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特開2023-179905アンジオポエチンー2のヒト血液中存在形態分析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179905
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】アンジオポエチンー2のヒト血液中存在形態分析方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/53 20060101AFI20231213BHJP
【FI】
G01N33/53 D
G01N33/53 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092822
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】722005477
【氏名又は名称】根木 茂人
(72)【発明者】
【氏名】根木 茂人
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ヒト血漿・血清中の内因性アンジオポエチン-2の存在形態を明らかにする
【解決手段】ヒト血漿・血清からアンジオポエチン-2を単離し、高感度Western Blot分析による方法を開発した。アンジオポエチン-2の単離は、通常のELISAプレートを用いて吸着し、塩化リチウムとドデシル硫酸リチウム塩からなる変性液を用いてプレートから脱離させる。得られた変性液をSDS電気泳動後、PDVF膜へ転写して、SH基とNH2基の両方を修飾したアンジオポエチン-2抗体2つを用いる高感度Western Blot分析法により、ヒト血漿・血清中の内因性アンジオポエチン-2の存在形態を明らかにする分析方法を確立した。健常成人のヒト血漿・血清中のアンジオポエチン-2を用いた結果では、モノマーとダイマーを中心とする混合体であることを明らかとし、本発明の有用性を示した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンジオポエチン-2抗体を二つ用いてアンジオポエチン-2検出を行い、感度の向上を可能とする。
【請求項2】
アンジオポエチン-2抗体のジスルフィド基にはマレインイミドを利用して、アミノ基には活性エステルを利用し、抗体に存在する両方の官能基にビオチンを導入し、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で修飾されたストレプトアビジンあるいはアビジンを使ってアンジオポエチン-2検出を行い、感度の向上を可能とする。
【請求項3】
異なるエピトープを認識するアンジオポエチン-2抗体を2つ用いてWestern blot検出を行い、感度の向上を可能とする。
【請求項4】
電気泳動に用いるサンプルバッファーの組成としてラウリル硫酸ナトリウム(SDS)とラウリル硫酸リチウム(LDS)を混合しラウリル硫酸イオンとして10%を超える緩衝液を使用することにより、Western blot分析の感度の向上を可能とする。
【請求項5】
ヒト血液(血清あるいは血漿)に20%の割合でクエン酸ナトリウム水溶液あるいはEDTA ナトリウム水溶液を加えて、ELISA分析用のプレートに加え、アンジオポエチン-2を効率的に吸着させる。
【請求項6】
ELISA分析用のプレートを用いて、アンジオポエチン-2を含む抗原溶液を吸着させ、変性を行ってプレートに吸着させた抗原を脱離させ、これを電気泳動を用いてゲルに分子量順に展開を行い、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜にゲルから転移を行い、PVDF膜に吸着されたアンジオポエチン-2を修飾されたアンジオポエチン-2抗体を用いてWestern blot分析で検出を行う。
【請求項7】
ELISA分析用のプレートを用いて、アンジオポエチン-2を含む抗原溶液を吸着させ、塩化リチウム(LiCl)とLDSからなるリン酸リチウム(LiPO4)緩衝液(pH 5~6)で変性を行ってプレートに吸着させた抗原を脱離させることにより、Western blot分析の障害となるELISA分析用のプレートに結合させたアンジオポエチン-2抗体の変性体を抑制すること。
【請求項8】
ELISA分析用のプレートを用いて、アンジオポエチン-2を含む血清あるいは血漿を吸着させ、トリス緩衝液(pH 7~9)で短時間洗浄することで、非特異的な反応をする物質を除去し、変性を行ってプレートに吸着させた抗原を脱離させることにより、Western blot分析の障害となる非特異的反応を起こす血清あるいは血漿成分を除去すること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンジオポエチン-2はオリゴマーとして存在するとされているが、ヒト血液(血清あるいは血漿)中の存在形態については知られていないため、簡便な方法でヒト血液中のアンジオポエチン-2存在形態を調べることを可能とする新規な分析方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1及び非特許文献2において述べられているように、アンジオポエチン-2は血管新生に関わる受容体型チロシンキナーゼタンパク質Tie2受容体の天然のアンタゴニストで、アゴニストのアンジオポエチン-1と同様にオリゴマーとしてTie2受容体に作用することが知られている。
【0003】
非特許文献3では、アンジオポエチン-2は、ガンをはじめとする様々な疾患で増加すること報告されており、中でも多くのガンではアンジオポエチン-2の量と生存率との関係性があるとされ、血液中のアンジオポエチン-2量が多いほど予後が悪いことが報告されている。
【0004】
また、非特許文献4では、糖尿病においては網膜症を発症している患者でアンジオポエチン-2の量が多くなっているとの報告がされている。
【0005】
一方、アンジオポエチン-2をコードする遺伝子を人工的に作成し、各種細胞にウイルスなどを使って導入し、ヒト型アンジオポエチン-2を産生させ、単離してその物理化学的、生物学的な特質を明らかにする研究が行われてきた。
【0006】
非特許文献5では、293T human embryonic kidney (HEK293T)細胞にアンジオポエチン-2 プラスミドを導入し、アンジオポエチン-2を発現させ、Tie2-FCを使って免疫沈降して取り出し、電気泳動後、Western blot分析を行いジスルフィド結合で架橋された複合体を検出したと報告している。
【0007】
非特許文献6では、c-Myc tag およびαHis tag を修飾可能な状態にしサイトメガロウイルスを用いてヒトアンジオポエチン-2 DNAをCOS-7 細胞に導入しアンジオポエチン-2を発現させ、ニッケル錯体を用いて精製を行いアンジオポエチン-2のモノマーとダイマーを検出したと報告している。
【0008】
非特許文献7では、ヒト臍帯静脈内皮細胞 (HUVEC)中でアンジオポエチン-2を発現し、sTie2-Fcにより免疫沈降で単離し、電気泳動後、Western blot分析を行い、主としてダイマーを検出したと報告している。
【0009】
非特許文献8では、バキュロウイルスを用いてinsect cell (Sf9)中でMycを標識したアンジオポエチン-2を発現しsTie2により免疫沈降で単離し、電気泳動後、Western blot分析を行い、主としてダイマーを検出したと報告している。
【0010】
非特許文献9では、ルイス肺ガン (LLC) あるいはTA3 乳腺がん細胞にアンジオポエチン-2をコードする遺伝子を導入してアンジオポエチン-2を発現させ、血清フリーの培養液を、電気泳動後、Western blot分析を行いモノマー、ダイマー、オリゴマーの混合体を検出したと報告している。
【0011】
多くの細胞培養系ではアンジオポエチン-2はダイマーとして存在することが報告されているが、がん細胞の培養では多数のオリゴマーとして存在することが確認されている。ヒト血液(血清あるいは血漿)中のアンジオポエチン-2の存在形態はダイマーとして考えられているが、細胞培養系の結果から考えるとガン患者で増加すると報告されているアンジオポエチン-2がダイマーであるかあるいは別の形態であるかは興味が持たれるところである。しかし、技術的な限界からヒト血液(血清あるいは血漿)中のアンジオポエチン-2の存在形態については報告が無く、その存在形態に関して調べることができなかった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Hanahan D. Signaling Vascular Morphogenesis and Maintenance. Science, 277, 48―50 (1997).
【非特許文献2】Kim I, Kim JH, Moon SO, Kwak HJ, Kim NG, Koh GY, Angiopoietin -2 at high concentration can enhance endothelial cell survival through the phosphatidylinositol 3'-kinase/Akt signal transduction pathway, Oncogene, 19, 4549―4552 (2000).
【非特許文献3】Jary M, Vernerey D, Lecomte T, Dobi E, Ghiringhelli F, Monnien F, Godet Y, Kim S, Bouche O, Fratte S, Gonsalves A, Leger J, Queiroz L, Adotevi O, Bonnetain F, Borg C. Prognostic value of Angiopoietin -2 for death risk stratification in patients with metastatic colorectal carcinoma. Cancer Epidemiol. Biomarkers Prev., 24, 603―612 (2015).
【非特許文献4】Khalaf N., Helmy H., Iabib H., I. Fahmy, Hamid M. A. E., Moemen L. Role of Angiopoietins and Tie-2 in Diabetic Retinopathy. Electronic Physician. 9. 5031―5035 (2017).
【非特許文献5】Maisonpierre PC, Suri C, Jones PF, Bartunkova S, Wiegand SJ, Radziejewski C, Compton D, McClain J, Aldrich TH, Papadopoulos N, Daly TJ, Davis S, Sato TN, Yancopoulos GD. Angiopoietin -2, a natural antagonist for Tie2 that disrupts in vivo angiogenesis. Science, 277, 55―60 (1997).
【非特許文献6】Procopio WN, Pelavin PI, Lee WMF, Yielding NM. Angiopoietin -1 and -2 coiled coil domains mediate distinct homo-oligomerization patterns, but fibrinogen-like domains mediate ligand activity. J. Biol. Chem., 274, 30196―30201 (1999).
【非特許文献7】Kim I, Kim JH, Ryu YS, Jung SH, Nah JJ, Koh GY. Characterization and expression of a novel alternative spliced human Angiopoietin-2. J. Biol. Chem., 275, 18550―18556 (2000).
【非特許文献8】Kim HZ, Jung K, Kim HM, Cheng Y, Koh GY. A designed Angiopoietin -2 variant, pentameric COMP-Ang2, strongly activates Tie2 receptor and stimulates angiogenesis. Biochim. Biophys. Acta, 1793, 772―780 (2009).
【非特許文献9】Yin X., Qin Y. Angiopoietin-1, Unlike Angiopoietin-2, Is Incorporated into the Extracellular Matrix via Its Linker Peptide Region. J. Biol. Chem., 276, 34990―34998 (2001).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
アンジオポエチン-2はオリゴマーとして存在する事が報告されているが、ヒト血液(血清あるいは血漿)中で低濃度のタンパク質に関しては、その存在形態については簡便な分析方法が知られていないため調べることができなかった。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、これまで明らかとされてこなかったヒト血液(血清あるいは血漿)中アンジオポエチン-2の存在形態を明らかにできる分析方法を提供することにより、Tie2関連の血管新生に関するアンジオポエチン-1および2の役割を理解することに貢献するだけでなく、ガンをはじめとする多くの疾患でアンジオポエチン-2量の変化が報告されており、疾患の診断マーカーあるいは新たな治療方法が見いだされる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、ヒト血液(血清あるいは血漿)中のアンジオポエチン-2の吸着をアンジオポエチン-2抗体を固相したELISAプレートを用いて行い、プレートに吸着したアンジオポエチン-2を変性をしてプレートから取り出し、変性したアンジオポエチン-2溶液をWestern blot分析により分析して存在形態を明らかにする方法を提供することにある。
【0016】
本発明は、ヒト血液(血清あるいは血漿)中のng/mLという低濃度のアンジオポエチン-2を高感度で検出できるように複数の方法でビオチン修飾化を行ったアンジオポエチン-2抗体を用いて高感度なWestern blot分析を可能にする方法を提供することにある。
【0017】
本発明は、ヒト血液(血清あるいは血漿)中のng/mLという低濃度のアンジオポエチン-2濃度を高感度で検出できるように複数の方法でビオチン修飾化を行ったアンジオポエチン-2抗体で異なるエピトープを認識するアンジオポエチン-2抗体二つを用いて高感度なWestern blot分析を可能にする方法を提供することにある。
【0018】
ヒト血液(血清あるいは血漿)中のアンジオポエチン-2の吸着をアンジオポエチン-2抗体を固相したELISAプレートを用いて行い、プレートに吸着したアンジオポエチン-2を変性をしてプレートから取り出し、変性したアンジオポエチン-2溶液を電気泳動で分離し、検出感度に合わせるため限外濾過装置により適切な方法で濃縮し、ゲルからタンパク質を膜に転写し、複数の方法でビオチン修飾化を行ったアンジオポエチン-2抗体で異なるエピトープを認識する高感度化したアンジオポエチン-2抗体二つを用いてアンジオポエチン-2の組成をWestern blot分析する方法を提供することにある。
【0019】
本課題を解決する概念を図1に示した。
第1段階:ELISAプレートにアンジオポエチン-2抗体を吸着し、固相プレートを作成する。
第2段階:アンジオポエチン-2を含む試料(血液試料を含む)を上記固相プレートに加え、反応をする。
第3段階:固相プレートを洗浄し、アンジオポエチン-2がELISAプレートに固定したアンジオポエチン-2抗体に結合した状態を作る。
第4段階:第3段階のプレートは通常のELISA測定法で、各ウエルに存在するアンジオポエチン-2量を分析する。
第5段階:一方、検出に使用しないウエルに変性液を加え、アンジオポエチン-2をプレートに固定したアンジオポエチン-2抗体から脱離させ、変性溶液中に溶出させる。
第6段階:変性液を取り出し、濃縮などを行い、Western blot分析を行う。
【0020】
この分析概念を実現するには下記の課題を解決する分析手段および単離手段を開発する必要があった。
【0021】
1) ヒト血液中のアンジオポエチン-2の量はng/mLと微量であり、高感度に検出できるWestern blot分析条件を確立する必要があった。
【0022】
2) 本発明は、抗体を固相したELISAプレートにアンジオポエチン-2を選択的に吸着し、変性して脱離させる方法を採用しているため、効率的に変性して高純度のアンジオポエチン-2を単離する手段を確立する必要があった。
【0023】
3) 本発明は、抗体を固相したELISAプレートにアンジオポエチン-2を選択的に吸着し、変性して脱離させた後、高感度にアンジオポエチン-2を検出する必要があり、アンジオポエチン-2だけを検出できるWestern blot分析手段を確立する必要があった。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】分析法概念
図2】サンプルバッファー中のSDSとLDSの比率によるAng2 モノマー検出感度の比較
図3】抗体2種を組み合わせることによるAng2 モノマー検出感度の比較
図4】SH基ビオチン標識化抗体とSH基NH2基ビオチン標識化抗体2種の組み合わせによるAng2 モノマー検出感度の比較
図5】SH基NH2基ビオチン標識化抗体2種の組み合わせによるAng2 ダイマー検出
図6】各種変性条件とAng2 の残存量
図7図6各種変性条件液のWestern blot分析
図8】ヒト血漿・血清における添加剤のAng2抗体プレートへの吸着効果
図9】ヒト血漿・血清を用いて吸着後、トリス緩衝液洗浄効果比較
図10】ヒト血漿・血清を用いて吸着後、トリス緩衝液洗浄有り無しにおける、変性溶液のWestern Blot分析
図11】本発明に従い取り出し分析した ヒト血漿・血清中のAng2 Western Blot分析
図12】ヒト血漿・血清サンプルにおけるAng2のプレート吸着結果
図13図12のAng2吸着プレートへの変性液処理結果
【実施例0025】
<ELISA分析用のプレートの作成>
【0026】
ヌンクELISA用プレートを用意し、アンジオポエチン-2抗体を溶解した溶液100 μLを各ウエルに加え、24時間以上静置後、溶液を抜き出し、洗浄液で洗浄し、ブロッキングを行い、洗浄液で洗浄し、溶液を抜き取りアンジオポエチン-2抗体を吸着させたプレートを作成した。
【実施例0027】
<高感度検出用サンプルバッファーの調製>
【0028】
SDS (sodium dodecyl sulfate)あるいはLDS(lithium dodecyl sulfate)を100 mg秤取り、0.3 mLの50%グリセリン水溶液と0.312 Mのトリス緩衝液(pH 6.8~7.5)0.7 mLの混合液に溶解する。ブロモフェノールをわずか加えサンプルバッファーを調製した。
【0029】
SDSとLDSを組み合わせることによるアンジオポエチン-2モノマーを用いた検出感度への影響を図2に示したが、本発明で述べる分析条件においては、LDSが多い系では検出感度が低く、SDSが多い系でも検出感度が低く、LDSとSDSを1:1で混合することで検出感度が向上した。
本実施例で作成したサンプルバッファーは実施例4及び実施例8で使用した。
【0030】
図2) サンプルバッファー中のSDSとLDSの比率によるAng2 モノマー検出感度の比較
【実施例0031】
<ビオチンをSH基とNH2基両方に修飾したアンジオポエチン-2抗体の作成>
【0032】
SHビオチン標識キット(例えば同人化学のSH LK10)を使用してアンジオポエチン-2 マウスモノクロナール抗体の溶液 (0.5 mg/mL) 50 μLを還元剤と反応させジススルフィド結合を開裂した後、SH基と反応するビオチン化試薬を反応させ、SHビオチン標識化アンジオポエチン-2 マウスモノクロナール抗体(Ang2-Mab(A)-SHおよびAng2-Mab(B)-SH)を得た。さらに、NH2ビオチン標識キット(例えば同人化学のNH2, LK03)を使用してNH2ビオチン化を行い、SHおよびNH2ダブルビオチン標識化アンジオポエチン-2 マウスモノクロナール抗体(Ang2-Mab(A)-SNおよびAng2-Mab(B)-SN)を得た。
【実施例0033】
<ビオチンでSH基とNH2基両方を修飾したアンジオポエチン-2抗体によるアンジオポエチン-2 モノマーの検出>
【0034】
アンジオポエチン-2 モノマー を希釈し、希釈液12 μLと実施例2で作成したサンプルバッファー4 μLを混ぜ、60℃で5分間加熱した。このうち14 μLを電気泳動装置にセットしたポリアクリルアミドゲル(例えばATTO e-PAGEL E-R520L)のウエルに入れ、電気泳動を行った。泳動終了後、ゲルを外し、タンパク質転写装置(例えばBio-Rad社のSemi-Dry Electrophoretic Transfer Cell)に濾紙とPVDF膜、ゲルを設置し通電を行った。
【0035】
PVDF膜を取り出し、トリス緩衝溶液で洗浄した後、ウシ血清アルブミン(BSA)を含むトリス緩衝溶液でブロッキングした。トリス緩衝溶液で洗浄後、実施例3で作成した2種類のSHおよびNH2ダブルビオチン標識化アンジオポエチン-2 マウスモノクロナール抗体を溶かしたトリス緩衝溶液に浸し、遮光状態で4時間振盪した。取り出したPVDF膜をトリス緩衝溶液で洗浄後、HRP修飾されたavidinを溶かしたトリス緩衝溶液に浸し、遮光状態で1時間振盪した。取り出したPVDF膜をトリス緩衝溶液で洗浄後、化学発光試薬を加えて発光させ、イメージスキャナーでバンドを検出した。
【0036】
BiotinでSH基とNH2基両方を修飾したアンジオポエチン-2抗体を2つ用いることによる検出感度の向上効果を示すため、市販アンジオポエチン-2モノマーおよびダイマーを使った以下の3つの分析例を示す。
【0037】
<分析例1>:異なるエピトープを認識するアンジオポエチン-2マウスモノクロナール抗体を(Ang2-Mab(A)あるいはAng2-Mab(B))とHRP化されたMouse IgG抗体を用いた高感度検出の例
【0038】
アンジオポエチン-2 モノマーを電気泳動し、転写して、ブロッキングした後のPVDF膜に対して、アンジオポエチン-2マウスモノクロナール抗体(Ang2-Mab(A))あるいは(Ang2-Mab(B))あるいは両方を溶解したトリス緩衝溶液を用いて低温で終夜反応した。トリス緩衝溶液洗浄後、HRP修飾されたMouse IgG抗体(HRP anti-M IgG Mab)を溶かしたトリス緩衝溶液で1時間振盪した。トリス緩衝溶液で洗浄後、化学発光試薬を加えて発光させ、イメージスキャナーでバンドを検出した。
【0039】
結果を図3に示したように、Ang2-Mab(A)単独では100 ngが検出限度で、Ang2-Mab(B)単独では1000 ngでも検出が困難だったが、二つの抗体を用いて検出することにより、10 ngのサンプルでも高感度にアンジオポエチン-2を検出可能なことを示し、抗体二つを用いることの優位性を示した。
【0040】
図3) 抗体2種を組み合わせることによるAng2 モノマー検出感度の比較
【0041】
<分析例2>:BiotinでSH基を修飾したアンジオポエチン-2抗体を2つ用いた検出と、BiotinでSH基とNH2基両方を修飾したアンジオポエチン-2抗体を2つ用いることによる検出の感度比較
【0042】
アンジオポエチン-2 モノマーを電気泳動し転写してブロッキングした後のPVDF膜に対して実施例3の記述の前半で調製したSHビオチン標識化アンジオポエチン-2 マウスモノクロナール抗体(Ang2-Mab(A)-SH とAng2-Mab(B)-SH)を反応させる、あるいは、実施例3で調製したSH&NH2ビオチン標識化アンジオポエチン-2 マウスモノクロナール抗体(Ang2-Mab(A)-SN とAng2-Mab(B)-SN)を用いて、遮光状態で4時間振盪した。トリス緩衝溶液で洗浄後、HRP修飾されたavidinを溶かしたトリス緩衝溶液で1時間振盪した。トリス緩衝溶液で洗浄後、化学発光試薬を加えて発光させ、イメージスキャナーでバンドを検出した。
【0043】
結果を図4に示したように、SHビオチン標識化抗体(Ang2-Mab(A)-SH とAng2-Mab(B)-SH)では3.0 ngが検出限度だったが、SH&NH2ビオチン標識化アンジオポエチン-2 マウスモノクロナール抗体(Ang2-Mab(A)-SN とAng2-Mab(B)-SN)を用いることで約10倍の高感度化が達成され、0.33 ngでもアンジオポエチン-2を検出可能なことを示した。この方法はHRP修飾されたMouse IgG抗体を使う必要が無いため、非特異的反応による検出を避けることができる長所もあることも明らかとした。
【0044】
図4) SH基ビオチン標識化抗体とSH基NH2基ビオチン標識化抗体2種の組み合わせによるAng2 モノマー検出感度の比較
【0045】
<分析例3>:BiotinでSH基とNH2基両方を修飾したアンジオポエチン-2抗体を2つ用いることによるアンジオポエチン-2 ダイマー検出
【0046】
アンジオポエチン-2 ダイマーを電気泳動し転写してブロッキングした後のPVDF膜に対して実施例3で調製したSH&NH2ビオチン標識化アンジオポエチン-2 マウスモノクロナール抗体(Ang2-Mab(A)-SN とAng2-Mab(B)-SN)を用いて、遮光状態で4時間振盪した。トリス緩衝溶液で洗浄後、HRP修飾されたavidinを溶かしたトリス緩衝溶液で1時間振盪した。トリス緩衝溶液で洗浄後、化学発光試薬を加えて発光させ、イメージスキャナーでバンドを検出した。
【0047】
結果を図5に示したように、SH&NH2ビオチン標識化アンジオポエチン-2 マウスモノクロナール抗体(Ang2-Mab(A)-SN とAng2-Mab(B)-SN)を用いて、アンジオポエチン-2 ダイマーでも0.33 ngの高感度で検出可能なことを示した。これにより、血中に存在するアンジオポエチン-2がモノマーであっても、ダイマーであっても検出可能なことを示した。
【0048】
図5) SH基NH2基ビオチン標識化抗体2種の組み合わせによるAng2 ダイマー検出
【実施例0049】
<ELISA分析用プレートに吸着させたアンジオポエチン-2を変性・脱離する条件>
【0050】
アンジオポエチン-2 モノマーをELISA分析用のプレートに吸着し、8%LiCl-0.016%LDS- LiPO4緩衝液(pH 5)溶液(40 μL)を加え30分間室温で反応した。変性液を取り出し、Western blot分析を行うとともに、取り出した後、純水で洗浄し、通常のELISA分析の手順に従い二次抗体加え、発色試薬で反応して、残っているアンジオポエチン-2量を定量した。
【0051】
最適した変性液である「8%LiCl-0.016%LDS- LiPO4緩衝液(pH 5)溶液」の代わりに変性液の各組成あるいは濃度を変え、アンジオポエチン-2変性への効果を明らかにする目的で、以下の溶液を加え、除去後、残存アンジオポエチン-2量を定量し、残存量として求めた試験結果を図6に示した。
【0052】
変性液が入っていない純水ではアンジオポエチン-2残存量は変化がなかった(番号1)。1%SDSあるいは1%LDSを用いると変性が起こり、アンジオポエチン-2残存量は激減した(番号2,3)。LiCl量とLDS量により変性に影響があり、LiClを入れないとLDSだけでは変性が進まず(番号4)、LiClが多すぎても変性が起きにくく(番号9)、LDSを入れないとLiClだけでは変性が起こりにくくなることがわかった(番号5)。変性条件としては2%~8%LiCl0.016%LDS- LiPO4緩衝液(pH 5)溶液が適当と分かった(番号6,7,8)。
【0053】
さらに、これら変性液サンプルに関してWestern blot分析を行った結果を図7に示した。1%SDS, 1%LDSでは非特異的なバンドである200 KDa付近の非特異バンドが見られた。このバンドはおそらくプレート上のアンジオポエチン-2も変性を起こし、プレートから脱離した成分ではないかと推察し、より温和な変性液が望ましいことが分かった。番号6,7,8の条件ではこの非特異的バンドは検出されず、さらに図6の結果から変性が安定している番号8の条件を最適変性条件とした。
【0054】
図6) 各種変性条件とAng2 の残存量
【0055】
図7図6各種変性条件液のWestern blot分析
【実施例0056】
< ヒト血漿・血清を用いたアンジオポエチン-2のELISAプレートへの吸着>
【0057】
ヒト血漿あるいは血清に含まれるアンジオポエチン-2を実施例1で作成したELISAプレートに効率良く吸着させる条件を最適化し、以下の条件を見いだした。
ヒト血漿あるいは血清110 μLに0.3 Mエチレンジアミン四酢酸三ナトリウム (EDTA-3Na) または0.3 M クエン酸ナトリウム (CA-Na) 水溶液22 μLを加えて12時間以上反応した。反応液を抜き出した後、二次抗体を入れELISA測定を行いアンジオポエチン-2の量を測定した。
【0058】
対照として、血漿あるいは血清をそのまま、あるいはD-PBS(リン酸緩衝液)溶液を22 μL入れたサンプルとで比較した。その結果を図8に示した。
【0059】
血漿あるいは血清に何も加えない場合(番号1,5)には、血清では吸着が低く、D-PBS溶液を加えても(番号2,6)血清では改善が見られなかった。しかし、ETDA 3Na水溶液(番号3,7)またはクエン酸ナトリウム水溶液(番号4,8)を加えることでアンジオポエチン-2抗体プレートへの吸着率は著しく改善することを明らかとした。
【0060】
図8) ヒト血漿・血清における添加剤のAng2抗体プレートへの吸着効果
【実施例0061】
< ヒト血漿・血清に含まれる非特異物質の除去方法>
【0062】
実施例6でヒト血漿あるいは血清を用いたアンジオポエチン-2の吸着させたELISAプレートには、ヒト血漿あるいは血清に含まれる物質が非特異的に吸着しているため、その除去方法を検討した。
【0063】
血漿200 μLあるいは血清200 μLと0.3 Mクエン酸ナトリウム水溶液40 μLを混ぜた溶液240 μLを実施例1で作成したプレートに入れ、遮光状態で12時間以上反応をした。反応後、液を抜き出し、純水350 μLで4回プレートを洗浄した。0.1 M トリス 緩衝液 (pH 8.0) 200 μLを各ウエルに入れて1分間振盪した後、液を抜き出し、純水350 μLで4回プレートを洗浄した。8%LiCl-0.016%LDS-0.02 M LiPO4 (pH 5.5)の変性液40 μL加え、取り出した変性液をWestern blotで分析した。
図9図10に結果を示したが、図9の無添加(番号1,5)は実施例6に従って作成したウエルで、吸着されたアンジオポエチン-2の量を測定UVのOD値として示した。0.1 M トリス 緩衝液 (pH 8.0)で洗浄した場合(番号3,7)、対照とした(番号1,5)と比較し、OD値への影響は小さかった。また、(番号1,5)あるいは(番号3,7)のウエルへ実施例5で示した変性液(8%LiCl - 0.016% LDS LPB)で処理を行った結果は(番号2,6)、(番号4,8)に示す通りOD値はほぼブランク値に下がり、変性が進んだことを示した。さらに、変性して取り出した液(番号2,6)、(番号4,8)のWestern blot分析をおこなった。その結果を図10に示したように、トリス緩衝液洗浄をしないサンプル(番号2,4)には200 KDa付近にバンドが検出されたが、0.1 M トリス緩衝液 (pH 8.0)することにより200 KDa付近に出るバンドは検出されず、ヒト血漿あるいは血清に含まれる非特異物質の除去方法としてトリス緩衝液洗浄が有効と明らかとできた。
【0064】
この洗浄操作によるアンジオポエチン-2損失は10%以下で、アンジオポエチン-2の存在形態を分析にするには影響が少なく、非特異物質の除去方法として適した手法である。
【0065】
図9) ヒト血漿・血清を用いて吸着後、トリス緩衝液洗浄効果比較
【0066】
図10) ヒト血漿・血清を用いて吸着後、トリス緩衝液洗浄有り無しにおける、
変性溶液のWestern Blot分析
【実施例0067】
< ヒト血漿・血清中のアンジオポエチン-2存在形態の分析>
【0068】
ヒト血漿あるいは血清中のアンジオポエチン-2存在形態を明らかにするため、血漿200 μLあるいは血清200 μLと0.3 Mクエン酸ナトリウム水溶液40 μLを混ぜた溶液240 μLをそれぞれ4つ調製し、溶液を実施例1で作成したアンジオポエチン-2抗体を吸着させたプレートに入れ、プレートシーラーを用いてプレートを覆い遮光状態で12時間以上反応をした。反応後、液を抜き出し、純水350 μLで4回プレートを洗浄した。0.1 M トリス緩衝液 (pH 8.0) 200 μLを各ウエルに入れて1分間振盪した後、液を抜き出し、純水350 μLで4回プレートを洗浄した。8%LiCl-0.016%LDS-0.02 M LiPO4 (pH 5.5)の変性液40 μL加え、プレートシーラーを用いてプレートを覆い遮光状態で30分反応をした。変性液を抜き出し、純水350 μLで4回プレートを洗浄した。血漿あるいは血清の各4ウエルから取り出した変性液を合わせた160 μLを限外濾過装置に入れ遠心ろ過した。0.02 M 3-[(3-Cholamidopropyl)-dimethylammonio]propanesulfonate (CHAPS) 10 μLを加え、ピペッティングで混合し、さらに12000Gで遠心ろ過した。フィルターの向きを逆に取り付け4000Gで遠心ろ過してサンプル溶液(約40 μL)を調製した。
【0069】
血漿あるいは血清のサンプル溶液 12 μLと実施例2で作成したサンプルバッファー 4 μLを混ぜ、60℃で5分間加熱した。このうち14 μLを電気泳動装置にセットしたポリアクリドアミドゲルのウエルに入れ、電気泳動を行った。泳動終了後、ゲルを外し、セミドライ転写装置を用い、濾紙、PVDF膜、ゲルを設置し、通電を行い、転写を行った。
【0070】
PVDF膜を取り出し、トリス緩衝溶液で洗浄後、2%BSAトリス緩衝溶液 10 mL中で遮光状態で1時間振盪した。トリス緩衝溶液で10分間以上3回振盪した後、実施例3で作成した2種類のSHおよびNH2ダブルビオチン標識化アンジオポエチン-2 マウスモノクロナール抗体を溶かしたトリス緩衝溶液10 mLに浸し、遮光状態で4時間振盪した。トリス緩衝溶液で数回振盪した後、HRP修飾されたavidinを溶かしたトリス緩衝溶液10 mLに浸し、遮光状態で1時間振盪した。トリス緩衝溶液で数回振盪した後、化学発光試薬を加えて発光させ、イメージスキャナーでバンドを検出した。
【0071】
検出したバンドを図11に示した。図中、Lane 1はアンジオポエチン-2モノマー標品0.4 ngを、Lane 2はアンジオポエチン-2ダイマー標品0.4 ngをチャージした結果を示した。これらの量は図12に示したように、実施例8の方法で取り出したヒト血漿・血清中に存在するアンジオポエチン-2の量に相当する量としてチャージした。対照実験として、アンジオポエチン-2モノマー、アンジオポエチン-2ダイマーを用い、実施例8の方法で取り出した時の結果をLane 3, Lane 4に示したが、ほぼウエルに添加した量のアンジオポエチン-2を回収した事を示した。Lane 5はヒト血漿を用いた結果を示し、Lane 6にはヒト血清を用いた結果を示した。アンジオポエチン-2モノマー、アンジオポエチン-2ダイマーの混合体であることを示し、その類縁体と思われるバンドも検出できた。Lane 8には実施例5の2に示したプレート変性に伴って出てくる非特異性物、Lane 9には実施例7の2のヒト血漿非特異性物を示したが、実施例5、実施例7で述べたように、これら非特異性物はヒト血漿または血清を用いたサンプルでは検出されなかった。
【0072】
図11) 本発明に従い取り出し分析した ヒト血漿・血清中のAng2 Western Blot分析
【0073】
図11の結果の裏付けとして、使用したサンプルに含まれるアンジオポエチン-2の量、プレートに吸着された量、また、変性後取り出されたと考えられる量などを調べ、その結果を図12図13に示した。
【0074】
ヒト血漿・血清中のアンジオポエチン-2の濃度は1500 pg/mL程度であり、現在得られている感度を考え、それぞれ200 μLを4つのウエルに入れた。一連の実験がほぼ定量的に進んでいることを検証する目的でアンジオポエチン-2モノマーとダイマーの標品を各々別な4つのウエルに入れた。また、対照として全くサンプルが入っていない希釈液をいれたウエルも用意した。その結果、多少バラツキは見られるが、ほぼ同量のアンジオポエチン-2各ウエルに吸着された。
【0075】
さらに本プレートを実施例5の変性液で処理した結果をOD値として図13に示した。いずれのウエルにおいてもOD値が下がり、アンジオポエチン-2が脱離したと判断される結果となった。
【0076】
図12) 本発明に従い ヒト血漿・血清サンプルにおけるAng2 のプレート吸着結果
【0077】
図13図12のAng2 吸着プレートへの変性液処理結果
【0078】
以上の結果から、ヒト血液(血清あるいは血漿)中のアンジオポエチン-2の吸着をアンジオポエチン-2抗体を固相したELISAプレートを用いて行い、プレートに吸着したアンジオポエチン-2を変性をしてプレートから取り出し、変性した抗アンジオポエチン-2溶液を電気泳動で分離し、検出感度に合わせるため限外濾過装置により適切な方法で濃縮し、ゲルからタンパク質を膜に転写し、複数の方法でビオチン修飾化を行ったアンジオポエチン-2抗体で異なるエピトープを認識する高感度化したアンジオポエチン-2抗体二つを用いてアンジオポエチン-2の組成をWestern blot分析する方法を確立した。
【産業上の利用可能性】
【0079】
アンジオポエチン-2はガン患者では増加することが知られており、アンジオポエチン-2の組成を明らかにすることで新たな診断法あるいは治療法開発に適用できる。また、本発明で明らかとした分析手法は他の血中タンパク質にも応用でき、診断法あるいは治療法を提供できる可能性がある。
図1
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