(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179581
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】ホスホリパーゼA2を有効成分として含む肥満予防または治療用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 38/46 20060101AFI20231212BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20231212BHJP
A23L 33/17 20160101ALI20231212BHJP
A23K 10/20 20160101ALI20231212BHJP
C12N 9/18 20060101ALN20231212BHJP
【FI】
A61K38/46 ZNA
A61P3/04
A23L33/17
A23K10/20
C12N9/18
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023167675
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2021566344の分割
【原出願日】2020-05-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0053866
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0047003
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522189872
【氏名又は名称】ツインピッグ バイオラブ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Twinpig Biolab,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ペ、ヒョンス
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヒョンジュ
(57)【要約】
【課題】前炎症性マクロファージの浸潤を抑制するための組成物等を提供する。
【解決手段】上記組成物は、ハチ毒の主要成分の一つであるホスホリパーゼA2を有効成分として含む。また、ホスホリパーゼA2を有効成分として含む前炎症性マクロファージの浸潤抑制用健康機能食品組成物及び飼料組成物も提供される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスホリパーゼA2を有効成分として含む、前炎症性マクロファージの浸潤を抑制するための組成物。
【請求項2】
ホスホリパーゼA2を有効成分として含む、M1マクロファージを減少させ、かつM2マクロファージを増加させるための組成物。
【請求項3】
薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ホスホリパーゼA2は、ハチ毒に由来または遺伝子組換えにより生産されるものである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
前記ハチ毒は、西洋蜜蜂(Apis mellifera)に由来したものである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
ホスホリパーゼA2を有効成分として含む、前炎症性マクロファージの浸潤抑制用健康機能食品組成物。
【請求項7】
ホスホリパーゼA2を有効成分として含む、前炎症性マクロファージの浸潤抑制用飼料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハチ毒の主要成分の一つであるホスホリパーゼA2を有効成分として含む肥満改善用組成物に関し、より具体的には、ホスホリパーゼA2を有効成分として含む肥満予防または治療用薬学的組成物;ホスホリパーゼA2を有効成分として含む肥満予防または改善用健康機能食品組成物;飼料組成物;ホスホリパーゼA2を有効成分として含む組成物を個体に投与する段階を含む肥満予防または治療方法;及びホスホリパーゼA2を有効成分として含む組成物の肥満予防または治療における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満は、脂肪が体内に過剰蓄積される症状に代表され、主要代謝疾患の一つに分類され、全世界国家が経ている深刻な健康問題であり、来る2025年には3億人以上になると予測され、肥満薬物の市場は韓国内だけでなく、全世界的に大きく成長することが予想される。
【0003】
糖尿、心臓疾患、高血圧、癌などを複合的に引き起こし、ひどい場合、早期死亡に至ることが知られている。
肥満は、慢性炎症にも分類され、最近、研究により脂肪組織内に蓄積される炎症性マクロファージが肥満と密接に関連していることが明らかになった。さらに、肥満状態の場合、脂肪内における炎症性と抗炎症性マクロファージが不均衡をなして炎症環境を造成し、炎症性マクロファージの浸潤は、炎症性サイトカインであるTNF-aあるいはインターロイキン6などの分泌を増加させるため、肥満の症状をさらに悪化させることがある。
【0004】
従って、炎症性環境の緩和とマクロファージの均衡が肥満患者の治療に重要であると予想されるが、マクロファージを標的とする肥満治療剤は現在まで皆無な状態である。
現在、肥満の治療法としては、食事療法、運動療法、薬物療法があるが、薬物療法の場合、投与期間が長くなるにつれて安定性と副作用の問題が台頭し、新たな肥満治療剤の開発が求められてきた。
【0005】
現在、韓国内ではorlistatとlorcaserineのみが長期的に使用可能に許可されており、米国ではliraglutide、phentermine/topiramate、naltrexone/bupropionなど、多様な治療剤が開発及び許可された。しかし、多くの薬物が飲食を通じて摂取する脂肪の吸収を阻害する方式で体重を減量させるため、根本的な肥満治療薬物の開発が至急である。
【0006】
一方、ホスホリパーゼA2は、タンパク質酵素の一つであり、ハチ毒中に12%含まれているホスホリパーゼは、リン脂質を加水分解する酵素であり、レシチナーゼとも言う。上記ホスホリパーゼA2成分は、細胞膜の構成脂質であるホスホリピドのグリセリンのBDP結合する脂肪酸を遊離させてリソホスファチドにするため、細胞組織の破壊、溶血作用及び触媒作用などを引き起こすことが知られている。ホスホリパーゼA2のこのような作用を活用して多様な薬学組成物を開発することができ、特許文献1においてインフルエンザ、水疱性口内炎などのようなウイルス性疾患を予防及び治療できる組成物を提示している。また、特許文献2においてホスホリパーゼを有効成分として含むプリオン病治療用組成物を提示しており、これは、退行性脳疾患の予防及び治療用薬学組成物として有用に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2015-0049438号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-2012-0139313号公報
【発明の概要】
【0008】
本発明者らは、副作用を示さずに、肥満を改善する方法を開発すべく鋭意研究努力した結果、ハチ毒に由来したホスホリパーゼA2が肥満に対する予防または治療効能を示すことを確認し、本発明を完成した。
【0009】
本発明の一つの目的は、ホスホリパーゼA2を有効成分として含む肥満予防または治療用薬学的組成物を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、ホスホリパーゼA2を有効成分として含む肥満予防または改善用健康機能食品組成物を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の一つの目的は、ホスホリパーゼA2を有効成分として含む肥満予防または改善用飼料組成物を提供することにある。
本発明の更に他の一つの目的は、ホスホリパーゼA2を有効成分として含む組成物を個体に投与する段階を含む肥満予防または治療方法を提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の一つの目的は、ホスホリパーゼA2を有効成分として含む組成物の肥満予防または治療における使用を提供することにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明の物質のハチ毒の主要成分であるホスホリパーゼA2を有効成分として含む炎症性マクロファージ減少及び肥満予防または治療用組成物は、薬学的組成物として有用に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1B】各グループ別マウスの状態を示す写真である。
【
図1C】各グループ別マウスの体重量変化を示すグラフである。
【
図1D】各グループ別マウスの飲食摂取量を示すグラフである。
【
図1E】各グループ別副睾丸及び鼠径部の白色脂肪細胞を示す写真である。
【
図1F】各グループ別副睾丸及び鼠径部の白色脂肪細胞の重量変化を示す写真である。
【
図2A】各グループ別CD206が欠如しているマウスの状態を示す写真である。
【
図2B】各グループ別体重量変化を示すグラフである。
【
図2C】各グループ別副睾丸及び鼠径部の白色脂肪細胞を示す写真である。
【
図2D】各グループ別副睾丸及び鼠径部の白色脂肪細胞の重量変化を示すグラフである。
【
図2E】IgGを追加で処理した各グループ別CD206が欠如しているマウスの体重量変化を示すグラフである。
【
図3A】各グループ別マウスの肝臓を示す写真である。
【
図3B】各グループ別マウスの肝臓の重量を示す写真である。
【
図3C】各グループ別マウスの肝臓のH&E染色写真である。
【
図3D】各グループ別マウスの肝臓内における脂肪滴蓄積を示すグラフである。
【
図3E】各グループ別マウスの腎臓のH&E染色写真である。
【
図3F】各グループ別マウスの腎臓の肥大率を示すグラフである。
【
図3G】各グループ別マウスの血清内におけるALT、AST、BUN、Creaの数値を示すグラフである。
【
図3H】各グループ別マウスの血清内におけるTG、GLU、HDL-C、LDL-Cの数値を示すグラフである。
【
図3I】各グループ別マウスの血清内におけるインスリン、レプチンの数値を示すグラフである。
【
図4A】各グループ別脂肪内におけるマクロファージ浸潤を示す写真である。
【
図4B】各グループ別脂肪内におけるマクロファージ浸潤を示すグラフである。
【
図5A】定量real-time PCRによる各グループ別TNF-α、IL-1β及びIL-12aの水準を示すグラフである。
【
図5B】定量real-time PCRによる各グループ別IL-4、CD206及びYmlの水準を示すグラフである。
【
図5C】定量real-time PCRによる各グループ別PPAR γ、C/EBP α及びUCP-1の水準を示すグラフである。
【
図6】PLA2とメリチンをそれぞれマウスに投与して体重量変化を確認するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記目的を達成するための本発明の一実施様態は、ホスホリパーゼA2を有効成分として含む肥満予防または治療用薬学的組成物を提供する。
本発明の用語「ホスホリパーゼA2(Phospholipase A2;PLA2)」は、タンパク質酵素の一つであり、ハチ毒中に12%含まれているホスホリパーゼは、リン脂質を加水分解する酵素であってレシチナーゼとも言う。ホスホリパーゼは、リン脂質を分解する位置に応じてA1、A2、B、C、Dに分類される。
【0015】
上記PLA2の肥満改善用効能については知られたことがなく、本発明者により初めて究明された。
より具体的には、上記PLA2は、西洋蜜蜂(Apis mellifera)のハチ毒に由来したもの(bvPLA2)または遺伝子組換えによるもの(遺伝子改変操作を含む)であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0016】
本発明のPLA2は、ハチ毒の主要成分はメリチンと比較して卓越した肥満抑制または治療効能があることを確認した。
また、上記PLA2は、マンノース受容体に作用するものであってもよく、脂肪滴(lipid droplet)の蓄積を減少させ、脂肪肝または腎臓損傷緩和によりなされてもよく、アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、血液尿素窒素、クレアチン、トリグリセリド(TG)、ブドウ糖(GLU)、高密度脂肪タンパク質(HDL-C)、または低密度脂肪タンパク質(LDL-C)、インスリン及びレプチン(leptin)の減少による代謝機能障害緩和によるものであってもよく、前炎症性マクロファージの浸潤抑制によりなされたものであってもよく、M1マクロファージの抑制またはM2マクロファージの増加によるM1/M2調節によるものであってもよく、脂質蓄積及び脂肪合成の阻害を通じてなされるものであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0017】
本発明の用語、「肥満」とは、体内に脂肪が過多な状態を意味し、具体的には、身体肥満指数(体質量指数、Body mass index:体重(kg)を身長(m)の二乗で除した値)が25以上であれば肥満と定義する。肥満は、遺伝的、環境的要因など非常に複合的な原因で誘発され得るが、結果的には、長い期間にわたりエネルギー消費量に比べて栄養素を過多摂取する場合、エネルギー不均衡により脂肪が蓄積して誘発される。肥満になる場合、糖尿病及び高脂血症が生じる可能性が高くなり、性機能障害、関節炎、心血管系疾患の発病リスクが大きくなる。
【0018】
本発明の用語、「予防」とは、本発明によるPLA2を有効成分として含む組成物を個体に投与して肥満を抑制したり遅延させる全ての行為を意味し得る。
本発明の用語、「治療」とは、本発明の上記組成物を肥満の疑いのある個体に投与して肥満症状を好転させたり有益にさせる全ての行為を意味し得る。
【0019】
本発明の一実施例では、PLA2をマウスに投与して脂肪組織及び体重減少効能を確認し(
図1)、マンノース受容体が欠如しているマウスを通じてbvPLA2の肥満抑制効能がマンノース受容体によることを確認し(
図2)、H&E染色を通じて脂肪滴蓄積を減少させて脂肪肝及び腎臓損傷緩和効能があることを確認し、各グループ別マウスの血清を調査して代謝機能障害緩和効能があることを確認し(
図3)、組織検査を通じてマクロファージの浸潤抑制効能による肥満改善効能があることを確認し、M1/M2マクロファージマーカー分析を通じてM1/M2マクロファージの比率を調節(
図4)及び脂肪生成因子発現の調節(
図5)を通じて肥満抑制または治療効能があることを確認し、ハチ毒の主要成分であるメリチンより優れた肥満抑制効能を確認し(
図6)、本発明を完成した。
【0020】
本発明の薬学組成物は、単一製剤としても用いることができ、公認された肥満治療効果を奏することが知られている薬物をさらに含めて複合製剤に製造して用いることができ、薬学的に許容される担体または賦形剤を用いて製剤化することにより単位容量形態に製造されたり多用量容器内に入れて製造されてもよい。
【0021】
本発明における用語、「薬学的に許容可能な担体」とは、生物体を刺激せずに、注入される化合物の生物学的活性及び特性を阻害しない担体または希釈剤を意味する。本発明に使用可能な上記担体の種類は特に制限されず、当該技術分野において通常に用いられ、薬学的に許容される担体であれば、いずれも用いることができる。上記担体の非制限的な例としては、食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、アルブミン注射溶液、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノールなどを挙げることができる。これらは単独で用いられたり2種以上を混合して用いられてもよい。上記担体は、非自然的担体(non-naturally occuring carrier)を含んでもよい。
【0022】
また、必要な場合、抗酸化剤、緩衝液及び/又は静菌剤など、他の通常の添加剤を添加して用いることができ、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤、潤滑剤などを付加的に添加して水溶液、懸濁液、乳濁液などの注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒または錠剤などに製剤化して用いることができる。
【0023】
また、本発明の薬学的組成物は、薬学的に有効な量のPLA2を含み得る。
本発明における用語、「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用可能な合理的な恩恵/リスクの比率で疾患を治療するのに十分な量を意味し、一般に、0.001~1000mg/kgの量、望ましくは0.05~200mg/kg、より望ましくは0.1~100mg/kgの量を一日1回~数回に分けて投与できる。しかし、本発明の目的上、特定患者に対する具体的な治療的有効量は、達成しようとする反応の種類と程度、場合によって他の製剤が用いられるかどうかをはじめとした具体的な組成物、患者の年齢、体重、一般健康状態、性別及び食物、投与時間、投与経路及び組成物の分泌率、治療期間、具体的組成物と共に用いられたり同時に用いられる薬物をはじめとする多様な因子と医薬分野によく知られている類似因子によって異なって適用することが好ましい。
【0024】
本発明の薬学組成物は、個別治療剤として投与したり、他の治療剤と併用して投与することができ、従来の治療剤とは順序的または同時に投与できる。そして、単一または多重投与され得る。上記要素をいずれも考慮して副作用を誘発しないながら最少限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、当業者により容易に決定され得る。
【0025】
本発明における用語、「投与」とは、任意の適切な方法で患者に本発明の薬学組成物を導入することを意味し、本発明の組成物の投与経路は目的組織に到達できる限り、経口または非経口の多様な経路を通じて投与され得る。
【0026】
本発明による薬学組成物の投与方式は、特に制限されず、当該技術分野において通常に用いる方式に従うことができる。上記投与方式の非制限的な例として、組成物を経口投与または非経口の投与方式で投与できる。本発明による薬学組成物は、目的とする投与方式に従って多様な剤形に製作され得る。
【0027】
本発明の組成物の投与頻度は、特にこれに制限されないが、1日1回投与したりまたは用量を分割して数回投与できる。
本発明のもう一つの実施様態は、ホスホリパーゼA2を有効成分として含む、肥満予防または改善用健康機能食品組成物を提供する。
【0028】
本発明の更に他の一つの実施様態は、ホスホリパーゼA2を有効成分として含む、肥満予防または改善用飼料組成物を提供する。
本発明において、上記「ホスホリパーゼA2」、「肥満」及び「予防」は、上記で記述した通りである。
【0029】
本発明の用語、「改善」とは、PLA2を有効成分として含む組成物の投与により治療される状態と関連したパラメータ、例えば、症状の程度を少なくとも減少させる全ての行為を意味する。
【0030】
本発明の用語、健康機能食品(functional food)とは、特定保健用食品(food for special 24-8 health use、FoSHU)と同様の用語であり、栄養供給以外にも生体調節機能が効率よく示されるように加工された医学、医療効果が高い食品を意味するが、上記食品は、肥満の予防または改善に有用な効果を得るために、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、液状、丸剤などの多様な形態に製造され得る。
【0031】
本発明の食品組成物は、食品学的に許容可能な担体をさらに含むものであってもよい。
本発明のPLA2を含む組成物を添加し得る食品の種類には、特に制限がなく、例えば、各種飲料、ガム、茶、ビタミン複合剤、健康補助食品類などがある。上記食品組成物には肥満の予防または改善効果を妨げない他の成分を追加でき、その種類は、特に制限されない。
【0032】
例えば、通常の食品のように様々な生薬抽出物、食品学的に許容可能な食品補助添加剤または天然炭水化物などを追加成分として含有してもよい。
上記食品補助添加剤は、各剤形の健康機能食品を製造するのに添加されるものであり、当業者が適宜選択して用いることができる。例えば、様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び充填剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などが含まれるが、上記例によりその種類が制限されるものではない。
【0033】
この時、上記食品に含まれる抽出物の含量は、特にこれに制限されないが、食品組成物の全重量に対して0.01~100重量%、より望ましくは1~80重量%として含まれ得る。
【0034】
食品が飲料の場合には、100mlを基準に1~30g、好ましくは3~20gの比率で含まれてもよい。また、上記組成物は食品組成物に通常用いられ、臭い、味、視覚などを向上させる追加の成分を含んでもよい。例えば、ビタミンA、C、D、E、B1、B2、B6、B12、ナイアシン(niacin)、ビオチン(biotin)、フォレート(folate)、パントテン酸(panthotenic acid)などを含んでもよい。また、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、銅(Cu)などのミネラルを含んでもよい。また、リシン、トリプトファン、システイン、バリンなどのアミノ酸を含んでもよい。また、防腐剤(ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、デヒドロ硝酸ナトリウムなど)、殺菌剤(さらし粉と高度さらし粉、次亜塩素酸ナトリウムなど)、酸化防止剤(ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)など)、着色剤(タール色素など)、発色剤(亜硝酸ナトリウム、亜酢酸ナトリウムなど)、漂白剤(亜硫酸ナトリウム)、調味料(MSGグルタミン酸ナトリウムなど)、甘味料(ズルチン、シクラメート、サッカリン、ナトリウムなど)、香料(バニリン、ラクトン類など)、ふくらし粉(明礬、D-酒石酸水素カリウムなど)、強化剤、乳化剤、増粘剤(糊料)、皮膜剤、ガム基礎剤、消泡剤、溶剤、改良剤などの食品添加物(food additives)を添加できる。上記添加物は、食品の種類に応じて選別され、適切な量で用いられる。
【0035】
本発明の健康機能食品は、当業界において通常に用いられる方法により製造可能であり、上記製造時には当業界において通常に添加する原料及び成分を添加して製造できる。また、一般薬品とは異なって食品を原料として薬品の長期服用時に発生し得る副作用などがない長所があり、携帯性に優れる。
【0036】
本発明の更に他の一つの実施様態は、本発明のホスホリパーゼA2を有効成分として含む組成物を個体に投与する段階を含む肥満予防または治療方法を提供する。
本発明で用いられる用語、「個体」とは、肥満状態となったり/なる可能性があるヒトを含む全ての動物を意味してもよい。上記動物はヒトだけでなく、これと類似の症状の治療を必要とする牛、馬、羊、豚、ヤギ、ラクダ、カモシカ、犬、ネコなどの哺乳動物であってもよいが、これに制限されない。
【0037】
本発明の上記予防または治療方法は、具体的には、肥満状態となったり/なる可能性がある個体に上記組成物を薬学的に有効な量で投与する段階を含み得る。
本発明で用いられた用語、「投与」とは、任意の適切な方法で患者に本発明の薬学的組成物を導入することを意味し、本発明の組成物の投与経路は目的組織に到達できる限り、経口または非経口の多様な経路を通じて投与され得る。
【0038】
本発明の更に他の一つの実施様態は、本発明のホスホリパーゼA2を有効成分として含む組成物の肥満予防または治療における使用を提供する。
以下、実施例を通じて本発明の構成及び効果をより詳細に説明する。これら実施例は、専ら本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれら実施例により限定されるものではない。
【0039】
実験例1:bvPLA2による抗炎症性マクロファージ増加
ハチ毒由来ホスホリパーゼA2(bvPLA2、Apis mellifera)、3-Isobutyl-1-methylxanthine(IBMX)、デキサメタゾン(Dexamethasone;DEX)、インスリン及びオイルレッドO(Oil red O)は、Sigma-aldrich(St.Louis,MO,USA)から購買した。
【0040】
実験例2:bvPLA2による炎症環境の緩和
3T3-L1脂肪前駆細胞は、韓国細胞株銀行(KCLB、Seoul、Korea)から購入し、10%仔牛血清(BCS)が含まれたDMEMで培養し、培養液は2-3日ごとに交換した。その後、上記細胞を96ウェルプレートに接種し、培地をMDI培地(IBMX 111μg/mL、DEX 2μM及びインスリン2μg/mLが含まれたDMEM)に交換して脂肪細胞分化を誘導した。分化培地は2日ごとに交換し、分化4日後、完全に分化された細胞はオイルレッドO染色を通じて分析した。
【0041】
実験例3:オイルレッドO染色
分化された3T3-L1細胞はPBSで2回洗浄した後、4%パラホルムアルデヒド(paraformaldehyde)バッファに20分間固定した。オイルレッドO(Sigma-Aldrich St.Louis、MO、USA)は60%イソプロパノール(isopropanol)に溶解させた後、細胞に20分間室温で処理して染色した。蒸溜水で2回洗浄した後、510nmでOD値を測定した。
【0042】
実験例4:実験動物
雄性C57BL/6マウス(5週齢;体重18-20g)及びCD206-/-マウス(B6.129P2-MRC1tm1Mnz/J)はJackson Laboratory(Bar Harbor、ME)から購入した。1週間適応させた後、15週間正常食餌(ND;normal diet、10kcal%)または高脂肪食餌(HFD;high-fat diet、60kcal%)を供給した。その後、5週目から11週間、マウス腹腔内にPBSまたはbvPLA2(0.5mg/kg)を注射した。
【0043】
実験例5:T調節細胞欠乏(Treg depletion)
抗マウスCD25(clone:PC61)はAmerican Type Culture Collection(ATCC;Manassas、VA、USA)から得たハイブリドーマから生産し、11週間、3日ごとに抗マウスCD25またはラットIgG(Sigma-aldrich)をマウス腹腔内に注射した。
【0044】
実験例6:定量(Quantitative)real-time PCR
全体RNAは、白色脂肪細胞(white adipose tissue;WAT)のサンプルからeasy-BLUE RNA抽出キット(iNtRON Biotechnology、Korea)を用いて分離し、Cyclescript reverse transcriptase(Bioneer、Korea)を用いてcDNAを合成した。合成されたcDNAは、SensiFAST SYBR no-Rox kit(Bioline、Korea)と共に定量real-time PCR(95℃15秒、55℃10秒及び72℃10秒)を行い、これを3回繰り返して実験した。実験のプライマーシーケンスは下記の通りである。
GAPDH:
forward、5’-CCCAGAAGACTGTGGATGG-3’
reverse、5’-CACATTGGGGGTAGGAACAC-3’
TNF-α:
forward、5’-TTCTGTCTACTGAACTTCGGGGTGATCGGTCC-3’
reverse、5’-GTATGAGATAGCAAATCGGCTGACGGTGTGGG-3’
IL-1β:
forward、5’-GGACAGAATATCAACCAACAAGTGATA-3’
reverse、5’-GTGTGCCGTCTTTCATTACACAG-3’
IL-12a:
forward、5’-GCTCTAGACCCTGTGCCTTG-3’
reverse、5’-GAAGGCTTACCTGCATCAGC-3’
IL-4:
forward、5’-ACGAAGAACACCACAGAG-3’
reverse、5’-TGATGTGGACTTGGACTC-3’
CD206
forward、5’-AGTGGCAGGTGGCTTATG-3’
reverse、5’-GGTTCAGGAGTTGTTGTG-3’
Ym1
forward、5’-CATTCAGTCAGTTATCAGATTCC-3’
reverse、5’-AGTGAGTAGCAGCCTTGG-3’
PPAR γ
forward、5’-GAAGGCTGAAGTCACCAAGC-3’
reverse、5’-TCAGCCTTGCCAGAGTTTTT-3’
C/EBP α
forward、5’-TTACAACAGGCCAGGTTTCC-3’
reverse、5’-CTCTGGGATGGATCGATTGT-3’
UCP-1
forward、5’-TCTCAGCCGGCTTAATGACT-3’
reverse、5’-GCTGGGTGTATGTGCCTTTT-3’
実験例7:H&E染色
肝臓及び腎臓組織は4%パラホルムアルデヒドで一晩中固定させた後、脱水及びパラフィンで包埋して4μmの厚さに切片化した。上記切片はキシレンで脱パラフィン化した後、100%、90%、80%及び70%のエタノールで再度水和させた。水和された切片は水道水で洗浄し、5分間ヘマトキシリン(hematoxylin)溶液で染色した。その後、1%の酸性アルコール(acid alcohol)に浸漬させた後、エオシン溶液に3分間再度染色した。その後、マウンティングするために70%、80%、90%及び100%のエタノールで脱水させてキシレンを除去した。
【0045】
実験例8:統計調査
実験結果は、平均及び標準誤差で表し、統計的有意性はprism 5ソフトウェアを用いたNewman-Keulsテスト及びone-way ANOVAを通じて分析した。
【0046】
実施例1:bvPLA2の脂肪組織及び体重減少効能
HFDで肥満が誘導されたマウスの脂肪組織(adipose tissue)及び体重変化を通じてbvPLA2の肥満改善効能を評価した。
【0047】
より具体的には、C57BL/6マウスに15週間NDまたはHFDを供給した。4週間のNDまたはHFD供給後、5週目からPLA2またはPBSを注射した(
図1A)。その後、bvPLA2の注射有無による脂肪組織及び体重量を測定した。
【0048】
その結果、
図1で見られるように、HFDグループの体重はNDグループの体重より重く、HFD+PLA2グループはPLA2を投与していないHFDグループより体重が顕著に減少した(
図1B,C)。一方、全てのグループの飲食摂取量の変化は示されなかった(
図1D)。また、副睾丸(epididymal)WAT及び鼠径部(inguinal)WATの重量がHFDグループで顕著に増加した一方、HFD+PLA2グループで大きく減少することを確認した(
図1E,F)。
【0049】
これを通じて、bvPLA2の投与は飲食摂取には影響を及ぼさず、さらに体重及び脂肪組織の重量を相当減少させることを確認し、肥満改善効能があることを確認した。
実施例2:CD206-欠乏及びT調節細胞が欠乏したマウス体重及び脂肪組織重量に対するbvPLA2の影響
bvPLA2の免疫調節効果を確認するために、マンノース(mannose)受容体が欠如しているCD206-欠乏(CD206-/-)マウスを用いた。
【0050】
より具体的には、上記実験方法(
図1A)と同様の方法でCD206-/-マウスの体重及び脂肪組織重量を測定した。
その結果、
図2で見られるように、HED及びHFD+PLA2グループ間の有意な体重変化及び脂肪組織重量変化は示されなかった(
図2A~D)。
【0051】
また、bvPLA2とT調節細胞との連関性を確認するために、抗マウスCD25(clone PC61)を3日ごとにマウスに注射してT調節細胞を欠如させた。また、対照群としてラットIgGを用いた。
【0052】
その結果、
図2で見られるように、IgGのみ投与した肥満誘導マウスグループよりIgG+PLA2肥満誘導マウスグループで体重量の顕著な減少が起きることを確認した。また、PC61-処理群に比べてPC61+PLA2グループでも顕著な体重減少を確認した(
図2E)。
【0053】
これを通じて、PLA2はマンノース受容体の媒介を通じて肥満抑制効能が示される一方、IgG+PLA2グループ及びPC61+PLA2グループ間の差がないことを確認し、PLA2の肥満抑制効能はPC61により媒介されたT調節細胞とは連関がないことを確認した。
【0054】
実施例3:bvPLA2の肝毒性/腎毒性減少効能
実施例3-1:bvPLA2の脂肪肝及び腎臓損傷緩和効能
bvPLA2がHFDにより誘導された脂肪肝及び腎臓炎症を緩和させるかを確認するために、マウスから得た肝臓及び腎臓組織をH&Eで染色した。
【0055】
その結果、
図3A~3Dで見られるように、NDグループと比較してHFDグループで脂肪滴(lipid droplet)の蓄積及び肝腫大(hepatomegaly)による肝臓の重量及びサイズ増加が観測された。一方、bvPLA2を処理したHFDグループでは上記増加が抑制され、ND+PLA2グループでは影響を及ぼさないことを確認した。
【0056】
また、腎臓損傷による糖尿病性腎臓病症の初期症状を示す糸球体の直径を確認した。
その結果、
図3E~3Fで見られるように、HFDグループから脂質蓄積による腎肥大が発見されたが、ND、ND+PLA2及びHFD+PLA2グループでは腎肥大(糸球体直径増加)が発見されなかった(
図3E、F)。
【0057】
これを通じて、bvPLA2が脂肪滴蓄積を減少させて脂肪肝及び腎臓損傷を緩和することを確認した。
実施例3-2.bvPLA2の代謝機能障害緩和効能
肝臓及び腎臓の機能に対するbvPLA2の効能を確認した。
【0058】
より具体的には、アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、血液尿素窒素(BUN)及びクレアチン(Crea)の各グループ別血清数値を確認した。
【0059】
その結果、
図3Gで見られるように、NDグループと比較してHED投与グループのAST、ALT及びCrea水準が増加した。一方、bvPLA2を処理したHFDグループでは増加したAST、ALT及びCrea水準が減少したことを確認した。
【0060】
また、bvPLA2によるメタボリックシンドロームに及ぼす効能を確認するために、各グループ別トリグリセリド(TG)、ブドウ糖(GLU)、高密度脂肪タンパク質(HDL-C)及び低密度脂肪タンパク質(LDL-C)の水準を分析した。
【0061】
その結果、
図3Hで見られるように、NDグループと比較してHFDグループでTG、GLU、HDL-C及びLDL-C数値が顕著に高かった。一方、HFD+PLA2グループでは上記増加した数値が顕著に低くなることを確認した。
【0062】
また、各グループ別血漿インスリン及びレプチン(leptin)数値を分析した。
その結果、
図3Iで見られるように、NDグループと比較してHFDグループで血漿インスリン及びレプチン(leptin)数値が増加し、HED+PLA2グループで上記増加した数値が顕著に低くなることを確認した(
図3I)。
【0063】
これを通じて、bvPLA2がHFDにより誘導された代謝機能障害を緩和させることを確認した。
実施例4:bvPLA2の脂肪組織内マクロファージ浸潤抑制効能
肥満は、AT28内の死んだ脂肪細胞に囲まれた前炎症性マクロファージにより形成された王冠様構造(CLS;crown like structure)の脂肪化を特徴とするため、bvPLA2が上記マクロファージのWAT内の浸潤を抑制するかを確認するために、H&E組織学的検査を実施した。
【0064】
その結果、
図4で見られるように、NDグループではWATで前炎症性マクロファージの浸潤がほぼ発見されなかったが、HFDグループではCLSの形成が顕著に増加した。一方、bvPLA2を処理したHFD+PLA2グループのATではマクロファージの浸潤及びCLSの形成が減少したことを確認した。
【0065】
これを通じて、bvPLA2は肥満の原因となる前炎症性マクロファージの浸潤を抑制し、肥満緩和効能があることを確認した。
実施例5:bvPLA2のM1またはM2表現型マーカー及び脂肪生成因子調節効能
マクロファージの表現型の変化を定量的real-time PCRを通じて分析した。
【0066】
より具体的には、TNF-α、IL-1β及びIL-12aの発現を測定してbvPLA2のM1-関連マーカーに対する効能を確認した。
その結果、
図5Aで見られるように、NDグループと比較してHFDグループでTNF-α、IL-1β及びIL-12aの発現が増加したが、HFD+PLA2グループでは上記増加したTNF-α、IL-1β及びIL-12aの発現がNDと同様の水準に抑制されることを確認した(
図5A)。
【0067】
また、M2-関連マーカーであるIL-4、CD206及びYmlの発現を測定した。
その結果、
図5Bで見られるように、NDグループと比較してHFDグループでIL-4及びCD206の発現が減少したが、HFD+PLA2グループでは減少した発現が顕著に増加することを確認した(
図5B)。
【0068】
また、脂質蓄積及び脂肪生成と関連したマーカーであるPPAR γ、C/EBP α及びUCP-1の発現を測定した。
その結果、
図5Cで見られるように、NDグループと比較してHFDグループでPPAR γ及びC/EBP αの発現が増加したことを確認したが、HFD+PLA2グループでは上記増加が抑制されることを確認した。一方、UCP-1はNDグループと比較してHFDグループで発現が顕著に減少したが、HFD+PLA2グループで顕著に増加したことを確認した。
【0069】
これを通じて、HFD条件でM1-関連マーカーが増加し、M2-関連マーカーが減少させ、脂肪生成関連マーカーの発現も変化することを確認したが、bvPLA2はこのような変化を抑制させ、顕著に改善する効果があることを確認した。
【0070】
実施例6:ハチ毒内メラチンとの比較
ハチ毒の成分中、優れた肥満抑制効能を有する成分を確認するために、ハチ毒に最も多く含まれたメリチンとハチ毒由来PLA2であるbvPLA2を比較した。
【0071】
より具体的には、ND及びHFDグループのマウスに16週間PBS、メリチン及びbvPLA2をそれぞれ0.5mg/kgずつ腹腔に投与した後、体重量の変化を毎日比較した。
【0072】
その結果、
図6で見られるように、メリチンを投与したHFDグループではメリチンを投与していない対照群よりむしろ体重がさらに増加した一方、PLA2を投与したHFDグループは対照群に比べて体重が減少することを確認した。
【0073】
これを通じて、ハチ毒の主要成分であるメリチンには肥満抑制効能がなく、PLA2成分に肥満抑制効能があることを確認した。
以上の説明から、本発明が属する技術分野の当業者であれば、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施されうることが理解できるだろう。これに関連し、以上で記述した実施例はあくまで例示的なものであり、限定的なものでないことを理解すべきである。本発明の範囲は上記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導かれるあらゆる変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【配列表】