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特開2023-179632エンドエフェクタのパラメータを制御するための既定の調整可能な制御アルゴリズムを有する電動外科用ツール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179632
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】エンドエフェクタのパラメータを制御するための既定の調整可能な制御アルゴリズムを有する電動外科用ツール
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/068 20060101AFI20231212BHJP
   A61B 18/02 20060101ALI20231212BHJP
   A61B 17/32 20060101ALI20231212BHJP
   G16H 10/40 20180101ALI20231212BHJP
   G16H 50/20 20180101ALI20231212BHJP
【FI】
A61B17/068
A61B18/02
A61B17/32 510
G16H10/40
G16H50/20
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023174165
(22)【出願日】2023-10-06
(62)【分割の表示】P 2020536241の分割
【原出願日】2018-11-14
(31)【優先権主張番号】62/650,882
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/611,341
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/611,340
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/640,415
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,898
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/640,417
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,887
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/692,747
(32)【優先日】2018-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,877
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/659,900
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/729,184
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/182,249
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/692,748
(32)【優先日】2018-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/692,768
(32)【優先日】2018-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/611,339
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・フレデリック・イー・ザ・フォース
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エンドエフェクタを備え、エンドエフェクタがエンドエフェクタ機能を実施するように構成されている外科用器具と、エンドエフェクタ機能を制御する外科システムを提供する。
【解決手段】エンドエフェクタ機能の制御を経時的に自動適応させることと、エンドエフェクタ機能の制御の自動適応を制限することと、を行うように構成されている制御回路と、表示装置を備え、表示装置は、複数の外科医の内の第1の外科医のために、第1の画面を表示し、複数の外科医の内の第2の外科医のために、第2の外科医により択一的に選択され得る第2の画面および第3の画面を表示し、前記第1の画面で表示されるエンドエフェクタ機能に関する初期値、第2の画面で表示されるエンドエフェクタ機能に関する初期値、及び、第3の画面で表示されるエンドエフェクタ機能に関する初期値は互いに同一ではない。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科システムであって、
エンドエフェクタを備える外科用器具であって、前記エンドエフェクタは、エンドエフェクタ機能を実施するように構成されている、外科用器具と、
制御回路であって、
前記外科用器具を使用する複数の外科医毎に前記エンドエフェクタ機能を制御し、かつ前記外科用器具を使用する前記複数の外科医毎に前記エンドエフェクタ機能の前記制御を経時的に自動適応させることと、
前記複数の外科医毎に前記エンドエフェクタ機能の前記制御の前記自動適応を制限することと、を行うように構成されている制御回路と、
表示装置と、を備え、
前記表示装置は、前記複数の外科医の内の第1の外科医のために、第1の画面を表示し、前記複数の外科医の内の第2の外科医のために、前記第2の外科医により択一的に選択され得る第2の画面および第3の画面を表示し、前記第1の画面で表示される前記エンドエフェクタ機能に関する初期値、前記第2の画面で表示される前記エンドエフェクタ機能に関する初期値、及び、前記第3の画面で表示される前記エンドエフェクタ機能に関する初期値は互いに同一ではない、外科システム。
【請求項2】
前記制御回路は、前記外科用器具を使用する前記複数の外科医の各々が身に着けている識別子チップを感知することができる感知要素を有し、前記制御回路は、前記感知要素が前記識別子チップを感知することで、前記複数の外科医毎に前記エンドエフェクタ機能を制御する、請求項1に記載の外科システム。
【請求項3】
前記第1の画面において表示される、前記エンドエフェクタ機能の前記制御の前記自動適応を制限する制限値は、前記第2の画面または前記第3の画面において表示される、前記エンドエフェクタ機能の前記制御の前記自動適応を制限する制限値と異なっている、請求項1または2に記載の外科システム。
【請求項4】
前記第1の画面、前記第2の画面、及び、前記第3の画面の夫々において、前記エンドエフェクタ機能に関する複数の機能の初期値が表示される、請求項1~3の何れか1項に記載の外科システム。
【請求項5】
前記第1の画面で表示される前記エンドエフェクタ機能に関する前記初期値、前記第2の画面で表示される前記エンドエフェクタ機能に関する前記初期値、及び、前記第3の画面で表示される前記エンドエフェクタ機能に関する前記初期値は変更可能である、請求項1~4の何れか1項に記載の外科システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「POWERED SURGICAL TOOL WITH PREDEFINED ADJUSTABLE CONTROL ALGORITHM FOR CONTROLLING END EFFECTOR PARAMETER」と題する2018年11月6日出願の米国非仮特許出願第16/182,249号の優先権を主張するものであり、その開示の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、「POWERED SURGICAL TOOL WITH A PREDEFINED ADJUSTABLE CONTROL ALGORITHM FOR CONTROLLING AT LEAST ONE END-EFFECTOR PARAMETER AND A MEANS FOR LIMITING THE ADJUSTMENT」と題する2018年9月10日出願の米国仮特許出願第62/729,184号の優先権を主張するものであり、その開示の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、「SMART ACTIVATION OF AN ENERGY DEVICE BY ANOTHER DEVICE」と題する2018年6月30日出願の米国仮特許出願第62/692,747号、「SMART ENERGY ARCHITECTURE」と題する2018年6月30日出願の米国仮特許出願第62/692,748号、及び「SMART ENERGY DEVICES」と題する2018年6月30日出願の米国仮特許出願第62/692,768号の優先権を主張するものであり、各開示の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、2018年4月19日出願の米国仮特許出願第62/659,900号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」の優先権を主張するものであり、各開示の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する2018年3月30日出願の米国仮特許出願第62/650,898号、「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」と題する2018年3月30日出願の米国仮特許出願第62/650,887号、「SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2018年3月30日出願の米国仮特許出願第62/650,882号、及び「SURGICAL SMOKE EVACUATION SENSING AND CONTROLS」と題する2018年3月30日出願の米国仮特許出願第62/650,877号の優先権を主張するものであり、各開示の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、「TEMPERATURE CONTROL IN ULTRASONIC DEVICE AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する2018年3月8日出願の米国仮特許出願第62/640,417号、及び「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する2018年3月8日出願の米国仮特許出願第62/640,415号の優先権を主張するものであり、各開示の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号、「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,340号、及び「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,339号の優先権を主張するものであり、各開示の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0008】
本開示は、様々な外科システムに関する。外科処置は、典型的には、例えば病院などの医療施設内の手術室又は部屋で行われる。滅菌野は、典型的には、患者の周囲に形成される。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含んでもよい。様々な外科用装置及びシステムは、外科手術の実行に利用される。
【0009】
更に、デジタル情報時代において、医療システム及び医療施設は、多くの場合、患者の安全のために、及び従来の慣行を維持することに対する一般的な要望により、より新しく改良された技術を利用するシステム又は手技を取り入れることがなかなか進まない。しかしながら、多くの場合、医療システム及び医療施設は、その結果として、他の近隣又は同様の状況の施設との通信及び共有知識を欠く場合がある。患者の診療を改善するために、医療システムと医療施設との相互接続を助ける方法を見出すことが望ましいであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
構成及び操作方法の両方に関する、本明細書に記載される様々な態様は、それらの更なる目的及び利点と共に、以下の説明を以下の添付図面と併せて参照することで最もよく理解することができる。
図1】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムのブロック図である。
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、手術室内で外科処置を行うために使用される外科システムである。
図3】本開示の少なくとも1つの態様による可視化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具とペアリングされた外科用ハブである。
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブ筐体、及び外科用ハブ筐体のドロアー内に摺動可能に受容可能な組み合わせ生成器モジュールの部分斜視図である。
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、双極、超音波、及び単極接点、並びに排煙構成要素を備える組み合わせ生成器モジュールの斜視図である。
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジングの複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された垂直モジュール式ハウジングを示す。
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドに接続するように構成されたモジュール式通信ハブを備える外科用データネットワークを示す。
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムを示す。
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式制御タワーに連結された複数のモジュールを備える外科用ハブを示す。
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、ユニバーサルシリアルバス(USB)ネットワークハブ装置の一態様を示す。
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、クラウドコンピューティングシステムのクラウドコンポーネントに接続されることができる外科用ハブに連結された複数のスマート外科用器具を含むクラウドコンピューティングシステムのブロック図である。
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、クラウドコンピューティングシステムの機能モジュールアーキテクチャである。
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科システムの図である。
図15】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブの状況認識を示すタイムラインである。
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な装置パラメータを制御するためのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の図である。
図17】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用装置の適応パラメータを制御するためのグラフィカルユーザーインターフェースである。
図18】本開示の少なくとも1つの態様による制御回路のフローチャートである。
図19】本開示の少なくとも1つの態様による外科システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年11月6日出願の以下の米国特許出願を所有する:
・米国特許出願第16/182,224号、発明の名称「SURGICAL NETWORK,INSTRUMENT,AND CLOUD RESPONSES BASED ON VALIDATION OF RECEIVED DATASET AND AUTHENTICATION OF ITS SOURCE AND INTEGRITY」;
・米国特許出願第16/182,230号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM FOR PRESENTING INFORMATION INTERPRETED FROM EXTERNAL DATA」;
・米国特許出願第16/182,233号、発明の名称「MODIFICATION OF SURGICAL SYSTEMS CONTROL PROGRAMS BASED ON MACHINE LEARNING」;
・米国特許出願第16/182,239号、発明の名称「ADJUSTMENT OF DEVICE CONTROL PROGRAMS BASED ON STRATIFIED CONTEXTUAL DATA IN ADDITION TO THE DATA」;
・米国特許出願第16/182,243号、発明の名称「SURGICAL HUB AND MODULAR DEVICE RESPONSE ADJUSTMENT BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」;
・米国特許出願第16/182,248号、発明の名称「DETECTION AND ESCALATION OF SECURITY RESPONSES OF SURGICAL INSTRUMENTS TO INCREASING SEVERITY THREATS」;
・米国特許出願第16/182,251号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEM」;
・米国特許出願第16/182,260号、発明の名称「AUTOMATED DATA SCALING,ALIGNMENT,AND ORGANIZING BASED ON PREDEFINED PARAMETERS WITHIN SURGICAL NETWORKS」;
・米国特許出願第16/182,267号、発明の名称「SENSING THE PATIENT POSITION AND CONTACT UTILIZING THE MONO-POLAR RETURN PAD ELECTRODE TO PROVIDE SITUATIONAL AWARENESS TO A SURGICAL NETWORK」;
・米国特許出願第16/182,246号、発明の名称「ADJUSTMENTS BASED ON AIRBORNE PARTICLE PROPERTIES」;
・米国特許出願第16/182,256号、発明の名称「ADJUSTMENT OF A SURGICAL DEVICE FUNCTION BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」;
・米国特許出願第16/182,242号、発明の名称「REAL-TIME ANALYSIS OF COMPREHENSIVE COST OF ALL INSTRUMENTATION USED IN SURGERY UTILIZING DATA FLUIDITY TO TRACK INSTRUMENTS THROUGH STOCKING AND IN-HOUSE PROCESSES」;
・米国特許出願第16/182,255号、発明の名称「USAGE AND TECHNIQUE ANALYSIS OF SURGEON / STAFF PERFORMANCE AGAINST A BASELINE TO OPTIMIZE DEVICE UTILIZATION AND PERFORMANCE FOR BOTH CURRENT AND FUTURE PROCEDURES」;
・米国特許出願第16/182,269号、発明の名称「IMAGE CAPTURING OF THE AREAS OUTSIDE THE ABDOMEN TO IMPROVE PLACEMENT AND CONTROL OF A SURGICAL DEVICE IN USE」;
・米国特許出願第16/182,278号、発明の名称「COMMUNICATION OF DATA WHERE A SURGICAL NETWORK IS USING CONTEXT OF THE DATA AND REQUIREMENTS OF A RECEIVING SYSTEM / USER TO INFLUENCE INCLUSION OR LINKAGE OF DATA AND METADATA TO ESTABLISH CONTINUITY」;
・米国特許出願第16/182,290号、発明の名称「SURGICAL NETWORK RECOMMENDATIONS FROM REAL TIME ANALYSIS OF PROCEDURE VARIABLES AGAINST A BASELINE HIGHLIGHTING DIFFERENCES FROM THE OPTIMAL SOLUTION」;
・米国特許出願第16/182,232号、発明の名称「CONTROL OF A SURGICAL SYSTEM THROUGH A SURGICAL BARRIER」;
・米国特許出願第16/182,227号、発明の名称「SURGICAL NETWORK DETERMINATION OF PRIORITIZATION OF COMMUNICATION,INTERACTION,OR PROCESSING BASED ON SYSTEM OR DEVICE NEEDS」;
・米国特許出願第16/182,231号、発明の名称「WIRELESS PAIRING OF A SURGICAL DEVICE WITH ANOTHER DEVICE WITHIN A STERILE SURGICAL FIELD BASED ON THE USAGE AND SITUATIONAL AWARENESS OF DEVICES」;
・米国特許出願第16/182,229号、発明の名称「ADJUSTMENT OF STAPLE HEIGHT OF AT LEAST ONE ROW OF STAPLES BASED ON THE SENSED TISSUE THICKNESS OR FORCE IN CLOSING」;
・米国特許出願第16/182,234号、発明の名称「STAPLING DEVICE WITH BOTH COMPULSORY AND DISCRETIONARY LOCKOUTS BASED ON SENSED PARAMETERS」;
・米国特許出願第16/182,240号、発明の名称「POWERED STAPLING DEVICE CONFIGURED TO ADJUST FORCE,ADVANCEMENT SPEED,AND OVERALL STROKE OF CUTTING MEMBER BASED ON SENSED PARAMETER OF FIRING OR CLAMPING」;
・米国特許出願第16/182,235号、発明の名称「VARIATION OF RADIO FREQUENCY AND ULTRASONIC POWER LEVEL IN COOPERATION WITH VARYING CLAMP ARM PRESSURE TO ACHIEVE PREDEFINED HEAT FLUX OR POWER APPLIED TO TISSUE」;及び
・米国特許出願第16/182,238号、発明の名称「ULTRASONIC ENERGY DEVICE WHICH VARIES PRESSURE APPLIED BY CLAMP ARM TO PROVIDE THRESHOLD CONTROL PRESSURE AT A CUT PROGRESSION LOCATION」。
【0012】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年9月10日出願の以下の米国特許出願を所有する:
・米国仮特許出願第62/729,183号、発明の名称「A CONTROL FOR A SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE THAT ADJUSTS ITS FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」;
・米国仮特許出願第62/729,177号、発明の名称「AUTOMATED DATA SCALING,ALIGNMENT,AND ORGANIZING BASED ON PREDEFINED PARAMETERS WITHIN A SURGICAL NETWORK BEFORE TRANSMISSION」;
・米国仮特許出願第62/729,176号、発明の名称「INDIRECT COMMAND AND CONTROL OF A FIRST OPERATING ROOM SYSTEM THROUGH THE USE OF A SECOND OPERATING ROOM SYSTEM WITHIN A STERILE FIELD WHERE THE SECOND OPERATING ROOM SYSTEM HAS PRIMARY AND SECONDARY OPERATING MODES」;
・米国仮特許出願第62/729,185号、発明の名称「POWERED STAPLING DEVICE THAT IS CAPABLE OF ADJUSTING FORCE,ADVANCEMENT SPEED,AND OVERALL STROKE OF CUTTING MEMBER OF THE DEVICE BASED ON SENSED PARAMETER OF FIRING OR CLAMPING」;
・米国仮特許出願第62/729,184号、発明の名称「POWERED SURGICAL TOOL WITH A PREDEFINED ADJUSTABLE CONTROL ALGORITHM FOR CONTROLLING AT LEAST ONE END EFFECTOR PARAMETER AND A MEANS FOR LIMITING THE ADJUSTMENT」;
・米国仮特許出願第62/729,182号、発明の名称「SENSING THE PATIENT POSITION AND CONTACT UTILIZING THE MONO POLAR RETURN PAD ELECTRODE TO PROVIDE SITUATIONAL AWARENESS TO THE HUB」;
・米国仮特許出願第62/729,191号、発明の名称「SURGICAL NETWORK RECOMMENDATIONS FROM REAL TIME ANALYSIS OF PROCEDURE VARIABLES AGAINST A BASELINE HIGHLIGHTING DIFFERENCES FROM THE OPTIMAL SOLUTION」;
・米国仮特許出願第62/729,195号、発明の名称「ULTRASONIC ENERGY DEVICE WHICH VARIES PRESSURE APPLIED BY CLAMP ARM TO PROVIDE THRESHOLD CONTROL PRESSURE AT A CUT PROGRESSION LOCATION」;及び
・米国仮特許出願第62/729,186号、発明の名称「WIRELESS PAIRING OF A SURGICAL DEVICE WITH ANOTHER DEVICE WITHIN A STERILE SURGICAL FIELD BASED ON THE USAGE AND SITUATIONAL AWARENESS OF DEVICES」。
【0013】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年8月28日出願の以下の米国特許出願を所有する:
・米国特許出願第16/115,214号、発明の名称「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」;
・米国特許出願第16/115,205号、発明の名称「TEMPERATURE CONTROL OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」;
・米国特許出願第16/115,233号、発明の名称「RADIO FREQUENCY ENERGY DEVICE FOR DELIVERING COMBINED ELECTRICAL SIGNALS」;
・米国特許出願第16/115,208号、発明の名称「CONTROLLING AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO TISSUE LOCATION」;
・米国特許出願第16/115,220号、発明の名称「CONTROLLING ACTIVATION OF AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO THE PRESENCE OF TISSUE」;
・米国特許出願第16/115,232号、発明の名称「DETERMINING TISSUE COMPOSITION VIA AN ULTRASONIC SYSTEM」;
・米国特許出願第16/115,239号、発明の名称「DETERMINING THE STATE OF AN ULTRASONIC ELECTROMECHANICAL SYSTEM ACCORDING TO FREQUENCY SHIFT」;
・米国特許出願第16/115,247号、発明の名称「DETERMINING THE STATE OF AN ULTRASONIC END EFFECTOR」;
・米国特許出願第16/115,211号、発明の名称「SITUATIONAL AWARENESS OF ELECTROSURGICAL SYSTEMS」;
・米国特許出願第16/115,226号、発明の名称「MECHANISMS FOR CONTROLLING DIFFERENT ELECTROMECHANICAL SYSTEMS OF AN ELECTROSURGICAL INSTRUMENT」;
・米国特許出願第16/115,240号、発明の名称「DETECTION OF END EFFECTOR IMMERSION IN LIQUID」;
・米国特許出願第16/115,249号、発明の名称「INTERRUPTION OF ENERGY DUE TO INADVERTENT CAPACITIVE COUPLING」;
・米国特許出願第16/115,256号、発明の名称「INCREASING RADIO FREQUENCY TO CREATE PAD-LESS MONOPOLAR LOOP」;
・米国特許出願第16/115,223号、発明の名称「BIPOLAR COMBINATION DEVICE THAT AUTOMATICALLY ADJUSTS PRESSURE BASED ON ENERGY MODALITY」;及び
・米国特許出願第16/115,238号、発明の名称「ACTIVATION OF ENERGY DEVICES」。
【0014】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年8月23日出願の以下の米国特許出願を所有する:
・米国仮特許出願第62/721,995号、発明の名称「CONTROLLING AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO TISSUE LOCATION」;
・米国仮特許出願第62/721,998号、発明の名称「SITUATIONAL AWARENESS OF ELECTROSURGICAL SYSTEMS」;
・米国仮特許出願第62/721,999号、発明の名称「INTERRUPTION OF ENERGY DUE TO INADVERTENT CAPACITIVE COUPLING」;
・米国仮特許出願第62/721,994号、発明の名称「BIPOLAR COMBINATION DEVICE THAT AUTOMATICALLY ADJUSTS PRESSURE BASED ON ENERGY MODALITY」;及び
・米国仮特許出願第62/721,996号、発明の名称「RADIO FREQUENCY ENERGY DEVICE FOR DELIVERING COMBINED ELECTRICAL SIGNALS」。
【0015】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月30日出願の以下の米国特許出願を所有する:
・米国仮特許出願第62/692,747号、発明の名称「SMART ACTIVATION OF AN ENERGY DEVICE BY ANOTHER DEVICE」;
・米国仮特許出願第62/692,748号、発明の名称「SMART ENERGY ARCHITECTURE」;、及び
・米国仮特許出願第62/692,768号発明の名称「SMART ENERGY DEVICES」。
【0016】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・米国特許出願第16/024,090号、発明の名称「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」;
・米国特許出願第16/024,057号、発明の名称「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」;
・米国特許出願第16/024,067号、発明の名称「SYSTEMS FOR ADJUSTING END EFFECTOR PARAMETERS BASED ON PERIOPERATIVE INFORMATION」;
・米国特許出願第16/024,075号、発明の名称「SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLING」;
・米国特許出願第16/024,083号、発明の名称「SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLING」;
・米国特許出願第16/024,094号、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS FOR DETECTING END EFFECTOR TISSUE DISTRIBUTION IRREGULARITIES」;
・米国特許出願第16/024,138号、発明の名称「SYSTEMS FOR DETECTING PROXIMITY OF SURGICAL END EFFECTOR TO CANCEROUS TISSUE」;
・米国特許出願第16/024,150号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLIES」;
・米国特許出願第16/024,160号、発明の名称「VARIABLE OUTPUT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLY」;
・米国特許出願第16/024,124号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」;
・米国特許出願第16/024,132号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE CIRCUIT」;
・米国特許出願第16/024,141号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH A TISSUE MARKING ASSEMBLY」;
・米国特許出願第16/024,162号、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH PRIORITIZED DATA TRANSMISSION CAPABILITIES」;
・米国特許出願第16/024,066号、発明の名称「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」;
・米国特許出願第16/024,096号、発明の名称「SURGICAL EVACUATION SENSOR ARRANGEMENTS」;
・発明の名称「SURGICAL EVACUATION FLOW PATHS」;米国特許出願第16/024,116号、
・米国特許出願第16/024,149号、発明の名称「SURGICAL EVACUATION SENSING AND GENERATOR CONTROL」;
・米国特許出願第16/024,180号、発明の名称「SURGICAL EVACUATION SENSING AND DISPLAY」;
・米国特許出願第16/024,245号、発明の名称「COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」;
・米国特許出願第16/024,258号、発明の名称「SMOKE EVACUATION SYSTEM INCLUDING A SEGMENTED CONTROL CIRCUIT FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」;
・米国特許出願第16/024,265号、発明の名称「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」;及び
・米国特許出願第16/024,273号、発明の名称「DUAL IN-SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」。
【0017】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する:
・米国仮特許出願第62/691,228号、発明の名称「A METHOD OF USING REINFORCED FLEX CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS WITH ELECTROSURGICAL DEVICES」;
・米国仮特許出願第62/691,227号、発明の名称「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」;
・米国仮特許出願第62/691,230号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」;
・米国仮特許出願第62/691,219号、発明の名称「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」;
・米国仮特許出願第62/691,257号、発明の名称「COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」;
・米国仮特許出願第62/691,262号、発明の名称「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」;及び
・発明の名称「DUAL IN-SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」;米国仮特許出願第62/691,251号。
【0018】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年4月19日出願の以下の米国特許出願を所有する:
・発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」;米国仮特許出願第62/659,900号。
【0019】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月30日出願の以下の米国仮特許出願を所有する:
・2018年3月30日出願の米国仮特許出願第62/650,898号、発明の名称「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」;
・米国仮特許出願第62/650,887号、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」;
・米国仮特許出願第62/650,882号、発明の名称「SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」;及び
・米国仮特許出願第62/650,877号、発明の名称「SURGICAL SMOKE EVACUATION SENSING AND CONTROLS」。
【0020】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する:
・米国特許出願第15/940,641号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」;
・米国特許出願第15/940,648号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH CONDITION HANDLING OF DEVICES AND DATA CAPABILITIES」;
・米国特許出願第15/940,656号、発明の名称「SURGICAL HUB COORDINATION OF CONTROL AND COMMUNICATION OF OPERATING ROOM DEVICES」;
・米国特許出願第15/940,666号、発明の名称「SPATIAL AWARENESS OF SURGICAL HUBS IN OPERATING ROOMS」;
・米国特許出願第15/940,670号、発明の名称「COOPERATIVE UTILIZATION OF DATA DERIVED FROM SECONDARY SOURCES BY INTELLIGENT SURGICAL HUBS」;
・米国特許出願第15/940,677号、発明の名称「SURGICAL HUB CONTROL ARRANGEMENTS」;
・米国特許出願第15/940,632号、発明の名称「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」;
・米国特許出願第15/940,640号、発明の名称「COMMUNICATION HUB AND STORAGE DEVICE FOR STORING PARAMETERS AND STATUS OF A SURGICAL DEVICE TO BE SHARED WITH CLOUD BASED ANALYTICS SYSTEMS」;
・米国特許出願第15/940,645号、発明の名称「SELF DESCRIBING DATA PACKETS GENERATED AT AN ISSUING INSTRUMENT」;
・米国特許出願第15/940,649号、発明の名称「DATA PAIRING TO INTERCONNECT A DEVICE MEASURED PARAMETER WITH AN OUTCOME」;
・米国特許出願第15/940,654号、発明の名称「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」;
・米国特許出願第15/940,663号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM DISTRIBUTED PROCESSING」;
・米国特許出願第15/940,668号、発明の名称「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」;
・米国特許出願第15/940,671号、発明の名称「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」;
・米国特許出願第15/940,686号、発明の名称「DISPLAY OF ALIGNMENT OF STAPLE CARTRIDGE TO PRIOR LINEAR STAPLE LINE」;
・米国特許出願第15/940,700号、発明の名称「STERILE FIELD INTERACTIVE CONTROL DISPLAYS」;
・米国特許出願第15/940,629号、発明の名称「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」;
・米国特許出願第15/940,704号、発明の名称「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」;
・米国特許出願第15/940,722号、発明の名称発明の名称「CHARACTERIZATION OF TISSUE IRREGULARITIES THROUGH THE USE OF MONO-CHROMATIC LIGHT REFRACTIVITY」;
・米国特許出願第15/940,742号、発明の名称「DUAL CMOS ARRAY IMAGING」。
・米国特許出願第15/940,636号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」;
・米国特許出願第15/940,653号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL HUBS」;
・米国特許出願第15/940,660号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」;
・米国特許出願第15/940,679号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR LINKING OF LOCAL USAGE TRENDS WITH THE RESOURCE ACQUISITION BEHAVIORS OF LARGER DATA SET」;
・米国特許出願第15/940,694号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR MEDICAL FACILITY SEGMENTED INDIVIDUALIZATION OF INSTRUMENT FUNCTION」;
・米国特許出願第15/940,634号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」;
・米国特許出願第15/940,706号、発明の名称「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」;
・米国特許出願第15/940,675号、発明の名称「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」;
・米国特許出願第15/940,627号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」;
・米国特許出願第15/940,637号、発明の名称「COMMUNICATION ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」;
・米国特許出願第15/940,642号、発明の名称「CONTROLS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」;
・米国特許出願第15/940,676号、発明の名称「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」;
・米国特許出願第15/940,680号、発明の名称「CONTROLLERS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」;
・米国特許出願第15/940,683号、発明の名称「COOPERATIVE SURGICAL ACTIONS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」;
・米国特許出願第15/940,690号、発明の名称「DISPLAY ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」;及び
・米国特許出願第15/940,711号、発明の名称「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」。
【0021】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月28日出願の以下の米国特許仮出願を所有する:
・米国特許仮出願第62/649,302号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」;
・米国特許仮出願第62/649,294号、発明の名称「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」;
・米国特許仮出願第62/649,300号、発明の名称「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」;
・米国特許仮出願第62/649,309号、発明の名称「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」;
・米国特許仮出願第62/649,310号、発明の名称「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」;
・米国特許仮出願第62/649,291号、発明の名称「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」;
・米国特許仮出願第62/649,296号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」;
・米国特許仮出願第62/649,333号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」;
・米国特許仮出願第62/649,327号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」;
・米国特許仮出願第62/649,315号、発明の名称「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」;
・米国特許仮出願第62/649,313号、発明の名称「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」;
・米国特許仮出願第62/649,320号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」;
・米国特許仮出願第62/649,307号、発明の名称「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」;及び
・米国特許仮出願第62/649,323号、発明の名称「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」。
【0022】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月8日出願の以下の米国仮特許出願を所有する:
・米国仮特許出願第62/640,417号、発明の名称「TEMPERATURE CONTROL IN ULTRASONIC DEVICE AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」;及び
・米国仮特許出願第62/640,415号、発明の名称「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」。
【0023】
本願の出願人は、各開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する:
・米国仮特許出願番号米国仮特許出願第62/611,341号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」;
・米国仮特許出願第62/611,340号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」;及び
・米国仮特許出願第62/611,339号発明の名称「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」。
【0024】
外科用装置及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施例は、他の態様、変形形態、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行してもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち1つ又は2つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち任意の1つ又は2つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0025】
外科用ハブ
図1を参照すると、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100は、1つ以上の外科システム102と、クラウドベースのシステム(例えば、ストレージ装置105に連結されたリモートサーバ113を含んでもよいクラウド104)と、を含む。それぞれの外科システム102は、リモートサーバ113を含んでもよいクラウド104と通信する少なくとも1つの外科用ハブ106を含む。一実施例では、図1に示すように、外科システム102は、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成された、可視化システム108と、ロボットシステム110と、ハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含む。いくつかの態様では、外科システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個のハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含んでもよく、ここでM、N、O、及びPは1以上の整数である。
【0026】
図2は、外科手術室116内の手術台114上に横たわる患者に対して外科処置を実施するために使用される外科システム102の一実施例を示す。ロボットシステム110は、外科処置において外科システム102の一部として使用される。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ122と、を含む。患者側カート120は、患者の身体の低侵襲切開中に、外科医が外科医のコンソール118を介して手術部位を見る間、少なくとも1つの取り外し可能に連結された外科用ツール117を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像装置124によって得ることができ、医療用撮像装置124は撮像装置124を配向するために患者側カート120によって操作され得る。ロボットハブ122は、外科医のコンソール118を介して外科医に対するその後の表示のために、手術部位の画像を処理するよう用いることができる。
【0027】
他のタイプのロボットシステムを、外科システム102と共に使用するために容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,339号に記載されている。
【0028】
クラウド104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析の様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国特許仮出願第62/611,340号に記載されている。
【0029】
様々な態様では、撮像装置124は、少なくとも1つの画像センサと、1つ以上の光学構成要素と、を含む。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
撮像装置124の光学構成要素は、1つ以上の照明光源及び/又は1つ以上のレンズを含んでもよい。1つ以上の照明光源は、手術野の一部を照明するように方向付けられてもよい。1つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、手術野から反射又は屈折された光を受信してもよい。
【0031】
1つ以上の照明光源は、可視スペクトル及び不可視スペクトル内の電磁エネルギーを放射するように構成してもよい。光学スペクトル又は発光スペクトルと呼ばれることもある可視スペクトルは、人間の目に可視の(すなわち、人間の目で検出可能な)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と呼ばれることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に反応する。
【0032】
不可視スペクトル(すなわち、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する電磁スペクトルの一部分である(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長)。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(IR)、マイクロ波、及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線、及びガンマ線電磁放射線になる。
【0033】
様々な態様では、撮像装置124は、低侵襲性手術で使用するように構成されている。本開示と共に使用するのに好適な撮像装置の例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
一態様では、撮像装置は、トポグラフィーと下層構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを用いる。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトルにわたって特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR及び紫外光を含む特定の波長からの光に感受性の器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像法は、人間の目がその赤色、緑色、及び青色の受容体で捕捉することのできない追加情報の抽出を可能にすることができる。マルチスペクトル撮像法の使用は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で詳細に説明されている。マルチスペクトルモニタリングは、1つの手術作業が完了した後に、処置された組織上で上述の試験の1つ以上を実施するために手術野を再配置するのに有用なツールであり得る。
【0035】
いかなる外科手術においても手術室及び外科用器具の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場(surgical theater)」、すなわち手術室又は処置室に必要とされる厳格な衛生及び滅菌条件は、全ての医療装置及び機器の最大級の滅菌性を必要とする。その滅菌プロセスの一部は、撮像装置124並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性である。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの、微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なしてもよいこと、又は滅菌野は、外科処置のために準備された患者のすぐ周囲の領域と見なしてもよいことは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含んでもよい。
【0036】
様々な態様では、可視化システム108は、図2に示されるように、滅菌野に対して戦略的に配置された1つ又は2つ以上の撮像センサと、1つ又は2つ以上の画像処理ユニットと、1つ又は2つ以上のストレージアレイと、1つ又は2つ以上のディスプレイと、を含む。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS、及びEMRのインターフェースを含む。可視化システム108の様々な構成要素については、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で説明されている。
【0037】
図2に示すように、一次ディスプレイ119は、手術台114に位置する操作者に可視であるように、滅菌野内に位置付けられる。加えて、可視化タワー111は、滅菌野の外に位置付けられる。可視化タワー111は、互いに離れる方に面する第1の非滅菌ディスプレイ107及び第2の非滅菌ディスプレイ109を含む。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109、及び119を使用して、滅菌野の内側及び外部の操作者に対する情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に、一次ディスプレイ119上の手術部位のライブ映像を維持させながら、撮像装置124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示させることができる。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットは、例えば、非滅菌操作者が外科処置に関連する診断工程を実施することを可能にすることができる。
【0038】
一態様では、ハブ106は、滅菌野内で、可視化タワー111に位置する非滅菌操作者によって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌領域内の一次ディスプレイ119に送り、これを手術台に位置する滅菌操作者が見ることができるようにも構成される。一実施例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることのできる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットに対する修正の形態であってもよい。
【0039】
図2を参照すると、外科用器具112は、外科処置において外科システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、外科用器具112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成されている。例えば、座標情報フローについては、その開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号で更に説明されている。可視化タワー111の位置で非滅菌操作者によって入力される診断入力又はフィードバックは、滅菌野内でハブ106によって外科用器具ディスプレイ115に送られてもよく、ここで診断入力又はフィードバックは外科用器具112の操作者によって見られてもよい。外科システム102と共に用いるのに好適である例示的外科用器具については、例えば、その開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号の「Surgical Instrument Hardware」の項目で説明されている。
【0040】
ここで図3を参照すると、ハブ106が、可視化システム108、ロボットシステム110、及びハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と通信している状態で示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140(単極発生器142、双極発生器144、及び超音波発生器143を含み得る)、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、及びストレージアレイ134を備える。特定の態様では、図3に示すように、ハブ106は、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、及び/又はORマッピングモジュール133を更に備える。
【0041】
外科処置中、封止及び/又は切断のため組織へのエネルギー印加は、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注を伴う。異なる供給源からの流体、電力、及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式筐体136は、電力、データ、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。
【0042】
本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科処置において使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブ筐体と、ハブ筐体のドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ生成器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ及び電力接点を含む。組み合わせ生成器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ以上を含む。一態様では、組み合わせ生成器モジュールは、更に、排煙構成要素と、組み合わせ生成器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体、及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延びる流体ラインと、を含む。
【0043】
一態様では、流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブ筐体内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延びる。一態様では、ハブ筐体は、流体インターフェースを備える。
【0044】
特定の外科処置は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であってもよいが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であってもよい。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式筐体136が様々な発生器を収容して、これらの間の双方向通信を促進するように構成される解決法を提示する。ハブのモジュール式筐体136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。
【0045】
本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用筐体を提示する。モジュール式外科用筐体は、組織に印加するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0046】
上記に加えて、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ及び電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を更に含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0047】
更に、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成された、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを更に含む。
【0048】
図3図7を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126と、吸引/灌注モジュール128と、のモジュール式統合を可能にするハブのモジュール式筐体136に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128間の双方向通信を更に促進する。図5に示すように、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット139内に支持される、統合された単極、双極、及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。図5に示すように、発生器モジュール140は、単極装置146、双極装置147、及び超音波装置148に接続するように構成され得る。あるいは、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136を介して相互作用する一連の単極、双極、及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式筐体136は、複数の発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入と、ハブのモジュール式筐体136にドッキングされた発生器間の双方向通信と、を促進するように構成してもよい。
【0049】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128の取り外し可能な取り付け及びそれらの間の双方向通信を可能にするために、外部及び無線通信ヘッダを備えるモジュール式電力及び通信バックプレーン149を備える。
【0050】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128を摺動可能に受容するように構成された、本明細書ではドロアーとも称されるドッキングステーション又はドロアー151を含む。図4は、外科用ハブ筐体136、及び外科用ハブ筐体136のドッキングステーション151に摺動可能に受容可能な組み合わせ生成器モジュール145の部分斜視図を示す。組み合わせ生成器モジュール145の後側に電力及びデータ接点を有するドッキングポート152は、組み合わせ生成器モジュール145がハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151内の位置へと摺動されると、対応するドッキングポート150をハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の電力及びデータ接点と係合するように構成される。一態様では、組み合わせ生成器モジュール145は、図5に示すように、双極、超音波、及び単極モジュールと、単一のハウジングユニット139と共に一体化された排煙モジュールと、を含む。
【0051】
様々な態様では、排煙モジュール126は、捕捉/回収された煙及び/又は流体を手術部位から遠ざけて、例えば、排煙モジュール126へと搬送する流体ライン154を含む。排煙モジュール126から発生する真空吸引は、煙を手術部位のユーティリティ導管の開口部に引き込むことができる。流体ラインに連結されたユーティリティ導管は、排煙モジュール126で終端する可撓管の形態であってもよい。ユーティリティ導管及び流体ラインは、ハブ筐体136内に受容される排煙モジュール126に向かって延びる流体経路を画定する。
【0052】
様々な態様では、吸引/灌注モジュール128は、吸い込み(aspiration)流体ライン及び吸引(suction)流体ラインを含む外科用ツールに連結される。一実施例では、吸い込み及び吸引流体ラインは、手術部位から吸引/灌注モジュール128に向かって延びる可撓管の形態である。1つ以上の駆動システムは、手術部位への、及び手術部位からの流体の灌注及び吸い込みを引き起こすように構成することができる。
【0053】
一態様では、外科用ツールは、その遠位端にエンドエフェクタを有するシャフトと、エンドエフェクタに関連付けられた少なくとも1つのエネルギー処置部と、吸い込み管と、灌注管と、を含む。吸い込み管は、その遠位端に入口ポートを有することができ、吸い込み管はシャフトを通って延びる。同様に、灌注管はシャフトを通って延びることができ、かつ、エネルギー送達器具に近接した入口ポートを有することができる。エネルギー送達器具は、超音波及び/又はRFエネルギーを手術部位に送達するように構成され、最初にシャフトを通って延在するケーブルによって発生器モジュール140に連結される。
【0054】
灌注管は流体源と流体連通することができ、吸い込み管は真空源と流体連通することができる。流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128内に収容され得る。一実施例では、流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128とは別にハブ筐体136内に収容され得る。このような実施例では、流体インターフェースは、吸引/灌注モジュール128を流体源及び/又は真空源に接続するように構成され得る。
【0055】
一態様では、モジュール140、126、128及び/又はハブのモジュール式筐体136上のそれらの対応するドッキングステーションは、モジュールのドッキングポートを位置合わせして、ハブのモジュール式筐体136のドッキングステーション内でこれらの対応部品と係合させるように構成された位置合わせ機構を含んでもよい。例えば、図4に示すように、組み合わせ生成器モジュール145は、ハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の対応するブラケット156と摺動可能に係合するように構成された側部ブラケット155を含む。ブラケットは協働して、組み合わせ生成器モジュール145のドッキングポート接点をハブのモジュール式筐体136のドッキングポート接点と電気係合させるように誘導する。
【0056】
いくつかの態様では、ハブのモジュール式筐体136のドロアー151はサイズが同じ又は実質的に同じであり、モジュールはドロアー151内に受容されるサイズに調整される。例えば、側部ブラケット155及び/又は156は、モジュールのサイズに応じてより大きくなっても小さくなってもよい。他の態様では、ドロアー151はサイズが異なり、それぞれ特定のモジュールを収容するように設計される。
【0057】
更に、適合しない接点を備えるドロアーにモジュールを挿入することを避けるために、特定のモジュールの接点を、特定のドロアーの接点と係合するように鍵付きにしてもよい。
【0058】
図4に示されるように、1つのドロアー151のドッキングポート150は、通信リンク157を介して別のドロアー151のドッキングポート150に連結されて、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の双方向通信を容易にすることができる。あるいは又は更に、ハブのモジュール式筐体136のドッキングポート150は、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の無線双方向通信を容易にしてもよい。例えば、Air Titan-Bluetoothなどの任意の好適な無線通信を用いてもよい。
【0059】
図6は、外科用ハブ206の複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジング160の複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。横方向モジュール式ハウジング160は、モジュール161を横方向に受容して相互接続するように構成される。モジュール161は、モジュール161を相互接続するためのバックプレーンを含む横方向モジュール式ハウジング160のドッキングステーション162内に摺動可能に挿入される。図6に示すように、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング160内で横方向に配置される。あるいは、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング内で垂直方向に配置してもよい。
【0060】
図7は、外科用ハブ106の複数のモジュール165を受容するように構成された垂直モジュール式ハウジング164を示す。モジュール165は、モジュール165を相互接続するためのバックプレーンを含む垂直モジュール式ハウジング164のドッキングステーション又はドロアー167内に摺動可能に挿入される。垂直モジュール式ハウジング164のドロアー167は垂直方向に配置されているが、特定の場合では、垂直モジュール式ハウジング164は、横方向に配置されたドロアーを含んでもよい。更に、モジュール165は、垂直モジュール式ハウジング164のドッキングポートを介して互いに相互作用し得る。図7の実施例では、モジュール165の動作に関連するデータを表示するためのディスプレイ177が提供される。加えて、垂直モジュール式ハウジング164は、マスタモジュール178内に摺動可能に受容される複数のサブモジュールを収容するマスタモジュール178を含む。
【0061】
様々な態様では、撮像モジュール138は、内蔵型のビデオプロセッサ及びモジュール式光源を備え、様々な撮像装置と共に使用するように適合されている。一態様では、撮像装置は、光源モジュール及びカメラモジュールと共に組み立てることが可能なモジュール式ハウジングで構成される。ハウジングは、使い捨て式ハウジングであってもよい。少なくとも1つの実施例では、使い捨て式ハウジングは、再利用可能なコントローラ、光源モジュール、及びカメラモジュールと取り外し可能に連結される。光源モジュール及び/又はカメラモジュールは、外科処置の種類に応じて選択的に選択することができる。一態様では、カメラモジュールはCCDセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはCMOSセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールは走査されたビームの撮像用に構成される。同様に、光源モジュールは、外科処置に応じて白色光又は異なる光を送達するように構成することができる。
【0062】
外科処置中に、手術野から外科用装置を除去して異なるカメラ又は異なる光源を含む別の外科用装置と交換することは非効率的であり得る。手術野の視野を一時的に喪失することは、望ましからぬ結果をもたすおそれがある。本開示のモジュール撮像装置は、手術野から撮像装置を除去する必要なく、外科処置中に光源モジュール又はカメラモジュール中間体(midstream)の交換を可能にするように構成される。
【0063】
一態様では、撮像装置は、複数のチャネルを含む管状ハウジングを備える。第1のチャネルは、第1のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得るカメラモジュールを摺動可能に受容するように構成されている。第2のチャネルは、第2のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得る光源モジュールを摺動可能に受容するように構成されている。別の実施例では、カメラモジュール及び/又は光源モジュールは、これらの対応するチャネル内の最終位置へと回転させることができる。スナップ嵌め係合の代わりにねじ係合が採用されてもよい。
【0064】
様々な実施例で、複数の撮像装置が、複数の視野を提供するために手術野内の様々な位置に位置決めされる。撮像モジュール138は、最適な視野を提供するために撮像装置間を切り替えるように構成することができる。様々な態様では、撮像モジュール138は、異なる撮像装置からの画像を統合するように構成することができる。
【0065】
本開示と共に使用するのに好適な様々な画像プロセッサ及び撮像装置は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「COMBINED SBI AND CONVENTIONAL IMAGE PROCESSOR」と題する2011年8月9日発行の米国特許第7,995,045号に記載されている。更に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SBI MOTION ARTIFACT REMOVAL APPARATUS AND METHOD」と題する2011年7月19日発行の米国特許第7,982,776号は、画像データからモーションアーチファクトを除去するための様々なシステムについて記載している。こうしたシステムは、撮像モジュール138と一体化され得る。更に、「CONTROLLABLE MAGNETIC SOURCE TO FIXTURE INTRACORPOREAL APPARATUS」と題する2011年12月15日公開の米国特許出願公開第2011/0306840号、及び「SYSTEM FOR PERFORMING A MINIMALLY INVASIVE SURGICAL PROCEDURE」と題する2014年8月28日公開の米国特許出願公開第2014/0243597号は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
図8は、医療施設の1つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドベースのシステム(例えばストレージ装置205に連結されたリモートサーバ213を含んでもよいクラウド204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ203を備える外科用データネットワーク201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209を備える。モジュール式通信ハブ203は更に、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供するために、ローカルコンピュータシステム210に連結することができる。外科用データネットワーク201は、受動的、インテリジェント、又は切替式として構成してもよい。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つの装置(又はセグメント)から別の装置(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェントな外科用データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ207又はネットワークスイッチ209内の各ポートを構成する追加の機構を含む。インテリジェントな外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称してもよい。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0067】
手術室に配置されるモジュール式装置1a~1nは、モジュール式通信ハブ203に連結してもよい。ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、ネットワークルータ211に連結されて、装置1a~1nをクラウド204又はローカルコンピュータシステム210に接続することができる。装置1a~1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送してもよい。装置1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送してもよい。同じ手術室に位置するモジュール式装置2a~2mもまた、ネットワークスイッチ209に連結してもよい。ネットワークスイッチ209は、ネットワークハブ207及び/又はネットワークルータ211に連結されて、装置2a~2mをクラウド204に接続することができる。装置2a~2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ211を介してクラウド204に転送してもよい。装置2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送してもよい。
【0068】
複数のネットワークハブ207及び/又は複数のネットワークスイッチ209を複数のネットワークルータ211と相互接続することによって、外科用データネットワーク201が拡張されてもよいことが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ203は、複数の装置1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容してもよい。ローカルコンピュータシステム210もまた、モジュール式制御タワーに収容してもよい。モジュール式通信ハブ203は、ディスプレイ212に接続されて、例えば外科処置中に、装置1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、装置1a~1n/2a~2mとしては、外科用データネットワーク201のモジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール式装置の中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール138、エネルギーベースの外科用装置に連結された発生器モジュール140、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、ディスプレイに連結された外科用装置、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられ得る。
【0069】
一態様では、外科用データネットワーク201は、装置1a~1n/2a~2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ(複数可)、ネットワークスイッチ(複数可)、及びネットワークルータ(複数可)との組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに連結された装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全ては、リアルタイムでデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナル装置を有するのではなく、共有コンピューティングリソースに依存することは理解されるであろう。用語「クラウド」は、「インターネット」の隠喩として用いられる場合があるが、この用語はそのように限定はされない。したがって、用語「クラウドコンピューティング」は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために用いることができ、この場合、サーバ、ストレージ、及びアプリケーションなどの様々なサービスは、手術現場(例えば、固定式、移動式、一時的、又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に、かつインターネットを介してモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に接続された装置に送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持してもよい。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ以上の手術室内に位置する装置1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整する事業体であってもよい。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置によって収集されたデータに基づいて、多数の計算を実行することができる。ハブハードウェアは、複数の装置又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及びストレージと通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0070】
装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的成果の改善、コスト低減、及び患者満足度の改善を提供する。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織の試料の画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病状を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。これは、組織及び表現型の位置特定及びマージン確認を含む。撮像装置と一体化された様々なセンサ、及び複数の撮像装置によってキャプチャされた画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド204若しくはローカルコンピュータシステム210又はその両方に転送してもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入、及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析することができる。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に採用してもよく、標準化されたアプローチを使用することは、外科治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
【0071】
一実装態様では、手術室装置1a~1nは、ネットワークハブに対する装置1a~1nの構成に応じて、有線チャネル又は無線チャネルを介してモジュール式通信ハブ203に接続してもよい。ネットワークハブ207は、一態様では、開放型システム間相互接続(OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャスト装置として実装してもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置する装置1a~1nに接続性を提供する。ネットワークハブ207は、パケット形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信する。ネットワークハブ207は、装置データを転送するための任意の媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(MAC/IP)は記憶しない。装置1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ207を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ207は、情報の送信先に関する経路選択テーブル又はインテリジェンスを有さず、全てのネットワークデータを各コネクション全体、及びクラウド204上のリモートサーバ213(図9)にブロードキャストする。ネットワークハブ207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0072】
別の実装形態では、手術室装置2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ209に接続してもよい。ネットワークスイッチ209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ209は、同じ手術室内に位置する装置2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャスト装置である。ネットワークスイッチ209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ211に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置2a~2mは、ネットワークスイッチ209を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ209は、データを転送するために装置2a~2mのMACアドレスを記憶かつ使用する。
【0073】
ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、クラウド204に接続するためにネットワークルータ211に連結される。ネットワークルータ211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ211は、装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ211から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室、又は異なる医療施設の異なる手術室に位置する異なるネットワークなどの、異なる位置に位置する2つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ211は、パケット形態のデータをクラウド204に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置が同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
【0074】
一実施例では、ネットワークハブ207は、複数のUSB装置をホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実現してもよい。USBハブは、装置をホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線又は無線能力を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に位置する装置1a~1nと装置2a~2mとの間の通信のために使用されてもよい。
【0075】
他の実施例では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、固定及びモバイル装置から短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。他の態様では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ203と通信してもよい。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
【0076】
モジュール式通信ハブ203は、手術室装置1a~1n/2a~2mの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱う。フレームは、装置1a~1n/2a~2mによって生成されたデータを搬送する。フレームがモジュール式通信ハブ203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ211へ送信され、ネットワークルータ211は本明細書に記載される数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによってこのデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
【0077】
モジュール式通信ハブ203は、スタンドアロンの装置として使用してもよく、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続してもよい。モジュール式通信ハブ203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ203は手術室装置1a~1n/2a~2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となる。
【0078】
図9は、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100と類似している。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で外科システム102と類似する1つ又は2つ以上の外科システム202を含む。各外科システム202は、リモートサーバ213を含み得るクラウド204と通信する少なくとも1つの外科用ハブ206を含む。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置などの複数の手術室装置に接続されたモジュール式制御タワー236を備える。図10に示されるように、モジュール式制御タワー236は、コンピュータシステム210に連結されたモジュール式通信ハブ203を備える。図9の実施例に例示するように、モジュール式制御タワー236は、内視鏡239に連結された撮像モジュール238、エネルギー装置241に連結された発生器モジュール240、排煙器モジュール226、吸引/灌注モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、ストレージアレイ234、任意でディスプレイ237に連結されたスマート装置/器具235、及び非接触センサモジュール242に連結される。手術室装置は、モジュール式制御タワー236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータストレージに連結される。ロボットハブ222もまた、モジュール式制御タワー236及びクラウドコンピューティングリソースに接続してもよい。中でもとりわけ、装置/器具235、可視化システム208が、本明細書に記載される有線又は無線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式制御タワー236に連結されてもよい。モジュール式制御タワー236は、撮像モジュール、装置/器具ディスプレイ、及び/又は他の可視化システム208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ215(例えば、モニタ、スクリーン)に接続してもよい。ハブディスプレイはまた、画像及びオーバーレイ画像と共にモジュール式制御タワーに接続された装置から受信したデータを表示してもよい。
【0079】
図10は、モジュール式制御タワー236に連結された複数のモジュールを備える外科用ハブ206を示す。モジュール式制御タワー236は、例えばネットワーク接続装置などのモジュール式通信ハブ203と、例えば局所処理、可視化、及び撮像を提供するためのコンピュータシステム210と、を備える。図10に示すように、モジュール式通信ハブ203は、モジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール(例えば、装置)の数を拡張して、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送することができるように、階層化構成で接続され得る。図10に示すように、モジュール式通信ハブ203内のネットワークハブ/スイッチのそれぞれは、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含む。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続される。クラウド204への通信は、有線又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
【0080】
外科用ハブ206は、非接触センサモジュール242を使用して、手術室の寸法を測定し、また超音波又はレーザ型非接触測定装置のいずれかを使用して手術現場のマップを生成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の項で説明されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射したときのエコーを受信することによって手術室を走査し、ここでセンサモジュールが、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離制限を調整するように構成される。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信し、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリング距離制限を調整することによって手術室を走査する。
【0081】
コンピュータシステム210は、プロセッサ244とネットワークインターフェース245とを備える。プロセッサ244は、システムバスを介して、通信モジュール247、ストレージ248、メモリ249、不揮発性メモリ250、及び入力/出力インターフェース251に連結される。システムバスは、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、周辺装置相互接続(PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(PCMCIA)、小型計算機システム・インターフェース(SCSI)、又は任意の他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるがこれらに限定されない任意の様々なバスアーキテクチャを用いる、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造(複数可)のうちのいずれかであっってもよい。
【0082】
プロセッサ244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、及び/又は、1つ若しくは2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ若しくは2つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0083】
一態様では、プロセッサ244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成してもよい。
【0084】
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、EEPROM、又はフラッシュメモリを挙げることができる。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、及びダイレクトランバスRAM(DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
【0085】
コンピュータシステム210はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性コンピュータストレージ媒体、例えばディスクストレージなどを含む。ディスクストレージとしては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード、又はメモリスティックのようなデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ディスクストレージは、ストレージ媒体を、独立して、又はコンパクトディスクROM装置(CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)、若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない他のストレージ媒体との組み合わせで含むことができる。ディスクストレージ装置のシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
【0086】
コンピュータシステム210は、好適な動作環境で説明されるユーザーと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含むことを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムが挙げられる。ディスクストレージ上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能する。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスクストレージ上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用する。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0087】
ユーザーは、I/Oインターフェース251に連結された入力装置(複数可)を介してコンピュータシステム210にコマンド又は情報を入力する。入力装置としては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティングデバイス、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライト・ディッシュ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどが挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他の入力装置は、インターフェースポート(複数可)を介し、システムバスを通してプロセッサに接続する。インターフェースポート(複数可)としては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、及びUSBが挙げられる。出力装置(複数可)は、入力装置(複数可)と同じ種類のポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、またコンピュータシステムからの情報を出力装置に出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とする出力装置の中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ、及びプリンタなどのいくつかの出力装置が存在することを示すために提供される。出力アダプタとしては、例示としてのものであり限定するものではないが、出力装置とシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが挙げられる。遠隔コンピュータ(複数可)などの他の装置及び/又は装置のシステムは、入力及び出力機能の両方を提供することに留意されたい。
【0088】
コンピュータシステム210は、クラウドコンピュータ(複数可)などの1つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータ(複数可)は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピア装置、又は他の一般的なネットワークノードなどであり得、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、遠隔コンピュータ(複数可)と共にメモリストレージ装置のみが示される。遠隔コンピュータ(複数可)は、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続を介して物理的に接続される。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)などの通信ネットワークを包含する。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが挙げられる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク、並びにデジタル加入者回線(DSL)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0089】
様々な態様では、図10のコンピュータシステム210、図9図10の撮像モジュール238、及び/又は可視化システム208、及び/又はプロセッサモジュール232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令複数データ(SIMD)、又は複数命令複数データ(MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを使用して速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実行することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0090】
通信接続(複数可)とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。例示の明瞭さのために通信接続はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続はコンピュータシステム210の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術が挙げられる。
【0091】
図11は、本開示の少なくとも1つの態様による、USBネットワークハブ300装置の一態様の機能ブロック図を示す。図示した態様では、USBネットワークハブ装置300は、Texas Instruments製TUSB2036集積回路ハブを採用する。USBネットワークハブ300は、USB2.0規格に準拠する、上流USB送受信ポート302及び最大3つの下流USB送受信ポート304、306、308を提供するCMOS装置である。上流USB送受信ポート302は、差動データプラス(DP0)入力とペアリングされた差動データマイナス(DM0)入力を含む差動ルートデータポートである。3つの下流USB送受信ポート304、306、308は、各ポートが差動データマイナス(DM1~DM3)出力とペアリングした差動データプラス(DP1~DP3)出力を含む差動データポートである。
【0092】
USBネットワークハブ300装置は、マイクロコントローラの代わりにデジタル状態マシンを備えて実装され、ファームウェアのプログラミングを必要としない。完全準拠したUSB送受信機が、上流USB送受信ポート302及び全ての下流USB送受信ポート304、306、308の回路に統合される。下流USB送受信ポート304、306、308は、ポートに取り付けられた装置の速度に応じてスルーレートを自動的に設定することによって、最高速度及び低速の装置の両方をサポートする。USBネットワークハブ300装置は、バスパワーモード又はセルフパワーモードのいずれかで構成してもよく、電力を管理するためのハブパワー論理312を含む。
【0093】
USBネットワークハブ300装置は、シリアルインターフェースエンジン310(SIE)を含む。SIE310は、USBネットワークハブ300ハードウェアのフロントエンドであり、USB仕様書の第8章に記載されているプロトコルの大部分を取り扱う。SIE310は、典型的には、トランザクションレベルまでのシグナリングを理解する。これが取り扱う機能としては、パケット認識、トランザクションの並べ替え、SOP、EOP、RESET、及びRESUME信号の検出/生成、クロック/データ分離、非ゼロ復帰逆転(NRZI)データ符号化/復号及びビットスタッフィング、CRC生成及びチェック(トークン及びデータ)、パケットID(PID)の生成、及びチェック/復号、並びに/又はシリアル・パラレル/パラレル・シリアル変換が挙げられ得る。310はクロック入力314を受信し、ポート論理回路320、322、324を介して上流USB送受信ポート302と下流USB送受信ポート304、306、308との間の通信を制御するためにサスペンド/レジューム論理並びにフレームタイマー316回路及びハブリピータ回路318に連結される。SIE310は、シリアルEEPROMインターフェース330を介したシリアルEEPROMのコマンドを制御するために、インターフェース論理328を介してコマンドデコーダ326に連結される。
【0094】
様々な態様では、USBネットワークハブ300は、最大6つの論理層(階層)内に構成された127個の機能を単一のコンピュータに接続することができる。更に、USBネットワークハブ300は、通信及び電力分配の両方を提供する標準化された4本のワイヤケーブルを使用して全ての周辺機器に接続することができる。電力構成は、バスパワーモード及びセルフパワーモードである。USBネットワークハブ300は、個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるバスパワーハブ、及び個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるセルフパワーハブの、電力管理の4つのモードをサポートするように構成してもよい。一態様では、USBケーブル、USBネットワークハブ300を使用して、上流USB送受信ポート302はUSBホストコントローラにプラグ接続され、下流USB送受信ポート304、306、308はUSBに互換性のある装置を接続するために露出される、といった具合である。
【0095】
外科用ハブ及び/又は外科用ハブネットワークの構造及び機能に関する更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する2018年4月19日出願の米国仮特許出願第62/659,900号に見出すことができる。
【0096】
クラウドシステムハードウェア及び機能モジュール
図12は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムのブロック図である。一態様では、このコンピュータ実装インタラクティブ外科システムは、外科用ハブ、外科用器具、ロボットデバイス、及び手術室又は医療施設を含む様々な外科システムの動作に関するデータを監視及び分析するように構成される。コンピュータ実装インタラクティブ外科システムは、クラウドベースの分析システムを含む。クラウドベースの分析システムは、外科システムとして記載されているが、必ずしもそのように限定されるものではなく、クラウドベースの医療システムであってもよい。図12に示すように、クラウドベースの分析システムは、(器具112と同じ又は類似であってもよい)複数の外科用器具7012と、(ハブ106と同じ又は類似であってもよい)複数の外科用ハブ7006と、外科用ハブ7006を(クラウド204と同じ又は類似であってもよい)クラウド7004に結合するための(ネットワーク201と同じ又は類似であってもよい)外科用データネットワーク7001とを含む。複数の外科用ハブ7006のそれぞれは、1つ以上の外科用器具7012に通信可能に連結される。ハブ7006はまた、ネットワーク7001を介してコンピュータ実装インタラクティブ外科システムのクラウド7004に通信可能に連結される。クラウド7004は、様々な外科システムの動作に基づいて生成されたデータを記憶、操作、及び通信するためのハードウェア及びソフトウェアのリモートの集中型源である。図12に示すように、クラウド7004へのアクセスはネットワーク7001を介して達成され、このネットワーク7001は、インターネットであってもよく、又は他の好適なコンピュータネットワークであってもよい。クラウド7004に結合される外科用ハブ7006は、クラウドコンピューティングシステムのクライアント側(すなわち、クラウドベースの分析システム)と見なすことができる。外科用器具7012は、本明細書に記載される様々な外科処置又は動作の制御及び実施のために、外科用ハブ7006とペアリングされている。
【0097】
加えて、外科用器具7012は、(送受信機もまた含んでもよい)対応する外科用ハブ7006へのデータ伝送、及び外科用ハブ7006からのデータ伝送のための送受信機を備えてもよい。外科用器具7012と対応するハブ7006との組み合わせは、医療手術を提供するための医療施設(例えば、病院)内の手術室などの、特定の位置を示してもよい。例えば、外科用ハブ7006のメモリは、位置データを記憶してもよい。図12に示すように、クラウド7004は、中央サーバ7013(図1のリモートサーバ113及び/又は図9のリモートサーバ213と同じ又は類似であってもよい)、ハブアプリケーションサーバ7002、データ分析モジュール7034、及び入力/出力(「I/O」)インターフェース7007を含む。クラウド7004の中央サーバ7013は、クラウドコンピューティングシステムを集合的に管理し、これは、クライアントモジュール7006による要求を監視し、リクエストを実行するためのクラウド7004の処理能力を管理することを含む。中央サーバ7013のそれぞれは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ及び磁気記憶装置などの不揮発性メモリを含むことができる、好適なメモリ装置7010に連結された1つ以上のプロセッサ7008を備える。メモリ装置7010は、実行されると、プロセッサ7008が、以下で説明するクラウドベースのデータ分析、動作、推奨、及び他の動作のために、データ分析モジュール7034を実行させる、機械実行可能命令を含んでもよい。更に、プロセッサ7008は、ハブ7006によって独立して実行されるハブアプリケーションと独立して、又はハブアプリケーションと併せて、データ分析モジュール7034を実行することができる。中央サーバ7013はまた、メモリ2210内に常駐することができる集約された医療データデータベース2212を含む。
【0098】
ネットワーク7001を介した様々な外科用ハブ7006への接続に基づいて、クラウド7004は、様々な外科用器具7012及びそれらの対応するハブ7006によって生成された特定のデータからのデータを集約することができる。そのような集約されたデータは、クラウド7004の集約された医療データベースEFFECTOR7011内に記憶してもよい。具体的には、クラウド7004は、有利には、集約されたデータ上でデータ分析及び動作を実行して、個別のハブ7006がそれ自体で達成できない機能をもたらしてもよい。この目的のために、図12に示すように、クラウド7004と外科用ハブ7006とは、情報を送受信するために通信可能に連結される。I/Oインターフェース7007は、ネットワーク7001を介して複数の外科用ハブ7006に接続される。このようにして、I/Oインターフェース7007は、外科用ハブ7006と集約された医療データデータベース7011との間で情報を転送するように構成され得る。したがって、I/Oインターフェース7007は、クラウドベース分析システムの読み出し/書き込み動作を容易にすることができる。このような読み出し/書き込み動作は、ハブ7006からの要求に応じて実行してもよい。これらの要求は、ハブアプリケーションを介してハブ7006に送信される場合がある。I/Oインターフェース7007は、1つ以上の高速データポートを含んでもよく、当該ポートとしては、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IEEE1394ポート、並びにクラウド7004をハブ7006に接続するためのWi-Fi及びBluetooth I/Oインターフェースを挙げることができる。クラウド7004のハブアプリケーションサーバ7002は、外科ハブ7006によって実行されるソフトウェアアプリケーション(例えば、ハブアプリケーション)に共有機能をホストし、かつ供給するように構成されている。例えば、ハブアプリケーションサーバ7002は、ハブアプリケーションがハブアプリケーションによって作成された要求を管理して、集約された医療データデータベース7011へのアクセスを制御し、負荷バランス調整を実行してもよい。データ分析モジュール7034について、図13を参照してより詳細に説明する。
【0099】
本開示に記載される特定のクラウドコンピューティングシステムの構成は、具体的には、外科用器具7012、112などの医療用装置を使用して実行される医療動作及び処置の文脈において生じる様々な問題に対処するように設計されている。特に、外科用器具7012は、外科手術の成績を改善するための技術を実施するために、クラウド7004と相互作用するように構成されたデジタル外科用装置であってもよい。様々な外科用器具7012及び/又は外科用ハブ7006は、臨床医が外科用器具7012とクラウド7004との間の相互作用の態様を制御してもよいように、タッチ制御されたユーザーインターフェースを含んでもよい。聴覚的に制御されたユーザーインターフェースなどの制御のための他の好適なユーザーインターフェースもまた使用することもできる。
【0100】
図13は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムの機能アーキテクチャを示すブロック図である。クラウドベース分析システムは、医療分野において具体的に生じる問題にデータ分析ソリューションを提供するために、クラウド7004のプロセッサ7008によって実行され得る複数のデータ分析モジュール7034を含む。図13に示すように、クラウドベースのデータ分析モジュール7034の機能は、外科用ハブ7006上でアクセスすることができるハブアプリケーションサーバ7002によってホストされたハブアプリケーション7014を介して支援してもよい。クラウドプロセッサ7008及びハブアプリケーション7014は、データ分析モジュール7034を実行するために連携して動作してもよい。アプリケーションプログラムインターフェース(API)7016は、ハブアプリケーション7014に対応する一連のプロトコル及びルーチンを定義する。加えて、API7016は、アプリケーション7014の動作のために、集計された医療データのデータベース7011内へのデータの格納及びここからの読み出しを管理する。キャッシュ7018はまた、データを(例えば、一時的に)記憶し、アプリケーション7014によって使用されるデータのより効率的な検索のためにAPI7016に結合される。図13のデータ分析モジュール7034は、リソース最適化7020、データ収集及び集約7022、認可及びセキュリティ7024、制御プログラムの更新7026、患者転帰分析7028、推奨7030、及びデータ分類及び優先順位付け7032のためのモジュールを含む。他の好適なデータ分析モジュールはまた、いくつかの態様により、クラウド7004によって実装される場合がある。一態様では、データ分析モジュールは、傾向、転帰、及び他のデータの分析に基づく特定の推奨に使用される。
【0101】
例えば、データ収集及び集約モジュール7022は、顕著な特徴又は構成(例えば、傾向)の識別、冗長データセットの管理、及び手術によってグループ化することができるが、必ずしも実際の外科手術日付及び外科医に一致していないペアリングされたデータセットへのデータの保存を含む、自己記述型データ(例えば、メタデータ)を生成するために使用される場合がある。特に、外科用器具7012の動作から生成される対のデータセットは、例えば出血又は非出血事象などの二元分類を適用することを含み得る。より一般的には、バイナリ分類は、望ましい事象(例えば、成功した外科処置)又は望ましくない事象(例えば、誤発射又は誤使用された外科用器具7012)のいずれかとして特徴付けられてもよい。集約された自己記述型データは、外科用ハブ7006の様々なグループ又はサブグループから受信された個々のデータに相当してもよい。したがって、データ収集及び集約モジュール7022は、外科用ハブ7006から受信した生データに基づいて、集約メタデータ又は他の編成されたデータを生成することができる。この目的のために、プロセッサ7008は、データ分析モジュール7034を実行するために、ハブアプリケーション7014及び集約された医療データデータベース7011に動作的に結合することができる。データ収集及び集約モジュール7022は、集約された編成済みデータを集約された医療データデータベース2212に記憶してもよい。
【0102】
リソース最適化モジュール7020は、この集約されたデータを分析して、特定の医療施設又は医療施設のグループに関するリソースの最適な使用を決定するように構成され得る。例えば、リソース最適化モジュール7020は、そのような器具7012の対応する予測される要求に基づいて、医療施設のグループに関する外科用ステープラ7012の最適な順序点を決定してもよい。リソース最適化モジュール7020はまた、リソースの使用を改善することができるかどうかを判定するために、様々な医療施設のリソースの使用又は他の動作構成を評価する場合があるであろう。同様に、推奨モジュール7030は、データ収集及び集約モジュール7022から集約された編成済みデータを分析して推奨を提供するように構成することができる。例えば、推奨モジュール7030は、特定の外科用器具7012が、例えば、期待される誤り率よりも高いことに基づいて改善されたバージョンにアップグレードされるべきであることを、医療施設(例えば、病院などの医療サービス提供者)に提案することができる場合もある。加えて、推奨モジュール7030及び/又はリソース最適化モジュール7020は、製品再注文ポイントなどのより良好な供給チェーンパラメータを提案し、異なる外科用器具7012、その使用の、又は手術結果を改善する手順工程などの提案を提供することができる場合もある。医療施設は、対応する外科用ハブ7006を介してそのような推奨を受信することができる。様々な外科用器具7012のパラメータ又は構成に関するより具体的な推奨もまた提供することができる。ハブ7006及び/又は外科用器具7012はそれぞれ、クラウド7004によって提供されるデータ又は推奨を表示するディスプレイスクリーンを有することができる場合もある。
【0103】
患者転帰分析モジュール7028は、外科用器具7012の現在使用されている動作パラメータに関連付けられた手術結果を分析することができる。患者転帰分析モジュール7028はまた、他の潜在的な動作パラメータを分析及び評価してもよい。この接続では、推奨モジュール7030は、より良好な封止又はより少ない出血などの、より良好な手術結果をもたらすことに基づいて、これらの他の潜在的な動作パラメータを使用して提案することができる場合もある。例えば、推奨モジュール7030は、対応するステープル留め外科用器具7012に特定のカートリッジをいつ使用すべきかに関する推奨を、外科用ハブ7006に送信することができる。したがって、クラウドベースの分析システムは、共通変数を制御している間に、生データの大規模な収集を分析し、複数の医療施設にわたって(有利には、集約されたデータに基づいて決定される)集中化された推奨を提供するように構成してもよい。例えば、クラウドベースの分析システムは、医療行為の種類、患者の種類、患者の数、医療提供者/施設が、同様の種類の器具などを使用する医療提供者の間の地理的類似性を分析、評価、及び/又は集約することができる場合もあり、医療提供者/施設は、同様の種類の器具などを使用する。
【0104】
制御プログラム更新モジュール7026は、対応する制御プログラムが更新されたときに、様々な外科用器具7012の推奨を実施するように構成することができる場合もある。例えば、患者転帰分析モジュール7028は、特定の制御パラメータを成功した(又は失敗した)結果とリンクする相関関係を識別することができる場合もある。このような相関関係は、更新された制御プログラムが制御プログラム更新モジュール7026を介して外科用器具7012に送信されるときに対処してもよい。対応するハブ7006を介して送信される器具7012への更新は、クラウド7004のデータ収集及び集約モジュール7022によって収集され、かつ分析された集約成績データを組み入れてもよい。加えて、患者転帰分析モジュール7028及び推奨モジュール7030は、集約成績データに基づいて、器具7012を使用する改善された方法を識別することができる場合もある。
【0105】
クラウドベースの分析システムは、クラウド7004によって実装されるセキュリティ機能を含んでもよい。これらのセキュリティ機能は、認可及びセキュリティモジュール7024によって管理してもよい。それぞれの外科用ハブ7006は、ユーザー名、パスワード、及び他の好適なセキュリティ資格情報などの、関連する固有の資格情報を有することができる。これらの資格情報は、メモリ7010に記憶し、許可されたクラウドアクセスレベルに関連付けることもできる。例えば、正確な資格情報を提供することに基づいて、外科用ハブ7006には、クラウドと所定の範囲まで通信するアクセス権を付与してもよい(例えば、特定の定義された種類の情報の送信又は受信を行ってもよい)。この目的のために、クラウド7004の集約された医療データデータベース7011は、提供された資格情報の精度を検証するための資格情報のデータベースを含んでもよい。種々異なる資格情報を、クラウド7004によって生成されたデータ分析を受信するための所定のアクセスレベルなど、クラウド7004との相互作用を許可するための様々なレベルに関連付けてもよい。
【0106】
更に、セキュリティ目的のために、クラウドは、ハブ7006、器具7012、及び禁止された装置の「ブラックリスト」を含むことのできる他の装置のデータベースを維持することができる。とりわけ、ブラックリスト上に列挙された外科用ハブ7006は、クラウドと相互作用することが禁止されてもよく、ブラックリスト上に列挙された外科用器具7012は、対応するハブ7006への機能的アクセスを有さなくてもよく、かつ/又は対応するハブ7006とペアリングされたときに完全に機能することを禁止されてもよい。追加的に又は代替的に、クラウド7004は、不適合性又は他の指定された基準に基づいて、器具7012にフラグを立てることができる。このようにして、偽造医療用装置及びそのような装置の、クラウドベースの分析システム全体での不適切な再使用を識別し、対処することができる。
【0107】
外科用器具7012は、無線送受信機を使用して、例えば、対応するハブ7006及びクラウド7004へのアクセスのための認可資格情報を表してもよい無線信号を送信してもよい。有線送受信機はまた、信号を送信するために使用してもよい。そのような認可資格情報は、外科用器具7012のそれぞれのメモリ装置に記憶することができる。認可及びセキュリティモジュール7024は、認可資格情報が正確であるか又は偽造であるかを判定することができる。認可及びセキュリティモジュール7024はまた、強化されたセキュリティのために、認可資格情報を動的に生成してもよい。資格情報はまた、ハッシュベースの暗号化を使用することなどによって、暗号化することができる場合もある。適切な認可を送信すると、外科用器具7012は、対応するハブ7006及び最終的にはクラウド7004に信号を送信して、器具7012が医療データを取得して送信する準備ができていることを示してもよい。これに応答して、クラウド7004は、集約された医療データデータベース7011に記憶するための医療データを受信することが可能な状態に遷移してもよい。このデータ伝送準備は、例えば、器具7012上の光インジケータによって示すことができる。クラウド7004はまた、それらの関連する制御プログラムを更新するために、外科用器具7012に信号を送信することができる。クラウド7004は、制御プログラムに対するソフトウェアアップデートが適切な外科用器具7012にのみ送信されるように、特定のクラスの外科用器具7012(例えば、電気外科用器具)に向けられた信号を送信することができる。更に、クラウド7004は、選択的データ送信及び認可資格情報に基づいてローカル又はグローバルの問題に対処するために、システムワイドソリューションを実装するために使用することができる。例えば、外科用器具7012のグループが共通の製造不良を有するものとして識別される場合、クラウド7004は、このグループに対応する認可資格情報を変更して、このグループの動作ロックアウトを実施してもよい。
【0108】
クラウドベースの分析システムは、(例えば、推奨モジュール2030を介して)改善された実務及び提案の変更を判定するために、複数の医療施設(例えば、病院のような医療施設)を監視することを可能にしてもよい。したがって、クラウド7004のプロセッサ7008は、個々の医療施設に関連付けられたデータを分析して、施設を識別し、そのデータを他の医療施設に関連付けられた他のデータと集約することができる。グループは、例えば、同様の操作行為又は地理的位置に基づいて定義することができる。このようにして、クラウド7004は、医療施設グループの幅広い分析及び推奨を提供してもよい。クラウドベースの分析システムはまた、強化された状況認識のために使用することができる。例えば、プロセッサ7008は、(全体的な動作及び/又は様々な医療処置に対する)特定の施設に対するコスト及び有効性に関する推奨の効果を予測的にモデル化してもよい。その特定の施設に関連するコスト及び有効性はまた、他の施設又は任意の他の同等の施設の対応するローカル領域と比較することもできる。
【0109】
データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、重大性(例えば、データに関連付けられた医療イベントの重篤度、意外さ、不審さ)に基づいてデータを優先順位付けし、かつ分類してもよい。この分類及び優先順位付けは、本明細書に記載されるクラウドベースの分析及び動作を改善するために、上記の他のデータ分析モジュール7034の機能と併せて使用してもよい。例えば、データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、データ収集及び集約モジュール7022並びに患者転帰分析モジュール7028によって実行されるデータ分析に対する優先度を割り当てることができる。異なる優先順位レベルは、迅速応答のための上昇、特別な処理、集約された医療データデータベース7011からの除外、又は他の好適な応答などの、(緊急性のレベルに対応する)クラウド7004からの特定の応答をもたらすことができる。更に、必要に応じて、クラウド7004は、対応する外科用器具7012からの追加データのために、ハブアプリケーションサーバを介して要求(例えば、プッシュメッセージ)を送信することができる。プッシュメッセージは、支持又は追加のデータを要求するために、対応するハブ7006上に表示された通知をもたらすことができる。このプッシュメッセージは、クラウドが有意な不規則性又は外れ値を検出し、クラウドが不規則性の原因を判定することができない状況で要求されてもよい。中央サーバ7013は、例えば、データが所定の閾値を超えて予測値と異なると判定されるとき、又はセキュリティが含まれていたと見られる場合など、特定の重大な状況においてこのプッシュメッセージをトリガするようにプログラムしてもよい。
【0110】
クラウド分析システムに関する更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する2018年4月19日出願の米国仮特許出願第62/659,900号に見出すことができる。
【0111】
状況認識
感知されたデータに応答する制御アルゴリズムを含む「インテリジェント」装置は、感知されたデータを考慮することなく動作する「データ処理能力のない(dumb)」装置に改善を加えたものであり得るが、いくつかの感知されたデータは、単独で考慮される場合、すなわち、実行される外科処置のタイプ又は手術されている組織のタイプのコンテキストなしでは、不完全又は決定的ではない場合がある。処置コンテキストを知る(例えば、手術されている組織のタイプ又は行われている処置のタイプを知る)ことがなければ、制御アルゴリズムは、特定のコンテキストを含まない感知データが与えられると、モジュール式装置を不正確に又は準最適に制御することがある。例えば、制御アルゴリズムが特定の感知されたパラメータに応答して外科用器具を制御するための最適な方法は、手術されている特定の組織のタイプに応じて変化することがある。これは、異なる組織タイプは異なる特性(例えば、引き裂きに対する抵抗)を有し、したがって、外科用器具が取った動作に対して異なる応答を示すという事実に起因する。したがって、特定のパラメータについて同じ測定値が感知された場合であっても、外科用器具が異なる動作を取ることが望ましいことがある。1つの具体的な例として、外科用ステープル及び切断器具がそのエンドエフェクタを閉鎖するための予想外に高い力を感知することに応じて、当該器具を制御する最適な方法は、組織タイプが引き裂きの影響を受けやすいか、又は引き裂きに対する抵抗を有するかによって異なる。引き裂きの影響を受けやすい、例えば肺組織などの組織の場合、器具の制御アルゴリズムは、組織の引き裂きを回避するために、閉鎖するための予想外に高い力に応答してモータを最適にランプダウンさせる。引き裂きに対する抵抗を有する、例えば胃組織などの組織の場合、器具の制御アルゴリズムは、エンドエフェクタが組織に適切にクランプされることを確実にするために、閉鎖するための予想外に高い力に応答してモータを最適にランプアップさせる。肺組織がクランプされているのか又は胃組織がクランプされているのかが既知でなければ、制御アルゴリズムは、準最適な決定を行う場合がある。
【0112】
1つの解決策では、様々なデータソースから受信したデータに基づいて行われている外科処置に関する情報を導出し、次いで、ペアリングされたモジュール式装置を適宜制御するように構成されたシステムを含む外科用ハブが使用される。換言すれば、外科用ハブは、受信したデータから外科処置に関する情報を推定し、次いで、外科処置の推定されたコンテキストに基づいて、外科用ハブとペアリングされたモジュール式装置を制御するように構成されている。図14は、本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科システム5100の図を示す。いくつかの例示では、データソース5126は、例えば、モジュール式装置5102(患者及び/又はモジュール式装置自体に関連付けられたパラメータを検出するように構成されたセンサを含むことができる)、データベース5122(例えば、患者記録を含むEMRデータベース)、及び患者監視装置5124(例えば、血圧(BP)モニタ及び心電図(EKG)モニタ)を含む。
【0113】
外科用ハブ5104は、多くの点でハブ106と類似していてよく、例えば、受信したデータの特定の組み合わせ(複数可)又はデータソース5126からデータが受信される特定の順序に基づいて、外科処置に関するコンテキスト情報を当該データから導出するように構成することができる。受信したデータから推定されるコンテキスト情報は、例えば、行われている外科処置のタイプ、外科医が行っている外科処置の特定の工程、手術されている組織のタイプ、又は処置の対象である体腔を含むことができる。外科用ハブ5104のいくつかの態様による、受信したデータから外科処置に関する情報を導出又は推定するこの能力は、「状況認識」と呼ぶことができる。1つの例示では、外科用ハブ5104は状況認識システムを組み込むことができ、この状況認識システムは、受信したデータから外科処置に関するコンテキスト情報を導出する、外科用ハブ5104に関連付けられたハードウェア及び/又はプログラミングである。
【0114】
外科用ハブ5104の状況認識システムは、データソース5126から受信したデータからコンテキスト情報を様々な異なる方法で導出するように構成することができる。1つの例示では、状況認識システムは、様々な入力(例えば、データベース5122、患者監視装置5124、及び/又はモジュール式装置5102からのデータ)を、外科処置に関する対応のコンテキスト情報と相関させるための訓練データ上で訓練された機械学習システム(例えば、人工ニューラルネットワーク)、又はパターン認識システムを含む。換言すれば、機械学習システムは、提供された入力から外科処置に関するコンテキスト情報を正確に導出するように訓練することができる。別の例示では、状況認識システムは、外科処置に関する事前に特徴付けされたコンテキスト情報を、コンテキスト情報に対応する1つ又は2つ以上の入力(又は入力の範囲)と関連付けて記憶するルックアップテーブルを含むことができる。モジュール式装置5102を制御するために、ルックアップテーブルは、1つ又は2つ以上の入力による問い合わせに応答して、状況認識システムのために対応のコンテキスト情報を返すことができる。1つの例示では、外科用ハブ5104の状況認識システムによって受信されたコンテキスト情報は、1つ又は2つ以上のモジュール式装置5102の特定の制御調整又は制御調整のセットと関連付けられる。別の例示では、状況認識システムは、コンテキスト情報を入力として提供されたときに1つ又は2つ以上のモジュール式装置5102の1つ又は2つ以上の制御調整を生成又は検索する、更なる機械学習システム、ルックアップテーブル、又は他のそのようなシステムを含む。
【0115】
状況認識システムを組み込んだ外科用ハブ5104は、外科システム5100に多くの利点を提供する。1つの利点は、感知及び収集されたデータの解釈を改善することを含み、その結果、外科処置の過程中の処理精度及び/又はデータの使用が改善されることになる。前の実施例に戻ると、状況認識外科用ハブ5104は、どのタイプの組織が手術されているのかを判定することができる。したがって、外科用器具のエンドエフェクタを閉じるために予想外に高い力が検出されると、状況認識外科用ハブ5104は、組織のタイプに合わせて外科用器具のモータを正しくランプアップ又はランプダウンすることができる。
【0116】
別の実施例として、手術されている組織のタイプは、特定の組織間隙測定値に関して、外科用ステープル留め及び切断器具の圧縮速度及び負荷閾値になされる調整に影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、行われている外科処置が胸部手術であるのか又は腹部手術であるのかを推定することができ、これにより外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具のエンドエフェクタによってクランプされている組織が肺組織であるのか(胸部手術の場合)又は胃組織であるのか(腹部手術の場合)を判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具の圧縮速度及び負荷閾値を、組織のタイプに合わせて適切に調整することができる。
【0117】
更に別の実施例として、送気処置中に手術されている体腔の種類は、排煙器の機能に影響を及ぼし得る。状況認識手術ハブ5104は、(外科処置が送気を利用していると判定することによって)手術部位が圧力下にあるかどうかを判定し、処置タイプを判定することができる。処置タイプは一般的に特定の体腔内で実施されるため、外科用ハブ5104は、手術されている体腔に合わせて適切に排煙器のモータ速度を制御することができる。したがって、状況認識手術ハブ5104は、胸部手術及び腹部手術の両方のために一貫した排煙量を提供することができる。
【0118】
更に別の実施例として、行われている処置のタイプは、超音波外科用器具又は高周波(RF)電気外科用器具が作動するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。関節鏡処置は、例えば、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエンドエフェクタが流体中に浸漬されるため、より高いエネルギーレベルを必要とする。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置が関節鏡処置であるかどうかを判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、流体充填環境を補償するために、発生器のRF電力レベル又は超音波振幅(すなわち、「エネルギーレベル」)を調整することができる。関連して、手術されている組織のタイプは、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具が作動するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置の予想される組織プロファイルに従って、どのタイプの外科処置が行われているかを判定し、次いで、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルをそれぞれカスタマイズすることができる。更に、状況認識外科用ハブ5104は、処置毎ベースだけではなく、外科処置の期間を通じて、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルを調整するように構成することができる。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置のどの工程が行われているのか又はその後に行われるのかを判定した後、発生器及び/又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具の制御アルゴリズムを更新し、エネルギーレベルを、当該外科処置の工程に従って、予想される組織タイプに適切な値に設定することができる。
【0119】
更に別の実施例として、外科用ハブ5104が1つのデータソース5126から引き出す結論を改善するために、追加のデータソース5126からデータを引き出してもよい。状況認識外科用ハブ5104は、モジュール式装置5102から受信したデータを、外科処置に関して構築した、他のデータソース5126からのコンテキスト情報により増強することができる。例えば、状況認識外科用手術ハブ5104は、医療用撮像装置から受信したビデオ又は画像データに従って、止血が生じたかどうか(すなわち、手術部位での出血が止まったかどうか)を判定するように構成することができる。しかしながら、場合によっては、ビデオ又は画像データは確定的でないことがある。したがって、1つの例示では、外科用ハブ5104は、生理学的測定(例えば、外科用ハブ5104に通信可能に接続されたBPモニタによって感知された血圧)を、(例えば、外科用ハブ5104に通信可能に連結された医療用撮像装置124(図2)からの)止血の視覚データ又は画像データと比較して、ステープルライン又は組織溶接の完全性についての判定を行うように更に構成することができる。換言すれば、外科用ハブ5104の状況認識システムは、可視化データを分析する際に、生理学的測定データを考慮して追加のコンテキストを提供することができる。追加のコンテキストは、可視化データがそれ自体では確定的ではない又は不完全であり得る場合に有用であり得る。
【0120】
別の利点としては、外科処置の過程中に医療従事者が外科システム5100と相互作用する又はこれを制御するように求められる回数を低減するために、行われている外科処置の特定の工程に従って、ペアリングされたモジュール式装置5102を積極的かつ自動的に制御することが挙げられる。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、処置の後続工程がRF電気外科用器具の使用を必要とすると判定した場合に、RF電気外科用器具が接続されている発生器を積極的に起動させることができる。エネルギー源を積極的に起動することにより、処置の先行工程が完了するとすぐに器具を使用準備完了状態にすることができる。
【0121】
別の実施例として、状況認識外科用ハブ5104は、外科処置の現在又は後続の工程が、ディスプレイ上の異なる視界又は拡大の度合いを必要とするかどうかを、外科医が見る必要があると予想される手術部位における特徴(複数可)に従って判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、(例えば、可視化システム108のために医療用撮像装置によって供給された)表示された視界を、それに応じて積極的に変化させることができ、これにより、外科処置の全体を通じてディスプレイが自動調整するようになる。
【0122】
更に別の例として、状況認識手術ハブ5104は、外科処置のどの工程が行われているのか又はその後に行われるのか、及び特定のデータ又はデータ間の比較が外科処置のその工程で必要とされるのかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、外科医が特定の情報を要求するのを待つことなく、行われている外科処置の工程に基づいて、データスクリーンを自動的に呼び出すように構成することができる。
【0123】
別の利点としては、外科処置のセットアップ中又は外科処置の過程中にエラーをチェックすることが挙げられる。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、手術室が、行われる外科処置にとって適切に又は最適にセットアップされているかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、行われている外科処置のタイプを判定し、(例えば、メモリから)対応するチェックリスト、製品位置、又はセットアップニーズを取得し、次いで、現在の手術室のレイアウトを、外科用ハブ5104が行われていると判定した外科処置のタイプの標準レイアウトと比較するように構成することができる。1つの例示では、外科用ハブ5104は、例えば好適なスキャナ5132によってスキャンされた処置のためのアイテムリスト、及び/又は外科用ハブ5104とペアリングされた装置のリストを、所与の外科処置のためのアイテム及び/又は装置の推奨される又は予想されるマニフェストと比較するように構成することができる。リスト間に任意の不連続性が存在する場合、外科用ハブ5104は、特定のモジュール式装置5102、患者監視装置5124、及び/又は他の外科用アイテムが欠落していることを示す警告を与えるように構成することができる。1つの例示では、外科用ハブ5104は、例えば、近接センサによって、モジュール式装置5102及び患者監視装置5124の相対距離又は位置を判定するように構成することができる。外科用ハブ5104は、装置の相対位置を、特定の外科処置のための推奨される又は予想されるレイアウトと比較することができる。レイアウト間に不連続性が存在する場合、外科用ハブ5104は、外科処置の現在のレイアウトが推奨されるレイアウトから逸脱していることを示す警告を与えるように構成することができる。
【0124】
別の実施例として、状況認識外科用ハブ5104は、外科医(又は他の医療従事者)が誤りをおかしているかどうか、又は外科処置の過程中に期待される一連の行動から別様に逸脱しているかどうかを判定することができる。例えば、外科用ハブ5104は、実施されている外科処置のタイプを判定し、(例えば、メモリから)機器使用の工程又は順序の対応するリストを検索し、次いで、外科処置の過程中に行われている工程又は使用されている機器を、外科用ハブ5104が行われていると判定した外科処置のタイプの予想される工程又は機器と比較するように構成することができる。1つの例示では、外科用ハブ5104は、外科処理における特定の工程で、予想外の行動が行われているか、又は予期せぬ装置が利用されていることを示す警告を与えるように構成することができる。
【0125】
全体的に、外科用ハブ5104のための状況認識システムは、各外科処置の特定のコンテキストに合わせて外科用器具(及び他のモジュール式装置5102)を調整し(例えば異なる組織タイプに適応させるなど)、かつ外科処置中のアクションを検証することによって、外科処置の結果を改善する。状況認識システムはまた、処置の特定のコンテキストに従って、次の工程を自動的に示唆し、データを提供し、かつ手術現場内のディスプレイ及び他のモジュール式装置5102を調整することによって、外科処置を実施する際の外科医の効率を改善する。
【0126】
ここで図15を参照すると、例えば、外科用ハブ106又は206(図1図11)などのハブの状況認識を示すタイムライン5200が示されている。タイムライン5200は例示的な外科処置であり、かつ外科用ハブ106、206が、外科処置の各工程でデータソースから受信したデータから導き出すことができるコンテキスト情報である。タイムライン5200は、手術室を設置することから開始し、患者を術後回復室に移送することで終了する肺区域切除手術の過程で、看護師、外科医、及び他の医療関係者によって取られるであろう典型的な工程を示す。
【0127】
状況認識外科用ハブ106、206は、外科処置の過程全体にわたって、医療関係者が外科用ハブ106、206とペアリングされたモジュール式装置を使用する度に生成されるデータを含むデータをデータソースから受信する。外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置及び他のデータソースからこのデータを受信して、任意の所与の時間に処置のどの工程が実施されているかなどの新しいデータが受信されると、進行中の処置に関する推定(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導くことができる。外科用ハブ106、206の状況認識システムは、例えば、レポートを生成するために処置に関するデータを記録する、医療関係者によって取られている工程を検証する、特定の処置工程に関連する場合があるデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイスクリーンを介して)提供する、コンテキストに基づいてモジュール式装置を調整する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像装置の視界(FOV)を調整する、又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更するなど)、及び上記の任意の他のこうした動作を行うことが可能である。
【0128】
この例示的な処置における第1の工程5202として、病院職員は、病院のEMRデータベースから患者のEMRを読み出す。EMRにおける選択された患者データに基づいて、外科用ハブ106、206は、実行される処置が胸郭処置であることを判定する。
【0129】
第2の工程5204では、職員が、処置のために入来する医療用品をスキャンする。外科用ハブ106、206は、スキャンされた用品を様々な種類の処置で利用される用品のリストと相互参照し、用品の組み合わせ(mix of supplies)が胸郭処置に対応することを確認する。更に、外科用ハブ106、206はまた、処置がウッジ処置ではないと判定することができる(入来する用品が、胸郭ウッジ処置に必要な特定の用品を含まないか、又は別の点で胸郭ウッジ処置に対応していないかのいずれかであるため)。
【0130】
第3の工程5206では、医療関係者は、外科用ハブ106、206に通信可能に接続されたスキャナを介して患者のバンドをスキャンする。続いて、外科用ハブ106、206は、スキャンされたデータに基づいて患者の識別情報を確認することができる。
【0131】
第4の工程5208では、医療スタッフが補助装置をオンにする。利用される補助装置は、外科処置の種類及び外科医によって使用される技術に従って変わり得るが、この例示的な場合では、これらとしては、排煙器、吸入器、及び医療用撮像装置が挙げられる。起動されると、モジュール式装置である補助装置は、その初期化プロセスの一部として、モジュール式装置の特定の近傍内に位置する外科用ハブ106、206と自動的にペアリングすることができる。続いて、外科用ハブ106、206は、この術前又は初期化段階中にそれとペアリングされるモジュール式装置の種類を検出することによって、外科処置に関するコンテキスト情報を導出することができる。この特定の実施例では、外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置のこの特定の組み合わせに基づいて、外科処置がVATS手術であると判定する。患者のEMRからのデータの組み合わせ、手術に用いられる医療用品のリスト、及びハブに接続するモジュール式装置の種類に基づいて、外科用ハブ106、206は、外科チームが実施する特定の処置を概ね推定することができる。外科用ハブ106、206が、何の特定の処置が実施されているかを知ると、続いて外科用ハブ106、206は、メモリから、又はクラウドからその処置の工程を読み出して、次に接続されたデータソース(例えば、モジュール式装置及び患者監視装置)からその後受信したデータを相互参照して、外科処置のどの工程を外科チームが実行しているかを推定することができる。
【0132】
第5の工程5210では、職員は、EKG電極及び他の患者監視装置を患者に取り付ける。EKG電極及び他の患者監視装置は、外科用ハブ106、206とペアリングすることができる。外科用ハブ106、206が患者監視装置からデータの受信を開始すると、外科用ハブ106、206は患者が手術室にいることを確認する。
【0133】
第6の工程5212では、医療関係者は患者に麻酔を誘発する。外科用ハブ106、206は、例えば、EKGデータ、血圧データ、ベンチレータデータ、又はこれらの組み合わせを含む、モジュール式装置及び/又は患者監視装置からのデータに基づいて、患者が麻酔下にあることを推定することができる。第6の工程5212が完了すると、肺区域切除手術の術前部分が完了し、手術部分が開始する。
【0134】
第7の工程5214では、操作されている患者の肺が虚脱される(換気が対側肺に切り替えられる間に)。外科用ハブ106、206は、例えば、患者の肺が虚脱されたことをベンチレータデータから推定することができる。外科用ハブ106、206は、患者の肺が虚脱したのを検出したことを、処置の予期される工程(事前にアクセス又は読み出すことができる)と比較することができるため、処置の手術部分が開始したことを推定して、それによって肺を虚脱させることがこの特定の処置における第1の手術工程であると判定することができる。
【0135】
第8の工程5216では、医療用撮像装置(例えば、スコープ)が挿入され、医療用撮像装置からのビデオ映像が開始される。外科用ハブ106、206は、医療用撮像装置への接続を通じて医療用撮像装置データ(すなわち、ビデオ又は画像データ)を受信する。医療用撮像装置データを受信すると、外科用ハブ106、206は、外科処置の腹腔鏡部分が開始したことを判定することができる。更に、外科用ハブ106、206は、実施されている特定の処置が、肺葉切除とは対照的に区域切除術であると判定することができる(処置の第2の工程5204で受信したデータに基づいて、ウッジ処置は外科用ハブ106、206によって既に割り引かれていることに留意されたい)。医療用撮像装置124(図2)からのデータは、患者の解剖学的構造の可視化に関して配向されている医療用撮像装置の角度を判定することによる、用いられている(すなわち、起動されており、外科用ハブ106、206とペアリングされている)数又は医療用撮像装置を監視することによる、及び用いられている可視化装置の種類を監視することによる、ことを含む多くの異なる方法の中から実施されている処置の種類に関するコンテキスト情報を判定するために用いられ得る。例えば、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は、カメラを患者の胸腔の前下方角部の横隔膜上方に配置し、一方、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、カメラを、区域裂に対して前肋間位置に配置する。例えば、パターン認識又は機械学習技術を使用して、状況認識システムは、患者の解剖学的構造の可視化に基づいて、医療用撮像装置の位置を認識するように訓練され得る。別の例として、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は単一の医療用撮像装置を利用するが、VATS区域切除術を実施するための別の技術は複数のカメラを利用する。更に別の例として、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、区域裂を可視化するために赤外線光源(可視化システムの一部として外科用ハブに通信可能に連結され得る)を使用し、これはVATS肺葉切除術では使用されない。医療用撮像装置からのこのデータのいずれか又は全てを追跡することによって、外科用ハブ106、206は、実行中の特定の種類の外科処置、及び/又は特定の種類の外科処置に使用されている技術を判定することができる。
【0136】
第9の工程5218で、外科チームは、処置の切開工程を開始する。外科用ハブ106、206は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器からのデータを受信するため、外科医が患者の肺を切開して分離するプロセスにあると推定することができる。外科用ハブ106、206は、受信されたデータを外科処置の読み出しされた工程と相互参照して、プロセスのこの時点(すなわち、上述された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると判定することができる。特定の例では、エネルギー器具は、ロボット外科システムのロボットアームに取り付けられたエネルギーツールであり得る。
【0137】
第10の工程5220で、外科チームは、処置の結紮工程に進む。外科用ハブ106、206は、器具が発射されていることを示す外科用ステープル留め及び切断器具からのデータを受信するため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推定することができる。前工程と同様に、外科用ハブ106、206は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、読み出しされたプロセス内の工程と相互参照することによって、この推定を導出することができる。特定の例では、外科用器具は、ロボット外科システムのロボットアームに取り付けられた外科用ツールであり得る。
【0138】
第11の工程5222では、処置の区域切除部分が実施される。外科用ハブ106、206は、そのカートリッジからのデータを含む外科用ステープル留め及び切断器具からのデータに基づいて、外科医が実質組織を横切開していると推定することができる。カートリッジのデータは、例えば、器具によって発射されるステープルのサイズ又は種類に対応することができる。異なる種類のステープルが異なる種類の組織に利用されているため、カートリッジのデータは、ステープル留め及び/又は横切開されている組織の種類を示すことができる。この場合、発射されるステープルの種類は実質組織(又は他の同様の組織種)に用いられ、これにより、外科用ハブ106、206は、処置の区域切除部分が実行されていると推定することができる。
【0139】
続いて第12の工程5224で、結節切開工程が実行される。外科用ハブ106、206は、RF又は超音波器具が発射されていることを示す発生器から受信したデータに基づいて、外科チームが結節を切開し、漏れ試験を実施していると推定することができる。この特定の処置の場合、実質組織が横切開された後に用いられるRF又は超音波器具は結節切開工程に対応しており、この結節切開工程により外科用ハブ106、206がこの推定を行うことが可能となる。異なる器具が特定の作業に対してより良好に適合するため、外科医は、処置中の特定の工程に応じて、定期的に外科用ステープル留め/切断器具と外科用エネルギー(すなわち、RF又は超音波)器具との間で交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め/切断器具及び外科用エネルギー器具が使用される特定のシーケンスは、外科医が処置のどの工程を実施中であるかを示すことができる。更に、特定の例では、外科処置中の1つ以上の工程にロボットツールを使用することができ、かつ/又は外科処置中の1つ以上の工程にハンドヘルド外科用器具を使用することができる。外科医(複数可)は、例えば、ロボットツールとハンドヘルド外科用器具とを順に交代させることができ、かつ/又は、例えば、装置を同時に使用することができる。第12の工程5224が完了すると、切開部が閉鎖され、処置の術後部分が開始する。
【0140】
第13の工程5226では、患者の麻酔が逆転される。外科用ハブ106、206は、例えば、ベンチレータデータに基づいて(すなわち、患者の呼吸速度が増加し始める)、患者が麻酔から覚醒しつつあると推定することができる。
【0141】
最後に、第14の工程5228は、医療関係者が患者から様々な患者監視装置を除去することである。したがって、外科用ハブ106、206は、ハブがEKG、BP、及び患者監視装置からの他のデータを喪失したとき、患者が回復室に移送されていると推定することができる。この例示的な処置の説明から分かるように、外科用ハブ106、206と通信可能に連結された各種データソースから受信されたデータに基づいて、外科用ハブ106、206は、所与の外科処置の各工程が発生しているときを判定又は推定することができる。
【0142】
状況認識については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年4月19日出願の「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する米国仮特許出願第62/659,900号で更に説明されている。特定の例では、例えば本明細書で開示される様々なロボット外科システムを含むロボット外科システムの動作は、その状況認識、及び/若しくはその構成要素からのフィードバックに基づいて、並びに/又はクラウド104からの情報に基づいて、ハブ106、206によって制御することができる。
【0143】
機能パラメータの局所的自律調整
電動外科用器具の適応プログラム調整を制限する
様々な態様では、調整可能な自律制御プログラムは、外科用器具アルゴリズムに対する制限を含むことができる。一態様では、エンドエフェクタ208109の少なくとも1つのパラメータを制御するための既定の調整可能な制御アルゴリズムを有する電動外科用器具208100(図19)は、制御アルゴリズムの調整を1つ又は2つ以上の既定の調整性ウィンドウ制限するための手段を更に含み得る。
【0144】
一態様では、調整可能な制御アルゴリズムは、エンドエフェクタ208109の少なくとも1つの機能を制御する。一態様では、調整性は、少なくとも1つの感知されたパラメータに依存する。一態様では、感知されたパラメータは、外科医による施設内、領域内での外科用器具208100の以前の使用、又は一般のユーザーベースによるその以前の使用の履歴データセットを含む。一態様では、調整制限は、外科用器具208100及び/又は外科用ハブ(例えば102、202)によって事前に定義される。一態様では、制限は、全体的な最大閾値である。一態様では、制限は、使用毎の調整である。一態様では、制限は、特定のユーザーによる特定の施設又は特定の領域における使用に基づく。
【0145】
一態様では、制御プログラムは、制御プログラム学習調整を制限することができる。例えば、条件付き集約では、事象又は挙動は、例えば、当該事象又は挙動が特定の外科用器具208100、又は外科用器具208100のクラスの長期挙動に影響を及ぼすことが許可されることになるかどうかを判定するために、チェックに合格しなければならない。外科用器具208100、又は外科用ハブ(例えば102、202)によって実行される制御プログラムは、制御プログラムの挙動に最小限の影響しか有さない個別化された又は1回限りの故障(例えば、再現性のないエラーにより破損した又は誤挿入されたカートリッジ)を、要素とならないように除外してもよい。換言すれば、個別化されたエラーに関連付けられたデータは、個別化されたエラーの性質に応じて、外科用ハブ(例えば102、202)及び/又はメインデータベースに送信してもよく、又は送信しなくてもよい。しかしながら、たとえ送信されたとしても、個別化されたエラーは、外科用器具208100の将来の不具合を防止又は検出する手段として外科用器具208100の長期挙動に影響を与えるために使用される集約データベースから除外することができる。
【0146】
条件付き集約の別の実施例として、挙動の重み付け効果を使用して、調整量に影響を与えることができる(例えば、患者の損傷をもたらす「クラス0」の欠陥は、多数(例えば、10x)の細かなバリエーションよりも、単一事象として装置性能により大きな影響を有し得る)。
【0147】
一態様では、制御プログラムは、一連のパラメータにわたって制御プログラム学習調整を制限することができる。例えば、学習調整は、所与の時間間隔にわたる制御アルゴリズムの最大調整(例えば、週、月、又は別の間隔にわたって±10%)に制限することができる。これは、(特に、例えば、他のユーザーが休暇中である場合、週末に勤務しない場合、又はそうでなければある期間にわたって器具を積極的に使用しない場合に)新たなユーザーの異なる挙動、ORスタッフのローテーション、又は他の個人が、他の全てのユーザーの機器挙動を極端にシフトさせることを防止することになる。
【0148】
別の実施例として、性能特性に対する最大及び最小総制限は、所与のユーザーに適用してもよい。これは、所与のBIOS又は制御プログラムバージョンに対して、耐用期間にわたる累積効果又は最大調整を有し得る。制御プログラムが更新される度に、調整を繰り返し転送してもよく、又は調整を公称目標値に「リセット」してもよいが、そうするとシステムは、例えば、調整を再学習する必要がある。これにより、システムは、プログラムが異なった動作をする場合に制御プログラムが同じ調整を再学習することを必要とせずに、改善された制御プログラムから恩恵を受けることができる。別の実施例として、ユーザーは、所望の場合には、他のユーザー設定を一時的に使用することが可能であるが、それらの設定を変更する能力は有しない。
【0149】
一態様では、制御プログラムは、処置における使用毎の制御プログラムに対する調整回数に上限又は最大値を設定することができる。このことは、使用毎に挙動に極端な変化が現れ得ることを最小限に抑える。更に、これはまた、使用毎、ユーザー毎に要素化することができ、したがって、ユーザーが異なれば異なる挙動を有し、ユーザー毎の装置性能の調整を最小限に抑えることもできる。
【0150】
一態様では、制御プログラムは、既定の調整可能なエンベロープを実装するようにプログラムすることができる。この態様では、適応アルゴリズム及び技術は、全体的な制御スキームを局所的に調整する(すなわち、所与の外科用ハブ(例えば、102、202)の制御プログラム、又は、例えば、単一の施設の外科用ハブのローカルネットワークの制御プログラムを調整する)ように実装することができる。この調整方法は、取り付けられた装置のアルゴリズムを更新/制御するための、例えば、ニューラルネットワークとしての機械学習によって実現することができる。
【0151】
少なくとも1つの例において、上述のパラメータなどの様々な装置パラメータを制御するためのGUIが開示される。GUIは、例えば、制御されている装置、及び/又は装置が接続された外科用ハブ(例えば、102、202)上に表示することができる。GUIは、ユーザーが、特定の外科医(例えば、「Dr.Smith」又は「Dr.Jones」)のために、装置タイプ(例えば、ステープラ、エネルギー装置、スコープなど)毎、アクションタイプ(例えば、ステープラに関するクランプ、発射、又は関節運動の設定)毎に設定を選択するのを可能にする。装置に関しての様々な設定は、ユーザーが装置の使用経験を更に積むにつれて、経時的に学習することができる。
【0152】
一態様では、制御プログラムは、ユーザーが装置を、装置性能の公称値又は製造者の推奨値にデフォルトできるようにする、オーバーライド能力を提供することができる。例えば、装置の現在の学習したパラメータの表示が存在してもよく、ユーザーは、このカスタマイズされた性能を利用することを望むかどうかを決定することができる。別の実施例として、ユーザーは、調整されたパラメータのオーバーライドを選択する能力を有してもよい。これは、装置が使用される前、処置の開始時(beginning or a procedure)、又は更に動作中に生じてもよい。別の実施例として、制御プログラムは、ユーザーが装置を非調整状態にリセットする、又は更には、将来の実測性能に起因して、パラメータが経時的に調整される能力を無効にするのを可能にする。
【0153】
一態様では、装置は、ユーザーの使用又は挙動を識別し、性能パラメータ調整を決定し、その挙動に関する結果を改善することができる。その後、装置は、後に使用される際に同じ挙動又は使用を検出することができるが、ユーザーが異なっているため、調整の適用を制限するか、又は装置が使用される前に、改善の使用をユーザーが確認することを要求してもよい。例えば、表示された組織よりも厚いこと、及び組織がアンビルの組織停止部の端部に向かって傾斜している場合の組織の不均一な分布が検出された場合、制御プログラムは、ストローク開始時に発射しているIビームの前進を減速させ、表示された安定化待機期間を増加させることによって、これらの変数を調整することができる。したがって、ジョーのこの同じ不規則な組織の詰め込みが後の時点で検出されたが、ユーザーが第1のユーザーと異なることが器具にとって明らかである場合、器具は、後続の処置で装置を使用する第1のユーザーの場合と同様に単にパラメータを自動調整するのではなく、新しい性能プログラム又は標準プログラムを使用することをユーザーが望むかどうかを尋ねることができる。
【0154】
少なくとも1つの実施形態において、外科用器具システムは、例えば、外科用エンドエフェクタ208109などの外科用エンドエフェクタを備える。又は外科用器具システムは、少なくとも1つのエンドエフェクタ機能を患者に提供するように構成されている、例えば、本明細書に開示される外科用器具(例えば、208100)などの外科用器具と、例えば、外科用エンドエフェクタ及び/又は外科用エンドエフェクタ208109の機能を動作させるように構成された、例えば、制御回路208103などの制御回路とを備える。エンドエフェクタ208109の機能は、例えば、外科用ロボットによって及び/又は手持ち式器具ハンドルによって作動することができる。手持ち式器具ハンドルは、臨床医によって手動で操作してもよい。外科用ロボットに取り付けられたエンドエフェクタは、例えば、外科用ロボットを操作する臨床医によって手動で操作してもよく、及び/又は外科用ロボットの制御回路によって自動的に操作してもよい。エンドエフェクタの機能は、例えば、ステープルを発射することを含んでもよく、これは、組織を切断すること、及び/又は外科用ステープル留めエンドエフェクタ内のステープルを配備することを含み得る。別のエンドエフェクタ機能は、外科用ステープル留めエンドエフェクタを用いて組織をクランプすることを含み得る。エンドエフェクタ機能の更に別の例は、外科用エネルギー装置を用いて組織に通電することを含み得る。任意の好適なエンドエフェクタ機能を、本明細書に記載される外科システムと共に使用できることを理解すべきである。
【0155】
このような外科システムの制御回路は、適応制御プログラムを含むことができ、この適応制御プログラムは、エンドエフェクタ機能を制御することと、エンドエフェクタ機能(複数可)及び/又は外科用器具システムの後続の使用により良好に適応するために、それ自体を経時的に適応させることと、を行うように構成されている。このような適応制御プログラムは、様々な種類の情報を利用して、エンドエフェクタ機能の制御プログラムを自動調整する及び/又は適応させることができる。例えば、適応制御プログラムは、エンドエフェクタ(例えば、エンドエフェクタ208109など)自体内で、患者内で、及び/又は手術室(surgical suite)内で感知されたパラメータを含む入力に直接基づくことができる。適応制御プログラムはまた、例えば、外科用ハブ(例えば102、202)からの入力に基づいてもよい。エンドエフェクタ機能のより良好な最終結果をその後の個々の使用に提供する試みにおいて、機械学習を使用して、入力を分析し、適応制御プログラムに調整を加えることができる。
【0156】
少なくとも1つの例において、制御プログラムの適応性は、例えば、エンドエフェクタ208109などのエンドエフェクタ内で局所的に感知されたパラメータに基づく。例えば、外科用ステープル留めエンドエフェクタ内で、組織及び/又はシステムの他の態様によって組織切断ナイフ又は発射部材208111に対して加えられる負荷は、エンドエフェクタ208109内で測定することができる。制御回路208103が組織切断ナイフの制御プログラムを自動調整できるように、組織切断ナイフに加わる負荷に関する情報を、制御回路208103に供給することができる。例えば、負荷が監視され、発射シーケンス中に次第に高くなる場合、適応制御プログラムは、次の発射シーケンスが同様の負荷プロファイルを含むことを予測してもよく、少なくとも1つの例において、適応制御プログラムは、組織切断ナイフが詰まるのを防止するために、次の発射シーケンスの組織切断ナイフの発射速度を自動的に減速させることができる。
【0157】
少なくとも1つの例において、制御プログラムの適応性は、ある期間にわたって収集された情報に基づく。上記に加えて、制御プログラムの適応性は、経時的に収集された特定の情報に基づくことができる。例えば、適応性は、特定の外科医が装置を使用している間に収集されたデータにのみ基づくことができる。少なくとも1つの例において、適応性は、特定の患者に対する使用中に収集されたデータ、特定の手術室での使用中に収集されたデータ、国の特定の地域での使用中に収集されたデータ、及び/又は特定のタイプの処置での使用中に収集されたデータに基づいてもよい。データの任意の好適なグループを、制御プログラム適応性のために使用することができる。少なくとも1つの例において、データの複数の群が協働して使用され、制御プログラムの適応性は、データの複数の群に基づく。
【0158】
適応制御プログラムを利用するシステムでは、制御プログラム自体の適応性を制約することが有利であり得る。制御プログラムの適応性に対して、例えば、局所的に感知されたパラメータに基づいて自動的に、及び/又は、例えば、外科医からの直接入力に基づいて手動で、制約を設けることによって、制御プログラムに対する望ましくない適応調整を防止することができる。上記に加えて、適応制御プログラムに加えられたそのような制約及び/又は制限は、自動的に適用されるか及び/又は手動で適用されるかにかかわらず、制御回路の機械学習態様により多くの情報を提供して、その後の使用におけるエンドエフェクタ機能をより良好に動作させることができる。このような制限は、例えば、適応制限プログラムによって導入してもよい。
【0159】
上述の組織切断ナイフの実施例を再び参照すると、臨床医は、適応制御プログラムが後続の発射シーケンスのために組織切断ナイフの発射速度を減速させるであろうことを知っている場合がある。しかしながら、そのような例において、臨床医は、組織切断ナイフの発射速度を次の発射シーケンスのために減速させることを望まない場合がある。臨床医は、例えば、エンドエフェクタ208109などのエンドエフェクタの発射機能を制御する適応制御プログラムに自動的に制限が加えられることを望む場合がある。少なくとも1つの例において、臨床医は、発射機能を制御する制御プログラムの適応性に手動で制限を設けることを望む場合がある。説明される実施例では、臨床医は、適応制御プログラムがその値まで自動的に減速させることが許可されている、最も遅い可能な発射速度値を規定することを望む場合がある。そのような例において、そのような制約及び/又は制限が導入された後、適応制御プログラムは、組織切断ナイフの発射速度を、規定された最も遅い可能な発射速度を下回る速度に調整することを許可されない場合がある。制約及び/又は制限は、処置の間、処置の前、及び/又は処置の後に設定してもよい。少なくとも1つの例では、臨床医は、表示又は可聴警告によって、制御プログラムの適応性をリアルタイムで知り、臨床医は、制御プログラムの適応性にリアルタイム調整を加えることができる。
【0160】
少なくとも1つの例において、制御プログラムによって行われる適応調整は、それらに設定された境界を有することができる。例えば、制御回路208103などの制御回路は、例えば、エンドエフェクタ機能の挙動を分析して、その挙動が制御プログラムの適応性に影響を及ぼし、それによって、例えば、エンドエフェクタ208109などのエンドエフェクタの長期挙動に影響を及ぼすかどうかを判定することができる。そのような例では、エンドエフェクタ208109の1回限りの不注意な及び/又は回避可能な故障は、1回限りの故障がエンドエフェクタ208109の制御プログラムの適応性の要素とならないように、除外してもよい。例えば、ステープルカートリッジが外科用ステープル留めエンドエフェクタ内に不適切に装填されて発射が試みられる場合、不適切に装填されたステープルカートリッジが原因で感知されたこの不規則な装填は、外れ値として扱われ、エンドエフェクタの制御プログラムの適応性の要素とならなくてもよい。少なくとも1つの例において、このような誤発射は、それでも制御プログラムの適応性に要素化することができるが、誤発射になったエンドエフェクタと同様の負荷レベルに類似する組織詰まりインシデントと同じ重みは有しない。換言すれば、不適切に装填されたカートリッジの誤発射の事象を完全に無視せず、むしろ、カートリッジが適切に装填された場合の組織詰まりインシデントよりも積極的でないやり方で、制御プログラムの適応性に適用することが望ましい場合があり得る。いずれにしても、外れ値の事象又は挙動は、外れ値の事象が適応制御プログラムの長期挙動に影響を与えないように、使用する集約データベースから除外することができる。
【0161】
少なくとも1つの例において、上述の不適切に装填されたカートリッジの誤発射の事象などの特定の事象には、そのような事象が制御プログラムの適応性に与える影響の量を決定する際に、異なる重み値を与えてもよい。例えば、不適切に装填されたステープルカートリッジが原因の誤発射には、適切に組み立てられたカートリッジの発射後に生じる完全な組織詰まりインシデントよりもかなり低い、制御プログラムの適応性に対してかなり小さい影響を与える重みを与えてもよい。そのような例では、組織タイプが完全な組織詰まりインシデントを引き起こし得るので、組織詰まりインシデントが、臨床医及びエンドエフェクタがそのタイプの組織に再度遭遇した場合に備えて、制御プログラムの適応性に影響力を有することがはるかに望ましいことがあり得る。一方で、臨床医は、不適切に装填されたカートリッジのユーザーエラー及び/又は器具の誤用であるので、適応制御プログラムがそれ自体を調整することを望まない場合がある。
【0162】
通常の操作中に、例えば、エンドエフェクタ208109などのエンドエフェクタの誤用がないと仮定すると、例えば、患者に害及び/又は損傷を与える事象には、患者に害及び/又は損傷をほとんど又は全く与えない事象よりもはるかに高い重みを与えてもよく、これにより制御プログラムの適応性に影響を与えることができる。
【0163】
少なくとも1つの例において、適応制御プログラムの境界設定は、一連のパラメータにわたって存在し得る。例えば、制御回路208103などの制御回路は、例えば、特定の期間にわたって一定の割合の調整のみを制御プログラムに加えることが可能である。例えば、エンドエフェクタ208109などの外科用ステープル留めエンドエフェクタのための適応発射制御プログラムを、例えば、制御プログラムの発射速度を1週間にわたって発射速度の±10%で調整することに限定してもよい。任意の好適なパーセンテージ制限を、任意の好適な時間間隔で採用することができる。このような構成は、特定の期間中の極端な適応性を排除することができる。例えば、エンドエフェクタは、場合によってはならし期間を経てもよく、その耐用期間の開始時にいくらかの異常なシーケンスを有してもよい。したがって、そのような例では、そのエンドエフェクタに対する制御プログラムの適応性を、そのならし期間にわたって限定することが望ましい場合がある。別の利点としては、異なる動作挙動を有する複数のユーザーにわたる極端な適応性を排除することを挙げることができる。
【0164】
少なくとも1つの例において、最大及び最小のプログラム制限は、所与のユーザーに固有であってもよい。そのようなシナリオでは、ユーザーは、耐用期間にわたる累積効果のためにこれらを設定することができる場合がある。少なくとも1つの例において、ユーザーは、別のユーザーに固有の最大及び最小のプログラム制限を選択することができる場合がある。少なくとも1つの例において、ユーザーが、別のユーザーに固有の制限を使用している場合、ユーザーは、この別のユーザーに固有の制限を調整することができない場合があり、また、これらの制限に固有のユーザーが、適応制御プログラムを採用していないため、これらの制限を適応制御プログラムによって調整できないことがある。
【0165】
少なくとも1つの例において、適応制御プログラムに設定された制限は、データベース及び/又はハブ(例えば、102、202)に転送してもよく、この制御プログラムは、公称目標値にリセットされる。そのような例では、制限は、再学習及び/又は再調整する必要があり得る。別の例では、外科医には、制限を公称値にリセットするオプション、又は外科医が前回の使用の最後に使用を中止した場所に制御プログラムを設定するオプションが与えられてもよい。これにより、システムは、改善された制御プログラムから恩恵を受けることができ、恐らく、プログラムが異なった動作をする場合には同じ調整を必要としない。
【0166】
少なくとも1つの例において、適応制御プログラムに設定された制限は、使用毎ベースに基づくことができる。少なくとも1つの例において、制御プログラムの適応性は、制御プログラムが制御する特定のエンドエフェクタの単一の処置及び/又は耐用期間にわたる使用に区分けすることができる。
【0167】
少なくとも1つの例において、適応制御プログラムは、既定の調整可能なエンベロープに限定することができる。適応アルゴリズム及び/又は技術を使用して、一般的に適応制御プログラム及び/又は外科用器具システムの全体的な制御スキームを局所的に調整することができる。制御プログラムに対する調整はまた、外科用ハブ(例えば102、202)からの入力と、制御プログラムに調整を行うときにニューラルネットワークに入力することが望ましい場合がある任意の他の情報とを含む、ニューラルネットワークに基づいてもよい。
【0168】
図18は、本明細書に記載されるものなどの制御回路の論理208060を示す。エンドエフェクタのパラメータを制御する(208061)ことと、パラメータの制御を調整する(208063)ことと、パラメータの制御の調整を限定する(208065)こととを含む論理208060。エンドエフェクタのパラメータを制御する(208061)ことは、例えば、組織切断ナイフと動作可能に連結されたモータを動作させるために制御プログラムを実行することを含み得る。制御プログラムは、モータに、ナイフを遠位に前進させる、ナイフを近位に後退させる、及び/又はナイフの作動を一時停止させることができる。組織切断ナイフの速度及び加速もまた、制御プログラムによって変更することができる。パラメータの制御を調整する(208063)ことは、使用中に及び/又はその後の使用毎に性能がより良くなるように、制御プログラム又はパラメータの制御(208061)を自動的に及び/又は手動で修正及び/又は適応させることを含み得る。これは、例えば、制御されるパラメータのより良好な操作を引き起こすために、機械学習を使用することが可能な適応制御プログラムと呼ばれる。パラメータの制御の調整を限定する(208065)ことは、調整ウィンドウ、又は適応制御プログラムがその範囲内でそれ自体を変化させることが許可される値の範囲を、手動で設定することを含んでもよい。例えば、発射速度の範囲は、手動で及び/又は自動的に定義されて、適応制御プログラムを、発射速度の設定範囲内に留まるように制約することができる。
【0169】
図16は、例えば、器具208100などの特定の外科用器具を操作する際に臨床医を補助するための選択可能なオプションを含む一連のメニューを表示するGUIを示す。例示の実施例では、第1の一連のディスプレイ208010は、複数の選択可能なメニューオプションを示し、この場合には、特定の外科医が選択され、特定の器具が選択され、かつ特定の機能が選択される。そのような例では、特定の外科医を選択することができ、これにより、例えば、制御回路208103などの制御回路は、例えば、学習した適応制限などの具体的な設定をこの特定の外科医に対してロードすることができる。例えば、器具208100などの特定の器具を選択することができ、制御回路が、当該器具を操作するための特定の制御プログラムをロードできるようにしてもよい。これは、特定の器具及び特定の外科医に対応する特定の適応制限プログラムを含み得る。選択されたオプションの全ては、所望の装置を動作させるための適切な制御プログラム(複数可)及び/又は設定をロードするために、制御回路によって考慮することができる。例示の実施例では、DR.Jonesのステープラ2の発射機能が選択されている。これらのオプションは、制御回路によって自動感知してもよく、少なくとも1つの例では、選択されない。例えば、情報は、例えば、外科用ハブ(例えば、102、202)によって、特定の処置に対応するパッケージで制御回路に前もって送達しておいてもよい。別の例では、外科医は、制御回路の構成要素が感知することができる識別子チップを身に着けてもよく、器具が取り付けられている、例えば、外科用ロボット110などの外科用ロボットは、どの器具がロボット110の動作アームに取り付けられているかを自動的に識別することができてもよく、及び/又は特定の器具の発射設定を、例えば、外科用ロボット制御インターフェース上の外科医からの間接入力に基づいてロボットによって識別してもよい。
【0170】
更に図16を参照すると、少なくとも1つの例において、ステープラ2の発射機能についてDr.Jonesが選択可能なオプションを指示する2つのディスプレイ208020が示されている。これらのディスプレイ208020に見られるように、発射時間及びクランプ力が表示され、例えば、器具208100などの器具の全体的な発射速度に関連付けられてもよい。この場合、Dr.Jonesは、限定的な経験を有し得る。このような経験は、例えば、Dr.Jonesについて記憶された情報に基づいて、制御回路208103などの制御回路には既知であってもよい。そのような例では、発射速度に関する許容値の範囲は、それらが選択可能な学習制限であるか及び/又は選択可能な直接的機能パラメータであるかどうかにかかわらず、経験の豊富な外科医にとって可能な許容値の範囲よりも大きくてもよい。例えば、ディスプレイ208030には、Dr.Smithよりも経験の豊富な外科医であるDr.Smithに、より厳格なデフォルト設定が与えられている様子が示されている。これは、例えば、外科医が有する、器具208100などの特定の器具を用いた繰り返し量に起因して生じ得る。少なくとも1つの例において、特定の器具のより安全な操作を示す許容値範囲が、経験の少ない外科医に与えられてもよく、特定の器具のよりリスクの高い操作を示す許容値範囲が、より経験豊富な外科医に与えられてもよい。
【0171】
ユーザーカスタマイズ可能な性能及びプログラム挙動
様々な態様では、スマート外科用装置(例えば、ステープル留め装置)の制御プログラムの挙動は、装置の性能をカスタマイズするために、ユーザーとの対話によってカスタマイズ可能であり得る。
【0172】
一態様では、例えば、器具208100などの外科用装置は、調整可能なアルゴリズムを用いたユーザー調整可能な制御によって制御してもよい。少なくとも1つの例において、外科用装置の適応パラメータを制御するためのGUIが開示される。ステープラは、組織によって提供される発射に対する抵抗に基づいて発射速度を調整する適応発射速度アルゴリズムを使用する。アルゴリズムにおける変数は、最低/最高速度、この範囲内の速度間隔の数、及び力パラメータが安全閾値を超えたときの発射の一時停止の持続時間を含む。これらの変数は、スケーラブルであるか、又は、例えばGUIを介して、ユーザーによって変更可能である。これらの入力は、ステープラの後続の発射応答のためのシステム閾値を通知する。
【0173】
一態様では、ローカル機器制御は、ユーザーがそれらの機能を調整することを可能にする。制御は、例えば、作動制御を電力供給された作動運動にリンクするための、スケーラブルな感度を有することができる。一態様では、ローカル機器制御は、ユーザーによって1つの機能から別の機能にまで再分類することができる(すなわち、制御は、第1の又はデフォルトの機能から第2の機能までマッピングすることができる)。
【0174】
一態様では、訓練済み学習(例えば、機械学習)を、装置(例えば、器具208100などの外科用器具、又はハブ(例えば102、202))の性能をカスタマイズする際に、ユーザー支援のために用いることができる。例えば、ユーザーは、装置がその直近の使用で提供した出力についての個人的意見を入力することができる。次いで、装置は、この追加情報を使用して、装置の制御された機能の性能をより良好に調整することができる。更に、ユーザーは、次に、装置の最初の使用に対する装置の第2回目の使用の相対的な性能についての意見を入力することができる。この訓練された挙動は、装置がその挙動だけでなく、所望の結果を自ら調整することを可能にする。例えば、より熟練した人のうちの1人は、その装置の性能/機能についての意見を入力して性能/機能を調整し、次いで、装置がこの改善された出力挙動を装置の他のユーザー全てに提示することを可能にすることができる。
【0175】
少なくとも1つの例において、医師が学習した又は設定した制限を公称値にオーバーライドすることを望むかどうかを医師が選択することを可能にするために、グラフィカルユーザーインターフェース又は任意の好適な制御インターフェースなどの制御インターフェースを提供することができる。換言すれば、ユーザーに、例えば、エンドエフェクタ208111などのエンドエフェクタを使用する前に、適応制御プログラムをリセットすることを促すか、又はリセットしたいかどうかを尋ねてもよい。そのようなリセットは、装置を製造者の推奨デフォルト状態に設定することができる。少なくとも1つの例において、適応制御プログラムの現在の状態は、ユーザー並びにその学習又は設定制限に示される。次いで、ユーザーは、このカスタマイズされた性能を利用したいかどうかを選択することができる。少なくとも1つの例において、適応制御プログラムの現在の状態の簡単な履歴をユーザーに示してもよい。例えば、次のユーザーが、適応制御プログラムが当該ユーザーが行う処置において使用するのに望ましい状態であるかどうかを決定することができるように、次のユーザーに、どの外科医が適応制御プログラムを使用しかつその制限に寄与したのか、及び/又はデータ集約中にどの手術室スタッフが関与して適応制御プログラムの現在の状態に到達したのかを示してもよい。そのようなオーバーライドは、エンドエフェクタ208111の使用前、使用後、及び/又は使用中に選択することができる。より具体的には、このようなオーバーライドは、エンドエフェクタ機能自体の作動中に選択することができる。そのような例では、外科医は、エンドエフェクタのリアルタイム事象及び/又は挙動に基づいて、発射中に適応制御プログラムの状態について考え直してもよく、適応制御プログラム及び/又は適応制御プログラムに設定された制限をオーバーライドしたいと思うかもしれない。
【0176】
少なくとも1つの例において、ユーザーに、制限が適応制御プログラムに設定される能力を完全に無効にする能力を与えてもよい。これに加えて、ユーザーに、適応制御プログラムの適応性を完全に無効にする能力を与えてもよく、これにより、例えば、エンドエフェクタ機能が作動及び/又は制御される方法に機械学習が影響を与えないという意味で、エンドエフェクタの機能の制御は、完全に手動で操作されることになる。
【0177】
少なくとも1つの例において、例えば、制御回路208103などの制御回路は、例えば、エンドエフェクタを使用したユーザーの挙動に基づいて、エンドエフェクタ208111などのエンドエフェクタのユーザーを識別するように構成することができる。そのような例では、適応制御プログラムは、上述のように適応することができ、制限は、上述の適応制御プログラム上で学習及び/又は設定することができる。制御回路が、異なるユーザーがエンドエフェクタ208111を使用していると判定した場合、新しいユーザーは、現在のエンドエフェクタ上の定位置に設定された適応制御プログラムを認識することができ、新しいユーザーに、現在の適応制御プログラムで継続することを望むかどうかを尋ねてもよい。少なくとも1つの例において、制御回路が、異なるユーザーがエンドエフェクタを使用していると判定した場合、適応制御プログラムは、新しいユーザーの下でのエンドエフェクタの使用が、エンドエフェクタの適応制御プログラム及び/又は適応制御プログラムの制限に影響を及ぼすのを排除してもよい。
【0178】
次に、ユーザー検出の利点の一例を説明する。例えば、予想したよりも厚い組織、及び組織がアンビルの組織停止部の端部に向かって傾斜している場合の組織の不均一な分布を検出することができる。これは、発射ストロークの開始時に発射部材の発射速度を減速させ、安定化待機期間を増加させることによって調整してもよい。組織がジョー内で規則正しくなりかつ平坦化するのを待つことは、より厚い組織を通して発射部材を前進させるのを助けることができる。同様の事象が生じているが、例えば、同じシナリオの間に異なるユーザーが器具208100などの器具を使用していることを制御回路が検出した場合、制御回路はユーザーに、改善された性能プログラムを使用することをユーザーが望むか、又はその学習した及び/又は設定された制限を有する適応制御プログラムを使用することをユーザーが望むか、あるいは、後続の処置で装置を使用する第1のユーザーの場合と同様に単にパラメータを自動調整するのではなく、標準適応制御プログラムを使用することをユーザーが望むかどうかを尋ねることができる。これは、様々なユーザーが同様の処置を実行するときに様々な好みを有するシナリオにおいて、利点を提供することができる。
【0179】
少なくとも1つの例において、ユーザーは、適応制御プログラムがその範囲内で適応することが可能であり得る値の範囲及び/又はウィンドウを定義及び/又は選択することができてもよい。図17を参照すると、許容された調整を微調整する選択肢がユーザーに提供されているディスプレイが示されている。すなわち、例えばユーザーが使用しようとしている又は使用しているエンドエフェクタ208111などのエンドエフェクタの適応制御プログラムは、エンドエフェクタの使用中に行うことが許可されている。例示の実施例では、ステープラは、組織によってもたらされる、発射部材が経験する抵抗に基づいて、発射速度を調整する適応発射速度アルゴリズム又はプログラムを使用する。図17に示されるGUI、及び制御回路208103などの対応する制御回路は、例えば、それと共に使用されるエンドエフェクタの性能のカスタマイズ性を可能にする。制限は、アルゴリズム内の様々な変数に対して設定してもよい。このような変数は、最低及び最高の速度調整、この範囲内の速度間隔の数、及び力パラメータが安全閾値を超えたときの発射の一時停止の持続時間を含む。適応発射速度アルゴリズム又は制御プログラムがその範囲内で調整を行うことが許可されているウィンドウを、ユーザーが手動で定義することができるように、これらの変数はスケーラブルである及び/又はユーザーによって変更可能である。少なくとも1つの例において、これらの入力は、後続の発射応答についてのシステム閾値を通知する。例示の実施例では、ディスプレイ208040及び208050は、内部で作動している適応発射速度プログラムの発射速度の範囲を調整するための第1のスライダと、ユーザーが適応発射速度に一時停止してもらいたい期間である一時停止の持続時間を調整するための第2のスライダと、ユーザーが設定範囲内で所望の速度間隔の量を規定することができる選択可能な変速段数オプションとを示している。各ディスプレイ208040及び208050上で異なる設定が選択される。
【0180】
少なくとも1つの例において、ユーザーは、例えば、装置の出力、したがって適応制御プログラムの性能及びその学習された制限についての意見を入力することが可能である。そのような調査は、全処置が完了した後、及び/又は装置を1週間使用した後に行ってもよい。別の例では、そのような調査は、耐用期間にわたる使用の後に行ってもよく、これにより、機械学習は、次のデバイスの制御プログラムにおいてこの調査データを使用して、制御機能の性能をより良好に調整することができるようになる。そのような意見は、例えば、1回の使用毎の及び/又は1回の処置毎の装置の性能に対応してもよい。この訓練された挙動は、装置が、その挙動だけでなく、所望の結果を自ら調整することを可能にする。これは、より熟練した人のうちの1人によって行われてもよく、次いで、装置が、この改善された出力及び挙動を装置の他のユーザーの全てに提示することを可能にする。
【0181】
図19は、ユーザーインターフェース208101と、ユーザーインターフェース208101から入力を受け取るように構成された制御回路208103とを備える外科用器具208100を示す。外科用器具208100は、モータドライバ208105と、モータドライバ208105によって駆動され、制御回路208103によって制御されるように構成されたモータ208107と、モータ208107によって駆動されるように構成された発射部材208111を備えるエンドエフェクタ208109と、を更に備える。少なくとも1つの例において、外科用器具208100の様々な構成要素は、例えば超音波外科用器具などのエネルギーベースの外科用器具と置き換えてもよい。制御回路208103などの本明細書に記載される制御回路は、任意の好適な装置によって給電される任意の好適なエンドエフェクタ機能又はパラメータを制御するように構成されている。少なくとも1つの例では、ユーザーインターフェース208101は、人間ベースの入力ではなく、コンピュータベースの入力を含む。例えば、そのようなコンピュータベースの入力は、例えば、外科用ハブ(例えば、102、202)から生じ得る。外科用器具208100は、本明細書に記載されるシステム、装置、及び/又は制御回路のいずれかと共に使用することができる。本明細書に記載される様々なシステム、装置、及び/又は制御回路は、外科患者を治療するために使用することができる。例示の実施例では、外科用ステープラは、発射部材208111などの発射部材を利用して、外科処置中に患者の組織を切断し、かつ/又は組織を通してステープルを駆動して組織を締結することができる。そのような例において、発射部材の改善された動作を提供することができる制御回路を提供することが有利であり得る。本明細書の制御回路のいずれも、このような利点を提供することができる。少なくとも1つの例において、発射部材208111は、例えばスレッドによって射出されるように構成された、モータ208107とステープルとの間に延在する発射アセンブリを含む。少なくとも1つの例において、発射部材208111は、例えばスレッドによって射出されるように構成された、モータ208107とステープルとの間に延在する発射アセンブリの1つ又は2つ以上の構成要素を含む。
【実施例0182】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
実施例1-外外科システムであって、エンドエフェクタを備える外科用器具であって、エンドエフェクタは、エンドエフェクタ機能を実施するように構成されている、外科用器具と、制御回路であって、エンドエフェクタ機能を制御し、かつエンドエフェクタ機能の制御を経時的に自動適応させることと、エンドエフェクタ機能の制御の自動適応を制限することと、を行うように構成されている制御回路とを、を備える、外科システム。
【0183】
実施例2-制御回路が、機械学習を使用してエンドエフェクタ機能の制御を自動適応させるように更に構成されている、実施例1に記載の外科システム。
【0184】
実施例3-自動適応が、外科用器具における感知されたパラメータに依存する、実施例1又は2に記載の外科システム。
【0185】
実施例4-感知されたパラメータが、外科用器具の以前の使用からの、以前に感知されたパラメータのセットを含む、実施例3に記載の外科システム。
【0186】
実施例5-前もって感知されたパラメータのセットが、特定のユーザーによる外科用器具の使用中に感知されたパラメータを含む、実施例4に記載の外科システム。
【0187】
実施例6-前もって感知されたパラメータのセットが、特定の場所において外科用器具を使用している間に感知されたパラメータを含む、実施例4又は5に記載の外科システム。
【0188】
実施例7-制御回路が、エンドエフェクタ機能の制御の自動適応を特定の調整範囲に制限するように更に構成されている、実施例1,2,3,4,5、又は6に記載の外科システム。
【0189】
実施例8-特定の調整範囲が、予め定められている、実施例7に記載の外科システム。
【0190】
実施例9-特定の調整範囲が、手動で調整可能である、実施例7又は8に記載の外科システム。
【0191】
実施例10-特定の調整範囲が、機械学習に基づいて制御回路によって自動調整される、実施例7、8、又は9に記載の外科システム。
【0192】
実施例11-制御回路が、エンドエフェクタ機能の制御の自動適応を最大閾値調整に制限するように更に構成されている、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10に記載の外科システム。
【0193】
実施例12-エンドエフェクタ機能の制御の自動適応を制限することが、使用毎ベースに基づく、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の外科システム。
【0194】
実施例13-エンドエフェクタ機能の制御の自動適応を制限することが、特定のユーザーに基づく、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12に記載の外科システム。
【0195】
実施例14-エンドエフェクタ機能の制御の自動適応を制限することが、外科用器具の特定の場所に基づく、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13に記載の外科システム。
【0196】
実施例15-外科システムであって、エンドエフェクタを備える外科用器具と、制御回路であって、エンドエフェクタのパラメータを制御することと、パラメータの制御を自動調整することと、パラメータの制御の自動調整を調整性ウィンドウに制限することと、を行うように構成されている制御回路と、を備える外科システム。
【0197】
実施例16-制御回路が、機械学習を使用してパラメータの制御を自動調整するように構成されている、実施例15に記載の外科システム。
【0198】
実施例17-調整性ウィンドウが、臨床医によって手動で選択可能である、実施例15又は16に記載の外科システム。
【0199】
実施例18-調整性ウィンドウが、機械学習に基づいて自動選択される、実施例15、16、又は17に記載の外科システム。
【0200】
実施例19-外科システムであって、エンドエフェクタを備える外科用器具と、制御回路であって、感知されたパラメータについての情報を受信することと、エンドエフェクタ機能を制御することと、感知されたパラメータに基づいて、エンドエフェクタ機能の制御を経時的に適応させることと、エンドエフェクタ機能の制御の適応を制限することと、を行うように構成されている制御回路と、を備える外科システム。
【0201】
実施例20-エンドエフェクタ機能の制御の適応を制限することが、エンドエフェクタ機能の制御の適応を適応能力の範囲に制限することを含む、実施例19に記載の外科システム。
【0202】
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の「特許請求の範囲」をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多数の修正、変形、変化、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって行われる機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料を使用してもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変化、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0203】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例を用いて装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実現することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。更に、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形式で1つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず用いられる。
【0204】
様々な開示された態様を実行するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ、又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって分配され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられてもよいが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意の種類の有形機械可読媒体が挙げられる。
【0205】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、用語「制御回路」は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理機構(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化してもよい。したがって、本明細書で使用するとき、「制御回路」としては、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路、及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題を、アナログ若しくはデジタルの形式又はこれらのいくつかの組み合わせで実現してもよいことを認識するであろう。
【0206】
本明細書の任意の態様で使用される場合、用語「論理」は、前述の動作のいずれかを実行するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指してもよい。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化してもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化してもよい。
【0207】
本明細書の任意の態様で使用するとき、用語「構成要素」、「システム」、「モジュール」などは、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのどちらかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0208】
本明細書の任意の態様で使用するとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、結合、比較、及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をなすことができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利なラベルである。
【0209】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられてもよい。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があってもよい。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があってもよい。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があってもよい。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であってもよい。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があってもよい。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0210】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」、「表示する」などの用語を使用する議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及び処理を指していることが理解されよう。
【0211】
1つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及されてもよい。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンドバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0212】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用されてもよいことが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0213】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0214】
更に、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ若しくは3つ以上の選択的な用語を表わすあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0215】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施されてもよいことを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンス(複数可)で示されているが、様々な動作は、例示されたもの以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0216】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機構、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」、及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の好適な手法で組み合わせてもよい。
【0217】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考として本明細書に組み込まれているあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0218】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利点が記載されてきた。1つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0219】
〔実施の態様〕
(1) 外科システムであって、
エンドエフェクタを備える外科用器具であって、前記エンドエフェクタは、エンドエフェクタ機能を実施するように構成されている、外科用器具と、
制御回路であって、
前記エンドエフェクタ機能を制御し、かつ前記エンドエフェクタ機能の前記制御を経時的に自動適応させることと、
前記エンドエフェクタ機能の前記制御の前記自動適応を制限することと、を行うように構成されている制御回路と、を備える外科システム。
(2) 前記制御回路は、機械学習を使用して前記エンドエフェクタ機能の前記制御を自動適応させるように更に構成されている、実施態様1に記載の外科システム。
(3) 前記自動適応は、前記外科用器具における感知されたパラメータに依存する、実施態様1に記載の外科システム。
(4) 前記感知されたパラメータは、前記外科用器具の以前の使用からの、前もって感知されたパラメータのセットを含む、実施態様3に記載の外科システム。
(5) 前記前もって感知されたパラメータのセットは、特定のユーザーによる前記外科用器具の使用中に感知されたパラメータを含む、実施態様4に記載の外科システム。
【0220】
(6) 前記前もって感知されたパラメータのセットは、特定の場所において前記外科用器具を使用している間に感知されたパラメータを含む、実施態様4に記載の外科システム。
(7) 前記制御回路は、前記エンドエフェクタ機能の前記制御の前記自動適応を特定の調整範囲に制限するように更に構成されている、実施態様1に記載の外科システム。
(8) 前記特定の調整範囲は、予め定められている、実施態様7に記載の外科システム。
(9) 前記特定の調整範囲は、手動で調整可能である、実施態様7に記載の外科システム。
(10) 前記特定の調整範囲は、機械学習に基づいて前記制御回路によって自動調整される、実施態様7に記載の外科システム。
【0221】
(11) 前記制御回路は、前記エンドエフェクタ機能の前記制御の前記自動適応を最大閾値調整に制限するように更に構成されている、実施態様1に記載の外科システム。
(12) 前記エンドエフェクタ機能の前記制御の前記自動適応を制限することは、使用毎ベースに基づく、実施態様1に記載の外科システム。
(13) 前記エンドエフェクタ機能の前記制御の前記自動適応を制限することは、特定のユーザーに基づく、実施態様1に記載の外科システム。
(14) 前記エンドエフェクタ機能の前記制御の前記自動適応を制限することは、前記外科用器具の特定の場所に基づく、実施態様1に記載の外科システム。
(15) 外科システムであって、
エンドエフェクタを備える外科用器具と、
制御回路であって、
前記エンドエフェクタのパラメータを制御することと、
前記パラメータの前記制御を自動調整することと、
前記パラメータの前記制御の前記自動調整を調整性ウィンドウに制限することと、を行うように構成されている制御回路と、を備える外科システム。
【0222】
(16) 前記制御回路は、機械学習を使用して前記パラメータの前記制御を自動調整するように構成されている、実施態様15に記載の外科システム。
(17) 前記調整性ウィンドウは、臨床医によって手動で選択可能である、実施態様15に記載の外科システム。
(18) 前記調整性ウィンドウは、機械学習に基づいて自動選択される、実施態様15に記載の外科システム。
(19) 外科システムであって、
エンドエフェクタを備える外科用器具と、
制御回路であって、
感知されたパラメータについての情報を受信することと、
エンドエフェクタ機能を制御することと、
前記感知されたパラメータに基づいて、前記エンドエフェクタ機能の前記制御を経時的に適応させることと、
前記エンドエフェクタ機能の前記制御の前記適応を制限することと、を行うように構成されている制御回路と、を備える外科システム。
(20) 前記エンドエフェクタ機能の前記制御の前記適応を制限することは、前記エンドエフェクタ機能の前記制御の前記適応を適応能力の範囲に制限することを含む、実施態様19に記載の外科システム。
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【外国語明細書】