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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179984
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】リードフレームおよび電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/50 20060101AFI20231213BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
H01L23/50 H
H01L23/50 K
H01L23/50 R
H01L21/60 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092992
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山脇 和真
(72)【発明者】
【氏名】平林 啓
【テーマコード(参考)】
5F044
5F067
【Fターム(参考)】
5F044AA01
5F067AA01
5F067AB02
5F067BA02
5F067BC13
5F067BD05
5F067DC12
(57)【要約】
【課題】パッケージ本体の内部に水分が侵入するリスクを低減する。
【解決手段】リードフレーム1は、ダイパッド2と、複数のリードと、枠部材6とを備えている。枠部材6は、第1の連結バー61A,61Bと、第2の連結バー62A,62Bとを含んでいる。ダイパッド2は、第2の連結バー62A,62Bに接続されている。複数のリードは、第1の連結バー61A,61Bに接続された複数の第1のリード3A,3Bと、第2の連結バー62A,62Bに接続された複数の第2のリード4Aとを含んでいる。複数の第2のリード4Aの数は、複数の第1のリード3A,3Bの数よりも少ない。複数の第2のリード4Aの各々は、複数の第1のリード3Aのうちの対応する1つの第1のリード3Aに接続されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品用のリードフレームであって、
ダイパッドと、
複数のリードと、
前記ダイパッドおよび前記複数のリードを囲む枠部材とを備え、
前記枠部材は、第1の方向に延びる第1の連結バーと、第2の方向に延びる第2の連結バーとを含み、
前記ダイパッドは、前記第2の連結バーに接続され、
前記複数のリードは、前記第1の連結バーに接続された複数の第1のリードと、前記第2の連結バーに接続された複数の第2のリードとを含み、
前記複数の第2のリードの数は、前記複数の第1のリードの数よりも少なく、
前記複数の第2のリードの各々は、前記複数の第1のリードのうちの対応する1つの第1のリードに接続されていることを特徴とするリードフレーム。
【請求項2】
前記複数の第1のリードは、少なくとも1つの特定の第1のリードを含み、
前記少なくとも1つの特定の第1のリードは、前記ダイパッドに接続され、前記複数の第2のリードには接続されていないことを特徴とする請求項1記載のリードフレーム。
【請求項3】
前記複数の第1のリードは、少なくとも1つの特定の第1のリードを含み、
前記少なくとも1つの特定の第1のリードは、前記ダイパッドおよび前記複数の第2のリードに接続されていないことを特徴とする請求項1記載のリードフレーム。
【請求項4】
請求項1に記載のリードフレームを用いて製造された電子部品であって、
前記ダイパッドに搭載されたチップと、
前記チップを封止する封止樹脂とを備えたことを特徴とする電子部品。
【請求項5】
前記複数の第1のリードは、少なくとも1つの特定の第1のリードを含み、
前記少なくとも1つの特定の第1のリードは、前記ダイパッドに接続され、前記複数の第2のリードには接続されていないことを特徴とする請求項4記載の電子部品。
【請求項6】
前記少なくとも1つの特定の第1のリードは、第1の部分と、前記第1の部分と前記ダイパッドとの間に配置された第2の部分とを含み、
前記第2の部分の全体は、前記封止樹脂に覆われていることを特徴とする請求項5記載の電子部品。
【請求項7】
前記複数の第1のリードは、少なくとも1つの特定の第1のリードを含み、
前記少なくとも1つの特定の第1のリードは、前記ダイパッドおよび前記複数の第2のリードに接続されず、
前記電子部品は、更に、前記少なくとも1つの特定の第1のリードと前記ダイパッドとを電気的に接続する少なくとも1つのワイヤを備えたことを特徴とする請求項4記載の電子部品。
【請求項8】
更に、複数のワイヤを備え、
前記チップは、複数の電極パッドを含み、
前記複数の電極パッドの各々は、前記複数のワイヤのうちの少なくとも1つを介して、前記複数の第1のリードのうちの対応する1つの第1のリードに電気的に接続されていることを特徴とする請求項4記載の電子部品。
【請求項9】
前記複数の第1のリードは、少なくとも1つの特定の第1のリードを含み、
前記複数の電極パッドは、少なくとも1つの特定の電極パッドを含み、
前記複数のワイヤは、第1のワイヤと第2のワイヤとを含み、
前記少なくとも1つの特定の電極パッドは、前記第1のワイヤを介して前記ダイパッドに電気的に接続され、
前記少なくとも1つの特定の第1のリードは、前記第2のワイヤを介して前記ダイパッドに電気的に接続されていることを特徴とする請求項8記載の電子部品。
【請求項10】
前記少なくとも1つの特定の第1のリードは、グランドに電気的に接続されることを特徴とする請求項9記載の電子部品。
【請求項11】
前記複数の第1のリードの各々は、前記封止樹脂に覆われてない露出面を有し、
前記電子部品は、更に、前記露出面を覆うめっき層を備えたことを特徴とする請求項4ないし10のいずれかに記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品用のリードフレームと、このリードフレームを用いて製造された電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
小型化に適した半導体装置等の電子部品用のパッケージとして、DFN(Dual Flatpack No-leaded)パッケージ等の、パッケージ本体から外側に延出するリード端子が設けられていないパッケージが知られている。DFNパッケージでは、パッケージ本体の表面に、複数の端子が設けられている。複数の端子は、例えば半田によって基板上の導体層に接合される。
【0003】
一般的に、DFNパッケージの製造には、チップが搭載されるダイパッドと複数のリードとを備えたリードフレームが用いられる。複数の端子は、複数のリードの表面の一部に、めっきを施すことによって形成される。電子部品を基板に実装する際に良好なフィレットを形成するためには、パッケージ本体の表面から露出するリードの表面全体にめっきを施すことが望ましい。
【0004】
特許文献1,2には、パッケージ本体の表面から露出するリードの表面全体にめっきを施す技術が開示されている。特許文献1には、リードフレーム枠に接続されたアウターリードに、インナーリードが接続されたリードフレームが記載されている。インナーリードは、インナー吊りリードによってリードフレーム枠に接続されている。
【0005】
特許文献1では、封止樹脂によって半導体チップを封止した後に、アウターリードをリードフレーム枠から切り離している。アウターリードを切り離しても、リードフレーム枠とアウターリードは、電気的な接続関係を維持している。特許文献1では、この状態でめっきを施すことによって、封止樹脂から露出するアウターリードの表面全体にめっき皮膜を形成している。
【0006】
特許文献2には、特許文献1に記載されたリードフレームと同様のリードフレームが記載されている。特許文献2の第1の連結バーと第2の連結バーは、特許文献1のリードフレーム枠に相当する。特許文献2では、第1の連結バーに接続されたリードに、延長部が接続されている。延長部は、第2の連結バーに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015-170822号公報
【特許文献2】特開2016-167532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1,2に記載されたリードフレームでは、端子として使用されるリードと端子として使用されないリードが連結されている。このようなリードフレームを使用して電子部品を製造すると、端子として使用されないリードも、パッケージ本体から露出する。その結果、パッケージ本体から露出するリードの数が多くなり、リードと封止樹脂との界面からパッケージ本体の内部に水分が侵入するリスクが高くなる。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、パッケージ本体の内部に水分が侵入するリスクを低減できるようにしたリードフレーム、およびこのリードフレームを用いた電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のリードフレームは、電子部品用のリードフレームである。リードフレームは、ダイパッドと、複数のリードと、ダイパッドおよび複数のリードを囲む枠部材とを備えている。枠部材は、第1の方向に延びる第1の連結バーと、第2の方向に延びる第2の連結バーとを含んでいる。ダイパッドは、第2の連結バーに接続されている。複数のリードは、第1の連結バーに接続された複数の第1のリードと、第2の連結バーに接続された複数の第2のリードとを含んでいる。複数の第2のリードの数は、複数の第1のリードの数よりも少ない。複数の第2のリードの各々は、複数の第1のリードのうちの対応する1つの第1のリードに接続されている。
【0011】
本発明の電子部品は、本発明のリードフレームを用いて製造された電子部品である。電子部品は、ダイパッドに搭載されたチップと、チップを封止する封止樹脂とを備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明のリードフレームおよび電子部品では、複数のリードは、枠部材の第1の連結バーに接続された複数の第1のリードと、枠部材の第2の連結バーに接続された複数の第2のリードとを含んでいる。複数の第2のリードの数は、複数の第1のリードの数よりも少ない。これにより、本発明によれば、パッケージ本体の内部に水分が侵入するリスクを低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る電子部品を示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る電子部品を示す斜視図である。
図3図2に示した電子部品の一部を拡大して示す斜視図である。
図4】本発明の第1の実施の形態におけるリードフレーム構造体を示す平面図である。
図5】本発明の第1の実施の形態に係るリードフレームを示す平面図である。
図6】本発明の第1の実施の形態に係る電子部品おける複数の第1のリードと複数の電極パッドとの接続関係を示す平面図である。
図7】本発明の第1の実施の形態に係る電子部品の変形例における複数の第1のリードと複数の電極パッドとの接続関係を示す平面図である。
図8】本発明の第2の実施の形態に係る電子部品における複数の第1のリードと複数の電極パッドとの接続関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1ないし図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る電子部品について説明する。図1および図2は、電子部品を示す斜視図である。図3は、図2に示した電子部品の一部を拡大して示す斜視図である。
【0015】
本実施の形態に係る電子部品10は、本実施の形態に係るリードフレームを用いて製造された電子部品である。電子部品10は、チップ11と、封止樹脂9と、複数の端子とを備えている。チップ11は、リードフレームのダイパッド2に搭載されている。また、チップ11は、複数の電極パッドを含んでいる。複数の電極パッドは、それぞれ、複数の端子に電気的に接続されている。複数の端子は、リードフレームの一部を用いて構成されている。封止樹脂9は、チップ11を封止している。封止樹脂9は、電子部品10のパッケージ本体(以下、単に本体と記す。)12の大部分を構成する。
【0016】
複数の端子は、複数の第1の端子と、少なくとも1つの第2の端子とを含んでいる。図1ないし図3に示した例では、第1の端子を符号13Aで示し、第2の端子を符号13Bで示している。この例では、複数の端子は、少なくとも1つの第2の端子として、複数の第2の端子13Bを含んでいる。
【0017】
本実施の形態では特に、本体12は、ほぼ直方体形状をなしている。本体12は、本体12の外周部を構成する底面12A、上面12Bおよび4つの側面12C~12Fを有している。底面12Aと上面12Bは互いに反対側を向き、側面12C,12Dも互いに反対側を向き、側面12E,12Fも互いに反対側を向いている。側面12C~12Fは、底面12Aおよび上面12Bに対して垂直になっている。図1は、上面12B側から見た電子部品10を示している。図2は、底面12A側から見た電子部品10を示している。
【0018】
ここで、図1ないし図3に示したように、X方向、Y方向、Z方向を定義する。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する。本実施の形態では、底面12Aに垂直な方向であって、底面12Aから上面12Bに向かう方向を、Z方向とする。また、X方向とは反対の方向を-X方向とし、Y方向とは反対の方向を-Y方向とし、Z方向とは反対の方向を-Z方向とする。
【0019】
Y方向に平行な方向は、本発明における「第1の方向」に対応し、X方向に平行な方向は、本発明における「第2の方向」に対応する。本実施の形態では、第1の方向と第2の方向は、互いに直交している。なお、第1の方向と第2の方向は、90°以外の角度をなして交差していてもよい。
【0020】
図1および図2に示したように、底面12Aは、本体12における-Z方向の端に位置する。上面12Bは、本体12におけるZ方向の端に位置する。側面12Cは、本体12における-X方向の端に位置する。側面12Dは、本体12におけるX方向の端に位置する。側面12Eは、本体12における-Y方向の端に位置する。側面12Fは、本体12におけるY方向の端に位置する。
【0021】
複数の第1の端子13Aと複数の第2の端子13Bのうちのいくつかは、底面12Aと側面12Cとの間の第1の稜線およびその近傍に配置されている。図1および図2に示した例では、Y方向に並んだ2つの第1の端子13Aが、第1の稜線およびその近傍に配置されている。また、1つの第2の端子13Bが、第1の稜線およびその近傍において、上記の2つの第1の端子13Aの間に配置されている。
【0022】
同様に、複数の第1の端子13Aと複数の第2の端子13Bのうちの他のいくつかは、底面12Aと側面12Dとの間の第2の稜線およびその近傍に配置されている。図1および図2に示した例では、Y方向に並んだ他の2つの第1の端子13Aが、第2の稜線およびその近傍に配置されている。また、他の1つの第2の端子13Bが、第2の稜線およびその近傍において、上記の他の2つの第1の端子13Aの間に配置されている。
【0023】
前述のように、複数の端子(複数の第1の端子13Aおよび複数の第2の端子13B)は、リードフレームの一部を用いて構成されている。電子部品10は、更に、複数の端子の他の一部を構成する複数のめっき層30を備えている。複数の端子の各々は、その大部分が本体12の内部に存在する。複数のめっき層30の各々は、複数の端子のうちの対応する端子の、本体12から露出する部分を構成している。
【0024】
ダイパッド2は、封止樹脂9に覆われていない露出面を有している。ダイパッド2の露出面は、底面12Aに配置されている。電子部品10は、更に、ダイパッド2の露出面のうちの底面12Aに配置された部分を覆う図示しないめっき層を備えている。
【0025】
図1および図2において、符号4Aは第2のリードを示し、符号4Bは接続リードを示している。また、図3において、符号3A,3Bは、第1のリードを示している。第1のリード3A,3B、第2のリード4Aおよび接続リード4Bについては、後で詳しく説明する。
【0026】
電子部品10は、本体12の底面12Aが実装基板に対向する姿勢で、実装基板上に実装される。図1ないし図3に示した電子部品10は、本体12から外側に延出するリード端子が設けられていないDFN(Dual Flatpack No-leaded)パッケージである。
【0027】
複数の第2の端子13Bのうちの少なくとも1つは、電子部品10が実装基板に実装された状態において、グランドに電気的に接続されてもよい。
【0028】
次に、図4および図5を参照して、本実施の形態に係るリードフレームを説明する。図4は、本実施の形態におけるリードフレーム構造体を示す平面図である。図5は、本実施の形態に係るリードフレームを示す平面図である。なお、図4および図5には、図1ないし図3と同様に、X方向、Y方向およびZ方向を示している。図4および図5では、ダイパッド2の姿勢とX方向、Y方向およびZ方向との関係が、図1ないし図3と同じになるように、X方向、Y方向およびZ方向を規定している。
【0029】
図4に示したリードフレーム構造体100は、電子部品10用の複数のリードフレーム1を備えている。図4に示した例では、複数のリードフレーム1は、X方向とY方向にそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。リードフレーム構造体100は、例えばCuまたFeを含む合金よりなる金属板を加工することによって作製される。
【0030】
以下、1つのリードフレーム1に注目して、リードフレーム1の構造について説明する。図5は、1つのリードフレーム1を示している。リードフレーム1は、ダイパッド2と、複数のリードと、ダイパッド2および複数のリードを囲む枠部材6とを備えている。
【0031】
枠部材6は、それぞれY方向に平行な方向に延びる2つの第1の連結バー61A,61Bと、それぞれX方向に平行な方向に延びる2つの第2の連結バー62A,62Bとを含んでいる。第1の連結バー61Aの一端部は、第2の連結バー62Aの一端部に接続されている。第2の連結バー62Aの他端部は、第1の連結バー61Bの一端部に接続されている。第1の連結バー61Bの他端部は、第2の連結バー62Bの一端部に接続されている。第2の連結バー62Bの他端部は、第1の連結バー61Aの他端部に接続されている。
【0032】
複数のリードは、それぞれ第1の連結バー61Aまたは61Bに接続される複数の第1のリードと、それぞれ第2の連結バー62Aまたは62Bに接続される複数の第2のリード4Aとを含んでいる。複数の第1のリードのいくつかは、ダイパッド2に接続されている。以下、ダイパッド2に接続される第1のリードを符号3Bで示し、ダイパッド2に接続されない第1のリードを符号3Aで示す。複数のリードは、複数の第1のリードとして、複数の第1のリード3Aと、少なくとも1つの第1のリード3Bとを含んでいる。少なくとも1つの第1のリード3Bは、本発明における「少なくとも1つの特定の第1のリード」に対応する。本実施の形態では特に、少なくとも1つの第1のリード3Bは、複数の第1のリード3Bである。
【0033】
複数の第2のリード4Aの数は、複数の第1のリードの数、すなわち複数の第1のリード3Aの数と複数の第1のリード3Bの数の合計よりも少ない。図5に示した例では、第1のリード3Aの数は4つであり、第1のリード3Bの数は2つであり、第2のリード4Aの数は4つである。複数の第2のリード4Aの各々は、複数の第1のリードのうちの対応する1つの第1のリード、より具体的には、ダイパッド2に接続されていない複数の第1のリード3Aのうちの対応する1つの第1のリード3Aに接続されている。
【0034】
図5では、2つの第1のリード3Aと1つの第1のリード3Bが、ダイパッド2と第1の連結バー61Aとの間(ダイパッド2に対して図5における左側)に配置されている。上記2つの第1のリード3Aは、第1の連結バー61Aに沿って並んでいる。上記1つの第1のリード3Bは、上記2つの第1のリード3Aの間に配置されている。上記2つの第1のリード3Aと上記1つの第1のリード3Bの各々は、第1の連結バー61Aに接続され、第1の連結バー61AからX方向に延在している。複数の第2のリード4Aのうちの2つの第2のリード4Aの各々は、上記2つの第1のリード3Aのうちの対応する1つの第1のリード3Aにおける第1の連結バー61Aとは反対側の端部の近傍に接続されている。上記1つの第1のリード3Bにおける第1の連結バー61Aとは反対側の端部は、ダイパッド2に接続されている。
【0035】
また、図5では、他の2つの第1のリード3Aと他の1つの第1のリード3Bが、ダイパッド2と第1の連結バー61Bとの間(ダイパッド2に対して図5における右側)に配置されている。上記他の2つの第1のリード3Aは、第1の連結バー61Bに沿って並んでいる。上記他の1つの第1のリード3Bは、上記他の2つの第1のリード3Aの間に配置されている。上記他の2つの第1のリード3Aと上記他の1つの第1のリード3Bの各々は、第1の連結バー61Bに接続され、第1の連結バー61Bから-X方向に延在している。複数の第2のリード4Aのうちの他の2つの第2のリード4Aの各々は、上記他の2つの第1のリード3Aのうちの対応する1つの第1のリード3Aにおける第1の連結バー61Bとは反対側の端部の近傍に接続されている。上記他の1つの第1のリード3Bにおける第1の連結バー61Bとは反対側の端部は、ダイパッド2に接続されている。
【0036】
図5では、第1のリード3A,3Bと第1の連結バー61Aまたは61Bとの境界、第1のリード3Aと第2のリード4Aとの境界、ならびに第1のリード3Bとダイパッド2との境界を、それぞれ点線で示している。
【0037】
複数のリードは、更に、複数の接続リード4Bを含んでいる。図5に示した例では、接続リード4Bの数は2つである。2つの接続リード4Bのうちの一方は、ダイパッド2と第2の連結バー62Aとを接続し、他方は、ダイパッド2と第2の連結バー62Bとを接続している。従って、ダイパッド2は、第2の連結バー62A,62Bに対して、接続リード4Bを介して、間接的且つ電気的に接続されている。なお、接続リード4Bの数は2つに限らず、3つ以上であってもよい。また、図5には、接続リード4BのX方向の寸法が、第2のリード4AのX方向の寸法よりも小さい例を示している。しかし、接続リード4BのX方向の寸法は、第2のリード4AのX方向の寸法と等しくてもよいし、第2のリード4AのX方向の寸法よりも大きくてもよい。
【0038】
図5では、2つの第2のリード4Aと1つの接続リード4Bが、ダイパッド2と第2の連結バー62Aとの間(ダイパッド2に対して図5における下側)に配置されている。上記2つの第2のリード4Aは、第2の連結バー62Aに沿って並ぶと共に、第2の連結バー62Aに接続されている。上記1つの接続リード4Bは、上記2つの第2のリード4Aの間に配置されている。また、図5では、他の2つの第2のリード4Aと他の1つの接続リード4Bが、ダイパッド2と第2の連結バー62Bとの間(ダイパッド2に対して図5における上側)に配置されている。上記他の2つの第2のリード4Aは、第2の連結バー62Bに沿って並ぶと共に、第2の連結バー62Bに接続されている。上記他の1つの接続リード4Bは、上記他の2つの第2のリード4Aの間に配置されている。図5では、ダイパッド2と接続リード4Bとの境界、第2のリード4Aと第2の連結バー62Aまたは62Bとの境界、ならびに接続リード4Bと第2の連結バー62Aまたは62Bとの境界を、それぞれ点線で示している。
【0039】
図5において、符号9を付した二点鎖線の矩形によって囲まれた領域は、リードフレーム1を用いて製造された電子部品10において、封止樹脂9によって封止される領域を示している。また、符号9を付した二点鎖線の矩形の外側の領域は、電子部品10の製造過程において除去される予定の領域である。第1の連結バー61A,61Bと第2の連結バー62A,62Bは、電子部品10の製造過程において除去される予定の領域に配置されている。電子部品10の製造過程では、第1のリード3A,3Bのうち、第1の連結バー61Aまたは61Bとの境界の近傍の部分も除去される。
【0040】
また、電子部品10の製造過程では、複数の第2のリード4Aおよび複数の接続リード4Bのうち、第2の連結バー62Aまたは62Bとの境界の近傍部分も除去される。その結果、図1および図2に示したように、複数の第2のリード4Aおよび複数の接続リード4Bの各々の端面が、電子部品10の本体12の側面12E,12Fにおいて露出する。
【0041】
ここまでは、1つのリードフレーム1に注目して説明してきた。前述のように、本実施の形態におけるリードフレーム構造体100には、複数のリードフレーム1が設けられている。また、リードフレーム構造体100には、第1の連結バー61A、第1の連結バー61B、第2の連結バー62Aおよび第2の連結バー62Bも、それぞれ複数設けられている。
【0042】
複数の第1の連結バー61Aと複数の第1の連結バー61Bは、第1の連結バー61Aと第1の連結バー61Bが交互に並ぶように、X方向に配列されている。第1の連結バー61A,61Bの各々は、Y方向に平行な方向において、Y方向に並ぶ複数個分のリードフレーム1に相当する寸法を有している。
【0043】
また、複数の第2の連結バー62Aと複数の第2の連結バー62Bは、第2の連結バー62Aと第2の連結バー62Bが交互に並び、且つ複数の第1の連結バー61A,61Bと交差するように、Y方向に配列されている。第2の連結バー62A,62Bの各々は、X方向に平行な方向において、X方向に並ぶ複数個分のリードフレーム1に相当する寸法を有している。
【0044】
リードフレーム構造体100は、リードフレーム構造体100の-Y方向の端に位置する第3の連結バー101と、リードフレーム構造体100のY方向の端に位置する図示しない第4の連結バーと、リードフレーム構造体100の-X方向の端に位置する第5の連結バー102と、リードフレーム構造体100のX方向の端に位置する図示しない第6の連結バーとを備えている。複数の第1の連結バー61Aと複数の第1の連結バー61Bの各々は、第3の連結バー101と第4の連結バーに接続されている。複数の第2の連結バー62Aと複数の第2の連結バー62Bの各々は、第5の連結バー102と第6の連結バーに接続されている。
【0045】
次に、電子部品10の製造方法について説明する。電子部品10の製造方法では、まず、リードフレーム1のダイパッド2上に、複数の電極パッドを含むチップ11を搭載する。チップ11は、複数の電極パッドが配置された第1の面と、第1の面とは反対側の第2の面とを有している。チップ11は、第2の面がダイパッド2に対向するような姿勢で、ダイパッド2に搭載される。次に、複数のワイヤ7を用いたワイヤボンディングによって、チップ11の複数の電極パッドと、リードフレーム1の第1のリード3A,3Bとを電気的に接続する。
【0046】
ここで、図6を参照して、第1のリード3A,3Bと複数の電極パッドとの接続関係について説明する。図6では、第1のリード3Aに接続される電極パッドを符号11aで示し、第1のリード3Bに接続される電極パッドを符号11bで示している。チップ11は、複数の電極パッドとして、複数の電極パッド11aと、少なくとも1つの電極パッド11bとを含んでいてもよい。図6に示した例では、電極パッド11aの数は4つであり、電極パッド11bの数は2つである。
【0047】
少なくとも1つの電極パッド11bは、本発明における「少なくとも1つの特定の電極パッド」に対応する。少なくとも1つの電極パッド11bは、グランドに電気的に接続されるグランドパッドであってもよい。あるいは、複数の電極パッド11aは、少なくとも1つのグランドパッドを含んでいてもよい。
【0048】
複数の電極パッド11aおよび少なくとも1つの電極パッド11bの各々は、複数のワイヤ7のうち少なくとも1つを介して、複数の第1のリード3Aおよび複数の第1のリード3Bのうちの対応する1つの第1のリード3Aまたは3Bに接続される。図6に示した例では、4つの電極パッド11aの各々は、1つのワイヤ7を介して、4つの第1のリード3Aのうちの対応する1つの第1のリード3Aに接続されている。また、2つの電極パッド11bの各々は、1つのワイヤ7を介して、2つの第1のリード3Bのうち、その電極パッド11bに最も近い1つの第1のリード3Bに接続されている。
【0049】
電子部品10の製造方法では、次に、封止樹脂9によって、ダイパッド2、第1のリード3A,3Bおよびチップ11を封止する封止工程を行う。封止工程では、リードフレーム1の枠部材6の第1の連結バー61A,61Bと第2の連結バー62A,62Bも封止される。以下、封止工程によって作成される、リードフレーム1と封止樹脂9とを含む構造物を、基礎構造物と言う。
【0050】
第1のリード3A,3Bの各々は、第1の部分と、第1の部分とダイパッド2との間に配置された第2の部分とを含んでいる。基礎構造物では、第1のリード3A,3Bの各々の第1の部分は、第1の連結バー61Aまたは61Bに接続されている。第1の部分は、封止樹脂9のうち本体12の底面12Aになる予定の部分において露出してもよい。また、第2の部分の全体は、封止樹脂9に覆われていてもよい。同様に、複数の接続リード4Bの各々は、その全体が封止樹脂9に覆われていてもよい。また、基礎構造物では、ダイパッド2が、封止樹脂9のうち本体12の底面12Aになる予定の部分において露出してもよい。
【0051】
リードフレーム1は、上述のように第1のリード3A,3Bの各々の第2の部分と複数の接続リード4Bが封止樹脂によって覆われるような形状を有していてもよい。具体的には、リードフレーム1は、第1のリード3A,3Bの各々の第2の部分と複数の接続リード4Bが、ダイパッド2および第1のリード3A,3Bの各々の第1の部分に対して、Z方向にずれた構造を有していてもよい。
【0052】
あるいは、第1のリード3A,3Bの各々の第2の部分と複数の接続リード4Bの厚み(Z方向に平行な方向における寸法)は、ダイパッド2および第1のリード3A,3Bの各々の第1の部分の厚みよりも小さくてもよい。この場合、封止工程の前に、第1のリード3A,3Bの各々の第2の部分と複数の接続リード4Bの厚みが小さくなるように、第1のリード3A,3Bの各々の第2の部分と2つの接続リードを加工してもよい。例えば、リードフレーム1の-Z方向側からエッチングすることによって、第1のリード3A,3Bの各々の第2の部分と複数の接続リード4Bの厚みを小さくしてもよい。
【0053】
電子部品10の製造方法では、次に、基礎構造物を図示しないダイシングテープに固定する。次に、第1の連結バー61A,61Bが除去されるように、ダイシングソーによって基礎構造物を切断する切断工程を行う。この切断工程によって、第1のリード3A,3Bの切断面が封止樹脂9から露出する。なお、切断工程では、基礎構造物が分割されないように、すなわち第3の連結バー101と第4の連結バーが完全に切断されないように、基礎構造物を切断してもよい。複数の第1のリード3Aの各々は、複数の第2のリード4Aを介して第2の連結バー62Aまたは62Bに接続されている。複数の第1のリード3Bは、ダイパッド2および2つの接続リードを介して第2の連結バー62A,62Bに接続されている。第2の連結バー62A,62Bは、第5の連結バー102と第6の連結バーに接続されている。
【0054】
電子部品10の製造方法では、次に、例えば電気めっき法によって、第1のリード3A,3Bのうち封止樹脂9によって覆われていない露出面にめっき層30を形成すると共に、ダイパッド2のうち封止樹脂9によって覆われていない露出面にめっき層を形成する。電気めっき法を用いる場合、第3の連結バー101、図示しない第4の連結バー、第5の連結バー102および図示しない第6の連結バーのうちの少なくとも1つに、電気めっき装置の電極を接続することによって、めっき層を形成することが可能になる。
【0055】
電子部品10の製造方法では、次に、第2の連結バー62A,62Bが除去されるように基礎構造物を切断することによって、複数の電子部品10を互いに分離する。これにより、電子部品10が完成する。なお、電子部品10では、複数の第1のリード3Bは、複数の第2のリード4Aに、直接的のみならず間接的にも接続されない状態となる。
【0056】
ここで、図1ないし図3を参照して、複数の第1の端子13Aと複数の第1のリード3Aとの関係、および複数の第2の端子13Bと複数の第1のリード3Bとの関係を説明する。図3には、1つの第1の端子13Aと1つの第2の端子13Bを示している。第1の端子13Aは、第1のリード3Aとめっき層30とによって構成されている。便宜上、第1のリード3Aのうちの封止樹脂9によって覆われていない面を、露出面と言う。めっき層30は、第1のリード3Aの露出面を覆っている。また、第2の端子13Bは、第1のリード3Bとめっき層30とによって構成されている。便宜上、第1のリード3Bのうちの封止樹脂9によって覆われていない面を、露出面という。めっき層30は、第1のリード3Bの露出面を覆っている。
【0057】
上記の1つの第1の端子13Aについての説明は、他の3つの第1の端子13Aにも当てはまる。同様に、上記の1つの第2の端子13Bについての説明は、他の1つの第2の端子13Bにも当てはまる。
【0058】
図1および図2に示した第1の端子13Aは、第1のリード3Aの第1の部分によって構成された部分である。第1の端子13Aのうち、封止樹脂9によって覆われた部分(図1および図2に図示されていない部分)は、第1のリード3Aの第2の部分によって構成されている。
【0059】
同様に、図1および図2に示した第2の端子13Bは、第1のリード3Bの第1の部分によって構成された部分である。第2の端子13Bのうち、封止樹脂9によって覆われた部分(図1および図2に図示されていない部分)は、第1のリード3Bの第2の部分によって構成されている。
【0060】
次に、本実施の形態に係るリードフレーム1および電子部品10の作用および効果について説明する。本実施の形態では、第2のリード4Aの数は、複数の第1のリード3Aの数と複数の第1のリード3Bの数の合計よりも少ない。ここで、複数の第1のリード3A,3Bの全てを、複数の比較例の第2のリードを介して、第2の連結バー62Aまたは62Bに接続する比較例のリードフレームを考える。比較例のリードフレームを用いて電子部品10を製造した場合、複数の比較例の第2のリードの切断面と、複数の接続リード4Bの切断面が、電子部品10の本体12の側面12E,12Fにおいて露出する。
【0061】
比較例のリードフレームを用いて製造された電子部品10では、本体12の側面12E,12Fにおいて露出する比較例の第2のリードの数は、複数の第1のリード3Aの数と複数の第1のリード3Bの数の合計の数と等しくなる。
【0062】
これに対し、本実施の形態では、本体12の側面12E,12Fにおいて露出する第2のリード4Aの数は、複数の第1のリード3Aの数と等しくなり、複数の第1のリード3Aの数と複数の第1のリード3Bの数の合計よりも少なくなる。これにより、本実施の形態によれば、本体12の内部に水分が侵入するリスクを低減することができる。
【0063】
また、本実施の形態では、複数の第1のリード3Bの各々は、ダイパッド2に接続されている。ダイパッド2は、複数の接続リード4Bを介して第2の連結バー62A,62Bに接続されている。これにより、本実施の形態によれば、複数の第1のリード3Bの各々を、ダイパッド2および複数の接続リード4Bを介して、第2の連結バー62A,62Bに電気的に接続することができる。これにより、本実施の形態によれば、複数の第1のリード3Bの各々に、めっき層30を形成することができる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、複数の第2のリード4Aの数を少なくすることによって、ダイシングソーの摩耗を抑制することができる。
【0065】
[変形例]
次に、本実施の形態に係るリードフレーム1および電子部品10の変形例について説明する。変形例では、リードフレーム1の第1のリード3Aの数と第2のリード4Aが、図5に示した例と異なっている。変形例では、第1のリード3Aの数は8つであり、第2のリード4Aの数は8つである。また、変形例では、チップ11の電極パッド11bの数が、図6に示した例と異なっている。変形例では、電極パッド11aの数は8つである。
【0066】
図7は、第1のリード3A,3Bと電極パッド11a,11bとの接続関係を示す平面図である。ここで、ダイパッド2と第1の連結バー61Aとの間(ダイパッド2に対して図7における左側)に配置された1つの第1のリード3Bを、便宜上、左側の第1のリード3Bと言い、ダイパッド2と第1の連結バー61Bとの間(ダイパッド2に対して図7における右側)に配置された他の1つの第1のリード3Bを、便宜上、右側の第1のリード3Bと言う。変形例では、左側の第1のリード3Bと第2の連結バー62Aとの間、左側の第1のリード3Bと第2の連結バー62Bとの間、右側の第1のリード3Bと第2の連結バー62Aとの間、および右側の第1のリード3Bと第2の連結バー62Bとの間には、第1のリード3Aが2つずつ配置されている。
【0067】
ダイパッド2と第1の連結バー61Aとの間に配置された4つの第1のリード3Aは、第1の連結バー61Aに沿って並んでいる。上記4つの第1のリード3Aの各々は、第1の連結バー61Aに接続され、第1の連結バー61AからX方向に延在している。複数の第2のリード4Aのうちの4つの第2のリード4Aの各々は、上記4つの第1のリード3Aのうちの対応する1つの第1のリード3Aにおける第1の連結バー61Aとは反対側の端部の近傍に接続されている。
【0068】
ダイパッド2と第1の連結バー61Bとの間に配置された他の4つの第1のリード3Aは、第1の連結バー61Bに沿って並んでいる。上記他の4つの第1のリード3Aの各々は、第1の連結バー61Bに接続され、第1の連結バー61Bから-X方向に延在している。複数の第2のリード4Aのうちの他の4つの第2のリード4Aの各々は、上記他の4つの第1のリード3Aのうちの対応する1つの第1のリード3Aにおける第1の連結バー61Bとは反対側の端部の近傍に接続されている。
【0069】
図7では、第1のリード3A,3Bと第1の連結バー61Aまたは61Bとの境界、第1のリード3Aと第2のリード4Aとの境界、ならびに第1のリード3Bとダイパッド2との境界を、それぞれ点線で示している。
【0070】
ここで、ダイパッド2と第2の連結バー62Aとの間(ダイパッド2に対して図7における下側)に配置された1つの接続リード4Bを、便宜上、下側の接続リード4Bと言い、ダイパッド2と第2の連結バー62Bとの間(ダイパッド2に対して図7における上側)に配置された他の1つの接続リード4Bを、便宜上、上側の接続リード4Bと言う。変形例では、下側の接続リード4Bと第1の連結バー61Aとの間、下側の接続リード4Bと第1の連結バー61Bとの間、上側の接続リード4Bと第1の連結バー61Aとの間、および上側の接続リード4Bと第1の連結バー61Bとの間には、第2のリード4Aが2つずつ配置されている。ダイパッド2と第2の連結バー62Aとの間に配置された4つの第2のリード4Aは、第2の連結バー62Aに沿って並ぶと共に、第2の連結バー62Aに接続されている。ダイパッド2と第2の連結バー62Bとの間に配置された他の4つの第2のリード4Aは、第2の連結バー62Bに沿って並ぶと共に、第2の連結バー62Bに接続されている。図7では、ダイパッド2と接続リード4Bとの境界、第2のリード4Aと第2の連結バー62Aまたは62Bとの境界、ならびに接続リード4Bと第2の連結バー62Aまたは62Bとの境界を、それぞれ点線で示している。
【0071】
前述のように、電子部品10の製造過程では、複数のワイヤ7を用いたワイヤボンディングによって、チップ11の電極パッド11a,11bとリードフレーム1の第1のリード3A,3Bとが接続される。変形例では特に、8つの電極パッド11aの各々は、1つのワイヤ7を介して、8つの第1のリード3Aのうちの対応する1つの第1のリード3Aに接続されている。
【0072】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るリードフレーム201は、以下の点で、第1の実施の形態に係るリードフレーム1と異なっている。本実施の形態に係るリードフレーム201は、第1の実施の形態における複数の第1のリード3Bの代わりに、複数の第1のリード3Cを含んでいる。複数の第1のリード3Cは、本発明における「少なくとも1つの特定の第1のリード」に対応する。本実施の形態では特に、複数の第1のリード3Cの数は2つである。本実施の形態に係るリードフレーム201のその他の構成は、第1の実施の形態に係るリードフレーム1の構成と同じである。
【0073】
また、本実施の形態では、電子部品10は、本実施の形態に係るリードフレーム201を用いて製造される。第1の実施の形態と同様に、電子部品10の製造過程では、複数のワイヤ7を用いたワイヤボンディングによって、チップ11の電極パッド11a,11bとリードフレーム1の第1のリード3A,3Cとが接続される。本実施の形態では特に、2つの電極パッド11bは、2つのワイヤ7を介して、2つの第1のリード3Cに接続されている。
【0074】
以下、図8を参照して、2つの第1のリード3Cの形状および配置と、2つの第1のリード3Cと複数の電極パッド11bとの接続関係について詳しく説明する。図8は、第1のリード3A,3Cと電極パッド11a,11bとの接続関係を示す平面図である。
【0075】
1つの第1のリード3Cは、ダイパッド2と第1の連結バー61Aとの間において、2つの第1のリード3Aの間に配置されている。上記1つの第1のリード3Cは、第1の連結バー61Aに接続され、第1の連結バー61AからX方向に延在している。他の1つの第1のリード3Cは、ダイパッド2と第1の連結バー61Bとの間において、他の2つの第1のリード3Aの間に配置されている。上記他の1つの第1のリード3Cは、第1の連結バー61Bに接続され、第1の連結バー61Bから-X方向に延在している。図8では、上記2つの第1のリード3Cと第1の連結バー61Aまたは61Bとの境界をそれぞれ点線で示している。上記2つの第1のリード3Cは、いずれも、ダイパッド2および複数の第2のリード4Aに接続されていない。
【0076】
前述のように、2つの電極パッド11bは、2つのワイヤ7を介して、2つの第1のリード3Cに接続されている。ここで、上記2つのワイヤ7のうち、電極パッド11bに接続されるワイヤ7を第1のワイヤ7aと言い、第1のリード3Cに接続されるワイヤ7を第2のワイヤ7bと言う。2つの電極パッド11bの各々は、第1のワイヤ7aを介してダイパッド2に接続されている。2つの第1のリード3Cの各々は、第2のワイヤ7bを介してダイパッド2に接続されている。従って、2つの電極パッド11bは、第1および第2のワイヤ7a,7bを介して、2つの第1のリード3Cに接続されていると言える。
【0077】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0078】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、請求の範囲の要件を満たす限り、リードの各々の形状、数および配置は、各実施の形態に示した例に限られず、任意である。第1のリード3Aおよび第2のリード4Aの各々の数は、4つおよび8つ以外の2以上の数であってもよい。第1のリード3Bまたは3Cの数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0079】
また、リードの各々の形状は、矩形に限らず、多角形形状、円形形状または楕円形形状であってもよい。
【0080】
また、請求の範囲の要件を満たす限り、チップ11の電極パッドの数および配置は、各実施の形態に示した例に限られず、任意である。特に、電極パッドの数は、第1のリード3Aの数と第1のリード3Bまたは3Cの数の合計よりも少なくてもよい。
【0081】
また、複数の第1のリード3Aのうちのいくつかは、第2のリード4Aの代わりにワイヤによって第2の連結バー62Aまたは62Bに接続されてもよい。
【0082】
以上説明したように、本発明のリードフレームは、電子部品用のリードフレームである。リードフレームは、ダイパッドと、複数のリードと、ダイパッドおよび複数のリードを囲む枠部材とを備えている。枠部材は、第1の方向に延びる第1の連結バーと、第2の方向に延びる第2の連結バーとを含んでいる。ダイパッドは、第2の連結バーに接続されている。複数のリードは、第1の連結バーに接続された複数の第1のリードと、第2の連結バーに接続された複数の第2のリードとを含んでいる。複数の第2のリードの数は、複数の第1のリードの数よりも少ない。複数の第2のリードの各々は、複数の第1のリードのうちの対応する1つの第1のリードに接続されている。
【0083】
本発明のリードフレームにおいて、複数の第1のリードは、少なくとも1つの特定の第1のリードを含んでいてもよい。少なくとも1つの特定の第1のリードは、ダイパッドに接続され、複数の第2のリードには接続されていなくてもよい。あるいは、少なくとも1つの特定の第1のリードは、ダイパッドおよび複数の第2のリードに接続されていなくてもよい。
【0084】
本発明の電子部品は、本発明のリードフレームを用いて製造された電子部品である。電子部品は、ダイパッドに搭載されたチップと、チップを封止する封止樹脂とを備えている。
【0085】
本発明の電子部品において、複数の第1のリードは、少なくとも1つの特定の第1のリードを含んでいてもよい。少なくとも1つの特定の第1のリードは、ダイパッドに接続され、複数の第2のリードには接続されていなくてもよい。少なくとも1つの特定の第1のリードは、第1の部分と、第1の部分とダイパッドとの間に配置された第2の部分とを含んでいてもよい。第2の部分の全体は、封止樹脂に覆われていてもよい。
【0086】
あるいは、少なくとも1つの特定の第1のリードは、ダイパッドおよび複数の第2のリードに接続されなくてもよい。本発明の電子部品は、更に、少なくとも1つの特定の第1のリードとダイパッドとを電気的に接続する少なくとも1つのワイヤを備えていてもよい。
【0087】
また、本発明の電子部品は、更に、複数のワイヤを備えていてもよい。チップは、複数の電極パッドを含んでいてもよい。複数の電極パッドの各々は、複数のワイヤのうちの少なくとも1つを介して、複数の第1のリードのうちの対応する1つの第1のリードに電気的に接続されていてもよい。複数の第1のリードは、少なくとも1つの特定の第1のリードを含んでいてもよい。複数の電極パッドは、少なくとも1つの特定の電極パッドを含んでいてもよい。複数のワイヤは、第1のワイヤと第2のワイヤとを含んでいてもよい。少なくとも1つの特定の電極パッドは、第1のワイヤを介してダイパッドに電気的に接続されていてもよい。少なくとも1つの特定の第1のリードは、第2のワイヤを介してダイパッドに電気的に接続されていてもよい。少なくとも1つの特定の第1のリードは、グランドに電気的に接続されていてもよい。
【0088】
また、本発明の電子部品において、複数の第1のリードの各々は、封止樹脂に覆われてない露出面を有していてもよい。本発明の電子部品は、更に、露出面を覆うめっき層を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1…リードフレーム、2…ダイパッド、3A,3B…第1のリード、4A…第2のリード、4B…接続リード、6…枠部材、7…ワイヤ、9…封止樹脂、10…電子部品、11…チップ、11a,11b…電極パッド、12…本体、13A…第1の端子、13B…第2の端子、30…めっき層、61A,61B…第1の連結バー、62A,62B…第2の連結バー、100…リードフレーム構造体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る電子部品を示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る電子部品を示す斜視図である。
図3図2に示した電子部品の一部を拡大して示す斜視図である。
図4】本発明の第1の実施の形態におけるリードフレーム構造体を示す平面図である。
図5】本発明の第1の実施の形態に係るリードフレームを示す平面図である。
図6】本発明の第1の実施の形態に係る電子部品おける複数の第1のリードと複数の電極パッドとの接続関係を示す平面図である。
図7】本発明の第1の実施の形態に係る電子部品の変形例における複数の第1のリードと複数の電極パッドとの接続関係を示す平面図である。
図8】本発明の第2の実施の形態に係る電子部品における複数の第1のリードと複数の電極パッドとの接続関係を示す平面図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
リードフレーム1は、上述のように第1のリード3A,3Bの各々の第2の部分と複数の接続リード4Bが封止樹脂によって覆われるような形状を有していてもよい。具体的には、リードフレーム1は、第1のリード3A,3Bの各々の第2の部分と複数の接続リード4Bが、ダイパッド2および第1のリード3A,3Bの各々の第1の部分に対して、Z方向にずれた構造を有していてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
[変形例]
次に、本実施の形態に係るリードフレーム1および電子部品10の変形例について説明する。変形例では、リードフレーム1の第1のリード3Aの数と第2のリード4Aの数が、図5に示した例と異なっている。変形例では、第1のリード3Aの数は8つであり、第2のリード4Aの数は8つである。また、変形例では、チップ11の電極パッド11bの数が、図6に示した例と異なっている。変形例では、電極パッド11aの数は8つである。