(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179662
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びユーザ支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20231212BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231212BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176046
(22)【出願日】2023-10-11
(62)【分割の表示】P 2022577825の分割
【原出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】川股 正和
(57)【要約】 (修正有)
【課題】忘れ物の届け出を簡便化させ、ユーザの利便性をより向上させる情報処理装置、情報処理方法及びユーザ支援システムを提供する。
【解決手段】乗客支援システム2において、乗客支援サーバ30a(情報処理装置)は、携帯端末20aを特定する携帯端末識別情報と、携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DB301と、携帯端末から、列車での忘れ物の届け出情報として、忘れ物の特徴を示す忘れ物情報及び携帯端末自身の携帯端末識別情報を受信した場合に、乗車情報DBを参照して受信した携帯端末識別情報に対応付けられている列車識別情報を取得し、取得した列車識別情報及び受信した忘れ物情報に基づき、受信した忘れ物情報に対応する忘れ物の有無を、忘れ物管理システム40に照会する忘れ物照会部303と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、
前記携帯端末から、列車での忘れ物の届け出情報として、忘れ物の特徴を示す忘れ物情報、及び前記携帯端末自身の前記携帯端末識別情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して受信した前記携帯端末識別情報に対応付けられている前記列車識別情報を取得し、取得した前記列車識別情報及び受信した前記忘れ物情報に基づき、受信した前記忘れ物情報に対応する忘れ物の有無を忘れ物管理システムに照会する、忘れ物照会部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記忘れ物照会部は、照会結果についての情報を、前記届け出情報を送信した前記携帯端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記列車識別情報は、前記列車を構成する車両を特定する情報を更に含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記列車識別情報は、前記列車を構成する車両内における領域を特定する情報を更に含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
列車に乗車中のユーザの前記携帯端末に対して、前記列車の車両内に設置されている情報配信装置から前記列車識別情報が配信され、前記携帯端末が、受信した前記列車識別情報、及び自身の前記携帯端末識別情報を前記情報処理装置に送信し、
前記乗車情報DBが、前記携帯端末から受信した前記携帯端末識別情報と前記列車識別情報とを対応付けて記憶することで、前記乗車情報DBに前記乗車情報が蓄積される、
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBを利用して、前記ユーザを支援するためにプロセッサが行う情報処理方法であって、
前記プロセッサが、前記携帯端末から、列車での忘れ物の届け出情報として、忘れ物の特徴を示す忘れ物情報、及び前記携帯端末自身の前記携帯端末識別情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して受信した前記携帯端末識別情報に対応付けられている前記列車識別情報を取得し、取得した前記列車識別情報及び受信した前記忘れ物情報に基づき、受信した前記忘れ物情報に対応する忘れ物の有無を忘れ物管理システムに照会するステップ、
を含む、情報処理方法。
【請求項7】
列車のユーザが所持する携帯端末と、列車における忘れ物についての情報を管理する忘れ物管理システムと、忘れ物の届け出をする際に前記ユーザを支援する情報処理装置と、を備える、ユーザ支援システムであって、
前記携帯端末は、ユーザから前記忘れ物情報が入力された場合、忘れ物の届け出情報として、当該忘れ物情報に、携帯端末を特定する情報である自身の携帯端末識別情報を付与して前記情報処理装置に対して送信する届け出情報生成部を有し、
前記情報処理装置は、前記携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、前記携帯端末から前記届け出情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して受信した前記携帯端末識別情報に対応する前記列車識別情報を取得し、取得した前記列車識別情報及び受信した前記忘れ物情報に基づき、受信した前記忘れ物情報に対応する忘れ物の有無を前記忘れ物管理システムに照会する忘れ物照会部と、を有する、
ユーザ支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びユーザ支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、列車の車両内に設置された情報配信装置から乗客(以下、ユーザともいう)が所持する携帯端末に対して、列車に関する各種の情報(例えば、列車の目的地及び到着時間等の運行に関する情報(行路情報)、駅周辺の地図情報、及びニュース等)を配信する技術が知られている(例えば、特許文献1)。なお、本明細書において、単に「乗客」又は「ユーザ」と記載した場合には、特に断りがない限り「列車の乗客」又は「列車のユーザ」を意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術では、乗客(ユーザ)に対して情報を提供するに留まっており、その提供した情報の活用については十分に検討されていない。乗客に対して提供した情報を有効に活用することにより、乗客に対して新たなサービスを提供することが可能になる可能性がある。
【0005】
本開示は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、乗客の利便性をより向上させることが可能な、情報処理装置、情報処理方法、及びユーザ支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示によれば、携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、携帯端末から、列車での忘れ物の届け出情報として、忘れ物の特徴を示す忘れ物情報、及び携帯端末自身の携帯端末識別情報を受信した場合に、乗車情報DBを参照して受信した携帯端末識別情報に対応付けられている列車識別情報を取得し、取得した列車識別情報及び受信した忘れ物情報に基づき、受信した忘れ物情報に対応する忘れ物の有無を忘れ物管理システムに照会する、忘れ物照会部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0007】
上記目的を達成するために、本開示によれば、携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBを利用して、プロセッサが、携帯端末から、列車での忘れ物の届け出情報として、忘れ物の特徴を示す忘れ物情報、及び携帯端末自身の携帯端末識別情報を受信した場合に、乗車情報DBを参照して受信した携帯端末識別情報に対応付けられている列車識別情報を取得し、取得した列車識別情報及び受信した忘れ物情報に基づき、受信した忘れ物情報に対応する忘れ物の有無を忘れ物管理システムに照会するステップ、を含む、情報処理方法が提供される。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示によれば、列車のユーザが所持する携帯端末と、列車における忘れ物についての情報を管理する忘れ物管理システムと、忘れ物の届け出をする際にユーザを支援する情報処理装置と、を備える、ユーザ支援システムであって、携帯端末は、ユーザから忘れ物情報が入力された場合、忘れ物の届け出情報として、忘れ物情報に、携帯端末を特定する情報である自身の携帯端末識別情報を付与して情報処理装置に対して送信する届け出情報生成部を有し、情報処理装置は、携帯端末識別情報と、携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、携帯端末から届け出情報を受信した場合に、乗車情報DBを参照して受信した携帯端末識別情報に対応する列車識別情報を取得し、取得した列車識別情報及び受信した忘れ物情報に基づき、受信した忘れ物情報に対応する忘れ物の有無を忘れ物管理システムに照会する忘れ物照会部と、を有する、ユーザ支援システムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、忘れ物の届出をしたいときに、乗客(ユーザ)が忘れ物情報を入力すると、当該乗客が乗車していた列車の列車識別情報が特定され、当該列車識別情報に基づき忘れ物の有無が照合される。つまり、忘れ物の届け出をする際に、乗客は忘れ物情報のみを入力すればよく、従来のように列車についての情報を入力する必要がない。従って、忘れ物の届け出を簡便化することができ、乗客の利便性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る乗車情報収集システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態2に係る列車での忘れ物の届出に関する乗客支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態2に係る乗客支援システムにおける情報処理方法の処理手順を示すフロー図である。
【
図4】実施の形態3に係る感染者との同乗通知に関する乗客支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態3に係る乗客支援システムにおける情報処理方法の処理手順を示すフロー図である。
【
図6】実施の形態4に係る遅延証明書の配信に関する乗客支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】実施の形態4に係る乗客支援システムにおける情報処理方法の処理手順を示すフロー図である。
【
図8】実施の形態5に係る車内放送のテキストデータを配信するサービスに関する乗客支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図9】実施の形態5に係る乗客支援システムにおける情報処理方法の処理手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本開示は以下の記述に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
本開示では、乗車情報収集システムにおいて、乗客(ユーザ)の列車への乗車履歴についての情報(以下、乗車情報という)が、サーバ(後述する乗客支援サーバ30)に随時収集される。そして、乗客支援システム(ユーザ支援システム)において、収集した乗車情報を用いて、乗客に対して各種のサービスが提供される。以下では、まず、実施の形態1として、乗車情報を収集する乗車情報収集システムの構成について説明する。次いで、実施の形態2~5として、乗車情報を用いて各種のサービスを提供する乗客支援システムの構成について説明する。
【0013】
実施の形態1.
(乗車情報収集システムの構成)
図1を参照して、実施の形態1に係る乗車情報収集システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る乗車情報収集システムの構成を示すブロック図である。
【0014】
図1を参照すると、実施の形態1に係る乗車情報収集システム1は、車両101内に設置される情報配信装置10と、乗客が所持する携帯端末20と、乗車情報を収集する乗客支援サーバ30(本開示において情報処理装置に相当する)と、を備える。なお、図示を省略しているが、情報配信装置10、携帯端末20、及び乗客支援サーバ30は、所定の通信方式で外部の装置と通信を行う通信装置を有する。情報配信装置10と携帯端末20と、及び携帯端末20と乗客支援サーバ30とは、当該通信装置を介して互いに通信可能に接続されている。
【0015】
また、
図1では、1つの情報配信装置10及び1つの携帯端末20を代表的に図示しているが、情報配信装置10は、車両101内に存在する全ての携帯端末20に情報を配信し得るように設置されればよく、その設置数は限定されない。例えば、情報配信装置10は、1つの車両101内に1つのみ設置されてもよいし、複数設置されてもよい。また、携帯端末20も、車両101に乗車している乗客の数に応じた数だけ存在し得る。
【0016】
情報配信装置10は、無線通信により周囲の携帯端末20に情報を配信する。例えば、情報配信装置10は、Bluetooth(登録商標)を用いて情報を配信するビーコン装置である。情報配信装置10と携帯端末20との通信方式は限定されず、例えば上述したBluetooth以外にも、Wi-Fi(登録商標)等の各種の公知の通信方式が用いられてよい。ただし、車両外の乗客の携帯端末(例えば駅のホーム上の乗客の携帯端末)に情報を配信しないよう、情報配信装置10は、上述したビーコン装置のような、近距離(例えば10m以下)での通信を行うものであることが好ましい。この場合、車両101内に存在する全ての携帯端末20に情報を配信し得るように、情報配信装置10は、1つの車両101内に複数設置されることが好ましい。
【0017】
実施の形態1では、情報配信装置10は、携帯端末20に対して、自身が設置されている列車及び車両の列車識別情報を配信する。列車識別情報とは、少なくとも列車を特定するための情報であり、例えば、各車両に固有に割り当てられた車両番号を示す車両番号情報、車両の編成を示す編成番号情報、編成の始発駅、終着駅、及び始発駅から終着駅までの間の各駅の通過時刻を含む運用情報、並びに現在日時(すなわち、列車識別情報の配信日時)を示す日時情報を含む。なお、列車識別情報の内容はかかる例に限定されない。列車識別情報は、少なくとも列車を特定することができるように構成されればよく、その具体的な構成は任意であってよい。列車識別情報の具体的な構成は、乗車情報収集システム1の設計者、提供者等により適宜設定されてよい。例えば、上記の例であれば、列車識別情報が車両番号情報を含むため、列車識別情報により、列車だけでなく車両まで特定され得ることとなる。
【0018】
情報配信装置10に対しては、例えば列車内に設置されている列車の運行管理に関する制御を行う制御装置から、運行情報が提供される。運行情報は、列車の運行に関する情報であり、上述の列車識別情報に含まれる情報の他、例えば列車の種別(普通、急行、特急等)を示す列車種別情報、列車の現在位置を示す列車位置情報、及び次の駅を示す次駅情報等を含む。情報配信装置10は、当該運行情報から列車識別情報を構成し、携帯端末20に対して配信する。ここで、乗客に対して運行情報等を提供する表示装置が車両101内に設けられている場合には、上記制御装置から当該表示装置に運行情報が送信されるため、情報配信装置10は当該表示装置に併設され、当該表示装置とともに、又は当該表示装置を経由して、当該制御装置から運行情報を受け取ってもよい。なお、情報配信装置10が運行情報を受け取る方法はかかる例に限定されず、例えば情報配信装置10は、列車外(地上)の運行管理システムから、駅や沿線に設置された基地局を介して無線通信により直接運行情報を受信してもよい。
【0019】
情報配信装置10は、携帯端末20に対して、列車識別情報を、所定の間隔(例えば、数百ミリ秒程度の間隔)で随時送信する。列車識別情報の送信間隔は、乗車情報収集システムの設計者、提供者等によって任意に設定されてよいが、1駅間のみ乗車する乗客の携帯端末20に対しても確実に列車識別情報を送信するために、列車の1駅間の移動距離よりも短い時間間隔(例えば、上記のように数百ミリ秒程度の間隔等)に設定されることが好ましい。
【0020】
携帯端末20は、通信機能を有する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレットPC等の汎用機器である。あるいは、携帯端末20は、実施の形態1及び後述する実施の形態2~5に係るサービスについての専用端末であってもよい。携帯端末20が専用端末である場合、鉄道事業者が乗客に対して携帯端末20を貸し出すことにより、例えばスマートフォン等の端末を所持していない乗客や、海外からの旅行者等に対しても、これらのサービスを提供することが可能となる。なお、
図1では、携帯端末20について、実施の形態1に係る乗車情報の収集に関連する機能のみを図示している。携帯端末20は、図示する機能以外にも、例えば情報を表示する表示部、操作入力を受け付ける入力部等の、一般的な携帯端末が有する各種の機能を有する。
【0021】
携帯端末20は、その機能として、乗車情報生成部201を有する。携帯端末20は、乗客により所持されて車両101内に持ち込まれると、情報配信装置10と無線通信を行い、列車識別情報を受信する。乗車情報生成部201は、情報配信装置10から受信した列車識別情報に対して、自身の携帯端末識別情報を付与する。携帯端末識別情報とは、携帯端末20を特定するための情報であり、例えば当該携帯端末20に割り当てられたMAC(Media Access Control)アドレスについての情報である。なお、携帯端末識別情報は、MACアドレスについての情報に限定されず、携帯端末20を特定することができる情報であればよく、その具体的な内容は任意であってよい。
【0022】
携帯端末20が受信した列車識別情報(すなわち、携帯端末20を所持する乗客が乗車した列車に対応する列車識別情報)、及び当該列車識別情報に付与された(対応付けられた)携帯端末識別情報は、その携帯端末20を所持する乗客の乗車履歴を示す情報であり、すなわち、乗車情報に該当する。つまり、乗車情報生成部201は、列車識別情報に対して自身の携帯端末識別情報を付与し、両者を対応付けることで、自身を所持する乗客についての乗車情報を生成する。
【0023】
携帯端末20は、地上に設けられる乗客支援サーバ30と通信網を介して通信し、乗車情報生成部201が生成した乗車情報を、当該乗客支援サーバ30に送信する。携帯端末20は、情報配信装置10から列車識別情報を受信する度に、乗車情報を生成し、乗客支援サーバ30に対して随時送信する。従って、携帯端末20は、自身が車両101内に存在する期間(すなわち、当該携帯端末20を所持する乗客が車両101に乗車している間)は、乗車情報を乗客支援サーバ30に対して随時送信するが、自身が車両101の外に存在する期間(すなわち、当該携帯端末20を所持する乗客が車両101に乗る前、及び車両101から降りた後)には、乗車情報を乗客支援サーバ30に対して送信しない。
【0024】
上記の乗車情報生成部201の機能は、携帯端末20に専用のアプリをインストールすることにより実現され得る。つまり、乗車情報生成部201は、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、並びにメモリ等の記憶素子により構成され、当該プロセッサが当該記憶素子に記憶された所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、乗車情報生成部201の機能が実現され得る。なお、当該アプリをインストールする際又は使用する際に、乗客に対して、属性情報(氏名、年齢、電話番号、メールアドレス等)を提供することへの同意を得るようにしてもよい。同意が得られている場合には、乗客支援サーバ30において、予め提供された乗客の属性情報が管理されてもよい。あるいは、同意が得られている場合には、携帯端末20が乗車情報を乗客支援サーバ30に対して送信する際に、例えば電話番号等の携帯端末20に予め記憶されている属性情報を併せて送信してもよい。
【0025】
乗客支援サーバ30は、乗客の乗車情報を管理し、当該乗客情報を用いた各種のサービスを乗客に対して提供するためのサーバである。乗客支援サーバ30は、その機能として、乗車情報を記憶する乗車情報DB(DataBase)301を有する。なお、
図1では、乗客支援サーバ30について、実施の形態1に係る乗車情報の収集に関連する機能のみを図示している。乗客支援サーバ30は、図示する機能以外にも、例えば情報を表示する表示部、操作入力を受け付ける入力部等の、一般的なサーバが有する各種の機能を有する。
【0026】
乗車情報DB301は、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置によって構成される。乗車情報DB301は、携帯端末20から送信される乗車情報を記憶する(すなわち、携帯端末識別情報及び列車識別情報を対応付けて記憶する)ことで、乗客の乗車履歴を管理する。乗車情報DB301は、車両101内に存在する複数の携帯端末20についての乗車情報を、当該乗車情報が携帯端末20から送信されてくる度に記憶する。これにより、乗車情報DB301には、乗車情報が逐次蓄積されていく。
【0027】
この際、乗車情報DB301は、乗車情報を、携帯端末識別情報ごとに、これを受信した時系列に沿って管理することが好ましい。これにより、携帯端末識別情報に対応する携帯端末20ごと(すなわち、乗客ごと)の乗車履歴を管理することが可能になり、特定の乗客の乗車履歴を参照することが容易になる。また、上述したように、携帯端末20は、車両101内に存在する期間のみ、乗車情報を乗客支援サーバ30に対して送信するため、乗車情報DB301を参照することにより、ある時間帯において最初に受信した乗車情報と、最後に受信した乗車情報と、それらの乗車情報に含まれる情報配信装置10が列車識別情報を配信した日時についての情報と、に基づき、その携帯端末20を所持する乗客の乗車日時及び降車日時、並びに乗車区間を同定することが可能になる。
【0028】
以上、乗車情報収集システム1の構成について説明した。以下に説明する実施の形態2~5では、以上説明した乗車情報収集システム1において収集された乗車情報を用いて、乗客支援サーバ30が、乗客に対して各種のサービスを提供する。以下、これらのサービスについて詳細に説明する。
【0029】
実施の形態2.
(忘れ物の届出の簡便化)
(乗客支援システムの構成)
図2を参照して、列車での忘れ物の届出を簡便化するサービスを実現する乗客支援システムの構成について説明する。
図2は、実施の形態2に係る列車での忘れ物の届出に関する乗客支援システムの構成を示すブロック図である。
【0030】
図2を参照すると、乗客支援システム2(ユーザ支援システム2)は、携帯端末20aと、乗客支援サーバ30a(本開示において情報処理装置に相当する)と、忘れ物管理システム40と、を備える。携帯端末20aは、
図1に示す乗車情報収集システム1において乗客支援サーバ30に乗車情報を送信した携帯端末20と同一の端末である。乗客支援サーバ30aは、
図1に示す乗車情報収集システム1における乗客支援サーバ30と同一の装置である。
図2では、携帯端末20a及び乗客支援サーバ30aについて、実施の形態2に係るサービスを実現するための機能のみを図示しており、
図1に示すものとは異なる機能構成を図示しているため、これらに形式的に異なる符号を付している。なお、図示を省略しているが、携帯端末20a、乗客支援サーバ30a、及び忘れ物管理システム40は、所定の通信方式で外部の装置と通信を行う通信装置を有する。携帯端末20aと乗客支援サーバ30aと、及び乗客支援サーバ30aと忘れ物管理システム40とは、当該通信装置を介して互いに通信可能に接続されている。
【0031】
携帯端末20aは、その機能として、入力部203と、届け出情報生成部205と、表示部207と、表示制御部209と、を有する。
【0032】
入力部203は、乗客からの各種の操作入力を受け付けるインターフェースである。入力部203は、例えばタッチパネル、ボタン、及び/又はキーボード等の入力装置によって構成される。携帯端末20aに音声入力機能が備わっている場合であれば、入力部203は、マイクロフォンによって構成されてもよい。実施の形態2では、乗客は、列車内に忘れ物をした旨を鉄道事業者に届け出る際に、入力部203から忘れ物の特徴(種類、色、形状等)を示す情報(以下、忘れ物情報という)を入力する。入力部203は、入力された忘れ物情報を届け出情報生成部205に提供する。
【0033】
届け出情報生成部205は、入力部203から提供された忘れ物情報に自身の携帯端末識別情報を付与することにより、忘れ物の届け出についての情報である届け出情報を生成する。届け出情報生成部205は、生成した届け出情報を、後述する乗客支援サーバ30aの忘れ物照会部303に送信する。
【0034】
表示部207は、表示制御部209からの制御により、各種の情報を視覚的に表示する。表示部207は、例えば液晶表示装置、又は有機EL(Electro Luminescence)表示装置等の各種の公知の表示装置によって構成される。
【0035】
表示制御部209は、表示部207の表示を制御し、当該表示部207に各種の情報を表示させる。実施の形態2では、表示制御部209は、入力部203から忘れ物情報が入力される際の案内を表示部207に表示させる。この際、入力部203がタッチパネルによって構成される場合には、入力部203及び表示部207はタッチセンサ付きの表示装置として一体的に構成されてもよく、表示制御部209は、表示部207に忘れ物情報の入力画面を表示させてもよい。また、表示制御部209は、後述する乗客支援サーバ30aの忘れ物照会部303から送信される、忘れ物管理システム40に忘れ物の有無を照会した結果についての情報(以下、照会結果情報という)を表示部207に表示させる。
【0036】
乗客支援サーバ30aは、その機能として、乗車情報DB301と、忘れ物照会部303と、を有する。乗車情報DB301は、
図1に示す乗車情報DB301と同一のものであり、乗客の乗車情報を記憶している。
【0037】
忘れ物照会部303は、携帯端末20の届け出情報生成部205から届け出情報を受信すると、乗車情報DB301を参照して、その届け出情報に含まれる携帯端末識別情報に対応付けられている列車識別情報を取得する。すなわち、忘れ物照会部303は、忘れ物の届出をした乗客(すなわち、届け出情報を送信した携帯端末20aを所持する乗客)が乗車していた列車についての列車識別情報を取得する。忘れ物照会部303は、取得した列車識別情報と、携帯端末20aから受信した届け出情報に含まれる忘れ物情報とを、後述する忘れ物管理システム40の忘れ物管理DB照合部403に送信し、当該忘れ物情報に対応する忘れ物の有無を照会する。
【0038】
また、忘れ物照会部303は、後述する忘れ物管理システム40の忘れ物管理DB照合部403から、照会結果についての情報(以下、照会結果情報という)を受信する。そして、忘れ物照会部303は、当該照会結果情報を携帯端末20aの表示制御部209に送信する。上述したように、携帯端末20aでは、表示制御部209が、受信した照会結果情報を表示部207に表示させる。これにより、乗客が届け出た忘れ物についての忘れ物管理システム40への照会結果が、乗客に対して通知されることとなる。
【0039】
なお、忘れ物照会部303は、携帯端末20aの連絡先(例えば電話番号、メールアドレス等)を、携帯端末20aから送信される携帯端末識別情報(例えばMACアドレス)に基づき、携帯端末20aのキャリアに問い合わせることにより取得してもよい。あるいは、携帯端末20aから送信される携帯端末識別情報に乗客の属性情報として連絡先についての情報が含まれている場合には、忘れ物照会部303は、その連絡先についての情報に基づいて携帯端末20aに照会結果情報を送信してもよい。
【0040】
忘れ物管理システム40は、鉄道事業者によって保有されるシステムであり、列車における忘れ物についての情報を管理する。忘れ物管理システム40は、その機能として、忘れ物管理DB401と、忘れ物管理DB照合部403と、を有する。
【0041】
忘れ物管理DB401は、HDD又はフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置によって構成される。忘れ物管理DB401は、忘れ物情報と、当該忘れ物情報に係る忘れ物が拾得された列車の列車識別情報と、を対応付けて記憶しているデータベースである。忘れ物管理DB401には、鉄道事業者によって、列車において忘れ物があった場合に、忘れ物情報及び列車識別情報が随時記憶されていく。
【0042】
忘れ物管理DB照合部403は、乗客支援サーバ30aの忘れ物照会部303から、乗車情報DB301から取得された列車識別情報(すなわち、忘れ物の届け出を行った乗客の乗車履歴を示す列車識別情報)と、携帯端末20aから送信された届け出情報に含まれる忘れ物情報とを受信すると、これらの情報を、忘れ物管理DB401に記憶されている列車識別情報及び忘れ物情報と照合する。そして、忘れ物管理DB照合部403は、忘れ物管理DB401に該当する列車識別情報及び忘れ物情報が記憶されている場合には「該当あり」と判断する。一方、忘れ物管理DB照合部403は、忘れ物管理DB401に該当する列車識別情報及び忘れ物情報が記憶されていない場合には「該当なし」と判断する。
【0043】
忘れ物管理DB照合部403は、照合結果についての情報を、照会結果情報として乗客支援サーバ30aの忘れ物照会部303に送信する。このとき、照合結果が「該当あり」の場合には、忘れ物管理DB照合部403は、照会結果情報として、届け出に係る忘れ物が忘れ物管理DB401に登録されている旨の情報、忘れ物の保管場所についての情報、及び忘れ物を受け取るための具体的な連絡先についての情報等を送信する。一方、照合結果が「該当なし」の場合には、忘れ物管理DB照合部403は、照会結果情報として、届け出に係る忘れ物が忘れ物管理DB401に登録されていない旨の情報を送信する。上述したように、当該照会結果情報が、乗客支援サーバ30aの忘れ物照会部303を介して携帯端末20aに送信され、表示されることとなる。
【0044】
なお、以上説明した携帯端末20aの届け出情報生成部205及び表示制御部209の、乗客支援サーバ30aの忘れ物照会部303、並びに忘れ物管理システム40の忘れ物管理DB照合部403は、CPU又はDSP等のプロセッサ、並びにメモリ等の記憶素子によって構成される。当該プロセッサが当該記憶素子に記憶された所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、上記の各機能が実現される。なお、携帯端末20aの届け出情報生成部205及び表示制御部209の機能は、実施の形態2に係るサービスを受けたいと考える乗客が、携帯端末20aに専用のアプリをインストールすることにより実現されてよい。換言すれば、上記の各機能を実現するためのプログラム又はアプリを作製し、サーバ又は携帯端末等の情報処理装置に実装することが可能である。なお、当該プログラム又は当該アプリは、ネットワークを介して配信されてよい。あるいは、このようなプログラム又はアプリが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。
【0045】
以上、実施の形態2に係る乗客支援システム2の構成について説明した。なお、
図2に示す構成はあくまで乗客支援システム2の構成の一例であり、乗客支援システム2は、全体として以上説明した各機能が実現されるように構成されればよく、その具体的な構成は任意であってよい。例えば、乗客支援サーバ30a及び忘れ物管理システム40が一体的に構成され、乗客支援サーバ30aの各機能が、忘れ物管理システム40に実装されてもよい。
【0046】
(乗客支援システムにおける情報処理方法)
図3を参照して、以上説明した乗客支援システム2における情報処理方法の処理手順について説明する。
図3は、実施の形態2に係る乗客支援システム2における情報処理方法の処理手順を示すフロー図である。なお、
図3に示す各処理の詳細については、
図2を参照して乗客支援システム2の構成について説明した際に既に説明しているため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0047】
実施の形態2に係る乗客支援システム2における情報処理方法では、まず、携帯端末20aにおいて、忘れ物情報が取得される(ステップS101)。次に、取得された忘れ物情報に携帯端末識別情報が付与されることにより、届け出情報が生成される(ステップS103)。次に、生成された届け出情報が、乗客支援サーバ30aに送信される(ステップS105)。ステップS101~ステップS105に示す処理は、
図2を参照して説明した携帯端末20aの届け出情報生成部205が実行する処理に対応している。
【0048】
次に、乗客支援サーバ30aにおいて、乗車情報DB301が参照され、届け出情報に含まれる携帯端末識別情報に対応付けられている列車識別情報が取得される(ステップS107)。次に、取得された列車識別情報と、届け出情報に含まれる忘れ物情報とが、忘れ物管理システム40に送信される(ステップS109)。ステップS107及びステップS109に示す処理は、
図2を参照して説明した乗客支援サーバ30aの忘れ物照会部303が実行する処理に対応している。
【0049】
次に、忘れ物管理システム40において、乗客支援サーバ30aの乗車情報DB301から取得された列車識別情報及び届け出情報に含まれる忘れ物情報と、忘れ物管理DB401に登録されている列車識別情報及び忘れ物情報と、が照合される(ステップS111)。次に、照会結果情報が、乗客支援サーバ30aに送信される(ステップS113)。ステップS111及びステップS113に示す処理は、
図2を参照して説明した忘れ物管理システム40の忘れ物管理DB照合部403が実行する処理に対応している。
【0050】
次に、乗客支援サーバ30aにおいて、照会結果情報が携帯端末20aに送信される(ステップS115)。ステップS115に示す処理は、
図2を参照して説明した乗客支援サーバ30aの忘れ物照会部303が実行する処理に対応している。
【0051】
次に、携帯端末20aにおいて、照会結果情報が表示される(ステップS117)。つまり、忘れ物の届出を行った乗客に対して、その忘れ物の有無を鉄道事業者の忘れ物管理システム40に照会した結果が通知される。ステップS117に示す処理は、
図2を参照して説明した携帯端末20aの表示制御部209が実行する処理に対応している。
【0052】
以上、実施の形態2に係る情報処理方法の処理手順について説明した。
【0053】
以上説明したように、実施の形態2に係る乗客支援システム2によれば、忘れ物の届出をしたいときに、乗客が忘れ物情報を入力すると、乗客支援サーバ30aにおいて当該乗客が乗車していた列車の列車識別情報が特定され、当該列車識別情報に基づき忘れ物の有無が照合される。
【0054】
ここで、従来、忘れ物の届け出をする際には、乗客自身が、忘れ物をした列車についての情報を入力する必要があった。しかし、乗客は必ずしも正確な乗車時刻等を覚えているとは限らず、乗車していた列車を自身では特定できない可能性がある。
【0055】
これに対して、実施の形態2に係る乗客支援システム2によれば、上記のように、忘れ物の届け出をする際に、乗客は忘れ物情報のみを入力すればよく、列車についての情報を入力する必要がない。従って、忘れ物の届け出を簡便化することができ、乗客の利便性を向上させることができる。
【0056】
なお、忘れ物管理システム40が、列車ごとではなく、車両ごとに忘れ物を管理している場合には、実施の形態1において上述した例のように車両番号情報も含むように列車識別情報を構成することにより、乗客が乗車していた車両まで特定して、当該車両における忘れ物の有無を忘れ物管理システム40において照合することが可能になる。従って、より精度良く忘れ物の照合を行うことが可能になる。
【0057】
実施の形態3.
(感染者との同乗通知)
(乗客支援システムの構成)
図4を参照して、感染者との同乗を通知するサービスを実現する乗客支援システムの構成について説明する。
図4は、実施の形態3に係る感染者との同乗通知に関する乗客支援システムの構成を示すブロック図である。
【0058】
図4を参照すると、乗客支援システム3(ユーザ支援システム3)は、携帯端末20bと、乗客支援サーバ30b(本開示において情報処理装置に相当する)と、感染者管理システム50と、を備える。携帯端末20bは、
図1に示す乗車情報収集システム1において乗客支援サーバ30に乗車情報を送信した携帯端末20と同一の端末である。乗客支援サーバ30bは、
図1に示す乗車情報収集システム1における乗客支援サーバ30と同一の装置である。
図4では、携帯端末20b及び乗客支援サーバ30bについて、実施の形態3に係るサービスを実現するための機能のみを図示しており、
図1に示すものとは異なる機能構成を図示しているため、これらに形式的に異なる符号を付している。なお、図示を省略しているが、携帯端末20b、乗客支援サーバ30b、及び感染者管理システム50は、所定の通信方式で外部の装置と通信を行う通信装置を有する。携帯端末20bと乗客支援サーバ30bと、及び乗客支援サーバ30bと感染者管理システム50とは、当該通信装置を介して互いに通信可能に接続されている。
【0059】
感染者管理システム50は、特定の感染症(例えば、COVID-19等の感染症法において指定されている感染症)における感染者についての情報を管理するシステムである。感染者管理システム50は、その機能として、感染者管理DB501と、感染者通知情報生成部503と、を有する。
【0060】
感染者管理DB501は、HDD又はフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置によって構成される。感染者管理DB501は、感染者についての情報を記憶する。感染者管理DB501は、感染者についての情報として、少なくとも感染者が所持する携帯端末20の携帯端末識別情報と、感染が発覚した日時についての情報(以下、感染発覚日時情報という)と、を対応付けて記憶する。感染者管理DB501は、感染者についての情報として、その他にも、例えば感染者の連絡先(電話番号、メールアドレス等)、住所、年齢、性別等の情報を更に記憶してもよい。感染者管理DB501には、感染者が発生するごとに、例えば感染を確認した医師等の医療従事者によって、上記の感染者についての情報が随時登録されていく。
【0061】
感染者通知情報生成部503は、感染者を乗客支援サーバ30bに対して通知するための情報(以下、感染者通知情報という)を生成する。具体的には、感染者通知情報生成部503は、新たに感染者が発覚し、その感染者についての情報が感染者管理DB501に登録された場合に、その新たに発生した感染者についての携帯端末識別情報及び感染発覚日時情報を感染者管理DB501から取得することにより、これらの情報からなる感染者通知情報を生成する。感染者通知情報生成部503は、生成した感染者通知情報(すなわち、携帯端末識別情報及び感染発覚日時情報)を、後述する乗客支援サーバ30bの同乗通知部305に送信する。
【0062】
乗客支援サーバ30bは、その機能として、乗車情報DB301と、同乗通知部305と、を有する。乗車情報DB301は、
図1に示す乗車情報DB301と同一のものであり、乗客の乗車情報を記憶している。
【0063】
同乗通知部305は、感染者管理システム50の感染者通知情報生成部503から感染者通知情報を受信すると、乗車情報DB301に記憶されている乗車情報に基づき、当該感染者通知情報に対応する感染者と同じ列車に乗っていた乗客を特定する。具体的には、同乗通知部305は、乗車情報DB301を参照し、受信した感染者通知情報に含まれる携帯端末識別情報に対応する乗車情報が存在するかどうかを確認する。この際、同乗通知部305は、受信した感染者通知情報に含まれる感染発覚日時情報に基づき、当該感染発覚日時情報に示される感染が発覚した日時から、対象としている感染症の潜伏期間だけ遡った期間を特定する。そして、同乗通知部305は、列車識別情報に含まれる当該列車識別情報が配信された日時についての情報に基づき、当該期間に該当する乗車情報の有無を確認する。つまり、同乗通知部305は、感染者が感染してから潜伏期間を経て発症するまでの期間における乗車情報の有無を確認する。
【0064】
該当する乗車情報が存在する場合には、同乗通知部305は、その乗車情報に含まれる列車識別情報を特定する。そして、同乗通知部305は、乗車情報DB301を更に参照し、特定した列車識別情報と同一の列車識別情報に対応付けられている他の携帯端末識別情報を特定する。これにより、感染者と同じ列車に乗っていた乗客の携帯端末20bの携帯端末識別情報が特定されたことになる。同乗通知部305は、特定した携帯端末識別情報に対応する携帯端末20bに対して、感染者と同じ列車に乗っていた旨の通知(以下、同乗通知という)を送信する。なお、同乗通知部305は、携帯端末20bの連絡先(例えば電話番号、メールアドレス等)を、乗車情報に含まれる携帯端末識別情報(例えばMACアドレス)に基づき、携帯端末20bのキャリアに問い合わせることにより取得してもよい。あるいは、携帯端末識別情報に乗客の属性情報として連絡先についての情報が含まれている場合には、同乗通知部305は、その連絡先についての情報に基づいて携帯端末20bに同乗通知を送信してもよい。
【0065】
一方、該当する乗車情報が存在しない場合には、同乗通知部305は、感染者は該当の期間に列車に乗っていないと判断し、処理を終了する。
【0066】
携帯端末20bは、その機能として、表示部207と、表示制御部209と、を有する。表示部207及び表示制御部209は、実施の形態2に係る携帯端末20aの表示部207及び表示制御部209と同様のハードウェアにより構成され、同様の機能を有する。すなわち、表示部207は、表示制御部209からの制御により、各種の情報を視覚的に表示する。また、表示制御部209は、表示部207の表示を制御し、当該表示部207に各種の情報を表示させる。具体的には、実施の形態3では、表示制御部209は、乗客支援サーバ30bの同乗通知部305から送信される同乗通知を表示部207に表示させる。
【0067】
なお、以上説明した携帯端末20bの表示制御部209、乗客支援サーバ30bの同乗通知部305、及び感染者管理システム50の感染者通知情報生成部503は、CPU又はDSP等のプロセッサ、並びにメモリ等の記憶素子によって構成される。当該プロセッサが当該記憶素子に記憶された所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、上記の各機能が実現される。なお、携帯端末20bの表示制御部209の機能は、実施の形態3に係るサービスを受けたいと考える乗客が、携帯端末20bに専用のアプリをインストールすることにより実現されてよい。換言すれば、上記の各機能を実現するためのプログラム又はアプリを作製し、サーバ又は携帯端末等の情報処理装置に実装することが可能である。なお、当該プログラム又は当該アプリは、ネットワークを介して配信されてよい。あるいは、このようなプログラム又はアプリが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。
【0068】
以上、実施の形態3に係る乗客支援システム3の構成について説明した。なお、
図4に示す構成はあくまで乗客支援システム3の構成の一例であり、乗客支援システム3は、全体として以上説明した各機能が実現されるように構成されればよく、その具体的な構成は任意であってよい。例えば、乗客支援サーバ30b及び感染者管理システム50が一体的に構成され、乗客支援サーバ30bの各機能が、感染者管理システム50に実装されてもよい。
【0069】
(乗客支援システムにおける情報処理方法)
図5を参照して、以上説明した乗客支援システム3における情報処理方法の処理手順について説明する。
図5は、実施の形態3に係る乗客支援システム3における情報処理方法の処理手順を示すフロー図である。なお、
図5に示す各処理の詳細については、
図4を参照して乗客支援システム3の構成について説明した際に既に説明しているため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0070】
実施の形態3に係る乗客支援システム3における情報処理方法では、まず、感染者管理システム50において、感染者通知情報が生成される(ステップS201)。次に、生成された感染者通知情報が、乗客支援サーバ30bに送信される(ステップS203)。ステップS201及びステップS203に示す処理は、
図4を参照して説明した感染者管理システム50の感染者通知情報生成部503が実行する処理に対応している。
【0071】
次に、乗客支援サーバ30bにおいて、乗車情報DB301に記憶されている乗車情報に基づき、当該感染者通知情報に対応する感染者と同じ列車に乗っていた乗客が特定される。具体的には、乗車情報DB301が参照され、感染者通知情報に含まれる携帯端末識別情報に対応する乗車情報の有無が確認される(ステップS205)。この際、感染者通知情報に含まれる感染発覚日時情報に基づき、当該感染発覚日時情報に示される感染が発覚した日時から、対象としている感染症の潜伏期間だけ遡った期間における、乗車情報の有無が確認される。そして、該当する乗車情報が存在する場合には、乗車情報DB301が更に参照され、特定された乗車情報に含まれる列車識別情報と同一の列車識別情報に対応付けられている他の携帯端末識別情報が特定される(ステップS207)。特定された携帯端末識別情報に対応する携帯端末20bを所持する乗客が、感染者通知情報に対応する感染者と同じ列車に乗っていた乗客と特定されることとなる。
【0072】
次に、特定された携帯端末識別情報に対応する携帯端末20bに対して同乗通知が送信される(ステップS209)。ステップS205~ステップS209に示す処理は、
図4を参照して説明した乗客支援サーバ30bの同乗通知部305が実行する処理に対応している。
【0073】
次に、携帯端末20bにおいて、同乗通知が表示される(ステップS211)。つまり、対象となる乗客の携帯端末20bにおいて、所定の感染症の感染者と同じ列車に乗っていた旨が表示される。ステップS211に示す処理は、
図4を参照して説明した携帯端末20bの表示制御部209が実行する処理に対応している。
【0074】
以上、実施の形態3に係る乗客支援システム3における情報処理方法の処理手順について説明した。
【0075】
以上説明したように、実施の形態3に係る乗客支援システム3によれば、所定の感染症の感染者と同じ列車に乗っていた旨が、乗客の携帯端末20bに対して通知される。従って、当該通知を受け取った乗客は、その後の自身の体調管理に留意することができ、健康を保つことができる。また、例えば外出を控える等、当該乗客が自身を感染者とみなして第三者に更に感染させないための措置を取ることで、社会的な感染の拡大を防止することが可能となる。なお、乗客支援システム3では、例えばアプリをインストールする等、乗客が乗客支援システム3に係るサービスの提供を申し入れていれば、乗客自身が同乗通知の送信をリクエストしなくても、所定の感染症の感染者と同じ列車に乗っていることが判明した時点で、対象の乗客に対して自動的に同乗通知が送信される(例えば、いわゆるPUSH通知がなされる)。つまり、乗客は特段の操作をしなくても同乗通知を受け取ることができるため、至便である。
【0076】
なお、上述した構成例では、乗車情報に基づいて感染者が乗車していた列車が特定され、当該列車に同乗していた乗客が特定されたが、実施の形態1で述べたように、列車識別情報が車両番号情報を含み、車両101まで特定可能に構成されるのであれば、感染者が乗車していた車両101、及び当該車両101に同乗していた乗客が特定されてもよい。そして、特定された乗客の携帯端末20bに対して、感染者と同じ車両101に乗っていた旨が通知されてもよい。これにより、より精度良く感染者の近くに乗っていた乗客の特定を行うことが可能になる。
実施の形態4.
(遅延証明書の配信)
(乗客支援システムの構成)
図6を参照して、遅延証明書を配信するサービスを実現する乗客支援システムの構成について説明する。
図6は、実施の形態4に係る遅延証明書の配信に関する乗客支援システムの構成を示すブロック図である。
【0077】
図6を参照すると、乗客支援システム4(ユーザ支援システム4)は、携帯端末20cと、乗客支援サーバ30c(本開示において情報処理装置に相当する)と、運行管理システム60と、を備える。携帯端末20cは、
図1に示す乗車情報収集システム1において乗客支援サーバ30に乗車情報を送信した携帯端末20と同一の端末である。乗客支援サーバ30cは、
図1に示す乗車情報収集システム1における乗客支援サーバ30と同一の装置である。
図6では、携帯端末20c及び乗客支援サーバ30cについて、実施の形態4に係るサービスを実現するための機能のみを図示しており、
図1に示すものとは異なる機能構成を図示しているため、これらに形式的に異なる符号を付している。なお、図示を省略しているが、携帯端末20c、乗客支援サーバ30c、及び運行管理システム60は、所定の通信形式で外部の装置と通信を行う通信装置を有する。携帯端末20cと乗客支援サーバ30cと、及び乗客支援サーバ30cと運行管理システム60とは、当該通信装置を介して互いに通信可能に接続されている。
【0078】
運行管理システム60は、鉄道事業者によって保有されるシステムであり、路線内を走行している列車の位置情報、及びダイヤからの遅れの情報等、列車の運行に関する情報を管理するシステムである。運行管理システム60は、その機能として、遅延通知情報生成部601を有する。なお、
図6では、運行管理システム60について、実施の形態4に係るサービスを実現するための機能のみを図示している。図示を省略するが、運行管理システム60は、遅延通知情報生成部601以外にも、一般的な列車の運行管理システムが有する各種の機能を有している。
【0079】
遅延通知情報生成部601は、遅延証明書の発行基準を満たす遅延が列車の運行に生じた際に、当該遅延を乗客支援サーバ30cに対して通知するための情報(以下、遅延通知情報という)を生成する。遅延通知情報は、少なくとも、遅延が発生した列車の列車識別情報と、当該遅延についての遅延証明書についての情報を含む。遅延通知情報生成部601は、生成した遅延通知情報を、後述する乗客支援サーバ30cの遅延証明書配信部307に送信する。
【0080】
乗客支援サーバ30cは、その機能として、乗車情報DB301と、遅延証明書配信部307と、を有する。乗車情報DB301は、
図1に示す乗車情報DB301と同一のものであり、乗客の乗車情報を記憶している。
【0081】
遅延証明書配信部307は、運行管理システム60の遅延通知情報生成部601から遅延通知情報を受信すると、乗車情報DB301に記憶されている乗車情報に基づき、遅延証明書を配信する対象となる携帯端末20cを特定する。具体的には、遅延証明書配信部307は、乗車情報DB301を参照し、遅延通知情報に含まれる列車識別情報に対応付けられている携帯端末識別情報を特定する。当該携帯端末識別情報に対応する携帯端末20cが、遅延証明書の配信対象となる。
【0082】
遅延証明書配信部307は、特定した携帯端末識別情報に対応する携帯端末20cに、遅延証明書についての情報を送信する。なお、遅延証明書配信部307は、携帯端末20cの連絡先(例えば電話番号、メールアドレス等)を、乗車情報に含まれる携帯端末識別情報(例えばMACアドレス)に基づき、携帯端末20cのキャリアに問い合わせることにより取得してもよい。あるいは、携帯端末識別情報に乗客の属性情報として連絡先についての情報が含まれている場合には、遅延証明書配信部307は、その連絡先についての情報に基づいて携帯端末20cに遅延証明書についての情報を送信してもよい。
【0083】
携帯端末20cは、その機能として、表示部207と、表示制御部209と、を有する。表示部207及び表示制御部209は、実施の形態2に係る携帯端末20aの表示部207及び表示制御部209と同様のハードウェアにより構成され、同様の機能を有する。すなわち、表示部207は、表示制御部209からの制御により、各種の情報を視覚的に表示する。また、表示制御部209は、表示部207の表示を制御し、当該表示部207に各種の情報を表示させる。具体的には、実施の形態4では、表示制御部209は、乗客支援サーバ30cの遅延証明書配信部307から送信される遅延証明書についての情報を表示部207に表示させる。
【0084】
なお、以上説明した携帯端末20cの表示制御部209、乗客支援サーバ30cの遅延証明書配信部307、及び運行管理システム60の遅延通知情報生成部601は、CPU又はDSP等のプロセッサ、並びにメモリ等の記憶素子によって構成される。当該プロセッサが当該記憶素子に記憶された所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、上記の各機能が実現される。なお、携帯端末20cの表示制御部209の機能は、実施の形態4に係るサービスを受けたいと考える乗客が、携帯端末20cに専用のアプリをインストールすることにより実現されてよい。換言すれば、上記の各機能を実現するためのプログラム又はアプリを作製し、サーバ又は携帯端末等の情報処理装置に実装することが可能である。なお、当該プログラム又は当該アプリは、ネットワークを介して配信されてよい。あるいは、このようなプログラム又はアプリが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。
【0085】
以上、実施の形態4に係る乗客支援システム4の構成について説明した。なお、
図6に示す構成はあくまで乗客支援システム4の構成の一例であり、乗客支援システム4は、全体として以上説明した各機能が実現されるように構成されればよく、その具体的な構成は任意であってよい。例えば、乗客支援サーバ30c及び運行管理システム60が一体的に構成され、乗客支援サーバ30cの各機能が、運行管理システム60に実装されてもよい。
【0086】
(乗客支援システムにおける情報処理方法)
図7を参照して、以上説明した乗客支援システム4における情報処理方法の処理手順について説明する。
図7は、実施の形態4に係る乗客支援システム4における情報処理方法の処理手順を示すフロー図である。なお、
図7に示す各処理の詳細については、
図6を参照して乗客支援システム4の構成について説明した際に既に説明しているため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0087】
実施の形態4に係る乗客支援システム4における情報処理方法では、まず、運行管理システム60において、遅延通知情報が生成される(ステップS301)。次に、生成された遅延通知情報が、乗客支援サーバ30cに送信される(ステップS303)。ステップS301及びステップS303に示す処理は、
図6を参照して説明した運行管理システム60の遅延通知情報生成部603が実行する処理に対応している。
【0088】
次に、乗客支援サーバ30cにおいて、乗車情報DB301に記憶されている乗車情報に基づき、遅延証明書を配信する対象となる携帯端末20cが特定される。具体的には、乗車情報DB301が参照され、遅延通知情報に含まれる列車識別情報に対応付けられている携帯端末識別情報が特定される(ステップS305)。抽出された携帯端末識別情報に対応する携帯端末20cが、遅延証明書の配信対象となる。
【0089】
次に、抽出された携帯端末識別情報に対応する携帯端末20cに対して遅延証明書についての情報が送信される(ステップS307)。ステップS305及びステップS307に示す処理は、
図6を参照して説明した乗客支援サーバ30cの遅延証明書配信部307が実行する処理に対応している。
【0090】
次に、携帯端末20cにおいて、遅延証明書についての情報が表示される(ステップS309)。つまり、遅延が発生していた列車に乗車していた乗客の携帯端末20cに対して、遅延証明書が通知され、表示される。ステップS309に示す処理は、
図6を参照して説明した携帯端末20cの表示制御部209が実行する処理に対応している。
【0091】
以上、実施の形態4に係る乗客支援システム4における情報処理方法の処理手順について説明した。
【0092】
以上説明したように、実施の形態4に係る乗客支援システム4によれば、遅延が発生した場合に、当該遅延が発生した列車に乗っていた乗客の携帯端末20cに対して遅延証明書についての情報が配信される。このとき、例えばアプリをインストールする等、乗客が乗客支援システム4に係るサービスの提供を申し入れていれば、乗客自身が遅延証明書の送信をリクエストしなくても、対象の乗客に対して自動的に遅延証明書についての情報が配信される(例えば、いわゆるPUSH通知がなされる)。従って、遅延証明書を取得するための煩雑な手続きが不要となり、乗客の利便性を向上させることができる。
【0093】
実施の形態5.
(車内放送のテキストデータの配信)
(乗客支援システムの構成)
図8を参照して、車内放送のテキストデータを配信するサービスを実現する乗客支援システムの構成について説明する。
図8は、実施の形態5に係る車内放送のテキストデータを配信するサービスに関する乗客支援システムの構成を示すブロック図である。
【0094】
図8を参照すると、乗客支援システム5(ユーザ支援システム5)は、携帯端末20dと、乗客支援サーバ30d(本開示において情報処理装置に相当する)と、車内放送管理システム70と、を備える。携帯端末20dは、
図1に示す乗車情報収集システム1において乗客支援サーバ30に乗車情報を送信した携帯端末20と同一の端末である。乗客支援サーバ30dは、
図1に示す乗車情報収集システム1における乗客支援サーバ30と同一の装置である。
図8では、携帯端末20d及び乗客支援サーバ30dについて、実施の形態5に係るサービスを実現するための機能のみを図示しており、
図1に示すものとは異なる機能構成を図示しているため、これらに形式的に異なる符号を付している。なお、図示を省略しているが、携帯端末20d、乗客支援サーバ30d、及び車内放送管理システム70は、所定の通信形式で外部の装置と通信を行う通信装置を有する。携帯端末20dと乗客支援サーバ30dと、及び乗客支援サーバ30dと車内放送管理システム70とは、当該通信装置を介して互いに通信可能に接続されている。
【0095】
携帯端末20dは、その機能として、入力部203と、リクエスト通知情報生成部211と、表示部207と、表示制御部209と、を有する。
【0096】
入力部203は、実施の形態2に係る携帯端末20aの入力部203と同様のハードウェアにより構成され、同様の機能を有する。すなわち、入力部203は、乗客による各種の操作入力を受け付けるインターフェースである。実施の形態5では、乗客は、例えば車内放送を聞き逃してしまい、その内容を後から確認したい場合に、車内放送のテキストデータの配信を希望する旨の情報(以下、リクエスト情報という)を入力する。リクエスト情報は、少なくとも配信されるテキストデータの言語を指定する情報(以下、言語指定情報という)を含む。入力部203は、入力されたリクエスト情報を、リクエスト通知情報生成部211に提供する。なお、以下では、一例として、列車に乗車中の乗客が、その乗車中に行われた車内放送のテキストデータの配信をリクエストした場合について説明する。ただし、実施の形態5はかかる例に限定されず、乗客は、乗車中に行われた車内放送のテキストデータの配信を、降車後にリクエストしてもよい。
【0097】
リクエスト通知情報生成部211は、入力部203から提供されたリクエスト情報に自身の携帯端末識別情報を付与することにより、車内放送のテキストデータの配信希望を乗客支援サーバ30dに通知する情報であるリクエスト通知情報を生成する。リクエスト通知情報生成部211は、生成したリクエスト通知情報を、後述する乗客支援サーバ30dの車内放送テキストデータ配信部309に送信する。
【0098】
表示部207及び表示制御部209は、実施の形態2に係る携帯端末20aの表示部207及び表示制御部209と同様のハードウェアにより構成され、同様の機能を有する。すなわち、表示部207は、表示制御部209からの制御により、各種の情報を視覚的に表示する。また、表示制御部209は、表示部207の表示を制御し、当該表示部207に各種の情報を表示させる。具体的には、実施の形態5では、表示制御部209は、入力部203からリクエスト情報が入力される際の案内を表示部207に表示させる。この際、入力部203がタッチパネルによって構成される場合には、入力部203及び表示部207はタッチセンサ付きの表示装置として一体的に構成されてもよく、表示制御部209は、表示部207にリクエスト情報の入力画面を表示させてもよい。また、表示制御部209は、後述する乗客支援サーバ30dの車内放送テキストデータ配信部309から配信される車内放送のテキストデータを表示部207に表示させる。
【0099】
乗客支援サーバ30dは、その機能として、乗車情報DB301と、車内放送テキストデータ配信部309と、を有する。乗車情報DB301は、
図1に示す乗車情報DB301と同一のものであり、乗客の乗車情報を記憶している。
【0100】
車内放送テキストデータ配信部309は、携帯端末20dのリクエスト通知情報生成部211からリクエスト通知情報を受信すると、車内放送管理システム70に対して、車内放送のテキストデータの取得を依頼する。具体的には、車内放送テキストデータ配信部309は、乗車情報DB301を参照し、受信したリクエスト通知情報に含まれる携帯端末識別情報に対応付けられている列車識別情報を取得する。そして、車内放送テキストデータ配信部309は、取得した列車識別情報と、リクエスト通知情報に含まれる言語指定情報とを、後述する車内放送管理システム70の車内放送テキストデータ配信部707に送信し、当該列車識別情報(すなわち、車内放送のテキストデータの配信を希望した携帯端末20dを所持する乗客が乗車している列車を示す列車識別情報)に対応する列車において行われた車内放送のテキストデータの取得を依頼する。
【0101】
また、車内放送テキストデータ配信部309は、取得を依頼した車内放送のテキストデータを、車内放送管理システム70から受信する。そして、当該車内放送のテキストデータを、リクエスト通知情報を送信してきた携帯端末20dの表示制御部209に対して送信する。これにより、上述したように、携帯端末20dでは、表示制御部209からの制御により、リクエストした車内放送のテキストデータが表示部207に表示されることとなる。
【0102】
なお、車内放送テキストデータ配信部309は、携帯端末20dの連絡先(例えば電話番号、メールアドレス等)を、携帯端末20dから送信される携帯端末識別情報(例えばMACアドレス)に基づき、携帯端末20dのキャリアに問い合わせることにより取得してもよい。あるいは、携帯端末20dから送信される携帯端末識別情報に乗客の属性情報として連絡先についての情報が含まれている場合には、車内放送テキストデータ配信部309は、その連絡先についての情報に基づいて携帯端末20dに車内放送のテキストデータを送信してもよい。
【0103】
車内放送管理システム70は、鉄道事業者によって保有されるシステムであり、過去に行われた車内放送をテキストデータ化して管理する。車内放送管理システム70は、その機能として、音声反訳部701と、翻訳部703と、車内放送DB705と、車内放送テキストデータ配信部707と、を有する。
【0104】
乗務員によって行われた車内放送に係る音声情報は、車内放送管理システム70の音声反訳部701に入力される。例えば、車内放送用のマイクロフォンから入力された音声情報が、車両内のスピーカに対して送信される際に、併せて音声反訳部701にも送信されるように、車内放送用の設備が構成される。音声反訳部701は、当該音声情報を反訳し、車内放送のテキストデータを生成する。音声反訳部701による文字起こしの処理には、各種の公知の音声認識技術が用いられてよいため、ここではその詳細な説明を省略する。当該文字起こしの処理には、例えば機械学習が用いられてもよい。音声反訳部701は、生成したテキストデータを、翻訳部703及び車内放送DB705に提供する。
【0105】
翻訳部703は、音声反訳部701によって生成されたテキストデータを他の言語に翻訳する。例えば、車内放送が日本語で行われ、音声反訳部701が日本語のテキストデータを生成した場合には、翻訳部703は、当該日本語のテキストデータを翻訳し、英語、中国語、韓国語等のテキストデータを生成する。翻訳部703が翻訳する言語は、実施の形態5に係るサービスの対象の路線を利用することが予想される外国人の主な国籍等に応じて、乗客支援システム5の設計者、提供者等によって適宜設定されてよい。翻訳部703による翻訳処理には、各種の公知の機械翻訳技術が用いられてよいため、ここではその詳細な説明を省略する。当該翻訳処理には、例えば機械学習が用いられてもよい。翻訳部703は、生成した他の言語のテキストデータを車内放送DB705に提供する。
【0106】
車内放送DB705は、HDD又はフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置によって構成される。車内放送DB705は、列車ごとに、その運行中に行われた車内放送のテキストデータが記憶されたデータベースである。車内放送DB705には、音声反訳部701によって生成された車内放送のテキストデータ、及び翻訳部703によって生成された当該テキストデータを他言語に翻訳したテキストデータが提供される。また、車内放送DB705には、運行管理システムから列車識別情報が提供される。車内放送DB705は、上記のテキストデータと列車識別情報とを対応付けて記憶する。この際、車内放送DB705は、車内放送が行われた時刻情報を併せて記憶する。車内放送DB705は、列車内で車内放送が行われる度に、そのテキストデータを随時記憶していく。
【0107】
車内放送テキストデータ配信部707は、乗客支援サーバ30dの車内放送テキストデータ配信部309から、乗車情報DB301から取得された列車識別情報(すなわち、車内放送のテキストデータの配信をリクエストした乗客の乗車履歴を示す列車識別情報)と、リクエスト通知情報に含まれる言語指定情報とを受信すると、車内放送DB705を参照し、これらの情報に該当する車内放送のテキストデータを取得する。該当する車内放送のテキストデータとは、受信した列車識別情報に対応付けられたテキストデータ(すなわち、受信した列車識別情報に対応する列車内で放送された車内放送のテキストデータ)であって、受信した言語指定情報に対応する言語のテキストデータである。この際、車内放送テキストデータ配信部707は、受信した列車識別情報に含まれる当該列車識別情報が配信された日時についての情報に基づき、携帯端末20dを所持する乗客が乗車している時間帯を特定し、当該時間帯に対応する車内放送のテキストデータを取得する。
【0108】
車内放送テキストデータ配信部707は、取得した車内放送のテキストデータを、乗客支援サーバ30dの車内放送テキストデータ配信部309に送信する。上述したように、当該車内放送のテキストデータは、携帯端末20dに送信され、当該携帯端末20dにおいて表示されることとなる。この際、携帯端末20dを所持する乗客が乗車している時間帯に対応する車内放送のテキストデータが送信されるため、車内放送のテキストデータの配信をリクエストした乗客は、自身が乗車している間にされた車内放送のテキストデータを受け取ることが可能となる。
【0109】
なお、以上説明した携帯端末20dの表示制御部209及びリクエスト通知情報生成部211、乗客支援サーバ30dの車内放送テキストデータ配信部309、並びに車内放送管理システム70の車内放送テキストデータ配信部707は、CPU又はDSP等のプロセッサ、並びにメモリ等の記憶素子によって構成される。当該プロセッサが当該記憶素子に記憶された所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、上記の各機能が実現される。なお、携帯端末20dの表示制御部209及びリクエスト通知情報生成部211の機能は、実施の形態5に係るサービスを受けたいと考える乗客が、携帯端末20dに専用のアプリをインストールすることにより実現されてよい。換言すれば、上記の各機能を実現するためのプログラム又はアプリを作製し、サーバ又は携帯端末等の情報処理装置に実装することが可能である。なお、当該プログラム又は当該アプリは、ネットワークを介して配信されてよい。あるいは、このようなプログラム又はアプリが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。
【0110】
以上、実施の形態5に係る乗客支援システム5の構成について説明した。なお、
図8に示す構成はあくまで乗客支援システム5の構成の一例であり、乗客支援システム5は、全体として以上説明した各機能が実現されるように構成されればよく、その具体的な構成は任意であってよい。例えば、乗客支援サーバ30d及び車内放送管理システム70が一体的に構成され、乗客支援サーバ30dの各機能が、車内放送管理システム70に実装されてもよい。
【0111】
(乗客支援システムにおける情報処理方法)
図9を参照して、以上説明した乗客支援システム5における情報処理方法の処理手順について説明する。
図9は、実施の形態5に係る乗客支援システム5における情報処理方法の処理手順を示すフロー図である。なお、
図9に示す各処理の詳細については、
図8を参照して乗客支援システム5の構成について説明した際に既に説明しているため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0112】
実施の形態5に係る乗客支援システム5における情報処理方法では、まず、車内放送管理システム70において、車内放送が音声反訳され、そのテキストデータが当該車内放送が行われた列車を示す列車識別情報と対応付けられて車内放送DB705に記憶される(ステップS401)。また、その車内放送のテキストデータが他の言語に翻訳され、翻訳後のテキストデータが当該車内放送が行われた列車を示す列車識別情報と対応付けられて車内放送DB705に記憶される(ステップS403)。ステップS401及びステップS403に示す処理は、
図8を参照して説明した車内放送管理システム70の音声反訳部701及び翻訳部703がそれぞれ実行する処理に対応している。なお、
図9では、便宜的に、ステップS401及びステップS403に示す処理がそれぞれ1回ずつ、他の処理に先駆けて行われるように記載されているが、実際には、ステップS401及びステップS403に示す処理は、車内放送が行われる度に、他の処理にかかわらず随時行われる。
【0113】
次に、携帯端末20dにおいて、リクエスト情報が取得される(ステップS405)。次に、取得されたリクエスト情報に携帯端末識別情報が付与されることにより、リクエスト通知情報が生成される(ステップS407)。次に、生成されたリクエスト通知情報が、乗客支援サーバ30dに送信される(ステップS409)。ステップS405~ステップS409に示す処理は、
図8を参照して説明した携帯端末20dのリクエスト通知情報生成部211が実行する処理に対応している。
【0114】
次に、乗客支援サーバ30dにおいて、受信したリクエスト通知情報に基づいて、車内放送管理システム70に対して、車内放送のテキストデータの取得が依頼される。具体的には、乗車情報DB301が参照され、リクエスト通知情報に含まれる携帯端末識別情報に対応付けられている列車識別情報が取得される(ステップS411)。そして、取得された列車識別情報と、リクエスト通知情報に含まれる言語指定情報とが、車内放送管理システム70に送信される(ステップS413)。ステップS411及びステップS413に示す処理は、
図8を参照して説明した乗客支援サーバ30dの車内放送テキストデータ配信部309が実行する処理に対応している。
【0115】
次に、車内放送管理システム70において、車内放送DB705が参照され、受信した列車識別情報及び言語指定情報に対応する車内放送のテキストデータが取得される(ステップS415)。この際、受信した列車識別情報に含まれる当該列車識別情報が配信された日時情報に基づき、携帯端末20dを所持する乗客が乗車している時間帯が特定され、当該時間帯に対応する車内放送のテキストデータが取得される。次に、取得された車内放送のテキストデータが、乗客支援サーバ30dに送信される(ステップS417)。ステップS415及びステップS417に示す処理は、
図8を参照して説明した車内放送管理システム70の車内放送テキストデータ配信部707が実行する処理に対応している。
【0116】
次に、乗客支援サーバ30aにおいて、受信された車内放送のテキストデータが、携帯端末20dに送信される(ステップS419)。ステップS419に示す処理は、
図8を参照して説明した乗客支援サーバ30dの車内放送テキストデータ配信部309が実行する処理に対応している。
【0117】
次に、携帯端末20dにおいて、受信した車内放送のテキストデータが表示される(ステップS421)。ステップS421に示す処理は、
図8を参照して説明した携帯端末20dの表示制御部209が実行する処理に対応している。
【0118】
以上、実施の形態5に係る情報処理方法の処理手順について説明した。
【0119】
以上説明したように、実施の形態5に係る乗客支援システム5によれば、車内放送のテキストデータの配信を希望した乗客に対して、その乗車中に行われた車内放送のテキストデータが配信される。このとき、乗客は、リクエスト情報を入力するだけでよく、乗車している列車を指定する必要がない。従って、例えば車内放送を聞き逃した場合に、乗客は簡便な手続きで乗車中の列車において行われた車内放送のテキストデータを取得することが可能になる。また、乗客は、他の言語に翻訳されたテキストデータを取得することもできるため、乗客支援システム5に係るサービスは、例えば日本語の音声を聞き取ることに不慣れな海外からの旅行者等にとっても有益なサービスである。
【0120】
なお、上述した構成例では、車内放送管理システム70において、乗客が乗車している時間帯が特定され、当該時間帯に行われた車内放送のテキストデータが配信された。しかし、乗客が、当該時間帯におけるある特定の車内放送を確認したい場合もあり得る。このような場合には、当該時間帯における全ての車内放送のテキストデータが配信されると、乗客はその中から希望するテキストデータを探す必要が生じるため、煩雑に感じる可能性がある。従って、乗客がリクエスト情報を入力する際に、配信を希望する車内放送のテキストデータを指定できるようにしてもよい。例えば、車内放送管理システム70において、車内放送のテキストデータが、当該車内放送が行われた地点の前後の駅名、当該車内放送が行われた時刻、及び/又は当該車内放送の種別(次駅の情報(到着時刻、乗り換え等)に関する車内放送、遅延に関する車内放送等)等と対応付けられて記憶されていてもよく、携帯端末20dにおいて、表示制御部209が、リクエスト情報を入力する案内として、これらの項目を入力させるような画面を表示部207に表示させてもよい。つまり、リクエスト情報が、入力されたこれらの項目についての情報(すなわち、特定の車内放送のテキストデータを指定する旨の情報)を含んでもよい。これにより、乗客支援サーバ30dの車内放送テキストデータ配信部309は、リクエスト情報に含まれる当該特定の車内放送のテキストデータを指定する旨の情報に基づいて、その指定された車内放送のテキストデータを車内放送管理システム70から取得し、携帯端末20dに配信することができるようになるため、乗客は、所望するテキストデータだけを受け取ることが可能になる。このように、乗客がリクエスト情報を入力する際に、特定の車内放送のテキストデータを指定可能とすることにより、乗客の利便性を更に向上させることができる。
【0121】
また、上述した構成例では、乗客支援システム5は、車内放送管理システム70において他言語に翻訳された車内放送のテキストデータが管理され、複数の言語のテキストデータが配信可能に構成されていたが、乗客支援システム5の構成はかかる例に限定されない。乗客支援システム5は、車内放送管理システム70において車内放送がなされた言語のテキストデータのみが管理され、当該言語に係るテキストデータのみが配信可能に構成されてもよい。当該構成によれば、翻訳部703の機能が不要になるため、車内放送管理システム70をより簡易な構成とすることができ、車内放送管理システム70の構築、運用に係るコストを低減することができる。ただし、海外からの旅行者等の便宜を考慮すると、上述した構成例のように、複数の言語でのテキストデータの配信が可能なように乗客支援システム5を構成することが好ましい。
【0122】
(変形例、補足等)
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本開示に係る技術はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変形例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、本開示に係る技術は、以上説明した実施の形態以外にも、以下のような形態を取り得る。
【0123】
例えば、上述した実施の形態1では、列車識別情報は、列車及び当該列車を構成する車両を特定する情報を含むように構成されていたが、本開示はかかる例に限定されない。例えば、車両101内に複数の情報配信装置10が設置される場合には、列車識別情報は、その情報配信装置10の車両101内における設置位置を特定する情報を更に含んでもよい。この場合、列車識別情報は、車両101内における領域(すなわち、情報配信装置10が列車識別情報を配信可能な範囲に対応する領域)を特定する情報を更に含むこととなる。つまり、当該列車識別情報を含む乗車情報を利用することにより、携帯端末20の所持者である乗客が、車両101内のどの領域に乗っている/乗っていたかを把握することが可能になる。
【0124】
かかる乗車情報を利用する場合、実施の形態2において忘れ物の届け出をした乗客が乗車していた車両101を特定する際に、当該車両101内において乗客が乗車していた領域まで特定することが可能となる。従って、忘れ物をしたと思われる場所がより詳細に特定されることとなるため、忘れ物管理システム40での照会をより精度良く行うことが可能となる。同様に、かかる乗車情報を利用する場合、実施の形態3において感染者が乗車していた車両101を特定する際に、当該車両101内において感染者が乗車していた領域まで特定することが可能となる。また、当該感染者と同じ車両101に乗車していた乗客を特定する際に、同じ車両101に乗っていたかどうかだけでなく、当該車両101内で感染者の近くに乗っていたかどうかまで特定することが可能になる。従って、感染者と同乗していた旨の通知を行う際に、当該感染者との距離についての情報まで含めたより詳細な通知を行うことが可能になる。
【0125】
また、例えば、上述した実施の形態3、4では、いわゆるPUSH通知によって、対象となる乗客に対して自動的に、同乗通知及び遅延証明書についての情報がそれぞれ配信されていたが、本開示はかかる例に限定されない。例えば、実施の形態3では、乗客からリクエスト(問い合わせ)があった場合に、乗客支援サーバ30cにおいて、乗車情報に基づいて当該乗客が乗車していた列車が特定され、更に、乗車情報に基づいて当該列車に感染者が同乗していたか否かが判定され、同乗していたと判定された場合に、リクエストをした乗客に対して同乗通知が配信されてもよい。同様に、例えば、実施の形態4では、乗客からリクエストがあった場合に、乗客支援サーバ30cにおいて乗車情報に基づいて当該乗客が遅延証明書の発行の対象となる列車に乗車している/乗車していたか否かを判定し、発行の対象となると判定した場合に当該乗客に対して遅延証明書についての情報が配信されてもよい。
【0126】
また、以上説明した実施の形態2~5に係るサービスは、乗客に対して、それぞれ単独に提供されてもよいし、これらのうちの2以上の任意のサービスが同時に提供されてもよい。実施の形態2~5に係るサービスのうちの複数のサービスが乗客に対して提供される場合には、乗客が所持する携帯端末に対して、提供されるサービス群を統合的に実現するアプリをインストールすることにより、これらのサービス群が提供されてよい。これにより、乗客は、各サービスに係るアプリをそれぞれインストールする必要がなく、アプリのインストール作業を1度だけ行えばよいため、煩雑な作業を行うことなくサービスを享受することが可能になる。更に、実施の形態2~5に係るサービスの一部又は全てを提供するためのアプリを携帯端末にインストールする際又はインストールした後に、乗客がその中から提供を受けたいサービスを選択可能であってもよい。これにより、乗客は、所望のサービスのみを享受することが可能になる。
【0127】
また、本開示は、以下の様態を含む。
(1)
携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、
前記携帯端末から、列車での忘れ物の届け出情報として、忘れ物の特徴を示す忘れ物情報、及び前記携帯端末自身の前記携帯端末識別情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して受信した前記携帯端末識別情報に対応付けられている前記列車識別情報を取得し、取得した前記列車識別情報及び受信した前記忘れ物情報に基づき、受信した前記忘れ物情報に対応する忘れ物の有無を忘れ物管理システムに照会する、忘れ物照会部と、
を備える、情報処理装置。
(2)
前記忘れ物照会部は、照会結果についての情報を、前記届け出情報を送信した前記携帯端末に送信する、
上記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記列車識別情報は、前記列車を構成する車両を特定する情報を更に含む、
上記(1)又は上記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記列車識別情報は、前記列車を構成する車両内における領域を特定する情報を更に含む、
上記(1)~上記(3)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(5)
列車に乗車中のユーザの前記携帯端末に対して、前記列車の車両内に設置されている情報配信装置から前記列車識別情報が配信され、前記携帯端末が、受信した前記列車識別情報、及び自身の前記携帯端末識別情報を前記情報処理装置に送信し、
前記乗車情報DBが、前記携帯端末から受信した前記携帯端末識別情報と前記列車識別情報とを対応付けて記憶することで、前記乗車情報DBに前記乗車情報が蓄積される、
上記(1)~上記(4)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(6)
携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBを利用して、前記ユーザを支援するためにプロセッサが行う情報処理方法であって、
前記プロセッサが、前記携帯端末から、列車での忘れ物の届け出情報として、忘れ物の特徴を示す忘れ物情報、及び前記携帯端末自身の前記携帯端末識別情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して受信した前記携帯端末識別情報に対応付けられている前記列車識別情報を取得し、取得した前記列車識別情報及び受信した前記忘れ物情報に基づき、受信した前記忘れ物情報に対応する忘れ物の有無を忘れ物管理システムに照会するステップ、
を含む、情報処理方法。
(7)
列車のユーザが所持する携帯端末と、列車における忘れ物についての情報を管理する忘れ物管理システムと、忘れ物の届け出をする際に前記ユーザを支援する情報処理装置と、を備える、ユーザ支援システムであって、
前記携帯端末は、ユーザから前記忘れ物情報が入力された場合、忘れ物の届け出情報として、当該忘れ物情報に、携帯端末を特定する情報である自身の携帯端末識別情報を付与して前記情報処理装置に対して送信する届け出情報生成部を有し、
前記情報処理装置は、前記携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、前記携帯端末から前記届け出情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して受信した前記携帯端末識別情報に対応する前記列車識別情報を取得し、取得した前記列車識別情報及び受信した前記忘れ物情報に基づき、受信した前記忘れ物情報に対応する忘れ物の有無を前記忘れ物管理システムに照会する忘れ物照会部と、を有する、
ユーザ支援システム。
【0128】
(8)
携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、
特定の感染症の感染者を通知するための感染者通知情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して、前記感染者通知情報に含まれる前記感染者についての前記携帯端末識別情報に対応付けられている前記列車識別情報を特定し、特定した前記列車識別情報と同一の前記列車識別情報に対応付けられている他の前記携帯端末識別情報を更に特定し、特定した他の前記携帯端末識別情報に対応する前記携帯端末に前記感染者と同じ列車に乗っていた旨を通知する同乗通知部と、
を備える、情報処理装置。
(9)
前記列車識別情報は、前記列車を構成する車両を特定する情報を更に含み、
前記同乗通知部は、前記感染者と同じ車両に乗っていた旨を通知する、
上記(8)に記載の情報処理装置。
(10)
前記列車識別情報は、前記列車を構成する車両内における領域を特定する情報を更に含み、
前記同乗通知部は、前記感染者と同じ車両に乗っていた旨、及び前記感染者との距離についての情報を通知する、
上記(8)又は上記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記列車識別情報は、前記列車識別情報の配信日時についての情報を更に含み、
前記感染者通知情報は、前記感染者の感染が発覚した日時を示す感染発覚日時情報を更に含み、
前記同乗通知部は、前記感染者通知情報に含まれる前記感染者についての前記携帯端末識別情報に対応付けられている前記列車識別情報を特定する際に、前記列車識別情報に含まれる配信日時についての情報に基づき、感前記染発覚日時情報に示される感染が発覚した日時から、前記感染症の潜伏期間だけ遡った期間に該当する前記列車識別情報を特定する、
上記(8)~上記(10)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(12)
列車に乗車中のユーザの前記携帯端末に対して、前記列車の車両内に設置されている情報配信装置から前記列車識別情報が配信され、前記携帯端末が、受信した前記列車識別情報、及び自身の前記携帯端末識別情報を前記情報処理装置に送信し、
前記乗車情報DBが、前記携帯端末から受信した前記携帯端末識別情報と前記列車識別情報とを対応付けて記憶することで、前記乗車情報DBに前記乗車情報が蓄積される、
上記(8)~上記(11)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(13)
携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBを利用して、前記ユーザを支援するためにプロセッサが行う情報処理方法であって、
前記プロセッサが、特定の感染症の感染者を通知するための感染者通知情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して、前記感染者通知情報に含まれる前記感染者についての前記携帯端末識別情報に対応付けられている前記列車識別情報を特定し、特定した前記列車識別情報と同一の前記列車識別情報に対応付けられている他の前記携帯端末識別情報を更に特定し、特定した他の前記携帯端末識別情報に対応する前記携帯端末に前記感染者と同じ列車に乗っていた旨を通知するステップ、
を含む、情報処理方法。
(14)
列車のユーザが所持する携帯端末と、特定の感染症の感染者を管理する感染者管理システムと、前記携帯端末に対して前記感染者と同じ列車に乗っていた旨を通知する情報処理装置と、を備える、ユーザ支援システムであって、
前記情報処理装置は、前記携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、前記感染者管理システムから前記感染症の感染者を通知するための感染者通知情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して、前記感染者通知情報に含まれる前記感染者についての前記携帯端末識別情報に対応付けられている前記列車識別情報を特定し、特定した前記列車識別情報と同一の前記列車識別情報に対応付けられている他の前記携帯端末識別情報を更に特定し、特定した他の前記携帯端末識別情報に対応する前記携帯端末に前記感染者と同じ列車に乗っていた旨を通知する同乗通知部と、を有する、
ユーザ支援システム。
【0129】
(15)
携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、
列車の運行に遅延が発生した場合に、前記乗車情報DBを参照して、遅延が発生した列車の前記列車識別情報に対応付けられている前記携帯端末識別情報を特定し、特定した前記携帯端末識別情報に対応する前記携帯端末に遅延証明書についての情報を配信する遅延証明書配信部と、
を備える、情報処理装置。
(16)
列車に乗車中のユーザの前記携帯端末に対して、前記列車の車両内に設置されている情報配信装置から前記列車識別情報が配信され、前記携帯端末が、受信した前記列車識別情報、及び自身の前記携帯端末識別情報を前記情報処理装置に送信し、
前記乗車情報DBが、前記携帯端末から受信した前記携帯端末識別情報と前記列車識別情報とを対応付けて記憶することで、前記乗車情報DBに前記乗車情報が蓄積される、
上記(15)に記載の情報処理装置。
(17)
携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBを利用して、前記ユーザを支援するためにプロセッサが行う情報処理方法であって、
前記プロセッサが、列車の運行に遅延が発生した場合に、前記乗車情報DBを参照して、遅延が発生した列車の前記列車識別情報に対応付けられている前記携帯端末識別情報を特定し、特定した前記携帯端末識別情報に対応する前記携帯端末に遅延証明書についての情報を配信するステップ、
を含む、情報処理方法。
(18)
列車のユーザが所持する携帯端末と、列車の運行を管理する運行管理システムと、列車の運行に遅延が発生した場合に前記携帯端末に対して遅延証明書についての情報を配信する情報処理装置と、を備える、ユーザ支援システムであって、
前記情報処理装置は、前記携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、列車の運行に遅延が発生した場合に、前記乗車情報DBを参照して、遅延が発生した列車の前記列車識別情報に対応付けられている前記携帯端末識別情報を特定し、特定した前記携帯端末識別情報に対応する前記携帯端末に遅延証明書についての情報を配信する遅延証明書配信部と、を有する、
ユーザ支援システム。
【0130】
(19)
携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、
前記携帯端末から車内放送のテキストデータの配信をリクエストする旨のリクエスト情報及び前記携帯端末自身の前記携帯端末識別情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して、受信した前記携帯端末識別情報に対応付けられている前記列車識別情報を特定し、特定した前記列車識別情報に対応する列車で行われた車内放送のテキストデータを、車内放送のテキストデータを管理する車内放送管理システムから取得し、取得した前記車内放送のテキストデータを、リクエスト情報及び前記携帯端末識別情報を送信してきた前記携帯端末に配信する車内放送テキストデータ配信部と、
を備える、情報処理装置。
(20)
前記リクエスト情報は、テキストデータの言語を指定する言語指定情報を含み、
前記車内放送テキストデータ配信部は、前記言語指定情報に対応する言語の車内放送のテキストデータを取得する、
上記(19)に記載の情報処理装置。
(21)
前記列車識別情報は、前記列車識別情報の配信日時についての情報を更に含み、
前記車内放送テキストデータ配信部は、受信した列車識別情報に含まれる前記配信日時についての情報に基づき、前記携帯端末を所持するユーザの乗車時間帯を特定し、特定した前記乗車時間帯に対応する前記車内放送のテキストデータを取得する、
上記(19)又は上記(20)に記載の情報処理装置。
(22)
列車に乗車中のユーザの前記携帯端末に対して、前記列車の車両内に設置されている情報配信装置から前記列車識別情報が配信され、前記携帯端末が、受信した前記列車識別情報、及び自身の前記携帯端末識別情報を前記情報処理装置に送信し、
前記乗車情報DBが、前記携帯端末から受信した前記携帯端末識別情報と前記列車識別情報とを対応付けて記憶することで、前記乗車情報DBに前記乗車情報が蓄積される、
上記(19)~上記(21)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(23)
携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBを利用して、前記ユーザを支援するためにプロセッサが行う情報処理方法であって、
前記プロセッサが、前記携帯端末から車内放送のテキストデータの配信をリクエストする旨のリクエスト情報及び前記携帯端末自身の前記携帯端末識別情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して、受信した前記携帯端末識別情報に対応付けられている前記列車識別情報を特定し、特定した前記列車識別情報に対応する列車で行われた車内放送のテキストデータを、車内放送のテキストデータを管理する車内放送管理システムから取得し、取得した前記車内放送のテキストデータを、リクエスト情報及び前記携帯端末識別情報を送信してきた前記携帯端末に配信するステップ、
を含む、情報処理方法。
(24)
列車のユーザが所持する携帯端末と、列車で行われた車内放送をテキストデータ化して管理する車内放送管理システムと、前記携帯端末に対して前記車内放送のテキストデータを配信する情報処理装置と、を備える、ユーザ支援システムであって、
前記情報処理装置は、前記携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、前記携帯端末から車内放送のテキストデータの配信をリクエストする旨のリクエスト情報及び前記携帯端末自身の前記携帯端末識別情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して、受信した前記携帯端末識別情報に対応付けられている前記列車識別情報を特定し、特定した前記列車識別情報に対応する列車で行われた車内放送のテキストデータを、車内放送のテキストデータを管理する車内放送管理システムから取得し、取得した前記車内放送のテキストデータを、リクエスト情報及び前記携帯端末識別情報を送信してきた前記携帯端末に配信する車内放送テキストデータ配信部と、を有する、
ユーザ支援システム。
【符号の説明】
【0131】
1 乗車情報収集システム、 2、3、4、5 乗客支援システム(ユーザ支援システム)、10 情報配信装置、20、20a、20b、20c、20d 携帯端末、30、30a、30b、30c、30d 乗客支援サーバ(情報処理装置)、40 忘れ物管理システム、50 感染者管理システム、60 運行管理システム、70 車内放送管理システム、201 乗車情報生成部、203 入力部、205 届け出情報生成部、207 表示部、209 表示制御部、211 リクエスト通知情報生成部、301 乗車情報DB、303 忘れ物照会部、305 同乗通知部、307 遅延証明書配信部、309 車内放送テキストデータ配信部、401 忘れ物管理DB、403 忘れ物管理DB照合部、501 感染者管理DB、503 感染者通知情報生成部、601 遅延通知情報生成部、701 音声反訳部、703 翻訳部、705 車内放送DB、707 車内放送テキストデータ配信部。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、
遅延証明書の発行基準を満たす遅延が発生した列車の前記列車識別情報と前記遅延についての前記遅延証明書についての情報とを少なくとも含む遅延通知情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して前記遅延通知情報に含まれる前記列車識別情報に対応付けられた前記携帯端末識別情報を特定し、特定した前記携帯端末識別情報に対応する前記携帯端末に前記遅延証明書についての情報を配信する遅延証明書配信部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記列車に乗車中の前記ユーザの前記携帯端末に対して、前記列車の車両内に設置されている情報配信装置から前記列車識別情報が配信され、前記携帯端末が、受信した前記列車識別情報、及び自身の前記携帯端末識別情報を前記情報処理装置に送信し、前記乗車情報DBが、前記携帯端末から受信した前記携帯端末識別情報と前記列車識別情報とを対応付けて記憶することで、前記乗車情報DBに前記乗車情報が蓄積される、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記遅延証明書配信部は、前記携帯端末の連絡先を、前記乗車情報に含まれる前記携帯端末識別情報に基づき、前記携帯端末のキャリアに問い合わせることによって取得する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記遅延証明書配信部は、前記携帯端末識別情報に前記ユーザの属性情報として連絡先についての情報が含まれている場合、前記連絡先についての情報に基づいて前記携帯端末に遅延証明書についての情報を送信する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBを利用して、前記ユーザを支援するためにプロセッサが行う情報処理方法であって、
前記プロセッサが、遅延証明書の発行基準を満たす遅延が発生した列車の前記列車識別情報と前記遅延についての前記遅延証明書についての情報とを少なくとも含む遅延通知情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して、前記遅延が発生した前記列車の前記列車識別情報に対応付けられている前記携帯端末識別情報を特定し、特定した前記携帯端末識別情報に対応する前記携帯端末に前記遅延証明書についての情報を配信するステップ、
を含む、情報処理方法。
【請求項6】
列車のユーザが所持する携帯端末と、列車の運行を管理する運行管理システムと、列車の運行に遅延が発生した場合に前記携帯端末に対して遅延証明書についての情報を配信する情報処理装置と、を備える、ユーザ支援システムであって、
前記情報処理装置は、前記携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、前記携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、前記ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、前記遅延証明書の発行基準を満たす遅延が発生した列車の前記列車識別情報と前記遅延についての前記遅延証明書についての情報とを少なくとも含む遅延通知情報を受信した場合に、前記乗車情報DBを参照して、前記遅延が発生した前記列車の前記列車識別情報に対応付けられている前記携帯端末識別情報を特定し、特定した前記携帯端末識別情報に対応する前記携帯端末に前記遅延証明書についての情報を配信する遅延証明書配信部と、を有する、
ユーザ支援システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示によれば、携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、遅延証明書の発行基準を満たす遅延が発生した列車の列車識別情報と遅延についての遅延証明書についての情報とを少なくとも含む遅延通知情報を受信した場合に、乗車情報DBを参照して遅延通知情報に含まれる列車識別情報に対応付けられた携帯端末識別情報を特定し、特定した携帯端末識別情報に対応する携帯端末に遅延証明書についての情報を配信する遅延証明書配信部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示によれば、携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBを利用して、プロセッサが、遅延証明書の発行基準を満たす遅延が発生した列車の列車識別情報と遅延についての遅延証明書についての情報とを少なくとも含む遅延通知情報を受信した場合に、乗車情報DBを参照して、遅延が発生した列車の列車識別情報に対応付けられている携帯端末識別情報を特定し、特定した携帯端末識別情報に対応する携帯端末に遅延証明書についての情報を配信するステップ、を含む、情報処理方法が提供される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示によれば、列車のユーザが所持する携帯端末と、列車の運行を管理する運行管理システムと、列車の運行に遅延が発生した場合に携帯端末に対して遅延証明書についての情報を配信する情報処理装置と、を備える、ユーザ支援システムであって、情報処理装置は、携帯端末を特定する携帯端末識別情報と、携帯端末を所持するユーザが乗車した列車を少なくとも特定する列車識別情報と、が対応付けられた、ユーザの乗車履歴を示す情報である乗車情報を記憶する乗車情報DBと、遅延証明書の発行基準を満たす遅延が発生した列車の列車識別情報と遅延についての遅延証明書についての情報とを少なくとも含む遅延通知情報を受信した場合に、乗車情報DBを参照して、遅延が発生した列車の列車識別情報に対応付けられている携帯端末識別情報を特定し、特定した携帯端末識別情報に対応する携帯端末に遅延証明書についての情報を配信する遅延証明書配信部と、を有する、ユーザ支援システムが提供される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本開示によれば、乗客の利便性をより向上させることができる。