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特開2023-179846電子機器、電子機器の設定変更方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179846
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の設定変更方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04847 20220101AFI20231213BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20231213BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20231213BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20231213BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20231213BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20231213BHJP
   G09G 5/26 20060101ALI20231213BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20231213BHJP
   G09G 5/32 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
G06F3/04847
G06F3/01 570
G06F3/0481
G06F3/16 540
G09G5/00 550C
G09G5/00 510H
G09G5/36 520F
G09G5/36 520G
G09G5/26 630Z
G09G5/26 650Z
G09G5/10 B
G09G5/32 640Z
G09G5/00 510Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092694
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】良知 鷹彦
【テーマコード(参考)】
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB08
5C182AB09
5C182AB14
5C182AC02
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA29
5C182BA65
5C182BA66
5C182BA75
5C182CA01
5C182CA21
5C182CB12
5C182CB47
5C182CC11
5C182CC13
5C182CC21
5C182FA61
5C182FA75
5E555AA04
5E555BA07
5E555BB07
5E555BC07
5E555BC13
5E555CA18
5E555CA41
5E555CB20
5E555CB23
5E555CB62
5E555CB64
5E555CB66
5E555CB74
5E555CC01
5E555DA23
5E555DA31
5E555DB02
5E555DB18
5E555DB41
5E555DC03
5E555DC26
5E555DC27
5E555DC36
5E555DC45
5E555DC84
5E555DD06
5E555DD11
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザが所望する設定を簡易に調整することができる電子機器、電子機器の設定変更方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】電子機器は、対象物体と自機器との距離を測定可能な測距センサと、自機器の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定する決定手段と、決定手段が決定した変更対象設定の設定内容を、測距センサが測定した対象物体と自機器との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する設定制御手段と、を備える。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物体と自機器との距離を測定可能な測距センサと、
前記自機器の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した前記変更対象設定の設定内容を、前記測距センサが測定した前記対象物体と前記自機器との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する設定制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記決定手段は、前記複数の設定のうち、前記表示内容に対応付けられて予め定められた或る数の優先設定の中から前記変更対象設定を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記或る数の優先設定には優先順位が定められており、
前記決定手段は、
前記或る数の優先設定から1つの優先設定を選択するユーザ操作がなされた場合には、前記ユーザ操作により選択された前記優先設定を前記変更対象設定として決定し、
前記ユーザ操作がなされていない場合には、前記或る数の優先設定のうち最も優先順位の高い優先設定を前記変更対象設定として決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
或る前記表示内容に対応付けられている前記或る数の優先設定の組み合わせは、他のいずれかの前記表示内容に対応付けられている前記或る数の優先設定の組み合わせと異なることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
ユーザ操作に応じて、前記表示内容に対応する前記或る数の優先設定を変更する優先設定変更手段を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
前記変更対象設定は、設定内容に係る所定のパラメータを複数段階で変更可能な設定である、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記変更対象設定を表す標識を前記表示部に表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記設定制御手段は、
前記測距センサによる測定結果に基づいて、前記対象物体の動きが所定の終了条件を満たすか否かを判別し、
前記対象物体の動きが前記終了条件を満たすと判別された場合に、前記変更対象設定の変更内容を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記複数の設定は、前記表示部に表示される文字及び画像の少なくとも一方の大きさに係る表示サイズ設定を含み、
前記設定制御手段は、前記変更対象設定が前記表示サイズ設定である場合には、前記測距センサが測定する前記距離、又は当該距離の変化量に応じて、前記表示部に表示される前記文字及び画像の少なくとも一方が拡大又は縮小するように前記表示サイズ設定の設定内容を変更する、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記複数の設定は、前記表示部における表示の輝度に係る輝度設定を含み、
前記設定制御手段は、前記変更対象設定が前記輝度設定である場合には、前記測距センサが測定する前記距離、又は当該距離の変化量に応じて、前記表示部における表示の輝度が増大又は減少するように前記輝度設定の設定内容を変更する、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記複数の設定は、前記表示部に表示される文字の行間の大きさに係る行間設定を含み、
前記設定制御手段は、前記変更対象設定が前記行間設定である場合には、前記測距センサが測定する前記距離、又は当該距離の変化量に応じて、前記表示部に表示される文字の行間が増大又は減少するように前記行間設定の設定内容を変更する、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項12】
音声を出力する音声出力手段を備え、
前記複数の設定は、前記音声出力手段の動作に係る設定を含む、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項13】
前記複数の設定は、前記音声出力手段が出力する音声の大きさに係る音量設定を含み、
前記設定制御手段は、前記変更対象設定が前記音量設定である場合には、前記測距センサが測定する前記距離、又は当該距離の変化量に応じて、前記音声出力手段が出力する音声の大きさが増大又は減少するように前記音量設定の設定内容を変更する、
ことを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
前記複数の設定は、前記音声出力手段による音声の再生速度に係る再生速度設定を含み、
前記設定制御手段は、前記変更対象設定が前記再生速度設定である場合には、前記測距センサが測定する前記距離、又は当該距離の変化量に応じて、前記音声出力手段による音声の再生速度が増大又は減少するように前記再生速度設定の設定内容を変更する、
ことを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
【請求項15】
前記複数の設定は、前記音声出力手段による音声の再生の繰り返し回数に係る繰り返し設定を含み、
前記設定制御手段は、前記変更対象設定が前記繰り返し設定である場合には、前記測距センサが測定する前記距離、又は当該距離の変化量に応じて、前記音声出力手段による音声の再生の繰り返し回数が増大又は減少するように前記繰り返し設定の設定内容を変更する、
ことを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
【請求項16】
コンピュータが実行する、対象物体と自機器との距離を測定可能な測距センサを備えた電子機器の設定変更方法であって、
前記電子機器の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定し、
決定した前記変更対象設定の設定内容を、前記測距センサが測定した前記対象物体と前記電子機器との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する、
ことを特徴とする電子機器の設定変更方法。
【請求項17】
対象物体と自機器との距離を測定可能な測距センサを備えた電子機器に設けられたコンピュータを、
前記電子機器の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定する決定手段、
前記決定手段が決定した前記変更対象設定の設定内容を、前記測距センサが測定した前記対象物体と前記電子機器との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する設定制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、電子機器の設定変更方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示部を備えた電子機器の中には、表示部における表示の輝度や、表示される文字の大きさを、操作キーやタッチパネル等に対するユーザ操作に応じて調整することが可能なものがある。しかしながら、これらの調整のために毎回操作を行うのは煩わしいと感じるユーザも少なくない。
【0003】
これに対し、電子機器のユーザと自機器との距離を計測可能な測距センサを電子機器に設け、測距センサにより計測された距離に応じて表示部における表示の輝度や文字の大きさを自動的に調整する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-098991号公報
【特許文献2】特開2010-258603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、表示部に表示されている表示内容によっては、ユーザが輝度や文字の大きさの調整を望まない場合もある。このため、測距センサにより計測された距離に応じて画一的に輝度や文字の大きさを調整すると、意図しない調整が行われて却って煩わしい場合がある。
また、表示部に表示されている表示内容によっては、ユーザが輝度や文字の大きさ以外の設定の調整を望む場合もあるが、この場合には、設定の調整のために、操作キーやタッチパネル等に対する操作が依然として必要である。
このように、上記従来の技術では、ユーザが所望する設定を簡易に調整することができないという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、ユーザが所望する設定を簡易に調整することができる電子機器、電子機器の設定変更方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る電子機器は、
対象物体と自機器との距離を測定可能な測距センサと、
前記自機器の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した前記変更対象設定の設定内容を、前記測距センサが測定した前記対象物体と前記自機器との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する設定制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る電子機器の設定変更方法は、
コンピュータが実行する、対象物体と自機器との距離を測定可能な測距センサを備えた電子機器の設定変更方法であって、
前記電子機器の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定し、
決定した前記変更対象設定の設定内容を、前記測距センサが測定した前記対象物体と前記電子機器との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する、
ことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、
対象物体と自機器との距離を測定可能な測距センサを備えた電子機器に設けられたコンピュータを、
前記電子機器の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定する決定手段、
前記決定手段が決定した前記変更対象設定の設定内容を、前記測距センサが測定した前記対象物体と前記電子機器との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する設定制御手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザが所望する設定を簡易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】電子機器の外観構成を示す図である。
図2】測距センサの機能を説明する図である。
図3】電子機器の機能構成を示すブロック図である。
図4】動作設定データの内容例を示す図である。
図5】優先設定テーブルの内容例を示す図である。
図6】変更対象設定の選択方法を説明する図である。
図7】変更対象設定が「文字サイズ」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
図8】変更対象設定が「画面輝度」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
図9】変更対象設定が「音量調整」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
図10】変更対象設定が「行間調整」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
図11】変更対象設定が「音声再生速度」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
図12】変更対象設定が「繰り返し回数」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
図13】変更対象設定が「アイコンサイズ」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
図14】設定変更処理のCPUによる制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
<電子機器の構成>
図1は、電子機器100の外観構成を示す図である。
本実施形態の電子機器100は、ユーザ操作に応じて、各種辞書の内容に係る情報(以下、「辞書コンテンツ」と記す)、及び、単語学習や英会話といった各種学習用のコンテンツ(以下、「学習コンテンツ」と記す)等を表示することが可能な電子辞書である。
【0014】
電子機器100は、本体ケース101と、蓋体ケース102と、本体ケース101及び蓋体ケース102を連結するヒンジ部103とを備える。蓋体ケース102は、ヒンジ部103を軸として本体ケース101に対して回動可能となっている。本体ケース101、蓋体ケース102及びヒンジ部103は、蓋体ケース102を回動させることで展開、閉塞が可能な折り畳み型ケースを構成する。図1には、この折り畳み型ケースを展開した状態の電子機器100が描かれている。
【0015】
本体ケース101のうち、蓋体ケース102に対向する面には、複数の操作キー(ハードウェアキー)を有するキー入力部14と、マイクを有する音声入力部17(音声入力手段)と、スピーカーを有する音声出力部18(音声出力手段)などが設けられている。キー入力部14は、ホームキー14a、コンテンツ指定キー14b、文字入力キー14c、及び機能キー14dなどの操作キーを有する。ユーザがいずれかの操作キーを押下する操作を行うと、押下した操作キーに応じた処理が実行される。
【0016】
詳しくは、ホームキー14aは、表示部15に図示しない所定のホーム画面を表示させるための操作キーである。
【0017】
コンテンツ指定キー14bは、各操作キーに表記されている辞書等のコンテンツを指定して、当該コンテンツの内容を表示部15に表示させるための操作キーである。例えば、「英和1/英和2」の操作キーを押下することで、予め設定されている英和辞典1又は英和辞典2のコンテンツ、又は当該コンテンツを表示させるためのメニュー画面が表示部15に表示される。
【0018】
文字入力キー14cは、文字を入力するための操作キーである。文字入力キー14cは、例えば、辞書コンテンツの所望の見出し語(単語や熟語等)を表示させるために当該見出し語を表す文字列を入力する場合等に用いられる。図1には、コンテンツ指定キー14bにより「英和辞典1」の表示が実行された後に、文字入力キー14cにより「something」の文字が入力されて、見出し語「something」の訳語等が表示部15に表示された状態が描かれている。
また、文字入力キー14cには、入力した文字を削除するための削除キー14c1、及び操作キーの機能をシフトさせるためのシフトキー14c2が含まれる。
【0019】
機能キー14dは、各種機能を実行するための操作キーである。機能キー14dには、方向を指定するための方向キー141、決定動作を行うための決定キー142、操作を前に戻すための戻るキー143、辞書コンテンツの音声を再生するための再生キー144、後述する測距センサ16を用いたジェスチャ設定動作を行うためのジェスチャ設定キー145、コンテンツにおける指定位置にジャンプ(表示を遷移)させるためのジャンプキー146、過去の表示履歴を呼び出すためのヒストリーキー147、辞書コンテンツにおける1つ前又は次のページに遷移させるためのページ送りキー148、149などが含まれる。機能キー14dの各操作キーは、文字入力キー14cのシフトキー14c2を押下した直後に押下することで別の機能が実行されるようになっていてもよい。
【0020】
音声入力部17は、入力された音声を検出するマイクを有する。電子機器100には、ユーザが発音した音声を録音し、予め登録されているネイティブスピーカーによる音声と聞き比べることのできる「聞き比べ機能」が搭載されている。音声入力部17は、この聞き比べ機能などにおいてユーザの音声を検出し、音声データに変換して出力する。
【0021】
音声出力部18は、音声を出力するスピーカーを有する。音声出力部18は、再生キー144が押下された場合に見出し語の発音の音声を出力したり、上述の聞き比べ機能の実行時や、学習コンテンツのリスニングモードにおいて音声を出力したりする。
【0022】
蓋体ケース102のうち、本体ケース101に対向する面には、表示部15が設けられている。
表示部15は、カラー又はモノクロの画像を表示可能な液晶ディスプレイ151(図3参照)と、液晶ディスプレイ151の表示画面に重ねられて設けられた透明なタッチパネル152(図3参照)とを有する。ユーザがペンや指などで表示画面をタッチすると、タッチした位置がタッチパネル152により検出されて、検出位置に応じた処理が実行される。表示部15には、タッチパネル152による操作の対象となるソフトウェアボタンが表示されてもよい。
なお、タッチパネル152を省略し、キー入力部14のみによりユーザ操作を受け付ける構成としてもよい。また、液晶ディスプレイ151に代えて、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の他の方式の表示装置が用いられてもよい。
【0023】
また、蓋体ケース102のうち、本体ケース101に対向する面には、表示部15の上部(表示部15のヒンジ部103側とは反対側)のベゼル部分に測距センサ16が設けられている。
【0024】
図2は、測距センサ16の機能を説明する図である。
測距センサ16は、ユーザの手Hなどの対象物体と、電子機器100(自機器)のうち測距センサ16が設けられている部位との距離(図2に示す例では、距離D1~D3)を測定し、測定結果に係るデータを出力する。対象物体は手Hに限られないが、本実施形態では、対象物体が手Hである場合を例に挙げて説明する。測距センサ16は、例えば、パルス状の赤外線レーザーを射出する発光部と、手Hの表面で反射した赤外線レーザーを検出する受光部とを備え、発光部が赤外線レーザーを射出してから、受光部が赤外線レーザーを検出するまでの時間に基づいて手Hまでの距離を計測する。測距センサ16は、電子機器100から50cm程度までの距離を、数mm~1cm程度の分解能で測定することができる。また、発光部による発光及び受光部による検出を高速で繰り返し実行することで、50Hz程度の頻度で距離を計測可能である。これにより、測距センサ16は、手Hの位置をリアルタイムに測定することができる。よって、手Hと電子機器100との距離の変化(変化量ΔD)を測定することもできる。
なお、測距センサ16の構成は上述したものに限られず、手Hなどの対象物体との距離を測定可能なものであれば任意の構成とすることができる。
【0025】
図3は、電子機器100の機能構成を示すブロック図である。
電子機器100は、CPU11(Central Processing Unit)と、RAM12(Random Access Memory)と、記憶部13と、キー入力部14と、液晶ディスプレイ151及びタッチパネル152を有する表示部15と、測距センサ16と、音声入力部17と、音声出力部18と、通信部19と、バス20などを備える。電子機器100の各部は、バス20を介して接続されている。
【0026】
CPU11は、記憶部13に記憶されているプログラム131を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、電子機器100の動作を制御するプロセッサ(処理部)である。なお、電子機器100は、複数のプロセッサ(例えば、複数のCPU)を有していてもよく、本実施形態のCPU11が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合には、複数のプロセッサにより処理部が構成される。この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、あるいは、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。CPU11は、プログラム131に従って各種処理を実行することにより、「決定手段」、「設定制御手段」、「優先設定変更手段」、及び「表示制御手段」として機能する。
【0027】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0028】
記憶部13は、コンピュータとしてのCPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム131及び各種データを記憶する。記憶部13は、例えばSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性メモリを含む。プログラム131は、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部13に格納されている。
【0029】
記憶部13に記憶されるデータとしては、コンテンツデータ132、動作設定データ133、及び優先設定テーブル134などがある。
このうちコンテンツデータ132は、国語辞典、英和辞典及び和英辞典等の辞書コンテンツや、各種学習コンテンツなどに係るデータを含む。各種辞典の見出し語と当該見出し語に対応する訳語、語義、用例及び解説などの説明情報は、このコンテンツデータ132に記憶され、ユーザ操作に応じて参照されて表示部15に表示される。
【0030】
図4は、動作設定データ133の内容例を示す図である。
動作設定データ133には、電子機器100の動作に係る複数の設定の設定内容(設定値)が記憶されている。各設定の設定内容は、後述する測距センサ16を用いたジェスチャ設定動作により変更することができる。なお、図4に示した動作設定データ133に含まれる設定は例示であり、これらに限られない。
【0031】
動作設定データ133には、表示部15における表示に係る設定として、「文字サイズ」、「画面輝度」、「行間調整」、「アイコンサイズ」、「スクロール移動量」及び「壁紙種類」の設定が含まれる。
「文字サイズ」は、辞書コンテンツの表示時等における、表示部15に表示される文字の大きさ(フォントサイズ)に係る設定(表示サイズ設定)である。「文字サイズ」の設定値が大きいほど表示される文字が大きくなる。
「画面輝度」は、表示部15における表示の輝度(明るさ)に係る設定(輝度設定)である。「画面輝度」の設定値が大きいほど表示の輝度が高くなる。表示部15の表示の輝度は、液晶ディスプレイ151のバックライトを構成する光源(LED等)に供給される駆動電流の大きさを増減することにより変更される。
「行間調整」は、辞書コンテンツの表示時等における、表示部15に表示される文字の行間の大きさ(隣り合う文字列の間隔)に係る設定(行間設定)である。「行間調整」の設定値が大きいほど行間が大きくなる。
「アイコンサイズ」は、各種メニュー画面(図13参照)や図示しないホーム画面に表示されるアイコン(画像)又はアイコン同士の間隔の大きさに係る設定である。「アイコンサイズ」の設定値が大きいほど、アイコン又はアイコン同士の間隔が大きくなる。
「スクロール移動量」は、方向キー141に対する操作に応じて表示をスクロールする際に、方向キー141の1回の押下に応じたスクロール量(表示の移動量)に係る設定である。「スクロール移動量」の設定値が大きいほど、方向キー141の1回の押下に応じたスクロール量が大きくなる。
「壁紙種類」は、メニュー画面やホーム画面等において、アイコン等の主たる表示対象の背景に表示させる画像(壁紙)の種類を指定する設定である。
【0032】
また、動作設定データ133には、音声に係る設定として、「音量調整」、「音声再生速度」、「繰り返し回数」及び「マイク感度」の設定が含まれる。
「音量調整」は、再生キー144の押下に応じて再生される音声や、学習コンテンツのリスニングモードにおいて再生される音声といった、音声出力部18が出力する音声の大きさに係る設定(音量設定)である。「音量調整」の設定値が大きいほど、出力される音声の音量が大きくなる。
「音声再生速度」は、音声出力部18による音声の再生速度に係る設定(再生速度設定)である。「音声再生速度」の設定値が大きいほど再生速度が速くなる。
「繰り返し回数」は、再生キー144の押下などの1回の再生指示に応じて行われる、音声出力部18による音声の再生の繰り返し回数に係る設定(繰り返し設定)である。「繰り返し回数」の設定値が大きいほど、1回の再生指示に応じて行われる音声の再生の繰り返し回数が多くなる。
「マイク感度」は、音声入力部17のマイクによる音声の検出感度に係る設定である。「マイク感度」の設定値が大きいほど音声入力部17のマイクによる音声の検出感度が高くなる。
【0033】
また、動作設定データ133には、その他の設定として、「検索対象辞書数」、「線の太さ」、「線の色」、「消しゴムのサイズ」及び「電源自動オフ時間」の設定が含まれる。
「検索対象辞書数」は、複数辞書検索機能における、検索対象とする辞書の数に係る設定である。ここで、複数辞書検索機能とは、1つの見出し語の入力に応じて、複数の辞書における当該見出し語を一度に検索する機能である。「検索対象辞書数」に設定された数の辞書が、複数辞書検索機能における検索対象とされる。検索対象とする辞書の数が多すぎると、検索結果において、指定した見出し語が多数(当該見出し語を含むの辞書の数だけ)並ぶこととなり、当該見出し語の前後の見出し語を確認するために画面のスクロールが必要となり煩わしい場合がある。また、検索対象とする辞書の数が少なすぎると、所望の辞書が検索されずに不便な場合がある。このため、「検索対象辞書数」を調整することで、ユーザが所望する数の辞書を検索対象とすることができる。
「線の太さ」は、手書きモードにおいて描画される線の太さに係る設定である。手書きモードは、タッチパネル152により手書きの文字や図形等の入力を受け付けるモードであり、手書きの文字により見出し語を入力して検索したり、手書きのメモを作成して記憶部13に登録したりすることができる。「線の太さ」の設定値が大きいほど、手書きモードにおいて描画される線が太くなる。
「線の色」は、手書きモードにおいて描画される線の色に係る設定である。手書きモードでは、「線の色」に設定された色の線が描画される。
「消しゴムのサイズ」は、手書きモードにおいて、消しゴムを模したアイコンを画面上で動かすことで描画した線を消去する場合における、消しゴムアイコンの大きさ(太さ)に係る設定である。「消しゴムのサイズ」の設定値が大きいほど消しゴムアイコンが大きくなり、一度に広い範囲が消去される。
「電源自動オフ時間」は、電子機器100において、最後に操作がなされてから電源自動オフ機能(又はスリープ機能)が実行されるまでの待機時間に係る設定である。
【0034】
図5は、優先設定テーブル134の内容例を示す図である。
優先設定テーブル134では、表示部15に表示されている表示内容ごとに、図3の動作設定データ133に示した15種の設定のうち4つの設定が優先設定S1~S4として対応付けられて記憶されている。ここで、優先設定S1~S4は、後述するジェスチャ設定動作において優先的に変更対象設定とされる設定である。また、4つの優先設定S1~S4には優先順位が定められており、「優先設定S1」が最も優先順位が高く、以降、「優先設定S2」、「優先設定S3」、「優先設定S4」の順となっている。なお、各表示内容に対応付けられる優先設定は4つに限られず、3つ以下又は5つ以上であってもよい。
【0035】
優先設定テーブル134では、表示部15の表示内容の種別として「本文データ表示画面」、「音声再生中(リスニング)」、「ホーム/メニュー画面」、「検索結果一覧」、「聞き比べ機能利用中」、及び「手書き入力中」が含まれる。なお、これら以外の表示内容についてさらに優先設定S1~S4が対応付けられていてもよい。
【0036】
「本文データ表示画面」は、例えば図1に示すように、辞書コンテンツの見出し語、及び当該見出し語に対応する訳語、語義、用例、解説などの説明情報が表示されている状態である。また、種々の学習コンテンツの文字や文章が主として表示されている状態も「本文データ表示画面」に相当する。「本文データ表示画面」には、主に文字の表示に係る設定が優先設定として対応付けられている。具体的には、優先順位の高い方から順に「文字サイズ」、「画面輝度」、「音量調整」、「行間調整」が優先設定として対応付けられている。
【0037】
「音声再生中(リスニング)」は、各種学習コンテンツ等においてリスニング(音声の出力)が行われている状態である。「音声再生中(リスニング)」には、主に音声に係る設定が優先設定として対応付けられている。具体的には、優先順位の高い方から順に「音量調整」、「音声再生速度」、「文字サイズ」、「繰り返し回数」が優先設定として対応付けられている。
【0038】
「ホーム/メニュー画面」は、利用する機能や辞書コンテンツを選択するためのメニューやアイコンなどが表示された、ホーム画面又はメニュー画面である。メニュー画面の一例は、図13に示されている。「ホーム/メニュー画面」には、主に表示に係る設定が優先設定として対応付けられている。具体的には、優先順位の高い方から順に「画面輝度」、「アイコンサイズ」、「電源自動オフ時間」、「壁紙種類」が優先設定として対応付けられている。
【0039】
「検索結果一覧」は、辞書コンテンツにおける見出し語等の検索結果が一覧表示されている状態である。上述した複数辞書検索機能による検索結果が表示されている状態も「検索結果一覧」に相当する。「検索結果一覧」には、表示に係る設定、及び検索対象辞書数の設定が優先設定として対応付けられている。具体的には、優先順位の高い方から順に「文字サイズ」、「画面輝度」、「スクロール移動量」、「検索対象辞書数」が優先設定として対応付けられている。
【0040】
「聞き比べ機能利用中」は、上述した聞き比べ機能が実行されている状態である。「聞き比べ機能利用中」には、主に音声に係る設定が優先設定として対応付けられている。具体的には、優先順位の高い方から順に「音量調整」、「音声再生速度」、「マイク感度」、「画面輝度」が優先設定として対応付けられている。
【0041】
「手書き入力中」は、上述した手書きモードによる手書きの文字や図形等の入力が可能となっている状態である。「手書き入力中」には、主に手書きモードに係る設定が優先設定として対応付けられている。具体的には、優先順位の高い方から順に「線の太さ」、「線の色」、「消しゴムのサイズ」、「画面輝度」が優先設定として対応付けられている。
【0042】
このように、優先設定S1~S4の組み合わせは、表示部15の表示内容の種別ごとに互いに異なる。ただし、或る表示内容に対応付けられている優先設定S1~S4の組み合わせが、他のいずれかの表示内容に対応付けられている優先設定S1~S4の組み合わせと異なっていればよく、一部の表示内容について対応付けられている優先設定S1~S4が共通となっていてもよい。また、或る表示内容と、他の表示内容との間で、優先設定S1~S4の組み合わせが同一であり、優先順位のみが異なる場合も、対応付けられている優先設定が互いに異なる場合に含まれるものとする。
【0043】
なお、各表示内容に対応付けられている4つの優先設定S1~S4は例示であり、図4に示したものに限られない。
また、各表示内容に対応付けられている優先設定S1~S4は、ユーザ操作に応じて変更可能であってもよい。ここで、優先設定S1~S4の変更は、優先設定とする設定の入れ替え、及び優先順位の変更を含む。また、ユーザ操作に応じて優先設定の数が変更可能であってもよい。すなわち、各表示内容に対応する優先設定の数を増減する変更が可能であってもよい。
【0044】
図3に戻り、キー入力部14は、図1に示した各種操作キーを備え、操作キーを押下する入力操作に応じた操作情報をCPU11に出力する。
【0045】
表示部15は、CPU11から送信される制御信号及び画像データに従って、液晶ディスプレイ151において表示を行う。また、表示部15は、タッチパネル152に対する接触操作を検出し、接触操作が検出された位置を表す操作情報をCPU11に出力する。
【0046】
測距センサ16は、CPU11から送信される制御信号に従って、上述した手H(対象物体)までの距離の測定を開始し、測定結果に係るデータをCPU11に出力する。詳しくは、測距センサ16は、距離の測定可能範囲内(本実施形態では、赤外線レーザーの照射範囲内、かつ、電子機器100における測距センサ16の設置位置からの距離が50cm以内である範囲)に手Hがある場合には、距離の測定値を表すデータを出力し、測定対象範囲内に手Hがない場合には、距離を測定不能であることを示すデータを出力する。
【0047】
音声入力部17は、CPU11から送信される制御信号に従って、マイクによる音声の検出を開始し、検出された音声を音声データに変換してCPU11に出力する。
【0048】
音声出力部18は、CPU11から送信される音声データ及び制御信号に従って、当該音声データを音声に変換して出力する。
【0049】
通信部19は、ネットワークカード又は通信モジュール等により構成され、外部装置との間で所定の通信規格に従ってデータの送受信を行う。
【0050】
<電子機器の動作>
次に、電子機器100の動作について、測距センサ16を用いたジェスチャ設定動作を中心に説明する。
【0051】
本実施形態の電子機器100では、ジェスチャ設定キー145が押下されたことに応じて、ジェスチャ設定動作が開始される。ジェスチャ設定動作では、ユーザは、図2に示すように電子機器100の測距センサ16に対向する位置(以下、「測距センサ16の前」と記す)に手Hをかざし、手Hの位置を測距センサ16に近付けたり測距センサ16から遠ざけたりすることで、手Hの位置の変化(変化後の位置、又は位置の変化量)に応じて、動作設定データ133における複数の設定のいずれかの設定内容を変更することができる。測距センサ16の前にかざす対象物体は手Hに限られず、ユーザの体の他の一部であってもよいし、ユーザが保持する遮光板などであってもよい。
【0052】
ジェスチャ設定キー145が押下されると、測距センサ16による、電子機器100と手Hとの距離の測定が開始される。詳しくは、測定の開始後、ユーザが測距センサ16の前に手Hをかざすと、その時点において測定された手Hと電子機器100との距離が、初期距離として記録される。その後、手Hと電子機器100との距離がリアルタイムに測定される。また、ユーザの手Hにより予め定められた終了ジェスチャが行われると、測距センサ16による測定が終了し、最後に測定された手Hと電子機器100との距離が、最終距離として記録される。そして、初期距離から最終距離までの距離の変化量ΔDに応じて、変更対象設定の変更内容が変更される。例えば、図2において、ジェスチャ設定動作における初期距離が距離D2であり、最終距離が距離D1であった場合には、変化量ΔD=D1-D2となる。図2では、D2>D1であるので、この場合の変化量ΔDは負の値となる。ユーザの手Hにより終了ジェスチャが行われたか否かを判別することは、「基準物体の動きが所定の終了条件を満たすか否かを判別すること」に相当する。
また、本実施形態では、距離の変化量ΔDが閾値Dth以上である場合には、当該変化量ΔDに応じて変更対象設定の変更内容を変更し、距離の変化量ΔDが閾値Dth未満である場合には、設定内容を変更せずに維持される。ただし、閾値Dthを設けず、単に距離の変化量ΔDに応じて設定内容を変更してもよい。
変更後の設定内容は、動作設定データ133に反映される。
【0053】
上記の終了ジェスチャは、例えば、手Hを所定の基準期間以上静止させるジェスチャとすることができる。ここで、手Hを静止させるジェスチャは、例えば、基準期間における手Hと電子機器100との距離の変化量が所定の上限値以下となるように手Hを静止させるジェスチャとすることができる。
あるいは、終了ジェスチャは、測距センサ16による距離の測定対象範囲外に手Hを移動させるジェスチャとしてもよい。
また、手Hを測距センサ16の前にかざしつつ、反対側の手で所定の操作キーを押下する操作がなされた場合に、終了ジェスチャがなされたと判別されるようにしてもよい。
【0054】
なお、初期距離から最終距離までの距離の変化量ΔDに代えて、最終距離そのものに応じて変更対象設定の変更内容が変更されるようにしてもよい。
また、手H以外の意図しない対象物体(例えば、ユーザーの体や顔など)との距離が測定されないように、距離の測定範囲を一定値以下(例えば20cm以下)に制限してもよい。
また、測距センサ16の前を横切るような手Hの動きなどの、設定変更を意図しない手Hの動きが設定変更に反映されにくくなるように、瞬間的な距離の測定値の変化は無視することとしてもよい。
【0055】
ジェスチャ設定動作により設定内容が変更される変更対象設定は、表示部15の表示画面内の変更対象設定アイコン31(標識)(図1参照)に示されている。図1に示す例では、変更対象設定は「文字サイズ」である。よって、図1に示す状態でジェスチャ設定動作を行うと、距離の変化量ΔDの測定結果に応じて「文字サイズ」の設定内容(設定値)が変更される。なお、変更対象設定を表す標識は、変更対象設定アイコン31に限られず、ユーザが変更対象設定を認識することのできるものであればどのような標識であってもよい。
【0056】
変更対象設定は、ジェスチャ設定キー145を繰り返し押下することで選択することができる。
図6は、変更対象設定の選択方法を説明する図である。
図6に示すように、図1に示した状態においてジェスチャ設定キー145を押下するごとに、表示される変更対象設定アイコン31(及び、変更対象設定)が、「文字サイズ」、「画面輝度」、「音量調整」、「行間調整」の順に循環するように変化する。これにより、変更対象設定を選択することができる。
【0057】
具体的には、図1に示す状態からジェスチャ設定キー145が1回のみ押下された場合には、変更対象設定アイコン31は変更されず、その時点における変更対象設定アイコン31が表す優先設定S1の「文字サイズ」を変更対象設定としてジェスチャ設定動作が開始される。
また、図1に示す状態からジェスチャ設定キー145が2回連続して押下された場合には、変更対象設定アイコン31が優先設定S2の「画面輝度」に切り替わり、「画面輝度」を変更対象設定としてジェスチャ設定動作が開始される。
また、図1に示す状態からジェスチャ設定キー145が3回連続して押下された場合には、変更対象設定アイコン31が優先設定S3の「音量調整」に切り替わり、「音量調整」を変更対象設定としてジェスチャ設定動作が開始される。
また、図1に示す状態からジェスチャ設定キー145が4回連続して押下された場合には、変更対象設定アイコン31が優先設定S4の「行間調整」に切り替わり、「行間調整」を変更対象設定としてジェスチャ設定動作が開始される。
ジェスチャ設定キー145が5回以上連続して押下された場合には、図6に示す順序で変更対象設定が循環する。
【0058】
ジェスチャ設定キー145の押下に応じて循環表示される4つの変更対象設定アイコン31の内容は、図5の優先設定テーブル134に設定されている優先設定S1~S4に対応する。よって、循環表示される変更対象設定アイコン31は、その時点において表示部15に表示されている表示内容に応じて、図5の優先設定テーブル134に基づいて決定される。言い換えると、変更対象設定は、表示部15に表示されている表示内容に対応付けられて予め定められた4つの優先設定S1~S4の中から決定される。
【0059】
例えば、図1のように、表示内容が「本文データ表示画面」である場合には、上述のとおり、優先設定テーブル134に基づいて、「本文データ表示画面」に対応する「文字サイズ」、「画面輝度」、「音量調整」、「行間調整」の変更対象設定アイコン31が循環表示される。また、表示内容が「音声再生中(リスニング)」である場合には、優先設定テーブル134に基づいて、「音声再生中(リスニング)」に対応する「音量調整」、「音声再生速度」、「文字サイズ」、「繰り返し回数」の変更対象設定アイコン31が循環表示される。他の表示内容についても同様である。
【0060】
ジェスチャ設定キー145を2回以上連続して押下する操作は、変更対象設定を変更するユーザ操作に相当する。この変更対象設定を変更するユーザ操作が行われない場合、すなわちジェスチャ設定キー145が1回のみ押下された場合には、4つの優先設定S1~S4のうち最も優先順位の高い優先設定S1(図1図6では「文字サイズ」)を変更対象設定としてジェスチャ設定動作が開始される。
【0061】
なお、優先設定S1~S4以外の設定を、ジェスチャ設定動作による変更対象設定として選択することが可能であってもよい。例えば、ジェスチャ設定キー145を長押しすることで、図4に示す動作設定データ133の全ての設定が表示されるようにし、その中から選択された1つの設定を変更対象設定としてもよい。
【0062】
以下、表示部15における表示例を参照しつつ、ジェスチャ設定動作を具体的に説明する。
【0063】
図7は、変更対象設定が「文字サイズ」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
図7では、表示部15に、辞書コンテンツ(見出し語「something」及びその訳語等)が表示されている。よって、表示部15の表示内容の種別は「本文データ表示画面」であり、優先設定テーブル134において対応付けられている優先設定S1~S4は、「文字サイズ」、「画面輝度」、「音量調整」、「行間調整」である。図7の状態では、このうち優先設定S1の「文字サイズ」の変更対象設定アイコン31が表示されており、変更対象設定は「文字サイズ」となっている。
【0064】
この状態でジェスチャ設定動作が開始され、測距センサ16の前にかざした手Hを測距センサ16に近付けたり測距センサ16から遠ざけたりすると、この手Hの移動に応じて、表示部15の表示画面が、画面15a~15cに示すようにリアルタイムに変化する。すなわち、手Hと電子機器100との距離の測定値(以下、「測定距離」と記す)が小さいほど、画面15aのように表示される文字が大きくなり、測定距離が大きいほど、画面15cのように表示される文字が小さくなる。測定距離が画面15a、15cの中間程度である場合には、画面15bのように表示される文字の大きさが中間程度となる。
【0065】
このように、測定距離が小さくなる方向に手Hを動かすことで、「文字サイズ」の設定値を大きくすることができ、測定距離が大きくなる方向に手Hを動かすことで、「文字サイズ」の設定値を小さくすることができる。ジェスチャ設定動作中の各時点において表示部15に表示される文字の大きさは、その時点でジェスチャ設定動作が終了したと仮定した場合における「文字サイズ」の設定値に対応する大きさである。ここで、図4に示すように、「文字サイズ」の設定値は、「1」から「100」までの100段階で変更可能となっており、通常の電子辞書における設定値の変更可能段階数(3~5程度)と比較して大幅に多くなっている。これにより、ユーザは、あたかも文字サイズが無段階で(すなわち、連続値で、アナログ的に)調整可能であるかのように認識する。
【0066】
表示部15に表示された文字が所望の大きさとなった状態で上述の終了ジェスチャを行うことで、「文字サイズ」の設定内容が、その時点で表示されている大きさに対応する設定値に決定され、動作設定データ133に反映される。この一連のジェスチャ設定動作により、表示部15に表示される文字が拡大又は縮小するように「文字サイズ」の設定内容を変更することができる。
【0067】
図8は、変更対象設定が「画面輝度」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
変更対象設定アイコン31を「画面輝度」に切り替えた状態でジェスチャ設定動作を開始させ、手Hを測距センサ16に近付けたり測距センサ16から遠ざけたりすることで、表示部15の表示画面が、画面15d、15eのようにリアルタイムに変化する。すなわち、測定距離が小さくなる方向に手Hを動かすことで、「画面輝度」の設定値を大きくして、画面15dのように表示の輝度を高くすることができ、測定距離が大きくなる方向に手Hを動かすことで、「画面輝度」の設定値を小さくして、画面15eのように表示の輝度を低くすることができる。図4に示すように、「画面輝度」の設定値も、「1」から「100」までの100段階で変更可能となっている。このように設定可能段階数が多くなっていることで、ユーザは、あたかも画面輝度が無段階で調整可能であるかのように認識する。
【0068】
表示部15の表示が所望の輝度となった状態で終了ジェスチャを行うことで、「表示輝度」の設定内容が、その時点における輝度に対応する設定値に決定され、動作設定データ133に反映される。この一連のジェスチャ設定動作により、表示部15における表示の輝度が増大又は減少するように「表示輝度」の設定内容を変更することができる。
【0069】
図9は、変更対象設定が「音量調整」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
変更対象設定アイコン31を「音量調整」に切り替えると、表示部15の下端に、「音量調整」のおおよその設定値を表す音量バー32が表示される。この状態でジェスチャ設定動作を開始させ、手Hを測距センサ16に近付けたり測距センサ16から遠ざけたりすることで、表示部15の表示画面が、画面15f、15gのようにリアルタイムに変化する。すなわち、測定距離が小さくなる方向に手Hを動かすことで、画面15fのように音量バー32のインジケータが音量の大きい側にシフトし(インジケータにおける濃色の範囲の幅が右方向に拡大し)、これに伴って「音量調整」の設定値が大きくなり音量が増大する。また、測定距離が大きくなる方向に手Hを動かすことで、画面15gのように音量バー32のインジケータが音量の小さい側にシフトし(インジケータにおける濃色の範囲の幅が左方向に縮小し)、これに伴って「音量調整」の設定値が小さくなり音量が減少する。この場合に、音量の変化が分かるように、ジェスチャ設定動作中に所定の音声を再生させ続けることとしてもよい。図4に示すように、「音量調整」の設定値も、「1」から「100」までの100段階で変更可能となっている。このように設定可能段階数が多くなっていることで、ユーザは、あたかも音量が無段階で調整可能であるかのように認識する。
【0070】
所望の音量となった状態で終了ジェスチャを行うことで、「音量調整」の設定内容が、その時点における音量に対応する設定値に決定され、動作設定データ133に反映される。この一連のジェスチャ設定動作により、音声出力部18が出力する音声の大きさが増大又は減少するように「音量調整」の設定内容を変更することができる。
【0071】
図10は、変更対象設定が「行間調整」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
変更対象設定アイコン31を「行間調整」に切り替えた状態でジェスチャ設定動作を開始させ、手Hを測距センサ16に近付けたり測距センサ16から遠ざけたりすることで、表示部15の表示画面が、画面15h~15jのようにリアルタイムに変化する。すなわち、測定距離が小さくなる方向に手Hを動かすことで、「行間調整」の設定値を大きくして、画面15hのように行間を大きくすることができる。また、測定距離が大きくなる方向に手Hを動かすことで、「行間調整」の設定値を小さくして、画面15jのように行間を小さくすることができる。測定距離が画面15h、15jの中間程度である場合には、画面15iのように行間の大きさが中間程度となる。図4に示すように、「行間調整」の設定値は、「1」から「20」までの20段階で変更可能となっており、通常の電子辞書(数段階程度)よりも変更可能段階数が大幅に多くなっている。よって、ユーザは、あたかも行間調整が無段階で調整可能であるかのように認識する。
【0072】
行間が所望の大きさとなった状態で終了ジェスチャを行うことで、「行間調整」の設定内容が、その時点で表示されている大きさに決定され、動作設定データ133に反映される。この一連のジェスチャ設定動作により、表示部15に表示される文字の行間が増大又は減少するように「行間調整」の設定内容を変更することができる。
【0073】
図11は、変更対象設定が「音声再生速度」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
図11では、表示部15に、学習コンテンツである「英会話1」において会話文のリスニングを行う場合の画面が表示されている。よって、表示部15の表示内容の種別は「音声再生中(リスニング)」であり、優先設定テーブル134において対応付けられている優先設定S1~S4は、図5に示すように「音量調整」、「音声再生速度」、「文字サイズ」、「繰り返し回数」である。図11は、このリスニング用の画面においてジェスチャ設定キー145が2回連続して押下されて、変更対象設定アイコン31が優先設定S2の「音声再生速度」に切り替わった状態を示している。よって、変更対象設定は「音声再生速度」となっている。
【0074】
変更対象設定アイコン31を「音声再生速度」に切り替えると、表示部15の下端に、「音声再生速度」のおおよその設定値を表す再生速度バー33、及び「音声再生速度」の設定値に応じて左右方向の幅が変化する吹き出し34が表示される。この状態でジェスチャ設定動作を開始させ、手Hを測距センサ16に近付けたり測距センサ16から遠ざけたりすることで、表示部15の表示画面が、画面15k、15lのようにリアルタイムに変化する。すなわち、測定距離が小さくなる方向に手Hを動かすことで、画面15kのように再生速度バー33のインジケータが再生速度の速い側にシフトし、これに伴って「音声再生速度」の設定値が大きくなり再生速度が増大する。また、測定距離が大きくなる方向に手Hを動かすことで、画面15lのように再生速度バー33のインジケータが再生速度の遅い側にシフトし、これに伴って「音声再生速度」の設定値が小さくなり再生速度が減少する。また、吹き出し34は、「音声再生速度」の設定値が大きいほど(再生速度が速いほど)左右方向の幅が短くなり、「音声再生速度」の設定値が小さいほど(再生速度が遅いほど)左右方向の幅が長くなる。これによっても、ユーザは、再生速度を直感的かつ視覚的に把握することができる。この場合に、再生速度の変化が分かるように、ジェスチャ設定動作中に所定の音声を再生させ続けることとしてもよい。図4に示すように、「音声再生速度」の設定値も、「1」から「100」までの100段階で変更可能となっている。このように設定可能段階数が多くなっていることで、ユーザは、あたかも再生速度が無段階で調整可能であるかのように認識する。
【0075】
所望の再生速度となった状態で終了ジェスチャを行うことで、「音声再生速度」の設定内容が、その時点における再生速度に対応する設定値に決定され、動作設定データ133に反映される。この一連のジェスチャ設定動作により、音声出力部18による音声の再生速度が増大又は減少するように「音声再生速度」の設定内容を変更することができる。
【0076】
図12は、変更対象設定が「繰り返し回数」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
変更対象設定アイコン31を「繰り返し回数」に切り替えると、表示部15の下端に、音声を再生する「繰り返し回数」のおおよその設定値を表す回数設定表示バー35、及び設定されている繰り返し回数を表す回数設定表示アイコン36が表示される。この状態でジェスチャ設定動作を開始させ、手Hを測距センサ16に近付けたり測距センサ16から遠ざけたりすることで、表示部15の表示画面が、画面15m、15nのようにリアルタイムに変化する。すなわち、測定距離が小さくなる方向に手Hを動かすことで、画面15mのように回数設定表示バー35のインジケータが繰り返し回数の多い側にシフトし、これに伴って「繰り返し回数」の設定値が増大して回数設定表示アイコン36にも反映される。また、測定距離が大きくなる方向に手Hを動かすことで、画面15lのように回数設定表示バー35のインジケータが繰り返し回数の少ない側にシフトし、これに伴って「繰り返し回数」の設定値が減少して回数設定表示アイコン36にも反映される。
【0077】
所望の再生速度となった状態で終了ジェスチャを行うことで、「繰り返し回数」の設定内容が、その時点における設定値に決定され、動作設定データ133に反映される。この一連のジェスチャ設定動作により、音声出力部18による音声の再生の繰り返し回数が増大又は減少するように「繰り返し回数」の設定内容を変更することができる。
【0078】
なお、図11の画面15k、15l、及び図12の画面15m、15nには、音声の再生に係る各種操作を行うためのソフトウェアボタン(例えば、再生ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタン、及びリピート有無の切替ボタン等)や、音声の再生に係る設定の状態を表すアイコン等(音量、再生速度、及び繰り返し回数等を示すアイコン)がさらに表示されていてもよい。
また、図7~10の画面15a~15jにおいても、同様の音声再生に係るソフトウェアボタンや状態を表すアイコンを表示してもよい。
【0079】
図13は、変更対象設定が「アイコンサイズ」である場合のジェスチャ設定動作を示す図である。
図13では、表示部15に、使用する辞書コンテンツを選択するためのメニュー画面が表示されている。このメニュー画面には、複数の辞書コンテンツに対応する複数のアイコン37が配列されており、いずれかのアイコン37を選択することで、選択したアイコン37に対応する辞書コンテンツが表示される。よって、図13における表示部15の表示内容の種別は「ホーム/メニュー画面」であり、優先設定テーブル134において対応付けられている優先設定S1~S4は、図5に示すように「画面輝度」、「アイコンサイズ」、「自動電源オフ時間」、「壁紙種類」である。図13は、このメニュー画面においてジェスチャ設定キー145が2回連続して押下されて、変更対象設定アイコン31が優先設定S2の「アイコンサイズ」に切り替わった状態を示している。よって、変更対象設定は「アイコンサイズ」となっている。
【0080】
変更対象設定アイコン31を「アイコンサイズ」に切り替えた状態でジェスチャ設定動作を開始させ、手Hを測距センサ16に近付けたり測距センサ16から遠ざけたりすることで、表示部15の表示画面が、画面15o、15pのようにリアルタイムに変化する。すなわち、測定距離が小さくなる方向に手Hを動かすことで、アイコン37同士の間隔(図13の例では、左右方向の間隔)を小さくして、画面15oのように一度に多くの(ここでは10個の)アイコン37を表示することができる。また、測定距離が大きくなる方向に手Hを動かすことで、アイコン37同士の間隔を大きくして、画面15pのように1つのアイコン37に割り当てられる表示領域を広げて情報量を増大させることができる。画面15oにおける「アイコンサイズ」の設定値は、例えば「小」であり、画面15pにおける「アイコンサイズ」の設定値は、例えば「中」である。本明細書において、図13の画面15o、15pのように、アイコン37同士の間隔を拡大又は縮小して、アイコン37の1つ当たりの領域の面積を変更することは、アイコン37(画像)の大きさを拡大又は縮小することに含まれるものとする。
なお、アイコン37同士の間隔の拡大又は縮小に代えて(若しくは、当該間隔の拡大又は縮小に加えて)、測定距離に応じてアイコン37自体の大きさを拡大又は縮小させてもよい。
【0081】
アイコン37が所望の大きさとなった状態で終了ジェスチャを行うことで、「アイコンサイズ」の設定内容が、その時点における設定値に決定され、動作設定データ133に反映される。この一連のジェスチャ設定動作により、表示部15におけるアイコン37同士の間隔が増大又は減少するように「アイコンサイズ」の設定内容を変更することができる。
【0082】
その他の設定を変更対象設定としたジェスチャ設定動作についても、図7~13のいずれかと同様の動作とすることができる。
例えば、「スクロール移動量」、「マイク感度」、「検索対象辞書数」、「線の太さ」、「消しゴムのサイズ」及び「電源自動オフ時間」といった、設定量を増減させる設定を変更対象設定とする場合には、図9の音量バー32のように、設定量の増減を表すバーを表示して、手Hの動きに応じてバーのインジケータを左右にシフトさせてもよい。また、設定量が視認できる「スクロール移動量」、「線の太さ」及び「消しゴムのサイズ」では、手Hの動きに応じた設定量の変化が視認できるような表示を行ってもよい。
また、「壁紙種類」又は「線の色」を変更対象設定とする場合には、手Hの動きに応じて、選択する壁紙や線の色が切り替わるように表示を行ってもよい。
【0083】
<設定変更処理>
次に、ジェスチャ設定動作による設定変更を行うためにCPU11が実行する設定変更処理について説明する。
図14は、設定変更処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。
設定変更処理は、例えば電子機器100の電源が投入された場合に開始される。
【0084】
設定変更処理が開始されると、CPU11は、キー入力部14又はタッチパネル152に対し、表示部15の表示内容を変更する操作がなされたか否かを判別する(ステップS101)。表示部15の表示内容を変更する操作がなされたと判別された場合には(ステップS101で“YES”)、CPU11は、液晶ディスプレイ151における表示が、操作に応じた表示内容に変更されるように、液晶ディスプレイ151に制御信号を送信して表示を切り替える(ステップS102)。また、CPU11は、優先設定テーブル134を参照して、変更後の表示内容に対応する優先設定S1~S4を取得する(ステップS103)。
【0085】
ステップS103が終了した場合、又はステップS101において表示部15の表示内容を変更する操作がなされていないと判別された場合には(ステップS101で“NO”)、CPU11は、ジェスチャ設定キー145に対する操作がなされたか否かを判別する(ステップS104)。ジェスチャ設定キー145に対する操作がなされたと判別された場合には(ステップS104で“YES”)、CPU11は、上述した方法により、ジェスチャ設定キー145の操作回数(押下回数)に応じて、変更対象設定アイコン31の内容を切り替えるとともに、ステップS103で取得した優先設定S1~S4のいずれかを変更対象設定として決定する(ステップS105)。また、CPU11は、測距センサ16に制御信号を送信して、測距センサ16による、ユーザの手Hなどの対象物体と自装置との距離の測定を開始させる(ステップS106)。以降、CPU11は、測距センサ16から距離の測定結果に係るデータを継続的に取得する。
【0086】
CPU11は、対象物体と自装置との距離が閾値Dth以上変化したか否かを判別する(ステップS107)。詳しくは、CPU11は、上述の初期距離と、最新の測定距離との差分である変化量ΔDが閾値Dth以上である場合に、距離が閾値Dth以上変化したと判別する。対象物体と自装置との距離が閾値Dth以上変化したと判別された場合には(ステップS107で“YES”)、CPU11は、距離の変化量ΔDに応じて、変更対象設定の設定内容(設定値)を変更し、表示部15の表示に反映させる(ステップS108)。
【0087】
ステップS108が終了した場合、又は、ステップS107において、対象物体と自装置との距離が閾値Dth以上変化していないと判別された場合には(ステップS107で“NO”)、CPU11は、ユーザの手Hにより終了ジェスチャが行われたことを検出したか否かを判別する(ステップS109)。ここでは、CPU11は、測距センサ16から送信される測定データに基づいて、終了ジェスチャ(例えば、手Hを所定の基準期間以上静止させるジェスチャ、又は測距センサ16による距離の測定対象範囲外に手Hを移動させるジェスチャ)の検出の有無を判別する。終了ジェスチャを検出していないと判別された場合には(ステップS109で“NO”)、CPU11は、処理を及びステップS107に戻す。
【0088】
終了ジェスチャを検出したと判別された場合(ステップS109で“YES”)、又は、ステップS104において、ジェスチャ設定キー145に対する操作がなされていないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、CPU11は、電子機器100の電源をオフする操作がなされたか否かを判別する(ステップS110)。CPU11は、電源をオフする操作がなされていないと判別された場合には(ステップS110で“NO”)、処理をステップS101に戻し、電源をオフする操作がなされたと判別された場合には(ステップS110で“YES”)、設定変更処理を終了させる。
【0089】
<効果>
以上のように、本実施形態に係る電子機器100は、ユーザの手H(対象物体)と自機器との距離を測定可能な測距センサ16と、CPU11と、を備え、CPU11は、自機器の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部15に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定し(決定手段)、決定した変更対象設定の設定内容を、測距センサ16が測定した手Hと自機器との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する(設定制御手段)。
これにより、測距センサ16の前に手Hをかざして測距センサ16に近付けたり測距センサ16から遠ざけたりする直感的な動作により、変更対象設定の設定内容を簡易に変更することができる。また、手Hを動かす距離により、設定値の変更幅を指定することができる。よって、操作キーにより設定を変更していた従来技術では、設定値が所望の値となるまで操作キーを何度も押下する必要があったのに対し、本実施形態の構成によれば、このような操作キーの複数回の押下が不要であるため、設定値を大幅に変更するような場合であっても簡易に設定を変更することができる。また、従来技術では、操作キーを押下する回数が多くなり過ぎないように、設定値の変更可能段階数をある一定の段階数以下にとどめる必要があったが(例えば、文字の大きさの切り替え段階数は多くても5段階程度であったが)、本実施形態の構成によれば、この制約がなくなるため、設定値の変更可能段階数を、ユーザが無段階で調整可能であるように認識する程度まで多くすることができる。よって、実質的に無段階の設定の調整を行うことができる。
また、表示部15に表示されている表示内容に対応する設定が変更対象設定として選択されるため、表示内容に応じた、ユーザが所望する設定を調整することができる。
【0090】
また、CPU11(決定手段)は、複数の設定のうち、表示内容に対応付けられて予め定められた優先設定S1~S4の中から変更対象設定を決定する。これにより、表示内容に合った設定(例えば、その表示内容においてユーザが設定の変更を所望することの多い設定)を優先して変更対象設定とすることができる。
【0091】
また、優先設定S1~S4には優先順位が定められており、CPU11(決定手段)は、優先設定S1~S4から1つの優先設定を選択するユーザ操作がなされた場合には、ユーザ操作により選択された優先設定を変更対象設定として決定し、上記のユーザ操作がなされていない場合には、優先設定S1~S4のうち最も優先順位の高い優先設定S1を変更対象設定として決定する。或る表示内容においてユーザが最も変更を所望することの多い設定を、その表示内容に対応する最も優先順位の高い優先設定S1とすることで、所望の設定を変更するためのユーザ操作を最小限に抑えることができる。また、ユーザが変更対象設定を選択する場合においても、表示内容に応じて選択肢を予め優先設定S1~S4に絞っておくことで、所望する設定をユーザが選択しやすくすることができる。
【0092】
また、或る表示内容に対応付けられている優先設定S1~S4の組み合わせが、他のいずれかの表示内容に対応付けられている優先設定S1~S4の組み合わせと異なる。このように、表示内容に応じて優先設定S1~S4を異ならせることで、各表示内容において、所望の設定をユーザが簡易に選択できるようにすることができる。
【0093】
また、CPU11(優先設定変更手段)は、ユーザ操作に応じて、表示内容に対応する優先設定S1~S4を変更する。これにより、表示内容に対応する優先設定S1~S4をユーザがカスタマイズすることができる。
【0094】
また、変更対象設定は、設定内容に係る所定のパラメータを複数段階で変更可能な設定である。これによれば、直感的な操作により、変更対象設定のパラメータを変更することができる。
【0095】
また、CPU11(表示制御手段)は、変更対象設定を表す変更対象設定アイコン31(標識)を表示部15に表示させる。これにより、ジェスチャ設定により内容が変更される変更対象設定を認識しやすくすることができる。
【0096】
また、CPU11(設定制御手段)は、測距センサ16による測定結果に基づいて、手Hにより終了ジェスチャが行われたか否か(基準物体の動きが所定の終了条件を満たすか否か)を判別し、手Hにより終了ジェスチャが行われたと判別された場合に、変更対象設定の変更内容を決定する。これにより、終了ジェスチャを行う直感的な操作により、ジェスチャ設定動作を終了させて、変更対象設定の変更内容を確定させることができる。
【0097】
また、複数の設定は、表示部15に表示される文字及び画像の少なくとも一方の大きさに係る「文字サイズ」及び「アイコンサイズ」の設定(表示サイズ設定)を含み、CPU11(設定制御手段)は、変更対象設定が「文字サイズ」である場合には、測距センサ16が測定する距離、又は当該距離の変化量に応じて、表示部15に表示される文字が拡大又は縮小するように「文字サイズ」の設定内容を変更する。また、CPU11(設定制御手段)は、変更対象設定が「アイコンサイズ」である場合には、測距センサ16が測定する距離、又は当該距離の変化量に応じて、表示部15に表示されるアイコン37が拡大又は縮小するように「アイコンサイズ」の設定内容を変更する。これによれば、測距センサ16の前で手Hを動かす直感的な動作により、文字やアイコン37の大きさの設定を簡易に変更することができる。
【0098】
また、複数の設定は、表示部15における表示の輝度に係る「画面輝度」の設定(輝度設定)を含み、CPU11(設定制御手段)は、変更対象設定が「画面輝度」である場合には、測距センサ16が測定する距離、又は当該距離の変化量に応じて、表示部15における表示の輝度が増大又は減少するように「画面輝度」の設定内容を変更する。これによれば、測距センサ16の前で手Hを動かす直感的な動作により、表示の輝度の設定を簡易に変更することができる。
【0099】
また、複数の設定は、表示部15に表示される文字の行間の大きさに係る「行間調整」の設定(行間設定)を含み、CPU11(設定制御手段)は、変更対象設定が「行間調整」である場合には、測距センサ16が測定する距離、又は当該距離の変化量に応じて、表示部15に表示される文字の行間が増大又は減少するように「行間調整」の設定内容を変更する。これによれば、測距センサ16の前で手Hを動かす直感的な動作により、行間の大きさの設定を簡易に変更することができる。
【0100】
また、電子機器100は、音声を出力する音声出力部18を備え、複数の設定は、音声出力部18の動作に係る設定を含む。これによれば、音声出力部18の動作に係る設定を簡易に変更することができる。
【0101】
また、複数の設定は、音声出力部18が出力する音声の大きさに係る「音量調整」の設定(音量設定)を含み、CPU11(設定制御手段)は、変更対象設定が「音量調整」である場合には、測距センサ16が測定する距離、又は当該距離の変化量に応じて、音声出力部18が出力する音声の大きさが増大又は減少するように「音量調整」の設定内容を変更する。これによれば、測距センサ16の前で手Hを動かす直感的な動作により、音量の設定を簡易に変更することができる。
【0102】
また、複数の設定は、音声出力部18による音声の再生速度に係る「音声再生速度」の設定(再生速度設定)を含み、CPU11(設定制御手段)は、変更対象設定が「音声再生速度」である場合には、測距センサ16が測定する距離、又は当該距離の変化量に応じて、音声出力部18による音声の再生速度が増大又は減少するように「音声再生速度」の設定内容を変更する。これによれば、測距センサ16の前で手Hを動かす直感的な動作により、音声の再生速度の設定を簡易に変更することができる。
【0103】
また、複数の設定は、音声出力部18による音声の再生の繰り返し回数に係る「繰り返し回数」の設定(繰り返し設定)を含み、CPU11(設定制御手段)は、変更対象設定が「繰り返し回数」である場合には、測距センサ16が測定する距離、又は当該距離の変化量に応じて、音声出力部18による音声の再生の繰り返し回数が増大又は減少するように「繰り返し回数」の設定内容を変更する。これによれば、測距センサ16の前で手Hを動かす直感的な動作により、音声を再生する繰り返し回数の設定を簡易に変更することができる。
【0104】
また、本実施形態に係る電子機器100の設定変更方法は、コンピュータとしてのCPU11が実行する、ユーザの手H(対象物体)と自機器との距離を測定可能な測距センサ16を備えた電子機器100の設定変更方法であって、電子機器100の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部15に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定し、決定した変更対象設定の設定内容を、測距センサ16が測定した手Hと電子機器100との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する。これにより、測距センサ16の前に手Hをかざして測距センサ16に近付けたり測距センサ16から遠ざけたりする直感的な動作により、ユーザが所望する設定を簡易に変更することができる。
【0105】
また、本実施形態に係るプログラム131は、ユーザの手H(対象物体)と自機器との距離を測定可能な測距センサ16を備えた電子機器100に設けられたコンピュータとしてのCPU11を、電子機器100の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部15に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定する決定手段、決定手段が決定した変更対象設定の設定内容を、測距センサ16が測定した手Hと電子機器100との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する設定制御手段、として機能させる。これにより、測距センサ16の前に手Hをかざして測距センサ16に近付けたり測距センサ16から遠ざけたりする直感的な動作により、ユーザが所望する設定を簡易に変更することができる。
【0106】
<その他>
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る電子機器、電子機器の設定変更方法、及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、電子機器として電子辞書を例示したが、これに限定する趣旨ではない。電子機器は、ユーザ操作に応じて表示部に表示を行う任意の機器であってもよく、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、PDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、電子書籍、又は携帯型ゲーム機などであってもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、測距センサ16にかざす手Hの位置を変化させることで変更対象設定の設定内容を変更する動作を説明したが、これ以外の方法による設定内容の変更がさらに可能であってもよい。例えば、図1のシフトキー14c2を押下した直後に削除キー14c1を押下することで、削除キー14c1に対応付けられている設定変更機能を呼び出して、操作キー又はタッチパネル152を用いた設定の変更ができるようなっていてもよい。
【0108】
また、各表示内容に優先設定S1~S4を対応付ける態様を例示したが、これに限られず、優先設定の対応付けを省略し、優先設定を用いないこととしてもよい。この場合には、例えば、表示内容ごとに全ての設定の優先順位を定め、ジェスチャ設定キー145を押下するごとに、この優先順位に従って変更対象設定が切り替わるようにしてもよい。
【0109】
また、ジェスチャ設定キー145に代えて、表示部15の表示画面上に表示されたソフトウェアキー(例えば、変更対象設定アイコン31)をタッチすることで、変更対象設定の切り替えや、ジェスチャ設定動作の開始の指示が受け付けられてもよい。
【0110】
また、変更対象設定を切り替える方法は、ジェスチャ設定キー145(又は上記のソフトウェアキー)を押下する方法に限られない。例えば、表示部15に表示された複数の設定(例えば優先設定S1~S4)のいずれかをタッチする操作により変更対象設定を選択できるようにしてもよい。また、物理的なスライドスイッチや回転スイッチにより変更対象設定の切り替え(選択)を行えるようにしてもよい。
【0111】
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部13のSSD、HDDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ、CD-ROM等の情報記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0112】
また、上記実施形態における電子機器100の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0113】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
対象物体と自機器との距離を測定可能な測距センサと、
前記自機器の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した前記変更対象設定の設定内容を、前記測距センサが測定した前記対象物体と前記自機器との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する設定制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項2>
前記決定手段は、前記複数の設定のうち、前記表示内容に対応付けられて予め定められた或る数の優先設定の中から前記変更対象設定を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項3>
前記或る数の優先設定には優先順位が定められており、
前記決定手段は、
前記或る数の優先設定から1つの優先設定を選択するユーザ操作がなされた場合には、前記ユーザ操作により選択された前記優先設定を前記変更対象設定として決定し、
前記ユーザ操作がなされていない場合には、前記或る数の優先設定のうち最も優先順位の高い優先設定を前記変更対象設定として決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
<請求項4>
或る前記表示内容に対応付けられている前記或る数の優先設定の組み合わせは、他のいずれかの前記表示内容に対応付けられている前記或る数の優先設定の組み合わせと異なることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
<請求項5>
ユーザ操作に応じて、前記表示内容に対応する前記或る数の優先設定を変更する優先設定変更手段を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
<請求項6>
前記変更対象設定は、設定内容に係る所定のパラメータを複数段階で変更可能な設定である、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項7>
前記変更対象設定を表す標識を前記表示部に表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項8>
前記設定制御手段は、
前記測距センサによる測定結果に基づいて、前記対象物体の動きが所定の終了条件を満たすか否かを判別し、
前記対象物体の動きが前記終了条件を満たすと判別された場合に、前記変更対象設定の変更内容を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項9>
前記複数の設定は、前記表示部に表示される文字及び画像の少なくとも一方の大きさに係る表示サイズ設定を含み、
前記設定制御手段は、前記変更対象設定が前記表示サイズ設定である場合には、前記測距センサが測定する前記距離、又は当該距離の変化量に応じて、前記表示部に表示される前記文字及び画像の少なくとも一方が拡大又は縮小するように前記表示サイズ設定の設定内容を変更する、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項10>
前記複数の設定は、前記表示部における表示の輝度に係る輝度設定を含み、
前記設定制御手段は、前記変更対象設定が前記輝度設定である場合には、前記測距センサが測定する前記距離、又は当該距離の変化量に応じて、前記表示部における表示の輝度が増大又は減少するように前記輝度設定の設定内容を変更する、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項11>
前記複数の設定は、前記表示部に表示される文字の行間の大きさに係る行間設定を含み、
前記設定制御手段は、前記変更対象設定が前記行間設定である場合には、前記測距センサが測定する前記距離、又は当該距離の変化量に応じて、前記表示部に表示される文字の行間が増大又は減少するように前記行間設定の設定内容を変更する、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項12>
音声を出力する音声出力手段を備え、
前記複数の設定は、前記音声出力手段の動作に係る設定を含む、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項13>
前記複数の設定は、前記音声出力手段が出力する音声の大きさに係る音量設定を含み、
前記設定制御手段は、前記変更対象設定が前記音量設定である場合には、前記測距センサが測定する前記距離、又は当該距離の変化量に応じて、前記音声出力手段が出力する音声の大きさが増大又は減少するように前記音量設定の設定内容を変更する、
ことを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
<請求項14>
前記複数の設定は、前記音声出力手段による音声の再生速度に係る再生速度設定を含み、
前記設定制御手段は、前記変更対象設定が前記再生速度設定である場合には、前記測距センサが測定する前記距離、又は当該距離の変化量に応じて、前記音声出力手段による音声の再生速度が増大又は減少するように前記再生速度設定の設定内容を変更する、
ことを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
<請求項15>
前記複数の設定は、前記音声出力手段による音声の再生の繰り返し回数に係る繰り返し設定を含み、
前記設定制御手段は、前記変更対象設定が前記繰り返し設定である場合には、前記測距センサが測定する前記距離、又は当該距離の変化量に応じて、前記音声出力手段による音声の再生の繰り返し回数が増大又は減少するように前記繰り返し設定の設定内容を変更する、
ことを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
<請求項16>
コンピュータが実行する、対象物体と自機器との距離を測定可能な測距センサを備えた電子機器の設定変更方法であって、
前記電子機器の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定し、
決定した前記変更対象設定の設定内容を、前記測距センサが測定した前記対象物体と前記電子機器との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する、
ことを特徴とする電子機器の設定変更方法。
<請求項17>
対象物体と自機器との距離を測定可能な測距センサを備えた電子機器に設けられたコンピュータを、
前記電子機器の動作に係る複数の変更可能な設定の中から、表示部に表示されている表示内容に対応する変更対象設定を決定する決定手段、
前記決定手段が決定した前記変更対象設定の設定内容を、前記測距センサが測定した前記対象物体と前記電子機器との距離、又は当該距離の変化量に応じて変更する設定制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0114】
11 CPU(決定手段、設定制御手段、優先設定変更手段、表示制御手段)
12 RAM
13 記憶部
131 プログラム
132 コンテンツデータ
133 動作設定データ
134 優先設定テーブル
14 キー入力部
14a ホームキー
14b コンテンツ指定キー
14c 文字入力キー
14d 機能キー
145 ジェスチャ設定キー
15 表示部
15a~15p 画面
151 液晶ディスプレイ
152 タッチパネル
16 測距センサ
17 音声入力部(音声入力手段)
18 音声出力部(音声出力手段)
19 通信部
20 バス
31 変更対象設定アイコン(標識)
32 音量バー
33 再生速度バー
34 吹き出し
35 回数設定表示バー
36 回数設定表示アイコン
37 アイコン
100 電子機器
101 本体ケース
102 蓋体ケース
103 ヒンジ部
H 手(対象物体)
S1~S4 優先設定
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14