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  • 特開-モータ制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179995
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】モータ制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 29/20 20160101AFI20231213BHJP
   H02P 29/02 20160101ALI20231213BHJP
【FI】
H02P29/20
H02P29/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093017
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】田原 智徳
【テーマコード(参考)】
5H501
【Fターム(参考)】
5H501AA08
5H501BB08
5H501DD01
5H501EE08
5H501HB16
5H501JJ03
5H501JJ18
5H501JJ22
5H501LL01
5H501LL22
5H501LL23
5H501LL32
5H501LL48
5H501LL52
5H501LL53
5H501MM02
5H501MM03
5H501MM04
5H501MM09
(57)【要約】
【課題】搬送波の出力に伴いモータから発生する音を有効に活用できるようにしたモータ制御装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係るモータ制御装置は、モータに搬送波を出力する搬送波出力部と、前記搬送波出力部が前記モータに出力する前記搬送波の周波数を変更する搬送波変更部と、を備え、前記搬送波変更部は、前記搬送波出力部に所定の異常が発生していない通常時において前記搬送波の周波数を変更する通常時変更モードと、前記搬送波出力部に所定の異常が発生している異常時において前記搬送波の周波数を変更する異常時変更モードと、前記搬送波出力部の累積運転時間に応じて前記搬送波の周波数を変更するメンテナンス通知用変更モードと、に切り換え可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータに搬送波を出力する搬送波出力部と、
前記搬送波出力部が前記モータに出力する前記搬送波の周波数を変更する搬送波変更部と、
を備え、
前記搬送波変更部は、
前記搬送波出力部に所定の異常が発生していない通常時において前記搬送波の周波数を変更する通常時変更モードと、
前記搬送波出力部に所定の異常が発生している異常時において前記搬送波の周波数を変更する異常時変更モードと、
前記搬送波出力部の累積運転時間に応じて前記搬送波の周波数を変更するメンテナンス通知用変更モードと、
に切り換え可能であるモータ制御装置。
【請求項2】
前記搬送波変更部は、前記通常時変更モードでは、前記モータまたは前記搬送波出力部の運転状態に応じて前記搬送波の周波数を変更する請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記搬送波変更部は、前記異常時変更モードでは、発生している異常の種類に応じて前記搬送波の周波数を変更する請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項4】
前記搬送波変更部は、前記メンテナンス通知用変更モードでは、前記搬送波出力部の累積運転時間の長さに応じて前記搬送波の周波数を変更する請求項1に記載のモータ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、モータの駆動を制御するモータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの駆動を制御するモータ制御装置においては、当該モータ制御装置からモータに出力する搬送波に依存して、当該モータから音が発生することが知られている。このような搬送波の出力に伴いモータから発生する音は、例えば「磁気音」や「電磁気音」などと称されており、不快に感じる単なる騒音となっているだけである。そこで、例えば特許文献1には、モータから発生する不快な音が快音化するように搬送波を調整する技術案が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-223352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、搬送波の出力に伴いモータから発生する不快な音を単に快音化するだけの技術案となっている。つまり、従来では、搬送波の出力に伴いモータから発生する音を有効に活用しようとする思想は存在していなかった。
【0005】
そこで、搬送波の出力に伴いモータから発生する音を有効に活用できるようにしたモータ制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係るモータ制御装置は、モータに搬送波を出力する搬送波出力部と、前記搬送波出力部が前記モータに出力する前記搬送波の周波数を変更する搬送波変更部と、を備え、前記搬送波変更部は、前記搬送波出力部に所定の異常が発生していない通常時において前記搬送波の周波数を変更する通常時変更モードと、前記搬送波出力部に所定の異常が発生している異常時において前記搬送波の周波数を変更する異常時変更モードと、前記搬送波出力部の累積運転時間に応じて前記搬送波の周波数を変更するメンテナンス通知用変更モードと、に切り換え可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るモータ制御装置の構成例を概略的に示すブロック図
図2】本実施形態に係る各種の周波数変更モードの一例を説明するための図
図3】本実施形態に係る各種の周波数変更モードの変形例を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、モータ制御装置に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示するモータ制御装置10は、モータ20の駆動を制御する装置であり、信号出力部11および搬送波変更部12を備えている。信号出力部11は、例えば電力変換装置あるいはインバータ装置などと称されるものであり、モータ20に駆動信号および搬送波を出力可能に構成されている。駆動信号は、モータ20を駆動するための信号であり、モータ20の駆動は、主として、この駆動信号により制御される。搬送波は、駆動信号をモータ20に伝送するための信号である。信号出力部11は、モータ20に搬送波を出力可能である搬送波出力部の一例として機能する。
【0009】
搬送波変更部12は、モータ制御装置10の動作全般を制御する図示しない制御ユニットが制御プログラムを実行することによりソフトウェアにより仮想的に実現されている。図示しない制御ユニットは、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されている。なお、搬送波変更部12は、ハードウェアにより構成されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより構成されていてもよい。
【0010】
搬送波変更部12は、信号出力部11がモータ20に出力する搬送波の周波数を変更可能に構成されている。この場合、搬送波変更部12は、搬送波の周波数を変更する周波数変更モードとして、少なくとも、通常時変更モード、異常時変更モード、メンテナンス通知用変更モードに切り換え可能に構成されている。
【0011】
通常時変更モードは、信号出力部11に所定の異常が発生していない通常時において、信号出力部11からモータ20に出力される搬送波の周波数を変更可能である変更モードとなっている。また、異常時変更モードは、信号出力部11に所定の異常が発生している異常時において、信号出力部11からモータ20に出力される搬送波の周波数を変更可能である変更モードとなっている。また、メンテナンス通知用変更モードは、信号出力部11の累積運転時間に応じて、信号出力部11からモータ20に出力される搬送波の周波数を変更可能である変更モードとなっている。
【0012】
次に、これら複数の周波数変更モードの内容の一例について詳細に説明する。即ち、図2に例示するように、通常時変更モードにおいては、搬送波変更部12は、例えば、モータ20の回転速度あるいはモータ20に供給されている電流に応じて、信号出力部11からモータ20に出力される搬送波の周波数を変更するように設定することができる。
【0013】
この場合、搬送波変更部12は、例えば、モータ20の回転速度あるいはモータ20に供給されている電流が所定値よりも低い場合は、モータ20から低い音と高い音とが交互に切り換わりながら発生し、且つ、その切り換わりの周期が所定周期よりも長くなるように搬送波の周波数を変更するようにするとよい。
【0014】
また、搬送波変更部12は、例えば、モータ20の回転速度あるいはモータ20に供給されている電流が所定値よりも高い場合は、モータ20から低い音と高い音とが交互に切り換わりながら発生し、且つ、その切り換わりの周期が所定周期よりも短くなるように搬送波の周波数を変更するようにするとよい。
【0015】
なお、低い音と高い音との境界となる音の高さは、適宜変更して設定することができる。また、所定周期は、適宜変更して設定することができる。
【0016】
以上の通り、搬送波変更部12は、通常時変更モードでは、モータ20の運転状態、この場合、モータ20の回転速度や電流値の状態に応じて搬送波の周波数を変更可能に構成されている。なお、搬送波変更部12は、通常時変更モードでは、モータ20ではなく信号出力部11の運転状態に応じて搬送波の周波数を変更可能に構成されていてもよい。また、搬送波変更部12は、通常時変更モードでは、モータ20の運転状態および信号出力部11の運転状態の双方を加味して搬送波の周波数を変更可能に構成されていてもよい。
【0017】
また、異常時変更モードにおいては、搬送波変更部12は、例えば、信号出力部11あるいはモータ20に何らかの異常状態が発生したことに応じて、信号出力部11からモータ20に出力される搬送波の周波数を変更するように設定することができる。何らかの異常状態としては、例えば、信号出力部11あるいはモータ20に供給されている電流が所定値を超える過電流状態、信号出力部11あるいはモータ20に供給されている電圧が所定値を超える過電圧状態、信号出力部11あるいはモータ20に与えられている負荷が所定負荷よりも過大となる過負荷状態、モータ20に発生するトルクが所定トルクよりも過大となる過トルク状態などが想定され得る。
【0018】
この場合、例えば、過電流状態においては、信号出力部11あるいはモータ20に供給されている電流が瞬時的あるいは突発的に過大となるケースが想定される。また、過電圧状態においては、信号出力部11あるいはモータ20に供給されている電圧が瞬時的あるいは突発的に過大となるケースが想定される。そのため、搬送波変更部12は、発生した異常状態が過電流状態あるいは過電圧状態である場合には、モータ20から比較的大きめの音が瞬時に発生するように搬送波の周波数を変更するようにするとよい。なお、この場合、発生させる音の大きさや音を発生させる時間は、適宜変更して設定することができる。
【0019】
一方、例えば、過負荷状態においては、信号出力部11あるいはモータ20に与えられている負荷が過大となった状況がある程度長い時間をかけて継続あるいは断続するケースが想定される。また、過トルク状態においては、モータ20に発生するトルクが過大となった状況がある程度長い時間をかけて継続あるいは断続するケースが想定される。そのため、搬送波変更部12は、発生した異常状態が過負荷状態あるいは過トルク状態である場合には、モータ20から比較的大きめの音がある程度の時間をかけて発生するように搬送波の周波数を変更するようにするとよい。なお、この場合も、発生させる音の大きさや音を発生させる時間は、適宜変更して設定することができる。
【0020】
以上の通り、搬送波変更部12は、異常時変更モードでは、発生している異常の種類に応じて搬送波の周波数を変更可能に構成されている。
【0021】
また、メンテナンス通知用変更モードにおいては、搬送波変更部12は、例えば、信号出力部11の累積運転時間に応じて、信号出力部11からモータ20に出力される搬送波の周波数を変更するように設定することができる。なお、信号出力部11の累積運転時間は、例えば、モータ制御装置10が備えている図示しないタイマー回路などによって計測することができる。
【0022】
この場合、搬送波変更部12は、例えば、信号出力部11の累積運転時間が所定時間を超えたことをトリガとして、モータ20から低い音と高い音とが交互に切り換わりながら発生するように搬送波の周波数を変更するようにするとよい。そして、搬送波変更部12は、信号出力部11の累積運転時間が所定時間を超過してからの経過時間に応じて、低い音と高い音とが切り換わる周期が徐々に変化、この場合、短くなるように搬送波の周波数を変更するようにするとよい。
【0023】
なお、低い音と高い音との境界となる音の高さは、適宜変更して設定することができる。また、所定時間は、適宜変更して設定することができる。
【0024】
以上の通り、搬送波変更部12は、メンテナンス通知用変更モードでは、信号出力部11の累積運転時間の長さに応じて搬送波の周波数を変更可能に構成されている。
【0025】
以上に例示したモータ制御装置10によれば、搬送波変更部12は、信号出力部11に所定の異常が発生していない通常時において搬送波の周波数を変更可能である通常時変更モードと、信号出力部11に所定の異常が発生している異常時において搬送波の周波数を変更可能である異常時変更モードと、信号出力部11の累積運転時間に応じて搬送波の周波数を変更可能であるメンテナンス通知用変更モードと、に切り換え可能に構成されている。
【0026】
このように構成されているモータ制御装置10によれば、通常時、異常時、メンテナンスの必要時において、それぞれ異なる態様でモータ20から搬送波の出力に伴う音を発生させることができる。そして、使用者は、搬送波の出力に伴いモータ20から発生する音の態様の相違に基づき、通常状態であるのか、異常状態であるのか、メンテナンスが必要な状態であるのかを判断することができる。このように、本実施形態によれば、搬送波の出力に伴いモータ20から発生する音を、単なる騒音ではなく、使用者に所定の情報を伝達する情報伝達手段として有効に活用することができる。
【0027】
また、モータ制御装置10によれば、搬送波変更部12は、通常時変更モードでは、モータ20または信号出力部11の運転状態に応じて搬送波の周波数を変更可能である。この構成例によれば、何らかの異常が発生していない通常時においては、搬送波の出力に伴いモータ20から発生する音により、モータ20または信号出力部11の運転状態を使用者に伝達することができる。
【0028】
また、モータ制御装置10によれば、搬送波変更部12は、異常時変更モードでは、発生している異常の種類に応じて搬送波の周波数を変更可能である。この構成例によれば、何らかの異常が発生している異常時においては、搬送波の出力に伴いモータ20から発生する音により、異常が発生していること、および、発生している異常の種類を使用者に伝達することができる。
【0029】
また、モータ制御装置10によれば、搬送波変更部12は、メンテナンス通知用変更モードでは、信号出力部11の累積運転時間の長さに応じて搬送波の周波数を変更可能である。この構成例によれば、信号出力部11の累積運転時間の長さに応じてモータ20から発生する音の態様が変化するため、使用者は、モータ20から発生する音の態様、例えば、音の高さ、音色、音の高さの切り換わりの周期などに基づいて、信号出力部11の運転がどの程度の時間行われているのか、換言すれば、メンテナンスがどの程度必要な状況であるのかを確認することができる。
【0030】
なお、本実施形態は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜、変形や拡張などを行うことができる。例えば、通常時変更モード、異常時変更モード、メンテナンス通知用変更モードの切り換えは、モータ制御装置10がソフトウェアの処理として行うようにしてもよいし、使用者による操作入力に応じて行うようにしてもよい。
【0031】
また、図3に例示するように、搬送波変更部12は、信号出力部11がモータ20に出力する搬送波の周波数を変更することにより、例えば、信号出力部11の運転状態、信号出力部11の寿命、信号出力部11のアラーム状態などを伝達することが可能である。
【0032】
図3の例においては、搬送波変更部12は、例えば、所定時間内に等間隔で短時間の音を複数回発生させ、且つ、所定時間内に音を発生させる回数を異ならせることによって、信号出力部11が発生する駆動信号の周波数、より詳細には、駆動信号が出力される際の出力周波数を示すことができる。
【0033】
例えば、搬送波変更部12は、例えば60秒間に等間隔で短時間の音を例えば6回発生させることにより、信号出力部11が発生する駆動信号の出力周波数が例えば60Hzであることを示すことができる。
【0034】
また、搬送波変更部12は、例えば60秒間に等間隔で短時間の音を例えば3回発生させることにより、信号出力部11が発生する駆動信号の出力周波数が例えば30Hzであることを示すことができる。
【0035】
また、搬送波変更部12は、所定時間内に等間隔で短時間の音を複数回発生させることにより信号出力部11が発生する駆動信号の出力周波数を報知する制御を所定周期、例えば、60秒周期で繰り返すようにしてもよい。
【0036】
また、搬送波変更部12は、例えば、所定時間内に等間隔で短時間の音を複数回発生させ、且つ、所定時間内に音を発生させる回数を異ならせることによって、信号出力部11が発生する駆動信号が示す出力電流値つまりモータ20に与えられている電流値を示すことができる。
【0037】
例えば、搬送波変更部12は、例えば60秒間に等間隔で短時間の音を例えば10回発生させることにより、信号出力部11が発生する駆動信号が示す出力電流値が定格電流値の例えば100パーセントであることを示すことができる。
【0038】
また、搬送波変更部12は、例えば60秒間に等間隔で短時間の音を例えば5回発生させることにより、信号出力部11が発生する駆動信号が示す出力電流値が定格電流値の例えば50パーセントであることを示すことができる。
【0039】
また、搬送波変更部12は、所定時間内に等間隔で短時間の音を複数回発生させることにより信号出力部11が発生する駆動信号が示す出力電流値を報知する制御を所定周期、例えば、60秒周期で繰り返すようにしてもよい。
【0040】
なお、ここでは、出力電流値を定格電流値に対するパーセント単位に換算して示す制御を例示したが、パーセント単位に換算することなく電流値そのものを示す制御を行うようにしてもよい。また、定格電流値は、例えば、モータ20の種類、大きさ、性能などに応じて、適宜、異なる値が設定される。
【0041】
また、搬送波変更部12は、所定時間内に音を発生させる回数を異ならせることによって、信号出力部11が備えている各種の部品の寿命を示すことができる。
【0042】
例えば、搬送波変更部12は、例えば60秒間に音を例えば1回発生させることにより、信号出力部11が備えている図示しないコンデンサの寿命が所定の交換寿命に到達していることを示すことができる。
【0043】
また、搬送波変更部12は、例えば60秒間に音を例えば2回発生させることにより、信号出力部11が備えている図示しない冷却ファンの寿命が所定の交換寿命に到達していることを示すことができる。
【0044】
また、搬送波変更部12は、例えば60秒間に高い音を例えば1回発生させることにより、信号出力部11が備えている図示しないコンデンサの寿命が所定の交換寿命に到達していることを示すことができる。
【0045】
また、搬送波変更部12は、例えば60秒間に低い音を例えば1回発生させることにより、信号出力部11が備えている図示しない冷却ファンの寿命が所定の交換寿命に到達していることを示すことができる。
【0046】
また、搬送波変更部12は、所定時間内に高い音あるいは低い音を例えば1回発生させることにより信号出力部11が備えている各種の部品の寿命を報知する制御を所定周期、例えば、60秒周期で繰り返すようにしてもよい。なお、低い音と高い音との境界となる音の高さは、適宜変更して設定することができる。
【0047】
また、搬送波変更部12は、例えば数秒、数ミリ秒、数マイクロ秒などといった瞬時的に音を発生させることによって、信号出力部11のアラーム状態を示すことができる。
【0048】
例えば、搬送波変更部12は、上述したような過電流状態、過電圧状態、過負荷状態、過トルク状態などといった異常状態が発生している場合、あるいは、このような異常状態が発生している状況における電流、電圧、負荷、トルクなどの積算値が所定の閾値を超過した場合には、モータ20から音を例えば数秒、数ミリ秒、数マイクロ秒などといった瞬時的な時間で発生させることにより、信号出力部11がアラーム状態であること、つまり、信号出力部11あるいはその他の構成要素に何らかの異常が発生している可能性がある状態であることを使用者に伝達することができる。
【0049】
また、搬送波変更部12による通常時変更モード、異常時変更モード、メンテナンス通知用変更モードにおける搬送波の周波数の変更態様は、上述した変更例に限られるものではなく、適宜、変更して実施することができる。また、搬送波変更部12が実行可能な周波数変更モードは、通常時変更モード、異常時変更モード、メンテナンス通知用変更モードに限られるものではなく、その他の変更モードも実施可能に構成することができる。
【0050】
以上、本発明に係るいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、あくまでも例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
図面において、10はモータ制御装置、11は信号出力部(搬送波出力部)、12は搬送波変更部、20はモータを示す。
図1
図2
図3