(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179835
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0202 20230101AFI20231213BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20231213BHJP
【FI】
G06Q30/02 310
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092677
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】小口 健太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB04
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】利用者ごとの消費前の商品に関する商品保管情報を把握する。
【解決手段】一実施形態の情報処理装置は、利用者ごとに、消費前の商品の商品種別、有効期限、及び数量を含む情報を商品保管情報として取得する取得部と、取得部により取得された利用者ごとの商品保管情報と、利用者の住所情報とに基づいて、商品を販売する店舗から所定範囲内に住む利用者の商品保管情報のうち、商品の有効期限ごとの数量と、商品を保管する利用者数とを集計する集計部と、集計部により集計された結果を出力する出力制御部と、を備える。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者ごとに、消費前の商品の商品種別、有効期限、及び数量を含む情報を商品保管情報として取得する取得部と、
前記取得部により取得された利用者ごとの商品保管情報と、前記利用者の住所情報とに基づいて、前記商品を販売する店舗から所定範囲内に住む利用者の商品保管情報のうち、前記商品の有効期限ごとの数量と、前記商品を保管する利用者数とを集計する集計部と、
前記集計部により集計された結果を出力する出力制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記出力制御部は、
前記集計部により得られた前記商品の有効期限ごとの数量が所定の条件を満たす場合に、前記商品を購入することを条件とした特典情報を、前記所定範囲内に住む利用者の利用者端末に出力する、
請求項1に記載された情報処理装置。
【請求項3】
前記出力制御部は、
前記集計部により得られた前記商品の有効期限ごとの商品を保管する利用者数が所定の条件を満たす場合に、前記商品を購入することを条件とした特典情報を、前記所定範囲内に住む利用者の利用者端末に出力する、
請求項1又は2に記載された情報処理装置。
【請求項4】
利用者ごとに利用者端末から、前記商品の購入の予約に関する要求を受け付ける受付部と、
各利用者端末からの前記要求に基づいて、前記商品が前記店舗に入荷するように発注を行う商品発注部と、を備えた、
請求項1又は2に記載された情報処理装置。
【請求項5】
前記商品発注部は、前記受付部が受け付けた前記商品の要求数に応じて設定される数の前記商品を発注する、
請求項4に記載された情報処理装置。
【請求項6】
前記商品発注部は、
前記店舗の利用者数に対する前記受付部が受け付けた前記要求の数の比率、又は、
前記店舗での1日当たりの前記商品の平均的な販売数に対する前記受付部が受け付けた前記要求の数の比率に応じて、前記商品の発注量を調整する、
請求項4に記載された情報処理装置。
【請求項7】
前記出力制御部は、前記商品を材料とする料理の品目を示す情報を前記利用者の利用者端末に出力する、
請求項1又は2に記載された情報処理装置。
【請求項8】
利用者ごとに、消費前の商品の商品種別、有効期限、及び数量を含む情報を商品保管情報として取得するステップと、
前記取得するステップにおいて取得された利用者ごとの商品保管情報と、前記利用者の住所情報とに基づいて、前記商品を販売する店舗から所定範囲内に住む利用者の商品保管情報のうち、前記商品の有効期限ごとの数量と、前記商品を保管する利用者数とを集計するステップと、
前記集計するステップにおいて集計された結果を出力するステップと、を含む、
情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに所定の処理を実行させるプログラムであって、
前記方法は、
利用者ごとに、消費前の商品の商品種別、有効期限、及び数量を含む情報を商品保管情報として取得するステップと、
前記取得するステップにおいて取得された利用者ごとの商品保管情報と、前記利用者の住所情報とに基づいて、前記商品を販売する店舗から所定範囲内に住む利用者の商品保管情報のうち、前記商品の有効期限ごとの数量と、前記商品を保管する利用者数とを集計するステップと、
前記集計するステップにおいて集計された結果を出力するステップと、を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、小売業において商品の発注量を適切に決定することを意図したシステムが提案されている。例えばリードタイムを考慮して需要量集計期間を設定する需要量集計期間算出部と、出荷実績(あるいは販売実績)、入荷実績及び予定入荷量に基づいて、需要量集計期間の期末における予定在庫を算出する予定在庫算出部と、過去の出荷(販売)実績に基づいて、需要量集計期間における安全在庫量を算出する安全在庫量算出部と、過去の出荷(販売)実績に基づいて、商品ごとの需要量集計期間における需要量合計を予測する需要量合計算出部と、安全在庫量と需要量合計の和を発注点とする発注点算出部と、発注点から予定在庫を差し引いた結果を発注量とする発注量算出部と、を有する発注量算出システムが記載されている(例えば、特許文献1参照)。また、上述したシステムのほか、曜日、天気、温度等に関連する過去の販売実績データを機械学習させたモデルを作成し、そのモデルを利用しては発注量を算出するシステムもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したいずれのシステムも単に過去のデータに基づいており、精度が良くないという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、利用者ごとの消費前の商品に関する商品保管情報を把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、利用者ごとに、消費前の商品の商品種別、有効期限、及び数量を含む情報を商品保管情報として取得する取得部と、前記取得部により取得された利用者ごとの商品保管情報と、前記利用者の住所情報とに基づいて、前記商品を販売する店舗から所定範囲内に住む利用者の商品保管情報のうち、前記商品の有効期限ごとの数量と、前記商品を保管する利用者数とを集計する集計部と、前記集計部により集計された結果を出力する出力制御部と、を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、利用者ごとに消費前の商品に関する商品保管情報を把握することできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態の商品保管システムのシステム構成を概略的に示す図である。
【
図2】店舗利用者データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図3】利用者保管データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図4】利用者端末の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
【
図5】一実施形態の商品保管システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図6】利用者端末の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
【
図7】一実施形態の商品保管システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図8】利用者端末の保管アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
【
図9】利用者端末の保管アプリケーションの画面例を示す図である。
【
図10】利用者端末の保管アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
【
図11】一実施形態の商品保管システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図12】一実施形態の商品保管システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図13】集計データのデータ構成例を示す図である。
【
図14】一実施形態の商品保管システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図15】一実施形態の商品保管システムの各装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図16】一実施形態の商品保管システムのシステム構成を概略的に示す図である。
【
図17】一実施形態の商品保管システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示において、商品の「商品種別」とは、商品の種別、種類、カテゴリ等を特定する情報である。後述するカテゴリは、商品種別の一例である。
本開示において、商品の「有効期限」とは、利用者が当該商品を使用可能、賞味可能、又は、消費可能であるか否かの指標を示す情報である。有効期限の例としては、使用期限、賞味期限、消費期限、品質保証期限等が挙げられる。
本開示において、「商品の数量」とは、商品の内容物を定量的に把握できる量であればよく、1個、2個といった数に限られず、300mlといった液体の量を示す値や、1/2(2分の1),2/3(3分の2),60%といった商品の元の量からの割合を示す値も含まれる。
本開示において、「商品保管情報」とは、利用者が家庭で保管している商品に関する情報である。
【0010】
一実施形態の商品保管システムでは、例えば利用者が所持する利用者端末等によって、利用者が家庭で保管する商品に関する情報を管理する。
保管対象の商品は限定しないが、上記有効期限と関連付けられたものであって、利用者が家庭内で保管する商品であれば如何なるものでもよい。代表的な保管対象の商品は、例えば小売り店舗で利用者によって購入される食品や飲料、調味料等である。
以下に記載する形態は、図面の簡単な説明により説明される図面に限定されるものではない。
【0011】
本発明のある態様の第1の態様は、取得部、集計部、及び、出力制御部を備えた情報処理装置である。
取得部は、利用者ごとに、消費前の商品の商品種別、有効期限、及び数量を含む情報を商品保管情報として取得する。集計部は、取得部により取得された利用者ごとの商品保管情報と、利用者の住所情報とに基づいて、商品を販売する店舗から所定範囲内に住む利用者の商品保管情報のうち、商品の有効期限ごとの数量と、商品を保管する利用者数とを集計する。出力制御部は、集計部により集計された結果を出力する。ここで、商品の「消費」とは、利用者が対象の商品のすべてを消費して当該商品を利用者が保管していない状態を意味する。したがって、商品の一部でも消費せずに残っている場合には、商品の「消費前」となる。
店舗から所定範囲内に住む利用者に保管されている商品の有効期限が近くなると、利用者が店舗に新たな商品を購入するために来店する可能性が高いことから、集計部の出力結果は、店舗からの所定範囲内の商品の潜在的な需要を可視化したものとなる。そのため、集計部の出力結果を基に店舗は、利用者ごとの消費前の商品に関する商品保管情報を把握できる。ここで、店舗からの所定範囲内に住む利用者を集計対象としたのは、店舗から見て、当該店舗を利用すると考えられる利用者向けの商品の潜在的需要を精度良く可視化でき、商品の受発注に精度良く繋げられるためである。
【0012】
本発明のある態様の第2の態様は、出力制御部が、集計部により得られた商品の有効期限ごとの数量が所定の条件を満たす場合に、商品を購入することを条件とした特典情報を、所定範囲内に住む利用者の利用者端末に出力する第1の態様の情報処理装置である。それによって、特典情報を利用者に付与することで利用者が来店するように誘導することができる。ここで、「特典情報」は限定されるものではなく、利用者に有益な情報であれば如何なる情報でもよい。特典情報として、例えば、店舗の商品の購入に利用可能なクーポン等が挙げられる。
【0013】
本発明のある態様の第3の態様は、出力制御部が、集計部により得られた商品の有効期限ごとの商品を保管する利用者数が所定の条件を満たす場合に、商品を購入することを条件とした特典情報を、所定範囲内に住む利用者の利用者端末に出力する第1の態様又は第2の態様の情報処理装置である。それによって、1人の顧客が2以上の商品を購入する場合があるため、利用者数が多い場合には特典を付与することで積極的な来店を促し、商品の拡販に繋げることができる。
【0014】
本発明のある態様の第4の態様は、利用者ごとに利用者端末から、商品の購入の予約に関する要求を受け付ける受付部と、各利用者端末からの要求に基づいて、商品が店舗に入荷するように発注を行う商品発注部と、を備える第1の態様から第3の態様のいずれかの態様の情報処理装置である。それによって、利用者自身が商品の購入の予約を行うことになるため、より確実に利用者が来店するように誘導することができる。利用者から商品の購入の予約に関する要求を受け付けた場合には、商品を購入することを条件とした特典情報を、当該要求を受け付けていない場合の特典情報と比較して、利用者に有利となるようにするとよい。それによって、利用者が積極的に上記要求を行うことを動機付けられ、利用者が来店する可能性がより高くなる。なお、特典情報に商品の購入の予約に関する要求を受け付ける受付部が含まれてもよい。
【0015】
本発明のある態様の第5の態様は、商品発注部が、受付部が受け付けた商品の要求数に応じて設定される数の商品を発注する第4の態様の情報処理装置である。それによって、来店した利用者が確実に商品を購入することができる。
【0016】
本発明のある態様の第6の態様は、商品発注部が、店舗の利用者数に対する受付部が受け付けた要求の数の比率、又は、店舗での1日当たりの商品の平均的な販売数に対する受付部が受け付けた要求の数の比率に応じて、商品の発注量を調整する第4の態様の情報処理装置である。それによって、商品の発注量を調整することで、商品の発注量の精度が高くなる。
【0017】
本発明のある態様の第7の態様は、出力制御部は、商品を材料とする料理の品目を示す情報を利用者の利用者端末に出力する第1から第6の態様のいずれかの態様の情報処理装置である。それによって、消費期限が近い商品の消費が促進されるため、利用者の利便性を向上させることができる。
【0018】
取得部は、店舗で利用者が購入した商品の商品種別、有効期限、及び数量を含む情報を商品保管情報として取得するとともに、利用者の利用者端末に入力された、商品の商品種別、有効期限、及び数量を含む情報を商品保管情報として取得してもよい。それによって、店舗は、利用者が店舗以外で購入された商品についての情報を得ることができる。
取得部は、複数の店舗の各々で前記利用者が購入した商品の商品種別、有効期限、及び数量を含む情報を商品保管情報として取得してもよい。それによって、利用者が特定の店舗以外で購入した商品に対応する情報を利用者端末に入力して情報処理装置に送信する手間が省ける。
【0019】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
図1を参照して、一実施形態の商品保管システム1のシステム構成を説明する。商品保管システム1では、例えば店舗R等で購入して自宅で保管している利用者の商品に関する情報を管理できるように構成されている。商品の例として食品を挙げるが、その限りではなく、調味料等、消費期限(有効期限の一例)がある商品であれば如何なる商品であってもよい。本実施形態の例では、店舗Rは、商品として消費期限を有する食品等を扱うスーパーマーケット等の小売業である。商品保管システム1は、例えば店舗Rにおいて利用者がレジレスで決済が完了できる仕組みとなっている。レジレスとは、店舗のPOSレジを経ずに利用者が所持する利用者端末等を介して決済を行うシステムを意味する。
【0020】
図1に示すように、一実施形態の商品保管システム1は、例えば店舗Rで買い物を行う利用者CTが所持する利用者端末3と、店舗端末4と、店舗サーバ5と、決済代行サーバ7と、保管サーバ8とを含む。利用者CTは、利用者端末3等を用いて店舗Rで購入した商品に関する情報を管理可能である。商品保管システム1は、利用者端末3、店舗端末4、及びサーバ群がネットワークNWを介して通信可能となるように構成される。ネットワークNWは限定しないが、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等である。
【0021】
店舗サーバ5は、利用者が利用する店舗RにおいてレジレスやPOSレジ等を実現するために設けられている。店舗サーバ5は、決済代行サーバ7と通信可能であり、決済代行サーバ7に対して決済処理の要求を行うことにより、レジレスやPOSレジ等による利用者の商品決済を支援する。
【0022】
利用者CTが所持する利用者端末3には、例えば店舗Rに対応した店舗アプリケーションがインストールされている。店舗アプリケーションは、例えば店舗Rにおいてレジレスによる決済を行うために、店舗Rの店舗サーバ5と通信を行う。レジレスによる決済では、店舗サーバ5、利用者端末3、及び、決済代行サーバ7の間で、データの授受が行われる。POSレジによる決済では、店舗サーバ5、図示しない店舗内のPOSレジ、及び、決済代行サーバ7の間で、データの授受が行われる。
利用者端末3には、利用者が購入した商品に関する情報を管理するための保管アプリケーションがインストールされている。保管アプリケーションは、利用者が購入した商品に関する情報を管理するために保管サーバ8と通信を行う。
【0023】
保管サーバ8は、利用者端末3及び店舗サーバ5と通信が可能である。
保管サーバ8は、例えば店舗サーバ5等から、利用者による決済済みの商品に関する情報を取得し、利用者ごとの商品保管情報として保管データ(後述する)を管理する。保管サーバ8は、例えば利用者の消費前の商品の消費期限ごとの保管数等に応じて発注処理を行う。また、保管サーバ8は、消費前の商品の消費期限ごとの保管数等に応じて利用者に特典情報を配信する。保管サーバ8は、例えば保管アプリケーションからの要求に応じて利用者端末3を介して利用者に保管データを提供する。保管サーバ8は、例えば保管アプリケーションからの要求に応じて保管データを更新する。保管サーバ8が利用者ごとの保管データを集計し、集計データを店舗端末4に送信することで、店舗の担当者が利用者の保管データを確認することができる。
以下の説明及び図面では、店舗アプリケーション及び保管アプリケーションをそれぞれ、「店舗アプリ」、「保管アプリ」と適宜略記することがある。
【0024】
店舗サーバ5には、
図2に例示する店舗利用者データベースが格納される。
図2に例示する利用者データベースの各レコードは、「利用者ID」、「グループID」、「利用者名称」、「住所又は郵便番号」、「決済手段」の各フィールドの値を含む。ここで、「利用者ID」フィールドの値は、店舗Rの利用者に割り当てられる識別情報である。
「グループID」フィールドの値は、複数の利用者に対して共通に割り当てられるIDである。典型的な一例では、家族等、生計を共にする複数の利用者の間で単一のグループIDが、例えば利用者から申請により割り当てられる。例えば、店舗アプリ利用者データベースに既に登録されている親の利用者が子の利用者を新たに登録した場合、親の利用者と子の利用者とが同一のグループIDに割り当てられる。
「利用者名称」、「住所」の各フィールドの値は、利用者が店舗アプリケーションを利用者端末3にインストールするタイミングで、利用者の操作入力に基づいて取得され、利用者データベースに記録される。「決済手段」フィールドの値は、利用者が店舗アプリケーションを利用者端末3にインストールするタイミング、又は、インストール後の任意のタイミングで、利用者の操作入力に基づいて取得され、利用者データベースに記録あるいは更新される。
「決済手段」フィールドの値は、利用者に対して商品の決済を行うのに必要なデータであり、例えば、クレジットカード番号の情報、及び/又は、電子マネーに関連する情報(プリペイド番号等)である。「決済手段」フィールドの値は、利用者IDに対応する利用者が決済を行うときに決済代行サーバ7に提供される。
【0025】
図3に、利用者保管データベースの構成例を示す。利用者保管データベースは、利用者単位又はグループ単位で保管されている商品のデータを示している。利用者保管データベースは、保管サーバ8に格納されている。利用者保管データベースは、利用者IDごとに、又は、グループIDごとに管理されている。利用者ID又はグループIDに対応する住所のデータが含まれるとともに、利用者ID又はグループIDに対応する各レコードは、例えば「カテゴリ」、「商品」、「数量」、「消費期限」の各フィールドの値を含む。利用者保管データベースでは、同一の家計となっている2以上の利用者に対応する商品のデータは、1つのグループIDに対応する商品のデータとして集約される。
【0026】
利用者保管データベースは、例えば店舗サーバ5から取得した、利用者が店舗Rで購入した商品の内容(後述する購入データ)に基づき、作成される。利用者保管データベースの1つのレコードは、例えば利用者が店舗Rで購入した(決済が完了した)商品のデータである。
利用者保管データベースは、利用者の保管アプリケーションの実行結果が反映される。利用者保管データベースに含まれるレコードは、店舗R以外の別の店舗で利用者が購入した商品のデータである場合がある。
図3の利用者保管データベースの「商品」フィールドの値は、利用者が店舗Rで商品を購入した場合には、「豚肉F」や「トマトA」といった特定の商品の商品コードに対応する値である。それに対して、店舗R以外の他の店舗で利用者が商品を購入し、当該商品の情報を利用者が保管アプリケーションで入力する場合には、利用者保管データベースの「商品」フィールドの値は、例えば「牛乳」のように、特定の商品の商品コードではなく、一般的な商品の名称を示す値となる。
【0027】
なお、店舗R以外の他の店舗で購入した商品の情報を利用者が保管アプリケーションで入力する場合には、保管アプリケーション又は保管サーバ8が、入力された商品の情報を基に対応するカテゴリ(商品種別の一例)を決定し、決定したカテゴリの値を利用者保管データベースの「カテゴリ」フィールドの値に反映してもよい。
以下では、利用者保管データベースにおいて利用者IDごと、又はグループIDごとのデータを「保管データ」という。
【0028】
次に、
図4及び
図5を参照して、利用者端末3の店舗アプリケーションの利用方法について説明する。
図4は、利用者端末3の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
図5は、利用者端末3の店舗アプリケーションの処理を示すシーケンスチャートである。
店舗アプリケーションを実行することで利用者は、店舗内の各商品の提供価格を確認でき、自身が選択した商品の決済を行うことができる。
図4の画面G1~G3は、利用者が商品の価格を確認し、購入予定リスト(カゴ)に商品を追加する場合の店舗アプリケーションの利用方法を示している。
【0029】
利用者が利用者端末3において店舗アプリケーションを起動すると、
図4の画面G1に示すように、利用者端末3に備わる撮像機能が連動し、撮像された画像がウィンドウw1に表示される。画面G1では、利用者が商品Pを店舗の棚から手に取り、商品Pに表示されているコード情報C1が見えるようにした商品Pの画像がウィンドウw1に含まれる。商品Pのコード情報C1をウィンドウw1に表示させる(つまり、利用者がスキャン操作を行う)ことで、店舗アプリケーションは、コード情報C1の読み取り(スキャン)を行う(
図5のステップS2)。ウィンドウw1内に複数のコード情報が表示される場合に、目的とするコード情報を確実に読み取らせることができるように、利用者端末3の撮像機能は、ウィンドウw1内にスキャン領域100を表示させる機能を含むことが好ましい。その場合、ウィンドウw1内の複数のコード情報のうちスキャン領域100内に表示されたコード情報C1のみが読み取られる。
【0030】
例えばコード情報C1には、対応する商品Pの商品コードと消費期限の情報(消費期限情報)が含まれる。商品コードと消費期限情報が含まれる限り、コード情報C1のコード形式は問わないが、バーコード(1次元コード)とする場合には、例えばGS1-128等のCODE128を採用することができる。CODE128は、アスキーコード128文字を全てバーコード化できるため、商品コードと消費期限情報を含むように構成することができる。
【0031】
なお、GS1-128を含むラベルを店舗内の各商品に貼付するために、物流センターで貼付ロボット等を利用したラベルの一括自動貼り付けを行ってもよく、また、店舗での総菜等の製造時においてGS1-128を含む計量ラベルの貼り付けを行ってもよい。それによって、消費期限情報が含まれないコード(例えば、JAN13等)が商品自体に印刷されている商品についても、消費期限情報を含むGS1-128が印字されたラベルを貼り付けることができる。
【0032】
店舗アプリケーションは、コード情報C1が読み取られると、コード情報C1に含まれる商品コード及び消費期限情報を含む、利用者への商品Pの提供価格の問合せ要求を店舗サーバ5に送信する(
図5のステップS4)。店舗サーバ5は、価格問合せを受信すると、図示しない値下げデータベースを参照して商品の価格(提供価格)を決定し(ステップS7)、商品Pの通常価格と提供価格の情報を含む価格データを店舗アプリケーションに送信する(ステップS10)。値下げデータベースには、商品ごとの商品コード及び/又は商品の期限情報に対応する値下げ率の情報が含まれる。また、商品ごとの通常価格の情報は、図示しない価格データベースに記録されている。
店舗アプリケーションは、店舗サーバ5から価格データを受信し、表示する(ステップS12)。
【0033】
例えば、
図4を参照すると、ステップS12において表示される画面G2のウィンドウw2には、商品コードに対応する商品名称(「ヨーグルトB 500ml」)と、通常価格(「300円」)、提供価格(「250円」)、及び、消費期限(「2022年9月13日」)の情報が含まれる。
画面G2において利用者は、ウィンドウw2に含まれる情報を見て、購入予定リスト(カゴ)に商品Pを追加するか否かの選択を行うことができる。商品Pを購入予定リストに追加する場合には、利用者が画面G2に表示されているボタンb1(「カゴに入れる」)を操作すると(
図5のステップS14:YES)、画面G3が表示され、商品Pが購入予定リストに追加されたことが利用者に通知される(ウィンドウw3)。その場合、利用者は、手に取った商品Pを店舗の実際のカゴ又は買い物カートの中に入れる。利用者端末3は、ボタンb1の操作に応じて、対象となる商品の情報を購入予定リストに追加するようにして購入予定リストを更新する(ステップS16)。
【0034】
次に、
図6及び
図7を参照して、利用者端末3の店舗アプリケーションによって商品の決済を行う際の店舗アプリケーションの利用方法について説明する。
図6は、利用者端末3の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
図7は、利用者端末3の店舗アプリケーションの処理を示すシーケンスチャートである。
【0035】
利用者は、商品の提供価格を確認して購入予定リストに追加した後(つまり、
図4の画面G1~G3を繰り返し表示させた後)、決済を行う場合には、画面G4においてボタンb2(「カゴの中を見る」)を操作し、購入予定リストBLを含む画面G5を表示させる。購入予定リストBLには、それまでに追加された商品の一覧(各商品の商品名称、数量、価格)と価格の合計金額とが含まれる。利用者は、例えば予算オーバーのため購入予定リストBLから特定の商品の購入を中止する場合には、当該商品を購入予定リストBLから削除する操作を行うことができる。
【0036】
画面G5において、購入予定リストBLが確定した場合、利用者がボタンb3(決済ボタン)を操作することで(
図7のステップS20)、店舗アプリケーションは、店舗サーバ5に対して、購入予定リストを含む決済要求を行う(ステップS22)。店舗サーバ5は、店舗アプリケーションから決済要求を受信すると、利用者名称及び決済手段のデータを利用者データベースから読み出し、読み出した利用者名称及び決済手段のデータと、決済額(購入予定リストの合計金額)のデータとを含む決済要求を決済代行サーバ7に送信する(ステップS24)。決済代行サーバ7は、店舗サーバ5から提供されたデータを基に決済処理を行い(ステップS26)、決済処理が完了すると、店舗サーバ5に決済完了通知を送信する(ステップS28)。
【0037】
決済が完了すると、店舗サーバ5は、新たな決済IDを発行し(ステップS30)、ステップS22の決済要求に対応する決済完了通知を店舗アプリケーションに送信する(ステップS34)。この決済完了通知には、ステップS30で発行された決済IDが含まれる。店舗アプリケーションは、受信した決済完了通知に含まれる決済IDを含む2次元コードである決済済コードを作成し(ステップS36)、利用者端末3に表示する(ステップS38)。例えば、
図6に示すように、決済済コードとしてコード情報C2を含む画面G6が表示される。決済済コードは、商品の決済が完了したことを示しており、決済を特定する決済ID(後述する)を含む。ここでは、決済済コードとして2次元コードの例を示しているが、バーコード等であってもよい。
【0038】
画面G6に示す決済済コードは、例えばカゴの中の商品の決済が完了したことを店舗又は店舗スタッフに対して通知するために利用される。例えば、決済済コードを店舗スタッフに見せることで利用者が店舗を退出することができるように構成してもよいし、決済済コードを店舗内の所定の装置に読み取らせることで店舗を退出できるようにゲートが開くように構成してもよい。その場合、利用者はレジ待ちの列に並ぶ必要がなく、店舗のレジスタッフが商品の決済を行う必要がないため、利用者と店舗の双方に利点がある。
【0039】
店舗サーバ5は、購入データを保管サーバ8に送信する(ステップS35)。購入データには、利用者による決済が完了した商品に関する情報として、商品コード、商品の数量、及び、消費期限の情報等が含まれる。例えば、購入データには、上述したコード情報C1に対応させて管理されている情報(例えば、商品に貼付されている商品ラベル等に記載されている情報)が含まれてもよい。保管サーバ8は、店舗サーバ5から購入データを受信すると、利用者ごとに購入データを用いて利用者保管データベース(
図3)を作成し、更新する(ステップS40)。なお、
図7はレジレスで商品の決済が完了する場合のシーケンスチャートであるが、例えばPOSレジ等によって商品の決済が行われる場合には、保管サーバ8は、POSレジから利用者IDに応じて利用者ごとの購入データを取得して利用者保管データベースを作成、更新する。
【0040】
保管サーバ8は、購入データを用いて利用者保管データベースの作成、更新することで、
図3に示すように、利用者ごとに保管データ(消費前の商品保管情報の一例)を取得、管理する。ステップS35において保管サーバ8が購入データを取得することは、利用者の商品保管情報を取得することの一例である。
【0041】
次に、
図8~
図10を参照して、保管アプリケーションの利用方法について説明する。
図8は、利用者端末3の保管アプリケーションのホーム画面からの画面遷移例を示す図である。
図9は、利用者端末3の保管アプリケーションの画面例を示す図である。
図10は、利用者端末3の保管アプリケーションにおいて商品を入力するときの画面遷移例を示す図である。
【0042】
図8の画面G10は、保管アプリケーションに利用者がログインした後のホーム画面である。このホーム画面には、例えば利用者の自宅に保管されている消費前の商品の保管内容を閲覧するためのボタンb11と、店舗において利用可能なクーポンを閲覧するためのボタンb12とが含まれる。ボタンb11が操作されると、利用者が保管する商品の一覧を含む画面G11が表示される。ボタンb12が操作されると、店舗において利用可能なクーポンがある場合に当該クーポンを含む画面G12が表示される。画面G12の例では、例えば店舗Rにおいて2つのクーポンcp1,cp2が利用可能である場合が示される。
【0043】
図9を参照して、
図8の画面G11についてさらに詳しく説明する。画面G11には、利用者の保管データ101が含まれる。保管データ101を表示するために、保管アプリケーションは、利用者に対応する保管データを、利用者保管データベース(
図3)を保持する保管サーバ8から取得する。なお、グループIDが割り当てられた利用者が保管アプリケーションを実行するときには、当該グループIDに対応する保管データが表示される。
保管データ101は、商品ごとに、「カテゴリ」、「商品」、「数量」、及び、「消費期限」等の各項目のデータを含む。なお、商品とカテゴリの対応付けは、店舗管理アプリケーションにおいて行ってもよい。保管データ101において「数量」は、利用者が保管する商品の残数量を示している。各商品に対応する数量にはプルダウンメニューbx1が設けられており、利用者による商品の消費量に応じて利用者がプルダウンメニューbx1を操作することで数量を変更できる。
【0044】
商品の「数量」の値は、利用者による入力ではなく自動的に取得することもできる。例えば、保管アプリケーションが利用者端末3の撮像機能と連動して商品の画像を取得し、取得した画像に基づいて商品の商品情報、及び商品の重量を推定することで商品の「数量」の値を取得してもよい。商品の重量の推定に際しては、AI技術を利用することもできる。
また、商品の底面近傍に重量センサ付きの無線タグが組み込むことで、商品の「数量」の値を取得してもよい。その場合、保管アプリケーションが無線タグとの無線通信により商品の重量のデータを受信することで商品の「数量」の値を取得する。無線タグの種別は限定しないが、例えば広範囲の複数の異なる周波数帯の電波をエネルギーに変換する環境発電型のタグ等であってもよい。
【0045】
利用者が店舗R(
図1)においてレジレス等で決済が完了した商品については、
図7を参照して説明したように購入データを基に利用者保管データベースが更新され、利用者の保管データに反映される。利用者が店舗R以外の他の店舗で商品を購入した場合、当該商品の情報を利用者が保管アプリケーションに入力することで保管データを更新することもできる。
【0046】
図10は、保管アプリケーションにおいて、利用者が他の店舗で購入した商品の情報を入力するときの画面遷移例を示している。
図10を参照して、商品の情報を入力するときの手順について説明する。先ず、画面G11において商品入力ボタンb13を操作すると、「商品」と「数量」と「消費期限」の各項目のデータを入力するための画面G13が表示される。画面G13では、「商品」、「数量」、及び「消費期限」に対してそれぞれプルダウンメニューbx2,bx3,bx4が設けられており、利用者がプルダウンメニューbx1を操作することで適切なデータを選択できる。画面G14では、商品として、2022年8月25日が消費期限である1000ml入りの牛乳のデータを入力する例が示される。画面G14において入力後にOKボタンを操作することで、画面G15に示すように、保管データ101に追加データ102が含まれるようになる。
なお、保管アプリケーションが利用者端末3の撮像機能と連動して商品のラベルの画像を取得し、取得したラベルの画像に含まれるコード情報やテキスト情報に基づいて、「商品」と「数量」と「消費期限」の各項目のデータを自動入力できるようにしてもよい。
【0047】
次に、一実施形態の商品保管システム1の動作について
図11のシーケンスチャートを参照して説明する。
図11において、利用者端末3の保管アプリケーションが起動すると(ステップS50)、保管アプリケーションは、保管サーバ8に対して保管データを取得するためのデータ要求を行う(ステップS52)。保管サーバ8は、データ要求に基づき、保管アプリケーションの利用者に対応する保管データを利用者保管データベースから読み出し、保管アプリケーションに送信する(ステップS54)。保管アプリケーションは、利用者から保管内容表示要求を受け付けると(ステップS56:YES)、ステップS54で受信した保管データを表示する(ステップS58)。なお、ステップS56の保管内容表示要求は
図8のボタンb11の操作に相当し、ステップS58で表示される保管データの例は
図8の画面G11に相当する。
【0048】
利用者が保管アプリケーション上で、保管データに含まれる商品の数量を変更したり、新たに商品を入力したりすることで、保管アプリケーションが保持する保管データが更新された場合には(ステップS60:YES)、更新後の保管データを保管サーバ8に送信する(ステップS62)。保管サーバ8は、受信した保管データに基づいて利用者保管データベースを更新する(ステップS64)。
ステップS62において保管サーバ8が保管データを取得することは、利用者の商品保管情報を取得することの一例である。
【0049】
次に、保管サーバ8において実行される集計処理について、
図12及び
図13を参照して説明する。
図12は、一実施形態の商品保管システム1において集計処理を行うときのシーケンスチャートである。
図13は、集計処理によって得られる集計データのデータ構成例を示す図である。
集計処理とは、店舗から所定範囲(例えば1km等)内に住む利用者の保管データを商品ごとに集計する処理である。集計処理を行うことで、店舗から所定範囲内に住む利用者が保管する消費期限ごとの商品の残数量がわかるため、当該店舗における商品の潜在的な需要を精度良く把握することができる。
【0050】
以下、
図12のシーケンスチャートを参照して、保管サーバ8が集計処理を行うときの商品保管システム1の動作について説明する。
図12において保管サーバ8は、集計するタイミングになると(ステップS70:YES)、集計処理を実行する(ステップS72)。集計するタイミングは店舗の担当者によって任意に設定可能であるが、例えば、店舗の開店前や閉店後の所定の時刻である。集計処理は、以下の処理を含む。
(a)利用者保管データベースを参照して、店舗から所定範囲内に住む利用者に対応する利用者ID又はグループIDを特定する処理
(b)特定した利用者ID又はグループIDに対応する保管データを抽出する処理
(c)抽出する保管データを、商品種別ごとに分類し、さらに消費期限ごとに分類して、商品の数を集計する処理
【0051】
集計データのデータ構成例を
図13に示す。
図13に例示する集計データの各レコードは、「商品種別」、「消費期限」、「残数量」、及び、「顧客数」のフィールドの値を含む。ここでの商品種別は、利用者保管データベース(
図3)のカテゴリ(例えば「飲料」)よりも小分類の商品の種類を示すものであり、保管データの商品の値等から特定される。例えば、保管データの商品の値が牛乳A、牛乳Kといった商品コードに対応する値である場合、及び、利用者によって入力された「牛乳」という文字列の値である場合のいずれも、商品種別の値が「牛乳」となる。
「消費期限」フィールドの値は、例えば現在時刻を基準とした所定数の日付が設定される。
図13では、例えば、
図13の集計データを作成した日付が2022年8月25日であり、当日を含めて3日分の消費期限に対応するレコードが作成されている。ここでの「所定数」は任意に設定することができ、また、商品種別ごとに変更することができる。
【0052】
図12の説明に戻る。保管サーバ8は、集計処理が終了すると、前回の集計処理で得られた集計データをステップS72で得られた集計データにより更新する(ステップS74)。
次いで、保管サーバ8は、ステップS72で得られた集計データがクーポン発行条件を満たすか否か判定する(ステップS76)。すなわち、一実施形態では、保管サーバ8は、集計データを基に商品の有効期限ごとの数量が所定のクーポン発行条件を満たす場合に、当該商品を購入することを条件としたクーポン(特典情報の一例)を発行する。
【0053】
クーポン発行条件は限定するものではないが、一実施形態では、クーポン発行条件は「集計データにおいて商品の消費期限ごとの数量が所定の条件を満たすこと」である。例えば、クーポン発行条件は、「集計データにおいて現在日付が消費期限となっている商品の数量が所定値以上であること」、あるいは、「集計データにおいて現在日付を含む所定日数(2日又は3日等)内に消費期限が到来する商品の数量が所定値以上であること」である。消費期限が近い商品が多数家庭内に保管されていると考えられる場合にクーポンを発行することで、利用者が来店するように誘導することができる。
【0054】
一実施形態では、クーポン発行条件は、「集計データにおいて商品の消費期限ごとの数量、又は、消費期限ごとの商品を保管する利用者数(顧客数)が所定の条件を満たすこと」である。消費期限ごとの商品を保管する利用者数が満たすべき条件として、例えば「集計データにおいて現在日付が消費期限となっている商品を保管する利用者数(顧客数)が所定値以上であること」や、「集計データにおいて現在日付を含む所定日数(2日又は3日等)内に消費期限が到来する商品を保管する利用者数(顧客数)が所定値以上であること」が挙げられる。1人の顧客が来店時に例えば家族用に2以上の商品を購入する場合があるため、集計データにおける顧客数が多い場合にはクーポンを発行して積極的に顧客に来店してもらうようにし、商品の拡販に繋げることができる。
【0055】
クーポン発行条件を満たす場合、保管サーバ8は、クーポンの内容(例えば、
図8のクーポンcp1に示すように、商品名(ソーセージL)、特典の内容(20円OFF)、クーポンの有効期限(2022年8月27日まで)等の情報)を含むクーポンデータを記録する(ステップS78)。
クーポンを記録した後に、利用者端末3の保管アプリケーションにおいて
図8のボタンb12を操作されることによりクーポンを取得するための取得要求が保管サーバ8に送信される(ステップS80)。保管サーバ8は、ステップS78で記録済みのクーポンデータを読み出して保管アプリケーションに送信(配信)する(ステップS82)。クーポンデータを受信すると保管アプリケーションは、
図8の画面G12に示したように、受信したクーポンデータに対応するクーポンを表示する(ステップS84)。
【0056】
なお、
図12では、保管アプリケーションからのクーポン要求に応じて保管サーバ8がクーポンデータを保管アプリケーションに送信しているが、その限りではない。保管サーバ8は、クーポンデータを、保管アプリケーションにプッシュ通知を行ってもよい。
【0057】
なお、クーポンデータは、店舗利用者データベースに登録されている利用者全員に配信してもよいし、ステップS72の集計処理の基礎とした利用者(つまり、店舗から所定範囲内に住む利用者)の全員にクーポンデータを配信してもよい。あるいは、消費期限直前の商品を保管している利用者に限定してクーポンデータを配信してもよい。消費期限まで所定数以内の商品を保管している利用者に対してクーポンデータを配信してもよい。
【0058】
図12に示すように、店舗端末4は、所望のタイミングで保管サーバ8に対し、集計データの表示要求を行う(ステップS86)。表示要求を受信すると保管サーバ8は、店舗端末4にその時点の最新の集計データを送信する(ステップS88)。店舗端末4は、受信した集計データを表示する(ステップS90)。店舗端末4を操作する店舗の担当者は、表示される集計データ(
図13)を基に、店舗から所定範囲内に住む利用者の家庭内の商品ごとの保管状況がわかるため、精度良く当該商品の発注計画を立てることができる。
【0059】
一実施形態では、利用者は、予約型クーポンを使用できるようにしてもよい。予約型クーポンは、利用者が予め使用することを宣言(予約)するタイプのクーポンである。通常のクーポンを利用者に付与することによっても利用者の来店を促進することができるが、予約型クーポンでは利用者がクーポンを使用することを宣言するため、より確実に利用者が来店することが期待できる。予約型クーポンは、通常のクーポン(例えば、
図8のクーポンcp1)と比較して、特典を利用者により有利な内容(例えば店舗で利用可能なポイントが2倍になったり、通常のクーポンよりさらに値下げしたりする等)にすることで利用者が来店する可能性を高めることができ、商品の精度の良い受発注に繋げることができる。
なお、
図8のクーポンcp1,cp2では、クーポンの有効期限を設けてもよい。予約型クーポンcp2は、利用者が予め日付を指定して使用することを宣言するようにしてもよい。
【0060】
図8のクーポンcp2は予約型クーポンの一例である。
図8に示すクーポンcp2には、利用者がクーポンの使用を予約するためのボタンb121が設けられている。以下、
図14のシーケンスチャートを参照して、利用者が予約型クーポンを利用するときの商品保管システム1の動作を説明する。
【0061】
利用者が例えば画面G12のクーポンcp2に対応するボタンb121(「使用予約をする」)を操作すると、利用者端末3の保管アプリケーションは、クーポンcp2を使用することを予約する要求(クーポン予約要求)を保管サーバ8に送信する(ステップS91)。クーポン予約要求を受信すると保管サーバ8は、クーポン予約要求の送信元の保管アプリケーションの利用者IDと、クーポン予約要求に対応するクーポンデータとを記録し、予約済みであることを示すクーポンデータを保管アプリケーションに送信する(ステップS93)。図示しないが、予約済みであることを示すクーポンデータを受信すると、保管アプリケーションは、例えば、画面G12のクーポンcp2において「予約済み」であることを示すテキストを表示する。
クーポンに対応する商品の発注タイミングになると(ステップS94:YES)、保管サーバ8は、それまでに記録した利用者IDの数(クーポンの予約数)を集計し(ステップS95)、対象となる商品が店舗に入荷するように商品発注処理を行う(ステップS96)。
【0062】
一実施形態では、ステップS96の商品発注処理において保管サーバ8は、クーポンの予約数に応じて設定される数の商品を発注する。一実施形態では、商品の発注量がクーポンの予約数より多くなるように商品を発注する。それによって、クーポンの対象商品に対して、予約型クーポンを利用して来店した利用者による商品の購入を予測することできる。
【0063】
一実施形態では、ステップS96の商品発注処理において保管サーバ8は、店舗の利用者数に対するクーポンの予約数の比率、又は、店舗での1日当たりの商品の平均的な販売数に対するクーポンの予約数の比率に応じて、商品の発注量を調整する。例えば、店舗の利用者数に対するクーポンの予約数の比率が大きいことは、商品を求めて多くの利用者が来店することを意味するため、通常より発注量が多くなるように商品の発注量を調整する。店舗での1日当たりの商品の平均的な販売数に対するクーポンの予約数の比率が大きいことは、通常よりも商品の需要が多いことを意味するため、通常より発注量が多くなるように商品の発注量を調整する。このように商品の発注量を調整することで、商品の発注量の精度が高くなる。
【0064】
次に、
図15の機能ブロック図を参照して、本実施形態の商品保管システム1内の各装置の構成について説明する。
図15に示すように、利用者端末3は、制御部31、ストレージ32、操作入力部33、表示部34、撮像部35、コードリーダ36、及び、通信部37を備える。
制御部31は、マイクロプロセッサを主体として構成され、利用者端末3全体を制御する。例えば、制御部31に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ32に記録されている店舗アプリケーションや保管アプリケーションのプログラムをロードして実行し、その実行結果を表示部34に表示する。
ストレージ32は、不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリ等のSSD(Solid State Drive)である。ストレージ32は、店舗アプリケーションや保管アプリケーションのプログラムのほか、店舗アプリケーションや保管アプリケーションを実行することで作成されたデータ、ファイル等を記憶する。
【0065】
操作入力部33は、例えば、利用者端末3の表示パネルに設けられたタッチパネル型入力デバイスである。操作入力部33は、表示パネルに対する利用者からの操作入力を受け付け、受け付けた操作入力を店舗アプリケーションや保管アプリケーションに出力する。
表示部34は、例えば液晶表示パネルや有機ELパネルを含み、店舗アプリケーションや保管アプリケーションの実行結果を表示する。また、表示部34は、撮像部35によって生成されるデジタル画像信号を表示する。
撮像部35は、例えば、光学レンズと、光学レンズからの入射光を電気信号に変換する撮像素子(イメージセンサ)と、を有し、デジタル画像を逐次生成し、表示部34に出力する。
【0066】
コードリーダ36は、撮像部35によって生成される画像信号に含まれるコード情報を解析して、コード情報からデータ(例えば、商品コード等の商品情報や消費期限情報)を抽出(取得)する。通信部37は、店舗サーバ5や保管サーバ8との間で通信を行うための通信インタフェースである。通信プロトコルは限定しないが、例えばHTTPSである。
【0067】
図15に示すように、店舗端末4は、制御部41、ストレージ42、操作入力部43、表示部44、及び、通信部45を備える。
制御部41は、マイクロプロセッサを主体として構成され、店舗端末4全体を制御する。例えば、制御部41に含まれるマイクロプロセッサは、ウェブブラウザによる実行結果を表示部44に表示させる。ストレージ42は、不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリ等のSSDである。ストレージ42は、例えば、保管サーバ8から取得した集計データを記憶する。
操作入力部43は、例えば、キーボードやポインティングデバイスである。表示部44は、例えば液晶表示パネルや有機ELパネルを含み、保管サーバ8から取得した集計データを表示する。通信部45は、保管サーバ8と例えばHTTPSによる通信を行う。
【0068】
図15に示すように、店舗サーバ5は、制御部51、ストレージ52、及び、通信部53を備える。
制御部51は、マイクロプロセッサを主体として構成され、店舗サーバ5全体を制御する。例えば、制御部51に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ52に記録されているサーバプログラムをロードして実行する。
ストレージ52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の大容量記憶装置であり、サーバプログラムのほか、店舗利用者データベース(店舗利用者DB;
図2参照)を記憶する。ストレージ52は、例えばレジレス及びPOSレジによる利用者ごとの購入データ(
図9参照)を記憶する。店舗利用者データベースは、サーバプログラムを実行するときに、適宜、制御部51からアクセスされる。
図示しないが、ストレージ52は、店舗で販売される各商品の提供価格のデータを記憶している。提供価格のデータは、利用者の店舗アプリケーションから価格問合せを受けたときに制御部51によって参照される。
通信部53は、利用者端末3、決済代行サーバ7、及び、保管サーバ8との間で通信を行うための通信インタフェースである。例えば、制御部51は、通信部53を介して、ストレージ52に記憶されている購入データを保管サーバ8に送信する。
【0069】
サーバプログラムを実行することで、制御部51は、価格情報提供部511及び決済処理部512の機能を実現する。
価格情報提供部511は、商品の提供価格を含む情報を利用者端末3の店舗アプリケーションに提供する機能である。例えば
図4の画面G2,G3に含まれる情報が価格情報提供部511によって提供される。
決済処理部512は、利用者端末3から得られる決済ボタンの操作指示(つまり、決済要求)に応じて、購入予定リストに含まれる商品の決済処理を、決済代行サーバ7と協働して行う機能である。決済処理部512は、利用者名称及び決済手段のデータを店舗利用者データベースから読み出して、決済代行サーバ7に提供する。
【0070】
図15に示すように、保管サーバ8は、制御部81、ストレージ82、及び、通信部83を備える。
制御部81は、マイクロプロセッサを主体として構成され、保管サーバ8全体を制御する。例えば、制御部81に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ82に記録されているサーバプログラムをロードして実行する。
ストレージ82は、例えばHDD等の大容量記憶装置であり、サーバプログラムのほか、利用者保管データベース(利用者保管DB;
図3参照)を記憶する。利用者保管データベースは、サーバプログラムを実行するときに、適宜、制御部81からアクセスされる。
通信部83は、利用者端末3、店舗端末4、及び店舗サーバ5との間で通信を行うための通信インタフェースである。
【0071】
制御部81は、マイクロプロセッサがサーバプログラムを実行することで、データ取得部811、集計部812、出力制御部813、受付部814、及び、商品発注部815として機能する。
データ取得部811は、
図11に示したように、利用者ごとに、消費前の商品のカテゴリ、消費期限、及び数量を含む情報を保管データ(商品保管情報の一例)として取得する。データ取得部811は、店舗サーバ5から購入データを受信し(
図7のステップS35)、利用者端末3の保管アプリケーションから保管データを受信する(
図11のステップS62)ことで、利用者ごとの保管データ(商品保管情報の一例)を取得する。なお、保管データの取得方法はその限りではなく、前述したように、保管アプリケーションが、利用者端末3の撮像機能と連動して商品の画像を取得したり、商品の底面近傍に組み込まれた重量センサ付きの無線タグからの商品の重量のデータを受信したりすることで、保管データを取得することもできる。
【0072】
集計部812は、
図12に示したように、データ取得部811により取得された利用者ごとの保管データと、利用者の住所情報とに基づいて、商品を販売する店舗から所定範囲内に住む利用者の保管データのうち、商品の消費期限ごとの数量と、商品を保管する利用者数とを集計した集計データ(
図13)を作成する。なお、集計部812は、集計対象となる店舗からの所定範囲を、商品や消費期限等に応じて変更してもよい。
制御部81は、集計データに基づいて、店舗利用者データベースに登録されている利用者向けにクーポンデータを作成し、送信することができる。
【0073】
出力制御部813は、
図12に示したように、集計部812により集計された結果である集計データを店舗端末4に出力する。
受付部814は、
図14に示したように、利用者ごとに利用者端末3の保管アプリケーションから、商品の購入の予約に関する要求(
図14のクーポン予約要求)を受け付ける。
商品発注部815は、
図14に示したように、各利用者端末3の保管アプリケーションからのクーポン予約要求に応じて、商品が店舗に入荷するように商品発注処理を行う。商品発注処理は、図示しない商品発注システムに対して、発注対象の商品の商品コードと商品の発注量の情報を含む発注要求を送信する処理である。その際、発注要求に含まれる商品の発注量は、少なくともクーポン要求の数を上回るように設定される。
【0074】
以上説明したように、本実施形態の商品保管システム1では、保管サーバ8は、利用者ごとに、消費前の商品のカテゴリ、消費期限、及び数量を含む保管データを店舗サーバ5及び利用者端末3から取得する。保管サーバ8は、店舗から所定範囲内に住む利用者の保管データのうち、商品の消費期限ごとの数量と、商品を保管する利用者数(顧客数)とを集計して、その集計結果を店舗端末4に出力する。店舗から所定範囲内に住む利用者に保管されている商品の消費期限が近くなると、利用者が店舗に新たな商品を購入するために来店する可能性が高いことから、集計結果は、店舗からの所定範囲内の商品の潜在的な需要を可視化したものとなる。そのため、集計結果を基に店舗は、商品の発注量を精度良く決定できる。
【0075】
本実施形態の商品保管システム1では、店舗から所定範囲内に住む利用者に保管されている商品の有効期限ごとの数量が可視化され、商品の発注量を精度良く決定できるため、サプライチェーン全体で食品ロス削減を行う仕組みを構築できる。
また、集計するときの店舗からの所定範囲を調整することで商品に対する商圏を設定することができる。それによって特定の商圏(例えば関東圏)の店舗に商品を納品する工場の生産計画に活用することもできる。
【0076】
一実施形態では、商品の消費期限ごとの数量(利用者の保管されている商品の数量)と、当該数量を基に決定した商品の発注量と、を組み合わせたデータを基に学習させることで、最適な商品の発注量を推定する機械学習モデルを生成してもよい。
【0077】
なお、利用者保管データベースには、利用者が保管する各商品の消費期限情報が含まれているため、一実施形態において保管サーバ8は、消費期限が近い1以上の商品によって調理可能な料理メニューの提案を行ってもよい。例えば、保管サーバ8は、1以上の商品と、当該1以上の商品を具材とした料理メニューとの対応関係を示す料理データベースを記憶する。保管サーバ8の制御部81は、処理対象の利用者の保管データを参照して消費期限が近い1以上の商品を特定し、特定した1以上の商品の一部又はすべての商品によって調理可能な料理メニューを、料理データベースを参照して決定し、処理対象の利用者の保管アプリケーションに通知する。つまり、出力制御部としての制御部81は、商品を材料とする料理の品目を示す情報を利用者端末3に出力する。それによって、消費期限が近い商品の消費が促進されるため、食品ロスの削減が図れるとともに利用者の利便性を向上させることができる。
保管アプリケーションは、決定された料理メニューに必要な1以上の商品のうち利用者が保有していない商品がある場合には、当該商品を店舗に対して注文できるように構成してもよい。
【0078】
料理メニューを提案する際には、利用者の過去の商品の購入履歴に基づいて特定されるメニューであってもよいし、過去の商品の購入履歴に基づいて特定されるメニューを少しアレンジしたものでもよいし、過去の商品の購入履歴に基づいて特定されるメニューとは全く異なるジャンルのメニューでもよい。保管アプリケーションに利用者のアレルギー商品を登録する機能がある場合には、当該アレルギー商品が含まれないような料理メニューを提案するとよい。
【0079】
図1に示したシステム構成では、例えば利用者が店舗RにおいてレジレスやPOSレジ等で決済が完了した商品の購入データを基に保管サーバ8にある利用者保管データベースが更新される。利用者が店舗R以外の他の店舗で商品を購入した場合、当該商品の情報を利用者が保管アプリケーションに入力することで、入力したデータを基に保管サーバ8にある利用者保管データベースが更新される。
【0080】
一実施形態では、保管サーバ8は、利用者が利用する複数の店舗からそれぞれ購入データを取得し、利用者保管データベースを更新してもよい。
図16に、一実施形態の商品保管システム1Aのシステム構成を示す。
図16に示す商品保管システム1Aにおいて、保管サーバ8は、利用者保管データベースを有し、複数の店舗に対応する店舗サーバ5-1,5-2,5-3、…と通信可能である。
【0081】
図17に、
図16に示す商品保管システム1Aにおいて利用者端末3の店舗アプリケーションの処理を示すシーケンスチャートを示す。
図17を参照すると、店舗サーバ5-1,5-2,5-3の各々は、図示しない決済処理を行う度に購入データを保管サーバ8に送信する(ステップS100a,100b,100c)。なお、決済処理は、
図7のステップS20~S30の一連の処理を含む。保管サーバ8は、店舗サーバ5-1,5-2,5-3から購入データを受信する度に、受信した購入データを用いて利用者保管データベースを更新する(ステップS102a,102b,102c)。したがって、保管サーバ8の利用者保管データベースにおいて、複数の店舗で同一の利用者が決済した商品が一元的に管理される。
なお、保管サーバ8が受信する購入データには、保管サーバ8の利用者保管データベースで管理する利用者IDと同一、又は対応する利用者IDが含まれる。保管サーバ8は、利用者IDに基づき利用者保管データベースを作成、更新する。
【0082】
保管アプリケーションは、例えば利用者による所定の操作に基づいて保管サーバ8からデータを取得するためのデータ要求を送信する(ステップS104)。データ要求を受信すると保管サーバ8は、要求元の利用者IDに対応する保管データを読み出して、保管アプリケーションに送信する(ステップS106)。保管アプリケーションは、受信した保管データを表示する(ステップS108)。
【0083】
商品保管システム1Aでは、複数の店舗に対応する店舗サーバ5-1,5-2,5-3,…から利用者IDを含む購入データが保管サーバ8に送信され、利用者の保管データとして利用者保管データベースの中に一元的に管理される。すなわち、このシステムでは、特定の店舗に保管情報を依存しない構成となっている。そのため、利用者は、いずれの店舗で購入した商品についても1つの保管データを閲覧すれば自宅の商品保管内容が確認でき、購入した商品のデータを自利用者自身で入力する必要がなく、利用者が複数の店舗を利用する場合の商品の保管の管理において利便性に優れる。
【0084】
上述した実施形態及び変形例において、店舗サーバ5や保管サーバ8による機能の少なくとも一部を利用者端末3のソフトウェアにより実現してもよいし、利用者端末3による機能の少なくとも一部を店舗サーバ5や保管サーバ8のソフトウェアにより実現してもよい。また、利用者端末3の機能、及び、店舗サーバ5や保管サーバ8の機能の各々を、必要に応じて、利用者端末3及び、店舗サーバ5や保管サーバ8の間で分散させて実現してもよい。店舗サーバ5や保管サーバ8で実行される機能を複数の装置で分散させて実行してもよい。
【0085】
なお、本発明の情報処理システムは、例えば、商品情報と期限情報とに基づきオンライン販売の仕組みで購入した場合や、量り売りの仕組みで購入した場合にも適用できる。例えば、利用者がオンライン販売で購入した場合、保管サーバは、オンライン販売サービスを提供するサーバから利用者に対する購入データを取得して利用者保管データベースを更新する。また、利用者が店舗で量り売りの仕組みで商品を購入した場合についても、量り売りの際に商品に貼付されるコード情報を基に店舗アプリケーションを利用することで決済することが可能であり、
図7に示した場合と同様に保管サーバが利用者保管データベースを更新する仕組みを構築することができる。
【0086】
以上、本発明の情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。例えば、上述した実施形態に記載した個々の技術的特徴は、技術的矛盾がない限り、適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0087】
1…商品保管システム
3…利用者端末
31…制御部
32…ストレージ
33…操作入力部
34…表示部
35…撮像部
36…コードリーダ
37…通信部
4…店舗端末
41…制御部
42…ストレージ
43…操作入力部
44…表示部
45…通信部
5…店舗サーバ
51…制御部
511…価格情報提供部
512…決済処理部
52…ストレージ
53…通信部
7…決済代行サーバ
8…保管サーバ
81…制御部
811…データ取得部
812…集計部
813…出力制御部
814…受付部
815…商品発注部
82…ストレージ
83…通信部
100…スキャン領域
101…保管データ
102…追加データ
C1,C2…コード情報
CT…利用者
NW…ネットワーク
P…商品
cp1,cp2…クーポン