(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179890
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】通信装置、通信装置の制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20231213BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20231213BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W48/16
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092798
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】澤田 哲也
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH00
(57)【要約】
【課題】 通信装置が相手装置と接続するためのネットワークの情報を認識している通信装置が存在しない場合に、適切に接続先のネットワーク情報を取得すること。
【解決手段】 通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得し、第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得し、前記第1のネットワークまたは前記第2のネットワークで取得した接続情報が示す接続先に接続し、前記通信装置が前記第1のネットワークを構築した後、前記第1の他の通信装置が接続せずに所定時間が経過したことに基づき、前記第2のネットワークの検索を開始する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
前記通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得する第1の取得手段と、
第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段または前記第2の取得手段が取得した接続情報が示す接続先に接続する接続手段と、
前記通信装置が前記第1のネットワークを構築した後、前記第1の他の通信装置が接続せずに所定時間が経過したことに基づき、前記第2のネットワークの検索を開始する制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
通信装置であって、
前記通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得する第1の取得手段と、
第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段または前記第2の取得手段が取得した接続情報が示す接続先に接続する接続手段と、
前記通信装置が前記第2のネットワークの検索を開始した後、前記第2のネットワークが発見されずに所定時間が経過したことに基づき、前記第1のネットワークを構築する制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項3】
通信装置であって、
前記通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得する第1の取得手段と、
第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段または前記第2の取得手段が取得した接続情報が示す接続先に接続する接続手段と、
前記通信装置を前記接続先に接続させるための所定の指示を受け付けたことに基づき、前記第1のネットワークの構築と前記第2のネットワークの検索を並行して実行させる制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
前記接続情報はSSID(Service Set ID)であることを特徴とする請求項1または2または3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置は印刷手段を有するプリンタであることを特徴とする請求項1または2または3に記載の通信装置。
【請求項6】
通信装置の通信方法であって、
前記通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得する第1の取得工程と、
第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得する第2の取得工程と、
前記第1の取得工程または前記第2の取得工程が取得した接続情報が示す接続先に接続する接続工程と、
前記通信装置が前記第1のネットワークを構築した後、前記第1の他の通信装置が接続せずに所定時間が経過したことに基づき、前記第2のネットワークの検索を開始する制御工程と、
を有することを特徴とする通信装置の通信方法。
【請求項7】
通信装置の通信方法であって、
前記通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得する第1の取得工程と、
第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得する第2の取得工程と、
前記第1の取得工程または前記第2の取得工程が取得した接続情報が示す接続先に接続する接続工程と、
前記通信装置が前記第2のネットワークの検索を開始した後、前記第2のネットワークが発見されずに所定時間が経過したことに基づき、前記第1のネットワークを構築する制御工程と、
を有することを特徴とする通信装置の通信方法。
【請求項8】
通信装置の通信方法であって、
前記通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得する第1の取得工程と、
第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得する第2の取得工程と、
前記第1の取得工程または前記第2の取得工程が取得した接続情報が示す接続先に接続する接続工程と、
前記通信装置を前記接続先に接続させるための所定の指示を受け付けたことに基づき、前記第1のネットワークの構築と前記第2のネットワークの検索を並行して実行させる制御工程と、
を有することを特徴とする通信装置の通信方法。
【請求項9】
コンピュータを請求項1または2または3に記載の通信装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を行う通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の端末装置と通信する、プリンタ等の通信装置が知られている。このような通信装置は、例えば、Wi―Fi等の所定の通信方式によって端末装置と通信するための接続設定処理を実行する。
【0003】
特許文献1では、第1の通信装置が第2の通信装置と接続を確立するために、前記第2の通信装置が構築しているネットワークの情報を、前記第2の通信装置と接続を確立している他の通信装置から取得することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記接続方法においては、第1の通信装置が第2の通信装置と接続を確立するために、第2の通信装置が構築するネットワークの情報を認識している通信装置が存在する必要がある。しかしながら例えば、接続を確立したい相手装置のネットワークの情報を認識している通信装置が存在しない場合、当該第1の通信装置は相手装置と接続するための情報を取得することができないおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、通信装置が相手装置と接続するためのネットワークの情報を認識している通信装置が存在しない場合に、適切に接続先のネットワーク情報を取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の通信装置は、通信装置であって、前記通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得する第1の取得手段と、第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段または前記第2の取得手段が取得した接続情報が示す接続先に接続する接続手段と、前記通信装置が前記第1のネットワークを構築した後、前記第1の他の通信装置が接続せずに所定時間が経過したことに基づき、前記第2のネットワークの検索を開始する制御手段と、を有する。
【0008】
さらに本発明の通信装置は、通信装置であって、前記通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得する第1の取得手段と、第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段または前記第2の取得手段が取得した接続情報が示す接続先に接続する接続手段と、前記通信装置が前記第2のネットワークの検索を開始した後、前記第2のネットワークが発見されずに所定時間が経過したことに基づき、前記第1のネットワークを構築する制御手段と、を有する。
【0009】
さらに本発明の通信装置は、前記通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得する第1の取得手段と、第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段または前記第2の取得手段が取得した接続情報が示す接続先に接続する接続手段と、前記通信装置を前記接続先に接続させるための所定の指示を受け付けたことに基づき、前記第1のネットワークの構築と前記第2のネットワークの検索を並行して実行させる制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、通信装置が相手装置と接続するためのネットワークの情報を認識している通信装置が存在しない場合に、適切に接続先のネットワーク情報を取得することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態におけるネットワークの構成を示す図である。
【
図2】通信装置101のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】実施形態1の通信装置101が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態2の通信装置101が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態3の通信装置101が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0013】
図1は、本実施形態に係るネットワーク構成を示している。
図1において、通信装置104は通信ネットワークを構築する役割を有するAP(Access Point)であり、通信装置101はAPが構築する通信ネットワークに参加して通信を行うSTA(Station)である。
【0014】
通信装置102はパーソナルコンピュータ(以下、PCという)であり、通信装置103はスマートデバイスであり、104はワイド・エリア・ネットワーク(以下、WANという)である。また、通信装置103は、AGO(Autonomous Group Owner)機能を有し、例えばPCやスマホとWi―Fiルータ―が一体化したような構造を持つタブレットである。
【0015】
通信装置104が構築するネットワークは、通信装置104をゲートウェイとして、WAN141に接続している。
【0016】
通信装置101は、複数のSTA機能を有し、第1のSTA機能においてAPと接続を確立して通信を実行し、並行して第2のSTA機能においてWi-Fi Direct規格のクライアント機能によりGOと接続を確立し通信を行うことができる。ここでGOはGroup Ownerの略である。
【0017】
また通信装置101は、ケーブルレスセットアップモードを有する。ケーブルレスセットアップモードは、無線インフラストラクチャ通信の無線設定が可能な専用モードである。通信装置101は、ケーブルレスセットアップモードにおいて、ソフトAPモードとして起動して、親局として動作させる。なお、このタイミングで起動されるソフトAPは、ケーブルレスセットアップモードのための親局である。これにより、パソコンやスマートフォン、タブレット等の外部通信装置が、クライアント(子機)として通信装置101と接続し、通信することが可能となる。なお、ケーブルレスセットアップモードでは、ソフトAPモードが使用されずに、Wi-Fi Directモードが使用されるなど、必ずしもソフトAPモードが使用されなければならないわけではない。ただし、Wi-Fi Directが使用される場合には、ネットワーク識別子であるSSIDにランダム生成された文字列を含ませる必要がある。パソコンやスマートフォン、タブレット等の外部機器上で動作するLAN設定専用アプリケーションによって、LANに関する知識のあまりないユーザでも、容易に通信装置101に接続できるよう構成されている。LAN設定専用アプリケーションによって、設定内容の詳細を知ることなく、接続に必要な情報がSTA101に送られるように構成されている。
【0018】
図2は、STA101のハードウェア構成を示す。STA101は、電源部201、入力部202、出力部203、無線インタフェース部204(以下、無線I/F部)、無線I/F部205、制御部206、記憶部207、アンテナ208、209から構成される。
【0019】
電源部201は、各ハードウェアに電源を供給する。電源部201は、例えばAC電源あるいはバッテリから電力を取得する。
【0020】
入力部202は、ユーザからの各種操作の受付を行う。例えば、ボタン等が含まれる。
【0021】
出力部203は、ユーザに対して各種出力を行う。ここで、出力部203による出力とは、例えば、LEDへの表示や画面上の表示、スピーカによる音声出力、振動出力等である。尚、タッチパネルのように入力部202と出力部203の両方を1つのモジュールで実現するようにしてもよい。また、入力部202及び通知部203は、それぞれSTA101と一体であってもよいし、別体であってもよい。
【0022】
無線I/F部204、無線I/F部205は、IEEE802.11規格およびWi-Fi規格に対応した無線LAN制御と、電波の送受信を行う。また無線I/F部204、無線I/F部205は、STA機能とAP機能、およびCL機能を選択的に動作させることができる。STA101においては、2つの無線I/F部を並行して動作できるように構成し、APもしくはGO機能を動作させている無線通信装置と2つまで接続することができる。また、本実施形態では第1のSTA機能と第2のSTA機能を持つため、無線I/F部が2つ用意されているが、無線I/F部の数はこれに限定されない。
【0023】
制御部206は、例えばCPUやMPU等のプロセッサ、ASIC、DSP、FPGA等により構成される。CPUはCentral Processing Unitの、MPUはMicro Processing Unitの、ASICはApplication Specific integrated Circuitのそれぞれ略である。また、DSPはDigital Signal Processorの、FPGAはField Programmable Gate Arrayのそれぞれ略である。
【0024】
制御部206は、記憶部207に記憶されたプログラムを実行することによりAP、STA全体を制御する。なお、制御部206は、記憶部207に記憶されたプログラムとOS(Operating System)との協働によりAP、STA全体を制御するようにしてもよい。
【0025】
記憶部207は、ROMやRAM等のメモリにより構成され、後述する各種処理を行うためのプログラムや、各種情報を記憶する。ROMはRead Only Memoryの、RAMはRandom Access Memoryのそれぞれ略である。なお、記憶部208として、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。また、記憶部が複数のメモリ等を備えていてもよい。
【0026】
アンテナ208、209は、2.4GHz帯、5GHz帯、および6GHz帯における通信が可能なアンテナである。本実施形態では、STA101は2つのアンテナを有するとしたが、これに限定されない。または周波数帯ごとに異なるアンテナを有していてもよい。また、STA101は、アンテナを複数有している場合、各アンテナに対応した無線I/F部を有していてもよい。
【0027】
<実施形態1>
本実施形態では、ケーブルレスセットアップ時にSTA101のAP機能およびCL機能(またはSTA機能)を順次起動することで、STA101が相手装置と接続を確立するために必要な情報を受信する例を示す。ここで起動するAP機能は、ケーブルレスセットアップモードのための親局である。
【0028】
図3は、STA101の記憶部207に記憶されているプログラムを制御部206が実行することによって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【0029】
本フローチャートは、ユーザが入力部202を操作して、接続先の設定メニューを選択した場合に開始される。
【0030】
処理が開始されると、ケーブルレスセットアップ処理を試行するか否かを判定する(S301)。S301においては、設定が完了するまで所定の回数試行するようにする。
【0031】
所定の回数に達しておらず、ケーブルレスセットアップ処理を試行する場合には、AP機能を起動する(S302)。S302においては、接続先となる相手装置のAPもしくはGOの情報を、STAから受信できるよう、STA101のAP機能を起動することによって設定用の所定のSSIDのケーブルレスセットアップ用のネットワークを形成する。ここでSSIDは、Service Set Identifierの略である。S302において形成した、相手装置の接続先の情報を取得するためのケーブルレスセットアップ用のネットワークにSTAが接続するのを一定時間待機する(S303)。
【0032】
次に、STA101がケーブルレスセットアップ用のネットワークにおいてSTA103と接続を確立したか否かを確認する(S304)。S304において、STA103と接続を確立したことが確認された場合、STA103から接続先となるAPもしくはGOの情報を取得する(S305)。ここで、S305で取得する接続先の情報は、APもしくはGOのSSIDおよびパスワードとする。
【0033】
S305において接続先の情報を取得すると、ケーブルレスセットアップ用のネットワークを構築するためのAP機能を停止し(S306)、接続先となるAPもしくはGOと接続するため、STA機能を起動する(S307)。なお、S305で取得した接続先の情報のSSID等から接続先がGOであると判断できる場合には、STA機能を起動する代わりにCL機能を起動して、接続先に接続するようにしてもよい。S307においてSTA機能を起動すると、STA103から受信した接続先の情報を、STA機能に設定し、接続先に接続を試行する(S308)。
【0034】
次に、接続先に接続できたか否かを判定し(S309)、S309において接続できたと判定された場合には、本フローチャートを終了する。S309において接続できなかったと判定された場合には、設定が完了しなかった旨のエラー表示を行い(S310)、本フローチャートを終了する。
【0035】
一方でS304において、一定時間経過しても接続を確立せずタイムアウトした場合、AP機能を停止し(S311)、CL機能を起動する(S312)。次に、他の装置がGOとしてケーブルレスセットアップ用の所定のSSIDでケーブルレスセットアップ用のネットワークを形成しているかを検索する(S313)。次に、他の装置がGOで形成しているケーブルレスセットアップ用のネットワークを発見できたか否かを確認する(S314)。S314において、ケーブルレスセットアップ用のネットワークを発見できた場合には、GOが形成しているケーブルレスセットアップ用のネットワークに接続し(S315)、GOから、接続先となるGOの情報を取得する(S316)。
【0036】
S316において接続先となるネットワーク情報を取得すると、接続したケーブルレスセットアップ用のネットワークを切断し(S317)、CL機能を停止して(S318)、S307に処理を進める。
【0037】
S314において他の装置がGOで形成しているケーブルレスセットアップ用のネットワークを発見できずタイムアウトした場合、S301においてリトライするか否かを判定した後、S302において再びAP機能を起動して上述の処理を行う。
【0038】
本実施形態ではケーブルレスセットアップ時にAP機能を先に起動し、接続先のネットワーク情報を受信できなかった場合にSTA機能を起動する例を示したが、これに限定されない。例えば、STA機能を先に起動し、ネットワーク情報を受信できなかった場合に、AP機能を起動するように制御してもよい。
【0039】
本実施形態によると、ケーブルレスセットアップ時にAP機能およびCL機能を順次起動することで、相手装置と接続するためのネットワークの情報を認識している通信装置が存在しない場合であっても、接続先のネットワーク情報を取得することが可能になる。
【0040】
図4は、本実施形態のSTA101が接続先のネットワークの情報を受信するための動作シーケンスの一例を示している。
図4は、
図3のS304においてSTA101が構築したケーブルレスセットアップ用のネットワークにおいて設定用のSTAと接続できなかった場合のシーケンスを示している。
【0041】
STA101は、ユーザ操作を契機に、AP機能を起動してケーブルレスセットアップ用のネットワークとしてSSIDがPrinterSetupのネットワークを形成する(S401)。STA103は、ユーザ操作を契機に、ケーブルレスセットアップ用のネットワークとしてSSIDがDIRECT-PrinterSetupのネットワークを形成する(S402)。
【0042】
STA101は、ケーブルレスセットアップ用のネットワークにおいてSTAの接続を一定時間待機し、ケーブルレスセットアップ用のネットワークにおいて他の装置と接続を確立しなかったので、AP機能を停止し(S403)、CL機能を起動する(S404)。S404においてCL機能を起動するとSTA101は、GOがケーブルレスセットアップ用のネットワークを形成しているかを検索し、ケーブルレスセットアップ用のネットワークを発見すると、接続を行う(S405)。STA101は、STA103から、SSIDがDIRECT-SmartDeviceのネットワークの情報を取得する(S406)。接続先の情報を取得した後、STA101は、SSIDがDIRECT-PrinterSetupのネットワークを切断し(S407)、CL機能を停止する(S408)。STA103は、ケーブルレスセットアップ用のネットワークを形成しているGOを停止し、ケーブルレスセットアップ用のネットワークを終了する(S409)。STA101は、接続先と接続を行うため、STA機能を起動する(S410)。STA103は、接続を確立するためにGOを起動し、SSIDがDIRECT-SmartDeviceのネットワークを形成する(S411)。STA101は、取得した接続先の情報を設定して、SSIDがDIRECT-SmartDeviceのネットワークに接続する(S412)。
【0043】
なお、本実施形態においては、S302およびS312にて、AP機能、CL機能の順で起動したが、CL機能、AP機能の順で順次起動して、接続先の情報を受信するようにしてもよい。
【0044】
<実施形態2>
実施形態1では、ケーブルレスセットアップ時にSTA101のAP機能とCL機能を順次起動することで、接続先のネットワーク情報を受信する例を示した。本実施形態では、AP機能およびCL機能(またはSTA機能)を並行して起動することで、接続先の情報を受信して設定を行う。ここで起動するAP機能は、ケーブルレスセットアップモードのための親局である。
【0045】
図5は、STA101の記憶部207に記憶されているプログラムを制御部206が実行することによって行われる処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、ユーザが入力部202を操作して、接続先の設定メニューを選択した場合に開始される。処理が開始されると、ケーブルレスセットアップ用のネットワークを形成するためにAP機能を起動する(S501)。S501においては、接続先となるAPもしくはGOの情報を、STAから受信できるよう、AP機能によってケーブルレスセットアップ用の所定のSSIDのケーブルレスセットアップ用のネットワークを形成する。さらに当該ネットワークにSTAが接続するのを一定時間待機する(S502)。次に、CL機能を起動する(S503)。S503においては、AP機能を起動しながら並行してCL機能を起動している。S503においてCL機能を起動すると、他の装置がGOとしてケーブルレスセットアップ用のネットワークを形成しているかを検索する(S504)。
【0046】
次に、ケーブルレスセットアップ用のネットワークにおいてSTAが接続したかまたは、他の装置がGOで形成しているケーブルレスセットアップ用のネットワークを発見できたか否かを確認する(S505)。ケーブルレスセットアップ用のネットワークにおいてSTAと接続したと確認された場合、CL機能を停止し(S506)、STAから、接続先となるAPもしくはGOの情報を取得する(S507)。ここでS507の接続先の情報は、APもしくはGOのSSIDおよびパスワードとする。S504において接続先の情報を取得すると、AP機能を停止し(S508)、接続先となるAPもしくはGOと接続するため、STA機能を起動する(S509)。なお、S507で取得した接続先の情報のSSID等から接続先がGOであると判断できる場合には、STA機能を起動する代わりにCL機能を起動して、接続先に接続するようにしてもよい。
【0047】
S509においてSTA機能を起動すると、S507においてSTAから受信した接続先の情報を、STA機能に設定し、接続先に接続を試行する(S510)。次に、接続先に接続できたか否かを判定する(S511)。S511において接続できたと判定された場合には、本フローチャートを終了する。また、S511において接続できなかったと判定された場合には、設定が完了しなかった旨のエラー表示を行い(S512)、本フローチャートを終了する。
【0048】
一方でS505において、他の装置が形成しているケーブルレスセットアップ用のネットワークを発見できた場合には、AP機能を停止し(S513)する。また、GOが形成しているケーブルレスセットアップ用のネットワークに接続し(S514)、GOから、接続先となるGOの情報を取得する(S515)。
【0049】
次に、接続したケーブルレスセットアップ用のネットワークを切断し(S516)、CL機能を停止して(S517)、S509に処理を進める。
【0050】
またS505において、一定時間経過してもケーブルレスセットアップ用のネットワークにおいてSTAが接続せず、かつ他の装置のGOが形成しているケーブルレスセットアップ用のネットワークを発見できなかった場合、エラー表示を行う(S512)。S512においてエラー表示を行うと本フローチャートを終了する。
【0051】
本実施形態によると、ケーブルレスセットアップ時にAP機能およびCL機能を並行して起動することで、相手装置と接続するためのネットワークの情報を認識している通信装置が存在しない場合であっても、当該ネットワーク情報を取得することが可能になる。
【0052】
図6は、本実施形態のSTA101が接続先のネットワークの情報を受信するための動作シーケンス例を示している。
図6は、
図5のS505においてケーブルレスセットアップ用のネットワークを発見できた場合のシーケンスを示している。
【0053】
STA101は、ユーザ操作を契機に、AP機能を起動してケーブルレスセットアップ用のネットワークとしてSSIDがPrinterSetupのネットワークを形成する(S601)。STA103は、ユーザ操作を契機に、ケーブルレスセットアップ用のネットワークとしてSSIDがDIRECT-PrinterSetupのネットワークを形成する(S602)。さらにSTA101は、AP機能を起動しながら並行してCL機能を起動する(S603)。
【0054】
STA101は、CL機能において、他の装置のGOがケーブルレスセットアップ用のネットワークを形成しているかを検索する。ケーブルレスセットアップ用のネットワークを発見できた場合は、AP機能を停止し(S604)、ケーブルレスセットアップ用のネットワークを形成しているSTA103と接続を行う(S605)。STA101は、STA103から、SSIDがDIRECT-SmartDeviceのネットワークの情報を取得する(S606)。S606において接続先の情報を取得した後、STA101は、ケーブルレスセットアップ用のネットワークであるSSIDがDIRECT-PrinterSetupのネットワークを切断し(S607)、CL機能を停止する(S608)。S608においてSTA101によってCL機能が停止されると、STA103はケーブルレスセットアップ用のネットワークを形成しているGOを停止し、ケーブルレスセットアップ用のネットワークを終了する(S609)。STA101は、接続先の装置と接続を行うため、STA機能を起動する(S610)。STA103は、STA101と接続を確立するためにGOを起動し、SSIDがDIRECT-SmartDeviceのネットワークを形成する(S611)。STA101は、取得した接続先の情報を設定して、SSIDがDIRECT-SmartDeviceのネットワークに接続する(S612)。
【0055】
<実施形態3>
実施形態2では、ケーブルレスセットアップ時にSTA101がAP機能およびCL機能を並行して起動することで接続先のネットワーク情報を取得する例を示した。本実施形態では、ケーブルレスセットアップ時にSTA101の2つ以上のインタフェースにおいて接続を確立していない状態の場合は、AP機能およびCL機能を並行して起動する。また接続を確立していない状態のインタフェースが2以上ない場合では、AP機能およびCL機能を順次起動して、接続先の情報を受信する例を示す。
【0056】
図7は、STA101の記憶部207に記憶されているプログラムを制御部206が実行することによって行われる処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、ユーザが入力部202を操作して、接続先の設定メニューを選択した場合に開始される。処理が開始されると、第1の無線I/F部、すなわち無線I/F部204で、接続先と接続を確立しているか否かを判定する(S701)。
【0057】
S701において、接続を確立していないと判定された場合、第2の無線I/F部、すなわち無線I/F部205で、接続先と接続を確立しているか否かを判定する(S702)。S702において接続を確立していないと判定された場合、STA101は使用可能なインタフェースは2つ以上ある。そのため、複数のインタフェースを用いて接続先のネットワークの情報を取得するために実施形態2で示した設定処理を行い(S703)、本フローチャートを終了する。S703においては、無線I/F部204および無線I/F部205で、それぞれAP機能とCL機能を並行して起動し、ケーブルレスセットアップネットワークにおいて、STAもしくはGOから接続先の情報を取得できるようにする。
【0058】
一方でS702において、接続を確立していると判定された場合、実施形態1で示した設定処理を行い(S704)、処理を終了する。S704において無線I/F部204でAP機能とCL機能を順次起動して、STAもしくはGOから接続先の情報を取得できるようにする。
【0059】
S701において、接続を確立していると判定された場合、無線I/F部205で接続先と接続を確立しているか否かを判定する(S705)。S705において接続を確立していないと判定された場合、STA101において使用可能なインタフェースは1つである。そのため、1つのインタフェースを用いて接続先のネットワークの情報を取得するために実施形態1で示した設定処理を行い(S706)、本フローチャートを終了する。S706においては、無線I/F部205で、AP機能とCL機能を順次起動して、STAもしくはGOから接続先の情報を取得できるようにする。S705において、接続を確立していると判定された場合、設定が完了しなかった旨のエラー表示を行い(S707)、本フローチャートを終了する。
【0060】
本実施形態によると、複数のインタフェースを有する通信装置のインタフェースの接続状況に基づいて、AP機能とCL機能を順次起動または並行して起動することで、相手装置と接続するためのネットワークの情報を取得することが可能になる。
【0061】
実施形態1から3においてCL機能を起動して、ケーブルレスセットアップ用のネットワークを形成したGOから、接続先の情報を取得するようにしたが、これに限定されない。例えば、CL機能を起動する代わりにSTA機能を起動して、ケーブルレスセットアップ用のネットワークを形成したAPから、接続先の情報を取得するようにしてもよい。
【0062】
本実施形態に記載のSTA103は印刷手段を有するプリンタであってもよい。プリンタとして動作する場合は、例えば相手装置と通信することで取得したデータを印刷することが可能である。
【0063】
また、本実施形態に記載のSTA103は撮像手段を有するカメラであってもよい。カメラとして動作する場合は、例えば相手装置と通信することで撮像したデータを送信することが可能である。
【0064】
尚、上述の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体をシステムあるいは装置に供給し、システムあるいは装置のコンピュータ(CPU、MPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行するようにしてもよい。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述の実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は上述の装置を構成することになる。
【0065】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0066】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSが実際の処理の一部または全部を行い、上述の機能を実現してもよい。OSとは、Operating Systemの略である。
【0067】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードを、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込む。そして、そのプログラムコードの指示に基づき、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUが実際の処理の一部または全部を行い、上述の機能を実現してもよい。
【0068】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0069】
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
【0070】
(構成1)
通信装置であって、前記通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得する第1の取得手段と、第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段または前記第2の取得手段が取得した接続情報が示す接続先に接続する接続手段と、前記通信装置が前記第1のネットワークを構築した後、前記第1の他の通信装置が接続せずに所定時間が経過したことに基づき、前記第2のネットワークの検索を開始する制御手段と、を有することを特徴とする通信装置。
【0071】
(構成2)
通信装置であって、前記通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得する第1の取得手段と、第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段または前記第2の取得手段が取得した接続情報が示す接続先に接続する接続手段と、前記通信装置が前記第2のネットワークの検索を開始した後、前記第2のネットワークが発見されずに所定時間が経過したことに基づき、前記第1のネットワークを構築する制御手段と、を有することを特徴とする通信装置。
【0072】
(構成3)
前記通信装置が構築した第1のネットワークに第1の他の通信装置が接続した場合に、当該第1の他の通信装置から接続情報を取得する第1の取得手段と、第2の他の通信装置が構築した第2のネットワークに前記通信装置が接続した場合に、当該第2の他の通信装置から接続情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段または前記第2の取得手段が取得した接続情報が示す接続先に接続する接続手段と、前記通信装置を前記接続先に接続させるための所定の指示を受け付けたことに基づき、前記第1のネットワークの構築と前記第2のネットワークの検索を並行して実行させる制御手段と、を有することを特徴とする通信装置。
【0073】
(構成4)
前記情報はSSID(Service Set ID)であることを特徴とする構成1から構成3の何れか1つの構成に記載の通信装置。
【0074】
(構成5)
前記通信装置は印刷手段を有するプリンタであることを特徴とする構成1から4の何れか1つの構成に記載の通信装置。
【0075】
(構成6)
コンピュータを構成1から5の何れか1つの構成に記載の通信装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0076】
201 電源部
202 入力部
203 出力部
204 無線I/F部
205 無線I/F部
206 制御部
207 記憶部
208 アンテナ