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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179856
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】車両制御装置及び車両制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20231213BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20231213BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20231213BHJP
   F21V 14/04 20060101ALI20231213BHJP
   B60Q 1/26 20060101ALI20231213BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231213BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20231213BHJP
   F21W 103/60 20180101ALN20231213BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W50/14
F21V7/00 590
F21V14/04
B60Q1/26 Z
F21Y115:10
F21W102:13
F21W103:60
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092725
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上村 尚弘
(72)【発明者】
【氏名】青山 紀章
(72)【発明者】
【氏名】陳 月桂
(72)【発明者】
【氏名】李 全兵
【テーマコード(参考)】
3D241
3K339
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BA60
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
3D241CE02
3D241CE04
3D241DA52Z
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3K339AA02
3K339AA43
3K339BA22
3K339BA25
3K339CA01
3K339CA30
3K339DA01
3K339FA20
3K339GB01
3K339HA03
3K339JA21
3K339KA23
3K339MA02
3K339MA04
3K339MA10
3K339MB02
3K339MB05
3K339MB10
3K339MC01
3K339MC35
3K339MC41
3K339MC48
3K339MC58
3K339MC81
3K339MC84
3K339MC90
(57)【要約】
【課題】自動運転により出庫する車両の停止位置を精度よく通知することができる車両制御装置を提供する。
【解決手段】車両制御装置270は、車両5に搭載されたセンサ群230のセンシング結果に基づき、車両5の出庫経路を生成する経路生成部294と、情報処理装置100に出庫経路を送信し、情報処理装置100から車両5を停止させる停止位置を受信する通信制御部295と、光源261から射出される光を、停止位置に対応する路面の位置に投写する投写制御部296と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたセンサのセンシング結果に基づき、前記車両の出庫経路を生成する経路生成部と、
外部装置に前記出庫経路を送信し、前記外部装置から前記車両を停止させる停止位置を受信する通信制御部と、
光源から射出される光を、前記停止位置に対応する路面の位置に投写する投写制御部と、
を備えることを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
前記通信制御部は、前記停止位置を変更する変更要求と、変更後の前記停止位置とを前記外部装置から受信し、
前記投写制御部は、変更後の前記停止位置に対応する路面の位置に、前記光源から射出される光を投写する、ことを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記投写制御部は、前記車両が前記出庫経路を走行中も、前記停止位置に対応する路面の位置に、前記光源から射出される光を投写する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の車両制御装置。
【請求項4】
車両に搭載されたセンサのセンシング結果に基づき、前記車両の出庫経路を生成する経路生成部と、
前記出庫経路を送信する通信制御部と、
を備える車両制御装置と、
前記出庫経路に基づき、駐車位置から出庫した前記車両を停止する停止位置の選択を受け付ける操作部と、
前記操作部が受け付ける停止位置を前記車両制御装置に送信する制御部と、を備える情報処理装置と、を備え、
前記車両制御装置は、
光源から射出される光を、前記停止位置に対応する路面の位置に投写する投写制御部を備える、ことを特徴とする車両制御システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、撮像部と、表示部と、を備え、
前記制御部は、前記撮像部が生成した撮像画像に、前記車両に対応する車両画像を重畳した表示画像を前記表示部に表示し、
前記操作部は、前記車両画像の前記表示画像での表示位置を変更する変更操作を受け付け、
前記制御部は、前記変更操作による変更後の前記車両画像の位置を前記停止位置として前記車両制御装置に送信する、ことを特徴とする請求項4記載の車両制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記変更操作を受け付けても、変更後の前記車両画像の表示位置が、前記出庫経路に対応する表示画像上の位置ではない場合、前記変更操作を受け付けない、ことを特徴とする請求項5記載の車両制御システム。
【請求項7】
前記操作部は、前記停止位置の変更要求と、前記表示画像上での前記車両画像の変更後の位置とを受け付け、
前記制御部は、前記変更要求と、変更後の前記停止位置とを前記車両制御装置に送信し、
前記通信制御部は、前記変更要求と、変更後の前記停止位置とを前記情報処理装置から受信し、
前記投写制御部は、変更後の停止位置に対応する路面の位置に、前記光源から射出される光を投写する、ことを特徴とする請求項5又は6記載の車両制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置及び車両制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、自律走行制御機能を備えた車両V0を、自律走行制御により又は車両V0の外部からの遠隔操作に基づく自律走行制御により走行させる場合に、車両V0を自律走行制御により走行させる走行経路を設定し、走行経路を示す表示パターンPt1を生成し、走行経路を示す表示パターンPt1を、車両V0の進行方向の路面に視認可能に表示する車両の走行経路表示方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-131897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、自動運転において、駐車位置から出庫した車両が停止する停止位置を、ユーザが情報処理装置により設定する場合、ユーザは、情報処理装置が表示する停止位置では、車両が実際に停車する位置を正確に認識することができない場合がある。このため、車両の停止位置をユーザに正確に通知する技術が求められている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、自動運転により出庫する車両の停止位置を精度よく通知することができる車両制御装置及び車両制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、車両に搭載されたセンサのセンシング結果に基づき、前記車両の出庫経路を生成する経路生成部と、外部装置に前記出庫経路を送信し、前記外部装置から前記車両を停止させる停止位置を受信する通信制御部と、光源から射出される光を、前記停止位置に対応する路面の位置に投写する投写制御部と、を備える車両制御装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、自動運転により出庫する車両の停止位置を精度よく通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】車両制御システムのシステム構成図である。
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図3】車載装置の構成を示すブロック図である。
図4】タッチパネルの表示の一例を示す図である。
図5】タッチパネルの表示の一例を示す図である。
図6】ユーザが選択した停止位置に投写光を投写した状態を示す図である。
図7】投写光が示す停止位置まで車両を移動させた状態を示す図である。
図8】タッチパネルの表示の一例を示す図である。
図9】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図10】車両制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.車両制御システムのシステム構成]
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。
図1は、車両制御システム1のシステム構成図である。
車両制御システム1は、情報処理装置100と、車両5が搭載する車載装置200とを備える。情報処理装置100には、例えば、スマートフォンやタブレット型のパーソナルコンピュータを用いることが可能である。情報処理装置100は、外部装置に相当する。
【0010】
情報処理装置100と、車載装置200とは、例えば、BluetoothやWi-Fi等の近距離無線通信により無線接続され、相互にデータ通信を行う。Bluetooth及びWi-Fiは登録商標である。
車載装置200は、後述する図3に示す車両制御装置270を備える。車両制御装置270は、車両5が駐車した駐車位置から出庫する経路の情報である経路情報を生成し、生成した経路情報を情報処理装置100に送信する。
情報処理装置100は、車載装置200から受信した経路情報に基づき、車両5を停止する停止位置の選択を受け付ける。情報処理装置100は、受け付けた停止位置の情報を車載装置200に送信する。車載装置200は、情報処理装置100から受信した停止位置まで車両5を走行させる。
【0011】
[2.情報処理装置の構成]
図2は、情報処理装置100の構成を示すブロック図である。
図2を参照しながら情報処理装置100の構成について説明する。
情報処理装置100は、第1近距離無線インターフェイス110、無線I/F120、カメラ130、Lidar(Light Detection and Ranging)140、タッチパネル150及び処理制御部160を備える。以下、インターフェイスをI/Fと略記する。カメラ130は撮像部に相当し、タッチパネル150は、操作部及び表示部に相当する。
【0012】
第1近距離無線I/F110は、アンテナ及び無線通信回路を備え、車載装置200等の外部装置と近距離無線通信を行う。
【0013】
無線I/F120は、アンテナ及び無線通信回路を備え、Wi-Fi通信によりインターネット等のネットワークに接続する。無線I/F120は、ネットワーク上のサーバ装置と相互にデータ通信を行う。サーバ装置の図示は省略する。
無線I/F120は、後述するアプリケーションプログラムや、3D画像データ等のデータをサーバ装置からダウンロードする。以下、アプリケーションプログラムを簡単にアプリともいう。
【0014】
カメラ130は、撮像レンズと、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary MOS)等の撮像素子とを備え、処理制御部160からの指示や、ユーザの操作により撮像を実行して撮像画像を生成する。撮像レンズ及び撮像素子の図示は省略する。カメラ130は、生成した撮像画像を、センサデータとして処理制御部160に出力する。第1記憶部170は、カメラ130が撮像した撮像画像を一時的に記憶する。
【0015】
LiDAR(Light Detection and Ranging)140は、情報処理装置100の周囲に存在する障害物の形状や、位置、距離等の検出情報を検出する。LiDAR140は、レーザー光等の検出光を照射し、検出光を照射してから、検出光が障害物で反射した反射光を受光するまでの経過時間に基づき検出情報を検出する。LiDAR140は、検出した検出情報をセンサデータとして処理制御部160に出力する。
【0016】
タッチパネル150は、液晶パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネル等の表示パネル151と、タッチセンサ153とを備える。タッチセンサ153は、タッチ操作を検出した表示パネル151の位置を示す座標情報を処理制御部160に出力する。
【0017】
処理制御部160は、第1記憶部170と、第1プロセッサ180とを備えるコンピュータ装置である。処理制御部160は、制御部に相当する。
【0018】
第1記憶部170は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を備える。また、第1記憶部170は、USB(Universal Serial Bus)メモリや、SDカード等の補助記憶装置を備える構成でもよい。
【0019】
ROMは、制御プログラム171や、ナンバー情報173、車両諸元のデータ175、3D画像データ177等を記憶する。RAMは、第1プロセッサ180の演算領域として使用される。
【0020】
制御プログラム171には、アプリケーションプログラムやOS(Operating System)等が含まれる。ROMが記憶するアプリには、出庫支援アプリが含まれる。出庫支援アプリは、車両5の出庫を支援するアプリである。出庫支援アプリの動作の詳細については後述する。
【0021】
ナンバー情報173は、車載装置200を搭載した車両5のナンバープレートに記載されたナンバーの情報である。ナンバー情報173は、例えば、タッチパネル150に対するタッチ操作によりユーザが入力する情報である。
車両諸元のデータ175は、車載装置200を搭載した車両5に関するデータであり、例えば、車長や車幅、予め設定された特定部位から車両の中心までの距離の情報等が含まれる。車両の中心とは、例えば、車両5の車長方向及び車幅方向の中心である。特定部位は、例えば、ナンバープレートや、ヘッドライト、サイドミラー等が挙げられる。
【0022】
3D画像データ177は、車両5に対応した車両の画像をタッチパネル150に表示するための3次元データである。車両5に対応した車両の画像とは、例えば、車両5と同一車種、同一カラーの車両の3次元画像である。
アプリケーションプログラム及び三次元画像データ177は、処理制御部160が、例えば、無線I/F120を介してサーバ装置からダウンロードする。
【0023】
第1プロセッサ180は、CPU(Central Processing Unit)や、MPU(micro processor unit)等のプロセッサを備える演算処理装置である。第1プロセッサ180は、単一のプロセッサにより構成してもよいし、複数のプロセッサにより構成することも可能である。また、第1プロセッサ180は、第1記憶部170の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoC(System-on-a-chip)により構成してもよい。また、第1プロセッサ180は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)との組合せにより構成してもよい。さらに、第1プロセッサ180の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
[3.車載装置の構成]
図3は、車載装置200の構成を示すブロック図である。
図3を参照しながら車載装置200の構成について説明する。
車載装置200は、第2近距離無線I/F210、位置検出ユニット220、センサ群230、駆動制御装置240、投写部260及び車両制御装置270を備える。これらの装置は、イーサネット(登録商標)や、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)等の規格に従った通信バス205を介して相互にデータ通信可能に接続される。
【0024】
第2近距離無線I/F210は、アンテナ及び無線通信回路を備え、情報処理装置100等の外部装と近距離無線通信を行う。
【0025】
位置検出ユニット220は、車両5の位置を検出する。位置検出ユニット220は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信器と、プロセッサとを備える。GNSS受信器及びプロセッサの図示は省略する。GNSS受信器は、衛星から送信される衛星信号を受信する。プロセッサは、GNSS受信器が受信した衛星信号に基づいて車両5の位置情報である緯度及び経度や、算出した位置情報の差分により車両5の方位を演算する。位置検出ユニット220は、演算により求めた車両5の位置情報及び方位情報を車両制御装置270に出力する。
【0026】
センサ群230は、車両5の状態や、車両5の周囲の状況を検出する複数のセンサを備える。センサ群230は、センサに相当する。センサ群230は、センサとして、舵角センサ231、車速センサ233、カメラユニット235及びソナーユニット237を備える。
センサ群230は、センシングの結果を示すセンサデータを車両制御装置270に出力する。車両制御装置270は、センサデータを第2記憶部280に一時的に記憶する。
【0027】
舵角センサ231は、車両5のステアリングホイールの操舵角を検出する。
車速センサ233は、車両5の車速を検出する。
カメラユニット235は、撮像レンズ及び撮像素子を備え、車両5の前後左右にそれぞれ設置される。カメラユニット235は、車両5の周囲の画像を撮像して撮像画像を生成する。
ソナーユニット237は、例えば、車両5の前後左右の各方向にそれぞれ設置され、超音波を用いて車両5の周囲に存在する障害物までの距離や方位等を検出する。
【0028】
駆動制御装置240は、記憶部及びプロセッサを備えるECU(Electronic Control Unit)等のコンピュータ装置である。
駆動制御装置240は、車両制御装置270から入力される制御情報に基づいて駆動装置250を制御する。駆動装置250には、操舵装置251、動力装置253、制動装置255及び変速装置257が含まれる。
【0029】
操舵装置251は、車両5の操舵輪を操舵するアクチュエータを含む装置である。駆動制御装置240は、制御情報に従ってアクチュエータを駆動し、車両5の操舵輪を操舵する。
動力装置253は、車両5の駆動輪の駆動力を調整するアクチュエータを含む装置である。このアクチュエータには、車両5の動力源がエンジンである場合はスロットルアクチュエータが該当し、動力源がモータである場合には当該モータが該当する。駆動制御装置240は、制御情報に従ってアクチュエータを駆動し、車両5を走行させる。
【0030】
制動装置255は、制御情報に従って車両5に設けられたブレーキシステムを制御し、車両5の車輪に付与する制動力を制御するアクチュエータを含む装置である。駆動制御装置240は、制御情報に従ってアクチュエータを制御し、車両5の車輪に制動力を付与する。
変速装置257は、変速機及びアクチュエータを含む装置である。変速装置257は、アクチュエータを駆動して変速機のシフト位置を制御し、変速機の変速比や、車両5の前進及び後進を切り替える。駆動装置250は、アクチュエータを制御し、変速装置257のシフト位置を変更する。
【0031】
投写部260は、投写部260A及び投写部260Bを備える。投写部260Aは、車両5に向かって左側のヘッドライトに設けられ、投写部260Bは、車両5に向かって右側のヘッドライトに設けられる。投写部260A及び投写部260Bは同一の構成を備えるため、以下では、投写部260Aの構成について説明する。また、投写部260A及び投写部260Bを総称する場合、投写部260と表記する。
投写部260Aは、光源261A、光変調器263A、投写レンズ265A及び駆動部267Aを備える。
【0032】
光源261Aは、例えば、LED(Light-Emitting Diode)等の光源を備える。
光変調器263Aは、光源261Aから入射される光の透過率を変更可能な光変調素子を備える。駆動部267Aは、車両制御装置270の制御に従って光変調素子の透過率を制御し、光源261Aの光が透過する透過率を変更する。駆動部267Aが光変調器263Aを制御することにより、光変調器263Aが出力する光の範囲が制御される。光変調素子は、透過型の光変調素子に限定されず、例えば、反射型の光変調素子でもよいし、DMD(Digital Micromirror Device)でもよい。
【0033】
投写レンズ265Aは、光変調器263Aが出力する光を路面に投写するレンズである。駆動部267Aは、車両制御装置270の制御に従って投写レンズ265Aを駆動し、投写レンズ265Aが投写光を投写する路面の位置を変更する。
【0034】
車両制御装置270は、例えば、ECU等のコンピュータ装置であり、第2記憶部280と、第2プロセッサ290とを備える。
【0035】
第2記憶部280は、ROM及びRAMを備える。また、第2記憶部280は、フラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリにより構成してもよい。
ROMは、制御プログラム281や、車両諸元のデータ283を記憶する。
RAMは、第2プロセッサ290が演算領域として使用する。
【0036】
第2プロセッサ290は、CPUやMPU等のプロセッサを備える演算処理装置である。第2プロセッサ290は、単一のプロセッサにより構成してもよいし、複数のプロセッサにより構成することも可能である。また、第2プロセッサ290は、第2記憶部280の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoCにより構成してもよい。また、第2プロセッサ290は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSPとの組合せにより構成してもよい。さらに、第2プロセッサ290の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0037】
車両制御装置270は、機能的構成として、状況取得部291、空間マップ生成部292、車両位置計算部293、経路生成部294、通信制御部295、投写制御部296及び制御情報生成部297を備える。これらの機能的構成は、第2プロセッサ290が、コンピュータプログラムを実行して演算を行うことで実現される機能である。
【0038】
状況取得部291は、センサ群230にセンシングの開始を指示する。状況取得部291は、センサ群230から入力されるセンサデータを第2記憶部280に一時的に記憶する。
【0039】
空間マップ生成部292は、位置検出ユニット220から入力される位置情報及び方位情報や、カメラユニット235から入力される撮像画像、ソナーユニット237から入力されるセンサデータに基づき、車両5の周囲の状況を示す空間マップを生成する。
空間マップには、車両5の周囲に存在する障害物までの距離や方位等の情報が記録される。また、空間マップに記録される障害物には、他車両や、駐車場の柱等の構造物等が含まれる。
【0040】
車両位置計算部293は、車両5が走行を開始すると、位置検出ユニット220から入力される位置情報及び方位情報や、舵角センサ231や車速センサ233のセンサデータに基づいて、車両5の位置を計算する。
【0041】
経路生成部294は、空間マップ生成部292が生成した空間マップに基づいて、車両5が走行する経路の情報である経路情報をする。経路情報は、出庫経路に相当する。経路生成部294は、複数の経路情報を生成可能な場合には、複数の経路情報を生成する。また、経路生成部294は、経路情報ではなく、車両5が走行する範囲を示す範囲情報を生成してもよい。
【0042】
通信制御部295は、第2近距離無線I/F210を制御して、情報処理装置100と相互にデータ通信を行う。
通信制御部295は、経路生成部294が生成した経路情報を情報処理装置100に送信する。また、通信制御部295は、情報処理装置100から投写指示及び走行指示を受信する。投写指示は、ユーザが設定した停止位置を示す投写光を路面に投写させる指示である。走行指示は、ユーザが設定した停止位置まで、車両5を走行させる指示である。通信制御部295は、受信した投写指示及び走行指示を投写制御部296及び制御情報生成部297に出力する。
【0043】
投写制御部296は、通信制御部295から停止位置の情報を取得し、停止位置での車両の大きさ及び向きに基づき、投写光を投写する投写位置及び投写範囲を決定する。投写制御部296は、駆動部267を制御して、決定した投写位置及び投写範囲に投写光を投写する。
【0044】
制御情報生成部297は、通信制御部295から選択された経路情報及び停止位置の情報を入力する。制御情報生成部297は、入力されたこれらの情報に基づき、車両5を駐車位置から停止位置まで走行させる制御情報を生成し、生成した制御情報を駆動制御装置240に出力する。
駆動制御装置240は、車両制御装置270から入力される制御情報に基づいて駆動装置250の駆動を制御し、車両5を経路情報に沿って停止位置まで走行させる。
【0045】
[4.車両制御システムの動作]
次に、車両制御システム1の動作について説明する。
処理制御部160は、ユーザの操作を受け付けると、出庫支援アプリを起動して車両5の出庫支援を開始する。
まず、処理制御部160は、第1近距離無線I/F110を制御して、情報処理装置100と車載装置200とを近距離無線通信により接続する。
【0046】
次に、処理制御部160は、カメラ130に撮像を開始させ、カメラ130が生成した撮像画像を第1記憶部170から取得する。処理制御部160は、取得した撮像画像を画像解析して、撮像画像に撮像された車両5のナンバーを検出する。処理制御部160は、検出したナンバーと、第1記憶部170が記憶するナンバー情報173とが一致するか否かを判定する。
【0047】
処理制御部160は、検出したナンバーと、ナンバー情報173とが一致しない場合、第1記憶部170から他の撮像画像を取得し、取得した撮像画像からナンバーを検出し、検出したナンバーがナンバー情報173と一致するか否かを再度、判定する。
【0048】
処理制御部160は、ユーザの車両5を検出すると、カメラ130の撮像画像、及びLiDAR140のセンサデータに基づいて情報処理装置100の位置を示す座標を算出する。
まず、処理制御部160は、撮像画像に撮像された車両5の特定部位を検出する。特定部位は、例えば、上述したようにナンバープレートや、ヘッドライト、サイドミラー等が挙げられる。処理制御部160は、情報処理装置100から、検出した車両5の特定部位までの距離及び方位を取得する。例えば、処理制御部160は、情報処理装置100から、車両5の特定部位までの距離及び方位を、LiDAR140のセンサデータに基づいて取得する。
【0049】
次に、処理制御部160は、車両5の特定部位から車両5の中心までの距離及び方位を、車両諸元のデータ175に基づいて算出する。処理制御部160は、情報処理装置100から車両5の中心までの距離及び方位を特定すると、車両5の中心を原点とする座標系を設定し、設定した座標系において、情報処理装置100の位置を示す座標を算出する。
【0050】
図4は、タッチパネル150の表示の一例を示す図である。
次に、処理制御部160は、3D画像データ177に基づいて車両5の3次元画像を生成し、生成した車両5の3次元画像を、カメラ130の撮像画像に重畳する。車両5の3次元画像を、以下では、3D車両画像6という。また、撮像画像に、3D車両画像6を重畳した画像を表示画像190という。
処理制御部160は、生成した表示画像190をタッチパネル150に表示させる。
図4には、撮像画像に撮像された車両5に、3D車両画像6の一部を重畳した表示画像190を示す。表示画像190には、3D車両画像6の他に、決定ボタン191及び変更ボタン193が含まれる。決定ボタン191は、車両5を停止させる停止位置を決定するボタンである。変更ボタン193は、設定した停止位置を変更するボタンである。
【0051】
図5は、タッチパネル150の表示の一例を示す図である。特に、図5は、タッチ操作により、表示画像190に表示した3D車両画像6の表示位置を変更する様子を示す図である。
ユーザは、タッチパネル150に表示画像190が表示されると、3D車両画像6に指をタッチさせ、タッチさせた指を、車両5を停止させたい停止位置まで移動させるタッチ操作を行う。このとき、処理制御部160は、タッチ操作により移動した指の位置が、車両制御装置270から受信した経路情報が示す経路上ではない場合、タッチ操作を受け付けない。つまり、3D車両画像6は、タッチ操作の操作前の位置に戻る。これにより、停止位置として、車両5が障害物等により走行できない位置が選択されないようにすることができる。
【0052】
処理制御部160は、タッチ操作により移動した指の位置が、車両制御装置270から受信した経路情報が示す経路上である場合、タッチ操作による移動後の指の位置に3D車両画像6を表示する。
【0053】
また、ユーザは、タッチ操作により移動させた3D車両画像6の位置を、再度、変更する場合、変更ボタン193を押下する。処理制御部160は、変更ボタン193が押下されると、タッチ操作による3D車両画像6の位置の変更を受け付ける。
【0054】
ユーザは、停止位置を決定すると、決定ボタン191を押下する。処理制御部160は、決定ボタン191が押下されると、タッチパネル150での3D車両画像6の移動量及び移動方向に基づき、経路情報が示す経路において、車両5を停止させる位置を示す停止位置の情報を算出する。
次に、処理制御部160は、投写指示及び走行指示を車両制御装置270に送信する。走行指示は、ユーザが選択した経路情報と、この経路情報が示す経路において、車両5を停止させる停止位置の情報とを含む。
【0055】
車両制御装置270は、情報処理装置100から投写指示及び走行指示を受信すると、走行指示に含まれる停止位置の情報が示す停止位置での車両5の大きさ及び向きに基づき、投写光を投写する投写位置及び投写範囲を決定する。
車両制御装置270は、駆動部267を制御して、決定した投写位置及び投写範囲に投写光を投写する。車両5が実際に停止する停止位置に投写光を投写するので、ユーザは、投写光により車両5が停止する停止位置を確認することができる。
【0056】
次に、車両制御装置270は、走行指示に含まれる経路情報及び停止位置の情報に基づき、車両5を駐車位置から停止位置まで走行させる制御情報を生成する。車両制御装置270は、生成した制御情報を駆動制御装置240に送信する。これにより、車両5は、自動運転による走行を開始し、駐車位置から停止位置まで移動する。
【0057】
図6は、ユーザが選択した停止位置Pに投写光を投写した状態を示す図である。
また、図7は、車両5を、投写光が示す停止位置Pまで移動させた状態を示す図である。車両5が駐車位置から停止位置Pまで走行中も、投写部260は、一定の位置に投写光を投写する。このため、ユーザや、車両5の周囲の他者に、車両5が移動する位置を投写光により認識させることができる。
【0058】
また、図8は、車両5が経路情報の経路に従って移動しているときのタッチパネル150に表示画面を示す図である。
図8に示すように情報処理装置100のタッチパネル150には、キャンセルボタン195が表示される。キャンセルボタン195は、車両5の走行を中止するボタンである。ユーザは、車両5の走行を中止させたい場合に、キャンセルボタン195を押下する。処理制御部160は、キャンセルボタン195が押下されると、車両5の制御の停止指示を示す信号を車両制御装置270に送信する。
車両制御装置270は、情報処理装置100から車両5の制御の停止指示を示す信号を受信すると、車両5の走行停止を駆動制御装置240に指示する。駆動制御装置240は、走行停止が指示されると、動力装置253を制御して駆動輪の駆動を停止し、制動装置255を制御して車両5の車輪に制動力を付与する。
【0059】
図9は、情報処理装置100の動作を示すフローチャートである。
図9に示すフローチャートを参照しながら情報処理装置100の動作を説明する。
まず、処理制御部160は、出庫支援アプリを選択する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS1)。処理制御部160は、出庫支援アプリを選択する操作を受け付けていない場合(ステップS1/NO)、出庫支援アプリが選択されるまで待機する。
【0060】
処理制御部160は、出庫支援アプリが選択されると(ステップS1/YES)、第1近距離無線I/F110を制御して、情報処理装置100を車載装置200に近距離無線通信により接続する(ステップS2)。
【0061】
次に、処理制御部160は、カメラ130に撮像指示を送信し、カメラ130が撮像画像を取得する(ステップS3)。処理制御部160は、取得した撮像画像を画像解析し、ナンバープレートのナンバーを検出したか否かを判定する(ステップS4)。
【0062】
処理制御部160は、ナンバーを検出していない場合(ステップS4/NO)、第1記憶部170から次の撮像画像を取得し、ナンバーの検出を継続する(ステップS3)。
また、処理制御部160は、ナンバーを検出した場合(ステップS4/YES)、検出したナンバーが、第1記憶部170が記憶するナンバー情報173と一致するか否かを判定する(ステップS5)。
【0063】
処理制御部160は、検出したナンバーが、ナンバー情報173と一致しない場合(ステップS5/NO)、第1記憶部170から次の撮像画像を取得し、ナンバーの検出を継続する(ステップS3)。
また、処理制御部160は、検出したナンバーが、ナンバー情報173と一致した場合(ステップS5/YES)、座標系を設定し、情報処理装置100の位置を示す座標を算出する(ステップS6)。処理制御部160は、駐車中の車両5の中心を座標系の原点に設定し、設定した座標系での情報処理装置100の位置を示す座標を算出する。
【0064】
次に、処理制御部160は、車両制御装置270から経路情報を受信したか否かを判定する(ステップS7)。処理制御部160は、経路情報を受信していない場合(ステップS7/NO)、経路情報を受信するまで待機する。
【0065】
処理制御部160は、処理制御部160は、経路情報を受信した場合(ステップS7/YES)、3D画像データ177に基づいて3D車両画像6を生成し、生成した3D車両画像6を撮像画像に重畳して表示画像190を生成する。処理制御部160は、生成した表示画像190をタッチパネル150に表示する(ステップS8)。
【0066】
次に、処理制御部160は、ボタン操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS9)。処理制御部160は、ボタン操作を受け付けていない場合(ステップS9/NO)、ボタン操作を受け付けるまで待機する。
【0067】
処理制御部160は、ボタン操作を受け付けると(ステップS9/YES)、受け付けたボタン操作が、変更ボタン193の操作であるか否かを判定する(ステップS10)。処理制御部160は、受け付けた操作が、変更ボタン193の操作である場合(ステップS10/YES)、ユーザのタッチ操作に従い3D車両画像6の表示位置を変更する(ステップS11)。その後、処理制御部160は、ステップS9の判定に戻る。
【0068】
また、処理制御部160は、受け付けたボタン操作が、変更ボタン193の操作ではない場合(ステップS10/NO)、決定ボタン191の操作であると判定し、投写指示及び走行指示を車両制御装置270に送信する(ステップS12)。走行指示には、車両5を走行させる経路情報と、車両5を停止させる停止位置の情報とが含まれる。
【0069】
次に、処理制御部160は、タッチパネル150に表示した3D車両画像6を含む表示画像190を消去し(ステップS13)、キャンセルボタン195をタッチパネル150に表示する(ステップS14)。
【0070】
次に、処理制御部160は、キャンセルボタン195の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS15)。処理制御部160は、キャンセルボタン195の操作を受け付けた場合(ステップS15/YES)、車両5の制御の停止指示を車両制御装置270に送信し(ステップS17)、この処理フローを終了する。車両制御装置270は、車両5の制御の停止指示を情報処理装置100から受信すると、駆動制御装置240に、車両5の制御を停止するように指示する。
【0071】
また、処理制御部160は、キャンセルボタン195の操作を受け付けていない場合(ステップS15/NO)、駆動制御装置240から停止位置に到着したことを通知する到着通知を受信したか否かを判定する(ステップS16)。
処理制御部160は、到着通知を受信していない場合(ステップS16/NO)、ステップS17の判定に戻る。また、処理制御部160は、駆動制御装置240から到着通知を受信した場合(ステップS16/YES)、この処理フローを終了する。
【0072】
図10は、車両制御装置270の動作を示すフローチャートである。
図10に示すフローチャートを参照しながら車両制御装置270の動作を説明する。
まず、車両制御装置270は、近距離無線通信による無線接続を検出したか否かを判定する(ステップT1)。車両制御装置270は、無線接続を検出していない場合(ステップT1/NO)、近距離無線通信による無線接続を検出するまで待機する。
【0073】
車両制御装置270は、近距離無線通信による無線接続を検出した場合(ステップT1/YES)、センサ群230にセンシングの開始指示を送信し、センサデータを第2記憶部280から取得する(ステップT2)。
【0074】
次に、車両制御装置270は、取得したセンサデータに基づいて空間マップを生成し(ステップT3)、生成した空間マップに基づき、車両5が駐車位置から出庫する経路である経路情報を生成する(ステップT4)。車両制御装置270は、生成した経路情報を、情報処理装置100に送信する(ステップT5)。
【0075】
次に、車両制御装置270は、投写指示及び走行指示を情報処理装置100から受信したか否かを判定する(ステップT6)。車両制御装置270は、投写指示及び走行指示を受信していない場合(ステップT6/NO)、投写指示及び走行指示を情報処理装置100から受信するまで待機する。
【0076】
車両制御装置270は、投写指示及び走行指示を情報処理装置100から受信すると(ステップT6/YES)、受信した走行指示に含まれる停止位置及び経路情報に基づき、車両5を駐車位置から停止位置まで走行させる制御情報を生成する(ステップT7)。車両制御装置270は、生成した制御情報を駆動制御装置240に出力する(ステップT8)。駆動制御装置240は、入力された制御情報に基づいて駆動装置250を駆動する。これにより車両5が走行を開始する。
【0077】
次に、車両制御装置270は、車両5が走行を開始すると、位置検出ユニット220から入力される位置情報及び方位情報や、舵角センサ231や車速センサ233のセンサデータに基づいて、車両5の位置を計算する(ステップT9)。
【0078】
次に、車両制御装置270は、受信した投写指示に含まれる座標に基づき、投写光を投写する投写位置及び投写範囲を決定する(ステップT10)。車両制御装置270は、駆動部267を制御して、決定した投写位置及び投写範囲に投写光を投写する(ステップT11)。
【0079】
次に、車両制御装置270は、車両5が停止位置に到着したか否かを判定する(ステップT12)。車両制御装置270は、車両5が停止位置に到着していない場合(ステップT12/NO)、ステップT9の処理に戻り、車両5の位置を再度計算する。また、車両制御装置270は、車両5が停止位置に到着した場合(ステップT12/YES)、到着通知を情報処理装置100に送信する(ステップT13)、この処理フローを終了する。
【0080】
[5.効果]
以上説明したように本実施形態の車両制御装置270は、経路生成部294と、通信制御部295と、投写制御部296とを備える。
経路生成部294は、車両5に搭載されたセンサ群230のセンシング結果に基づき、車両の出庫経路を生成する。
通信制御部295は、情報処理装置100に出庫経路を送信し、情報処理装置100から車両を停止させる停止位置を受信する。
投写制御部296は、光源261から射出される光を、停止位置に対応する路面の位置に投写する。
【0081】
これにより、光源261から射出される光を、停止位置に対応する路面の位置に投写するため、自動運転により出庫する車両の停止位置を精度よく通知することができる。
【0082】
通信制御部295は、停止位置を変更する変更要求と、変更後の停止位置とを情報処理装置100から受信する。
投写制御部296は、変更後の停止位置に対応する路面の位置に、光源261から射出される光を投写する。
【0083】
これにより、車両5の停止位置の再設定が容易になる。再設定された停止位置においても、光源261から射出される光を投写するので、自動運転により出庫する車両の停止位置を精度よく通知することができる。
【0084】
投写制御部296は、車両5が出庫経路を走行中も、停止位置に対応する路面の位置に、光源261から射出される光を投写する。
【0085】
これにより、車両5の周囲にいる他者に、車両5の停止位置を通知することができ、出庫のときの安全性を高めることができる。
【0086】
車両制御システム1は、車両制御装置270に加え、情報処理装置100を備える。
情報処理装置100は、出庫経路に基づき、駐車位置から出庫した車両を停止する停止位置の選択を受け付けるタッチパネル150と、タッチパネル150が受け付ける停止位置を車両制御装置270に送信する処理制御部160と、を備える。
【0087】
駐車位置から出庫した車両を停止する停止位置を、タッチパネル150の操作により選択することができ、簡易な操作により停止位置を選択することができる。
【0088】
情報処理装置100は、カメラ130を備える。
処理制御部160は、カメラ130が生成した撮像画像に、車両5に対応する3D車両画像6を重畳した表示画像190をタッチパネル150に表示する。
タッチパネル150は、3D車両画像6の表示画像190での表示位置を変更する変更操作を受け付ける。
処理制御部160は、変更操作による変更後の3D車両画像6の位置を停止位置として車両制御装置270に送信する。
【0089】
これにより、車両5に対応した3D車両画像6を操作しながら駐車位置から出庫する車両5の停止位置を設定することができる。このため、実際に車両5が停止位置に停止したときの状態をタッチパネル150に表示することができ、情報処理装置100による停止位置の設定をより精度よく行うことができる。
【0090】
処理制御部160は、変更操作を受け付けても、変更後の3D車両画像6の表示位置が、出庫経路に対応する表示画像190上の位置ではない場合、変更操作を受け付けない。
【0091】
これにより、障害物等により車両5が走行できない経路が選択されるのを防止することができる。
【0092】
タッチパネル150は、停止位置の変更要求と、表示画像190上での3D車両画像6の変更後の位置とを受け付ける。
処理制御部160は、変更要求と、変更後の停止位置とを車両制御装置270に送信する。
通信制御部295は、変更要求と、変更後の停止位置とを情報処理装置100から受信する。
投写制御部296は、変更後の停止位置に対応する路面の位置に、光源261から射出される光を投写する。
【0093】
これにより、車両5の停止位置の再設定が容易になる。再設定された停止位置においても、光源261から射出される光を投写するので、自動運転により出庫する車両の停止位置を精度よく通知することができる。
【0094】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、撮像画像から検出しナンバーが、第1記憶部170が記憶するナンバー情報173に一致するか否かを判定してユーザの車両5の特定を特定した。他の形態として、第1記憶部170が、車両5に対応した車種やカラー、年式の車両の車両画像を記憶し、カメラ130の撮像画像と、車両画像とを比較することで、ユーザの車両5を特定してもよい。
【0095】
また、図2に示す情報処理装置100の構成を示すブロック図は、本願発明を理解容易にするために、構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、構成要素は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0096】
図3に示す車載装置200の構成を示すブロック図は、本願発明を理解容易にするために、構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、構成要素は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0097】
また、図8及び図9に示すフローチャートの処理単位は、情報処理装置100及び車両制御装置270の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。情報処理装置100及び車両制御装置270の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割してもよい。また、情報処理装置100及び車両制御装置270の処理は、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 車両制御システム
5 車両
6 3D車両画像
100 情報処理装置
200 車載装置
230 センサ群
270 車両制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10