(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179723
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】2つの摺動するシースを備える二重機能カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/14 20060101AFI20231212BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
A61M25/14 514
A61M25/00 520
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179018
(22)【出願日】2023-10-17
(62)【分割の表示】P 2022010029の分割
【原出願日】2014-04-01
(31)【優先権主張番号】1353033
(32)【優先日】2013-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】500332814
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ゴノン、ベルトラン
(57)【要約】
【課題】カテーテルが挿入される場合、組織または臓器を傷つける、または引っかけることを回避する。
【解決手段】
少なくとも一部は導電性があり、近位部(73)と、出口オリフィス(75)に隣接する遠位部(78)と、最遠位端とを含む注入ノズル(7)と、前記注入ノズル(7)または前記シース(4)の少なくとも一方が他方に対して可動であり、第1位置では、前記シース(4)が前記注入ノズル(7)の一部を覆い、第2位置では前記注入ノズル(7)の一部が前記シース(4)を超えて露出するように設定されるシース(4)と、を含み、前記注入ノズル(7)の前記最遠位端は、前記シース(4)に選択的に覆われ及び露出される前記注入ノズル(7)の一部の幅よりも大きい幅を有し、前記最遠位端の前記幅は、前記最遠位端が前記シース(4)で覆われないようにするために、前記シース(4)内の遠位開口よりも大きいことを特徴とするカテーテル(1)。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル(1)であって、
少なくとも一部は導電性があり、近位部(73)と、出口オリフィス(75)に隣接する遠位部(78)と、最遠位端とを含む注入ノズル(7)と、
シース(4)であって、前記注入ノズル(7)および前記シース(4)の少なくとも一方が前記注入ノズル(7)および前記シース(4)の他方に対して可動であり、第1位置では、前記シース(4)が前記注入ノズル(7)の一部を覆い、第2位置では前記注入ノズル(7)の前記一部が前記シース(4)を超えて露出するように設定されるシース(4)と、を含み、
前記注入ノズル(7)の前記最遠位端は、前記シース(4)に選択的に覆われまたは露出される前記注入ノズル(7)の前記一部の幅よりも大きい幅を有し、前記最遠位端の前記幅は、前記最遠位端が前記シース(4)で覆われないようにするために、前記シース(4)内の遠位開口よりも大きいことを特徴とするカテーテル(1)。
【請求項2】
前記シース(4)の遠位端に設けられた先端リング(9)であって、前記注入ノズル(7)の前記一部の上に配置され、前記注入ノズル(7)を摺動可能に受けるための通路を含む先端リング(9)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のカテーテル(1)。
【請求項3】
前記先端リング(9)は、
前記シース(4)内に収められ、前記シース(4)の半径方向内側表面と係合する半径方向外側表面を有する円筒形近位ステムと、
前記シース(4)の前記最遠位端から遠位に、そして前記円筒形近位ステムから半径方向外側に突出する遠位ヘッド(90)と、を備えることを特徴とする、請求項2に記載のカテーテル(1)。
【請求項4】
前記先端リング(9)の前記通路は前記注入ノズル(7)の前記最遠位端の幅よりも小さい幅を有することを特徴とする、請求項2または3に記載のカテーテル(1)。
【請求項5】
前記先端リング(9)はセラミック材料によって形成され、前記シース(4)はテフロンによって形成されることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載のカテーテル(1)。
【請求項6】
前記遠位ヘッド(90)は、
半径方向に沿った第1の曲率および軸方向に沿った第2の曲率を有する表面によって形成された丸みを帯びた遠位部分を有し、前記注入ノズル(7)の前記最遠位端の遠位向き表面は平坦であり、前記注入ノズル(7)の長手方向中心軸に対して垂直に延在していることを特徴とする、請求項3から5のいずれか一項に記載のカテーテル(1)。
【請求項7】
前記遠位ヘッド(90)は内側肩部(76)を含み、前記第1位置では、前記注入ノズルの一部は前記内側肩部(76)から離れ、前記第2位置では、前記注入ノズル(7)の前記一部は前記内側肩部(76)に当接することを特徴とする、請求項3から6のいずれか一項に記載のカテーテル(1)。
【請求項8】
前記注入ノズル(7)の最近位端から前記注入ノズル(7)の前記最遠位端まで延び、内側シース(3)から前記出口オリフィス(75)へ流体を供給するチャネル(79)を備える内側シース(3)をさらに含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のカテーテル(1)。
【請求項9】
前記チャネル(79)は、前記内側シース(3)に結合された最大区分(79a)と、漏斗状区分(79b)と、前記漏斗状区分(79b)より広い中間区分(79c)と、出口オリフィス(75)に開口する噴射区分(79d)とを備えることを特徴とする、請求項8に記載のカテーテル(1)。
【請求項10】
前記注入ノズル(7)は、前記内側シース(3)の少なくとも一部を通って延びる導電線(10)によって電気接続部(51)に電気的に接続されていることを特徴とする、請求項8または9に記載のカテーテル(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルに関し、より詳細には、流体を注入するためのカテーテルに関する。本発明は、更に、二重機能カテーテルならびに流体を注入するための少なくとも1つのカテーテルを備える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体を注入するためのカテーテルは、注入ノズルを含むシースを備え、そのカテーテルは、例えば加圧流体を注入することを可能にする流体の貯蔵器に更に接続される。
【0003】
例えば、仏国特許第2830455号は、加圧流体を注入するためのカテーテルを記載していることで知られている。カテーテルは、その遠位端に格納式注入器具を含むシースを備え、その注入器具は、穿孔、切断または穿刺器具である。
【0004】
しかし、そのようなカテーテルでは、流体の注入が器具の延長を駆動し、それによって穿孔、切断または穿刺器具を自動的に格納することができるという利点があるが、器具を延長するために流体から最小の圧力が必要である。更に、特定の用途では、流体を注入する前に器具をより正確に配置する必要がある可能性がある。しかし、例えばそのような器具など、任意の切断部品から臓器または組織を保護することが好ましい。したがって、保護される器具を含む切断器具を備えるカテーテルを挿入することはより慎重になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述の欠点の少なくともいくつかを軽減して、更に他の利点をもたらすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
その目的のために、第1の態様によれば、導管を備える流体を注入するためのカテーテルが提供され、カテーテルは、
導管を形成し、カテーテルが流体貯蔵器に接続されることを可能にする近位端によって、コネクタに接続される内側シースと、
内側シースの遠位端に固定される注入ノズルと、
内側シースを取り囲み、スリーブに固定され、スリーブおよび外側シースが内側シースに対して摺動し、外側シースが注入ノズルの少なくとも一部を覆う押し込み位置および外側シースが注入ノズルの前記一部を露出する引き込み位置の少なくとも1つを取る外側シースと
を備える。
【0008】
したがって、そのようなカテーテルは、特にノズルが穿刺または切断ノズルである場合、簡単で安全な様式で、流体の注入とノズルの格納との間に独立性を与える。一般的な場合、典型的にはノズルが非常に狭い幾何形状を有するので、それによってカテーテルが挿入される場合に保護されて、偶然に損傷されることを回避し、またはカテーテルが挿入される場合、組織または臓器を傷つける、または引っかけることを回避する。
【0009】
「流体」は、本明細書では、水、食塩溶液または粘性の高い液体、ならびに高分子化合物または治療上の化合物など、任意の液体を意味する。
【0010】
より詳細には、加圧流体は、例えば、用途の要求に従って食塩溶液またはより粘性の高い溶液である。特に粘性の流体を注入することによって、流体が非常に低い粘性を含む場合よりも、組織の中によりゆっくりと再吸収されることが可能になる。
【0011】
したがって、そのようなカテーテルのノズルは、カテーテルが外側シースによって少なくとも部分的に覆われている格納位置、および特定の使用のために、延長された突出位置の2つの位置を取る。
【0012】
外側シースは、内側シース上に摺動するので、例えば、内側シースよりも短い。
【0013】
言い換えれば、ノズル、内側シースおよびコネクタが第1のアセンブリを形成し、外側シースおよびスリーブが第2のアセンブリを形成し、第1のアセンブリに対して摺動するように適合されている。
【0014】
「スリーブ」は本明細書では、それに対して押し込まれる、または引き込まれる動作を与えるために外側シースを把持しやすくする、任意でテクスチャを付けた任意の部材または部品を指す。これは、シースまたは例えばプラスチック製リングのテクスチャを付けた領域であることができる。
【0015】
押し込み位置では、スリーブは、例えば引き込み位置に対してコネクタから離れて配置されるが、引き込み位置では、スリーブは例えばコネクタに向かって配置される。
【0016】
したがって、カテーテルが例えば臓器の中に導入される場合、ノズルは、少なくとも部分的に格納され、安全な挿入を可能にし、すなわち、例えば、偶然に臓器の一部または別の臓器を穿孔し、または傷つけるという危険性をより少なくすることができる。一旦カテーテルの遠位端が所定位置にあると、スリーブを介して外側シースを引くことによってノズルが延長され、そのとき必要であれば、カテーテルの位置を調節することができる。
【0017】
臓器は、本明細書では、任意の臓器、組織、血管または動脈、あるいはそのようなカテーテルが、少なくとも流体を注入するために必要である身体の任意の部分を意味するために使用される。
【0018】
外側シースが移動できるということが、流体が流れることになっている内側シースと流体の貯蔵器または他の要素との間に任意の封止接続が形成されることを容易にする。したがって、このことによって製造費用を低減することが可能になる。
【0019】
次いで、ノズルが臓器の表面層、例えば粘膜を貫通する。次いで、例えばポリープまたは病巣を取り除くために、粘膜のポリープまたは病巣を下にある筋肉層に対して持上げ、切り離すことができる。流体の注入が、粘膜を筋肉から切り離し、粘膜の中に存在するポリープを持ち上げ、次いで高圧下の流体によって切り取り、および切断される可能性があり、任意で電気発生器(例えば、「電気外科用ユニット」を表すESU、すなわち内視鏡手術用の電気外科用ユニット)に接続されている電極によって支援される。
【0020】
注入ノズルは、例えば筋肉層を覆う膜または粘膜の下に流体を注入することを容易にするために、任意で穿孔ノズルである。
【0021】
内側シースおよび外側シースは、血管、動脈または何らかの他の臓器の中に、および内視鏡などの医療器具の中に容易に導入されるために、それらの長さに亘って柔軟性および/または可撓性を示すことが好ましい。しかし、シースが折れ曲がることを回避でき、流体の通過を妨げるシースの一部の不可逆的変形(例えば、シースが屈曲する場合、特に内側シースの座屈)を制限することができることが好ましい。このために、シースは、例えば生体適合性ポリマーから製造される。
【0022】
実施例の実施形態によれば、内側シースはPEBAでできている。
【0023】
実施例の実施形態によれば、外側シースはテフロン(登録商標)でできている。
【0024】
そのようなカテーテルは、圧力の損失を制限し、または回避することさえ可能であり、容易に不可逆的折り曲げをすることが自然にできなくする高い可撓性(可塑性)を示す。
【0025】
その可撓性によって、カテーテルが、例えば鋭く屈曲することを可能にする可塑性を示す内視鏡の中に挿入される場合、カテーテルは、より大きい、またはより小さい粘性を含む流体が、直視または反転を使用して注入されることを更に可能にする。
【0026】
したがって、それ自体が新規である態様によって、シース間の任意の摺動から独立して、流体を注入されるためのカテーテルもやはり提供され、そのカテーテルは、導管を備え、導管を形成するPEBAから製造された内側シース、および内側シースを取り囲む、テフロンから製造された外側シースを備えることを特徴とする。内側シースは、近位端によってコネクタに任意で固定され、カテーテルが流体貯蔵器に接続されることを可能にする。注入ノズルもやはり、例えば、内側シースの遠位端に固定される。
【0027】
実施例の実施形態によれば、カテーテルが、注入ノズルの少なくとも一部上を摺動するように適合されている外側シースの遠位端に固定されている先端リングを備える。
【0028】
そのような先端リングは、例えば、カテーテルの導入を容易にするために少なくとも部分的に格納されるノズルと表面の連続性を提供する。内側シースおよび外側シースが互いに対して摺動する場合、先端リングが、内側シースと外側シースとの間の誘導を更に容易にする。最後に、そのような先端リングは、例えば絶縁体であり、ノズルの移動を制御することを可能にし、任意で、内側シースと外側シースとの間に浸透する流体を回避するシールとしても機能する。
【0029】
セラミックは取るのが容易な材料であり(例えば成形又は機械加工)、生体適合性があり、電気的に絶縁性があるので、先端リングは、例えばセラミックでできている。例えばポリマーなど、もちろん他の材料が想定され得る。
【0030】
先端リングは、例えば丸みを帯びた遠位形状のヘッドを有する。そのような形状は、ノズルが少なくとも部分的に格納される場合、カテーテルの挿入のために人間工学的により優れている。
【0031】
有利な実施形態によれば、注入ノズルは更に電極を形成して、カテーテルが二重機能カテーテルとなる。
【0032】
したがって、二重機能カテーテルがさらに提供され、そのカテーテルは、
導管と、
流体接続部および電気接続部を備えるコネクタと、
導管を形成し、近位端によって、カテーテルが流体貯蔵器に接続されることを可能にするコネクタの出口接続部に固定されている内側シースと、
内側シースの遠位端に固定される注入ノズルと、
電極と、
内側シースを取り囲み、スリーブに固定され、スリーブおよび外側シースが内側シースに対して摺動し、外側シースが注入ノズルの少なくとも一部を覆う押し込み位置(“b”)および外側シースが注入ノズルの前記一部を露出する引き込み位置(“a”)の少なくとも1つを取る外側シースとを備え、
注入ノズルが、電極を形成して、ノズルおよび電極が単一の構成要素に一体にグループ化されることを特徴とする。
【0033】
したがって、そのような二重機能カテーテルは、ポリープまたは病巣を下にある筋肉層から持上げ、切り離すことを可能にし、例えば、ノズル(電極としても機能する)が少なくとも部分的に格納されるので安全であると考えられるカテーテルの挿入など、特に前述の他の有利な特徴を有する、単一の器具を用いてポリープまたは病巣を取り除くことを可能にする。次いで、流体の注入のために組織の穿孔が、やはりノズルによって実施されることが可能であり、次に流体の注入のために組織の下に導入されるので、それによって例えば面取りを施した形状なしで済ますことができる。注入後、やはりノズルが、ポリープまたは病巣を切断して、それらを除去することができる。
【0034】
本明細書では、二重機能カテーテルは、注入および電気的手術による切開のためのカテーテルを指し、すなわち、加圧流体を組織または粘膜の下に注入し、同じ器具の中の電極を用いて組織または粘膜を切断することができるカテーテルを指す。したがって、本明細書で考察される電極は、電気的外科切開電極である。
【0035】
言い換えれば、そのようなカテーテルは、電極内に存在するノズルを通って加圧流体を注入することを可能にする。
【0036】
好ましい実施例の実施形態によれば、流体の噴射が、電極の中央を通過する。
【0037】
したがって、ノズルでもある電極が、例えば、流体を注入するように構成されている中央チャネルを備える。
【0038】
中央噴射は、領域を膨らませる(例えば、筋肉を損傷する危険を冒さずに、より簡単に粘膜を切断するために、筋肉から粘膜を切り離す)ために流体を噴射するようにより優れて適合されており、一方で噴射が電極の周辺である場合、噴射は例えば領域を洗浄するためにより優れて適合される。したがって、単一の構成要素の中に一体にグループ化されるノズルおよび電極は、互いに対して心合わせされている。ノズルおよび電極を形成する構成要素は、例えば軸方向の対称性を示す。
【0039】
実施例の実施形態によれば、電極は、電極の遠位端に固定される穴の開いた円形プレートの形態の環状部を備える。
【0040】
実施例の実施形態によれば、コネクタは、流体接続部および電気接続部を備える。
【0041】
コネクタは、コネクタを内側シースに接続する、いわゆる「出口」接続部に加えて、流体貯蔵器のための流体接続部および電気接続部を含む、例えばY字形コネクタ、またはT字形コネクタである。
【0042】
特定の実施例の実施形態によれば、電極は、内側シースを走る導電線によって電気接続部に接続されている。導電線は、導電性であり、例えば金属線である。
【0043】
言い換えれば、二重機能カテーテルは、内側シース内部に配置され、電極、すなわちノズルおよび電気接続部の両方に結合されている導電線を備える。
【0044】
更に、内側シースは、コネクタをノズルとして機能する電極に結合する。したがって実際に、注入する流体は、チャネルによって、流体接続部から内側シースの中に、電極まで通過する。次いで導電線は、注入するための流体の中に浸される。
【0045】
したがって、例えば、電極がカテーテルの全長に沿って通過している金属製チューブによって接続される他の装置とは対照的に、カテーテル自体が導管を形成することができるので、そのようなカテーテルは、柔軟性および/または可撓性の利点を備え、閉塞(座屈につながる金属製チューブの折り曲げによって)、損失水頭、圧力損失または外側シースの内側シースに対する並進の妨害を回避することができる。
【0046】
本発明は、貯蔵器およびカテーテルを備えるパルスジェット発生器を備える装置にも関し、そのカテーテルは、第1に、カテーテルがコネクタの流体接続部によってパルスジェット発生器への接続部を含む上記に定義されるカテーテルであることを特徴とする。
【0047】
装置は、加圧流体を生成し(例えば食塩溶液)、それをカテーテルを介して送り、カテーテルの一方の端部に位置するノズルによって、その溶液を軟組織(粘膜または粘膜下組織など)の中に注入する。
【0048】
カテーテルが二重機能である場合、その時装置は、注入ノズル、および電気発生器に接続されている電極(「電気外科的ユニット」を表す「ESU」)を備え、その時電極およびノズルが単一の構成要素に製造される。次いでカテーテルは、第2に、コネクタの電気接続部によって電気発生器への接続を更に含む。
【0049】
有利な実施例の実施形態によれば、パルスジェット発生器は、加圧液密チャンバの中に配置されている貯蔵器を形成する可撓性バッグの中に含まれる少なくとも1つの流体から、高圧下で流体パルスを生成するための高圧パルスジェット発生器であり、チャンバが流体のための少なくとも1つの出口を含み、発生器が、
チャンバ内部の圧力を増加させるためにチャンバに入る加圧ガスを供給する加圧ガス供給源を備える、チャンバのための加圧装置と、
チャンバ内部の圧力を調節する圧力調節装置と、
可撓性バッグを接続導管に接合するための少なくとも1つの接合コネクタであって、この接合コネクタおよび接続導管がチャンバの中に配置されている、接合コネクタと、
少なくとも接続導管が中に入る入口、および発生器の外部と液圧で連通する出口導管に接続されている出口と、
液圧接続部の中に設けられる可撓性変形可能な容器であって、その容器のすべてがチャンバ内部の圧力にさらされている容器と、
液圧接続部の中の少なくとも1つの液圧閉鎖弁と、
液圧閉鎖弁を駆動するための手段と
を少なくとも備える液圧シーケンサと、
シーケンサの出口とチャンバの出口とのあいだの液密出口導管であって、カテーテルと外部で接続するための導管に接続されている液密出口導管と
を備える。
【0050】
そのような発生器は、国際公開第2011/148333号パンフレットに記載されている。
【0051】
例えば、発生器は、2~30バールを含む圧力で流体のパルスを発生するように適合されている。
【0052】
流体の圧力は、例えば、食塩溶液(水)に対して10バール(すなわち約145psi)であり、流体が粘性である場合、20バール(すなわち約290psi)である。
【0053】
例えば、発生器は、100μL~10mLを含む、1パルスあたりの流体容積で流体のパルスを発生するように適合されている。
【0054】
パルスは、加圧チャンバ自体が例えばユーザインターフェースによって制御される加圧チャンバの中に配置されている開閉電磁弁(クランプバルブと呼ばれることが多く、例えば連続的噴射とは対照的に、パルスが生成されることを可能にする)によって制御される。電磁弁は、例えば、可撓性変形可能な容器の上流に配置される少なくとも1つの液圧閉塞弁を形成する。
【0055】
可撓性変形可能な容器は、本明細書で使用される場合、液圧接続部の部分が、チャンバ内部の圧力の変化に従って変形することを意味する。それは、例えば、液圧接続部の狭くなった壁の部分によって、または液圧接続部の球状部分によって形成される。別の実施例によれば、可撓性変形可能な容器は、任意で独立した構成要素でもあり、その時、液圧接続部は、可撓性変形可能な容器に対して上流にある部分と、下流にある部分とを備える。
【0056】
したがって、そのような装置は、筋肉を穿孔する危険性を制限または回避さえもすることが可能であり、低い製造費用を有する。
【0057】
したがって、そのような装置は、直視下手術、ならびに内視鏡手術および/または腹腔鏡手術の中で軟組織を切断および切開することを可能にする。
【0058】
実施例の実施形態によれば、本発明は、添付の図面を参照して、限定するのではない例示的な実施例によって与えられる以下の説明を読めば、十分に理解され、その利点がより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】本発明の実施例の実施形態による二重機能カテーテルを示す図である。
【
図2】
図1のカテーテルの上方から見た部分断面図である。
【
図3】
図1のカテーテルの実施例の実施形態の断面図である。
【
図4】2つの部品で構成される、カテーテルの一方の筐体の実施例の実施形態を示す図である。
【
図5】2つの部品で構成される、カテーテルの他方の筐体の実施例の実施形態を示す図である。
【
図6】内側シースが
図15に詳細に示すコネクタに接合されることを可能にするチューブの実施例の実施形態を示す図である。
【
図7】
図9に示すリングによって、
図10に示すスリーブを外側シースに接続するための中間構成要素の実施例の実施形態を示す図である。
【
図8】電気プラグプロテクタの実施例の実施形態を示す図である。
【
図9】外側シースが中間構成要素に固定されることを可能にするリングの実施例の実施形態を示す図である。
【
図10】スリーブの実施例の実施形態を示す図である。
【
図11A】本発明の実施例の実施形態による外側シースの先端リングの斜視図である。
【
図11B】本発明の実施例の実施形態による外側シースの先端リングの断面図である。
【
図12】本発明の実施形態によるノズルを示す図である。
【
図13A】本発明の別の実施形態による断面ではないノズルを示す図である。
【
図13B】本発明の別の実施形態によるノズルの断面図である。
【
図14】
図13Aおよび
図13Bの実施例に示すノズルの端部に固定するように適合された穴開き円形プレートの形態を有する、本発明の一実施形態によるノズルの遠位端用の環状部を示す図である。
【
図15】2つの入口通路を含むコネクタの実施例の実施形態を示す図である。
【
図16】本発明の実施例の実施形態による、スリーブの位置とノズル出口との間のリンクを示す図である。
【
図17】本発明の実施形態による装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1から
図17に示す理想的な構成要素は、同じ参照符号によって識別される。
【0061】
本発明の本実施例の実施形態では、流体を注入するためのカテーテル1が、コネクタ5を備える筐体11に接続されている導管2を備える。
【0062】
導管2は、
近位端によってコネクタ5に固定され、カテーテル1が流体貯蔵器6(
図17参照)に接続されることを可能にする内側シース3(例えば
図3の拡大
図Aの中に見ることができる)と、
内側シース3の遠位端に固定される注入ノズル7と、
外側シース4であって、内側シース3を取り囲み、スリーブ8に固定され、スリーブ8および外側シース4が内側シース3に対して摺動し、外側シース4が注入ノズル7の少なくとも一部を覆う押し込み位置(
図16に位置“b”と図示されている)、および外側シース4が注入ノズル7の前記一部を露出する引き込み位置(
図16に“a”と図示されている)の少なくとも1つを取る外側シース4と
を備える。
【0063】
内側シース3は、例えばPEBAから製造され、外側シース4は、例えばテフロンから製造される。
【0064】
先端リング9が、ここで外側シース4の遠位端に固定され、注入ノズル7の少なくとも一部上を摺動するように適合されている。
【0065】
先端リング9は、例えばセラミックでできている。先端リング9は、
図11Aおよび
図11Bによって図示されるように、丸みを帯びた遠位形状のヘッド90を更に有する。
【0066】
言い換えれば、カテーテル1は、互いに対して摺動するように適合されている2つのアセンブリを備える。
【0067】
第1のアセンブリは、本明細書では「固定アセンブリ」と呼ばれ、ノズル7、内側シース3、チューブ17、コネクタ5、プラグプロテクタ18および電気プラグ14、ならびに筐体11を備える。
【0068】
第2のアセンブリは、本明細書では「可動アセンブリ」と呼ばれ、先端リング9、外側シース4、スリーブ8、中間構成要素15およびリング16を備える。
【0069】
もちろん、アセンブリのこれらの定義は、本説明の中で理解を容易にするためのものであり、属性形容詞「固定の」および「可動の」は、本明細書では、一方のアセンブリを他方のアセンブリに対して定義するために任意である。
【0070】
固定アセンブリを参照すると、
図3の拡大
図Aによって図示されるように、ノズル7は外側シース3の中に差し込まれている。ノズル7は、例えばその遠位端で内側シース3の内部に結合される。
【0071】
図12から
図14に示すように、本明細書では、ノズル7は、ノズル7と内側シース3との間の取付けを容易にする接続区間70を含む。接続区間70は、溝71および平坦部72を更に備える。溝71は、アセンブリが接着によって形成される場合、汚れた非審美的外観を更に与える接着剤の横溢を避けるために、例えば、接着剤のための排出口として機能することができる。溝71は、ノズル7と内側シース3との間により良い把持を更に可能にし、一方、平坦部72は、ノズル7を内側シース3の中に挿入するための絶対確実な装置として機能し、および/または特定の配向でノズル7を好適に挿入しているかどうかの目印として機能する。平坦部72は、断面の減少部分をもたらすので、更に、ノズル7を内側シース3の中に挿入することを容易にすることができる。しかし、図示しない別の実施形態によれば、1つだけの溝71が存在することが可能であろう。
【0072】
ノズル7は、一体に組み立てられる場合、内側シース3の外側に有効区間73を更に有する。有効区間73は、出口オリフィス75を有する遠位端74aを有し、出口オリフィス75によって、適用できる組織の中、または下に流体が注入される。遠位端74aは、任意で穿刺または切断端部であり、または例えば面取りされている(本明細書では、図示せず)。
【0073】
図13Aおよび
図13Bの実施例の実施形態では、有効区間73は、接続区間70に対して狭い断面を有する。このことによって、例えば
図3の要素Aによって図示されるように、ノズル7を露出している、先端リング9が引き込み位置にある場合、例えば、先端リング9のための当接部として機能する肩部76を生成することができる。ノズルが流体を注入するために粘膜を貫通する場合、より小さい断面によって組織の中に形成される穴をより小さくすることが可能になり、ノズル7が組織の中により容易に挿入されることもまた可能になる。
【0074】
本明細書に説明する実施例の実施形態では、カテーテル1は二重機能カテーテルであり、すなわち、ノズル7は電極としても機能する。その結果、ノズル7は、例えば金属などの導電性材料から例えば製造され、内側シース3のチャネル30の中を走る例えば金属製の導電線10によって、コネクタ5の電気接続部51に接続されている電気プラグ14に接続される。導電線10は、ノズル7の遠位端74bにはんだ付けされることが好ましい。
【0075】
電極としても機能するノズルの場合、例えば、遠位端74aに環状部78(
図14参照)が設けられることが有益である。環状部78のより良い配置を提供するために、次いで、ノズル7の遠位端74aが狭い部分77を有することが有利であり(本明細書では
図13の実施形態の中に図示される)、別の肩部を形成し、環状部78を受けるように適合されている。そのような狭い部分77は、
図12のノズル7の遠位端74aにも形成され得る。しかし、環状部78は、そのような狭い部分なしに、例えば接着剤によってノズル7の遠位端74aに固定され得るが、しかし、その時この構成はその配置をより困難なものにする。
【0076】
本明細書では環状部78は、遠位端74aの(すなわち、あるとすれば、有効端部73または狭い部分77の)断面に嵌合するように、穴の開いた環状プレートの形態を取る。
【0077】
図13Bに図示するように、内側から見ると、ノズル7は、流体が内側シース3から出口オリフィス75に運搬されることを可能にするチャネル79を備える。
図13Bの実施例の実施形態では、チャネル79は、出口オリフィス75に向かって概して狭くなっている断面を有する。
【0078】
より詳細には、ノズル7の中で相対的に中心を占めるチャネル79は、本明細書では、内側シース3のチャネル30に直接接続されている最大区分79a、漏斗状区分79b、漏斗状区分79bよりも本明細書ではわずかに幅広い中間区分79c、および噴射区分79dを有する。これらの様々な区分は、流体流の乱流を最小にし、一方で出口オリフィス75から出る流体の圧力を最小損失に維持するように配置されている。例えば、区分79a、79bおよび79cは、噴射パイプを形成するように配置されていることに留意することができる。
【0079】
内側シース3の他方の端部、その近位端で、内側シース3は、
図6に詳細を示すチューブ17に固定されている。
【0080】
次にチューブ17は、コネクタ5の出口支管53の中に差し込まれる。
【0081】
本実施例の実施形態では、
図6に詳細に示す、円柱形状のチューブ17は、本明細書ではチューブ17の主要部分に亘って長手方向に延在する溝170を有する。溝170は、アセンブリが接着によって形成される場合、汚れた非審美的外観を更に与える接着剤の横溢を避けるために、例えば、接着剤のための排出口として機能することができる。溝170は、例えば接着によって組み立てられる、コネクタ5の中でチューブ17の把持を更に容易にする。
【0082】
上記に言及するように、本明細書ではコネクタ5は、出口支管53を有する。コネクタ5は、「流体接続部52」と呼ばれる、流体接続部として機能する少なくとも1つの支管52を更に備え、二重機能カテーテルの場合、コネクタ5は、「電気接続部51」と呼ばれる、電気接続部としても機能する支管51を更に備える。したがって、本明細書では、コネクタ5はY字形であり、流体貯蔵器6に対する流体接続部52、電気接続部51およびコネクタ5を内側シース3に接続する出口接続部53を備える。
【0083】
コネクタ5は、流体が運搬されることを可能にするチャネル56を有し、その結果、チャネル56は内側シース3のチャネル30と直接連通する。
【0084】
チューブ17を出口支管53の中に挿入することを容易にするために、本明細書では出口支管53は、面取り端部54を有する。出口支管53は、チューブ17のために当接を形成する傾斜肩部55を有する。
【0085】
本明細書では、流体接続部52は、チャネル56内の加圧流体が到着するために、ルアーロック接続用のねじ切り端部52aを有し、チャネル56の区分56aは、支管52の位置で流体の到着する方へ向かって幅が広くなって、例えば、カテーテル1に流体が到着する場合、流れの中の乱流を制限する。
【0086】
電気接続のための支管51は、導電線10に接続されている電気プラグ14を受ける。
【0087】
電気プラグ14は、本明細書ではプラグプロテクタ18によって保護され、カテーテル1が全体的に組み立てられるとき、プラグプロテクタ18は、コネクタの支管51および52の一方の側部と筐体11の他方の側部との間の足部180によって保持される。電気プラグ14に関して、電気プラグ14は例えば、支管51とプラグプロテクタ18の内側縁部181に取られた厚い領域140によって所定位置に保持される。
【0088】
したがって、コネクタ5のチャネル56、内側シース3のチャネル30、およびノズル7のチャネル79が、注入する流体が、例えばパルスジェット発生器101の貯蔵器6などの貯蔵器からノズル7の出口オリフィス75に運搬されることを可能にする。
【0089】
並行して、導電線10が、内側シース3のチャネル30およびコネクタ5のチャネル56に沿って通過し、支管51に分岐する。
【0090】
一旦組み立てられると、次いで前述の構成要素が、筐体11に固定される。
【0091】
比較すると、第2のアセンブリは、第1のアセンブリに対して移動可能であると考えられる。
【0092】
先端リング9(
図11に詳細に示す)は、
図3の拡大
図Aによって示されるように、外側シース4の遠位端に固定される。先端リング9は、本明細書では、外側シース4の中により十分に把持するように容易にする溝91を更に有し、アセンブリが接着によって形成される場合、汚れた非審美的外観を更に与える接着剤の横溢を避けるために、接着剤のための排出口として更に機能することができる。前述のように、先端リング9は、先端リング9のヘッド90を形成する丸みを帯びた遠位形状を有する。好適には、先端リング9のヘッド90は、組み立てられる場合、外側シース4の外側面と連続性を提供するようにわずかに幅広い。先端リング9は、最後に、ヘッド90の頂点に形成されるオリフィス92によって終了するチャネル93を備える。チャネル93は、例えば、有効区間73上を摺動し、同時にノズル7と先端リング9との間を封止して内側シース3と外側シース4との間に浸透する流体、または何か他のものを回避することができるように、ノズル7の有効区間73の直径に概ね等しい直径を有する。
【0093】
更に、引き込み位置(“a”)では先端リング9は、例えば内側シース3の遠位端に当接し、または肩部76が存在する場合には肩部76の遠位端にも当接し、押し込み位置(“b”)では先端リング9は、ノズル7が環状部78を備える場合は、そのヘッド90によって環状部78に当接する。
【0094】
他方の端部、その近位端で、外側シース4は、
図3の構成部分Bによって図示するように、リング16によって中間構成要素15の中に固定される。
【0095】
中間構成要素15は、本明細書では、
図2および
図3で図示され、ならびに
図7で詳細に図示される細長い構成要素である。
【0096】
外側シース4は、本明細書では、中間構成要素15の内部を、リング16の本体160の周りに通過する。リング16が、外側シース4の中により容易に挿入されるために、リング16は面取りした第1の端部161を有する。更に、可動アセンブリが引き込み位置(“a”)にある場合、リング16は、筐体11の例えば補強部材130上を圧迫することによって、当接が形成されることを更に可能にする。このためにリング16は、有利なことに、本体160よりも幅広いヘッド162を有する。
【0097】
外側シース4によって取り囲まれているリング16が外側シース4の中に差し込む場合、ヘッド162は、更に中間構成要素15の当接部として機能する。最後に、リング16は、内側シース3に沿って摺動することを可能にするために、内側シース3の直径に概ね等しい直径のチャネル163を有する。
【0098】
本明細書では、中間構成要素15は、スリーブ8と協働するように適合されている第1の区間151、および筐体11の内部に配置されるように適合されている第2の区間152を有する。
【0099】
第1の区間151は、その長さ全体に亘って平坦部150を有し、スリーブ8の平坦部80と協働するように適合されて、例えば、中間構成要素15上のスリーブ8のために強制的取付け配向をもたらす。スリーブ8が、例えば、ノズル7を延長する位置“a”またはノズル7を格納する位置“b”を図示する矢印などの表示を備える場合、このことは例えば有益である。
【0100】
第1の区間151は、スリーブ8との把持を容易にするために溝153を更に有する。溝153は、アセンブリが接着によって形成される場合、例えば汚れた非審美的外観を与える接着剤の横溢を避けるために、接着剤のための排出口として機能することができる。第1の区間151は、本明細書では、第2の区間152の直径よりも概ね小さい直径を有して、スリーブ8の挿入時に当接部としても機能することができる肩部154を形成する。最後に、第1の区間151は、第1の区間151の直径が外側シースの直径に対して漸進的に低減されることを可能にする移行区間155を有する。図示しない1つの選択肢では、例えばエラストマーでできている可撓性容器が、中間構成要素15とスリーブ8との間に存在することができて、スリーブ8が、例えば、中間構成要素15の上方に加えられる可撓性容器に締まり嵌めされるようにする。可撓性容器は、第1の区間151を超えて各側部に延在することができる。
【0101】
一旦アセンブリが形成されてしまうと、カテーテル1が引き込み位置(“a”)にある場合、例えばスリーブ8は、筐体11に対して当接する。
【0102】
第2の区間152は、本明細書では、筐体11の中に形成される2つのポスト120、120’と協働するように適合されている2対の凹部157a、157a’および157b、157b’を更に有する。2対の凹部(157a、157a’および157b、157b’)は、径方向の反対側に形成されることが好ましく、したがって、2つのポスト120、120’は、筐体11内部で中間構成要素15を保持し、誘導することができる。しかし、例えば一度に単一の凹部にだけ頼るという他の構成が考えられ得る。
【0103】
2対の凹部157a、157a’および157b、157b’によって、特に本明細書では、引き込み位置(“a”)または押し込み位置(“b”)を割り出すことができる。より詳細には、引き込み位置では、対157a、157a’はポスト120、120’と協働し、一方押し込み位置では、対157b、157b’がポスト120、120’と協働する。一方の位置から他方の位置への通路中に、次いで中間部材15はポスト120とポスト120’との間でわずかに圧縮され、それによって、2対の凹部の一方がポスト120、120’に向かい合うまで、ユーザにわずかな抵抗感覚を与える。更に、ポスト120、120’に対する凹部の位置が、上記に提示される様々な当接(例えば、先端リング9と環状部78との間、または先端リング9と内側シース3との間、または補強部材130に対するリング16、または更に筐体11に対するスリーブ8)のために保証され、それによって、例えば様々な接着接合部または部品のアセンブリ、あるいは部品自体に損傷を与え得る、ユーザが必要以上に引く、または押す行為を防止する。
【0104】
更に、中間構成要素15は、本明細書ではトラフ156を備える。トラフ156は、例えば、2対の凹部157a、157a’および157b、157b’との間の間隔に等しい、またはわずかに大きい長さでできている。トラフ156は、本明細書では、筐体11のフィンガ121と協働する。トラフ156とフィンガ121との間の協働によって、ユーザが引き込み位置を超えて引くこと、または押し込み位置を超えて押すことを回避するために、可動アセンブリの移動を安全なものにするばかりでなく、可動アセンブリの固定アセンブリに対する回転またはねじれさえも防止することができる。次いで、フィンガ121は、トラフ156の幅に概ね等しい直径を含むことが好ましい。本実施例の実施形態では、トラフ156が、同じ対の2つのポストの間に、その間の等しい距離に配置されている。フィンガ121は、本明細書では、
図2および
図5に示すようにポスト120、120’に対してわずかにずれている。したがって、引き込み位置(“a”)では、凹部157a、157a’の対が、ポスト120、120’と協働し、一方、フィンガ121は当接を形成するために、トラフ156の底部156aに近接し、または更に、当接を形成するために接触状態にある。本明細書には詳細を図示しない押し込み位置(“b”)では、凹部157b、157b’の対が、ポスト120、120’と協働し、一方、フィンガ121はトラフ156の底部156bに近接、または更に、当接を形成するために接触状態にある。
【0105】
異なる構成要素は、同じ縮尺で表示されていないにしても、やはり、157a、157a’の対と157b、157b’の対との間の間隔が、露出または格納されることができるノズル7の有効区間73の部分の長さよりも概ね長いことに留意することができる。これは特に構造(遊隙の存在、取り付けの伸縮性)の効果、ならびに異なる部品およびそれらを構成する材料の伸縮自在の特性に起因する。例えば、導管2は、典型的には約2.5mmまたはそれ未満の最大直径に対して、長さは1メートル超であることを想起されたい。
【0106】
本明細書に説明する本実施例の実施形態では、筐体11は、雄型部品12(
図5参照)および雌型部品13(
図4参照)から形成される。本明細書では、ポスト120、120’は、雄型部品12の中に形成される。
図3では、筐体11の雌型部品13の中で、カテーテル1の様々な構成要素の配置を図示しているが、しかし、ポスト120、120’は、複数対の凹部157a、157a’および157b、157b’に対するポスト120、120’の配置を図示するために破線で表示されている。
【0107】
カテーテル1の様々な構成要素が一旦、例えば雌型部品13の中に配置されてしまうと、筐体11は、例えば溶接によって、または接着によって、雄型部品12によって再び閉じられることが可能である。筐体11は、例えば成形によって、プラスチック材料から例えば形成される。このアセンブリについて、雌型部品13は、例えばリム13’を有し、雄型部品12は、雌型部品13の中のリム13’に対して並置されるように適合されている例えばリム12’を有する。
【0108】
図4および
図5に示すように、筐体11は、異なる対のアセンブリ突出部122、132(この場合6対)を更に備え、筐体11の中の雄型部品12の中の雄型突出部122、および雌型部品13の中の雌型突出部132を備える。
【0109】
筐体は、雄型部品の補強部材123と協働する補強部材130などの補強部材を更に含む。補強部材130および123は、それぞれ、内側シース3を所定位置に保つために内側シース3を受けるように適合されている空所134および124を有する。その結果、空所134および124は、内側シース3の断面の湾曲に概ね等しい湾曲を有する。雄型部品は、空所126を備える補強部材125を有し、雌型部品は、空所136を備える補強部材135を有し、補強部材135は補強部材125に相補的である。空所126および136に関して、これらは、中間構成要素15の第2の区間152の断面の湾曲に概ね等しい湾曲を有して、構成要素15を所定位置に保ち、一方で構成要素15が摺動することを可能にする。
【0110】
最後に、筐体は、中間構成要素15の第2の区間152の通過を所定位置に保ち、一方でそれが摺動することを可能にするための切欠き127および137、コネクタ5の流体接続部52が通過するための切欠き128、138、ならびにプラグプロテクタ18によって取り囲まれるコネクタ5の電気接続部51が通過するための切欠き129、139を備える。
【0111】
図17は、本発明の実施形態による装置100の図式表示を提供する。
【0112】
装置100は、少なくとも1つの発生器101、および本発明による、例えば
図1から
図16を参照して上記に説明するカテーテル1を備える。
【0113】
そのような発生器は、国際公開第2011/148333号パンフレットに詳細に説明されているが、その主な特徴を本明細書に説明する。
【0114】
発生器101は、加圧ガスを含む例えばシリンダ103によって加圧される、液密チャンバ102の中に配置される、可撓性バッグ6によって本明細書では形成される貯蔵器の中に含まれる少なくとも1つの流体から、高圧下で流体パルスを生成するための高圧パルスジェット発生器である。
【0115】
チャンバ102は、本明細書では、流体104用の少なくとも1つの出口、および加圧ガス用の入口105を含む。
【0116】
加圧されるために、発生器101は、チャンバ102のための加圧装置を備え、加圧装置は、チャンバ102の内部圧力を増加するために、加圧ガス用の入口105によってチャンバ102に入る加圧ガスを供給する、チャンバ102の外側に配置されている例えば本明細書のシリンダ103など、加圧ガス供給源を備える。圧力調節装置106は、チャンバ102の内部圧力が調節されることを可能にする。このために、圧力調節装置106は、例えばチャンバ102の外側に、ちょうど上流に、加圧ガス用の入口105に配置されている。
【0117】
発生器101は、バッグ6が含む流体用の出口を有するバッグ6を備える流体回路、接合コネクタ107、およびそれ自体が接合コネクタ107によってバッグ6に接続されている接続導管108を更に備える。接合コネクタ107、接続導管108ならびにバッグ6は、チャンバ102の中に配置される。
【0118】
流体回路は、液圧シーケンサ109を更に備え、液圧シーケンサ109の入口は、少なくとも接続導管108に接続され、その出口は、チャンバ102の流体出口104に接続されている出口導管110に接続されている。
【0119】
液圧シーケンサ109は、特に、
接続導管108をシーケンサ109内部の出口導管110に接続する液圧接続部内に形成される、可撓性変形可能な容器(図示せず)であって、このすべてがチャンバ102内部の圧力にさらされている、可撓性変形可能な容器と、
液圧接続部の中の少なくとも1つの液圧閉鎖弁(図示せず)であって、可撓性変形可能な容器の上流または下流、あるいは一方は上流に、他方は下流に配置され得る少なくとも1つの液圧閉鎖弁と、
様々な液圧閉鎖弁を駆動するための手段(図示せず)と
を備える。
【0120】
次に出口導管110は、カテーテル1に接続するために外部接続導管112に接続される。
【0121】
チャンバ102の流体用の出口104の位置で封止を保証するために、流体用出口104は、円錐形接続部111を備えることが好ましく、例えばその先細部分がチャンバ102の外側に向けられることが好ましく、圧力が増加する場合、チャンバ102の内部圧力によって円錐体を更に差し込みやすくする。
【0122】
本実施例の実施形態では、液圧シーケンサ109が、それに付随する駆動手段を含めて、交換可能、取替え可能なカセットの中に含まれることが有利であり、本明細書ではチャンバ102の内部に配置されている。
【0123】
本実施例の実施形態では、発生器101は、2~30バールを含む圧力で、100μL~10mLを含む1パルスあたりの流体容積を含む流体のパルスを生成するように適合されている。次いで、このために、可撓性変形可能な容器が相当する容積を有することが好ましい。
【0124】
もちろん、必要な場合、複数のバッグ6がチャンバ102の中に配置可能であり、すべてがシーケンサ109に接続される。
【0125】
したがって、カテーテル1は、初めにコネクタ5の流体接続部52によって高圧ジェット発生器101への接続部を有する。前述のように二重機能カテーテルの場合、装置100は電気発生器200を更に備え、その時カテーテル1が、例えば、コネクタ5の電気接続部51に接続されている電線201によって、次に接続部を有する。電気発生器200は、一般的に「ESU」という用語によって呼ばれる。
【0126】
当然のことながら、本発明は、上記の説明に限定されないが、しかし以下の特許請求の範囲内にある任意の変形形態まで拡大適用する。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル(1)であって、
少なくとも一部は導電性があり、近位部(73)と、出口オリフィス(75)に隣接する遠位部(78)と、最遠位端とを含む注入ノズル(7)と、
シース(4)であって、前記注入ノズル(7)および前記シース(4)の少なくとも一方が前記注入ノズル(7)および前記シース(4)の他方に対して可動であり、第1位置では、前記シース(4)が前記注入ノズル(7)の一部を覆い、第2位置では前記注入ノズル(7)の前記一部が前記シース(4)を超えて露出するように設定されるシース(4)と、を含み、
前記注入ノズル(7)の前記最遠位端は、前記シース(4)に選択的に覆われまたは露出される前記注入ノズル(7)の前記一部の幅よりも大きい幅を有し、前記最遠位端の前記幅は、前記最遠位端が前記シース(4)で覆われないようにするために、前記シース(4)内の遠位開口よりも大きいことを特徴とするカテーテル(1)。