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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179610
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】無線システム、送信機
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/309 20150101AFI20231212BHJP
   H04B 17/23 20150101ALI20231212BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20231212BHJP
   H04W 16/18 20090101ALI20231212BHJP
【FI】
H04B17/309
H04B17/23
H04W88/02 110
H04W16/18 110
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023172098
(22)【出願日】2023-10-03
(62)【分割の表示】P 2019147620の分割
【原出願日】2019-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】桐生 晋也
(57)【要約】      (修正有)
【課題】受信機側のユーザからの連絡作業が不要で、送信機側でもRF信号の受信状態をタイムラグなく容易に確認することのできる無線システムを提供する。
【解決手段】受信機と、受信機へとRF信号を送信する送信機と、受信機及び送信機のそれぞれと通信可能な複数のアクセスポイントと、を備える無線システムにおいて、受信機1は、RF信号を受信する受信アンテナ11A,11Bと、RF信号の受信状態を取得する受信状態取得部15と、受信状態をアクセスポイントへと送信するアクセスポイントI/F部18と、を備える。送信機は、アクセスポイントから受信状態を受信するアクセスポイントI/F部と、受信状態をユーザに通知する通知部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機と、前記受信機へとRF信号を送信する送信機と、前記受信機及び前記送信機のそれぞれと通信可能なアクセスポイントと、を備える無線システムであって、
前記受信機は、
前記RF信号を受信する受信アンテナと、
前記RF信号の受信状態を取得する受信状態取得部と、
前記受信状態を前記アクセスポイントへと送信するアクセスポイントI/F部と、を備え、
前記送信機は、
前記アクセスポイントから前記受信状態を受信するアクセスポイントI/F部と、
前記受信状態をユーザに通知する通知部と、を備え、
前記通知部は、前記受信状態を表示する表示部であり、
前記送信機は、
前記アクセスポイントを経由して受信した前記受信状態を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された過去の受信状態を呼び出して前記表示部に一定時間分遡って表示させる操作部と、を更に備える、無線システム。
【請求項2】
前記送信機は、前記RF信号の送信出力を調整する送信出力調整部、を更に備える、
請求項1に記載の無線システム。
【請求項3】
受信機へとRF信号を送信する送信機であって、
アクセスポイントから前記RF信号の受信状態を受信するアクセスポイントI/F部と、
前記受信状態をユーザに通知する通知部と、を備え、
前記通知部は、前記受信状態を表示する表示部であり、
前記アクセスポイントを経由して受信した前記受信状態を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された過去の受信状態を呼び出して前記表示部に一定時間分遡って表示させる操作部と、を更に備える、
送信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信機の受信状態を送信機で確認することのできる無線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線システムにおいては、送信機から送信されたRF信号を受信した受信機が、当該RF信号の受信状態を表示する機能を有していた。一方、送信機はこのような機能を有していなかった。従って、電波伝播環境が良好であるかの確認は、受信機側で行われていた。さらに、受信機側で確認したRF信号の受信状態に応じて、送信機の送信出力を制御する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-11836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、無線システムの電波伝播環境を確認する場合、送信状態の送信機を持ったユーザが無線システムの運用エリア内を隈なく移動し、受信機側で別のユーザがRF信号の受信状態を確認する、といった確認方法が採られる。しかし、従来の無線システムでは、送信機側に受信機側の受信状態を確認する手段が設けられていないことから、送信機側のユーザに対して受信状態を伝えるためには、無線システムとは別に連絡用のインカムを用意する必要があった。さらに、受信機側のユーザが受信機に表示された受信状態を見ながらインカムを介して送信機側のユーザに受信状態の変化を口頭で伝えるとなると、受信状態が送信機に伝達されるまでに人手による作業が介在することになり、送信機側のユーザが受信状態を把握するまでのタイムラグが大きい。このため、送信機側のユーザがデッドスポットの位置を正確に確認するのは手間であった。また、刻々と変化する受信状態を口頭で伝えるという作業は、受信機側のユーザにとって大きな負担となっていた。
【0005】
本発明の目的は受信機側のユーザからの連絡作業が不要で、送信機側でもRF信号の受信状態をタイムラグなく容易に確認することのできる無線システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の無線システムは、次のような構成を有する。
(1)受信機と、前記受信機へとRF信号を送信する送信機と、前記受信機及び前記送信機のそれぞれと通信可能なアクセスポイントと、を備える。
(2)前記受信機は、前記RF信号を受信する受信アンテナと、前記RF信号の受信状態を取得する受信状態取得部と、前記受信状態を前記アクセスポイントへと送信するアクセスポイントI/F部と、を備える。
(3)前記送信機は、前記アクセスポイントから前記受信状態を受信するアクセスポイントI/F部と、前記受信状態をユーザに通知する通知部と、を備える。
(4)前記通知部は、前記受信状態を表示する表示部である。
(5)前記送信機は、前記アクセスポイントを経由して受信した前記受信状態を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された過去の受信状態を呼び出して前記表示部に一定時間分遡って表示させる操作部と、を更に備える。
【0007】
本発明の無線システムは、更に次のような構成を有してもよい。
(1)前記送信機は、前記RF信号の送信出力を調整する送信出力調整部、を更に備える。
【0008】
前記無線システムを構成する送信機も、本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、送信機側でも受信機の受信状態を確認することができるため、無線システムの運用エリアにおけるデッドスポットの位置を正確に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る無線システムの構成を示すブロック図。
図2】実施形態に係る受信機の構成を示すブロック図。
図3】実施形態に係る受信機または送信機の表示部の表示例。
図4】実施形態に係る送信機の構成を示すブロック図。
図5】実施形態に係る無線システムの作用を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図1乃至5に従って具体的に説明する。
【0012】
[構成]
[1. 無線システム]
図1に示すように、本実施形態の無線システムは、受信機1と、複数のアクセスポイント2と、送信機3と、を備える。なお、アクセスポイント2は、1つだけ設けてもよいが、無線システムの運用エリアが広い場合には複数設けることが望ましい。
【0013】
[2. 受信機]
図2に示すように、受信機1は、送信機3からRF信号を受信する2本の受信アンテナ11(11A、11B)と、RF信号を復調して音声信号を取り出す受信部12と、音声信号を音声として出力するにあたってフィルタリングや増幅などの処理を施す信号処理部13と、図示しない外部機器へと音声信号を出力する出力部14と、を備える。これらの構成要素11-14は、送信機3から送信されたRF信号に含まれている音声信号を取り出し、音声として外部機器へと出力するための周知の構成であるため、詳細な説明は省略する。本実施形態において受信アンテナ11の数を2本としているのは、無線通信の安定性を考慮してダイバーシティ方式を採用しているためである。
【0014】
受信機1は、受信状態取得部15と、受信状態記憶部16と、受信状態表示部17と、アクセスポイントI/F部18とを更に備える。受信状態取得部15は、受信アンテナ11A、11Bが受信したRF信号の受信電圧を受信部12から取得する。受信状態取得部15は、これらの受信電圧を、受信状態記憶部16とアクセスポイントI/F部18とへ出力する。この時、受信電圧だけでなく、受信電圧を受信した時刻を示す情報も併せて送信する。本実施形態では、受信電圧だけでなくこのような関連情報も含めて「受信状態の情報」と称する。このように、受信状態取得部15は、受信状態の情報を受信状態記憶部16とアクセスポイントI/F部18とへ出力する。
【0015】
受信状態記憶部16は、メモリ等の記憶媒体を含み構成され、これまでに受信状態取得部15から受け取った受信状態の情報を記憶している。受信状態表示部17は、この受信状態の情報を表示するために、CPU171と、液晶や有機EL等の表示画面172と、表示画面172の側方に設けられた操作部173とを備える。CPU171は、受信状態記憶部16を参照して、受信状態の情報をグラフとして表示画面172上に表示する。表示画面172上に表示された受信状態の情報の一例を、図3を参照して説明する。図3において、「ANT A」が受信アンテナ11Aの受信状態を、「ANT B」が受信アンテナ11Bの受信状態をそれぞれ示すグラフである。各グラフの横軸が受信電圧の強さを、縦軸が受信電圧の経時的な変化を示している。操作部173は機械的なスライドスイッチであり、図3の上方向にスライドさせることによって、受信状態記憶部16に記憶されている過去に受信した受信電圧を呼び出して表示画面172上に一定時間分遡って表示する。
【0016】
アクセスポイントI/F部18は、受信状態取得部15が取得した受信状態の情報をアクセスポイント2へと送信する。受信機1とアクセスポイント2とは無線LANで接続されてもよいが、伝送速度及び伝送品質の観点から図1に示すように有線LANで接続されることが好ましい。
【0017】
[3. アクセスポイント]
アクセスポイント2は、受信機1から送信機3へと受信状態の情報を送信するための中継点である。本実施形態の送信機3と受信機1は、単方向通信方式を採用している。すなわち、送信機3は、受信機1のように、RF信号を受信する受信部を有していない。また、受信機1は、送信機3のように、RF信号を送信する送信部を有していない。従って、本実施形態の送信機3と受信機1は、受信状態の情報をRF信号として受信機1から送信機3へと送信することはできない。そのため、受信機1はアクセスポイントI/F部18を、送信機3は後述のアクセスポイントI/F部35を備えることによって、アクセスポイント2を経由して受信機1から送信機3へと受信状態の情報を送信している。
【0018】
アクセスポイント2は、上述の有線LANを介して受信機1のアクセスポイントI/F部18と接続されている。さらに、アクセスポイント2は、無線通信によって、送信機3と接続されている。この無線通信では、例えば比較的障害物に強い2.4GHz帯を利用することができるが、特に限定されるものではない。
【0019】
[4. 送信機]
図4に示すように、送信機3は、ユーザが発した音声を音声信号に変換する音声入力部31と、音声信号に増幅などの処理を施す信号処理部32と、音声信号を変調して受信機1へと無線送信するトランスミッタ33と、を備える。これらの構成要素31-33は、送信機3に入力されたユーザの音声を搬送波であるRF信号として受信機1へと送信するための周知の構成であるため、詳細な説明は省略する。トランスミッタ33は、信号処理部32を経た音声信号をRF信号として送信するだけでなく、試験電波としてRF信号だけを送信することもできる。なお、本実施形態において、送信機3は、ワイヤレスマイクロフォンである。
【0020】
送信機3は、アクセスポイントI/F部35、受信状態記憶部36と、受信状態表示部37と、を更に備える。アクセスポイントI/F部35は、アクセスポイント2から受信した受信機1の受信状態の情報を受信状態記憶部36へと出力する。受信状態記憶部36は、メモリ等の記憶媒体を含み構成され、これまでに受信状態取得部35から受け取った受信状態の情報を記憶している。なお、近年の無線システムにおいては、アクセスポイントを介した無線通信によって送信機の設定を行うものが主流となっている。従って、送信機にもアクセスポイントとの無線通信を可能とする構成がビルトインされている。この構成をアクセスポイントI/F部35として利用してもよい。
【0021】
受信状態表示部37は、受信機1の受信状態表示部17と同様の構成を有する。すなわち、受信状態表示部37は、CPU371と、液晶、有機EL等の表示画面372と、表示画面372の側方に設けられた操作部373とを備える。CPU371は、受信状態記憶部36を参照して、受信状態の情報をグラフとして表示画面372上に表示する。図3に示すように、「ANT A」が受信アンテナ11Aの受信状態を、「ANT B」が受信アンテナ11Bの受信状態を示すグラフである。また、各グラフの横軸が受信電圧の強さを、縦軸が受信電圧の経時的な変化を示している。また、操作部373は機械的なスライドスイッチであり、図3の上方向にスライドさせることによって、受信状態記憶部36に記憶されている過去に受信した受信電圧を呼び出して表示画面372上に一定時間分遡って表示する。
【0022】
さらに、トランスミッタ33は送信出力調整部331を備えてもよい。送信出力調整部331は、受信状態記憶部36に記憶された受信状態の情報に基づいて、トランスミッタ33が送信するRF信号の送信出力を自動的に調整する。例えば、受信状態の情報に含まれる受信電圧が予め定められた閾値を下回る場合に、送信出力調整部331はRF信号の送信出力を増大させることができる。
【0023】
[作用]
本実施形態における無線システムの作用について、図1を参照しながらその概略を説明する。まず、受信機1は、当該受信機1へと送信機3が送信したRF信号を受信する。受信機1は、RF信号の受信状態の情報を取得し、当該受信状態の情報をアクセスポイント2へと送信する。アクセスポイント2は、受信機1から受信したRF信号の受信状態の情報を、送信機3へと送信する。すなわち、アクセスポイント2を経由する形で、送信機3はRF信号の受信状態の情報を受信機1から取得する。送信機3は、取得したRF信号の受信状態の情報を送信機のユーザに通知する。
【0024】
続いて、本実施形態における無線システムの作用について、図5のフローチャートを参照しながらその詳細を説明する。まず、送信機3側のユーザの操作によって、送信機3は、トランスミッタ33からRF信号を送信する。このRF信号は、送信機3側のユーザが発した音声を搬送するためのRF信号であってもよいが、以降の説明ではトランスミッタ33が試験電波としてRF信号のみを常時送信しているものとする。
【0025】
受信機1の受信アンテナ11A、11Bは、送信機3のトランスミッタ33が送信したRF信号を受信する(ステップS01)。受信状態取得部15は、受信アンテナ11A、11Bが受信したRF信号の受信電圧を受信部12から取得する(ステップS02)。受信状態取得部15は、これらの受信電圧を、受信状態記憶部16とアクセスポイントI/F部18とへ出力する。この時、受信電圧だけでなく、受信電圧を受信した時刻を示す情報も併せて送信する。アクセスポイントI/F部18は、受信状態取得部15が取得した受信状態の情報をアクセスポイント2へと送信する(ステップS03)。
【0026】
アクセスポイント2は、上述の有線LANを介して受信機1のアクセスポイントI/F部18から受信機1の受信状態の情報を受信する。さらに、アクセスポイント2は、無線通信によって、受信機1の受信状態の情報を送信機3へと送信する(ステップS04)。
【0027】
送信機3のアクセスポイントI/F部35は、アクセスポイント2から受信した受信機1の受信状態の情報を受信状態記憶部36へと出力する。受信状態表示部37のCPU371は、受信状態記憶部36を参照して、受信状態の情報をグラフとして表示画面372上に表示する(ステップS05)。
【0028】
[効果]
(1)本実施形態の無線システムにおいて、送信機3は、自身が送信したRF信号の受信機1における受信状態を、ユーザに報知することができる。そのため、送信機3のユーザは、送信機3とは別に通信用のインカムを必要とすることなく、ほぼリアルタイムで現在位置がデッドスポットにあたるか否かを判断することができる。このため、デッドスポットの正確な位置を特定するために、運用エリア内を右往左往せずに済む。
【0029】
(2)本実施形態の無線システムにおいて、送信機3は、自身が送信したRF信号の受信機1における受信状態を、受信状態表示部37によって時系列のグラフとして表示する。そのため、送信機3のユーザは、受信状態の良否を容易かつ詳細に確認することができる。
【0030】
(3)本実施形態の無線システムにおいて、送信機3の受信状態表示部37は、自身が送信したRF信号の受信機1における受信状態を過去に遡って表示することができる。そのため、送信機3のユーザは、これまでに移動してきた位置における受信状態の良否を連続的に確認することができるため、デッドスポットの原因を特定し易い。また、送信機3のユーザは、デッドスポットを通り過ぎてしまった場合にも、凡そ何秒前にデッドスポットの位置にいたかを把握することができる。
【0031】
(4)本実施形態の無線システムにおいて、送信機3の受信状態表示部37は、自身が送信したRF信号の受信機1における受信状態を、受信機1が備える複数の受信アンテナ11A、11Bごとに表示することができる。そのため、送信機3のユーザは、受信アンテナ11A、11Bの故障がデッドスポットの原因である場合に、そのことを容易に把握することができる。
【0032】
(5)本実施形態の無線システムにおいて、送信機3は、送信出力調整部331を備える。そのため、受信状態表示部37が示す電波伝播状態が不良である場合に、適宜送信出力を増大させることが可能である。
【0033】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。具体的には、次のような他の実施形態も包含する。
【0034】
(1)本実施形態では、操作部173、373をいずれも機械的なスライドスイッチとしたが、機械的な押しボタンであってもよい。押しボタンとしては、上下2つのボタンや十字ボタンを用いることで、スライドスイッチと同様の機能を実現することができる。さらに、操作部173、373は、機械的なスイッチまたはボタンに限らず、表示画面172、372上に表示される仮想的なボタンであってもよい。この時、表示画面172、372にはタッチパネルが配置される。ユーザは、タッチパネルを介して当該表示画面172、372上に表示される仮想的な操作部をスライドさせることによって、過去に受信した受信電圧を遡って表示画面172、372上に表示することができる。機械的なスライドスイッチに比べて、細かい操作が可能となる。
【0035】
(2)本実施形態では、送信出力調整部331は、トランスミッタ33が送信するRF信号の送信出力を自動的に調整するものとしたが、手動で調整するようにしてもよい。例えば、上述の操作部373にRF信号の送信出力を調整する機能を持たせると、ユーザは操作部373を操作することで、RF信号の送信出力の調整を送信出力調整部331に命令することもできる。
【0036】
(3)本実施形態では、受信状態取得部15が取得する受信状態の情報として、受信電圧を用いたが、RF信号の受信エラー率やC/N比(搬送波対ノイズ比)、及びRF信号の受信エラー率やC/N比から算出したRF信号の受信品質を用いてもよい。従って、表示画面172、372は、RF信号の受信電圧だけでなく、RF信号の受信エラー率やC/N比(搬送波対ノイズ比)、及びこれらから算出したRF信号の受信品質を表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…受信機
11、11A、11B…受信アンテナ
12…受信部
13…信号処理部
14…出力部
15…受信状態取得部
16…受信状態記憶部
17…受信状態表示部
171…CPU
172…表示画面
173…操作部
18…アクセスポイントI/F部
2…アクセスポイント
3…送信機
31…音声入力部
32…信号処理部
33…トランスミッタ
331…送信出力調整部
35…アクセスポイントI/F部
36…受信状態記憶部
37…受信状態表示部
371…CPU
372…表示画面
373…操作部
図1
図2
図3
図4
図5