一対のシリンダ室77aの間に配置される。空気流入室177dは、シリンダ室77aと平行に延びる。空気流入室177dは、円筒穴である。空気流入室177dは、乾燥空気源95と接続される。
ピストン81とロッド83は、シリンダ室77aの内部を往復する。
乾燥空気接続管97は、空気流入室177dに摺動し、空気流入室177dに案内される。
【0074】
連結板188は、一対のロッド83と、乾燥空気接続管97とを接続する。第1カプラ87と第3カプラ89と第5カプラ99は、連結板188に配置される。ロッド83と乾燥空気接続管97と連結板188と第1カプラ87と第3カプラ89と第5カプラ99は、一体となって往復する。
第1カプラ87は、ピストン流路85と固定側給気路79とを介して、圧縮空気源75と接続される。
第3カプラ89は、ピストン流路85と固定側排気路91とを介して、排気部93と接続される。
第5カプラ99は、乾燥空気接続管97と空気流入室177dと固定側乾燥空気流路96とを介して、乾燥空気源95と接続される。
【0075】
なお、排気側については、ピストン81とピストンシール84と弾性体86とピストン室77aと弾性体ガイド77cを省いても良い。このとき、排気側は、空気流入室177dと乾燥空気接続管97との組合せと実質的に同一である。
【0076】
乾燥空気源95は、例えば、コンプレッサである。乾燥空気源95は、エアフィルターや、レギュレーターでも良い。エアフィルターやレギュレーターは、タレット台111の外部に配置されたコンプレッサと接続される。乾燥空気源95は、乾燥空気を供給する。好ましくは、乾燥空気は、潤滑油を含まない。
好ましくは、圧縮空気源75は、潤滑油を含む圧縮空気を供給する。
【0077】
図9は、図7のタレット115を、先端方向からみて反時計回りに60度回転した状態を示す。図10は、図9のタレット回転軸1と、主軸中心軸2を通る平面で切断した断面図である。
図10に示すように、空気接続装置160は、第6カプラ(第6空気接続部)71と、タレット乾燥空気路170と、を有する。
第6カプラ71は、主軸支持台66の背面に配置される。
【0078】
主軸支持台66は、第3工具取付部115cに配置される。主軸支持台66は、ボディ66aと、円筒穴66dと、を有する。円筒穴66dは、主軸中心軸2に沿って延びる。
タレット乾燥空気路170は、主軸支持台66に配置される。タレット乾燥空気路170は、接続流路170aと、環状流路170bと、を有する。円筒穴66dは、主軸中心軸2を中心に延びる。環状流路170bは、円筒穴66dに配置される。接続流路170aは、環状流路170bと第6カプラ71とを接続する。
【0079】
第3主軸73は、軸受68を介して、主軸支持台66に支持される。第3主軸73は、軸部73aと、フランジ73bと、主軸流路73cと、キー21と、を有する。軸部73aは、円筒穴66dに摺動する。主軸流路73cは、第3主軸73の内部に配置され、環状流路170bとフランジ73bを接続する。キー21は、軸部73aの基端部に配置される。
エアブローノズル74は、ノズル35と実質的に同一である。
【0080】
以下、バリ取り機100の使用方法について述べる。
第1工具取付部115aが加工位置5にあるときに、圧縮空気源75が加圧空気をシリンダ室77aに供給すると、ピストン81と連結板188が一体となって前進する。そして、第1カプラ87と第2カプラ63が接続する。また、第3カプラ89と第4カプラ67が接続する。加圧空気は、ピストン流路85と第1カプラ87と第2カプラ63を介して、エア工具40に供給される。エア工具40からの排気は、第4カプラ67と第3カプラ89とピストン流路85とを介して、排気部93から排出される。そして、エア工具40の主軸51が回転する。
【0081】
第3工具取付部115cが加工位置5にあるときに、圧縮空気源75が加圧空気をシリンダ室77aに供給すると、ピストン81と連結板188と乾燥空気接続管97とが一体となって前進する。そして、第5カプラ99と第6カプラ71が接続する。次いで、乾燥空気源95が乾燥空気を空気流入室177dに供給する。乾燥空気は、乾燥空気接続管97と第5カプラ99と第6カプラ71とタレット乾燥空気路170と第3主軸73とを介して、エアブローノズル74に供給される。エアブローノズル74は、乾燥空気を噴出する。
【0082】
本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
5 加工位置
11、111 タレット台
13 タレット台本体
15、115 タレット
15a、115a 第1工具取付部
15b、115b 第2工具取付部
25 ポンプ(加圧液体源)
35 ノズル
40 エア工具
45 工具筐体
47 モータ
51 主軸(第1主軸)
55 除去工具
60、160 空気接続装置
75 圧縮空気源
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10