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特開2023-180021適切な通信パラメータの選択を可能とする制御装置、基地局装置、制御方法、及びプログラム
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  • 特開-適切な通信パラメータの選択を可能とする制御装置、基地局装置、制御方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180021
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】適切な通信パラメータの選択を可能とする制御装置、基地局装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/18 20090101AFI20231213BHJP
【FI】
H04W28/18
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093063
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺部 滋郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊明
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD11
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】
【課題】各種要求に対してパラメータを適切に選択可能とすること。
【解決手段】制御装置は、ネットワークに接続されている端末装置のうち、所定の属性を有する複数の端末装置を第1のグループと第2のグループとを含む複数のグループに分割し、第1のグループに属する端末装置の通信において第1の通信パラメータが使用され、第2のグループに属する端末装置の通信において第1の通信パラメータと異なる第2の通信パラメータが使用されるべき場合に、所定の属性を有する複数の端末装置を特定可能な情報を含んだ通知を、複数の端末装置が接続している1つ以上の基地局装置へ送信する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されている端末装置のうち、所定の属性を有する複数の端末装置を第1のグループと第2のグループとを含む複数のグループに分割し、前記第1のグループに属する端末装置の通信において第1の通信パラメータが使用され、前記第2のグループに属する端末装置の通信において前記第1の通信パラメータと異なる第2の通信パラメータが使用されるべき場合に、前記所定の属性を有する前記複数の端末装置を特定可能な情報を含んだ通知を、前記複数の端末装置が接続している1つ以上の基地局装置へ送信する通知手段を有する、ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記所定の属性を有する前記複数の端末装置を特定可能な情報は、特定のネットワークスライスを示す情報を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記所定の属性を有する前記複数の端末装置を特定可能な情報は、移動速度、地理的位置、温度もしくは湿度、端末装置の形状、バッテリ残量、又は、測定によって得られる無線品質、のいずれかを示す情報を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記地理的位置を示す情報は屋外または屋内のいずれかを指定する情報を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記地理的位置を示す情報は高さの情報を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項6】
前記無線品質を示す情報は、前記1つ以上の基地局装置から送出された電波の電界強度もしくは信号対雑音比、他の装置へ与える干渉量、又は、他の装置から受ける干渉量の少なくともいずれかの情報を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項7】
前記通知手段は、前記1つ以上の基地局装置に対して、前記第1のグループに属する端末装置の通信において前記第1の通信パラメータを使用させ、前記第2のグループに属する端末装置の通信において前記第2の通信パラメータを使用させるための契機を与える通知をさらに送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記通知手段は、前記1つ以上の基地局装置に対して、前記第1のグループに属する端末装置の通信において使用されている通信パラメータと、前記第2のグループに属する端末装置の通信において使用されている通信パラメータとを変更させる指示を与える通知をさらに送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記通知手段は、前記1つ以上の基地局装置に対して、前記第1のグループに属する端末装置の通信において前記第1の通信パラメータを使用し、前記第2のグループに属する端末装置の通信において前記第2の通信パラメータを使用すべき期間を示す通知をさらに送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項10】
前記通知手段は、前記第1のグループにおける通信に割り当てられるべき無線リソースの量と前記第2のグループにおける通信に割り当てられるべき無線リソースの量との比率の通知、又は、前記第1のグループと前記第2のグループとのそれぞれに無線リソースを割り当てる際に使用される優先順位の通知を、前記1つ以上の基地局装置へ送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項11】
前記第1の通信パラメータと前記第2の通信パラメータとを含んだ複数の通信パラメータを用いた前記1つ以上の基地局装置と前記複数の端末装置との間の通信によって前記1つ以上の基地局装置によって収集された通信状況の情報であって、当該複数の通信パラメータのそれぞれが用いられた場合の前記通信状況の情報に基づいて、前記所定の属性を有する複数の端末装置の通信で使用すべき通信パラメータを決定する決定手段と、
決定された通信パラメータを前記1つ以上の基地局装置へ通知する通知手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項12】
前記決定手段は、前記複数の通信パラメータをそれぞれ用いた通信によって得られた複数の通信状況の情報を、所定の基準に基づいて比較することにより、使用すべき通信パラメータを決定する、ことを特徴とする請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記決定手段は、前記複数の通信パラメータに含まれる通信パラメータのうち、対応する前記通信状況の情報が前記所定の属性を有する複数の通信装置の通信において要求される性能を満たすことができている通信パラメータを、使用すべき通信パラメータとして決定する、ことを特徴とする請求項11に記載の制御装置。
【請求項14】
基地局装置であって、
制御装置から、前記基地局装置に接続されている端末装置のうち、所定の属性を有する複数の端末装置を特定可能な情報を含んだ通知を受信する受信手段と、
前記通知に基づいて、前記複数の端末装置を特定する特定手段と、
前記複数の端末装置を第1のグループと第2のグループとを含む複数のグループに分割する分割手段と、
前記第1のグループに属する端末装置の通信に対して第1の通信パラメータを設定し、前記第2のグループに属する端末装置の通信に対して前記第1の通信パラメータと異なる第2の通信パラメータを設定する設定手段と、
前記第1のグループと前記第2のグループとのそれぞれにおける通信状況の情報を収集する収集手段と、
を有することを特徴とする基地局装置。
【請求項15】
前記所定の属性を有する前記複数の端末装置を特定可能な情報は、特定のネットワークスライスを示す情報を含み、
前記特定手段は、前記特定のネットワークスライスに対応する通信サービスの提供先の端末装置を前記複数の端末装置として特定する、ことを特徴とする請求項14に記載の基地局装置。
【請求項16】
前記所定の属性を有する前記複数の端末装置を特定可能な情報は、移動速度、地理的位置、温度もしくは湿度、端末装置の形状、バッテリ残量、又は、測定によって得られる無線品質、のいずれかを示す情報を含み、
前記特定手段は、当該情報によって示されている移動速度で移動している端末装置、当該情報によって示されている地理的位置に存在する端末装置、当該情報によって示されている温度もしくは湿度の環境に存在する端末装置、当該情報によって示されている形状の端末装置、当該情報によって示されているバッテリ残量を有する端末装置、又は、当該情報によって示されている無線品質が得られている端末装置、を前記複数の端末装置として特定する、ことを特徴とする請求項14に記載の基地局装置。
【請求項17】
前記地理的位置を示す情報は屋外または屋内のいずれかを指定する情報を含み、
前記特定手段は、前記情報によって屋内が指定されている場合には、屋内に存在する端末装置を前記複数の端末装置として特定し、前記情報によって屋外が指定されている場合には、屋外に存在する端末装置を前記複数の端末装置として特定する、ことを特徴とする請求項16に記載の基地局装置。
【請求項18】
前記地理的位置を示す情報は高さの情報を含み、
前記特定手段は、前記情報によって示された高さの位置に存在する端末装置を前記複数の端末装置として特定する、ことを特徴とする請求項16に記載の基地局装置。
【請求項19】
前記無線品質を示す情報は、前記基地局装置から送出された電波の電界強度もしくは信号対雑音比、他の装置へ与える干渉量、又は、他の装置から受ける干渉量の少なくともいずれかの情報を含み、
前記特定手段は、前記情報によって示された前記電界強度もしくは信号対雑音比、他の装置へ与える干渉量、又は、他の装置から受ける干渉量の少なくともいずれかの条件を満たす端末装置を、前記複数の端末装置として特定する、ことを特徴とする請求項16に記載の基地局装置。
【請求項20】
前記受信手段は、前記第1のグループに属する端末装置の通信において前記第1の通信パラメータを使用し、前記第2のグループに属する端末装置の通信において前記第2の通信パラメータを使用するための契機を示す通知をさらに受信し、
前記設定手段は、当該契機を示す通知が受信されたことに基づいて、前記第1のグループに属する端末装置の通信に対して前記第1の通信パラメータを設定し、前記第2のグループに属する端末装置の通信に対して前記第2の通信パラメータを設定する、ことを特徴とする請求項14に記載の基地局装置。
【請求項21】
前記受信手段は、前記第1のグループに属する端末装置の通信において使用されている通信パラメータと、前記第2のグループに属する端末装置の通信において使用されている通信パラメータとを変更する指示を示す通知をさらに受信し、
前記設定手段は、前記指示を与える通知を受信したことに基づいて、前記第1のグループに属する端末装置の通信において使用される前記第1の通信パラメータを他の通信パラメータへと変更し、前記第2のグループに属する端末装置の通信において使用される通信パラメータを前記第2の通信パラメータから前記第1の通信パラメータに変更することを特徴とする請求項14に記載の基地局装置。
【請求項22】
前記受信手段は、前記第1のグループに属する端末装置の通信において前記第1の通信パラメータを使用し、前記第2のグループに属する端末装置の通信において前記第2の通信パラメータを使用すべき期間を示す通知をさらに受信し、
前記設定手段は、当該通知によって示される期間において、前記第1のグループに属する端末装置の通信に対して前記第1の通信パラメータを設定し、前記第2のグループに属する端末装置の通信に対して前記第2の通信パラメータを設定する、ことを特徴とする請求項14に記載の基地局装置。
【請求項23】
前記受信手段は、前記第1のグループにおける通信に割り当てられるべき無線リソースの量と前記第2のグループにおける通信に割り当てられるべき無線リソースの量との比率の通知、又は、前記第1のグループと前記第2のグループとのそれぞれに無線リソースを割り当てる際に使用される優先順位の通知を受信し、
前記設定手段は、当該比率の通知または当該優先順位の通知に基づいて、前記第1のグループに属する端末装置の通信のために割り当てる無線リソースの量と、前記第2のグループに属する端末装置の通信のために割り当てる無線リソースの量とを設定する、ことを特徴とする請求項14に記載の基地局装置。
【請求項24】
前記第1の通信パラメータと前記第2の通信パラメータとを含んだ複数の通信パラメータのそれぞれが用いられた場合について、前記収集手段によって収集された前記通信状況の情報に基づいて、前記所定の属性を有する複数の端末装置の通信で使用すべき通信パラメータを決定する決定手段をさらに有し、
前記設定手段は、決定された通信パラメータを前記複数の端末装置との間の通信に対して使用するように設定する、
ことを特徴とする請求項14に記載の基地局装置。
【請求項25】
前記決定手段は、前記複数の通信パラメータをそれぞれ用いた通信によって得られた前記通信状況の情報を、所定の基準に基づいて比較することにより、使用すべき通信パラメータを決定する、ことを特徴とする請求項24に記載の基地局装置。
【請求項26】
前記決定手段は、前記複数の通信パラメータに含まれる通信パラメータのうち、対応する前記通信状況の情報が前記所定の属性を有する複数の通信装置の通信において要求される性能を満たすことができている通信パラメータを、使用すべき通信パラメータとして決定する、ことを特徴とする請求項24に記載の基地局装置。
【請求項27】
制御装置によって実行される制御方法であって、
ネットワークに接続されている端末装置のうち、所定の属性を有する複数の端末装置を第1のグループと第2のグループとを含む複数のグループに分割し、前記第1のグループに属する端末装置の通信において第1の通信パラメータが使用され、前記第2のグループに属する端末装置の通信において前記第1の通信パラメータと異なる第2の通信パラメータが使用されるべき場合に、前記所定の属性を有する前記複数の端末装置を特定可能な情報を含んだ通知を、前記複数の端末装置が接続している1つ以上の基地局装置へ送信することを含む、ことを特徴とする制御方法。
【請求項28】
基地局装置によって実行される制御方法であって、
制御装置から、前記基地局装置に接続されている端末装置のうち、所定の属性を有する複数の端末装置を特定可能な情報を含んだ通知を受信することと、
前記通知に基づいて、前記複数の端末装置を特定することと、
前記複数の端末装置を第1のグループと第2のグループとを含む複数のグループに分割することと、
前記第1のグループに属する端末装置の通信に対して第1の通信パラメータを設定し、前記第2のグループに属する端末装置の通信に対して前記第1の通信パラメータと異なる第2の通信パラメータを設定することと、
前記第1のグループと前記第2のグループとのそれぞれにおける通信状況の情報を収集することと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項29】
コンピュータを、請求項1から13のいずれか1項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項30】
コンピュータを、請求項14から26のいずれか1項に記載の基地局装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信パラメータの選択のための指標を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムでは、例えばターゲット誤り率や許容遅延などの値や所定の通信制御機能のオン/オフなど、様々なパラメータが適切に設定されることにより、様々な要求に対して適切な通信サービスを提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、各種要求に対してパラメータを適切に選択可能とする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様による制御装置は、ネットワークに接続されている端末装置のうち、所定の属性を有する複数の端末装置を第1のグループと第2のグループとを含む複数のグループに分割し、前記第1のグループに属する端末装置の通信において第1の通信パラメータが使用され、前記第2のグループに属する端末装置の通信において前記第1の通信パラメータと異なる第2の通信パラメータが使用されるべき場合に、前記所定の属性を有する前記複数の端末装置を特定可能な情報を含んだ通知を、前記複数の端末装置が接続している1つ以上の基地局装置へ送信する通知手段を有する。
【0005】
本発明の一態様による基地局装置は、制御装置から、前記基地局装置に接続されている端末装置のうち、所定の属性を有する複数の端末装置を特定可能な情報を含んだ通知を受信する受信手段と、前記通知に基づいて、前記複数の端末装置を特定する特定手段と、前記複数の端末装置を第1のグループと第2のグループとを含む複数のグループに分割する分割手段と、前記第1のグループに属する端末装置の通信に対して第1の通信パラメータを設定し、前記第2のグループに属する端末装置の通信に対して前記第1の通信パラメータと異なる第2の通信パラメータを設定する設定手段と、前記第1のグループと前記第2のグループとのそれぞれにおける通信状況の情報を収集する収集手段と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、各種要求に対してパラメータを適切に選択可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】通信システムの構成例を示す図である。
図2】装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】制御装置の機能構成例を示す図である。
図4】基地局装置の機能構成例を示す図である。
図5】通信システムにおいて実行される処理の流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0009】
(通信システムの構成)
図1に、本実施形態に係る通信システムの構成例を示す。本通信システムは、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))において規定されたロングタームエボリューション(LTE)や第5世代(5G)又はそれ以降の世代のセルラ通信システムである。本通信システムは、1つ以上の基地局装置102を介して、多数の端末装置103に無線通信サービスを提供する。ここで、例えば、端末装置103に提供される通信サービスに対応するネットワークスライスが設定され、そのネットワークスライスに適した無線通信のための通信パラメータがその端末装置103に対して設定される。1つ以上の基地局装置102は、例えば、制御装置101に接続され、制御装置101の制御の下で所定の通信処理を実行するように構成されうる。制御装置101は、例えば、1つ以上の基地局装置102のそれぞれに接続されている端末装置103を特定する情報を保持し、その端末装置103のそれぞれに対する通信制御を行いうる。なお、これは一例であり、制御装置101は、例えば、1つ以上の基地局装置102のいずれかに接続されている端末装置103の情報を保持するが、通信制御等は1つ以上の基地局装置102において独自に行われるようにしてもよい。すなわち、制御装置101と基地局装置102との間の機能分担は任意に設計されうる。なお、以下では、基地局装置102は、少なくとも端末装置103に対するスケジューリングを実行可能なように構成されるものとする。また、基地局装置102は、接続中の端末装置103に対する通信パラメータの設定を行いうる。なお、通信パラメータは、基地局装置102によって決定されてもよいし、制御装置101によって決定されたものが基地局装置102に通知されてもよい。制御装置101及び基地局装置102は、例えば、(一例においてOpen Radio Access Network(O-RAN)の)Central Unit(CU)及びDistributed Unit(DU)でありうる。ただし、これは一例にすぎず、例えば、制御装置101は、CUとは別個に設けられ、CUを介して、DUとして機能する基地局装置102を制御するネットワークノードであってもよい。また、基地局装置102がCUとDUの両方の機能を有していてもよい。
【0010】
各種要求に対する適切なパラメータの選択のために、実際にパラメータを設定して通信サービスを提供して性能を検証することが想定される。このとき、例えば、第1のパラメータを用いて通信の性能を測定し、その後に、第1のパラメータと異なる第2のパラメータを用いて通信の性能を測定して、これらの測定の結果を比較することにより、測定結果が良好なパラメータが、より適切なパラメータとして選択されうる。このような手順を用いて多数のパラメータをそれぞれ用いた場合の通信の性能の測定結果を比較することにより、より適切なパラメータを選択して使用することができる。
【0011】
上述の手法では、第1のパラメータを用いた測定を行う時点と第2のパラメータを用いた測定を行う時点とで通信環境が十分に共通しないことにより、適切な比較ができない場合がある。本実施形態では、このような事情に鑑み、通信サービスを提供中の複数の端末装置103を複数のグループに分割し、グループごとに異なる通信パラメータを適用する。すなわち、現在通信中の端末装置を、第1のグループと第2のグループとを含む複数のグループに分割して、それぞれにおいて異なる通信パラメータを用いて通信するようにする。この状態で、各グループにおける通信状況が測定され、それぞれの測定結果を比較することにより、十分に共通した通信環境におけるパラメータごとの通信性能の比較を行うことが可能となる。
【0012】
なお、上述の比較のための制御は、例えば、制御装置101による指示に基づいて行われうる。制御装置101は、複数の端末装置を複数のグループに分割し、その複数のグループのうちの第1のグループに属する端末装置の通信において第1の通信パラメータが使用され、その複数のグループのうちの第2のグループに属する端末装置の通信において第1の通信パラメータと異なる第2の通信パラメータが使用されるべき場合に、自装置の配下の(自装置に接続されている)1つ以上の基地局装置102に対して、このような処理を実行するための指示を送信する。この指示は、例えば、処理の対象とする1つ以上の基地局装置102に接続されている複数の端末装置103を、少なくとも第1のグループ及び第2のグループを含んだ複数のグループに分割して、それぞれに異なる通信パラメータを設定すべきことを特定可能な指示であれば、どのような形式を有してもよい。例えば、制御装置101は、処理の対象とする端末装置103を特定可能な情報を1つ以上の基地局装置102へ送信する。そして、1つ以上の基地局装置102は、それぞれ、自装置に接続中の端末装置103の中で、処理の対象とする端末装置103を抽出して、抽出された端末装置103をグループ分けして、それぞれのグループに異なる通信パラメータを適用する。
【0013】
なお、各グループに適用される通信パラメータは、例えばネットワーク事業者によって1つ以上の基地局装置102に対して事前に通知されうる。そして、基地局装置102は、接続中の端末装置103に対して、その端末装置103が属するグループに対応する通信パラメータを適用し、共通の時間区間において、複数の端末装置103に対してそれぞれ異なる通信パラメータが適用されるようにしうる。なお、各グループに適用される通信パラメータは、例えば、制御装置101から、上述の指示と共に又は上述の指示とは別個に(指示の前又は指示の後)に、基地局装置102へ送信されてもよい。また、制御装置101とは別のネットワークノードによって、通信パラメータが基地局装置102へ通知されてもよい。なお、いずれの場合であっても、1つ以上の基地局装置102において、各グループに対して設定される通信パラメータが共通するような措置が取られるようにする。また、基地局装置102が、所定のルールに基づいて、複数の通信パラメータを生成してもよい。なお、この場合、所定のルールは、1つ以上の基地局装置102において事前に共有されており、これらの基地局装置102において同じ通信パラメータが使用されるようにしうる。すなわち、各グループに適用される通信パラメータは、1つ以上の基地局装置102の間で共通である限りにおいて、任意の方法で、基地局装置102において取得されうる。
【0014】
なお、制御装置101は、例えば、処理の対象とする端末装置を、所定の属性が共通する端末装置103とし、その所定の属性を有しない端末装置103については処理の対象としないようにしうる。この場合、制御装置101は、その所定の属性を有する複数の端末装置103を特定可能な情報を含んだ通知を、上述の指示として、1つ以上の基地局装置102へ通知しうる。基地局装置102は、この通知を受信すると、自装置に接続中の端末装置103のうち、その所定の属性を有する端末装置を特定し、その特定された端末装置を、上述のように第1のグループと第2のグループとを含んだ複数のグループに分割する。そして、基地局装置102は、複数のグループのそれぞれに、異なる通信パラメータを設定する。すなわち、基地局装置102は、第1のグループに属する端末装置103の通信に対して第1の通信パラメータを設定すると共に、第2のグループに属する端末装置103の通信に対して第1の通信パラメータと異なる第2の通信パラメータを設定する。そして、基地局装置102は、その複数のグループ(例えば第1のグループと第2のグループ)のそれぞれにおける通信状況の情報を収集する。通信状況の情報は、例えば、スループット、フレーム誤り率、通信遅延などに関する統計量でありうる。なお、通信遅延は、例えば、通信誤りによる再送に伴う遅延や、通信回線の混雑によってリソースが割り当てられるまでの遅延を含みうる。ここでの統計量は、平均値、中央値、分散、最大値、最小値、パーセンタイル値等を含みうる。基地局装置102は、複数のグループのそれぞれにおいて、通信が適切に行われているかを判定するための指標となる値を収集する。
【0015】
その後、その収集された指標値は、例えば、制御装置101もしくは他のネットワークノード、又は、ネットワーク事業者の管理用コンピュータへ提供され、例えば、その指標値の解析結果に基づいてその後の通信サービスの提供時の通信パラメータが決定される。例えば、低遅延が要求される通信サービスに対して、複数のグループのそれぞれにおいて得られた遅延時間に関連する指標値が小さい方の通信パラメータが利用されるようにしうる。また、高スループットが要求される通信サービスに対して、複数のグループのそれぞれにおいて得られたスループットに関連する指標値が大きい方の通信パラメータが利用されるようにしうる。また、指標値として異常な値が得られた場合、その異常な値に対応する通信パラメータが使用されないようにしうる。
【0016】
所定の属性を有する端末装置103を特定可能な情報は、例えば、特定のネットワークスライスを示す情報を含みうる。すなわち、その情報によって示される特定のネットワークスライスに対応する通信サービスが提供されている端末装置103が、上述のようなグループ化及び通信パラメータの設定処理の対象として抽出される。1つ以上の基地局装置102は、この情報を受信すると、自装置に接続中の端末装置103のうち、その情報によって示された特定のネットワークスライスでの通信サービスの提供先の複数の端末装置103を抽出し、その抽出した複数の端末装置103を複数のグループに分割し、その複数のグループのそれぞれに互いに異なる通信パラメータを設定する。ネットワークスライスが共通する端末装置を複数のグループに分類してそれぞれ別個の通信パラメータを設定することにより、通信サービスの要求が同じ又は類似する端末装置103に対して、異なる通信パラメータを適用することができ、そのネットワークスライスに適した通信パラメータを特定することが可能となる。
【0017】
また、所定の属性を有する端末装置103を特定可能な情報は、端末装置の移動速度、地理的位置、端末装置が存在する位置における温度もしくは湿度、端末装置の形状、バッテリ残量、又は、測定によって得られる無線品質、のいずれかを示す情報でありうる。
【0018】
端末装置の移動速度が示される場合、基地局装置102は、その情報によって示されている移動速度で移動している端末装置を、所定の属性を有する端末装置103として特定する。例えば、端末装置103を所持する複数のユーザが公共交通機関等(例えばバス104)を利用することにより、複数の端末装置103が一斉に等しい速度で移動する場合がある。このような場合に、同じ条件で移動している端末装置を複数のグループに分割してそれぞれ異なる通信パラメータを適用して、性能評価をすることにより、同様の条件で移動中の端末装置に適した通信パラメータを特定することが可能となる。
【0019】
また、端末装置が存在する地理的位置(地理的範囲)が所定の属性を有する端末装置103を特定可能な情報として示されている場合、基地局装置102は、その地理的位置(地理的範囲)に存在する端末装置を、所定の属性を有する端末装置103として特定する。これによれば、所定の範囲内に存在する端末装置を複数のグループに分割してそれぞれ異なる通信パラメータを適用して性能評価をすることにより、その地理的位置に存在する端末装置に適した通信パラメータを特定することが可能となる。なお、地理的位置(地理的範囲)の情報は、屋外又は屋内のいずれかを指定する情報を含んでもよい。屋内と屋外とで通信環境が大きく異なることが想定される。これに対して、例えば屋内が指定されることにより、屋内に存在する端末装置を複数のグループに分割してそれぞれ異なる通信パラメータを適用して性能評価をすることにより、屋内環境に適した通信パラメータを特定することが可能となる。同様に、例えば屋外が指定されることにより、屋外に存在する端末装置を複数のグループに分割してそれぞれ異なる通信パラメータを適用して性能評価をすることにより、屋外環境に適した通信パラメータを特定することが可能となる。また、地理的位置(地理的範囲)の情報は、高さの情報を含んでもよい。例えば、アンテナが設置されている高さ等によって、端末装置が存在する位置の高さごとに通信環境が大きく異なる場合がありうる。これに対して、地理的位置として高さが指定されることにより、通信環境が共通することが想定される複数の端末装置を複数のグループに分割してそれぞれ異なる通信パラメータを適用して性能評価をすることにより、その高さに存在する端末装置に適した通信パラメータを特定することが可能となる。
【0020】
また、端末装置が存在する位置における温度又は湿度(温度又は湿度の範囲)が、所定の属性を有する端末装置103を特定可能な情報として示されている場合、基地局装置102は、その温度又は湿度(温度又は湿度の範囲)の環境に存在する端末装置を、所定の属性を有する端末装置103として特定する。これによれば、所定の温度又は湿度環境下に存在する端末装置を複数のグループに分割してそれぞれ異なる通信パラメータを適用して性能評価をすることにより、その温度又は湿度環境に存在する端末装置に適した通信パラメータを特定することが可能となる。
【0021】
また、所定の属性を有する端末装置103を特定可能な情報として端末装置の形状が示されている場合、基地局装置102は、その形状を有する端末装置を、所定の属性を有する端末装置103として特定する。これによれば、同様の形状を有する端末装置を複数のグループに分割してそれぞれ異なる通信パラメータを適用して性能評価をすることにより、端末装置の形状によって通信性能が変化する場合に、端末装置の形状に適した通信パラメータを特定することが可能となる。
【0022】
また、所定の属性を有する端末装置103を特定可能な情報として端末装置のバッテリ残量(バッテリ残量の範囲)が示されている場合、基地局装置102は、バッテリ残量がその情報によって示されたバッテリ残量の条件を満たす端末装置を、所定の属性を有する端末装置103として特定する。これによれば、バッテリ残量が一定量である端末装置を複数のグループに分割してそれぞれ異なる通信パラメータを適用して性能評価をすることにより、端末装置のバッテリ残量に適した通信パラメータを特定することが可能となる。
【0023】
また、所定の属性を有する端末装置103を特定可能な情報として端末装置において得られるべき無線品質が示されている場合、基地局装置102は、その無線品質を得ることができている端末装置を、所定の属性を有する端末装置103として特定する。ここで、無線品質を示す情報は、例えば、端末装置が接続している基地局装置から送出された電波の電界強度又は信号対雑音比(SNR)の情報を含みうる。また、無線品質を示す情報は、端末装置が接続している基地局装置から送出された電波に関する信号対干渉及び雑音比(SINR)を含んでもよい。また、無線品質を示す情報は、他の装置(接続中でない他の基地局装置102や、周囲の他の端末装置)へ与える干渉量、又は、他の装置から受ける干渉量の情報を含んでもよい。これによれば、電界強度やSNR、干渉量等が共通する端末装置を複数のグループに分割してそれぞれ異なる通信パラメータを適用して性能評価をすることにより、端末装置における無線環境の状況に適した通信パラメータを特定することが可能となる。
【0024】
なお、制御装置101は、上述のような通知とは別個に、又は上述のような通知と共に、複数のグループへの異なる通信パラメータの割り当てを基地局装置102に実行させるための契機を与える通知を、その基地局装置102へ送信しうる。基地局装置102は、この通知を受信したことに基づいて、複数のグループにそれぞれ異なる通信パラメータを設定しうる。すなわち、基地局装置102は、例えば、処理の対象となる端末装置103を特定可能な情報を制御装置101から取得したことに応じて、接続中の複数の端末装置を複数のグループに分割しておき、その後、上述の契機を与える通知を受信したことに応じて、通信パラメータの設定を行うようにしてもよい。また、基地局装置102は、処理の対象となる端末装置103を特定可能な情報を制御装置101から取得したことに応じて、処理対象の端末装置103の抽出を行っておき、上述の契機を与える通知を受信したことに基づいて、処理対象の端末装置103のグループ化と、通信パラメータの設定とを行うようにしてもよい。なお、基地局装置102は、処理の対象となる端末装置103を特定可能な情報を制御装置101から取得したことに応じて、処理対象の端末装置103の抽出、処理対象の端末装置103のグループ化、及び、通信パラメータの設定を行うようにしてもよい。この場合、上述の契機を与える通知は省略されうる。
【0025】
また、制御装置101は、複数のグループのそれぞれに対して設定された通信パラメータを変更させる指示を、基地局装置102へ通知してもよい。この指示は、例えば、第1のグループで使用されている第1の通信パラメータと、第2のグループで使用されている第2の通信パラメータと入れ替える指示でありうる。また、この指示は、例えば、第nのグループで使用されている第nの通信パラメータを、第(n+1)の通信パラメータと入れ替える指示でありうる。なお、第Nのグループ(Nはグループの総数)については、使用する通信パラメータを、第Nの通信パラメータから、第1の通信パラメータと入れ替え得る。このように、同じ通信パラメータを複数のグループにおいて順に使用することによって、その通信パラメータの適正性をより正確に評価することができるようになる。
【0026】
また、制御装置101は、上述のような複数のグループに異なる通信パラメータを使用させる処理を継続する期間の情報を、基地局装置102へ通知しうる。基地局装置102は、その情報によって示される期間において、複数のグループに異なる通信パラメータを設定する処理を実行し、それ以外の期間においては、グループ化等を行わず、事前に規定されたルールに基づく通信パラメータの設定を行いうる。これによれば、例えば通信パラメータの評価に適した期間においてのみ、上述の評価を行うことにより、評価結果の合理性を向上させることができる。さらに、例えば設定した通信パラメータが適切でなかった場合に、そのような通信パラメータを用い続けることによる、システムスループットの低下等の発生を防ぐことができる。
【0027】
また、制御装置101は、複数のグループのそれぞれに割り当てるべき無線リソースの量(無線リソースの量の比率)の通知を、基地局装置102へ送信しうる。また、制御装置101は、複数のグループのそれぞれに無線リソースを割り当てる際に使用される優先順位の通知を、基地局装置102へ送信してもよい。基地局装置102は、複数のグループのそれぞれに割り当てるべき無線リソースの量の通知又は優先順位の通知に基づいて、複数のグループのそれぞれに割り当てるリソースの量を設定する。これによれば、例えば、一部のグループにおいて、割り当て可能なリソース量が制限された環境を再現することができ、そのような環境の違いによる通信性能の変化を評価することが可能となる。
【0028】
なお、制御装置101は、例えば上述のようにして行った通信性能の評価の結果を(例えば基地局装置102から)取得して、その評価結果に基づいて、基地局装置102に使用させるべき通信パラメータを決定しうる。例えば、複数の通信パラメータのそれぞれを用いた場合の通信性能を所定の基準に基づいて比較して、使用されるべき通信パラメータが決定されうる。所定の基準は、例えば、スループットや遅延、誤り率である。一例において、スループットが最良となる通信パラメータ、遅延が最小となる通信パラメータ、誤り率が最小となる通信パラメータが選択されうる。また、その他の基準で使用されるべき通信パラメータが選択されてもよい。そして、制御装置101は、評価の対象としていた端末装置103の全ての通信に対して、選択した通信パラメータを使用するように基地局装置102に指示しうる。また、制御装置101は、特定の端末装置103に対して、その端末装置103の通信に要求されるスループットや遅延の許容範囲に対して、上述のようにして評価結果として得られたスループット、遅延、誤り率等が許容範囲内であるか否かを判定してもよい。そして、制御装置101は、評価結果として得られたスループット、遅延、誤り率等が許容範囲内である通信パラメータを、その端末装置103の通信のために設定可能であると判定しうる。また、制御装置101は、評価結果として得られたスループット、遅延、誤り率等が許容範囲内でない通信パラメータを、その端末装置103の通信のために設定可能でないと判定しうる。そして、制御装置101は、設定可能な通信パラメータを、端末装置103との通信で使用するように、基地局装置102に対して指示を送信しうる。これにより、端末装置103に対して、適切な通信パラメータを設定することが可能となる。なお、端末装置103との通信において使用すべき通信パラメータは、基地局装置102によって決定されてもよい。
【0029】
なお、上述の複数の例は、それぞれ任意に組み合わせ可能であり、例えば、複数の情報の組み合わせが、所定の属性を有する端末装置103を特定可能な情報として使用されうる。以下では、上述の処理のいずれか又はその組み合わせを指して、通信性能の評価処理と呼ぶ場合がある。
【0030】
(装置構成)
続いて、上述のような制御装置101及び基地局装置102の構成例について説明する。図2は、制御装置101及び基地局装置102のハードウェア構成例を示す図である。制御装置101及び基地局装置102は、一例において、プロセッサ201、ROM202、RAM203、記憶装置204、及び通信回路205を含んで構成される。プロセッサ201は、汎用のCPU(中央演算装置)や、ASIC(特定用途向け集積回路)等の、1つ以上の処理回路を含んで構成されるコンピュータであり、ROM202や記憶装置204に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、装置の全体の処理や、上述の各処理を実行する。ROM202は、制御装置101及び基地局装置102が実行する処理に関するプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する読み出し専用メモリである。RAM203は、プロセッサ201がプログラムを実行する際のワークスペースとして機能し、また、一時的な情報を記憶するランダムアクセスメモリである。記憶装置204は、例えば着脱可能な外部記憶装置等によって構成される。通信回路205は、例えば、制御装置101と基地局装置102との間の有線通信または無線通信のための回路を含んで構成される。また、基地局装置102は、端末装置103との通信のための、LTEや5Gの無線通信用の回路を含んで構成されうる。なお、図2では、1つの通信回路205が図示されているが、制御装置101及び基地局装置102は、複数の通信回路を有しうる。
【0031】
図3に、制御装置101の機能構成例を示す。制御装置101は、例えば、端末特定情報通知部301及び制御情報通知部302を含んで構成される。なお、これらの機能は、例えば、ROM202や記憶装置204に記憶されたプログラムを、プロセッサ201が実行することによって実現されうる。なお、これは一例であり、例えば、専用のハードウェアを用いて、これらの機能が実現されてもよい。
【0032】
端末特定情報通知部301は、上述のような通信性能の評価処理の対象とする端末装置103を特定可能とする情報を、制御装置101に接続されている1つ以上の基地局装置102へ通知する。処理対象の端末装置103を特定可能とする情報の例は、上述の通りであるため、ここでは繰り返さない。制御情報通知部302は、例えば、上述の通信性能の評価処理の開始タイミングや実行期間の指示、通信パラメータの入れ替え、各グループに割り当てるべき無線リソース量や無線リソースの割り当ての優先順位などの制御情報を、制御装置101に接続されている1つ以上の基地局装置102へ通知する。なお、制御情報通知部302は、通信性能の評価処理の完了後に、使用すべき通信パラメータを決定して基地局装置102へ通知しうる。また、各種制御情報や、使用すべき通信パラメータの決定方法については上述の通りであるため、ここでは繰り返さない。
【0033】
図4に、基地局装置102の機能構成例を示す。基地局装置102は、例えば、情報取得部401、制御対象特定部402、グループ分割部403、及び設定部404を含んで構成される。なお、これらの機能は、例えば、ROM202や記憶装置204に記憶されたプログラムを、プロセッサ201が実行することによって実現されうる。なお、これは一例であり、例えば、専用のハードウェアを用いて、これらの機能が実現されてもよい。
【0034】
情報取得部401は、例えば、上述の通信性能の評価処理の対象とする端末装置103を特定可能な情報や、その評価処理の開始タイミングや実行期間の指示、通信パラメータの入れ替え、各グループに割り当てるべき無線リソース量や無線リソースの割り当ての優先順位などの制御情報を取得する。制御対象特定部402は、情報取得部401によって取得された通信性能の評価処理の対象とする端末装置103を特定可能な情報に基づいて、接続中の端末装置の中から、通信性能の評価処理の対象とする端末装置103を特定する。グループ分割部403は、制御対象特定部402において特定した、通信性能の評価処理の対象とする端末装置103を複数のグループに分割する。設定部404は、グループ分割部403によって複数のグループにグループ分けされた通信性能の評価処理の対象とする複数の端末装置103のそれぞれに対して、グループに対応する通信パラメータを設定して、実際に通信を実行させる。情報取得部401は、このようにして、複数のグループのそれぞれに対して異なる通信パラメータが設定された状態において、各グループの通信状況の情報を、例えば端末装置103からのフィードバックや、基地局装置102自身による測定によって取得し、記憶しうる。その後、その通信状況の情報がネットワーク事業者などによって収集され、通信性能の評価処理の対象を選択する基準と共通の状況において使用されるべき通信パラメータが決定されうる。使用されるべき通信パラメータの決定は基地局装置102において行われてもよく、また、制御装置101によって決定された通信パラメータが基地局装置102に通知されてもよい。基地局装置102は、評価処理の終了後、決定された通信パラメータを用いて端末装置103に対して通信サービスを提供しうる。なお、基地局装置102の各機能部が実行する処理の例については、上述の通りであるため、ここでは繰り返さない。
【0035】
(処理の流れ)
続いて、通信システムにおいて実行される処理の流れの例について説明する。なお、制御装置101と基地局装置102が実行する処理の例については上述のように様々なバリエーションが存在するが、ここでは、その処理の流れの例を概説するにとどめ、各種詳細については説明を省略する。
【0036】
まず、制御装置101は、どのような基準で評価対象の端末装置103を選択すべきかを決定する(S501)。例えば、上述のように、特定のネットワークスライスでの通信を行っていることや、所定の地理的範囲に位置していること、又は、所定の移動速度で移動していること、などが、選択基準として使用されうる。そして、制御装置101は、決定した選択基準に基づいて、評価対象の端末装置を特定可能な情報を、自装置に接続されている基地局装置102へ通知する(S502)。例えば、制御装置101は、S501で決定した選択基準そのものを基地局装置102へ通知してもよいし、その選択基準に対応する端末装置103を特定可能な他の除法を基地局装置102へ通知してもよい。また、制御装置101は、S501で決定した選択基準で特定される端末装置103を直接指定する情報を基地局装置102へ通知してもよい。基地局装置102は、S502で受信した情報に基づいて評価対象の端末装置103を特定し(S503)、特定した端末装置103を複数のグループに分割し(S504)、その複数のグループのそれぞれに、相互に異なる通信パラメータを設定する(S505)。そして、基地局装置102は、S505で設定した通信パラメータを用いて、端末装置103との間で実際に通信を行い、グループごとの通信状況の情報を収集する(S506)。
【0037】
なお、図5の例では、評価対象の端末装置を特定可能な情報が基地局装置102へ通知されたことに応じて、基地局装置102において、端末装置103のグループ化及びグループごとの通信パラメータの設定を含んだ評価処理を開始するものとする。すなわち、S502において送信された評価対象の端末装置を特定可能な情報は、基地局装置102に評価処理を開始させる契機を与える信号としても機能するものとする。また、S502で送受信される情報は、評価処理を実行する期間や、通信パラメータの入れ替えを行うタイミングを指定する情報を含んでもよい。また、評価処理の契機を与える信号や、その他の制御情報は、S502の情報とは別個に送受信されてもよい。なお、評価処理の契機が別個に与えられる場合、基地局装置102は、例えば、その契機が与えられる前にS503~S505の処理を実行しておき、契機が与えられたことに応じて、S506の処理を実行しうる。ただし、これは一例であり、基地局装置102は、契機が与えられるまで、S503以降の処理を実行しないようにしてもよい。また、契機が与えられるまでに、S503の処理まで、又は、S504の処理まで実行しておき、契機が与えられた後に、その後の処理を実行するようにしてもよい。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、複数のグループのそれぞれにおける通信状況が並行して測定されるため、十分に共通した通信環境におけるパラメータごとの通信性能の比較を行い、より適切な通信パラメータを通信において使用することが可能となる。この結果、様々な通信環境において、端末装置103に設定すべき、適切な通信パラメータを選択することが可能となる。よって、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0039】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5