(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179620
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】保管システムからユニットを回収するための装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023173005
(22)【出願日】2023-10-04
(62)【分割の表示】P 2021168192の分割
【原出願日】2014-07-24
(31)【優先権主張番号】1314313.6
(32)【優先日】2013-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラース・スバーカー・トゥール・リンボ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ロルフ・スタディー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ロバート・ウェラン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・リチャード・ジェイムズ・ブレット
(57)【要約】 (修正有)
【課題】保管システムと、保管システムにおいて積み重ねされた容器を持ち上げて移動するための積荷取扱デバイスを提供する。
【解決手段】保管システムは、容器の積み重ねの上方に格子パターンで配置される複数のレールまたは軌道を備える。格子パターンは複数の格子空間を備え、各々の積み重ねは、単一の格子空間の設置面積内に位置付けられる。積荷取扱デバイスは、積み重ねの上方でレールまたは軌道の上を横方向に移動するように構成される。積荷取扱デバイスは、使用中にレールまたは軌道の上方に位置付けられる容器受入空間と、容器を積み重ねから容器受入空間へと持ち上げるように配置される持ち上げデバイスとを備える。積荷取扱デバイス100は、使用中、保管システムにおける単一の格子空間のみを占める設置面積を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器の積み重ねの上方に格子パターンで配置される複数のレールまたは軌道を備える保管システムにおいて、積み重ねされた複数の前記容器を持ち上げて移動するための積荷取扱デバイスであって、前記格子パターンが複数の格子空間を備え、各々の積み重ねが単一の格子空間だけの設置面積内に位置付けられ、前記積荷取扱デバイスが、前記積み重ねの上方で前記レールまたは軌道の上を横方向に移動するように構成され、前記積荷取扱デバイスが、
使用中に前記レールまたは軌道の上方に位置付けられる容器受入空間と、容器を積み重ねから前記容器受入空間へと持ち上げるように配置される持ち上げデバイスとを備える、積荷取扱デバイスにおいて、
前記積荷取扱デバイスが、使用中、前記保管システムにおける単一の格子空間のみを実質的に占める設置面積を有することを特徴とする、積荷取扱デバイス。
【請求項2】
前記積荷取扱デバイスが、電力部品、制御部品、駆動部品、および/または持ち上げ部品などの構成部品を収容する上方部と、前記容器受入空間を含む下方部と、ここにおいて、前記下方部が前記上方部の真下に配置される、を備える、請求項1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項3】
前記容器受入空間を実質的に包囲する外部筐体をさらに備える、請求項1または2に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項4】
前記外部筐体が実質的に立方形として成形される、請求項3に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項5】
前記積荷取扱デバイスが、第1のセットのレールまたは軌道に沿う第1の方向と、第2のセットのレールまたは軌道に沿う第2の方向とに移動するように構成され、ここにおいて、前記第2の方向が前記第1の方向を横切る、請求項1から4のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項6】
前記積荷取扱デバイスが、第1の方向における前記デバイスの移動を案内するために、前記第1のセットのレールまたは軌道と係合するための第1のセットの車輪と、第2の方向における前記デバイスの移動を案内するために、前記第2のセットのレールまたは軌道と係合するための第2のセットの車輪とを備える車輪組立体を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項7】
前記車輪が前記容器受入空間の周囲の周りに配置される、請求項6に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項8】
前記車輪組立体の前記車輪を支持するためのフレーム構造をさらに備える、請求項6または7に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項9】
前記フレーム構造が、前記積荷取扱デバイスの外部筐体の一部である、請求項8に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項10】
前記フレーム構造が、前記容器受入空間の周りに配置される、請求項8または9に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項11】
前記容器受入空間が前記フレーム構造内に画定される、請求項8から10のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項12】
前記容器受入空間が、前記フレーム構造によって4つの側部で境界が付けられる、請求項8から11のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項13】
前記車輪のうちの1つまたは複数が、前記車輪に内蔵される、または、前記車輪に実質的に隣接して位置付けられるモータによって駆動される、請求項6から12のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項14】
前記車輪のうちの1つまたは複数が車輪ハブモータを備える、請求項6から13のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項15】
前記車輪のうちの1つまたは複数が、前記容器受入空間の上方に位置付けられる1つまたは複数のモータによって駆動される、請求項6から14のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項16】
駆動を前記モータから前記車輪へと伝達するために、前記容器受入空間の周りに配置される駆動伝達手段をさらに備える、請求項15に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項17】
前記駆動伝達手段が、プーリと駆動ベルトとの構成を備える、請求項16に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項18】
前記車輪のうちの1つまたは複数が、前記車輪を駆動するための駆動ベルトと協働する経路を備える、請求項6から17のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項19】
前記経路が、前記駆動ベルトにおける対応する形成部と係合するための一連の歯を備える、請求項18に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項20】
前記経路が一対のタイヤによって境界が付けられる、請求項18または19に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項21】
前記第1のセットの車輪を前記第1のセットのレールと選択的に係合および係合解除するための手段と、前記第2のセットの車輪を前記第2のセットのレールと選択的に係合および係合解除するための手段とをさらに備える、請求項6から20のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項22】
一方または両方のセットの車輪が、他方のセットの車輪に対して上昇および下降されるように構成される、請求項6から21のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項23】
前記容器受入空間の上方に位置付けられ、前記車輪を持ち上げるように配置される1つまたは複数の車輪持ち上げデバイスをさらに備える、請求項22に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項24】
前記車輪持ち上げデバイスまたは各々の車輪持ち上げデバイスが、前記容器受入空間に隣接する前記積荷取扱デバイスの下方部に位置付けられるリンク機構を介して前記車輪を持ち上げるように構成される、請求項23に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項25】
前記持ち上げデバイスが、容器を上方から把持するように構成される把持デバイスを備える、請求項1から24のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項26】
前記把持デバイスを前記容器受入空間に対して上昇および下降させるように構成される持ち上げ機構をさらに備える、請求項25に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項27】
前記持ち上げ機構が前記容器受入空間の上方に位置付けられる、請求項26に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項28】
前記持ち上げ機構がモータを備える、請求項27に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項29】
前記持ち上げ機構が、前記モータによって駆動されるように配置される巻き上げ機をさらに備える、請求項28に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項30】
前記把持デバイスが、前記把持デバイスを鉛直方向に移動するために、前記積荷取扱デバイスから延び出しおよび引き込みされ得るケーブルから吊るされる、請求項25から29のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項31】
前記持ち上げデバイスが、前記容器受入空間のいずれかの側部に配置される一対の持ち上げアームを備え、前記把持デバイスが、前記アームの端に搭載され、前記アームが、前記把持デバイスを鉛直方向に移動するために、延び出しおよび引き込みするように構成される、請求項25から28のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項32】
前記積荷取扱デバイスは、前記把持デバイスが前記容器受入空間の下方へと下降されるとき、前記把持デバイスの真上に位置付けられる質量中心を有する、請求項25から31のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項33】
前記積荷取扱デバイスが自走式ロボット車両である、請求項1から32のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項34】
前記デバイスの構成部品に電力供給するための1つまたは複数の電池をさらに備え、ここにおいて、前記電池が、前記容器受入空間に隣接して、前記デバイスの下方部に位置付けられる、請求項1から33のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項35】
前記電池が、前記デバイスの側壁内に位置付けられる、請求項34に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項36】
第1のセットの平行なレールまたは軌道、および、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するために、実質的に水平な平面で前記第1のセットを横切って延びる第2のセットの平行なレールまたは軌道と、
前記レールの下方に位置付けられ、各々が単一の格子空間の設置面積を占めるように配置される複数の容器の複数の積み重ねと、
前記レールの上を前記積み重ねの上方で横方向に移動するように配置される、請求項1から35のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイスであって、前記積荷取扱デバイスが、前記レールの上方に位置付けられる容器受入空間、および、単一の容器を積み重ねから前記容器受入空間へと持ち上げるように配置される持ち上げデバイスを備える積荷取扱デバイスと、
を備える、保管システムにおいて、
前記積荷取扱デバイスが、前記保管システムにおける単一の格子空間のみを実質的に占める設置面積を有することを特徴とする、保管システム。
【請求項37】
前記保管システムが、請求項1から35のいずれか一項に記載の複数の積荷取扱デバイスを備える、請求項36に記載の保管システム。
【請求項38】
複数の容器を1回だけの運転で積み重ねから持ち上げることができる1つまたは複数の積荷取扱デバイスをさらに備える、請求項36または37に記載の保管システム。
【請求項39】
複数の容器が、前記保管システムから取り出され得る、および/または、前記保管システムへと追加され得る1つまたは複数のポート場所をさらに備える、請求項36から38のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項40】
前記積荷取扱デバイスが、目標容器を積み重ねからポート場所へと運搬するように構成される、請求項39に記載の保管システム。
【請求項41】
前記容器が天面のない箱を備える、請求項36から40のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項42】
前記容器が、積み重ねで形成されるとき、鉛直方向において互いと連結または係合するように配置される、請求項36から41のいずれか一項に記載の保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管システムからユニットを回収するための装置に関する。具体的には、排他的ではないが、本発明は、格子状の積み重ねられたユニットを備える保管庫で保管容器または保管箱を取り扱うためのロボットデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の商業活動および産業活動は、数多くの異なる製品の保管および回収を可能にするシステムを必要としている。複数の製品ラインにある品目の保管および回収のためのある公知のシステムは、通路に配置された棚の列に保管箱または保管容器を配置することを含んでいる。各々の箱または容器は、1つの製品種類の複数の製品を保持している。通路は、必要な製品が通路を巡回する作業員またはロボットによって回収され得るように、棚の列同士の間におけるアクセスを提供する。しかしながら、製品にアクセスするために通路空間を設けるという必要性は、このようなシステムの保管密度が比較的小さいことを意味していることは理解されるものである。別の言い方をすれば、製品の保管のために実際に用いられる空間の大きさは、全体として保管システムに必要とされる空間の大きさに対して比較的小さくなっている。
【0003】
保管密度に顕著な向上を提供する別の手法では、容器が互いの上に積み重ねられ、積み重ねが列で配置されている。容器は上方からアクセスされ、列同士の間での通路の必要性を排除し、より多くの容器を所与の空間に保管させることができる。
【0004】
列で積み重ねられた容器を取り扱う方法は、何十年の長さでよく知られている。一部のこのようなシステムでは、例えば米国特許第2,701,065号に記載されているように、このような容器を保管することに関連付けられる保管体積を縮小しつつ、必要な場合に特定の容器へのアクセスを提供するために、容器の支えのない積み重ねが列で配置されている。所与の容器へのアクセスは、容器を積み重ねるために、および、所与の容器を積み重ねから取り出すために用いられ得る比較的複雑な昇降機構を設けることで、可能とされている。しかしながら、このようなシステムのコストは、多くの状況において現実性がなく、大きな出荷容器の保管および取り扱いに対して主に商業化されている。
【0005】
容器の支えのない積み重ねを用い、特定の容器を回収および保管するための機構を設ける構想は、例えばEP0767113B(Cimcorp)に記載されているように、さらに発展されている。Cimcorpは、容器の積み重ねの周りで高さが下げられ、積み重ねの任意の高さで容器を把持できるように構成されている矩形管体の形態で、ロボットの積荷取扱機を用いる、積み重ねられた複数の容器を取り出すための機構を開示している。この方法では、いくつかの容器が、積み重ねから1回で持ち上げられ得る。移動可能な管体は、ある積み重ねの最上部から別の積み重ねの最上部へといくつかの容器を移動するために、または、積み重ねから外部の場所へと、もしくは、外部の場所から積み重ねへと容器を移動するために、使用され得る。このようなシステムは、単一の積み重ねにあるすべての容器が同じ製品を収容している場合(単一製品の積み重ねとして理解される)、特に有用であり得る。積荷取扱機は、例えば、単一の種類の製品を収容している複数の容器を保管庫に追加するために、および、複数製品の出荷積み重ねを作り出すように、2つ以上の単一製品の積み重ねから1つまたは複数の容器を取得するために、単一製品の積み重ね同士の間で容器を移動するのに使用され得る。この例は、小売店への配送に向けた複数製品の注文を作り出すために、中央倉庫において野菜の木箱を取得することである。
【0006】
Cimcorpに記載されているシステムでは、管体の高さは、最も高い積み重ねの容器が1回だけの運転で抽出され得るように、容器の最も高い積み重ねの高さと少なくとも同じ高さでなければならない。したがって、倉庫などの包囲されている空間で使用されるとき、積み重ねの最大高さは、積荷取扱機の管体を収めるための必要性によって抑制される。さらに、システムは、複数製品の積み重ねからの単一の容器の選択に対してうまく適合されていない。
【0007】
オンラインの食料雑貨商およびスーパーマーケットなど、複数の製品種目を販売するオンラインの小売ビジネスは、何万ないし何十万もの異なる製品種目を保管できるシステムを必要としている。このような場合での単一製品の積み重ねの使用は、非常に大きな床面積が、必要とされる積み重ねのすべてを収めるために必要とされるため、現実性がない。さらに、傷みやすいものや注文頻度の少ない品物など、一部の品目は少量だけ保管することが望ましい可能性があり、単一製品の積み重ねを非効率的な解決策にしている。
【0008】
したがって、一部の用途については、各々の積み重ねを作り上げる容器が異なる製品を保持し得る複数製品の積み重ねの使用は、システムの保管密度を最大化するために、好ましいとされる。顧客の注文を満たすために必要とされる複数の異なる品目が、必要とされる品目の一部が積み重ねのうちのより低い高さにおいていくつかの他の容器の下に保管されている場合であっても、効率的な方法で保管システムから取得され得るように、保管されている品目は、合理的に素早く簡単にアクセス可能なままでなければならない。
【0009】
国際特許出願WO98/049075A(Autostore)は、その内容が参照により本明細書において組み込まれており、容器の複数製品の積み重ねが、フレーム構造の内部に配置されているシステムを記載している。この種類のシステムは、添付の図面の
図1~
図4に概略的に示されている。
【0010】
図1および
図2に示されるように、箱10として理解される積み重ね可能な容器が、積み重ね12を形成するために、互いの上に積み重ねされている。積み重ね12は、倉庫環境または製造環境における格子フレーム構造14に配置されている。
図1は、フレーム構造14の概略的な斜視図であり、
図2は、フレーム構造14内に配置されている箱10の積み重ね12を上から下へと見ている図である。各々の箱10は、複数の製品の品目(図示せず)を典型的には保持しており、箱10内の製品の物品は、同一であってもよく、または、用途に依存して異なる製品種類のものであってもよい。
【0011】
フレーム構造14は、水平部材18、20を支持する複数の直立部材16を備えている。第1のセットの平行な水平部材18が、直立部材16によって支持される複数の水平な格子構造を形成するために、第2のセットの平行な水平部材20と垂直に配置されている。部材16、18、20は、典型的には金属から製作される。箱10は、フレーム構造14が箱10の積み重ね12の水平方向の移動から保護し、箱10の鉛直方向の移動を案内するように、フレーム構造14の部材16、18、20の間に積み重ねされる。
【0012】
フレーム構造14の最上部の高さは、積み重ね12の最上部にわたって格子パターンに配置されたレール22を備えている。
図3および
図4を追加的に参照すると、レール22は、複数のロボットの積荷取扱デバイス30を支持している。平行なレール22の第1のセット22aは、フレーム構造14の最上部にわたって第1の方向(X)で積荷取扱デバイス30の移動を案内し、第1のセット22aに垂直に配置された平行なレール22の第2のセット22bは、第1の方向に垂直な第2の方向(Y)で積荷取扱デバイス30の移動を案内する。この方法では、レール22は、積荷取扱デバイス30が積み重ね12のいずれかの上方の位置へと移動され得るように、水平なX-Y平面において横方向に二次元で積荷取扱デバイス30の移動を可能にする。
【0013】
積荷取扱デバイス30は、その内容が参照により本明細書において組み込まれているノルウェー特許第317366号にさらに記載されている。
図3(a)および
図3(b)は、それぞれ後方および前方からの積荷取扱デバイス30の概略的な斜視図であり、
図3(c)は、箱10を持ち上げる積荷取扱デバイス30の概略的な前方からの斜視図である。
【0014】
各々の積荷取扱デバイス30は、積み重ね12の上方で、フレーム構造14のレール22の上をX方向およびY方向に進むように配置されている車両32を備えている。第1のセットの車輪34は、車両32の前側の一対の車輪34と、車両32の後側の一対の車輪34とから成り、レール22の第1のセット22aの2つの隣接するレールと係合するように配置されている。同様に、第2のセットの車輪36は、車両32の各々の側の一対の車輪36から成り、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールと係合するように配置されている。車輪34、36の各々のセットは、第1のセットの車輪34または第2のセットの車輪36のいずれかが、任意のあるときにそれぞれのレールのセット22a、22bと係合されるように持ち上げおよび下降され得る。
【0015】
第1のセットの車輪34がレールの第1のセット22aと係合され、第2のセットの車輪36がレール22から離れて持ち上げられるとき、車輪34は、積荷取扱デバイス30をX方向に移動するために、車両32に収容されている駆動機構(図示せず)を用いて駆動され得る。積荷取扱デバイス30をY方向に移動するためには、第1のセットの車輪34がレール22から離して持ち上げられ、第2のセットの車輪36がレールの第2のセット22bとの係合へと下降される。そして、駆動機構は、Y方向での移動を実現するように第2のセットの車輪36を駆動するために用いられ得る。
【0016】
積荷取扱デバイス30には、クレーンデバイス40が備え付けられている。クレーンデバイス40は、車両32の最上部から横方向に延びる片持ちアーム42を備えている。把持板44が、4本のケーブル46によって片持ちアーム42から吊り下げられている。ケーブル46は、車両32内に収容されている巻き取り機構(図示せず)に連結されている。ケーブル46は、車両32に対する把持板44の位置がZ方向において調節され得るように、片持ちアーム42から巻き入れまたは巻き出しされてもよい。
【0017】
把持板44は、箱10の最上部と係合するように適合されている。例えば、把持板44は、箱10の天面を形成する縁部にある対応する穴(図示せず)と結合するピン(図示せず)と、箱10を把持するために縁部と係合可能な摺動クリップ(図示せず)とを備えてもよい。クリップは、把持板44内に収容されている適切な駆動機構によって箱10と係合するように駆動され、その駆動機構は、ケーブル46自体を通じて、または、別体の制御ケーブル(図示せず)を通じて送られる信号によって、電力供給および制御される。
【0018】
箱10を積み重ね12の最上部から取り出すために、積荷取扱デバイス30は、把持板44が積み重ね12の上方に位置決めされるように、X方向およびY方向に必要に応じて移動される。次に把持板44が、
図3(c)に示されるように、積み重ね12の最上部にある箱10と係合するために、Z方向で鉛直に下降される。把持板44は、箱10を把持し、次に、箱10が取り付けられた状態で、ケーブル46で上向きに引っ張られる。その鉛直の進行の最上位において、箱10は片持ちアーム42の下に収められ、レール22の高さの上方で保持される。この方法では、積荷取扱デバイス30は、X-Y平面において異なる位置へと移動され、箱10を別の場所へと運搬するために、積荷取扱デバイス30と共に箱10を運ぶことができる。ケーブル46は、積荷取扱デバイス30を、床の高さを含む積み重ね12の任意の高さから箱を回収および配置させることができるだけの長さがある。車両32は、箱10の重量と釣り合うために、および、持ち上げの過程の間に安定したままとなるために、十分に重くなっている。車両32の重量は、車輪34、36のための駆動機構に電力供給するために使用される電池から一部構成されてもよい。
【0019】
図4に示されるように、複数の同一の積荷取扱デバイス30が、各々の積荷取扱デバイス30がシステムの処理能力を高めるために同時に運転できるように、設けられている。
図4に示されたシステムは、箱10がシステムに出入りするように移送され得るポート24として理解される2つの特定の場所を含んでいる。追加のコンベアシステム(図示せず)が、各々のポート24と関連付けられており、そのため、積荷取扱デバイス30によってポート24へと運搬された箱10が、例えば、採集ステーション(図示せず)といった、別の場所へとコンベアシステムによって移送され得る。同様に、箱10は、システムにおける在庫を補充するために、例えば箱充填ステーション(図示せず)といった、外部の場所からポート24へとコンベアシステムによって移動され、積荷取扱デバイス30によって積み重ね12へと運搬されてもよい。
【0020】
各々の積荷取扱デバイス30は、一度に1つの箱10を持ち上げて移動できる。積み重ね12の最上部に配置されていない箱10(「目標箱」)を回収することが必要である場合、上に乗っている箱10(「非目標箱」)が、目標箱10へのアクセスを可能とするために最初に移動されなければならない。
【0021】
積荷取扱デバイス30の各々が中央コンピュータの制御下にある。システムにおける各々の個別の箱10は、適切な箱10が必要に応じて回収、運搬、および交換され得るように、追跡される。
【0022】
図1~
図4を参照して説明されたシステムは、多くの利点を有しており、幅広い保管業務および回収業務に適している。具体的には、このシステムは、製品の非常に稠密な保管を可能にし、箱10で非常に幅広い異なる品目を保管する非常に経済的な方法を提供する一方、取得が必要とされるとき、すべての箱10への合理的に経済性のあるアクセスを可能にする。
【0023】
運用の速度が重要である大容量システムに関しては、運転の速度、電池の寿命、信頼性、持ち上げ能力、安定性などの観点において、積荷取扱デバイスの各々の性能を最大化することが重要である。そのため、これらの分野のうちの1つまたは複数において向上された性能を提供する積荷取扱デバイスを提供することは、望ましいと考えられる。
【0024】
また、品目が保管システムから回収され得る速度の増加を可能とするために、いずれのときにも使われる積荷取扱デバイスの数を増やすことも、望ましいと考えられる。例えば、本出願者の同時係属中の国際特許出願第PCT/GB2013/051215は、その内容が参照により本明細書において組み込まれており、2つの異なる種類の積荷取扱デバイスの各々が複数設けられている保管システムを記載している。一方の種類の積荷取扱デバイスは、1回の運転において、積み重ねから複数の箱を持ち上げ、積み重ねにおける目標箱を、第2の種類の単一箱積荷取扱デバイスによってアクセスさせることができるように適合されている。このような場合、一方のデバイスにとって最適な移動経路が他方のデバイスの存在によって邪魔される場合を最小限とするために、積荷取扱デバイスの大きさを小さくすることが望ましい可能性がある。
【0025】
本発明が考案されたのは、これを背景としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】米国特許第2,701,065号
【特許文献2】EP0767113B
【特許文献3】国際特許出願WO98/049075A
【特許文献4】ノルウェー特許第317366号
【特許文献5】国際特許出願第PCT/GB2013/051215
【発明の概要】
【0027】
一態様から、本発明は、容器の複数の積み重ねを収容する格子フレームを備える保管システムで使用するための積荷取扱デバイスに関係している。積荷取扱デバイスは、容器の積み重ねの上方に配置され、容器を積み重ねから持ち上げることができ、容器を別の場所へと横方向に移動できる。有利には、各々の積荷取扱デバイスは、保管システムにおける単一の格子空間のみを実質的に占める。
【0028】
したがって、本発明は、容器の積み重ねの上方に格子パターンで配置される複数のレールまたは軌道を備える保管システムにおいて、積み重ねされた容器を持ち上げて移動するための積荷取扱デバイスであって、格子パターンが複数の格子空間を備え、各々の積み重ねが実質的に単一の格子空間だけの設置面積内に位置付けられ、積荷取扱デバイスが、積み重ねの上方でレールまたは軌道の上を横方向に移動するように構成され、積荷取扱デバイスが、使用中にレールまたは軌道の上方に位置付けられる容器受入空間と、容器を積み重ねから容器受入空間へと持ち上げるように配置される持ち上げデバイスとを備え、ここにおいて、積荷取扱デバイスが、使用中、保管システムにおける単一の格子空間のみを実質的に占める設置面積を有する、積荷取扱デバイスを提供する。
【0029】
本発明の実施形態による積荷取扱デバイスは、容器が持ち上げられ得る容器受入空間を含む。容器受入空間は、電力部品、制御部品、駆動部品、および持ち上げ部品などの構成部品が収容される車両モジュールの下に配置される。
【0030】
本発明の好ましい実施形態では、積荷取扱デバイスは、容器受入空間を実質的に包囲する外部筐体を有する。外部筐体は、好ましくは、立方形の形を有する。
【0031】
容器受入空間の上方に積荷取扱デバイスのかさばる構成部品を配置することで、かさばる構成部品が容器受入空間の一側部に配置された車両モジュールに収容されている、ノルウェー特許第317366号に記載されている
図3(a)~
図3(c)に示された片持ちの設計と比較して、積荷取扱デバイスの設置面積が小さくされる。有利には、本発明の積荷取扱デバイスは、2つの積み重ねの上方の空間を占める
図3(a)~
図3(c)に示された片持ちの設計と対照的に、フレームにおいて容器の1つだけの積み重ねの上方の空間を占める。これは、本発明のおかげで、縮小された設置面積が、より多くの積荷取扱デバイスを収めることを可能とし、一方の積荷取扱デバイスが別の積荷取扱デバイスの最適な経路を邪魔する可能性を低減するため、保管システムの運転の効率が向上され得ることを意味する。
【0032】
積荷取扱デバイスは、好ましくは、積み重ねの上方で積荷取扱デバイスを支持するための車輪のセットを備える。例えば、積荷取扱デバイスの横方向の移動は、フレームの上方に配列されるレールによって案内されてもよい。レールは、格子パターンで配置され、水平面における積荷取扱デバイスの二次元移動を可能にする。車輪はレールと係合できる。一方のセットが、第1の方向における積荷取扱デバイスの移動を案内するために、第1のセットのレールと係合するために配置され、他方のセットが、第2の方向における積荷取扱デバイスの移動を案内するために、第2のセットのレールと係合するために配置された、車輪の2つのセットが設けられてもよい。
【0033】
本発明の実施形態では、車輪は、容器受入空間の周囲に配置される。車輪は、車両モジュールに収容された1つまたは複数のモータによって駆動されてもよい。駆動は、容器受入空間の周りに配置される駆動伝達手段によって、車両モジュールのモータから車輪へと伝達されてもよい。例えば、駆動伝達手段は、プーリと駆動ベルトとの適切な構成を備えてもよい。
【0034】
代替で、車輪は、例えば車輪ハブ内に内蔵されるモータといった、内蔵モータを備えてもよい。この方法では、各々の車輪は自己容器駆動ユニットであり、駆動ベルトは必要とされない。この構成は、積荷取扱デバイスの大きさを小さくするため有利であり、アフターサービスを容易にする。
【0035】
一方または両方のセットの車輪は、他方のセットの車輪に対して上昇および下降されるように構成されてもよい。1つまたは複数の車輪持ち上げモータまたは他の車輪持ち上げデバイスが、この目的のために車両モジュールに収容されてもよい。
【0036】
車両モジュールは、容器を容器受入空間へと持ち上げるための巻き上げ機またはクレーンデバイスを収容できる。クレーンデバイスは、容器を持ち上げるための1つまたは複数のモータを備えることができ、クレーンデバイスのそのモータまたは各々のモータは、車両モジュールに収容され得る。
【0037】
クレーンデバイスは、容器を上方から把持するように構成される把持デバイスを備えてもよい。把持デバイスは、把持デバイスを鉛直方向に移動するために、車両から延び出しおよび引き込みされ得るケーブルから吊るされてもよい。
【0038】
別の実施形態では、積荷取扱デバイスには、単一の容器を積み重ねから容器受入空間へと持ち上げるように配置される持ち上げデバイスが備え付けられる。持ち上げデバイスは、容器受入空間のいずれかの側部に配置される一対の持ち上げアームを備えてもよく、この場合、持ち上げデバイスは、アームの端同士の間に搭載され、容器を上方から把持するように配置される把持デバイスを備えてもよい。
【0039】
積荷取扱デバイスは、好ましくは、把持デバイスが容器受入空間の下方へと下降されるとき、把持デバイスの実質的に真上に位置付けられる質量中心を有する。
【0040】
別の実施形態では、持ち上げデバイスは、容器の側壁に形成される鉛直方向の経路と係合するように配置される棒材またはケーブルを備える。経路は、各々の容器の天面にある開口によってアクセスされてもよい。このような構成では、保管システムにおいて鉛直方向に延びる空間が必要ではない。
【0041】
棒材またはケーブルは、容器と解除可能に係合するように配置される固定機構を運搬してもよい。例えば、固定機構は、容器の面と係合するための横方向に延伸可能な1つまたは複数のアームを備えてもよい。固定機構は、例えば、棒材またはケーブルの管状の孔を通じて延びるワイヤによって、遠隔から操作されてもよい。
【0042】
本発明の別の実施形態による積荷取扱デバイスは、上方部と、容器受入空間を含む下方部と、容器を容器受入空間へと持ち上げるための巻き上げ手段とを備える。巻き上げ手段は、好ましくは、容器受入空間の上方で上方部に収容される巻き上げモータを備える。下方部は、好ましくは、フレームに対する積荷取扱デバイスの横方向の移動を容易にするために車輪組立体を備え、上方部は、車輪組立体の1つまたは複数の車輪を駆動するための少なくとも1つのモータも備える。
【0043】
下方部は、車輪組立体の車輪を支持するためのフレーム構造を備えてもよい。フレーム構造は、容器受入空間の周りに配置されてもよい。例えば、容器受入空間は、フレーム構造によって4つの側部で境界が付けられてもよい。フレーム構造の1つまたは複数の要素は、第2のセットの車輪に対して第1のセットの車輪を上昇および下降させ、それによって、第1のセットの車輪または第2のセットの車輪のいずれかの第1または第2のセットのレールまたは軌道とのそれぞれの係合を容易にするために、移動可能であってもよい。フレーム構造の移動可能の要素は、積荷取扱デバイスの上方部に収容されるモータによって駆動されてもよい。
【0044】
本発明の積荷取扱デバイスは、好ましくは、自走式ロボット車両である。
【0045】
別の態様から、本発明は、容器の複数の積み重ねを収容するフレームと、1つまたは複数の前述の積荷取扱デバイスとを備える保管システムに存在している。各々の積荷取扱デバイスは、容器の1つだけの積み重ねによって占められる面積に対応する単一の格子空間を、実質的に占める。
【0046】
したがって、本発明は、第1のセットの平行なレールまたは軌道、および、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するために、実質的に水平な平面で第1のセットを横切って延びる第2のセットの平行なレールまたは軌道と、レールの下に位置付けられ、各々が実質的に単一の格子空間の設置面積を占めるように配置される容器の複数の積み重ねと、レールの上を積み重ねの上方で横方向に移動するように配置される、前述されるような積荷取扱デバイスと、積荷取扱デバイスが、レールの上方に位置付けられる容器受入空間、および、単一の容器を積み重ねから容器受入空間へと持ち上げるように配置される持ち上げデバイスを備える、を備え、ここにおいて、積荷取扱デバイスが、保管システムにおける単一の格子空間のみを実質的に占める設置面積を有する、保管システムを提供する。
【0047】
別の態様では、本発明は、複数の容器の複数の積み重ねを収容するフレームと、複数の容器を1回だけの運転で積み重ねから持ち上げることができる第1の取扱デバイスと、単一の容器を持ち上げてその容器を横方向に移動できる第2の取扱デバイスとを備える保管システムを備える。第1および第2の取扱デバイスは、フレームの上方に配置され、異なる積み重ねにアクセスするために独立して移動可能である。第2の取扱デバイスは、前述の種類のものであり、複数の容器の1つの積み重ねだけに実質的に対応する空間を占める。
【0048】
この態様では、1回だけの運転で複数の容器を積み重ねから持ち上げることができる第1の取扱デバイスと共に、単一の容器を持ち上げることができ、、容器を横方向に移動することができる第2の取扱デバイスの提供は、積み重ねのうちの中間または底に位置付けられている容器を回収しようとするとき、最適な解決策を提供する。このような場合、2回だけの持ち上げ運転が、目標容器を回収するために実施される必要があり、これは、1つだけの容器が一度に持ち上げられ得る先行技術の構成と比較して、回収過程の速度および効率を大きく向上する。
【0049】
保管システムは、容器が、保管システムから取り出され得る、および/または、保管システムへと追加され得る1つまたは複数のポート場所をさらに備えてもよい。本発明の積荷取扱デバイスは、目標容器を積み重ねからポート場所へと運搬することが可能であり得る。容器は天面のない箱を備え得る。容器は、積み重ねで形成されるとき、鉛直方向において互いと連結または係合するように配置され得る。
【0050】
典型的な用途では、複数の取扱デバイスが、複数の容器が同時に持ち上げおよび移動され得るように、用いられてもよい。取扱デバイスは、異なる種類のものであってよく、システムのコストおよびエネルギーの消費を運転の速度および柔軟性とバランスさせて選択されてもよい。本発明の1つの恩恵は、積荷取扱デバイスが1つだけの積み重ねの上方の空間を占めるため、複数デバイスのシステムの効率が、2つ以上の積み重ね空間を占める先行技術の積荷取扱デバイス設計と比較して向上され得る。効率における利得は、所与のシステムにより多くの積荷取扱デバイスを収めることができることから、縮小されたデバイスの設置面積によって得られる空間を用いて、デバイスの経路設定を最適化することから、または、これらの因子の組合せから、生じ得る。
【0051】
本発明の各々の態様の好ましい特徴および/または選択的な特徴は、単独で、または、本発明の他の態様における適切な組合せでも、用いられ得る。
【0052】
ここで、本発明の実施形態が、同様の参照符号が同様の特徴に用いられる添付の図面の残っているものを参照して、例だけを用いて説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】
図1は、公知の保管システムにおいて箱の複数の積み重ねを収容するためのフレーム構造の概略的な斜視図。
【
図3】
図3(a)は、
図1および
図2のフレーム構造と使用するための公知の積荷取扱デバイスの後方からの概略的な斜視図。
図3(b)は、
図1および
図2のフレーム構造と使用するための公知の積荷取扱デバイスの前方からの概略的な斜視図。
図3(c)は、箱を持ち上げる使用中の公知の積荷取扱デバイスの概略的な斜視図。
【
図4】
図4は、
図1および
図2のフレーム構造に設置される、
図3(a)、
図3(b)、および
図3(c)に示された種類の複数の積荷取扱デバイスを備えている公知の保管システムの概略的な斜視図。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態による積荷取扱デバイスの概略的な斜視図。
【
図6】
図6(a)は、積荷取扱デバイスの一部がデバイスの内部を示すために切断されている状態での
図5の積荷取扱デバイスの概略的な斜視図。
図6(b)は、積荷取扱デバイスの一部がデバイスの内部を示すために切断されている状態での
図5の積荷取扱デバイスの概略的な斜視図。
図6(c)は、デバイスの1つの可能なシステム構造の図。
【
図7】
図7は、
図1および
図2のフレーム構造に設置される、
図3(a)、
図3(b)、および
図3(c)に示された種類の公知の複数の積荷取扱デバイスと、
図5に示された種類の複数の積荷取扱デバイスとを備えている保管システムの概略的な斜視図。
【
図8】
図8は、外側筐体が省略された状態での、本発明の別の実施形態による積荷取扱デバイスの概略的な側面図。
【
図9】
図9は、外側筐体が省略された状態での、本発明の別の実施形態による積荷取扱デバイスの概略的な斜視図。
【
図10】
図10は、外側筐体が省略された状態での、本発明の別の実施形態による積荷取扱デバイスの概略的な上面図。
【
図14】
図14は、本発明の別の実施形態による積荷取扱デバイスの一部の概略的な斜視図。
【
図17】
図17は、本発明のさらなる実施形態による積荷取扱デバイスの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図5は、本発明の実施形態による積荷取扱デバイス100を示している。積荷取扱デバイス100は、通い箱としても知られているような保管容器または箱106を上方から持ち上げるために、巻き上げ機またはクレーン機構104が搭載された車両102を備えている。クレーン機構104は、巻き上げケーブル108と把持板110とを備えている。把持板110は、
図1および
図2に示された種類の保管システムにおける容器106の積み重ねから容器106を持ち上げるために、容器106の天面を把持するように構成されている。
【0055】
図6(a)および
図6(b)も参照すると、車両102は上方部112と下方部114とを備えている。
【0056】
下方部114は、保管システムのフレームの最上部に設けられているレールの上を走行する2つのセットの車輪116、118が取り付けられている。各々セット116、118のうちの少なくとも1つの車輪は、レールに沿うそれぞれX方向およびY方向における車両102の移動を可能にするために駆動される。後で説明されるように、車輪116、118の一方または両方のセットは、各々のセットの車輪をそれぞれのレールから離して持ち上げるために鉛直方向に移動でき、それによって、車両102を所望の方向に移動させることができる。
【0057】
車輪116、118は、下方部114において、容器受入凹所として知られている空洞または凹所120の周囲の周りに配置されている。凹所120は、
図6(a)に示されるように、箱106がクレーン機構104によって持ち上げられるとき、箱106を収める大きさとされている。凹所120にあるとき、箱106は、車両102が異なる場所へと横方向に移動できるように、下にあるレールから離して持ち上げられる。例えば、別の積み重ね、保管システムにおけるアクセスポイント、またはコンベアベルトといった目標場所に到達すると、箱106は凹所120から下降され(
図6(b)に示されるように)、把持板110から解除され得る。
【0058】
車両102の上方部112は、
図6(c)に示されるように、積荷取扱デバイスの重大なかさばる構成部品のすべてを収容している。上方部112は、電池および関連する電子機器と、制御装置および通信デバイスと、車輪116、118を駆動するためのモータと、クレーン機構104を駆動するためのモータと、他のセンサおよびシステムとを収容している。
【0059】
この方法では、車両102の設置面積は、凹所120のいずれかの側部で車輪116、118を収めるのに十分なだけ、箱106の寸法より大きくなっている。別の言い方をすれば、車両102は、保管システムにおける単一の格子空間を占めている。そのため、この方法では、車両102は、X-Y平面において最小限の可能な大きさの空間を取り、
図3に示されている先行技術の片持ちの設計の設置面積のおおよそ半分の設置面積を有している。比較のために、
図7は、
図1および
図2に示される種類の保管システムにおいて使用中の本発明による積荷取扱デバイス100を、
図3に示される種類の先行技術の片持ち式の積荷取扱デバイス30と共に示している。先行技術のデバイス30は、高さはより低いが、より高いがより小さい設置面積の本発明のデバイス100と比較して、2つ分の積み重ねの空間を占めているということが分かる。
【0060】
本発明では、容器の積荷が車両の各々の側部にある対の車輪の間に吊るされるため、本発明の積荷取扱デバイス100は、片持ち式の先行技術の積荷取扱デバイス30と比較して、向上した安定性と、向上した積荷取扱能力と、低減した重量とをも提供できる。対照的に、先行技術のデバイス30は、片持ち式の構成で積荷と釣り合うために、比較的重い車両モジュールを有していなければならない。
【0061】
図8~
図12は、本発明の一実施形態を示している。車両102の上方部112は、3つの主モータ、すなわち、車両102の反対側に据え付けられた駆動シャフトに搭載されたスプール109に巻き付けられている巻き上げケーブル108を上昇および下降させるために使われるZ軸駆動モータ150と、第1のセットの車輪116を駆動するX軸駆動モータ152と、第2のセットの車輪118を駆動するY軸駆動モータ154とを収容している。車両の上方部112は、
図6(c)を参照して先に記載されているように、モータに電力供給するための電池156と、制御装置と、センサと、他の構成部品とをも収容している。
【0062】
駆動は、ベルト駆動機構を用いて、X軸駆動モータ152およびY軸駆動モータ154からそれぞれのセットの車輪116、118へと伝達される。X軸駆動モータ152は、車両本体にわたって延びる短い駆動シャフト162に連結されているプーリ160を駆動する。駆動は、X軸駆動ベルト164によって、短い駆動シャフト162から第1のセットの車輪116における各々の車輪へと伝達される。Y軸駆動モータ154は、短い駆動シャフト162に垂直な方向において車両本体にわたって延びる長い駆動シャフト172に連結されているプーリ170を駆動する。駆動は、Y軸駆動ベルト174によって、長い駆動シャフト172から第2のセットの車輪118における各々の車輪へと伝達される。
【0063】
ベルト駆動車輪116、118は、車両102の下方部114の底に搭載されている。駆動をモータから車輪へと伝達するために駆動ベルト164、174を使用することで、モータ152、154を車両の上方部112に搭載させることできる。
【0064】
この実施形態では、第1のセットの車輪116は、
図9、
図11、および
図12に最もはっきりと示されているように、車輪位置決め機構を用いて、レールから離して上昇され得る、または、レールへと下降され得る。各々の車輪116は、外側端において枢動可能に搭載されているアーム180に搭載されている。各々のアーム180の内側端は、それぞれのリンク機構182の下方端に連結されている。両方のリンク機構182の上方端は、共通リンク機構184の下方端に連結されている。さらに、共通リンク機構184の上方端は、モータ188によって動かされるレバーアーム186に連結されている。共通リンク機構184を上向きに引っ張るためにモータ188を運転することで、第1のセットの車輪116は、第2のセットの車輪118だけがレールと係合されるように上昇させることができ、Y方向における車両102の移動を可能にする。共通リンク機構184を下向きに押すためにモータ188を運転することで、第2のセットの車輪118が、
図9、
図11、および
図12に示されているように、レールから離して持ち上げられるように、第1のセットの車輪116は、レールと係合するために、および、車両を持ち上げるために、下向きに移動する。したがって、車両102はX方向に移動できる。
【0065】
第2のセットの車輪118は、車両102の下方部114の両方の端に配置される固定T字片190に搭載されている。
【0066】
図8、
図9、および
図12は、箱106が凹所120へと持ち上げられた状態の積荷取扱デバイス100を示している。
図11は、箱106がデバイス100の下にあり、把持板110が箱106と係合しようとしている状態の積荷取扱デバイス100を示している。車輪116、118および関連する支持片と、リンク機構および駆動ベルト164、174とは、車両102の上方部112がしっかりと支持されるように、凹所120の縁の周りに配置されている。
【0067】
図13は、積荷取扱デバイス100の車輪116、118のうちの1つとしての使用に適した車輪200を示している。車輪200は、駆動ベルト164、174と協働するためのプーリを形成している歯付き中心経路202を有している。経路202は、使用中にレールに圧し掛かる2つのゴムタイヤ204によって境界が付けられている。車輪200は、車輪200の軸穴206を通じて延びる車軸(図示せず)を用いてアーム180に搭載されてもよい。この車輪設計は、摩耗を最小限にするために、コンパクトであって均衡がとれており、タイヤ204は、駆動ベルト164、174を使用中に一直線にさせる。
【0068】
図14は、本発明の別の実施形態による積荷取扱デバイスのフレーム構造210に搭載された2つの車輪200を示している。先の実施形態にあるように、この実施形態では、積荷取扱デバイスは、デバイスの主要な構成部品を収容する上方部112と、車輪200が凹所の4つの側部に配置されている(一方の側のみにおける車輪が
図14に示されている)、箱を収容するための凹所120を有する下方部とがある車両を備えている。
【0069】
この場合では、フレーム構造210は、車輪200を間に収容する2つの平行なパネルを備えている。駆動ベルト212には、車両の上方部112に収容されているモータから車輪200へと駆動を伝達するために設けられている。
【0070】
図15および
図16を追加的に参照すると、この実施形態における車輪200は、車両の上方部112に対してフレーム構造210を移動することで、上昇および下降され得る。フレーム構造210は、レール232を用いて車両の上方部112の本体230に搭載されている。レール232は、鉛直な配向で本体230に固定されており、フレーム構造210は、レール232に摺動可能に搭載されている。
【0071】
フレーム構造210は、パネル同士の間で延びる一対のリンク機構240によって保持されている。リンク機構240の底端は、パネル同士の間の隙間に架かるそれぞれのシャフト242に取り付けられている。リンク機構240の上端は、ネジ付き水平駆動シャフト244に搭載されているネジ付きボス246に回転可能に取り付けられている。ボス246は、水平レール248に摺動可能に取り付けられている。
【0072】
駆動シャフト244は、駆動ベルト(図示せず)を用いてモータ250によって駆動される。駆動シャフト244が第1の方向に回転されるとき、リンク機構240の上端は、フレーム構造210を下向きに押し、それによって車輪200をレールへと下降させるために、離れる方へと移動する。駆動シャフト244が第2の反対の方向に回転されるとき、リンク機構240の上端は、フレーム構造210を上向きに引っ張り、車輪200を持ち上げるために、一緒に移動する。
【0073】
2つの車輪200を備えた1つだけのフレーム構造210が
図14~
図16に示されているが、同一のフレーム構造210が車両の反対側に設けられることは理解されるものである。両方のフレーム構造210は共通のモータによって上昇および下降され、そのため、フレームを横切る第1の方向に延びるレールとの4つの車輪200の係合を制御するために、この第1のセットの車輪200は調和して持ち上げおよび下降され得る。
図14~
図16には示されていないが、車両は、第1のセットの車輪が持ち上げられるとき、フレームを横切る第2の垂直な方向に延びるレールと係合するために配置された別のセットの車輪を備えている。
【0074】
多くの異なる変形および改良が可能であることは、理解されるものである。例えば、両方のセットの車輪は、動力を適切なセットの車輪へと方向付けるために、適切な伝達構成で、単一のモータによって動力供給されてもよい。他の実施形態では、車輪のうちの1つまたは複数は、内蔵モータ、または、車輪に隣接して位置付けられたモータを備えてもよい。この例は、
図17に示されている。
【0075】
図17を参照すると、これは、本発明のさらなる実施形態による積荷取扱デバイス252を示している。デバイス252は、複数の車輪256が筐体254の下方縁258の近くに搭載されている立方形の形とされた外部筐体254を有している。車輪256は、各々の車輪256が車輪256のハブ260内に内蔵されたモータを有するモータの取り付けられたハブの車輪である。モータは、それぞれの車輪256を直接駆動するために使用され、そのためこの実施形態は、車輪と駆動モータとの間でつながれる駆動ベルトを必要としない。
【0076】
この例では、モータは、デバイス252の容器受入空間266に隣接して、筐体254の下方部264の側壁262内に位置付けられた電池によって、電力供給される。この方法において電池を低く下に位置付けるのは、デバイス252の重心を下げるという有利な効果があり、それによってデバイス252の安定性を向上し、より大きな加速および減速を可能にする。デバイス252は、それ以外は先の実施形態と同様であり、車輪256を上昇および下降するための同様の機構と、容器を容器受入空間266へと持ち上げるための同様の持ち上げデバイスとを収容している。側壁262に位置付けられている電池は、これらの構成部品に電力供給するためにも使用される。
【0077】
先に記載した実施形態のいずれかでは、容器を容器受入空間へと持ち上げるために使用される機構は、任意の適切な形態を取ることができる。最大の安定性および積荷能力のために、デバイスの角の各々の近くに1本のケーブルが配列された4本の持ち上げケーブルを提供することが望ましいが、例えばより少ないケーブルを備えるといった、必要により、異なる構成が用いられてもよい。都合の良いことには、すべてのケーブルは、単一のモータを使って巻き取りおよび巻き出しされるが、必要により、2つ以上のモータが使われてもよい。
【0078】
モータの代わりに、車輪を持ち上げるために使用される機構は、リニアモータまたは水圧ラムなどの線形アクチュエータを用いてもよい。電池の電力を用いる代わりに、例えば、架空送電を用いて、または、デバイスが走るレールを介して電力を供給することによってといった、積荷取扱デバイスに電力供給する他の手段は、当業者には明白なものである。
【0079】
具体的な一実施形態に関連して説明された特徴は、他の実施形態に関連して説明された特徴と置き換え可能であることは、理解されるものである。例えば、
図17に関連して説明されたモータの取り付けられたハブの車輪は、他の実施形態のいずれかに使用されてもよい、ならびに/または、電池は、安定性を向上するために、および、加速/減速を高めるために、実施形態のいずれかにおいて、容器受入空間に隣接して下に低く位置付けされてもよい。先に明確に記載されていない他の変更および改良も、熟練した読者には明らかとなるものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ね(12)を形成するために積み重ね可能な箱(10)が互いの上に積み重ねられる、倉庫環境において使用するための格子フレーム構造(14)であって、前記フレーム構造(14)は、最上部の高さを有し、
水平部材(18、20)を支持する複数の直立部材(16)を備え、前記水平部材(18、20)は、第2のセットの平行な水平部材(20と)垂直に配置されている第1のセットの平行な水平部材(18)を備え、
ここで、前記直立部材(16)および前記水平部材(18、20)は、金属から製作され、
ここで、前記フレーム構造(14)の最上部の高さは、ロボットの積荷取扱デバイスを支持するための前記積み重ね(12)の最上部にわたって格子パターンに配置されたレール(22)を含み、前記レール(22)は、前記フレーム構造の最上部にわたって第1の方向(X)で積荷取扱デバイスの移動を案内する平行なレールの第1のセット(22a)と、前記前記フレーム構造(14)の最上部にわたって前記第1の方向に垂直な第2の方向(Y)で積荷取扱デバイスの移動を案内する前記第1のセット(22a)に垂直に配置された平行なレールの第2のセット(22b)とを含み、
前記レールの第1のセット(22a)の各レールおよび前記レールの第2のセット(22b)の各レールは、長手方向に伸長する分割構造を備え、それぞれのレールを2つの隣接する軌道に分割することを特徴とする、格子フレーム構造(14)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
具体的な一実施形態に関連して説明された特徴は、他の実施形態に関連して説明された特徴と置き換え可能であることは、理解されるものである。例えば、
図17に関連して説明されたモータの取り付けられたハブの車輪は、他の実施形態のいずれかに使用されてもよい、ならびに/または、電池は、安定性を向上するために、および、加速/減速を高めるために、実施形態のいずれかにおいて、容器受入空間に隣接して下に低く位置付けされてもよい。先に明確に記載されていない他の変更および改良も、熟練した読者には明らかとなるものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 複数の容器の積み重ねの上方に格子パターンで配置される複数のレールまたは軌道を備える保管システムにおいて、積み重ねされた複数の前記容器を持ち上げて移動するための積荷取扱デバイスであって、前記格子パターンが複数の格子空間を備え、各々の積み重ねが単一の格子空間だけの設置面積内に位置付けられ、前記積荷取扱デバイスが、前記積み重ねの上方で前記レールまたは軌道の上を横方向に移動するように構成され、前記積荷取扱デバイスが、
使用中に前記レールまたは軌道の上方に位置付けられる容器受入空間と、容器を積み重ねから前記容器受入空間へと持ち上げるように配置される持ち上げデバイスとを備える、積荷取扱デバイスにおいて、
前記積荷取扱デバイスが、使用中、前記保管システムにおける単一の格子空間のみを実質的に占める設置面積を有することを特徴とする、積荷取扱デバイス。
[2] 前記積荷取扱デバイスが、電力部品、制御部品、駆動部品、および/または持ち上げ部品などの構成部品を収容する上方部と、前記容器受入空間を含む下方部と、ここにおいて、前記下方部が前記上方部の真下に配置される、を備える、[1]に記載の積荷取扱デバイス。
[3] 前記容器受入空間を実質的に包囲する外部筐体をさらに備える、[1]または[2]に記載の積荷取扱デバイス。
[4] 前記外部筐体が実質的に立方形として成形される、[3]に記載の積荷取扱デバイス。
[5] 前記積荷取扱デバイスが、第1のセットのレールまたは軌道に沿う第1の方向と、第2のセットのレールまたは軌道に沿う第2の方向とに移動するように構成され、ここにおいて、前記第2の方向が前記第1の方向を横切る、[1]から[4]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[6] 前記積荷取扱デバイスが、第1の方向における前記デバイスの移動を案内するために、前記第1のセットのレールまたは軌道と係合するための第1のセットの車輪と、第2の方向における前記デバイスの移動を案内するために、前記第2のセットのレールまたは軌道と係合するための第2のセットの車輪とを備える車輪組立体を備える、[1]から[5]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[7] 前記車輪が前記容器受入空間の周囲の周りに配置される、[6]に記載の積荷取扱デバイス。
[8] 前記車輪組立体の前記車輪を支持するためのフレーム構造をさらに備える、[6]または[7]に記載の積荷取扱デバイス。
[9] 前記フレーム構造が、前記積荷取扱デバイスの外部筐体の一部である、[8]に記載の積荷取扱デバイス。
[10] 前記フレーム構造が、前記容器受入空間の周りに配置される、[8]または[9]に記載の積荷取扱デバイス。
[11] 前記容器受入空間が前記フレーム構造内に画定される、[8]から[10]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[12] 前記容器受入空間が、前記フレーム構造によって4つの側部で境界が付けられる、[8]から[11]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[13] 前記車輪のうちの1つまたは複数が、前記車輪に内蔵される、または、前記車輪に実質的に隣接して位置付けられるモータによって駆動される、[6]から[12]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[14] 前記車輪のうちの1つまたは複数が車輪ハブモータを備える、[6]から[13]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[15] 前記車輪のうちの1つまたは複数が、前記容器受入空間の上方に位置付けられる1つまたは複数のモータによって駆動される、[6]から[14]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[16] 駆動を前記モータから前記車輪へと伝達するために、前記容器受入空間の周りに配置される駆動伝達手段をさらに備える、[15]に記載の積荷取扱デバイス。
[17] 前記駆動伝達手段が、プーリと駆動ベルトとの構成を備える、[16]に記載の積荷取扱デバイス。
[18] 前記車輪のうちの1つまたは複数が、前記車輪を駆動するための駆動ベルトと協働する経路を備える、[6]から[17]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[19] 前記経路が、前記駆動ベルトにおける対応する形成部と係合するための一連の歯を備える、[18]に記載の積荷取扱デバイス。
[20] 前記経路が一対のタイヤによって境界が付けられる、[18]または[19]に記載の積荷取扱デバイス。
[21] 前記第1のセットの車輪を前記第1のセットのレールと選択的に係合および係合解除するための手段と、前記第2のセットの車輪を前記第2のセットのレールと選択的に係合および係合解除するための手段とをさらに備える、[6]から[20]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[22] 一方または両方のセットの車輪が、他方のセットの車輪に対して上昇および下降されるように構成される、[6]から[21]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[23] 前記容器受入空間の上方に位置付けられ、前記車輪を持ち上げるように配置される1つまたは複数の車輪持ち上げデバイスをさらに備える、[22]に記載の積荷取扱デバイス。
[24] 前記車輪持ち上げデバイスまたは各々の車輪持ち上げデバイスが、前記容器受入空間に隣接する前記積荷取扱デバイスの下方部に位置付けられるリンク機構を介して前記車輪を持ち上げるように構成される、[23]に記載の積荷取扱デバイス。
[25] 前記持ち上げデバイスが、容器を上方から把持するように構成される把持デバイスを備える、[1]から[24]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[26] 前記把持デバイスを前記容器受入空間に対して上昇および下降させるように構成される持ち上げ機構をさらに備える、[25]に記載の積荷取扱デバイス。
[27] 前記持ち上げ機構が前記容器受入空間の上方に位置付けられる、[26]に記載の積荷取扱デバイス。
[28] 前記持ち上げ機構がモータを備える、[27]に記載の積荷取扱デバイス。 [29] 前記持ち上げ機構が、前記モータによって駆動されるように配置される巻き上げ機をさらに備える、[28]に記載の積荷取扱デバイス。
[30] 前記把持デバイスが、前記把持デバイスを鉛直方向に移動するために、前記積荷取扱デバイスから延び出しおよび引き込みされ得るケーブルから吊るされる、[25]から[29]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[31] 前記持ち上げデバイスが、前記容器受入空間のいずれかの側部に配置される一対の持ち上げアームを備え、前記把持デバイスが、前記アームの端に搭載され、前記アームが、前記把持デバイスを鉛直方向に移動するために、延び出しおよび引き込みするように構成される、[25]から[28]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[32] 前記積荷取扱デバイスは、前記把持デバイスが前記容器受入空間の下方へと下降されるとき、前記把持デバイスの真上に位置付けられる質量中心を有する、[25]から[31]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[33] 前記積荷取扱デバイスが自走式ロボット車両である、[1]から[32]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[34] 前記デバイスの構成部品に電力供給するための1つまたは複数の電池をさらに備え、ここにおいて、前記電池が、前記容器受入空間に隣接して、前記デバイスの下方部に位置付けられる、[1]から[33]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。 [35] 前記電池が、前記デバイスの側壁内に位置付けられる、[34]に記載の積荷取扱デバイス。
[36] 第1のセットの平行なレールまたは軌道、および、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するために、実質的に水平な平面で前記第1のセットを横切って延びる第2のセットの平行なレールまたは軌道と、
前記レールの下方に位置付けられ、各々が単一の格子空間の設置面積を占めるように配置される複数の容器の複数の積み重ねと、
前記レールの上を前記積み重ねの上方で横方向に移動するように配置される、[1]から[35]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイスであって、前記積荷取扱デバイスが、前記レールの上方に位置付けられる容器受入空間、および、単一の容器を積み重ねから前記容器受入空間へと持ち上げるように配置される持ち上げデバイスを備える積荷取扱デバイスと、
を備える、保管システムにおいて、
前記積荷取扱デバイスが、前記保管システムにおける単一の格子空間のみを実質的に占める設置面積を有することを特徴とする、保管システム。
[37] 前記保管システムが、[1]から[35]のいずれか一項に記載の複数の積荷取扱デバイスを備える、[36]に記載の保管システム。
[38] 複数の容器を1回だけの運転で積み重ねから持ち上げることができる1つまたは複数の積荷取扱デバイスをさらに備える、[36]または[37]に記載の保管システム。
[39] 複数の容器が、前記保管システムから取り出され得る、および/または、前記保管システムへと追加され得る1つまたは複数のポート場所をさらに備える、[36]から[38]のいずれか一項に記載の保管システム。
[40] 前記積荷取扱デバイスが、目標容器を積み重ねからポート場所へと運搬するように構成される、[39]に記載の保管システム。
[41] 前記容器が天面のない箱を備える、[36]から[40]のいずれか一項に記載の保管システム。
[42] 前記容器が、積み重ねで形成されるとき、鉛直方向において互いと連結または係合するように配置される、[36]から[41]のいずれか一項に記載の保管システム。
【外国語明細書】