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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179948
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】車両用画像記録システム
(51)【国際特許分類】
   G07C 5/00 20060101AFI20231213BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
H04N5/77
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092918
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼田 善夫
【テーマコード(参考)】
3E138
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138BB01
3E138MA01
3E138MB08
3E138MC12
3E138MD01
3E138MD02
3E138MF01
(57)【要約】
【課題】複数のカメラにより得られる複数の動画像データを複数の記録媒体に適切に記録することができる車両用画像記録システムを提供する。
【解決手段】車両用画像記録システム1は、車両Vに搭載され、動画像を撮像して動画像データを取得する第1カメラ2A~第8カメラ2Hと、2つの第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bを着脱可能に保持する本体装置3とを備える。本体装置3は、第1カメラ2A~第8カメラ2Hにより取得される8つの動画像データを、第1記録媒体4A,第2記録媒体4Bに記録する制御部10を有する。第1カメラ2A~第8カメラ2Hは、車両Vにおける設置場所に応じて動画像に関する設定値が設定されている。制御部10は、第1カメラ2A~第8カメラ2Hの設置場所に応じた重み付けに基づいて各動画像データの記録先を第1記録媒体4A,第2記録媒体4Bから決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、動画像を撮像して動画像データを取得する複数のカメラと、
複数の記録媒体を着脱可能に保持する本体装置と、を備え、
前記本体装置は、
複数の前記カメラにより取得された複数の前記動画像データを、複数の前記記録媒体に記録する制御部を有し、
各前記カメラは、
前記車両における設置場所に応じて前記動画像に関する設定値が設定されており、
前記制御部は、
各前記カメラの設置場所に応じた重み付けに基づいて各前記動画像データの記録先を複数の前記記録媒体から決定する、
ことを特徴とする車両用画像記録システム。
【請求項2】
前記制御部は、
複数の前記記録媒体のうち、1つの前記記録媒体に対する単位時間当たりの書き込み可能な単体書き込みデータ量に対して、複数の前記カメラから取得される単位時間当たりの動画像データ総量が越えているか否かを判定する第1判定部と、
前記第1判定部により前記単体書き込みデータ量に対して前記動画像データ総量が越えると判定された場合、複数の前記記録媒体の全てに対する単位時間当たりの書き込み可能な全体書き込みデータ量の総和に対して、前記動画像データ総量が越えているか否かを判定する第2判定部と、を含み、
前記第2判定部により前記全体書き込みデータ量の総和に対して前記動画像データ総量が越えていないと判定された場合、前記重み付けに基づいて各前記動画像データの記録先を複数の前記記録媒体から決定する、
請求項1に記載の車両用画像記録システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第2判定部により前記全体書き込みデータ量の総和に対して前記動画像データ総量が越えていると判定された場合、各前記カメラに対して設定された設定値を前記動画像データのデータ量が下がるように変更する、
請求項2に記載の車両用画像記録システム。
【請求項4】
前記制御部は、
複数の前記設置場所にそれぞれ設定された前記重み付けの値の総和を複数の前記記録媒体の個数で割った平均値に近似するように、複数の前記重み付けの値の組み合わせを決定し、決定した前記組み合わせに基づいて各前記動画像データの記録先を割り振る、
請求項1に記載の車両用画像記録システム。
【請求項5】
前記制御部は、
複数の前記カメラの設置場所に応じた複数の前記重み付けのうち、最大の重み付けの値と最小の重み付けの値とを1つの組み合わせとし、当該1つの組み合わせに対応する2つの前記カメラにより取得された2つの前記動画像データの記録先を、複数の前記記録媒体のうちの1つに割り当てる第1処理と、
すでに組み合わせ済みの前記重み付けの値を除いた複数の前記重み付けのうち、最大の重み付けの値と最小の重み付けの値とを別の1つの組み合わせとし、当該別の1つの組み合わせに対応する2つの前記カメラにより取得された2つの前記動画像データの記録先を、複数の前記記録媒体のうちの別の1つに割り当てる第2処理とを実行すると共に、
複数の前記重み付けのうち、前記第1処理、及び、前記第2処理によってすでに組み合わせ済みの前記重み付けの値を除いた残りの前記重み付けに対して、複数の前記記録媒体の個数に応じて前記第2処理を繰り返し実行して各前記動画像データの記録先を割り振る、
請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用画像記録システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記動画像データの記録先として決定した前記記録媒体に対して、複数の前記動画像データを同時に記録し、
前記記録媒体に対して複数の前記動画像データを記録する際に当該記録媒体の記録容量を越えるときは、前記記録媒体に記録されている時系列的に古い前記動画像データに対して上書きする、
請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用画像記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用画像記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載され、フロントウィンドウやダッシュボード等に取付けられたカメラで車外または車内外の状況を記録媒体等に記録する、いわゆるドライブレコーダ等の車載器がある。従来の車載器では、記録媒体の一例としてSDカードが用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1~4では、少なくとも2つの記録媒体に対して1つのカメラで撮影された映像を記憶させるシステム及び車載用電子機器が記載されている。また、特許文献5では、車両にイベントが発生したと判定する判定条件に基づいてイベントの発生を検出し、車両情報及び動画データを含む送信データを、無線通信手段を介してネットワーク上のサーバに送信する車載電子機器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-170340号公報
【特許文献2】特開2020-24729号公報
【特許文献3】特開2018-41259号公報
【特許文献4】特開2014-220803号公報
【特許文献5】特開2021-176090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両に複数のカメラを搭載することで、様々な撮影対象の撮影が可能となるが、撮影された複数の動画像データを複数の記録媒体に適切に記録するためには、記録先の設定が煩雑になることから、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、複数のカメラにより得られる複数の動画像データを複数の記録媒体に適切に記録することができる車両用画像記録システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用画像記録システムは、車両に搭載され、動画像を撮像して動画像データを取得する複数のカメラと、複数の記録媒体を着脱可能に保持する本体装置と、を備え、前記本体装置は、複数の前記カメラにより取得された複数の前記動画像データを、複数の前記記録媒体に記録する制御部を有し、各前記カメラは、前記車両における設置場所に応じて前記動画像に関する設定値が設定されており、前記制御部は、各前記カメラの設置場所に応じた重み付けに基づいて各前記動画像データの記録先を複数の前記記録媒体から決定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る車両用画像記録システムによれば、複数のカメラにより得られる複数の動画像データを複数の記録媒体に適切に記録することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る車両用画像記録システムの概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る車両用画像記録システムの記録処理の一例を示す基本フローチャートである。
図3図3は、実施形態に係る車両用画像記録システムの記録処理の一例を示すサブフローチャートである。
図4図4は、カメラの設置場所と重み付けとの関係を示す表である。
図5図5は、カメラの動画像に関する設定値の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記実施形態により本発明が限定されるものではない。すなわち、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0011】
[実施形態]
図1に示す本実施形態に係る車両用画像記録システム1は、例えば、自動車等の車両Vに搭載され、複数のカメラにより車両Vの外部や内部等を撮影して車両状況に関する動画像データを記録するものである。
【0012】
ここで、車両用画像記録システム1が適用される車両Vは、路面等を走行する移動体である。例えば、荷物を輸送するトラック等である。以下では、車両Vは、輸送用トラックであるものとして説明する。
【0013】
車両用画像記録システム1は、図1に示すように、第1カメラ2A,第2カメラ2B,第3カメラ2C,第4カメラ2D,第5カメラ2E,第6カメラ2F,第7カメラ2G,第8カメラ2Hと、本体装置3と、第1記録媒体4A,第2記録媒体4Bとを含んで構成される。
【0014】
第1カメラ2A~第8カメラ2Hは、それぞれが動画像を撮像して動画像データを取得するものである。具体的には、第1カメラ2A~第8カメラ2Hは、車両Vにおける所定の設置場所に設置され、車両Vの外部及び内部を撮影する。
【0015】
第1カメラ2Aは、例えば、車両Vの正面に設置され、撮影対象として車両前方の風景を撮影する。この撮影対象には、自車両Vの先行車両、対向車両や横断車両、歩行者や横断者、標識や標示等が含まれる。第2カメラ2Bは、例えば、車両Vの右側面に設置され、撮影対象として車両右側方の風景を撮影する。この撮影対象には、自車両Vと並走する他車両や対向車線を走行する他車両、歩行者等が含まれる。第3カメラ2Cは、例えば、車両Vの左側面に設置され、撮影対象として車両左側方の風景を撮影する。この撮影対象には、自車両Vの左側を走行する自転車や二輪車、歩行者等が含まれる。第4カメラ2Dは、例えば、車両Vの庫内に設置され、撮影対象として、庫内に置かれた荷物等を撮影する。第5カメラ2Eは、例えば、車両Vの車内前方に設置され、撮影対象として車内前方の状態を撮影する。第6カメラ2Fは、例えば、車両Vの車内後方に設置され、車内後方の状態を撮影する。第7カメラ2Gは、例えば、車両Vの運転席前方のメータユニット内、または、コラムカバー上部に設置され、撮影対象として運転者の状態を撮影する。第8カメラ2Hは、例えば、車両Vの後正面に設置され、撮影対象として車両後方の風景を撮影する。この撮影対象には、自車両Vの後続車両や二輪車、自転車、歩行者等が含まれる。
【0016】
本実施形態における第1カメラ2A~第8カメラ2Hは、同一構造、同一機能を有するものとする。第1カメラ2A~第8カメラ2Hは、それぞれが本体装置3に対して車両Vに配索された電線やケーブル等の配索材により電気的に接続されており、各カメラで撮像した動画像を動画像データとして本体装置3に出力する。第1カメラ2A~第8カメラ2Hが撮像する動画像は、モノクロであってもよいし、カラーであってもよい。
【0017】
第1カメラ2A~第8カメラ2Hは、それぞれに対して車両Vにおける設置場所や撮影対象に応じて動画像に関する設定が行われる。各カメラの設定には、図5の設定値表21に示すように、例えば、動画像に関するフレームレート、圧縮レート、解像度が含まれる。フレームレート、圧縮レート、解像度は、各カメラの設置場所等に応じて設定される。各カメラの設定は、例えば、車両Vや本システムの管理者、運転者等による操作に応じて後述する制御部10により設定されるが、これに限定されるものではない。例えば、各カメラの設定は、例えば、車両Vの外部に設けられ本体装置3に対して通信可能に構成されたサーバや、当該サーバと通信可能なPC(Personal Computer)により行われる構成であってもよい。この場合、PCは、例えば、本体装置3にて記録された運行記録データを、SDカード等の記録媒体を介して記録、保持できるものであってもよいし、サーバと通信することで運行記録データの解析が可能なものであってもよい。各カメラに設定された設定値は、本体装置3内の不揮発性メモリにおける所定の記憶領域に記憶されるが、これに限定されるものではない。例えば、各カメラに設定された設定値は、上記サーバ内の不揮発性メモリ(例えばHDD(Hard Disc Drive))等に記憶されていてもよい。
【0018】
本体装置3は、第1カメラ2A~第8カメラ2Hのそれぞれから動画像データを入力し、複数の動画像データを第1記録媒体4A、第2記録媒体4Bに記録するものである。本体装置3は、第1記録媒体4A,第2記録媒体4Bと、制御部10とを有する。本体装置3は、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bを着脱可能に保持する。
【0019】
第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bは、それぞれが所謂メモリカードであり、例えば、本体装置3に対して着脱可能なSDカードで構成される。第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bは、それぞれがSDカードと同様に、単位時間当たりの書き込みデータ量、記憶容量を有する。つまり、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bは、それぞれの単位時間当たりの書き込みデータ量に基づいて、複数の動画像データを連続して記憶容量まで記録することができる。本実施形態の第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bは、単位時間当たりの書き込みデータ量、記憶容量について、同一仕様とする。
【0020】
制御部10は、例えば、第1カメラ2A~第8カメラ2Hにより取得された8つの動画像データを、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bに記録する処理を行う。この処理は、例えば、図2及び図3に示す処理である。制御部10は、例えば、CPU、MPU等の中央演算処理装置、及び、各部と種々の情報を送受信するインターフェースを含む電子回路を含んで構成される。制御部10は、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bに対する複数の動画像データの記録制御の他に、第1カメラ2A~第8カメラ2H、本体装置3各部の制御を行う。
【0021】
制御部10は、第1カメラ2A~第8カメラ2Hの設置場所に応じた重み付けに基づいて各動画像データの記録先を第1記録媒体4A,第2記録媒体4Bのいずれか一方から決定する。本実施形態では、図4の重み付け表20に示すように、第1カメラ2A~第8カメラ2Hの設置場所に応じた重み付けがなされている。重み付けは、8つの設置場所それぞれに、重み付けの値として1,2,3,4,5が設定されている。
【0022】
重み付けの値は、各設置場所に対して、大きさ順に5~1と割り振られている。本実施形態では、図4の重み付け表20に示すように、設置場所:車両正面、車両後正面に対して最も重み付けが大きい値:5が割り当てられている。重み付けが最も大きい値が割り当てられた設置場所には、第1カメラ2A及び第8カメラ2Hが設置されている。これら第1カメラ2A及び第8カメラ2Hの動画像に関する設定値は、標準よりも高く設定される。具体的には、第1カメラ2A及び第8カメラ2Hの動画像に関する設定値は、例えば、フレームレート、圧縮レート、解像度に関して標準より高く設定される。したがって、第1カメラ2A及び第8カメラ2Hにより取得される動画像データは、いずれも、第1カメラ2A~第8カメラ2Hのうち、第1カメラ2A及び第8カメラ2Hを除く他のカメラにより取得される動画像データよりもデータ量が標準より相対的に大きくなっている。
【0023】
一方、本実施形態では、重み付け表20に示すように、設置場所:車両庫内に対して最も重み付けが小さい値:1が割り当てられている。重み付けが最も小さい値が割り当てられた設置場所には、第4カメラ2Dが設置されている。この第4カメラ2Dの動画像に関する設定値は、標準よりも低く設定される。具体的には、第4カメラ2Dの動画像に関する設定値は、例えば、レームレート、圧縮レート、解像度に関して標準より低く設定される。したがって、第4カメラ2Dにより取得される動画像データは、第1カメラ2A~第8カメラ2Hのうち、第4カメラ2Dを除く他のカメラにより取得される動画像データよりもデータ量が標準より相対的に小さくなっている。
【0024】
制御部10は、複数の重み付けのうち、後述する第1処理、及び、第2処理によってすでに組み合わせ済みの重み付けの値を除いた残りの重み付けに対して、複数の記録媒体の個数に応じて第2処理を繰り返し実行して各動画像データの記録先を割り振る。
【0025】
第1処理は、複数のカメラの設置場所に応じた複数の重み付けのうち、最大の重み付けの値と最小の重み付けの値とを1つの組み合わせとし、当該1つの組み合わせに対応する2つのカメラにより取得された2つの動画像データの記録先を、複数の記録媒体のうちの1つに割り当てるものである。具体的には、制御部10は、図4に示す重み付け表20を参照し、最大の重み付けの値:5と、最小の重み付けの値:1とを1つの組み合わせとし、当該1つの組み合わせに対応する2つのカメラ(例えば、第1カメラ2A、第4カメラ2D)により取得された2つの動画像データの記録先を、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bのうちの一方である第1記録媒体4Aに割り当てる。
【0026】
第2処理は、すでに組み合わせ済みの重み付けの値を除いた複数の重み付けのうち、最大の重み付けの値と最小の重み付けの値とを別の1つの組み合わせとし、当該別の1つの組み合わせに対応する2つのカメラにより取得された2つの動画像データの記録先を、複数の記録媒体のうちの別の1つに割り当てるものである。具体的には、制御部10は、図4に示す重み付け表20を参照し、すでに組み合わせ済みの重み付けの値(5,1)を除いた6つ(3,3,2,2,1,5)の重み付けのうち、最大の重み付けの値:5と最小の重み付けの値:1とを別の1つの組み合わせとし、当該別の1つの組み合わせに対応する2つのカメラ(第7カメラ2G、第8カメラ2H)により取得された2つの動画像データの記録先を、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bのうちの他方である第2記録媒体4Bに割り当てる。
【0027】
本実施形態の重み付け表20では、最大の重み付けの値:5、最小の重み付けの値:1がそれぞれ2つずつ存在している。この場合、上記第1処理、及び、第2処理において、1つの値を選択する必要がある。例えば、制御部10は、最大の重み付けの値:5を有する2箇所の設置場所(例えば、車両正面、車両後正面)のうち、予め定めたルールに基づいて一方を選択する。このルールは、例えば、設置場所に対応するカメラに割り振られたナンバーの小さい方が選択される。つまり、制御部10は、最大の重み付けの値:5を有する2箇所の設置場所に対応する第1カメラ2A,第8カメラ2Hのうち、第1カメラ2Aを選択する。なお、このルールは、上記に限定されるものではない。
【0028】
本実施形態の制御部10は、8つの重み付けのうち、上記第1処理、及び、第2処理によってすでに組み合わせ済みの重み付けの値を除いた残りの重み付けに対して、記録媒体の個数:2に応じて第2処理を繰り返し実行して各動画像データの記録先を割り振る。このようにして、制御部10は、8つの第1カメラ2A~第8カメラ2Hにより取得された8つの動画像データ全てについて、それぞれの記録先を割り振る。
【0029】
また、制御部10は、動画像データの記録先として決定した記録媒体に対して、複数の動画像データを同時に記録する。具体的には、制御部10は、動画像データの記録先として決定した第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bに対して、8つの動画像データを同時に記録する。
【0030】
また、制御部10は、記録媒体に対して複数の動画像データを記録する際に当該記録媒体の記録容量を越えるときは、記録媒体に記録されている時系列的に古い動画像データに対して上書きする。具体的には、制御部10は、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bに対して8つの動画像データを記録する際に当該第1記録媒体4A及び当該第2記録媒体4Bの記録容量を越えるときは、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bそれぞれに記録されている時系列的に古い動画像データに対して上書きする。
【0031】
制御部10は、第1判定部11と、第2判定部12とを含んで構成される。第1判定部11及び第2判定部12は、例えば、制御部10により実行されるプログラム上の機能の一部である。第1判定部11及び第2判定部12は、図2及び図3に示す処理において、以下の制御を行う。
【0032】
第1判定部11は、第1記録媒体4A,第2記録媒体4Bのうち、一方の第1記録媒体4A(または第2記録媒体4B)に対する単位時間当たりの書き込み可能な単体書き込みデータ量に対して、8つの第1カメラ2A~第8カメラ2Hから取得される単位時間当たりの動画像データ総量が越えているか否かを判定する。ここで、8つの第1カメラ2A~第8カメラ2Hから取得される単位時間当たりの動画像データ総量は、8台分のカメラから取得される単位時間当たりの動画像データの総和である。また、単体書き込みデータ量は、1つの記録媒体に対する単位時間当たりの書き込みデータ量である。本実施形態では、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bが同一の単位時間当たりの書き込みデータ量、記憶容量を有するものとする。
【0033】
第2判定部12は、第1判定部11により単体書き込みデータ量に対して動画像データ総量が越えると判定された場合、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bの全てに対する単位時間当たりの書き込み可能な全体書き込みデータ量の総和に対して、動画像データ総量が越えているか否かを判定する。ここで、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bの全てに対する単位時間当たりの全体書き込みデータ量は、2つの記録媒体の単位時間当たりの書き込みデータ量の総和である。
【0034】
制御部10は、第2判定部12により全体書き込みデータ量の総和に対して動画像データ総量が越えていないと判定された場合、重み付けに基づいて各動画像データの記録先を第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bから決定する。一方、制御部10は、第2判定部12により全体書き込みデータ量の総和に対して動画像データ総量が越えていると判定された場合、第1カメラ2A~第8カメラ2Hに対して設定された設定値を動画像データのデータ量が下がるように変更する。この場合、制御部10は、例えば、図4に示す重み付け表20及び図5に示す設定値表21を参照し、最大の重み付けの値が付与された設置場所に対応するカメラの設定値を、現在の設定値から相対的に低くする。制御部10は、設定値として、動画像に対するフレームレート、圧縮レート、解像度が含まれる場合、例えば、フレームレートの設定値を「高」から「標準」に変更する。または、制御部10は、圧縮レートの設定値を「高」から「標準」に変更したり、解像度の設定値を「高」から「標準」に変更してもよい。つまり、制御部10は、動画像に関する設定値が複数ある場合では、少なくとも1つの設定値を相対的に低くすることで、全体書き込みデータ量の総和が下がるように変更する。
【0035】
制御部10は、各カメラが取得した動画像データに基づいて、車両Vに搭載された複数のカメラが予め設置した場所に設置されているかを判定する。例えば、制御部10は、公知の画像認識技術を利用して、各カメラにより取得された動画像データに対する画像認識処理を行い、各カメラが設置された設置場所を推定する。そして、制御部10は、推定した結果に基づいて、各カメラが重み付け表20に設定された設置場所に設置されているかを判定する。制御部10は、複数のカメラのうち、重み付け表20に設定された設置場所に設置されていないカメラが存在すると判定した場合、車両Vや本システムの管理者に対して所定の方法で通知を行う。
【0036】
次に、車両用画像記録システム1において、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bに対して8つの動画像データを記録する処理を図2図3に示すフローチャートを参照して説明する。車両用画像記録システム1は、例えば、車両VのACC電源等がONされたときに起動し、当該電源等がOFFされるまで以下に説明する処理を繰り返す。
【0037】
図2のステップS1では、制御部10は、複数のカメラの設置場所を判定する。具体的には、制御部10は、第1カメラ2A~第8カメラ2Hが取得した8つの動画像データそれぞれに基づいて、第1カメラ2A~第8カメラ2Hが重み付け表20に設定された設置場所に従って、これらのカメラが設置されているかを判定する。
【0038】
次に、ステップS2では、制御部10は、第1判定部11により、第1記録媒体4A(または第2記録媒体4B)に対する単位時間当たりの書き込み可能な単体書き込みデータ量に対して、8つの第1カメラ2A~第8カメラ2Hから取得される単位時間当たりの動画像データ総量が越えているか否かを判定する。この判定の結果、単体書き込みデータ量に対して、動画像データ総量が越えている場合は、ステップS4に進む。一方、単体書き込みデータ量に対して、動画像データ総量が越えていない場合は、ステップS4へ進む。
【0039】
ステップS3では、制御部10は、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bに対して順に第1カメラ2A~第8カメラ2H全ての動画像データを記録して本処理を終了する。この場合、制御部10は、第1カメラ2A~第8カメラ2H全ての動画像データを第1記録媒体4Aに対して記録していき、当該第1記録媒体4Aの記録容量の残量がなくなり次第、第1記録媒体4Aから第2記録媒体4Bに切り替えて、第1カメラ2A~第8カメラ2H全ての動画像データを第2記録媒体4Bに記録していく。この場合、第2記録媒体4Bの記憶容量の残量がなくなり次第、第2記録媒体4Bから第1記録媒体4Aに切り替えて、第1カメラ2A~第8カメラ2H全ての動画像データを第1記録媒体4Aに対して上書きする。
【0040】
ステップS4では、制御部10は、第2判定部12により、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bの全てに対する単位時間当たりの書き込み可能な全体書き込みデータ量の総和に対して、動画像データ総量が越えているか否かを判定する。この判定の結果、全体書き込みデータ量の総和に対して、動画像データ総量が越えている場合は、ステップS5に進む。一方、全体書き込みデータ量の総和に対して、動画像データ総量が越えていない場合は、図3のステップS10に進む。
【0041】
ステップS5では、制御部10は、カメラの設定変更を行い、ステップS2に戻る。具体的には、制御部10は、上述したように、第1カメラ2A~第8カメラ2Hに対して設定された設定値を動画像データのデータ量が下がるように変更する。
【0042】
図3のステップS10では、制御部10は、変数N(N:1~Nの正整数)に1を代入して、ステップS11に進む。
【0043】
ステップS11では、制御部10は、第1記録媒体4Aに対して、重みの上からN番目及び下からN番目に対応するカメラを割り当てる。すなわち、制御部10は、上述した第1記録媒体4Aに対して、8つのカメラの設置場所に応じた8つの重み付けのうち、最大の重み付けの値と最小の重み付けの値とを1つの組み合わせとし、当該1つの組み合わせに対応する2つのカメラにより取得された2つの動画像データの記録先を、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bのうちの第1記録媒体4Aに割り当てる(第1処理)。ここで、制御部10は、N>2であるか否かを判定し、N>2である場合は、すでに組み合わせ済みの重み付けの値を除いた複数の重み付けのうち、最大の重み付けの値と最小の重み付けの値とを別の1つの組み合わせとし、当該別の1つの組み合わせに対応する2つのカメラにより取得された2つの動画像データの記録先を、第1記録媒体4Aに割り当てる。この場合、例えば、制御部10は、すでに組み合わせ済みの重み付けの値(5,1,5,1)を除いた複数の重み付け(第2カメラ:3,第3カメラ:3,第5カメラ:2,第6カメラ:2)のうち、最大の重み付けの値:3と、最小の重み付けの値:2とを1つの組み合わせとし、当該1つの組み合わせに対応する第2カメラ2B、第5カメラ2Eにより取得された2つの動画像データの記録先を、第1記録媒体4Aに割り当てる。
【0044】
ステップS12では、制御部10は、変数NにN+1を代入して、ステップS13に進む。
【0045】
ステップS13では、制御部10は、第2記録媒体4Bに対して、重みの上からN番目及び下からN番目に対応するカメラを割り当てる。すなわち、制御部10は、すでに組み合わせ済みの重み付けの値を除いた複数の重み付けのうち、最大の重み付けの値と最小の重み付けの値とを別の1つの組み合わせとし、当該別の1つの組み合わせに対応する2つのカメラにより取得された2つの動画像データの記録先を、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bのうちの第2記録媒体4Bに割り当てる(第2処理)。本実施形態の重み付け表20では、最大の重み付けの値:5、最小の重み付けの値:1がそれぞれ2つずつ存在している。そこで、ステップS13では、N=1+1=2となる場合、制御部10は、重みの上から2番目及び下から2番目に対応するカメラとし、すでに組み合わせ済みの重み付けの値を除いた複数の重み付け(3,3,2,2,1,5)のうち、最大の重み付けの値:5と、最小の重み付けの値:1とを別の1つの組み合わせとする。
【0046】
ステップS14では、制御部10は、変数NにN+1を代入して、ステップS15に進む。
【0047】
ステップS15では、制御部10は、8つの第1カメラ2A~第8カメラ2H全てに対して、第1記録媒体4A、第2記録媒体4Bのいずれかが割り当てられているかを判定する。つまり、制御部10は、動画像データの記録先として、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bのいずれにも割り当てられていないカメラがあるか否かを判定する。この判定の結果、8つの第1カメラ2A~第8カメラ2H全てに対して、第1記録媒体4A、第2記録媒体4Bのいずれかが割り当てられている場合は、ステップS16へ進む。一方、8つの第1カメラ2A~第8カメラ2H全てに対して、第1記録媒体4A、第2記録媒体4Bのいずれかが割り当てられていない場合は、ステップS11に戻る。このように、ステップS11~ステップS14の処理が繰り返されることで、8つの重み付けのうち、第1処理、及び、第2処理によってすでに組み合わせ済みの重み付けの値を除いた残りの重み付けに対して、記録媒体の個数:2に応じて第2処理を繰り返し実行して各動画像データの記録先を割り振る。
【0048】
ステップS16では、制御部10は、第1記録媒体4Aの単体書き込みデータ量に対して、ステップS11にて第1記録媒体4Aに割り当てられた4つのカメラが取得する動画像データ総量が越えており、かつ、第2記録媒体4Bの単体書き込みデータ量に対して、ステップS13にて第2記録媒体4Bに割り当てられた4つのカメラが取得する動画像データ総量が越えているかを判定する。この判定の結果、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bのいずれの単体書き込みデータ量に対して、対応する動画像データ総量が越えている判定した場合は、図2のステップS5に進む。一方、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bのいずれの単体書き込みデータ量に対して、対応する動画像データ総量が越えていないと判定した場合は、ステップS17に進む。
【0049】
ステップS17では、制御部10は、第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bに対して、それぞれに割り当てられた4つのカメラの動画像データを記録して本処理を終了する。この場合、制御部10は、第1カメラ2A~第8カメラ2Hのうちの4つのカメラの動画像データを第1記録媒体4Aに対して記録し、他の4つのカメラの動画像データを第2記録媒体4Bに記録していく。制御部10は、第1カメラ2A~第8カメラ2Hのうちの4つのカメラの動画像データを第1記録媒体4Aに対して記録し、第1記録媒体4Aの記録容量の残量がなくなり次第、第1記録媒体4Aから第2記録媒体4Bに切り替えることなく、第1記録媒体4Aに記録されている時系列的に古い動画像データに対して新しい動画像データを上書きする。同様に、制御部10は、第1カメラ2A~第8カメラ2Hのうちの他の4つのカメラの動画像データを第2記録媒体4Bに対して記録し、第2記録媒体4Bの記録容量の残量がなくなり次第、第2記録媒体4Bから第1記録媒体4Aに切り替えることなく、第2記録媒体4Bに記録されている時系列的に古い動画像データに対して新しい動画像データを上書きする。
【0050】
以上で説明した本実施形態に係る車両用画像記録システム1は、車両Vに搭載され、動画像を撮像して動画像データを取得する第1カメラ2A~第8カメラ2Hと、第1記録媒体4A,第2記録媒体4Bを着脱可能に保持する本体装置3とを備える。本体装置3は、第1カメラ2A~第8カメラ2Hにより取得された8つの動画像データを、第1記録媒体4A、第2記録媒体4Bに記録する制御部10を有する。制御部10が、図4に示す重み付け表20を参照し、第1カメラ2A~第8カメラ2Hの設置場所に応じた重み付けに基づいて各動画像データの記録先を第1記録媒体4A及び第2記録媒体4Bから決定する。
【0051】
上記構成により、車両用画像記録システム1は、撮影された複数の動画像データを複数の記録媒体に適切に記録するために必要となる記録先の設定作業が不要となる。そして、車両用画像記録システム1によれば、上記構成により、複数のカメラにより得られる複数の動画像データを複数の記録媒体に適切に記録することができる。
【0052】
また、車両用画像記録システム1は、制御部10が、第1判定部11、第2判定部12を含んで構成され、第2判定部12により全体書き込みデータ量の総和に対して動画像データ総量が越えていないと判定された場合、図4に示す重み付け表20を参照し、設置場所に対応して設定された重み付けに基づいて各動画像データの記録先を第1記録媒体4A、第2記録媒体4Bから決定する。これにより、車両用画像記録システム1は、複数の動画像データの記録先を容易に決定することができる。
【0053】
また、車両用画像記録システム1は、制御部10が、8つの重み付けのうち、上記第1処理、及び、上記第2処理によってすでに組み合わせ済みの重み付けの値を除いた残りの重み付けに対して、第1記録媒体4A,第2記録媒体4Bの個数に応じて第2処理を繰り返し実行して各動画像データの記録先を割り振る。これにより、車両用画像記録システム1は、複数の動画像データの記録先を容易に決定することができる。
【0054】
なお、上記実施形態では、車両用画像記録システム1は、8つの第1カメラ2A~第8カメラ2Hを備えるが、この数に限定されるものではなく、7つ以下であってもよいし、9つ以上であってもよい。また、車両用画像記録システム1は、2つの第1記録媒体4A,第2記録媒体4Bを備えるが、この数に限定されるものではなく、3つ以上の記録媒体を備えていてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、制御部10は、図3に示す処理のように、設置場所に対応して設定された重み付けに基づいて各動画像データの記録先を第1記録媒体4A、第2記録媒体4Bから決定するが、これに限定されるものではない。例えば、制御部10は、複数の設置場所にそれぞれ設定された重み付けの値の総和を複数の記録媒体の個数で割った平均値に近似するように、複数の重み付けの値の組み合わせを決定し、決定した組み合わせに基づいて各動画像データの記録先を割り振るように構成してもよい。具体的には、制御部10は、8つの設置場所にそれぞれ設定された重み付けの値の総和:22を第1記録媒体4A,第2記録媒体4Bの個数:2で割った平均値:11に近似するように、8つの重み付けの値の組み合わせを決定し、決定した組み合わせに基づいて各動画像データの記録先を割り振るように構成される。
【0056】
例えば、制御部10は、上述したように、最大の重み付けの値:5と、最小の重み付けの値:1とを1つの組み合わせとし、当該1つの組み合わせに対応する第1カメラ2A、第4カメラ2Dにより取得された2つの動画像データの記録先を、第1記録媒体4Aに割り当てる。一方、制御部10は、上述したように、すでに組み合わせ済みの重み付けの値(5,1)を除いた複数の重み付け(第2カメラ:3,第3カメラ:3,第5カメラ:2,第6カメラ:2,第7カメラ:1,第8カメラ:5)のうち、最大の重み付けの値:5と、最小の重み付けの値:1とを別の1つの組み合わせとし、当該別の1つの組み合わせに対応する第8カメラ2H、第7カメラ2Gにより取得された2つの動画像データの記録先を、第2記録媒体4Bに割り当てる。
【0057】
また、制御部10は、すでに組み合わせ済みの重み付けの値(5,1,5,1)を除いた複数の重み付け(第2カメラ:3,第3カメラ:3,第5カメラ:2,第6カメラ:2)のうち、最大の重み付けの値:3と、最小の重み付けの値:2とを1つの組み合わせとし、当該1つの組み合わせに対応する第2カメラ2B、第5カメラ2Eにより取得された2つの動画像データの記録先を、第1記録媒体4Aに割り当てる。一方、制御部10は、すでに組み合わせ済みの重み付けの値(5,1,5,1,3,2)を除いた複数の重み付け(第3カメラ:3,第6カメラ:2)のうち、最大の重み付けの値:3と、最小の重み付けの値:2とを1つの組み合わせとし、当該1つの組み合わせに対応する第3カメラ2C、第6カメラ2Fにより取得された2つの動画像データの記録先を、第2記録媒体4Bに割り当てる。これにより、制御部10は、第1記録媒体4Aに対して、重み付けの値:5,1の組み合わせに対応する第1カメラ2A,第4カメラ2D、及び、重み付けの値:3,2の組み合わせに対応する第2カメラ2B,第5カメラ2Eにより取得された4つの動画像データを記録する。また、制御部10は、第2記録媒体4Bに対して、重み付けの値:5,1の組み合わせに対応する第8カメラ2H,第7カメラ2G、及び、重み付けの値:3,2の組み合わせに対応する第3カメラ2C,第6カメラ2Fにより取得された4つの動画像データを記録する。このように、車両用画像記録システム1は、複数のカメラにより得られる複数の動画像データを複数の記録媒体に均等に記録することができる。
【0058】
また、上記実施形態では、制御部10が、複数の重み付けのうち、後述する第1処理、及び、第2処理によってすでに組み合わせ済みの重み付けの値を除いた残りの重み付けに対して、複数の記録媒体の個数に応じて第2処理を繰り返し実行して各動画像データの記録先を割り振るが、これに限定されるものではない。例えば、制御部10は、複数のカメラの設置場所に応じた重み付けの数を偶数Na(Na:1~Na)、記録媒体の個数を2とした場合、値の大きさ順にNa~1と割り当てられた重み付けのうち、上からn(n:1~Na/2)番目の重み付けの値と、下からn番目の重み付けの値との組み合わせを決定し、決定した組み合わせに対応する2つのカメラにより取得された2つの動画像データの記録先を、2つの記録媒体に対して交互に割り振る構成であってもよい。また、制御部10は、複数のカメラの設置場所に応じた重み付けの数を奇数Nb(Nb:1~Nb)、記録媒体の個数を2とした場合、値の大きさ順にNb~1と割り当てられた前記重み付けのうち、上からn(n:1~(Nb+1)/2)番目の重み付けの値と、下からn番目の重み付けの値との組み合わせを決定し、決定した組み合わせに対応する2つのカメラにより取得された2つの動画像データの記録先を、2つの記録媒体に対して交互に割り振る構成であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 車両用画像記録システム
2A 第1カメラ
2B 第2カメラ
2C 第3カメラ
2D 第4カメラ
2E 第5カメラ
2F 第6カメラ
2G 第7カメラ
2H 第8カメラ
4A 第1記録媒体
4B 第2記録媒体
3 本体装置
10 制御部
11 第1判定部
12 第2判定部
V 車両
図1
図2
図3
図4
図5