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特開2023-179391シリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物、その製造方法、及びそれを含む硬化性組成物
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  • 特開-シリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物、その製造方法、及びそれを含む硬化性組成物 図1
  • 特開-シリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物、その製造方法、及びそれを含む硬化性組成物 図2
  • 特開-シリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物、その製造方法、及びそれを含む硬化性組成物 図3
  • 特開-シリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物、その製造方法、及びそれを含む硬化性組成物 図4
  • 特開-シリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物、その製造方法、及びそれを含む硬化性組成物 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179391
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】シリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物、その製造方法、及びそれを含む硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/48 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
C08G77/48 ZBP
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093511
(22)【出願日】2023-06-06
(31)【優先権主張番号】10-2022-0068914
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0071533
(32)【優先日】2023-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】596180076
【氏名又は名称】韓國電子通信研究院
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】218,Gajeong-ro Yuseong-gu Daejeon 34129,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】チェ、クァン-ムン
(72)【発明者】
【氏名】オム、ヨンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ、ジホ
(72)【発明者】
【氏名】チェ、クワン-ソン
(72)【発明者】
【氏名】ムン、ソク-ファン
(72)【発明者】
【氏名】オ、ジンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】ヨン、ホ-キョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、チャンミ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、キソク
【テーマコード(参考)】
4J246
【Fターム(参考)】
4J246AA11
4J246BA040
4J246BA04X
4J246BA050
4J246BA05X
4J246BA120
4J246BA12X
4J246BA140
4J246BA14X
4J246BA160
4J246BA16X
4J246BA270
4J246BA27X
4J246BB020
4J246BB022
4J246BB02X
4J246BB030
4J246BB032
4J246BB03X
4J246BB240
4J246BB242
4J246BB24X
4J246CA240
4J246CA24X
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4J246CA34X
4J246CA400
4J246CA40X
4J246CA650
4J246CA65X
4J246CA660
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4J246CA690
4J246CA69X
4J246CA760
4J246CA76X
4J246CA790
4J246CA79X
4J246CA830
4J246CA83X
4J246FA081
4J246FA131
4J246FD01
4J246GA01
4J246GA02
4J246GA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ディスプレイ、半導体などの先端素材分野に適用可能な、イソヘキシド基盤のプラスチックを提供する。
【解決手段】本発明は有無機化合物に関し、第1構造体と、硬化性反応基と、を含むが、前記第1構造体は、シランとイソヘキシドがシリルエーテル結合を介して化学的に結合した構造を有する有無機化合物及びそれを含む硬化性組成物を提供することにある。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1構造体と、
硬化性反応基と、を含むが、
前記第1構造体は、シランとイソヘキシドがシリルエーテル結合を介して化学的に結合した構造を有する有無機化合物。
【請求項2】
前記有無機化合物は下記化学式1を満足する請求項1に記載の有無機化合物。
【化1】
前記化学式において、a、b、cは0または正数であり、d、eは正数であり、
前記R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して硬化性反応基、C乃至C20のアルキル基、C乃至Cのシクロアルキル基、またはC乃至C20のアリール基からなる群より選択され、
前記R、R、R、R、R、及びRのうち少なくとも一つは硬化性反応基を含む。
【請求項3】
前記シリルエーテル基に結合するシロキサン基を更に含む請求項1に記載の有無機化合物。
【請求項4】
0.1≦a+b+c≦0.9で、
0≦d≦0.3で、
0.1≦e≦0.9で、
a+b+c+d+e=1である請求項1に記載の有無機化合物。
【請求項5】
前記硬化性反応基は、エポキシ基、アミン基、アクリル基、メタクリル基、メルカプト基、カルボキシル基、ビニル基、ニトロ基、スルホン基、ヒドロキシ基、ウレタン基、ウレイド、イソシアネート、オキセタン基、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項1に記載の有無機化合物。
【請求項6】
前記イソヘキシドは、イソソルビド、イソマンニド、イソイジド、及びこれらの組み合わせのうちから少なくとも一つを含む請求項1に記載の有無機化合物。
【請求項7】
前記有無機化合物は下記化学式2を満足する請求項1に記載の有無機化合物。
【化2】
前記化学式2において、xは前記硬化性反応基と炭素化合物とを含み、
nは正数である。
【請求項8】
シラン化合物を準備することと、
イソヘキシドを準備することと、
前記シラン化合物と前記イソヘキシドを反応させることと、を含むが、
前記シラン化合物と前記イソヘキシドを反応させることでシリルエーテル結合が形成される有無機化合物の製造方法。
【請求項9】
前記シラン化合物は下記化学式4乃至7、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項8に記載の有無機化合物の製造方法。
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
前記R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して硬化性反応基、C乃至C20のアルキル基、C乃至Cのシクロアルキル基、またはC乃至C20のアリール基からなる群より選択され、
前記R、R、R、R、R、及びRのうち少なくとも一つは硬化性反応基を含み、
前記R、RII、RIII、RIVはそれぞれ独立して水素、線形のC乃至Cのアルキル基、分枝型のC乃至Cアルキル基を含む。
【請求項10】
総反応物に対して前記化学式4、5、6のシラン化合物のモル比はf、
総反応物に対して前記化学式7のシラン化合物のモル比はg、
総反応物に対して前記イソヘキシドのモル比はhと定義され、
0.1≦f≦0.9で、0≦g≦0.3で、0.1≦h≦0.9で、f+g+h=1である請求項9に記載の有無機化合物の製造方法。
【請求項11】
シロキサン結合を形成することを更に含む請求項8に記載の有無機化合物の製造方法。
【請求項12】
前記シロキサン結合を形成することは、前記シラン化合物の間で加水反応または縮合反応のうち一つ以上の反応を行うことを含む請求項11に記載の有無機化合物の製造方法。
【請求項13】
前記シラン化合物と前記イソヘキシドを反応させることと、
前記シロキサン結合を形成することを促進するように触媒を使用することと、を更に含むが、
前記触媒は、
酢酸、塩酸、フッ化水素、硫酸、硝酸、クロロスルホン酸、ヨウ素酸、ピロリン酸などの酸性触媒、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、イミダゾールなどの塩基性触媒、及び
イオン交換樹脂、水、及びこれらの組み合わせからなる群のうち一つである請求項11に記載の有無機化合物の製造方法。
【請求項14】
前記シラン化合物が含む硬化性反応基はエポキシ基そして/またはオキセタン基である請求項9に記載の有無機化合物の製造方法。
【請求項15】
前記シラン化合物は、5,6-エポキシヘキシルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3-エチル-3-[[3-トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル]オキセタン、7-トリメトキシシリル-4-チアーヘプタノイン酸-(3ーエチル-オキセタン-3-イル)メチルエステル、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-(3-エチルオキセタン-3-イル)-メチルカルバミン酸、2-(3-トリエトキシシリルプロピルチオ)コハク酸-ビス-[3-エチルオキセタン-3-イル)-メチル]エステル、(3,4-エオイキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン、(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジエトキシシラン、(2-(7-オキサビシクロ[4,1,0]へプタン-3-イル)エチル)(メチル)シランジオール、ジメトキシ(メチル)(3-(オキシラン-2-イル)プロピル)シラン、ジエトキシ(メチル)(3-(オキシラン-2-イル)プロピル)シラン、メチル(3-(オキシラ-2-イル)プロピル)シランジオール、(3-グリシドキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、(3-グリシドキシプロピル)ジエトキシメチルシラン、そして(3-グリシドキシプロピル)メチルシランジオール、(3ーグリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、及び3-グリシドキシプロピルジメチルメトキシシランのうちいずれか一つである請求項14に記載の有無機化合物の製造方法。
【請求項16】
前記シラン化合物が含む硬化性反応基は、アミン基、ウレイド基、イソシアネート基、及びメルカプト基のうち一つ以上を含む請求項8に記載の有無機化合物の製造方法。
【請求項17】
前記シラン化合物は、4-アミノブチルトリエトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(6-アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン、N-(6-アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、n-(2-アミノエチル)-11-アミノウンデシルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルシラントリオール、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3ジメチル-ブチリデン)プロプルアミン、N-フェニル-3-アミノプロヒルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル3-アミノプロピルトリメトキシシランヒドロクロリド、3-(m-アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、m-アミノフェニルトリメトキシシラン、p-アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、11-アミノウンデシルトリエトキシシラン、2-(4-ピリジルエチル)トリエトキシシラン、2-(2-ピリジルエチル)トリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシランプロピル)ピロール、3-アミノプロピルシラントリオール、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メリカプトプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、Nー(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、1-アミノ-2-(ジメチルエトキシシリル)プロパン、3-アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3-アミノプロピルジメチルエトキシシラン、及びN-(2-アミノエチル)-3-アミノイソブチルジメチルメトキシシランのうちいずれか一つである請求項14に記載の有無機化合物の製造方法。
【請求項18】
第1構造体と硬化性反応基とを含む有無機化合物と、
硬化剤と、を含むが、
前記第1構造体はシラン及びイソヘキシドがシリルエーテル結合を介して化学的に結合した構造を有し、
前記硬化性反応基はエポキシ基、オキセタン基、またはこれらの組み合わせのうちいずれか一つである硬化性組成物。
【請求項19】
開始剤と、
反応性希釈剤と、
添加剤と、を更に含むが、
前記硬化剤は:
硬化性反応基として、アミン基、ウレイド基、イソシアネート基、メルカプト基を有するシリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、カルボキシル酸系硬化剤、ホスフィン系硬化剤、ヨウ素誘導体系硬化剤、及びこれらの組み合わせのうちいずれか一つであり、
前記開始剤は、光酸発生剤、光塩発生剤、熱酸発生剤、及びこれらの組み合わせのうちいずれか一つであり、
前記反応性希釈剤は、エポキシ反応性希釈剤、オキセタン反応性希釈剤、ポリエチレングリコール、及びこれらの組み合わせのうちいずれか一つであり、
前記添加剤は、グラフェン、炭素ナノチューブ、フラーレン、六角形窒化ホウ素、窒化ホウ素ナノチューブ、アルミナ、マキシン、及びこれらの組み合わせのうちいずれか一つである請求項18に記載の硬化性組成物。
【請求項20】
前記第1構造体はシロキサン結合を更に含む請求項18に記載の硬化性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は硬化性反応器とシリルエーテル結合を含むイソヘキシド基盤の有無機化合物、その製造方法、及びそれを含む硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
気候変化対応及び持続可能な成長のために、低炭素で環境に優しいことへの要求が次第に増加するにつれ、従来の石油基盤のプラスチックをバイオ基盤のプラスチックに代替するための努力が活発に行われている。特に、イソヘキシドはトウモロコシ、砂糖、小麦、及びジャガイモなどを原料とする100%天然バイオ物質であって、従来の石油化学基盤のビスフェノール系化合物に比べ毒性がなく、機械的特性も類似しているため、それを利用したイソヘキシド基盤のプラスチックが多くの脚光を浴びている。しかし、現在具現されているイソヘキシド基盤のプラスチックは低炭素で環境に優しいことへの要求は満足するが、従来の石油化学基盤のプラスチックに比べ画期的に優れた特性を具現してはおらず、ディスプレイ、半導体などの先端素材分野には適用することが難しいという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする一技術的課題は、硬化性反応基とシリルエーテル結合を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物及びそれを含む硬化性組成物を提供することにある。
【0004】
本発明が解決しようとする一技術的課題は、硬化性反応基とシリルエーテル結合を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物の製造方法を提供することにある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は前記で言及した課題に限らず、言及されていない他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例による有無機化合物は、第1構造体と、硬化性反応基と、を含むが、前記第1構造体は、シランとイソヘキシドがシリルエーテル結合を介して化学的に結合した構造を有する。
【0007】
本発明の一実施例による有無機化合物は、下記化学式1を満足する。
【化1】
【0008】
前記化学式において、a、b、cは0または正数であり、d、eは正数であり、
前記R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して硬化性反応基、C乃至C20のアルキル基、C乃至Cのシクロアルキル基、またはC乃至C20のアリール基からなる群より選択され、前記R、R、R、R、R、及びRのうち少なくとも一つは硬化性反応基を含む。
【0009】
本発明の一実施例による有無機化合物は、前記シリルエーテル基に結合するシロキサン基を含む。本発明の一実施例による有無機化合物において、0.1≦a+b+c≦0.9で、0≦d≦0.3で、0.1≦e≦0.9で、a+b+c+d+e=1である。本発明の一実施例によると、硬化性反応基は、エポキシ基、アミン基、アクリル基、メタクリル基、メルカプト基、カルボキシル基、ビニル基、ニトロ基、スルホン基、ヒドロキシ基、ウレタン基、ウレイド、イソシアネート、オキセタン基、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0010】
本発明の一実施例によると、前記イソヘキシドは、イソソルビド、イソマンニド、イソイジド、及びこれらの組み合わせのうちから少なくとも一つを含む。
【0011】
本発明の一実施例による有無機化合物は、下記化学式2を満足する。
【化2】
【0012】
前記化学式2において、xは前記硬化性反応基及び炭素化合物を含み、nは正数である。
【0013】
本発明の一実施例による有無機化合物の製造方法は、シラン化合物を準備することと、イソヘキシドを準備することと、前記シラン化合物と前記イソヘキシドを反応させることと、を含むが、前記シラン化合物と前記イソヘキシドを反応させることでシリルエーテル結合が形成される。
【0014】
本発明の一実施例によると、前記シラン化合物は下記化学式4乃至7からなる、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0015】
[化学式4]
Si(OR
[化学式5]
Si(ORII
[化学式6]
Si(ORIII
[化学式7]
Si(ORIV
【0016】
前記R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して硬化性反応基、C乃至C20のアルキル基、C乃至Cのシクロアルキル基、またはC乃至C20のアリール基からなる群より選択され、
前記R、R、R、R、R、及びRのうち少なくとも一つは硬化性反応基を含み、
前記R、RII、RIII、RIVはそれぞれ独立して水素、線形のC乃至Cのアルキル基、分枝型のC乃至Cアルキル基を含む。
【0017】
本発明の一実施例によると、総反応物に対して前記化学式4、5、6のシラン化合物のモル比はf、総反応物に対して前記化学式7のシラン化合物のモル比はg、総反応物に対して前記イソヘキシドのモル比はhと定義され、0.1≦f≦0.9で、0≦g≦0.3で、0.1≦h≦0.9で、f+g+h=1である。
【0018】
本発明の一実施例による有無機化合物の製造方法において、シロキサン結合を形成することを更に含む。
【0019】
本発明の一実施例による有無機化合物の製造方法において、前記シロキサン結合を形成することは、前記シラン化合物の間で加水反応または縮合反応のうち一つ以上の反応を行うことを含む。
【0020】
本発明の一実施例による有無機化合物の製造方法において、前記シラン化合物と前記イソヘキシドを反応させることと、前記シロキサン結合を形成することを促進するように触媒を使用することと、を更に含むが、前記触媒は、酢酸、塩酸、フッ化水素、硫酸、硝酸、クロロスルホン酸、ヨウ素酸、ピロリン酸などの酸性触媒、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、イミダゾールなどの塩基性触媒、及びイオン交換樹脂、水、及びこれらの組み合わせからなる群のうち一つである。
【0021】
本発明の一実施例による有無機化合物の製造方法において、前記シラン化合物が含む硬化性反応基はエポキシ基そして/またはオキセタン基である。
【0022】
本発明の一実施例による有無機化合物の製造方法において、前記シラン化合物は、5,6-エポキシヘキシルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3-エチル-3-[[3-トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル]オキセタン、7-トリメトキシシリル-4-チアーヘプタノイン酸-(3-エチル-オキセタン-3-イル)メチルエステル、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-(3-エチルオキセタン-3-イル)-メチルカルバミン酸、2-(3-トリエトキシシリルプロピルチオ)コハク酸-ビス-[3-エチルオキセタン-3-イル)-メチル]エステル、(3,4-エオイキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン、(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジエトキシシラン、(2-(7-オキサビシクロ[4,1,0]へプタン-3-イル)エチル)(メチル)シランジオール、ジメトキシ(メチル)(3-(オキシラン-2-イル)プロピル)シラン、ジエトキシ(メチル)(3-(オキシラン-2-イル)プロピル)シラン、メチル(3-(オキシラ-2-イル)プロピル)シランジオール、(3-グリシドキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、(3-グリシドキシプロピル)ジエトキシメチルシラン、そして(3-グリシドキシプロピル)メチルシランジオール、(3-グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、及び3-グリシドキシプロピルジメチルメトキシシランのうちいずれか一つである。
【0023】
本発明の一実施例による有無機化合物の製造方法は、前記シラン化合物が含む硬化性反応基は、アミン基、ウレイド基、イソシアネート基、及びメルカプト基のうち一つ以上を含む。
【0024】
本発明の一実施例による有無機化合物の製造方法において、前記シラン化合物は、4-アミノブチルトリエトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(6-アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン、N-(6-アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、n-(2-アミノエチル)-11-アミノウンデシルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルシラントリオール、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3ジメチル-ブチリデン)プロプルアミン、N-フェニル-3-アミノプロヒルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル3-アミノプロピルトリメトキシシランヒドロクロリド、3-(m-アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、m-アミノフェニルトリメトキシシラン、p-アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、11-アミノウンデシルトリエトキシシラン、2-(4-ピリジルエチル)トリエトキシシラン、2-(2-ピリジルエチル)トリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシランプロピル)ピロール、3-アミノプロピルシラントリオール、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メリカプトプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、1-アミノ-2-(ジメチルエトキシシリル)プロパン、3-アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3-アミノプロピルジメチルエトキシシラン、及びN-(2-アミノエチル)-3-アミノイソブチルジメチルメトキシシランのうちいずれか一つである。
【0025】
本発明の一実施例による硬化性組成は、第1構造体と硬化性反応基とを含む有無機化合物と、硬化剤と、を含むが、前記第1構造体はシラン及びイソヘキシドがシリルエーテル結合を介して化学的に結合した構造を有し、前記硬化性反応基はエポキシ基、オキセタン基、またはこれらの組み合わせのうちいずれか一つである。
【0026】
本発明の一実施例による硬化性組成物は、開始剤と、反応性希釈剤と、添加剤と、を更に含むが、前記硬化剤は、硬化性反応基としてアミン基、ウレイド基、イソシアネート基、またはメルカプト基を有するシリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、カルボキシル酸系硬化剤、ホスフィン系硬化剤、ヨウ素誘導体系硬化剤、及びこれらの組み合わせのうちいずれか一つであり、前記開始剤は、光酸発生剤、光塩発生剤、熱酸発生剤、及びこれらの組み合わせのうちいずれか一つであり、前記反応性希釈剤は、エポキシ反応性希釈剤、オキセタン反応性希釈剤、ポリエチレングリコール、及びこれらの組み合わせのうちいずれか一つであり、前記添加剤は、グラフェン、炭素ナノチューブ、フラーレン、六角形窒化ホウ素、窒化ホウ素ナノチューブ、アルミナ、マキシン、及びこれらの組み合わせのうちいずれか一つである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によるシリルエーテル結合を有するイソヘキシド基盤の化合物は、シリルエーテル結合を有することで低炭素で環境にやさしいバイオプラスチックソリューションを提供することはもちろん、耐熱性及び熱機械的特性が向上される。それによって、従来の石油化学基盤のエポキシに比べ優れた耐熱性及び熱機械的特性を具現することができる。
【0028】
究極的に、本発明のシリルエーテル結合を有するイソヘキシド基盤化合物を利用することで、ディスプレイ、半導体、自動車、航空、ロボットなど先端素材分野に応用される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】従来のイソヘキシド基盤のエポキシ樹脂を説明するためのグラフである。
図2】従来のイソヘキシド基盤のエポキシ樹脂を説明するためのグラフである。
図3】本発明の一実施例によるイソヘキシド基盤の化合物を説明するためのグラフである。
図4】本発明の一実施例によるイソヘキシド基盤の化合物を説明するためのグラフである。
図5】本発明の一実施例によるイソヘキシド基盤の化合物を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付した図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるはずである。しかし、本発明は以下に開示される実施例に限らず、互いに異なる様々な形態に具現されるはずであるが、但し、本実施例は本発明の開示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであって、本発明は特許請求の範疇によって定義されるのみである。明細書全文にわたって、同じ参照符号は同じ構成要素を指す。
【0031】
本明細書で使用された用語は実施例を説明するためのものであって、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数形は文の中で特に言及されない限り複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」及び/または「含む(comprising)’は言及された構成要素、ステップ、動作、及び/または素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作、及び/または素子の存在または追加を排除しない。
【0032】
また、本明細書で記述する実施例は本発明の理想的な例示図である断面図及び/または平面図を参考して説明される。図面において、膜及び領域の厚さは、技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。よって、製造技術及び/または許容誤差などによって例示図の形態が変更され得る。よって、本発明の実施例は、図示した特定の形態に限らず、製造工程によって生成される形態の変化も含む。よって、図面で例示した領域は概略的な属性を有し、図面で例示された領域の模様は素子の領域の特定の形態を例示するためのものであって発明の範疇を制限するためのものではない。
【0033】
本発明の実施例で使用される用語は異なるように定義されない限り、該当技術分野における通常の知識を有する者に通常的に知られている意味で解釈される。
【0034】
図1及び図2は、従来の石油化学基盤のプラスチックとバイオプラスチックの特性を比較する一例のグラフである。
【0035】
従来の石油化学基盤のプラスチックにおいて、特にビスフェノール系樹脂は強度と耐熱性が優秀なため結構多い分野に適用されているが、内分泌系の撹乱を誘発する恐れがあるという問題のため、環境にやさしいバイオプラスチックに対する要求が増加している。また、炭素中立のために炭素国境調整制度のような低炭素政策に対応するために、従来の石油化学基盤のプラスチックをバイオプラスチックに代替する必要が増加することで、その一環としてイソヘキシド基盤のバイオプラスチックが代替剤として台頭している。
【0036】
イソヘキシド基盤のバイオプラスチックはトウモロコシデンプンから由来するイソヘキシドを基盤にするイソヘキシド基盤のエポキシ樹脂を含む。
【0037】
図1を参照すると、石油化学基盤のプラスチックであるビスフェノールエポキシ樹脂(DGEBA)とアミン強化剤(DETA)、及びイソヘキシド基盤のプラスチックであるイソソルビド基盤のエポキシ樹脂(DGEI)とイソソルビド基盤のアミン強化剤(ISODA)の特性が示されている。
【0038】
図1のグラフは、動的機械分析(DMA)でDGEBA/DETA(ビスフェノール A/ジエチレントリアミンのジグリシジルエーテル)、DGEBA/ISODA(ビスフェノール A/イソソルビドジアミンのジグリシジルエーテル)、DGEI/ISODA(イソソルビド/イソソルビドジアミンのジグリシジルエーテル)、及びDGEI/DETA(イソソルビド/ジエチレントリアミンのジグリシジルエーテル)を分析したグラフである。図1のグラフのy軸は弾性係数(storage modulus、MPa)であり、x軸は温度(temperature、℃)である。図1を参照すると、イソヘキシド基盤のプラスチックを含むDGEBA/ISODA、DGEI/DETA、及びDGEI/ISODAの弾性係数は、DGEBA/DETAの弾性係数より著しく低い温度で急激に低下する。
【0039】
図2を参照すると、石油化学基盤のプラスチックであるビスフェノールエポキシ樹脂(DGEBA)とアミン強化剤(DETA)、及びイソヘキシド基盤のプラスチックであるイソソルビド基盤のエポキシ樹脂(DGEI)とイソソルビド基盤のアミン強化剤(ISODA)の特性が示されている。図2のグラフは、熱重量分析(TGA)でDGEBA/DETA、DGEBA/ISODA、DGEI/ISODA、及びDGEI/DETAを分析したグラフである。
【0040】
図2のグラフを参照すると、温度による熱分解される重量%が示されている。
【0041】
図2のy軸は重量(Weight、%)であり、x軸は温度(℃)である。5重量%熱分解が行われる温度は石油化学基盤のプラスチックであるDGEBA/DETAが最も高く、イソヘキシド基盤のプラスチックを含むDGEI/DETA、DGEBA/ISODA、及びDGEI/ISODAの順に低くなる。
【0042】
図1及び図2を参照すると、従来の石油化学基盤のプラスチックの熱的物理的特性が従来のバイオプラスチックより優れている。
【0043】
本発明による有無機化合物は、シリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物である。
【0044】
本発明による有無機化合物は、シリルエーテル基を有するイソヘキシド由来の分子構造と硬化性反応基とを含む。本発明による有無機化合物は下記化学式1を満足する。化学式1は平均単位化学式である。
【化3】
【0045】
前記化学式において、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して硬化性反応基、C乃至C20のアルキル基、C乃至Cのシクロアルキル基、またはC乃至C20のアリール基からなる群より選択され、前記R、R、R、R、R、及びRのうち少なくとも一つ以上は硬化性反応基を含む。
【0046】
硬化性反応基は、エポキシ基、アミン基、アクリル基、メタクリル基、メルカプト基、カルボキシル基、ビニル基、ニトロ基、スルホン基、ヒドロキシ基、ウレタン基、オキセタン基、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0047】
前記化学式1において、b、cはそれぞれ0または正数であるが、0.1≦a+b+c≦0.9で、0≦d≦0.3で、0.1≦e≦0.9で、a+b+c+d+e=1である。a+b+cが0.1未満であればイソヘキシドとシリルエーテル結合を形成し得るシラン化合物が相対的に少ないため合成されない恐れがあり、0.9以上であればイソヘキシドに起因するバイオ炭素の含量が少なくて環境にやさしい政策に対応することが難しい恐れがある。dが0.3以上であれば化学反応が過度に行われてゲル化(Gelation)が起こる恐れがある。eが0.1以下であればイソヘキシドに起因するバイオ炭素の含量が少ないため環境にやさしい政策に対応することが難しい恐れがあり、0.9以上であればイソヘキシドとシリルエーテル結合を形成するシラン化合物が相対的に少ないため合成されない恐れがある。
【0048】
本発明の一実施例によると、イソヘキシド基盤の有無機化合物は、前記化学式1において、(RSiO3/2)単位、(RSiO2/2)単位、(RSiO1/2)単位、(SiO4/2)単位をそれぞれ独立して複数で含む。例えば、イソヘキシド基盤の有無機化合物が3つの(RSiO3/2)単位、2つの(RSiO2/2)単位、一つの(RSiO1/2)単位、一つの(SiO4/2)単位からなれば、下記化学式Zの平均単位化学式で表記される。
【化4】
【0049】
前記化学式Zにおいて、R1a、R1b、R1cはそれぞれ前記化学式1のRで定義した通りであり、ai、aii、aiiiはそれぞれ0または正数であり、和は前記化学式1で定義したaであり、R2a、R2bはそれぞれ前記化学式1のRで定義した通りであり、R3a、R3bはそれぞれ前記化学式1のRで定義した通りであり、bi、biiはそれぞれ0または正数であり、和は前記化学式1で定義したbであり、前記化学式2のR1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R3a、R3b、R、R、Rのうち少なくとも一つ以上は硬化性反応基を含む。
【0050】
前記イソヘキシドは、イソソルビド、イソマンニド、イソイジド、及びこれらの組み合わせのうちから少なくとも一つ以上を含む。
【0051】
本発明によるイソヘキシド基盤の有無機化合物は、分子内シリルエーテル結合を必ずしも含み、シロキサン結合も追加に含むことで、従来のイソヘキシド基盤の有無化合物に比べ熱的、機械的に優れた特性を具現することができる。この場合、有無機化合物は下記化学式2を満足する。一実施例の分子構造の一部分として前記シリルエーテル結合とシロキサン結合は、下記化学式2で表記されたようにそれぞれSi-O-C結合とSi-O-Si結合を意味する。
【化5】
【0052】
前記化学式2において、xは前記硬化性反応基及び炭素化合物を含み、nは正数である。
【0053】
前記Xは下記式3を満足する。
【0054】
[化学式3]
(RSiO3/2 (R SiO2/2 (RSiO1/2 (SiO4/2
【0055】
この場合、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して硬化性反応基、C乃至C20のアルキル基、C乃至Cのシクロアルキル基、またはC乃至C20のアリール基からなる群より選択され、前記R、R、R、R、R、及びRのうち少なくとも一つは硬化性反応基を含み、前記a、b、c、dは正数である。この場合、0.1≦a+b+c≦0.9で、0≦d≦0.3である。
【0056】
本発明の一実施例による有無機化合物の製造方法は、シラン化合物を準備することと、イソヘキシドを準備することと、シラン化合物とイソヘキシドを反応させることを含むが、シラン化合物とイソヘキシドを反応させることでシリルエーテル結合が形成される。
【0057】
シラン化合物とイソヘキシドを反応させることは縮合反応によってシリルエーテル結合を形成することを含む。
【0058】
シラン化合物は下記化学式4乃至7、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0059】
[化学式4]
Si(OR
[化学式5]
Si(ORII
[化学式6]
Si(ORIII
[化学式7]
Si(ORIV
【0060】
、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して硬化性反応基、C乃至C20のアルキル基、C乃至Cのシクロアルキル基、またはC乃至C20のアリール基からなる群より選択され、前記R、R、R、R、R、及びRのうち少なくとも一つは硬化性反応基を含み、R、RII、RIII、RIVはそれぞれ独立して水素、線形のC乃至Cのアルキル基、分枝型のC乃至Cアルキル基を含む。
【0061】
イソヘキシドは3つの形態の異性体であるイソマンニド、イソソルビド、イソイジドを含む。
【0062】
総反応物に対して化学式4、5、6で表されるシランのモル比は0.1乃至0.9の範囲にあり、前記総反応物に対して化学式7で表されるシランのモル比は0乃至0.3の範囲にあり、前記総反応物に対してイソヘキシドのモル比0.1乃至0.9の範囲にある。
【0063】
つまり、総反応物に対して前記化学式4、5、6のシラン化合物のモル比はf、総反応物に対して前記化学式7のシラン化合物のモル比はg、総反応物に対して前記イソヘキシドのモル比はhと定義され、0.1≦f≦0.9で、0≦g≦0.3で、0.1≦h≦0.9で、f+g+h=1である。fが0.1未満であればイソヘキシドとシリルエーテル結合を形成し得るシラン化合物が相対的に少ないため合成されない恐れがあり、0.9以上であればイソヘキシドに起因するバイオ炭素の含量が少なくて環境にやさしい政策に対応することが難しい恐れがある。gが0.3以上であれば化学反応が過度に行われてゲル化が起こる恐れがある。hが0.1以下であればイソヘキシドに起因するバイオ炭素の含量が少ないため環境にやさしい政策に対応することが難しい恐れがあり、0.9以上であればイソヘキシドとシリルエーテル結合を形成するシラン化合物が相対的に少ないため合成されない恐れがある。本発明の一具現例によると、イソヘキシド基盤の有無機化合物は前記化学式4、5、6、7で表される化合物及びイソヘキシドをそれぞれ独立して複数で含んで製造される。例えば、イソヘキシド基盤の有無機化合物が化学式4で表される3種類のシラン[R1aSi(ORIa、R1bSi(ORIb、R1cSi(ORIc]、化学式5で表される2種類のシラン[R2a3aSi(ORIIa、R2b3bSi(ORIIb]、化学式6で表される一種類のシラン[RSiORIII]、化学式7で表される一種類のシラン[Si(ORIV]、2種類のイソヘキシド[イソマンニド、イソソルビド]の縮合反応によって製造される。この際、R1a、R1b、R1cはそれぞれ化学式4のRで定義した通りであり、RIa、RIb、RIcはそれぞれ化学式4のRで定義した通りであり、R2a、R2bはそれぞれ化学式5のRで定義した通りであり、R3a、R3bはそれぞれ化学式6のRで定義した通りであり、RIIa、RIIbはそれぞれ化学式7のRIIで定義した通りである。
【0064】
本発明の一実施例によると、硬化性反応基は、エポキシ基、アミン基、アクリル基、メタクリル基、メルカプト基、カルボキシル基、ビニル基、ニトロ基、スルホン基、ヒドロキシ基、ウレタン基、ウレイド、イソシアネート、オキセタン基、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される。前記硬化性反応基のうち半導体、ディスプレイ分野の接着素材分野に活用するためにはエポキシ基、オキセタン基が好ましいが、前記エポキシ基はグリシジルエポキシ基と脂環式エポキシ基を含む。
【0065】
前記硬化性反応基としてエポキシ基そして/またはオキセタン基を有するシリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物は、エポキシ基そして/またはオキセタン基を有するシラン化合物を利用して製造される。詳しくは、エポキシ基そして/またはオキセタン基を有するシラン化合物のうち前記化学式4に当たるシラン化合物は、5,6-エポキシヘキシルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3-エチル-3-[[3-トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル]オキセタン、7-トリメトキシシリル-4-チアーヘプタノイン酸-(3-エチル-オキセタン-3-イル)メチルエステル、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-(3-エチルオキセタン-3-イル)-メチルカルバミン酸、2-(3-トリエトキシシリルプロピルチオ)コハク酸-ビス-[3-エチルオキセタン-3-イル)-メチル]エステルから選択される。詳しくは、エポキシ基そして/またはオキセタン基を有するシラン化合物のうち前記化学式5に当たるシラン化合物は、(3,4-エオイキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン、(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジエトキシシラン、(2-(7-オキサビシクロ[4,1,0]へプタン-3-イル)エチル)(メチル)シランジオール、ジメトキシ(メチル)(3-(オキシラン-2-イル)プロピル)シラン、ジエトキシ(メチル)(3-(オキシラン-2-イル)プロピル)シラン、メチル(3-(オキシラ-2-イル)プロピル)シランジオール、(3-グリシドキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、(3-グリシドキシプロピル)ジエトキシメチルシラン、そして(3-グリシドキシプロピル)メチルシランジオールから選択される。詳しくは、エポキシ基そして/またはオキセタン基を有するシラン化合物のうち前記化学式6に当たるシラン化合物は、3-(グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルジメチルメトキシシランから選択される。一実施例において、シラン化合物とイソヘキシドの反応でシリルエーテル結合を形成するだけでなく、シロキサン結合を追加に形成する。この場合、イソヘキシド基盤の有無機化合物は、前記化学式4、5、6、7で表されるシラン化合物の間の加水反応そして/または縮合反応によってシロキサン結合を追加に形成して製造される。前記加水反応のために反応物に水を追加に投入してもよい。
【0066】
前記シラン化合物とイソヘキシドの縮合反応、及びシラン化合物の間の加水反応そして/または縮合反応を促進するために触媒が使用されるが、前記触媒は酸性触媒、塩基性触媒、イオン交換樹脂、水、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0067】
詳しくは、前記触媒は、酢酸、塩酸、フッ化水素、硫酸、硝酸、クロロスルホン酸、ヨウ素酸、ピロリン酸などの酸性触媒、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、イミダゾールなどの塩基性触媒、及びイオン交換樹脂、水、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0068】
本発明の一実施例による硬化性組成物は、前記エポキシ基そして/またはオキセタン基を有するシリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物と、硬化剤、開始剤、添加剤、または反応性希釈剤のうちいずれか一つとを含む。
【0069】
前記硬化剤は、硬化性反応基として、アミン基、そして/またはウレイド基、そして/またはイソシアネート基、そして/またはメルカプト基を有するシリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、カルボキシル酸系硬化剤、ホスフィン系硬化剤、ヨウ素誘導体系硬化剤、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0070】
前記硬化性反応基としてアミン基、そして/またはウレイド基、そして/またはイソシアネート基、そして/またはメルカプト基を有するシリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物は前記化学式1を満足する。
【0071】
前記硬化性反応基としてアミン基、そして/またはウレイド基、そして/またはイソシアネート基、そして/またはメルカプト基を有するシリルエーテルイソヘキシド基盤の有無機化合物は、アミン基、そして/またはウレイド基、そして/またはイソシアネート基、そして/またはメルカプト基を有するシラン化合物を利用して製造される。詳しくは、アミン基、そして/またはウレイド基、そして/またはイソシアネート基、そして/またはメルカプト基を有するシラン化合物のうち前記化学式4に当たるシラン化合物は、4-アミノブチルトリエトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(6-アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン、N-(6-アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、n-(2-アミノエチル)-11-アミノウンデシルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルシラントリオール、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3ジメチル-ブチリデン)プロプルアミン、N-フェニル-3-アミノプロヒルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル3-アミノプロピルトリメトキシシランヒドロクロリド、3-(m-アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、m-アミノフェニルトリメトキシシラン、p-アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、11-アミノウンデシルトリエトキシシラン、2-(4-ピリジルエチル)トリエトキシシラン、2-(2-ピリジルエチル)トリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシランプロピル)ピロール、3-アミノプロピルシラントリオール、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メリカプトプロピルトリメトキシシランから選択される。詳しくは、アミン基、そして/またはウレイド基、そして/またはイソシアネート基、そして/またはメルカプト基を有するシラン化合物のうち前記化学式5に当たるシラン化合物は、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシランから選択される。詳しくは、アミン基、そして/またはウレイド基、そして/またはイソシアネート基、そして/またはメルカプト基を有するシラン化合物のうち前記化学式6に当たるシラン化合物は、1-アミノ-2-(ジメチルエトキシシリル)プロパン、3-アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3-アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノイソブチルジメチルメトキシシランから選択される。
【0072】
詳しくは、前記酸無水物系硬化剤は、フタル酸無水物、トリメリト酸無水物、ピロメリト酸酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボキシル酸二無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボキシル酸無水物、クロレンド酸無水物、及びこれらの組み合わせ及びこれらの化学的反応物から選択される。
【0073】
詳しくは、前記アミン系硬化剤は、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ジエチルアミノプロピレンアミン、アミノエチルピペラジン、メンタンジアミン、イソプロンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、2-メチル-4-ニトロアニリン、ジシアンジアミド、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、メチルベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,5-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7.1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]ノン-5-エン、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、及びこれらの組み合わせ及びこれらの化学的反応物から選択される。
【0074】
詳しくは、前記イミダゾール系硬化剤は、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリット酸、エポキシイミダゾール付加物、イミダゾール系を核にし、その表面を高分子系で被覆する形態のマイクロカプセル状の潜在性硬化剤、及びこれらの組み合わせ及びこれらの化学的反応物から選択される。
【0075】
詳しくは、前記カルボキシル酸硬化剤は、α-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸、アントラニル酸、3-アミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸、及びこれらの組み合わせから選択されるが、これに限らない。詳しくは、前記還元性硬化剤は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、システイン、メチオニン、セリン、オリニチン、3-フェニルセリン、トレオニン、L-ドーパ、ノルロイシン、フェニシルアミン、サルコシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、3-ヒドロキシプロリン、3,4-ジヒドロプロリン、ピぺコリン酸、β-アラニン、3-アミノブチン酸、イソセリン、3-アミノイソ酪酸、3-アミノ-2-フェニルピロピオン酸、3-アミノ-5-メチルヘキサン酸、3-アミノ-4-フェニル酪酸、3-アミノ-4-ヒドロキシ酪酸、3-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸、3-アミノ-4-メチルペンタン酸、3-アミノ-3-フェニルプロピオン酸、ピロリジン-3-カルボキシル酸、γ-アミノ酪酸、4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸、3-ビロリジン-2-イル-プロピオン酸、3-アミノシクロヘキサンカルボキシル酸、4-グアジノ酪酸、4-アミノ安息香酸、3-アミノ安息香酸、2-アミノ安息香酸、3,5-ジアミノ安息香酸、4-アミノサリチル酸、5-アミノサリチル酸、3-アミノイソニコチン酸、4-アミノニコチン酸、5-アミノニコチン酸、2-アミノニコチン酸、6-アミノニコチン酸、2-アミノイソニコチン酸、6-アミノピコリン酸、ギ酸、酢酸、ピロピオン酸、酪酸、バレリアン酸、カプリン酸、カプリル酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、α-リノレン酸、シクロヘキサンカルボキシル酸、フェニル酢酸、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、ニトロ安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、アントラニル酸、アミノ安息香酸、メトキシ安息香酸、グルタル酸、マレイン酸、アゼライン酸、アビエト酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アクリル酸、クエン酸などのカルボキシル酸、及びこれらの組み合わせ及びこれらの化学的反応物から選択される。
【0076】
前記開始剤は、光酸発生剤、光塩発生剤、熱酸発生剤、及びこれらの組み合わせから選択される。詳しくは、前記開始剤は、イッテルビウムトリフルオロメテンスルホン酸塩、サマリウムトリフルオロメテンスルホン酸塩、エルビウムトリフルオロメテンスルホン酸塩、ランタニウムトリフルオロメテンスルホン酸塩、テトラブチルホスホニウムメテンスルホン酸塩、エチルフェニルホスホニウムブロミド塩、3-メチル-2-ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩、9-(4-ヒドロキシエトキシフェニル)シアンスレニウムヘキサフルオロホスフェート塩、1-(3-メチルブト-2-エニル)テトラヒドロ-1H-チオフェニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、ジフェニルジヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、ジフェニルジヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩、ジトリルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩、トリフル酸塩、及びこれらの組み合わせ及びこれらの化学的反応物から選択される。
【0077】
前記反応性希釈剤は、エポキシ反応性希釈剤、オキセタン反応性希釈剤、ポリエチレングリコール、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0078】
詳しくは、前記エポキシ反応性希釈剤は、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコグリシジルエーテル-H、ポリプロピレングリコグリシジルエーテル-S、n-ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、4-ビニルシクロヘキセンジオキシド、シクロヘキセンビニルモノキシド、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシル酸、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシル酸、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-1,3-ジオキソラン、そしてビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジピン酸、及びこれらの組み合わせ及びこれらの化学的反応物から選択される。
【0079】
詳しくは、前記オキセタン反応性希釈剤は、3-メチルオキセタン、2-メチルオキセタン、3-オキセタノール、2-メチレンオキセタン、3-メチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3,3-オキセタンジメタンチオール、2-エチルヘキシルオキセタン、4-(3-メチルオキセタン-3-イル)ベンゾニトリル、N-(2,2-ジメチルプロピル)-3-メチル-3-オキセタンメタンアミン、N-(1,2-ジメチルブチル)-3-メチル-3-オキセタンメタンアミン、キシレンビスオキセタン、そして3-エチル-3[{(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ}メチル]オキセタン、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メト)アクリレート、そして4-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]ブタン-1-オール、及びこれらの組み合わせ及びこれらの化学的反応物から選択される。
【0080】
前記添加剤はグラフェン、炭素ナノチューブ、フラーレン、六角形窒化ホウ素、窒化ホウ素ナノチューブ、アルミナ、マキシン、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0081】
図3及び図4は、本発明の一実施例によるイソヘキシド基盤の化合物を含む硬化物が従来の石油化学基盤の化合物を含む硬化物に比べ優れた特性を示すことを説明するためのグラフである。
【0082】
図3を参照すると、本発明の一実施例によるイソヘキシド基盤の化合物を含み硬化物の熱分解特性が示されている。シリルエーテルを含むイソヘキシド基盤の有無機化合物を含む硬化物の特性は本発明と表記され、従来の石油化学基盤の化合物を含む硬化物の特性は従来と表記される。
【0083】
図3のX軸は温度(℃)で、y軸は重量(%)である。本発明のシリルエーテルを含むイソヘキシド基盤の有無機化合物を含む硬化物の重量5%の熱分解が行われる温度は285℃であり、従来の石油化学基盤の化合物を含む硬化物の重量5%熱分解が行われる温度は262℃である。図3のグラフはTGA分析(10℃/分、N)で分析した結果である。
【0084】
図4を参照すると、本発明の一実施例によるイソヘキシド基盤の化合物を含み硬化物の熱機械的特性が示されている。シリルエーテルを含むイソヘキシド基盤の有無機化合物を含む硬化物の特性は本発明と表記され、従来の石油化学基盤の化合物を含む硬化物の特性は従来と表記される。
【0085】
図4のx軸は温度(℃)で、y軸は圧力(Pa)である。本発明のシリルエーテルを含むイソヘキシド基盤の有無機化合物を含む硬化物のガラス遷移温度Tは108℃であり、従来の石油化学基盤の化合物を含む硬化物のガラス遷移温度Tは88℃である。図4のグラフはレオメータ分析(10℃/分、CD5%、1Hz)で分析した結果である。
【0086】
図5は、本発明の一実施例によるイソヘキシド基盤の有無機化合物を説明するためのグラフである。
【0087】
図5を参照すると、本発明の後述する実施例1によるイソヘキシド基盤の有無機化合物の92-Si-NMR分析を行った結果が示されている。
【0088】
(n=0、1、2、3)はシロキサン結合を表記する一般的な方式であって、Tは対象となるSi原子を基準にSi-O結合が3つあるということであり、nは対象となるSi原子を基準のシロキサン結合(Si-O-Si)の数を示す。図5から見られるように、前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物は3種のT種、2種のT種、一種のT種を含んでいることが分かり、未反応のT種(-42ppm)が検出されていないため、ECTMSのメトキシ基とイソソルビドのアルコール基が反応してシリルエーテル結合を形成したことが類推される。
【0089】
実施例
実施例1
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を19.7g:17.5g:3.1gの割合で100ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式8の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化6】
【0090】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約2,500の数平均分子量、約12,000の重量平均分子量と、約4,9の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0091】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約50.6%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0092】
実施例2
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Sigma-Aldrich社製)、トリメチルメトキシシラン(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を19.9g:1.7g:33.0g:3.8gの割合で200ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式9の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化7】
【0093】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約1,250の数平均分子量、約6,470の重量平均分子量と、約5.2の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0094】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約64.7%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0095】
実施例3
トリエトキシ-[3-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]プロピル]シラン(BenchChem社製)、オルトケイ酸テトラエチル(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を11.4g:2.5g:27.8g:2.5gの割合で100ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式10の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化8】
【0096】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約1,025の数平均分子量、約4,800の重量平均分子量と、約4.7の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0097】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約74.8%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0098】
実施例4
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を6.5g:34.6:2.5gの割合で100ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式11の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化9】
【0099】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約980の数平均分子量、約2,890の重量平均分子量と、約2.9の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0100】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約82.6%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0101】
実施例5
3-グリシドキシプロピルメトキシシラン(Gelest社製)、(3-グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン(Gelest社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を42.2g:7.8g:20.9g:3.7gの割合で200ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌した。次に、約1.0gのDI水を投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式12の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化10】
【0102】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約4,850の数平均分子量、約14,500の重量平均分子量と、約3.0の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0103】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約35.6%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0104】
実施例6
(3-グリシドキシプロピル)ジメトキシメチルシラン(Sigma-Aldrich社製)、オルトケイ酸テトラエチル(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を27.5g:5.2g:14.6g:3.5gの割合で100ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式13の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化11】
【0105】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約3,420の数平均分子量、約11,800の重量平均分子量と、約3.5の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0106】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約39.7%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0107】
実施例7
3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を46.3g:9.4g:2.8gの割合で100ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌した。次に、約1.0gのDI水と0.1gの水酸化カリウム(Sigma-Aldrich社製)を投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式14の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化12】
【0108】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約3,850の数平均分子量、約12,500の重量平均分子量と、約3.2の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0109】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約32.1%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0110】
実施例8
3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Sigma-Aldrich社製)、ジメトキシジフェニルシラン(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を25.6g:17.5g:20.9g:3.8gの割合で200ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式15の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化13】
【0111】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約2,450の数平均分子量、約9,810の重量平均分子量と、約4.0の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0112】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約38.9%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0113】
実施例9
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Gelest社製)、(3-グリシドキシプロピル)ジメトキシメチルシラン(Sigma-Aldrich社製)、オルトケイ酸テトラエチル(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を20.3g:6.3g:17.9g:12.5gの割合で200ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌した。次に、約0.8gの0.1N希塩酸(Sigma-Aldrich社製)を投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式16の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化14】
【0114】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約4,570の数平均分子量、約14,250の重量平均分子量と、約3.1の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0115】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約39.5%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0116】
実施例10
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Sigma-Aldrich社製)、ジメトキシジメチルシラン(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を13.0g:19.0g:7.7g:2.8gの割合で100ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌した。次に、約2.8gのDI水と0.1gの水酸化カリウム(Sigma-Aldrich社製)を投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式17の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化15】
【0117】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約2,840の数平均分子量、約10,380の重量平均分子量と、約3.7の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0118】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約28.5%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0119】
実施例11
3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(Sigma-Aldrich社製)、ジメトキシジメチルシラン(Sigma-Aldrich社製)、オルトケイ酸テトラエチル(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を5.9g:17.2g:9.9g:3.5g:1.8gの割合で100ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌した。次に、約3.4gの0.1N希塩酸(Sigma-Aldrich社製)を投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式18の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化16】
【0120】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約3,580の数平均分子量、約9,840の重量平均分子量と、約2.7の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0121】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約22.5%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0122】
実施例12
ビニルトリメトキシシラン(Sigma-Aldrich社製)、ジメトキシジメチルシラン(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を9.4g:26.7g:4.6g:1.5gの割合で100ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌した。次に、約5.1gの0.05N希塩酸(Sigma-Aldrich社製)を投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式19の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化17】
【0123】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約2,560の数平均分子量、約7,520の重量平均分子量と、約2.9の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0124】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約22.9%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0125】
実施例13
(3-メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(Sigma-Aldrich社製)、オルトケイ酸テトラエチル(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を24.2g:6.4g:22.5g:3.1gの割合で100ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式20の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化18】
【0126】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約2,150の数平均分子量、約11,900の重量平均分子量と、約5.5の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0127】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約70.2%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0128】
実施例14
3-(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(Sigma-Aldrich社製)、ジメトキシジフェニルシラン(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を23.6g:11.6g:13.9g:2.1gの割合で100ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌した。次に、約0.4gの0.1N水酸化カリウム水溶液(Sigma-Aldrich社製)を投入した後、下記化学式21の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化19】
【0129】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約3,820の数平均分子量、約7,890の重量平均分子量と、約2.1の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0130】
前記合成されたイソヘキシド基盤の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約35.4%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0131】
比較例1
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS、Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を3.5g:39.7g:0.5gの割合で100ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌して合成物を収得したが、均一ではなく相分離が発生することを確認した。
【0132】
比較例2
ビニルトリメトキシシラン(Sigma-Aldrich社製)、ジメトキシジメチルシラン(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を10.6g:32.2g:2.6g:1.1gの割合で100ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌した。次に、約5.8gの0.05N希塩酸(Sigma-Aldrich社製)を投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式22の平均単位化学式を有する化合物を収得した。
【化20】
【0133】
前記化合物の分子量を分析するために、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した結果、約2,840の数平均分子量、約8,510の重量平均分子量と、約3.0の多分散指数(PDI)を有することを確認した。
【0134】
前記の有無機化合物のバイオ炭素含量をASTM D 6866規格によって測定した結果、約11.5%のバイオ炭素を含有していることを確認した。
【0135】
比較例3
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Gelest社製)、(3-グリシドキシプロピル)ジメトキシメチルシラン(Sigma-Aldrich社製)、オルトケイ酸テトラエチル(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を22.9g:7.1g:23.5g:11.8gの割合で200ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌した。次に、約0.6gの0.1N希塩酸(Sigma-Aldrich社製)を投入した後、80℃で24時間撹拌して合成物を収得したが、ゲル化が発生することを確認した。
【0136】
実施例1乃至14と比較例1乃至3は、化学式4、化学式5、化学式6、化学式7に当たるシラン化合物の組み合わせとイソヘキシドを反応させて得た合成物を明示しており、総反応物に対する反応物それぞれのモル比をまとめると下記表1のようである。
【0137】
【表1】
【0138】
この際、総反応物に対して前記化学式4、5、6のシラン化合物のモル比はf、総反応物に対して前記化学式7のシラン化合物のモル比はg、総反応物に対して前記イソヘキシドのモル比はhと定義すれば、実施例1乃至14は0.1≦f≦0.9で、0≦g≦0.3で、0.1≦h≦0.9を満足すると共に、合成がよく行われていてバイオ炭素の含量も20%以上を満足して、バイオ基盤のプラスチックに関する環境にやさしい政策に対応することができることを確認した。それに対し、f<0.1、h>0.9の比較例1の場合、イソヘキシドとシリルエーテル結合を形成し得るシラン化合物が相対的に少ないため、合成がろくに行われずに相分離が発生していることを確認した。また、f>0.9、h<0.1の比較例2の場合、バイオ炭素の含量が約11.5%で20%未満であるため、バイオ基盤のプラスチックの基準に及ばないことを確認した。g>0.3の比較例3の場合も、縮合反応が過度に行われてゲル化が発生することを確認した。
【0139】
これまで添付した図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更せずも他の具体的な形態に実施され得るということを理解できるはずである。よって、上述した実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0113】
実施例9
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Gelest社製)、(3-グリシドキシプロピル)ジメトキシメチルシラン(Sigma-Aldrich社製)、オルトケイ酸テトラエチル(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を20.3g:6.3g:17.9g:12.5g:3.1gの割合で200ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌した。次に、約0.8gの0.1N希塩酸(Sigma-Aldrich社製)を投入した後、80℃で24時間撹拌して、下記化学式16の平均単位化学式を有するイソヘキシド基盤の有無機化合物を収得した。
【化14】
[化学式16]実施例9のイソヘキシド基盤の有無機化合物の平均単位化学式
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0135】
比較例3
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Gelest社製)、(3-グリシドキシプロピル)ジメトキシメチルシラン(Sigma-Aldrich社製)、オルトケイ酸テトラエチル(Sigma-Aldrich社製)、イソソルビド(Sigma-Aldrich社製)、Amberlite IRA-400(Sigma-Aldrich社製)を22.9g:7.1g:23.5g:11.8g:2.7gの割合で200ml容量の二つ口フラスコに投入した後、80℃で24時間撹拌した。次に、約0.6gの0.1N希塩酸(Sigma-Aldrich社製)を投入した後、80℃で24時間撹拌して合成物を収得したが、ゲル化が発生することを確認した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0137
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0137】
【表1】