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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179802
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】取引システム及び取引方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0208 20230101AFI20231212BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20231212BHJP
【FI】
G06Q30/0208
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023184095
(22)【出願日】2023-10-26
(62)【分割の表示】P 2023065166の分割
【原出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】河内 直樹
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザに付与されたポイントをNFTの購入に利用することを図る取引システムを提供する。
【解決手段】取引システムは、ユーザが保有するポイントを管理し、ユーザからのポイント消費依頼に応じてポイントを消費させるポイント管理装置2と、ブロックチェーン上で保有者が管理される非代替性トークンを扱うマーケットから前記非代替性トークンに関するマーケットデータを取得し、取得したマーケットデータをユーザに提供する取引情報提供装置6と、を備える。前記マーケットデータは、非代替性トークンの取引価格を示す情報を含む。ポイント管理装置2は、非代替性トークンの購入依頼元のユーザが保有するポイントから、購入依頼の対象の非代替性トークンの取引価格に相当するポイントを消費させる処理を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが保有するポイントである保有ポイントを管理し、ユーザからのポイント消費依頼に応じて保有ポイントを消費させるポイント管理装置と、
ブロックチェーン上で保有者が管理される非代替性トークンを扱うマーケットに対して代金決済処理を実行する購入管理装置と、
を備え、
前記ポイント管理装置は、
ユーザ毎に保有ポイントを格納するポイント管理テーブルと、
前記非代替性トークンの購入依頼元のユーザが保有する保有ポイントを前記ポイント管理テーブルにより特定し、特定した保有ポイントから、前記購入依頼元のユーザが指定した購入依頼の対象の前記非代替性トークンについての前記購入依頼元のユーザからのポイント消費依頼に応じて消費する消費ポイントを減算し、減算した結果の保有ポイントを前記購入依頼元のユーザの保有ポイントとして前記ポイント管理テーブルに格納するポイント管理部と、
を備え、
前記ポイント管理装置は、予め設定された換算レートで前記消費ポイントが所定の通貨に換算された購入資金を示す情報を含む購入依頼情報を前記購入管理装置へ送信し、
前記購入管理装置は、前記購入依頼情報に基づいて、前記マーケットに対して代金決済処理を実行する、
取引システム。
【請求項2】
前記マーケットから前記非代替性トークンの取引価格を示す情報を含むマーケットデータを取得する取引情報提供装置をさらに備える、
請求項1に記載の取引システム。
【請求項3】
前記取引情報提供装置は、前記マーケットデータをユーザに提供する、
請求項2に記載の取引システム。
【請求項4】
ユーザが保有するポイントである保有ポイントを管理し、ユーザからのポイント消費依頼に応じて保有ポイントを消費させるポイント管理装置と、
ブロックチェーン上で保有者が管理される非代替性トークンを扱うマーケットに対して代金決済処理を実行する購入管理装置と、
を備える取引システムにおける取引方法であって、
前記ポイント管理装置は、ユーザ毎に保有ポイントを格納するポイント管理テーブルを備え、
前記ポイント管理装置が、前記非代替性トークンの購入依頼元のユーザが保有する保有ポイントを前記ポイント管理テーブルにより特定し、特定した保有ポイントから、前記購入依頼元のユーザが指定した購入依頼の対象の前記非代替性トークンについての前記購入依頼元のユーザからのポイント消費依頼に応じて消費する消費ポイントを減算し、減算した結果の保有ポイントを前記購入依頼元のユーザの保有ポイントとして前記ポイント管理テーブルに格納するポイント管理ステップと、
前記ポイント管理装置が、予め設定された換算レートで前記消費ポイントが所定の通貨に換算された購入資金を示す情報を含む購入依頼情報を前記購入管理装置へ送信するステップと、
前記購入管理装置が、前記購入依頼情報に基づいて、前記マーケットに対して代金決済処理を実行するステップと、
を含む取引方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引システム及び取引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を購入したりサービスを利用したりしたユーザに対してポイントを付与し、ユーザに付与されたポイントを管理し、ユーザが保有するポイントを商品等と交換したり株式等の金融商品の運用情報に基づいたポイント運用を行ったりすることが行われている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6042011号公報
【特許文献2】特許第6183942号公報
【特許文献3】特許第6357521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカード等のデジタル資産に対して唯一性や保有者を証明することができるNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)が注目されている。そして、そのNFTを扱うマーケットプレイス(NFTマーケットプレイス)が開設されており、NFTマーケットプレイスを利用してNFTを購入したり販売したりすることができるようになっている。
【0005】
このようなNFTの状況においては、上述したユーザに付与されたポイントの利用方法の一つとして、ユーザが保有するポイントをNFTの購入に利用することが考えられる。しかしながら、上述した特許文献1,2,3に記載されたポイント管理技術では、ユーザが保有するポイントをNFTの購入に利用することが難しい。例えば、NFTマーケットプレイスでは、特定の仮想通貨がNFT購入の決済通貨に使用されていたり、またユーザ専用の仮想通貨のウォレットを作成しなければならなかったり、などである。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、ユーザに付与されたポイントをNFTの購入に利用することを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ユーザが保有するポイントである保有ポイントを管理し、ユーザからのポイント消費依頼に応じて保有ポイントを消費させるポイント管理装置と、ブロックチェーン上で保有者が管理される非代替性トークンを扱うマーケットに対して代金決済処理を実行する購入管理装置と、を備え、前記ポイント管理装置は、ユーザ毎に保有ポイントを格納するポイント管理テーブルと、前記非代替性トークンの購入依頼元のユーザが保有する保有ポイントを前記ポイント管理テーブルにより特定し、特定した保有ポイントから、前記購入依頼元のユーザが指定した購入依頼の対象の前記非代替性トークンについての前記購入依頼元のユーザからのポイント消費依頼に応じて消費する消費ポイントを減算し、減算した結果の保有ポイントを前記購入依頼元のユーザの保有ポイントとして前記ポイント管理テーブルに格納するポイント管理部と、を備え、前記ポイント管理装置は、予め設定された換算レートで前記消費ポイントが所定の通貨に換算された購入資金を示す情報を含む購入依頼情報を前記購入管理装置へ送信し、前記購入管理装置は、前記購入依頼情報に基づいて、前記マーケットに対して代金決済処理を実行する、取引システムである。
本発明の一態様は、上記の取引システムにおいて、前記マーケットから前記非代替性トークンの取引価格を示す情報を含むマーケットデータを取得する取引情報提供装置をさらに備える、取引システムである。
本発明の一態様は、上記の取引システムにおいて、前記取引情報提供装置は、前記マーケットデータをユーザに提供する、取引システムである。
【0008】
本発明の一態様は、ユーザが保有するポイントである保有ポイントを管理し、ユーザからのポイント消費依頼に応じて保有ポイントを消費させるポイント管理装置と、ブロックチェーン上で保有者が管理される非代替性トークンを扱うマーケットに対して代金決済処理を実行する購入管理装置と、を備える取引システムにおける取引方法であって、前記ポイント管理装置は、ユーザ毎に保有ポイントを格納するポイント管理テーブルを備え、前記ポイント管理装置が、前記非代替性トークンの購入依頼元のユーザが保有する保有ポイントを前記ポイント管理テーブルにより特定し、特定した保有ポイントから、前記購入依頼元のユーザが指定した購入依頼の対象の前記非代替性トークンについての前記購入依頼元のユーザからのポイント消費依頼に応じて消費する消費ポイントを減算し、減算した結果の保有ポイントを前記購入依頼元のユーザの保有ポイントとして前記ポイント管理テーブルに格納するポイント管理ステップと、前記ポイント管理装置が、予め設定された換算レートで前記消費ポイントが所定の通貨に換算された購入資金を示す情報を含む購入依頼情報を前記購入管理装置へ送信するステップと、前記購入管理装置が、前記購入依頼情報に基づいて、前記マーケットに対して代金決済処理を実行するステップと、を含む取引方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザに付与されたポイントをNFTの購入に利用することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る取引システムの構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係るポイント管理装置の構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係るポイント管理テーブルの構成例を示す図である。
図4】一実施形態に係る購入管理装置の構成例を示すブロック図である。
図5】一実施形態に係る購入管理テーブルの構成例を示す図である。
図6】一実施形態に係る取引情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
図7】一実施形態に係るNFTマーケットデータの提供例を示す図である。
図8】一実施形態に係る取引方法の手順の例を示すシーケンス図である。
図9】一実施形態に係る取引方法の手順の例を示すシーケンス図である。
図10】一実施形態に係るポイント管理テーブルの変形例を示す図である。
図11】一実施形態に係る取引システムの構成例を示すブロック図である。
図12】一実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
図13】一実施形態に係る取引方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る取引システムの構成例を示すブロック図である。図1において、ポイント管理装置2は、ユーザが保有するポイントを管理する。ユーザは、ポイント管理装置2に登録されており、ユーザを識別するユーザ識別情報(ユーザID)が付与されている。ポイント管理装置2は、ユーザ毎に、ユーザが商品を購入したりサービスを利用したりした際に付与されたポイントを管理する。ポイント管理装置2は、ユーザが使用する端末(ユーザ端末)7との間で通信回線を介してデータを送受する。また、ポイント管理装置2は、通信回線を介して取引情報提供装置6とデータを送受する。
【0013】
ユーザは、ユーザ端末7を使用して、ポイント管理装置2に対してポイント消費依頼を行う。ポイント消費依頼は、例えば、ユーザが保有するポイントを商品等と交換する、などの依頼である。本実施形態では、ポイント消費依頼の一つとして、ユーザが保有するポイントを用いてNFT(非代替性トークン)を購入することの依頼(NFT購入依頼)が設けられる。ユーザは、ユーザ端末7を使用して、ポイント管理装置2に対してNFT購入依頼を行うことができる。
【0014】
ポイント管理装置2は、ユーザからのポイント消費依頼に応じてポイントを消費させる。例えば、ユーザが保有するポイントを商品と交換する場合には、交換対象商品に設定されている消費ポイント数を、ユーザが保有するポイントの残数から減じる。例えば、ユーザが保有するポイントを用いてNFTを購入する場合には、購入対象NFTの取引価格(仮想通貨の価格)から換算された消費ポイント数を、ユーザが保有するポイントの残数から減じる。
【0015】
ポイント管理装置2は、ユーザからのNFTの購入依頼に応じて、購入管理装置3に対してNFT購入依頼を行う。
【0016】
購入管理装置3は、通信回線を介してポイント管理装置2とデータを送受する。また、購入管理装置3は、通信回線を介してNFTマーケット4とデータを送受する。NFTマーケット4は、NFTの購入や販売等の流通の場(NFTマーケットプレイス)である。
なお、NFTマーケット4は、NFTに関する例えばNFTの販売情報の提示やNFTの購入依頼の受付やNFTの代金の決済処理やNFTの保有者情報の管理等のNFTマーケットプレイスの機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム(NFTマーケットソフトウェア)を実行するコンピュータ(NFTマーケットサーバ)によって実現されてもよい。したがって、NFTマーケット4は、NFTマーケットサーバを指してもよい。
【0017】
NFTマーケット4が扱うNFTは、ブロックチェーン5上で保有者が管理される。ブロックチェーン5には、NFTマーケット4が扱うNFTの来歴が記録されている。このブロックチェーン5によって、NFTマーケット4が扱うNFTの保有者が証明される。
【0018】
購入管理装置3は、ポイント管理装置2からのNFT購入依頼に応じて、NFTマーケット4に対してNFT購入処理を実行する。購入管理装置3は、NFT購入処理において、購入対象NFTの保有者の変更をNFTマーケット4へ依頼する。NFTマーケット4は、購入対象NFTの保有者の変更の依頼に応じて、ブロックチェーン5に対して購入対象NFTの保有者を変更する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上で管理されている購入対象NFTの保有者が変更される。
【0019】
購入管理装置3は、ブロックチェーン5上で保有者が変更された購入対象NFTに関するデータを、NFTマーケット4から取得する。購入対象NFTに関するデータは、購入対象NFTに関するブロックチェーン5のメタデータを含むデータである。購入対象NFTに関するブロックチェーン5のメタデータは、購入対象NFTについての、識別子や作成日時や保有者を示す保有者アドレスや対象物URL等の情報を有する。対象物URLは、購入対象NFTが保有者を証明する対象物であるデジタル資産(オリジナルのデジタルデータ)の所在を示すURL(Uniform Resource Locator)である。NFTが保有者を証明する対象物であるデジタル資産は、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカードやデジタル写真やデジタル音声やデジタルテキストなど、様々である。
【0020】
購入管理装置3は、ブロックチェーン5上で保有者が変更された購入対象NFTに関するデータをブロックチェーン5の外部で記録する。
【0021】
購入管理装置3は、NFTマーケット4に対するNFT購入処理に伴って、代金決済処理を実行する。購入管理装置3は、代金決済処理において、購入対象NFTの取引価格に対応する代金の決済処理を実行する。
【0022】
取引情報提供装置6は、通信回線を介してNFTマーケット4とデータを送受する。また、取引情報提供装置6は、通信回線を介してポイント管理装置2とデータを送受する。
【0023】
取引情報提供装置6は、NFTマーケット4から、NFTに関するマーケットデータ(NFTマーケットデータ)を取得する。NFTマーケットデータは、NFTマーケット4が扱うNFTについての、識別子や対象物のカテゴリや取引価格(仮想通貨の価格)や対象物URL等の情報を含む。
【0024】
取引情報提供装置6は、通信回線を介してユーザ端末7とデータを送受する。取引情報提供装置6は、NFTマーケット4から取得したNFTマーケットデータをユーザに提供する。ユーザは、ユーザ端末7を使用して、取引情報提供装置6からNFTマーケットデータを取得する。
【0025】
取引情報提供装置6は、NFTマーケットデータに含まれるNFTの取引価格(仮想通貨の価格)をポイント管理装置2が管理するポイントに換算する。この換算レートは、予め設定される。取引情報提供装置6は、NFTの取引価格(仮想通貨の価格)がポイントに換算された結果の換算値である取引価格換算ポイントを、ユーザに提供するNFTマーケットデータに含める。
【0026】
ユーザは、NFTマーケットデータによって、NFTマーケット4で販売されている各NFTについて、対象物のカテゴリ(例えば、デジタルアート、ゲームアイテム、トレーディングカード等)や取引価格換算ポイントなどを認識することができる。したがって、ユーザは、自分が保有するポイントの残数と各NFTの取引価格換算ポイントとを比較することによって、自分が保有するポイントの残数以下の取引価格換算ポイントであるNFTがNFT購入依頼を行うことができるNFTであると判断することができる。また、ユーザは、ユーザ端末7を使用して、NFTマーケットデータに含まれる対象物URLにアクセスし、NFTの対象物(オリジナルのデジタルデータ)を確認することができる。
【0027】
図2は、本実施形態に係るポイント管理装置の構成例を示すブロック図である。図2において、ポイント管理装置2は、ポイント管理部21と、ポイント制御部22とを備える。ポイント管理部21は、ポイント管理テーブル23を備える。
【0028】
ポイント管理装置2の各機能は、ポイント管理装置2がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、ポイント管理装置2として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、ポイント管理装置2は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、ポイント管理装置2の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、ポイント管理装置2は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又はポイント管理装置2の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、ポイント管理装置2として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0029】
ポイント管理部21は、ユーザが保有するポイントを管理する。ポイント管理部21は、ポイント管理テーブル23を用いて、各ユーザのポイントを管理する。
【0030】
図3は、本実施形態に係るポイント管理テーブルの構成例を示す図である。図3の例では、各ユーザについて、ユーザID、ユーザが保有するポイントの残数(保有ポイント)及び購入済みのNFTに関するデータ(購入済NFTデータ)がポイント管理テーブル23に格納される。購入済NFTデータは、購入管理装置3から取得される。
【0031】
ポイント制御部22は、ポイントに関する制御を行う。ポイント制御部22は、ユーザからのポイント消費依頼に応じて、ポイント管理部21に対してポイントを消費させる指示を行う。ポイント管理部21は、ポイント制御部22からの指示に従って、ポイントを消費させる。
【0032】
例えば、ユーザが保有するポイントを商品と交換する場合には、ポイント制御部22は、交換対象商品に設定されている消費ポイント数を、ユーザが保有するポイントの残数から減じるように、ポイント管理部21へ指示する。ポイント管理部21は、当該ポイント制御部22からの指示に従って、当該消費ポイント数を、ユーザが保有するポイントの残数から減じる。
【0033】
例えば、ユーザが保有するポイントを用いてNFTを購入する場合には、ポイント制御部22は、購入対象NFTの取引価格換算ポイントである消費ポイント数を、ユーザが保有するポイントの残数から減じるように、ポイント管理部21へ指示する。ポイント管理部21は、当該ポイント制御部22からの指示に従って、当該消費ポイント数を、ユーザが保有するポイントの残数から減じる。購入対象NFTの取引価格換算ポイントは、取引情報提供装置6によって購入対象NFTの取引価格(仮想通貨の価格)から換算された結果の換算値(取引価格換算ポイント)であって、取引情報提供装置6から取得される。
【0034】
ポイント制御部22は、ユーザからのNFTの購入依頼に応じて、購入管理装置3に対してNFT購入依頼を行う。
【0035】
図4は、本実施形態に係る購入管理装置の構成例を示すブロック図である。図4において、購入管理装置3は、購入管理部31と、購入制御部32とを備える。購入管理部31は、購入管理テーブル33を備える。
【0036】
購入管理装置3の各機能は、購入管理装置3がCPU及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、購入管理装置3として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、購入管理装置3は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、購入管理装置3の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、購入管理装置3は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は購入管理装置3の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。
【0037】
購入管理部31は、NFTの購入に関する管理を行う。購入管理部31は、購入管理テーブル33を用いて、ポイント管理装置2から購入依頼された各NFTに関する管理を行う。
【0038】
図5は、本実施形態に係る購入管理テーブルの構成例を示す図である。図5の例では、各ユーザについて、ユーザID、購入済NFTデータ及び購入済みのNFTの保有者の識別子(NFT保有者ID)が購入管理テーブル33に格納される。購入済NFTデータは、購入管理装置3から取得される。ユーザIDは、購入依頼元のユーザのユーザIDである。購入済NFTデータは、購入依頼元のユーザの購入依頼による購入済NFTデータである。NFT保有者IDは、購入依頼元のユーザの購入依頼による購入済みのNFTの保有者の識別子である。したがって、NFT保有者IDは、購入済NFTデータに含まれる保有者アドレスで示される保有者の識別子である。
【0039】
本実施形態では、購入済みのNFTの保有者は、所定の購入管理者である。購入管理者は、購入依頼元のユーザとは異なる者である。したがって、NFT保有者IDは、購入管理者の識別子(購入管理者ID)であって、ユーザIDとは異なる。購入管理者は、例えばポイント管理装置2の管理者である。
【0040】
本実施形態において、購入済みのNFTの保有者を購入管理者にする理由は、例えば、NFTマーケット4において、購入管理者が購入窓口として一括して仮想通貨のウォレットを作成することにより、ユーザ毎にユーザ専用の仮想通貨のウォレットを作成する必要がなくなる、などである。
【0041】
購入制御部32は、NFTの購入に関する制御を行う。購入制御部32は、ポイント管理装置2からのNFT購入依頼に応じて、NFTマーケット4に対してNFT購入処理を実行する。購入制御部32は、NFT購入処理において、購入対象NFTの保有者を、所定の購入管理者に変更するようにNFTマーケット4へ依頼する。本実施形態では、購入管理者は、購入依頼元のユーザとは異なる者である。
【0042】
NFTマーケット4は、購入対象NFTの保有者を購入管理者に変更する依頼に応じて、ブロックチェーン5に対して購入対象NFTの保有者を購入管理者に変更する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上で管理されている購入対象NFTの保有者が購入管理者に変更される。
【0043】
購入制御部32は、ブロックチェーン5上で保有者が購入管理者に変更された購入対象NFTに関するデータ(購入済NFTデータ)を、NFTマーケット4から取得する。購入制御部32は、NFTマーケット4から取得された購入済NFTデータを記録するように、購入管理部31へ指示する。購入管理部31は、購入制御部32からの指示に従って、購入済NFTデータを、購入依頼元のユーザID及びNFT保有者IDとしての購入管理者IDに関連付けて購入管理テーブル33に格納する。
【0044】
また、購入制御部32は、NFTマーケット4から取得された購入済NFTデータをポイント管理装置2へ提供する。ポイント管理装置2は、購入制御部32から提供された購入済NFTデータを、購入依頼元のユーザIDに関連付けてポイント管理テーブル23に格納する。
【0045】
購入制御部32は、NFTマーケット4に対するNFT購入処理に伴って、代金決済処理を実行する。購入制御部32は、代金決済処理において、購入対象NFTの取引価格に対応する代金の決済処理を実行する。NFTマーケット4では、特定の仮想通貨がNFT購入の決済通貨に使用されている。したがって、購入制御部32は、NFTマーケット4で使用されている仮想通貨で代金の決済処理を実行する。
【0046】
図6は、本実施形態に係る取引情報提供装置の構成例を示すブロック図である。図6において、取引情報提供装置6は、マーケットデータ取得部61と、ポイント換算部62と、情報提供制御部63とを備える。
【0047】
取引情報提供装置6の各機能は、取引情報提供装置6がCPU及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、取引情報提供装置6として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、取引情報提供装置6は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、取引情報提供装置6の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、取引情報提供装置6は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は取引情報提供装置6の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、取引情報提供装置6として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0048】
マーケットデータ取得部61は、所定のタイミングで、NFTマーケット4からNFTマーケットデータを取得する。例えば、マーケットデータ取得部61は、一定の周期で、NFTマーケット4からNFTマーケットデータを取得する。例えば、マーケットデータ取得部61は、所定の時刻に、NFTマーケット4からNFTマーケットデータを取得する。例えば、マーケットデータ取得部61は、所定のイベントの発生時に、NFTマーケット4からNFTマーケットデータを取得する。イベントとして、例えば、新規NFTの登録やNFTの売買の成立やNFTの取引価格の変更等が挙げらえる。
【0049】
ポイント換算部62は、NFTマーケットデータに含まれるNFTの取引価格(仮想通貨の価格)をポイント管理装置2が管理するポイントに換算する。この換算レートは、予め設定される。
【0050】
情報提供制御部63は、ユーザに対するNFTマーケットデータの提供に関する制御を行う。情報提供制御部63は、NFTマーケットデータをユーザ端末7へ送信する。ユーザ端末7へ送信されるNFTマーケットデータには、NFTの取引価格(仮想通貨の価格)がポイントに換算された結果の換算値である取引価格換算ポイントが含められる。
【0051】
図7は、本実施形態に係るNFTマーケットデータの提供例を示す図である。図7の例では、NFTマーケット4で販売されている各NFT(販売NFT)について、販売NFTの対象物が属するカテゴリ、販売NFTの識別子(販売NFT ID)、取引価格換算ポイント及び対象物URL等の情報がNFTマーケットデータに含められてユーザに提供される。ユーザは、ユーザ端末7を使用して、NFTマーケットデータに含められた情報を認識する。
【0052】
本実施形態では、NFTマーケットデータとして、NFTの取引価格(仮想通貨の価格)がポイントに換算された結果の換算値である取引価格換算ポイントがユーザに提供される。したがって、ユーザは、NFTの取引価格である仮想通貨の価格を自らポイントに換算する必要がない。これにより、ユーザは、自分が保有するポイントで購入することができる販売NFTを容易に判断することができる。
【0053】
また、本実施形態では、取引価格換算ポイントが取引情報提供装置6からポイント管理装置2へ提供される。したがって、ポイント管理装置2は、NFTの取引価格である仮想通貨の価格を自らポイントに換算する必要がない。これにより、ポイント管理装置2は、ユーザの保有ポイントと取引価格換算ポイントとの比較を容易に行うことができる。
【0054】
次に図8図9を参照して本実施形態に係る取引方法を説明する。図8図9は、本実施形態に係る取引方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【0055】
[取引情報提供段階]
図8を参照して本実施形態に係る取引方法における取引情報提供段階を説明する。図8には、本実施形態に係る取引方法における取引情報提供段階の手順の例が示される。
【0056】
(ステップS11) 取引情報提供装置6は、所定のタイミングで、NFTマーケット4からNFTマーケットデータを取得する。
【0057】
(ステップS12) NFTマーケットデータには、仮想通貨で示されたNFTの取引価格が含まれている。取引情報提供装置6は、NFTマーケットデータに含まれるNFTの取引価格(仮想通貨の価格)を、所定の換算レートで、ポイント管理装置2が管理するポイントに換算する。
【0058】
(ステップS13) 取引情報提供装置6は、NFTマーケットデータをユーザ端末7へ送信する。ユーザ端末7へ送信されるNFTマーケットデータには、ステップS12の換算結果の換算値のポイントである取引価格換算ポイントが含められる。ユーザ端末7は、取引情報提供装置6から送信されたNFTマーケットデータを受信する。
【0059】
(ステップS14) ユーザ端末7は、NFTマーケットデータを画面に表示する。ユーザは、ユーザ端末7に表示されたNFTマーケットデータにより、例えば図7に示されるNFTマーケットデータの各情報を認識する。ユーザは、ユーザ端末7を使用して所望の販売NFTの対象物URLにアクセスすることにより、当該販売NFTの対象物(例えばデジタルアートのオリジナルのデジタルデータ)をユーザ端末7に画面表示させて確認することができる。また、ユーザは、NFTマーケットデータに含まれる各販売NFTの取引価格換算ポイントにより、自分が保有するポイントで購入することができる販売NFTを判断することができる。また、図7に例示されるNFTマーケットデータの提供例では、販売NFTがカテゴリ別に分類されているので、ユーザは、所望のカテゴリの販売NFTを容易に検索することができる。
【0060】
なお、ユーザは、ユーザ端末7を使用して、取引情報提供装置6に対してカテゴリを指定してNFTマーケットデータを要求してもよい。取引情報提供装置6の情報提供制御部63は、ユーザから指定された指定カテゴリの情報をNFTマーケットデータから抽出し、指定カテゴリの販売NFTに関するNFTマーケットデータをユーザ端末7へ送信する。これにより、ユーザは、ユーザ端末7を使用して、指定カテゴリの販売NFTに関するNFTマーケットデータを認識することができる。
【0061】
また、NFTマーケットデータの他の提供例として、一又は複数のカテゴリを扱う仮想店舗を設け、販売NFTを仮想店舗別に分類してもよい。例えば、アート関連の販売NFT(例えば、デジタルアートやアーティストのサイン画像やアーティストのインタビュー音声等のNFT)を扱う仮想店舗(アート関連NFTショップ)や、アイドル関連の販売NFT(例えば、アイドルのトレーディングカードやデジタル写真やデジタル音声等のNFT)を扱う仮想店舗(アイドル関連NFTショップ)など、が挙げられる。ユーザは、ユーザ端末7を使用して、取引情報提供装置6に対して仮想店舗を指定してNFTマーケットデータを要求する。取引情報提供装置6の情報提供制御部63は、ユーザから指定された指定仮想店舗の情報をNFTマーケットデータから抽出し、指定仮想店舗の販売NFTに関するNFTマーケットデータをユーザ端末7へ送信する。これにより、ユーザは、ユーザ端末7を使用して、指定仮想店舗の販売NFTに関するNFTマーケットデータを認識することができる。
【0062】
本実施形態において、カテゴリや仮想店舗は、NFTの販売区分の例である。
【0063】
なお、取引情報提供装置6は、NFTマーケット4が扱う複数のNFTの中から所定の販売条件に従って選択したNFTに関するNFTマーケットデータをユーザに提供してもよい。
【0064】
販売条件として、例えば、ユーザが保有するポイントの残数(ポイント残数)に基づいた取引価格換算ポイントの上限が設定されてもよい。この場合、取引情報提供装置6の情報提供制御部63は、ユーザのポイント残数をポイント管理装置2から取得し、ユーザのポイント残数以下の取引価格換算ポイントである販売NFTに関するNFTマーケットデータを当該ユーザのユーザ端末7へ送信する。
【0065】
他の販売条件として、例えば、ユーザ属性に基づいた販売条件が設定されてもよい。ユーザ属性に基づいた販売条件として、例えば、販売NFT毎に、販売対象年齢の制限や年代別のお勧め度などが挙げられる。
【0066】
[NFT購入段階]
図9を参照して本実施形態に係る取引方法におけるNFT購入段階を説明する。図9には、本実施形態に係る取引方法におけるNFT購入段階の手順の例が示される。
【0067】
(ステップS21) ユーザ(購入依頼元ユーザ)は、取引情報提供装置6から提供されたNFTマーケットデータに含まれる販売NFTの中から、所望の販売NFT(購入対象NFT)を選択する。購入依頼元ユーザは、ユーザ端末7を使用して、ポイント管理装置2に対して購入対象NFTのNFT購入依頼を行う。ユーザ端末7は、ユーザによるNFT購入依頼の操作に応じて、NFT購入依頼データをポイント管理装置2へ送信する。NFT購入依頼データは、購入依頼元ユーザのユーザID及び購入対象NFTの識別子(購入対象NFT_ID)を含むデータである。ポイント管理装置2は、ユーザ端末7から送信されたNFT購入依頼データを受信する。
【0068】
(ステップS22) ポイント管理装置2は、ユーザ端末7から受信したNFT購入依頼データに示される購入対象NFT_IDに対応する販売NFT(購入対象NFT)の取引価格換算ポイントと購入依頼元ユーザのポイント残数(保有ポイント)とを比較し、購入依頼元ユーザの保有ポイントが当該取引価格換算ポイント以上であるかを確認する。販売NFTの取引価格換算ポイントは、取引情報提供装置6から取得される。当該確認の結果、購入依頼元ユーザの保有ポイントが購入対象NFTの取引価格換算ポイント未満である場合には、購入依頼元ユーザのユーザ端末7へ、ポイント不足のために購入不可である旨を応答する。
【0069】
一方、当該確認の結果、購入依頼元ユーザの保有ポイントが購入対象NFTの取引価格換算ポイント以上である場合には、ポイント管理装置2は、購入依頼元ユーザの保有ポイントから当該取引価格換算ポイントを減算する。このポイントの減算結果は、ポイント管理テーブル23に記録される。
【0070】
(ステップS23) ポイント管理装置2は、購入依頼元ユーザの保有ポイントが購入対象NFTの取引価格換算ポイント以上である場合に、NFT購入依頼情報を購入管理装置3へ送信する。NFT購入依頼情報は、購入対象NFT_ID、購入依頼元ユーザのユーザID(購入依頼元ユーザID)及び購入資金支払データを有する。購入資金支払データは、購入対象NFTの取引価格換算ポイントに相当する購入資金が支払われたことを示すデータである。当該購入資金は、任意の支払者(例えば、ポイント管理装置2の管理者(ポイント管理者))が、所定の支払先(例えば、購入管理装置3から指定される銀行口座など)へ、法定通貨(例えば日本円など)で支払われる。ポイントと法定通貨(例えば日本円など)との間の換算レートは、予め設定される。購入管理装置3は、ポイント管理装置2から送信されたNFT購入依頼情報を受信する。
【0071】
(ステップS24) 購入管理装置3は、ポイント管理装置2からNFT購入依頼情報を受信すると、NFTマーケット4に対してNFT購入及び代金決済の処理を実行する。
【0072】
購入管理装置3は、NFT購入処理において、購入対象NFT(購入対象NFT_ID)の保有者を、所定の購入管理者に変更するようにNFTマーケット4へ依頼する。本実施形態では、購入管理者は、購入依頼元ユーザとは異なる者であって、例えばポイント管理装置2の管理者である。
【0073】
購入管理装置3は、代金決済処理において、購入対象NFTの取引価格(仮想通貨の価格)に対応する代金の決済処理を実行する。具体的には、購入管理装置3は、購入管理者の仮想通貨のウォレットから、購入対象NFTの取引価格(仮想通貨の価格)に対応する代金を支払う処理を実行する。NFTマーケット4において、購入管理者の仮想通貨のウォレットは事前に作成されている。購入管理装置3は、当該ウォレットに対して購入対象NFTの取引価格(仮想通貨の価格)に対応する代金の仮想通貨を入金する。購入対象NFTの取引価格(仮想通貨の価格)に対応する代金は、例えば、購入対象NFTの取引価格(仮想通貨の価格)に対して取引手数料等の手数料(仮想通貨の額)が加算された仮想通貨の額である。購入管理装置3は、当該ウォレットに当該代金を入金後に、当該ウォレットから当該代金を支払う処理を実行する。
【0074】
(ステップS25) NFTマーケット4は、購入管理装置3によるNFT購入及び代金決済の処理が完了すると、購入対象NFT(購入対象NFT_ID)の保有者を購入管理者に変更する依頼に応じて、ブロックチェーン5に対して購入対象NFT(購入対象NFT_ID)の保有者を購入管理者に変更する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上で管理されている購入対象NFT(購入対象NFT_ID)の保有者が購入管理者に変更される。この保有者の変更後において、購入対象NFTに関するブロックチェーン5のメタデータには、保有者アドレスとして購入管理者を示すアドレス(購入管理者アドレス)が記録されている。NFTマーケット4において、購入管理者アドレスは事前に登録されている。
【0075】
(ステップS26) 購入管理装置3は、ブロックチェーン5上で保有者が購入管理者に変更された購入対象NFTに関するデータ(購入済NFTデータ)を、NFTマーケット4から取得する。購入済NFTデータは、購入対象NFTに関するブロックチェーン5のメタデータを含むデータである。当該メタデータには、保有者アドレスとして購入管理者アドレスが記録されている。したがって、購入済NFTデータは、購入対象NFTの保有者が購入管理者であることを証明するデータである。
【0076】
(ステップS27) 購入管理装置3は、NFTマーケット4から取得した購入済NFTデータを、図5に例示されるように購入管理テーブル33に格納する。したがって、当該購入済NFTデータは、購入依頼元ユーザIDに関連付けて、ブロックチェーン5の外部で記録される。また、当該購入済NFTデータは、NFT保有者IDとしての購入管理者IDに関連付けられる。
【0077】
(ステップS28) 購入管理装置3は、NFT購入通知情報をポイント管理装置2へ送信する。NFT購入通知情報は、購入対象NFT_ID、購入依頼元ユーザID及び購入済NFTデータを有する。ポイント管理装置2は、購入管理装置3から送信されたNFT購入通知情報を受信する。
【0078】
(ステップS29) ポイント管理装置2は、購入管理装置3からNFT購入通知情報を受信すると、購入依頼元ユーザのNFT購入を記録する。ポイント管理装置2は、購入依頼元ユーザのNFT購入の記録において、NFT購入通知情報に含まれる購入済NFTデータを、NFT購入通知情報に含まれる購入依頼元ユーザIDに関連付けて図3に例示されるようにポイント管理テーブル23に格納する。また、ポイント管理装置2は、ポイント管理テーブル23において、当該購入依頼元ユーザIDの保有ポイントを、ステップS22で記録したポイントの減算結果に書き換える。これにより、ポイント管理テーブル23において、当該購入依頼元ユーザIDの保有ポイントが当該ポイントの減算結果に更新される。
【0079】
なお、何らかの理由で、NFTマーケット4における購入対象NFTの購入が失敗した場合には、ポイント管理テーブル23において、購入依頼元ユーザIDの保有ポイントは更新されず、ステップS22でのポイント減算前の購入依頼元ユーザIDの保有ポイントがそのまま維持される。
【0080】
本実施形態において、ポイント管理装置2において管理されるポイントの消費は、ポイント管理装置2(ポイント管理テーブル23)に記録されるが、ブロックチェーン5上には記録されない。したがって、購入依頼元ユーザの保有ポイントが購入対象NFTの購入に使用されたことは、ブロックチェーン5上に記録されない。
【0081】
(ステップS30) ポイント管理装置2は、購入依頼元ユーザのユーザ端末7に対してNFT購入報告を送信する。NFT購入報告は、購入対象NFTの購入が完了したことを示す情報であって、購入対象NFT_IDやポイント管理テーブル23における購入済NFTデータの所在を示すURL(購入済NFTデータURL)等の情報を有する。購入依頼元ユーザは、ユーザ端末7を使用して、購入済NFTデータURLにアクセスし、購入済NFTデータを確認することができる。また、購入依頼元ユーザは、ユーザ端末7を使用して、購入済NFTデータに含まれる対象物URLにアクセスし、購入対象NFTの対象物(オリジナルのデジタルデータ)を確認することができる。
【0082】
図10は、本実施形態に係るポイント管理テーブルの変形例を示す図である。本変形例では、ポイント付与者毎にユーザが保有するポイントが管理される。ポイント付与者は、ユーザが商品を購入したりサービスを利用したりした場合に、当該ユーザにポイントを付与する者である。図10の例では、各ユーザの保有ポイントは、ポイント付与者毎に分けてポイント管理テーブル23に格納される。
【0083】
なお、ポイント管理装置2は、販売NFTの購入に使用可能なポイントのポイント付与者を、ポイント管理装置2の管理者に限定してもよい。この場合、上述した図13のステップS22において、ポイント管理装置2は、購入対象NFTの取引価格換算ポイントと、購入依頼元ユーザの保有ポイントのうちポイント管理装置2の管理者がポイント付与者である保有ポイント(対象保有ポイント)とを比較し、対象保有ポイントが当該取引価格換算ポイント以上であるかを確認する。ポイント管理装置2は、対象保有ポイントが当該取引価格換算ポイント未満である場合には、購入依頼元ユーザのユーザ端末7へポイント不足のために購入不可である旨を応答する。一方、ポイント管理装置2は、対象保有ポイントが当該取引価格換算ポイント以上である場合には、対象保有ポイントから当該取引価格換算ポイントを減算する。この対象保有ポイントの減算結果は、ポイント管理テーブル23に記録される。また、上述した図13のステップS29では、ポイント管理装置2は、購入依頼元ユーザのNFT購入の記録として、ポイント管理テーブル23において、当該購入依頼元ユーザIDの対象保有ポイントを、ステップS22で記録した対象保有ポイントの減算結果に書き換える。
【0084】
また、ポイント管理装置2は、販売NFTの購入に使用可能なポイントを、ポイント管理装置2の管理者が提供するサービスを利用したユーザに付与されたポイントに限定してもよい。ポイント管理装置2の管理者は、自己が提供するサービスを利用したユーザを、自己がポイントを付与する対象のユーザにする。
【0085】
上述したように本実施形態によれば、ユーザに付与されたポイントをNFTの購入に利用することができるという効果が得られる。
【0086】
[第2実施形態]
図11は、第2実施形態に係る取引システムの構成例を示すブロック図である。図11において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。上述した第1実施形態では、図1に例示されるように、ポイント管理装置2と購入管理装置3とが別個の装置として構成された。第2実施形態では、ポイント管理装置2と購入管理装置3とが図11に例示される一の管理装置8として構成される点が、上述した第1実施形態とは異なる。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0087】
図12は、本実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。図12において、図2及び図4の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図12に例示される管理装置8では、制御部81が、図2のポイント制御部22及び図4の購入制御部32の両方の機能を有する。
【0088】
図13は、本実施形態に係る取引方法におけるNFT購入段階の手順の例を示すシーケンス図である。図13において、図9の各ステップに対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。本実施形態において、取引情報提供段階は、上述した図8の第1実施形態と同じである。
【0089】
ステップS21、S22は、上述した図9の第1実施形態と同じである。但し、図9の第1実施形態におけるポイント管理装置2の代わりに管理装置8が各処理を実行する。本実施形態では、ステップS22の後、図9のステップS23が省略され、ステップS24aが実行される。
【0090】
(ステップS24a) 管理装置8は、購入依頼元ユーザの保有ポイントが購入対象NFTの取引価格換算ポイント以上である場合に、NFTマーケット4に対してNFT購入及び代金決済の処理を実行する。このNFT購入及び代金決済の処理は、上述した図9のステップS24の第1実施形態と同じである。
【0091】
ステップS24aの後、ステップS25からステップS27までが実行される。ステップS25からステップS27までは、上述した図9の第1実施形態と同じである。但し、図9の第1実施形態における購入管理装置3の代わりに管理装置8が各処理を実行する。本実施形態では、ステップS27の後、図9のステップS28が省略され、ステップS29が管理装置8により実行される。ステップS29において、管理装置8は、購入依頼元ユーザのNFT購入を記録する。この購入依頼元ユーザのNFT購入の記録の処理は、上述した図9のステップS29の第1実施形態と同じである。
【0092】
ステップS29の後、ステップS30が実行される。但し、図9の第1実施形態におけるポイント管理装置2の代わりに管理装置8が処理を実行する。
【0093】
本実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、ユーザに付与されたポイントをNFTの購入に利用することができるという効果が得られる。
【0094】
なお、これにより、例えばユーザが保有するポイントを活用するシステムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0095】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0096】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0097】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0098】
2…ポイント管理装置、3…購入管理装置、4…NFTマーケット、5…ブロックチェーン、6…取引情報提供装置、7…ユーザ端末、8…管理装置、21…ポイント管理部、22…ポイント制御部、23…ポイント管理テーブル、31…購入管理部、32…購入制御部、33…購入管理テーブル、61…マーケットデータ取得部、62…ポイント換算部、63…情報提供制御部、81…制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13