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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179749
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/842 20230101AFI20231212BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20231212BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20231212BHJP
   H10K 50/00 20230101ALN20231212BHJP
【FI】
H10K50/842
H10K59/131
H10K77/10
H10K50/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023180273
(22)【出願日】2023-10-19
(62)【分割の表示】P 2022041038の分割
【原出願日】2015-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2014212438
(32)【優先日】2014-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2014257197
(32)【優先日】2014-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】千田 章裕
(57)【要約】
【課題】信頼性の高い発光装置を提供する。
【解決手段】発光部の外側に枠状に設けられた非発光部が、発光部よりも厚さが薄い部分
を有する、発光装置を提供する。基板上に発光素子、接着層、及び枠状の隔壁を形成する
。隔壁は接着層と間隔を空けて、かつ、接着層及び発光素子を囲むように設ける。減圧雰
囲気下で一対の基板を重ねた後、一対の基板を大気雰囲気又は加圧雰囲気に曝すと、一対
の基板及び隔壁で囲まれた空間は減圧状態が保持され、一対の基板が大気圧によって加圧
される。または、基板上に発光素子及び接着層を形成する。一対の基板を重ねた後、接着
層を硬化させる前に、又は接着層を硬化させながら、凸部を有する部材を用いて、接着層
に圧力を加える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と第2の基板との間に、第1の機能層と、第2の機能層と、導電層と、接着層と、を有し、
前記第1の機能層は発光部に設けられ、発光素子を含み、
前記第2の機能層は駆動回路部に設けられ、トランジスタを含み、
前記導電層は、FPCと電気的に接続され、
非発光部は、前記発光部の四辺に設けられ、
前記駆動回路部は、前記非発光部に設けられ、
前記第2の基板は、前記非発光部に凹部を有し、
前記非発光部における前記第1の基板と前記第2の基板の前記凹部との間隔は、前記発光部の前記第1の基板と前記第2の基板との間隔よりも狭い、発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、発光装置、モジュール、電子機器、及びそれらの作製方法に関する。
本発明の一態様は、特に、有機エレクトロルミネッセンス(Electrolumine
scence、以下ELとも記す)現象を利用した発光装置とその作製方法に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様の技術分野と
しては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、
入力装置(例えば、タッチセンサなど)、入出力装置(例えば、タッチパネルなど)、そ
れらの駆動方法、又は、それらの製造方法を一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
近年、発光装置や表示装置は様々な用途への応用が期待されており、多様化が求められて
いる。
【0004】
例えば、携帯機器用途等の発光装置や表示装置では、薄型であること、軽量であること、
又は破損しにくいこと等が求められている。
【0005】
EL現象を利用した発光素子(EL素子とも記す)は、薄型軽量化が容易である、入力信
号に対し高速に応答可能である、直流低電圧電源を用いて駆動可能である等の特徴を有し
、発光装置や表示装置への応用が検討されている。
【0006】
例えば、特許文献1に、フィルム基板上に、スイッチング素子であるトランジスタや有機
EL素子を備えたフレキシブルなアクティブマトリクス型の発光装置が開示されている。
【0007】
有機EL素子は、外部から侵入する水分や酸素などの不純物により信頼性が損なわれてし
まうという課題がある。
【0008】
有機EL素子の外部から、水分や酸素などの不純物が、有機EL素子を構成する有機化合
物や金属材料に侵入することで、有機EL素子の寿命は大幅に低減されてしまう場合があ
る。有機EL素子に用いる有機化合物や金属材料が、水分や酸素などの不純物と反応し、
劣化してしまうためである。
【0009】
したがって、不純物の侵入を防ぐために有機EL素子を封止する技術について、研究開発
が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003-174153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の一態様は、信頼性の高い発光装置、表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提
供することを目的の一とする。または、本発明の一態様は、可撓性を有し、信頼性の高い
発光装置、表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提供することを目的の一とする。
【0012】
また、本発明の一態様は、新規な発光装置、表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提
供することを目的の一とする。または、本発明の一態様は、軽量な発光装置、表示装置、
電子機器、もしくは照明装置を提供することを目的の一とする。または、本発明の一態様
は、破損しにくい発光装置、表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提供することを目
的の一とする。または、本発明の一態様は、厚さが薄い発光装置、表示装置、電子機器、
もしくは照明装置を提供することを目的の一とする。
【0013】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、明細書、図面、請
求項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様は、発光部及び非発光部を有し、非発光部は、発光部の外側に枠状に設け
られ、非発光部は、発光部よりも厚さが薄い部分を有する、発光装置である。非発光部は
、第1の部分及び第2の部分を有していてもよい。第1の部分は、第2の部分よりも発光
部に近く、かつ、第2の部分よりも厚さが薄い。
【0015】
本発明の一態様は、発光部及び非発光部を有する発光装置であり、非発光部は、発光部の
外側に枠状に設けられ、非発光部は、発光部側から発光装置の端部にかけて連続的に厚さ
が薄くなっている部分を有する、発光装置である。非発光部は、第1の部分及び第2の部
分を有していてもよい。第1の部分は、第2の部分よりも発光部に近く、かつ、発光部側
から発光装置の端部側にかけて厚さが薄くなっている。第2の部分は、発光部側から発光
装置の端部にかけて厚さが厚くなっている。
【0016】
発光装置は、可撓性を有することが好ましい。
【0017】
発光部は、発光素子及びトランジスタを有していてもよい。トランジスタは、発光素子と
電気的に接続される。発光素子は、有機EL素子であると好ましい。
【0018】
非発光部は、信号線駆動回路又は走査線駆動回路の少なくとも一方を有していてもよい。
【0019】
本発明の一態様は、発光部及び非発光部を有し、発光部は、第1の可撓性基板、第2の可
撓性基板、第1の接着層、第2の接着層、第1の絶縁層、及び第1の機能層を有し、非発
光部は、第1の可撓性基板、第2の可撓性基板、第1の接着層、第2の接着層、及び第1
の絶縁層を有し、第1の接着層は、第1の可撓性基板と第1の絶縁層の間に位置し、第2
の接着層は、第2の可撓性基板と第1の絶縁層の間に位置し、第1の機能層は、第2の接
着層と第1の絶縁層の間に位置し、第1の接着層と第2の接着層は、第1の絶縁層を介し
て互いに重なる部分を有し、第1の機能層は、発光素子を有し、非発光部の少なくとも一
部では、発光部に比べて、第1の可撓性基板と第2の可撓性基板との間隔が狭い、発光装
置である。非発光部は、第1の部分及び第2の部分を有していてもよい。第1の部分は、
第2の部分よりも発光部に近い。第1の部分では、第2の部分に比べて、第1の可撓性基
板と第2の可撓性基板との間隔が狭い。
【0020】
第2の部分では、発光部に比べて、第1の可撓性基板と第2の可撓性基板との間隔が狭く
てもよいし、同じであってもよいし、広くてもよい。
【0021】
第1の部分は、発光部の外側に枠状に設けられていてもよい。第2の部分は、第1の部分
の外側に枠状に設けられていてもよい。
【0022】
上記各構成において、発光部は、第3の接着層、第2の絶縁層、及び第2の機能層を有し
、非発光部は、第3の接着層、及び第2の絶縁層を有し、第3の接着層は、第2の接着層
と第1の絶縁層の間に位置し、第2の絶縁層は、第2の接着層と第3の接着層の間に位置
し、第1の機能層と第2の機能層は、第3の接着層を介して互いに重なる部分を有し、第
2の機能層は、着色層を有していてもよい。
【0023】
第3の接着層の厚さは、発光部よりも非発光部の方が小さいことが好ましい。発光部は第
3の部分を有し、非発光部は第4の部分を有し、第4の部分の第3の接着層の厚さは、第
3の部分の第3の接着層の厚さよりも小さく、好ましくは、第3の部分の第3の接着層の
厚さの1/2であり、より好ましくは第3の部分の第3の接着層の厚さの1/3である。
具体的には、第4の部分の第3の接着層の厚さは、0.1μm以上10μm以下、好まし
くは0.1μm以上5μm以下、より好ましくは0.1μm以上3μm以下である。
【0024】
第1の可撓性基板の厚さと、第2の可撓性基板の厚さは、それぞれ、発光部と非発光部と
で等しいことが好ましい。本発明の一態様では、非発光部に、発光部よりも厚さが薄い部
分を設けた後に、可撓性基板を貼り合わせる。そのため、可撓性基板に力がかかって伸縮
することを抑制できる。
【0025】
また、上記いずれかの構成が適用された表示装置、半導体装置、又は入出力装置等の装置
も本発明の一態様である。これらの装置はそれぞれ、機能層に含まれる機能素子が異なる
。例えば、本発明の一態様の表示装置は、機能素子として表示素子を有する。本発明の一
態様の半導体装置は、機能素子として半導体素子を有する。本発明の一態様の入出力装置
は、機能素子として発光素子又は表示素子と、タッチセンサと、を有する。
【0026】
また、本発明の一態様は、上記いずれかの構成が適用された発光装置、表示装置、半導体
装置、又は入出力装置を有し、フレキシブルプリント回路基板(Flexible pr
inted circuit、以下、FPCと記す)もしくはTCP(Tape Car
rier Package)などのコネクターが取り付けられたモジュール、又はCOG
(Chip On Glass)方式等により集積回路(IC)が実装されたモジュール
である。
【0027】
また、上記モジュールを用いた電子機器や照明装置も本発明の一態様である。例えば、本
発明の一態様は、上記モジュールと、アンテナ、バッテリ、筐体、スピーカ、マイク、操
作スイッチ、又は操作ボタンと、を有する、電子機器である。
【0028】
本発明の一態様は、第1乃至第4の工程を有する発光装置の作製方法(以下、作製方法A
と記す)であって、第1の工程は、第1の基板上に発光素子を形成する工程を有し、第2
の工程は、接着層及び隔壁を、第1の基板上又は第2の基板上に形成する工程を有し、第
3の工程は、第1の雰囲気下で第1の基板及び第2の基板を重ね、発光素子を、隔壁、第
1の基板、及び第2の基板に囲まれた空間に配置する工程を有し、第4の工程は、第2の
雰囲気下で、接着層及び隔壁を硬化する工程を有し、第1の雰囲気は、第2の雰囲気より
も圧力が低く、第2の工程では、隔壁が、接着層と間隔を空けて、かつ、接着層を囲むよ
うに、隔壁を形成する、発光装置の作製方法である。
【0029】
本発明の一態様は、第1乃至第6の工程を有する発光装置の作製方法(以下、作製方法B
と記す)であって、第1の工程は、第1の基板上に剥離層を形成する工程を有し、第2の
工程は、剥離層上に被剥離層を形成する工程を有し、第2の工程では、剥離層上の絶縁層
と、絶縁層上の発光素子と、を被剥離層として形成し、第3の工程は、接着層及び隔壁を
、第1の基板上又は第2の基板上に形成する工程を有し、第3の工程では、接着層が剥離
層及び被剥離層と重なるように、接着層を形成し、第3の工程では、隔壁が、接着層と間
隔を空けて、かつ、接着層を囲むように、隔壁を形成し、第4の工程は、第1の雰囲気下
で第1の基板及び第2の基板を重ね、発光素子を、隔壁、第1の基板、及び第2の基板に
囲まれた空間に配置する工程を有し、第5の工程は、第2の雰囲気下で接着層を硬化する
工程を有し、第6の工程は、第1の基板と、被剥離層と、を分離する工程を有し、第1の
雰囲気は、第2の雰囲気よりも圧力が低い、発光装置の作製方法である。
【0030】
作製方法Bにおいて、第5の工程では、接着層を硬化する前に、又は、接着層と同一工程
で、隔壁を硬化することが好ましい。
【0031】
作製方法A、Bにおいて、例えば、第1の雰囲気が減圧雰囲気であり、第2の雰囲気が大
気雰囲気又は加圧雰囲気であってもよい。
【0032】
また、本発明の一態様は、第1乃至第5の工程を有する発光装置の作製方法(以下、作製
方法Cと記す)であって、第1の工程は、第1の基板上に発光素子を形成する工程を有し
、第2の工程は、接着層を、第1の基板上又は第2の基板上に形成する工程を有し、第3
の工程は、第1の基板及び第2の基板を重ね、発光素子を、接着層、第1の基板、及び第
2の基板で囲む工程を有し、第4の工程は、凸部を有する部材を用いて、接着層に圧力を
加える工程を有し、第5の工程は接着層を硬化する工程を有する、発光装置の作製方法で
ある。
【0033】
作製方法Cにおいて、第4の工程と第5の工程とを、同時に行うことが好ましい。
【0034】
作製方法Cにおいて、第2の工程は、隔壁を第1の基板上又は第2の基板上に形成する工
程を有していてもよい。隔壁は、接着層を囲むように設けられる。第3の工程と第4の工
程の間に、隔壁を硬化する工程を有することが好ましい。
【0035】
また、本発明の一態様は、第1乃至第7の工程を有する発光装置の作製方法(以下、作製
方法Dと記す)であって、第1の工程は、第1の基板上に剥離層を形成する工程を有し、
第2の工程は、剥離層上に被剥離層を形成する工程を有し、第2の工程では、剥離層上の
絶縁層と、絶縁層上の発光素子と、を被剥離層として形成し、第3の工程は、接着層を、
第1の基板上又は第2の基板上に形成する工程を有し、第3の工程では、接着層が剥離層
及び被剥離層と重なるように、接着層を形成し、第4の工程は、第1の基板及び第2の基
板を重ね、発光素子を、接着層、第1の基板、及び第2の基板で囲む工程を有し、第5の
工程は、凸部を有する部材を用いて、接着層に圧力を加える工程を有し、第6の工程は接
着層を硬化する工程を有し、第7の工程は、第1の基板と、被剥離層と、を分離する工程
を有する、発光装置の作製方法である。
【0036】
作製方法Dにおいて、第5の工程と第6の工程とを、同時に行うことが好ましい。
【0037】
作製方法Dにおいて、第3の工程は、隔壁を第1の基板上又は第2の基板上に形成する工
程を有していてもよい。隔壁は、接着層を囲むように設けられる。第4の工程と第5の工
程の間に、隔壁を硬化する工程を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0038】
本発明の一態様により、可撓性を有し、信頼性の高い発光装置、表示装置、電子機器、も
しくは照明装置を提供することができる。
【0039】
また、本発明の一態様により、新規な発光装置、表示装置、電子機器、もしくは照明装置
を提供することができる。また、本発明の一態様により、軽量な発光装置、表示装置、電
子機器、もしくは照明装置を提供することができる。また、本発明の一態様により、破損
しにくい発光装置、表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提供することができる。ま
た、本発明の一態様により、厚さが薄い発光装置、表示装置、電子機器、もしくは照明装
置を提供することができる。
【0040】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、明細書、図面、請求
項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】発光装置の一例を示す図。
図2】発光装置の一例を示す図。
図3】発光装置の一例を示す図。
図4】発光装置の一例を示す図。
図5】発光装置の作製方法の一例を示す図。
図6】発光装置の作製方法の一例を示す図。
図7】発光装置の作製方法の一例を示す図。
図8】発光装置の作製方法の一例を示す図。
図9】発光装置の作製方法の一例を示す図。
図10】発光装置の作製方法の一例を示す図。
図11】発光装置の一例を示す図。
図12】発光装置の一例を示す図。
図13】発光装置の一例を示す図。
図14】発光装置の一例を示す図。
図15】発光装置の一例を示す図。
図16】発光装置の一例を示す図。
図17】発光装置の一例を示す図。
図18】発光装置の一例を示す図。
図19】発光装置の作製方法の一例を示す図。
図20】発光装置の作製方法の一例を示す図。
図21】発光装置の作製方法の一例を示す図。
図22】発光装置の作製方法の一例を示す図。
図23】発光装置の一例を示す図。
図24】発光装置の一例を示す図。
図25】発光装置の一例を示す図。
図26】発光装置の一例を示す図。
図27】発光装置の一例を示す図。
図28】発光装置の一例を示す図。
図29】発光装置の一例を示す図。
図30】発光装置の一例を示す図。
図31】発光装置の一例を示す図。
図32】発光装置の一例を示す図。
図33】入出力装置の一例を示す図。
図34】入出力装置の一例を示す図。
図35】入出力装置の一例を示す図。
図36】入出力装置の一例を示す図。
図37】入出力装置の一例を示す図。
図38】電子機器及び照明装置の一例を示す図。
図39】電子機器の一例を示す図。
図40】電子機器の一例を示す図。
図41】実施例1の試料の作製方法を示す図。
図42】実施例1の結果を示す写真。
図43】実施例2の発光装置の断面観察の結果を示す写真。
図44】実施例2の発光装置の断面観察の結果を示す写真。
図45】実施例3の発光装置及びその作製方法を示す図。
図46】実施例3の発光装置の作製方法を示す図。
図47】実施例3の発光装置の発光状態を示す写真。
【発明を実施するための形態】
【0042】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定さ
れず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し
得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の
記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0043】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同
一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の
機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0044】
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際
の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ず
しも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0045】
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、又は、状況に応じ
て、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」
という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「
絶縁層」という用語に変更することが可能である。
【0046】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置と、その作製方法について図1図23
用いて説明する。
【0047】
本実施の形態では、主に有機EL素子を用いた発光装置を例示するが、本発明の一態様は
これに限られない。実施の形態2で例示する、他の発光素子や表示素子を用いた発光装置
又は表示装置も、本発明の一態様である。また、本発明の一態様は、発光装置及び表示装
置に限られず、半導体装置、入出力装置等の各種装置に適用することができる。
【0048】
発光装置を構成する機能素子(発光素子やトランジスタ等)は、外部から侵入する水分等
の不純物により劣化し、信頼性が損なわれてしまう場合がある。発光装置の厚さ方向から
の(言い換えると、発光面と、発光面に対向する面からの)不純物の侵入は、機能素子を
一対のガスバリア性の高い層(基板や絶縁膜等)で挟持することで抑制することができる
。一方、発光装置の側面では、発光素子やトランジスタを封止するための接着層が大気に
露出する。例えば、接着層に樹脂を用いる場合、ガラスフリット等を用いる場合に比べて
、耐衝撃性や耐熱性に優れ、外力等による変形で壊れにくいという利点がある。一方で、
樹脂は、ガスバリア性、防水性、又は防湿性が不十分な場合がある。
【0049】
そこで、本発明の一態様の発光装置では、非発光部に、発光部よりも厚さが薄い部分を有
する構成とする。発光装置は、発光部及び非発光部を有し、非発光部は、発光部の外側に
枠状に設けられる。
【0050】
発光装置の側面から水分等の不純物が侵入してきた場合、発光装置(接着層)に、他の部
分よりも厚さが薄い領域があると、不純物が該領域を通過しにくくなる。その結果、発光
装置(接着層)の厚さが一定の場合に比べて、不純物が機能素子に到達しにくくなり、発
光装置の信頼性の低下を抑制することができる。
【0051】
このように、発光装置の形状(又は接着層の厚さ)によって信頼性を高めることができる
ため、接着層に用いる材料の選択の幅が広くなる。接着層に樹脂を用いることで、発光装
置の可撓性や曲げ耐性を高めることができる。
【0052】
なお、他の部分よりも厚さが薄い領域は、非発光部に局所的に設けられていてもよい。ま
たは、非発光部の発光部側から発光装置の端部にかけて連続的に(滑らかに)厚さが薄く
なっている部分を有していてもよい。
【0053】
本発明の一態様の発光装置の2種類の作製方法を簡単に説明する。
【0054】
<作製方法a>
まず、第1の基板及び第2の基板を用意する。次に、第1の基板上に発光素子を形成する
。次に、接着層及び隔壁を、第1の基板上又は第2の基板上に形成する。隔壁は、接着層
と間隔を空けて、かつ、接着層及び発光素子を囲むように、設けられる。
【0055】
次に、第1の雰囲気下で、第1の基板及び第2の基板を重ね、発光素子及び接着層を、隔
壁、第1の基板、及び第2の基板に囲まれた空間に配置する。例えば、第1の雰囲気が減
圧雰囲気の場合、隔壁、第1の基板、及び第2の基板に囲まれた空間は減圧状態となる。
なお、接着層と隔壁は間隔を空けて設けられるため、該空間には中空の部分が生じる。
【0056】
次に、第2の雰囲気下に第1の基板及び第2の基板を曝す。例えば、第2の雰囲気が大気
雰囲気の場合、一対の基板が大気圧によって加圧される。そして、基板の端部に向かって
接着層が広がり、隔壁と接着層の間の中空の部分に接着層が充填される。これにより、発
光装置の端部に中央部よりも厚さが薄い部分が設けられる。なお、第2の雰囲気は第1の
雰囲気よりも圧力が高ければよい。
【0057】
その後、接着層及び隔壁を硬化する。本発明の一態様では、接着層又は隔壁の少なくとも
一方を、第1の雰囲気よりも圧力が高い雰囲気下で硬化すればよい。双方を第1の雰囲気
よりも圧力が高い雰囲気下で硬化することで、発光装置に、厚さが十分に薄い部分を確実
に形成することができるため、好ましい。以上により、非発光部に、発光部よりも厚さが
薄い部分を有する構成の発光装置を作製することができる。
【0058】
<作製方法b>
まず、第1の基板及び第2の基板を用意する。次に、第1の基板上に発光素子を形成する
。次に、接着層を、第1の基板上又は第2の基板上に形成する。
【0059】
次に、第1の基板及び第2の基板を重ね、発光素子を、接着層、第1の基板、及び第2の
基板で囲む。
【0060】
そして、接着層が完全に硬化する前に、非発光部の少なくとも一部に圧力を加え、発光部
よりも厚さが薄い部分を非発光部に形成する。
【0061】
例えば、凸部を有する第3の基板を用いて、非発光部の少なくとも一部に圧力を加えるこ
とができる。具体的には、凸部が非発光部と重なるように、第3の基板を非発光部に重ね
る。そして、第1の基板、第2の基板、及び第3の基板の積層構造を、加圧する。これに
より、非発光部のうち凸部と重なる部分とその近傍が押し潰され、他の部分よりも接着層
の厚さが薄くなり、発光装置の非発光部に、発光部よりも厚さが薄い第1の部分を設ける
ことができる。なお、非発光部は、厚さが薄い第1の部分の外側に、第1の部分より厚さ
が厚い第2の部分を有していてもよい。第2の部分と、発光部とで、発光装置の厚さの大
小関係に限定はなく、第2の部分の方が、発光部よりも薄くてもよいし、厚くてもよいし
、同一であってもよい。
【0062】
加圧をしながら、又は加圧をした後に、接着層を硬化する。接着層を硬化することで、発
光素子を、接着層、第1の基板、及び第2の基板によって封止することができる。以上に
より、非発光部に、発光部よりも厚さが薄い部分を有する構成の発光装置を作製すること
ができる。
【0063】
以下に、本発明の一態様の発光装置の構成と作製方法を例示する。まず、上記作製方法a
を用いて作製することができる構成例a-1、a-2、a-3について説明する。次に、
構成例a-2及び構成例a-3の詳細な作製方法を説明する。次に、上記作製方法bを用
いて作製することができる構成例b-1、b-2、b-3について説明する。最後に、構
成例b-1、b-2、b-3それぞれの詳細な作製方法を説明する。なお、各構成例及び
各作製方法において、先に例示した構成例又は作製方法と同様の部分については、繰り返
しの詳細な説明は省略する。
【0064】
<構成例a-1>
図1(A)に、発光装置の上面図を示す。図1(B)に、図1(A)における一点鎖線A
1-A2間の断面図を示す。図1(C)に、図1(B)の変形例を示す。図1(D)に、
図1(A)における一点鎖線A3-A4間の断面図を示す。
【0065】
図1(A)に示す発光装置は、発光部804及び駆動回路部806を有する。発光装置に
おいて、発光部804以外の部分は、すべて非発光部といえる。したがって、発光部80
4の外側に非発光部が枠状に設けられているといえる。例えば、駆動回路部806は非発
光部の一部である。
【0066】
図1(A)~(D)に示す発光装置は、基板251、機能層204、機能層206、接着
層207、導電層208、及び基板259を有する。
【0067】
発光部804では、基板251上に機能層206が設けられている。
【0068】
機能層206は、発光素子を含む。さらに、トランジスタや容量素子等を含んでいてもよ
い。
【0069】
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝度
が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、発光ダイオード(LED)、有機E
L素子、無機EL素子等を用いることができる。発光素子は、トップエミッション型、ボ
トムエミッション型、デュアルエミッション型のいずれであってもよい。
【0070】
駆動回路部806では、基板251上に機能層204が設けられている。
【0071】
機能層204は、トランジスタを含む。さらに、容量素子、抵抗素子、又はスイッチ素子
等を含んでいてもよい。本発明の一態様の発光装置は、駆動回路部として、信号線駆動回
路又は走査線駆動回路の少なくとも一方を有していてもよい。また、本発明の一態様の発
光装置は、駆動回路部を有していなくてもよい。
【0072】
導電層208は、駆動回路部806に外部からの信号(ビデオ信号、クロック信号、スタ
ート信号、又はリセット信号等)や電位を伝達する外部入力端子と電気的に接続する。図
1(B)、(C)では、導電層208は、接続体825を介してFPC808と電気的に
接続されている。
【0073】
基板251及び基板259は、接着層207によって貼り合わされている。
【0074】
基板には、ガラス、石英、有機樹脂、金属、合金などの材料を用いることができる。発光
素子からの光を取り出す側の基板は、該光を透過する材料を用いる。
【0075】
可撓性基板を用いてもよい。例えば、有機樹脂や可撓性を有する程度の厚さのガラス、金
属、合金を用いることができる。
【0076】
ガラスに比べて有機樹脂は比重が小さいため、可撓性基板として有機樹脂を用いると、ガ
ラスを用いる場合に比べて発光装置を軽量化でき、好ましい。
【0077】
基板には、靱性が高い材料を用いることが好ましい。これにより、耐衝撃性に優れ、破損
しにくい発光装置を実現できる。例えば、有機樹脂基板や、厚さの薄い金属基板もしくは
合金基板を用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて、軽量であり、破損しにくい
発光装置を実現できる。
【0078】
金属材料や合金材料は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、発光装置
の局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。金属材料や合金材料を用いた基板
の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であるこ
とがより好ましい。
【0079】
金属基板や合金基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウム
、銅、ニッケル、又は、アルミニウム合金もしくはステンレス等の金属の合金などを好適
に用いることができる。
【0080】
また、基板に、熱放射率が高い材料を用いると発光装置の表面温度が高くなることを抑制
でき、発光装置の破壊や信頼性の低下を抑制できる。例えば、基板を金属基板と熱放射率
の高い層(例えば、金属酸化物やセラミック材料を用いることができる)の積層構造とし
てもよい。
【0081】
可撓性及び透光性を有する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET
)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂
、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポ
リシクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂等が挙げられる。特に、線膨張係数の
低い材料を用いることが好ましく、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リアミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、繊維体に樹脂を含浸した基
板(プリプレグともいう)や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜて線膨張係数を下げた基板
を使用することもできる。
【0082】
また、基板として、パルプを連続シートに加工した透明な不織布や、フィブロインと呼ば
れるたんぱく質を含む人工くも糸繊維を含むシートや、これらと樹脂とを混合させた複合
体、繊維幅が4nm以上100nm以下のセルロース繊維からなる不織布と樹脂膜の積層
体、人工くも糸繊維を含むシートと樹脂膜の積層体を用いてもよい。
【0083】
図1(B)~(D)に示すように、発光部804においては、発光装置の厚さ(又は接着
層207の厚さ)は均一(概略均一)である。一方、非発光部は、厚さが薄い領域を有す
る。言い換えると、非発光部は、発光部804に比べて、基板251と基板259との間
隔が狭い部分を有する。このように、発光装置の端部の厚さが、発光部804等の厚さよ
りも薄いことで、水分や酸素などの不純物が発光装置の内部に侵入することを抑制するこ
とができる。
【0084】
なお、図1(B)では、非発光部のうち、駆動回路部806や導電層208が設けられた
部分には、発光部よりも厚さが薄い領域を有していない例を示す。発光部804の駆動回
路部806と隣接する辺側では、発光装置の端部から発光部804までの最短距離が、他
の辺に比べて長く、不純物が発光素子等に到達しにくい。このような場合には、非発光部
であっても、発光部よりも厚さが薄い部分を設けなくてもよい。これにより、駆動回路部
806を構成する素子が曲げにより劣化することを抑制することができる。また、導電層
208とFPC808を確実に導通させることができる。なお、本発明の一態様では、非
発光部に、発光部よりも厚さが薄い部分を枠状に有していてもよい。図1(C)では、非
発光部のうち、駆動回路部806や導電層208が設けられた部分にも、発光部よりも厚
さが薄い領域を有する例を示す。
【0085】
なお、図2(A)、(B)に示す、図1(A)における一点鎖線A1-A2間とA3-A
4間の断面図の組み合わせのように、発光装置の四辺のうち二辺において、非発光部が、
発光部よりも厚さが薄い領域を有していてもよい。また、図2(C)、(D)に示す、図
1(A)における一点鎖線A1-A2間とA3-A4間の断面図の組み合わせのように、
発光装置の四辺のうち一辺において、非発光部が、発光部よりも厚さが薄い領域を有して
いてもよい。
【0086】
構成例a-1では、基板251上に直接、機能層206が設けられた例を示したが、本発
明の一態様はこれに限られない。以下の構成例a-2、a-3に示すように、作製基板上
で作製した機能層206を、基板251上に転置してもよい。この方法によれば、例えば
、耐熱性の高い作製基板上で形成した被剥離層を、耐熱性の低い基板に転置することがで
き、被剥離層の作製温度が、耐熱性の低い基板によって制限されない。作製基板に比べて
軽い、薄い、又は可撓性が高い基板等に被剥離層を転置することで、発光装置の軽量化、
薄型化、フレキシブル化を実現できる。
【0087】
<構成例a-2>
図3(A)に、図1(A)における一点鎖線A1-A2間の断面図を示す。図3(B)に
図1(A)における一点鎖線A3-A4間の断面図を示す。
【0088】
図3(A)、(B)に示す発光装置は、基板251、接着層253、機能層204、絶縁
層205、機能層206、接着層207、導電層208、及び基板259を有する。
【0089】
発光部804では、絶縁層205上に機能層206が設けられている。基板251と絶縁
層205は、接着層253によって貼り合わされている。
【0090】
絶縁層205としては、ガスバリア性や防水性、防湿性等の高い絶縁層を用いることが好
ましい。
【0091】
防湿性の高い絶縁層としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含
む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸
化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
【0092】
例えば、防湿性の高い絶縁層の水蒸気透過量は、1×10-5[g/(m・day)]
以下、好ましくは1×10-6[g/(m・day)]以下、より好ましくは1×10
-7[g/(m・day)]以下、さらに好ましくは1×10-8[g/(m・da
y)]以下とする。
【0093】
駆動回路部806では、絶縁層205上に機能層204が設けられている。
【0094】
導電層208は、接続体825を介してFPC808と電気的に接続されている。
【0095】
基板251及び基板259は、接着層207によって貼り合わされている。なお、図3
C)に示すように、基板251及び基板259は、接着層207だけでなく、接着層25
3によっても貼り合わされていてもよい。例えば、基板259の端部が接着層253と接
していてもよい。
【0096】
さらに、接着層253が基板251又は基板259の少なくとも一方の端部よりも外側に
まで設けられていてもよい。これにより、接着層253は、基板251又は基板259の
少なくとも一方の側面を覆うことができる。図3(D)では、接着層253が、基板25
1の端部及び基板259の端部と接している例を示す。接着層253の端部は、基板25
1の端部及び基板259の端部よりも外側に位置する。また、図3(E)では、接着層2
53が、基板251の端部と接している例を示す。
【0097】
また、接着層207や接着層253とは別に、接着層254を用いて、基板251又は基
板259の少なくとも一方の側面を覆ってもよい。
【0098】
<構成例a-3>
図4(A)に、発光装置の上面図を示す。図4(B)に、図4(A)における一点鎖線B
1-B2間の断面図を示す。図4(C)に、図4(B)の変形例を示す。図4(D)に、
図4(A)における一点鎖線B3-B4間の断面図を示す。
【0099】
図4(A)に示す発光装置は、発光部804及び駆動回路部806を有する。発光装置に
おいて、発光部804以外の部分は、すべて非発光部といえる。したがって、発光部80
4の外側に非発光部が枠状に設けられているといえる。例えば、駆動回路部806は非発
光部の一部である。
【0100】
図4(A)~(D)に示す発光装置は、基板251、接着層253、機能層204、絶縁
層205、機能層206、接着層207、導電層208、絶縁層225、機能層256、
接着層257、及び基板259を有する。
【0101】
発光部804は、機能層206及び機能層256を有する。機能層206は接着層207
よりも基板251側に設けられ、機能層256は接着層207よりも基板259側に設け
られている。
【0102】
機能層256としては、例えば、着色層(カラーフィルタなど)や遮光層(ブラックマト
リクスなど)が挙げられる。または、機能層256として、タッチセンサ等のセンサを有
していてもよい。
【0103】
基板251と絶縁層205は、接着層253によって貼り合わされている。基板259と
絶縁層225は、接着層257によって貼り合わされている。絶縁層205や絶縁層22
5としては、ガスバリア性や防水性、防湿性等の高い絶縁層を用いることが好ましい。
【0104】
導電層208は、接続体825を介してFPC808と電気的に接続されている。構成例
a-1、a-2とは異なり、構成例a-3では、基板251と基板259が同じ大きさの
例を示している。基板259、接着層257、絶縁層225、及び接着層207に開口を
設けることで、導電層208と接続体825を接続することができる。
【0105】
基板251及び基板259は、接着層207によって貼り合わされている。
【0106】
なお、図4(B)では、発光部804の駆動回路部806と隣接する辺側で、非発光部に
発光部よりも厚さが薄い領域を有していない例を示したが、図4(C)に示すように、発
光部804の駆動回路部806と隣接する辺側においても、非発光部に発光部よりも厚さ
が薄い領域を有していてもよい。これにより、水分や酸素などの不純物が発光装置の内部
に侵入することをさらに抑制することができる。
【0107】
<構成例a-2の作製方法例>
図5図7を用いて、上記構成例a-2の作製方法について例示する。図5図7では、
各工程における、一点鎖線A3-A4方向(図1(A)参照)の断面構造を示す。
【0108】
はじめに、作製基板201上に剥離層203を形成し、剥離層203上に絶縁層205を
形成し、絶縁層205上に機能層206を形成する(図5(A))。なお、絶縁層205
及び機能層206をまとめて被剥離層と呼ぶことができる。
【0109】
ここでは、島状の剥離層を形成する例を示したがこれに限られない。また、絶縁層205
を島状に形成してもよい。この工程では、作製基板201と絶縁層205とを分離する際
に、作製基板201と剥離層203の界面、剥離層203と絶縁層205の界面、又は剥
離層203中で分離が生じるような材料を選択する。本実施の形態では、絶縁層205と
剥離層203の界面で分離が生じる場合を例示するが、剥離層203や絶縁層205に用
いる材料の組み合わせによってはこれに限られない。
【0110】
作製基板201には、少なくとも作製行程中の処理温度に耐えうる耐熱性を有する基板を
用いる。作製基板201としては、例えばガラス基板、石英基板、サファイア基板、半導
体基板、セラミック基板、金属基板、樹脂基板、プラスチック基板などを用いることがで
きる。
【0111】
なお、量産性を向上させるため、作製基板201として大型のガラス基板を用いることが
好ましい。例えば、第3世代(550mm×650mm)以上、第10世代(2950m
m×3400mm)以下のガラス基板、又はこれよりも大型のガラス基板等を用いること
ができる。
【0112】
作製基板201にガラス基板を用いる場合、作製基板201と剥離層203との間に、下
地膜として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、又は窒化酸化シリ
コン膜等の絶縁膜を形成すると、ガラス基板からの汚染を防止でき、好ましい。
【0113】
剥離層203は、タングステン、モリブデン、チタン、タンタル、ニオブ、ニッケル、コ
バルト、ジルコニウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジ
ウム、シリコンから選択された元素、該元素を含む合金材料、又は該元素を含む化合物材
料等を用いて形成できる。シリコンを含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のい
ずれでもよい。また、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化
インジウム、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、In-Ga-Zn酸化物等
の金属酸化物を用いてもよい。剥離層203に、タングステン、チタン、モリブデンなど
の高融点金属材料を用いると、絶縁層205や機能層206の形成工程の自由度が高まる
ため好ましい。
【0114】
剥離層203は、例えばスパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法(スピンコーティ
ング法、液滴吐出法、ディスペンス法等を含む)、印刷法等により形成できる。剥離層2
03の厚さは例えば1nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上100nm以下
とする。
【0115】
剥離層203が単層構造の場合、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモ
リブデンの混合物を含む層を形成することが好ましい。また、タングステンの酸化物もし
くは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物もしくは酸化窒化物を含む層、又はタング
ステンとモリブデンの混合物の酸化物もしくは酸化窒化物を含む層を形成してもよい。な
お、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金
に相当する。
【0116】
また、剥離層203として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積
層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される
絶縁膜を形成することで、タングステン層と絶縁膜との界面に、タングステンの酸化物を
含む層が形成されることを活用してもよい。また、タングステンを含む層の表面を、熱酸
化処理、酸素プラズマ処理、亜酸化窒素(NO)プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の
強い溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。また、プ
ラズマ処理や加熱処理は、酸素、窒素、亜酸化窒素単独、あるいは該ガスとその他のガス
との混合気体雰囲気下で行ってもよい。上記プラズマ処理や加熱処理により、剥離層20
3の表面状態を変えることで、剥離層203と絶縁層205との密着性を制御することが
可能である。
【0117】
なお、作製基板と絶縁層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。例
えば、作製基板としてガラスを用い、ガラスに接してポリイミド、ポリエステル、ポリオ
レフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリル等の有機樹脂を形成する。次に、レ
ーザ照射や加熱処理を行うことで、作製基板と有機樹脂の密着性を向上させる。そして、
有機樹脂上に絶縁層や機能層等を形成する。その後、先のレーザ照射よりも高いエネルギ
ー密度でレーザ照射を行う、又は、先の加熱処理よりも高い温度で加熱処理を行うことで
、作製基板と有機樹脂の界面で剥離することができる。また、剥離の際には、作製基板と
有機樹脂の界面に液体を浸透させて分離してもよい。
【0118】
当該方法では、耐熱性の低い有機樹脂上に絶縁膜やトランジスタ等を形成するため、作製
工程で基板に高温をかけることが難しい。ここで、酸化物半導体を用いたトランジスタは
、高温の作製工程が必須でないため、有機樹脂上に好適に形成することができる。
【0119】
なお、該有機樹脂を、装置を構成する基板として用いてもよいし、該有機樹脂を除去し、
露出した面に接着剤を用いて別の基板を貼り合わせてもよい。
【0120】
または、作製基板と有機樹脂の間に金属層を設け、該金属層に電流を流すことで該金属層
を加熱し、金属層と有機樹脂の界面で剥離を行ってもよい。
【0121】
絶縁層205は、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、又は窒化酸化
シリコン膜等を用いて、単層又は多層で形成することが好ましい。
【0122】
絶縁層205は、スパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法、印刷法等を用いて形成
することが可能であり、例えば、プラズマCVD法によって成膜温度を250℃以上40
0℃以下として形成することで、緻密で非常に防湿性の高い膜とすることができる。なお
、絶縁層205の厚さは10nm以上3000nm以下、さらには200nm以上150
0nm以下が好ましい。
【0123】
本実施の形態では、機能層206として、発光素子(有機EL素子)を少なくとも作製す
る。そのほか、トランジスタ、容量素子等を作製してもよい。また、発光素子以外の表示
素子を作製してもよい。また、着色層や遮光層を作製してもよい。
【0124】
次に、作製基板201又は基板259上に、接着層207及び隔壁209を形成する。
【0125】
接着層207及び隔壁209は、それぞれ、作製基板201又は基板259のどちらに形
成されてもよく、一方の基板に、接着層207及び隔壁209の双方を形成してもよいし
、一方の基板に接着層207を形成し、他方の基板に隔壁209を形成してもよい。
【0126】
接着層207が剥離層203及び絶縁層205と重なるように、接着層207を形成する
ことが好ましい。これにより、作製基板201を剥離する歩留まりを高めることができる
。基板259上に接着層207を形成する場合には、後の工程で作製基板201と基板2
59を重ねた際に、接着層207が剥離層203及び絶縁層205と重なればよい。
【0127】
図5(B)に示すように、接着層207の端部は、剥離層203の端部よりも内側に位置
することが好ましい。または、接着層207の端部と剥離層203の端部とが重なってい
てもよい。これにより、作製基板201と基板259が強く密着することを抑制でき、後
の剥離工程の歩留まりが低下することを抑制できる。
【0128】
また、隔壁209は、接着層207と間隔を空けて、かつ、接着層207を囲むように、
枠状に形成する。接着層207を形成する基板とは異なる基板上に隔壁209を形成する
場合には、後の工程で作製基板201と基板259を重ねた際に、隔壁209が、接着層
207と間隔を空けて、かつ、接着層207を囲めばよい。
【0129】
接着層207及び隔壁209の厚さは、それぞれ、例えば、1μm以上200μm以下、
好ましくは1μm以上100μm以下、さらに好ましくは1μm以上50μm以下とすれ
ばよい。
【0130】
接着層207及び隔壁209の形成方法に特に限定は無く、例えば、液滴吐出法や、印刷
法(スクリーン印刷法やオフセット印刷法など)、スピンコート法、スプレー塗布法など
の塗布法、ディッピング法、ディスペンス法、ナノインプリント法等をそれぞれ用いるこ
とができる。
【0131】
隔壁209には、接着層207と同じ材料を用いてもよい。隔壁209には、接着層20
7よりも粘性の高い材料を用いることが好ましい。隔壁209に用いる材料の粘性が高い
と、大気からの水分等の不純物の侵入を抑制でき、好ましい。
【0132】
接着層207及び隔壁209には、例えば、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化
型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型の接着剤等を、それぞれ用い
ることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、
フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、
PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げ
られる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。
【0133】
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化
カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いる
ことができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸
着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、大気中の水分の侵入による機能素
子の劣化を抑制でき、発光装置の信頼性が向上するため好ましい。
【0134】
また、上記樹脂にレベリング剤又は界面活性剤を含んでいてもよい。
【0135】
上記樹脂にレベリング剤又は界面活性剤を添加することで、樹脂の表面張力を下げ、樹脂
の濡れ性を向上させることができる。濡れ性が高いほど、樹脂を均一に塗布することがで
きる。これにより、一対の基板を貼り合わせる際に気泡が混入することを抑制でき、接着
層の凝集破壊や、接着層と被接着層との間での界面破壊が生じにくい構成とすることがで
きる。また、発光装置における表示不良を抑制することもできる。
【0136】
レベリング剤又は界面活性剤としては、発光素子等に悪影響を及ぼさない材料を用いる。
例えば、エポキシ樹脂に0.01wt%以上0.5wt%以下のフッ素系レベリング剤を
添加した材料を用いてもよい。
【0137】
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、発光素子か
らの光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼ
オライト、ジルコニウム等を用いることができる。
【0138】
次に、減圧雰囲気下で、作製基板201と基板259とを重ね、機能層206を、隔壁2
09、作製基板201、及び基板259に囲まれた空間に配置する(図5(B))。これ
により、該空間は減圧状態となる。なお、接着層207と隔壁209は間隔を空けて形成
されたため、接着層207と隔壁209の間には中空の部分が形成される。
【0139】
次に、作製基板201及び基板259を大気雰囲気に曝す。これにより、作製基板201
及び基板259が大気圧によって加圧される。そして、発光装置の端部に向かって接着層
207が広がり、中空の部分が接着層207で充填される。これにより、発光装置の端部
に中央部よりも厚さが薄い部分が設けられる。(図5(C))。なお、接着層207に、
隔壁209よりも粘性の低い材料を用いると、本工程で接着層207が十分に広がり、好
ましい。
【0140】
なお、基板間の距離が必要以上に縮まらないように、機能層206にはスペーサを設ける
ことが好ましい(例えば、実施の形態2で例示するスペーサ823参照(図26(B))
【0141】
そして、接着層207及び隔壁209を硬化する。接着層207及び隔壁209の硬化は
、大気雰囲気下又は加圧雰囲気下で行えばよい。
【0142】
隔壁209を硬化することで、発光装置の内部の減圧状態を保持しやすくなるため、隔壁
209を硬化させる工程は、接着層207を硬化させる工程よりも前に行うことが好まし
い。または、隔壁209と接着層207を同一工程で硬化させてもよい。
【0143】
例えば、隔壁209に光硬化型の樹脂を用い、接着層207に熱硬化型の樹脂を用いる場
合であれば、まず、光照射により隔壁209を硬化し、その後、加熱により接着層207
を硬化することが好ましい。また、隔壁209及び接着層207の双方に熱硬化型の樹脂
を用いる場合であれば、加熱により隔壁209及び接着層207を同時に硬化すればよい
【0144】
隔壁209や接着層207の硬化時間が短いほど、発光装置の作製のタクトが短くなり好
ましい。例えば、接着層207に熱硬化樹脂を用いる際、加熱温度を高くすることで、硬
化時間を短くできるが、樹脂中で気泡が大量に発生してしまい、発光装置の歩留まりが低
下する場合がある。そこで、本発明の一態様では、加圧しながら加熱する。これにより、
加熱温度を高くしても気泡の発生を抑制することができる。例えば、加圧脱泡機(オート
クレーブなど)を用いて樹脂を硬化することができる。
【0145】
例えば、40℃で硬化するには約12時間の加熱が必要な樹脂について、加圧することな
く80℃で1時間加熱すると気泡が発生するが、0.5MPaで80℃、1時間加熱する
ことで、気泡の発生を抑制し、短時間で樹脂を硬化することができる。加熱と加圧を同時
に行うことで、貼り合わせた際に生じる気泡を樹脂内に溶かし込むことができる。また、
加熱及び加圧の前に生じていた気泡も除去することが可能である。なお、加熱後、大気圧
下、室温で保存しても、気泡は発生しない。
【0146】
加圧しながら加熱することで接着層を硬化させる工程は、接着層207を硬化する工程以
外にも適用することができる。
【0147】
次に、剥離の起点(きっかけ、ともいえる)を形成することが好ましい。剥離の起点は、
接着層207と剥離層203とが重なる領域に形成する。
【0148】
剥離の起点は、レーザ光の照射、ガスや溶液などによる剥離層のエッチング、基板の分断
、又は、ナイフ、メス、カッターなどの鋭利な刃物で切り込みを入れるなどの機械的な除
去等を用いて、形成することができる。剥離の起点を形成することで、剥離層と被剥離層
とを剥離しやすい状態にすることができ、好ましい。
【0149】
例えば、基板259が刃物等で切断できる場合、基板259、接着層207、及び絶縁層
205に切り込みを入れることで、剥離の起点を形成することができる。
【0150】
また、レーザ光を照射する場合、レーザ光は、硬化状態の接着層207と、絶縁層205
と、剥離層203とが重なる領域に対して照射することが好ましい。レーザ光は、どちら
の基板側から照射してもよいが、散乱した光が機能素子等に照射されることを抑制するた
め、剥離層203が設けられた作製基板201側から照射することが好ましい。なお、レ
ーザ光を照射する側の基板は、該レーザ光を透過する材料を用いる。
【0151】
絶縁層205にクラックを入れる(膜割れやひびを生じさせる)ことで、剥離の起点を形
成できる。このとき、絶縁層205だけでなく、剥離層203、接着層207の一部を除
去してもよい。レーザ光の照射によって、絶縁層205、剥離層203、又は接着層20
7に含まれる膜の一部を溶解、蒸発、又は熱的に破壊することができる。
【0152】
剥離工程時、剥離の起点に、絶縁層205と剥離層203を引き離す力が集中することが
好ましいため、硬化状態の接着層207の中央部よりも端部近傍に剥離の起点を形成する
ことが好ましい。特に、端部近傍の中でも、辺部近傍に比べて、角部近傍に剥離の起点を
形成することが好ましい。接着層207と重ならない位置に剥離の起点を形成する場合、
剥離層203と絶縁層205とを確実に分離するため、剥離の起点の形成位置は、接着層
207からの距離が近いほど好ましく、具体的には、接着層207の端部からの距離が1
mm以内に剥離の起点を形成することが好ましい。
【0153】
剥離の起点を形成するために用いるレーザには特に限定はない。例えば、連続発振型のレ
ーザやパルス発振型のレーザを用いることができる。レーザ光の照射条件(周波数、パワ
ー密度、エネルギー密度、ビームプロファイル等)は、作製基板201や剥離層203の
厚さ、材料等を考慮して適宜制御する。
【0154】
レーザ光を用いることで、剥離の起点を形成するために基板の切断等をする必要がなく、
ゴミ等の発生を抑制でき、好ましい。また、剥離の起点の形成にかかる時間を短縮するこ
とができる。また、作製基板201の表面に残るゴミを低減できるため、作製基板201
の再利用が容易となる。また、カッター等の鋭利な刃物の摩耗がないため、コストが抑制
できる、量産に適用しやすい、といった利点がある。また、いずれかの基板の端部を引っ
張ることで剥離を開始できるため、量産化に応用しやすい。
【0155】
そして、形成した剥離の起点から、絶縁層205と作製基板201とを分離する。このと
き、一方の基板を吸着ステージ等に固定することが好ましい。例えば、作製基板201を
吸着ステージに固定し、作製基板201から絶縁層205を剥離してもよい。また、基板
259を吸着ステージに固定し、基板259から作製基板201を剥離してもよい。
【0156】
例えば、剥離の起点から、物理的な力(人間の手や治具で引き剥がす処理や、ローラーを
回転させながら分離する処理等)によって絶縁層205と作製基板201とを分離すれば
よい。
【0157】
また、剥離層203と絶縁層205との界面に水などの液体を浸透させて作製基板201
と絶縁層205とを分離してもよい。毛細管現象により液体が剥離層203と絶縁層20
5の間にしみこむことで、容易に分離することができる。また、剥離時に生じる静電気が
、絶縁層205に含まれる機能素子に悪影響を及ぼすこと(半導体素子が静電気により破
壊されるなど)を抑制できる。なお、液体を霧状又は蒸気にして吹き付けてもよい。液体
としては、純水や有機溶剤などを用いることができ、中性、アルカリ性、もしくは酸性の
水溶液や、塩が溶けている水溶液などを用いてもよい。
【0158】
なお、剥離後に、基板259上に残った、絶縁層205と基板259との接着に寄与して
いない接着層207、又は隔壁209等を除去してもよい。除去することで、後の工程で
機能素子に悪影響を及ぼすこと(不純物の混入など)を抑制でき好ましい。例えば、ふき
取り、洗浄等によって、不要な樹脂を除去することができる。
【0159】
次に、作製基板201を剥離することで露出した絶縁層205に、接着層253を用いて
、基板251を貼り合わせる(図5(D))。基板259と基板251の端部が概略揃う
ように、基板259の端部を切断してもよい(図5(E))。また、基板251、接着層
253、絶縁層205、接着層207、及び基板259の端部が概略揃うように(図3
B)参照)、発光装置の端部を切断してもよい。
【0160】
接着層253には、接着層207や隔壁209に用いることができる材料を適用すること
ができる。
【0161】
なお、図5(C)では、作製基板201及び基板259の双方が撓む例を示したが、作製
基板201又は基板259の固定方法や、用いた材料、厚さによっては、一方の基板のみ
が撓む場合もある。図6(A)では、基板259のみが撓む例を、図7(A)では、作製
基板201のみが撓む例を示す。これらの場合にも、発光装置の端部に、中央部よりも厚
さが薄い部分が設けられる。なお、中空の部分が残っていてもよいし、中空の部分全体に
接着層207が充填されてもよい。図6(A)及び図7(A)に示す状態から、作製基板
201を剥離し、基板251を貼り合わせることで作製した発光装置の例を、図6(B)
及び図7(B)にそれぞれ示す。なお、作製基板201や基板259の厚さは、例えば、
10μm以上10mm以下とすることができる。
【0162】
以上により、構成例a-2として示した発光装置を作製することができる。
【0163】
<構成例a-3の作製方法例>
図8図10を用いて、上記構成例a-3の作製方法について例示する。図8図10
は、各工程における、一点鎖線B3-B4方向(図4(A)参照)の断面構造を示す。
【0164】
はじめに、作製基板201上に剥離層203を形成し、剥離層203上に絶縁層205を
形成し、絶縁層205上に機能層206を形成する(図8(A))。また、作製基板22
1上に剥離層223を形成し、剥離層223上に絶縁層225を形成し、絶縁層225上
に機能層256を形成する(図8(B))。
【0165】
なお、本実施の形態では、剥離層203と剥離層223との大きさが同じ場合を示す(図
8(C))が、2つの剥離層の大きさは異なっていてもよい。
【0166】
作製基板221は、作製基板201に用いることができる材料を適用できる。剥離層22
3は、剥離層203に用いることができる材料を適用できる。絶縁層225は、絶縁層2
05に用いることができる材料を適用できる。
【0167】
本実施の形態では、機能層256として、着色層を少なくとも形成する。そのほか、遮光
層、発光素子、表示素子、トランジスタ、タッチセンサ、又は容量素子等を作製してもよ
い。
【0168】
次に、作製基板201又は作製基板221上に、接着層207及び隔壁209を形成する
。接着層207及び隔壁209は、それぞれ、作製基板201又は作製基板221のどち
らに形成されてもよく、一方の基板に、接着層207及び隔壁209の双方を形成しても
よいし、一方の基板に接着層207を形成し、他方の基板に隔壁209を形成してもよい
【0169】
後の工程で作製基板201と作製基板221を重ねた際に、接着層207が剥離層203
、絶縁層205、絶縁層225、及び剥離層223と重なるように、接着層207を形成
することが好ましい。これにより、作製基板201及び作製基板221を剥離する歩留ま
りを高めることができる。
【0170】
図8(C)に示すように、接着層207の端部は、剥離層203又は剥離層223の少な
くとも一方(先に剥離したい方)の端部よりも内側に位置することが好ましい。これによ
り、作製基板201と作製基板221が強く密着することを抑制でき、後の剥離工程の歩
留まりが低下することを抑制できる。
【0171】
また、隔壁209は、接着層207と間隔を空けて、かつ、接着層207を囲むように、
枠状に形成する。接着層207を形成する基板とは異なる基板上に隔壁209を形成する
場合には、後の工程で作製基板201と作製基板221を重ねた際に、隔壁209が、接
着層207と間隔を空けて、かつ、接着層207を囲めばよい。
【0172】
次に、減圧雰囲気下で、作製基板201と作製基板221とを重ね、機能層206及び機
能層256を、隔壁209、作製基板201、及び作製基板221に囲まれた空間に配置
する(図8(C))。これにより、該空間は減圧状態となる。なお、接着層207と隔壁
209は間隔を空けて形成されたため、接着層207と隔壁209の間には中空の部分が
形成される。
【0173】
次に、作製基板201及び作製基板221を大気雰囲気に曝す。これにより、作製基板2
01及び作製基板221が大気圧によって加圧される。そして、発光装置の端部に向かっ
て接着層207が広がり、中空の部分が接着層207で充填される。これにより、発光装
置の端部に中央部よりも厚さが薄い部分が設けられる。(図8(D))。
【0174】
そして、接着層207及び隔壁209を硬化する。接着層207及び隔壁209の硬化は
、大気雰囲気下又は加圧雰囲気下で行えばよい。
【0175】
隔壁209を硬化することで、発光装置の内部の減圧状態を保持しやすくなるため、隔壁
209を硬化させる工程は、接着層207を硬化させる工程よりも前に行うことが好まし
い。または、隔壁209と接着層207を同一工程で硬化させてもよい。
【0176】
例えば、隔壁209に光硬化型の樹脂を用い、接着層207に熱硬化型の樹脂を用いる場
合であれば、まず、光照射により隔壁209を硬化し、その後、加熱により接着層207
を硬化することが好ましい。また、隔壁209及び接着層207の双方に熱硬化型の樹脂
を用いる場合であれば、加熱により隔壁209及び接着層207を同時に硬化すればよい
【0177】
次に、剥離の起点を形成する。
【0178】
作製基板201及び作製基板221はどちらから剥離してもよい。剥離層の大きさが異な
る場合、大きい剥離層を形成した基板から剥離してもよいし、小さい剥離層を形成した基
板から剥離してもよい。一方の基板上にのみ半導体素子、発光素子、表示素子等の素子を
作製した場合、素子を形成した側の基板から剥離してもよいし、他方の基板から剥離して
もよい。ここでは、作製基板201を先に剥離する例を示す。この場合、剥離の起点は、
接着層207と剥離層203とが重なる領域に形成する。
【0179】
そして、形成した剥離の起点から、絶縁層205と作製基板201とを分離する(図9
A))。
【0180】
なお、剥離の起点よりも外側に形成された接着層207や隔壁209は、作製基板201
又は作製基板221の少なくとも一方に残存することになる。図9(A)では双方の側に
隔壁209が残存する例を示すがこれに限られない。
【0181】
次に、作製基板201を剥離することで露出した絶縁層205に、接着層253を用いて
、基板251を貼り合わせる(図9(B))。
【0182】
次に、剥離の起点を接着層207と剥離層223とが重なる領域に形成する。そして、形
成した剥離の起点から絶縁層225と作製基板221とを分離する。その後、作製基板2
21を剥離することで露出した絶縁層225に、接着層257を用いて、基板259を貼
り合わせる(図9(C))。
【0183】
基板251及び基板259は、接着層207だけでなく、接着層253によっても貼り合
わされていてもよい。例えば、図9(D)に示すように、基板251の端部が接着層25
7と接していてもよい。
【0184】
なお、図8(D)では、作製基板201及び作製基板221の双方が撓む例を示したが、
作製基板201又は作製基板221の固定方法や、用いた材料、厚さによっては、一方の
基板のみが撓む場合もある。図10(A)では、作製基板221のみが撓む例を示す。こ
の場合にも、発光装置の端部に、中央部よりも厚さが薄い部分が設けられる。図10(A
)に示す状態から、作製基板201及び作製基板221をそれぞれ剥離し、基板251と
絶縁層205を貼り合わせ、かつ、基板259と絶縁層225を貼り合わせることで作製
した発光装置の例を、図10(B)に示す。同様に、作製基板201のみが撓むことでも
、本発明の一態様の発光装置を作製することができる。
【0185】
以上に示した構成例a-3の作製方法例では、それぞれ被剥離層が形成された一対の作製
基板をあらかじめ貼り合わせた後に、剥離をし、発光装置を構成する基板を貼り合わせる
ことができる。したがって、被剥離層の貼り合わせの際に、可撓性が低い作製基板どうし
を貼り合わせることができ、可撓性基板どうしを貼り合わせた際よりも貼り合わせの位置
合わせ精度を向上させることができる。
【0186】
以上により、構成例a-3として示した発光装置を作製することができる。
【0187】
<構成例b-1>
図11(B)に、図11(A)における一点鎖線A1-A2間の断面図を示す。図11
C)に、図11(A)における一点鎖線A3-A4間の断面図を示す。
【0188】
図11(A)に示す発光装置は、発光部804及び駆動回路部806を有する。発光装置
において、発光部804以外の部分は、すべて非発光部といえる。したがって、発光部8
04の外側に非発光部が枠状に設けられているといえる。例えば、駆動回路部806は非
発光部の一部である。
【0189】
図11(A)~(C)に示す発光装置は、基板251、機能層204、機能層206、接
着層207、導電層208、及び基板259を有する。
【0190】
発光部804では、基板251上に機能層206が設けられている。
【0191】
機能層206は、発光素子を含む。さらに、トランジスタや容量素子等を含んでいてもよ
い。
【0192】
駆動回路部806では、基板251上に機能層204が設けられている。
【0193】
機能層204は、トランジスタを含む。さらに、容量素子、抵抗素子、又はスイッチ素子
等を含んでいてもよい。
【0194】
導電層208は、駆動回路部806に外部からの信号や電位を伝達する外部入力端子と電
気的に接続する。図11(B)では、導電層208は、接続体825を介してFPC80
8と電気的に接続されている。
【0195】
基板251及び基板259は、接着層207によって貼り合わされている。
【0196】
図11(B)、(C)に示すように、発光部804においては、発光装置の厚さは均一(
概略均一)である。一方、非発光部には、発光部804よりも厚さが薄い領域を有する。
言い換えると、非発光部は、発光部804に比べて、基板251と基板259との間隔が
狭い部分を有する。このように、発光装置の非発光部に、発光部804よりも薄い部分を
有することで、水分や酸素などの不純物が発光装置の内部に侵入することを抑制すること
ができる。
【0197】
非発光部に厚さが薄い領域が形成されていることは、例えば、非発光部に生じた干渉縞で
確認することができる。非発光部には、干渉縞の形成された領域が、0.1mm以上、0
.5mm以上、又は1mm以上、かつ、10mm以下、5mm以下、又は2mm以下の幅
で形成されていてもよい。なお、発光部804に干渉縞が生じると、表示品質が低下する
場合がある。したがって、発光部804においては、干渉縞が形成されないことが好まし
く、発光装置の厚さは均一(概略均一)であることが好ましい。
【0198】
図11(B)、(C)では、発光装置の四辺に、厚さが薄い領域が形成されている例(例
えば非発光部に、枠状に厚さが薄い領域が形成されている例)を示した。また、図11
B)、(C)では、機能層206が設けられていない基板259に凹部(くぼみ、へこん
だ部分を指す)が形成されている例を示した。本発明の一態様は図11(B)、(C)の
構成に限定されない。
【0199】
発光装置の少なくとも一辺において、非発光部が、発光部よりも厚さの薄い領域を有する
。また、凹部は、一対の基板の一方又は双方に設けられる。
【0200】
図11(A)の一点鎖線A1-A2間の断面図の一例を図12(A)~(D)にそれぞれ
示す。
【0201】
図12(A)では、非発光部のうち、駆動回路部806や導電層208が設けられた部分
には、発光部よりも厚さが薄い領域を有していない例を示す。発光部804の駆動回路部
806と隣接する辺側では、発光装置の端部から発光部804までの最短距離が、他の辺
に比べて長く、不純物が発光素子等に到達しにくい。このような場合には、非発光部であ
っても、発光部よりも厚さが薄い部分を設けなくてもよい。これにより、駆動回路部80
6を構成する素子が曲げにより劣化することを抑制することができる。また、導電層20
8とFPC808を確実に導通させることができる。また、凹部を形成する際に駆動回路
部806を構成する素子が加圧されることを防止し、該素子がダメージを受けることを抑
制することができる。
【0202】
なお、図11(B)に示すように、駆動回路部806に凹部を形成してもよい。例えば、
基板は、走査線駆動回路や信号線駆動回路と重なる部分に、凹部を有していてもよい。ま
た、基板は、発光素子の電極(陽極又は陰極)と、配線とのコンタクト部と重なる部分に
、凹部を有していてもよい。また、発光部においても、ダミー画素上や、カラーフィルタ
の端部など、表示品質に影響のない部分に、厚さの薄い領域が設けられていてもよい。
【0203】
図12(B)では、機能層206が設けられている基板251に凹部が形成されている例
を示す。また、図12(C)に示すように、一対の基板(基板251及び基板259)に
それぞれ凹部が形成されていてもよい。また、非発光部が、図11(A)の一点鎖線A1
-A2間以外の部分に、発光部よりも厚さが薄い領域を有する場合は、図12(D)に示
すように、図11(A)の一点鎖線A1-A2間では、発光部と非発光部の厚さが同一(
概略同一)であってもよい。
【0204】
また、図11(A)の一点鎖線A3-A4間の断面図の一例を図13(A)~(D)にそ
れぞれ示す。
【0205】
図13(A)では、機能層206が設けられている基板251に凹部が形成されている例
を示す。また、図13(B)に示すように、一対の基板(基板251及び基板259)に
それぞれ凹部が形成されていてもよい。このとき、基板251と基板259とで異なる位
置に凹部が形成されていてもよい。これにより、非発光部は、発光部よりも厚さが薄い領
域を複数有する構成となる。また、図13(C)の右側の非発光部で示すように、基板2
51と基板259とで同じ位置に凹部が形成されていてもよい。これにより、非発光部に
、発光部よりも極めて厚さが薄い部分を有することになる。発光装置の厚さの最小値が小
さいほど、不純物が機能素子に到達しにくくなり、発光装置の信頼性の低下を抑制するこ
とができ、好ましい。また、図13(C)の左側の非発光部で示すように、基板251の
凹部と基板259の凹部が互いにずれて形成されていてもよい。また、非発光部が、図1
1(A)の一点鎖線A3-A4間以外の部分で、発光部よりも厚さが薄い領域を有する場
合は、図13(D)に示すように、図11(A)の一点鎖線A3-A4間では、発光部と
非発光部の厚さが同一(概略同一)であってもよい。
【0206】
図12(A)~(D)に示す一点鎖線A1-A2間の断面図と、図13(A)~(D)に
示す一点鎖線A3-A4間の断面図は、適宜組み合わせることができる。例えば、図12
(C)と図13(C)に示す、図11(A)における一点鎖線A1-A2間とA3-A4
間の断面図の組み合わせのように、発光装置の四辺のうち三辺において、非発光部が、発
光部よりも厚さが薄い領域を有していてもよい。また、図12(B)と図13(A)の組
み合わせのように、発光装置の四辺のうち二辺において、非発光部が、発光部よりも厚さ
が薄い領域を有していてもよい。また、図12(A)と図13(D)の組み合わせのよう
に、発光装置の四辺のうち一辺において、非発光部が、発光部よりも厚さが薄い領域を有
していてもよい。
【0207】
構成例b-1では、基板251上に直接、機能層206が設けられた例を示したが、本発
明の一態様はこれに限られない。以下の構成例b-2、b-3に示すように、作製基板上
で作製した機能層206を、基板251上に転置してもよい。
【0208】
<構成例b-2>
図14(A)に、図11(A)における一点鎖線A1-A2間の断面図を示す。図14
B)に、図11(A)における一点鎖線A3-A4間の断面図を示す。
【0209】
図14(A)、(B)に示す発光装置は、基板251、接着層253、機能層204、絶
縁層205、機能層206、接着層207、導電層208、及び基板259を有する。
【0210】
発光部804では、絶縁層205上に機能層206が設けられている。基板251と絶縁
層205は、接着層253によって貼り合わされている。
【0211】
絶縁層205としては、ガスバリア性や防水性、防湿性等の高い絶縁層を用いることが好
ましい。
【0212】
駆動回路部806では、絶縁層205上に機能層204が設けられている。
【0213】
導電層208は、接続体825を介してFPC808と電気的に接続されている。
【0214】
基板251及び基板259は、接着層207によって貼り合わされている。
【0215】
また、図11(A)の一点鎖線A3-A4間の断面図の一例を図15(A)~(D)にそ
れぞれ示す。
【0216】
なお、発光装置が有する辺のいずれか一において、基板に形成される凹部の数に限定はな
く、1つであっても複数であってもよい。例えば、図15(A)、(B)では、発光装置
が有する二辺のそれぞれにおいて、基板に複数の凹部が形成されている例を示す。また、
図15(A)に示すように、凹部は丸みをもっている構成に限られず、角張っていてもよ
い。また、本発明の一態様において、基板は、凹部を有する構成に限定されない。例えば
図15(C)に示すように、発光装置が、端部に厚さが最も薄い領域を有していてもよ
く、その場合、基板が凸部(突き出ている部分を指す)を有する、ともいえる。また、図
15(D)に示すように、一対の基板(基板251及び基板259)にそれぞれ凹部が形
成されていてもよい。
【0217】
<構成例b-3>
図16(A)に、図11(A)における一点鎖線A1-A2間の断面図を示す。図16
B)に、図11(A)における一点鎖線A3-A4間の断面図を示す。
【0218】
図16(A)、(B)に示す発光装置は、基板251、接着層253、機能層204、絶
縁層205、機能層206、接着層207、導電層208、絶縁層225、機能層256
、接着層257、及び基板259を有する。
【0219】
なお、図16(A)に示すように、発光部804の駆動回路部806と隣接する辺側の非
発光部では、発光部よりも厚さが薄い領域が、駆動回路部806と重ならないことが好ま
しい。例えば、駆動回路部806よりも外側に、発光部よりも厚さが薄い領域を有するこ
とが好ましい。
【0220】
また、図16(B)では、発光部804の厚さと、発光装置の端部の厚さと、が等しい(
概略等しい)例を示したが、本発明の一態様はこれに限られない。図16(C)に示すよ
うに、発光装置の端部の方が、発光部804よりも厚くてもよい。つまり、発光装置は、
端部に最も厚い領域を有していてもよい。また、図16(D)に示すように、発光装置の
端部の方が、発光部804よりも薄くてもよい。このとき、発光装置の非発光部に、発光
装置の端部よりも薄い部分を有していてもよいし、発光装置の端部が、当該発光装置の最
も薄い領域であってもよい。
【0221】
図17(A)に、発光装置の上面図を示す。図17(B)に、図17(A)における一点
鎖線B1-B2間の断面図を示す。図17(C)に、図17(A)における一点鎖線B3
-B4間の断面図を示す。
【0222】
図17(A)に示す発光装置は、発光部804及び駆動回路部806を有する。発光装置
において、発光部804以外の部分は、すべて非発光部といえる。したがって、発光部8
04の外側に非発光部が枠状に設けられているといえる。例えば、駆動回路部806は非
発光部の一部である。
【0223】
図17(A)~(C)に示す発光装置は、基板251、接着層253、機能層204、絶
縁層205、機能層206、接着層207、導電層208、絶縁層225、機能層256
、接着層257、及び基板259を有する。
【0224】
発光部804は、機能層206及び機能層256を有する。機能層206は接着層207
よりも基板251側に設けられ、機能層256は接着層207よりも基板259側に設け
られている。
【0225】
機能層256としては、例えば、着色層や遮光層が挙げられる。または、機能層256と
して、タッチセンサ等のセンサを有していてもよい。
【0226】
基板251と絶縁層205は、接着層253によって貼り合わされている。基板259と
絶縁層225は、接着層257によって貼り合わされている。絶縁層205や絶縁層22
5としては、ガスバリア性や防水性、防湿性等の高い絶縁層を用いることが好ましい。
【0227】
導電層208は、接続体825を介してFPC808と電気的に接続されている。図16
(A)の構成とは異なり、図17(A)、(B)では、基板251と基板259が同じ大
きさの例を示している。基板259、接着層257、絶縁層225、及び接着層207に
開口を設けることで、導電層208と接続体825を接続することができる。
【0228】
基板251及び基板259は、接着層207によって貼り合わされている。
【0229】
図17(A)、(B)では、基板259に凹部を有する例を示したが、図18(A)、(
B)に示すように、FPC808と接続する導電層208の支持基板である基板251に
凹部を有していてもよい。また、図18(C)、(D)に示すように一対の基板(基板2
51及び基板259)のそれぞれに凹部を有していてもよい。
【0230】
なお、図17(B)、図18(A)では、発光部804の駆動回路部806と隣接する辺
側で、非発光部に発光部よりも厚さが薄い領域を有していない例を示したが、図18(C
)に示すように、発光部804の駆動回路部806と隣接する辺側においても、非発光部
に発光部よりも厚さが薄い領域を有していてもよい。これにより、水分や酸素などの不純
物が発光装置の内部に侵入することをさらに抑制することができる。
【0231】
<構成例b-1の作製方法例>
図19を用いて、上記構成例b-1の作製方法について例示する。まず、基板251上に
機能層206を形成する。次に、基板251又は基板259上に接着層207を形成する
。そして、減圧雰囲気下で、基板251と基板259とを重ね、機能層206を、接着層
207、基板251、及び基板259で囲む。この時点での発光装置10を、図19(A
)に示すような加圧が可能な装置に配置する。例えば、プレス機、熱プレス機等を用いる
ことができる。
【0232】
図19(A)では、上板2000a及び下板2000bを有する熱プレス機を用いる例を
示す。熱プレス機は、熱源を有し、上板2000a及び下板2000bのうち一方又は双
方を温めることができる。下板2000b上には、緩衝材2005bを介して、基板21
00bが配置されている。基板2100b上には、発光装置10が配置されている。発光
装置10上には、凸部2102を有する基板2101が配置されている。凸部2102は
、基板259と接する。凸部2102は、発光装置10の非発光部と重なる。基板210
1と上板2000aの間には、緩衝材2005a及び基板2100aが配置されている。
【0233】
凸部2102は、基板2101上に、樹脂等の有機材料、又は、金属等の無機材料を用い
て形成することができる。凸部2102の形成方法に限定はなく、例えば、スパッタリン
グ法、CVD法、塗布法、印刷法、液滴吐出法、ディスペンス法等を用いてもよい。また
は、凸部を有する金型を用いてもよい。金型には、基板に用いることができる材料を適用
することができる。例えば、金型には、樹脂、ガラス、金属、又は合金等を用いることが
できる。
【0234】
凸部2102は、例えば、基板2101上に、接着剤を配置し硬化させることで形成する
ことができる。
【0235】
図19(B)、(C)に示すように、凸部2102を枠状に形成してもよい。凸部210
2は、図19(B)に示すように、基板2101の端部に位置していなくてもよいし、図
19(C)に示すように、基板2101の端部にまで位置してもよい。図19(D)に示
すように、凸部2102は、基板2101の四辺のうち、三辺に沿って設けられていても
よいし、二辺もしくは一辺に沿って設けられていてもよい。なお、凸部2102は、基板
2101の辺に平行に設けられる構成に限られない。
【0236】
そして、図19(A)に示す状態から、熱プレス機で発光装置10を加圧することで、発
光装置10の非発光部に、厚さの薄い部分を形成することができる。
【0237】
なお、発光装置10を加圧しながら接着層207を硬化することで、加圧により変形した
形状を発光装置10が保持しやすくなるため、好ましい。
【0238】
例えば、接着層207に熱硬化型接着剤、UV遅延硬化型接着剤等を用いる場合、熱プレ
ス機によって発光装置10を加熱及び加圧することが好ましい。
【0239】
加圧の時間や荷重には特に限定は無い。荷重は、例えば、0.5t以上、0.8t以上、
又は1.0t以上、かつ、1.5t以下、2.0t以下、又は3.0t以下とすることが
できる。加熱の時間は、特に限定は無く、用いる接着層207の材料の硬化条件等に応じ
て決定すればよい。また、加熱温度は、発光装置10に用いる材料の耐熱性に応じて決定
すればよい。例えば、80℃以上、90℃以上、又は100℃以上、かつ、120℃以下
、150℃以下、又は200℃以下とすることができる。
【0240】
また、加圧後に、別途加熱や光照射を行い、接着層207を硬化させてもよい。
【0241】
以上により、構成例b-1として示した発光装置を作製することができる。
【0242】
<構成例b-2の作製方法例>
図19(A)及び図20を用いて、上記構成例b-2の作製方法について例示する。図2
0では、各工程における、一点鎖線A3-A4方向(図11(A)参照)の断面構造を示
す。
【0243】
はじめに、作製基板201上に剥離層203を形成し、剥離層203上に絶縁層205を
形成し、絶縁層205上に機能層206を形成する(図20(A))。なお、絶縁層20
5及び機能層206をまとめて被剥離層と呼ぶことができる。
【0244】
本実施の形態では、機能層206として、発光素子(有機EL素子)を少なくとも作製す
る。そのほか、トランジスタ、容量素子、タッチセンサ等を作製してもよい。また、発光
素子以外の表示素子を作製してもよい。また、着色層や遮光層を作製してもよい。
【0245】
次に、作製基板201又は基板259上に、接着層207を形成する。
【0246】
接着層207が剥離層203及び絶縁層205と重なるように、接着層207を形成する
ことが好ましい。これにより、作製基板201を剥離する歩留まりを高めることができる
。基板259上に接着層207を形成する場合には、後の工程で作製基板201と基板2
59を重ねた際に、接着層207が剥離層203及び絶縁層205と重なればよい。
【0247】
図20(B)に示すように、接着層207の端部は、剥離層203の端部よりも内側に位
置することが好ましい。または、接着層207の端部と剥離層203の端部とが重なって
いてもよい。これにより、作製基板201と基板259が強く密着することを抑制でき、
後の剥離工程の歩留まりが低下することを抑制できる。接着層207に流動性の高い材料
を用いる場合には、隔壁を用いて、接着層207をせき止めることが好ましい。
【0248】
接着層207の厚さは、例えば、1μm以上200μm以下、好ましくは1μm以上10
0μm以下、さらに好ましくは1μm以上50μm以下とすればよい。
【0249】
次に、減圧雰囲気下で、作製基板201と基板259とを重ね、機能層206を、接着層
207、作製基板201、及び基板259で囲む(図20(B))。次に、図20(B)
に示す発光装置10を、前述したプレス機(図19(A)参照)に配置する。基板210
1上に設けられた凸部2102により、発光装置10の非発光部を加圧する。
【0250】
このとき、発光装置10の基板259に形成される凹部の幅W2は、凸部2102の幅W
1に比べて広くなる(図20(C))。例えば、幅W2は、幅W1の1倍より大きく、1
.5倍以下、2倍以下、又は3倍以下となる。幅W2は、幅W1の3倍を超えてもよい。
また、発光装置10の基板259に形成される凹部の深さは、凸部2102の高さd以下
となる。また、幅W2は、例えば、凹部の深さの1倍以上、5倍以上、又は10倍以上、
かつ、20倍以下、50倍以下、又は100倍以下とすることができる。
【0251】
例えば、凹部の深さは、0.01mm以上、0.05mm以上、又は0.1mm以上、か
つ、2mm以下、1mm以下、又は0.5mm以下とすることができる。また、幅W2は
、0.1mm以上、1mm以上、又は1cm以上、かつ、10cm以下、5cm以下、又
は3cm以下とすることができる。また、幅W2は、非発光部の幅の0倍より大きく1倍
以下であることが好ましく、0.2倍以上0.8倍以下、又は0.4倍以上0.6倍以下
であってもよい。なお、幅W2は凹部の幅に限られず、発光部に比べて厚さが薄い領域の
幅としてもよい。
【0252】
プレス機で発光装置10を加圧することで、発光装置10の非発光部に、厚さの薄い部分
を形成することができる(図20(D))。加圧と同時に加熱を行い、接着層207を硬
化させることが好ましい。
【0253】
次に、作製基板201と絶縁層205とを分離する。ここで、作製基板201を剥離する
ための剥離の起点を形成することが好ましい。剥離の起点は、接着層207と剥離層20
3とが重なる領域に形成する。
【0254】
絶縁層205にクラックを入れる(膜割れやひびを生じさせる)ことで、剥離の起点を形
成できる。
【0255】
そして、形成した剥離の起点から、絶縁層205と作製基板201とを分離する。
【0256】
次に、作製基板201を剥離することで露出した絶縁層205に、接着層253を用いて
、基板251を貼り合わせる。そして、発光装置の端部(基板259の接着層207と接
していない部分など)を切断するなどにより、図14(B)に示す発光装置を作製するこ
とができる。
【0257】
以上により、構成例b-2として示した発光装置を作製することができる。
【0258】
<構成例b-3の作製方法例1>
図19(A)及び図21を用いて、上記構成例b-3の作製方法について例示する。図2
1では、各工程における、一点鎖線B3-B4方向(図17(A)参照)の断面構造を示
す。
【0259】
はじめに、作製基板201上に剥離層203を形成し、剥離層203上に絶縁層205を
形成し、絶縁層205上に機能層206を形成する(図21(A))。また、作製基板2
21上に剥離層223を形成し、剥離層223上に絶縁層225を形成し、絶縁層225
上に機能層256を形成する(図21(B))。
【0260】
なお、本実施の形態では、剥離層203と剥離層223との大きさが同じ場合を示す(図
21(C))が、2つの剥離層の大きさは異なっていてもよい。
【0261】
作製基板221は、作製基板201に用いることができる材料を適用できる。剥離層22
3は、剥離層203に用いることができる材料を適用できる。絶縁層225は、絶縁層2
05に用いることができる材料を適用できる。
【0262】
本実施の形態では、機能層256として、着色層を少なくとも形成する。そのほか、遮光
層、発光素子、表示素子、トランジスタ、タッチセンサ、又は容量素子等を作製してもよ
い。
【0263】
次に、作製基板201又は作製基板221上に、接着層207、隔壁242、及び仮封止
層244を形成する。
【0264】
接着層207、隔壁242、及び仮封止層244は、それぞれ、作製基板201又は作製
基板221のどちらに形成されてもよく、一方の基板に、接着層207、隔壁242、及
び仮封止層244の全てを形成してもよいし、一方の基板に接着層207及び隔壁242
を形成し、他方の基板に仮封止層244を形成するなどしてもよい。
【0265】
後の工程で作製基板201と作製基板221を重ねた際に、接着層207が剥離層203
、絶縁層205、絶縁層225、及び剥離層223と重なるように、接着層207を形成
することが好ましい。これにより、作製基板201及び作製基板221を剥離する歩留ま
りを高めることができる。
【0266】
図21(C)に示すように、接着層207の端部は、剥離層203又は剥離層223の少
なくとも一方(先に剥離したい方)の端部よりも内側に位置することが好ましい。これに
より、作製基板201と作製基板221が強く密着することを抑制でき、後の剥離工程の
歩留まりが低下することを抑制できる。
【0267】
隔壁242及び仮封止層244の厚さは、それぞれ、例えば、1μm以上200μm以下
、好ましくは1μm以上100μm以下、さらに好ましくは1μm以上50μm以下とす
ればよい。
【0268】
隔壁242及び仮封止層244の形成方法に特に限定は無く、例えば、液滴吐出法や、印
刷法(スクリーン印刷法やオフセット印刷法など)、スピンコート法、スプレー塗布法な
どの塗布法、ディッピング法、ディスペンス法、ナノインプリント法等をそれぞれ用いる
ことができる。
【0269】
隔壁242には、接着層207と同じ材料を用いてもよい。また、隔壁242には、接着
層207よりも粘性の高い材料を用いることが好ましい。隔壁242に用いる材料の粘性
が高いと、大気からの水分等の不純物の侵入を抑制でき、好ましい。
【0270】
隔壁242及び仮封止層244には、接着層207に用いることができる各種材料を適用
することができる。
【0271】
次に、減圧雰囲気下で、作製基板201と作製基板221とを重ね、機能層206及び機
能層256を、仮封止層244、作製基板201、及び作製基板221に囲まれた空間に
配置する(図21(C))。
【0272】
その後、仮封止層244の少なくとも一部を硬化させてもよい。発光装置10が大気雰囲
気に曝されることで、作製基板201及び作製基板221が大気圧によって加圧される。
これにより、仮封止層244、作製基板201、及び作製基板221に囲まれた空間の減
圧状態が保持される。したがって、大気中の水分等の不純物が発光装置10内に侵入する
ことを抑制できる。
【0273】
次に、図21(C)に示す発光装置10を、前述したプレス機(図19(A)参照)に配
置する。基板2101上に設けられた凸部2102により、発光装置10の非発光部を加
圧する。
【0274】
プレス機で発光装置10を加圧することで、発光装置10の非発光部に、厚さの薄い部分
を形成することができる(図21(D))。加圧と同時に加熱を行い、接着層207を硬
化させることが好ましい。また、加圧後に、別途加熱や光照射を行い、接着層207を硬
化させてもよい。
【0275】
次に、剥離の起点を形成する。そして、形成した剥離の起点から、絶縁層と作製基板とを
分離する。作製基板を剥離することで露出した絶縁層に、接着層を用いて、基板を貼り合
わせる。
【0276】
作製基板201及び作製基板221はどちらから剥離してもよい。剥離層の大きさが異な
る場合、大きい剥離層を形成した基板から剥離してもよいし、小さい剥離層を形成した基
板から剥離してもよい。一方の基板上にのみ半導体素子、発光素子、表示素子等の素子を
作製した場合、素子を形成した側の基板から剥離してもよいし、他方の基板から剥離して
もよい。
【0277】
以上により、構成例b-3として示した発光装置を作製することができる。
【0278】
なお、本発明の一態様において、非発光部に厚さの薄い領域を形成する方法は、非発光部
を加圧し、発光装置を変形する方法に限られない。
【0279】
<構成例b-3の作製方法例2>
図22を用いて、上記構成例b-3の作製方法について例示する。図22では、各工程に
おける、一点鎖線B3-B4方向(図17(A)参照)の断面構造を示す。
【0280】
はじめに、作製基板201上に剥離層203を形成し、剥離層203上に絶縁層205を
形成し、絶縁層205上に機能層206を形成する(図22(A))。また、作製基板2
21上に凸部246を形成し、凸部246上に剥離層223を形成し、剥離層223上に
絶縁層225を形成し、絶縁層225上に機能層256を形成する(図22(B))。
【0281】
次に、作製基板201又は作製基板221上に、接着層207を形成する。
【0282】
次に、減圧雰囲気下で、作製基板201と作製基板221とを重ね、機能層206及び機
能層256を、接着層207、作製基板201、及び作製基板221で囲む(図22(C
))。その後、接着層207を硬化する。そして、絶縁層と作製基板とを分離する。作製
基板を剥離することで露出した絶縁層に、接着層を用いて、基板を貼り合わせる。
【0283】
図22(D)では、作製基板221を作製基板201よりも先に剥離する例を示す。
【0284】
作製基板上にあらかじめ凸部を設けておく、又は凸部を有する作製基板を用いることで、
作製中の発光装置を加圧する必要がない。そのため、発光装置の作製工程の簡略化、歩留
まり低下の抑制等が可能となる。
【0285】
以上に示した構成例b-3の作製方法例1、2では、それぞれ被剥離層が形成された一対
の作製基板をあらかじめ貼り合わせた後に、剥離をし、発光装置を構成する基板を貼り合
わせることができる。したがって、被剥離層の貼り合わせの際に、可撓性が低い作製基板
どうしを貼り合わせることができ、可撓性基板どうしを貼り合わせた際よりも貼り合わせ
の位置合わせ精度を向上させることができる。
【0286】
<発光装置の平面図の例>
本発明の一態様の発光装置は、トランジスタを含む駆動回路の一部又は全体を発光部と同
じ基板上に一体形成したシステムオンパネルであってもよい。
【0287】
図23(A1)、(A2)において、発光部4002は、第1の基板4001と接着層(
図示せず)と第2の基板4006とによって封止されている。図23(A1)、(A2)
においては、第1の基板4001上の第2の基板4006と重なる領域とは異なる領域に
、それぞれ別途用意された基板上に形成された、信号線駆動回路4003及び走査線駆動
回路4004が実装されている。また、信号線駆動回路4003、走査線駆動回路400
4、又は発光部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018a、FPC4
018bから供給されている。
【0288】
図23(B1)、(B2)、(C)において、発光部4002及び走査線駆動回路400
4は、第1の基板4001と接着層(図示せず)と第2の基板4006とによって封止さ
れている。図23(B1)、(B2)、(C)においては、第1の基板4001上の第2
の基板4006と重なる領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に形成された信号
線駆動回路4003が実装されている。図23(B1)、(B2)、(C)においては、
信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004、又は発光部4002に与えられる各
種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0289】
また図23(B1)、(B2)、(C)においては、信号線駆動回路4003を別途形成
し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走
査線駆動回路を別途形成して実装してもよいし、信号線駆動回路の一部又は走査線駆動回
路の一部のみを別途形成して実装してもよい。
【0290】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、ワイヤボンデ
ィング、COG、TCP、COF(Chip On Film)等を用いることができる
図23(A1)、(A2)は、COG又はCOFにより信号線駆動回路4003、走査
線駆動回路4004を実装する例であり、図23(B1)、(B2)は、COG又はCO
Fにより信号線駆動回路4003を実装する例であり、図23(C)は、TCPにより信
号線駆動回路4003を実装する例である。
【0291】
発光部4002の外側には、枠状に非発光部が設けられている。ここで、非発光部は、第
1の基板4001上の第2の基板4006と重なる領域のうち、発光部4002を除く部
分を指す。非発光部が有する領域4005は、発光部4002よりも厚さが薄い領域であ
る。例えば、領域4005は、第1の基板4001と第2の基板4006のうち少なくと
も一方に凹部を有する領域である。
【0292】
図23(A1)では、非発光部の一部に、枠状に領域4005を有する例を示したが、図
23(A2)に示すように、非発光部の全体が領域4005であってもよい。また、領域
4005は、枠状に限られない。図23(B1)では、発光装置の3辺にわたって領域4
005が設けられている例を示す。図23(B2)では、発光装置の3辺それぞれに領域
4005が設けられている例を示す。このように領域4005は複数設けられていてもよ
い。また、図23(C)では、走査線駆動回路4004と領域4005が重なる例を示す
。発光装置が、トランジスタを含む駆動回路の一部又は全体を発光部と同じ基板上に有す
る場合、該駆動回路と、領域4005は重なる部分を有していてもよい。
【0293】
以上、本実施の形態で示したように、本発明の一態様の発光装置は、非発光部に、発光部
よりも厚さが薄い領域を有することで、発光装置の側面からの不純物の侵入を抑制するこ
とができる。したがって、信頼性の高い発光装置を実現することができる。
【0294】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0295】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置について図面を用いて説明する。
【0296】
本実施の形態では、主に有機EL素子を用いた発光装置を例示するが、本発明の一態様は
これに限られない。本実施の形態で示す各発光装置は、発光部よりも厚さが薄い領域を非
発光部に有するため、信頼性が高い。
【0297】
<具体例1>
図24(A)に発光装置の平面図を示し、図24(A)における一点鎖線D1-D2間の
断面図の一例を図24(B)及び図31(A)にそれぞれ示す。具体的には、図24(B
)は、構成例a-3が適用された例であり、図31(A)は、構成例b-3が適用された
例である。具体例1で示す発光装置は、カラーフィルタ方式を用いたトップエミッション
型の発光装置である。本実施の形態において、発光装置は、例えば、R(赤)、G(緑)
、B(青)の3色の副画素で1つの色を表現する構成や、R、G、B、W(白)の4色の
副画素で1つの色を表現する構成、R、G、B、Y(黄)の4色の副画素で1つの色を表
現する構成等が適用できる。色要素としては特に限定はなく、RGBWY以外の色を用い
てもよく、例えば、シアンやマゼンタ等を用いてもよい。
【0298】
図24(A)に示す発光装置は、発光部804、駆動回路部806、FPC808を有す
る。
【0299】
図24(B)及び図31(A)に示す発光装置は、第1の可撓性基板701、第1の接着
層703、第1の絶縁層705、第1の機能層(複数のトランジスタ、導電層857、絶
縁層815、絶縁層817、複数の発光素子、及び絶縁層821)、第3の接着層822
、第2の機能層(着色層845及び遮光層847)、第2の絶縁層715、第2の接着層
713、並びに第2の可撓性基板711を有する。第3の接着層822、第2の絶縁層7
15、第2の接着層713、及び第2の可撓性基板711は可視光を透過する。発光部8
04及び駆動回路部806に含まれる発光素子やトランジスタは第1の可撓性基板701
、第2の可撓性基板711、及び第3の接着層822によって封止されている。
【0300】
発光部804は、第1の接着層703、及び第1の絶縁層705を介して第1の可撓性基
板701上にトランジスタ820及び発光素子830を有する。発光素子830は、絶縁
層817上の下部電極831と、下部電極831上のEL層833と、EL層833上の
上部電極835と、を有する。下部電極831は、トランジスタ820のソース電極又は
ドレイン電極と電気的に接続する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆われてい
る。下部電極831は可視光を反射することが好ましい。上部電極835は可視光を透過
する。
【0301】
また、発光部804は、発光素子830と重なる着色層845と、絶縁層821と重なる
遮光層847と、を有する。発光素子830と着色層845の間は第3の接着層822で
充填されている。
【0302】
絶縁層815は、トランジスタを構成する半導体への不純物の拡散を抑制する効果を奏す
る。また、絶縁層817は、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化機能を
有する絶縁層を選択することが好適である。
【0303】
駆動回路部806は、第1の接着層703及び第1の絶縁層705を介して第1の可撓性
基板701上にトランジスタを複数有する。図24(B)及び図31(A)では、駆動回
路部806が有するトランジスタのうち、1つのトランジスタを示している。
【0304】
第1の絶縁層705と第1の可撓性基板701は第1の接着層703によって貼り合わさ
れている。また、第2の絶縁層715と第2の可撓性基板711は第2の接着層713に
よって貼り合わされている。第1の絶縁層705や第2の絶縁層715に防湿性の高い膜
を用いると、発光素子830やトランジスタ820に水等の不純物が侵入することを抑制
でき、発光装置の信頼性が高くなるため好ましい。
【0305】
導電層857は、駆動回路部806に外部からの信号や電位を伝達する外部入力端子と電
気的に接続する。ここでは、外部入力端子としてFPC808を設ける例を示している。
工程数の増加を防ぐため、導電層857は、発光部や駆動回路部に用いる電極や配線と同
一の材料、同一の工程で作製することが好ましい。ここでは、導電層857を、トランジ
スタ820を構成する電極と同一の材料、同一の工程で作製した例を示す。
【0306】
図24(B)及び図31(A)に示す発光装置では、FPC808が第2の可撓性基板7
11上に位置する。接続体825は、第2の可撓性基板711、第2の接着層713、第
2の絶縁層715、第3の接着層822、絶縁層817、及び絶縁層815に設けられた
開口を介して導電層857と接続している。また、接続体825はFPC808に接続し
ている。接続体825を介してFPC808と導電層857は電気的に接続する。導電層
857と第2の可撓性基板711とが重なる場合には、第2の可撓性基板711を開口す
る(又は開口部を有する基板を用いる)ことで、導電層857、接続体825、及びFP
C808を電気的に接続させることができる。
【0307】
図24(A)、(B)に示す発光装置の変形例を示す。図25(A)に発光装置の平面図
を示し、図25(A)における一点鎖線D3-D4間の断面図の一例を図25(B)及び
図31(B)にそれぞれ示す。具体的には、図25(B)は、構成例a-3が適用された
例であり、図31(B)は、構成例b-3が適用された例である。
【0308】
図25(A)、(B)及び図31(B)に示す発光装置は、第1の可撓性基板701と第
2の可撓性基板711の大きさが異なる場合の例である。FPC808が第2の絶縁層7
15上に位置し、第2の可撓性基板711と重ならない。接続体825は、第2の絶縁層
715、第3の接着層822、絶縁層817、及び絶縁層815に設けられた開口を介し
て導電層857と接続している。第2の可撓性基板711に開口を設ける必要がないため
、第2の可撓性基板711の材料が制限されない。
【0309】
また、図24(A)、図25(A)における一点鎖線D5-D6間の断面図の一例を図2
6(A)及び図32にそれぞれ示す。
【0310】
図24(B)及び図26(A)に示す発光装置、並びに、図25(B)及び図26(A)
に示す発光装置は、発光装置の四辺のうち三辺において、非発光部の発光部側から発光装
置の端部にかけて連続的に(滑らかに)厚さが薄くなっている部分を有する。このような
構成とすることで、発光装置の側面から不純物が侵入することを抑制できる。
【0311】
図31(A)及び図32に示す発光装置、並びに、図31(B)及び図32に示す発光装
置の非発光部では、第2の可撓性基板711、第2の接着層713、及び第2の絶縁層7
15に、凹部が設けられている。さらに、図31(B)及び図32に示す発光装置の非発
光部では、第1の可撓性基板701、第1の接着層703、及び第1の絶縁層705に、
凹部が設けられている。このように、発光部よりも厚さが薄い部分を非発光部に形成する
ことで、発光装置の側面から不純物が侵入することを抑制できる。
【0312】
なお、ガスバリア性や防湿性が低い有機樹脂を用いて形成する絶縁層は、発光装置の端部
に露出させないことが好ましい。このような構成とすることで、発光装置の側面から不純
物が侵入することを抑制できる。例えば、図27(A)、(B)、図28図31(B)
、及び図32に示すように、発光装置の端部に、絶縁層817を設けない構成としてもよ
い。
【0313】
また、発光部804の変形例を図26(B)に示す。
【0314】
図26(B)に示す発光装置は、絶縁層817a及び絶縁層817bを有し、絶縁層81
7a上に導電層856を有する。トランジスタ820のソース電極又はドレイン電極と、
発光素子830の下部電極と、が、導電層856を介して、電気的に接続される。
【0315】
図26(B)に示す発光装置は、絶縁層821上にスペーサ823を有する。スペーサ8
23を設けることで、第1の可撓性基板701と第2の可撓性基板711の間隔を調整す
ることができる。
【0316】
図26(B)に示す発光装置は、着色層845及び遮光層847を覆うオーバーコート8
49を有する。発光素子830とオーバーコート849の間は接着層822で充填されて
いる。
【0317】
また、発光素子830の変形例を図26(C)に示す。
【0318】
なお、図26(C)に示すように、発光素子830は、下部電極831とEL層833の
間に、光学調整層832を有していてもよい。光学調整層832には、透光性を有する導
電性材料を用いることが好ましい。カラーフィルタ(着色層)とマイクロキャビティ構造
(光学調整層)との組み合わせにより、本発明の一態様の発光装置からは、色純度の高い
光を取り出すことができる。光学調整層の厚さは、各副画素の発光色に応じて変化させれ
ばよい。
【0319】
<具体例2>
図26(D)に示す発光装置は、第1の可撓性基板701、第1の接着層703、第1の
絶縁層705、第1の機能層(導電層814、導電層857a、導電層857b、発光素
子830、及び絶縁層821)、第2の接着層713、及び第2の可撓性基板711を有
する。
【0320】
導電層857a及び導電層857bは、発光装置の外部接続電極であり、FPC等と電気
的に接続させることができる。
【0321】
発光素子830は、下部電極831、EL層833、及び上部電極835を有する。下部
電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。発光素子830はボトムエミッショ
ン型、トップエミッション型、又はデュアルエミッション型である。光を取り出す側の電
極、基板、絶縁層等は、それぞれ可視光を透過する。導電層814は、下部電極831と
電気的に接続する。
【0322】
光を取り出す側の基板は、光取り出し構造として、半球レンズ、マイクロレンズアレイ、
凹凸構造が施されたフィルム、光拡散フィルム等を有していてもよい。例えば、樹脂基板
上に上記レンズやフィルムを、該基板又は該レンズもしくはフィルムと同程度の屈折率を
有する接着剤等を用いて接着することで、光取り出し構造を有する基板を形成することが
できる。
【0323】
導電層814は必ずしも設ける必要は無いが、下部電極831の抵抗に起因する電圧降下
を抑制できるため、設けることが好ましい。また、同様の目的で、上部電極835と電気
的に接続する導電層を絶縁層821上、EL層833上、又は上部電極835上などに設
けてもよい。
【0324】
導電層814は、銅、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム
、スカンジウム、ニッケル、アルミニウムから選ばれた材料又はこれらを主成分とする合
金材料等を用いて、単層で又は積層して形成することができる。導電層814の厚さは、
例えば、0.1μm以上3μm以下とすることができ、好ましくは、0.1μm以上0.
5μm以下である。
【0325】
<具体例3>
図25(A)に発光装置の平面図を示し、図25(A)における一点鎖線D3-D4間の
断面図の一例を図29(A)に示す。具体例3で示す発光装置は、カラーフィルタ方式を
用いたボトムエミッション型の発光装置である。
【0326】
図29(A)に示す発光装置は、第1の可撓性基板701、第1の接着層703、第1の
絶縁層705、第1の機能層(複数のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、着色
層845、絶縁層817a、絶縁層817b、導電層856、複数の発光素子、及び絶縁
層821)、第2の接着層713、及び第2の可撓性基板711を有する。第1の可撓性
基板701、第1の接着層703、第1の絶縁層705、絶縁層815、絶縁層817a
、及び絶縁層817bは可視光を透過する。
【0327】
具体例3では、第1の可撓性基板701と第2の可撓性基板711のうち、第1の可撓性
基板701のみが撓む例を示す。具体例3に示す発光装置は、非発光部の発光部側から発
光装置の端部に向かって連続的に(滑らかに)発光装置の厚さが薄くなっている部分を有
する。さらに、発光装置の端部とその近傍には、発光装置の厚さが、発光部よりも薄く、
かつ、一定である部分を有する。このような構成とすることで、発光装置の側面から不純
物が侵入することを抑制できる。
【0328】
発光部804は、第1の接着層703、及び第1の絶縁層705を介して第1の可撓性基
板701上にトランジスタ820、トランジスタ824、及び発光素子830を有する。
発光素子830は、絶縁層817b上の下部電極831と、下部電極831上のEL層8
33と、EL層833上の上部電極835と、を有する。下部電極831は、トランジス
タ820のソース電極又はドレイン電極と電気的に接続する。下部電極831の端部は、
絶縁層821で覆われている。上部電極835は可視光を反射することが好ましい。下部
電極831は可視光を透過する。発光素子830と重なる着色層845を設ける位置は、
特に限定されず、例えば、絶縁層817aと絶縁層817bの間や、絶縁層815と絶縁
層817aの間等に設ければよい。
【0329】
駆動回路部806は、第1の接着層703及び第1の絶縁層705を介して第1の可撓性
基板701上にトランジスタを複数有する。図29(A)では、駆動回路部806が有す
るトランジスタのうち、2つのトランジスタを示している。
【0330】
第1の絶縁層705と第1の可撓性基板701は第1の接着層703によって貼り合わさ
れている。第1の絶縁層705に防湿性の高い膜を用いると、発光素子830やトランジ
スタ820、トランジスタ824に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の
信頼性が高くなるため好ましい。
【0331】
導電層857は、駆動回路部806に外部からの信号や電位を伝達する外部入力端子と電
気的に接続する。ここでは、外部入力端子としてFPC808を設ける例を示している。
また、ここでは、導電層857を、導電層856と同一の材料、同一の工程で作製した例
を示す。
【0332】
なお、図30(A)に示すように、発光装置の端部に、絶縁層817aや絶縁層817b
を設けない構成としてもよい。
【0333】
<具体例4>
図25(A)に発光装置の平面図を示し、図25(A)における一点鎖線D3-D4間の
断面図の一例を図29(B)に示す。具体例4で示す発光装置は、塗り分け方式を用いた
トップエミッション型の発光装置である。
【0334】
図29(B)に示す発光装置は、第1の可撓性基板701、第1の接着層703、第1の
絶縁層705、第1の機能層(複数のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶縁
層817、複数の発光素子、絶縁層821、及びスペーサ823)、第2の接着層713
、及び第2の可撓性基板711を有する。第2の接着層713及び第2の可撓性基板71
1は可視光を透過する。
【0335】
具体例4では、第1の可撓性基板701と第2の可撓性基板711のうち、第2の可撓性
基板711のみが撓む例を示す。具体例4に示す発光装置は、非発光部の発光部側から発
光装置の端部に向かって連続的に(滑らかに)発光装置の厚さが薄くなっている部分を有
する。このような構成とすることで、発光装置の側面から不純物が侵入することを抑制で
きる。
【0336】
図29(B)に示す発光装置では、接続体825が絶縁層815上に位置する。接続体8
25は、絶縁層815に設けられた開口を介して導電層857と接続している。また、接
続体825はFPC808に接続している。接続体825を介してFPC808と導電層
857は電気的に接続する。
【0337】
なお、図30(B)に示すように、発光装置の端部に、絶縁層817を設けない構成とし
てもよい。
【0338】
<材料の一例>
次に、発光装置に用いることができる材料等を説明する。なお、本明細書中で先に説明し
た構成については説明を省略する場合がある。
【0339】
発光装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、スタガ型のトランジ
スタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又
はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。トランジスタに用いる半導
体材料は特に限定されず、例えば、シリコン、ゲルマニウム、有機半導体等が挙げられる
。または、In-Ga-Zn系金属酸化物などの、インジウム、ガリウム、亜鉛のうち少
なくとも一つを含む酸化物半導体を用いてもよい。
【0340】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結
晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域
を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジ
スタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0341】
トランジスタの特性安定化等のため、下地膜を設けることが好ましい。下地膜としては、
酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などの無機
絶縁膜を用い、単層で又は積層して作製することができる。下地膜はスパッタリング法、
CVD(Chemical Vapor Deposition)法(プラズマCVD法
、熱CVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法など)、ALD(
Atomic Layer Deposition)法、塗布法、印刷法等を用いて形成
できる。なお、下地膜は、必要で無ければ設けなくてもよい。上記各具体例では、第1の
絶縁層705がトランジスタの下地膜を兼ねることができる。
【0342】
下部電極831及び上部電極835の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加する
と、EL層833に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入され
た電子と正孔はEL層833において再結合し、EL層833に含まれる発光物質が発光
する。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出
さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
【0343】
EL層833は少なくとも発光層を有する。EL層833は、発光層以外の層として、正
孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質
、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物
質)等を含む層をさらに有していてもよい。
【0344】
EL層833には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機
化合物を含んでいてもよい。EL層833を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着
法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができ
る。
【0345】
発光素子830は、2種類以上の発光物質を含んでいてもよい。これにより、例えば、白
色発光の発光素子を実現することができる。例えば2以上の発光物質の各々の発光が補色
の関係となるように、発光物質を選択することにより白色発光を得ることができる。例え
ば、R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、又はO(橙)等の発光を示す発光物質や
、R、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光物質を用いること
ができる。例えば、青の発光を示す発光物質と、黄の発光を示す発光物質を用いてもよい
。このとき、黄の発光を示す発光物質の発光スペクトルは、緑及び赤のスペクトル成分を
含むことが好ましい。また、発光素子830の発光スペクトルは、可視領域(例えば35
0nm以上750nm以下、又は400nm以上800nm以下など)の範囲内に2以上
のピークを有することが好ましい。
【0346】
EL層833は、複数の発光層を有していてもよい。EL層833において、複数の発光
層は、互いに接して積層されていてもよいし、分離層を介して積層されていてもよい。例
えば、蛍光発光層と、燐光発光層との間に、分離層を設けてもよい。
【0347】
分離層は、例えば、燐光発光層中で生成する燐光材料の励起状態から蛍光発光層中の蛍光
材料へのデクスター機構によるエネルギー移動(特に三重項エネルギー移動)を防ぐため
に設けることができる。分離層は数nm程度の厚さがあればよい。具体的には、0.1n
m以上20nm以下、あるいは1nm以上10nm以下、あるいは1nm以上5nm以下
である。分離層は、単一の材料(好ましくはバイポーラ性の物質)、又は複数の材料(好
ましくは正孔輸送性材料及び電子輸送性材料)を含む。
【0348】
分離層は、該分離層と接する発光層に含まれる材料を用いて形成してもよい。これにより
、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。例えば、燐光発光層が、
ホスト材料、アシスト材料、及び燐光材料(ゲスト材料)からなる場合、分離層を、該ホ
スト材料及びアシスト材料で形成してもよい。上記構成を別言すると、分離層は、燐光材
料を含まない領域を有し、燐光発光層は、燐光材料を含む領域を有する。これにより、分
離層と燐光発光層とを燐光材料の有無で蒸着することが可能となる。また、このような構
成とすることで、分離層と燐光発光層を同じチャンバーで成膜することが可能となる。こ
れにより、製造コストを削減することができる。
【0349】
また、発光素子830は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、電荷発生
層を介して積層されたEL層を複数有するタンデム素子であってもよい。
【0350】
発光素子は、一対の防湿性の高い絶縁層の間に設けられていることが好ましい。これによ
り、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性の低下を抑制
できる。具体的には、上記のように、絶縁層205及び絶縁層225として、防湿性の高
い絶縁膜を用いると、発光素子が一対の防湿性の高い絶縁膜の間に位置し、発光装置の信
頼性の低下を抑制できる。
【0351】
絶縁層815としては、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウ
ム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。また、絶縁層817、絶縁層817a、及
び絶縁層817bとしては、例えば、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドア
ミド、ベンゾシクロブテン系樹脂等の有機材料をそれぞれ用いることができる。また、低
誘電率材料(low-k材料)等を用いることができる。また、絶縁膜を複数積層させる
ことで、各絶縁層を形成してもよい。
【0352】
絶縁層821としては、有機絶縁材料又は無機絶縁材料を用いて形成する。樹脂としては
、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキシ
樹脂、又はフェノール樹脂等を用いることができる。特に感光性の樹脂材料を用い、下部
電極831上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾
斜面となるように形成することが好ましい。
【0353】
絶縁層821の形成方法は、特に限定されないが、フォトリソグラフィ法、スパッタ法、
蒸着法、液滴吐出法(インクジェット法等)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷
等)等を用いればよい。
【0354】
スペーサ823は、無機絶縁材料、有機絶縁材料、金属材料等を用いて形成することがで
きる。例えば、無機絶縁材料や有機絶縁材料としては、上記絶縁層に用いることができる
各種材料が挙げられる。金属材料としては、チタン、アルミニウムなどを用いることがで
きる。導電材料を含むスペーサ823と上部電極835とを電気的に接続させる構成とす
ることで、上部電極835の抵抗に起因した電位降下を抑制できる。また、スペーサ82
3は、順テーパ形状であっても逆テーパ形状であってもよい。
【0355】
トランジスタの電極や配線、又は発光素子の補助電極等として機能する、発光装置に用い
る導電層は、例えば、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニ
ウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらの元素を含む合金材料を用い
て、単層で又は積層して形成することができる。また、導電層は、導電性の金属酸化物を
用いて形成してもよい。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In等)、
酸化スズ(SnO等)、ZnO、ITO、インジウム亜鉛酸化物(In-ZnO
等)又はこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
【0356】
着色層は特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色、緑色、青色、又は
黄色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。各着色層は、
様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィ法を用いたエッチ
ング方法などでそれぞれ所望の位置に形成する。また、白色の副画素では、発光素子と重
ねて透明の樹脂を配置してもよい。
【0357】
遮光層は、隣接する着色層の間に設けられている。遮光層は隣接する発光素子からの光を
遮光し、隣接する発光素子間における混色を抑制する。ここで、着色層の端部を、遮光層
と重なるように設けることにより、光漏れを抑制することができる。遮光層としては、発
光素子からの発光を遮る材料を用いることができ、例えば、金属材料や顔料や染料を含む
樹脂材料を用いてブラックマトリクスを形成すればよい。なお、遮光層は、駆動回路部な
どの発光部以外の領域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを抑制できるため
好ましい。
【0358】
また、着色層及び遮光層を覆うオーバーコートを設けてもよい。オーバーコートを設ける
ことで、着色層に含有された不純物等の発光素子への拡散を防止することができる。オー
バーコートは、発光素子からの発光を透過する材料から構成され、例えば窒化シリコン膜
、酸化シリコン膜等の無機絶縁膜や、アクリル膜、ポリイミド膜等の有機絶縁膜を用いる
ことができ、有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層構造としてもよい。
【0359】
また、接着層の材料を着色層及び遮光層上に塗布する場合、オーバーコートの材料として
接着層の材料に対して濡れ性の高い材料を用いることが好ましい。例えば、オーバーコー
トとして、ITO膜などの酸化物導電膜や、透光性を有する程度に薄いAg膜等の金属膜
を用いることが好ましい。
【0360】
接続体としては、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Con
ductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic
Conductive Paste)などを用いることができる。
【0361】
上述の通り、本発明の一態様は、半導体装置、発光装置、表示装置、入出力装置等の各種
装置に適用することができる。
【0362】
表示素子としては、有機EL素子、液晶素子、電気泳動素子、MEMS(マイクロ・エレ
クトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子等が挙げられる。
【0363】
なお、本発明の一態様の発光装置は、表示装置として用いてもよいし、照明装置として用
いてもよい。例えば、バックライトやフロントライトなどの光源、つまり、表示パネルの
ための照明装置として活用してもよい。
【0364】
以上、本実施の形態で示したように、本発明の一態様の発光装置は、非発光部に、発光部
よりも厚さが薄い領域を有することで、発光装置の側面からの不純物の侵入を抑制するこ
とができる。したがって、信頼性の高い発光装置を実現することができる。
【0365】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0366】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の入出力装置について図面を用いて説明する。なお、
入出力装置が有する構成要素のうち、実施の形態2で説明した発光装置と同様の構成要素
については、先の記載も参照することができる。また、本実施の形態では、発光素子を用
いた入出力装置を例示するが、これに限られない。また、本実施の形態で説明する入出力
装置は、タッチパネルともいえる。
【0367】
本実施の形態で示す各入出力装置は、表示部よりも厚さが薄い領域を非表示部に有するた
め、信頼性が高い。なお、入出力装置において、表示部(発光部)以外の部分はすべて非
表示部(非発光部)といえる。したがって、表示部301や表示部501の外側に非表示
部が枠状に設けられているといえる。例えば、駆動回路は非発光部の一部である。
【0368】
<構成例1>
図33(A)は入出力装置の上面図である。図33(B)及び図37(A)は、それぞれ
図33(A)の一点鎖線A-B間及び一点鎖線C-D間の断面図である。具体的には、
図33(B)は構成例a-3が適用された例であり、図37(A)は構成例b-3が適用
された例である。図33(C)は図33(A)の一点鎖線E-F間の断面図である。
【0369】
図33(A)に示す入出力装置390は、表示部301(入力部も兼ねる)、走査線駆動
回路303g(1)、撮像画素駆動回路303g(2)、画像信号線駆動回路303s(
1)、及び撮像信号線駆動回路303s(2)を有する。
【0370】
表示部301は、複数の画素302と、複数の撮像画素308と、を有する。
【0371】
画素302は、複数の副画素を有する。各副画素は、発光素子及び画素回路を有する。
【0372】
画素回路は、発光素子を駆動する電力を供給することができる。画素回路は、選択信号を
供給することができる配線と電気的に接続される。また、画素回路は、画像信号を供給す
ることができる配線と電気的に接続される。
【0373】
走査線駆動回路303g(1)は、選択信号を画素302に供給することができる。
【0374】
画像信号線駆動回路303s(1)は、画像信号を画素302に供給することができる。
【0375】
撮像画素308を用いてタッチセンサを構成することができる。具体的には、撮像画素3
08は、表示部301に触れる指等を検知することができる。
【0376】
撮像画素308は、光電変換素子及び撮像画素回路を有する。
【0377】
撮像画素回路は、光電変換素子を駆動することができる。撮像画素回路は、制御信号を供
給することができる配線と電気的に接続される。また、撮像画素回路は、電源電位を供給
することができる配線と電気的に接続される。
【0378】
制御信号としては、例えば、記録された撮像信号を読み出す撮像画素回路を選択すること
ができる信号、撮像画素回路を初期化することができる信号、及び撮像画素回路が光を検
知する時間を決定することができる信号などを挙げることができる。
【0379】
撮像画素駆動回路303g(2)は、制御信号を撮像画素308に供給することができる
【0380】
撮像信号線駆動回路303s(2)は、撮像信号を読み出すことができる。
【0381】
図33(B)、(C)、及び図37(A)に示すように、入出力装置390は、第1の可
撓性基板701、第1の接着層703、第1の絶縁層705、第2の可撓性基板711、
第2の接着層713、及び第2の絶縁層715を有する。また、第1の可撓性基板701
及び第2の可撓性基板711は、第3の接着層360で貼り合わされている。
【0382】
図33(B)では、非表示部の表示部側から入出力装置の端部にかけて連続的に(滑らか
に)厚さが薄くなっている部分を有する。図37(A)では、非表示部に凹部を有する。
凹部では、第3の接着層360の厚さが薄くなっている。これらのような構成とすること
で、入出力装置の側面から不純物が侵入することを抑制できる。
【0383】
第1の可撓性基板701と第1の絶縁層705は第1の接着層703で貼り合わされてい
る。また、第2の可撓性基板711と第2の絶縁層715は第2の接着層713で貼り合
わされている。基板、接着層、及び絶縁層に用いることができる材料については実施の形
態2を参照することができる。
【0384】
画素302は、副画素302R、副画素302G、及び副画素302Bを有する(図33
(C))。
【0385】
例えば副画素302Rは、発光素子350R及び画素回路を有する。画素回路は、発光素
子350Rに電力を供給することができるトランジスタ302tを含む。また、副画素3
02Rはさらに光学素子(例えば赤色の光を透過する着色層367R)を有する。
【0386】
発光素子350Rは、下部電極351R、EL層353、及び上部電極352をこの順で
積層して有する(図33(C))。
【0387】
EL層353は、第1のEL層353a、中間層354、及び第2のEL層353bをこ
の順で積層して有する。
【0388】
なお、特定の波長の光を効率よく取り出せるように、発光素子350Rにマイクロキャビ
ティ構造を配設することができる。具体的には、特定の光を効率よく取り出せるように配
置された可視光を反射する膜及び半反射・半透過する膜の間にEL層を配置してもよい。
【0389】
副画素302Rは、発光素子350Rと着色層367Rに接する第3の接着層360を有
する。着色層367Rは発光素子350Rと重なる位置にある。これにより、発光素子3
50Rが発する光の一部は、第3の接着層360及び着色層367Rを透過して、図中の
矢印に示すように副画素302Rの外部に射出される。
【0390】
入出力装置390は、遮光層367BMを有する。遮光層367BMは、着色層(例えば
着色層367R)を囲むように設けられている。
【0391】
入出力装置390は、反射防止層367pを表示部301に重なる位置に有する。反射防
止層367pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
【0392】
入出力装置390は、絶縁層321を有する。絶縁層321はトランジスタ302t等を
覆っている。なお、絶縁層321は画素回路や撮像画素回路に起因する凹凸を平坦化する
ための層として用いることができる。また、不純物のトランジスタ302t等への拡散を
抑制することができる絶縁層で、トランジスタ302t等を覆うことが好ましい。
【0393】
入出力装置390は、下部電極351Rの端部に重なる隔壁328を有する。また、第1
の可撓性基板701と第2の可撓性基板711の間隔を制御するスペーサ329を、隔壁
328上に有する。
【0394】
画像信号線駆動回路303s(1)は、トランジスタ303t及び容量303cを含む。
なお、駆動回路は画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。図33
B)及び図37(A)に示すようにトランジスタ303tは絶縁層321上に第2のゲー
ト304を有していてもよい。第2のゲート304はトランジスタ303tのゲートと電
気的に接続されていてもよいし、これらに異なる電位が与えられていてもよい。また、必
要であれば、第2のゲート304をトランジスタ308t、トランジスタ302t等に設
けてもよい。
【0395】
撮像画素308は、光電変換素子308p及び撮像画素回路を有する。撮像画素回路は、
光電変換素子308pに照射された光を検知することができる。撮像画素回路は、トラン
ジスタ308tを含む。例えばpin型のフォトダイオードを光電変換素子308pに用
いることができる。
【0396】
入出力装置390は、信号を供給することができる配線311を有し、端子319が配線
311に設けられている。画像信号及び同期信号等の信号を供給することができるFPC
309が端子319に電気的に接続されている。FPC309にはプリント配線基板(P
WB)が取り付けられていてもよい。
【0397】
なお、トランジスタ302t、トランジスタ303t、トランジスタ308t等のトラン
ジスタは、同一の工程で形成することができる。または、それぞれ異なる工程で形成して
もよい。
【0398】
<構成例2>
図34(A)、(B)は、入出力装置505の斜視図である。なお明瞭化のため、代表的
な構成要素を示す。図35(A)は、図34(A)に示す一点鎖線X1-X2間の断面図
である。図35(A)は、構成例a-3が適用された例である。また、変形例として、図
37(B)に、構成例b-3が適用された例を示す。
【0399】
図34(A)、(B)に示すように、入出力装置505は、表示部501、走査線駆動回
路303g(1)、及びタッチセンサ595等を有する。また、入出力装置505は、第
1の可撓性基板701、第2の可撓性基板711、及び可撓性基板590を有する。
【0400】
入出力装置505は、複数の画素及び複数の配線311を有する。複数の配線311は、
画素に信号を供給することができる。複数の配線311は、第1の可撓性基板701の外
周部にまで引き回され、その一部が端子319を構成している。端子319はFPC50
9(1)と電気的に接続する。
【0401】
入出力装置505は、タッチセンサ595及び複数の配線598を有する。複数の配線5
98は、タッチセンサ595と電気的に接続される。複数の配線598は可撓性基板59
0の外周部に引き回され、その一部は端子を構成する。そして、当該端子はFPC509
(2)と電気的に接続される。なお、図34(B)では明瞭化のため、可撓性基板590
の裏面側(第1の可撓性基板701と対向する面側)に設けられるタッチセンサ595の
電極や配線等を実線で示している。
【0402】
タッチセンサ595には、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容量方
式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。ここでは、投影型静電
容量方式のタッチセンサを適用する場合を示す。
【0403】
投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を
用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
【0404】
なお、タッチセンサ595には、指等の検知対象の近接又は接触を検知することができる
さまざまなセンサを適用することができる。
【0405】
投影型静電容量方式のタッチセンサ595は、電極591と電極592を有する。電極5
91は複数の配線598のいずれかと電気的に接続し、電極592は複数の配線598の
他のいずれかと電気的に接続する。
【0406】
電極592は、図34(A)、(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の
四辺形が角部で接続された形状を有する。
【0407】
電極591は四辺形であり、電極592が延在する方向と交差する方向に繰り返し配置さ
れている。なお、複数の電極591は、一の電極592と必ずしも直交する方向に配置さ
れる必要はなく、90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
【0408】
配線594は電極592と交差して設けられている。配線594は、電極592の1つを
挟む2つの電極591を電気的に接続する。このとき、電極592と配線594の交差部
の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これにより、電極が設けられていない領
域の面積を低減でき、光の透過率のムラを低減できる。その結果、タッチセンサ595を
透過する光の輝度ムラを低減することができる。
【0409】
なお、電極591、電極592の形状はこれに限られず、様々な形状を取りうる。
【0410】
図35(A)及び図37(B)に示すように、入出力装置505は、第1の可撓性基板7
01、第1の接着層703、第1の絶縁層705、第2の可撓性基板711、第2の接着
層713、及び第2の絶縁層715を有する。また、第1の可撓性基板701及び第2の
可撓性基板711は、第3の接着層360で貼り合わされている。
【0411】
接着層597は、タッチセンサ595が表示部501に重なるように、可撓性基板590
を第2の可撓性基板711に貼り合わせている。接着層597は、透光性を有する。
【0412】
電極591及び電極592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有す
る導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、
酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。なお
、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成
された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては
、熱を加える方法等を挙げることができる。
【0413】
また、電極591、電極592、配線594などの導電膜、つまり、タッチパネルを構成
する配線や電極に用いる材料として、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛等を有する透明
導電膜(例えば、ITOなど)が挙げられる。また、タッチパネルを構成する配線や電極
に用いることのできる材料は、抵抗値が低いことが好ましい。一例として、銀、銅、アル
ミニウム、カーボンナノチューブ、グラフェン、ハロゲン化金属(ハロゲン化銀など)な
どを用いてもよい。さらに、非常に細くした(例えば、直径が数ナノメートル)、複数の
導電体を用いて構成される金属ナノワイヤを用いてもよい。または、導電体を網目状にし
た金属メッシュを用いてもよい。一例としては、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、Al
ナノワイヤ、Agメッシュ、Cuメッシュ、Alメッシュなどを用いてもよい。例えば、
タッチパネルを構成する配線や電極にAgナノワイヤを用いる場合、可視光において透過
率を89%以上、シート抵抗値を40Ω/□以上100Ω/□以下とすることができる。
また、上述したタッチパネルを構成する配線や電極に用いることのできる材料の一例であ
る、金属ナノワイヤ、金属メッシュ、カーボンナノチューブ、グラフェンなどは、可視光
において透過率が高いため、表示素子に用いる電極(例えば、画素電極又は共通電極など
)として用いてもよい。
【0414】
透光性を有する導電性材料を可撓性基板590上にスパッタリング法により成膜した後、
フォトリソグラフィ法等の様々なパターニング技術により、不要な部分を除去して、電極
591及び電極592を形成することができる。
【0415】
電極591及び電極592は絶縁層593で覆われている。また、電極591に達する開
口が絶縁層593に設けられ、配線594が隣接する電極591を電気的に接続する。透
光性の導電性材料は、入出力装置の開口率を高まることができるため、配線594に好適
に用いることができる。また、電極591及び電極592より導電性の高い材料は、電気
抵抗を低減できるため配線594に好適に用いることができる。
【0416】
なお、絶縁層593及び配線594を覆う絶縁層を設けて、タッチセンサ595を保護す
ることができる。
【0417】
また、接続層599は、配線598とFPC509(2)を電気的に接続する。
【0418】
表示部501は、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。画素は、構成例1と同
様であるため、説明を省略する。
【0419】
なお、図35(B)に示すように、可撓性基板590を用いず、第1の可撓性基板701
及び第2の可撓性基板711の2枚の基板でタッチパネルを構成してもよい。第2の可撓
性基板711と第2の絶縁層715が第2の接着層713で貼り合わされており、第2の
絶縁層715に接してタッチセンサ595が設けられている。タッチセンサ595を覆う
絶縁層589に接して、着色層367R及び遮光層367BMが設けられている。絶縁層
589を設けず、着色層367Rや遮光層367BMを配線594に接して設けてもよい
【0420】
<構成例3>
図36は、入出力装置505Bの断面図である。本実施の形態で説明する入出力装置50
5Bは、供給された画像情報をトランジスタが設けられている側に表示する点及びタッチ
センサが表示部の第1の可撓性基板701側に設けられている点が、構成例2の入出力装
置505とは異なる。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様の構成を用いるこ
とができる部分は、上記の説明を援用する。図36(A)は、構成例a-3が適用された
例である。また、変形例として、図37(C)に、構成例b-3が適用された例を示す。
【0421】
着色層367Rは発光素子350Rと重なる位置にある。また、図36(A)及び図37
(C)に示す発光素子350Rは、トランジスタ302tが設けられている側に光を射出
する。これにより、発光素子350Rが発する光の一部は着色層367Rを透過して、図
中に示す矢印の方向の入出力装置505Bの外部に射出される。
【0422】
入出力装置505Bは、光を射出する方向に遮光層367BMを有する。遮光層367B
Mは、着色層(例えば着色層367R)を囲むように設けられている。
【0423】
タッチセンサ595は、第2の可撓性基板711側でなく、第1の可撓性基板701側に
設けられている(図36(A)及び図37(C))。
【0424】
接着層597は、タッチセンサ595が表示部に重なるように、可撓性基板590を第1
の可撓性基板701に貼り合わせている。接着層597は、透光性を有する。
【0425】
なお、ボトムゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を、図36
A)、(B)及び図37(C)に示す。
【0426】
例えば、酸化物半導体、アモルファスシリコン等を含む半導体層を、図36(A)及び図
37(C)に示すトランジスタ302t及びトランジスタ303tに適用することができ
る。
【0427】
例えば、多結晶シリコン等を含む半導体層を、図36(B)に示すトランジスタ302t
及びトランジスタ303tに適用することができる。
【0428】
また、トップゲート型のトランジスタを適用する場合の構成を、図36(C)に示す。
【0429】
例えば、多結晶シリコン又は単結晶シリコン基板から転置された単結晶シリコン膜等を含
む半導体層を、図36(C)に示すトランジスタ302t及びトランジスタ303tに適
用することができる。
【0430】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0431】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器及び照明装置について、図面を用いて説明
する。
【0432】
本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等を用いて、信頼性の高い電子機
器や照明装置を作製できる。また、本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装
置等を用いて、曲面又は可撓性を有し、信頼性の高い電子機器や照明装置を作製できる。
【0433】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともい
う)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタル
フォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携
帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0434】
また、本発明の一態様の電子機器又は照明装置は可撓性を有するため、家屋やビルの内壁
もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能であ
る。
【0435】
また、本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を用
いて、二次電池を充電することができると好ましい。
【0436】
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオ
ンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラ
ジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などが挙げられる
【0437】
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信する
ことで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナ及
び二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
【0438】
図38(A)、(B)、(C1)、(C2)、(D)、(E)に、湾曲した表示部700
0を有する電子機器の一例を示す。表示部7000はその表示面が湾曲して設けられ、湾
曲した表示面に沿って表示を行うことができる。なお、表示部7000は可撓性を有して
いてもよい。
【0439】
表示部7000は、本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等を用いて作
製される。
【0440】
本発明の一態様により、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い電子機器を提供できる
【0441】
図38(A)に携帯電話機の一例を示す。携帯電話機7100は、筐体7101、表示部
7000、操作ボタン7103、外部接続ポート7104、スピーカ7105、マイク7
106等を有する。
【0442】
図38(A)に示す携帯電話機7100は、表示部7000にタッチセンサを備える。電
話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部
7000に触れることで行うことができる。
【0443】
また、操作ボタン7103の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部7000に
表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メイン
メニュー画面に切り替えることができる。
【0444】
図38(B)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7200は、筐体72
01に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7203により筐体72
01を支持した構成を示している。
【0445】
図38(B)に示すテレビジョン装置7200の操作は、筐体7201が備える操作スイ
ッチや、別体のリモコン操作機7211により行うことができる。または、表示部700
0にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることで操作しても
よい。リモコン操作機7211は、当該リモコン操作機7211から出力する情報を表示
する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7211が備える操作キー又はタッチパ
ネルにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映
像を操作することができる。
【0446】
なお、テレビジョン装置7200は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機に
より一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線に
よる通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(
送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0447】
図38(C1)、(C2)、(D)、(E)に携帯情報端末の一例を示す。各携帯情報端
末は、筐体7301及び表示部7000を有する。さらに、操作ボタン、外部接続ポート
、スピーカ、マイク、アンテナ、又はバッテリ等を有していてもよい。表示部7000に
はタッチセンサを備える。携帯情報端末の操作は、指やスタイラスなどで表示部7000
に触れることで行うことができる。
【0448】
図38(C1)は、携帯情報端末7300の斜視図であり、図38(C2)は携帯情報端
末7300の上面図である。図38(D)は、携帯情報端末7310の斜視図である。図
38(E)は、携帯情報端末7320の斜視図である。
【0449】
本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、電話機、手帳又は情報閲覧装置等から
選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとしてそれぞれ用い
ることができる。本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、移動電話、電子メー
ル、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々
のアプリケーションを実行することができる。
【0450】
携帯情報端末7300、携帯情報端末7310及び携帯情報端末7320は、文字や画像
情報をその複数の面に表示することができる。例えば、図38(C1)、(D)に示すよ
うに、3つの操作ボタン7302を一の面に表示し、矩形で示す情報7303を他の面に
表示することができる。図38(C1)、(C2)では、携帯情報端末の上側に情報が表
示される例を示し、図38(D)では、携帯情報端末の横側に情報が表示される例を示す
。また、携帯情報端末の3面以上に情報を表示してもよく、図38(E)では、情報73
04、情報7305、情報7306がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。
【0451】
なお、情報の例としては、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の通知、
電子メールや電話などの着信を知らせる表示、電子メールなどの題名もしくは送信者名、
日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報が表示され
ている位置に、情報の代わりに、操作ボタン、アイコンなどを表示してもよい。
【0452】
例えば、携帯情報端末7300の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末7300を
収納した状態で、その表示(ここでは情報7303)を確認することができる。
【0453】
具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末7300の上
方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末7300をポケットから取り
出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
【0454】
図38(F)~(H)に、湾曲した発光部を有する照明装置の一例を示している。
【0455】
図38(F)~(H)に示す各照明装置が有する発光部は、本発明の一態様の発光装置等
を用いて作製される。
【0456】
本発明の一態様により、湾曲した発光部を備え、且つ信頼性の高い照明装置を提供できる
【0457】
図38(F)に示す照明装置7400は、波状の発光面を有する発光部7402を備える
。したがってデザイン性の高い照明装置となっている。
【0458】
図38(G)に示す照明装置7410の備える発光部7412は、凸状に湾曲した2つの
発光部が対称的に配置された構成となっている。したがって照明装置7410を中心に全
方位を照らすことができる。
【0459】
図38(H)に示す照明装置7420は、凹状に湾曲した発光部7422を備える。した
がって、発光部7422からの発光を、照明装置7420の前面に集光するため、特定の
範囲を明るく照らす場合に適している。また、このような形態とすることで、影ができに
くいという効果を奏する。
【0460】
また、照明装置7400、照明装置7410及び照明装置7420の備える各々の発光部
は可撓性を有していてもよい。発光部を可塑性の部材や可動なフレームなどの部材で固定
し、用途に合わせて発光部の発光面を自在に湾曲可能な構成としてもよい。
【0461】
照明装置7400、照明装置7410及び照明装置7420は、それぞれ、操作スイッチ
7403を備える台部7401と、台部7401に支持される発光部を有する。
【0462】
なおここでは、台部によって発光部が支持された照明装置について例示したが、発光部を
備える筐体を天井に固定する、又は天井からつり下げるように用いることもできる。発光
面を湾曲させて用いることができるため、発光面を凹状に湾曲させて特定の領域を明るく
照らす、又は発光面を凸状に湾曲させて部屋全体を明るく照らすこともできる。
【0463】
図39(A1)、(A2)、(B)~(I)に、可撓性を有する表示部7001を有する
携帯情報端末の一例を示す。
【0464】
表示部7001は、本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等を用いて作
製される。例えば、曲率半径0.01mm以上150mm以下で曲げることができる発光
装置、表示装置、又は入出力装置等を適用できる。また、表示部7001はタッチセンサ
を備えていてもよく、指等で表示部7001に触れることで携帯情報端末を操作すること
ができる。
【0465】
本発明の一態様により、可撓性を有する表示部を備え、且つ信頼性の高い電子機器を提供
できる。
【0466】
図39(A1)は、携帯情報端末の一例を示す斜視図であり、図39(A2)は、携帯情
報端末の一例を示す側面図である。携帯情報端末7500は、筐体7501、表示部70
01、引き出し部材7502、操作ボタン7503等を有する。
【0467】
携帯情報端末7500は、筐体7501内にロール状に巻かれた可撓性を有する表示部7
001を有する。
【0468】
また、携帯情報端末7500は内蔵された制御部によって映像信号を受信可能で、受信し
た映像を表示部7001に表示することができる。また、携帯情報端末7500にはバッ
テリが内蔵されている。また、筐体7501にコネクターを接続する端子部を備え、映像
信号や電力を有線により外部から直接供給する構成としてもよい。
【0469】
また、操作ボタン7503によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替え
等を行うことができる。なお、図39(A1)、(A2)、(B)では、携帯情報端末7
500の側面に操作ボタン7503を配置する例を示すが、これに限られず、携帯情報端
末7500の表示面と同じ面(おもて面)や、裏面に配置してもよい。
【0470】
図39(B)には、表示部7001を引き出した状態の携帯情報端末7500を示す。こ
の状態で表示部7001に映像を表示することができる。また、表示部7001の一部が
ロール状に巻かれた図39(A1)の状態と表示部7001を引き出し部材7502によ
り引き出した図39(B)の状態とで、携帯情報端末7500が異なる表示を行う構成と
してもよい。例えば、図39(A1)の状態のときに、表示部7001のロール状に巻か
れた部分を非表示とすることで、携帯情報端末7500の消費電力を下げることができる
【0471】
なお、表示部7001を引き出した際に表示部7001の表示面が平面状となるように固
定するため、表示部7001の側部に補強のためのフレームを設けていてもよい。
【0472】
なお、この構成以外に、筐体にスピーカを設け、映像信号と共に受信した音声信号によっ
て音声を出力する構成としてもよい。
【0473】
図39(C)~(E)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。図39(C)で
は、展開した状態、図39(D)では、展開した状態又は折りたたんだ状態の一方から他
方に変化する途中の状態、図39(E)では、折りたたんだ状態の携帯情報端末7600
を示す。携帯情報端末7600は、折りたたんだ状態では可搬性に優れ、展開した状態で
は、継ぎ目のない広い表示領域により一覧性に優れる。
【0474】
表示部7001はヒンジ7602によって連結された3つの筐体7601に支持されてい
る。ヒンジ7602を介して2つの筐体7601間を屈曲させることにより、携帯情報端
末7600を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。
【0475】
図39(F)、(G)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。図39(F)で
は、表示部7001が内側になるように折りたたんだ状態、図39(G)では、表示部7
001が外側になるように折りたたんだ状態の携帯情報端末7650を示す。携帯情報端
末7650は表示部7001及び非表示部7651を有する。携帯情報端末7650を使
用しない際に、表示部7001が内側になるように折りたたむことで、表示部7001の
汚れや傷つきを抑制できる。
【0476】
図39(H)に、可撓性を有する携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7700は、
筐体7701及び表示部7001を有する。さらに、入力手段であるボタン7703a、
7703b、音声出力手段であるスピーカ7704a、7704b、外部接続ポート77
05、マイク7706等を有していてもよい。また、携帯情報端末7700は、可撓性を
有するバッテリ7709を搭載することができる。バッテリ7709は例えば表示部70
01と重ねて配置してもよい。
【0477】
筐体7701、表示部7001、及びバッテリ7709は可撓性を有する。そのため、携
帯情報端末7700を所望の形状に湾曲させることや、携帯情報端末7700に捻りを加
えることが容易である。例えば、携帯情報端末7700は、表示部7001が内側又は外
側になるように折り曲げて使用することができる。または、携帯情報端末7700をロー
ル状に巻いた状態で使用することもできる。このように、筐体7701及び表示部700
1を自由に変形することが可能であるため、携帯情報端末7700は、落下した場合、又
は意図しない外力が加わった場合であっても、破損しにくいという利点がある。
【0478】
また、携帯情報端末7700は軽量であるため、筐体7701の上部をクリップ等で把持
してぶら下げて使用する、又は、筐体7701を磁石等で壁面に固定して使用するなど、
様々な状況において利便性良く使用することができる。
【0479】
図39(I)に腕時計型の携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7800は、バンド
7801、表示部7001、入出力端子7802、操作ボタン7803等を有する。バン
ド7801は、筐体としての機能を有する。また、携帯情報端末7800は、可撓性を有
するバッテリ7805を搭載することができる。バッテリ7805は例えば表示部700
1やバンド7801と重ねて配置してもよい。
【0480】
バンド7801、表示部7001、及びバッテリ7805は可撓性を有する。そのため、
携帯情報端末7800を所望の形状に湾曲させることが容易である。
【0481】
操作ボタン7803は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ
動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持
たせることができる。例えば、携帯情報端末7800に組み込まれたオペレーティングシ
ステムにより、操作ボタン7803の機能を自由に設定することもできる。
【0482】
また、表示部7001に表示されたアイコン7804に指等で触れることで、アプリケー
ションを起動することができる。
【0483】
また、携帯情報端末7800は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能で
ある。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで
通話することもできる。
【0484】
また、携帯情報端末7800は入出力端子7802を有していてもよい。入出力端子78
02を有する場合、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うこと
ができる。また入出力端子7802を介して充電を行うこともできる。なお、本実施の形
態で例示する携帯情報端末の充電動作は、入出力端子を介さずに非接触電力伝送により行
ってもよい。
【0485】
図40(A)に自動車9700の外観を示す。図40(B)に自動車9700の運転席を
示す。自動車9700は、車体9701、車輪9702、ダッシュボード9703、ライ
ト9704等を有する。本発明の一態様の発光装置、表示装置又は入出力装置等は、自動
車9700の表示部などに用いることができる。例えば、図40(B)に示す表示部97
10乃至表示部9715に本発明の一態様の発光装置、表示装置又は入出力装置等を設け
ることができる。
【0486】
表示部9710と表示部9711は、自動車のフロントガラスに設けられた表示装置であ
る。本発明の一態様の発光装置、表示装置又は入出力装置等は、電極や配線を、透光性を
有する導電性材料で作製することによって、反対側が透けて見える、いわゆるシースルー
状態とすることができる。表示部9710及び表示部9711がシースルー状態であれば
、自動車9700の運転時にも視界の妨げになることがない。よって、本発明の一態様の
発光装置、表示装置又は入出力装置等を自動車9700のフロントガラスに設置すること
ができる。なお、発光装置、表示装置又は入出力装置等を駆動するためのトランジスタな
どを設ける場合には、有機半導体材料を用いた有機トランジスタや、酸化物半導体を用い
たトランジスタなど、透光性を有するトランジスタを用いるとよい。
【0487】
表示部9712はピラー部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮
像手段からの映像を表示部9712に映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を補
完することができる。表示部9713はダッシュボード部分に設けられた表示装置である
。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9713に映し出すことによっ
て、ダッシュボードで遮られた視界を補完することができる。すなわち、自動車の外側に
設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を高めるこ
とができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和感
なく安全確認を行うことができる。
【0488】
また、図40(C)は、運転席と助手席にベンチシートを採用した自動車の室内を示して
いる。表示部9721は、ドア部に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられ
た撮像手段からの映像を表示部9721に映し出すことによって、ドアで遮られた視界を
補完することができる。また、表示部9722は、ハンドルに設けられた表示装置である
。表示部9723は、ベンチシートの座面の中央部に設けられた表示装置である。なお、
表示装置を座面や背もたれ部分などに設置して、当該表示装置を、当該表示装置の発熱を
熱源としたシートヒーターとして利用することもできる。
【0489】
表示部9714、表示部9715、または表示部9722はナビゲーション情報、スピー
ドメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その他
様々な情報を提供することができる。また、表示部に表示される表示項目やレイアウトな
どは、使用者の好みに合わせて適宜変更することができる。なお、上記情報は、表示部9
710乃至表示部9713、表示部9721、表示部9723にも表示することができる
。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は照明
装置として用いることも可能である。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部
9721乃至表示部9723は加熱装置として用いることも可能である。
【0490】
本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等が適用される表示部は平面であ
ってもよい。
【0491】
図40(D)に示す携帯型ゲーム機は、筐体9801、筐体9802、表示部9803、
表示部9804、マイクロフォン9805、スピーカ9806、操作キー9807、スタ
イラス9808等を有する。
【0492】
図40(D)に示す携帯型ゲーム機は、2つの表示部(表示部9803と表示部9804
)を有する。なお、本発明の一態様の電子機器が有する表示部の数は、2つに限定されず
1つであっても3つ以上であってもよい。電子機器が複数の表示部を有する場合、少なく
とも1つの表示部が本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等を有してい
ればよい。
【0493】
図40(E)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体9821、表示部9822
、キーボード9823、ポインティングデバイス9824等を有する。
【0494】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【実施例0495】
本実施例では、本発明の一態様を適用して作製した試料について説明する。
【0496】
本実施例で作製した試料は、発光装置を想定した構成である。該試料は、実施の形態2に
て例示した発光装置の構成において、発光素子の一部(EL層及び上部電極)が形成され
ていない状態である。該試料には、発光部に相当する領域が設けられており、該発光部の
外側に、非発光部に相当する領域が枠状に設けられている。
【0497】
まず、試料の作製方法について、図8(A)~(D)、図9(A)、及び図26(B)、
(C)、図41(A)、(B)を用いて説明する。
【0498】
図8(A)に示すように、作製基板201上に剥離層203を形成し、剥離層203上に
絶縁層205を形成した。作製基板201としては厚さ0.7mmのガラス基板を用いた
。剥離層203としてはタングステン膜と酸化タングステン膜の積層構造を用いた。絶縁
層205としては、酸化窒化シリコン膜及び窒化シリコン膜を含む積層構造を用いた。機
能層206には、酸化物半導体を用いたトランジスタを含む。
【0499】
図26(B)、(C)を用いて、本実施例で作製した剥離層203上の被剥離層(図8
A)における絶縁層205及び機能層206に相当)の具体的な構成を説明する。該被剥
離層としては、絶縁層705、トランジスタ820、絶縁層815、絶縁層817a、導
電層856、絶縁層817b、下部電極831、光学調整層832、絶縁層821、及び
スペーサ823を形成した。
【0500】
また、図8(B)に示すように、作製基板221上に剥離層223を形成し、剥離層22
3上に絶縁層225を形成した。作製基板221としてはガラス基板を用いた。剥離層2
23としてはタングステン膜と酸化タングステン膜の積層構造を用いた。絶縁層225と
しては、酸化窒化シリコン膜及び窒化シリコン膜を含む積層構造を用いた。
【0501】
図26(B)を用いて、本実施例で作製した剥離層223上の被剥離層(図8(B)にお
ける絶縁層225及び機能層226に相当)の具体的な構成を説明する。該被剥離層とし
ては、絶縁層715、遮光層847、及び着色層845を形成した。
【0502】
そして、減圧雰囲気下で、図8(C)に示すように、接着層207と枠状の隔壁209を
介して、作製基板201及び作製基板221を重ね合わせた。接着層207には熱硬化型
の樹脂を用い、隔壁209には紫外光硬化型の樹脂を用いた。また、接着層207は印刷
法を用いて形成し、隔壁209はディスペンス法を用いて形成した。なお、形成した接着
層207の厚さは、約5μm以上約8μm以下であった。
【0503】
接着層207及び隔壁209の形成位置を図41(A)に示す。接着層207は、発光部
804及び駆動回路部806と重なるように形成した。
【0504】
本実施例では、駆動回路部806や発光部804の端部よりも、接着層207の端部が内
側にくるように、接着層207を設けた。
【0505】
本実施例では、試料の3辺において、非発光部が、発光部よりも厚さが薄い部分を有する
構成となるよう、接着層207を形成した。図41(A)に示すように、発光部804に
おける、駆動回路部806と隣接する辺以外の3つの辺よりも、接着層207の端部が内
側に位置するよう、接着層207を設けた。
【0506】
本実施例では、接着層207が駆動回路部806の2辺と重なる場合を示したが、試料の
4辺全てにおいて、非発光部が、発光部よりも厚さが薄い部分を有する構成にする場合な
どは、図41(B)に示すように、接着層207は、駆動回路部806の1辺(発光部8
04と隣接する辺)のみと重ねてもよい。
【0507】
図41(C)に示すように、駆動回路部806及び発光部804の端部よりも接着層20
7の端部が外側に位置する場合に比べて、図41(A)、(B)に示す接着層207の配
置は、非発光部と発光部とで厚さに差をつけることができる。試料の大きさや接着剤の粘
度に応じて接着層の平面レイアウトや厚さは適宜調整すればよい。
【0508】
隔壁209は発光部804及び駆動回路部806よりも外側の位置に形成した。隔壁20
9は、基板の外周に沿って枠状に形成した。隔壁209は、接着層207と接しないよう
、間隔を空けて配置した。
【0509】
次に、作製基板201及び作製基板221を大気雰囲気に曝し、紫外光を照射することで
隔壁209を硬化した後、加熱することで接着層207を硬化した。
【0510】
次に、レーザ光を照射することで、剥離の起点を形成し、絶縁層205と作製基板201
とを分離した(図9(A))。
【0511】
この段階における試料の写真を、図42(A)に示す。図42(A)に示す写真は、図9
(A)の絶縁層205側から撮影した。図42(A)における、発光部804の左下の部
分の拡大図を図42(B)に示す。
【0512】
図42(A)、(B)に示すように、発光部804の外側には、干渉縞が確認できた。こ
のことから、発光部804の外側では、試料の端部に向かって、試料の厚さが変化してい
ることがわかった。また、発光部804には、干渉縞が見られなかった。また、断面観察
をしたところ、極端に試料の厚さが変化している部分は確認できなかった。そのため、非
発光部では、滑らかに(連続的に)厚さが変化している部分を有すると考えられる。
【0513】
本実施例の結果から、本発明の一態様を用いることで、発光装置の発光部の厚さを一定と
し、非発光部に発光部よりも厚さが薄い部分を形成することができるとわかった。このこ
とから、発光装置の表示品質を低下させることなく、発光装置の端部からの水分等の侵入
を抑制し、信頼性を高めることができると、示唆された。
【実施例0514】
本実施例では、本発明の一態様を適用して作製した試料について説明する。本実施例で作
製した試料は、構成例b-3(図16(A)、(B))である。
【0515】
まず、試料の作製方法について、図16(A)、(B)、図19(A)、(B)、図21
(A)~(D)、図26(B)、(C)を用いて説明する。
【0516】
図21(A)に示すように、作製基板201上に剥離層203を形成し、剥離層203上
に絶縁層205を形成した。作製基板201としては厚さ0.7mmのガラス基板を用い
た。剥離層203としてはタングステン膜と酸化タングステン膜の積層構造を用いた。絶
縁層205としては、酸化窒化シリコン膜及び窒化シリコン膜を含む積層構造を用いた。
機能層206には、酸化物半導体を用いたトランジスタや、有機EL素子を含む。また、
図21(A)には示さないが、絶縁層205上には、機能層204(図16(A)参照)
も作製した。機能層204には、酸化物半導体を用いたトランジスタを含む。
【0517】
図26(B)、(C)を用いて、本実施例で作製した剥離層203上の被剥離層(図21
(A)における絶縁層205及び機能層206に相当)の具体的な構成を説明する。該被
剥離層としては、絶縁層705、トランジスタ820、絶縁層815、絶縁層817a、
導電層856、絶縁層817b、下部電極831、光学調整層832、絶縁層821、ス
ペーサ823、EL層833、及び上部電極835を形成した。
【0518】
また、図21(B)に示すように、作製基板221上に剥離層223を形成し、剥離層2
23上に絶縁層225を形成した。作製基板221としては厚さ0.7mmのガラス基板
を用いた。剥離層223としてはタングステン膜と酸化タングステン膜の積層構造を用い
た。絶縁層225としては、酸化窒化シリコン膜及び窒化シリコン膜を含む積層構造を用
いた。
【0519】
図26(B)を用いて、本実施例で作製した剥離層223上の被剥離層(図21(B)に
おける絶縁層225及び機能層226に相当)の具体的な構成を説明する。該被剥離層と
しては、絶縁層715、遮光層847、及び着色層845を形成した。
【0520】
そして、減圧雰囲気下で、図21(C)に示すように、接着層207、枠状の隔壁242
、及び枠状の仮封止層244を介して、作製基板201及び作製基板221を重ね合わせ
た。接着層207には熱硬化型の樹脂を用い、枠状の隔壁242及び枠状の仮封止層24
4には紫外光硬化型の樹脂を用いた。
【0521】
そして、紫外光を照射することで、枠状の仮封止層244を硬化させた。
【0522】
次に、作製基板201及び作製基板221を大気雰囲気に曝し、図19(A)に示すよう
な熱プレス機を用いて、加圧を行った。
【0523】
基板2100a及び基板2100bには石英基板を用いた。基板2101にはガラス基板
を用い、凸部2102は、樹脂を硬化させることで形成した。凸部2102は、図19
B)に示すように基板2101上に枠状に形成した。凸部2102の幅は約1mm、高さ
は約0.1mmとした。
【0524】
熱プレス機では、発光装置10に荷重1.0tをかけた後、熱源を用いて100℃まで昇
温させ、加圧及び加熱を、1時間行った。
【0525】
次に、レーザ光を照射することで、剥離の起点を形成し、絶縁層205と作製基板201
とを分離し、露出した絶縁層205に、接着層253を用いて基板251を貼り合わせた
。接着層253には熱硬化樹脂を用い、加熱を行うことで、硬化した。
【0526】
次に、基板251の四方をカッターで切断することで、剥離の起点を形成し、絶縁層22
5と作製基板221とを分離し、露出した絶縁層225に、接着層257を用いて基板2
59を貼り合わせた。接着層257には熱硬化樹脂を用い、加熱を行うことで、硬化した
【0527】
以上により、図16(A)、(B)に示す発光装置を作製した。
【0528】
本実施例で作製した発光装置の非発光部には、加圧した部分とその近傍に、干渉縞が確認
された。このことから、非発光部では、厚さが変化していることがわかった。干渉縞が形
成されている部分の幅は約2mmであった。また、発光部には、干渉縞が見られなかった
【0529】
本実施例で作製した発光装置について、断面観察を行った。断面観察は、走査型電子顕微
鏡(SEM)を用いて行った。非発光部において、加圧した部分とその近傍の断面観察像
図43(A)、(B)に示す。また、非発光部において、加圧した部分よりも発光部に
近い部分の断面観察像を図43(C)に示す。また、発光部の断面観察像を図44(A)
に示す。また、非発光部のうち、加圧した部分よりも発光装置の端部に近い部分の断面観
察像を図44(B)に示す。
【0530】
なお、図43(A)~(C)、図44(A)、(B)には、それぞれ接着層207の厚さ
も記した。図43(A)~(C)に示すように、非発光部における接着層207の厚さは
、場所によって異なっていることが確認できた。加圧した部分から離れた箇所では、接着
層207は約8.7μmの厚さであったが、加圧した部分では、約2.3μmと大幅に薄
くなっていることがわかった。また、図44(A)に示すように、発光部では、接着層2
07の厚さが約11.6μmであった。そして、図44(B)に示すように、非発光部の
うち、加圧した部分よりも発光装置の端部に近い部分では、49.6μmと、他の部分に
比べて接着層207が大幅に厚くなっている部分も確認された。このことから、発光装置
の厚さは、発光部よりも端部の方が厚い(図16(C)参照)ことが示唆される。
【0531】
なお、本実施例で作製した発光装置は、全面発光が可能であった。また、本実施例で作製
した発光装置を、温度65℃、湿度95%の環境下で保存した結果、保存試験開始から2
50時間後においても、シュリンクは確認されず、全面発光が可能であった。
【0532】
本実施例の結果から、本発明の一態様を用いることで、発光装置の発光部の厚さを一定と
し、非発光部に発光部よりも厚さが薄い部分を形成することができるとわかった。また、
本発明の一態様の発光装置を、高温高湿下で保存したところ、250時間後においても、
シュリンクが確認されなかった。このことから、発光装置の表示品質を低下させることな
く、発光装置の端部からの水分等の侵入を抑制し、信頼性を高めることができると考えら
れる。
【実施例0533】
本実施例では、本発明の一態様を適用して作製した試料について説明する。
【0534】
本実施例で作製した試料の構成は、図45(B)、(C)に示す構成である。図45(B
)に、図11(A)における一点鎖線A1-A2間の断面図を示す。図45(C)に、図
11(A)における一点鎖線A3-A4間の断面図を示す。
【0535】
まず、試料の作製方法について、図21(A)~(C)、図45(A)、及び図46を用
いて説明する。
【0536】
図21(A)に示すように、作製基板201上に剥離層203を形成し、剥離層203上
に絶縁層205を形成した。作製基板201としては厚さ0.7mmのガラス基板を用い
た。剥離層203としてはタングステン膜と酸化タングステン膜の積層構造を用いた。絶
縁層205としては、酸化窒化シリコン膜及び窒化シリコン膜を含む積層構造を用いた。
機能層206には、酸化物半導体を用いたトランジスタや、有機EL素子を含む。また、
図21(A)には示さないが、絶縁層205上には、機能層204(図45(B)参照)
も作製した。機能層204には、酸化物半導体を用いたトランジスタを含む。
【0537】
また、図21(B)に示すように、作製基板221上に剥離層223を形成し、剥離層2
23上に絶縁層225を形成した。作製基板221としては厚さ0.7mmのガラス基板
を用いた。剥離層223としてはタングステン膜と酸化タングステン膜の積層構造を用い
た。絶縁層225としては、酸化窒化シリコン膜及び窒化シリコン膜を含む積層構造を用
いた。
【0538】
本実施例で作製した被剥離層の構成は、実施例2と同様である。
【0539】
そして、減圧雰囲気下で、図21(C)に示すように、接着層207、枠状の隔壁242
、及び枠状の仮封止層244を介して、作製基板201及び作製基板221を重ね合わせ
た。接着層207には熱硬化型の樹脂を用い、枠状の隔壁242及び枠状の仮封止層24
4には紫外光硬化型の樹脂を用いた。
【0540】
そして、紫外光を照射することで、枠状の仮封止層244を硬化させた。
【0541】
次に、作製基板201及び作製基板221を大気雰囲気に曝し、図46(A)に示すよう
な熱プレス機を用いて、加圧を行った。図46(A)に示す熱プレス機は、基板2101
に形成された凸部の形状以外は、図19(A)の構成と同様である。
【0542】
基板2100a及び基板2100bには石英基板を用いた。基板2101にはガラス基板
を用い、凸部2102a及び凸部2102bは、樹脂を硬化させることで形成した。
【0543】
図46(B)に、基板2101の上面図を示す。凸部2102a及び凸部2102bは、
基板2101上に枠状に形成した。凸部2102a及び凸部2102bは、それぞれ、幅
が約1mm、高さが約0.05mmとなるように形成した。凸部2102aと凸部210
2bとの間隔は約1.5mmとした。また、図46(B)には、基板2101と重なる発
光装置10が有する発光部804と導電層208の位置を点線で示す。図46(B)に示
す二点鎖線は、発光装置10の分断位置に相当する。
【0544】
熱プレス機では、発光装置10に荷重1.0tをかけた後、熱源を用いて100℃まで昇
温させ、加圧及び加熱を、1時間行った。図45(A)に、加圧及び加熱により変形した
発光装置10の断面模式図を示す。加圧及び加熱により、発光装置10の非発光部には、
厚さの薄い部分が形成される。また、接着層207は、熱硬化樹脂であるため、この加熱
工程により硬化する。
【0545】
次に、レーザ光を照射することで、剥離の起点を形成し、絶縁層205と作製基板201
とを分離し、露出した絶縁層205に、接着層253を用いて基板251を貼り合わせた
。接着層253には熱硬化樹脂を用い、加熱を行うことで、硬化した。
【0546】
次に、基板251の四方をカッターで切断することで、剥離の起点を形成し、絶縁層22
5と作製基板221とを分離し、露出した絶縁層225に、接着層257を用いて基板2
59を貼り合わせた。接着層257には熱硬化樹脂を用い、加熱を行うことで、硬化した
【0547】
そして、図46(B)に示す二点鎖線の部分で発光装置10を分断することで、図45
B)、(C)に示す発光装置を作製した。完成した発光装置10には、凸部2102aに
よって厚さが薄くなった部分が存在する。また、完成した発光装置10の3辺では、凸部
2102bによって厚さが薄くなった部分が端部に位置する。
【0548】
図47(A)は、本実施例で作製した発光装置の発光状態を示す写真である。図47(A
)に示すように、本発明の一態様を適用することで、全面発光が可能な発光装置を作製で
きた。
【0549】
また、本実施例で作製した発光装置を、温度65℃、湿度95%の環境下で保存した。
【0550】
なお、駆動用トランジスタを飽和領域で動作させると、発光素子の劣化と同期して駆動用
トランジスタの閾値がマイナスシフトすることで、発光素子の輝度が上昇し、シュリンク
が確認されにくい。そのため、保存試験開始から750時間後から1500時間後までは
、シュリンクを確認しやすいように、駆動用トランジスタを線形領域で動作させて、発光
素子を発光させた。
【0551】
図47(B)、(C)は、保存試験開始から1000時間後の発光状態を示す写真である
図47(B)は、駆動用トランジスタを飽和領域で動作させた場合である。図47(C
)は、駆動用トランジスタを線形領域で動作させた場合である。図47(D)、(E)は
、保存試験開始から1500時間後の発光状態を示す写真である。図47(D)は、駆動
用トランジスタを飽和領域で動作させた場合である。図47(E)は、駆動用トランジス
タを線形領域で動作させた場合である。
【0552】
保存試験開始から1000時間後においても、シュリンクは確認されず、全面発光が可能
であった。1500時間後で、わずかにシュリンクが確認された(図47(E)の下部参
照)。なお、図47(B)、(D)は、図47(A)に比べて表示が暗くなっている。し
かし、保存試験による発光素子の電流効率の劣化がわずかであったことから、輝度の低下
の原因は、発光素子の劣化ではないと示唆された。例えば、トランジスタの特性のシフト
などが輝度の低下の原因と考えられる。また、輝度の低下は、熱プレスが原因で生じたも
のではないと考えられる。
【0553】
本実施例の結果から、本発明の一態様を用いることで、高温高湿下で1000時間保存し
ても、シュリンクが確認されなかった。このことから、発光装置の表示品質を低下させる
ことなく、発光装置の端部からの水分等の侵入を抑制し、信頼性を高めることができると
考えられる。
【符号の説明】
【0554】
10 発光装置
201 作製基板
203 剥離層
204 機能層
205 絶縁層
206 機能層
207 接着層
208 導電層
209 隔壁
221 作製基板
223 剥離層
225 絶縁層
226 機能層
242 隔壁
244 仮封止層
246 凸部
251 基板
253 接着層
254 接着層
256 機能層
257 接着層
259 基板
301 表示部
302 画素
302B 副画素
302G 副画素
302R 副画素
302t トランジスタ
303c 容量
303g(1) 走査線駆動回路
303g(2) 撮像画素駆動回路
303s(1) 画像信号線駆動回路
303s(2) 撮像信号線駆動回路
303t トランジスタ
304 ゲート
308 撮像画素
308p 光電変換素子
308t トランジスタ
309 FPC
311 配線
319 端子
321 絶縁層
328 隔壁
329 スペーサ
350R 発光素子
351R 下部電極
352 上部電極
353 EL層
353a EL層
353b EL層
354 中間層
360 接着層
367BM 遮光層
367p 反射防止層
367R 着色層
390 入出力装置
501 表示部
505 入出力装置
505B 入出力装置
509 FPC
589 絶縁層
590 可撓性基板
591 電極
592 電極
593 絶縁層
594 配線
595 タッチセンサ
597 接着層
598 配線
599 接続層
701 可撓性基板
703 接着層
705 絶縁層
711 可撓性基板
713 接着層
715 絶縁層
804 発光部
806 駆動回路部
808 FPC
814 導電層
815 絶縁層
817 絶縁層
817a 絶縁層
817b 絶縁層
820 トランジスタ
821 絶縁層
822 接着層
823 スペーサ
824 トランジスタ
825 接続体
830 発光素子
831 下部電極
832 光学調整層
833 EL層
835 上部電極
845 着色層
847 遮光層
849 オーバーコート
856 導電層
857 導電層
857a 導電層
857b 導電層
2000a 上板
2000b 下板
2005a 緩衝材
2005b 緩衝材
2100a 基板
2100b 基板
2101 基板
2102 凸部
2102a 凸部
2102b 凸部
4001 第1の基板
4002 発光部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 領域
4006 第2の基板
4018 FPC
4018a FPC
4018b FPC
7000 表示部
7001 表示部
7100 携帯電話機
7101 筐体
7103 操作ボタン
7104 外部接続ポート
7105 スピーカ
7106 マイク
7200 テレビジョン装置
7201 筐体
7203 スタンド
7211 リモコン操作機
7300 携帯情報端末
7301 筐体
7302 操作ボタン
7303 情報
7304 情報
7305 情報
7306 情報
7310 携帯情報端末
7320 携帯情報端末
7400 照明装置
7401 台部
7402 発光部
7403 操作スイッチ
7410 照明装置
7412 発光部
7420 照明装置
7422 発光部
7500 携帯情報端末
7501 筐体
7502 引き出し部材
7503 操作ボタン
7600 携帯情報端末
7601 筐体
7602 ヒンジ
7650 携帯情報端末
7651 非表示部
7700 携帯情報端末
7701 筐体
7703a ボタン
7703b ボタン
7704a スピーカ
7704b スピーカ
7705 外部接続ポート
7706 マイク
7709 バッテリ
7800 携帯情報端末
7801 バンド
7802 入出力端子
7803 操作ボタン
7804 アイコン
7805 バッテリ
9700 自動車
9701 車体
9702 車輪
9703 ダッシュボード
9704 ライト
9710 表示部
9711 表示部
9712 表示部
9713 表示部
9714 表示部
9715 表示部
9721 表示部
9722 表示部
9723 表示部
9801 筐体
9802 筐体
9803 表示部
9804 表示部
9805 マイクロフォン
9806 スピーカ
9807 操作キー
9808 スタイラス
9821 筐体
9822 表示部
9823 キーボード
9824 ポインティングデバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47