(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179387
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B29C 43/34 20060101AFI20231212BHJP
B29B 11/12 20060101ALI20231212BHJP
B29C 43/04 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
B29C43/34
B29B11/12
B29C43/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023092882
(22)【出願日】2023-06-06
(31)【優先権主張番号】102022000011978
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】ガルディ,アントーニオ
(72)【発明者】
【氏名】モルディーニ,マッティア
(72)【発明者】
【氏名】サリオーニ,アンドレーア
(72)【発明者】
【氏名】ザーマ,マルチェッロ
【テーマコード(参考)】
4F201
4F204
【Fターム(参考)】
4F201AG07
4F201AH55
4F201AJ08
4F201BA03
4F201BC02
4F201BD02
4F201BD06
4F201BM07
4F201BM09
4F204AA11
4F204AA24
4F204AC02
4F204AG06
4F204AH55
4F204AJ08
4F204FA02
4F204FB01
4F204FF01
4F204FN11
4F204FN15
4F204FQ15
(57)【要約】
【課題】従来技術の装置では、用量を正確に形成することも、ある用量のプラスチックの量を他の用量の量と無関係に調整することも許容しない。
【解決手段】プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための装置は、分配ユニットと、圧縮成形により複数の物体を形成するための形成ステーションと、出口弁システムおよび追加の弁システムを含む計量ユニットであって、出口弁システムおよび追加のシステムは各々、開構成と閉構成との間で切り替え可能である計量ユニットと、追加の弁システムと出口弁システムとの間に配置され且つ分配ユニットの内部容積を変化させるために上限位置と下限位置との間で可動である複数の仕切要素とを備え、計量ユニットの充填構成では、出口弁システムおよび追加の弁システムはそれぞれ閉構成および開構成にあり、計量ユニットの排出構成では、追加の弁システムおよび出口弁システムはそれぞれ閉構成および開構成にある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための装置であって、
‐分配ユニットであって、
押出ユニットから溶融プラスチックの連続的な加圧された流れを受け取るように構成された入口を有する供給ダクトと、分配ゾーンを介して前記供給ダクトと流体連通する複数の送出分岐であって、各々の送出分岐が出口を有する複数の送出分岐と、を備え、前記入口と前記出口との間の内部容積を画定する分配ユニットと、
‐圧縮成形により複数の物体を形成するための形成ステーションであって、
前記分配ユニットの前記複数の送出分岐に配置可能であり且つ対応する複数のシートを画定する複数の雌型要素と、
前記複数の雌型要素と連動して作用して、圧縮によってプラスチック材料から複数の物体を形成するための、対応する複数の形成キャビティを画定する複数の雄型要素と、を備える形成ステーションと、
‐計量ユニットであって、
複数の出口弁を有する出口弁システムであって、各出口弁が対応する送出分岐に配置される出口弁システムと、
前記入口から前記出口への前記プラスチックの供給方向に対して前記出口弁システムの上流に配置された追加の弁システムであって、前記出口弁システムおよび当該追加の弁システムは各々、開構成と閉構成との間で切り替え可能であり、前記出口弁システムと当該追加の弁システムとの間の内部容積の部分は、前記内部容積の作動部分を構成する追加の弁システムと、
前記追加の弁システムと前記出口弁システムとの間に配置された複数の仕切要素であって、複数の仕切要素の各々は、前記分配ユニットの前記内部容積の前記作動部分を変化させるために上限位置と下限位置との間で移動可能である、複数の仕切要素と、を含み、
当該計量ユニットは次の動作構成を含む、すなわち、
前記内部容積の前記作動部分に前記プラスチックが蓄積されることを可能にするために、前記出口弁システムが前記閉構成にあり且つ前記追加の弁システムが前記開構成にある充填構成、
前記プラスチックが前記内部容積の前記作動部分から排出されることを可能にするために、前記追加の弁システムが閉構成にあり且つ前記出口弁システムが開構成にある排出構成、を含む計量ユニットと、
‐制御ユニットであって、前記計量ユニットを以下のように切り替える、すなわち、
前記複数の仕切要素が前記下限位置に配置された状態で前記充填構成から前記排出構成へ、および
前記複数のシートに供給されるプラスチックの複数の用量を形成するために、前記複数の仕切要素が前記上限位置に配置された状態で前記排出構成から前記充填構成へ切り替える、ように構成された制御ユニットと、を備える、装置。
【請求項2】
前記複数の仕切要素の少なくとも1つの仕切要素に対して、前記計量ユニットは、前記上限位置と前記下限位置との間で当該仕切要素の移動を作動させるように構成されたアクチュエータを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の仕切要素は、複数の二次仕切要素を含む一群の仕切要素を備え、前記複数の二次仕切要素の各仕切要素は、前記複数の送出分岐の対応する送出分岐に配置される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の仕切要素は、前記分配ユニットの前記供給ダクト内に配置された主の仕切要素を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の二次仕切要素の各々はアクチュエータを備え、前記複数の仕切要素の少なくとも1つの前記上限位置は、前記内部容積の前記作動部分に収容可能なプラスチックの最大量を変えるように調整可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記出口弁システムは複数のプッシャを備え、各プッシャは対応する送出分岐に配置され且つ前記対応する送出分岐内のプラスチックの流れに干渉しない後退位置と、前記対応する送出分岐を閉じる複数の前進位置との間で往復移動可能であり、前記プッシャは、対応する出口弁を閉じた状態に保つように、前記複数の前進位置間で抽出方向に移動することによって、前記出口を通して対応する用量を押し出すように構成される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項7】
前記制御ユニットは、一連の成形作業のうちの一の成形作業に対して、前の成形作業を表すチェックパラメータに基づいて、前記複数の仕切要素の少なくとも1つの前記上限位置を制御するようにプログラムされている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の雌型要素の各々は、前記複数の雄型要素の対応する雄型要素と干渉しない離間位置と、用量を圧縮するために前記対応する雄型要素と連動して作用して形成キャビティを閉じる近接位置との間で長手方向の移動軸に沿って移動可能であり、各雄型要素は、前記形成キャビティの閉位置での前記用量の圧縮に反応して前記長手方向の移動軸に沿って沈下運動を行うことができるように、弾性要素に接続されており、前記制御ユニットは、前記沈下運動に応じて前記チェックパラメータを導出するようにプログラムされている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記内部容積の前記作動部分は、最小容積を有する収縮構成から最大容積を有する拡張構成まで可変であり、前記作動部分の前記最大容積と前記最小容積との差は、1回分の用量の容積に送出分岐の数を乗じたものに等しい、請求項1または2に記載の装置。
【請求項10】
前記追加の弁システムは複数の弁を備え、前記複数の弁の各々は、前記複数の送出分岐の対応する送出分岐に配置される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項11】
プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための方法であって、
‐それぞれの出口を有する複数の送出分岐と、分配ゾーンを介して前記複数の送出分岐と連通する、入口を有する供給ダクトとを含む分配ユニットを提供するステップであって、前記分配ユニットは前記入口と前記出口との間に内部容積を画定するステップと、
‐押出ユニットから、前記供給ダクトの前記入口で溶融プラスチックの流れを受け取るステップと、
‐前記プラスチックの流れを、前記分配ゾーンを介して前記複数の送出分岐に分配するステップと、
‐計量ユニットを供給するステップであって、前記計量ユニットは、
複数の出口弁を有する出口弁システムであって、各出口弁が対応する送出分岐に配置された出口弁システムと、
前記入口から前記出口への前記プラスチックの供給方向に対して前記出口弁システムの上流に配置された追加の弁システムと、を備え、
前記内部容積は、前記追加の弁システムと前記出口弁システムとの間に含まれる作動部分を含み、前記作動部分は、最小容積を有する収縮構成から最大容積を有する拡張構成まで可変である、ステップと、
‐制御ユニットを通じて、
前記内部容積の前記作動部分にプラスチックが蓄積されることを可能にするように、前記出口弁システムを閉じ且つ前記追加の弁システムを開くステップと、
前記内部容積の前記作動部分からプラスチックを排出し、前記出口を通してプラスチックの用量を送り出すことを可能にするように、前記追加の弁システムを閉じ且つ前記出口弁システムを開くステップと、
‐前記複数の送出分岐に配置された複数の雌型要素の複数のシートに前記用量を同時に供給するステップと、
‐前記複数の雌型要素と対応する複数の雄型要素との間の前記用量を圧縮して、プラスチック材料の複数の物体を形成するステップと、を含む方法。
【請求項12】
‐前記計量ユニットの複数の仕切要素を提供するステップであって、前記複数の仕切要素の各々は、前記分配ユニットの前記内部容積の前記作動部分を変化させるために上限位置と下限位置との間で移動可能であるステップと、
‐前記複数の仕切要素のうちの少なくとも1つの仕切要素を、アクチュエータによって、前記上限位置と前記下限位置との間で移動させるステップと、を含み、
前記複数の仕切要素が前記上限位置にあるとき、前記内部容積の前記作動部分は前記拡張構成にあり、前記複数の仕切要素が前記下限位置にあるとき、前記内部容積の前記作動部分は収縮構成にある、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記出口弁システムは、前記複数の送出分岐に配置された複数のプッシャを含み、各プッシャは、対応する送出分岐を開く後退位置と、前記対応する送出分岐を閉じる複数の前進位置との間で往復移動し、その結果、前記プッシャは、前記前進位置間で抽出方向に移動することにより、対応する弁を閉じた状態に保ちつつ、前記出口を通して対応する用量を押し出す、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
一連の成形作業のうちの一の成形作業に対して前記制御ユニットによって実行されるステップであって、前の成形作業を表すチェックパラメータに基づいて、前記複数の仕切要素の少なくとも1つの前記上限位置を制御するステップを含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項15】
‐前記複数の雌型要素の各雌型要素を、前記複数の雄型要素の対応する雄型要素と干渉しない離間位置と、前記対応する雄型要素に対して形成キャビティを閉じる近接位置との間で、長手方向の移動軸に沿って移動させるステップと、
‐前記形成キャビティが閉位置にあるときに、各雌型要素と前記対応する雄型要素との間で用量を圧縮するステップと、
‐弾性要素に接続された各雄型要素を介して、前記長手方向の移動軸に沿って沈下運動を行うステップと、
‐前記制御ユニットを介して、前記沈下運動に応じて前記チェックパラメータを導出するステップと、を含む請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための装置および方法に関する。
【0002】
この開示は、熱可塑性材料から物体を成形する分野に係る。より具体的には、当該分野は、プラスチック材料から複数の物体を同時に成形する分野である。例示的な実施形態では、物体は、その後のブロー成形によって容器を形成することを目的としたパリソンである。
【背景技術】
【0003】
この目的のための従来技術では、溶融プラスチックの流れから複数の測定されたプラスチックの用量を形成するように計量ユニットが構成された装置が知られている。このタイプの装置の一例は、JP2017177455Aに記載されており、ここでは、回転要素が一体となって回転して溶融プラスチックの流れを複数の同一の用量に分割するように構成される。しかしながら、この種の装置は、用量を正確に形成することも、ある用量のプラスチックの量を他の用量の量と無関係に調整することも許容しない。この点に関して、例えばJPH06114867Aに記載されているように、各用量におけるプラスチックの量を調整するために、材料の量を測定および調整するためのシステムを備える装置が従来技術で知られている。この文献には、複数の出口ポートを備えたプラスチック分配器が記載されており、各出口ポートには、用量を形成する材料の量を測定および調整するように構成された計量および射出ユニットが設けられている。しかしながら、この文献には、材料を測定および調整して用量を形成する方法が十分に詳しく記載されていない。
【0004】
特許文献US5858420には、プラスチックの連続的な流れが分割されて分配され、射出されたプラスチックが容積測定システムによって測定される射出成形システムに関する解決策が記載されている。
【発明の概要】
【0005】
この開示は、従来技術の上述の欠点を克服するために、熱可塑性材料から物体を連続サイクルで製造するための装置および方法を提供することを目的とする。
【0006】
より具体的には、この発明の目的は、プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための装置および方法であって、プラスチックの連続的な流れから材料を複数の用量に均一に分割できる装置および方法を提供することである。
【0007】
この発明の別の目的は、ある用量のプラスチックの量を他の用量から独立して調整することを可能にするように、プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための装置および方法を提案することである。
【0008】
この開示のさらに別の目的は、複数の用量であって、その容積(volume)が正確に知られた複数の用量を得ることが可能である、プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための装置および方法を提供することである。
【0009】
これらの目的は、添付の特許請求の範囲に特徴づけられる、プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するためのこの開示の装置および方法によって完全に達成される。
【0010】
この開示は、プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための装置に関する。プラスチック材料は、例えば、HDPE、PETまたはPPであり得る。HDPEプラスチック材料は、(190°、2.16Kg、ASTM D1238で)0.2から3g/10minのメルトインデックス(またはメルトフローインデックス)を有し得る。HDPEプラスチック材料は、0.940から0.970g/cm3の密度を有し得る。HDPEプラスチック材料は、単峰性または二峰性の分子量分布を有し得る。HDPEプラスチック材料は、核剤(例えば、クロム触媒プロセスと比較してより直線的であり、チーグラー・ナッタ触媒またはメタロセン触媒による分岐を持たない巨大分子)を含んでもよい。HDPEプラスチック材料は、酸素および/または湿気のバリア特性を20%から50%だけ高める添加剤を含んでもよい。PETプラスチック材料は、0.72から1.10dl/gの固有粘度を有し得る(ASTM D4603-03)。PPプラスチック材料は、(230℃、2.16Kg、ISO 1133で)0.5から4g/10minの間のメルトインデックスを有し得る。PPプラスチック材料は、850から2000MPaの間の曲げ弾性率を有し得る。PP材料は、ホモポリマーであってもよいし、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであってもよい。
【0011】
本装置は分配ユニットを備える。分配ユニットは、装置に、または装置の一部に、プラスチックを分配するように構成される。分配ユニットは、入口を有する供給ダクトを備える。入口は、例えば押出ユニットから、溶融プラスチックの連続的な流れを受け入れるように構成され得る。押出ユニットは、未加工の形態のプラスチックを受け取り、溶融プラスチックの流れを送り出すように構成され得る。押出ユニットの出口は、計量ユニットの供給ダクトに位置してもよい。例えば、供給ダクトによって(すなわち、供給ダクトの入口によって)受け入れられる溶融プラスチックの流れは、加圧されてもよい。一例では、分配ユニットは複数の送出分岐を含む。複数の送出分岐、もっと厳密に言えば複数の送出分岐の各送出分岐は、例えば分配ゾーンを介して、供給ダクトと流体連通している。分配ゾーンは、好ましくは、プラスチックが送出分岐に向けて供給され分配される、すなわち送出分岐間で分割されることを可能にするように、入口、すなわち供給ダクトを、各送出分岐と連通させるように構成される。言い換えれば、分配ゾーンは、プラスチックの流れをプラスチックの複数の(別個の)流れに分割するように構成される。
【0012】
複数の送出分岐の各送出分岐は、好ましくは出口を有し、したがって、対応する複数の出口を画定する。分配ユニットは、入口と出口との間の、すなわち、供給ダクトと複数の送出分岐との間の内部容積を画定する。
【0013】
分配ゾーンは、単一の分配ゾーンであってもよいし、複数の分配ゾーンを含んでもよい。一例では、複数の分配ゾーンは、第1の分配ゾーンと第2の分配ゾーンとを含む。入口から出口へのプラスチックの供給方向において供給ダクトの下流に位置する第1の分配ゾーンは、プラスチックの流れをプラスチックの複数の(別個の)流れに分割するように構成されてもよく、第1の分配ゾーンの下流に位置する第2の分配ゾーンは、プラスチックの複数の別個の流れを受け取り、それらをさらに分けるように構成されてもよい。
【0014】
この例では、第1および第2の分配ゾーンは、供給ダクトに向かうプラスチックの連続的な流れの流入のための第1および第2の分岐を構成する。
【0015】
本装置は形成ステーションを備える。形成ステーションは、射出成形ステーション、または射出圧縮成形ステーション、またはより好ましくは圧縮成形ステーションであり得る。形成ステーションは、複数の予め定められた量のプラスチック、すなわち用量のプラスチックから複数のプラスチックの物体を形成するように構成される。形成ステーションは、複数の雌型要素、すなわち、複数の下型と、複数の雄型要素、すなわち、複数の上型とを含む。好ましくは、複数の雌型要素を分配ユニットの複数の送出分岐に配置することができ、すなわち、各雌型要素を個々の送出分岐に配置することができる。したがって、各雌型要素は、個々の送出分岐の出口からプラスチックを受け取るように構成される。好ましくは、複数の雌型要素は、対応する複数のシートを画定し、各シートは、予め定められた量のプラスチック、すなわち、用量を受け入れるように構成される。
【0016】
好ましくは、複数のシートの各々は受け入れ直径を備え、複数の用量の一の用量の直径は複数のシートの各々の受け入れ直径よりも小さい。
【0017】
好ましくは、シートの受け入れ直径は、プラスチックの物体の形状に比例し、および/またはプラスチック材料(HDPE、PPまたはPET)のポリマー特性に依存する。一例では、シートの受け取り直径と用量の直径との間の差は、1mmから10mmの間である。好ましくは、複数のシートの各々は受け取り高さを備え、一の用量の高さは個々のシートの受け取り高さ以下である。複数の雄型要素は、複数の雌型要素の対応するそれぞれの雌型要素と協働して、対応する複数の形成キャビティを画定するように構成される。複数の雄型要素は、好ましくは、複数の雌型要素の対応するそれぞれの雌型要素と協働して、圧縮成形によってプラスチック材料から複数の物体を形成する。一例では、物体は、ブロー成形によって容器を形成することを目的としたパリソンである。
【0018】
物体がパリソンであり且つプラスチック材料がHDPEである場合、パリソンは、1から1.5の間、好ましくは1から1.3の間の軸方向の伸縮性を有し得る。軸方向の伸縮性は、容器の高さとパリソンの高さとの間の比に等しい。パリソンは、1.2から5の間、好ましくは1.2から3の間の半径方向の伸縮性を有し得る。半径方向の伸縮性は、容器の直径とパリソンの直径との間の比に等しい。パリソンは、0.2m/sから2.5m/sの間、好ましくは0.5m/sから1.5m/sの間で伸び得る。
【0019】
物体がパリソンであり且つプラスチック材料がPPまたはPETである場合、パリソンは、1から4の間、好ましくは1から3の間の軸方向の伸縮性を有し得る。軸方向の伸縮性は、容器の高さとパリソンの高さと間の比に等しい。パリソンは、1から5の間、好ましくは1.2から4の間の半径方向の伸縮性を有し得る。半径方向の伸縮性は、容器の直径とパリソンの直径との間の比に等しい。パリソンは、0.2m/sから2.5m/sの間、好ましくは0.5m/sから1.5m/sの間で伸び得る。
【0020】
本装置は、連続サイクルでの(例えば、液体またはその他のための)容器の製造ラインの一部を形成し得る。容器の製造ラインは、容器を形成するためにパリソンのブロー成形のためのステーションをさらに備え得る。一例では、本装置は、本出願人の名義の特許文献IT102021000032507に記載されているものに従って作られた形成ステーションを備えており、当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。本装置はまた、参照により本明細書に組み込まれる特許文献IT102021000032507に記載されているものに従ったブロー成形ステーションを備えてもよい。
【0021】
本装置は計量ユニットを備える。計量ユニットは、予め定められた量のプラスチックを測定するように、すなわち、連続的な流れから予め定められた量のプラスチックの用量を形成するように構成される。好ましくは、計量ユニットは、複数の用量のプラスチックを同時に形成するように構成される。
【0022】
一例では、計量ユニットは出口弁システムを含む。出口弁システムは、入口から出口へのプラスチックの供給方向に対して、例えば、出口弁システムの上流のゾーンと出口弁システムの下流のゾーンとの間でプラスチックを遮断する、すなわち分離するように構成される。好ましくは、出口弁システムは複数の出口弁を備える。複数の出口弁の各々は、個々の送出分岐に配置され得る。出口弁システムは、開構成と閉構成との間で切り替えられ得る。この目的のために、出口弁システムは複数の弁、シャッタまたは遮断器を備え得る。例えば、出口弁システムの閉構成では、出口弁システムは、例えば分配ユニットから送り出されるプラスチックの流れを遮断するように構成される。例えば、出口弁システムの開構成では、出口弁システムは、分配ユニットの内部容積からプラスチックを排出することを可能にするように構成される。このようにして、出口弁の開構成から閉構成への移行の際に、計量ユニットは、分配ユニットの対応する複数の送出分岐から送出される複数の用量を形成するように構成される。
【0023】
好ましくは、計量ユニットは複数の仕切要素または分離壁を備える。複数の仕切要素は、例えば、分配ユニットの内部容積を変えるために、すなわち、分配ユニット内に収容できるプラスチックの量を変えるために、上部位置と下部位置との間で移動可能であってもよい。
【0024】
好ましくは、計量ユニットは、1つの動作構成または複数の動作構成を含む、すなわち、1つの動作構成または複数の動作構成で動作可能である。例えば、計量ユニットは、出口弁システムが閉構成にある充填構成を備える。例えば、計量ユニットは、出口弁システムが開構成にある排出構成を備える。
【0025】
本装置は、計量ユニットを充填構成から排出構成へ、およびその逆に切り替えるように構成された制御ユニットを備え得る。
【0026】
一実施形態では、計量ユニットは追加の弁システムを備える。追加の弁システムは、好ましくは、例えば、追加の弁システムの上流のゾーンから追加の弁システムの下流のゾーンへのプラスチックの流れを分離する、すなわち遮断するように構成される。追加の弁システムは、開構成と閉構成との間で切り替えられ得る。この目的のために、追加の弁システムは複数の弁、シャッタまたは遮断器を備え得る。例えば、計量ユニットが充填構成にあるとき、追加の弁システムは開構成にある。計量ユニットが排出構成にあるとき、追加の弁システムは閉構成にある。好ましくは、追加の弁システムは出口弁システムの上流に配置される。このようにして、出口弁システムは、追加の弁システムの下流のゾーンと出口弁システムの下流のゾーンとの間でプラスチックを分離する、すなわち遮断するように構成される。
【0027】
内部容積には、出口弁システムと追加の弁システムとの間に位置する作動部分が含まれる。言い換えれば、出口弁システムと追加弁システムとの間の内部容積の部分は、内部容積の作動部分を構成する。例えば、プラスチックが内部容積の作動部分に蓄積されることを可能にするために、出口弁システムを閉構成にし、追加の弁システムを開構成にすることができる。プラスチックが内部容積の作動部分から排出されることを可能にするために、出口弁システムを開構成にし、追加の弁システムを閉構成にすることができる。
【0028】
出口弁システムおよび追加の弁システムを備える例では、複数の仕切要素は、好ましくは、追加の弁システムと出口弁システムとの間に配置される。好ましくは、複数の仕切要素の各々は、分配ユニットの内部容積の作動部分を変化させるために、上限位置と下限位置との間で移動可能である。内部容積の作動部分は、最小容積を有する収縮構成から最大容積を有する拡張構成まで可変であり得る。より具体的には、作動部分の最大容積と最小容積との差は、1回分の用量の容積に送出分岐の数を乗じたものに等しい。
【0029】
これに関連して、計量ユニットは、充填構成を含んでもよく、充填構成では、計量ユニットは、例えば、分配ユニットの内部容積の作動部分にプラスチックを蓄積することを可能にするように構成される。好ましくは、充填構成では、出口弁システムは閉構成にあり、追加の弁システムは開構成にある。このようにして、プラスチックを内部容積の作動部分に供給することができる。計量ユニットは、排出構成を含んでもよく、排出構成では、計量ユニットは、例えば、内部容積の作動部分からプラスチックを排出することを可能にするように構成される。排出構成では、計量ユニットは、プラスチックの流れから形成されるプラスチックの用量が出口を通して排出されることを可能にするように構成され得る。したがって、排出構成では、本装置は、複数の雌型要素の複数のシートに用量を供給するように構成される。好ましくは、排出構成では、作動部分からプラスチックを排出し、用量を送り出すことを可能にするように、出口弁システムは開構成にあり、追加の弁システムは閉構成にある。
【0030】
制御ユニットは、好ましくは、複数の仕切要素が上限位置に配置された状態で、計量ユニットを排出構成から充填構成に切り替えるように構成される。制御ユニットは、好ましくは、複数の仕切要素が下限位置に配置された状態で、計量ユニットを充填構成から排出構成に切り替えるように構成される。
【0031】
言い換えれば、追加の弁システムは、プラスチックの連続的な流れから予め定められた量のプラスチックを分離し且つ予め定められた量のプラスチックが追加の弁システムと出口弁システムとの間のゾーン、すなわち作動部分に前進することを可能にするように構成される。このようにして、作動部分は、予め定められた量のプラスチックで充填されてその容積を拡張するように構成される一方、複数の仕切要素は、下限位置から上限位置まで移動するように構成される。仕切要素の上限位置は、好ましくは固定位置、すなわち、位置であって、仕切要素がそれを越えて移動できない位置であり、これは、内部容積(または内部容積の作動部分)が成形作業中にそれ以上拡張され得ないことを意味する。
【0032】
一例では、追加の弁システムは、供給ダクト内に配置された主弁を備える。一例では、追加の弁システムは複数の弁を備え、複数の弁の各弁は、複数の送出分岐の対応する送出分岐に配置される。
【0033】
出口弁システムおよび追加の弁システムを備える例では、追加の弁システムの複数の仕切要素が上限位置にあるとき、出口弁システムは、作動部分に含まれる予め定められた量から追加の量のプラスチックを分離するように構成されることに留意されたい。この目的のために、出口弁システムは、開構成に切り替わり、作動部分がその容積を収縮させて、それに含まれる予め定められた量のプラスチックを空にすることを可能にするように構成される一方、複数の仕切要素は上限位置から下限位置に移動するように構成される。したがって、出口弁システムによって分離される追加の予め定められた量のプラスチックは、複数の仕切要素が上限位置にあるときの作動部分の容積と、仕切要素が下限位置にあるときの作動部分の容積との差に等しい。より具体的には、追加の予め定められた量のプラスチックは、プラスチックの用量の容積を規定する。したがって、各用量の容積は正確にわかる。
【0034】
一実施形態では、複数の仕切要素の各仕切要素は、対応する出口弁の上流の送出分岐に配置される。例えば、分配ユニットの内部容積を変化させるために、複数の仕切要素は上部位置から下部位置まで移動可能である。追加の弁システムおよび複数の仕切要素を含む実施形態では、計量ユニットが充填構成にあるとき、出口弁システムは、分配ユニットからのプラスチックの流れを遮断するために閉構成にあり、例えば、計量ユニットが排出構成にあるとき、出口弁システムは、分配ユニットの内部容積からプラスチックが排出されることを可能にするために開構成にある。これに関連して、計量ユニットが排出構成にある場合に複数の仕切要素を上限位置から下限位置に移動させ、計量ユニットが充填構成にある場合に下限位置から上限位置に移動させると、複数のシートに供給されるプラスチックの複数の用量が生成される。下限位置から上限位置への移動中、出口弁システムが閉構成の状態でプラスチックは入口から前進し内部容積内に蓄積される。上限位置から下限位置への移動中、出口弁システムが開構成の状態でプラスチックは内部容積から出る。出口弁システムおよび複数の仕切要素を備える例では、1回分の用量、すなわち複数のシートの個々のシートに供給される用量を形成するプラスチックの1回分の量は、出口弁が閉構成で且つ対応する仕切要素が下限位置にある状態で、対応する出口弁の下流に含まれるプラスチックの量によって規定される。
【0035】
出口弁システムおよび追加の弁システムを備える実施形態と比較して、出口弁システムを備える装置は、精度の利点を維持しながら、あまり複雑でないという利点を有する。
【0036】
出口弁システムと複数の仕切要素とは装置の別個の要素を構成し、それらは2つの別個の機能も持つことに留意されたい。すなわち、出口弁システムは連続的な流れを分割する機能を持ち(または追加の弁システムも存在する場合には、それは作動部分に含まれるプラスチックの量をさらに分割する機能を持ち)、一方で、複数の仕切要素は内部容積から(または、追加の弁システムが存在する場合には、内部容積の作動部分から)出口に向かって用量を供給する機能を持つ。
【0037】
追加の弁システムが存在する場合、これも別個の要素であり、複数の仕切要素とは異なる機能を持つ。より具体的には、追加の弁システムは、連続的な流れを用量に分割する機能を持つ。
【0038】
一例では、計量ユニットは、複数の仕切要素、出口弁システムおよび追加の弁システムに加えて、または好ましくはそれらの代わりに、複数の切断装置を備え、各切断装置は出口に配置されて且つプラスチックを出口から送り出すことを可能にする開構成と、閉構成であって、当該閉構成において当該切断装置は出口を閉じて対応する用量を形成するプラスチックの量を分離するように構成された閉構成との間で切り替え可能である。したがって、一例では、複数の切断装置は複数の仕切要素および弁の代替の解決策を提供し、当該解決策では、プラスチックが送出分岐から押し出され、切断装置が押し出されたプラスチックを部分に分割するように構成される。装置は、複数のセンサを含むセンサシステムを備えてもよく、複数のセンサの各センサは、各送出分岐内のプラスチックの流量と相関する流量パラメータをリアルタイムで検出するように構成されており、制御ユニットはセンサシステムおよび複数の切断装置に接続されて流量パラメータに応じてそれらを駆動してもよい。好ましくは、流量パラメータは、各出口を通して押し出され且つ分配ユニットの外側に配置されたプラスチックの区間の長さを表す。
【0039】
一例では、各切断装置は第1のナイフおよび第2のナイフを備え、第1のナイフおよび第2のナイフは各々、当該ナイフの移動方向に対して当該ナイフの両側に配置された第1の刃と第2の刃を含み、第1のナイフおよび第2のナイフは移動方向に沿って互いに並置される。第1および第2のナイフは、開位置からさらなる開位置へ移動する際に、開位置と閉位置を経由したさらなる開位置との間で位置を交換するために、互いに対して移動可能であってもよい。より具体的には、第1および第2のナイフの閉位置では、第1および第2のナイフは出口で用量を切断するために連動して作用するように構成される。このようにして、位置を変えるたびに、第1および第2のナイフにより、出口を妨げることなく、用量を迅速に分離することが可能である。
【0040】
一例では、複数の仕切要素のうちの少なくとも1つは、プラスチックによって当該少なくとも1つの仕切要素に加えられる圧力によって、下限位置と上限位置との間で移動可能であり得る。
【0041】
代替的に、または追加的に、計量ユニットは、複数の仕切要素のうちの少なくとも1つの仕切要素のためのアクチュエータ、または複数の仕切要素の各区間要素ごとに1つのアクチュエータを備え得る。一例では、計量ユニットは、一群のアクチュエータを含んでもよく、一群のアクチュエータの各アクチュエータは、複数の仕切要素の対応する仕切要素に接続される。アクチュエータは、対応する仕切要素を上限位置と下限位置との間で、好ましくは連続的に、移動させるように構成され得る。アクチュエータには、特に成形作業中に、仕切要素の上限位置と下限位置を正確に制御できるという利点がある。
【0042】
一例では、制御ユニットは、好ましくは計量ユニットが排出構成にある状態で、一群のアクチュエータの1つまたは複数のアクチュエータを駆動して、対応する仕切要素を上限位置から下限位置まで移動させるように構成され得る。制御ユニットは、好ましくは計量ユニットが充填構成にある状態で、一群のアクチュエータの1つまたは複数のアクチュエータを駆動して、対応する仕切要素を下限位置から上限位置まで移動させるように構成され得る。このようにして、複数のシートに供給できるプラスチックの複数の用量を形成することが可能である。
【0043】
一例では、複数の仕切要素は、複数の二次仕切要素を含む一群の仕切要素を含む。好ましくは、複数の二次仕切要素の各仕切要素は、複数の送出分岐の対応する送出分岐に配置される。送出分岐に配置される二次仕切要素には、送出分岐の出口から送り出されるプラスチックの量を調整できるという利点がある。
【0044】
一例では、複数の仕切要素は主の仕切要素を含む。好ましくは、主の仕切要素は分配ユニットの供給ダクト内に配置される。
【0045】
供給ダクト内に配置される主の仕切要素には、プラスチックの流れを調整し、すべての用量の合計からなる総量のプラスチックを供給できるという利点がある。次いで、この総量のプラスチックは、分配ゾーンによって複数の送出分岐間で分割されて、複数の用量が形成される。
【0046】
好ましくは、複数の仕切要素のうちの少なくとも1つの仕切要素の上限位置または下限位置は、例えば内部容積または内部容積の作動部分に収容可能なプラスチックの最大量を変えるように調整可能である。このようにして、例えば複数の送出分岐が幾何学的に互いに異なる場合、内部容積(もっと厳密に言えば、複数の分岐の各分岐)または内部容積の作動部分に収容可能なプラスチックの最大量を調整することが可能である。
【0047】
一例では、出口弁システムは複数のプッシャを備える。例えば、各プッシャは対応する送出分岐に配置されてもよい。各プッシャは、後退位置と複数の前進位置との間で往復移動可能であってもよい。例えば、後退位置は、対応する送出分岐内のプラスチックの流れに干渉しない位置である。例えば、前進位置は、プッシャが対応する送出分岐を閉じる位置である。好ましくは、複数の前進位置において、プッシャは、例えば前進位置間で抽出方向に移動することによって、出口を通して対応する用量を押し出すように構成される。好ましくは、後退位置では、プッシャは出口弁システムの対応する出口弁を開いた状態に保つ。好ましくは、複数の前進位置において、プッシャは出口弁システムの対応する出口弁を閉じた状態に保つ。このようにして、プッシャが対応する出口弁を閉じた状態に保つ間、追加の弁システムの対応する弁は、プラスチックが分配ユニットの作動容積部分に前進することを可能にするように、開構成にある。前進位置間を抽出方向に移動する際、プッシャには、プラスチックを作動部分からさらに分離し、用量を出口から押し出すという利点がある。
【0048】
一例では、制御ユニットは、好ましくは一連の成形作業のうちの一の成形作業のために、複数の仕切要素のうちの少なくとも1つの仕切要素の上限位置または下限位置を制御するようにプログラムされている。好ましくは、制御ユニットは、チェックパラメータに基づいて(すなわち、チェックパラメータに従って)上限位置または下限位置を制御するようにプログラムされている。あるいは、制御ユニットは、チェックパラメータに従って1つまたは複数のアクチュエータを駆動するように構成されてもよい。チェックパラメータは、一連の成形作業のうちの前記一の成形作業、前の成形作業、または前の複数の成形作業を表し得る。チェックパラメータは、プラスチックの物体を成形するためのサイクルの終わりに、例えば、物体を製造するための装置の外部で、または成形作業の終わりに、もしくは成形中に処理されてもよい。一実施形態では、チェックパラメータは、送出分岐から送出される1回分の用量の容積または質量と、当該用量の容積または質量の基準値との間の差を表す。チェックパラメータは、光学センサ、流量センサまたは重量センサから得られ得る。光学センサは、例えば送り出される用量の長さを測定することによって、送出分岐の出口から送出されるプラスチックの量を測定するために、複数の雌型要素と送出分岐の出口との間に配置され得る。流量センサは、出口から送り出される、または供給ダクトを通って送り込まれるプラスチックの流量を測定するために、送出分岐または入口に配置され得る。このようにして、装置は、好ましくはフィードバックによって、プラスチックの予め定められた量、すなわちチェックパラメータを通じて用量を形成するプラスチックの量を調整するように構成される。重量センサは、複数のシートのうちの一のシートに配置され得、当該シート内の1回分の用量の重量を測定する。
【0049】
一例では、複数の雌型要素の各雌型要素は、複数の雄型要素の対応する雄型要素と干渉しない離間位置と、用量を圧縮するために対応する雄型要素と連動して作用して形成キャビティを閉じる近接位置との間で長手方向の移動軸に沿って移動可能である。各雄型要素は、例えば形成キャビティの閉位置での用量の圧縮に反応して、長手方向の移動軸に沿って沈下運動(settling movement)を行うことができるように弾性要素に接続され得る。好ましくは、制御ユニットは、沈下運動に応じてチェックパラメータを導出するようにプログラムされ得る。この目的のために、雄型要素は、例えば、形成キャビティ内に含まれる用量の容積に比例して、沈下運動を行うことができる。本装置は、沈下運動の距離を測定するようにプログラムされた距離センサを備えてもよい。制御ユニットを距離センサに接続して、距離センサから沈下運動の距離を受信することが可能である。制御ユニットは、距離センサから受信した距離に基づいてチェックパラメータを処理し、制御パラメータを導出するようにプログラムされ得る。制御ユニットは、制御パラメータを介して複数の仕切要素のうちの少なくとも1つの仕切要素の上限位置を制御するために、複数の仕切要素のうちの当該少なくとも1つの仕切要素、または少なくとも1つの仕切要素のアクチュエータに接続され得る。このようにして、内部容積の作動部分内のプラスチックの量を調整することが可能になり、ひいては用量の容積を調整することが可能になる。
【0050】
一例では、本装置は流量センサを備える。流量センサは、好ましくは、例えば複数の送出分岐内、より好ましくは供給ダクト内を流れるプラスチックの流量を表す流量パラメータを測定するように構成される。制御ユニットは、流量パラメータを受信するために流量センサに接続され得る。制御ユニットは、流量パラメータに従って1つまたは複数のアクチュエータを駆動するようにプログラムされ得る。
【0051】
一例では、本装置は、補償ユニットを備え、補償ユニットは、好ましくは分配ユニットの複数の送出分岐の上流に配置される。補償ユニットは、供給ダクトと流体連通してもよい。補償ユニットは、好ましくは、例えば計量ユニットが排出構成にある場合には最大容積構成から最小容積構成まで、また例えば計量ユニットが充填構成にある場合には最小容積構成から最大容積構成まで、可変の内部補償容積を規定する。補償ユニットの目的は、出口弁システムまたは追加の弁システムが閉構成にあるときにプラスチックによって加えられる圧力の変動を補償することである。
【0052】
一例では、本装置は、例えば最大容積構成と最小値構成との間で補償容積を変化させるために補償ユニットに接続された補償アクチュエータを備える。
【0053】
一例では、制御ユニットは、不均衡パラメータを導出するように、且つ、好ましくは、不均衡パラメータに従って1つまたは複数のアクチュエータを駆動するようにプログラムされている。不均衡パラメータは、複数の送出分岐におけるプラスチック流量間の不均衡、またはプラスチックの用量間の不均衡、または成形物体間の不均衡を表し得る。
【0054】
制御ユニットは、複数の出口弁を同期して制御するために当該複数の出口弁に接続され得る。例えば、制御ユニットは、複数の出口弁を開構成から閉構成へ、また逆の場合も同様に、同期して切り替えてもよい。さらに、制御ユニットは複数の出口弁を、各出口弁を他とは独立して制御するように、制御してもよい。この目的のために、制御ユニットは、例えば不均衡パラメータ、流量パラメータまたはチェックパラメータに基づいて、出口弁の開閉を遅らせることができる。
【0055】
一例では、本装置は押出機を備える。押出機を供給ダクトに接続して、加圧された溶融プラスチックの連続的な流れを供給ダクトに供給することが可能である。本装置は、押出機の下流に配置され且つ加圧された溶融プラスチックを供給ダクトに供給するために供給ダクトに接続された容積ポンプを備えてもよい。制御ユニットは、チェックパラメータ、流量パラメータおよび不均衡パラメータのうちの1つまたは複数に従って押出機または容積ポンプを制御するようにプログラムされ得る。容積ポンプの目的は、分配ユニットの入口の圧力を一定に保つことである。
【0056】
したがって、本装置は少なくとも3つのアプローチに従って製造され得る。第1のアプローチでは、追加の弁システムは、好ましくは供給ダクト内に配置された弁(主弁)を備え、プラスチックが供給ダクト内を流れることを可能にし且つ主の仕切要素が上限位置に移動して(全体として、用量の合計に等しい)プラスチックの量を受け取ることを可能にする。第1のアプローチでは、プラスチックは分配ゾーンから開始して、複数の分岐間で分割され、用量を形成するプラスチックの量は二次仕切要素によって調整されてもよく、その後、出口弁システムによって用量に分離されてもよい。第2のアプローチでは、追加の弁システムは複数の送出分岐に配置され且つプラスチックの流れを、分配ゾーンから開始して、複数の送出分岐間で流れが分割された後にのみ、分離する。したがって、この第2のアプローチでは、追加の弁システムは複数の弁を備え、追加の弁システムの弁の数は、好ましくは、送出分岐の数および送出分岐内に配置される仕切要素の数と等しく、各仕切要素は、対応する用量を受け取るために上限位置に移動する。第2のアプローチでは、第1のアプローチと同様に、出口弁システムは、その後、プラスチックを用量に分離する。したがって、これらのアプローチは、とりわけ、追加の弁システムの位置において異なる。
【0057】
どちらのアプローチにも、例えば押出機から送り出されるプラスチックの流れの変動、またはより一般的に言えば、装置の上流でのプラスチックの流れの変動を許容できる、特に正確な容積計量システムを提供できるという利点がある。
【0058】
第3のアプローチでは、プラスチックの流れは供給ダクトに入り、複数の送出分岐間で分割され、当該複数の送出分岐に配置される複数の仕切要素は、出口弁システムが閉構成にある状態で上限位置まで移動し、プラスチックを受け取り、その後、出口弁システムが開構成にある状態で、複数の仕切要素は下限位置に移動して用量を出口に向かって供給し、出口弁システムは閉構成に戻って、プラスチックの流れを遮断して用量を形成する。第1および第2のアプローチと比較して、内部容積には作動部分がないので、第3のアプローチは、半容積計量システムを提供し、当該システムは、用量が正確で互いに同一であることを保証するために、好ましくは、チェックパラメータ、不均衡パラメータまたは流量パラメータに基づいて複数の仕切要素(または、存在する場合には、押出機または容積ポンプ)を調整する制御ユニットを備える。
【0059】
この開示はまた、プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための方法に関する。
【0060】
本方法は、各々の出口を有する複数の送出分岐を含み得る分配ユニットを提供するステップを含む。本方法は、入口を有する供給ダクトを提供するステップを含む。供給ダクトは、分配ゾーンを介して複数の送出分岐と連通してもよい。好ましくは、分配ユニットは、入口と複数の出口との間の内部容積を画定する。本方法は、例えば押出ユニット内に、未加工のプラスチックを受け取るステップを含んでもよい。本方法は、加圧された溶融プラスチックを、例えば押出ユニットから、分配ユニットの供給ダクトに供給するステップを含んでもよい。本方法は、例えば押出ユニットから、供給ダクトの入口で溶融プラスチックの流れを受け取るステップを含んでもよい。本方法は、プラスチックの流れを供給ダクトの入口から分配ユニットの分配ゾーンに分配するステップを含んでもよい。本方法は、プラスチックの流れを、分配ゾーンを介して複数の送出分岐に分配する、すなわち分割するステップを含んでもよい。
【0061】
本方法は、出口弁システムを含む計量ユニットを提供するステップを含む。一例では、出口弁システムは複数の出口弁を含む。各出口弁は、対応する送出分岐に配置され得る。
【0062】
一実施形態では、本方法は、複数の仕切要素を提供するステップを含む。複数の仕切要素の各仕切要素は、対応する送出分岐に、好ましくは対応する出口弁の上流に、配置され得る。好ましくは、複数の仕切要素の各仕切要素は、例えば分配ユニットの内部容積を変えるために、上限位置と下限位置との間で移動可能である。
【0063】
本方法は、一群のアクチュエータを提供するステップを含んでもよい。
【0064】
一群のアクチュエータの各アクチュエータは、上限位置と下限位置との間で複数の仕切要素の対応する仕切要素を移動させるために、当該対応する仕切要素に接続され得る。言い換えれば、本方法は、複数の仕切要素のうちの少なくとも1つをアクチュエータによって上限位置と下限位置との間で移動させるステップを含んでもよい。本方法は、分配ユニットから送り出されるプラスチックの流れを遮断するために、例えば制御ユニットを介して、出口弁システムを閉じるステップを含んでもよい。本方法は、例えば制御ユニットを介して、一群のアクチュエータのうちの1つまたは複数のアクチュエータを制御して、対応する仕切要素を下限位置から上限位置まで移動させるステップを含んでもよい。本方法は、プラスチックが分配ユニットの内部容積から排出されることを可能にするために、例えば制御ユニットを介して出口弁システムを開くステップと、プラスチックの複数の用量を生成するように、対応する仕切要素を上限位置から下限位置まで移動させるために、例えば制御ユニットを介して一群のアクチュエータの1つまたは複数のアクチュエータを制御するステップとを含んでもよい。
【0065】
本方法は、追加の弁システムを提供するステップを含む。例えば、本方法は、入口から出口へのプラスチックの供給方向に対して出口弁システムの上流に追加の弁システムを配置するステップを含む。内部容積は、追加の弁システムと出口弁システムとの間に含まれる作動部分を備えてもよく、作動部分は、好ましくは、最小容積を有する収縮構成から最大容積を有する拡張構成まで可変である。複数の仕切要素は、分配ユニットの内部容積の作動部分を変化させるために、上限位置と下限位置との間で移動可能であってもよい。例えば、複数の仕切要素が上限位置にある場合、内部容積の作動部分は拡張構成にあり、複数の仕切要素が下限位置にある場合、内部容積の作動部分は拡張構成にある。
【0066】
本方法は、プラスチックが内部容積の作動部分に蓄積されることを可能にするように、例えば制御ユニットを介して、出口弁システムを閉じ且つ追加の弁システムを開くステップを含んでもよい。本方法は、予め定められた量のプラスチックを形成するために、追加の弁システムを介して、溶融プラスチックの流れを分離する、すなわち遮断するステップを含んでもよい。本方法は、プラスチックが内部容積の作動部分から排出されることを可能にするように、例えば制御ユニットを介して、追加の弁システムを閉じ且つ出口弁システムを開くステップを含んでもよい。追加の弁システムを閉じ且つ出口弁システムを開く間、本方法は、出口を通してプラスチックの用量を送り出すステップを含んでもよい。本方法は、用量を形成するために、出口弁システムを介して、予め定められた量のプラスチックを追加の予め定められた量のプラスチックに分離する、すなわち遮断するステップを含んでもよい。
【0067】
本方法は、複数の雌型要素の複数のシートに用量を、好ましくは同時に供給するステップであって、複数の雌型要素は複数の送出分岐に配置され得るステップを含む。本方法は、プラスチック材料の複数の物体を形成するために、複数の雌型要素と対応する複数の雄型要素との間で用量を圧縮するステップを含む。一例では、物体は、ブロー成形によって容器を形成することを目的としたパリソンである。したがって、本方法は、容器を形成するために、物体、すなわちパリソンをブロー成形するステップを含み得る。
【0068】
一例では、本方法は、例えば複数の送出分岐に配置される複数のプッシャを含む出口弁システムを提供するステップを含み得る。各プッシャは、対応する送出分岐を開く後退位置と、対応する送出分岐を閉じる複数の前進位置との間で往復移動できる。本方法は、複数の前進位置間でプッシャを抽出方向に移動させるステップを含んでもよい。本方法は、各用量を、対応する出口を通して対応するプッシャによって、例えば対応する出口弁を閉じた状態に保ちつつ、押し出すステップを含んでもよい。言い換えれば、各プッシャは、複数の前進位置間で抽出方向に移動する際に、対応する出口弁を閉じた状態に保ちつつ、出口を通して対応する用量を押し出す。
【0069】
一例では、出口弁システム、追加の弁システムおよび複数の仕切要素に加えて、またはその代わりに、本方法は、複数の切断装置を提供するステップであって、各切断装置が出口に配置されるステップと、プラスチックが出口から送り出されることを可能にするように各切断装置を開き、且つ出口を閉じて対応する用量を形成するプラスチックの量を分離するために各切断装置を閉じるステップと、を含む。本装置は、複数のセンサを提供するステップと、複数のセンサの各々を通じて、各送出分岐内のプラスチックの流量と相関する流量パラメータをリアルタイムで検出するステップと、を含んでもよい。本方法は、流量パラメータを受信し、流量パラメータに応じて切断装置を閉じるおよび切断装置を開くステップを含んでもよい。一例では、本方法は、位置を交換し且つ出口で用量を切断するために連動して作用する第1および第2のナイフを開いて且つさらに開くステップ中に閉じるステップを含む。
【0070】
一例では、本方法は、制御ユニットを介して、複数の仕切要素のうちの少なくとも1つの仕切要素の上限位置を制御するステップを含む。例えば、制御するステップは、一連の成形作業のうちの一の成形作業に対して実行される。好ましくは、制御は、前の成形作業または複数の前の成形作業を表すパラメータに基づく。言い換えれば、本方法は、フィードバック制御のステップを含んでもよい。パラメータは、チェックパラメータ、流量パラメータまたは不均衡パラメータであってもよい。別の例では、制御は、制御するステップが実行される成形作業を表すチェックパラメータに基づく。例えば、本方法は、用量を形成するプラスチックの量を調整するフィードバック制御ステップを含んでもよい。一例では、本方法は、チェックパラメータ、流量パラメータおよび不均衡パラメータのうちの1つまたは複数に従って、アクチュエータまたは一群のアクチュエータによって複数の仕切要素を移動させるステップを含む。
【0071】
一例では、本方法は、チェックパラメータを処理するステップを含む。処理するステップは、装置内の成形サイクルの終了時に、例えばオペレータによって実行されてもよいし、前の成形作業中またはその終了時に実行されてもよい。
【0072】
例えば、本方法は、光学センサまたは流量センサを用いて、送出分岐から送出される用量の容積または質量を測定するステップを含んでもよい。一例では、本方法は、複数の雌型要素の各々の雌型要素を、複数の雄型要素の対応する雄型要素と干渉しない離間位置と、対応する雄型要素に対して形成キャビティを閉じる近接位置との間で、長手方向の移動軸に沿って移動させるステップを含む。本方法は、形成キャビティが閉位置にある場合に、各雌型要素と対応する雄型要素との間で用量を圧縮するステップを含んでもよい。
【0073】
本方法は、圧縮するステップに続いて、弾性要素に接続された各雄型要素が長手方向の移動軸に沿って沈下運動を行うステップを含んでもよい。一例では、本方法は、例えば沈下運動のステップに応じて、制御ユニットを介してチェックパラメータを導出するステップを含む。この目的のために、本方法は、形成キャビティ内に含まれる用量の容積に比例して雄型要素を適応的に移動させるステップを含む。本方法は、距離センサを用いて沈下運動の距離を測定するステップを含んでもよい。本方法は、制御ユニットが距離センサから沈下運動の距離を受信するステップを含んでもよい。本方法は、制御パラメータを導出するために、距離センサから受信した距離に基づいて、チェックパラメータを処理するステップを含んでもよい。本方法は、複数の仕切要素のうちの少なくとも1つの仕切要素、または複数の仕切要素のうちの少なくとも1つのアクチュエータに接続するステップを含んでもよい。本方法はまた、制御パラメータを用いて、複数の仕切要素のうちの少なくとも1つの仕切要素の上限位置を制御するステップを含んでもよい。
【0074】
一例では、本方法は、制御ユニットを介して複数の出口弁を同期して制御するステップを含む。
【0075】
一実施形態では、本方法は、加圧された溶融プラスチックの連続的な流れを、押出機を通じて、または押出機の下流に配置され且つ供給ダクトに接続された容積ポンプを通じて、供給ダクトに供給するステップを含む。本方法は、チェックパラメータ、流量パラメータおよび不均衡パラメータのうちの1つまたは複数に従って、制御ユニットを介して押出機または容積ポンプを制御するステップを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
これらおよび他の特徴は、添付図面に非限定的な例として示される好ましい実施形態の以下の説明からより明らかになる。
【
図1】この開示の1つまたは複数の態様による装置を備える容器製造ラインの一部を示す。
【
図2】この開示の1つまたは複数の態様による装置を示す。
【
図3A】この開示の1つまたは複数の態様による装置の詳細を示す。
【
図3B】この開示の1つまたは複数の態様による装置の詳細を示す。
【
図3C】この開示の1つまたは複数の態様による装置の詳細を示す。
【
図3D】この開示の1つまたは複数の態様による複数の仕切要素のうちの1つの仕切要素を示す。
【
図3E】この開示の1つまたは複数の態様による装置の詳細を示す。
【
図3F】この開示の1つまたは複数の態様による装置の詳細を示す。
【
図3G】この開示の1つまたは複数の態様による装置の詳細を示す。
【
図4A】この開示の1つまたは複数の態様による、離間位置にある雄型要素および雌型要素を示す。
【
図4B】この開示の1つまたは複数の態様による、成形キャビティを閉じる近接位置にある雄型要素および雌型要素を示す。
【
図4C】この開示の1つまたは複数の態様による装置の詳細を示す。
【
図4D】この開示の1つまたは複数の態様による、成形キャビティを閉じる近接位置にある雄型要素および雌型要素を示す。
【
図5A-5G】この開示の1つまたは複数の態様による装置の詳細の一連の動作構成を示す。
【
図6A-6H】この開示の1つまたは複数の態様による装置の詳細の一連の動作構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0077】
添付図面を参照すると、数字1は、プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための装置を示す。
【0078】
装置1は分配ユニット2を備える。分配ユニット2は、溶融プラスチックの流れを分配するように構成される。分配ユニット2は、入口202を有する供給ダクト201を含み、好ましくは押出ユニット101からプラスチックの連続的な流れを受け取るように構成される。押出ユニット101は、未加工の形態のプラスチックを受け取り、溶融プラスチックの流れを送り出すように構成された入口を含む。好ましくは、押出ユニット101の出口は、溶融プラスチックの流れ、例えば加圧された形態の溶融プラスチックの流れを受け取るための供給ダクト201、すなわち入口202に配置される。一例では、押出ユニット101は、押出機101Aおよび容積ポンプ101Bを備え、容積ポンプ101Bは、押出機101Aと供給ダクト201との間に配置され且つ加圧されたプラスチックの流れを提供するように構成される。
【0079】
分配ユニット2は、複数の送出分岐203を含む。各送出分岐203は、供給ダクト201と流体連通しており、供給ダクト201からプラスチックの流れを受け取る。この目的のために、供給ダクト201と複数の送出分岐203との間には、供給ダクト201から溶融プラスチックの流れを受け取り、溶融プラスチックの流れを複数の送出分岐203の各々に分配するように構成された分配ゾーン204がある。このようにして、プラスチックの流れは複数の送出分岐203間で分割される。各送出分岐203は、プラスチックを分配ユニット2に供給するように構成された出口205を含む。分配ユニット2は、入口202と複数の送出分岐203の出口205との間の内部容積を画定する。
【0080】
好ましくは、各送出分岐203は、分配ゾーン204からプラスチックを受け取るように構成された第1の分岐203Aと、出口205を含む第2の分岐203Bとを含む。第1の分岐203Aおよび第2の分岐203Bは互いに連通しており、好ましくは、プラスチックが重力により第2の分岐203Bを通って出口205に供給されるように互いに垂直に配置される。一例では、分配ゾーン204は、供給ダクト201の下流に位置する第1の分配ゾーン204Aと、第1の分配ゾーン204Aの下流に位置する第2の分配ゾーン204Bとを備える。第1の分配ゾーン204Aは、供給ダクト201からのプラスチックの流れを複数のプラスチックの流れに分割し、第2の分配ゾーン204Bはさらに、複数のプラスチックの流れの各流れをさらなる複数の流れに分割し、これらはその後、送出分岐203によって受け取られる。
【0081】
装置1は、分配ユニット2内に配置され且つ供給ダクト201に供給されるプラスチックの連続的な流れから、出口205から送り出される用量を形成するように構成された計量ユニット3を備える。
【0082】
計量ユニット3は、閉構成と開構成との間で切り替えることができる出口弁システム302を備える。出口弁システム302は、複数のプッシャ302Aを備え、各プッシャ302Aは、対応する送出分岐203に配置される。より具体的には、各プッシャ302Aは、第2の分岐203Bに挿入され、第2の分岐203B内のプラスチックの流れに干渉しない後退位置と、対応する第2の分岐203Bを閉じる複数の前進位置との間で往復移動可能である。複数の前進位置において、プッシャ302Aは、対応する弁を閉じた状態に保つように前進位置間で抽出方向に移動することによって、出口205を通して対応する用量を押し出すように構成される。
【0083】
一例では、各プッシャ302Aは、外側プッシャ302Bおよび内側プッシャ302Cを含み、外側プッシャ302Bは内側プッシャ302Cの外側に配置される。すなわち、外側プッシャ302Bは内側プッシャ302Cの外側を取り囲む。好ましくは、外側プッシャ302Bおよび内側プッシャ302Cは相互に移動可能である。プッシャ302Aは、外側プッシャ302Bと内側プッシャ302Cとの間に含まれる空気ダクト302Dを含んでもよい。空気ダクト302Dは、空気の流れが通過することを可能にするように構成される。例えば、外側プッシャ302Bおよび内側プッシャ302Cは、空気ダクト302Dを出口205と連通させるために(軸方向の並進移動を介して)往復移動でき、例えば空気の流れが出口205を通って出ることを可能にする。後退位置では、外側プッシャ302Bと内側プッシャ302Cは協働して空気ダクト302Dと出口205との連通を遮断する。複数の前進位置のうちの少なくとも1つの前進位置では、外側プッシャ302Bと内側プッシャ302Cは協働して空気ダクト302Dを出口205と連通させ、特に空気の流れが出口205を通って出ることを可能にする。例えば、複数の前進位置のうちの少なくとも1つの前進位置では、内側プッシャ302Cが前方または後方に移動でき、その結果、空気ダクト302Dを出口205と連通させるように、内側プッシャ302Cが外側プッシャ302Bに対して相対的に引き出される(または後退する)。
【0084】
計量ユニット3は、各々が上限位置X1と下限位置X2との間で移動可能な複数の仕切要素303、303A、303Bを備える。一例として
図3Cに示される例では、複数の仕切要素は、複数の二次仕切要素303Bを含む一群の仕切要素を含む。複数の二次仕切要素303Bの各仕切要素303Bは、分配ユニット2の内部容積を変化させるために上限位置X1と下限位置X2との間で移動可能であり且つ対応するプッシャ302Aの上流で、対応する送出分岐203内に配置される。計量ユニット3は、分配ユニット2から送り出されるプラスチックの流れを遮断するためにプッシャ302Aが閉構成となる充填作業構成を含む。充填構成では、二次仕切要素303Bは上限位置X1に配置されており、二次仕切要素303Bが上限位置X1に配置されているので、内部容積は拡張構成、すなわち最大容積構成となる。計量ユニット3はまた、内部容積からプラスチックを排出して出口205を通してプラスチックの用量を送り出すことを可能にするために、追加の弁システム301が閉構成にあり、且つ二次仕切要素303Bが下限位置X2に配置される排出作業構成を含む。排出構成では、二次仕切要素303Bが下限位置X2に配置されるので、内部容積は収縮構成、すなわち最小容積構成となる。
【0085】
図3Aおよび
図3Bに例として示される一実施形態では、計量ユニット3は、出口弁システム302、複数の仕切要素303、303A、303B、および複数の弁301を備える追加の弁システム301を備える。出口弁システム302は、分配ユニット2の入口202から出口205へのプラスチックの供給方向に対して追加の弁システム301の下流に配置される。追加の弁システム301は、開構成と閉構成との間で切り替えることができる。開構成では、追加の弁システム301は、プラスチックが追加の弁システム301の上流のゾーンから追加の弁システム301の下流のゾーンに前進することを可能にする。同様に、開構成では、出口弁システム302は、プラスチックが出口弁システム302の上流のゾーンから出口弁システム302の下流のゾーンに前進することを可能にする。したがって、開構成から閉構成に移行する際、追加の弁システム301および出口弁システム302は、分配ユニット2内の溶融プラスチックの流れを分割するように構成される。
【0086】
分配ユニット2の内部容積は、追加の弁システム301と出口弁システム302との間に含まれる作動部分を含む。
【0087】
計量ユニット3は、プラスチックが作動部分に蓄積されることを可能にするように、出口弁システム302が閉構成にあり且つ追加の弁システム301が開構成にある充填作業構成を含む。充填構成では、仕切要素303、303A、303Bが上限位置X1に配置され、仕切要素303、303A、303Bが上限位置X1に配置されるので、内部容積は拡張構成、すなわち最大容積構成となる。計量ユニット3はまた、内部容積の作動部分からプラスチックを排出し且つ出口205を通してプラスチックの用量を供給することを可能にするために、追加の弁システム301が閉構成にあり、出口弁システム302が開構成にあり、且つ仕切要素303、303A、303Bが下限位置X2に配置された排出作業構成を含む。排出構成では、仕切要素303、303A、303Bが下限位置X2に配置されるので、内部容積の作動部分は収縮構成、すなわち最小容積構成となる。
【0088】
一般的に言えば、拡張構成における作動部分と収縮構成における作動部分との間の容積差は、1回分の用量の容積に複数の送出分岐203の送出分岐203の数を乗じたものに等しい。
【0089】
図3Aに例として示される一実施形態では、複数の仕切要素は複数の二次仕切要素303Bを備え、各二次仕切要素303Bは複数の送出分岐203の対応する送出分岐203に配置され、追加の弁システムは、複数の送出分岐203内の複数の二次仕切要素303Bの上流に配置される複数の弁301を備える。この場合、内部容積の作動部分は、複数の送出分岐203内に位置する。
【0090】
図3Bに例として示される一実施形態では、複数の仕切要素は複数の二次仕切要素303Bを備え、各二次仕切要素303Bは複数の各送出分岐203の対応する送出分岐203に配置され、主の仕切要素303Aは供給ダクト201内に配置される。追加の弁システム301は、分配ユニット2の供給ダクト201内に配置された主弁301Aを含む。より具体的には、主弁301Aは主の仕切要素303Aの上流に配置される。この場合、内部容積の作動部分は、供給ダクト201と複数の送出分岐203との間に位置する。
【0091】
各用量の体積は、拡張構成における作動部分と収縮構成における作動部分との差を、送出分岐203の数で割ったものに等しい。
【0092】
例示的な実施形態では、各送出分岐203は、対応する送出分岐203と流体連通し且つ対応する仕切要素303(具体的には、対応する二次仕切要素303B)を受け入れるように構成された二次脚207を含む。
【0093】
一例では、各二次脚207および対応する送出分岐203は、(プラスチックの流れ方向に対して)互いに垂直に配置される。この例では、複数回分の用量のうちの1回分の用量の容積は、仕切要素303(または二次仕切要素303B)が上限位置X1にある状態での対応する二次脚207の容積と、仕切要素303(または二次仕切要素303B)が下限位置X2にある状態での対応する二次脚207の容積との差に等しい。
【0094】
主弁301Aの下流に配置された主の仕切要素303Aを備える例では、供給ダクト201は、供給ダクト201と流体連通し且つ主の仕切要素303Aを受け入れるように構成された主脚206を含む。好ましくは、主脚206および供給ダクト201は互いに垂直に配置される。
【0095】
装置1は、複数の仕切要素303、303A、303Bが下限位置X2に位置する状態で、計量ユニット3を充填構成から排出構成に切り替え、複数の仕切要素303、303A、303Bが上限位置X1に位置する状態で、排出構成から充填構成に切り替えるように構成された制御ユニット5を備える。
【0096】
装置1は、圧縮成形のための形成ステーション4を備える。形成ステーション4は、出口205から送り出されている複数の用量を受け取るために、分配ユニット2の複数の送出分岐203に配置可能な複数の雌型要素401を含む。複数の雌型要素401は、送り出されている対応するプラスチックの複数の用量を受け入れるように構成された対応する複数のシート402を画定する。より具体的には、排出構成では、複数の雌型要素401の複数のシート402に用量を供給するために、追加の弁システム301は閉構成にあり且つ出口弁システム302は開構成にある。形成ステーション4は、複数の雌型要素401と連動して作用し、対応する複数の形成キャビティを画定し、圧縮によってプラスチック材料から複数の物体を同時に形成するように構成された複数の雄型要素403を含む。この目的のために、各雌型要素401は、対応する雄型要素403と干渉しない離間位置と、用量を圧縮するために対応する雄型要素403と連動して作用して形成キャビティを閉じる近接位置との間で長手方向の移動軸Xに沿って移動可能である。一例では、制御ユニット5は、各雌型要素401を長手方向の移動軸Xに沿って移動させるようにプログラムされている。
【0097】
例示的な実施形態では、プラスチック材料の物体は、その後のブロー成形によって容器を形成することを目的としたパリソンである。この目的のために、装置1は、連続サイクルで(例えば、液体またはその他用の)容器を製造するためのライン100の一部を形成してもよく、製造ライン100は、容器を形成するためのパリソンブロー成形ステーション102と、押出ユニット101とを備えてもよい。
【0098】
一例では、制御ユニット5は、追加の弁システム301および出口弁システム302を開閉するように構成される。
【0099】
一例では、計量ユニット3は、複数のアクチュエータまたは一群のアクチュエータ304を備え、複数のアクチュエータまたは一群のアクチュエータの各アクチュエータ304は、仕切要素303、303A、303B、具体的には、二次脚207に配置された二次仕切要素303Bに接続されて、それらを上限位置X1と下限位置X2との間で移動させる。あるいは、仕切要素303、303A、303B、具体的には二次仕切要素303Bは、プラスチックの圧力の作用を受けて移動する、すなわち、複数の弁301または主弁301Aが開位置にあり且つプッシャ302Aが閉位置にある場合に、仕切要素303、303A、303B(または二次仕切要素303B)は、上限位置X1に移動するように構成され、複数の弁が閉位置にあり且つプッシャ302Aが開位置にある場合に、仕切要素303、303A、303B(または二次仕切要素303B)は、プラスチックが仕切要素303、303A、303Bに加える圧力がより低いため、下限位置X2に移動するように構成される。
【0100】
上限位置X1は、内部容積の作動部分に収容可能なプラスチックの最大量を変えるために、より具体的には用量の容積を変えるために調整可能である。
【0101】
制御ユニット5は、アクチュエータを駆動し且つチェックパラメータ、流量パラメータまたは不均衡パラメータに基づいて上限位置X1および下限位置X2を制御するようにプログラムされている。押出機101Aおよび容積ポンプ101Bが存在する場合には、制御ユニットはチェックパラメータ、流量パラメータまたは不均衡パラメータに応じて押出機101Aおよび容積ポンプ101Bを制御するようにプログラムされている。より具体的には、各送出分岐について、制御ユニット5は、当該送出分岐から送出される1回分の用量の容積または質量と、当該用量の容積または質量の基準値との間の差を表すチェックパラメータを受信するようにプログラムされている。一例では、チェックパラメータは、出口205から送り出されるプラスチックの量を測定する光学センサによって、または複数の送出分岐203内のプラスチックの流量を測定する流量センサによって導出される。チェックパラメータは、成形作業であって、その上限位置X1または下限位置X2が制御されるべき成形作業に先立つ前の成形作業を表してもよい。言い換えれば、制御ユニット5は、1回分の用量を形成するプラスチックの量をフィードバックによって調整するようにプログラムされている。別の例では、チェックパラメータは、成形作業に対してリアルタイムで処理され、同一の成形作業中に位置をチェックする。制御ユニット5は、チェックパラメータに基づいて制御パラメータを処理するようにプログラムされている。制御ユニット5は、各アクチュエータ304に接続され、制御パラメータを送信し、制御パラメータに基づいて対応する仕切要素の上限位置X1または下限位置X2を調整する。
【0102】
一例では、計量ユニット3は、主の仕切要素303Aを上限位置X1と下限位置X2との間で移動させるために主の仕切要素303Aに接続された一次アクチュエータ305を備え、例えば、二次仕切要素303Bは、プラスチックによって加えられる圧力により、上限位置X1と下限位置X2との間で移動する。別の例では、主の仕切要素303Aおよび二次仕切要素303Bは、プラスチックによって加えられる圧力により、上限位置X1と下限位置X2との間で移動する。
【0103】
一実施形態では、複数の雌型要素401の各雌型要素401は、複数の雄型要素403の対応する雄型要素403と干渉しない離間位置と、用量を圧縮するために対応する雄型要素403と連動して作用して形成キャビティを閉じる近接位置との間で長手方向の移動軸Xに沿って移動可能である。各雄型要素403は、形成キャビティの閉位置での用量の圧縮に反応して、長手方向の移動軸Xに沿って沈下運動を行うことができるように、弾性要素404に接続される。したがって、雄型要素403によって行われる沈下運動は、圧縮される用量の容積のサイズ406に比例する。この目的のために、装置1は、沈下運動の距離405を測定するためのセンサを備える。制御ユニット5は、沈下運動の距離405を受信し且つチェックパラメータを処理するために、センサに接続される。制御ユニット5は、チェックパラメータに基づいて制御パラメータを処理するようにプログラムされている。
【0104】
制御ユニット5は、各アクチュエータ304に接続され、制御パラメータを送信し、対応する仕切要素303、303A、303Bの上限位置X1を調整する。
【0105】
好ましくは、各雄型要素403は、パンチ412、構造413、第1の弾性要素404によって構造413に接続された第1の当接要素407、および第2の弾性要素410によって構造に接続された第2の当接要素408を備える。雌型要素402が近接位置にある場合、第1の当接要素407は第2の当接要素408と当接するように構成され、第2の当接要素408はパンチ412の成形当接面409と当接するように構成され、パンチ412は、長手方向の移動軸Xに沿って沈下運動を行うように構成される。より具体的には、沈下運動は、1回分の用量の容積のサイズ406に比例する距離405を含む。制御ユニット5は、沈下運動の距離405に応じて制御パラメータを処理し且つ仕切要素303、303A、303Bの調整距離411によって上限位置X1を調整するように構成される。
【0106】
一実施形態では、装置は、供給ダクト201内を流れるプラスチックの流量を表す流量パラメータを捕捉するように構成された流量センサを備える。制御ユニット5は、流量パラメータを受信し、流量パラメータに従って、特に流量パラメータに従って処理された制御パラメータに基づいてアクチュエータ304、および代替的または追加的に主のアクチュエータ305を駆動するために、流量センサに接続される。
【0107】
一実施形態では、装置1は、供給ダクト201内に配置された補償ユニット208を備える。補償ユニット208は、供給ダクト201内で且つ入口202から出口205へのプラスチックの供給方向に対して複数の送出分岐203の上流に配置され得る。主弁301Aが存在する場合には、補償ユニット208は主弁301Aの上流に配置される。複数の弁301が存在する場合には、補償ユニット208は複数の弁301の上流に配置される。補償ユニット208は、計量ユニット3が排出構成にある状態で最大容積構成から最小容積構成まで、また計量ユニット3が充填構成にある状態で最小容積構成から最大容積構成まで可変の内部補償容積を画定する。補償ユニット208は、補償仕切要素306を含む。補償仕切要素306は、補償容積に含まれるプラスチックの量を変えるために、流入するプラスチックによって加えられる圧力下で、補償ユニット208内で、好ましくは自由に、移動可能である。したがって、補償ユニット208の目的は、主弁301Aまたは複数の弁301が閉構成にある場合の圧力変動を補償することであることに留意されたい。一例では、補償ユニット208は押出ユニット101内に配置される。この目的のために、押出ユニット101は、そのスクリューフィーダの下流に可変容積を有し、当該スクリューフィーダは、例えば後退して補償容積を画定するように構成される。図示されていない例では、補償ユニットは、最大容積構成と最小値構成との間で補償容積を変化させるために補償アクチュエータを備えてもよい。
【0108】
プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための方法は、分配ユニット2であって、それぞれの出口205を有する複数の送出分岐203と、入口202を有し且つ分配ゾーン204を通じて複数の送出分岐203と連通する供給ダクト201とを含む分配ユニット2を提供するステップを含む。本方法は、押出ユニット101から溶融プラスチックの加圧された流れを入口202で受け取るステップを含み、押出ユニットは好ましくは押出機101Aおよび容積ポンプ101Bを備える。
【0109】
本方法は、計量ユニット3を提供するステップを含む。
【0110】
一例では、計量ユニット3を提供するステップは、以下のサブステップを含む。すなわち、
-複数のプッシャ302Aを含む出口弁システムを、複数の仕切要素303の下流に配置するサブステップであって、各プッシャ302Aが対応する送出分岐203の第2の分岐203Bに配置されるサブステップと、
-複数の二次仕切要素303Bを、入口202から出口205へのプラスチックの供給方向に対して複数の弁の下流に、対応する送出分岐203の第1の分岐203Aに垂直な対応する複数の二次脚207に配置するサブステップと、を含み、本方法は、溶融プラスチックの流れを供給ダクト201から分配ゾーン204に供給するステップと、溶融プラスチックの流れを分配ゾーン204から複数の送出分岐203に分配する、すなわち分割するステップとを含み、その一方で、各二次仕切要素303Bは、例えば、アクチュエータ304によって動かされて、上限位置X1、すなわち、分配ユニット2の内部容積が拡張構成、すなわち最大容積構成となる位置に移動する。送出分岐203の二次仕切要素303Bがその上限位置X1に達すると、制御ユニット5は対応するプッシャ302Aを開き、当該プッシャ302Aが後退位置に移動して第2の分岐203B内のプラスチックのための通路を開く。内部容積に含まれるプラスチックは、第2の分岐203B内を前進する一方、二次仕切要素303Bは上限位置X1から下限位置X2まで移行し、そこでは内部容積は収縮または最小容積構成にある。二次仕切要素303Bが下限位置X2に到達すると、制御ユニット5はプッシャ302Aを閉じ、当該プッシャ302Aが後退位置から抽出方向に複数の前進位置に向かって移動する。抽出方向に複数の前進位置間で移動する際、プッシャ302Aは、第2の分岐203B内のプラスチックのための通路を閉じることによって、第2の分岐203Bに含まれるプラスチックを第1の分岐203Aに含まれるプラスチックから分離する。抽出方向に移動する際、プッシャ302Aは、第2の分岐203Bに含まれるプラスチックも押す。このようにして、プッシャ302Aは用量を形成する。用量は対応する出口205を通って出て、複数の雌型要素401の一の雌型要素401のシート402に重力によって供給される。したがって、プラスチックは、入口202から複数の出口205に前進するとき、分配ゾーン204によって実行される第1の(並列)分離と、複数のプッシャ302Aによって実行される第2の(直列)分離を受ける。
【0111】
一例では、各プッシャ302Aは、外側プッシャ302Bおよび内側プッシャ302Cを含み、外側プッシャ302Bは、内側プッシャ302Cの外側に配置される(外側プッシャ302Bは、内側プッシャ302Cの外側を取り囲む)。好ましくは、外側プッシャ302Bおよび内側プッシャ302Cは相互に移動可能である。プッシャ302Aは、外側プッシャ302Bと内側プッシャ302Cとの間に含まれる空気ダクト302Dを含んでもよい。空気ダクト302Dは、空気の流れが通過することを可能にするように構成される。例えば、外側プッシャ302Bおよび内側プッシャ302Cは、例えば空気の流れが出口205を通って出ることを可能にするように、空気ダクト302Dを出口205と連通させるために(軸方向の並進移動を介して)往復移動できる。後退位置では、外側プッシャ302Bと内側プッシャ302Cは協働して空気ダクト302Dと出口205との連通を遮断する。複数の前進位置の少なくとも1つの前進位置では、外側プッシャ302Bと内側プッシャ302Cは協働して空気ダクト302Dを出口205と連通させ、特に空気の流れが出口205を通って出ることを可能にする。例えば、複数の前進位置の少なくとも1つの前進位置では、内側プッシャ302Cは外側プッシャ302Bに対して相対的に後退または抽出されて、空気ダクト302Dを出口205と連通させる。
【0112】
したがって、プッシャ302Aの複数の前進位置の一の前進位置では、内側プッシャ302Cは外側プッシャ302Bに対して後退位置または抽出位置に移動し、出口205および空気ダクト302Dからの空気流のための通路を開く。空気流は、用量20を分離させるために、空気ダクト302Dから出る。続いて、用量20は、対応する出口205を出て、重力によって、複数の雌型要素401の一の雌型要素401のシート402に落下する。
【0113】
各シート402が対応するプラスチックの用量を受け取ると、複数の雌型要素401は、対応する雄型要素403と干渉しない離間位置と、それらの各々が雄型要素403に対して形成キャビティを閉じる近接位置との間で長手方向の移動軸Xに沿って移動する。本方法は、用量を圧縮するステップを含み、当該ステップでは、各雌型要素402および対応する雄型要素403は、互いに近づくことによって、圧縮によって物体を形成する。
【0114】
一例では、本方法は、複数の弁301を含む追加の弁システム301を配置するステップであって、複数の弁301の各々が対応する送出分岐203の第1の分岐203Aに配置されるステップを含む。本方法は、制御ユニット5を介して複数の弁301を開くステップを含む。複数の弁を開いた後、溶融プラスチックは分配ユニット2の内部容積の作動部分、すなわち複数の弁301と複数のプッシャ302Aとの間の部分を前進して蓄積される。その一方で、各二次仕切要素303Bは、上限位置X1、すなわち、作動部分が拡張構成、すなわち最大容積構成にある位置に、例えばアクチュエータ304によって移動される。送出分岐203の二次仕切要素303Bがその上限位置X1に達すると、制御ユニット5は対応する弁301を閉じ且つ対応するプッシャ302Aを開き、当該プッシャ302Aは後退位置に移動して第2の分岐203B内のプラスチックのための通路を開く。内部容積の作動部分に含まれるプラスチックは、第2の分岐203B内を前進する一方、二次仕切要素303Bは上限位置X1から下限位置X2まで移行し、そこでは作動部分は収縮または最小容積構成にある。二次仕切要素303Bが下限位置X2に到達すると、制御ユニット5はプッシャ302Aを閉じ、当該プッシャ302Aが用量を形成するために分離して押し出し、当該用量は送り出されてシート402に落ちる。この例では、プッシャ302Aが閉じている最中、すなわちプッシャ302Aの抽出方向への移動の間、制御ユニット5は再び弁301を開き、再びプラスチックが作動部分に蓄積することを可能にする。したがって、プラスチックが入口202から複数の出口205に前進するとき、分配ゾーン204によって実行される第1の(並列)分離、複数の弁301によって実行される第2の(直列)分離、および複数のプッシャ302Aによって実行される第3の(直列)分離を受ける。
【0115】
一例では、本方法は、主弁301Aを含む追加の弁システム301を供給ダクト201内に配置するステップと、主の仕切要素303Aを主弁301Aの下流の供給ダクト内であって、主脚206内に配置するステップとを含む。本方法は、制御ユニット5を介して主弁301を開くステップを含む。主弁301Aを開いた後、溶融プラスチックは分配ユニット2の内部容積の作動部分、すなわち主弁301Aとプッシャ302Aとの間の部分を前進して蓄積される。その一方で、主の仕切要素303Aおよび二次仕切要素303Bは、上限位置X1、すなわち、作動部分が拡張構成にある、すなわち、最大容積構成にある位置に移動し、例えば、二次仕切要素303Bはアクチュエータ304によって移動され、主の仕切要素303Aは主のアクチュエータ305によって移動される。送出分岐203の二次仕切要素303Bおよび主の仕切要素303Aがそれぞれの上限位置X1に達すると、制御ユニット5は主弁301Aを閉じ、対応するプッシャ302Aを開き、当該プッシャ302Aは第2の送出分岐203B内のプラスチックのための通路を開くために後退位置に移動する。内部容積の作動部分に含まれるプラスチックは、第2の分岐203B内を前進する一方、仕切要素は上限位置X1から下限位置X2まで移動し、そこでは作動部分は収縮構成、または最小容積構成にある。仕切要素が下限位置X2に到達すると、制御ユニット5はプッシャ302Aを閉じ、プッシャ302Aは用量を形成するために分離して押し出し、当該用量は送り出されてシート402に落ちる。この例では、プッシャ302Aが閉じている最中、すなわちプッシャ302Aの抽出方向への移動の間、制御ユニット5は、プラスチックが作動部分に再び蓄積することを可能にするように、再び主弁301Aを開く。したがって、プラスチックは、入口202から複数の出口205に前進するとき、プラスチックは、主弁301Aによって実行される第1の(直列)分離、分配ゾーン204によって実行される第2の(並列)分離、および複数のプッシャ302Aによって実行される第3の(直列)分離を受ける。
【0116】
一実施形態では、本方法は、一連の成形作業のうちの一の成形作業についての用量の容積を調整するための、前の成形作業に基づく、または同一の成形作業に基づく、校正(または調整)ステップを含む。
【0117】
好ましくは、1つまたは複数の実施形態において、各プッシャ302Aが他のプッシャ302Aと同時に対応する弁の閉位置に到達するように、プッシャ302Aは互いに同期される。このようにして、用量は複数のシート402に同時に落ち、複数の雌型要素401は複数の雄型要素402に向かって移動して、複数の用量を圧縮するために複数の雄型要素402と連動して作用できる。あるいは、プッシャ302Aは、例えば送り出されるプラスチックの量を調整するために、互いに独立して開閉するように制御される。
【0118】
一実施形態では、移動するステップおよび用量を圧縮するステップに続いて、本方法は、弾性要素404に接続された各雄型要素403が長手方向の移動軸Xに沿って沈下運動を行うステップを含む。沈下運動は、対応する雌型要素402のシートに配置される用量の容積のサイズ406に比例する。より具体的には、沈下運動の距離405は、用量の容積406、またはそこから導出される値に比例する。本方法は、距離センサを介して、沈下運動の距離405を検出して、距離405を制御ユニット5に送信するステップを含む。好ましくは、制御ユニット5は、距離405を受信し、距離405を、用量の最適容積に比例する最適な距離を表す予め定められた距離と比較する。制御ユニット5は、比較結果を表すチェックパラメータを処理し、チェックパラメータに基づいて、制御パラメータを処理する。制御ユニット5は、二次仕切要素303Bに接続されたアクチュエータ304に制御パラメータを送信して、上限位置X1を調整する。より具体的には、距離405の値が予め定められた距離未満である場合、したがって用量の容積が最適用量容積未満である場合、制御ユニット5は、前の成形作業と比較して、より多量のプラスチックを二次脚207に案内するために、例えば、調整距離411によって、上限位置X1を修正するように制御パラメータを処理する。距離405の値が予め定められた距離よりも大きい場合、したがって用量の容積が最適用量容積よりも大きい場合、制御ユニット5は、前の成形作業と比較して、より少量のプラスチックを二次脚207に案内するために、上限位置X1を修正するように制御パラメータを処理する。
【0119】
好ましくは、本方法は、第1の弾性要素404を介して雄型要素403の構造413に接続された第1の当接要素407に向かう雌型要素401の動きに続いて当接するステップと、第2の弾性要素408を介して雄型要素403の構造に接続された第2の当接要素408に当接するステップとを含む。第2の当接要素408の当接に続いて、雄型要素403のパンチ412は、距離405の長手方向の移動軸Xに沿って沈下運動を行う。
【0120】
一実施形態では、制御ユニット5は、チェックパラメータを処理する。チェックパラメータは、送出分岐から送出される一の用量の容積または質量と、当該用量の容積または質量の基準値との間の差を表す。本方法は、送出される用量の容積または質量をセンサで測定するステップを含む。次に、制御ユニット5は、チェックパラメータに基づいて、アクチュエータの制御パラメータを処理する。
【0121】
別の例では、制御ユニット5は、流量パラメータ、すなわち、供給ダクト内のプラスチックの流量を表すパラメータに基づいて制御パラメータを処理する。別の例では、制御ユニット5は、複数の送出分岐203内のプラスチックの流量間の不均衡を表す不均衡パラメータに基づいて制御パラメータを処理し、不均衡パラメータに基づいて仕切要素のアクチュエータを駆動する。好ましくは、制御ユニット5は、制御パラメータを押出機101Aまたは容積ポンプ101Bに送信して、供給ダクト201に供給されているプラスチックの流れを調整する。
【0122】
以下の段落は、参照のために英数字順に列挙されており、本発明を説明する非限定的な例示的な形態である。
A.
プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための装置であって、
‐分配ユニット(2)であって、
押出ユニットからの溶融プラスチックの連続的な加圧された流れを受け取るように構成された入口(202)を有する供給ダクト(201)と、分配ゾーン(204)を介して供給ダクト(201)と流体連通する複数の送出分岐(203)であって、各送出分岐(203)は出口(205)を有する複数の送出分岐(203)と、を含み、入口(202)と出口(205)との間の内部容積を画定する分配ユニット(2)と、
‐圧縮成形により複数の物体を形成するための形成ステーション(4)であって、
分配ユニット(2)の複数の送出分岐(203)に配置可能であり且つ対応する複数のシート(402)を画定する複数の雌型要素(401)と、
圧縮によってプラスチック材料から複数の物体を形成するために、複数の雌型要素(401)と連動して作用して、対応する複数の形成キャビティを画定する複数の雄型要素(403)と、を含む形成ステーション(4)と、
‐複数の雌型要素の各雌型要素(401)に複数の用量の各々の用量を供給するために、プラスチックの連続的な流れから複数の用量を同時に形成するように構成された計量ユニット(3)であって、複数の出口弁を有する出口弁システム(302)を含み、各出口弁は対応する送出分岐(203)に配置され且つ開構成と閉構成との間で切り替え可能である、計量ユニット(3)と、を備える装置。
A1.
計量ユニット(3)は、以下の動作構成を含み、すなわち、
充填構成であって、出口弁システム(302)が分配ユニット(2)から送り出されるプラスチックの流れを遮断するために閉構成にある充填構成と、
排出構成であって、出口弁システム(302)が、プラスチックが分配ユニット(2)の内部容積から排出されることを可能にするように開構成にある排出構成と、を含み、
‐計量ユニット(3)を充填構成から排出構成へ、およびその逆に切り替えるように構成された制御ユニット(5)を備える、段落Aに記載の装置。
A1.1.
計量ユニット(3)は、出口弁システム(302)の上流に配置された複数の仕切要素(303、303A、303B)を含み、複数の仕切要素(303、303A、303B)の各々は、分配ユニット(2)の内部容積を変化させるために上限位置(X1)と下限位置(X2)との間で移動可能であり、複数の仕切要素は、供給ユニット(201)の下流に配置された一群の仕切要素を含み、
複数の仕切要素(303、303A、303B)は、
排出構成において上限位置(X1)から下限位置(X2)まで移動し、
充填構成において下限位置(X2)から上限位置(X1)まで移動する、段落A1に記載の装置。
A1.1.1.
計量ユニット(3)は、複数の仕切要素(303、303A、303B)のうちの少なくとも1つに対して、上限位置(X1)と下限位置(X2)との間で、対応する仕切要素の動きを作動させるように構成されたアクチュエータ(304、305)を備え、アクチュエータは制御ユニットによって駆動される、段落A1.1に記載の装置。
A1.1.2.
計量ユニット(3)は、入口(202)から出口(205)へのプラスチックの供給方向に対して出口弁システム(302)の上流に配置され且つ開構成と閉構成との間で切り替え可能である追加の弁システム(301)を備え、
複数の仕切要素(303、303A、303B)は追加の弁システム(301)と出口弁システム(302)との間に配置され、内部容積は追加の弁システム(301)と出口弁システム(302)との間に含まれる作動部分を含み、
複数の仕切要素(303、303A、303B)の各々は、分配ユニット(2)の内部容積の作動部分を変化させるために上限位置(X1)と下限位置(X2)との間で移動可能であり、
計量ユニット(3)が充填構成にあるとき、追加の弁システム(301)は、分配ユニットの内部容積の作動部分にプラスチックが蓄積されることを可能にするために開構成にあり、計量ユニット(3)が排出構成にあるとき、追加の弁システム(301)は、複数の雌型要素(401)の複数のシート(402)に用量を供給するために、内部容積の作動部分からプラスチックを排出し、出口(205)を通して用量を送り出すことを可能にするために閉構成にある、段落A1.1またはA1.1.1に記載の装置。
A1.1.3.
複数の仕切要素(303、303A、303B)のうちの少なくとも1つは、複数の二次仕切要素(303B)を規定し、複数の二次仕切要素(303B)の各仕切要素は、複数の送出分岐の対応する送出分岐(203)に配置される、段落A1.1からのA1.1.2のいずれか1つに記載の装置。
A1.1.4.
複数の仕切要素(303、303A、303B)は、分配ユニット(2)の供給ダクト(201)内に配置される主の仕切要素(303A)を備える、段落A1.1からA1.1.3のいずれか1つに記載の装置。
A1.1.5.
複数の仕切要素(303、303A、303B)のうちの少なくとも1つの上限位置(X1)は、内部容積の作動部分に収容できるプラスチックの最大量を変えるように調整可能である、段落A1.1からA1.1.4のいずれか1つに記載の装置。
A1.1.5.1.
各送出分岐ごとに、制御ユニットは、チェックパラメータを受信し且つチェックパラメータに従って複数の仕切要素(303、303A、303B)のうちの少なくとも1つの分割要素の上限位置(X1)を調整するようにプログラムされており、チェックパラメータは、送出分岐から送出される1回分の用量の容積または質量と、当該用量の容積または質量の基準値との間の差を表す、段落A1.1.5に記載の装置。
A1.1.5.1.1.
複数の雌型要素(401)の各々は、複数の雄型要素(403)の対応する雄型要素と干渉しない離間位置と、用量を圧縮するために対応する雄型要素(403)と連動して作用して形成キャビティを閉じる近接位置との間で長手方向の移動軸(X)に沿って移動可能であり、各雄型要素(403)は、形成キャビティの閉位置における用量の圧縮に反応して、長手方向の移動軸(X)に沿って沈下運動を行うことができるように、弾性部材(404)に接続されており、チェックパラメータは、沈下運動に応じて導出される、段落A1.1.5.1に記載の装置。
A1.1.5.2.
制御ユニットは、各送出分岐ごとに、流量パラメータを受信し、流量パラメータに従って複数の仕切要素(303、303A、303B)のうちの少なくとも1つの上限位置(X1)を調整するようにプログラムされており、装置は、送出分岐内を流れるプラスチックの流量を表す流量パラメータを測定するように構成された流量センサを備え、制御ユニットは、流量パラメータを受信するためにセンサに接続される、段落A1.1.5による装置。
A1.2.
複数のセンサを含むセンサシステムを備え、複数のセンサの各々は、各送出分岐(203)内のプラスチックの流量と相関する流量パラメータをリアルタイムで検出するように構成されており、制御ユニット(5)は、センサシステムおよび出口弁システム(302)に接続され、流量パラメータに応じて出口弁(302)を駆動する、段落A1.1からA1.1.5のいずれか1つに記載の装置。
A1.2.1.
流量パラメータは、各出口(205)を通って押し出され且つ分配ユニット(2)の外側に配置されたプラスチックの区間の長さを表す、段落A1.2に記載の装置。
A2.
出口弁システム(302)は複数のプッシャ(302A)を備え、各プッシャ(302A)は、対応する送出分岐(203)に配置され且つ対応する送出分岐(203)内のプラスチックの流れを妨げない後退位置と、対応する送出分岐(203)を閉じる複数の前進位置と、の間で往復移動可能であり、プッシャ(302A)は、対応する出口弁を閉じた状態に保つように、複数の前進位置間で抽出方向に移動することによって、出口(205)を介して対応する用量を押すように構成される、段落AからA1.1.5のいずれか1つに記載の装置。
A3.
出口弁システム(302)は複数の切断装置を備え、各切断装置は出口(205)に配置され且つプラスチックが出口(205)から送り出されることを可能にする開構成と、出口(205)を閉じて、対応する用量を形成するプラスチックの量を分離するように構成される閉構成との間で切り替え可能である、段落AからA1.1.5のいずれか1つに記載の装置。
A3.1.
各切断装置は第1のナイフおよび第2のナイフを備え、第1のナイフおよび第2のナイフは各々、ナイフの移動方向に対して当該ナイフの両側に配置された第1の刃および第2の刃を含み、第1のナイフおよび第2のナイフは移動方向に沿って互いに並置されており、第1のナイフおよび第2のナイフは、開位置からさらなる開位置に移動する際に、開位置と閉位置を経由したさらなる開位置との間で位置を交換するために互いに対して移動可能である、段落A3に記載の装置。
A3.1.1.
第1および第2のナイフの閉位置において、第1および第2のナイフは出口で用量を切断するために連動して作用するように構成される、段落A3.1による装置。
B.
プラスチック材料から物体を連続サイクルで製造するための方法であって、
‐各々の出口(205)を有する複数の送出分岐(203)と、分配ゾーン(204)を介して複数の送出分岐(203)と連通する、入口(202)を有する供給ユニット(201)と、を含む分配ユニット(2)であって、入口(202)と出口(205)との間の内部容積を画定する分配ユニット(2)を提供するステップと、
‐押出ユニットから、供給ダクト(201)の入口(202)で溶融プラスチックの流れを受け取るステップと、
‐分配ゾーン(204)を介して複数の送出分岐(203)にプラスチックの流れを分配するステップと、
‐計量ユニット(3)を提供するステップと、
‐複数の出口弁を有する出口弁システム(302)を介してプラスチックの連続的な流れから複数の用量を、計量ユニット(3)を用いて、形成するステップであって、各出口弁は対応する送出分岐(203)に配置され且つ開位置と閉位置との間で切り替え可能である、ステップと、
‐複数の送出分岐(203)に配置された複数の雌型要素(401)の各々に、同時に、複数の用量の各々の用量を供給するステップと、
‐複数の雌型要素(401)と対応する複数の雄型要素(403)との間の用量を圧縮して、複数のプラスチック材料の物体を形成するステップと、を含む方法。
B1.
制御ユニット(5)によって実行される以下のステップを含み、すなわち、
‐計量ユニット(3)を、分配ユニット(2)から送り出されるプラスチックの流れを遮断することを可能にする充填構成から、内部容積からプラスチックを排出し且つ複数の雌型要素(401)の複数のシート(402)に用量を供給するために出口(205)を介してプラスチックの用量を供給することを可能にする排出構成に切り替えるステップと、
‐計量ユニット(3)を排出構成から充填構成に切り替えるステップと、を含み、
出口弁システムは、計量ユニット(3)が充填構成にあるときに閉構成にあり、計量ユニット(3)が排出構成にあるときに開構成にある、段落Bに記載の方法。
B1.1.
‐計量ユニット(3)の複数の仕切要素(303、303A、303B)を提供するステップであって、複数の仕切要素(303、303A、303B)の各々は、分配ユニット(2)の内部容積を変化させるために上限位置(X1)と下限位置(X2)との間で移動可能であり、複数の仕切要素(303、303A、303B)は、供給ダクト(201)の下流に配置される一群の仕切要素を含む、ステップと、
‐複数の仕切要素(303、303A、303B)のうちの少なくとも1つの仕切要素を、上限位置(X1)と下限位置(X2)との間で、好ましくはアクチュエータ(304、305)によって移動させるステップ、を含み、
複数の仕切要素(303、303A、303B)は、
排出構成において上限位置(X1)から下限位置(X2)まで移動し、
充填構成において下限位置(X2)から上限位置(X1)まで移動する、段落B1に記載の方法。
B1.1.1.
計量ユニット(3)は、入口(202)から出口(205)へのプラスチックの供給方向に対して出口弁システム(302)の上流に配置された追加の弁システム(301)を含み、追加の弁システム(301)と出口弁システム(302)との間に含まれる内部容積の作動部分は、最小容積を有する収縮構成から最大容積を有する拡張構成まで可変であり、
本方法は、制御ユニット(5)によって実行される以下のステップをさらに含む、すなわち、
計量ユニット(3)が充填構成にある状態で、出口弁システム(302)を閉じ、追加の弁システム(301)を開くステップと、
計量ユニット(3)が排出構成にある状態で、追加の弁システム(301)を閉じ、出口弁システム(302)を開くステップと、を含む段落B1.1に記載の方法。
B1.1.2.
複数の仕切要素(303、303A、303B)のうちの少なくとも1つの上限位置(X1)は、内部容積の作動部分に収容可能なプラスチックの最大量を変化させるために、制御ユニットによって調整される、段落B1.1からB1.1.1のいずれか1つに記載の方法。
B1.1.2.1.
制御ユニットは(好ましくは各送出分岐ごとに)チェックパラメータを受信し、チェックパラメータに従って複数の仕切要素(303、303A、303B)のうちの少なくとも1つの仕切要素の上限位置(X1)を調整し、チェックパラメータは、送出分岐から送出される1回分の用量の容積または質量と、その用量の容積または質量の基準値との間の差を表す、段落B1.1.2に記載の方法。
B1.1.2.1.1.
複数の雌型要素(401)の各々は、複数の雄型要素(403)の対応する雄型要素と干渉しない離間位置と、用量を圧縮するために対応する雄型要素(403)と連動して作用して形成キャビティを閉じる近接位置との間で長手方向の移動軸(X)に沿って移動可能であり、各雄型要素(403)は、形成キャビティの閉位置での用量の圧縮に反応して、長手方向の移動軸(X)に沿って沈下運動を行うことができる弾性要素(404)に接続されており、制御ユニットは、沈下運動に応じてチェックパラメータを導出する、段落B1.1.2.1に記載の方法。
B1.1.2.2.
制御ユニットは(好ましくは各送出分岐ごとに)装置内(好ましくは送出分岐内)を流れるプラスチックの流量を表す流量パラメータを受信し、流量パラメータに従って複数の仕切要素(303、303A、303B)のうちの少なくとも1つの要素の上限位置(X1)を調整する、段落B1.1.2に記載の方法。
B1.2.
複数のセンサを含むセンサシステムを準備するステップを含み、複数のセンサの各々は、各送出分岐(203)内のプラスチックの流量と相関する流量パラメータをリアルタイムで検出し、制御ユニット(5)は、センサシステムおよび出口弁システム(302)に接続され、流量パラメータに応じて出口弁(302)を駆動する、段落B1.1から段落B1.1.2.2のいずれか1つに記載の方法。
B1.2.1.
流量パラメータは、各出口(205)を通って押し出され且つ分配ユニット(2)の外側に配置されたプラスチックの区間の長さを表す、段落B1.2による方法。
B2.
出口弁システム(302)は、複数の送出分岐(203)に配置された複数のプッシャ(302A)を含み、各プッシャ(302A)は、対応する送出分岐(203)を開く後退位置と、対応する送出分岐(203)を閉じる複数の前進位置との間で往復移動し、その結果、プッシャ(302A)は、前進位置間で抽出方向に移動することにより、対応する出口弁を閉じた状態に保ちつつ、出口(205)を通して対応する用量を押し出す、段落BからB1.2.1のいずれか1つに記載の方法。
B3.
出口弁システム(302)は複数の切断装置を含み、各切断装置は出口(205)に配置され、方法は、
‐プラスチックを出口(205)から送り出すことを可能にするために各切断装置を開くステップと、
‐各切断装置を閉じて出口(205)を閉じ、これにより、対応する用量を形成するプラスチックの量を分離するステップと、を含む段落BからB2のいずれか1つに記載の方法。
B3.1.
各切断装置は、対応する出口を塞いでシャッタを規定するように構成される段落B3に記載の方法。
B3.1.1.
各切断装置は制御ユニットに接続されており、制御ユニットは作業サイクルを制御し、閉鎖時間(その間、切断装置/シャッタが閉じている)および開放時間(その間、切断装置/シャッタが開いている)を決定する、段落B3.1に記載の方法。
B3.1.1.1.
制御ユニットは、種々の切断装置/シャッタに対して異なる作業サイクルを設定できるように、異なる態様で切断装置/シャッタを管理する、段落B3.1.1に記載の方法。
B3.2.
‐複数のセンサを含むセンサシステムを提供するステップと、
‐複数のセンサの各々を介して、各送出分岐(203)内のプラスチックの流量と相関する流量パラメータをリアルタイムで検出するステップであって、流量パラメータが各出口(205)を通って押し出され且つ分配ユニット(2)の外側に配置されたプラスチックの区間の長さを表す、ステップと、
‐切断装置およびセンサシステムに接続された制御ユニット(5)を介して、流量パラメータを受信し、流量パラメータに応じて切断装置を閉じ、切断装置を開くステップと、を含む段落B3からB3.1.1.1のいずれか1つに記載の方法。
B3.3.
各切断装置は第1のナイフおよび第2のナイフを備え、第1のナイフおよび第2のナイフは各々、当該ナイフの移動方向に対して当該ナイフの両側に配置された第1の刃と第2の刃を含み、第1のナイフおよび第2のナイフは、移動方向に沿って互いに並置され、方法は、第1のナイフと第2のナイフを開き、第1のナイフと第2のナイフをさらに開くステップ中に閉じるステップを含み、第1のナイフと第2のナイフは位置を交換し、出口で用量を切断するために連動して作用する、段落B3からB3.2のいずれか1つに記載の方法。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0123】
【特許文献1】JP2017177455A
【特許文献2】JPH06114867A
【特許文献3】US5858420
【特許文献4】IT102021000032507
【外国語明細書】