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特開2023-179634画素構造、表示装置及び画素構造の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179634
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】画素構造、表示装置及び画素構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10K 59/122 20230101AFI20231212BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20231212BHJP
   H10K 50/856 20230101ALI20231212BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20231212BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20231212BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231212BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H10K59/122
H10K77/10
H10K50/856
H10K59/10
H10K71/00
G09F9/30 365
G09F9/30 349D
G09F9/30 349Z
G09F9/00 338
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174539
(22)【出願日】2023-10-06
(62)【分割の表示】P 2019567706の分割
【原出願日】2018-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ルジアン・ファンフ
(72)【発明者】
【氏名】シン・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ジェン・リウ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ファン
(72)【発明者】
【氏名】リャンジャン・リ
(57)【要約】
【課題】画素構造、表示装置及び画素構造の製造方法を提供する。
【解決手段】この画素構造は、ベース基板と、ベース基板上に位置する絶縁アイランドと、絶縁アイランドのベース基板から離れた側に位置する発光素子と、ベース基板上に位置し、絶縁アイランドを囲む絶縁層であって、溝を介して絶縁アイランドと離間している絶縁層と、発光素子の周囲を囲む絶縁層の側面に位置し、発光素子から横方向に射出された光を反射して画素構造の発光面から出射させるように構成された反射層とを備える。ベース基板の主表面に対する絶縁層の高さは、ベース基板の主表面に対する絶縁アイランドの高さより大きい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、
前記ベース基板上に位置する絶縁アイランドと、
前記絶縁アイランドの前記ベース基板から離れた側に位置する発光素子と、
前記ベース基板上に位置し、前記絶縁アイランドを囲む絶縁層であって、溝を介して前記絶縁アイランドと離間している絶縁層と、
前記発光素子の周囲を囲む前記絶縁層の側面に位置し、前記発光素子から横方向に射出された光を反射して前記画素構造の発光面から出射させるように構成された反射層とを備える画素構造であって、
前記ベース基板の主表面に対する前記絶縁層の高さは、前記ベース基板の主表面に対する前記絶縁アイランドの高さより大きく、
画素定義層は、少なくとも部分的に前記溝内に位置し、前記絶縁層及び前記反射層を前記絶縁アイランドと離間させる、画素構造。
【請求項2】
前記発光素子は、前記絶縁アイランド上に位置し、前記画素定義層が前記絶縁アイランドから離れた側に位置する第1の電極と、前記溝内に位置する前記画素定義層の前記第1の電極から離れた側に位置する発光層と、前記発光層の前記第1の電極から離れた側に位置する第2の電極とを備える、請求項1に記載の画素構造。
【請求項3】
前記ベース基板の主表面に対する前記絶縁層の高さは、前記ベース基板の主表面に対する前記第1の電極と前記第2の電極との間に挟まれた領域に位置する前記発光層の高さより大きい、請求項2に記載の画素構造。
【請求項4】
前記ベース基板上の前記溝内に位置する前記画素定義層の正射影は、前記ベース基板上の前記発光層の正射影と重なる、請求項1に記載の画素構造。
【請求項5】
前記発光層及び前記第1の電極は、いずれも前記反射層から切断されている、請求項1に記載の画素構造。
【請求項6】
前記画素定義層は、前記反射層を介して前記絶縁層と離間している、請求項1に記載の画素構造。
【請求項7】
前記絶縁アイランドは、前記ベース基板と反対側の第1の側と、前記第1の側と対向し前記ベース基板に面する第2の側と、前記第1の側と前記第2の側とを接続する第3の側とを有し、
前記絶縁アイランドの第3の側は、前記絶縁アイランドの第2の側に対して90度より大きい傾斜角度を有する、請求項1に記載の画素構造。
【請求項8】
前記絶縁アイランドは、前記ベース基板から離れた側に位置する第1の側と、前記第1の側と対向し前記ベース基板に近い側に位置する第2の側と、前記第1の側と前記第2の側とを接続する第3の側とを有し、
前記絶縁アイランドの前記第3の側は、前記絶縁アイランドの前記第2の側に対して90度より小さい傾斜角度を有する、請求項1に記載の画素構造。
【請求項9】
前記絶縁層は、前記ベース基板から離れた側に位置する第1の側と、前記第1の側と対向し前記ベース基板に近い側に位置する第2の側と、前記第1の側と前記第2の側とを接続する第3の側とを有し、
前記絶縁層の前記第3の側は、前記絶縁層の前記第2の側に対して約90度より小さい傾斜角度を有する、請求項1に記載の画素構造。
【請求項10】
前記絶縁層の前記第3の側は、少なくとも前記絶縁層の一部に対応する領域において平坦であり、前記ベース基板の主表面に対する前記絶縁層の当該一部の高さは、前記ベース基板の主表面に対する前記絶縁アイランドの高さより大きい、請求項1に記載の画素構造。
【請求項11】
前記反射層は、前記溝内で前記ベース基板と直接接触する、請求項1に記載の画素構造。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項に記載の画素構造を備える、表示装置。
【請求項13】
ベース基板上に絶縁アイランドを形成することと、
前記絶縁アイランドの前記ベース基板から離れた側に発光素子を形成することと、
前記ベース基板上に、前記絶縁アイランドを囲む絶縁層を形成し、前記絶縁層は溝を介して前記絶縁アイランドと離間されていることと、
前記発光素子の周囲を囲む前記絶縁層の側面に、前記発光素子から横方向に射出された光を反射して前記画素構造の発光面から出射させるように構成された反射層を形成することとを含み、
前記ベース基板の主表面に対する前記絶縁層の高さは、前記ベース基板の主表面に対する前記絶縁アイランドの高さより大きくなるように形成され、
画素定義層を、少なくとも部分的に前記溝内に形成することにより、前記絶縁層及び前記反射層を前記絶縁アイランドと離間させることをさらに含む、画素構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示技術に関し、特に、画素構造、表示装置及び画素構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)表示装置は自発光型デバイスであり、バックライトを必要としない。また、従来の液晶表示(LCD)装置と比べ、OLED表示装置は色が一層鮮やかで色域がより広い。さらに、OLED表示装置は、典型的なLCDより柔軟で、薄く、軽く作製することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの方面において、本発明は、ベース基板と、ベース基板上に位置する絶縁アイランドと、絶縁アイランドのベース基板から離れた側に位置する発光素子と、ベース基板上に位置し、絶縁アイランドを囲む絶縁層であって、溝を介して絶縁アイランドと離間している絶縁層と、発光素子の周囲を囲む絶縁層の側面に位置し、発光素子から横方向に射出された光を反射して画素構造の発光面から出射させるように構成された反射層とを備える画素構造であって、ベース基板の主表面に対する絶縁層の高さは、ベース基板の主表面に対する絶縁アイランドの高さより大きい、画素構造を提供する。
【0004】
或いは、発光素子は、第1の電極と、第1の電極上に位置する発光層と、発光層の第1の電極から離れた側に位置する第2の電極とを備え、第1の電極は反射層から切断され、ベース基板の主表面に対する絶縁層の高さは、ベース基板の主表面に対する第1の電極と第2の電極との間に挟まれた領域に位置する発光層の高さより大きくてもよい。
【0005】
或いは、画素構造は、画素開口を定義する画素定義層をさらに備え、発光層は画素開口内に位置し、画素定義層は、第1の電極の絶縁アイランドから離れた側に位置してもよい。
【0006】
或いは、画素定義層は、少なくとも部分的に溝内に位置し、絶縁層及び反射層を絶縁アイランドと離間させてもよい。
【0007】
或いは、画素定義層は、実質的に溝の外側に位置し、第2の電極及び発光層は、溝内に延在してもよい。
【0008】
或いは、画素定義層は絶縁層と離間していてもよい。
【0009】
或いは、絶縁アイランドは、ベース基板と反対側の第1の側と、第1の側と対向しベース基板に面する第2の側と、第1の側と第2の側とを接続する第3の側とを有し、絶縁アイランドの第3の側は、絶縁アイランドの第2の側に対して約90度より大きい傾斜角度を有してもよい。
【0010】
或いは、絶縁アイランドは、ベース基板と反対側の第1の側と、第1の側と対向しベース基板に面する第2の側と、第1の側と第2の側とを接続する第3の側とを有し、発光層及び第2の電極は、絶縁アイランドの第3の側を少なくとも部分的に覆ってもよい。
【0011】
或いは、絶縁層は、ベース基板と反対側の第1の側と、第1の側と対向しベース基板に面する第2の側と、第1の側と第2の側とを接続する第3の側とを有し、反射層は絶縁層の第3の側に位置してもよい。
【0012】
或いは、第3の側は、少なくとも絶縁層の一部に対応する領域において実質的に平坦であり、ベース基板の主表面に対する絶縁層の当該一部の高さは、ベース基板の主表面に対する絶縁アイランドの高さより大きくてもよい。
【0013】
或いは、絶縁層の第3の側は、絶縁層の第2の側に対して約90度より小さい傾斜角度を有してもよい。
【0014】
或いは、反射層は、溝内でベース基板と直接接触してもよい。
【0015】
或いは、発光素子は、第1の電極と、第1の電極上に位置する有機発光層と、有機発光層の第1の電極から離れた側に位置する第2の電極とを備える有機発光ダイオードであってもよい。
【0016】
別の方面において、本発明は、本明細書で述べる画素構造又は本明細書で述べる方法により製造された画素構造を備える表示装置を提供する。
【0017】
別の方面において、本発明は、ベース基板上に絶縁アイランドを形成することと、絶縁アイランドのベース基板から離れた側に発光素子を形成することと、ベース基板上に、絶縁アイランドを囲む絶縁層を形成し、絶縁層は溝を介して絶縁アイランドと離間されていることと、発光素子の周囲を囲む絶縁層の側面に、発光素子から横方向に射出された光を反射して画素構造の発光面から出射させるように構成された反射層を形成することとを含み、ベース基板の主表面に対する絶縁層の高さは、ベース基板の主表面に対する絶縁アイランドの高さより大きくなるように形成される、画素構造の製造方法を提供する。
【0018】
或いは、発光素子を形成することは、第1の電極を形成することと、第1の電極上に発光層を形成することと、発光層の第1の電極から離れた側に第2の電極を形成することとを含み、第1の電極は反射層から切断されるように形成され、ベース基板の主表面に対する絶縁層の高さは、ベース基板の主表面に対する第1の電極と第2の電極との間に挟まれた領域に位置する発光層の高さより大きく、第1の電極を形成した後、画素開口を定義する画素定義層を形成することをさらに含み、発光層は画素開口内に形成され、画素定義層は、第1の電極の絶縁アイランドから離れた側に形成されてもよい。
【0019】
或いは、反射層及び第1の電極は、同一のパターニングステップで同一の電極材料を用いて形成されてもよい。
【0020】
或いは、絶縁アイランドは、ベース基板と反対側の第1の側と、第1の側と対向しベース基板に面する第2の側と、第1の側と第2の側とを接続する第3の側とを有するように形成され、絶縁アイランドの第3の側は、絶縁アイランドの第2の側に対して約90度より大きい傾斜角度を有し、反射層と第1の電極とを形成することは、絶縁アイランドと絶縁層との上に電極材料層を積層することを含み、電極材料層は溝において中断されて、反射層を第1の電極から分離してもよい。
【0021】
或いは、画素定義層は、少なくとも部分的に溝内に形成されて、絶縁層及び反射層を絶縁アイランドと離間させてもよい。
【0022】
或いは、画素定義層は、実質的に溝の外側に形成され、第2の電極及び発光層は、溝内に延在するように形成されてもよい。
【0023】
以下の図面は開示する様々な実施形態の例にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来の画素構造の一部の構造を示す模式図である。
図2A】本開示のいくつかの実施形態における画素構造を示す模式図である。
図2B】本開示のいくつかの実施形態における画素構造を示す模式図である。
図2C】本開示のいくつかの実施形態における画素構造を示す模式図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の一部の構造を示す模式図である。
図4A】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の絶縁アイランドを示す模式図である。
図4B】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の絶縁アイランドを示す模式図である。
図5A】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。
図5B】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。
図5C】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。
図5D】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。
図6A】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。
図6B】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。
図6C】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。
図6D】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。
図7A】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。
図7B】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。
図7C】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。
図7D】本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、実施形態を参照しつつ、本開示について具体的に説明する。なお、いくつかの実施形態に関する以下の説明は例示及び説明としてのものにすぎない。開示されるそのままの形態は全てを網羅している訳ではなく、また、本開示はこれらに限定されるものでもない。
【0026】
図1は、表示基板のサブ画素におけるサブ画素領域とサブ画素間領域との間のインターフェースにおける、関連する画素構造の一部の構造を示す模式図である。図1を参照すると、関連画素構造はインターフェースにおいて、第1の絶縁層21’と、第1の絶縁層21’上に位置する第2の絶縁層22’と、第2の絶縁層22’の側面に位置する反射層40’と、第2の絶縁層22’及び反射層40’の第1の絶縁層21’から離れた側に位置する画素定義層30’とを備える。発光素子の屈折率(例えば、有機発光ダイオードにおける有機機能層の屈折率)は、外部媒体(例えば、空気又はパッシベーション層)の屈折率よりはるかに大きい。その結果、出射光の入射角が一定の範囲内にある場合に限り、発光素子から射出される光を画素構造の発光面から出射させることができる。入射角が一定の範囲外である発光素子から射出された光は、発光素子と外部媒体との間のインターフェースで全反射する。全反射した光は、出射光を導く導波路として機能する発光素子の内部を伝送する。発光素子と画素定義層30’の屈折率が似ているため、発光素子と画素定義層30’との間のインターフェースでは、発光素子から画素定義層30’に光が伝送し続ける。
【0027】
画素定義層30’の内部の光ビームは、導波路として機能する画素定義層30’を透過し続ける。反射層40’がない場合、光ビームは、横方向(例えば、画素構造の有効な表示に必要とされる発光方向と実質的に垂直)に沿って第2の絶縁層22’に伝送される。横方向に伝送した光は、最終的に画素構造内で散乱され、光漏れやエネルギーの浪費を招いてしまう。
【0028】
図1の反射層40’は、発光素子から横方向に射出された光を反射して画素構造の発光面から出射させるためのものである。しかしながら、第2の絶縁層22’を形成する際、第2の絶縁層22’のパターニング後に第2の絶縁層22’の側面に残留する残留物のために、第2の絶縁層22’の側面に実質的に平坦な表面を有する鋭いエッジを設けることは一般的にできない。その結果、第2の絶縁層22’の側面は、一般に、図1に示すような湾曲する表面を有する。
【0029】
次いで、第2の絶縁層22’の側面に反射層40’を形成する。第2の絶縁層22’の側面は曲面を有するため、反射層40’も曲面を有する。発光素子から射出される光が画素定義層30’を横方向に透過すると反射層40’の曲面によって反射され、光路が実質的に反射層40’の表面に沿って湾曲する。その結果、発光素子から横方向に射出された光は、反射層40’によって反射されて画素構造の発光面から出射せずに、画素構造の内部(例えば、図1に示す画素定義層30’の内部)を横方向に伝送し続けて光漏れが発生する。
【0030】
そこで、本開示は、特に、関連技術における制限及び欠点に起因する1つ以上の課題を実質的に解消する、画素構造、表示装置及び画素構造の製造方法を提供する。1つの方面において、本開示は新規な画素構造を提供する。いくつかの実施形態において、画素構造は、ベース基板と、ベース基板上に位置する絶縁アイランドと、絶縁アイランドのベース基板から離れた側に位置する発光素子と、ベース基板上に位置し、絶縁アイランドを囲む絶縁層であって、溝を介して絶縁アイランドと離間している絶縁層と、発光素子の周囲を囲む絶縁層の側面に位置し、発光素子から横方向に射出された光を反射して画素構造の発光面から出射させるように構成された反射層とを備える。或いは、ベース基板の主表面に対する絶縁層の高さは、ベース基板の主表面に対する絶縁アイランドの高さより大きくてもよい。
【0031】
図2Aから2Cは、本開示のいくつかの実施形態における画素構造を示す模式図である。図2Aから2Cを参照すると、いくつかの実施形態における画素構造は、ベース基板10と、ベース基板10上に位置する絶縁アイランド21と、絶縁アイランド21のベース基板10から離れた側に位置する発光素子50と、ベース基板10上に位置し、絶縁アイランド21を囲む絶縁層22とを備える。本開示の画素構造において、絶縁層22は、溝Gを介して絶縁アイランド21と離間している。この画素構造は、発光素子50の周囲を囲む絶縁層22の側面に位置し、発光素子50から横方向に射出された光を反射して画素構造の発光面から出射させるように構成された反射層40をさらに備える。ベース基板10の主表面Mに対する絶縁層22の高さh1は、ベース基板10の主表面Mに対する絶縁アイランド21の高さh2より大きい。或いは、絶縁層22は、少なくとも溝G内の反射層40を介して絶縁アイランド21と離間されてもよい。或いは、画素構造40は、例えば、中間構造又は構成要素を介さずに、溝G内でベース基板10と直接接触してもよい。
【0032】
図2Aから2Cを参照すると、絶縁層22は、ベース基板10と反対側の第1の側S1と、第1の側S1と対向しベース基板10に面する第2の側S2と、第1の側S1と第2の側S2とを接続する第3の側S3とを有する。第3の側S3は、絶縁アイランド21の周囲及び発光素子50の周囲に面する側である。発光素子50の周囲を囲む絶縁層22の側面は第3の側S3を指す。或いは、反射層40は絶縁層22の第3の側S3に位置してもよい。或いは、反射層40は、絶縁層22の第3の側S3を完全に覆ってもよい。図2Aから2Cを参照すると、いくつかの実施形態において、絶縁層22の第3の側S3は、絶縁層22の第2の側S2に対して約90度未満、例えば、80度未満、70度未満、60度未満、50度未満、40度未満、30度未満の傾斜角度を有する。
【0033】
いくつかの実施形態において、絶縁アイランド21のベース基板10上の正射影は、絶縁層22のベース基板10上の正射影と実質的に重ならない。本明細書において「実質的に重ならない」という用語は、2つの正射影が少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%及び100%)重ならないことをいう。或いは、絶縁アイランド21のベース基板10上の正射影は、発光素子50のベース基板10上の正射影と少なくとも一部重なってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態において、発光素子は、第1の電極51と、第1の電極51上に位置する発光層52と、発光層52の第1の電極51から離れた側に位置する第2の電極53とを備えている。或いは、第1の電極51と第2の電極53との間の短絡を防止するために、第1の電極51を反射層40から切断してもよい。或いは、ベース基板10の主表面Mに対する絶縁層22の高さh1は、ベース基板10の主表面Mに対する第1の電極51と第2の電極53との間に挟まれた領域に位置する発光層52の高さh3より大きくてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、画素構造は画素開口を定義する画素定義層30をさらに備え、発光層は画素開口内に位置する。図2Aから2Cを参照すると、一部の実施形態では、画素定義層30は、第1の電極51の絶縁アイランド21から離れた側に位置する。図2A及び図2Bを参照すると、いくつかの実施形態において、画素定義層30は、少なくとも部分的に溝G内に位置する。或いは、絶縁層22は、少なくとも溝G内の画素定義層30及び反射層40によって絶縁アイランド21と離間されてもよい。或いは、溝G内の画素定義層30は、絶縁層22及び反射層40を絶縁アイランド21と離間させてもよい。図2Cを参照すると、いくつかの実施形態において、画素定義層30は、実質的に溝Gの外側にある。或いは、第2の電極53及び発光層52は、溝G内に延在してもよい。画素定義層30は、例えば、少なくとも溝G内の反射層40によって絶縁層22と離間される。
【0036】
図3は、本開示のいくつかの実施形態における画素構造の一部の構造を示す模式図である。図3を参照すると、絶縁層22の側面に形成された反射層40は、絶縁アイランド21と離間し絶縁アイランド21より高い絶縁層22により、発光素子から横方向に射出された光を反射して画素構造の発光面から出射させるための実質的に平坦な表面を有することになる。図3に示すように、絶縁層22の第3の側は、第1のサブ側S3-1及び第2のサブ側S3-2を含む。第1のサブ側S3-1は、絶縁層22の第1の部分22-1に対応する領域に位置し、ベース基板10の主表面Mに対する当該第1の部分22-1の高さは、ベース基板10の主表面Mに対する絶縁アイランド21の高さh2以下である。第2のサブ側S3-2は、絶縁層22の第2の部分22-2に対応する領域に位置し、ベース基板10の主表面Mに対する当該第2の部分22-2の高さは、ベース基板10の主表面Mに対する絶縁アイランド21の高さh2より大きい。図3を参照すると、第3の側は、少なくとも絶縁層22の一部に対応する領域において実質的に平坦であり、ベース基板10の主表面Mに対する絶縁層22の当該部分の高さは、ベース基板10の主表面Mに対する絶縁アイランド21の高さh2より大きい。例えば、少なくとも第2のサブ側S3-2は実質的に平坦である。
【0037】
絶縁層22を形成する際、絶縁層22をパターニングした後に、絶縁層22の側面に残材が残ったとしても、絶縁層22の第1のサブ側S3-1に残材が実質的に残るが、絶縁アイランド21の上に画素定義層30が設けられているので、発光素子から横方向に射出された光が画素定義層30を介して残材に照射されることはない。したがって、第1のサブ側S3-1の反射層40の曲面は、画素定義層30を介して発光素子から横方向に射出された光を反射するように構成されない。これに対して、図3を参照すると、発光素子から横方向に射出された光ビームは、画素定義層30を通って実質的に平坦な第2のサブ側S3-2に照射され、画素構造の発光面から射出される方向に沿って反射される。本明細書において「実質的に平坦」という用語は、10度未満、例えば、7.5度未満、5度未満、2.5度未満、1度未満、及びゼロ度に等しい曲率を有する表面をいう。
【0038】
図4Aは、本開示のいくつかの実施形態における画素構造の絶縁アイランドを示す模式図である。図4A及び2Bを参照すると、いくつかの実施形態において、絶縁アイランド21は、ベース基板10と反対側の側S1’と、側S1’と対向しベース基板10に面する側S2’と、側S1’と側S2’とを接続する側S3’とを有する。図4Aを参照すると、いくつかの実施形態において、絶縁アイランド21の側S3’は、絶縁層21の側S2’に対して約90度より大きい、例えば、100度より大きく、110度より大きく、120度より大きく、130度より大きく、140度より大きく、150度より大きい傾斜角度αを有する。図2Bを参照すると、いくつかの実施形態において、溝Gは基板10に実質的に垂直な平面に沿った断面を有し、当該断面は実質的に平行四辺形の形状を有する。
【0039】
図4Bは、本開示のいくつかの実施形態における画素構造の絶縁アイランドを示す模式図である。図4B図2A及び2Cを参照すると、いくつかの実施形態において、絶縁アイランド21は、ベース基板10と反対側の側S1’と、側S1’と対向しベース基板10に面する側S2’と、側S1’と側S2’とを接続する側S3’とを有する。図4Bを参照すると、いくつかの実施形態において、絶縁アイランド21の側S3’は、絶縁アイランド21の側S2’に対して約90度未満、例えば、80度未満、70度未満、60度未満、50度未満、40度未満及び30度未満の傾斜角度αを有する。図2A及び図2Cを参照すると、いくつかの実施形態において、溝Gはベース基板10に実質的に垂直な平面に沿った断面を有し、当該断面は逆台形の形状を有する。図4B及び図2Cを参照すると、いくつかの実施形態において、発光層52及び第2の電極53は、絶縁アイランド21の側S3’を少なくとも部分的に覆っている。
【0040】
いくつかの実施形態において、発光素子は、第1の電極(例えば、アノード)と、第1の電極上に位置する有機発光層と、有機発光層の第1の電極から離れた側に位置する第2の電極(例えば、カソード)とを備える有機発光ダイオードである。
【0041】
別の方面において、本開示は画素構造の製造方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、ベース基板上に絶縁アイランドを形成することと、絶縁アイランドのベース基板から離れた側に発光素子を形成することと、ベース基板上に、絶縁アイランドを囲む絶縁層を形成し、絶縁層は溝を介して絶縁アイランドと離間されていることと、発光素子の周囲を囲む絶縁層の側面に、発光素子から横方向に射出された光を反射して画素構造の発光面から出射させるように構成された反射層を形成することとを含む。或いは、ベース基板の主表面に対する絶縁層の高さは、ベース基板の主表面に対する絶縁アイランドの高さより大きくなるように形成されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、発光素子を形成するステップは、第1の電極を形成することと、第1の電極上に発光層を形成することと、発光層の第1の電極から離れた側に第2の電極を形成することとを含む。或いは、第1の電極は反射層から切断されるように形成されてもよい。或いは、絶縁アイランド及び絶縁層は、ベース基板の主表面に対する絶縁層の高さが、ベース基板の主表面に対する第1の電極と第2の電極との間に挟まれた領域に位置する発光層の高さより大きくなるように形成されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、この方法は、画素開口を定義する画素定義層を形成することをさらに含む。発光層は画素開口内に形成され、画素定義層は第1の電極の絶縁アイランドから離れた側に形成される。
【0044】
いくつかの実施形態において、反射層及び第1の電極は、同一のパターニングステップで同一の電極材料を用いて形成される。
【0045】
いくつかの実施形態において、絶縁アイランドは、ベース基板と反対側の第1の側と、第1の側と対向しベース基板に面する第2の側と、第1の側と第2の側とを接続する第3の側とを有するように形成される。或いは、絶縁アイランドの第3の側は、絶縁アイランドの第2の側に対して約90度より大きい傾斜角度を有する。或いは、反射層と第1の電極とを形成することは、絶縁アイランドと絶縁層との上に電極材料層を積層することを含み、電極材料層は溝において中断されて、反射層を第1の電極から分離してもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、画素定義層を少なくとも部分的に溝内に形成して、絶縁層及び反射層を絶縁アイランドと離間させる。
【0047】
いくつかの実施形態において、画素定義層は実質的に溝の外側に形成され、第2の電極及び発光層は溝内に延びるように形成される。
【0048】
図5Aから5Dは、本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。図5Aを参照すると、ベース基板10上に絶縁アイランド21が形成されている。或いは、絶縁アイランド21は、ベース基板10上に絶縁材料層を塗布し、次いで、露光、現像を含むリソグラフィ処理により、絶縁材料層をパターニングして形成してもよい。図5Bを参照すると、絶縁アイランド21を形成した後、ベース基板10上に絶縁層22を形成している。絶縁層22は、絶縁アイランド21を囲むように形成され、絶縁層22は、溝Gを介して絶縁アイランド21と離間している。ベース基板10の主表面Mに対する絶縁層22の高さh1は、ベース基板10の主表面Mに対する絶縁アイランド21の高さh2より大きくなるように形成されている。図5Cを参照すると、反射層40及び第1の電極51は、同一の材料及び同一のマスク板を用いて単一のパターニングステップで形成される。反射層40は、絶縁アイランド21の周囲を囲む絶縁層22の側面に形成されている。第1の電極51は絶縁アイランド21上に形成され、絶縁アイランド21のベース基板10上の正射影は、第1の電極51のベース基板10上の正射影を実質的に覆う。第1の電極51は反射層40から切断されるように形成される。
【0049】
様々な適切な反射導電材料及び様々な適切な製造方法により金属電極セグメントを作製してよい。例えば、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)処理によって反射導電材料を基板上に積層してもよい。適切な反射導電材料の例としては、銅、アルミニウム、銀、モリブデン、クロム、ネオジム、ニッケル、マンガン、チタン、タンタル及びタングステン等の金属材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
様々な適切な絶縁材及び様々な適切な製造方法により絶縁アイランド及び絶縁層を作製してよい。例えば、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)処理によって絶縁材を基板上に積層してもよい。適切な絶縁材の例としては、ポリイミド、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN、例えばSi)及び酸窒化ケイ素(SiO)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
図5Cを参照すると、第1の電極51を形成した後、第1の電極51の絶縁アイランド21から離れた側に、画素開口を定義するための画素定義層30を形成している。この例では、画素定義層30は溝G内に延在するように形成されるが、画素定義層30は絶縁層22と直接接触しない。むしろ、画素定義層30は、溝G内の反射層40によって絶縁層22と離間するように形成される。
【0052】
様々な適切な絶縁材及び様々な適切な製造方法により画素定義層を作製してよい。例えば、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)処理によって絶縁材を基板上に積層してもよい。適切な絶縁材の例としては、ポリイミド、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN、例えばSi)及び酸窒化ケイ素(SiO)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
図5Dを参照すると、画素定義層30を形成した後、第1の電極51の絶縁アイランド21から離れた側に発光層52を形成し、発光層52の第1の電極51から離れた側に第2の電極53を形成している。或いは、第2の電極53は、画素構造の発光面を実質的に覆うように形成されてもよい。
【0054】
様々な適切な反射導電材料及び様々な適切な製造方法により第2の電極を作製してよい。例えば、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)処理によって透明導電材料を基板上に積層してもよい。適切な透明導電材料の例としては、様々な透明金属電極材料、透明金属酸化物電極材料及び透明カーボンナノチューブが挙げられるが、これらに限定されない。透明金属電極材料の例としては、銀及びマグネシウム/銀の合金又は積層体が挙げられる。透明金属酸化物電極材料の例としては、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム酸化物及びインジウムガリウム亜鉛酸化物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
或いは、発光層52は有機発光層であってもよい。図5Dに示すように、発光素子50から横方向に射出された光は、反射層40によって画素構造の発光面から射出する方向に沿って反射される(光ビームは矢印で示した)。
【0056】
図5Aから5Dにおいて、絶縁アイランド21及び絶縁層22は、ポジ型のフォトレジスト材料を用いて形成してもよく、絶縁アイランド21及び絶縁層22は、オーバーカットプロフィールを有するように形成され、例えば、絶縁アイランド21及び絶縁層22は、ベース基板10に実質的に垂直な平面に沿った断面を有し、当該断面は台形の形状を有するように形成される。
【0057】
図6A~6Dは、本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。図6Aを参照すると、ベース基板10上に絶縁アイランド21が形成されている。本実施形態において、絶縁アイランド21はアンダーカットプロフィールを有するように形成されている。例えば、絶縁アイランド21は、ベース基板10上にネガ型のフォトレジスト材料を塗布することにより形成してもよい。次に、露光及び現像を含むネガ型のフォトレジスト材料層をパターニングするためのリソグラフィ処理により、ネガ型のフォトレジスト材料層をパターニングして、アンダーカットプロフィールを有する絶縁アイランド21を形成し、例えば、絶縁アイランド21は、ベース基板10に実質的に垂直な平面に沿った断面を有し、当該断面は逆台形の形状を有するように形成される。
【0058】
図6Bを参照すると、絶縁アイランド21が形成された後、ベース基板10上に絶縁層22が形成されている。絶縁層22は、ベース基板10上にポジ型のフォトレジスト材料層を塗布することにより、ポジ型のフォトレジスト材料を用いて形成してもよい。絶縁層22は、オーバーカットプロフィールを有するように形成されており、例えば、絶縁層22は、ベース基板10に実質的に垂直な平面に沿った断面を有し、当該断面は台形の形状を有するように形成される。絶縁層22は、絶縁アイランド21を囲むように形成され、絶縁層22は、溝Gを介して絶縁アイランド21と離間している。図6Bを参照すると、いくつかの実施形態において、溝Gは、ベース基板10に実質的に垂直な平面に沿った断面を有し、当該断面は実質的に平行四辺形の形状を有する。ベース基板10の主表面Mに対する絶縁層22の高さh1は、ベース基板10の主表面Mに対する絶縁アイランド21の高さh2より大きくなるように形成されている。
【0059】
図6Cを参照すると、反射層40及び第1の電極51は、同一の材料及び同一のマスク板を用いて単一のパターニングステップで形成されている。反射層40は、絶縁アイランド21の周囲を囲む絶縁層22の側面に形成されている。第1の電極51は絶縁アイランド21上に形成され、絶縁アイランド21のベース基板10上の正射影は、第1の電極51のベース基板10上の正射影を実質的に覆う。第1の電極51は反射層40から切断されるように形成されている。本実施形態では、溝Gが実質的に平行四辺形状の断面を有し、絶縁アイランド21がアンダーカットプロフィールを有するため、基板上に積層される際に、反射層40及び第1の電極51を形成するための導電性材料が溝Gで自ずと途切れ、反射層40が第1の電極51から分離される。
【0060】
図6Cを参照すると、第1の電極51を形成した後、第1の電極51の絶縁アイランド21から離れた側に、画素開口を定義するための画素定義層30を形成している。この例では、画素定義層30は溝G内に延在するように形成されるが、画素定義層30は絶縁層22と直接接触しない。むしろ、画素定義層30は、溝G内の反射層40によって絶縁層22と離間するように形成される。
【0061】
図6Dを参照すると、画素定義層30を形成した後、第1の電極51の絶縁アイランド21から離れた側に発光層52を形成し、発光層52の第1の電極51から離れた側に第2の電極53を形成している。或いは、第2の電極53は、画素構造の発光面を実質的に覆うように形成されてもよい。図6Dに示すように、発光素子50から横方向に射出された光は、反射層40によって画素構造の発光面から射出する方向に沿って反射される(光ビームは矢印で示した)。
【0062】
図7A~7Dは、本開示のいくつかの実施形態における画素構造の製造方法を示したものである。図7A及び図7Bに示す処理は、それぞれ図5A及び5Bのそれと非常に似ている。図7Cを参照すると、第1の電極51を形成した後、第1の電極51の絶縁アイランド21から離れた側に、画素開口を定義するための画素定義層30を形成している。この例では、画素定義層30は実質的に溝Gの外側に形成される。したがって、画素定義層30は、反射層40を覆うことなく、絶縁アイランド21上の第1の電極51の周辺を覆う領域に限定されて形成される。画素定義層30は、溝G内の反射層40によって絶縁層22と離間するように形成される。
【0063】
図7Dを参照すると、画素定義層30を形成した後、第1の電極51の絶縁アイランド21から離れた側に発光層52を形成し、発光層52の第1の電極51から離れた側に第2の電極53を形成している。この例では、発光層52及び第2の電極53は溝G内に延在するように形成される。或いは、第2の電極53は、画素構造の発光面を実質的に覆うように形成されてもよい。図7Dに示すように、発光素子50から横方向に射出された光は、反射層40によって画素構造の発光面から射出する方向に沿って反射される(光ビームは矢印で示した)。
【0064】
別の方面において、本開示は本明細書で述べる画素構造又は本明細書で述べる方法により製造された画素構造を有する表示基板を提供する。別の方面において、本開示は本明細書で述べる画素構造又は本明細書で述べる方法により製造された画素構造を有する表示パネルを提供する。別の方面において、本開示は本明細書で述べる画素構造又は本明細書で述べる方法により製造された画素構造を有する表示装置を提供する。或いは、表示装置は有機発光ダイオード表示装置であってもよい。適切な表示装置の例としては、電子ペーパー、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、モニタ、ノートブックコンピュータ、デジタルアルバム、GPSなど等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
本発明の実施形態に関する以上の記述は、例示及び説明を目的とする。開示されるそのままの形態或いは開示した例示的な実施形態は全てを網羅している訳ではなく、また、本発明はこれらに限定されるものでもない。それ故、上記記載は限定ではなく例示を目的としていると見なすべきであり、多くの変更や変形は当業者にとって明らかであろう。本発明の原理とそれが実際に適用される最良の形態を説明するために実施形態を選択しそれについて記載することで、特定の用途又は想定される適用に適した本発明の様々な実施形態及び様々な変更を当業者に理解させることを目的としている。本発明の範囲は、本開示に付した請求項及びその均等物により定義することが意図され、別途示唆しない限り、すべての用語は合理的な範囲内で最も広く解釈される。したがって、「本発明」、「本開示」又はこれに類する用語は請求項を必ずしも特定の実施形態に限定せず、本発明の例示的実施形態に対する参照は本発明への限定を示唆するものではなく、かかる限定を推論すべきではない。本発明は添付する請求項の精神と範囲によってのみ限定される。さらに、これらの請求項では後に名詞又は要素を伴って「第1の」、「第2の」等の表現を用いる場合がある。特定の数量が示されない限り、このような用語は専用語であると理解すべきであり、修飾された要素の数量が上記専用語により限定されると解釈してはならない。記載した効果や利点はいずれも本発明のすべての実施形態にあてはまるとは限らない。当業者であれば、以下の請求項により定義される本発明の範囲から逸脱せずに、記載した実施形態を変形できることが理解されよう。さらに、以下の請求項に明記されているか否かを問わず、本開示の要素及び構成要素のいずれも公衆に捧げる意図はない。
【符号の説明】
【0066】
10 ベース基板
21 絶縁アイランド
21’ 第1の絶縁層
22 絶縁層
22’ 第2の絶縁層
22-1 第1の部分
22-2 第2の部分
30 画素定義層
30’ 画素定義層
40 反射層
40’ 反射層
50 発光素子
51 第1の電極
52 発光層
53 第2の電極
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D