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特開2023-179857和紙アクセサリーパーツの製造方法及び和紙アクセサリーパーツ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179857
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】和紙アクセサリーパーツの製造方法及び和紙アクセサリーパーツ
(51)【国際特許分類】
   A44C 25/00 20060101AFI20231213BHJP
   A44C 7/00 20060101ALI20231213BHJP
   A44C 5/00 20060101ALI20231213BHJP
   A44C 27/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
A44C25/00 A
A44C7/00 A
A44C5/00 501Z
A44C5/00 502D
A44C5/00 502C
A44C27/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092726
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】717004423
【氏名又は名称】中村 裕也
(74)【代理人】
【識別番号】100195431
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 史樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 裕也
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA11
3B114AA16
3B114AA18
3B114EA01
3B114JA01
(57)【要約】
【課題】軽いアクセサリーパーツを提供すること。
【解決手段】和紙を用いたアクセサリーパーツの製造方法であって、
コアとなるコットンパールの表面に、細かくカットされた貼付用和紙を、こんにゃく糊を用いて貼り付ける貼付工程と、
前記貼付工程後、前記コットンパールの表面に貼り付けられた前記貼付用和紙にウレタン樹脂を塗布するウレタン樹脂塗布工程と、
前記ウレタン樹脂塗布工程後、前記ウレタン樹脂が塗布された前記貼付用和紙にラッカーを塗布するラッカー塗布工程と、を含むアクセサリーパーツ製造方法を提供する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
和紙を用いたアクセサリーパーツであって、
前記アクセサリーパーツは、
コアとなるコットンパールと、
前記コットンパールの表面に重ねて貼り付けられる細かくカットされた貼付用和紙と、
前記貼付用和紙を前記コットンパールに貼り付けるためのこんにゃく糊と、
前記貼付用和紙の上に塗布されるウレタン樹脂と、
前記ウレタン樹脂上に塗布されるラッカーと、を含むアクセサリーパーツ。
【請求項2】
和紙を用いたアクセサリーパーツの製造方法であって、
コアとなるコットンパールの表面に、細かくカットされた貼付用和紙を、こんにゃく糊を用いて貼り付ける貼付工程と、
前記貼付工程後、前記コットンパールの表面に貼り付けられた前記貼付用和紙にウレタン樹脂を塗布するウレタン樹脂塗布工程と、
前記ウレタン樹脂塗布工程後、前記ウレタン樹脂が塗布された前記貼付用和紙にラッカーを塗布するラッカー塗布工程と、を含むアクセサリーパーツ製造方法。
【請求項3】
前記ラッカー塗布工程後、前記貼付用和紙に金箔を貼る金箔工程と、を含む請求項2記載のアクセサリーパーツ製造方法。
【請求項4】
前記ラッカー塗布工程後、前記貼付用和紙をパール加工するパール加工工程と、を含む請求項2記載のアクセサリーパーツ製造方法。
【請求項5】
前記ラッカー塗布工程後、前記貼付用和紙に銀箔を貼る銀箔工程と、を含む請求項2記載のアクセサリーパーツ製造方法。
【請求項6】
前記ラッカー塗布工程後、前記貼付用和紙にスワロフスキークリスタル又はガラスビーズを貼る装飾工程と、を含む請求項2記載のアクセサリーパーツ製造方法。
【請求項7】
和紙を用いたアクセサリーパーツの製造方法であって、
蒸して皮を剥ぎ、へぐり、煮熟、晒し、ちりとり、打解及び叩解が行われた楮を液体に入れてほぐす解し工程と、
前記楮にこんにゃく糊を混合する混合工程と、
前記こんにゃく糊が混合された楮が型に入れられる型工程と、
前記型に入れられた楮を乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程後、前記楮にウレタン樹脂を塗布するウレタン樹脂塗布工程と、
前記ウレタン樹脂塗布工程後、前記ウレタン樹脂が塗布された楮にラッカーを塗布するラッカー塗布工程と、を含むアクセサリーパーツ製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、和紙を用いたアクセサリーパーツ及び和紙アクセサリーパーツの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、老若男女問わず、特にファッション分野において、軽くて丈夫で身体に良いもののニーズが高まっている。
【0003】
そして、ネックレス、ピアス、ブレスレット等のアクセサリーは、身体に直接着用するものであり、長時間着用することも多いため、「軽さ」に対してニーズが高まっている。
【0004】
特許文献1は、素地の上に、和紙を貼付したのち彩色するか、或いは模様が付された和紙を貼付し、その後上記和紙の上に銀粉を含んだ水性絵具を塗布し、次いで上記水性絵具中の水分を除去して上記和紙の上に上記銀粉を付着させ、その後上記銀粉が付着した和紙の上に透明艶出し塗料を塗布することを特徴とするアクセサリの製法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62-163303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に係る発明では、金属素地に和紙を接着剤で貼りつけるが、どのように和紙を貼り付けるか具体的に記載されていない。
【0007】
また、特許文献1に係る発明は、七宝焼に類似するアクセサリーを簡単に製作するというものであり、この場合、金属素地を使用するためアクセサリーを軽くすることができない。
【0008】
本発明の目的は、軽いアクセサリーパーツを提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、軽い球状のアクセサリーパーツを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の局面に係るアクセサリーパーツは、和紙を用いたアクセサリーパーツであって、
前記アクセサリーパーツは、
コアとなるコットンパールと、
前記コットンパールの表面に重ねて貼り付けられる細かくカットされた貼付用和紙と、
前記貼付用和紙を前記コットンパールに貼り付けるためのこんにゃく糊と、
前記貼付用和紙の上に塗布されるウレタン樹脂と、
前記ウレタン樹脂上に塗布されるラッカーと、を含むアクセサリーパーツである。
【0011】
このようなアクセサリーパーツであれば、和紙の風合いを有しつつ、軽量なアクセサリーを提供することができる。
【0012】
また、このようなアクセサリーパーツであれば、軽量なピアス、ネックレス、ブレスレット等のアクセサリーを製作することができ、利用者は長時間アクセサリーを着用していても重量による不快感が少なくてすむ。
【0013】
なお、貼付用和紙のサイズは、コットンパールの直径と同一若しくはほぼ同一又は同一より短い長さを一辺とする正方形が好ましい。
【0014】
本発明の第2の局面に係るアクセサリーパーツの製造方法は、和紙を用いたアクセサリーパーツの製造方法であって、
コアとなるコットンパールの表面に、細かくカットされた貼付用和紙を、こんにゃく糊を用いて貼り付ける貼付工程と、
前記貼付工程後、前記コットンパールの表面に貼り付けられた前記貼付用和紙にウレタン樹脂を塗布するウレタン樹脂塗布工程と、
前記ウレタン樹脂塗布工程後、前記ウレタン樹脂が塗布された前記貼付用和紙にラッカーを塗布するラッカー塗布工程と、を含むアクセサリーパーツ製造方法である。
【0015】
このようなアクセサリーパーツの製造方法であれば、和紙の風合いを出しつつ、かつ、貼付用和紙が細かくカットされた和紙であるため立体感があるアクセサリーパーツを製造することができる。
【0016】
また、ウレタン樹脂及びラッカーを貼り付けられた貼付用和紙に塗布することにより、防水性及び耐久性が向上する。
【0017】
本発明の第3の局面に係るアクセサリーパーツの製造方法は、第2の局面に係るアクセサリーパーツの製造方法であって、前記ラッカー塗布工程後、前記貼付用和紙に金箔を貼る金箔工程と、を含むアクセサリーパーツ製造方法である。
【0018】
金箔を貼ることにより高級感が生じる。金箔が貼られるのは、貼り付けられた貼付用和紙全体もよく、また、一部であってもよい。
【0019】
本発明の第4の局面に係るアクセサリーパーツの製造方法は、第2の局面に係るアクセサリーパーツの製造方法であって、前記ラッカー塗布工程後、前記貼付用和紙をパール加工するパール加工工程と、を含むアクセサリーパーツ製造方法である。
【0020】
パール加工することにより、アクセサリーパーツの高級感が生じる。また、パール加工を施した場合、下側の和紙(貼付用和紙)の風合いも残る。
【0021】
本発明の第5の局面に係るアクセサリーパーツの製造方法は、第2の局面に係るアクセサリーパーツの製造方法であって、前記ラッカー塗布工程後、前記貼付用和紙に銀箔を貼る銀箔工程と、を含むアクセサリーパーツ製造方法である。
【0022】
銀箔を貼ることにより高級感が生じる。銀箔が貼られるのは、貼り付けられた貼付用和紙全体もよく、また、一部であってもよい。
【0023】
本発明の第6の局面に係るアクセサリーパーツの製造方法は、第2の局面に係るアクセサリーパーツの製造方法であって、前記ラッカー塗布工程後、前記貼付用和紙にスワロフスキークリスタル又はガラスビーズを貼る装飾工程と、を含むアクセサリーパーツ製造方法である。
【0024】
スワロフスキークリスタル又はガラスビーズを貼ることにより、見栄えが良くなるという効果を有する。
【0025】
本発明の第7の局面に係るアクセサリーパーツの製造方法は、和紙を用いたアクセサリーパーツの製造方法であって、
蒸して皮を剥ぎ、へぐり、煮熟、晒し、ちりとり、打解及び叩解が行われた楮を液体に入れてほぐす解し工程と、
前記楮にこんにゃく糊を混合する混合工程と、
前記こんにゃく糊が混合された楮が型に入れられる型工程と、
前記型に入れられた楮を乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程後、前記楮にウレタン樹脂を塗布するウレタン樹脂塗布工程と、
前記ウレタン樹脂塗布工程後、前記ウレタン樹脂が塗布された楮にラッカーを塗布するラッカー塗布工程と、を含むアクセサリーパーツ製造方法である。
【0026】
このような製造方法であれば、コアがなくても和紙のアクセサリーパーツを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態のアクセサリーパーツ100の製造工程を表した図。
図2】同実施形態のアクセサリーパーツ100の製造工程を表した図。
図3】同実施形態のアクセサリーパーツ100の製造工程を表した図。
図4】同実施形態のアクセサリーパーツ100の製造工程を表した図。
図5】同実施形態のアクセサリーパーツ100の製造工程を表した図。
図6】同実施形態のアクセサリーパーツ100の製造工程を表した図。
図7】同実施形態のアクセサリーパーツ100の製造工程を表したフローチャート。
図8】本発明の一実施形態のアクセサリーパーツ100の製造工程を表した図。
図9】同実施形態のアクセサリーパーツ100の製造工程を表した図。
図10】同実施形態のアクセサリーパーツ100の製造工程を表したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に関して図面を参照しながら説明する。
【0029】
<第1実施形態>
本実施形態に係るアクセサリーパーツ100は、
コアとなるコットンパール200と、
コットンパール200の上に重ねて貼り付けられる貼付用和紙330と、
貼付用和紙330上に塗布されるウレタン樹脂と、
前記ウレタン樹脂上に塗布されるラッカーと、から構成される。
【0030】
本実施形態ではアクセサリーパーツ100のベースとしてコットンパール200を用いているが、コットンパール200以外のコアとして例えばアクリル球を用いても良い。
【0031】
本実施形態におけるコットンパール200には、紐等を通すことが可能な貫通孔210が設けられている。
【0032】
本実施形態に係るアクセサリーパーツ100は、具体的には下記のように製造される。
【0033】
まず、図1に示すように、和紙300が切断され、和紙片310が作製される(ステップS11)。
【0034】
本実施形態における和紙片310は、約4cm幅でy軸方向側に切断する。なお、和紙300は、手でちぎって和紙片310を作成するのが好ましい。
【0035】
和紙300は、1年で刈り取れるまでに成長する楮を原料とする。和紙となるのは楮の皮部分の一部である。
【0036】
次に、図2に示すように、約4cm幅に切断した和紙片310が、コットンパール200の直径と同一又は略同一の幅でx軸方向側に切断され、和紙小片320が作製される(ステップS12)。
【0037】
本実施形態における和紙小片320は、短冊形状である。
【0038】
次に、図3に示すように、和紙小片320がy軸方向側にさらに細かく切断され、コットンパール200に貼り付けるための貼付用和紙330が作製される(ステップS13、貼付用和紙作成工程)。
【0039】
次に、こんにゃく糊がコットンパール200に塗布され、貼付用和紙330が貼り付けられる(ステップS14、貼付工程)。
【0040】
具体的には、貼付用和紙330は並べて配置されており、こんにゃく糊が付着した指で貼付用和紙330を取って、コットンパール200に貼り付けていく。
【0041】
例えば、でんぷん糊やボンド等の接着剤は、指に付けると強力な接着力ゆえ指にべたつき感が残る。
【0042】
そのため、その都度、濡れタオル等によって、指に付着したでんぷん糊やボンド等の接着剤等を拭く必要があり、また、拭いたとしても指のべたつきはある程度抑えることができるが、完全な除去はできないので作業効率は大変悪くなる。
【0043】
そして、和紙を指先に付けてコットンパール200に貼り重ねるとき、和紙がコットンパール200側に貼り付くより、指に貼り付いたままの場合が多くなり、作業効率が悪くなる。
【0044】
そして、指に粘り気がかなり残るため、コットンパール200に貼り重ねて行くとき、貼った和紙や貼ろうとしている和紙の繊維が解れ、指先に和紙の毛羽立ちが残り、作業効率が悪くなる。
【0045】
なお、本実施形態におけるこんにゃく糊は、水100mlに対し、こんにゃく粉1g入れて作成している。
【0046】
次に、貼付用和紙330が貼り付けられたコットンパール200に、さらに貼付用和紙330が貼り付けられ、貼付用和紙330が何層にも重ねて貼り付けられる(ステップS15、貼付工程)。
【0047】
貼付用和紙330を何層まで重ねるかは任意である。なお、コットンパール200が見えないように、貼付用和紙330によってコットンパール200が覆われるように貼り付けられるのが好ましい。
【0048】
和紙を小さくカットした貼付用和紙330を何層にも重ねてコットンパール200に貼り付けることにより、貼付用和紙330による凹凸ができ、風合いが良くなる。
【0049】
また、例えば、コットンパール200を加工してコットンパール200同士を接着した雪だるま状の形状であるコットンパール200に貼付用和紙330を貼り付ける場合、指が入らない接着部分等は、筆等を用いて貼付用和紙330をコットンパール200に貼り付ける。
【0050】
貼付用和紙330が貼り付けられたコットンパール200は、丸一日(約24時間)放置することにより自然乾燥させる(ステップS16、乾燥工程)。
【0051】
なお、自然乾燥ではなく、乾燥機を用いて乾燥させてもよい。また、ドライヤー等による温風や送風を利用して乾燥させてもよい。
【0052】
次に、丸一日放置され自然乾燥した貼付用和紙330が貼り付けられたコットンパール200に、さらにこんにゃく糊を塗布する(ステップS17、こんにゃく糊塗布工程)。
【0053】
これにより、貼り付けられた貼付用和紙330の強度が上がり、防水性及び耐久性が向上する。
【0054】
次に、必要であれば、貼付用和紙330が貼り付けられたコットンパール200に例えば千枚通し等の貫通させる道具を用いて穴をあける(ステップS18、穴開け工程)。
【0055】
貫通孔210が設けられているコットンパール200が用いられた場合、貫通孔210の上にも貼付用和紙330が貼り付けられる。
【0056】
コットンパール200に貼り付けられた貼付用和紙330の上から手触りで貫通孔210の部分がわかるため、その貫通孔210部分の上に貼り付けられている貼付用和紙330に千枚通し等を用いて穴をあけることができる。
【0057】
また、コットンパール200の貫通孔210部分の上に貼り付けられた貼付用和紙330は、貫通孔210部分が少し凹んでいたり、色が濃くなっていたりするため、それによって見分けることができる。
【0058】
コットンパール200の貫通孔210に貼り付けられた貼付用和紙330に穴をあけた後、その貼付用和紙330の上からウレタン樹脂を塗布する(ステップS19、ウレタン樹脂塗布工程)。
【0059】
ウレタン樹脂を貼付用和紙330の上に塗布することにより、アクセサリーパーツ100の強度が向上し、また、防水性及び耐久性も向上する。
【0060】
ウレタン樹脂が塗布された貼付用和紙330が貼り付けられたコットンパール200は、ドライヤー等の乾燥機を用いて乾燥させてもよい。
【0061】
ウレタン樹脂が塗布された貼付用和紙330が貼り付けられたコットンパール200のドライヤー等による乾燥は、完全に乾燥させなくてもよい。
【0062】
アクセサリーパーツ100に設けられた貫通孔に竹串等を刺した状態で最終乾燥させる。
【0063】
最終乾燥はドライヤー等の乾燥機を用いてもよく、また、自然乾燥であってもよい。
【0064】
また、本実施形態ではウレタン樹脂を用いているが、ウレタン樹脂以外の樹脂でコーティングしてもよく、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化型樹脂等であってもよい。
【0065】
次に、ウレタン樹脂が塗布された貼付用和紙330が貼り付けられたコットンパール200は、ラッカーが塗布される(ステップS20、ラッカー塗布工程)。
【0066】
ラッカーには、ニトロセルロースラッカー塗料だけでなく、アクリル塗料を用いたアクリルラッカースプレーであってもよい。
【0067】
次に、ラッカーが塗布された貼付用和紙330が貼り付けられたコットンパール200の上に金箔400が貼りつけられる(ステップS21、金箔工程)。
【0068】
金箔400は、コットンパール200に貼り付けられた貼付用和紙330全体でもよく、また、部分的に貼り付けられてもよい。
【0069】
または、ラッカーが塗布された貼付用和紙330が貼り付けられたコットンパール200の上にパール加工をする(ステップS22、パール加工工程)。
【0070】
又は、ラッカーが塗布された貼付用和紙330が貼り付けられたコットンパール200の上に銀箔が貼りつけられる(ステップS23、銀箔工程)。
【0071】
銀箔は、コットンパール200に貼り付けられた貼付用和紙330全体でもよく、また、部分的に貼り付けられてもよい。
【0072】
金箔400又は銀箔が貼られることにより、又はパール加工されることにより、アクセサリーパーツ100に高級感がでる。
【0073】
したがって、本実施形態に係るアクセサリーパーツ100は、軽量でかつ和紙の風合いを残しつつ高級感を出すことが可能である。
【0074】
なお、ラッカーが塗布された貼付用和紙330が貼り付けられたコットンパール200の上にスワロフスキークリスタル又はガラスビーズが貼りつけられてもよい(装飾工程)。
【0075】
軽量に関しては、例えば、10mmの樹脂パール40個の重さは30gである。一方、本実施形態に係るアクセサリーパーツ100の40個の重さは13gである。
【0076】
したがって、本実施形態に係るアクセサリーパーツ100が非常に軽量であることがわかる。
【0077】
本実施形態に係るアクセサリーパーツ100に設けられている貫通孔に紐や金具等を通すことにより、ネックレス、ピアス、ブレスレット、指輪等のアクセサリーを製作することができる。
【0078】
つまり、本実施形態に係るアクセサリーパーツを用いて、ネックレス、ピアス、ブレスレット、指輪等のアクセサリーを製作することができる。
【0079】
<第2実施形態>
第2実施形態では、第1実施形態と同様の内容に関しては省略又は簡略して説明する。
【0080】
第2実施形態では、コアを有さない形態である。つまり、第1実施形態では、コアとしてコットンパール200が用いられたが、第2実施形態ではコアを有しない。
【0081】
まず最初に、楮(こうぞ)を蒸して皮を剥ぎ(蒸し剥ぎ)、へぐり、煮熟、晒し、ちりとり、打解及び叩解を行う(ステップS31)。
【0082】
次に、楮の繊維を水等の液体の入った容器に入れてほぐす(ステップS32、解し工程)。
【0083】
次に、容器から水等の液体を捨て、こんにゃく糊を入れて混合する(ステップS33、混合工程)。
【0084】
こんにゃく糊が混合された楮は、型400に入れられる(ステップS34、型工程)。
【0085】
本実施形態では、型400はプラスチックの型を用いており、型400の形状は半球形状である。
【0086】
型400に入れられたこんにゃく糊が混合された楮は、ある程度乾燥させられる(ステップS35、乾燥工程)。
【0087】
半球形状に成型されたこんにゃく糊が混合された楮は、もう一つ同様に成型された半球形状のこんにゃく糊が混合された楮と接着され、球形状の形状とされる(ステップS36、接着工程)。
【0088】
なお、型400を使用せずに成形してもよい。成形する形状はどのような形状であってもよい。
【0089】
次に、球形状となった楮は、乾燥させてウレタン樹脂を塗布する(ステップS37、ウレタン樹脂塗布工程)。
【0090】
ウレタン樹脂を塗布することにより、球形状の楮の耐久性及び防水性が向上する。
【0091】
球形状の楮の乾燥は、自然乾燥でもよく、また、ドライヤー等の乾燥機を用いて乾燥させてもよい。
【0092】
また、本実施形態ではウレタン樹脂を用いているが、ウレタン樹脂以外の樹脂でコーティングしてもよく、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化型樹脂等であってもよい。
【0093】
その後の工程は、第1実施形態と同様であるため、省略する。つまり、ラッカーが塗布され、金箔、銀箔等が貼られたり、パール加工されたり、スワロフスキークリスタルやガラスビーズが貼られたりする。
【0094】
また、本実施形態の場合、コアがないため、樹脂コーティングした後でも貫通孔を設けることができる。
【0095】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。
【符号の説明】
【0096】
100…アクセサリーパーツ
200…コットンパール
210…貫通孔
300…和紙
310…和紙片
320…和紙小片
330…貼付用和紙
400…型

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10