(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179880
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】建物の外壁調査支援システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20231213BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092773
(22)【出願日】2022-06-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】522229145
【氏名又は名称】株式会社K-corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100169775
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 祐史
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 健一朗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】建物の外壁結果のばらつきをなくし、均一な調査報告書を作成する建物外壁調査支援システムを提供する。
【解決手段】建物外壁調査支援システムは、建物の属性を収納する建物属性データベースと、建物の属性に対応した建物外壁調査方法を収納した建物外壁調査方法データベースと、外壁調査方法に応じた必要器材データベースと、建物の住所を入力する入力装置と、入力装置により入力された建物の住所により特定された建物の属性によって、建物の外壁調査方法及び外壁調査に必要な器材を決定し、決定された外壁調査方法及び外壁調査に必要な器材を表示する表示装置と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の属性によって建物の外壁調査方法を決定する建物外壁調査支援システムにおいて、
前記建物の属性を収納する建物属性データベースと、建物の属性に対応した建物外壁調査方法を収納した建物外壁調査方法データベースと、外壁調査方法に応じた必要器材データベースと、前記建物の住所を入力する入力装置とを有し、
前記入力装置により入力された前記建物の住所により特定された建物の属性によって、建物の外壁調査方法及び外壁調査に必要な器材を決定し、
決定された前記外壁調査方法及び前記外壁調査に必要な器材を表示する表示装置を有することを特徴とする建物外壁調査支援システム。
【請求項2】
前記建物外壁調査支援システムにおいて、
前記外壁調査支援システムによって決定された外壁調査方法にしたがって行った調査結果を入力する調査結果入力装置と、入力された結果を収納する調査結果データベースと、前記調査結果を前記建物の立面図に表示する調査結果表示装置と、前記調査結果に基づく考察を入力する入力装置と、前記考察を収納する調査結果考察データベースとを有し、
前記建物の調査結果及び考察をとり込んだ調査報告書を自動で作成する調査報告書作成装置を有する
ことを特徴とする請求項1記載の建物外壁調査支援システム。
【請求項3】
前記調査結果が、前記建物の外壁の劣化の種類、劣化箇所の場所、大きさ、範囲、劣化の程度である請求項2記載の建物外壁調査支援システム。
【請求項4】
請求項2に記載の調査報告書には、前記建物の立面図に表示した前記調査結果、劣化した箇所の画像、劣化数量表、考察のすべてが含まれることを特徴とする請求項1記載の建物外壁調査支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載の劣化した箇所の画像が、赤外線によって撮影された画像である請求項4に記載の建物外壁調査支援システム。
【請求項6】
コンピュータを、
建物の属性によって建物の外壁調査方法を決定する建物外壁調査支援システムにおいて、
前記建物の属性を収納する建物属性データベースと、建物の属性に対応した建物外壁調査方法を収納した建物外壁調査方法データベースと、外壁調査方法に応じた必要器材データベースと、前記建物の住所を入力する入力装置とを有し、
前記入力装置により入力された前記建物の住所により特定された建物の属性によって、建物の外壁調査方法及び外壁調査に必要な器材を決定し、
決定された前記外壁調査方法及び前記外壁調査に必要な器材を表示する表示装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
請求項2に記載の建物外壁調査支援システムにおいて、
前記外壁調査支援システムによって決定された外壁調査方法にしたがって行った調査結果を入力する調査結果入力装置と、入力された結果を収納する調査結果データベースと、前記調査結果を前記建物の立面図に表示する調査結果表示装置と、前記調査結果に基づく考察を入力する入力装置と、前記考察を収納する調査結果考察データベースとを有し、
前記建物の調査結果及び考察をとり込んだ調査報告書を自動で作成する調査報告書作成装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外壁の劣化状況並びに損傷状況の外壁調査システムに関する。建物の状況に応じた最適な調査方法並びに調査方法の組み合わせを選択できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
建物の外壁は、経年によって、浮き、クラック、爆裂、エフロ、コーキング劣化、塗膜浮き、塗膜剥離などの劣化が発生し、また外観上は変化がない場合であっても、調査によって、隠れた劣化が発見されることがある。そのため、定期的な調査を行い、報告することが法律に定められており、このような定期的な調査や報告を怠ることが思わぬ事故の発生につながり、社会的な責任を問われる場合がある。
【0003】
一方で、外壁の調査方法には、外観目視調査法、仮設足場を必要とする仮設足場打診調査法、ゴンドラを必要とするゴンドラ打診調査法、ロープアクセスによるロープ打診調査法、赤外線装置による赤外線調査法、ドローンを使ったドローン調査法があり、調査者は、建物の状況に応じて、各調査方法を使い分けている。
【0004】
これらの外壁調査法に関連して、特許文献1には、外壁調査の結果を立体図面に表示するシステムが開示され、特許文献2には、赤外線による外壁調査の方法及び装置が開示され、特許文献3には、ドローンを使った建物調査の方法が開示されている。それぞれ、外観目視調査法、仮設足場を必要とする仮設足場打診調査法、ゴンドラを必要とするゴンドラ打診調査法、ロープアクセスによるロープ打診調査法打診法による外壁調査におけるそれぞれの課題を解決する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-134510号公報
【特許文献2】特開平5-80007号公報
【特許文献3】特開2022-49618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1で開示されている外壁調査システムでは、調査結果の報告書への表示の方法については開示されているが、調査方法の選択については開示がない。
【0007】
また、特許文献2で開示されている赤外線調査装置では、赤外線による外壁調査方法は開示されているが、外壁調査方法と建物の属性との関連が明確ではない。
【0008】
そして、特許文献3には、ドローンを使った建物調査方法は開示されているが、どのような場合にこのドローンを使った建物調査方法を使うのかが明確にされていない。
【0009】
さらに、外観目視調査法、仮設足場を必要とする仮設足場打診調査法、ゴンドラを必要とするゴンドラ打診調査法、ロープアクセスによるロープ打診調査法による外壁調査法については、建物の属性との関連が明確ではなく、また、各調査方法相互の関連性が明確ではない。
【0010】
よって、建物の属性に応じてどのような外壁調査方法を使用するか、もしくは、どのような調査方法を組み合わせるかといった外壁調査方法の選択基準が明確ではない。
【0011】
したがって、外壁調査方法については、調査を行う外壁調査会社が自らの基準で外壁調査方法を選択しなければならず、よって、外壁調査会社によって、行われる外壁調査や作成される外壁調査報告書にばらつきがあるという問題点がある。
【0012】
そこで、外壁調査方法を建物の属性によって選択できるようにし、外壁調査および外壁調査報告書のばらつきをなくすことが求められている。ここで、建物の属性とは、調査対象建物の住所、竣工時期、建物の階数、周辺状況などの外壁の調査方法と関連の深い建物の特徴をいう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するための建物の外壁調査支援システムであって、一つの実施形態にしたがって、建物の属性を収納する建物属性データベースと、建物の属性に対応した建物外壁調査方法を収納した建物外壁調査方法データベースと、外壁調査必要器材データベースと、前記建物の住所を入力する入力装置とを有し、前記入力装置により入力された前記建物の住所により特定された建物の属性によって、建物の外壁調査方法を決定し、決定された外壁調査方法及び必要器材を表示する表示装置を有することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記目的を達成するための建物の外壁調査支援システムであって、一つの実施形態にしたがって、建物の外壁調査支援システムによって選択された外壁調査方法にしたがって行った調査結果を入力する調査結果入力装置と、入力された結果を収納する調査結果データベースと、前記調査結果を前記建物の立面図に表示する調査結果表示装置と、前記調査結果に基づく考察を入力する入力装置と、前記考察を収納する調査結果考察データベースとを有し、前記建物の調査結果及び考察をとり込んだ調査報告書を自動で作成する調査報告書作成装置を有することを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するために請求項3にかかる発明は、建物の外壁調査支援システムであって、一つの実施形態にしたがって行われた調査結果が、建物の外壁の劣化の種類、劣化箇所の場所、大きさ、範囲、劣化の程度であることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するために請求項4にかかる発明は、建物の外壁調査支援システムであって、一つの実施形態にしたがって作成された調査報告書には、建物の立面図に表示した調査結果、劣化した箇所の画像、劣化数量表、考察のすべてが含まれることを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するために請求項5にかかる発明は、建物の外壁調査支援システムであって、一つの実施形態にしたがって添付された劣化した箇所の画像が、赤外線によって撮影された画像であることを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するために、請求項6にかかる発明は、コンピュータを、建物の属性によって建物の外壁調査方法の選択を支援する建物の外壁調査支援システムにおいて、前記建物の属性を収納する建物属性データベースと、建物の属性に対応した建物外壁調査方法を収納した建物外壁調査方法データベースと、外壁調査方法に応じた必要器材データベースと、前記建物の住所を入力する入力装置とを有し、前記入力装置により入力された前記建物の住所により特定された建物の属性によって、建物の外壁調査方法及び外壁調査に必要な器材を決定し、決定された前記外壁調査方法及び前記外壁調査に必要な器材を表示する表示装置として機能させることを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成するために請求項7にかかる発明は、コンピュータを、請求項1に記載の建物の外壁調査支援システムにおいて、前記外壁調査支援システムによって決定された外壁調査方法にしたがって行った調査結果を入力する調査結果入力装置と、入力された結果を収納する調査結果データベースと、前記調査結果を前記建物の立面図に表示する調査結果表示装置と、前記調査結果に基づく考察を入力する入力装置と、前記考察を収納する調査結果考察データベースとを有し、前記建物の調査結果及び考察をとり込んだ調査報告書を自動で作成する調査報告書作成装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、外壁調査会社は、建物の属性にしたがった適切な外壁調査方法を選択でき、よって、調査方法によって生じるバラツキがなく、均一な質の調査報告書を作成することができる。そして、そのことによって適正な外壁の補修手段につなげることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は建物の外壁調査支援システム及びプログラムの全体構成を説明する図である。
【
図2】
図2は建物の属性データベースの構成を説明する図である。
【
図3】
図3は建物の外壁調査方法と建物の属性データとの関連を説明する図である。
【
図4】
図4は外壁調査方法と必要な器材との関連を説明する図である。
【
図5】
図5は、建物の外壁調査支援システムのフローを説明する図である。
【
図6】
図6は、調査報告書にとり込まれた劣化画像の例を説明する図である。
【
図7】
図7は、調査報告書にとり込まれた劣化箇所を表示した立面図を説明する図である。
【
図8】
図8は、調査報告書にとり込まれた劣化数量表を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態を示すシステムの全体構成を示す図である。同支援システムは、外壁調査を行う者3が、同支援システムにアクセスし、まず、調査の対象となる建物2の住所を入力する。入力された住所データをもとに建物データベース111と照合し、建物2の属性を抽出する。抽出された建物属性にもとづいて外壁調査方法データベース112から外壁調査方法選択部12によって適正な外壁調査方法を選択し、外壁調査方法必要器材データベース113から、選択された外壁調査方法に必要な器材を抽出し、外壁調査方法表示部13にアウトプットする。外壁調査を行った後に、調査結果及び調査結果に関する考察を調査結果・考察入力部14によって入力し、調査結果データベース114に保存する。調査報告書作成部15に調査結果の作成命令を出すことによって、劣化画像151、劣化箇所を表示した立面
図152、劣化箇所数量表153、及び考察154をとり込んだ調査報告書16を自動で作成する。
【0023】
建物の外壁調査支援システム及びプログラム1は、建物の外壁調査に関して建物の属性に応じた調査方法を選択する装置として機能する。調査者が建物の住所を入力すると本システムによって外壁調査方法及び調査に必要な器材を提示することを支援する。
【0024】
建物の外壁調査支援システム1は、ウェブサーバーとして機能し、
図1に示すように住所入力部11、外壁調査方法選択部12、建物データベース111、外壁調査方法データベース112、外壁調査必要器材データベース113、外壁調査方法表示部13、調査結果入力部14、調査結果データベース104、調査報告書作成部15を有している。すなわち、外壁調査支援システム1は、コンピュータとしての一般的機能を備え、入力キー、ディスプレイ、メモリー、及びCPUを備えており、建物の属性に応じた外壁調査方法及び外壁調査報告書16を自動で作成する機能を有している。
【0025】
建物データベース111は、建物の属性として、
図2に示すように、調査対象である建物ごとに、建物の住所、地図データ、階数、隣接建物の有無、周辺建物の状況、延べ床面積、調査対象となる建物の外壁の面積、外壁の仕上げ剤の種類、建物構造、施工主、竣工年のデータを保存したものである。
【0026】
外壁調査方法データベース112は、
図3に示すように、建物の属性と外壁調査方法との関連を保存したものである。たとえば、中層の建物であり、隣接する建物があり、周辺も密集しているような状況、かつ屋上にロープの留め具がないような状況の場合の建物の外壁調査方法は外観目視法か、もしくは仮設足場打診法を選択する基礎となる。
【0027】
外壁調査必要器材データベース113は、
図4に示すように、外壁調査方法ごとに打診棒、セミスタティックロープ、フルハーネス、アサップロック、アブソバー、スリングスリング、カラビナなどの必要器材データを保存したものである。外壁調査方法が選択されれば、それに必要な器材の基礎となる。
【0028】
調査者3が、調査対象の建物の住所を住所入力部11によって入力すると、入力された住所から、建物の属性を抽出し、抽出した属性を、外壁調査方法選択部12が、外壁調査方法データベース112及び外壁調査必要器材データベース113と照合し、建物の属性に応じた外壁調査方法を選択し、外壁調査方法表示部13に表示する。
【0029】
本発明による建物の外壁調査方法の選択については、
図3の建物の属性と外壁調査方法の関係にしたがって、当該建物の住所を本建物の外壁調査支援システム及びプログラム1に入力すると、本建物の外壁調査支援システム及びプログラム1が、建物の階数、建物の周辺の状況、屋上の状況に応じて、外壁調査方法を選択する。
【0030】
調査結果データベースは、
図1に示したとおり、劣化画像データ151、劣化箇所を立面図に表示したデータ152、劣化数量をまとめたデータ153、及び調査結果に関する調査者の考察154を保存したものである。
【0031】
調査者3が、建物の外壁調査を終えて、調査結果及び考察を調査結果・考察入力部14から入力する。そして、調査報告書作成部15において作成の指示をすると、調査結果データベース104と照合して、劣化画像151、劣化箇所を表示した立面
図152、劣化数量表153、考察154を抽出して自動で、調査報告書16を作成する。
【0032】
次に、外壁調査支援システム及びプログラム1による動作フローを
図6にもとづいて説明する。なお、以下に示す外壁調査支援システム1の動作は、上記のごとくプログラム400を実行することにより実現される。
【0033】
すなわち、プログラム400を実行することにより、外壁調査支援システム及びプログラム1のコンピュータを、住所入力部11、外壁調査方法選択部12を建物データベース111、外壁調査方法データベース112、外壁調査必要器材データベース113と連動させて、外壁調査方法表示部13に表示させるように機能させ、調査終了後に調査結果・考察入力部14を介して貯蔵された調査結果データベース及び調査報告書作成部15に、調査報告書16を作成するように機能させる。
【0034】
外壁調査支援システム及びプログラム1による動作フローは、まず、ステップS01により始まる。すなわち、ステップS01において、建物の外壁調査を行う調査者3が、インターネットを介して、所定の情報を入力して外壁調査支援システム及びプログラム1にアクセスする。
【0035】
次に、ステップS02において、建物住所入力部11より調査の対象となる建物2の住所を外壁調査支援システム及びプログラム1に入力する。
【0036】
次に、ステップ03において、入力された建物住所を建物データベース111と照合し、調査する建物2の属性を明らかにする。
【0037】
ステップ04において、ステップ03において明らかになった建物2の属性を外壁調査方法データベース112と照合し、外壁調査方法を決定する。この場合、外壁調査方法は1つの方法である必要はなく、複数の外壁方法を選択する、あるいは、選択された方法を組み合わせることもできる。
【0038】
ステップ05において、ステップ04において決定された外壁調査方法を外壁調査方法必要器材データベース113と照合し、必要な器材を選択する。
【0039】
ステップ06において、ステップ04及びステップ05において決定された外壁調査方法及び必要器材を外壁調査方法表示部13において表示する。
【0040】
ステップ07において、調査者3は、ステップ06において表示された外壁調査方法に基づいて、調査対象となる建物の調査を行う。
【0041】
ステップ08において、調査者3は、調査が終わった段階で、調査結果・考察入力部14に、調査結果及び考察を外壁調査支援システム及びプログラム1に入力する。調査結果には、劣化画像151、劣化箇所を記載した立面
図152、劣化数量表153及び考察154が含まれる。入力された調査結果及び考察は、調査結果データベース104に保存される。
【0042】
ステップ09において、調査報告書作成部15に作成命令を入力すると、調査結果データベース104から劣化画像151、劣化箇所を記載した立面
図152、劣化数量表153および考察154を抽出し自動で調査結果報告書16を作成する。
【0043】
以上説明したように、本発明によれば建物の住所を入力することで、建物2の属性を抽出でき、建物2の属性による適正な外壁調査方法及び該調査に必要な器材を調査の準備段階において得ることができる。
【0044】
また、建物の外壁調査が終了した段階で、調査結果及び該調査に関する考察を入力し、調査結果データベース104に保存するようにしたので、調査報告書作成部15を機能させ、該調査結果データベース114から劣化画像151、劣化箇所を表示した立面
図152、劣化数量表153及び考察154を抽出し、ばらつきのない調査報告書を作成することができる。
【0045】
調査報告書にとり込まれる劣化画像は
図6のとおりであり、建物の外壁において指摘する劣化箇所を劣化箇所ごとに、建物のどこの箇所であるかを画像としてわかりやすく表示したものである。
【0046】
調査報告書にとりこまれた劣化箇所を
図7のとおり、建物の立面図にすべて表示し、各劣化画像と関連付けて表示したものである。
【0047】
そして、
図8が劣化数量表であり、劣化の種類と建物の位置種類を数量的にまとめたものである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
建物の外壁調査方法には様々な方法があり、どの調査方法を選択するかは調査者にゆだねられており、調査方法によるばらつきが生じるという問題があった。建物の外壁調査を行う者は、本発明によって、建物の属性に応じた適正な外壁調査方法及び調査報告書を得ることができる。そして、外壁調査業界においては、コストダウンにもつながり外壁調査業界の発展に貢献するものである。
【符号の説明】
【0049】
1 外壁調査支援システム及びプログラム
2 調査対象建物
3 調査者
101 建物データベース
102 外壁調査方法データベース
103 外壁調査必要器材データベース
104 調査結果データベース
11 住所入力部
12 外壁調査方法選択部
13 外壁調査方法表示部
14 調査結果・考察入力部
15 調査報告書作成部
151 劣化画像
152 劣化箇所を表示した立面図
153 劣化数量表
154 考察
16 調査報告書
【手続補正書】
【提出日】2023-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の属性によって建物の外壁調査方法を決定する建物外壁調査支援システムにおいて、
前記建物の属性を収納する建物属性データベースと、建物の属性に対応した建物外壁調査方法を収納した建物外壁調査方法データベースと、外壁調査方法に応じた必要器材データベースと、前記建物の住所を入力する入力装置とを有し、
前記入力装置により入力された前記建物の住所により特定された建物の属性によって、建物の外壁調査方法及び外壁調査に必要な器材を決定し、
決定された前記外壁調査方法及び前記外壁調査に必要な器材を表示する表示装置を有することを特徴とする建物外壁調査支援システム。
【請求項2】
前記建物外壁調査支援システムにおいて、
前記建物外壁調査支援システムによって決定された外壁調査方法にしたがって行った調査結果を入力する調査結果入力装置と、入力された結果を収納する調査結果データベースと、前記調査結果を前記建物の立面図に表示する調査結果表示装置と、前記調査結果に基づく考察を入力する入力装置と、前記考察を収納する調査結果考察データベースとを有し、
前記建物の調査結果及び考察をとり込んだ調査報告書を自動で作成する調査報告書作成装置を有する
ことを特徴とする請求項1記載の建物外壁調査支援システム。
【請求項3】
前記調査結果が、前記建物の外壁の劣化の種類、劣化箇所の場所、大きさ、範囲、劣化の程度である請求項2記載の建物外壁調査支援システム。
【請求項4】
請求項2に記載の調査報告書には、前記建物の立面図に表示した前記調査結果、劣化した箇所の画像、劣化数量表、考察のすべてが含まれることを特徴とする請求項1記載の建物外壁調査支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載の劣化した箇所の画像が、赤外線によって撮影された画像である請求項4に記載の建物外壁調査支援システム。
【請求項6】
コンピュータを、
建物の属性によって建物の外壁調査方法を決定する建物外壁調査支援システムにおいて、
前記建物の属性を収納する建物属性データベースと、建物の属性に対応した建物外壁調査方法を収納した建物外壁調査方法データベースと、外壁調査方法に応じた必要器材データベースと、前記建物の住所を入力する入力装置とを有し、
前記入力装置により入力された前記建物の住所により特定された建物の属性によって、建物の外壁調査方法及び外壁調査に必要な器材を決定し、
決定された前記外壁調査方法及び前記外壁調査に必要な器材を表示する表示装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
請求項2に記載の建物外壁調査支援システムにおいて、
前記建物外壁調査支援システムによって決定された外壁調査方法にしたがって行った調査結果を入力する調査結果入力装置と、入力された結果を収納する調査結果データベースと、前記調査結果を前記建物の立面図に表示する調査結果表示装置と、前記調査結果に基づく考察を入力する入力装置と、前記考察を収納する調査結果考察データベースとを有し、
前記建物の調査結果及び考察をとり込んだ調査報告書を自動で作成する調査報告書作成装置として機能させることを特徴とするプログラム。