(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179800
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】子宮内避妊具(IUD)を挿入および除去するための装置、システム、方法、およびキット
(51)【国際特許分類】
A61F 6/12 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
A61F6/12
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023183810
(22)【出願日】2023-10-26
(62)【分割の表示】P 2021544772の分割
【原出願日】2020-02-19
(31)【優先権主張番号】62/807,373
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/793,354
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514009605
【氏名又は名称】メディシンズ360
【氏名又は名称原語表記】MEDICINES360
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】デックマン, ロブ
(72)【発明者】
【氏名】クレイニン, ミッチェル, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン, ジェシカ, ドロシー
(72)【発明者】
【氏名】オラリウ, アンドレア, イルディコ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】診療所または医師へのアクセスが利用できない場合に、遠隔地の、患者、または患者および協力者によるIUD挿入またはIUD除去に使用することができる方法、装置、システム、およびキットを開示する。IUD器具を自己挿入および自己除去するための、システム、方法、およびキット。装置は、ハンドルを含む。
【解決手段】子宮内避妊具(IUD)除去装置であって、前記IUD除去装置が、細長いハンドルであって、前記ハンドルの内部で移動可能な押し棒を有する細長いハンドルと、空洞部を画定する内壁面および外壁面を有する壁、開いた端部および閉じた端部、および前記開いた端部とは反対側の前記壁の外側位置から延びるステムを含むカップであって、前記ステムが、前記押し棒の遠位端部と係合するように構成可能である、カップと、を備える、IUD除去装置。
【選択図】
図4C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
子宮内避妊具(IUD)除去装置であって、前記IUD除去装置が、
細長いハンドルであって、前記ハンドルの内部で移動可能な押し棒を有する細長いハンドルと、
空洞部を画定する内壁面および外壁面を有する壁、開いた端部および閉じた端部、および前記開いた端部とは反対側の前記壁の外側位置から延びるステムを含むカップであって、前記ステムが、前記押し棒の遠位端部と係合するように構成可能である、カップと、
を備える、IUD除去装置。
【請求項2】
減圧解除棒をさらに備える、請求項1に記載のIUD除去装置。
【請求項3】
前記細長いハンドルの内面にリブ部をさらに備える、請求項1に記載のIUD除去装置。
【請求項4】
子宮内避妊具(IUD)除去装置であって、前記IUD除去装置が、
細長いシャフトを形成する細長いハンドルと、
押し棒であって、前記細長いハンドル内に配置され、前記押し棒の遠位端部に接続部を有する、押し棒と、
前記押し棒の遠位端部に配置された2つ以上の花弁部を備え、前記花弁部が前記押し棒の中心軸線から離れるように回転可能であり、前記2つ以上の花弁部の内面が隆起部を有する、把持部と、
を備える、IUD除去装置。
【請求項5】
前記花弁部のうちの少なくとも1つの内面に配置される1つ以上のツールをさらに備える、請求項4に記載のIUD除去装置。
【請求項6】
前記1つ以上のツールと連通する電源をさらに備える、請求項5に記載のIUD除去装置。
【請求項7】
前記ツールが、光源およびカメラから選択される、請求項5に記載のIUD除去装置。
【請求項8】
前記細長いハンドルが、湾曲した外面を有する、請求項4に記載のIUD除去装置。
【請求項9】
前記押し棒が、近位方向および遠位方向に移動するように構成可能である、請求項4に記載のIUD除去装置。
【請求項10】
子宮内避妊具(IUD)除去装置であって、前記IUD除去装置が、
細長いハンドルであって、遠位端部および近位端部を有する押し棒を有し、前記押し棒が、前記ハンドルの内部で遠位方向および近位方向に移動可能である、細長いハンドルと、
前記押し棒の前記遠位端部に配置される剛毛、前記押し棒の前記遠位端部に配置される複数の糸、前記押し棒の前記遠位端部に配置されるリング、および前記押し棒の前記遠位端部に配置されるフックのうちの少なくとも1つと、
を備えるIUD除去装置。
【請求項11】
前記1つ以上の花弁部の表面に配置される1つ以上のツールをさらに備える、請求項10に記載のIUD除去装置。
【請求項12】
前記ツールが、光源およびカメラから選択される、請求項10に記載のIUD除去装置。
【請求項13】
IUDを有する挿入装置、および除去装置のうちの少なくとも1つと、
膣腔深さ測定装置、バッテリ、鉗子、可視化コーン、および除去確認カードのうちの少なくとも1つと、
を含むキット。
【請求項14】
前記可視化コーンが、表面に配置された鉗子ガイドを有する、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
前記可視化コーンが発光型である、請求項13に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]相互参照
本出願は、2020年2月18日に出願された米国特許出願第16/793,354号の優先権を主張し、この米国特許出願は、2019年2月19日に出願された「DEVICES,SYSTEMS AND METHODS FOR INSERTION AND REMOVAL OF IUDS」と題する米国仮特許出願第62/807,373号の利益を主張し、この米国仮特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]発展途上国および先進国における望まない妊娠の確率は、過去10年にわたって減少し続けてきた。しかしながら、避妊へのアクセスに対する障壁は、医療へのアクセスが限定されている管轄区域にとって依然として重大な問題である。世界保健機関(WHO)によれば、避妊にアクセスすることに対するさらなる障壁は、年齢、婚姻関係の有無、医療従事者のバイアス、および/または性的健康の必要性を認知しようとする傾向の欠如に基づく場合がある。知識的制約、輸送的制約、および金銭的制約もまた、アクセスに対する重大な障壁である。
【0003】
[0003]避妊へのアクセスを改善することは、様々な理由で重要な目的であり続けている。思春期の妊娠は依然として、母体および子供の死亡と、不健康および貧しさの世代間連鎖との主な原因である。利用可能な避妊にはいくつかのタイプがあるが、子宮内避妊具(IUD)は、計画していない妊娠を防止するためには、信頼性が高く、展開することが容易で、低コストの選択肢であり続けている。しかしながら、十分なサービスが提供されていない地域に住む女性のための避妊方法としてのIUDへのアクセス可能性は、診療所または医師へのアクセスの欠如に起因して課題であり続けている。
【0004】
[0004]必要とされているのは、診療所または医師へのアクセスが容易に利用できない場合に、IUDを挿入または除去するために遠隔地の患者、または患者および協力者が使用することができる方法、装置、システムおよびキットである。
【発明の概要】
【0005】
[0005]診療所または医師へのアクセスが利用できない場合に、遠隔地の、患者、または患者および協力者によるIUD挿入またはIUD除去に使用することができる方法、装置、システム、およびキットを開示する。協力者には、例えば、地域の医療推進者、看護従事者、友人、または親類が含まれてもよい。
【0006】
[0006]本開示の一態様は、IUD自己挿入装置に関する。IUD自己挿入装置は、近位端部にあるつまみ、およびハンドルの長さに沿ってチャンネル内を移動可能な制御スライダを有する、細長いハンドルと、細長いハンドルの遠位端部に配置された中空シャフトと、ピストン棒であって、ハンドル内および中空シャフトに配置され、ピストン棒の外面の少なくとも一部に沿って複数の歯を有する、ピストン棒と、中空シャフトの遠位端部に配置され、中空シャフトの中心軸線から離れるように回転可能である、2つ以上のアームと、ハンドルの内面に配置され、ピストン棒の外面に沿った複数の歯に係合するように構成された、ラチェット部材と、アームのうちの少なくとも1つの内面に配置される1つ以上のツールと、1つ以上のツールと連通する電源とを備える。さらに、制御スライダは、第1のチャンネル内で移動可能な第1のスライダインタフェースと、第2のチャンネル内で移動可能な第2のスライダインタフェースとを有する、両側で制御可能なスライダであってもよい。いくつかの構成では、細長いハンドルは湾曲した外面を有する。さらに、つまみは、近位方向および遠位方向に移動するように構成可能である。さらに、ピストン棒は、自己挿入装置の内部で浮くように構成可能である。装置に適したツールは、光源およびカメラから選択される。さらに、視覚化ツールアームは、IUDを挿入装置内に装填する前にIUDのアームを保持する湾曲した凹部を遠位端部の外面に有し、IUDが、T字形を有し、細長い部材と一対のIUDアームとを備える。IUDの細長い部材は、活性薬剤を含むジャケット状のポリマー容器が周りに設けられたコア部をさらに含んでもよい。活性薬剤は、更年期障害の治療または避妊のために使用されるホルモンであってもよい。
【0007】
[0007]本開示の別の態様は、IUD自己除去装置に関する。適切なIUD自己除去装置は、細長いハンドルであって、ハンドルの内部で移動可能な押し棒を有する細長いハンドルと、空洞部を画定する内壁面および外壁面を有する壁、開いた端部および閉じた端部、および開いた端部とは反対側の壁の外側位置から延びるステムを含むカップであって、ステムが、押し棒の遠位端部と係合するように構成可能である、カップとを備える。減圧解除棒を設けてもよい。いくつかの構成では、細長いハンドルの内面にリブ部がある。
【0008】
[0008]本開示のさらに別の態様は、IUD自己除去装置であって、細長いシャフトを形成する細長いハンドルと、押し棒であって、細長いハンドル内に配置され、押し棒の遠位端部に接続部を有する、押し棒と、押し棒の遠位端部に配置された2つ以上の花弁部を備え、花弁部が押し棒の中心軸線から離れるように回転可能であり、2つ以上の花弁部の内面が隆起部を有する、把持部とを備える、IUD自己除去装置に関する。さらに、装置は、花弁部のうちの少なくとも1つの内面に配置される1つ以上のツールを備えてもよい。1つ以上のツールと連通する電源を設けてもよい。適切なツールには、例えば、光源およびカメラが含まれる。装置はまた、ハンドルの少なくとも一部に沿って湾曲した外面を有してもよい。押し棒はまた、近位方向および遠位方向に移動するように構成可能であってもよい。
【0009】
[0009]本開示のさらに別の態様は、IUD自己除去装置であって、細長いハンドルであって、遠位端部および近位端部を有する押し棒を有し、押し棒が、ハンドルの内部で遠位方向および近位方向に移動可能である、細長いハンドルと、押し棒の遠位端部に配置される剛毛、押し棒の遠位端部に配置される複数の糸、押し棒の遠位端部に配置されるリング、および押し棒の遠位端部に配置されるフックのうちの少なくとも1つとを備えるIUD自己除去装置に関する。装置は、1つ以上の花弁部の表面に配置される1つ以上のツールをさらに備えてもよい。適切なツールには、例えば、光源およびカメラが含まれる。
【0010】
[0010]本開示の別の態様はキットに関する。キットは、IUDを有する自己挿入装置、および自己除去装置のうちの少なくとも1つと、膣腔深さ測定装置、バッテリ、鉗子、可視化コーン、および自己除去確認カードのうちの少なくとも1つとを含んでもよい。可視化コーンは、表面に配置された鉗子ガイドを含んでもよい。いくつかの構成では、可視化コーンは自発光式型である。
【0011】
[0011]本開示のさらに別の態様は、IUDを患者に挿入する方法に関する。方法は、自己挿入装置であって、自己挿入装置が、細長いハンドルであって、近位端部にあるつまみ、およびハンドルの長さに沿ってチャンネル内を移動可能な制御スライダを有する、細長いハンドルと、細長いハンドルの遠位端部に配置された中空シャフトと、ピストン棒であって、ハンドル内および中空シャフト内に配置され、ピストン棒の外面の少なくとも一部に沿って複数の歯を有する、ピストン棒と、中空シャフトの遠位端部に配置され、中空シャフトの中心軸線から離れるように回転可能である、2つ以上のアームと、ハンドルの内面に配置され、ピストン棒の外面に沿った複数の歯に係合するように構成された、ラチェット部材と、アームのうちの少なくとも1つの内面に配置される1つ以上のツールと、1つ以上のツールと連通する電源とを備える、自己挿入装置を用意するステップと、自己挿入装置を膣腔に挿入するステップと、自己挿入装置のつまみを遠位方向に引くステップと、子宮頸部を観察するステップと、内側送達管を子宮頸部へ前進させるステップと、自己挿入装置からIUDを解放するステップと、自己挿入装置を除去するステップとを含む。
【0012】
[0012]本開示の別の態様は、膣腔の深さを測定するステップをさらに含む、請求項25に記載のIUDを患者に挿入する方法に関する。方法は、子宮頸部の画像を取得するステップと、子宮頸部の画像を患者から離れた場所に送信するステップとをさらに含んでもよい。
【0013】
[0013]本開示のさらに別の態様は、自己除去装置であって、自己除去装置が、細長いハンドルであって、ハンドルの内部で移動可能な押し棒を有する細長いハンドルと、空洞部を画定する内壁面および外壁面を有する壁、開いた端部および閉じた端部、および開いた端部とは反対側の壁の外側位置から延びるステムを含むカップであって、ステムが、押し棒の遠位端部と係合するように構成可能である、カップとを備える、自己除去装置を用意するステップと、自己除去装置を膣腔に挿入するステップと、カップを子宮頸部の近くに配置するステップと、IUD除去糸の周りに吸引を引き起こすステップと、カップを近位方向に引くステップと、カップおよび自己挿入装置を除去するステップと、を含む、挿入されたIUDを患者から除去する方法に関する。方法は、減圧解除棒を使用してカップの減圧を子宮頸部に対して解除するステップをさらに含んでもよい。追加のステップは、膣腔の深さを測定するステップ、子宮頸部の画像を取得するステップ、および子宮頸部の画像を患者から離れた場所に送信するステップのうちの1つ以上を含む。
【0014】
[0014]本開示の別の態様は、自己除去装置であって、自己除去装置が、細長いシャフトを形成する細長いハンドルと、押し棒であって、細長いハンドル内に配置され、押し棒の遠位端部に接続部を有する、押し棒と、押し棒の遠位端部に配置された2つ以上の花弁部を備え、花弁部が押し棒の中心軸線から離れるように回転可能であり、2つ以上の花弁部の内面が隆起部を有する、把持部とを備える、自己除去装置を用意するステップと、自己除去装置を膣腔に挿入するステップと、花弁部を子宮頸部の近くに配置するステップと、押し棒を遠位方向に押して、花弁部を中心軸線から離れるように広げるステップと、押し棒を近位方向に引いて、IUD糸に係合する花弁部を中心軸線の方に引き込むステップと、自己除去装置を除去するステップとを含む、挿入されたIUDを患者から除去する方法に関する。さらに、方法は、膣腔の深さを測定するステップ、子宮頸部の画像を取得するステップ、および子宮頸部の画像を患者から離れた場所に送信するステップのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0015】
[0015]参照による組込み
本明細書で言及するすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも個別の刊行物、特許、または特許出願の各々が参照により組み込まれることを具体的で個別に示している場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
[0016]「Menstrual Cup」についての1950年12月19日発行のChalmersの米国特許第2,534,900号明細書。
【0017】
[0017]「Contraceptive Intra-Uterine Devices」についての1968年10月29日発行のHulkaらの米国特許第3,407,806号明細書。
【0018】
[0018]「Inserter for Intrauterine Devices」についての1974年1月8日発行のAbramsonの米国特許第3,783,861号明細書。
【0019】
[0019]「Intrauterine Device Saddle Inserter」についての1974年2月26日発行のLernerの米国特許第3,794,025号明細書。
【0020】
[0020]「Intrauterine Device with Locator Means for Indicating Uterine Position of Device」についての1975年9月2日発行のPlaceらの米国特許第3,902,483号明細書。
【0021】
[0021]「Intrauterine Contraceptive Device」についての1976年2月10日発行のKosonenの米国特許第3,937,217号明細書。
【0022】
[0022]「Intrauterine Spermicide」についての1982年10月12日発行のQuesadaの米国特許第4,353,363号明細書。
【0023】
[0023]「IUD Arrangement」についての1982年11月16日発行のShaw Jr.の米国特許第4,359,046号明細書。
【0024】
[0024]「Instrument for Retrieval of Retracted Threads of Intrauterine Contraceptive Devices」について1983年2月8日発行のAkerlundの米国特許第4,372,302号明細書。
【0025】
[0025]「IUD Arrangement」についての1983年4月26日発行のShaw Jr.の米国特許第4,381,001号明細書。
【0026】
[0026]「IUD Arrangement」についての1985年1月29日発行のShaw Jr.の米国特許第4,495,934号明細書。
【0027】
[0027]「Intrauterine Contraceptive Device」についての1989年5月16日発行のGainutdinovaらの米国特許第4,830,025号明細書。
【0028】
[0028]「Cassette System and Apparatus for Manufacturing an Active Agent Liberating Capsule for Subcutnaeous Use」についての1990年5月1日発行のRistimakiらの米国特許第4,920,727号明細書。
【0029】
[0029]「Apparatus for Insertion and Fixation of an Intra Uterine Contraceptive Device to the Uterine Fundus」についての1990年8月21日発行のSpoonらの米国特許第4,949,732号明細書。
【0030】
[0030]「Contraceptive Implant」についての1990年9月18日発行のde Nijsの米国特許第4,957,119号明細書。
【0031】
[0031]「Process for Intra-Uterine Fertilization in Mammals and Device for Implementation Thereof」についての1992年1月28日発行のRanouxの米国特許第5,084,004号明細書。
【0032】
[0032]「Contraceptive Implant」についての1992年2月18日発行のde Nijsの米国特許第5,088,505号明細書。
【0033】
[0033]「IUD Inserting Apparatus」についての1994年12月6日発行のDiazらの米国特許第5,370,129号明細書。
【0034】
[0034]「Method and an Equipment for Installing a Medicine Capsule on a Support」についての1995年3月28日発行のHelleらの米国特許第5,400,804号明細書。
【0035】
[0035]「Inserter for the Positioning of an Intrauterine Device」についての1998年7月28日発行のMacandrewらの米国特許第5,785,053号明細書。
【0036】
[0036]「Intravaginal Drug Delivery Device」についての2000年3月21日発行のNabahiの米国特許第6,039,968号明細書。
【0037】
[0037]「Elastomer,Its Preparation and Use」についての2000年5月2日発行のMarkkulaらの米国特許第6,056,976号明細書。
【0038】
[0038]「Drug Delivery Device Especially for the Delivery of Progestins and Estrogens」についての2000年5月16日発行のMarkkulaらの米国特許第6,063,395号明細書。
【0039】
[0039]「Intravaginal Drug Delivery Device」についての2000年8月15日発行のNabahiの米国特許第6,103,256号明細書。
【0040】
[0040]「Drug Delivery Device,Especially for the Delivery of Androgens」についての2000年9月12日発行のMarkkulaらの米国特許第6,117,442号明細書。
【0041】
[0041]「Medical Devices for Treating Urological and Uterine Conditions」についての2011年1月4日発行のMcIntyreらの米国特許第7,862,552号明細書。
【0042】
[0042]「Intrauterine Systems,IUD Insertion Devices,and Related Methods and Kits Therefor」についての2018年7月24日発行のDeckmanらの米国特許第10,028,858号明細書。
【0043】
[0043]「Methods and Devices for Occluding Body Lumens and/or for Delivering Therapeutic Agents」についての2005年3月3日公開のCallisterらの米国特許出願公開第2005/0045183号明細書。
【0044】
[0044]「Menstrual Cup」についての2008年3月27日公開のChambersらの米国特許出願公開第2008/0077097号明細書。
【0045】
[0045]「Method for Making a Reservoir Containing an Active Substance Diffused Through the Reservoir and Installation Therefor」についての2008年4月24日公開のLaFontの米国特許出願公開第2008/0095825号明細書。
【0046】
[0046]本発明の新規な特徴を、添付の特許請求の範囲に詳細に記載する。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を示す以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図2】子宮内に配置されたT字形IUDを示す図である。
【
図3】自己挿入式IUD装填装置を図示する図である。
【
図4A】一動作段階における自己挿入式IUD装填装置を図示する図である。
【
図4B】別の動作段階における自己挿入式IUD装填装置を図示する図である。
【
図4C】さらに別の動作段階における自己挿入式IUD装填装置を図示する図である。
【
図4D】さらに別の動作段階における自己挿入式IUD装填装置を図示する図である。
【
図4E】さらに別の動作段階における自己挿入式IUD装填装置を図示する図である。
【
図4F】さらに別の動作段階における自己挿入式IUD装填装置を図示する図である。
【
図4G】さらに別の動作段階における自己挿入式IUD装填装置を図示する図である。
【
図5A】カメラおよび光源を有する挿入装置の斜視図である。
【
図5B】カメラおよび光源を有する挿入装置の斜視図である。
【
図6】ガイドワイヤ式IUD挿入装置を図示する図である。
【
図7A】回転式IUD挿入装置を図示する図である。
【
図7B】回転式IUD挿入装置を図示する図である。
【
図7C】回転式IUD挿入装置を図示する図である。
【
図8A】子宮内に配置されたT字形IUDと、糸を把持することによってIUDを除去する、指部がコーティングされた手とを図示する図である。
【
図8B】糸を把持することによってIUDを除去する、指部がコーティングされた手を図示する図である。
【
図9A】IUDを把持するためのフックを有する指サック式IUD除去装置を図示する図である。
【
図9B】IUDを把持するためのフックを有する指サック式IUD除去装置を図示する図である。
【
図9C】IUDを把持するためのフックを有する指サック式IUD除去装置を図示する図である。
【
図10A】カップを挿入器具の遠位端部に移動させるための、吸引式IUD除去装置、およびツールを図示する図である。
【
図10B】カップを挿入器具の遠位端部に移動させるための、吸引式IUD除去装置、およびツールを図示する図である。
【
図10C】カップを挿入器具の遠位端部に移動させるための、吸引式IUD除去装置、およびツールを図示する図である。
【
図10D】カップを挿入器具の遠位端部に移動させるための、吸引式IUD除去装置、およびツールを図示する図である。
【
図10E】カップを挿入器具の遠位端部に移動させるための、吸引式IUD除去装置、およびツールを図示する図である。
【
図10F】カップを挿入器具の遠位端部に移動させるための、吸引式IUD除去装置、およびツールを図示する図である。
【
図10G】カップを挿入器具の遠位端部に移動させるための、吸引式IUD除去装置、およびツールを図示する図である。
【
図10H】カップを挿入器具の遠位端部に移動させるための、吸引式IUD除去装置、およびツールを図示する図である。
【
図10I】カップを挿入器具の遠位端部に移動させるための、吸引式IUD除去装置、およびツールを図示する図である。
【
図10J】カップを挿入器具の遠位端部に移動させるための、吸引式IUD除去装置、およびツールを図示する図である。
【
図11A】別の吸引式IUD除去装置を図示する図である。
【
図11B】別の吸引式IUD除去装置を図示する図である。
【
図12A】花弁形糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図12B】花弁形糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図12C】花弁形糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図12D】花弁形糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図12E】花弁形糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図13A】使用中の花弁形糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図13B】使用中の花弁形糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図13C】使用中の花弁形糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図13D】使用中の花弁形糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図13E】使用中の花弁形糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図14A】ブラシ型糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図14B】ブラシ型糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図15】代替的なブラシ型糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図16A】リング状糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図16B】リング状糸把持式IUD除去装置を図示する図である。
【
図17】IUD除去装置のためのキットを図示する図である。
【
図18】IUDを除去するための使い捨てキットを図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
[0066]本開示および図面を通じて、以下の印が使用されている。a 軸線、10 近位または近位位置、20 遠位または遠位位置。近位位置は、使用中のユーザに最も近い位置を表す。遠位位置は、使用中のユーザから最も遠い位置を表す。軸線は、周囲で動作が発生する軸線である。
【0049】
[0067]本明細書で開示する挿入装置および除去装置は、子宮頸部32と係合するように女性の膣34内に少なくとも部分的に入るようなサイズである。挿入装置の一部は、遠位端部がT字形IUDを子宮30に挿入できるようなサイズである。当業者には理解されるように、膣の実際の長さおよび幅には変動性があるが、女性の解剖学的構造は典型的にはサイズに整理することができ、女性の解剖学的構造に係合するツールもサイズに整理することができる。膣の平均深さ(開口部から子宮頸部の先端部までを測定した深さ)は約3.77インチ(9.6cm)であり、サイズ範囲は約3インチ~7インチ(7.6cm~17.7cm)であると報告されている。子宮頸部の長さは、典型的には約1インチ(約2cm~3cm)である。
【0050】
[0068]概して、本明細書で開示する自己挿入装置および自己除去装置は、長さ3.1インチ(80mm)~5.1インチ(130mm)、より好ましくは長さ3.5インチ(90mm)~4.7インチ(120mm)、さらにより好ましくは長さ4.1インチ(105mm)~4.2インチ(108mm)の範囲の全体寸法を有する。装置の遠位20の端部の全直径は、0.39インチ(10mm)~0.79インチ(20mm)、より好ましくは0.47インチ(12mm)~0.71インチ(18mm)、さらにより好ましくは0.59インチ(15mm)である。装置のハンドルは、装置の遠位(挿入)端部よりも大きい直径を有することができる。
【0051】
[0069]I.子宮内避妊具(IUD)
図1は、T字形IUD100を示す。IUDは、典型的には、IUDが完全展開位置にあるとき、約31.90mm~約32.22mmの長さおよび約31.81mm~約32.13mmの幅を有する。当業者によって理解されるように、長さは、IUDに付随し得る結び目または除去糸を含まない。
【0052】
[0070]T字形IUD100は、近位端部10および遠位端部20を有する細長い本体110を備える。細長い本体110は、時間放出製剤、ホルモン、または銅などのコーティングを含んでもよい。薬物送達T字形IUDは、典型的には、4つの構成要素、T字形IUDと、IUDの近位端部の除去糸と、薬物容器と、容器の中の薬物を時間放出することを可能にする薬物容器を囲む外膜とを有する。
【0053】
[0071]細長い本体110は、プラスチックまたは銅を含む任意の適切な材料から形成することができるが、これらに限定はされない。IUDの遠位端部20(すなわち、医師の手から離れた位置にある端部)において、IUDアーム120、122は、細長い本体110に取り付けられ、または細長い本体110と一体的に形成される。IUDアーム120、122は、IUDが子宮頸部を通って子宮に挿入するための挿入装置シースまたは管の内部に入ることができるように、IUD断面を最小限に抑えるために上方uまたは下方dに折り畳むように構成可能である。さらに、IUDアーム120、122のいずれかまたは両方は、例えば、湾曲した形、球形、または半球形の形状を有してもよい、拡大された先端部121、123または球根状先端部121、123を含むように構成可能である。IUDアームが上方uに折り畳まれ一緒に押されるときに、滑らかで丸みを帯びた遠位先端部を形成するように、IUDアーム120、122の球根状先端部121、123を形成してもよい。IUDは、アームの変形を回避するためにアームが折り畳まれた状態で輸送または保管されない。
【0054】
[0072]T字形IUD100の近位端部10で、IUDは、IUDに取り付けられた1つ以上のIUD糸130、132(または紐)をさらに含んでもよい。IUD糸130、132は、接続箇所140でIUDに接続可能であり、例えば、図示のように、両端部が開口部を通過し、結び目に結ばれた単一の糸である。接続箇所140は、紐が通過する開口部142を有してもよい。IUD糸は、接続箇所を通るループを形成するように構成してもよい。
【0055】
[0001]挿入装置は、
図1に示すIUDなどのT字形IUDに関して本明細書で大まかに説明するが、本開示の挿入装置は、当業者には理解されるように、他のIUD構成の挿入を容易にするように適合可能であることに留意されたい。さらに、挿入装置の操作およびIUD挿入処置は、所望のIUD位置に対応する任意の数のステップを含んでもよい。以下に説明する特徴に加えて、本開示の挿入装置は、様々な構成を有するIUDの挿入に好適であってもよいIUD位置制御特徴部を含む。
【0056】
[0002]IUD器具はまた、時間放出製剤、活性薬剤、またはホルモンを放出してもよい。T字形IUD100はまた、細長い部材の周りに適応され、例えばホルモンであるレボノルゲストレルを含む容器を備えたポリエチレンで製造された細長い部材を有する。活性薬剤を含む容器150は、薬物の放出速度を制御するポリマー膜で覆われている。活性薬剤はまた、例えば、更年期障害の治療に使用されるホルモンまたは避妊に使用されるホルモンを含んでもよい。IUDは、典型的には、挿入装置と共に無菌包装で提供される。容器150を囲み、容器の中のホルモンの時間放出を提供する膜(不図示)を設けてもよい。
【0057】
[0003]包装された状態で、T字形IUD100は、ホルモン含有容器が外側管を用いて保護された状態で挿入装置の前方端部に配置される。一方、横断方向部材のIUDアーム120、122は、外側管の外側にあることができ、使用前の輸送および保管中にアームのクリープまたは形状固定を防止する。IUD糸130、132は、除去中にT字形IUD100を引き込むことを可能にし、挿入装置の内部にあり、近位端部から延びる。
【0058】
[0004]
図2は、子宮30内に配置されたループ状IUD糸230を有するT字形IUD100を示す。当業者によって理解されるように、子宮30は、膣34内に位置する子宮頸部32を介してアクセスされる。T字形IUD100は、細長い本体110、IUDアーム120、122、および接続箇所142を含むという点で、
図1に示すIUDと同様である。しかしながら、この構成では、近位端部10(膣34内に配置された端部)でループを形成するループ状IUD糸230(または紐)が設けられる。ループ状IUD糸230の使用は、T字形IUD100のより容易な除去のためにIUD糸をつかまえることを可能にする機構を提供する。
【0059】
[0005]いくつかの構成では、IUD糸130、132またはループ状IUD糸230は、除去プロセスを補助するために、間隔を置いてその長さに沿って一連の結び目160またはビーズ(不図示)を有してもよい。1つ以上の結び目160は、IUD糸の各々をIUD糸の長さに沿って個別の結び目に結び付けることによって形成してもよい。ビーズが使用される場合、小さなビーズは、IUD糸の長さに沿ってIUD糸の各々に取り付けられてもよく、または組み込まれてもよい。結び目またはビーズは、子宮頸部の外側に配置されるIUD糸の長さに沿った位置で、IUD糸の長さに沿って配置される。ループ状IUD糸230の場合、子宮頸部32の外側、および膣34内に位置するループ状IUD糸230の長さに沿って、結び目またはビーズを設けてもよい。
【0060】
[0006]II.挿入装置
図3および
図4A~
図4Gは、自己挿入装置300を図示する。
図3では、アーム120、122が開いた(広がった)状態で装置300の遠位端部の内側にあるT字形IUD100が設けられている(不図示)。
図4A~
図4Gは、挿入プロセス中の様々な段階における自己挿入装置300、および装置の断面を図示する。自己挿入装置の動作に関する追加の情報は、以下、方法のセクションIVで説明する。
【0061】
[0007]自己挿入装置300は、ハンドル310を有する。ハンドル310はスライダ312を有する。スライダ312は、図示のようにユーザが動かすことができるインタフェースを有するように、ハンドルの外側に2つの別個のインタフェースを有する両側制御スライダ312、314であってもよく、または片側制御スライダであってもよい。2つの別個のインタフェースのいずれかは、スライダのどちら側で装置の動きが引き起こされるかにかかわらず、スライダが単一のユニットとして移動するようにスライダ312の動きを制御することができる。
【0062】
[0008]スライダ312は、自己挿入装置300からのT字形IUD100の展開を制御する。スライダ312が両側インタフェースを有する場合、スライダ312は、図示のようにユーザの指(例えば、親指)を受けるように成形できる、ハンドル310の両側に配置されたインタフェースを有する。両側インタフェースにより、ユーザは、同じスライダ312の動きを達成しながら、第1の表面313または第2の表面313’のいずれかからスライダ312を押すことができ、右利きまたは左利きのユーザが自己挿入装置300を容易に使用することができる。当業者には理解されるように、スライダ312は、本開示の範囲から逸脱することなく、ハンドル310上の他の位置に配置することができる。スライダ312はまた、ハンドル310上に配置されたチャンネル530内でハンドル310の長さに沿って(すなわち、軸線aに沿って)、近位10方向および遠位20方向に移動するように構成可能である。スライダ312が両側のものである場合、スライダ312のインタフェースの各々は、インタフェース自体のチャンネル530を有した。
【0063】
[0009]ハンドル310は、図示のように、湾曲した外面316、またはエンドユーザによる使い勝手を向上させるのに有用な任意の他の表面構成を有してもよい。例えば、フィンガーグリップに対応する複数の曲面を外面に設けてもよい。ハンドル310は、中空シャフト320と連通する。中空シャフト320は、T字形IUD100の送達中に使用するための挿入管として機能する。取り外し可能な保護キャップ360を設けてもよい。保護キャップ360は、保護キャップ360を容易に取り外すことを可能にするタブ362を遠位端部に有してもよい。保護キャップ360はまた、輸送前に自己挿入装置300の先端部を密封し得るポリエチレンから作ったポリバッグであってもよい。タブ362を、密封プロセス中に形成して、その後、ユーザが把持することで、展開前に装置からポリバッグを取り外すことができる。
【0064】
[0010]自己挿入装置300への電力は、1つ以上のバッテリを提供することを含む任意の適切な機構によって提供してもよいが、これらに限定されない。自己挿入装置300が内部電源から電力供給される場合、バッテリ(不図示)を保持するように構成されたバッテリ区画370などの区画をハンドル310に設けてもよい。
【0065】
[0011]近位10方向に引かれ、遠位20方向に押されるように構成可能な近位つまみ330を設けてもよい。近位つまみ330は、近位端部で第1の棒334および第2の棒336と係合する。第1の棒334および第2の棒336は、遠位端部で可視化ツールアームと係合する。近位つまみ330の近位方向および遠位方向への動きは、装置の遠位20の端部において可視化ツールアーム340の開閉をもたらす。ヒンジ348を設けてもよく、ヒンジ348により、可視化ツールアームは、中心軸線aから離れるように(開きながら)広がること、または枢動することができ、近位つまみ330の動きに応じて中心軸線aに向かって(閉じながら)引っ込むことができる。
【0066】
[0012]第1の棒334および第2の棒336の、近位つまみ330を介した近位方向の動きはまた、例えば光源およびカメラに電力を供給する電気回路を完成させる。逆に、近位つまみ330を介した第1の棒334および第2の棒336の遠位方向の動きは、例えば光源およびカメラをオフにする電気回路を開く。
【0067】
[0013]第1の棒334および第2の棒336は、ハンドル310および中空シャフト320の内部を通過し、可視化ツールアーム340と係合する。第1の棒および第2の棒は、近位方向および遠位方向の自由な動きを可能にするように、すなわち、スライダが両側インタフェースを有するときに装置を二分し得るスライダから離れるように、装置の内部ハンドルを通過する。
【0068】
[0014]可視化ツール340は、中空シャフト320の遠位端部20を越えて押されると、
図5Bに示すような、2つ以上の可視化ツールアーム342、344が(例えば、互いに隣接する)閉じた構成にある構成から、
図5Aに示すような、可視化ツールアーム342、344が軸線aから離れるように広がる開いた構成に変化する。軸線aを、長手方向の軸線に沿って装置を二分するように図示している。
【0069】
[0015]ピストン棒の側面に1つ以上の歯338を形成する複数の角度付きカットを用いて構成してもよいピストン棒を設けてもよい。1つ以上の歯338は、ピストン棒の長さの一部に沿って、湾曲した凹部339内に配置される。歯338は、ハンドル310の内面から突出するロックラチェット部材318と係合する。自己挿入装置300は、以下の方法セクションで説明するように、スライダ312が遠位側に移動したときに、ロックラチェット部材318と歯338とが直ちに係合しないようにさらに構成可能である。スライダ312が遠位側に移動すると、歯338は、ラチェット機構が係合されるとピストン棒が近位側に移動するのを防止し、移動を防止することによってIUDが内側管350から展開することを可能にする。
【0070】
[0016]2つ以上の可視化ツールアーム342、344が軸線aから離れるように広がると、可視化ツールアーム342、344の遠位20の端部に配置された可視化ツールを作動させることができる。ツールの作動は、電気スイッチが係合されるときに行われる。前述のように、電気スイッチは、近位つまみ330の動きに自動的または半自動的に係合するように構成してもよい。ツールは、例えば、ライト、ミラーおよびカメラから選択される。本開示の範囲から逸脱することなく、電力を供給するための他のツールまたは機構を必要に応じて組み込むことができる。さらに、必要に応じて、各可視化アームに2つ以上のツールを設けてもよい。可視化ツールアーム342、344の各々は、湾曲した外面を有してもよい。凹部346が、ツールアームの遠位開口部345に設けられている。遠位開口部345および凹部346は、IUDのIUDアーム120、122が輸送中および展開前に自己挿入装置300の外側に位置することを可能にする。この位置により、挿入後の所望のT字形状をIUDが失うことが防止される。
【0071】
[0017]前述のように、電源は、ハンドル310に配置され、動作に電力を必要とする任意の可視化ツール、例えば、ライトおよびカメラと連通する。
【0072】
[0018]ラチェット機構が係合した(歯338がロックラチェット部材318に係合した)後で完了前に処置を停止するために、ユーザはつまみを遠位方向に引いてツールアームを閉じ、その後装置を除去する。
【0073】
[0019]
図4F~
図4Gは、異なる角度における自己挿入装置300の断面を図示する。
【0074】
[0020]ここで
図5A~
図5Bを参照すると、可視化ツール340が開いた構成にある自己挿入装置300を斜視図で図示している。図示のように、可視化ツール340は、中心軸線aから離れるように広がる2つ以上のアームを有する。可視化ツール340の第1の可視化アーム342は、アームの内面にカメラ510を含むように構成され、第2の可視化アーム344は、光源520を含むように構成されている。ツール(例えば、カメラおよびライト)は、例えば、可視化アームの内面の傾斜した凹部内で、第1の可視化アーム342および第2の可視化アーム344の内面に対してある角度で配置してもよい。ツールの角度を付けた取り付けは、可視化アームが中心軸線aから離れるように広がるときに、ツールが関心領域(例えば、特許の子宮頸部)に面することになる。ツールが子宮頸部32の意図された可視化対象を指すように向けられた状態で、観察者は装置の動作を観察することができる。第1の可視化アームおよび第2の可視化アームが一緒に、すなわち中心軸線aの方に引かれると、可視化ツールを保持する可視化アームの内面は、
図5Bに示すように互いに面する。
【0075】
[0021]ハンドル310には、チャンネル530が設けられ、スライダ312がチャンネル530内で近位10方向および遠位20方向に移動することを可能にする。スライダ312が両側インタフェースを有する場合、図示していない第2のチャンネルがハンドル310に設けられる。第2のチャンネルは、スライダ312がチャンネル530内を移動すると同時に、チャンネルの第2のインタフェースが近位10方向および遠位20方向に移動することを可能にするように配置される。
【0076】
[0022]当業者には理解されるように、カメラ510はWiFi対応カメラであってもよい。プロセッサ512または他の制御部を設けて、カメラ510と通信し、カメラを制御してもよい。バッテリまたは他の適切な電源を設けて、光源520およびカメラ510に電力を供給してもよい。
【0077】
[0023]
図6は、ガイドワイヤ式IUD挿入装置600を図示する。ガイドワイヤ式IUD挿入装置600は、挿入管610およびガイドワイヤ620を有する。ガイドワイヤ620は、子宮頸部32にアクセスするために使用される。
【0078】
[0024]
図7A~
図7Cは、回転式IUD挿入装置700を図示する。回転式IUD挿入装置700は、ねじ付きシリコーン管710およびガイドコーン720を有する。ガイドコーン720は、ねじ付き内側管722を有する。
【0079】
[0025]III.除去装置
図8A~
図8Bは、子宮30内に配置されたT字形IUD100を図示し、IUD糸130、132は膣34内に配置されている。手袋810とともに手40を示している。手袋810は、手袋810の指42部分のうちの1つ以上に生物学的に安全な指コーティング812を有する。
図8Aでは、IUDを除去するためにT字形IUD100のIUD糸130、132を把持することによってT字形IUD100を除去する際の手袋810を示している。手袋810は、例えばIUD糸130、132を引き付けるコーティングまたは指カバーを有してもよい。
図8Bは、手袋810、および手袋810の指部分上の生物学的に安全な指コーティング812をつけた手40を図示する。手袋は、様々な手のサイズに適合するサイズである。サイズは、典型的には、指の下の手のひらの幅を測定することによって決定され、ほとんどの手袋は、2インチ(50mm)~5.5インチ(140mm)の手幅に適合し、サイズは2XS~3XLである。
【0080】
[0026]手袋およびコーティングは、任意の適切な材料のものであってもよい。手袋は、例えば、ゴム、DuPont社のNeoprene(商標)(ポリクロロプレン)、ニトリル、またはラテックスから作ってもよい。コーティングは、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ニトリル、発泡ニトリル、またはラテックスから作ってもよい。
【0081】
[0027]ここで
図9A~
図9Cを参照すると、ループ状IUD糸を把持するためのフック910を備えた指サック式IUD除去装置900を図示している。手40の指42を、指サック式IUD除去装置900とともに図示している。
図9Aは、遠位先端部に角度が急な曲線を有するフック912を有する指サック式IUD除去装置900を図示する。
図9Bは、より控えめなフック910、例えば、より緩やかな曲線を有するフックを有する指サック式IUD除去装置900を図示する。IUDが挿入された患者、または協力者は、指42の先端部に指サック式IUD除去装置900をつけ、指42を膣34内に突っ込んでもよい。どちらの形態のフックも、ユーザによって使用され、ループ状IUD糸を捕捉することができる。
図9Cに示すように、ループ状IUD糸930が指サック式IUD除去装置900によって引っ掛けられると、ユーザはループ状IUD糸930を引いて(近位方向に引いて)、子宮内から(子宮頸部および膣を通して、体外に)T字形IUD100を取り出す。指サック式IUD除去装置900のサイズは、様々な指先サイズに適合するサイズである。サイズには、例えば、1.8インチ(46mm)~2.75インチ(70mm)の、典型的には、示指、すなわち親指の隣にある人差し指の指先周囲の長さが含まれ、SからXLまでのサイズである。指サックは、例えば、シリコーン、ゴム、またはNeoprene(商標)を含む任意の適切な材料で作ってもよい。
【0082】
[0028]
図10A~
図10Jは、IUD除去装置1000およびツールを図示する。IUD除去装置1000は、丸みを帯び、内部空洞部1014、外壁1016、およびリップ部1012を有するカップ1010を有する。カップ1010はまた、展開中に除去装置送達ツール1050の内部に入るように折り畳み可能である。除去装置送達ツール1050の挿入管1052の内部にカップ1010を配置することを容易にするために使用される追加の三つ又ツール1090を提供してもよい(
図10Jに図示)。除去装置送達ツール1050内に入るようにカップ1010を折り畳むときに、三つ又ツール1090を、リブ部1054の代わりに、またはリブ部1054に加えて使用してもよい。使用中、カップ1010は、カップ1010が近位側に引かれるときに一般的な吸引力を加える。この吸引は、IUDの排出を促すものである。IUDを完全に排出するために、吸引を複数回加えることが必要となる場合がある。
【0083】
[0029]ユーザが動かせる近位10端部と、IUD除去装置1000のカップ1010と係合する遠位20端部とを有する押し棒1060が設けられている。挿入管1052の内面には、リブ部1054が設けられている。リブ部1054は、カップ1010が挿入管1052の中心開口部内に引き込まれると、カップ1010の内面と係合する。カップ1010が近位方向に移動するときにリブ部1054がカップ1010と係合すると、カップをカップ自体の上で曲げ、周縁部を下げ、折り畳まれた(または曲げられた)カップ1010が挿入管1052の中心開口部内に入ることを可能にする圧力が加えられる。輸送中、カップ1010は挿入管1052の外側に留まり、カップ1010が変形、または最適な形状を失ったりすることを防止する。減圧解除棒1070が設けられていて、減圧解除棒1070は、処置が不快になった場合、または患者がIUDを除去する前に処置を終了したい場合に、ユーザがカップ1010上の減圧を解除することを可能にする。減圧解除棒1070は、カップ1010の内部に係合するように遠位方向にユーザが移動させることができる。減圧解除棒1070がカップ1010に圧力を加えると、カップ1010の形状が変化(変形)し、この変化によって、カップ1010はカップ1010と子宮頸部32または膣壁との間の減圧を失う。
【0084】
[0030]近位接続部1030が設けられ、近位接続部1030により、使用中にカップ1010が除去ツール1050と係合することが可能になる。近位接続部1030は、挿入管1052の内部に入る。IUD除去装置1000の開口部1020は、子宮頸部32の外側隣接して、または膣管内に配置されるように構成可能である。IUD糸130、132(またはループ状IUD糸)は、子宮頸部32に隣接して配置されたときにIUD除去装置1000の開口部1020内に収まり(
図10E~
図10Gに図示)、子宮30内からT字形IUD100を除去するために圧力が加えられる。
【0085】
[0031]除去装置送達ツール1050は、IUD除去装置1000を内部に受け入れる中心開口部1056が通る中空の細長い挿入管1052を有する。押し棒1060は、中空の細長い挿入管1052の中心開口部を通過し、押し棒1060の遠位端部は、IUD除去装置1000の近位端部と係合する。本開示の範囲から逸脱することなく、押し棒1060の遠位端部とIUD除去装置1000との係合のための任意の適切な機構を使用することができる。適切な機構には、雄-雌接続、スナップ接続、ねじ接続、およびロック-キー接続が含まれる。押し棒1060の遠位端部とIUD除去装置1000との係合のための機構は、ピストン棒1060の端部が除去プロセス中にのみIUD除去装置1000と係合するように、取り外し可能な接続部であってもよい。
【0086】
[0032]カップのサイズは、例えば、約1.6インチ(40mm)~約1.8インチ(45mm)の直径、約1.6インチ(40mm)~約2.0インチ(50mm)のカップの長さ、約0.8インチ(20mm)~約1.2インチ(30mm)の近位接続部1030の長さの範囲である。
【0087】
[0033]カップが自己除去装置内に配置されたときの、カップを有する自己除去装置の全長は、約100mm~約150mmである。
【0088】
[0034]
図11A~
図11Bは、別の吸引カップ式IUD除去装置1100を図示する。
図11A~
図11Bに示すように、カップ1110は、ハンドル1120の遠位端部20に配置される。当業者には理解されるように、ハンドルの形態因子は、本開示の範囲から逸脱することなく様々な構成とすることができる。
【0089】
[0035]
図12A~
図12Eは、花弁形糸把持式IUD除去装置1200を図示する。花弁形糸把持式IUD除去装置1200は、開口部1212が通る細長い除去管1210を有する。細長いシャフト1260には、遠位端部20に配置された2つ以上の花弁部1220、1222が設けられている。細長いシャフト1260は、近位端部にユーザインタフェース1266を有し、細長い除去管1210の開口部1212を通過するように構成されている。使用中、細長い除去管1210の遠位端部20は、膣34内に押し込まれる。細長い除去管1210が膣内に配置されると、2つ以上の花弁部1220、1222を遠位側に広げることができる。2つ以上の花弁部1220、1222は、IUD糸130、132(またはループ状IUD糸)に対して結合性を有するように構成可能である。例えば、花弁部は、糸を引き付ける材料で作ってもよい。2つ以上の花弁部1220、1222がIUD糸130、132に密着し、管ハンドル(不図示)の制御(不図示)を介して、IUD糸130、132を細長い除去管1210内にロックする。その後、患者または患者の協力者は、花弁形糸把持式IUD除去装置1200を近位方向に引くことによって、T字形IUD100を除去する。ロック制御部は、スライダ、ボタン、レバー、および引かれ、押され、またはねじられ得るつまみなどのうちの1つ以上から構成され得る。
【0090】
[0036]2つ以上の花弁部1220、1222はまた、例えばカメラ、ライトなどの1つ以上のツールを有するように構成してもよい。
【0091】
[0037]2つ以上の花弁部1220、1222は、内向き表面に1つ以上の隆起部を有してもよい。第1の花弁部上の1つ以上の隆起部を、第2の花弁部上の1つ以上の隆起部からオフセットしてもよく、その結果、2つの花弁部が中心軸線に向かって動かされるときに、第1の花弁部上の隆起部が第2の花弁部上の隆起部と係合せず、2つの花弁部が互いに近づけられたときに、一方の花弁部からの隆起部が他方の花弁部上の隆起部に隣接する。隆起部はまた、花弁部の材料とは異なる材料で作り、使用中に花弁部上に配置されたライトまたはカメラと干渉しない透明表面を提供してもよい。ツールの配置および動作は、自己挿入装置に関して前述のものと同様である。
【0092】
[0038]
図13A~
図13Eは、糸が係合された後に患者または協力者が処置を停止したい場合の安全解放機構を図示する。
【0093】
[0039]
図14A~
図14Bは、ブラシ型糸把持式IUD除去装置1400を図示する。ブラシ型糸把持式IUD除去装置1400は、開口部1412が通る細長い除去管1410を有する。遠位端部20には、除去先端部1420が設けられている。除去先端部1420は、除去先端部1420から側方または実質的に側方に延びる複数の剛毛1422を有する。ブラシ型糸把持式IUD除去装置1400が膣34内に挿入されると、ブラシ型糸把持式IUD除去装置1400は、軸線aを中心に回転して、IUD糸130、132をつかまえてもよい。IUD糸130、132がブラシ型糸把持式IUD除去装置1400の周りにつかまえられると、ブラシ型糸把持式IUD除去装置1400は、近位方向に引くことによって膣34から引き抜いてもよい。
【0094】
[0040]
図15は、代替的な糸把持式IUD除去装置1500を図示する。糸把持式IUD除去装置1500は、開口部1512が通る細長い除去管1510を有する。遠位端部20には、除去先端部1520が設けられている。除去先端部1520は、除去先端部1520から延びる複数のループ1522を有する。糸把持式IUD除去装置1500が膣34内に挿入されると、糸把持式IUD除去装置1500は、軸線aを中心に回転してIUD糸130、132をつかまえてもよい。IUD糸130、132が糸把持式IUD除去装置1500の周りにつかまえられると、糸把持式IUD除去装置1500は、近位方向に引くことによって膣34から引き抜いてもよい。
【0095】
[0041]複数のループ1522は、押され、または引かれたときに、開いてもよく、または引き込んでもよい。ループ1522は、可撓性プラスチック材料、薄い金属ワイヤ、または高いショア硬度のシリコーンで作ってもよい。ボタン1530または他の適切な制御機構を設けてもよく、ボタンまたは他の適切な制御機構は、押されると、例えば、糸把持式IUD除去装置1500の遠位端部を引き込むことによって装置の動作を制御する。理解されるように、本開示の範囲から逸脱することなく、他の除去作動インタフェースを使用することができる。例えば、つまみ1540を回転させて遠位端部を回転させ、IUD糸130、132をつかまえてもよい。
【0096】
[0042]
図16A~
図16Bは、リング状糸把持式IUD除去装置1600を図示する。リング状糸把持式IUD除去装置1600は、開口部1612が通る細長い除去管1610を有する。リング状除去先端部1620が遠位端部20に設けられている。リング状除去先端部1620は、IUD糸130、132に対して結合性を有する。IUD糸130、132が所定の位置に配置されると、リング状除去先端部1620のループ1622がIUD糸130、132の周りに締め付けられる。その後、リング状糸把持式IUD除去装置1600を近位方向10に引いてIUDを除去することができる。リング状糸把持式IUD除去装置1600は、ループ状IUD糸と共に使用してもよい。
【0097】
[0043]IV.方法
A.自己挿入装置
ユーザまたはユーザの協力者は、アプリケーション(「アプリ」)をダウンロードしてインストールする。通常、アプリはモバイル装置またはタブレットコンピュータにダウンロードされる。バッテリが取り付けられた状態で自己挿入装置300が輸送されていない場合、または外部電源が利用できない場合、バッテリ区画370にバッテリを挿入してもよい。
【0098】
[0044]自己挿入装置300、T字形IUD100、および任意の付属品は、輸送前に無菌包装で提供してもよい。さらに、T字形IUD100の周りに無菌包装を設けてもよい。
【0099】
[0045]ユーザが近位つまみ330を引く(近位10方向に引く)と、その後、
図4Aに示すように、自己挿入装置300の挿入端部(遠位20)が開き、形状の長期変形を回避するために自己挿入装置300の外側に格納されていたT字形IUD100を、自己挿入装置300の中空シャフト320内に装填し得る。ユーザまたはユーザの協力者は、T字形IUD100のIUD糸130、132を引いて、T字形IUD100を自己挿入装置300の遠位先端部に均等に装填する。この時点で、正しく装填されている場合、T字形IUD100は自己挿入装置300の外側に見えてはならない。T字形IUD100が正しく装填された後、ユーザまたはユーザの協力者は保護キャップ360を取り外して廃棄してもよい。
【0100】
[0046]電力が利用可能になると、ユーザまたはユーザの協力者は、LED光源などの光源をテストし、ダウンロードされたアプリケーションを使用してカメラが適切に動作することを確認する。押し棒332は、IUDが装置内に装填されたときに、T字形IUD100を適切に配置するためのハードストップとしての機能を果たす。ピストン棒は中空シャフト320内で浮いており、すなわち、ピストン棒はいかなる他の構成要素にも物理的に取り付けられていない。ピストン棒は、最初にスライダ312によって拘束される。
【0101】
[0047]T字形IUD100を装填した後、自己挿入装置300は、
図4Bに示すように、子宮頸部32に到達し、ユーザがもはや自己挿入装置300を前進させることができなくなるまで、膣34に挿入される。その後、ユーザまたは協力者は、つまみ330を近位方向に引くことによって、快適である限りにおいて、自己挿入装置の先端部を開く。近位方向へのつまみ330の動きが、可視化ツールアームを軸線aから離れるように広げ、電源からツールに電力を供給する回路を閉じるので、ツールに電力が供給される。
【0102】
[0048]この時点で、ユーザまたは協力者は、子宮頸部32を可視化するように試みなくてはならない。子宮頸部32への開口部が認められると、スライダ312をチャンネル内の近位位置から遠位位置に前進させて、ピストン棒を前進させる。クリック音は、ユーザまたは協力者が認識可能でなければならない。クリック音は、自己挿入装置300内のピストン棒の歯338と係合するロックラチェット部材318に関連付けられる。ピストン棒および挿入管350は、スライダ314が遠位側に移動すると一緒に移動する。挿入管350は、快適である限りにおいて、前進させられる。その後、ユーザまたは協力者は、スライダ312を近位方向に移動させて開始位置に戻す。
【0103】
[0049]ラチェット機構は、押し棒が近位側に移動するのを防止し、挿入管350はピストン棒から独立して移動してもよい。
【0104】
[0050]自己挿入装置300の先端部は、閉じることができる。近位つまみ330を、近位つまみ330の開始位置まで遠位側に移動して先端部を閉じ、2つの可視化アームを互いに近づける。その後、自己挿入装置300は、身体からゆっくりと除去される。IUD糸130、132は、身体の外側に見えなくてはならない。例えば、IUD糸によって形成されたループを通して除去糸をループさせることによって、IUD糸と係合する追加の除去糸を設けてもよい。その後、一方の緩んだ端部をゆっくり引くことによって、除去糸を除去してもよい。
【0105】
[0051]別の使用構成では、患者または協力者は、ガイドワイヤ620が挿入位置に達するまで、柔らかい先端部を有する小さい直径のガイドワイヤ620を挿入する。ユーザは、抵抗が検出されるまで装置を前進させる。穿孔を回避するのを助けるために、例えば10cmに達したときを示す印または物理的特徴部のいずれかをガイドワイヤに設けてもよい。印を設けて、穿孔を防止するためにガイドワイヤの前進を停止するようにユーザに警告してもよい。同様の警告マークまたは特徴部を管にも設けてもよい。適切な深さに達すると、女性(または協力者)は、T字形IUD(
図1に示すT字形IUD100など)を含む挿入管610を、ガイドワイヤ620に沿って子宮頸部に挿入する。T字形IUD100は、子宮頸部32内で挿入管610から解放され、その後挿入構成要素が除去される。
【0106】
[0052]挿入プロセスの前に、患者または協力者は、印を有する測定装置を、子宮頸部に触れるまで膣管に挿入し、その後測定装置が膣管の開口部にある場所の測定値を確認することによって、膣の深さを測定してもよい。測定装置は、小さな半径を有する柔軟な管状部材であってもよい。測定装置は、膣の深さを超える、例えば7インチ(17.7cm)を超えるサイズである。この測定値は、使用中の自己挿入装置の正しい配置を決定するために使用してもよい。
【0107】
[0053]回転式IUD挿入装置700の回転のために、挿入装置は、挿入方向(例えば、遠位方向)に軸線aを中心に回転されるのに対して、子宮頸部32を通って通過するためには直線力が使用される。回転式IUD挿入装置700を前進させるために回転を使用することは、穿孔の危険性を低減する。
【0108】
[0054]B.自己除去装置
図8の装置を使用して、IUDが挿入された患者、もしくは協力者、または地域の医療推進者は、包装から手袋を取り出し、手袋をつけて、膣34の内側に突っ込みIUD糸を引く。手袋は、IUD糸にくっつき、かつ/またはIUD糸を引き付ける1つ以上の指先領域に粘着性または粘り気のあるコーティングを有してもよい。
【0109】
[0055]
図9の装置を使用して、IUDが挿入された患者、もしくは協力者、または地域の医療推進者が、指サック式IUD除去装置900を包装から取り出し、指サック式IUD除去装置900を指42(例えば、人差し指)上につけて、膣34の内側に突っ込む。ユーザは、T字形IUD100の糸を指サック式IUD除去装置900のフック910に係合させて糸を係合させ、その後、IUD糸を引きながら膣34から指を離して、T字形IUD100を子宮30から除去する。
【0110】
[0056]
図10~
図11のIUD除去装置を使用して、T字形IUD100が挿入された患者または患者の協力者は、除去装置送達ツール1050(例えば、
図10C~
図10Dおよび
図11A~
図11Bに図示)を使用してIUD除去装置1000を膣34に挿入する。挿入プロセス中、カップ1010は折り畳まれ、除去ツール1050の遠位端部内に収容してもよい(
図10Dに図示)。除去装置送達ツール1050が膣34内に通過すると、カップ1010を除去ツール1050の外側に前進させてもよい。除去装置送達ツール1050の遠位端部を越えてカップ1010を前進させると、カップ1010は、折り畳まれた構成から折り畳まれていない構成に変化し(例えば、開く)、カップ1010が子宮頸部32の一部を取り囲み、または子宮頸部32からわずかに離れて膣管内に配置され得るように配置される。カップ1010と子宮頸部32または膣壁との間に吸引力が生み出される。カップ1010を近位方向に引くことにより、IUDの子宮からの排出を促進する吸引力が生み出される。患者または協力者が吸引力を生み出した後に処置を停止したい場合、押し棒1060を遠位側に前進させてカップ1010を外面と係合させてもよい。そうすると、押し棒1060によって加えられる圧力は、カップ1010と患者の解剖学的構造との間のあらゆる吸引力を解消する。
【0111】
[0057]包装が取り外される場合に
図12~
図13の装置を使用して、花弁形糸把持除去装置1200を膣管内に前進させる。花弁形糸把持除去装置1200が子宮頸部32に近づくと、花弁部1220は開かれ、その後IUDの糸に触れた状態で閉じられる。IUD糸が花弁部1222内に配置されると、花弁形糸把持除去装置1200が近位側に引かれ、これによりIUDが引き抜かれるはずである。花弁形糸把持除去装置1200の挿入前に、ユーザまたは協力者は、膣管の深さを測定して、花弁形糸把持除去装置1200をどれだけ前進させるべきかを評価してもよい。さらに、花弁部1222にツールを設けてもよく、ツールは、花弁部1222が開かれたときに作動して、除去装置およびIUD糸の配置を視覚的に確認することを提供する。
【0112】
[0058]
図14A~
図14Bのブラシ型糸把持式IUD除去装置1400の使用に目を向けると、膣管の深さを測定し、その後ブラシ型糸把持式IUD除去装置1400を挿入してもよい。挿入されると、ユーザは、ブラシ型糸把持式IUD除去装置1400をねじってIUD糸をつかまえ、その後、ブラシ型糸把持式IUD除去装置1400を近位方向に引いてIUDを除去する。
【0113】
[0059]
図15の糸把持式IUD除去装置1500の使用に目を向けると、膣管の深さを測定し、その後、糸把持式IUD除去装置1500を挿入してもよい。挿入されると、ユーザは、糸把持式IUD除去装置1500をねじってIUD糸をつかまえ、その後、近位方向に糸把持式IUD除去装置1500を引いてIUDを除去する。
【0114】
[0060]
図16A~
図16Bのリング状糸把持式IUD除去装置1600の使用に目を向けると、膣管の深さを測定し、その後、リング状糸把持式IUD除去装置1600を挿入してもよい。挿入されると、ユーザは、リング状糸把持式IUD除去装置1600のリングを締めてIUD糸をつかまえ、その後、リング状糸把持式IUD除去装置1600を近位方向に引いてIUDを除去する。
【0115】
[0061]V.キット
図17は、上で開示したIUD挿入装置およびIUD除去装置のためのキット1700を図示する。挿入装置または除去装置に加えて、キットは、反射面またはカメラ1710を含む。反射面またはカメラは、ツールを含まない挿入装置または除去装置の構成に特に有用であり得る。
【0116】
[0062]自発光式コーンアセンブリ1720が提供される。鉗子1730および鉗子ガイド1732を設けてもよい。自発光式コーンアセンブリ1720は、無影光源を提供し、膣34へのアクセスを可能にする自立型羊水鏡と類似していてもよい。鉗子1730は、90度の屈曲を有し、自発光式コーンアセンブリ1720の鉗子ガイド1722を通過して子宮頸部32にアクセスする。鉗子1730はIUD糸を把持する。自発光式コーンアセンブリ1720に取り付けられた、ミラーまたは電話取付部などの反射面1710は、除去処置中に視覚フィードバックを提供する。膣管の深さを決定するのを補助するために、膣管測定装置を設けてもよい。患者(または協力者)が除去したIUDの写真をアップロードして、除去が成功したことのデジタル確認を提供することを可能にするソフトウェアアプリケーション(「アプリ」)をモバイル装置に提供してもよい。
【0117】
[0063]
図18は、IUDを除去するための別のキット1800を図示する。使い捨てキット1800は、鉗子端部1812が綿で覆われた鉗子1810を有する。位置決めフック1822を有する可視化コーン1820を含んでもよい。可視化コーン1820を挿入すると、ユーザは人間工学的な指保持部(位置決めフック1822)を使用して可視化コーンを定位置に保持する。その後、協力者は鉗子1810を用いて膣に突っ込んでもよい。鉗子端部1812は綿で覆われ、容易にIUD紐を把持する。協力者は、鉗子1810で紐を固定し、近位方向に引いてIUDを除去する。
【0118】
[0064]
図19は、自己除去確認カード1900を図示する。自己除去確認カードは、複数の可能なIUD形状およびサイズの画像1910、1912、1914(32mm×32mm 1910、32mm×36mm 1912、および28mm×30mm 1914のサイズのT字形IUDとして図示)を含んでもよい。画像は、IUDの形状および/またはサイズの任意の組み合わせで異なっていてもよい。IUDを除去すると、ユーザはIUDを確認カードに置く。除去されたIUDが確認カード上に提供された画像の1つと完全に重なると、IUDの完全な除去を確認することが達成される。
【0119】
[0065]前述のように、IUDを挿入または除去するためのキットの一部としてアプリを提供してもよい。アプリは、医療提供者への接続、および処置に関連する1つ以上の画像を安全にアップロードするためのプロセスを含んでもよい。アプリは、典型的には、カメラ機能を有するモバイル装置にインストールされる。
【0120】
[0066]除去のために、患者(または協力者)が、除去されたIUDの写真をアップロードして、IUDが適切で完全に除去されたことを確認するために医療提供者が点検してもよい。必要または要求に応じて追加の画像が提供されてもよい。
【0121】
[0067]挿入のために、ユーザ(または協力者)は、挿入プロセス中に1つ以上の画像を撮影し、それらの画像を安全なアプリケーションに読み込んで、遠隔医療提供者が挿入プロセスに明らかな問題点があるか否かを判定できるようにしてもよい。
【0122】
[0068]当業者には理解されるように、開示した主題の態様によるアプリケーションおよび方法は、動作のために様々なコンピュータおよびコンピュータシステム、通信装置、ネットワーク、および/またはデジタル装置/論理装置を利用してもよい。その後、これらの各々は、いくつかの記憶装置を伴って製造、いくつかの記憶装置を搭載、および/またはいくつかの記憶装置から取得してもよい適切なコンピュータ装置を利用し、その後、コンピュータ装置に開示した主題の態様による方法を実行させる命令を実行するように構成可能であってもよい。
【0123】
[0069]コンピュータ装置は、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(「PDA」)などモバイルユーザ装置、およびiPhone(登録商標)、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、スマートウォッチなどを含んでもよいが、これらに限定されない。少なくともいくつかの構成では、ユーザは、インターネットなどのネットワークを介してブラウザアプリケーションを実行して、画面ディスプレイなどの医療提供者が提供するデジタルコンテンツを表示して対話してもよい。ディスプレイは、例えば、コンピュータ装置からのデータを視覚的に提示することを可能にするインタフェースを含む。アクセスは、他の形態の、コンピュータおよび/または通信ネットワークを介してまたは部分的に介して行うものであってもよい。ユーザはウェブブラウザにアクセスして、例えば、ウェブサイト、またはウェブサイトのウェブページにあるアプリケーション、データ、および他のコンテンツへのアクセスを提供してもよい。
【0124】
[0070]適切なコンピュータ装置は、論理演算および他の演算処理を実行するためのプロセッサ、例えばスタンドアロンの中央処理装置(「CPU」)、またはマイクロコントローラにおけるようなハードワイヤードの論理回路、または両方の組み合わせを含んでもよく、これらのオペレーティングシステムに応じて命令を実行し、命令は方法のステップ、またはプロセスの要素を実行する命令である。ユーザのコンピュータ装置は、コンピュータ装置のネットワークの一部であってもよく、開示した主題の方法は、ネットワークに関連付けられた異なるコンピュータ装置が、場合によっては異なる物理的位置で、協働し、または他の方法で対話して実行し、開示した方法を実行してもよい。例えば、ユーザのポータブルコンピュータ装置は、単独でアプリケーションを実行してもよく、またはインターネット上もしくはイントラネット上のサーバなどのリモートコンピュータ装置と連携して実行してもよい。本出願の目的のために、「コンピュータ装置」という用語は、前述の論理回路、通信装置、およびデジタル処理能力のいずれかおよびすべて、またはこれらの組み合わせを含む。
【0125】
[0071]開示した主題の特定の実施形態は、例示を目的として、ソフトウェアを実行するコンピュータ装置上で実行されてもよい方法のステップとして説明し、単なる例として、プロセスフローのブロック図として示してもよい。これは、ソフトウェアフローチャートと考えることもできる。実行される方法またはコンピュータ装置の動作のこのようなブロック図および同様の動作図、およびブロック図中のブロックの任意の組み合わせは、例として、コンピュータ装置に提供してもよいソフトウェアプログラムコード/命令、または命令を実行する際にコンピュータ装置によって実行される機能および動作の少なくとも簡略化された記述を示してもよい。いくつかの可能な代替の実装形態は、ブロック図に記載した順序から外れて生じるブロック図中のブロックに記載した機能、機能性、および動作を含んでもよく、同時にまたはほぼ同時に生じること、別の順序で生じること、または全く生じないことを含む。開示した主題の態様は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの任意の組み合わせにおいて並列または直列に実装されてもよく、少なくとも部分的に、互いに、例えば、コンピュータ装置の、アレイまたはネットワークにおいて、インターネットを含む相互接続されたネットワークを介して、同じ場所に配置されてもよく、または遠隔に配置されてもよい。
【0126】
[0072]当業者には理解されるように、いくつかの実施形態では、本明細書の、機能および/またはプロセスを実行するための命令を格納するために、任意の適切なコンピュータ可読媒体を使用してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体は、一時的または非一時的であり得る。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体は、磁気媒体(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、および/または任意の他の適切な磁気媒体)、光学媒体(例えば、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、ブルーレイディスク、および/または任意の他の適切な光学媒体)、半導体媒体(例えば、フラッシュメモリ、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、および/または任意の他の適切な半導体媒体)、一時的でないか、または伝送中の永続性のいかなる表現も欠いていない任意の適切な媒体、および/または任意の適切な有形媒体などの媒体を含んでもよい。別の例として、一時的なコンピュータ可読媒体は、ネットワーク上の信号、ワイヤ、導体、光ファイバ、回路、一時的であり、伝送中の永続性のいかなる表現もない任意の適切な媒体、および/または任意の適切な無形媒体を含んでもよい。
【0127】
[0073]本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し説明してきたが、このような実施形態が例としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、当業者には多数の変形形態、変更形態、および置換形態が思い浮かぶであろう。本明細書で説明した本発明の実施形態に対する様々な代替形態が、本発明を実施する際に使用されてもよいことを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造体とそれらの均等物とがそれによって包含されることが意図される。
【外国語明細書】