(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180001
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】ワイヤレス給電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/05 20160101AFI20231213BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
H02J50/05
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093030
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 直幹
(72)【発明者】
【氏名】小谷 宏己
(72)【発明者】
【氏名】緑川 浩史
(72)【発明者】
【氏名】井関 裕次
(72)【発明者】
【氏名】高木 賢二
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB09
(57)【要約】
【課題】建物に設けられた給電装置から受電装置へのワイヤレス給電を簡易化する。
【解決手段】ワイヤレス給電システム100は、建物1または什器に設けられた給電装置10と、給電装置から電力を受け取る受電装置と、を備え、給電装置10は、交流電圧生成部11と、床仕上げ材3により覆われた第1給電電極12及び第2給電電極13と、を備え、第1給電電極12及び第2給電電極13の一方の給電電極は、交流電圧生成部11と電気的に接続されて交流電圧が印加され、他方の給電電極は、一方の給電電極とは逆位相の交流電圧が印加される、または中性線であり、受電装置20は、一方の給電電極に床仕上げ材3を挟んで対向可能に設けられ、一方の給電電極に印加された交流電圧により電圧が励起される第1受電電極22と、第1受電電極22が一方の給電電極と対向した状態において他方の給電電極に床仕上げ材3を挟んで対向する第2受電電極23と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物または什器に設けられた給電装置と、前記給電装置から電力を受け取る受電装置と、を備え、
前記給電装置は、
交流電圧を生成する交流電圧生成部と、
電気的絶縁体から形成された仕上げ材により覆われた第1給電電極及び第2給電電極と、を備え、
前記第1給電電極及び前記第2給電電極のうちの一方の給電電極は、前記交流電圧生成部と電気的に接続されて前記交流電圧が印加され、他方の給電電極は、前記一方の給電電極とは逆位相の前記交流電圧が印加される、または中性線であり、
前記受電装置は、
前記一方の給電電極に前記仕上げ材を挟んで対向可能に設けられ、前記一方の給電電極に印加された前記交流電圧により電圧が励起される第1受電電極と、
前記第1受電電極が前記一方の給電電極と対向した状態において前記他方の給電電極に前記仕上げ材を挟んで対向する第2受電電極と、を備える、
ワイヤレス給電システム。
【請求項2】
前記受電装置は、前記第1受電電極にて電圧が励起されたことを報知する報知器を更に備える、
請求項1に記載のワイヤレス給電システム。
【請求項3】
前記受電装置は、前記第1受電電極にて励起された電圧を蓄える蓄電池を更に備える、
請求項1に記載のワイヤレス給電システム。
【請求項4】
前記第1給電電極、前記第2給電電極及び建物下地材の少なくとも1つは、磁性体から形成されており、
前記受電装置は、前記磁性体を磁力により吸引する磁石を更に備える、
請求項1に記載のワイヤレス給電システム。
【請求項5】
前記他方の給電電極には前記一方の給電電極とは逆位相の前記交流電圧が印加され、
建物下地材と前記一方の給電電極及び前記他方の給電電極との間に電気的絶縁体が設けられている、
請求項1に記載のワイヤレス給電システム。
【請求項6】
前記他方の給電電極は、中性線であり、
建物下地材と前記一方の給電電極との間に電気的絶縁体が設けられている、
請求項1に記載のワイヤレス給電システム。
【請求項7】
前記第1給電電極及び前記第2給電電極は、前記仕上げ材に一体化されている、
請求項1に記載のワイヤレス給電システム。
【請求項8】
前記受電装置は、前記第1受電電極から電力を取り出すための端子と、前記端子が電気機器に接続されているかを検知する検知部と、を更に備え、
前記検知部は、前記端子が前記電気機器に接続されていると検知したときに前記交流電圧生成部にパイロット信号を出力し、
前記交流電圧生成部は、前記パイロット信号を受信したときには所定の電力で前記交流電圧を出力し、前記パイロット信号を受信していないときには、前記所定の電力よりも小さい電力で前記交流電圧を出力する、または前記交流電圧の出力を停止する、
請求項1から7のいずれか1項に記載のワイヤレス給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
受電機器に電力を供給するシステムとして、給電装置から受電装置にワイヤレスで電力を供給するワイヤレス給電システムが知られている。特許文献1には、電磁誘導の原理を用いて電力をワイヤレスで供給する給電システムが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された給電システムでは、給電装置を建物の床に配置し、テーブルの脚の下端部に受電装置を設けている。給電装置は、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して送り出す給電コイルを備えており、受電装置は、給電コイルから送り出された磁気エネルギーを受け取って電気エネルギーに変換する受電コイルを備えている。テーブルには、受電装置と電気的に接続されたコンセントが設けられており、負荷機器のプラグをコンセントに差し込むことにより、給電装置から受電装置を通じて負荷機器に電力が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された給電システムでは、給電コイルの軸に対して受電コイルの軸がずれると、受電コイルを通過する磁束が減少し、電力伝送効率が低下する。そのため、使用者は、給電コイルの軸と受電コイルの軸とができるだけ一致するように受電装置を給電装置上に配置すると共に受電装置の位置を保持する必要がある。
【0006】
本発明は、建物に設けられた給電装置から受電装置へのワイヤレス給電を簡易化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、建物または什器に設けられた給電装置と、給電装置から電力を受け取る受電装置と、を備え、給電装置は、交流電圧を生成する交流電圧生成部と、電気的絶縁体から形成された仕上げ材により覆われた第1給電電極及び第2給電電極と、を備え、第1給電電極及び第2給電電極のうちの一方の給電電極は、交流電圧生成部と電気的に接続されて交流電圧が印加され、他方の給電電極は、一方の給電電極とは逆位相の交流電圧が印加される、または中性線であり、受電装置は、一方の給電電極に仕上げ材を挟んで対向可能に設けられ、一方の給電電極に印加された交流電圧により電圧が励起される第1受電電極と、第1受電電極が一方の給電電極と対向した状態において他方の給電電極に仕上げ材を挟んで対向する第2受電電極と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、建物に設けられた給電装置から受電装置へのワイヤレス給電を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(a)は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス給電システムを備える建物の立断面図であり、(b)は、
図1(a)に示すIB-IB線に沿う断面図である。
【
図2】(a)は、
図1(a)に示すIIA部の拡大図であり、(b)は、
図2(a)に示すIIB-IIB線に沿う断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るワイヤレス給電システムの回路構成図である。
【
図5】本発明における第1実施形態の第1変形例に係る電極の配置パターンを示す図である。
【
図6】本発明における第1実施形態の第2変形例に係る電極の配置パターンを示す図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係るワイヤレス給電システムの回路構成図である。
【
図8】本発明の第2実施形態における変形例に係るワイヤレス給電システムの回路構成図である。
【
図9】本発明の第2実施形態における別の変形例に係るワイヤレス給電システムの回路構成図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係るワイヤレス給電システムの概略断面図である。
【
図11】本発明の第4実施形態に係るワイヤレス給電システムの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
<第1実施形態>
まず、
図1から
図4を参照して、第1実施形態に係るワイヤレス給電システム100について説明する。
図1(a)は、ワイヤレス給電システム100を備える建物1の立断面図であり、
図1(b)は、
図1(a)に示すIB-IB線に沿う断面図である。
【0012】
建物1は、例えば鉄筋コンクリート造の建物である。建物1は、木造、鉄骨造又は鉄筋鉄骨造であってもよい。建物1は、床下地材(建物下地材)2と、床下地材2に固定された床仕上げ材(仕上げ材)3と、壁下地材(建物下地材)4と、壁下地材4に固定された壁仕上げ材(仕上げ材)5と、を備える。床仕上げ材3及び壁仕上げ材5によって、建物1における床及び壁の表面がそれぞれ形成されている。壁下地材4と壁仕上げ材5との間には、石膏ボード6が設けられている。
【0013】
床下地材2は、例えば、コンクリートスラブ、木製の板である。床仕上げ材3は、電気的絶縁体から形成された部材であり、例えば、タイルカーペット、フローリング材である。壁下地材4は、例えば、コンクリート壁、木製の板、鉄骨材である。壁仕上げ材5は、電気的絶縁体から形成された部材であり、例えば、ケイ酸カルシウム板の表面を機能性樹脂塗料で仕上げた化粧ケイカル板、ガラス、石材である。
【0014】
ワイヤレス給電システム100は、建物1に適用されている。具体的には、ワイヤレス給電システム100は、建物1に設けられた給電装置10と、給電装置10から電力を受け取る受電装置20と、を備えている。受電装置20には、不図示の電気機器のプラグ9が差し込まれるコンセントが形成されている。プラグ9を受電装置20のコンセントに差し込むことにより、給電装置10から受電装置20を通じて電気機器に電力が供給され、電気機器が駆動する。
【0015】
図2(a)は、
図1(a)に示すIIA部の拡大図であり、
図2(b)は、
図2(a)に示すIIB-IIB線に沿う断面図である。
図1(a)、(b)及び
図2(a)、(b)に示すように、給電装置10は、交流電圧を生成する交流電圧生成部11と、交流電圧生成部11に電気的に接続された第1給電電極12及び第2給電電極13と、を備える。
【0016】
図1及び
図2において、交流電圧生成部11と第1給電電極12及び第2給電電極13とを接続する導線は模式的に示されている。また、
図1(b)において、第1給電電極12及び第2給電電極13は、床仕上げ材3により覆われ隠れているが、第1給電電極12と第2給電電極13の配置をわかりやすくするために、第1給電電極12に格子状のハッチングを付し、第2給電電極13に縦線のハッチングを付している。
【0017】
交流電圧生成部11は、例えば50Hzから60Hzの交流電圧が出力される商用電源7に接続されており、数百kHzから数MHz、好ましくは6MHz~7MHzの交流電圧を生成する。
図1(b)、及び
図2(a)、(b)においては、商用電源7の図示を省略している。商用電源7は、例えば、単相2線式の電源であり100Vの交流電圧を出力する。交流電圧生成部11には、互いに逆位相の交流電圧を出力する第1端子11a及び第2端子11bが形成されている。
【0018】
第1給電電極12及び第2給電電極13は、板状に形成されており、床下地材2と略平行に設けられている。第1給電電極12及び第2給電電極13は、例えば鉄、ステンレス、銅、アルミニウムから形成される。
【0019】
図1(b)及び
図2(b)に示すように、第1給電電極12及び第2給電電極13は、互いに間隔を空けて配置されている。また、第1給電電極12と床下地材2との間、及び第2給電電極13と床下地材2との間には電気的絶縁体17が設けられており、第1給電電極12及び第2給電電極13と床下地材2とは電気的に絶縁されている。そのため、第1給電電極12及び第2給電電極13から床下地材2に電流が流れることを防止することができ、給電装置10から受電装置20への電力伝送効率を高めることができる。
【0020】
また、第1給電電極12及び第2給電電極13は、床仕上げ材3により覆われている。そのため、第1給電電極12及び第2給電電極13が設けられている箇所と、第1給電電極12及び第2給電電極13が設けられていない箇所と、が区別できないようになっており、建物1における床の外観を損なわないようになっている。
【0021】
第1給電電極12は、交流電圧生成部11の第1端子11aに接続されており、第2給電電極13は、交流電圧生成部11の第2端子11bに接続されている。つまり、第1給電電極12及び第2給電電極13には、互いに逆位相の交流電圧が印加される。
【0022】
受電装置20は、ケース21と、ケース21に設けられた第1受電電極22及び第2受電電極23と、を備えている。第1受電電極22及び第2受電電極23は、第1給電電極12及び第2給電電極13と同様に、例えば鉄、ステンレス、銅、アルミニウムから形成されている。
図1及び
図2において、ケース21の内部の図示は省略されている。
【0023】
第1受電電極22は、板状に形成されており、ケース21の外側面に沿って設けられている。第1受電電極22が床仕上げ材3のうち第1給電電極12を覆う部分の上に位置するようにケース21を床仕上げ材3上に配置した場合には、第1受電電極22は、第1給電電極12に床仕上げ材3を挟んで対向する。これにより、第1給電電極12、床仕上げ材3及び第1受電電極22によってコンデンサが形成され、第1給電電極12に印加された交流電圧により第1受電電極22に電圧が励起される。
【0024】
第2受電電極23は、板状に形成されており、ケース21の外側面に沿って第1受電電極22と並べて設けられている。第1受電電極22及び第2受電電極23の並び方向を第1給電電極12及び第2給電電極13の並び方向に略一致させかつ第1受電電極22を第1給電電極12と対向させた状態では、第2受電電極23は、第2給電電極13に床仕上げ材3を挟んで対向する。これにより、第2給電電極13、床仕上げ材3及び第2受電電極23によってコンデンサが形成され、第2給電電極13に印加された交流電圧により第2受電電極23に電圧が励起される。
【0025】
第1受電電極22及び第2受電電極23における電圧の励起について、
図3を参照して説明する。
図3は、ワイヤレス給電システム100の回路構成図である。
【0026】
交流電圧生成部11により第1給電電極12に正の電圧が印加されると、第1給電電極12には正電荷が注入される。このとき、静電誘導現象により、負電荷が第1受電電極22に集められる。第2給電電極13には第1給電電極12とは逆位相の電圧、すなわち負の電圧が印加されるため、第2給電電極13には負電荷が注入され、静電誘導現象により、第2受電電極23には正電荷が集められる。第1受電電極22に負電荷が集められ第2受電電極23に正電荷が集められることにより、見かけ上、第1受電電極22から第2受電電極23へ電流が流れる、すなわち、第1受電電極22に正の電圧が励起され、第2受電電極23に負の電圧が励起されることになる。
【0027】
図3では、第1給電電極12と第1受電電極22とが対向し第2給電電極13と第2受電電極23とが対向する場合について説明したが、第1給電電極12と第2受電電極23とが対向し第2給電電極13と第1受電電極22とが対向する場合においても、第1受電電極22及び第2受電電極23に電圧が励起される。
【0028】
このような給電は、一対の電極を対向させて電極間の電界を介して行われるため、「電界結合方式」とも呼ばれる。
【0029】
ワイヤレス給電システム100では、第1受電電極22が第1給電電極12及び第2給電電極13のうちの一方の給電電極と対向し第2受電電極23が第1給電電極12及び第2給電電極13のうちの他方の給電電極と対向すれば、給電が行われる。そのため、第1給電電極12及び第2給電電極13が延びる方向(
図1(b)における紙面左右方向)における受電装置20の位置合わせが不要である。したがって、建物1に設けられた給電装置10から受電装置20へのワイヤレス給電を簡易化することができる。
【0030】
第1受電電極22及び第2受電電極23に励起される電圧は、第1給電電極12及び第2給電電極13に印加される電圧と同じ交流電圧であり、その周波数は交流電圧生成部11により生成される交流電圧の周波数、すなわち数百kHzから数MHzとなる。受電装置20に接続される不図示の電気機器が商用電源7(
図1(a)参照)に対応した機器である場合には、第1受電電極22及び第2受電電極23にて励起された電圧をそのまま用いることができない。
【0031】
そこで、ワイヤレス給電システム100では、第1受電電極22と第2受電電極23とを接続する整流器24を設け、第1受電電極22及び第2受電電極23にて励起された電圧を直流電圧に変換する。また、電力取出し用の端子26と整流器24との間にDC/ACコンバータ25を設け、整流器24から出力される直流電圧を商用電源7と同等の交流電圧(例えば、50Hzから60Hzの交流電圧)に変換する。これにより、端子26から商用電源7から出力される交流電圧と同等の交流電圧を取り出すことができ、商用電源7に対応した機器を駆動することが可能となる。
【0032】
第1給電電極12及び第2給電電極13は、床仕上げ材3で覆われているため、ワイヤレス給電システム100の使用者が第1給電電極12及び第2給電電極13の位置を特定できないおそれがある。そこで、ワイヤレス給電システム100では、第1受電電極22及び第2受電電極23にて電圧が励起されたことを報知する報知器27を受電装置20に設けている。報知器27は、例えばランプであり、整流器24から出力される直流電圧により発光する。
【0033】
第1受電電極22及び第2受電電極23にて電圧が励起されたことを報知器27が報知するため、ワイヤレス給電システム100の使用者は、第1受電電極22及び第2受電電極23が第1給電電極12及び第2給電電極13と対向しており給電が行われているか否かを容易に判断することができる。したがって、給電装置10から受電装置20へのワイヤレス給電をより簡易化することができる。
【0034】
受電装置20は、第1受電電極22及び第2受電電極23にて励起された電圧を蓄える蓄電池28を備えている。そのため、第1受電電極22及び第2受電電極23における電圧の励起が停止したときには、蓄電池28から電圧が出力される。したがって、受電装置20がずれることによる瞬間的な電力の遮断を防止することができ、給電の安定性を高めることができる。
【0035】
整流器24、DC/ACコンバータ25及び蓄電池28は、ケース21内に収容される。
【0036】
図1(b)に示すように、本実施形態では、複数の第1給電電極12と複数の第2給電電極13とが短冊状に、すなわち交互に配置されている。そのため、第1給電電極12及び第2給電電極13が延びる方向に加え、受電装置20を第1給電電極12と第2給電電極13の並び方向に移動させたときにも給電が可能となる。したがって、電力を取り出せる位置を自由に変えることができ、電力利用の利便性が格段に向上する。
【0037】
複数の第1給電電極12と複数の第2給電電極13とは、床全体に設けられることが好ましい。この場合には、床下に電源を収納することのできるいわゆるフリーアクセスフロアなしに、電力を所望の位置から取り出すことができる。したがって、建物1にフリーアクセスフロアを設ける必要がなくなり、建物1の建築コストを低減することができる。
【0038】
また、床下に導線を設ける必要がなくなるため、導線を配線することによる建物1の構造体上の欠損もなくすことができる。
【0039】
図4は、
図1(a)に示すIV部の拡大図である。
図1(a)、(b)及び
図4に示すように、給電装置10は、壁仕上げ材5により覆われた第1給電電極14と第2給電電極15とを備えている。
【0040】
ワイヤレス給電システム100は、第1給電電極14と第2給電電極15とから給電可能な受電装置30を備えている。受電装置30の構造は受電装置20の構造と略同じであるが、第1給電電極14と第2給電電極15が壁に設けられているため、受電装置30を壁に保持しておく必要がある。
【0041】
そこで、本実施形態では、第1給電電極14、第2給電電極15及び壁下地材4の少なくとも1つを磁性体から形成し、磁性体を磁力により吸引する磁石39を受電装置30に設けている。そのため、第1給電電極14及び第2給電電極15に対する第1受電電極22及び第2受電電極23の位置が保持される。したがって、第1受電電極22及び第2受電電極23を第1給電電極14及び第2給電電極15に対向させ続けることができ、給電の安定性を高めることができる。
【0042】
第1給電電極14、第2給電電極15及び壁下地材4に用いられる磁性体は、例えば、鉄、フェライト系ステンレス、マルテンサイト系ステンレスである。
【0043】
壁に配置される受電装置30に磁石39を設ける形態に限られず、床に配置される受電装置20に磁石39を設けてもよい。この場合には、床上で受電装置20がずれるのを防止することができ、給電の安定性を高めることができる。
【0044】
第1給電電極14と壁下地材4との間、及び第2給電電極15と壁下地材4との間には電気的絶縁体18が設けられており、第1給電電極14及び第2給電電極15と壁下地材4とは電気的に絶縁されている。そのため、第1給電電極14及び第2給電電極15から壁下地材4に電流が流れることを防止することができ、給電装置10から受電装置30への電力伝送効率を高めることができる。
【0045】
第1給電電極12及び第2給電電極13は、床仕上げ材3と一体化されており、第1給電電極14及び第2給電電極15は、石膏ボード6を介して壁仕上げ材5と一体化されていることが好ましい。この場合には、建物1の構築時に、第1給電電極12及び第2給電電極13と床仕上げ材3とをまとめて施工することができ、第1給電電極14及び第2給電電極15と石膏ボード6と壁仕上げ材5とをまとめて施工することができる。したがって、工期を短縮することができる。
【0046】
以上の実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
【0047】
本実施形態では、受電装置20は、第1給電電極12及び第2給電電極13のうちの一方の給電電極に床仕上げ材3を挟んで対向可能に設けられ、一方の給電電極に印加された交流電圧により電圧が励起される第1受電電極22と、第1受電電極22が一方の給電電極と対向した状態において第1給電電極12及び第2給電電極13のうちの他方の給電電極に床仕上げ材3を挟んで対向し、他方の給電電極に印加された交流電圧により電圧が励起される第2受電電極23と、を備えている。第1受電電極22が第1給電電極12及び第2給電電極13のうちの一方の給電電極と対向し第2受電電極23が第1給電電極12及び第2給電電極13のうちの他方の給電電極と対向すれば、給電が行われる。そのため、受電装置20の高精度の位置合わせが不要である。したがって、建物1に設けられた給電装置10から受電装置20へのワイヤレス給電を簡易化することができる。
【0048】
また、受電装置20は、第1受電電極22及び第2受電電極23にて電圧が励起されたことを報知する報知器27を備えている。そのため、ワイヤレス給電システム100の使用者は、第1受電電極22及び第2受電電極23が第1給電電極12及び第2給電電極13と対向しており給電が行われているか否かを容易に判断することができる。したがって、給電装置10から受電装置20へのワイヤレス給電をより簡易化することができる。
【0049】
また、受電装置20は、第1受電電極22及び第2受電電極23にて励起された電圧を蓄える蓄電池28を備えている。そのため、第1受電電極22及び第2受電電極23における電圧の励起が停止したときには、蓄電池28から電圧が出力される。したがって、受電装置20がずれることによる瞬間的な電力の遮断を防止することができ、給電の安定性を高めることができる。
【0050】
また、壁仕上げ材5、第1給電電極14及び第2給電電極15の少なくとも1つは、磁性体から形成されており、受電装置30は、磁性体を磁力により吸引する磁石39を備えている。そのため、第1給電電極14及び第2給電電極15に対する第1受電電極22及び第2受電電極23の位置が保持される。したがって、第1受電電極22及び第2受電電極23を第1給電電極14及び第2給電電極15に対向させ続けることができ、給電の安定性を高めることができる。
【0051】
また、床下地材2と第1給電電極12及び第2給電電極13との間に電気的絶縁体17が設けられている。そのため、第1給電電極12及び第2給電電極13から床下地材2に電流が流れることを防止することができ、給電装置10から受電装置20への電力伝送効率を高めることができる。
【0052】
また、第1給電電極12及び第2給電電極13は、床仕上げ材3に一体化されており、第1給電電極14及び第2給電電極15は、石膏ボード6を介して壁仕上げ材5に一体化されている。そのため、建物1の構築時に、第1給電電極12及び第2給電電極13と床仕上げ材3とをまとめて施工することができ、第1給電電極14及び第2給電電極15と石膏ボード6と壁仕上げ材5とをまとめて施工することができる。したがって、工期を短縮することができる。
【0053】
上記実施形態では、複数の第1給電電極12と複数の第2給電電極13とが交互に配置され、短冊パターンを形成しているが、複数の第1給電電極12と複数の第2給電電極13との配置は、短冊パターンに限られない。例えば、
図5に示すように、複数の第1給電電極12と複数の第2給電電極13との配置は、市松パターンであってもよい。また、
図6に示すように、複数の第1給電電極12と複数の第2給電電極13との配置は、三角市松パターンであってもよい。
【0054】
なお、
図5及び
図6において、
図1(b)と同様に、第1給電電極12と第2給電電極13の配置をわかりやすくするために、第1給電電極12に格子状のハッチングを付し、第2給電電極13に縦線のハッチングを付している。
【0055】
上記実施形態では、建物1の床及び壁に給電装置10を設けているが、建物1の天井に給電装置10を設けてもよい。また、建物1の内側だけでなく、建物1の外側及び外構にもワイヤレス給電システム100を適用可能である。給電装置10を什器に設けてもよい。
【0056】
ワイヤレス給電システム100を屋外で使用する場合、防水、防湿、耐高温/低温、防爆等の対策として、第1給電電極12及び第2給電電極13の耐環境性を向上させることが好ましい。具体的には、第1給電電極12及び第2給電電極13を覆う電気的絶縁体として、防水性や耐熱性のある材料を用いることが好ましい。防水性や耐熱性のある材料としては、例えば、屋外仕上げとしての防水シートやアスファルト防水材、及びその上の仕上げとなるタイルやレンガ(下地モルタル含む)を用いることができる。
【0057】
上記実施形態では、第1給電電極12と第2給電電極13とに逆位相の交流電圧を印加して第1受電電極22及び第2受電電極23に電圧を励起しているが、第1給電電極12及び第2給電電極13のうちの一方の給電電極に交流電圧を印加し、第1給電電極12及び第2給電電極13のうちの他方の給電電極を、電位が0(零)の中性線としてもよい。この場合においても、給電装置10から受電装置20への給電が可能である。
【0058】
第1給電電極12及び第2給電電極13のうちの他方の給電電極を中性線とする場合には、一方の給電電極と建物下地材との間に電気的絶縁体が設けられていればよく、他方の給電電極と建物下地材との間には電気的絶縁体が設けられていなくてもよい。報知器27は、第1受電電極22にて電圧が励起されたことを報知するように構成されていてもよい。蓄電池28、第1受電電極22にて励起された電圧を蓄えるように構成されていてもよい。
【0059】
第1給電電極12及び第2給電電極13のうちの他方の給電電極を中性線とする方法として、電気回路内で行う方法のほかに、他方の給電電極の絶縁被覆を省略して建物の構造体側やフロアの接地等と積極的に同電位化して中性線化することも可能である。
【0060】
<第2実施形態>
次に、
図7を参照して、第2実施形態に係るワイヤレス給電システム200について説明する。以下では、第1実施形態との相違点を主に説明し、第1実施形態で説明した構成と同一の構成又は相当する構成については、図中に第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。また、ワイヤレス給電システム200を備える建物の立断面図は、
図1(a)に示す立断面図とほぼ同じであるため、図示を省略する。
【0061】
図7は、ワイヤレス給電システム200の回路構成図である。
図7に示すように、受電装置20は、第1受電電極22と第2受電電極23とに接続されるインジケータランプユニット229を更に備えている。また、AC/DCコンバータ224がインジケータランプユニット229と並列に設けられる。交流電圧生成部11は、通電検出・電源切替機能付である。
【0062】
本実施形態では、交流電圧生成部11は不図示のリレーを備えている。交流電圧生成部11は、待機時(閉回路1が形成されていない解放時)には、第1給電電極12及び第2給電電極13に所定の電圧(例えば、プラグ9を備える電気機器の駆動に必要な運転電力)より低い電圧(例えば、待機電圧)をかける。第1受電電極22及び第2受電電極23を第1給電電極12及び第2給電電極13にそれぞれ対向するように受電装置20を配置し閉回路1が形成されると、リレーが閉回路1の形成を検出し、交流電圧生成部11は、運転電圧に切換える。運転電圧への切り替えを受電装置20内のインジケータランプユニット229が検出すると、受電装置20が起動し、端子26に接続される電気機器への給電を開始する。
【0063】
このように、ワイヤレス給電システム200では、閉回路1が形成されているときのみ交流電圧が運転電力で交流電圧生成部11にて生成され、閉回路1が形成されていないときには、運転電力よりも小さい待機電力で交流電圧が交流電圧生成部11にて生成される。したがって、交流電圧生成部11での電力消費を減らすことができる。
【0064】
なお、ワイヤレス給電システム200においても、第1実施形態による作用効果を奏する。
【0065】
<第2実施形態の変形例1>
図8は、本発明の第2実施形態における変形例に係るワイヤレス給電システム201の回路構成図である。
図8に示すように、ワイヤレス給電システム201は、負荷接続検出・信号送信機能付のインジケータランプユニット(検知部)230を更に備えている。インジケータランプユニット230は、電気機器のプラグ9(
図1(a)等参照)がコンセントに差し込まれ端子26が電気機器に接続されているかを検知し、第1受電電極22、第2受電電極23、第1給電電極12、第2給電電極13を通じて交流電圧生成部11にパイロット信号を出力する。交流電圧生成部11は、信号受信・電源切替機能付である。
【0066】
電気機器のプラグ9(
図1(a)等参照)がコンセントに差し込まれ端子26が電気機器に接続されると、インジケータランプユニット230は、第1受電電極22、第2受電電極23、第1給電電極12、第2給電電極13を通じて交流電圧生成部11にパイロット信号を出力する。電気機器のプラグ9(
図1(a)等参照)がコンセントに差し込まれておらず端子26が電気機器に接続されていない状態では、インジケータランプユニット229は、パイロット信号の出力を停止する。
【0067】
交流電圧生成部11は、パイロット信号を受信したときには、交流電圧生成部11内の主回路を閉じて給電を開始し、パイロット信号を受信していない状態では、交流電圧生成部11内の主回路を開いて給電を停止する、または所定の電力よりも小さい電力で交流電圧を出力する。そのため、プラグ9が電気機器に接続されているときのみ交流電圧が所定の電力で交流電圧生成部11にて生成され、プラグ9が電気機器に接続されていないときには、所定の電力よりも小さい電力で交流電圧が交流電圧生成部11にて生成される、または交流電圧生成部11での交流電圧の生成が停止する。したがって、交流電圧生成部11での電力消費を減らすことができる。
【0068】
閉回路2の電源は、蓄電池28又は交流電圧生成部11(待機電圧)から供給される。インジケータランプユニット230における負荷接続の検出方法は、電気式(通電検出等)であってもよいし、機械式(プラグ差込検出等)であってもよい。
【0069】
<第2実施形態の変形例2>
図9は、本発明の第2実施形態における別の変形例に係るワイヤレス給電システム202の回路構成図である。
図9に示すように、ワイヤレス給電システム202は、負荷接続検出・無線信号送信機能付のインジケータランプユニット(検知部)231を更に備えている。交流電圧生成部11は、無線信号受信・電源切替機能付である。
【0070】
インジケータランプユニット231は、電気機器のプラグ9(
図1(a)等参照)がコンセントに差し込まれ端子26が電気機器に接続されていることを検知すると、無線通信にて交流電圧生成部11にパイロット信号を出力する。電気機器のプラグ9(
図1(a)等参照)がコンセントに差し込まれておらず端子26が電気機器に接続されていない状態では、インジケータランプユニット231は、パイロット信号の出力を停止する。
【0071】
交流電圧生成部11は、無線通信にてパイロット信号を受信したときには、交流電圧生成部11内の主回路を閉じて給電を開始し、パイロット信号を受信していない状態では、交流電圧生成部11内の主回路を開いて給電を停止する、または所定の電力よりも小さい電力で交流電圧を出力する。ただし、閉回路1が確認されない場合には、主回路を開き給電を休止する。この場合においても、交流電圧生成部11での電力消費を減らすことができる。
【0072】
閉回路2の電源は、蓄電池28又は交流電圧生成部11(待機電圧)から供給される。インジケータランプユニット231における負荷接続の検出方法は、電気式(通電検出等)であってもよいし、機械式(プラグ差込検出等)であってもよい。
【0073】
<第3実施形態>
次に、
図10を参照して、第3実施形態に係るワイヤレス給電システム300について説明する。以下では、第1及び第2実施形態との相違点を主に説明し、第1及び第2実施形態で説明した構成と同一の構成又は相当する構成については、図中に第1及び第2実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
図10は、ワイヤレス給電システム300の概略断面図である。
図10では、受電装置20のみを対象室内に配置し、必要な耐環境性能(例えば、高温/低温、多湿、爆発性雰囲気等)を満たす仕様とした例が示されている。受電装置20のケース21は、例えば、防塵防水仕様である。受電装置20のケース21は、防爆仕様であってもよい。
【0075】
図10に示すように、ワイヤレス給電システム300では、給電装置310の第2給電電極313を中性線として接地方式を採用している。中性線としての第2給電電極313を接地することで、第2給電電極313を簡略化している。これにより、本実施形態では、第1及び第2実施形態による作用効果に加え、第2給電電極313に対して絶縁、防水の措置が不要になるなど、施工上・構造上の融通性が向上すると共に、耐環境性も向上する。
【0076】
中性線としての第2給電電極313は、平面的に広がる床下地材2に設けられる。床下地材2が鉄筋コンクリートスラブである場合には、鉄筋コンクリートスラブの鉄筋を第2給電電極313として利用することが可能である。第2給電電極313として、鉄骨やデッキプレート、鋼製下地を利用することも可能である。間仕切壁、天井等の軽量鉄骨下地材、鋼製架台及び足場等にも適用が可能である。
【0077】
概して、コンクリートは、導電媒体に位置づけられる(例えば、構造体利用接地極等)。具体的には、媒体物性(導電率)、媒体厚み、周波数、電源出力等のパラメータが条件に合った場合にコンクリートは給電用媒体の機能を持つ。コンクリートを導電媒体として機能させることで、第1給電電極12と第2給電電極313の平面上の重なりを許容可能になる。そのため、配置計画に自由度を高めることができる。
【0078】
<第4実施形態>
次に、
図11を参照して、第4実施形態に係るワイヤレス給電システム400について説明する。以下では、第3実施形態との相違点を主に説明し、第3実施形態で説明した構成と同一の構成又は相当する構成については、図中に第3実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
図11は、ワイヤレス給電システム400の概略断面図である。
図11では、受電装置20のみを屋外の対象エリアに配置し、必要な耐環境性能(例えば、高温/低温、多湿、爆発性雰囲気等)を満たす仕様とした例が示されている。受電装置20のケース21は、例えば、防塵防水仕様である。受電装置20のケース21は、防爆仕様であってもよい。商用電源7及び交流電圧生成部11は、屋外仕様の絶縁材により形成されたケース409内に収容されている。
【0080】
図11に示すように、ワイヤレス給電システム400では、給電装置410の第2給電電極413を中性線として接地方式を採用している。中性線としての第2給電電極413を接地することで、第2給電電極413を簡略化している。これにより、本実施形態では、第1及び第2実施形態による作用効果に加え、第2給電電極413に対して絶縁、防水の措置が不要になるなど、施工上・構造上の融通性が向上すると共に、耐環境性も向上する。
【0081】
電力線として用いる第1給電電極12は、電気的絶縁体417で覆われている。また、第1給電電極12は、舗装仕上げ材(仕上げ材)403と路盤408との間に配置されている。路盤408は、例えば砕石である。
【0082】
中性線としての第2給電電極413は、第2給電電極413の周囲に対して電気的に絶縁されている必要がないため、配置の自由度が向上する。例えば、舗装の路盤408の下に配置された導電性レールを第2給電電極413として用いることができる。地盤の状態によっては、導電性レールの省略も可能である。導電性レールは、線状、帯状又は管状に形成された部材であるが、地中に埋設可能であればよく、例えば、銅より線、銅帯等を用いることができる。
【0083】
概して、路盤408は、導電媒体に位置づけられる(例えば、構造体利用接地極等)。具体的には、媒体物性(導電率)、媒体厚み、周波数、電源出力等のパラメータが条件に合った場合に、路盤408は、給電用媒体の機能を持つ。路盤408を導電媒体として機能させることで、第1給電電極12と第2給電電極413の平面上の重なりを許容可能になる。そのため、配置計画に自由度を高めることができる。
【0084】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0085】
上記実施形態では、受電装置20、30は、電気機器とは別体として形成されており、電気機器のプラグ9が差し込まれるコンセントを備えているが、本発明は、この形態に限られない。電気機器のプラグを廃止して、電気機器に受電装置20、30を設けてもよい。
【符号の説明】
【0086】
100、200、300、400・・・ワイヤレス給電システム
1・・・建物
2・・・床下地材(建物下地材)
3・・・床仕上げ材(仕上げ材)
4・・・壁下地材(建物下地材)
5・・・壁仕上げ材(仕上げ材)
10・・・給電装置
11・・・交流電圧生成部
12、14・・・第1給電電極
13、15、313、413・・・第2給電電極
17、18・・・電気的絶縁体
20、30・・・受電装置
22・・・第1受電電極
23・・・第2受電電極
27・・・報知器
28・・・蓄電池
39・・・磁石
229、230、231・・・インジケータランプユニット(検知部)