(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179943
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20060101AFI20231213BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092904
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】西久保 拓也
(72)【発明者】
【氏名】三谷 俊貴
(72)【発明者】
【氏名】辻 俊弥
(72)【発明者】
【氏名】武岡 達
(72)【発明者】
【氏名】徳安 陽一
【テーマコード(参考)】
3D344
【Fターム(参考)】
3D344AA03
3D344AA16
3D344AA21
3D344AA26
3D344AB03
3D344AB07
3D344AD01
(57)【要約】
【課題】美観を向上させることが可能な作業車両を提供する。
【解決手段】トラクタ1に関する情報を表示可能な表示領域(表示面21a及び表示面22a)を有する複数の表示装置(第一表示装置21及び第二表示装置22)と、一体的に成形され、前記表示領域を露出させた状態で複数の前記表示装置を覆う上部カバー24と、を具備した。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両に関する情報を表示可能な表示領域を有する複数の表示装置と、
一体的に成形され、前記表示領域を露出させた状態で複数の前記表示装置を覆うカバー部材と、
を具備する作業車両。
【請求項2】
複数の前記表示装置は、
支持部材を介して前記作業車両の車体に固定される第一表示装置と、
前記カバー部材に固定され、前記カバー部材を介して前記作業車両の車体に固定される第二表示装置と、
を含む、
請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記第二表示装置は、
前記第一表示装置の上方に配置される、
請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記第二表示装置は、
高さ方向において、少なくとも一部が前記支持部材と重複する高さに配置される、
請求項3に記載の作業車両。
【請求項5】
前記第二表示装置は、
高さ方向において、少なくとも一部が前記第一表示装置と重複する高さに配置される、
請求項4に記載の作業車両。
【請求項6】
前記カバー部材は、
ステアリングホイールの前方に配置され、上端面が前下がりに傾斜するように形成されている、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を具備する作業車両の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置を具備する作業車両の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の作業車両は、複数の表示装置として、運転に関する情報を表示するメータ表示装置、設定に関する情報を表示するターミナル表示装置、及び、認証情報を表示する認証表示装置を具備している。このように異なる情報を異なる表示装置に表示させることで、利用者に各種情報を適切に報知することができる。
【0004】
一般的には、表示装置の背面には基板等が設けられているため、表示装置は、背面をカバー部材により覆われた状態で作業車両の運転席近傍に配置される。しかしながら、複数の表示装置のそれぞれにカバー部材を設けた場合、各表示装置に設けられたカバー部材同士のつなぎ目が目立ってしまったり、全体として大型化してしまうなど、作業車両の美観を損ねるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の一態様は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、美観を向上させることが可能な作業車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
本開示の一態様に係る作業車両は、作業車両に関する情報を表示可能な表示領域を有する複数の表示装置と、一体的に成形され、前記表示領域を露出させた状態で複数の前記表示装置を覆うカバー部材と、を具備するものである。
本開示の一態様によれば、作業車両の美観を向上させることができる。
【0009】
また、本開示の一態様に係る複数の前記表示装置は、支持部材を介して前記作業車両の車体に固定される第一表示装置と、前記カバー部材に固定され、前記カバー部材を介して前記作業車両の車体に固定される第二表示装置と、を含むものである。
本開示の一態様によれば、作業車両の美観を向上させることができる。
【0010】
また、本開示の一態様に係る前記第二表示装置は、前記第一表示装置の上方に配置されるものである。
本開示の一態様によれば、上下に並んだ表示装置を具備する作業車両の美観を向上させることができる。
【0011】
また、本開示の一態様に係る前記第二表示装置は、高さ方向において、少なくとも一部が前記支持部材と重複する高さに配置されるものである。
本開示の一態様によれば、第一表示装置及び第二表示装置を互いに近い位置に配置することで、複数の表示装置をコンパクトに配置することができる。
【0012】
また、本開示の一態様に係る前記第二表示装置は、高さ方向において、少なくとも一部が前記第一表示装置と重複する高さに配置されるものである。
本開示の一態様によれば、第一表示装置及び第二表示装置を互いに近い位置に配置することで、複数の表示装置をコンパクトに配置することができる。
【0013】
また、本開示の一態様に係る前記カバー部材は、ステアリングホイールの前方に配置され、上端面が前下がりに傾斜するように形成されているものである。
本開示の一態様によれば、ステアリングホイールを操作する作業者の視界が確保し易くなる。
【発明の効果】
【0014】
本開示の一態様によれば、作業車両の美観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の一態様に係るトラクタの全体的な構成を示した左側面図。
【
図6】表示装置、支持部材、及び上部カバーを示した分解斜視図。
【
図7】支持部材及び第一表示装置を示した分解斜視図。
【
図8】表示装置及び上部カバーを組み付ける様子を示した左側面一部断面図。
【
図9】表示装置及び支持部材の位置関係を示した左側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0017】
以下では、
図1を参照し、本発明の一実施形態に係るトラクタ1の全体構成について説明する。
【0018】
図1に示すトラクタ1は、主として機体フレーム2、エンジン3、ボンネット4、ミッションケース5、前輪6、後輪7、フェンダ8、昇降装置9、キャビン10、座席11、ステアリングホイール12及びステアリングポスト13等を具備する。
【0019】
機体フレーム2は、複数の板材を適宜組み合わせて形成される枠状の部材である。機体フレーム2は、平面視略矩形状に形成される。機体フレーム2は、その長手方向を前後方向に向けてトラクタ1の前部に配置される。機体フレーム2の後部にはエンジン3が固定される。エンジン3は、ボンネット4に覆われる。エンジン3の後部には、ミッションケース5が固定される。
【0020】
機体フレーム2の前部は、フロントアクスル機構(不図示)を介して左右一対の前輪6に支持される。ミッションケース5の後部は、リアアクスル機構(不図示)を介して左右一対の後輪7に支持される。左右一対の後輪7は、概ね上方からフェンダ8によって覆われる。
【0021】
ミッションケース5の後部には、昇降装置9が設けられる。昇降装置9には、各種の作業装置(例えば、耕運機等)を装着することができる。昇降装置9は油圧シリンダ等のアクチュエータによって、装着された作業装置を昇降させることができる。当該昇降装置9には、図示せぬPTO軸を介してエンジン3の動力を伝達することができる。
【0022】
エンジン3の動力は、ミッションケース5に収容された変速装置(不図示)で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪6に伝達可能とされると共に、前記リアアクスル機構を経て後輪7に伝達可能とされる。エンジン3の動力によって前輪6及び後輪7が回転駆動され、トラクタ1は走行することができる。またエンジン3の動力によって、昇降装置9に装着された作業装置を駆動させることができる。
【0023】
エンジン3の後方にはキャビン10が設けられる。エンジン3が配置されるボンネット4内の空間と、キャビン10内の空間とは、区画プレート14(
図3参照)によって仕切られる。キャビン10は車体(ミッションケース5等)に載置される。キャビン10の内部には、運転者が搭乗する居住空間が形成される。キャビン10の略中央には、運転者が着座するための座席11が配置される。キャビン10の前部には、前輪6の切れ角を調節するためのステアリングホイール12、及び、ステアリングホイール12を支持するステアリングポスト13が配置される。
【0024】
キャビン10の上部には、トラクタ1の車体の位置を検出可能な位置検出装置15が設けられる。位置検出装置15は、GPS等の衛生測位システムを利用して、車体の位置(緯度、経度を含む位置情報)を検出可能な装置である。トラクタ1は、位置検出装置15が検出した位置情報に基づいて、車体の操舵を自動で行う制御を実行可能である。上記制御には、例えば、設定された所定の走行基準ラインに平行に直進するように、車体の操舵を自動で行う制御が含まれる。
【0025】
以下では、ステアリングポスト13の構成について説明する。
【0026】
図2から
図4に示すステアリングポスト13は、ステアリングホイール12を支持するためのものである。ステアリングポスト13は、ステアリングホイール12や、ステアリングホイール12に連結されたステアリングシャフト(不図示)等を、各種の支持部材によって回動可能に支持する。当該支持部材は、後述する各カバー(上部カバー24等)によって覆われている。ステアリングポスト13には、第一表示装置21、第二表示装置22、支持部材23、上部カバー24、下部カバー25及びシャフトカバー26が設けられる。
【0027】
図4から
図6に示す第一表示装置21は、トラクタ1に関する情報を表示するものである。第一表示装置21は、例えばエンジン3の回転数、エンジン3の冷却水の温度、燃料の残量、各種の警告等、トラクタ1に関する種々の情報を表示することができる。第一表示装置21は、各種情報を表示可能な表示面21aを有する。表示面21aは、液晶パネル、ランプ、メーター等を用いた種々の表示方法によって各種の情報を表示させることができる。なお、第一表示装置21に表示させる情報や表示方法は特に限定するものではない。第一表示装置21は、液晶パネル等が設けられた表示面21aを後上方(座席11側)に向けた状態で配置される。
【0028】
第一表示装置21は、背面視(
図5参照)略台形状に形成される。第一表示装置21の下端部の左右中央は、下方に向けてやや膨出するように形成される。第一表示装置21には、後述する支持部材23に固定される固定部21bが形成される。固定部21bは、第一表示装置21の上端面の左右両側、並びに、下端面の左右両側から、それぞれ上下に突出するように形成される。
【0029】
第二表示装置22は、トラクタ1に関する情報を表示するものである。第二表示装置22は、第一表示装置21に表示される情報とは異なる情報を表示する。本実施形態では、第二表示装置22は、位置検出装置15が検出した位置情報に基づく制御(車体の操舵を自動で行う制御等)に関する種々の情報を表示するものとする。例えば、第二表示装置22は、トラクタ1の位置情報(圃場におけるトラクタ1の位置、方向等)、トラクタ1の制御状態、トラクタ1の操作方法等を表示することができる。第二表示装置22は、各種情報を表示可能な表示面22aを有する。表示面22aは、第一表示装置21と同様に、液晶パネル等を用いた種々の表示方法によって各種の情報を表示させることができる。第二表示装置22は、液晶パネル等が設けられた表示面22aを後上方(座席11側)に向けた状態で配置される。
【0030】
第二表示装置22は、第一表示装置21よりも小さく形成される。第二表示装置22は、背面視(
図5参照)略台形状に形成される。第二表示装置22の下端部の左右中央は、下方に向けてやや膨出するように形成される。第二表示装置22には、後述する上部カバー24に固定される固定部22bが形成される。固定部22bは、第二表示装置22の左右両端部から、それぞれ左右に突出するように形成される。
【0031】
第一表示装置21及び第二表示装置22は、ステアリングホイール12の前方において上下に並ぶように配置される。第一表示装置21は、後述する支持部材23(
図6等参照)によってトラクタ1の車体(キャビン10)に支持される。第二表示装置22は、後述する上部カバー24によってトラクタ1の車体に支持される。
【0032】
上部カバー24は、ステアリングポスト13の上部(第一表示装置21及び第二表示装置22等)を覆うものである。上部カバー24は、中空箱状に形成される。上部カバー24には、第一表示装置21の表示面21a、及び、第二表示装置22の表示面22aを後方に向かって露出させるための第一開口部24a及び第二開口部24bが形成されている。第二開口部24bは、第一開口部24aの上方に位置するように形成される。上部カバー24の上端面24cは、前下がりに下降するような傾斜状に形成される(
図3参照)。
【0033】
下部カバー25は、ステアリングポスト13の下部を覆うものである。下部カバー25は、中空箱状に形成される。下部カバー25は、上部カバー24の下方に配置される。上部カバー24と下部カバー25は、隙間なく接するように配置される。
【0034】
図2及び
図3に示すシャフトカバー26は、ステアリングホイール12に接続されるステアリングシャフト等を覆うものである。シャフトカバー26は、下部カバー25からステアリングホイール12に向かって上方に延びるように配置される。
【0035】
次に、
図6及び
図7を用いて、支持部材23の構成について説明する。
【0036】
支持部材23は、板材を適宜組み合わせて形成される。支持部材23には、下部固定部23a、表示装置固定部23b、閉塞部23c及びカバー固定部23dが形成される。
【0037】
下部固定部23aは、支持部材23をトラクタ1の車体に固定するための部分である。下部固定部23aは、支持部材23の下部の左右にそれぞれ形成される。下部固定部23aは、適宜の固定具(ボルト等)を用いて、区画プレート14に形成されたブラケット14aに固定される。
【0038】
表示装置固定部23bは、第一表示装置21を固定するための部分である。表示装置固定部23bは、支持部材23の下部の左右、及び、上部の左右の計4箇所に形成される。
【0039】
閉塞部23cは、上部カバー24の開口部分を前方から閉塞する板状の部分である。閉塞部23cは、支持部材23の上部に形成される。閉塞部23cは、上部カバー24の形状に応じた形(本実施形態では、正面視略台形状)に形成される。
【0040】
カバー固定部23dは、上部カバー24を固定するための部分である。カバー固定部23dは、支持部材23の上部(閉塞部23c)の左右にそれぞれ形成される。
【0041】
次に、
図6及び
図8を用いて、第一表示装置21、第二表示装置22及び上部カバー24の組み付け方法について説明する。
【0042】
まず、支持部材23が区画プレート14のブラケット14aに固定される。具体的には、支持部材23の下部固定部23aが、ボルト等を用いてブラケット14aに固定される(
図6参照)。
【0043】
次に、
図6及び
図8に示すように、第一表示装置21が支持部材23に固定される。具体的には、第一表示装置21の固定部21bが、ボルト等を用いて支持部材23の表示装置固定部23bに固定される。
【0044】
一方、第二表示装置22は、上部カバー24に固定される。具体的には、第二表示装置22の表示面22aが上部カバー24の第二開口部24bから後方に向かって露出するように、第二表示装置22と上部カバー24の位置が合わせられる。この状態で、第二表示装置22の固定部22bが、ボルト等を用いて上部カバー24の内側面に固定される。
【0045】
次に、
図8に示すように、第二表示装置22が固定された上部カバー24が、第一表示装置21を覆うように取り付けられる。具体的には、第一表示装置21の表示面21aが上部カバー24の第一開口部24aから後方に向かって露出するように、第一表示装置21に対する上部カバー24の位置が調整される。この状態で、上部カバー24が、支持部材23のカバー固定部23dに固定される。なお、上部カバー24は、カバー固定部23dだけでなく、下部カバー25やその他の適宜の支持部材にも固定されてもよい。
【0046】
このようして、本実施形態では、複数の表示装置(第一表示装置21及び第二表示装置22)は個別のカバーで覆われるのではなく、一体的に成形された上部カバー24によって覆われる。これによって、個別のカバー同士のつなぎ目(隙間)が形成されることがなく、トラクタ1の美観を向上させることができる。
【0047】
また本実施形態では、第一表示装置21が支持部材23に固定されると共に、第二表示装置22が上部カバー24に固定されている。第二表示装置22が固定された上部カバー24の位置を、第一表示装置21に対して合わせることで、第一表示装置21及び第二表示装置22のそれぞれと、上部カバー24との位置合わせが行われることになる。
【0048】
このように構成することにより、複数の表示装置(第一表示装置21及び第二表示装置22)が設けられる場合であっても、それぞれの表示装置の位置を上部カバー24に合わせることができるため、複数の表示装置と上部カバー24との位置ずれを防止することができ、ひいてはトラクタ1の美観を向上させることができる。
【0049】
次に、
図5及び
図9を用いて、トラクタ1に組み付けられた第一表示装置21、第二表示装置22及び支持部材23の位置関係について説明する。
【0050】
第一表示装置21、第二表示装置22及び支持部材23がトラクタ1に組み付けられた状態において、第二表示装置22は、第一表示装置21の上方に配置されている。第一表示装置21と第二表示装置22は、背面視(
図5参照)において互いに重複しないように配置される。これによって、複数の表示装置をトラクタ1に容易に組み付けることができる。
【0051】
第二表示装置22は、高さ方向において、少なくとも一部が支持部材23と重複する高さに配置される。また第二表示装置22は、背面視(
図5参照)において支持部材23と重複するように配置される。
【0052】
また、
図9に示すように、第一表示装置21は、当該第一表示装置21(固定部21b)の上端の高さ位置Aが、第二表示装置22の下端の高さ位置Bよりも高くなるように配置される。すなわち、第二表示装置22は、高さ方向において、少なくとも一部が第一表示装置21と重複する高さに配置される。このように配置することで、第一表示装置21と第二表示装置22とを互いに近い位置に配置することができるため、複数の表示装置をコンパクトに配置することができる。
【0053】
以上の如く、本実施形態に係るトラクタ1は、
トラクタ1(作業車両)に関する情報を表示可能な表示領域(表示面21a及び表示面22a)を有する複数の表示装置(第一表示装置21及び第二表示装置22)と、
一体的に成形され、前記表示領域を露出させた状態で複数の前記表示装置を覆う上部カバー24(カバー部材)と、
を具備するものである。
【0054】
このように構成することにより、トラクタ1の美観を向上させることができる。すなわち、複数の表示装置を個別のカバー部材で覆うのではなく、一体的に成形されたつなぎ目(隙間)のない上部カバー24で覆うことによって、美観を向上させることができる。また、一体的に成形された上部カバー24を用いることで、個別のカバー部材を用いる場合に比べて全体的なサイズをコンパクトに形成し易くなる。
【0055】
また、複数の前記表示装置は、
支持部材23を介して前記トラクタ1の車体に固定される第一表示装置21と、
前記上部カバー24に固定され、前記上部カバー24を介して前記トラクタ1の車体に固定される第二表示装置22と、
を含むものである。
【0056】
このように構成することにより、トラクタ1の美観を向上させることができる。すなわち、第二表示装置22が固定された上部カバー24を、第一表示装置21に合わせて組み付けることで、複数の表示装置(第一表示装置21及び第二表示装置22)と上部カバー24との位置合わせを精度よく行なうことができ、ひいてはトラクタ1の美観を向上させることができる。
【0057】
また、前記第二表示装置22は、
前記第一表示装置21の上方に配置されるものである。
【0058】
このように構成することにより、上下に並んだ表示装置を具備するトラクタ1の美観を向上させることができる。
【0059】
また、前記第二表示装置22は、
高さ方向において、少なくとも一部が前記支持部材23と重複する高さに配置されるものである。
【0060】
このように構成することにより、第一表示装置21及び第二表示装置22を互いに近い位置に配置することで、複数の表示装置をコンパクトに配置することができる。
【0061】
また、前記第二表示装置22は、
高さ方向において、少なくとも一部が前記第一表示装置21と重複する高さに配置されるものである。
【0062】
このように構成することにより、第一表示装置21及び第二表示装置22を互いに近い位置に配置することで、複数の表示装置をコンパクトに配置することができる。
【0063】
また、前記上部カバー24は、
ステアリングホイール12の前方に配置され、上端面24cが前下がりに傾斜するように形成されているものである。
【0064】
このように構成することにより、ステアリングホイール12を操作する作業者の視界が確保し易くなる。すなわち、トラクタ1の前下方を視認し易くなるため、作業性を向上させることができる。
【0065】
なお、本実施形態に係るトラクタ1は、本発明に係る作業車両の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る表示面21a及び表示面22aは、本発明に係る表示領域の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一表示装置21及び第二表示装置22は、本発明に係る表示装置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る上部カバー24は、本発明に係るカバー部材の実施の一形態である。
【0066】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0067】
例えば、上記実施形態では、2つの表示装置(第一表示装置21及び第二表示装置22)を1つのカバー部材(上部カバー24)で覆う例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、3つ以上の表示装置を1つのカバー部材で覆うように構成することも可能である。
【0068】
また、上記実施形態で示した各部材(第一表示装置21、第二表示装置22、支持部材23、上部カバー24等)の具体的な構成(形状、大きさ等)は一例であり、各部材の形状等は任意に変更することが可能である。
【0069】
また、上記実施形態では、第一表示装置21を支持部材23に固定し、第二表示装置22を上部カバー24に固定する例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば第一表示装置21を上部カバー24に固定し、第二表示装置22を支持部材23に固定することも可能である。また、第一表示装置21及び第二表示装置22をいずれも上部カバー24に固定し、当該上部カバー24を車体に固定することも可能である。
【0070】
また、上記実施形態では、第一表示装置21の上方に第二表示装置22を配置した例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、第二表示装置22を第一表示装置21の下方や側方に配置することも可能である。
【0071】
また、上記実施形態では、第二表示装置22が、高さ方向において支持部材23と重複する高さに配置される例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、第二表示装置22は支持部材23と重複する高さに配置されていなくてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、第二表示装置22が、高さ方向において第一表示装置21と重複する高さに配置される例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、第二表示装置22は第一表示装置21と重複する高さに配置されていなくてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、作業車両として、トラクタ1を例示したが、このような態様に限られない。例えば作業車両は、その他の農業車両、建設車両、産業車両等であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 トラクタ
12 ステアリングホイール
13 ステアリングポスト
21 第一表示装置
21a 表示面
22 第二表示装置
22a 表示面
23 支持部材
24 上部カバー