(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179579
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】遊技用代用貨幣、遊技用代用貨幣の製造方法、及び検査システム
(51)【国際特許分類】
A63F 1/06 20060101AFI20231212BHJP
G06K 19/04 20060101ALI20231212BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20231212BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
G06K19/04 070
G06K19/07 230
G06K19/06 009
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023167379
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2022123116の分割
【原出願日】2018-07-11
(31)【優先権主張番号】P 2017144920
(32)【優先日】2017-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
(57)【要約】 (修正有)
【課題】表面及び側面から視認可能な埋め込み部分を有する積層構造の遊技用代用貨幣を提供する。
【解決手段】遊技用代用貨幣10は、複数のプラスチックの層が熱圧着により積層され、少なくとも中間に着色層12を備え、着色層12を挟んで両側に薄色層11を積層して、側面に積層方向の縞模様を形成し、着色層12により遊技用代用貨幣10の価値が特定可能な構成を有する。複数のプラスチックの層の最外層以外の層にRFID16が内蔵され、薄色層11の少なくとも一層には遊技用代用貨幣10の種類を表す種類パーツ13が埋め込まれて、側面及び表面から種類パーツ13が認識可能な形状を有する。RFID16は、遊技用代用貨幣10の価値及び種類パーツ13が持つ遊技用代用貨幣10の種類と関連する情報を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技用代用貨幣であって、
側面に、着色された着色帯状部分と、前記着色帯状部分を両側から挟む第1の薄色帯状部分及び第2の薄色帯状部分とを備え、側面に前記着色帯状部分及び前記第1及び第2の薄色帯状部分からなる縞模様が形成され、
前記着色帯状部分の色により遊技用代用貨幣の価値が特定可能な構成を有し、
RFIDが内蔵され、
前記縞模様を中断する第1及び第2の種類パーツが埋込まれ、
表面、裏面、及び側面から前記第1及び第2の種類パーツが認識可能であり、
前記RFIDは、前記遊技用代用貨幣の価値及び前記第1及び第2の種類パーツで表される遊技用代用貨幣の種類と関連する情報を備えたものである、遊技用代用貨幣。
【請求項2】
前記第1、第2の種類パーツの色は、前記着色帯状部分の色と異なる、請求項1に記載の遊技用代用貨幣。
【請求項3】
前記第1、第2の種類パーツの色は、前記着色帯状部分の色と同じである、請求項1に記載の遊技用代用貨幣。
【請求項4】
前記第1、第2の種類パーツは、互いに異なる複数の色を含む、請求項1に記載の遊技用代用貨幣。
【請求項5】
前記第1、第2の種類パーツは、前記遊技用代用貨幣の種類として、VIP用かマス用かの区別を表す、請求項1に記載の遊技用代用貨幣。
【請求項6】
前記第1、第2の種類パーツは、前記遊技用代用貨幣の種類として、キャッシュチップであるか、ローリングチップであるか、プロモーションチップであるかの区別を表す、請求項1に記載の遊技用代用貨幣。
【請求項7】
前記第1、第2の種類パーツは、遊技用代用貨幣の周方向に等角度間隔で複数個配置されている、請求項1に記載の遊技用代用貨幣。
【請求項8】
表面に遊技用代用貨幣の価値を表す表示を備え、
少なくとも着色帯状部分と薄色帯状部分とを有することで側面に積層方向の縞模様を形成し、
前記着色帯状部分により遊技用代用貨幣の価値が特定可能であり、
前記着色帯状部分及び薄色帯状部分とは異なる色で形成され側面及び表面から認識可能な位置に第1、第2の種類パーツが埋め込まれており、
側面からは前記第1、第2の種類パーツがいずれも認識可能な形状とし、
前記第1、第2の種類パーツは遊技用代用貨幣の価値以外の種類を表す、遊技用代用貨幣。
【請求項9】
内部にRFIDを内蔵し、
前記RFIDは、前記遊技用代用貨幣の価値及び前記第1、第2の種類パーツが表す遊技用代用貨幣の種類と関連する情報を備えたものである、請求項8に記載の遊技用代用貨幣。
【請求項10】
前記着色帯状部分及び前記第1、第2の種類パーツは外部からカメラにより認識され、前記カメラから得た前記遊技用代用貨幣の価値及び前記種類が前記RFIDから得られる情報と照合されて検査が可能な、請求項9に記載の遊技用代用貨幣。
【請求項11】
前記第1、第2の種類パーツは、遊技用代用貨幣の周方向に等角度間隔で複数個配置されている、請求項8から10のいずれかに記載の遊技用代用貨幣。
【請求項12】
請求項8に記載の遊技用代用貨幣を検査する検査システムであって、
前記遊技用代用貨幣の表面を撮影して表面画像を生成するカメラと、
前記遊技用代用貨幣の側面を撮影して側面画像を生成するカメラと、
前記表面画像から前記第1、第2の種類パーツの色を特定し、前記側面画像から前記第1、第2の種類パーツの色を特定する検査装置と、
を備えた、検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場でのゲームに用いる遊技用代用貨幣、及びその製造方法、並びに遊技用代用貨幣の検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、周縁部に、周方向に間隔を空けて複数の埋め込み部分が設けられた遊技用代用貨幣が知られている。
図19は、従来の遊技用代用貨幣の斜視図である。この遊技用代用貨幣190において、埋め込み部分191と他の部分とは色の異なる材料で構成されている。よって、遊技用代用貨幣の表面及び側面において、埋め込み部分を視認可能である。
【0003】
従来の遊技用代用貨幣は射出成型によって製造され、埋め込み部分には他の部分と異なる色の材料が射出される。これにより、側面において、周方向に沿って埋め込み部分191とその他の部分とで色が変化する遊技用代用貨幣が得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人は、複数のシート状部材を重ね合わせて熱圧着して多層積層板を形成し、多層積層板から打ち抜くことで多層構造の遊技用代用貨幣を製造する方法を提案している(例えば、国際出願番号PCT/JP2016/072673)。このような多層積層板において複数のシート状部材を互いに異なる色とすることで、打ち抜きによって得られる遊技用代用貨幣の側面では、色の異なる複数の層が視認できる。
【0005】
本発明は、表面及び側面から視認可能な埋め込み部分を有する積層構造の遊技用代用貨幣、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の遊技用代用貨幣は、複数のプラスチックの層が熱圧着により積層され、少なくとも中間に着色層を備え、前記着色層を挟んで両側に薄色層を積層して、側面に積層方向の縞模様を形成し、前記着色層により遊技用代用貨幣の価値が特定可能な構成を有し、前記複数のプラスチックの層の最外層以外の層にRFIDが内蔵され、前記薄色層の少なくとも一層には遊技用代用貨幣の種類を表す種類パーツが埋込まれて、側面及び表面から前記種類パーツが認識可能な形状とし、前記RFIDは、前記遊技用代用貨幣の価値及び前記種類パーツが持つ遊技用代用貨幣の種類情報と関連する情報を備えたものである。この構成により、複数のプラスチックの層を積層した積層構造を有する遊技用代用貨幣において、表面及び側面から視認可能な埋め込み部分を実現できる。
【0007】
上記の遊技用代用貨幣において、前記種類パーツの色は、前記着色層の色と異なっていてよい。
【0008】
上記の遊技用代用貨幣において、前記種類パーツの色は、前記着色層の色と同じであってよい。
【0009】
上記の遊技用代用貨幣において、前記種類パーツは、互いに異なる複数の色を含んでいてよい。
【0010】
上記の遊技用代用貨幣において、前記種類パーツは、前記遊技用代用貨幣の種類として、VIP用かマス用かの区別を表してよい。
【0011】
上記の遊技用代用貨幣において、前記種類パーツは、前記遊技用代用貨幣の種類として、キャッシュチップであるか、ローリングチップであるか、プロモーションチップであるかの区別を表してよい。
【0012】
上記の遊技用代用貨幣において、前記種類パーツは、遊技用代用貨幣の周方向に等角度間隔で複数個配置されていてよい。この構成により、遊技用代用貨幣の周方向の角度によらずに側面にて種類パーツを視認できる。
【0013】
本発明の一態様の遊技用代用貨幣の製造方法は、着色層及び薄色層を含む複数のプラスチックの層を準備する工程と、前記薄色層に遊技用代用貨幣の種類を表す種類パーツを埋め込んで種類パーツ含有層を形成する工程と、少なくとも中間に着色層を配置し、前記着色層を挟んで両側に種類パーツ含有層を積層し、更に前記複数のプラスチックの層間にRFIDを配置して、熱圧着により各層を圧着して多層積層板を形成する多層積層工程と、前記多層積層板から、個別の遊技用代用貨幣を打ち抜く打ち抜き工程とを有し、前記打ち抜き工程では、多層積層板から遊技用代用貨幣を打ち抜く打ち抜きラインが前記種類パーツを横断するように多層積層板の打ち抜きし、打ち抜き後の前記遊技用代用貨幣の側面及び表面から前記種類パーツが認識可能な形状となるように多層積層板の打ち抜きを行う。この構成により、打ち抜いた際の切断面に種類パーツが露出することになり、表面側からだけでなく側面側からも種類パーツを視認できる遊技用代用貨幣が得られる。
【0014】
上記の製造方法において、前記種類パーツ含有層を形成する工程では、複数個の前記種類パーツが打ち抜き予定の遊技用代用貨幣の周方向に等角度間隔で埋め込まれてよい。この構成により、遊技用代用貨幣の周方向の角度によらずに側面にて種類パーツを視認できる。
【0015】
上記の製造方法は、前記遊技用代用貨幣の価値情報及び前記種類パーツが持つ遊技用代用貨幣の種類情報と前記RFIDの情報とを関連付けるデータベース作成工程を更に備えていてよい。この構成により、データベースを参照して、RFIDの情報に関連付けられた遊技用代用貨幣の価値情報と種類情報を特定できる。
【0016】
本発明の一態様の遊技用代用貨幣は、表面に遊技用代用貨幣の価値を表す表示を備え、少なくとも中間に着色層を有することで側面に積層方向の縞模様を形成し、前記着色層により遊技用代用貨幣の価値が特定可能な構成を有し、前記着色層とは異なる色で形成され側面及び表面から認識可能な位置に種類パーツが埋め込まれており、前記種類パーツは遊技用代用貨幣の価値以外の種類を表す。この構成により、側面及び表面のいずれの面でも種類パーツを認識可能であり、遊技用代用貨幣の種類を特定できる。
【0017】
上記の遊技用代用貨幣は、内部にRFIDを内蔵していてよく、前記RFIDは、前記遊技用代用貨幣の価値及び前記種類パーツが持つ遊技用代用貨幣の種類と関連する情報を備えたものであってよい。この構成により、RFIDを読み取ることで価値及び種類に関連付けられた情報を取得できる。
【0018】
上記の遊技用代用貨幣において、前記着色層及び種類パーツは外部からカメラにより認識されてよく、前記カメラから得た前記遊技用代用貨幣の価値及び前記種類が前記RFIDから得られる情報と照合されて検査が可能であってよい。この構成により、価値及び種類とRFIDとの組み合わせを利用して遊技用代用貨幣の検査が可能である。
【0019】
上記の遊技用代用貨幣において、前記種類パーツは、遊技用代用貨幣の周方向に等角度間隔で複数個配置されていてよい。この構成により、遊技用代用貨幣の周方向の角度によらずに側面にて種類パーツを視認できる。
【0020】
本発明の一態様の遊技用代用貨幣は、視認可能な表面を有する表面層と前記表面層の内側に位置する中間層とを含む複数の層を積層してなる遊技用代用貨幣であって、前記表面層の外縁には、切り欠きが形成されており、前記切り欠きには遊技用代用貨幣の種類を表す種類パーツが埋め込まれており、前記遊技用代用貨幣の表面において、前記表面層及び前記種類パーツを視認可能であり、前記遊技用代用貨幣の側面において、前記表面層、前記種類パーツ、及び前記中間層を視認可能である。
【0021】
本発明の一態様の遊技用代用貨幣の製造方法は、欠落部分を有するシート状の表面層を用意する工程と、前記欠落部分に、種類パーツをはめ込んでで、種類パーツ含有層を形成する工程と、前記種類パーツ含有層とシート状の中間層とを含む複数層を熱圧着して多層積層板を構成する工程と、打ち抜きラインが前記種類パーツを横切るように、前記多層積層板を打ち抜いて遊技用代用貨幣を得る工程とを含む。
【0022】
本発明の一態様の検査システムは、上記の遊技用代用貨幣を検査する検査システムであって、前記遊技用代用貨幣の表面を撮影して表面画像を生成するカメラと、前記遊技用代用貨幣の側面を撮影して側面画像を生成するカメラと、前記表面画像から前記種類パーツの色を特定し、前記側面画像から前記種類パーツの色を特定する検査装置とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態の遊技用代用貨幣の製造方法のフロー図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態の表面層となるシート状部材の平面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態の種類パーツ部材を製作するためのシート状部材の平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態のシート状部材から打ち抜いて得られた種類パーツ部材を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態の種類パーツ部材がはめ込まれたシート状部材の平面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態の複数のシート部材の積層を説明する図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態の打ち抜き後の多層積層板と打ち抜きによって得られた遊技用代用貨幣の平面図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態の検査システムの構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態のカメラの設置例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施の形態のカメラ及びRFリーダの設置例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態の変形例の種類パーツ部材がはめ込まれたシート状部材の平面図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態の変形例の種類パーツ部材がはめ込まれたシート状部材の平面図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施の形態の変形例の種類パーツを製作するためのシート状部材の平面図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施の形態の変形例のシート状部材から打ち抜いて得られた種類パーツ部材を示す斜視図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施の形態の変形例の変形例の種類パーツ部材がはめ込まれたシート状部材の平面図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施の形態の変形例の種類パーツが埋め込まれた遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施の形態の変形例の種類パーツ部材がはめ込まれたシート状部材の平面図である。
【
図20】
図20は、種類パーツが埋め込まれた変形例の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図21】
図21は、種類パーツが埋め込まれた変形例の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図22】
図22は、種類パーツが埋め込まれた変形例の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図23】
図23は、種類パーツが埋め込まれた変形例の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図24】
図24は、種類パーツが埋め込まれた変形例の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図25】
図25は、種類パーツが埋め込まれた変形例の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図26】
図26は、種類パーツが埋め込まれた変形例の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図27】
図27は、種類パーツが埋め込まれた変形例の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図28】
図28は、種類パーツが埋め込まれた変形例の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図29】
図29は、種類パーツが埋め込まれた変形例の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図30】
図30は、種類パーツが埋め込まれた変形例の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の実施の形態の遊技用代用貨幣の斜視図である。本実施の形態の遊技用代用貨幣10は、複数枚のプラスチックのシート状部材を積層して熱圧着した後に円形に打ち抜くことで製造される。よって、
図1に示すように、遊技用代用貨幣10は、厚さ方向に複数枚の層を積層した積層構造を有している。遊技用代用貨幣10の側面には、積層した複数枚のシート状部材による積層構造が露出して、積層方向に縞模様が形成されている。
【0025】
遊技用代用貨幣10は、中間層として着色層12を備え、着色層12を挟んで両側に表面層としての薄色層11が積層された構成を有している。薄色層11の表面は外から視認可能である。着色層12の色は遊技用代用貨幣10の価値(20ドル、100ドル、1000ドル等)に対応している。すなわち、遊技用代用貨幣10は、その価値に応じて色の異なる着色層12を有している。薄色層11の色は、着色層12のいずれの色よりも薄い色であり、複数種類の価値に共通の色である。薄色層11は、典型的には白色である。よって、遊技用代用貨幣10は、側面を観察することで着色層12の色によってその価値を特定可能である。
【0026】
薄色層11の表面は後述するように印刷が施され、その上に透明層が設けられる。よって薄色層11の表面の印刷は透明層を介して視認可能である。薄色層11の外縁部には、切り欠き11aが形成されている。薄色層11の切り欠き11aには種類パーツ13が埋め込まれている。種類パーツ13は、遊技用代用貨幣10の外縁に周方向(回転方向)に等角度間隔で複数個配置されており、
図1の例では、90度の角度間隔で4つ配置されている。
【0027】
遊技用代用貨幣10には、価値情報、識別情報、及び種類情報が付与されている。ここで、価値情報は、遊技用代用貨幣10の価値(10ドル、20ドル、100ドル、1000ドル等)を表す情報であり、識別情報は、各遊技用代用貨幣10を唯一に特定可能なユニークな情報であり、種類情報は、各遊技用代用貨幣10の価値以外の種類を表す情報である。種類情報は、例えば、ローリングチップであるかキャッシュチップであるかを区別する情報、ジャンケットごとに異なり、ジャンケットを特定するためのジャンケット情報、カジノごとに異なり、カジノを特定するためのカジノ情報のいずれかであってよい。
【0028】
価値情報、識別情報、及び種類情報は、遊技用代用貨幣10の表面にて視認可能である。具体的には、価値情報は、遊技用代用貨幣10の表面に数字17で表記されている。識別情報は、コード化されて遊技用代用貨幣10の表面にマーク14、15として表記されている。また、種類パーツ13は種類に応じて着色されており、種類情報は、種類パーツ13の色によって表現される。なお、種類パーツ13の色は、着色層12のいずれの色とも異なる色である。よって、遊技用代用貨幣10は、種類パーツ13の色によって種類を特定可能である。
【0029】
また、価値情報及び種類情報は、遊技用代用貨幣19の側面にて視認可能である。具体的には、価値情報は、遊技用代用貨幣10の側面にて観察される着色層12の色によって表現される。また、色によって種類情報を表す種類パーツ13は、側面においても視認可能である。
【0030】
さらに、識別情報は、遊技用代用貨幣10に内蔵されるRFIDチップ(以下、単に「RFID」という。)16に記憶されている。よって、遊技用代用貨幣10をRFリーダで読むことにより、RFID16に記憶された識別情報を読み取ることができる。
【0031】
このように、価値情報、及び識別情報は、それぞれ複数の形式で遊技用代用貨幣10に付与されているが、真正の遊技用代用貨幣に付与される複数の価値情報、及び識別情報は、それぞれ一致している。また、識別情報と価値情報及び種類情報との対応関係はデータベースに記憶されており、マーク14、15又はRFID16から識別情報が特定されると、データベースを参照することにより、当該識別情報に対応する価値情報及び種類情報を特定することができる。
【0032】
次に、遊技用代用貨幣10の製造方法について説明する。
図2は、遊技用代用貨幣10の製造方法のフロー図である。まず、表面層となる薄色層11を構成するプラスチック製のシート状部材110に、価値情報を表す数字17、マーク14、15その他の模様を印刷する(ステップS21)。後述するように、遊技用代用貨幣10は、シート状部材を打ち抜いて製造され、1つのシート状部材から複数の遊技用代用貨幣10が得られるため、これに対応して表面層となるシート状部材110の複数の打ち抜き予定範囲111内に遊技用代用貨幣10に対応する印刷を行う。
【0033】
次に、表面層となるシート状部材110に種類パーツ部材131をはめ込むための欠落部分112を形成するために、種類パーツ部材131の形状に対応した形状に打ち抜きを行う(ステップS22)。
図3は、表面層となるシート状部材110の平面図である。
図3に示すように、シート状部材110には、複数の打ち抜き予定範囲111が設けられており、
図3では図示を省略しているが、この中に遊技用代用貨幣10に対応した印刷がされている。欠落部分112は、各打ち抜き予定範囲111の内外にまたがって、打ち抜き予定範囲111の外縁と交差するように形成される。本実施の形態では、上述のように90度の当角度間隔で種類パーツ13が埋め込まれるので、欠落部分112も打ち抜き予定範囲111の外縁の外周方向に沿って90度の当角度間隔で4つ形成される。
【0034】
一方で、欠落部分112にはめ込むための種類パーツ部材131もプラスチック製のシート状部材130から打ち抜いて製作する。
図4は、種類パーツ部材131を製作するためのシート状部材130の平面図である。このシート状部材130は、表面層となるシート状部材110と同じ厚さであり、シート状部材110とは異なる色を有している。
図4に示すように、シート状部材130から欠落部分112に対応する形状の種類パーツ部材131を打ち抜く。
【0035】
図5は、シート状部材130から打ち抜いて得られた種類パーツ部材131を示す斜視図である。
図3~
図5に示すように、欠落部分112及びそこにはめ込まれる種類パーツ部材131は、長手方向の両端が丸まった概略長方形であり、上下方向及び左右方向にそれぞれ対称の形状を有している。
【0036】
次に、シート状部材130から打ち抜いて得られた種類パーツ部材131を表面層となるシート状部材110の欠落部分112にはめ込む(ステップS23)。
図6は、種類パーツ部材131がはめ込まれたシート状部材110の平面図である。なお、種類パーツ131は、後述する熱圧着工程においてシート状部材110及び着色層12となるシート状部材120と圧着されるので、このはめ込みの際には、シート状部材110と種類パーツ部材131とを接着する必要はない。
【0037】
次に、上述の種類パーツ部材131がはめ込まれたシート状部材110及びシート状部材120を含む複数のシート状部材を積層する(ステップS24)。
図7は、複数のシート部材の積層を説明する図である。本実施の形態では、着色層12を2枚のシート部材120によって構成する。着色層12となる2枚のシート部材120の間には、打ち抜き予定範囲111の中央にRFID16が配置される。
【0038】
間にRFID16を挟んだ2枚のシート部材120の両外側には、それぞれ印刷層113が外側になるようにして、欠落部分112に種類パーツ部材131がはめ込まれたシート部材110(種類パーツ含有層)が積層される。さらに、2つの種類パーツ含有層の各々の外側には保護層となる透明層170が積層される。なお、
図7では各層の間が空いているが、積層の工程(ステップS24)では、複数の層が隙間なく重ね合わされる。
【0039】
このように複数のシート部材が積層された状態で熱圧着が行われる(ステップS25)。この熱圧着によって、各隣り合う層どうしが圧着されて、全体として多層積層板100が形成される。RFID16は、シート部材120が熱によって変形することで、2枚のシート部材120の間に埋め込まれる。
【0040】
次に、多層積層板100から、遊技用代用貨幣10を打ち抜く(ステップS26)。
図8は、打ち抜き後の多層積層板100と打ち抜きによって得られた遊技用代用貨幣10の平面図である。上述のように、種類パーツ部材131は、各遊技用代用貨幣10の打ち抜き予定範囲111の外縁と交差するように配置されているので、打ち抜き予定範囲111の外縁(打ち抜きライン)は種類パーツ部材131を横切り、種類パーツ部材131が切断される。
【0041】
その結果、欠落部分112が切り欠き11aとなって、その切り欠き11aに、切断された種類パーツ13が埋め込まれた
図1に示すような遊技用代用貨幣10が得られ、種類パーツ13の切断面は、薄色層11の側面において露出する。よって、種類パーツ13は、表面側からも側面側からも視認可能となる。このように、表面層である薄色層11の外縁に形成された切り欠き11aに埋め込まれた種類パーツ13は、遊技用代用貨幣10の薄色層11を側面から観察したときに、周方向に色の変化をもたらす。
【0042】
なお、表面層への印刷は遊技用代用貨幣10の打ち抜き後に行ってもよい。その場合には、印刷後に印刷層に対して保護層となる透明塗料が塗布されてよい。
【0043】
次に、上記のようにして製造された遊技用代用貨幣10を検査する検査システムについて説明する。
図9は、本実施の形態の検査システムの構成を示すブロック図である。検査システム50は、遊技用代用貨幣10と、カメラ51と、カメラ52と、RFリーダ53とを備えている。
【0044】
図10は、カメラ51の設置例を示す図であり、
図11は、カメラ52及びRFリーダ53の設置例を示す図である。カメラ51は、
図10に示すように、テーブルTbの上方に設置される。カメラ51は、テーブルTbに置かれた遊技用代用貨幣10の表面を撮影するように構成、配置された光学系511を備えている。カメラ51は、光学系511を用いて遊技用代用貨幣10の表面を撮影して画像(表面画像)を生成する。
【0045】
また、カメラ52は、
図11に示すように、チップトレイTrの上方に設置される。カメラ52は、遊技用代用貨幣10の側面を撮影するように構成、配置された光学系521を備えている。カメラ52は、光学系521を用いて遊技用代用貨幣10の側面を撮影して画像(側面画像)を生成する。また、RFリーダ53は、遊技用代用貨幣10のRFID16に対して電波を送信し、かつRFID16から電波を受信するように構成、配置されたアンテナ531を備えている。RFリーダ53は、
図11に示すように、アンテナ531を用いて、チップトレイTrに収容された遊技用代用貨幣10のRFID16に記憶された情報を読み取る。
【0046】
検査システム50は、さらに、記録装置54と、検査装置55と、データベース56と、出力装置57とを備えている。記録装置54は、カメラ51で得られた表面画像、カメラ52で得られた側面画像、及びRFリーダ53で読み取られた情報を記録する。検査装置55は、記録装置54に記録された画像や情報に基づいて検査を行う。
【0047】
上述のように、遊技用代用貨幣10の表面には、中央の数字17の表記によって価値情報が表されており、マーク14、15によって識別情報が表されており、種類パーツ13の色によって種類情報が表れている。検査装置55は、表面画像に対して、画像認識処理を行うことで、これらの価値情報、識別情報、及び種類情報をそれぞれ認識する。なお、この画像認識処理にはニューラルネットワークを用いてよい。
【0048】
また、遊技用代用貨幣10の側面には、中間層(着色層12)の色によって価値情報が表されており、種類パーツ13の色によって種類情報が表されている。検査装置55は、側面画像に対して、画像認識処理を行うことで、これらの価値情報、及び種類情報をそれぞれ認識する。なお、この画像認識処理にはニューラルネットワークを用いてよい。
【0049】
データベース56には、識別情報と対応づけて、価値情報及び種類情報が記憶されている。検査装置55は、カメラ51の表面画像からマーク14、15に基づいて識別情報を特定したときに、データベース56を参照して、当該識別情報に対応づけて記憶された価値情報及び種類情報を特定する。検査装置55は、このようにして特定された価値情報及び種類情報と、カメラ51の表面画像から数字及び種類パーツ13の色に基づいて特定した価値情報及び種類情報とを比較して一致するか否か、即ち遊技用代用貨幣10の真贋を判断する。両者が一致しない場合、即ち遊技用代用貨幣10が偽造されたものである場合には、出力装置57は警報を出力する。出力装置57は、警報を出力するブザー、ランプ等であってよい。
【0050】
一方、検査装置55は、RFリーダ53でRFID16に記憶された識別情報を読み取ったときに、データベース56を参照して、当該識別情報に対応づけて記憶された価値情報及び種類情報を特定する。検査装置55は、このようにして特定された価値情報及び種類情報と、カメラ52の側面画像から着色層12の色及び種類パーツ13の色に基づいて特定した価値情報及び種類情報とを比較して一致するか否か、即ち遊技用代用貨幣10の真贋を判断する。両者が一致しない場合、即ち遊技用代用貨幣10が偽造されたものである場合には、出力装置57は警報を出力する。
【0051】
以上のように本実施の形態によれば、積層構造の遊技用代用貨幣10において、周方向の一部に表面側からも側面側からも視認可能な部分(種類パーツ13の部分)が形成される。この部分の色で例えば種類情報を表現することができる。この種類情報を表面側からも側面側からも視認できるので、カメラ51のように表面を撮影するカメラによっても、カメラ52のように側面を撮影するカメラによっても種類情報を認識することが可能になる。
【0052】
以下、上記の実施の形態の遊技用代用貨幣10の製造方法の変形例を説明する。
図12は、変形例の種類パーツ部材1311がはめ込まれたシート状部材110の平面図であり、
図6に対応する図である。この例では、1つの種類パーツ部材1311が隣り合う遊技用代用貨幣10に共通に用いられる。すなわち、種類パーツ部材1311の一端部分は打ち抜きによって1つの遊技用代用貨幣10の種類パーツ13となり、他端部分は打ち抜きによって当該1つの遊技用代用貨幣10の隣の遊技用代用貨幣10の種類パーツ13となる。本変形例によれば、シート状部材110にはめ込む種類パーツ部材の個数を少なくすることができ、製造コストの低減に有利である。
【0053】
図13は、変形例の種類パーツ部材1312がはめ込まれたシート状部材110の平面図であり、
図6に対応する図である。この例では、縦方向に並ぶ種類パーツ部材1311が互いに連結して1つの種類パーツ部材1312を構成している。
図14は、種類パーツ1312を製作するためのシート状部材130の平面図であり、
図4に対応する図である。
図15は、シート状部材130から打ち抜いて得られた種類パーツ部材1312を示す斜視図である。このように、複数の種類パーツ部材1311を連結することで、シート状部材110にはめ込む種類パーツ部材の個数をより少なくすることができ、製造コストの低減により有利である。
【0054】
図16は、変形例の種類パーツ部材1313がはめ込まれたシート状部材110の平面図であり、
図6に対応する図である。この例では、縦方向及び横方向に並ぶ種類パーツ部材1311が互いに連結して1つの種類パーツ部材1313を構成している。すなわち、シート状部材110の周辺部にはめ込まれる種類パーツ部材131を除いてすべての種類パーツ部材1311が連結されて種類パーツ部材1313を構成している。この例によれば、種類パーツ部材の個数をさらに少なくすることができ、製造コストの低減にさらに有利である。
【0055】
次に、種類パーツの変形例について説明する。
図17は、変形例の種類パーツ13´が埋め込まれた遊技用代用貨幣10の斜視図である。種類パーツ13´は、中央パーツ138と、中央パーツ138を挟むサイドパーツ139からなる。この変形例の種類パーツ13´は、中央パーツ138とサイドパーツ139との色を異ならせることで、2つの情報を表現することができる。例えば、中央パーツ138の色で1つの種類情報(例えば、カジノ情報)を表し、サイドパーツ139の色で他の1つの種類情報(例えば、ジャンケット情報)を表すことができる。
【0056】
図18は、種類パーツ部材131´がはめ込まれたシート状部材110の平面図であり、
図6に対応する図である。シート状部材110の各欠落部分112には、1つの中央パーツ部材1381と、2つのサイドパーツ部材1391がはめ込まれる。中央パーツ部材138及びサイドパーツ部材1391は、シート状部材110と同一の厚さで、色の異なるシート状部材から打ち抜いて製作される。
【0057】
なお、上記の実施の形態では、RFID16は、着色層12を構成する2枚のシート状部材120の間に挿入されたが、RFID16は、遊技用代用貨幣10に内蔵されていればよく、例えば、薄色層11と着色層12との間にRFID16を配置してもよい。また、この場合には、着色層12を1枚のシート状部材120で構成してもよい。さらに、遊技用代用貨幣10を構成する層の数は上記の実施の形態よりも多くても少なくてもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態では、中間層を着色層12とし、表面層を薄色層11としたが、逆に、中間層を薄色層11として、表面層を着色層12としてもよい。この場合には、着色層12に切り欠きが形成されて種類パーツ13が埋め込まれることになる。なお、上記の実施の形態では、表面層である薄色層11の外側に透明の保護層が設けられ、実際に遊技用代用貨幣10の表面を構成するのは当該保護層であったが、表面を観察することによって薄色層11の表面(の印刷)を視認できるため、本願では、そのように遊技用代用貨幣10の表面側から視認できる面を持つ層を表面層という。表面層は最外層であってもよい。
【0059】
また、上記の実施の形態では、シート状部材110の欠落部分112に種類パーツ部材131をはめ込んだ後に他のシート状部材と重ね合わせたが、これに代えて、欠落部分112が形成されたシート状部材110を他のシート状部材と重ね合わせた後に、欠落部分112に種類パーツ部材131をはめ込んでもよい。
【0060】
また、上記の実施の形態では、遊技用代用貨幣10の表裏の両方の表面層に種類パーツ13が埋め込まれていたが、いずれか一方の表面層にのみ種類パーツ13が埋め込まれていてよい。また、上記の実施の形態では、一方の表面層に、90度の間隔をあけて4つの種類パーツが埋め込まれたが、種類パーツ13の数はこれより多くても少なくてもよい。種類パーツ13が当角度間隔で2つ以上あれば、
図11に示すように、遊技用代用貨幣10の半分以上を露出させてチップトレイTrに収容した際に、遊技用代用貨幣10の周方向の向きに関わらず、カメラ52によって少なくとも1つの種類パーツ13を観察可能である。よって、種類パーツ13は1つの表面層に2つ以上設けることが望ましい。
【0061】
また、上記の実施の形態の遊技用代用貨幣10には、マーク14、15やRFID16の形式で識別情報が付与されていたが、遊技用代用貨幣10は識別情報を有しないものであってもよい。
【0062】
以下、種類パーツの変形例をさらに説明する。
図20は、種類パーツが埋め込まれた変形例の遊技用代用貨幣10の斜視図である。種類パーツ31は、着色層12と同じ色である。このために、種類パーツ31は、着色層12と同じ材料を採用している。種類パーツ31は、遊技用代用貨幣10の外縁に周方向に等角度間隔で複数個配置されている。本変形例では、各種類パーツ31は、比較的幅広であり、周方向に90度の角度間隔で4つ配置されている。
【0063】
図21は、種類パーツが埋め込まれた他の変形例の遊技用代用貨幣10の斜視図である。種類パーツ32は、着色層12と同じ色である。このために、種類パーツ32は、着色層12と同じ材料を採用している。種類パーツ32は、遊技用代用貨幣10の外縁に周方向に等間隔で複数個配置されている。本変形例では、種類パーツ32は、比較的幅狭の形状を有する。また、本変形例では、種類パーツ32は、周方向に90度の角度間隔で4つ配置されている。
【0064】
図22は、種類パーツが埋め込まれた他の変形例の遊技用代用貨幣10の斜視図である。種類パーツ33は、着色層12と同じ色である。このために、種類パーツ33は、着色層12と同じ材料を採用している。本変形例では、種類パーツ33は、比較的幅狭の形状を有する。また、本変形例では、周方向に比較的狭い間隔で配置された2つの種類パーツ33が1組となって、各組が遊技用代用貨幣10の外縁に周方向に等角度間隔で複数組配置されている。本変形例では、4組の種類パーツ33が、周方向に90度の角度間隔で配置されている。
【0065】
図23は、種類パーツが埋め込まれた他の変形例の遊技用代用貨幣10の斜視図である。種類パーツ34は、着色層12と同じ色である。このために、種類パーツ34は、着色層12と同じ材料を採用している。本変形例では、種類パーツ34は、比較的幅狭の形状を有する。また、本変形例では、周方向に比較的広い間隔で配置された2つの種類パーツ34が1組となって、複数の組が遊技用代用貨幣10の外縁に周方向に等角度間隔で配置されている。本変形例では、4組の種類パーツ34が、周方向に90度の角度間隔で配置されている。
【0066】
図24は、種類パーツが埋め込まれた他の変形例の遊技用代用貨幣10の斜視図である。種類パーツ35は、着色層12と同じ色である。このために、種類パーツ35は、着色層12と同じ材料を採用している。本変形例では、種類パーツ35は、比較的幅狭の形状を有する。また、本変形例では、周方向に比較的狭い間隔で配置された3つの種類パーツ35が1組となって、複数の組が遊技用代用貨幣10の外縁に周方向に等角度間隔で配置されている。本変形例では、4組の種類パーツ35が、周方向に90度の角度間隔で配置されている。
【0067】
図25は、種類パーツが埋め込まれた他の変形例の遊技用代用貨幣10の斜視図である。種類パーツ36は、着色層12とは異なる色である。このために、種類パーツ36は、着色層12とは異なる材料を採用している。種類パーツ36は、遊技用代用貨幣10の外縁に周方向に等間隔で複数個配置されている。本変形例では、種類パーツ36は、比較的幅狭の形状を有する。また、本変形例では、種類パーツ36は、周方向に90度の角度間隔で4つ配置されている。
【0068】
図26は、種類パーツが埋め込まれた他の変形例の遊技用代用貨幣10の斜視図である。種類パーツ37は、着色層12とは異なる色である。このために、種類パーツ37は、着色層12とは異なる材料を採用している。本変形例では、種類パーツ37は、比較的幅狭の形状を有する。また、本変形例では、周方向に比較的狭い間隔で配置された2つの種類パーツ37が1組となって、複数の組が遊技用代用貨幣10の外縁に周方向に等角度間隔で配置されている。本変形例では、4組の種類パーツ37が、周方向に90度の角度間隔で配置されている。
【0069】
図27は、種類パーツが埋め込まれた他の変形例の遊技用代用貨幣10の斜視図である。種類パーツ38は、着色層12とは異なる色である。このために、種類パーツ38は、着色層12とは異なる材料を採用している。本変形例では、種類パーツ38は、比較的幅狭の形状を有する。また、本変形例では、周方向に比較的狭い間隔で配置された2つの種類パーツ38が1組となって、複数の組が遊技用代用貨幣10の外縁に周方向に等角度間隔で配置されている。本変形例では、4組の種類パーツ38が、周方向に90度の角度間隔で配置されている。
【0070】
図28は、種類パーツが埋め込まれた他の変形例の遊技用代用貨幣10の斜視図である。種類パーツ39は、着色層12とは異なる色である。このために、種類パーツ39は、着色層12とは異なる材料を採用している。本変形例では、種類パーツ39は、比較的幅狭の形状を有する。また、本変形例では、周方向に比較的狭い間隔で配置された3つの種類パーツ39が1組となって、複数の組が遊技用代用貨幣10の外縁に周方向に等角度間隔で配置されている。本変形例では、4組の種類パーツ39が、周方向に90度の角度間隔で配置されている。
【0071】
図29は、種類パーツが埋め込まれた他の変形例の遊技用代用貨幣10の斜視図である。本変形例では、互いに色の異なる2種類の種類パーツ401及び402が1組となって、複数の組が遊技用代用貨幣10の外縁に周方向に等角度間隔で配置されている。本変形例では、4組の種類パーツ401及び402の組が、周方向に90度の角度間隔で配置されている。種類パーツ401及び402の色は互いに異なっており、かつ、種類パーツ401及び402の各色は、いずれも着色層12の色と異なっている。各種類パーツは、比較的幅狭の形状を有する。
【0072】
図30は、種類パーツが埋め込まれた他の変形例の遊技用代用貨幣10の斜視図である。本変形例では、互いに色の異なる2種類の種類パーツ411及び412が1組となって、複数の組が遊技用代用貨幣10の外縁に周方向に等角度間隔で配置されている。本変形例では、2つの種類パーツ411と1つの種類パーツ412で1組が構成されている。また、本変形例では、4組の種類パーツ401及び402の組が、周方向に90度の角度間隔で配置されている。種類パーツ401及び402の色は互いに異なっており、かつ、種類パーツ401及び402の各色は、いずれも着色層12の色と異なっている。各種類パーツは、比較的幅狭の形状を有する。
【0073】
なお、
図20~30の例では、価値情報を表す中央の数字17、識別情報を表すマーク14、15の図示は省略しているが、各変形例の遊技用代用貨幣には、上記の実施の形態と同様、または上記の実施の形態と異なる表記がされていてよい。
【0074】
次に、種類パーツが埋め込まれた遊技用代用貨幣10の用途について説明する。上述のように、種類パーツは、種類情報を表しており、種類情報は、例えば、ローリングチップであるかキャッシュチップであるかを区別する情報、ジャンケットごとに異なり、ジャンケットを特定するためのジャンケット情報、カジノごとに異なり、カジノを特定するためのカジノ情報のいずれかであってよい。
【0075】
また、遊技用代用貨幣10の種類としては、大きく分けてVIP用チップと、通常のマス用チップとの2種類が用意される。なお、VIP用チップは、VIPプレイヤが用いることのできる遊技用代用貨幣であり、VIPプレイヤになるためには、例えばカジノに一定以上のデポジットを支払う等の条件が課される。
【0076】
そして、VIP用チップとマス用チップのそれぞれについて、キャッシュチップ、ローリングチップ、プロモーションチップ等の種類が用意されてる。キャッシュチップは、現金化が可能な遊技用代用貨幣である。ローリングチップは、それを用いてゲームに参加してゲームに勝った際にキャップチップを得ることができる遊技用代用貨幣である。また、プロモーションチップは、プロモーションにおいて配られる遊技用代用貨幣である。
【0077】
ここで、ローリングチップについて、さらに説明する。「ローリング」とは、キャッシュチップをローリングチップに交換する行為をいう。ローリングチップは、一定のデポジットをカジノに支払ってローリングプログラムを開いたプレイヤだけが購入することが可能である。プレイヤがローリングチップを使ってゲームに参加して、ゲームに勝った際には、その支払いはキャッシュチップで行われる。プレイヤは、キャッシュチップ(または現金)をローリングチップに交換することが可能であり、このローリングが行われるたびに、そのローリングの総額に対して所定の割合のコミッションがプレイヤに還元される。したがって、ローリングの額が大きくなれば、プレイヤはその分多くのコミッションを得ることができる。このように、ローリングチップとキャッシュチップとの交換をし続ける(回す)という行為から、「ローリング」と呼ばれる。ローリングの際に発生するコミッションの額は、システムに入力されて管理されている。
【0078】
次に、ジャンケットチップについて、さらに説明する。ジャンケットが使用する遊技用代用貨幣には、ジャンケットごとのマークが入っている。多数のジャンケットをそれぞれ区別するためには、種類パーツの形状及び配置のみでは足りない。そのような場合には、
図17、
図29、
図30の例のように、複数の色の組み合わせによってジャンケットを区別するための種類情報を付与することが有利である。
【符号の説明】
【0079】
10 遊技用代用貨幣
11 薄色層
12 着色層
13、13´ 種類パーツ
14 マーク
15 マーク
16 RFID
31~39、401、402、411、412 種類パーツ
100 多層積層板
110 シート状部材
111 打ち抜き予定範囲
112 欠落部分
113 印刷層
120 シート状部材
130 シート状部材
131 種類パーツ部材
138 中央パーツ
139 サイドパーツ
1311~1313 種類パーツ部材
1381 中央パーツ部材
1391 サイドパーツ部材
170 透明層
50 検査システム
51 カメラ
52 カメラ
53 RFリーダ
54 記録装置
55 検査装置
56 データベース
57 出力装置
【手続補正書】
【提出日】2023-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の価値以外の種類のセットごとに複数の価値を有する複数の遊技用代用貨幣のうちの一又は複数の遊技用代用貨幣の前記種類及び前記価値を読み取る読取システムであって、
前記一又は複数の遊技用代用貨幣を撮影して画像を生成するカメラと、
前記カメラで生成された画像のうちの第1画像に対して、ニューラルネットワークを用いた画像認識処理を行うことで前記一又は複数の遊技用代用貨幣のそれぞれの前記種類及び前記価値を認識する認識装置と、
を備え、
前記遊技用代用貨幣は、
当該遊技用代用貨幣の前記種類を表す第1部分と、
当該遊技用代用貨幣の前記価値を表す第2部分と、
を有し、
前記認識装置は、前記第1画像に現れた前記前記第1部分に基づいて前記遊技用代用貨幣の価値以外の種類を認識し、前記第1画像に表れた前記第2部分に基づいて前記遊技用代用貨幣の価値を認識する、読取システム。
【請求項2】
前記種類は、前記遊技用代用貨幣が使用されるべき場所の情報を表している、請求項1に記載の読取システム。
【請求項3】
前記種類は、前記遊技用代用貨幣がVIP用であるかマス用であるかの区別を表している、請求項2に記載の読取システム。
【請求項4】
前記種類は、当該遊技用代用貨幣が使用されるジャンケットを表している、請求項2に記載の読取システム。
【請求項5】
前記種類は、前記遊技用代用貨幣がキャッシュチップであるか、ローリングチップであるか、プロモーションチップであるかの区別を表している、請求項1に記載の読取システム。
【請求項6】
前記第1部分は、色、模様、及び/又は形状によって前記遊技用代用貨幣の前記種類を表す、請求項1に記載の読取システム。
【請求項7】
前記第2部分は、色及び/又は模様によって前記遊技用代用貨幣の前記価値を表す、請求項1に記載の読取システム。
【請求項8】
前記遊技用代用貨幣は、側面に、前記第1部分及び前記第2部分を有し、
前記カメラは、前記一又は複数の遊技用代用貨幣の少なくとも前記側面を撮影するように設置される、請求項1に記載の読取システム。
【請求項9】
前記認識装置は、前記一又は複数の遊技用代用貨幣の受光量がそれぞれ異なっていてもそれぞれの前記種類及び前記価値を認識可能である、請求項1に記載の読取システム。
【請求項10】
前記セットの遊技用代用貨幣の各々は、少なくとも当該遊技用代用貨幣の前記種類及び前記価値を特定可能な情報を記憶したRFIDを備え、
前記読取システムは、さらに、
前記一又は複数の遊技用代用貨幣のRFIDを読み取って前記一又は複数の遊技用代用貨幣の前記種類及び前記価値を認識するRFID読取装置を備えた、請求項1に記載の読取システム。
【請求項11】
前記認識装置が認識した前記一又は複数の遊技用代用貨幣の前記種類及び前記価値と、前記RFID読取装置が認識した前記一又は複数の遊技用代用貨幣の前記種類及び前記価値とを比較することで、前記一又は複数の遊技用代用貨幣の真贋を判定する検査装置をさらに備えた、請求項10に記載の読取システム。
【請求項12】
前記第1部分は、前記遊技用代用貨幣の表面又は裏面から前記側面にわたって形成された種類パーツの側面部分からなる、請求項1に記載の読取システム。
【請求項13】
複数の前記種類パーツが、周方向に互いに等角度間隔で配置される、請求項12に記載の読取システム。
【請求項14】
前記第2部分は、前記側面の周方向に延伸している、請求項1に記載の読取システム。
【請求項15】
前記第2部分は、前記側面の厚さ方向の中央に設けられた層形状部分である、請求項14に記載の読取システム。