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特開2023-179937レンズモジュール、カメラ及び携帯電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179937
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】レンズモジュール、カメラ及び携帯電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20231213BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20231213BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20231213BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20231213BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20231213BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20231213BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20231213BHJP
【FI】
G02B7/02 D
G03B17/02
G02B7/04 E
G03B5/00 J
G03B30/00
H04N5/225 100
H04N5/225 700
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092893
(22)【出願日】2022-06-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】521553690
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス (ナンネイ) カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 高
【テーマコード(参考)】
2H044
2H100
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AD03
2H044BE01
2H044BE07
2H044BE10
2H100EE06
2K005CA02
2K005CA40
2K005CA44
2K005CA53
5C122EA06
5C122EA41
5C122FB08
5C122FD01
5C122GE05
5C122GE11
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】本発明には、レンズモジュール、カメラ及び携帯電子機器が提供され、光学結像技術分野に関する。
【解決手段】当該レンズモジュールは、固定コンポーネントと、移動可能に固定コンポーネントの上に設置される可動コンポーネントと、ホコリ捕集ゲルと、を備える。可動コンポーネントは、レンズを固定し、レンズを光軸方向に移動させてピント合わせを実現するレンズキャリア、および/または、画像検知ユニットを固定し、画像検知ユニットを移動して手ブレ補正を実現する可動枠を含み、固定コンポーネントか可動コンポーネントかの一つは開口を有する収容室を備え、もう一つは開口から収容室内に第1の方向に挿入されて収容室内で移動可能な突起部を備える。本発明の実施形態が提供するレンズモジュール、カメラ及び携帯電子機器は、レンズモジュールの部品間の衝突や摩擦による異物が画像形成の品質への影響を効果的に防止することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定コンポーネントと、移動可能に前記固定コンポーネントの上に設置される可動コンポーネントと、ピント調整駆動機構、及び/又は、防振駆動機構と、ホコリ捕集ゲルと、を備え、
前記可動コンポーネントは、レンズを固定し、レンズを光軸方向に移動させてピント合わせを実現するレンズキャリア、および/または、画像検知ユニットを固定し、画像検知ユニットを移動して手ブレ補正を実現する可動枠を含み、
前記ピント調整駆動機構は、前記レンズキャリアを駆動して前記固定コンポーネントに対して相対的に移動し、前記防振駆動機構は、前記可動枠を駆動して前記固定コンポーネントに対して相対的に移動し、
前記固定コンポーネントか前記可動コンポーネントかの一つは開口を有する収容室を備え、もう一つは前記開口から前記収容室内に第1の方向に挿入されて前記収容室内で移動可能な突起部を備え、前記収容室は、前記突起部から前記第1の方向に間隔をあけて設置された第1表面、前記第1表面の外周から前記第1の方向に沿って延びる第1側面を備え、前記突起部は、前記第1表面から間隔をあけて設置される第2表面、前記第2表面から前記第1の方向に沿って延びる第2側面を備え、
前記ホコリ捕集ゲルは、前記第1表面に設置され、前記第1表面と前記第2表面の間の隙間を封止し、あるいは、前記ホコリ捕集ゲルは、前記第2側面に設置され、前記第1側面と前記第2側面の間の隙間を封止する、
ことを特徴とするレンズモジュール。
【請求項2】
前記第1の方向は光軸に平行であり、前記可動コンポーネントは可動枠であり、前記固定コンポーネントは、光軸の方向に沿って順次設置されたオートフォーカス用ベースと、前記オートフォーカス用ベースに固定された防振機構用ベースを備え、前記可動枠が前記防振機構用ベースの上に移動可能に設置され、前記収容室は前記可動枠の上に設置され、前記オートフォーカス用ベースに向かった開口を有し、前記突起部は前記オートフォーカス用ベースの上に設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項3】
前記ホコリ捕集ゲルは、前記第1表面に設置され、前記第1表面と前記第2表面の間の隙間を封止することを特徴とする請求項2に記載のレンズモジュール。
【請求項4】
前記収容室には前記第1表面から前記オートフォーカス用ベースに近い方向に延び、前記第1側面から間隔をあけて設置されたリストリクター部を備え、前記突起部は前記リストリクター部を回る環状構造であり、前記ホコリ捕集ゲルは前記リストリクター部を回る環状構造である、
ことを特徴とする請求項3に記載のレンズモジュール。
【請求項5】
前記可動枠は、四辺形であり、前記収容室は4つで、前記可動枠の4辺に設置されていることを特徴とする請求項3に記載のレンズモジュール。
【請求項6】
前記ホコリ捕集ゲルは、前記第2側面に設置され、前記第1側面と前記第2側面の間の隙間を封止することを特徴とする請求項2に記載のレンズモジュール。
【請求項7】
前記防振駆動機構は、前記可動枠に設置された防振機構用コイルと前記防振機構用ベースに設置された防振機構用磁石が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のレンズモジュール。
【請求項8】
前記第1の方向は前記光軸に平行であり、前記可動コンポーネントは可動枠であり、前記固定コンポーネントは防振機構用ベースを備え、前記可動枠が前記防振機構用ベースの上に可動に設置され、前記可動枠には前記収容室が設置され、前記防振機構用ベースには前記突起部が設置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項9】
前記第1の方向は前記光軸に垂直であり、前記可動コンポーネントは可動枠であり、前記固定コンポーネントは防振機構用ベースを備え、前記可動枠が前記防振機構用ベースの上に可動に設置され、前記防振機構用ベースには前記収容室が設置され、前記可動枠には前記突起部が設置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項10】
前記第1の方向は光軸に垂直であり、前記可動コンポーネントはレンズキャリア、前記固定コンポーネントは光軸に向かった内側壁を持ち、前記収容室は前記固定コンポーネントの内側壁上に設置され、前記突起部は前記レンズキャリア上に設置される、ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項11】
前記第1の方向は光軸に平行な方向であり、前記可動コンポーネントはレンズキャリアであり、前記固定コンポーネントは光軸方向に沿って順次に設置されたオートフォーカス用磁石保持フレームと、前記オートフォーカス用磁石保持フレームに固定されたオートフォーカス用ベースを備え、前記収容室が前記レンズキャリアに設置され、前記突起部が前記オートフォーカス用ベースと前記オートフォーカス用磁石保持フレームの上に設置される、ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項12】
前記第1表面に近い前記突起部の一端は、前記第1側面に近づく方向に延びる抜け止め部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載のレンズモジュールを備えることを特徴とするカメラ。
【請求項14】
請求項13に記載のカメラを備えることを特徴とする携帯電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は光学結像技術分野に関し、特にレンズモジュール、カメラ及び携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信技術の発展に伴い、移動体通信機器に搭載されるカメラモジュールの需要も拡大している。レンズモジュールで撮影した画像の画質を向上させるために、レンズモジュールにはオートフォーカス(AutomaticFocus,AF)機能や光学式手ブレ補正(opticalimagestabilization,OIS)が搭載されていることが多い。撮影時にレンズの位置を変えることでオートフォーカスを、光センサーの位置を変えることで光学式手ブレ補正を実現することができる。
【0003】
しかし、レンズモジュールのフォーカス移動時、手ブレ補正移動時、外部衝撃時などに、衝突や摩擦によりレンズモジュールの構成部品間に異物(塵など)が発生しやすい場合がある。これらの異物が光センサーの受光面に入り込んだら、レンズモジュールの画像形成の品質に影響を与える。そのため、レンズモジュールの構成部品間の衝突や摩擦による画像形成の品質への異物の影響を回避することが喫緊の課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、レンズモジュールの構成部品間の衝突や摩擦による画像形成の品質への異物の影響を回避できるレンズモジュール、カメラ及び携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態はフォーカスモーターを提供し、固定コンポーネントと、移動可能に前記固定コンポーネントの上に設置される可動コンポーネントと、ピント調整駆動機構、及び/又は、防振駆動機構と、ホコリ捕集ゲルと、を備え、前記可動コンポーネントは、レンズを固定し、レンズを光軸方向に移動させてピント合わせを実現するレンズキャリア、および/または、画像検知ユニットを固定し、画像検知ユニットを移動して手ブレ補正を実現する可動枠を含み、前記ピント調整駆動機構は、前記レンズキャリアを駆動して前記固定コンポーネントに対して相対的に移動し、前記防振駆動機構は、前記可動枠を駆動して前記固定コンポーネントに対して相対的に移動し、前記固定コンポーネントか前記可動コンポーネントかの一つは開口を有する収容室を備え、もう一つは前記開口から前記収容室内に第1の方向に挿入されて前記収容室内で移動可能な突起部を備え、前記収容室は、前記突起部から前記第1の方向に間隔をあけて設置された第1表面、前記第1表面の外周から前記第1の方向に沿って延びる第1側面を備え、前記突起部は、前記第1表面から間隔をあけて設置される第2表面、前記第2表面から前記第1の方向に沿って延びる第2側面を備え、前記ホコリ捕集ゲルは、前記第1表面に設置され、前記第1表面と前記第2表面の間の隙間を封止し、あるいは、前記ホコリ捕集ゲルは、前記第2側面に設置され、前記第1側面と前記第2側面の間の隙間を封止する。
【0006】
本発明の実施形態は、上記レンズモジュールを備えるカメラをさらに提供する。
【0007】
本発明の実施形態は、上記カメラを備える携帯電子機器をさらに提供する。
【0008】
また、前記第1の方向は光軸に平行であり、前記可動コンポーネントは可動枠であり、前記固定コンポーネントは、光軸の方向に沿って順次設置されたオートフォーカス用ベースと、前記オートフォーカス用ベースに固定された防振機構用ベースを備え、前記可動枠が前記防振機構用ベースの上に移動可能に設置され、前記収容室は前記可動枠の上に設置され、前記オートフォーカス用ベースに向かった開口を有し、前記突起部は前記オートフォーカス用ベースの上に設置される。
【0009】
また、前記ホコリ捕集ゲルは、前記第1表面に設置され、前記第1表面と前記第2表面の間の隙間を封止する。
【0010】
また、前記収容室には前記第1表面から前記オートフォーカス用ベースに近い方向に延び、前記第1側面から間隔をあけて設置されたリストリクター部を備え、前記突起部は前記リストリクター部を回る環状構造であり、前記ホコリ捕集ゲルは前記リストリクター部を回る環状構造である。
【0011】
また、前記可動枠は、四辺形であり、前記収容室は4つで、前記可動枠の4辺に設置されている。
【0012】
また、前記ホコリ捕集ゲルは、前記第2側面に設置され、前記第1側面と前記第2側面の間の隙間を封止する。
【0013】
また、前記防振駆動機構は、前記可動枠に設置された防振機構用コイルと前記防振機構用ベースに設置された防振機構用磁石が含まれている。
【0014】
また、前記第1の方向は前記光軸に平行であり、前記可動コンポーネントは可動枠であり、前記固定コンポーネントは防振機構用ベースを備え、前記可動枠が前記防振機構用ベースの上に可動に設置され、前記可動枠には前記収容室が設置され、前記防振機構用ベースには前記突起部が設置されている。
【0015】
また、前記第1の方向は前記光軸に垂直であり、前記可動コンポーネントは可動枠であり、前記固定コンポーネントは防振機構用ベースを備え、前記可動枠が前記防振機構用ベースの上に可動に設置され、前記防振機構用ベースには前記収容室が設置され、前記可動枠には前記突起部が設置されている。
【0016】
また、前記第1の方向は光軸に垂直であり、前記可動コンポーネントはレンズキャリア、前記固定コンポーネントは光軸に向かった内側壁を持ち、前記収容室は前記固定コンポーネントの内側壁上に設置され、前記突起部は前記レンズキャリア上に設置される。
【0017】
また、前記第1の方向は光軸に平行な方向であり、前記可動コンポーネントはレンズキャリアであり、前記固定コンポーネントは光軸方向に沿って順次に設置されたオートフォーカス用磁石保持フレームと、前記オートフォーカス用磁石保持フレームに固定されたオートフォーカス用ベースを備え、前記収容室が前記レンズキャリアに設置され、前記突起部が前記オートフォーカス用ベースと前記オートフォーカス用磁石保持フレームの上に設置される。
【0018】
また、前記第1表面に近い前記突起部の一端は、前記第1側面に近づく方向に延びる抜け止め部を備えている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の有益な効果は以下のことにある。
本発明のいくつかの実施例が提供したレンズモジュール、カメラ及び携帯電子機器は、突起部と収容室によって可動コンポーネントと固定コンポーネントの間にストッパー構造が形成され、フォーカス移動、ズーム移動、手ブレ補正移動または外力による衝撃による移動の際に可動コンポーネントが固定コンポーネントに近接し、突起部を収容室内で移動させる。また、ホコリ捕集ゲルを収容室の第1表面に設置され、収容室の第1表面と突起部の第2表面の間の隙間を封止し、あるいはホコリ捕集ゲルを突起部の第2側面に設置され、収容室の第1側面と突起部の第2側面の間の隙間を封止することにより、異物に対する付着効果を発揮し、画像検知ユニットの受光面に異物が付着することを防止でき、レンズモジュールの部品間の衝突や摩擦による画像形成の品質への影響を有効に回避できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明のいくつかの実施形態によって提供されるレンズモジュールの斜視分解図を示す図である。
図2図2は、本発明のいくつかの実施形態によって提供されるレンズモジュールの平面図を示す図である。
図3図3は、図2におけるA-A方向の断面構造を示す図である。
図4図4は、図3におけるB部の拡大構成を示す図である。
図5図5は、本発明のいくつかの実施形態によって提供されるレンズモジュールにおける可動枠の斜視構造を示す図である。
図6図6は、本発明のいくつかの実施形態によって提供されるレンズモジュールにおけるオートフォーカス用ベースの斜視構造を示す図である。
図7図7は、本発明のいくつかの実施形態によって提供されるレンズモジュールにおける可動枠と固定コンポーネントにおけるストッパー構造を示す図である。
図8図8は、本発明のいくつかの実施形態によって提供されるレンズモジュールにおける可動枠と固定コンポーネントにおける別のストッパー構造を示す図である。
図9図9は、本発明のいくつかの実施形態によって提供されるレンズモジュールにおけるレンズキャリアと固定コンポーネントにおけるストッパー構造を示す図である。
図10図10は、本発明のいくつかの実施形態によって提供されるレンズモジュールにおけるレンズキャリアと固定コンポーネントにおける別のストッパー構造を示す図である。
図11図11は、本発明のいくつかの実施形態によって提供されるピント調整機構を有するレンズモジュールの構造を示す図である。
図12図12は、本発明のいくつかの実施形態によって提供される屈曲の光学係を有する構造を示す図である。
図13図13は、本発明のいくつかの実施形態によって提供される携帯電子機器の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明実施形態の目的、技術考案及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳しく説明する。しかしながら、本発明の各実施形態において、本発明に対する理解を便宜にするために、多くの技術的細部まで記載されているが、これらの技術的細部および以下の各実施形態に基づく種々の変化及び修正がなくても、本発明が保護しようとする技術考案を実現可能であることは、当業者にとっては自明なことである。
【0022】
高性能なレンズモジュールでは、一般的にオートフォーカス機能や光学式手ブレ補正機能が搭載されている。レンズモジュールは、オートフォーカス時にベースとハウジングで囲まれた収容空間内でレンズを光軸方向に移動させる必要がある。光学式手ブレ補正は、光路の振動を可動部品で補正することで、撮影した写真のシャープネスを確保するものである。実際の場合には、レンズモジュールでの光センサーを固定するための部品を、ベース上に移動可能に設置して、この部品をレンズの光軸の垂直方向に沿って移動するのを制御し、あるいは光軸を回って回転することで手ブレ補正を実現することができる。ここは、レンズの光軸の垂直方向に沿って移動することで手ブレ補正を実現するのはシフト(shift)手ブレ補正方式で、光軸を回って回転することで手ブレ補正を実現するのはチルト(tilt)手ブレ補正方式である。また、レンズモジュールにはズーム機能を持たせることも可能で、ズーム機能はその名の通り、レンズの焦点距離を変えて、ズームでレンズの撮影範囲を調整することができるのである。ズームもオートフォーカスも、レンズを光軸方向に沿って移動するのを制御することで実現することができる。
【0023】
しかし、レンズモジュールの部品がフォーカス移動、ズーム移動、手ブレ補正あるいは外力(例えば落下または衝撃)で移動する時、他の固定用の部品と接近することになる。この可動部品と固定用の部品のストッパー構造がぶつかると、粉塵のような異物が発生する。これらの異物が光センサーの受光面に入り込むと、受光面に付着し、最終的にはレンズモジュールの画像形成の品質に影響を与える。
【0024】
従って、レンズモジュールの部品間の衝突や摩擦によって生じる異物が画像形成の品質に影響を与えることを効果的に回避することは、非常に重要な課題である。
【0025】
ある状況では、これらの異物がレンズモジュールの画像形成の品質に与える影響を改善するために、レンズモジュールに凹状の異物封じ込め構造が設置されることがある。異物は、生じてから凹型の構造体に収まる。これにより、光学的に有効な領域に異物が入り込み、光センサーの画像形成の品質に影響を与えることはある程度防げるが、異物の一部がレンズモジュール内の他の領域に移動し、最終的に光センサーの受光面に付着して画質に影響を与える可能性は残されている。
【0026】
レンズモジュールの部品間の衝突や摩擦から生じる異物が画像形成の品質に影響を与えることを効果的に回避するために、本発明のいくつかの実施例は、一種のレンズモジュールを提供する。レンズモジュールの可動部品と固定部品のストッパー構造にホコリ捕集ゲルを用いて封止を行い、ホコリ捕集ゲルはストッパー構造の接合隙間だけでなく、ストッパー構造の開口の中にも充填することが可能である。ホコリ捕集ゲルの添加により、可動部品が移動する際に支持部品に直接衝突することを防ぎ、衝突や摩擦による異物に付着の効果も得られる。これにより、レンズモジュールの部品間の衝突や摩擦による異物が画像形成の品質への影響を効果的に防止することができる。
【0027】
添付図面を踏まえて、本発明のいくつかの実施例で提供されるレンズモジュールの構造を説明する。
【0028】
図1図13に示すように、本発明のいくつかの実施例が提供したレンズモジュールは、固定コンポーネント50、可動コンポーネント60、およびホコリ捕集ゲル400を備える。ここで、可動コンポーネント60は、移動可能に固定コンポーネント50の上に設置される。可動コンポーネント60はレンズ200を固定し、レンズ200を光軸方向(図3の中心線Xで示す)に移動させてピント合わせを実現するレンズキャリア35、および/または、画像検知ユニット300を固定し、画像検知ユニット300を移動して手ブレ補正を実現する可動枠11を含む。また、レンズモジュールは、レンズキャリア35を駆動して固定コンポーネント50に対して相対的に移動するピント調整駆動機構90、及び/又は、可動枠11を駆動して固定コンポーネント50に対して相対的に移動する防振駆動機構100を備える。固定コンポーネント50か可動コンポーネント60かの一つは開口71を有する収容室70(図4及び図5に示す)を備え、もう一つは開口71から収容室70内に第1の方向に挿入されて収容室70内で移動可能な突起部80(図4及び図6に示す)を備えている。収容室70は、突起部80から第1の方向に間隔をあけて設置された第1表面72、第1表面72の外周から第1の方向に沿って延びる第1側面73を備え、突起部80は、第1表面72から間隔をあけて設置される第2表面81、第2表面81から第1の方向に沿って延びる第2側面82を備えている。ホコリ捕集ゲル400は、収容室70の第1表面72に設置され、収容室70の第1表面72と突起部80の第2表面81の間の隙間を封止し、あるいは、ホコリ捕集ゲル400は、突起部80の第2側面82に設置され、収容室70の第1側面73と突起部80の第2側面82の間の隙間を封止する。
【0029】
固定コンポーネント50はレンズモジュールの支えとなる部品である。固定コンポーネント50はレンズ200の収容空間を形成するためのオートフォーカス用ベース42、オートフォーカス用ケース31を含み、レンズ200と光センサーを支える枠等も含むことができる。
【0030】
可動コンポーネント60は、レンズモジュールの移動中に固定コンポーネント50と衝突や摩擦が生じる部品である。可動コンポーネント60は、レンズ200を固定するレンズキャリア35および/または画像検知ユニット300(すなわち光センサー)を固定するための可動枠11を備え、可動コンポーネント60と固定コンポーネント50の一方に収容室70が、他方に突起部80が設置されている。突起部80と収容室70との嵌合がストッパーとして機能する、すなわち突起部80と収容室70がストッパー構造を形成できる。
【0031】
ホコリ捕集ゲル400はレンズモジュールに設置され、異物を付着させるための部品である。ホコリ捕集ゲル400には衝撃吸収効果もあり、ピント調整駆動機構90と防振駆動機構100が急に通電して変動したときに、ホコリ捕集ゲル400はクッションになる。
【0032】
本発明のいくつかの実施例が提供したレンズモジュールは、突起部80と収容室70によって可動コンポーネント60と固定コンポーネント50の間にストッパー構造が形成され、フォーカス移動、ズーム移動、手ブレ補正移動または外力による衝撃による移動の際に可動コンポーネント60が固定コンポーネント50に近接し、突起部80を収容室70内で移動させる。また、ホコリ捕集ゲル400を収容室70の第1表面72に設置され、収容室70の第1表面72と突起部80の第2表面81の間の隙間を封止し、あるいはホコリ捕集ゲル400を突起部80の第2側面82に設置され、収容室70の第1側面73と突起部80の第2側面82の間の隙間を封止することにより、異物に対する付着効果を発揮し、画像検知ユニット300の受光面に異物が付着することを防止でき、レンズモジュールの部品間の衝突や摩擦による画像形成の品質への影響を有効に回避できるようにすることができる。
【0033】
収容室70の存在により、低粘度のホコリ捕集ゲル400も硬化前に流出せず、収容室70に合わせた形状を維持するため、製造時の取り扱いが容易となり、使用するホコリ捕集ゲル400の選択範囲を広げることができる。同時に、ホコリ捕集ゲル400はグリースや接着剤に置き換えることができる。
【0034】
ここで、ホコリ捕集ゲル400は可動コンポーネント60によって異なる位置に設置することができる。例えば、可動コンポーネント60がレンズキャリア35の場合はレンズキャリア35と固定コンポーネント50のストッパー構造にホコリ捕集ゲル400を設置し、可動コンポーネント60が可動枠11の場合は可動枠11と固定コンポーネント50のストッパー構造にホコリ捕集ゲル400を設置し、可動コンポーネント60がレンズキャリア35と可動枠11を備える場合はレンズキャリア35と固定コンポーネント50のストッパー構造、及び可動枠11と固定コンポーネント50のストッパー構造にホコリ捕集ゲル400を同時に設置することができる。
【0035】
本発明のいくつかの実施例において、第1の方向は光軸に平行であり、可動コンポーネント60は可動枠11であってもよい。固定コンポーネント50は、光軸の方向に沿って順次設置されたオートフォーカス用ベース42と、オートフォーカス用ベース42に固定された防振機構用ベース19を備え、可動枠11が防振機構用ベース19の上に移動可能に設置される。収容室70は可動枠11の上に設置され、オートフォーカス用ベース42に向かった開口71を有し、突起部80はオートフォーカス用ベース42の上に設置される。
【0036】
可動枠11が画像検知ユニット300を駆動して光軸に垂直な面内で移動し、あるいは光軸を回って回転して手ブレ補正を実現する過程には、オートフォーカス用ベース42上の突起部80が可動枠11上の収容室70内に移動することになる。しかし、オートフォーカス用ベース42上の突起部80の第2側面82と可動枠11上の収容室70の第1側面73が接触した時、可動枠11は移動を停止することで、可動枠11のストッパーを実現する。
【0037】
可動枠11の収容室70の第1表面72にホコリ捕集ゲル400をコーティングし、ホコリ捕集ゲル400を硬化させた後、オートフォーカス用ベース42の突起部80の第2表面81をホコリ捕集ゲル400に接触させることでピント調整駆動機構90と防振駆動機構100を組み立てる。すなわち、ホコリ捕集ゲル400を収容室70の第1表面72に設置して収容室70の第1表面72と突起部80の第2表面81の間の隙間を封止することで、可動枠11上の収容室70の第1表面72とオートフォーカス用ベース42の突起部80の第2表面81の間の隙間を封止し、ホコリ捕集ゲル400に異物が付着することができる。
【0038】
また、収容室70には第1表面72からオートフォーカス用ベース42に近い方向に延び、第1側面73から間隔をあけて設置されたリストリクター部74を備えても良く、突起部80はリストリクター部74を回る環状構造であり、ホコリ捕集ゲル400はリストリクター部74を回る環状構造である。
【0039】
リストリクター部74は収容室70の中に設置され、収容室70の第1表面72から突出した部分であり、リストリクター部74はオートフォーカス用ベース42上の突起部80に囲まれている。リストリクター部リストリクター部74の阻止作用で手振れ補正移動時の可動枠11の移動範囲を制限することが可能である。
【0040】
本発明のいくつかの実施例では、可動枠11は、四辺形であってもよく、収容室70は4つで、可動枠11の4辺に設置されている。
【0041】
図5に示すように、可動枠11の外輪郭は矩形であってもよく、矩形の4辺に対応して4つの収容室70が設置され、各収容室70は矩形の対応する辺の中央位置に位置される。収容室70を複数設け、複数の収容室70を均等に分布することで、突起部80が抵抗力を受ける位置をより均等にすることができ、可動枠11のストッパー時のスムーズさを確保することができる。
【0042】
本発明のいくつかの実施例では、ホコリ捕集ゲル400は、オートフォーカス用ベース42上の突起部80の第2側面82にも設置され、可動枠11上の収容室70の第1側面73とオートフォーカス用ベース42上の突起部80の第2側面82との間の隙間を封止することができる。
【0043】
ここで、防振駆動機構100は、可動枠11に設置された防振機構用コイル14と防振機構用ベース19に設置された防振機構用磁石17が含まれている。
【0044】
画像検知ユニット300は防振機構用コイル14、防振機構用ヨーク12とともに可動枠11上に固定されている。可動枠11はインテグレーションフレームワークで、画像検知ユニット300を保護する保護部とフィルタの枠を一体化し、画像検知ユニット300と有害な波長をカットする赤外線カットフィルターを保護する。この可動枠11の設計により、部品の使用量を削減し、光軸に対する画像検知ユニット300の垂直性を高めることができるため、光軸に対する画像検知ユニット300の傾きを抑え、画像検知ユニット300の平面度のばらつきを低減することができる。画像検知ユニット300の全体的な剛性と落下衝撃に対する保護性能を向上させることは、小型化・低背化に貢献するだけでなく、組み立てやすさや全体の防振機構10の性能も向上させることができる。
【0045】
このうち、少なくとも2つの防振機構用ホール素子13は防振機構用コイル14上に搭載されており、固定された防振機構用磁石17の磁束を検出することで精密な位置検出と防振のための可動枠11の制御を可能にする。防振機構用ホール素子13、防振機構用コイル14、画像検知ユニット300の信号線と電源などは防振機構用FPC22(FlexiblePrintedCircuit,フレキシブル基板)を通じて可動枠11の外側に設置することができ、これらの部品が可動枠11の動きを妨げないように配慮されている。また、防振機構用FPC22上には駆動IC21(IntegratedCircuit、集積回路)が載っており、駆動IC21はオートフォーカス機構30の閉ループ制御に使用することができる。
【0046】
可動枠11に搭載された防振機構用コイル14に通電して電磁場を発生させることで、防振機構用磁石17に対して相対的に効率よく電磁力を発生させ、防振機構用コイル14を光軸に垂直な平面の内で自由に移動させて可動枠11を駆動することで手ブレ補正機能を実現できる。防振機構用コイル14は複数の単一コイル巻線の構造や、防振機構用コイル14の形状に合わせて防振機構用FPC22上に導電パターンを形成したものでも良い。両側の防振機構用コイル14を通過する電流を逆向きにすることで、光軸を回って回転する方向に可動枠11を駆動できることは、回転防止機構にも利用することができる。
【0047】
また、可動枠11と防振機構用ベース19の両方に支持板16が設置され、可動枠11の支持板16と防振機構用ベース19の支持板16の間には支持部材15(例えばボール)が設置されている。支持部材15により、可動枠11は防振機構用ベース19に対して相対的に滑らかに回転するようにすることができる。そして、防振機構用ベース19は防振機構用ケース20上に設置されるのは可能である。
【0048】
防振機構用ヨーク12は可動枠11に設置され、相対的に固定された防振機構用磁石17によって中心に向かって引き寄せられることができるので、可動枠11は常に防振機構用ヨーク12と防振機構用磁石17によって光軸の中心に向かって引き寄せられるという磁気バネ効果を持つ。その結果、効率よく隙間をなくし、可動枠11に搭載される画像検知ユニット300の傾きを小さくすることができる。防振機構用ヨーク12は中心に向かって移動したまま、可動枠11、防振機構用ベース19、支持部材15が落下するのを防ぐ効果があり、また防振機構用コイル14からの磁気の漏れを駆動力に効率よく利用できる効果があり、部品点数を大幅に減らすことができる。
【0049】
本発明のいくつかの実施例では、可動枠11と可動枠11が搭載される防振機構用ベース19との間にストッパー構造を設けることもできる。すなわち、第1の方向は光軸に平行であり、可動コンポーネント60は可動枠11であっても良く、固定コンポーネント50は防振機構用ベース19を備え、可動枠11が防振機構用ベース19の上に可動に設置され、可動枠11上には収容室70が設置され、防振機構用ベース19には突起部80が設置されており、あるいは、第1の方向は光軸に垂直であり、可動コンポーネント60は可動枠11であっても良く、固定コンポーネント50は防振機構用ベース19を備え、可動枠11が防振機構用ベース19の上に可動に設置され、防振機構用ベース19には収容室70が設置され、可動枠11には突起部80が設置されている。
【0050】
図7に示すように、防振機構用ベース19上に突起部80を設置され、可動枠11上に収容室70を設ける。可動枠11は画像検知ユニット300を駆動して光軸(図7の中心線Xで示す)に垂直な平面の内で(例えば、図7の双方向矢印Yで示す手ブレ補正方向に沿って)移動することで手ブレ補正を実現する過程では、防振機構用ベース19上の突起部80は可動枠11上の収容室70内で移動する。そして、防振機構用ベース19上の突起部80の第2側面82と可動枠11上の収容室70の第1側面73が接触した時で、可動枠11は移動を停止することで、可動枠11のストッパーを実現する。
【0051】
図8に示すように、防振機構用ベース19上に収容室70を設け、可動枠11上に突起部80を設けることが可能である。可動枠11は画像検知ユニット300を駆動して光軸(図8の中心線Xで示す)に垂直な平面の内で(例えば、図の8双方向矢印Yで示す手ブレ補正方向に沿って)移動することで手ブレ補正を実現する過程では、可動枠11上の突起部80は防振機構用ベース19上の収容室70内で移動する。そして、可動枠11上の突起部80の第2側面82と防振機構用ベース19上の収容室70の第1側面73が接触した時で、可動枠11は移動を停止することで、可動枠11のストッパーを実現する。
【0052】
また、図1に示すように防振機構用ベース19と防振機構用ケース20の間に塗布されている制振ゲル18は、防振機構10に急に通電したときに発生する変動を抑制することができ、防振機構10により正確な防振機能を持たせることができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施例では、第1の方向は光軸に垂直であり、可動コンポーネント60はレンズキャリア35、固定コンポーネント50は光軸に向かった内側壁51を持ち、収容室70は固定コンポーネント50の内側壁51上に設置され、突起部80はレンズキャリア35上に設置される。
【0054】
図9に示すように、固定コンポーネント50は、光軸方向に沿って順次設置されたオートフォーカス用ベース42と、オートフォーカス用ベース42に固定されたオートフォーカス用磁石保持フレーム32を備える。オートフォーカス用ベース42は、オートフォーカス用磁石保持フレーム32に当接する接触面と、接触面からオートフォーカス用磁石保持フレーム32から離れる方向に凹んだ階段部とからなり、オートフォーカス用磁石保持フレーム32は接触面にカバーして、また階段部とともに囲んで、開口71が光軸に向かう収容室70になっている。
【0055】
ここで、レンズキャリア35はオートフォーカス用上側板バネ34でオートフォーカス用磁石保持フレーム32と接続し、オートフォーカス用下側板バネ37でオートフォーカス用ベース42と接続されている。このように、オートフォーカス用上側板バネ34とオートフォーカス用下側板バネ37のそれぞれの弾性力によってレンズキャリア35を吊り下げる状態を維持することができる。ピント調整駆動機構90はレンズキャリア35上に固定されたオートフォーカス用駆動コイル36とオートフォーカス用磁石保持フレーム32上に固定されたオートフォーカス用駆動磁石33を備え、レンズキャリア35上に固定されたオートフォーカス用駆動コイル36に通電すると、オートフォーカス用磁石保持フレーム32上に固定されたオートフォーカス用駆動磁石33が発生する磁界によってレンズキャリア35とレンズ200を駆動して光軸方向に移動することが可能である。
【0056】
図9に示すように、ホコリ捕集ゲル400はレンズキャリア35上に設定された突起部80の根元を回ることができ、ホコリ捕集ゲル400は収容室70の開口71に対して封止機能を果たすことができる。レンズキャリア35が光軸方向(図9の中心線Xで示す)に沿ってフォーカス移動をする時、すなわち図9の両方向の矢印Zで示すフォーカス方向に沿って移動する時、レンズキャリア35上の突起部80はオートフォーカス用ベース42、あるいはオートフォーカス用磁石保持フレーム32と衝突や摩擦が生じ、その結果、生じた異物は収容室70内に位置してホコリ捕集ゲル400で付着させることが可能となる。これにより、レンズモジュール内の部品の隙間に沿って、異物が画像検知ユニット300の受光面に付着することを防いでいる。
【0057】
ここで、オートフォーカス用駆動磁石33が4つであってもよく、レンズキャリア35には光軸と平行な方向に貫通する4つの貫通孔が設置され、オートフォーカス用駆動磁石33はレンズキャリア35の貫通孔に収容される。また、レンズキャリア35、オートフォーカス用駆動コイル36、及びレンズ200はオートフォーカス用ベース42とオートフォーカス用ケース31で形成される収容空間に収容される。オートフォーカス用駆動コイル36はオートフォーカス用FPC39によって制御され、オートフォーカス用FPC39がオートフォーカス用磁石保持フレーム32に固定され、少なくとも部分的にオートフォーカス用ベース42から出ている。オートフォーカス用ホール素子40がオートフォーカス用FPC39に搭載され、オートフォーカス用位置検知磁石41の磁束を検出することにより、レンズキャリア35の位置をフィードバックし、レンズモジュールを正確にオートフォーカスすることを可能にする。
【0058】
レンズモジュールはオートフォーカス用ヨーク38を含んでもよく、オートフォーカス用ヨーク38がオートフォーカス用ベース42に設置され、光軸と平行な方向でオートフォーカス用駆動磁石33の上端と下端がそれぞれオートフォーカス用磁石保持フレーム32とオートフォーカス用ヨーク38に当接している。
【0059】
オートフォーカスする時、レンズキャリア35の突起部80上に設置されたホコリ捕集ゲル400は、ショック吸収の役割も果たしている。オートフォーカス用駆動コイル36の急激な通電により急激な変動があった場合、ホコリ捕集ゲル400はクッションと、エネルギー吸収の役割を果たしている。。
【0060】
本発明のいくつかの実施例では、オートフォーカス用ベース42とレンズキャリア35の間とオートフォーカス用磁石保持フレーム32とレンズキャリア35の間に同時にストッパー構造を設置することも可能である。この場合、第1の方向は光軸に平行な方向であり、可動コンポーネント60はレンズキャリア35であり、固定コンポーネント50は光軸方向に沿って順次に設置されたオートフォーカス用磁石保持フレーム32と、オートフォーカス用磁石保持フレーム32に固定されたオートフォーカス用ベース42を備え、収容室70がレンズキャリア35に設置され、突起部80がオートフォーカス用ベース42とオートフォーカス用磁石保持フレーム32の上に設置される。
【0061】
オートフォーカス用ベース42上の突起部80はレンズキャリア35の像側の面の収容室70に挿入され、オートフォーカス用磁石保持フレーム32上の突起部80はレンズキャリア35の物体側の面の収容室70に挿入されている。
【0062】
図10に示すように、オートフォーカス用ベース42上の突起部80、オートフォーカス用磁石保持フレーム32上の突起部80を回ってホコリ捕集ゲル400を設置することができ、ホコリ捕集ゲル400はレンズキャリア35の物体側の面と像側の面の収容室70の開口71に対して封止することができる。レンズキャリア35を光軸方向(図10の中心線Xで示す)にフォーカス移動する時、すなわち両方向の矢印Zで示すフォーカス方向に沿って移動する時、オートフォーカス用ベース42上の突起部80、オートフォーカス用磁石保持フレーム32上の突起部80の第2側面82がレンズキャリア35上の収容室70の第1側面73と衝突や摩擦が生じ、その結果、生じた異物が収容室70内に位置し、ホコリ捕集ゲル400で付着させることができる。これにより、レンズモジュール内の部品の隙間に沿って、異物が画像検知ユニット300の受光面に付着するのを防ぐことができる。
【0063】
本発明のいくつかの実施例では、図8および図10に示すように、収容室70の第1表面72に近い突起部80の一端は、収容室70の第1側面73に近づく方向に延びる抜け止め部83を備えている。
【0064】
抜け止め部83は突起部80を回って設置され、ホコリ捕集ゲル400は突起部80を回って設置されて抜け止め部83に当接する。
【0065】
ホコリ捕集ゲル400を突起部80に塗布しやすいように抜け止め部83でホコリ捕集ゲル400を位置決めすることができる。同時に、抜け止め部83の存在により、ホコリ捕集ゲル400が突起部80の端部から離脱するのを防ぐことができる。
【0066】
なた、レンズ200を駆動するための装置はピント調整機構500を持つ沈胴するズーム機構(図11に示すように、10は防振機構を示す)、または、レンズをチルトして防振するチルト手振れ補正機構であってもよく、屈曲するピント調整機構を持つ可変または固定ズームレンズ機構600であってもよい(図12に示すように、光路は線分Sで示す)。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態は、上述した実施形態によって提供されたレンズモジュールを含むカメラをさらに提供する。
【0068】
ホコリ捕集ゲル400が異物に付着することにより、カメラが撮影時に良好な撮影効果を確保することができる。
【0069】
図13に示すように、本発明のいくつかの実施形態は、上述した実施形態によって提供されたカメラ1000を含む携帯電子機器2000をさらに提供する。携帯電子機器は、携帯電話、タブレット、またはノートパソコンなどの撮影機能を備えた電子製品であってもよい。
【0070】
上記の各実施形態は本発明を実現するための具体的な実施形態であるが、実際の応用において、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、形式及び細部に対する種々の変更を行うことができることは、当業者であれば理解できるはずである。
【符号の説明】
【0071】
10 … 防振機構
11 … 可動枠
12 … 防振機構用ヨーク
13 … 防振機構用ホール素子
14 … 防振機構用コイル
15 … 支持部材
16 … 支持板
17 … 防振機構用磁石
18 … 制振ゲル
19 … 防振機構用ベース
20 … 防振機構用ケース
21 … 駆動IC
22 … 防振機構用FPC
30 … オートフォーカス機構
31 … オートフォーカス用ケース
32 … オートフォーカス用磁石保持フレーム
33 … オートフォーカス用駆動磁石
34 … オートフォーカス用上側板バネ
35 … レンズキャリア
36 … オートフォーカス用駆動コイル
37 … オートフォーカス用下側板バネ
38 … オートフォーカス用ヨーク
39 … オートフォーカス用FPC
40 … オートフォーカス用ホール素子
41 … オートフォーカス用位置検知磁石
42 … オートフォーカス用ベース
50 … 固定コンポーネント
51 … 内側壁
60 … 可動コンポーネント
70 … 収容室
71 … 開口
72 … 第1表面
73 … 第1側面
74 … リストリクター部
80 … 突起部
81 … 第2表面
82 … 第2側面
83 … 抜け止め部
90 … ピント調整駆動機構
100 … 防振駆動機構
200 … レンズ
300 … 画像検知ユニット
400 … ホコリ捕集ゲル
500 … ピント調整機構
600 … ズームレンズ機構
1000 … カメラ
2000 … 携帯電子機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
固定コンポーネントと、移動可能に前記固定コンポーネントの上に設置される可動コンポーネントと、ピント調整駆動機構、及び/又は、防振駆動機構と、ホコリ捕集ゲルと、を備え、
前記可動コンポーネントは、レンズを固定し、レンズを光軸方向に移動させてピント合わせを実現するレンズキャリア、および/または、画像検知ユニットを固定し、画像検知ユニットを移動して手ブレ補正を実現する可動枠を含み、
前記ピント調整駆動機構は、前記レンズキャリアを駆動して前記固定コンポーネントに対して相対的に移動し、前記防振駆動機構は、前記可動枠を駆動して前記固定コンポーネントに対して相対的に移動し、
前記固定コンポーネントか前記可動コンポーネントかの一つは開口を有する収容室を備え、もう一つは前記開口から前記収容室内に第1の方向に挿入されて前記収容室内で移動可能な突起部を備え、前記収容室は、前記突起部から前記第1の方向に間隔をあけて設置された第1表面、前記第1表面の外周から前記第1の方向に沿って延びる第1側面を備え、前記突起部は、前記第1表面から間隔をあけて設置される第2表面、前記第2表面から前記第1の方向に沿って延びる第2側面を備え、
前記ホコリ捕集ゲルは、前記第1表面に設置され、前記第1表面と前記第2表面の間の隙間を封止し、あるいは、前記ホコリ捕集ゲルは、前記第2側面に設置され、前記第1側面と前記第2側面の間の隙間を封止
前記収容室には、前記第1側面から間隔をあけて設置されたリストリクター部を備え、前記突起部は前記リストリクター部を回る環状構造であり、前記ホコリ捕集ゲルは前記リストリクター部を回る環状構造である、
ことを特徴とするレンズモジュール。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
前記リストリクター部は前記第1表面から前記オートフォーカス用ベースに近い方向に延びている、
ことを特徴とする請求項3に記載のレンズモジュール。