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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179845
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】ジョイントボックス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/08 20060101AFI20231213BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
H02G3/08 030
H02G3/08 060
H05K7/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092693
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】390009999
【氏名又は名称】日動電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】小林 大輔
(72)【発明者】
【氏名】河本 将志
(72)【発明者】
【氏名】川口 祐司
【テーマコード(参考)】
4E352
5G361
【Fターム(参考)】
4E352AA02
4E352BB05
4E352CC12
4E352DD06
4E352GG12
5G361AA02
5G361AC01
5G361AC04
5G361AC10
(57)【要約】
【課題】後部導入孔に配線を通し易くしながら2つの収納空間に対する下部導入孔の数を変更することができるジョイントボックスを提供する。
【解決手段】後壁部5及び下壁部6を備えたボックス本体部7とカバー部とを備え、後壁部5に、一次側配線1を導入するための後部導入孔11を備え、下壁部6に、二次側配線2を導入するための下部導入孔12を備え、収納空間Sを第1側収納空間S1と第2側収納空間S2とに仕切る仕切板9を更に備え、仕切板9を、その後端部が2つの後部導入孔11の間に位置する状態でボックス本体部7に揺動軸心P周りに揺動可能に接続して、揺動軸心P周りに揺動することで中間下部導入孔12Cと第1側下部導入孔12Aとの間に位置する第1姿勢と中間下部導入孔12Cと第2側下部導入孔12Bとの間に位置する第2姿勢とに姿勢変更可能に構成する。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側配線と二次側配線との接続部分を収納する収納空間の後方側を覆う後壁部及び前記収納空間の下方側を覆う下壁部を備えたボックス本体部と、
前記収納空間における前記ボックス本体部によって覆われていない部分を覆うカバー部と、を備え、
前記後壁部は、前記収納空間に前記一次側配線の先端側を導入するための後部導入孔を備え、
前記下壁部は、前記収納空間に前記二次側配線の基端側を導入するための下部導入孔を備えているジョイントボックスであって、
前記収納空間を第1側収納空間と第2側収納空間とに幅方向に仕切る仕切板を更に備え、
前記幅方向における前記第2側収納空間に対して前記第1側収納空間が存在する側を幅方向第1側、その反対側を幅方向第2側として、
前記後壁部は、前記幅方向に並ぶ2つの前記後部導入孔を備え、
前記下壁部は、前記幅方向に並ぶ3つの前記下部導入孔として、前記幅方向の中間に位置する中間下部導入孔と、前記幅方向第1側に位置する第1側下部導入孔と、前記幅方向第2側に位置する第2側下部導入孔を備え、
前記仕切板は、その後端部が2つの前記後部導入孔の間に位置する状態で前記ボックス本体部に上下方向に沿う揺動軸心周りに揺動可能に接続されて、前記揺動軸心周りに揺動することで平面視で前記中間下部導入孔と前記第1側下部導入孔との間に位置する第1姿勢と平面視で前記中間下部導入孔と前記第2側下部導入孔との間に位置する第2姿勢とに姿勢変更可能に構成されているジョイントボックス。
【請求項2】
前記仕切板は、上昇位置とこの上昇位置から前記下方側に移動させた下降位置とに前記上下方向に沿って移動可能に前記ボックス本体部に接続され、
前記ボックス本体部は、前記上昇位置の前記仕切板の前記揺動軸心周りの揺動を許容しつつ前記第1姿勢で且つ前記下降位置の前記仕切板及び前記第2姿勢で且つ前記下降位置の前記仕切板の前記揺動軸心周りの揺動を規制する規制部を備えている請求項1に記載のジョイントボックス。
【請求項3】
前記仕切板は、前記揺動軸心周りに揺動することで前記第1姿勢と前記第2姿勢との中間の姿勢であり平面視で前記中間下部導入孔と重なる第3姿勢に姿勢変更可能に構成され、
前記規制部は、前記第3姿勢で且つ前記下降位置の前記仕切板の前記揺動軸心周りの揺動を規制するように構成されている請求項2に記載のジョイントボックス。
【請求項4】
前記ボックス本体部は、水平方向に沿う螺合方向に沿って締結部材が螺合される雌ネジ部を備え、
前記カバー部は、前記螺合方向に対して交差する方向にスライド移動させることで前記ボックス本体部に対して着脱可能に構成されると共に、前記ボックス本体部に装着した状態で差込部に差し込んだ前記締結部材を前記雌ネジ部に螺合することで前記ボックス本体部に固定されるように構成され、
前記差込部は、前記ボックス本体部に形成された本体部側差込部と、前記ボックス本体部に前記カバー部を装着した状態で前記本体部側差込部と連通するように前記カバー部に形成されたカバー部側差込部とで形成され、
前記カバー部側差込部は前記本体部側差込部よりも下方側の部分を前記下方側に拡大して構成されている請求項1から3の何れか一項に記載のジョイントボックス。
【請求項5】
前記カバー部側差込部の下面と前記本体部側差込部の下面との段差が、前記雌ネジ部から離脱して前記本体部側差込部と前記カバー部側差込部とに亘る状態で前記差込部の下面上に位置する前記締結部材が、前記螺合方向において前記雌ネジ部から離れる外側ほど前記下方側に位置する傾斜姿勢となって自重によって前記外側に移動する大きさに設定されている請求項4に記載のジョイントボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内側の電線や信号線等の一次側配線と屋外側の電線や信号線等の二次側配線との接続部分を収納するジョイントボックスで、特に、収納空間の後方側を覆う後壁部及び前記収納空間の下方側を覆う下壁部を備えたボックス本体部と、前記収納空間における前記ボックス本体部によって覆われていない部分を覆うカバー部と、を備えたジョイントボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一次側配線(電線)と二次側配線(電線)とを接続した接続部分を収納可能な収納空間の後方側を覆う後壁部(背板2)及び収納空間の下方側を覆う下壁部(底板4)を備えたボックス本体部(ボディ1)と、収納空間におけるボックス本体部によって覆われていない部分を覆うカバー部(カバー25)と、が備えられ、後壁部に、後方側から収納空間に一次側配線を導入するための後部導入孔(電線挿通部5,6)が備えられ、下壁部は、下方側から収納空間に二次側配線を導入するための下部導入孔(ノックアウト部20)を備えているジョイントボックスが示されている。
【0003】
そして、特許文献1のジョイントボックスには、収納空間を第1側収納空間と第2側収納空間とに幅方向に仕切る仕切板(セパレータ22)が備えられ、後壁部には、2つの収納空間の夫々に対する2つの後部導入孔(電線挿通部5)と2つの収納空間に亘る1つの後部導入孔(電線挿通部6)との3つの後部導入孔が備えられ、下壁部には、幅方向第1側の収納空間に対する2つの下部導入孔と幅方向第2側の収納空間に対する1つの下部導入孔との合計3つの下部導入孔が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05-144505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のジョイントボックスでは、仕切板の後端部が後部導入孔の1つ(電線挿通部6)と重なっており、この後部導入孔内の配線が仕切板に干渉することで、仕切板の破損や仕切板がボックス本体部から外れる等の虞があるため、仕切板の後端部は、後部導入孔と重ならないように後部導入孔の間に位置させることが望ましい。
また、特許文献1のジョイントボックスでは、幅方向第1側の収納空間に対しては2つ下部導入孔が備えられており、幅方向第2側の収納空間に対しては1つの下部導入孔が備えられているが、設置環境や配線状況によっては、幅方向第1側の収納空間に対する下部導入孔の数と幅方向第2側の収納空間に対する下部導入孔の数とを変更したい場合もある。
【0006】
このような要望に応えるために、仕切板を幅方向に移動させることで各収納空間に対する下部導入孔の数を変更することが考えられるが、移動させた各位置の仕切板と後部導入孔とが重ならないように後部導入孔を備えた場合に、後部導入孔の幅方向の大きさが小さくなるため、後部導入孔に配線を通し難くなる。
【0007】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、後部導入孔に配線を通し易くしながら2つの収納空間に対する下部導入孔の数を変更することができるジョイントボックスを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1特徴構成は、一次側配線と二次側配線との接続部分を収納する収納空間の後方側を覆う後壁部及び前記収納空間の下方側を覆う下壁部を備えたボックス本体部と、
前記収納空間における前記ボックス本体部によって覆われていない部分を覆うカバー部と、を備え、
前記後壁部は、前記収納空間に前記一次側配線の先端側を導入するための後部導入孔を備え、
前記下壁部は、前記収納空間に前記二次側配線の基端側を導入するための下部導入孔を備えているジョイントボックスであって、
前記収納空間を第1側収納空間と第2側収納空間とに幅方向に仕切る仕切板を更に備え、
前記幅方向における前記第2側収納空間に対して前記第1側収納空間が存在する側を幅方向第1側、その反対側を幅方向第2側として、
前記後壁部は、前記幅方向に並ぶ2つの前記後部導入孔を備え、
前記下壁部は、前記幅方向に並ぶ3つの前記下部導入孔として、前記幅方向の中間に位置する中間下部導入孔と、前記幅方向第1側に位置する第1側下部導入孔と、前記幅方向第2側に位置する第2側下部導入孔を備え、
前記仕切板は、その後端部が2つの前記後部導入孔の間に位置する状態で前記ボックス本体部に上下方向に沿う揺動軸心周りに揺動可能に接続されて、前記揺動軸心周りに揺動することで平面視で前記中間下部導入孔と前記第1側下部導入孔との間に位置する第1姿勢と平面視で前記中間下部導入孔と前記第2側下部導入孔との間に位置する第2姿勢とに姿勢変更可能に構成されている点にある。
【0009】
本構成によれば、仕切板の姿勢に関わらず、一次側配線の先端側を幅方向第1側の後部導入孔(第1側後部導入孔と称する)から第1側収納空間に導入し、二次側配線の基端側を第1側下部導入孔から第1側収納空間に導入することができるため、これら第1側収納空間に導入した一次側配線と二次側配線とを接続してその接続した接続部分を第1側収納空間に収納することができる。また、一次側配線の先端側を幅方向第2側の後部導入孔(第2側後部導入孔と称する)から第2側収納空間に導入し、二次側配線の基端側を第2側後部導入孔から第2側収納空間に導入して、これら第2側収納空間に導入した一次側配線と二次側配線とを接続してその接続した接続部分を第2側収納空間に収納することができる。
仕切板を第1姿勢に姿勢変更した状態では、二次側配線の基端側を中間下部導入孔から第2側収納空間に導入することができ、仕切板を第2姿勢に姿勢変更した状態では、二次側配線の基端側を中間下部導入孔から第1側収納空間に導入することができる。このように、仕切板の姿勢を変更することで、中間下部導入孔から導入した二次側配線を、第1側収納空間に導入するか、第2側収納空間に導入するかを選択することができ、この二次側配線の基端側を、第1側後部導入孔又は第2側後部導入孔から導入した一次側配線の先端側に接続することができる。
そして、このような仕切板の姿勢変更は、仕切板を揺動軸心周りに揺動させることによりできるため、仕切板をボックス本体部から外すことなく仕切板の姿勢変更ができ、仕切板を紛失する虞がなくすことができる。
また、仕切板の後端部は、2つの後部導入孔の間に位置しているため、後部導入孔内の配線が仕切板に干渉することを、後壁部における後部導入孔の間に位置する部分によって防止できながら、仕切板の姿勢を変更したとしても、仕切板の後端部の位置は2つの後部導入孔の間の位置から変わらないため、仕切板全体を移動させる場合に比べて、後部導入孔を大きくし易くなる。
従って、後部導入孔に配線を通し易くしながら2つの収納空間に対する下部導入孔の数を変更することができるジョイントボックスを提供することができるに至った。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、前記仕切板は、上昇位置とこの上昇位置から前記下方側に移動させた下降位置とに前記上下方向に沿って移動可能に前記ボックス本体部に接続され、
前記ボックス本体部は、前記上昇位置の前記仕切板の前記揺動軸心周りの揺動を許容しつつ前記第1姿勢で且つ前記下降位置の前記仕切板及び前記第2姿勢で且つ前記下降位置の前記仕切板の前記揺動軸心周りの揺動を規制する規制部を備えている点にある。
【0011】
本構成によれば、仕切板を上昇位置に移動させている状態では仕切板を第1姿勢や第2姿勢に姿勢変更させることができ、仕切板を第1姿勢で且つ下降位置に位置させている状態や第2姿勢で且つ下降位置に位置させている状態では仕切板が第1姿勢や第2姿勢から揺動しないように仕切板の揺動を規制部によって規制することができる。そのため、このように仕切板が第1姿勢や第2姿勢から揺動しないように規制部によって規制させておくことで、一次側配線や二次側配線を操作する際にこれらの配線が仕切板に干渉したとしても仕切板の姿勢が変更されてしまうことを防止できるため、配線の操作が行い易くなる。
【0012】
本発明の第3特徴構成は、前記仕切板は、前記揺動軸心周りに揺動することで前記第1姿勢と前記第2姿勢との中間の姿勢であり平面視で前記中間下部導入孔と重なる第3姿勢に姿勢変更可能に構成され、
前記規制部は、前記第3姿勢で且つ前記下降位置の前記仕切板の前記揺動軸心周りの揺動を規制するように構成されている点にある。
【0013】
本構成によれば、中間下部導入孔を使用しない場合に仕切板を第3姿勢に揺動させることで、第1側収納空間と第2側収納空間の双方を広くすることができると共に、第3姿勢から揺動しないように規制部によって規制させておくことで、このように第1側収納空間と第2側収納空間の双方を広くした場合でも、一次側配線や二次側配線を操作する際にこれらの配線が仕切板に干渉したとしても仕切板の姿勢が変更されてしまうことを防止できるため、配線の操作が行い易くなる。
【0014】
本発明の第4特徴構成は、前記ボックス本体部は、水平方向に沿う螺合方向に沿って締結部材が螺合される雌ネジ部を備え、
前記カバー部は、前記螺合方向に対して交差する方向にスライド移動させることで前記ボックス本体部に対して着脱可能に構成されると共に、前記ボックス本体部に装着した状態で差込部に差し込んだ前記締結部材を前記雌ネジ部に螺合することで前記ボックス本体部に固定されるように構成され、
前記差込部は、前記ボックス本体部に形成された本体部側差込部と、前記ボックス本体部に前記カバー部を装着した状態で前記本体部側差込部と連通するように前記カバー部に形成されたカバー部側差込部とで形成され、
前記カバー部側差込部は前記本体部側差込部よりも下方側の部分を前記下方側に拡大して構成されている点にある。
【0015】
本構成によれば、カバー部側差込部はカバー部側差込部よりも下方側を下方に拡大して構成されているため、雌ネジ部から離脱させた締結部材が、本体部側差込部とカバー部側差込部とに亘る状態で差込部の下面上に位置した場合、その締結部材は、外側ほど下方側に位置する傾斜姿勢となって自重によって外側に移動し易くなるので、締結部材を本体部側差込部から離脱させ易くなる。そのため、カバー部をボックス本体部から取り外すべくスライド移動させる際に、締結部材が本体部側差込部とカバー部側差込部とに亘る状態で存在しているために締結部材が引っ掛かってカバー部を取り外すことができないという状況が起き難くなり、カバー部の取り外しを円滑に行い易くなる。
【0016】
本発明の第5特徴構成は、前記カバー部側差込部の下面と前記本体部側差込部の下面との段差が、前記雌ネジ部から離脱して前記本体部側差込部と前記カバー部側差込部とに亘る状態で前記差込部の下面上に位置する前記締結部材が、前記螺合方向において前記雌ネジ部から離れる外側ほど前記下方側に位置する傾斜姿勢となって自重によって前記外側に移動する大きさに設定されている点にある。
【0017】
本構成によれば、本体部側差込部とカバー部側差込部とに亘る状態で差込部の下面上に位置した締結部材は外側ほど下方側に位置する傾斜姿勢となり、自重によって外側に移動するため、本体部側差込部から離脱させることができる。そのため、カバー部をボックス本体部から取り外すべくスライド移動させる際に、締結部材が本体部側差込部とカバー部側差込部とに亘る状態で存在しているために締結部材が引っ掛かってカバー部を取り外すことができないという状況を回避することができ、カバー部の取り外しを円滑に行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ジョイントボックスの斜視図
図2】カバー部を取り外したジョイントボックスの斜視図
図3】接続部分を収納空間に収納しているジョイントボックスの斜視図
図4】仕切板が第1姿勢に姿勢変更されているジョイントボックスの平面図
図5】仕切板が第2姿勢に姿勢変更されているジョイントボックスの平面図
図6】仕切板を上昇位置に位置させたジョイントボックスの縦断側面図
図7】締結部材を雌ネジ部に螺合させている差込部の縦断側面図
図8】差込部の正面図
図9】締結部材を雌ネジ部から離脱させた差込部の縦断側面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1から図3に示すように、ジョイントボックスBは、例えば、住宅の外壁(図示せず)に設置されるものであり、一次側配線1と二次側配線2との接続部分3(図3参照)を収納するために用いられるものである。図1は、カバー部8を装着したジョイントボックスBの斜視図であり、図2は、カバー部8を取り外したジョイントボックスBの斜視図である。図3は、一次側配線1と二次側配線2との接続部分3を収納空間Sに収納した状態を示す斜視図である。
【0020】
ジョイントボックスBは、一次側配線1と二次側配線2との接続部分3(図3参照)を収納する収納空間Sの後方側X2を覆う後壁部5及び収納空間Sの下方側Z2を覆う下壁部6を備えたボックス本体部7と、収納空間Sにおけるボックス本体部7によって覆われていない部分を覆うカバー部8(図1参照)と、を備えている。また、ボックス本体部7は、収納空間Sの幅方向Yの両側を覆う横壁部17を備えており、カバー部8は、収納空間Sの前方側X1と上方側Z1とに加えて、ボックス本体部7と共に収容空間Sの幅方向Yの両側を覆っている。
【0021】
図2及び図3に示すように、ジョイントボックスBは、収納空間Sを第1側収納空間S1と第2側収納空間S2とに幅方向Yに仕切る仕切板9を更に備えている。後壁部5は、収納空間Sに一次側配線1の先端側を導入するための後部導入孔11を備えている。下壁部6は、収納空間Sに二次側配線2の基端側を導入するための下部導入孔12を備えている。
【0022】
尚、本実施形態では、後壁部5と収納空間Sとが並ぶ方向を前後方向Xとし、前後方向Xにおける後壁部5に対して収納空間Sが存在する側を前方側X1、その反対側を後方側X2としている。
また、第1側収納空間S1と第2側収納空間S2とが並ぶ方向を幅方向Yとし、幅方向Yにおける第2側収納空間S2に対して第1側収納空間S1が存在する側を幅方向第1側Y1、その反対側を幅方向第2側Y2としている。本実施形態では、幅方向Yは、前後方向Xに対して直交する方向としている。
また、下壁部6と収納空間Sとが並ぶ方向を上下方向Zとし、下壁部6に対して収納空間Sが存在する側を上方側Z1、その反対側を下方側Z2としている。本実施形態では、上下方向Zは、前後方向X及び幅方向Yに対して直交する方向としている。
【0023】
図3に示すように、一次側配線1や二次側配線2には、電力供給用の強電線Hと、電気信号送信用の弱電線Lとがある。例えば、強電線Hの二次側配線2の先端側には門灯が接続され、強電線Hの一次側配線1の基端側には門灯用のスイッチが接続される。また、例えば、弱電線Lの二次側配線2の先端側にはインターホンの子機が接続され、弱電線Lの二次側配線2の基端側にはインターホンの親機が接続される。
【0024】
図2に示すように、下壁部6の下部導入孔12は、下部導入孔12から水や埃が収納空間Sに侵入することを塞ぐために塞ぎ材13によって塞がれている。下部導入孔12を通して二次側配線2を収納空間Sに導入させる場合は、図3に示すように、二次側配線2を通す下部導入孔12の塞ぎ材13を取り外して下部導入孔12を開口させ、その開口させた下部導入孔12を通して二次側配線2の先端側を収納空間Sに導入するようになっている。
また、図3では図示を省略しているが、開口した下部導入孔12には、配管コネクタを用いて電線管が接続されており、電線管内に配設された二次側配線2の基端側が下部導入孔12を通して収納空間Sに導入されている。
【0025】
図3に示すように、後部導入孔11を通した一次側配線1の先端側の端部と下部導入孔12を通した二次側配線2の基端側の端部とが接続されて接続部分3を形成しており、ジョイントボックスBは、この接続部分3を収納空間Sに収納可能に構成されている。本実施形態では、一次側配線1と二次側配線2とは差し込み型コネクタ等の接続部材14を用いて接続されており、一次側配線1の先端側の端部、二次側配線2の基端側の端部、及び接続部材14が接続部分3として収納空間Sに収納されている。
【0026】
強電線Hは、第1側収納空間S1と第2側収納空間S2との何れか一方(図3に示す例では第1側収納空間S1)に導入され、弱電線Lは、第1側収納空間S1と第2側収納空間S2とのうちの強電線Hが導入されていない他方(図3に示す例では第2側収納空間S2)に導入される。そして、強電線Hが導入される空間(図3に示す例では第1側収納空間S1)と弱電線Lが導入される空間(図3に示す例では第2側収納空間S2)とは、絶縁材(例えば、ABS樹脂等の樹脂材)によって構成されている仕切板9によって仕切られており、強電線Hと弱電線Lとは離隔されている。
【0027】
次に、ジョイントボックスBの具体的構成について説明する。
図2図3及び図6に示すように、ジョイントボックスBのボックス本体部7は、収納空間Sの後方側X2を覆う後壁部5と収納空間Sの下方側Z2を覆う下壁部6とで幅方向視の断面形状がL字状に形成されている。また、図2及び図3に示すように、ボックス本体部7の幅方向Yの両端部には、収納空間Sの幅方向第1側Y1を覆う横壁部17と収納空間Sの幅方向第2側Y2を覆う横壁部17との一対の横壁部17を備えている。つまり。ボックス本体部7は、収納空間Sの後方側X2と下方側Z2とに加えて、幅方向Yの両側(幅方向第1側Y1及び幅方向第2側Y2)を覆う形状に形成されている。
【0028】
住宅の外壁W(図1及び図3参照)には、住宅内からの一次側配線1を屋外に取り出すための開口(図示せず)が形成されており、後壁部5は、その外壁の開口を塞ぐように外壁Wに固定される。また、後壁部5には、後壁部5を外壁Wに固定するためのビス(図示せず)を挿通させる挿通孔19が複数形成されており、後壁部5は、複数のビスを用いて外壁Wに固定される。
【0029】
図2及び図3に示すように、後壁部5は、幅方向Yに並ぶ2つの後部導入孔11を備えている。後壁部5は、2つの後部導入孔11として、幅方向第1側Y1に位置する第1側後部導入孔11Aと、幅方向第2側Y2に位置する第2側後部導入孔11Bとを備えている。
本実施形態では、後壁部5における幅方向Yの中央に、仕切板9を後壁部5に接続するための被接続部15が備えられており、後壁部5における被接続部15より幅方向第1側Y1に第1側後部導入孔11Aが形成され、後壁部5における被接続部15より幅方向第2側Y2に第2側後部導入孔11Bが形成されている。
【0030】
ボックス本体部7の下壁部6は、幅方向Yに並ぶ3つの下部導入孔12を備えている。下壁部6は、3つの下部導入孔12として、幅方向Yの中間に位置する中間下部導入孔12Cと、幅方向第1側Y1に位置する第1側下部導入孔12Aと、幅方向第2側Y2に位置する第2側下部導入孔12Bとを備えている。
本実施形態では、下壁部6における幅方向Yの中央に中間下部導入孔12Cが形成されており、中間下部導入孔12Cは、幅方向Yにおいて被接続部15と重なる位置に形成されている。また、中間下部導入孔12Cよりも幅方向第1側Y1に形成されている第1側下部導入孔12Aは、幅方向Yにおいて第1側後部導入孔11Aと重なる位置に形成されている。また、中間下部導入孔12Cよりも幅方向第2側Y2に形成されている第2側下部導入孔12Bは、幅方向Yにおいて第2側後部導入孔11Bと重なる位置に形成されている。
【0031】
図2から図5に示すように、仕切板9は、その後端部が2つの後部導入孔11の間に位置する状態でボックス本体部7に上下方向Zに沿う揺動軸心P周りに揺動可能に接続されている。本実施形態では、仕切板9は、揺動軸心Pに沿う丸軸状に形成された揺動軸部16を後端部に備えており、その揺動軸部16が、後壁部5の被接続部15に揺動軸心P周りに揺動可能に接続されている。
そして、仕切板9は、揺動軸心P周りに揺動することで平面視で中間下部導入孔12Cと第1側下部導入孔12Aとの間に位置する第1姿勢(図3及び図4参照)と平面視で中間下部導入孔12Cと第2側下部導入孔12Bとの間に位置する第2姿勢(図5参照)とに姿勢変更可能に構成されている。また、仕切板9は、第1姿勢と第2姿勢とに加えて、揺動軸心P周りに揺動することで第1姿勢と第2姿勢との中間の姿勢であり平面視で中間下部導入孔12Cと重なる第3姿勢(図2参照)に姿勢変更可能に構成されている。
【0032】
図2から図5に示すように、仕切板9が第1姿勢、第2姿勢、第3姿勢の何れの姿勢の場合でも、第1側後部導入孔11A及び第1側下部導入孔12Aは仕切板9に対して幅方向第1側Y1に位置している。そのため、図2に示すように、一次側配線1の先端側を第1側後部導入孔11Aを通して第1側収納空間S1に導入し、二次側配線2の基端側を第1側下部導入孔12Aを通して第1側収納空間S1に導入して、これら第1側収納空間S1に導入した一次側配線1の先端側の端部と二次側配線2の基端側の端部とを接続してその接続した接続部分3を第1側収納空間S1に収納することができる。
【0033】
また、図2から図5に示すように、仕切板9が第1姿勢、第2姿勢、第3姿勢の何れの姿勢の場合でも、第2側後部導入孔11B及び第2側下部導入孔12Bは仕切板9に対して幅方向第2側Y2に位置している。そのため、図2に示すように、一次側配線1の先端側を第2側後部導入孔11Bを通して第2側収納空間S2に導入し、二次側配線2の基端側を第2側下部導入孔12Bを通して第2側収納空間S2に導入して、これら第2側収納空間S2に導入した一次側配線1の先端側の端部と二次側配線2の基端側の端部とを接続してその接続した接続部分3を第2側収納空間S2に収納することができる。
【0034】
そして、図2及び図4に示すように、仕切板9が第1姿勢の場合では、中間下部導入孔12Cは仕切板9に対して幅方向第2側Y2に位置している。そのため、図2に示すように、二次側配線2の基端部を中間下部導入孔12Cを通して第2側収納空間S2に導入し、この第2側収納空間S2に導入した二次側配線2の基端部を、第2側後部導入孔11Bを通して第2側収納空間S2に導入した一次側配線1の先端部と接続して、その接続した接続部分3を第2側収納空間S2に収納することができる。
また、図5に示すように、仕切板9が第2姿勢の場合では、中間下部導入孔12Cは仕切板9に対して幅方向第1側Y1に位置している。そのため、図示は省略するが、二次側配線2の基端部を中間下部導入孔12Cを通して第1側収納空間S1に導入し、この第1側収納空間S1に導入した二次側配線2の基端部を、第1側後部導入孔11Aを通して第1側収納空間S1に導入した一次側配線1の先端部と接続して、その接続した接続部分3を第1側収納空間S1に収納することができる。
【0035】
図6に示すように、仕切板9は、上昇位置(図6に実線で示す位置)とこの上昇位置から下方側Z2に移動させた下降位置(図6に仮想線で示す位置)とに上下方向Zに沿って移動可能にボックス本体部7に接続されている。
また、ボックス本体部7は、上昇位置の仕切板9の揺動軸心P周りの揺動を許容しつつ第1姿勢で且つ下降位置の仕切板9及び第2姿勢で且つ下降位置の仕切板9の揺動軸心P周りの揺動を規制する規制部21を備えている。また、規制部21は、第3姿勢で且つ下降位置の仕切板9の揺動軸心P周りの揺動も規制するように構成されている。
【0036】
説明を加えると、仕切板9の後方側X2の端部にある揺動軸部16が、後壁部5に備えられている被接続部15に対して上下方向Zに沿って移動可能に接続されている。仕切板9には、その厚み方向に貫通する貫通孔24が形成されており、被接続部15が貫通孔24内に進入できるようになっているため、仕切板9の揺動軸心P周りの揺動が可能となっている。また、貫通孔24が被接続部15より上下方向Zに長い長孔に形成されているため、仕切板9の上下方向Zに沿う移動が可能となっている。
【0037】
仕切板9の下端部には下方側Z2に向けて突出する突起部22が形成されており、図4から図6に示すように、下壁部6には、仕切板9の第1姿勢、第2姿勢、第3姿勢の夫々に対応する位置に規制用嵌合溝23が形成されている。
規制部21は、仕切板9を第1姿勢、第2姿勢、又は第3姿勢に姿勢変更させた状態で上昇位置から下降位置に下降させることで、突起部22が3つの規制用嵌合溝23の何れかに嵌合することで、仕切板9を第1姿勢、第2姿勢、第3姿勢の各姿勢において揺動軸心P周りの揺動を規制するように構成されている。
また、規制部21は、仕切板9を上昇位置に上昇させた状態では、突起部22の規制用嵌合溝23に対する嵌合が外れるため、仕切板9の揺動軸心P周りの揺動を許容するように構成されている。
【0038】
図1及び図2に示すように、カバー部8は、ボックス本体部7によって覆っていない収納空間Sの前方側X1及び上方側Z1に加えて、ボックス本体部7の横壁部17によって覆われている収納空間Sの幅方向Yの両側(幅方向第1側Y1及び幅方向第2側Y2)をボックス本体部7の横壁部17と共に覆う形状に形成されている。
【0039】
カバー部8は、前後方向Xに対して交差する方向(本実施形態では上下方向Z)にスライド移動させることでボックス本体部7に対して着脱可能に構成されている。説明を加えると、図2に示すように、ボックス本体部7には、スリット状のカバー着脱用係合部25が上下方向Zに沿って形成され、そのカバー着脱用係合部25の上端部は、カバー部8の後方側X2の端部に突設されている被係合部(図示せず)を係脱可能に構成されている。そして、カバー部8の被係合部をカバー着脱用係合部25の上端部に係合した後、カバー部8を下方側Z2に移動させることで、カバー部8をボックス本体部7に装着するように構成されている。また、ボックス本体部7に対してカバー部8を上方側Z1に移動させてカバー部8の被係合部をカバー着脱用係合部25の上端部に移動させた後、被係合部をカバー着脱用係合部25から離脱させることで、カバー部8をボックス本体部7から取り外すように構成されている。
【0040】
次に、カバー部8をボックス本体部7に締結部材26を用いて固定する締結固定構造について説明する。
図7に示すように、ボックス本体部7は、水平方向に沿う螺合方向に沿って締結部材26が螺合される雌ネジ部27を備えている。本実施形態では、ボックス本体部7を鉛直な壁面に装着した状態で前後方向X及び幅方向Yが水平方向に沿う方向となっており、締結部材26の螺合方向は前後方向Xとなっている。
そして、図1及び図7に示すように、カバー部8は、ボックス本体部7に装着した状態で差込部31に差し込んだ締結部材26を雌ネジ部27に螺合することでボックス本体部7に固定されるように構成されている。
図7に示すように、差込部31は、ボックス本体部7に形成された本体部側差込部32と、ボックス本体部7にカバー部8を装着した状態で本体部側差込部32と連通するようにカバー部8に形成されたカバー部側差込部33とで形成されている。
【0041】
図7及び図8に示すように、カバー部側差込部33は本体部側差込部32よりも下方側Z2の部分を下方側Z2に拡大して構成されている。本実施形態では、カバー部側差込部33は、本体部側差込部32よりも下方側Z2の部分のみが下方側Z2に拡大されており、本体部側差込部32の上方側Z1の部分は上方側Z1に拡大されておらず、幅方向第1側Y1の部分や幅方向第2側Y2の部分は幅方向第1側Y1や幅方向第2側Y2に拡大されていない。
【0042】
図7から図9に示すように、カバー部側差込部33の下面33Fと本体部側差込部32の下面32Fとには、段差Gが形成されている。そして、このカバー部側差込部33の下面33Fと本体部側差込部32の下面32Fとの段差Gが、雌ネジ部27から離脱して本体部側差込部32とカバー部側差込部33とに亘る状態で差込部31の下面31F上に位置する締結部材26(図9参照)が、前後方向において雌ネジ部27から離れる外側(前方側X1)ほど下方側Z2に位置する傾斜姿勢となって自重によって外側(前方側X1)に移動する大きさに設定されている。
自重によって外側に移動する傾斜姿勢の角度は、締結部材26やカバー部8やボックス本体部7の材質に基づく摩擦係数に基づいて設定される。締結部材26は、ステンレス製やアルミニウム製等の金属製であり、ボックス本体部7及びカバー部8は、AAS樹脂、ABS樹脂等の樹脂性である場合に、傾斜姿勢は、5度以上に設定されている。
具体的には、例えば、締結部材26がステンレス製であり、ボックス本体部7やカバー部8がABS樹脂である場合において、傾斜姿勢の角度は5度以上であればよく、本実施形態では5度に設定されている。
【0043】
ジョイントボックスBには、本体部側差込部32の下面32Fとカバー部側差込部33の下面33Fとの前後方向Xの間で且つ上下方向Zの間に、前方側X1ほど下方側Z2に位置する傾斜面34を備えている。本実施形態では、傾斜面34は、ボックス本体部7におけるカバー部側差込部33より前方側X1に形成されており、本体部側差込部32の下面32Fの前方側X1の端部から前方側X1の斜め下方側に向けて形成されている。傾斜面34の前方側X1の端部は、カバー部側差込部33の下面33Fの後方側X2の端部と同じ高さに位置している。この傾斜面34によって、差込部31に差し込んだ締結部材26を、カバー部側差込部33から本体部側差込部32に案内できるようになっている。
【0044】
また、本実施形態では、図7から図9に示すように、カバー部側差込部33には、締結部材26の頭部36が入る大径部33Aが形成されている。図7に示すように、締結部材26によってカバー部8がボックス本体部7に固定されている状態では、締結部材26の頭部36の座面が大径部33Aの底面に接するように大径部33A内に位置しており、図9に示すように、締結部材26の雄ネジ部37が雌ネジ部27から離脱した状態では、頭部36は大径部33Aに対して前方側X1に位置する。
そのため、差込部31は、締結部材26が本体部側差込部32とカバー部側差込部33とに亘る状態では、差込部31の下面31F上には締結部材26の雄ネジ部37又は円筒部38(締結部材26における雄ネジ部37と頭部36との間にある部分)が位置するように構成されている。図9に示す例では、締結部材26の雄ネジ部37が雌ネジ部27から離脱し且つ締結部材26が差込部31内において最も後方側X2に位置している状態において、締結部材26の頭部36は大径部33Aの前方側X1に位置し、本体部側差込部32の下面32F上に雄ネジ部37が位置し、カバー部側差込部33の下面33F上に円筒部38が位置する状態となっている。そして、この状態で、締結部材26が、自重によって外側(前方側X1)に移動する傾斜姿勢となっている。
【0045】
上述の如く、仕切板9は、その後端部が2つの後部導入孔11の間に位置する状態でボックス本体部7に上下方向Zに沿う揺動軸心P周りに揺動可能に接続されて、揺動軸心P周りに揺動することで第1姿勢と第2姿勢とに姿勢変更可能に構成されている。
そして、このような仕切板9の姿勢変更は、仕切板9を揺動軸心P周りに揺動させることによりできるため、仕切板9をボックス本体部7から外すことなく仕切板9の姿勢変更ができ、仕切板9を紛失する虞がなくすことができる。
また、仕切板9の後端部は、2つの後部導入孔11の間に位置しているため、後部導入孔11内の配線が仕切板9に干渉することを、後壁部5における後部導入孔11の間に位置する部分によって防止できながら、仕切板9の姿勢を変更したとしても、仕切板9の後端部の位置は2つの後部導入孔11の間の位置から変わらないため、仕切板9全体を移動させる場合に比べて、後部導入孔11を大きくし易くなる。
【0046】
また、差込部31のカバー部側差込部33は本体部側差込部32よりも下方側Z2の部分を下方側Z2に拡大して構成されており、カバー部側差込部33の下面33Fと本体部側差込部32の下面32Fとの段差Gが、雌ネジ部27から離脱して本体部側差込部32とカバー部側差込部33とに亘る状態で差込部31の下面31F上に位置する締結部材26が、傾斜姿勢となって自重によって前方側X1に移動する大きさに設定されている。
そのため、雌ネジ部27から離脱させた締結部材26の先端部が本体部側差込部32内に位置していたとしても、その締結部材26は自重によって前方側X1に移動するため、締結部材26を本体部側差込部32から離脱させることができる。
【0047】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0048】
(1)上記実施形態では、ジョイントボックスBを外壁に設置する例を説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、ジョイントボックスBを天井裏に設置する等、ジョイントボックスBを設置する位置は適宜変更してもよい。
【0049】
(2)上記実施形態では、下降位置の仕切板9の揺動を規制する規制部21を備え、その規制部21によって仕切板9を第1姿勢と第2姿勢と第3姿勢との夫々の姿勢で揺動軸心P周りの揺動を規制する構成を例示した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、規制部21によって仕切板9を第1姿勢及び第2姿勢のみの姿勢で揺動軸心P周りの揺動を規制する構成としてもよい。また、規制部21を、仕切板9の上端部に係合する係合位置と、この係合位置より上方側Z1に移動させて仕切板9に対する係合が解除される解除位置とに上下方向Zに沿って移動させることで、仕切板9を上下方向Zに沿って移動させることなく仕切板9の揺動軸心P周りの揺動を規制する構成とする等、規制部21の構成は適宜変更してもよい。
【0050】
(3)上記実施形態では、差込部31をジョイントボックスBの前面部に設けて、螺合方向を前後方向Xとする例を説明した。しかし、差込部31をジョイントボックスBの側面部に設けて、螺合方向を幅方向Yとしてもよい。
【0051】
(4)上記実施形態では、カバー部8をボックス本体部7に対して上下方向Zにスライド移動させることで着脱する構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、カバー部8をボックス本体部7に対して幅方向Yや前後方向Xにスライド移動させることで着脱する等、カバー部8をボックス本体部8に対して着脱する構成は適宜変更してもよい。
【0052】
(5)上記実施形態では、カバー部側差込部33の本体部側差込部32よりも下方側Z2の部分のみを拡大させる構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、カバー部側差込部33の下方側Z2の部分を含む全体を拡大させる構成としてもよい。
【0053】
(6)上記実施形態では、締結固定構造をジョイントボックスBに採用する例を説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、締結固定構造を採用する対象物は、露出用丸ボックス、アウトレットボックス、プルボックスや、電力メーターボックス、電力量計取付盤でもよく、締結固定構造を採用する対象物は、カバー部8を螺合方向に対して交差する方向にスライド移動させて着脱するものであればよく、締結固定構造は、螺合方向に沿って締結部材26が螺合される雌ネジ部27を備えた被固定部材に、螺合方向に対して交差する交差方向にスライド移動させて装着された固定部材を締結固定する各種の構造に適用できる。
【符号の説明】
【0054】
1 一次側配線
2 二次側配線
3 接続部分
5 後壁部
6 下壁部
7 ボックス本体部
8 カバー部
9 仕切板
11 後部導入孔
12 下部導入孔
12A 第1側下部導入孔
12B 第2側下部導入孔
12C 中間下部導入孔
26 締結部材
27 雌ネジ部
31 差込部
32 本体部側差込部
32F 下面
33 カバー部側差込部
33F 下面
B ジョイントボックス
G 段差
P 揺動軸心
S 収納空間
S1 第1側収納空間
S2 第2側収納空間
X 前後方向(螺合方向)
X1 前方側(外側)
X2 後方側
Y 幅方向
Y1 幅方向第1側
Y2 幅方向第2側
Z 上下方向
Z2 下方側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9