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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179947
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】メモリー基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20231213BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
H05K1/02 P
H05K3/46 B
H05K3/46 Q
H05K3/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092916
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】川岡 未来
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA38
5E316BB02
5E316BB03
5E316BB04
5E316BB06
5E316EE01
5E316GG28
5E316HH01
5E316HH22
5E316JJ02
5E338AA03
5E338BB75
5E338CC01
5E338CC04
5E338CC06
5E338CD02
5E338EE13
5E338EE22
(57)【要約】
【課題】複数のメモリー素子、制御素子および複数の配線パターンの配置の工夫によって小型化とノイズ低減とを実現すること。
【解決手段】メモリー基板10は、6層基板1と2つのメモリー素子2と制御素子3と複数の配線パターン4とを備える。第1メモリー素子21および制御素子3は、第1層L1の外面に実装される。第2メモリー素子22は、第6層L6の外面に実装される。電源パターン43は、第5層L3における、積層方向に沿って見て前記2つのメモリー素子2を包含する領域に形成されている。第1接地パターン41は、第2層L2に形成されている。第2接地パターン42は、前記第5層L3に前記電源パターン43に隣接して形成されている。前記複数の信号伝送パターン44は、前記第1層L1、第3層L3、第4層L4および前記第6層L6に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
6つの配線層が積層された6層基板と、
それぞれ前記6層基板に実装されたSDRAM素子である2つのメモリー素子と、
前記6層基板に実装され、前記2つのメモリー素子を制御する制御素子と、
前記6層基板に形成され、少なくとも前記制御素子および前記2つのメモリー素子のいずれかに電気的に接続される複数の配線パターンと、を備えるメモリー基板であって、
前記2つのメモリー素子の一方の第1メモリー素子および前記制御素子は、前記6つの配線層のうちの第1層の外面に実装され、
前記2つのメモリー素子の他方の第2メモリー素子は、前記6つの配線層のうちの第6層の外面に実装され、
前記複数の配線パターンは、
前記6つの配線層のうちの第5層における、前記6つの配線層の積層方向に沿って見て前記2つのメモリー素子を包含する領域に形成された電源パターンと、
前記6つの配線層のうちの第2層に形成された第1接地パターンと、
前記第5層に前記電源パターンに隣接して形成された第2接地パターンと、
前記6つの配線層のうちの前記第1層、第3層、第4層および前記第6層に形成された複数の信号伝送パターンと、を含む、メモリー基板。
【請求項2】
前記2つのメモリー素子は、それぞれDDR3-SDRAMの規格に準拠した素子である、請求項1に記載のメモリー基板。
【請求項3】
前記2つのメモリー素子は、前記積層方向に沿って見て同じ位置に配置されている、請求項1または請求項2に記載のメモリー基板。
【請求項4】
前記2つのメモリー素子は、それぞれ一対の長辺および一対の短辺を有する矩形状であり、
前記制御素子は、前記2つのメモリー素子各々の前記一対の長辺各々よりも長い4つの辺を有する矩形状であり、
前記2つのメモリー素子と前記制御素子とは、前記積層方向に沿って見て第1方向に配列され、
前記制御素子は、前記制御素子の前記4つの辺のうちの2辺が前記第1方向に直交する第2方向に沿う状態で配置され、
前記2つのメモリー素子は、それぞれ前記一対の長辺が前記第2方向に沿う状態で、前記第2方向において前記制御素子が占める範囲内に配置されている、請求項3に記載のメモリー基板。
【請求項5】
前記制御素子は、前記制御素子の前記4つの辺のうち前記第1メモリー素子に対向する一辺に沿って並んで形成された複数のコントロール側信号端子を有し、
前記2つのメモリー素子は、それぞれ前記一対の長辺に沿って並んで形成された複数のメモリー側信号端子を有し、
前記複数の信号伝送パターンは、前記複数のコントロール側信号端子と前記複数のメモリー側信号端子とを電気的に接続する、請求項4に記載のメモリー基板。
【請求項6】
前記第2接地パターンは、前記電源パターンの三方を囲んで形成されている、請求項1または請求項2に記載のメモリー基板。
【請求項7】
前記複数の信号伝送パターンのうちの複数のクロック信号伝送パターンおよび複数のDQS信号伝送パターンは、前記第1層および前記第3層に形成されている、請求項1または請求項2に記載のメモリー基板。
【請求項8】
前記複数の信号伝送パターンのうちの複数のDQ信号伝送パターンは、前記第1層、前記第3層および前記第4層に形成されている、請求項7に記載のメモリー基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6層基板と2つのメモリー素子と制御素子とを備えるメモリー基板に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、複写機または複合機などの画像形成装置は、各種のデータまたはコンピュータープログラムを記憶するためのメモリー基板を備える。
【0003】
前記メモリー基板は、積層基板と、1つ以上のメモリー素子と、制御素子と、複数の配線パターンと、を備える。前記メモリー素子および前記制御素子は、前記積層基板に実装されている。
【0004】
また、前記複数の配線パターンは、前記積層基板に形成され、前記メモリー素子と前記制御素子とを電気的に接続する。前記メモリー基板の小型化および高密度化の要請により、前記積層基板の多層化が進んでいる。
【0005】
例えば、前記メモリー基板において、2つのDDR-SDRAMとメモリーコントローラとが、4層基板または6層基板に実装されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-164794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記メモリー基板において、前記複数のメモリー素子、前記制御素子および前記複数の配線パターンの配置の工夫による小型化とノイズ低減とが求められている。
【0008】
本発明の目的は、複数のメモリー素子、制御素子および複数の配線パターンの配置の工夫によって小型化とノイズ低減とを実現できるメモリー基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の局面に係るメモリー基板は、6つの配線層が積層された6層基板と、2つのメモリー素子と、制御素子と、複数の配線パターンと、を備える。前記2つのメモリー素子は、それぞれ前記6層基板に実装されたSDRAM素子である。前記制御素子は、前記6層基板に実装され、前記2つのメモリー素子を制御する。前記複数の配線パターンは、前記6層基板に形成され、少なくとも前記制御素子および前記2つのメモリー素子のいずれかに電気的に接続される。前記2つのメモリー素子の一方の第1メモリー素子および前記制御素子は、前記6つの配線層のうちの第1層の外面に実装される。前記2つのメモリー素子の他方の第2メモリー素子は、前記6つの配線層のうちの第6層の外面に実装される。前記複数の配線パターンは、電源パターンと、第1接地パターンと、第2接地パターンと、複数の信号伝送パターンと、を含む。前記電源パターンは、前記6つの配線層のうちの第5層における、前記6つの配線層の積層方向に沿って見て前記2つのメモリー素子を包含する領域に形成されている。前記第1接地パターンは、前記6つの配線層のうちの第2層に形成されている。前記第2接地パターンは、前記第5層に前記電源パターンに隣接して形成されている。前記複数の信号伝送パターンは、前記6つの配線層のうちの前記第1層、第3層、第4層および前記第6層に形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数のメモリー素子、制御素子および複数の配線パターンの配置の工夫によって小型化とノイズ低減とを実現できるメモリー基板を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係るメモリー基板の側面図である。
図2図2は、実施形態に係るメモリー基板の6つの配線層における複数の配線パターンの振り分けを示す図である。
図3図3は、実施形態に係るメモリー基板の平面図である。
図4図4は、実施形態に係るメモリー基板における2つのメモリー素子および制御素子の複数の端子の配置を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るメモリー基板の第3層における複数の信号伝送パターンの配置を模式的に示す図である。
図6図6は、実施形態に係るメモリー基板の第5層における電源パターンおよび第2接地パターンの配置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
[メモリー基板10の構成]
実施形態に係るメモリー基板10は、例えば画像形成装置などのデータ処理装置の一部を構成する。
【0014】
メモリー基板10は、6層基板1と、2つのメモリー素子2と、制御素子3と、複数の配線パターン4と、を備える(図1参照)。
【0015】
6層基板1は、6つの配線層L1~L6が積層された積層基板である。6つの配線層L1~L6は、第1層L1、第2層L2、第3層L3、第4層L4、第5層L5および第6層L6を含む(図1参照)。
【0016】
2つのメモリー素子2は、それぞれ6層基板1に実装されたSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)素子である。本実施形態において、2つのメモリー素子2は、それぞれDDR3-SDRAMの規格に準拠した素子である。
【0017】
ここで、DDR3-SDRAMの規格は、DDR3L-SDRAMの規格、および、DDR4-SDRAMの規格を含む。メモリー基板10は、2rank(1chip/1rank)の構成を備える。
【0018】
制御素子3は、2つのメモリー素子2を制御する素子である。本実施形態において、制御素子3は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。
【0019】
なお、制御素子3が、MPU(Micro Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)などであってもよい。
【0020】
2つのメモリー素子2および制御素子3は、6層基板1に実装されている。以下、2つのメモリー素子2の一方を第1メモリー素子21と称し、他方を第2メモリー素子22と称する。
【0021】
図1に示されるように、第1メモリー素子21および制御素子3は、6層基板1の第1層L1の外面に実装されている。第2メモリー素子22は、6層基板1の第6層L6の外面に実装されている。
【0022】
複数の配線パターン4は、6層基板1に形成されている。複数の配線パターン4は、少なくとも制御素子3および2つのメモリー素子2のいずれかに電気的に接続されている。
【0023】
ところで、メモリー基板10において、2つのメモリー素子2、制御素子3および複数の配線パターン4の配置の工夫による小型化とノイズ低減とが求められている。
【0024】
以下、メモリー基板10の小型化とノイズ低減とを実現するためのメモリー基板10における複数の構成要素の配置について説明する。
【0025】
以下の説明において、2つのメモリー素子2の一方を第1メモリー素子21と称し、他方を第2メモリー素子22と称する(図1参照)。
【0026】
第1メモリー素子21および制御素子3は、6層基板1の第1層L1の外面に実装されている。第2メモリー素子22は、6層基板1の第6層L6の外面に実装されている。
【0027】
図1,3~6において、第1方向D1は、第1メモリー素子21および制御素子3の配列方向である。第2方向D2は、第1方向D1に直交する方向である。第1方向D1および第2方向D2は、6層基板1の表面に沿う方向である。
【0028】
図1,3~6において、第3方向D3は、6つの配線層L1~L6の積層方向である。即ち、第3方向D3は、6層基板1の厚み方向である。第3方向D3は、第1方向D1および第2方向D2に直交する方向である。
【0029】
第1メモリー素子21および第2メモリー素子22は、第3方向D3に沿って見て重なる位置に配置されている。本実施形態において、第1メモリー素子21および第2メモリー素子22は、第3方向D3に沿って見て同じ位置に配置されている(図1および図3参照)。2つのメモリー素子2と制御素子3とは、第3方向D3に沿って見て第1方向D1に配列されている。
【0030】
2つのメモリー素子2は、それぞれ一対の長辺および一対の短辺を有する矩形状である(図3参照)。制御素子3は、2つのメモリー素子2各々の前記一対の長辺各々よりも長い4つの辺を有する矩形状である。例えば、制御素子3は、正方形である。
【0031】
なお、以上に示される2つのメモリー素子2および制御素子3の形状は、第3方向D3に沿って2つのメモリー素子2および制御素子3を見たときの形状である。
【0032】
制御素子3は、制御素子3の前記4つの辺のうちの2辺が第2方向D2に沿う状態で配置されている(図3図6参照)。即ち、制御素子3の前記4つの辺のうちの2辺が第2方向D2に沿っており、前記4つの辺のうちの他の2辺が第1方向D1に沿っている。
【0033】
2つのメモリー素子2は、それぞれ前記一対の長辺が第2方向D2に沿う状態で第1層L1の外面に配置されている(図3図6参照)。2つのメモリー素子2は、第2方向D2において制御素子3が占める範囲内に配置されている。
【0034】
2つのメモリー素子2および制御素子3が上記のように配置されることにより、比較的小さな6層基板1を採用することができる。
【0035】
複数の配線パターン4は、第1接地パターン41と、第2接地パターン42と、電源パターン43と、複数の信号伝送パターン44とを含む(図1および図2参照)。
【0036】
電源パターン43は、6層基板1の第5層L5に形成されている(図1および図2参照)。電源パターン43は、第3方向D3に沿って見て2つのメモリー素子2を包含する領域に形成されている(図3および図6参照)。
【0037】
第1接地パターン41は、6層基板1の第2層L2に形成されている(図1および図2参照)。第1接地パターン41は、第3方向D3に沿って見て2つのメモリー素子2および制御素子3を包含する領域に形成されている(図3参照)。例えば、第1接地パターン41は、第2層L2の全領域に亘って形成されている。
【0038】
第2接地パターン42は、6層基板1の第5層L5に形成されている(図1および図2参照)。第2接地パターン42は、第5層L5において、電源パターン43に隣接して形成されている(図3および図6参照)。
【0039】
具体的には、第2接地パターン42は、第5層L5において、電源パターン43の三方を囲んで形成されている(図6参照)。図6に示される例において、第2接地パターン42は、第3方向D3に沿って見て制御素子3の一部に重なる領域に形成されている。
【0040】
複数の信号伝送パターン44は、6層基板1の第1層L1、第3層L3、第4層L4および第6層L6に形成されている(図1,2参照)。
【0041】
複数の信号伝送パターン44は、複数のクロック信号伝送パターン、複数のDQS信号伝送パターンおよび複数のDQ信号伝送パターンを含む(図2参照)。さらに、複数の信号伝送パターン44は、複数のADD信号伝送パターン、複数のCMD信号伝送パターンおよび複数のCTRL信号伝送パターンを含む(図2参照)。
【0042】
前記複数のクロック信号伝送パターンおよび前記複数のDQS信号伝送パターンは、6層基板1の第1層L1および第3層L3に形成されている。前記複数のDQ信号伝送パターンは、6層基板1の第1層L1、第3層L3および第4層L4に形成されている。
【0043】
制御素子3は、複数の信号端子30を有する(図4,5参照)。複数の信号端子30は、それぞれコントロール側信号端子の一例である。2つのメモリー素子2は、それぞれ複数の信号端子20を有する。複数の信号端子20は、それぞれメモリー側信号端子の一例である。
【0044】
複数の信号端子30は、制御素子3の前記4つの辺のうち第1メモリー素子21に対向する一辺に沿って並んで形成されている。複数の信号端子20は、メモリー素子2各々の前記一対の長辺に沿って並んで形成されている。複数の信号伝送パターン44は、制御素子3の複数の信号端子30と2つのメモリー素子2のいずれかの複数の信号端子20とを電気的に接続する。
【0045】
2つのメモリー素子2各々における前記一対の長辺各々に沿う複数の信号端子20は、クロック信号端子2a、データ信号端子郡2b、DQ信号端子対2cおよびDQS信号端子対2dを含む。データ信号端子郡2bは、ADD端子、CMD端子およびCTRL端子を含む。
【0046】
制御素子3の複数の信号端子30は、クロック信号端子3a、データ信号端子郡3b、DQ信号端子対3cおよびDQS信号端子対3dを含む。データ信号端子郡3bは、ADD端子、CMD端子およびCTRL端子を含む。
【0047】
2つのメモリー素子2各々において、DQ信号端子対2cおよびDQS信号端子対2dは、クロック信号端子2aおよびデータ信号端子郡2bに対し第2方向D2の一方の側に並んで配置されている(図5参照)。
【0048】
同様に、制御素子3において、DQ信号端子対3cおよびDQS信号端子対3dは、クロック信号端子3aおよびデータ信号端子郡3bに対し第2方向D2の一方の側に並んで配置されている(図5参照)。
【0049】
制御素子3のクロック信号端子3aおよびデータ信号端子郡3bは、第2方向D2において、クロック信号端子2aおよびデータ信号端子郡2bに対応する領域に配置されている。同様に、制御素子3のDQ信号端子対3cおよびDQS信号端子対3dは、第2方向D2において、DQ信号端子対2cおよびDQS信号端子対2dに対応する領域に配置されている。
【0050】
また、複数の信号伝送パターン44の一部である第1信号伝送パターン郡44xは、第3層L3の第1領域A1に形成されている(図5参照)。複数の信号伝送パターン44の他の一部である第2信号伝送パターン郡44yは、第3層L3の第2領域A2に形成されている(図5参照)。第2領域A2は、第1領域A1に対し第2方向D2の隣の領域である。
【0051】
第1信号伝送パターン郡44xは、前記クロック信号伝送パターン、前記複数のADD信号伝送パターン、前記複数のCMD信号伝送パターンおよび前記複数のCTRL信号伝送パターンを含む。
【0052】
第2信号伝送パターン郡44yは、前記複数のDQS信号伝送パターンおよび前記複数のDQ信号伝送パターンを含む。
【0053】
第1領域A1は、第2方向D2において、2つのメモリー素子2のクロック信号端子2aおよびデータ信号端子郡2bと、制御素子3のクロック信号端子3aおよびデータ信号端子郡3bとに対応する領域である。
【0054】
第2領域A2は、第2方向D2において、2つのメモリー素子2のDQ信号端子対2cおよびDQS信号端子対2dと、制御素子3のDQ信号端子対3cおよびDQS信号端子対3dとに対応する領域である。
【0055】
通常、クロック信号の安定化のためのコンデンサーが、制御素子3のクロック信号端子3aと電気的に接続される。前記コンデンサーは、制御素子3のクロック信号端子3aの近傍に配置されることが望ましい。そのため、制御素子3のクロック信号端子3aは、制御素子3の前記4つの辺のうちの第1メモリー素子21に対向する一辺に沿って配置されている。
【0056】
一方、制御素子3のDQS信号端子対3dは、DQ信号端子対3cに対して制御素子3の内側に配置されている。DQS信号は、制御素子3から第3方向D3に沿って第3層L3へ伝送される。
【0057】
それぞれDDR3-SDRAMの規格に準拠する2つのメモリー素子2においては、高い周波数のクロック信号およびDQS信号が用いられる。
【0058】
メモリー基板10において、第1接地パターン41が形成された第2層L2が、前記複数のクロック信号伝送パターンおよび前記複数のDQS信号伝送パターンが形成される第1層L1および第2層L2に隣接している。そのため、リターンパスが短縮され、ノイズが低減される。その結果、6層基板1に実装される各種の素子がノイズを考慮して選定される場合に、素子選定の自由度が高まる。このことは、メモリー基板10のコスト低減に寄与する。
【0059】
以上に示されるように、メモリー基板10が採用されることにより、2つのメモリー素子2、制御素子3および複数の配線パターン4の配置の工夫による小型化およびノイズ低減の実現が可能である。
【0060】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成および各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0061】
<付記1>
6つの配線層が積層された6層基板と、
それぞれ前記6層基板に実装されたSDRAM素子である2つのメモリー素子と、
前記6層基板に実装され、前記2つのメモリー素子を制御する制御素子と、
前記6層基板に形成され、少なくとも前記制御素子および前記2つのメモリー素子のいずれかに電気的に接続される複数の配線パターンと、を備えるメモリー基板であって、
前記2つのメモリー素子の一方の第1メモリー素子および前記制御素子は、前記6つの配線層のうちの第1層の外面に実装され、
前記2つのメモリー素子の他方の第2メモリー素子は、前記6つの配線層のうちの第6層の外面に実装され、
前記複数の配線パターンは、
前記6つの配線層のうちの第5層における、前記6つの配線層の積層方向に沿って見て前記2つのメモリー素子を包含する領域に形成された電源パターンと、
前記6つの配線層のうちの第2層に形成された第1接地パターンと、
前記第5層に前記電源パターンに隣接して形成された第2接地パターンと、
前記6つの配線層のうちの前記第1層、第3層、第4層および前記第6層に形成された複数の信号伝送パターンと、を含む、メモリー基板。
【0062】
<付記2>
前記2つのメモリー素子は、それぞれDDR3-SDRAMの規格に準拠した素子である、前記付記1に記載のメモリー基板。
【0063】
<付記3>
前記2つのメモリー素子は、前記積層方向に沿って見て同じ位置に配置されている、前記付記1または前記付記2に記載のメモリー基板。
【0064】
<付記4>
前記2つのメモリー素子は、それぞれ一対の長辺および一対の短辺を有する矩形状であり、
前記制御素子は、前記2つのメモリー素子各々の前記一対の長辺各々よりも長い4つの辺を有する矩形状であり、
前記2つのメモリー素子と前記制御素子とは、前記積層方向に沿って見て第1方向に配列され、
前記制御素子は、前記制御素子の前記4つの辺のうちの2辺が前記第1方向に直交する第2方向に沿う状態で配置され、
前記2つのメモリー素子は、それぞれ前記一対の長辺が前記第2方向に沿う状態で、前記第2方向において前記制御素子が占める範囲内に配置されている、前記付記3に記載のメモリー基板。
【0065】
<付記5>
前記制御素子は、前記制御素子の前記4つの辺のうち前記第1メモリー素子に対向する一辺に沿って並んで形成された複数のコントロール側信号端子を有し、
前記2つのメモリー素子は、それぞれ前記一対の長辺に沿って並んで形成された複数のメモリー側信号端子を有し、
前記複数の信号伝送パターンは、前記複数のコントロール側信号端子と前記複数のメモリー側信号端子とを電気的に接続する、前記付記4に記載のメモリー基板。
【0066】
<付記6>
前記第2接地パターンは、前記電源パターンの三方を囲んで形成されている、前記付記1から前記付記5のいずれか1つに記載のメモリー基板。
【0067】
<付記7>
前記複数の信号伝送パターンのうちの複数のクロック信号伝送パターンおよび複数のDQS信号伝送パターンは、前記第1層および前記第3層に形成されている、前記付記1から前記付記6のいずれか1つに記載のメモリー基板。
【0068】
<付記8>
前記複数の信号伝送パターンのうちの複数のDQ信号伝送パターンは、前記第1層、前記第3層および前記第4層に形成されている、前記付記7に記載のメモリー基板。
【符号の説明】
【0069】
2 :メモリー素子
2a :クロック信号端子
2b :データ信号端子郡
2c :DQ信号端子対
2d :DQS信号端子対
3 :制御素子
3a :クロック信号端子
3b :データ信号端子郡
3c :DQ信号端子対
3d :DQS信号端子対
4 :配線パターン
10 :メモリー基板
20 :信号端子
21 :第1メモリー素子
22 :第2メモリー素子
30 :信号端子
41 :第1接地パターン
42 :第2接地パターン
43 :電源パターン
44 :信号伝送パターン
44x :第1信号伝送パターン郡
44y :第2信号伝送パターン郡
図1
図2
図3
図4
図5
図6