(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179830
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】販売データ管理システムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20231213BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
G06Q30/06 322
G07G1/12 351Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092661
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 茂晃
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142CA17
3E142EA02
3E142EA04
3E142FA44
3E142JA02
5L049BB50
5L049BB60
(57)【要約】 (修正有)
【課題】購入事業者が消費者から購入する商品が販売事業者によって正規に販売されたものでものであるか否か確認する販売データ管理システム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】販売事業者が有する第1のデータ処理装置(POS端末A)2と、購入事業者が有する第2のデータ処理装置(POS端末B)2と、電子レシートサーバ3と、を有する販売データ管理システムであって、電子レシートサーバは、消費者によって購入された商品の個品を識別する個品識別情報を含む購入情報を第1のデータ処理装置から取得する取得部と、取得した購入情報を管理する管理部と、個品識別情報を含む購入確認要求を第2のデータ処理装置2から受付ける受付部と、受付けた購入確認要求に含まれる個品識別情報が管理部で管理されている個品識別情報に含まれるか否か判定する判定部と、判定結果を第2のデータ処理装置2に出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者に商品を販売する販売事業者が有する第1のデータ処理装置と、前記販売事業者が販売した商品を前記消費者から購入する購入事業者が有する第2のデータ処理装置と、前記第1のデータ処理装置および前記第2のデータ処理装置と通信可能に接続されたサーバ装置と、を有する販売データ管理システムであって、
前記消費者によって購入された商品の個品を識別する個品識別情報を含む購入情報を前記第1のデータ処理装置から取得する取得部と、
前記取得部が取得した購入情報を管理する管理部と、
個品識別情報を含む購入確認要求を前記第2のデータ処理装置から受付ける受付部と、
前記受付部が受付けた購入確認要求に含まれる個品識別情報が前記管理部で管理されている個品識別情報に含まれるか否か判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を前記第2のデータ処理装置に出力する出力部と、
を備える販売データ管理システム。
【請求項2】
前記購入情報および購入確認要求は、消費者を識別する情報であって前記個品識別情報に対応づけられた消費者識別情報を含み、
前記判定部は、前記受付部が受付けた購入確認要求に含まれる個品識別情報および消費者識別情報が前記管理部によって対応付けて管理されているか否か判定する、
請求項1に記載の販売データ管理システム。
【請求項3】
前記受付部は、消費者が購入した個品を特定可能な特定情報を含む情報であって当該消費者が当該個品を紛失したことを示す紛失情報を受付け、
前記管理部は、前記受付部が受付けた紛失情報を管理する、
請求項2に記載の販売データ管理システム。
【請求項4】
前記受付部は、消費者が購入した個品を特定可能な特定情報を含む情報であって当該消費者が当該個品を移転したことを示す移転情報を受付け、
前記管理部は、前記受付部が受付けた移転情報を管理する、
請求項2に記載の販売データ管理システム。
【請求項5】
消費者によって購入された商品の個品を識別する個品識別情報を含む購入情報を、当該商品を販売する販売事業者が有する第1のデータ処理装置から取得する取得部と、
前記取得部が取得した購入情報を管理する管理部と、
個品識別情報を含む購入確認要求を、前記販売事業者が販売した商品を前記消費者から購入する購入事業者が有する第2のデータ処理装置から受付ける受付部と、
前記受付部が受付けた購入確認要求に含まれる個品識別情報が前記管理部で管理されている個品識別情報に含まれるか否か判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を前記第2のデータ処理装置に出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項6】
商品に付された媒体が示す個品識別情報が入力される第1入力部と、
購入された商品のレシートが示す個品識別情報が入力される第2入力部と、
前記第1入力部に入力された個品識別情報と前記第2入力部に入力された個品識別情報とが一致すると判定された場合、前記第1入力部に入力された個品識別情報で識別される個品が正規に購入されたものであることを示す情報を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ管理システムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者が不要となった商品を当該消費者から買い取って販売するリサイクルショップと呼ばれる店舗が増加してきている。リサイクルショップなど、消費者から商品を購入して事業を行う者(以下、「購入事業者」ともいう)は、持ち込まれた商品の価値を判断して消費者から当該商品を購入する。この際、購入事業者は、持ち込まれた商品を消費者がどのように入手したか確認することができないのが実情である。
【0003】
このため、購入事業者は、正規に購入されたものでない盗難品等の商品を購入してしまいトラブルに巻き込まれるおそれが生じていた。このような事情に鑑み、購入事業者が消費者から購入する商品が正規に購入されたものでものであるか否か確認できるようにすることが望まれている。商品を個品単位で管理するシステムも提案されているが(例えば、特許文献1)、上記のような正規に購入された商品か否かの確認に活用するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、購入事業者が消費者から購入する商品が販売事業者によって正規に販売されたものでものであるか否か確認することが可能な販売データ管理システムおよび情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の販売データ管理システムは、消費者に商品を販売する販売事業者が有する第1のデータ処理装置と、前記販売事業者が販売した商品を前記消費者から購入する購入事業者が有する第2のデータ処理装置と、前記第1のデータ処理装置および前記第2のデータ処理装置と通信可能に接続されたサーバ装置と、を有する販売データ管理システムであって、前記消費者によって購入された商品の個品を識別する個品識別情報を含む購入情報を前記第1のデータ処理装置から取得する取得部と、前記取得部が取得した購入情報を管理する管理部と、個品識別情報を含む購入確認要求を前記第2のデータ処理装置から受付ける受付部と、前記受付部が受付けた購入確認要求に含まれる個品識別情報が前記管理部で管理されている個品識別情報に含まれるか否か判定する判定部と、前記判定部による判定結果を前記第2のデータ処理装置に出力する出力部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態の販売データ管理システムを含む電子レシートシステムの概略を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態のPOS端末の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態のPOS端末の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の電子レシートサーバの主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の電子レシートサーバの記憶部に記憶される会員マスタのデータ構成を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態の電子レシートサーバの記憶部に記憶されるレシート情報管理ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態の電子レシートサーバの記憶部に記憶される個品情報管理ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態の電子レシートサーバの制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態の電子レシートシステムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図10】
図10は、第1の実施形態の電子レシートサーバの制御部による判定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第2の実施形態の消費者端末におけるレシートの表示画面を示す図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態のPOS端末の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態のPOS端末の制御部による判定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態の販売データ管理システムおよび情報処理装置について説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。例えば、以下に説明する実施形態では、サーバ装置を、レシート情報を管理する電子レシートサーバとした例について説明するが、これに限らない。サーバ装置は、販売された商品の個品の情報を管理する管理サーバなどとしてもよい。ここで、商品とはJAN(Japanese Article Number)コードなどで特定される範囲のものをいい、個品とは商品に属する個々の物品をいうものとする。つまり、1商品について多数の個品が存在することになる。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、電子レシートシステム10の概略を示す図である。本実施形態の電子レシートシステム10は、電子レシートサービスを提供する事業者、消費者に商品を販売する販売事業者A、消費者から商品を購入する購入事業者B、および電子レシートサービスを利用する消費者を跨いで構築されている。
【0009】
電子レシートシステム10は、販売データ管理システム1と消費者端末4とから構成される。消費者端末4は、電子レシートサービスを利用する消費者が所有するスマートフォンなどである。販売データ管理システム1は、複数の販売事業者Aおよび複数の購入事業者Bの各店舗が備えるPOS(Point Of Sales)端末2、および電子レシートサービスを運営する事業者が管理する電子レシートサーバ3を有する。販売事業者Aの店舗が備えるPOS端末2は、第1のデータ処理装置の一例である。また、購入事業者Bの店舗が備えるPOS端末2は、第2のデータ処理装置の一例である。
【0010】
販売事業者Aは、例えばアパレル商品を販売する事業者、電化製品を販売する事業者、日用品を販売する事業者など複数の業種の事業者とすることができる。購入事業者Bは、例えばリサイクルショップを運営する事業者、質店を運営する事業者など複数の事業者とすることができる。なお、
図1においては、各店舗に設けられるPOS端末2を1台のみ図示しているが、各店舗は複数のPOS端末2を備えていてもよい。
【0011】
電子レシートサーバ3は、インターネット等のネットワークを介してPOS端末2および消費者端末4と互いに通信可能に接続されている。電子レシートサーバ3は、POS端末2が設置された店舗が管理する店舗サーバ、店舗を運営する企業の本部サーバ等を介して各店舗のPOS端末2と接続されていてもよい。
【0012】
販売事業者Aおよび購入事業者BのPOS端末2には、これら事業者が販売する商品の決済処理時に、電子レシートサービスの会員IDおよび消費者が購入する商品を識別する商品コードが入力される。POS端末2は、入力された商品コードに基づいて商品登録を行い、一取引について決済処理を実行する。また、POS端末2には、消費者が購入する商品の個品を識別する個品コードが入力される。POS端末2は、一取引の決済処理が完了すると、会員ID、企業ID、店舗ID、取引金額、購入商品の商品情報、個品コード等を含むレシート情報を電子レシートサーバ3に送信する。ここで、会員IDは消費者識別情報の一例であり、個品コードは個品識別情報の一例であり、レシート情報は購入情報の一例である。また、購入事業者BのPOS端末2には、消費者から商品を購入する際に、当該商品の個品を特定する個品コードが入力される。
【0013】
電子レシートサーバ3は、各POS端末2からレシート情報を受信して管理する。電子レシートサーバ3は、所定のタイミングあるいは消費者端末4からの要求に応じて、レシート情報を消費者端末4に送信する。消費者は、消費者端末4によって電子レシートサーバ3から受信したレシート情報を閲覧することができる。これにより、POS端末2が発行する紙レシートを削減することができる。
【0014】
また、電子レシートサーバ3は、購入事業者BのPOS端末2からの購入確認要求に応じて判定処理を実行する。購入確認要求は、個品コードを含む情報で、当該個品コードで特定される個品が、いずれかの販売事業者Aによって販売されたことの確認を要求するものである。電子レシートサーバ3が実行する判定処理は、購入確認要求に含まれる個品コードで特定される個品(以下、「購入確認対象の個品」ともいう)が、いずれかの販売事業者Aによって販売されたものであるか否か判定するものである。そして、電子レシートサーバ3は、判定結果を購入確認要求の送信元のPOS端末2に送信する。ここで、電子レシートサーバ3はサーバ装置の一例であり、また情報処理装置の一例でもある。
【0015】
なお、購入確認要求を送信し、当該購入確認要求に対する判定結果を受信する購入事業者Bのデータ処理装置は、POS端末2とは別に設けられてもよい。言い換えると、購入事業者Bは、商品を販売する際に決済処理を実行するPOS端末2と、消費者から商品を購入する際に購入確認要求を電子レシートサーバ3に送信するデータ処理装置と、をそれぞれ備えていてもよい。
【0016】
次に、POS端末2について詳細に説明する。販売事業者AのPOS端末2と購入事業者BのPOS端末2とは同様の構成であるものとする。
図2は、POS端末2の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末2は、制御部20と、記憶部21と、表示部22と、操作部23と、スキャナ24と、RFIDリーダ25と、カードリーダ26と、釣銭機27と、通信部28と、を備えている。制御部20、記憶部21、表示部22、操作部23、スキャナ24、RFIDリーダ25、カードリーダ26、釣銭機27、および通信部28は、バス29等を介して互いに接続されている。
【0017】
制御部20は、CPU201(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータ構成となっている。CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス29を介して互いに接続されている。
【0018】
CPU201はPOS端末2の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202や記憶部21に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶されてRAM203に展開された制御プログラムに従って動作することによって、POS端末2の各種制御処理を実行する。
【0019】
また、RAM203は、商品情報部2031を備える。商品情報部2031は、消費者が購入する商品の商品情報(商品コード、商品名、価格など)と個品コードとを対応付けて記憶する。商品情報部2031に記憶される商品情報は、例えば、スキャナ24が商品に付されたコードシンボルから読取った商品コードに基づいて記憶部21から読み出される。また、商品情報部2031に記憶される個品コードは、例えば、RFIDリーダ25によって商品に内蔵されたRFタグから読取られる。商品情報部2031に商品情報が記憶(登録)されることを商品登録ともいう。
【0020】
記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部21は、制御プログラム211、商品マスタ212、および店舗情報213を記憶する。
【0021】
制御プログラム211は、スキャナ24で読取られた商品コードに基づいて商品登録を行う機能、商品情報部2031に記憶された情報に基づいて一取引の決済処理を行う機能、電子レシートサーバ3と各種情報を送受信する機能等を実現するためのプログラムなどである。
【0022】
商品マスタ212は、店舗が販売する商品の商品情報を記憶したマスタファイルである。商品マスタ212は、商品を識別する商品コードに対応付けて、商品名、価格などを記憶する。店舗で扱う商品は日々変化するため、商品マスタ212は適宜更新される。
【0023】
店舗情報213は、POS端末2が設置される店舗を特定する店舗ID、および当該店舗を運営する企業を特定する企業IDなどの情報である。また、店舗情報213は、POS端末2が設置される店舗を運営する企業が販売事業者Aおよび/または購入事業者Bであることを示す事業者情報も含む。
【0024】
表示部22は、表示デバイスであり、液晶ディスプレイなどで構成される。表示部22は、制御部20の制御の下、各種情報を表示する。例えば、表示部22は、商品登録された商品の商品情報や、一取引の合計金額(取引金額)などを表示する。
【0025】
操作部23は、入力デバイスであり、表示部22の表面に設けられたタッチパネル、表示部22とは別に設けられたキーボードなどで構成される。操作部23は、店員等の操作により入力された各種情報を制御部20に入力する。例えば、操作部23は、決済処理の開始を指示する決済開始指示を制御部20に入力する。また、購入事業者BのPOS端末2においては、操作部23は、購入確認要求を指示する情報を制御部20に入力する。
【0026】
スキャナ24は、商品に付されたバーコードなどのコードシンボル(以下、「商品バーコード」ともいう)から商品コードを読取る。具体的には、スキャナ24は、商品バーコードを光学的にまたは撮像して認識する。そして、スキャナ24は、認識した商品バーコードをデコードし、当該商品バーコードが示す商品コードを読み取る。なお、スキャナ24が認識した商品バーコードのデコードは、制御部20で行ってもよい。また、スキャナ24は、消費者端末4に表示されたバーコードから電子レシートサービスの会員IDを読取る。スキャナ24は、POS端末2に固定的に設けられたものでもよいし、店員が手に取って操作可能なハンディ式のものでもよい。
【0027】
RFIDリーダ25は、決済処理時に商品に内蔵されたRFタグから個品コードを読取る。RFIDリーダ25は、店員が商品バーコードをスキャンした後に商品を置く場所を読取可能範囲とする位置に設けられることが望ましい。店員が商品バーコードをスキャンした後に自動的に個品コードを読取ることが可能となるからである。なお、商品に内蔵されたRFタグに商品コード等が書き込まれている場合、RFIDリーダ25は当該RFタグから商品コードも読取る。この場合、スキャナ24で商品コードを読取る必要はない。また、購入事業者BのPOS端末2においては、RFIDリーダ25は、当該購入事業者Bが消費者から商品を購入する際、当該商品に内蔵されたRFタグから個品コードを読取る。
【0028】
カードリーダ26は、各種カードから情報を読取る。例えば、カードリーダ26は、消費者のクレジットカードからクレジットカード決済に必要な消費者情報を読取る。カードリーダ26は、磁気カードから情報を読取る磁気カードリーダでもよいし、ICチップを内蔵したカードから情報を読取るICカードリーダでもよい。
【0029】
釣銭機27は、消費者が購入代金を現金で支払った際に、消費者の支払った紙幣と硬貨を受け付け、必要に応じて釣り銭を払い出す。
【0030】
通信部28は、電子レシートサーバ3などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部20は、通信部28を介して外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0031】
続いて、POS端末2の制御部20の機能構成について説明する。
図3は、POS端末2の制御部20の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信部2001、入力部2002、登録部2003、決済処理部2004、および表示制御部2005として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアを用いて構成してもよい。
【0032】
送受信部2001は、電子レシートサーバ3との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部2001は、会員ID、個品コード等を含むレシート情報を電子レシートサーバ3に送信する。また、購入事業者BのPOS端末2においては、送受信部2001は、会員ID、個品コード等を含む購入確認要求を電子レシートサーバ3に送信し、当該購入確認要求に対する応答として電子レシートサーバ3から判定結果を受信する。
【0033】
入力部2002には、操作部23、スキャナ24、およびRFIDリーダ25から各種情報が入力される。例えば、入力部2002には、操作部23から決済開始指示が入力される。また、入力部2002には、RFIDリーダ25から個品コードが入力される。さらに、入力部2002には、スキャナ24から商品コードや会員IDが入力される。なお、商品に内蔵されたRFタグに商品コード等が書き込まれている場合、入力部2002にはRFIDリーダ25から商品コードが入力される。購入事業者BのPOS端末2においては、入力部2002には、操作部23から購入確認要求を指示する情報が入力される。
【0034】
登録部2003は、商品登録を実行する。具体的には、登録部2003は、入力部2002に入力された商品コードに対応する商品情報を商品マスタ212から読み出して商品情報部2031に登録(記憶)する。また、登録部2003は、入力部2002に入力された個品コードを商品コードに対応付けて商品情報部2031に登録する。
【0035】
決済処理部2004は、一取引に係る決済処理を実行する。決済処理とは、消費者が購入代金の支払いを完了するための処理である。例えば、決済処理部2004は、一取引の取引金額の算出、レシート情報の生成、現金決済やキャッシュレス決済に係る処理などを行う。
【0036】
表示制御部2005は、表示部22に各種情報を表示させる。例えば、表示制御部2005は、商品登録された商品の商品情報や一取引の取引金額などを表示部22に表示させる。購入事業者BのPOS端末2においては、表示制御部2005は、電子レシートサーバ3から受信した判定結果を表示部22に表示させる。
【0037】
次に、電子レシートサーバ3について詳細に説明する。電子レシートサーバ3は、Webサーバとしても機能するもので、電子レシートサービスの会員である消費者に電子レシートを提供する。具体的には、電子レシートサーバ3は、POS端末2で決済された取引のレシート情報を一取引毎に管理する。そして、電子レシートサーバ3は、レシート情報をWebページに公開し、消費者端末4からの要求に応じて当該消費者端末4に適宜レシート情報を送信する。ここで、電子レシートサーバ3が送信するレシート情報のデータ形式は問わないものとする。
【0038】
図4は、電子レシートサーバ3の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。電子レシートサーバ3は、制御部30と、記憶部31と、表示部32と、操作部33と、通信部34と、を備えている。制御部30、記憶部31、表示部32、操作部33、および通信部34は、バス35等を介して互いに接続されている。
【0039】
制御部30は、CPU301、ROM302、RAM303を備えたコンピュータ構成となっている。CPU301、ROM302、およびRAM303は、バス35を介して互いに接続されている。
【0040】
CPU301は電子レシートサーバ3の全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用され、ROM302や記憶部31に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部30は、CPU301がROM302や、記憶部31に記憶されRAM303に展開された制御プログラムに従って動作することによって、電子レシートサーバ3の各種制御処理を実行する。
【0041】
記憶部31は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部31は、制御プログラム311、会員マスタ312、レシート情報管理ファイル313、および個品情報管理ファイル314を記憶する。
【0042】
制御プログラム311は、POS端末2から各種情報を受信するためのプログラム、受信したレシート情報を一取引毎に管理するためのプログラム、POS端末2から受信した購入確認要求に応じて判定処理を実行するためのプログラム、Webサーバ機能を実現するプログラムなどである。
【0043】
会員マスタ312は、電子レシートサービスの会員の情報、すなわち消費者の情報を記憶するマスタファイルである。
図5は、会員マスタ312のデータ構成を示す図である。会員マスタ312は、会員IDに対応付けて、氏名、性別、年齢、および通知先を記憶する。通知先は、例えば会員が所有する消費者端末4のメールアドレスである。
【0044】
レシート情報管理ファイル313は、POS端末2で決済された取引のレシート情報を会員毎に、かつ一取引毎に管理するファイルである。レシート情報管理ファイル313は、POS端末2から受信したレシート情報に基づいて登録、更新される。
図6は、レシート情報管理ファイル313のデータ構成を示す図である。レシート情報管理ファイル313は、会員IDに対応付けて、レシートNo、企業ID、店舗ID、取引金額、個品コードおよび商品情報を記憶する。
【0045】
会員IDは、電子レシートサービスの会員すなわち消費者を識別する情報であって、上述したように消費者識別情報の一例である。なお、消費者識別情報は、商品を購入する消費者を識別できる情報であればよく、電子レシートサービスの会員IDに限らず、店舗毎に発行される店舗会員IDであってもよい。レシートNoは、各POS端末2における一取引を特定する情報である。
【0046】
企業IDは、商品を販売する企業を識別する情報である。店舗IDは、商品を販売する店舗を識別する情報である。取引金額は、一取引の取引金額すなわち一取引で購入された商品の代金の合計金額である。企業ID、店舗ID、および取引金額は、レシートNoに1対1で対応して記憶される。
【0047】
個品コードは、購入された商品の個品を識別する情報であって、上述したように個品識別情報の一例である。一取引において複数の個品が購入された場合、レシートNoに対応して複数の個品コードが登録される。商品情報は、レシートNoで特定される取引で販売された商品の情報である。商品情報は、例えば、商品を特定する商品コード、商品の名称、単価、税額などを示す情報であり、個品コードに1対1で対応して記憶される。
【0048】
個品情報管理ファイル314は、販売事業者Aによって販売された商品の個品、言い換えればレシート情報管理ファイル313に記憶された個品コードで識別される個品の情報を管理するファイルである。個品情報管理ファイル314は、POS端末2から受信したレシート情報に基づいて登録、更新される。また、個品情報管理ファイル314は、消費者端末4から受信した紛失情報や移転情報に基づいて更新される。
【0049】
紛失情報は、消費者が購入した個品を紛失したことを示す情報であって、紛失した個品を特定可能な特定情報を含む。特定情報は、例えば個品コード、レシートNoと商品名との組み合わせなどである。電子レシートサーバ3は、上記特定情報によって消費者が紛失した個品を特定することができる。また、移転情報は、消費者が購入した個品を他の消費者に移転(譲渡)したことを示す情報であって、移転した個品を特定可能な特定情報を含む。移転情報は、移転先の消費者の会員IDを含んでいてもよい。
【0050】
図7は、個品情報管理ファイル314のデータ構成を示す図である。個品情報管理ファイル314は、個品コードに対応付けて、会員ID、移転フラグ、および紛失フラグを記憶する。個品コードおよび会員IDは、レシート情報管理ファイル313に記憶された情報と同じである。移転フラグは、個品IDで識別される個品が、対応する会員IDで識別される会員から他の消費者に移転されたか否かを示す情報である。紛失フラグは、個品IDで識別される個品が、対応する会員IDで識別される会員によって紛失されたか否かを示す情報である。
【0051】
なお、電子レシートサーバ3は、個品情報管理ファイル314を備えていなくてもよい。しかし、消費者端末4からの紛失情報や移転情報に基づいて個品情報管理ファイル314を更新することによって、販売事業者Aで販売された後の個品の情報も管理することができる。これにより、電子レシートサーバ3は、購入確認要求の対象である個品が、いずれかの販売事業者Aによって販売されたものか否かを判断できるだけでなく、販売事業者Aから購入した消費者から適正に譲渡されたものであるか否かも判断できるという利点がある。
【0052】
図4に戻って電子レシートサーバ3のハードウェア構成について説明する。
【0053】
表示部32は、例えば液晶パネルで構成されており、各種情報を表示する。表示部32は、例えば会員マスタ312、レシート情報管理ファイル313、個品情報管理ファイル314に記憶された情報を必要に応じて表示する。
【0054】
操作部33は、制御部30に情報を入力するためのもので、キーボード、タッチパネル、マウスなどで構成される。
【0055】
通信部34は、POS端末2、消費者端末4などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部30は、通信部34を介して外部装置と接続されることで、外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0056】
続いて、電子レシートサーバ3の制御部30の機能構成について説明する。
図8は、電子レシートサーバ3の制御部30の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部30は、CPU301がROM302や記憶部31に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信部3001、入力部3002、取得部3003、管理部3004、および判定部3005として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0057】
送受信部3001は、POS端末2および消費者端末4との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部3001は、会員ID、個品コード等を含むレシート情報をPOS端末2から受信する。また、送受信部3001は、会員ID、個品コード等を含む購入確認要求を購入事業者BのPOS端末2から受信し、当該購入確認要求に対する応答として判定結果を当該POS端末2に送信する。送受信部3001は、購入確認要求を受付ける受付部、および判定結果を出力する出力部として機能する。
【0058】
送受信部3001は、消費者端末4からレシート情報要求を受信し、当該レシート情報要求に対する応答としてレシート情報を当該消費者端末4に送信する。なお、消費者端末4に送信されるレシート情報は、レシート情報管理ファイル313に記憶されている全ての項目の情報でなくてもよい。また、送受信部3001は、消費者端末4から紛失情報や移転情報を受付ける。
【0059】
入力部3002には、操作部33から各種情報が入力される。例えば、入力部3002には、会員マスタ312、レシート情報管理ファイル313、個品情報管理ファイル314を手動で更新する場合に、更新するための情報が入力される。
【0060】
取得部3003は、消費者によって購入された商品の個品を識別する個品識別情報を含む購入情報を取得する。具体的には、取得部3003は、送受信部3001を介してPOS端末2から個品コードを含むレシート情報を取得する。
【0061】
管理部3004は、取得部3003が取得した購入情報を管理する。具体的には、管理部3004は、取得部3003が取得したレシート情報に基づいて、レシート情報管理ファイル313や個品情報管理ファイル314に情報を登録する。また、管理部3004は、送受信部3001が受信した紛失情報や移転情報に応じて、個品情報管理ファイル314を更新する。管理部3004は、レシート情報管理ファイル313や個品情報管理ファイル314に記憶された情報を必要に応じて読み出す。
【0062】
判定部3005は、受付部が受付けた購入確認要求に含まれる個品識別情報が管理部3004で管理されている個品識別情報に含まれるか否か判定する。具体的には、判定部3005は、送受信部3001が購入事業者BのPOS端末2から受信した購入確認要求に含まれる個品コードがレシート情報管理ファイル313に記憶されているか否か判定する。言い換えると、判定部3005は、購入確認対象の個品がいずれかの販売事業者Aによって販売されたものであるか否かを判定する。
【0063】
また、判定部3005は、受付部が受付けた購入確認要求に含まれる個品識別情報および消費者識別情報が管理部3004によって対応付けて管理されているか否か判定する。具体的には、判定部3005は、送受信部3001が購入事業者BのPOS端末2から受信した購入確認要求に含まれる個品コードおよび会員IDがレシート情報管理ファイル313に対応付けられて記憶されているか否か判定する。言い換えると、判定部3005は、購入確認対象の個品が当該個品の売却を希望する消費者によって購入されたものか否かの判定を行う。
【0064】
なお、判定部3005の機能を購入事業者BのPOS端末2が備えていてもよい。この場合、電子レシートサーバ3は、購入確認要求に含まれる個品コードに対応する情報をレシート情報管理ファイル313や個品情報管理ファイル314から読み出して、購入事業者BのPOS端末2に送信すればよい。これにより、購入事業者BのPOS端末2は、受信した情報に基づいて判定処理を実行することができる。
【0065】
上記構成の販売データ管理システム1を含む電子レシートシステム10の動作の概略について説明する。
図9は、電子レシートシステム10の動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【0066】
まず、販売事業者Aが消費者に商品を販売する際の流れについて説明する。販売事業者Aの店舗で電子レシートサービスの会員である消費者が商品を購入する際、当該店舗のPOS端末2に会員IDが入力される(ステップS1)。そして、POS端末2は、購入される商品について商品コードと個品コードを読取る(ステップS2)。続いて、POS端末2は商品登録を実行する(ステップS3)。商品登録では、一商品について読取った商品コードと個品コードとが対応付けて商品情報部2031に記憶される。
【0067】
消費者が購入する商品全ての商品登録が完了して決済指示が入力されると、POS端末2は、商品登録された情報に基づいて決済処理を実行する(ステップS4)。決済処理が完了すると、POS端末2は、会員ID、企業ID、店舗ID、商品情報および個品コードを含むレシート情報を電子レシートサーバ3に送信する(ステップS5)。
【0068】
電子レシートサーバ3は、受信したレシート情報をレシート情報管理ファイル313に登録する(ステップS6)。電子レシートサーバ3は、個品情報管理ファイル314にも情報を登録する。このとき、個品情報管理ファイル314の移転フラグには移転されていないことを示す情報が登録され、紛失フラグには紛失されていないことを示す情報が登録される。
【0069】
消費者端末4は、POS端末2での決済後にレシート情報要求を電子レシートサーバ3に送信することができる(ステップS7)。例えば、レシート情報要求は、電子レシートサーバ3がレシート情報を登録した際に消費者端末4にレシート情報を提供するWebページのURLを送信し、消費者端末4が当該URLを指定することでなされる。なお、レシート情報要求は、電子レシートサーバ3がレシート情報を登録した際に消費者端末4にレシートNoを含む登録通知を送信し、当該登録通知を受けた消費者端末4がレシートNoを特定したレシート情報要求を電子レシートサーバ3に送信するようにしてもよい。
【0070】
電子レシートサーバ3は、レシート情報要求で要求されたレシート情報をレシート情報管理ファイル313から抽出する(ステップS8)。電子レシートサーバ3は、抽出したレシート情報を消費者端末4に送信する(ステップS9)。
【0071】
消費者端末4は、受信したレシート情報、言い換えれば、Web上に公開されダウンロードされたレシート情報を一時的に保存し、Webブラウザによって表示部42に電子レシートを表示する(ステップS10)。一時的に保存されたレシート情報は、例えば電子レシートサービスのアプリケーションプログラムが次回に起動された際にクリアされる。なお、消費者端末4は、受信したレシート情報を蓄積して保存してもよい。
【0072】
以上の動作により、消費者は、販売事業者Aの店舗で商品を購入できるとともに、商品の購入に係るレシート情報を消費者端末4で閲覧することができる。また、電子レシートサーバ3は、POS端末2で決済処理された商品の商品情報や個品コードを含むレシート情報を管理することができる。
【0073】
続いて、購入事業者Bが消費者から商品を購入する際の流れについて説明する。まず、消費者が売却しようとする商品を購入事業者Bの店舗に持ち込むと、店員の操作によって購入事業者BのPOS端末2に購入確認要求入力がなされる(ステップS11)。次いで、POS端末2には、商品の売却を希望する消費者の会員IDが入力される(ステップS12)。また、POS端末2は、消費者が持ち込んだ商品に内蔵されたRFタグから個品コードを読取る(ステップS13)。
【0074】
購入事業者BのPOS端末2は、入力された会員ID、および読取った個品コードを含む購入確認要求を電子レシートサーバ3に送信する(ステップS14)。このとき、POS端末2は、記憶部21に記憶された店舗情報213を併せて電子レシートサーバ3に送信する。電子レシートサーバ3は、店舗情報213に含まれる事業者情報に基づいて、購入確認要求が購入事業者BのPOS端末2から送信されたものであることを認識することができる。
【0075】
電子レシートサーバ3は、購入確認要求を受信すると判定処理を実行する(ステップS15)。判定処理の詳細は後述する。次いで、電子レシートサーバ3は、判定処理による判定結果を購入確認要求の送信元である購入事業者BのPOS端末2に送信する(ステップS16)。
【0076】
購入事業者BのPOS端末2は、電子レシートサーバ3から受信した判定結果を表示する(ステップS17)。言い換えると、購入事業者BのPOS端末2は、消費者によって持ち込まれた商品がいずれかの販売事業者Aによって正規に販売された商品であるか否かを表示する。
【0077】
次に、電子レシートサーバ3が実行する判定処理について説明する。
図10は、電子レシートサーバ3の制御部30による判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0078】
制御部30は、送受信部3001が購入事業者BのPOS端末2から購入確認要求を受付けたか否か判断し(ステップS21)、受付けなければ(ステップS21のN)、ステップS21の処理に戻って待機する。
【0079】
送受信部3001が購入事業者BのPOS端末2から購入確認要求を受信すると(ステップS21のY)、判定部3005は、購入確認要求に含まれる個品コードがレシート情報管理ファイル313に登録されているか否か判断する(ステップS22)。言い換えれば、判定部3005は、購入確認対象の個品がいずれかの販売事業者Aで正規に販売されたものであるか否か、すなわち盗難品でないか否か判断する。
【0080】
購入確認要求に含まれる個品コードがレシート情報管理ファイル313に登録されていると(ステップS22のY)、判定部3005は、当該購入確認要求に含まれる会員IDがレシート情報管理ファイル313において当該個品コードに対応する会員IDと一致するか否か判断する(ステップS23)。言い換えれば、判定部3005は、商品の売却を希望する消費者が売却対象の個品を購入した消費者であるか否か判断する。
【0081】
購入確認要求に含まれる会員IDが個品コードに対応する会員IDと一致すると(ステップS23のY)、判定部3005は購入判定を行う。すなわち、判定部3005は、購入確認対象の個品がいずれかの販売事業者Aによって正規に販売されたものであるとして、購入事業者Bが購入しても問題ない旨判定する。続いて、送受信部3001は、購入要求確認の送信元であるPOS端末2に対して判定結果を送信する(ステップS25)。そして、制御部30は判定処理を終了する。
【0082】
ステップS22の処理において、購入確認要求に含まれる個品コードがレシート情報管理ファイル313に登録されていない場合(ステップS22のN)、判定部3005は、未購入判定を行う(ステップS26)。すなわち、判定部3005は、購入確認対象の個品が盗難品の可能性があると判断して、購入事業者Bが購入すべきでない旨判定する。その後、制御部30はステップS25の処理に移行する。
【0083】
ステップS23の処理において、購入確認要求に含まれる会員IDが個品コードに対応する会員IDと一致しない場合(ステップS23のN)、判定部3005は、購入確認対象の個品が移転登録されたものであるか否か判断する(ステップS27)。詳細には、判定部3005は、個品情報管理ファイル314を参照し、購入確認要求に含まれる個品コードに対応する移転フラグに移転があったことを示す情報が登録されているか否か判断する。
【0084】
移転登録があった場合(ステップS27のY)、制御部30は、ステップS24の処理に移行する。すなわち、判定部3005は、購入事業者Bに売却対象の個品を持ち込んだ消費者が、販売事業者Aから当該個品を購入した消費者を介して正当に当該個品を入手した消費者であると推定して購入判定を行う。
【0085】
移転登録がない場合(ステップS27のN)、判定部3005は、購入確認対象の個品が紛失登録されたものでないか否か判断する(ステップS28)。詳細には、判定部3005は、個品情報管理ファイル314を参照し、購入確認要求に含まれる個品コードに対応する紛失フラグに紛失があったことを示す情報が登録されていないか否か判断する。
【0086】
紛失登録がなされていない場合(ステップS28のY)、判定部3005は、注意判定を行う(ステップS29)。判定部3005は、購入確認対象の個品を購入した消費者と異なる消費者が当該個品の売却を希望していることを購入事業者Bに通知するために、注意判定を行う。注意判定の判定結果を通知された購入事業者Bは、例えば商品の販売を希望する消費者に事情を聞くなどの対応をとることができる。そして、制御部30は、ステップS25の処理に移行する。
【0087】
紛失登録がなされている場合(ステップS28のN)、制御部30はステップS26の処理に移行する。すなわち、判定部3005は、購入確認対象の個品が盗難品の可能性があると判断して、購入事業者Bが購入すべきでない旨判定する。なお、ステップS23、ステップS27、およびステップS28の処理は必ずしも必要とするものではない。
【0088】
以上説明したとおり、第1の実施形態の販売データ管理システム1は、消費者に商品を販売する販売事業者Aが有するPOS端末2と、販売事業者Aが販売した商品を前記消費者から購入する購入事業者Bが有するPOS端末2と、これらPOS端末2と通信可能に接続されたサーバ装置と、を有する販売データ管理システムであって、消費者によって購入された商品の個品を識別する個品コードを含むレシート情報を販売事業者AのPOS端末2から取得する取得部3003と、取得部3003が取得したレシート情報を管理する管理部3004と、個品コードを含む購入確認要求を購入事業者BのPOS端末2から受付ける受付部(送受信部3001)と、前記受付部が受付けた購入確認要求に含まれる個品コードが管理部3004で管理されている個品コードに含まれるか否か判定する判定部3005と、判定部3005による判定結果を購入事業者BのPOS端末2に出力する出力部(送受信部3001)と、を備える。
【0089】
これにより、販売データ管理システム1は、購入事業者BのPOS端末2に入力された個品コードで識別される個品が、いずれかの販売事業者Aで販売されたものであるか否か判断することができる。したがって、販売データ管理システム1を利用する購入事業者Bは、消費者から購入する商品がいずれかの販売事業者Aで正規に販売されたものでものであるか否か確認することができる。
【0090】
また、第1の実施形態の販売データ管理システム1において、購入情報および購入確認要求は、消費者を識別する情報であって個品コードに対応づけられた会員IDを含み、判定部3005は、受付部(送受信部3001)が受付けた購入確認要求に含まれる個品コードおよび会員IDが管理部3004によって対応付けて管理されているか否か判定する。
【0091】
これにより、販売データ管理システム1は、購入事業者BのPOS端末2に入力された会員IDで識別される消費者が、個品コードで識別される個品をいずれかの販売事業者Aから購入した消費者であるか否か判断することができる。したがって、販売データ管理システム1を利用する購入事業者Bは、消費者から購入しようとする個品が当該消費者によって販売事業者Aから購入されたものであるか否か確認することができる。このため、購入事業者Bは、より安全な商品の購入を行うことができる。
【0092】
さらに、第1の実施形態の販売データ管理システム1において、受付部(送受信部3001)は、消費者が購入した個品を特定可能な特定情報を含む情報であって当該消費者が当該個品を紛失したことを示す紛失情報を受付け、管理部3004は、前記受付部が受付けた紛失情報を管理する。
【0093】
これにより、販売データ管理システム1は、販売事業者Aで販売された個品が紛失されたことも管理することができる。したがって、販売データ管理システム1を利用する購入事業者Bは、消費者から購入しようとする個品が正規の持ち主が持ち込んだものであるか否か推定することができる。このため、購入事業者Bは、この点においても、より安全な商品の購入を行うことができる。
【0094】
加えて、第1の実施形態の販売データ管理システム1において、受付部(送受信部3001)は、消費者が購入した個品を特定可能な特定情報を含む情報であって当該消費者が当該個品を移転したことを示す移転情報を受付け、管理部3004は、前記受付部が受付けた移転情報を管理する。
【0095】
これにより、販売データ管理システム1は、販売事業者Aで販売された個品が当該個品を購入した消費者から移転されたことも管理することができる。したがって、販売データ管理システム1を利用する購入事業者Bは、購入しようとする個品が、販売事業者Aから購入した消費者から譲渡を受けた消費者が持ち込んだものであるか否か推定することができる。このため、購入事業者Bは、この点においても、より安全な商品の購入を行うことができる。
【0096】
また、第1の実施形態の販売データ管理システム1の管理部3004は、販売事業者Aと消費者との取引に係るレシート情報を管理する。
【0097】
これにより、販売データ管理システム1は、レシート情報を管理する電子レシートサーバを利用することができる。したがって、販売データ管理システム1を容易に構築することができる。別の言い方をすれば、販売データ管理システム1を用いて電子レシートサービスを提供することが可能となる。
【0098】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、販売事業者Aから商品を購入した際に発行された電子レシートに表示された個品コードと、購入事業者Bに持ち込まれた個品から読取った個品コードとが一致しているか否かを購入事業者BのPOS端末2が判定するものである。これによって、購入事業者Bに持ち込まれた個品が販売事業者Aで販売されたものであるか否かを確認することができる。購入事業者BのPOS端末2は、情報処理装置の一例である。なお、本実施形態において、電子レシートに代えて紙レシートを用いることも可能である。以下、第1の実施形態と同様の構成、機能については、説明を省略する場合がある。以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0099】
図11は、消費者端末4におけるレシートの表示画面を示す図である。消費者端末4は、電子レシートサービスのアプリケーションプログラムを起動させて電子レシートを表示することができる。消費者端末4の表示部42には、ヘッダー部421および主表示部422が形成される。
【0100】
ヘッダー部421には、複数のボタン4211が形成されている。ボタン4211は、例えば会員IDを示すバーコードを主表示部422に表示させるためのものや、電子レシートを主表示部422に表示させるためのものなどである。
【0101】
主表示部422は、
図11に示す電子レシート表示画面においては電子レシートを表示する。主表示部422には、店舗情報表示領域4221および取引情報表示領域4222が形成されている。なお、主表示部422は、電子レシートサービスのアプリケーションプログラムが起動された際にはスタート画面を表示する。
【0102】
店舗情報表示領域4221には、店舗情報が表示される。表示される店舗情報は、例えば、企業名、店舗名、企業ID、店舗IDなどである。なお、店舗情報表示領域4221に店舗情報に加えてコマーシャルメッセージなどを表示するようにしてもよい。また、店舗情報をコード化したコードシンボルを表示してもよい。
【0103】
取引情報表示領域4222には、商品情報、取引日時、レシートNoなどが表示される。表示される商品情報は、商品名や価格に加えて、バーコード4223を含む。バーコード4223は、購入された個品を識別する個品コードを示す。これにより、電子レシートに表示されたバーコード4223を読取ることで、当該電子レシートにかかる取引で購入された個品を特定することができる。なお、主表示部422は、一取引において購入商品が多く商品情報が消費者端末4の表示部42に収まらない場合、表示画面の上下へのスクロール機能によって全ての情報を表示することができる。
【0104】
消費者は、表示された電子レシートを閲覧することで取引内容を確認できる。また、消費者は、購入事業者Bに個品を売却する際に電子レシートを店員に提示して、売却する個品が販売事業者Aから購入したものであることを知らしめることができる。
【0105】
続いて、POS端末2の制御部20の機能構成について説明する。
図12は、POS端末2の制御部20の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信部2001、入力部2002、登録部2003、決済処理部2004、表示制御部2005、および判定部2006として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアを用いて構成してもよい。
【0106】
送受信部2001、登録部2003、決済処理部2004、および表示制御部2005の機能は、第1の実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。入力部2002には、スキャナ24が消費者端末4に表示された電子レシートのバーコードから読取った個品コードが入力される。入力部2002のその他の機能は、第1の実施形態と同様である。ここで、入力部2002は、商品に付された媒体が示す個品識別情報が入力される第1入力部の一例であり、購入された商品のレシートが示す個品識別情報が入力される第2入力部の一例でもある。また、表示制御部2005は出力部の一例である。
【0107】
上記構成における返品の受付時の流れについて説明する。消費者は、購入事業者Bの店舗において、売却する個品と当該個品を販売事業者Aから購入した際の電子レシートとを店員に提示する。次いで、店員は、スキャナ24によって消費者端末4の電子レシートのバーコードから個品コードを読取らせるとともに、RFIDリーダ25によって持ち込まれた個品に内蔵されたRFタグから個品コードを読取らせる。
【0108】
POS端末2は、スキャナ24が読取った個品コードとRFIDリーダ25が読取った個品コードとが一致するか否かを判定する判定処理を実行する。自己の消費者端末4に電子レシートを表示できる消費者は対象の個品を購入した消費者である。このため、購入事業者Bは、電子レシートから読取った個品コードと、持ち込まれた個品に内蔵されたRFタグから読取った個品コードとが一致すれば、当該個品は販売事業者Aから正規に購入されたものであると判断できる。
【0109】
次に、POS端末2が実行する判定処理について説明する。
図13は、POS端末2の制御部20による判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0110】
制御部20は、入力部2002に操作部23から判定指示が入力されたか否か判断し(ステップS31)、入力されなければ(ステップS31のN)、ステップS31の処理に戻って待機する。
【0111】
入力部2002に判定指示が入力されると(ステップS31のY)、制御部20は、入力部2002にRFIDリーダ25から個品コードが入力されたか否か判断し(ステップS32)、入力されなければ(ステップS32のN)、ステップS32の処理に戻って待機する。
【0112】
入力部2002にRFIDリーダ25から個品コードが入力されると(ステップS32のY)、制御部20は、入力部2002にスキャナ24から個品コードが入力されたか否か判断し(ステップS33)、入力されなければ(ステップS33のN)、ステップS33の処理に戻って待機する。なお、ステップS32の処理とステップS33の処理の順序は逆であってもよい。
【0113】
入力部2002にスキャナ24から個品コードが入力されると(ステップS33のY)、判定部2006は、RFIDリーダ25から入力された個品コードとスキャナ24から入力された個品コードが一致するか否か判断する(ステップS34)。
【0114】
RFIDリーダ25から入力された個品コードとスキャナ24から入力された個品コードとが一致すると(ステップS34のY)、判定部2006は、購入判定を行う(ステップS35)。続いて、表示制御部2005は、判定結果を表示部22に出力して、当該表示部22に表示させる(ステップS36)。そして、制御部20は判定処理を終了する。
【0115】
ステップS34の処理において、RFIDリーダ25から入力された個品コードとスキャナ24から入力された個品コードとが一致しない場合(ステップS34のN)、判定部2006は、未購入判定を行う(ステップS37)。その後、制御部20はステップS36の処理に移行する。
【0116】
以上説明したとおり、第2の実施形態のPOS端末2は、商品に付されたRFタグが示す個品コードが入力される第1入力部(入力部2002)と、購入された商品のレシートが示す個品コードが入力される第2入力部(入力部2002)と、前記第1入力部に入力された個品コードと前記第2入力部に入力された個品コードとが一致すると判定された場合、前記第1入力部に入力された個品コードで識別される個品が正規に購入されたものであることを示す情報を出力する出力部(表示制御部2005)と、を備える。
【0117】
これにより、購入事業者BのPOS端末2は、持ち込まれた商品に付されたRFタグが示す個品コードで識別される個品が、販売事業者Aで販売されたものであるか否か判断することができる。したがって、POS端末2を利用する購入事業者Bは、消費者から個品を購入する際に、対象の個品が販売事業者Aで正規に販売されたものであるか否か確認することができる。
【0118】
なお、上記各実施形態において、POS端末2、電子レシートサーバ3、および消費者端末4の各装置で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記各装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0119】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0120】
1 販売データ管理システム
2 POS端末(第1の実施形態におけるデータ処理装置、第2の実施形態における情報処理装置)
3 電子レシートサーバ(サーバ装置、第1の実施形態における情報処理装置)
2002 入力部(第2の実施形態における第1入力部、第2入力部)
2005 表示制御部(第2の実施形態における出力部)
2006 判定部
3001 送受信部(第1の実施形態における受付部、出力部)
3003 取得部
3004 管理部
3005 判定部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0121】