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特開2023-180043技術者配置管理システム、技術者配置管理方法、及び技術者配置管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180043
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】技術者配置管理システム、技術者配置管理方法、及び技術者配置管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20231213BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20231213BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093101
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 駿
(72)【発明者】
【氏名】岩城 野山
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】営業段階より工事の技術者の配置予定管理を行うことで、工事契約の締結から技術者の調整をスムーズに行うこと。
【解決手段】本実施の形態に係る技術者配置管理システムは、案件入力画面において、営業段階で、案件基本情報を記憶エリアに登録し、技術者検索画面で、技術者、建設業種、権限の少なくとも1つを検索条件として指定し、指定した検索条件に該当する技術者を技術者一覧情報から検索して表示し、検索した技術者を指定し、指定した技術者について、案件配置状況情報に指定される工期開始日から工期終了日に重複する案件がある場合に当該案件を表示し、検索した技術者について当該重複する案件のない技術者を選択し、前記案件入力画面で入力される案件、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、契約又は予定の区分の「予定」、前記選択した技術者を含む配置状況情報を前記記憶エリアに登録する案件入力手段を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた技術者配置管理システムであって、
前記制御部は、
技術者と、建設業種と、監理技術者、主任技術者、又は技師補の技術者種類を含む技術者一覧情報と、
案件と、予定又は契約の区分と、工期開始日と、工期終了日と、専任、兼任又は選任補の区分、技術者、補佐者を含む配置状況情報と、
が格納される記憶エリアにアクセス可能に構成されており、
表示部に表示される案件入力画面において、営業段階で、案件、工期開始日、工期終了日、受注が成立する確度である案件確度、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を入力して、案件、工期開始日、工期終了日、案件確度、建設業種、専任、兼任又は選任補の区分を含む案件基本情報を前記記憶エリアに登録し、前記表示部に表示される技術者検索画面で、技術者、建設業種、権限の少なくとも1つを検索条件として指定し、指定した検索条件に該当する技術者を前記技術者一覧情報から検索して表示し、検索した技術者を指定し、指定した技術者について、前記配置状況情報に指定される工期開始日から工期終了日に重複する案件がある場合に当該案件を表示し、検索した技術者について当該重複する案件のない技術者を選択し、前記案件入力画面で入力される案件、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、契約又は予定の区分の「予定」、前記選択した技術者を含む配置状況情報を前記記憶エリアに登録する案件入力手段を備えたことを特徴とする技術者配置管理システム。
【請求項2】
前記技術者検索画面では、建設業種、権限、工期開始日、及び工期終了日は、前記案件入力画面で入力されたデータが初期設定されることを特徴とする請求項1に記載の技術者配置管理システム。
【請求項3】
前記案件入力手段は、選択した技術者について、前記案件入力画面で入力される専任、兼任又は選任補の区分に応じて、「兼任」の場合は、兼任同士の案件であれば期間重複を許可、「専任」の場合は、他の案件との期間重複を禁止、「専任補」の場合は、補佐を付けることで2案件までの期間重複の兼務を許可という条件で、前記記憶エリアに登録されている配置状況情報を参照して、指定される工期開始日及び工期終了日について、当該条件を満たすか否かをチェックして、当該条件を満たさない場合は、エラーを表示出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の技術者配置管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、前記案件基本情報を入力後に、見積書を作成する見積入力手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の技術者配置管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、対象の案件について、見積書の作成後に受注した際に、前記案件基本情報に基づいて、案件番号、工事番号、工期開始日、工期終了日、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を含む工事基本情報を入力して、前記記憶エリアに登録し、また、前記配置状況情報の予定又は契約の区分を「予定」から「契約」に変更する工事入力手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の技術者配置管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、さらに、
前記記憶エリアの前記配置状況情報を参照して、契約・案件確度別の月毎の案件数を出力する配置状況出力手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の技術者配置管理システム。
【請求項7】
制御部を備えた情報処理装置が実行する技術者配置管理方法であって、
前記制御部は、
技術者と、建設業種と、監理技術者、主任技術者、又は技師補の技術者種類を含む技術者一覧情報と、
案件と、予定又は契約の区分と、工期開始日と、工期終了日と、専任、兼任又は選任補の区分、技術者、補佐者を含む配置状況情報と、
が格納される記憶エリアにアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
表示部に表示される案件入力画面において、営業段階で、案件、工期開始日、工期終了日、受注が成立する確度である案件確度、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を入力して、案件、工期開始日、工期終了日、受注が成立する確度である案件確度、建設業種、専任、兼任又は選任補の区分を含む案件基本情報を前記記憶エリアに登録し、前記表示部に表示される技術者検索画面で、技術者、建設業種、権限の少なくとも1つを検索条件として指定し、指定した検索条件に該当する技術者を前記技術者一覧情報から検索して表示し、検索した技術者を指定し、指定した技術者について、前記案件配置状況情報に指定される工期開始日から工期終了日に重複する案件がある場合に当該案件を表示し、検索した技術者について当該重複する案件のない技術者を選択し、前記案件入力画面で入力される案件、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、契約又は予定の区分の「予定」、前記選択した技術者を含む配置状況情報を前記記憶エリアに登録する案件入力工程を含むことを特徴とする技術者配置管理方法。
【請求項8】
制御部を備えた情報処理装置が実行するための技術者配置管理プログラムであって、
前記制御部は、
技術者と、建設業種と、監理技術者、主任技術者、又は技師補の技術者種類を含む技術者一覧情報と、
案件と、予定又は契約の区分と、工期開始日と、工期終了日と、専任、兼任又は選任補の区分、技術者、補佐者を含む配置状況情報と、
が格納される記憶エリアにアクセス可能に構成されており、
前記制御部において、
表示部に表示される案件入力画面において、営業段階で、案件、工期開始日、工期終了日、受注が成立する確度である案件確度、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を入力して、案件、工期開始日、工期終了日、案件確度、建設業種、専任、兼任又は選任補の区分を含む案件基本情報を前記記憶エリアに登録し、前記表示部に表示される技術者検索画面で、技術者、建設業種、権限の少なくとも1つを検索条件として指定し、指定した検索条件に該当する技術者を前記技術者一覧情報から検索して表示し、検索した技術者を指定し、指定した技術者について、前記案件配置状況情報に指定される工期開始日から工期終了日に重複する案件がある場合に当該案件を表示し、検索した技術者について当該重複する案件のない技術者を選択し、前記案件入力画面で入力される案件、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、契約又は予定の区分の「予定」、前記選択した技術者を含む配置状況情報を前記記憶エリアに登録する案件入力工程を実行させるための技術者配置管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、技術者配置管理システム、技術者配置管理方法、及び技術者配置管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、建設業者は、工事現場における施工の技術上の管理を司る者として主任技術者を設置しなければならない。なお、元請は、下請契約の請負金額の合計が一定以上の場合は、主任技術者ではなく監理技術者を設置しなければならない。監理技術者は、同一の期間で複数の工事に従事することはできない。監理技術者のアサイン状況については、従来、営業(引合見積)段階で確認するということがなかった。その結果、受注段階で人員の確認を行い、監理技術者の不足により請け負うことが出来ない工事があった。従来、例えば、建設技術者をアサインするシステムとして、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-165036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、営業段階より工事の技術者の配置予定管理を行うことで、工事契約の締結から技術者の調整をスムーズに行うことに関して何ら記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、営業段階より工事の技術者の配置予定管理を行うことで、工事契約の締結から技術者の調整をスムーズに行うことが可能な技術者配置管理システム、技術者配置管理方法、及び技術者配置管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた技術者配置管理システムであって、前記制御部は、技術者と、建設業種と、監理技術者、主任技術者、又は技師補の技術者種類を含む技術者一覧情報と、案件と、予定又は契約の区分と、工期開始日と、工期終了日と、専任、兼任又は選任補の区分、技術者、補佐者を含む配置状況情報と、が格納される記憶エリアにアクセス可能に構成されており、表示部に表示される案件入力画面において、営業段階で、案件、工期開始日、工期終了日、受注が成立する確度である案件確度、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を入力して、案件、工期開始日、工期終了日、案件確度、建設業種、専任、兼任又は選任補の区分を含む案件基本情報を前記記憶エリアに登録し、前記表示部に表示される技術者検索画面で、技術者、建設業種、権限の少なくとも1つを検索条件として指定し、指定した検索条件に該当する技術者を前記技術者一覧情報から検索して表示し、検索した技術者を指定し、指定した技術者について、前記案件配置状況情報に指定される工期開始日から工期終了日に重複する案件がある場合に当該案件を表示し、検索した技術者について当該重複する案件のない技術者を選択し、前記案件入力画面で入力される案件、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、契約又は予定の区分の「予定」、前記選択した技術者を含む配置状況情報を前記記憶エリアに登録する案件入力手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記技術者検索画面では、建設業種、権限、工期開始日、及び工期終了日は、前記案件入力画面で入力されたデータが初期設定されることにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記案件入力手段は、選択した技術者について、前記案件入力画面で入力される専任、兼任又は選任補の区分に応じて、「兼任」の場合は、兼任同士の案件であれば期間重複を許可、「専任」の場合は、他の案件との期間重複を禁止、「専任補」の場合は、補佐を付けることで2案件までの期間重複の兼務を許可という条件で、前記記憶エリアに登録されている配置状況情報を参照して、指定される工期開始日及び工期終了日について、当該条件を満たすか否かをチェックして、当該条件を満たさない場合は、エラーを表示出力することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、前記案件基本情報を入力後に、見積書を作成する見積入力手段を備えることにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、対象の案件について、見積書の作成後に受注した際に、前記案件基本情報に基づいて、案件番号、工事番号、工期開始日、工期終了日、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を含む工事基本情報を入力して、前記記憶エリアに登録し、また、配置状況情報の予定又は契約の区分を「予定」から「契約」に変更する工事入力手段を備えることにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、前記記憶エリアの前記配置状況情報を参照して、契約・案件確度別の月毎の案件数を出力する配置状況出力手段を備えることにしてもよい。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行する技術者配置管理方法であって、前記制御部は、技術者と、建設業種と、監理技術者、主任技術者、又は技師補の技術者種類を含む技術者一覧情報と、案件と、予定又は契約の区分と、工期開始日と、工期終了日と、専任、兼任又は選任補の区分、技術者、補佐者を含む配置状況情報と、が格納される記憶エリアにアクセス可能に構成されており、前記制御部において実行される、表示部に表示される案件入力画面において、営業段階で、案件、工期開始日、工期終了日、受注が成立する確度である案件確度、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を入力して、案件、工期開始日、工期終了日、受注が成立する確度である案件確度、建設業種、専任、兼任又は選任補の区分を含む案件基本情報を前記記憶エリアに登録し、前記表示部に表示される技術者検索画面で、技術者、建設業種、権限の少なくとも1つを検索条件として指定し、指定した検索条件に該当する技術者を前記技術者一覧情報から検索して表示し、検索した技術者を指定し、指定した技術者について、前記案件配置状況情報に指定される工期開始日から工期終了日に重複する案件がある場合に当該案件を表示し、検索した技術者について当該重複する案件のない技術者を選択し、前記案件入力画面で入力される案件、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、契約又は予定の区分の「予定」、前記選択した技術者を含む配置状況情報を前記記憶エリアに登録する案件入力工程を含むことを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行するための技術者配置管理プログラムであって、前記制御部は、技術者と、建設業種と、監理技術者、主任技術者、又は技師補の技術者種類を含む技術者一覧情報と、案件と、予定又は契約の区分と、工期開始日と、工期終了日と、専任、兼任又は選任補の区分、技術者、補佐者を含む配置状況情報と、が格納される記憶エリアにアクセス可能に構成されており、前記制御部において、表示部に表示される案件入力画面において、営業段階で、案件、工期開始日、工期終了日、受注が成立する確度である案件確度、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を入力して、案件、工期開始日、工期終了日、案件確度、建設業種、専任、兼任又は選任補の区分を含む案件基本情報を前記記憶エリアに登録し、前記表示部に表示される技術者検索画面で、技術者、建設業種、権限の少なくとも1つを検索条件として指定し、指定した検索条件に該当する技術者を前記技術者一覧情報から検索して表示し、検索した技術者を指定し、指定した技術者について、前記案件配置状況情報に指定される工期開始日から工期終了日に重複する案件がある場合に当該案件を表示し、検索した技術者について当該重複する案件のない技術者を選択し、前記案件入力画面で入力される案件、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、契約又は予定の区分の「予定」、前記選択した技術者を含む配置状況情報を前記記憶エリアに登録する案件入力工程を実行させるための技術者配置管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、営業段階より工事の技術者の配置予定管理を行うことで、工事契約の締結から技術者の調整をスムーズに行うことが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施の形態に係る技術者配置管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態に係る技術者配置管理システムの全体の処理の一例を示すフロー図である。
図3図3は、本実施形態に係る技術者配置管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図4図4は、本実施形態に係る技術者配置管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図5図5は、本実施形態に係る技術者配置管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図6図6は、本実施形態に係る技術者配置管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図7図7は、本実施形態に係る技術者配置管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図8図8は、本実施形態に係る技術者配置管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図9図9は、本実施形態に係る技術者配置管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図10図10は、本実施形態に係る技術者配置管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図11図11は、本実施形態に係る技術者配置管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図12図12は、本実施形態に係る技術者配置管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図13A図13Aは、本実施形態に係る技術者配置管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図13B図13Bは、本実施形態に係る技術者配置管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
例えば、建設業者は、工事現場における施工の技術上の管理を司る者として主任技術者を設置しなければならない。なお、元請は、下請契約の請負金額の合計が一定以上の場合は、主任技術者ではなく監理技術者を設置しなければならない。監理技術者は、同一の期間で複数の工事に従事することはできない。
【0018】
例えば、ビルメンテナンス会社では、監理技術者が多く在籍しないため、多くの大型工事を同時に請けることは困難である。そのため、工事契約の締結前後よりアサインを行うと、社内調整がつかないケースがあり、工事の開始が遅れてしまうことがある。
【0019】
そこで、本実施の形態では、営業(引合見積)段階より工事の技術者の配置予定管理を行うことで、工事契約の締結から技術者の調整をスムーズに行うことができるようにしている。また、本実施の形態では、営業段階からの予定管理を行うことで、将来の技術者負荷を把握し、顧客への提案時期・工事の実施時期を調整することができ、技術担当者の負荷調整を図り、会社全体としての将来の負荷を把握できる。
【0020】
また、本実施の形態では、工事の引合情報である案件基本情報に、監理技術者の情報と予定工期を紐づけることができる。また、引合段階、受注段階それぞれで監理技術者の配置状況が重複していないかのチェックを行うことができる。
【0021】
本実施の形態の技術者配置管理システムは、不動産業界、建設業界、ビルメンテナンス業界等に広く適用可能である。
【0022】
[2.構成]
図1を参照して、本実施形態に係る技術者配置管理システム100の構成の一例について説明する。図1は、技術者配置管理システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
技術者配置管理システム100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、技術者配置管理システム100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理システムに限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
技術者配置管理システム100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。技術者配置管理システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、技術者配置管理システム100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、技術者配置管理システム100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及び、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112又はマウス112として記載する場合がある。また、モニタ114に情報を表示して、ユーザが入力装置112を操作すること等を、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、データテーブル106a等を備えている。
【0028】
データテーブル(記憶エリア)106aは、技術者一覧情報、配置状況情報、案件基本情報、工事基本情報等の各種データを格納するためのテーブルである。
【0029】
技術者一覧情報は、技術者コード、技術者名、建設業種、保有資格、権限(技術者種類)を含んでいてもよい。権限(技術者種類)は、監理技術者、主任技術者、技師補等である。
【0030】
配置状況情報は、案件NO(番号)、予定又は契約の区分、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、技術者名、補佐を含んでいてもよい。
【0031】
案件基本情報は、案件NO、案件名、顧客名、物件、工期開始日、工期終了日、受注する確度である案件確度、建設業種、元請又は下請の区分、監理又は主任の区分、売上予算、原価予算を含んでいてもよい。案件確度は、当該案件を受注する確度(可能性)を示しており、A(受注する案件確度が高い)~C(受注する確度が低い)で表現している。
【0032】
工事基本情報は、案件NO、工事NO、案件名、顧客名、物件、工期開始日、工期終了日、建設業種、元請又は下請の区分、監理又は主任の区分、売上予算、原価予算を含んでいてもよい。
【0033】
制御部102は、技術者配置管理システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0034】
制御部102は、記憶部106に格納されているデータテーブル106a等にアクセス可能に構成されている。なお、データテーブル106aは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0035】
制御部102は、機能概念的に、案件入力部102aと、見積入力部102bと、工事入力部102cと、配置状況出力部102dと、画面表示制御部102eと、を備えている。
【0036】
案件入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される案件入力画面上でのオペレータの操作に応じて、営業(引合見積)段階で、案件番号、工期開始日、工期終了日、受注が成立する確度である案件確度、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を入力して、案件番号、工期開始日、工期終了日、受注する確度である案件確度、建設業種、専任、兼任又は選任補の区分を含む案件基本情報をデータテーブル106aに登録する。
【0037】
また、案件入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される技術者検索画面上でのオペレータの操作に応じて、技術者、建設業種、権限の少なくとも1つを検索条件として指定し、指定した検索条件に該当する技術者を技術者一覧情報から検索して表示し、検索した技術者を指定し、指定した技術者について、データテーブル106aに登録されている案件配置状況情報に指定される工期開始日から工期終了日に重複する案件がある場合に当該案件を表示し、検索した技術者について当該重複する案件のない技術者を選択し、案件入力画面で入力される案件番号、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、契約又は予定の区分を「予定」、選択した技術者を含む配置状況情報をデータテーブル106aに登録する。
【0038】
技術者検索画面では、建設業種、権限、工期開始日、及び工期終了日は、案件入力画面で入力されたデータが初期設定されることにしてもよい。
【0039】
案件入力部102aは、選択した技術者について、案件入力画面で入力される専任、兼任又は選任補の区分に応じて、「兼任」の場合は、兼任同士の案件であれば期間重複を許可、「専任」の場合は、他の案件との期間重複を禁止、「専任補」の場合は、補佐を付けることで2案件までの期間重複の兼務を許可という条件で、データテーブル106aに登録されている配置状況情報を参照して、指定される工期開始日及び工期終了日について、当該条件を満たすか否かをチェックして、当該条件を満たさない場合は、エラーを表示出力することにしてもよい。
【0040】
見積入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の見積入力画面上でのオペレータの操作に応じて見積書を作成して印刷出力する。当該見積書で顧客からOKがでた場合には、注文書を受領して、契約が成立する。
【0041】
工事入力部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示の工事入力画面上でのオペレータの操作に応じて、対象の案件について、見積書の作成後に受注した際に、案件基本情報に基づいて、案件番号、工事番号、工期開始日、工期終了日、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を含む工事基本情報を入力して、データテーブル106aに登録し、また、配置状況情報の予定又は契約の区分を「予定」から「契約」に変更する。
【0042】
配置状況出力部102dは、例えば、モニタ114に表示される不図示の配置状況出力画面上でのオペレータの操作に応じて、データテーブル106aの案件基本情報及び配置状況情報を参照して、配置状況を表示出力したり、データテーブル106aの案件基本情報を参照して、状況情報に基づいて、契約・確度別の月毎の案件数を表示出力する。
【0043】
画面表示制御部102eは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、案件入力画面、技術者検索画面、見積入力画面、工事入力画面、配置状況出力画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0044】
[3.具体例]
図1図13Bを参照して、本実施の形態における技術者配置管理システム100の制御部102の処理の具体例について説明する。
【0045】
(3-1.全体の処理)
図2は、本実施の形態における技術者配置管理システム100の制御部102の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【0046】
図2を参照して、本実施の形態における技術者配置管理システム100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。案件入力部102aは、案件入力処理(配置状況チェック処理)を実行する(ステップS1)。具体的には、案件入力処理では、案件入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される案件入力画面上でのオペレータの操作に応じて、営業(引合見積)段階で、案件番号、工期開始日、工期終了日、受注が成立する確度である案件確度、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を入力して、案件番号、工期開始日、工期終了日、案件確度、建設業種、専任、兼任又は選任補の区分を含む案件基本情報をデータテーブル106aに登録する。
【0047】
また、案件入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される技術者検索画面上でのオペレータの操作に応じて、技術者、建設業種、権限の少なくとも1つを検索条件として指定し、指定した検索条件に該当する技術者を技術者一覧情報から検索して表示し、検索した技術者を指定し、指定した技術者について、データテーブル106aに登録されている案件配置状況情報に指定される工期開始日から工期終了日に重複する案件がある場合に当該案件を表示し、検索した技術者について当該重複する案件のない技術者を選択し、案件入力画面で入力される案件番号、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、契約又は予定の区分を「予定」、選択した技術者を含む配置状況情報をデータテーブル106aに登録する。
【0048】
技術者検索画面では、建設業種、権限、工期開始日、及び工期終了日は、案件入力画面で入力されたデータが初期設定されることにしてもよい。
【0049】
また、配置状況チェック処理では、案件入力部102aは、選択した技術者について、案件入力画面で入力される専任、兼任又は選任補の区分に応じて、「兼任」の場合は、兼任同士の案件であれば期間重複を許可、「専任」の場合は、他の案件との期間重複を禁止、「専任補」の場合は、補佐を付けることで2案件までの期間重複の兼務を許可という条件で、データテーブル106aに登録されている配置状況情報を参照して、指定される工期開始日及び工期終了日について、当該条件を満たすか否かをチェックして、当該条件を満たさない場合は、エラーを表示出力することにしてもよい。
【0050】
見積入力部102bは、見積入力処理を実行する(ステップS2)。具体的には、見積入力処理では、見積入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の見積入力画面上でのオペレータの操作に応じて見積書を作成して印刷出力する。当該見積書で顧客からOKがでた場合には、注文書を受領して、契約が成立する。
【0051】
工事入力部102cは、工事入力処理を実行する(ステップS3)。具体的には、工事入力処理では、工事入力部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示の工事入力画面上でのオペレータの操作に応じて、対象の案件について、見積書の作成後に受注した際に、案件基本情報に基づいて、案件番号、工事番号、工期開始日、工期終了日、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を含む工事基本情報を入力して、データテーブル106aに登録し、また、配置状況情報の予定又は契約の区分を「予定」から「契約」に変更する。
【0052】
配置状況出力部102dは、配置状況出力処理を実行する(ステップS4)。具体的には、配置状況出力処理では、配置状況出力部102dは、例えば、モニタ114に表示される不図示の配置状況出力画面上でのオペレータの操作に応じて、データテーブル106aの案件基本情報及び配置状況情報を参照して、配置状況を表示出力したり、データテーブル106aの案件基本情報を参照して、契約・案件確度別の月毎の案件数を表示出力する。
【0053】
(3-2.サンプルデータ)
図3図13Bは、本実施の形態における技術者配置管理システム100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。図3図13Bを参照して、本実施の形態における技術者配置管理システム100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0054】
(前提データ)
図3(A)は、技術者一覧情報のデータ例を示す図である。技術者一覧情報は、技術者コード、技術者名、建設業種、保有資格、権限の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、技術者コード「100000」、技術者名「田中 一郎」、建設業種「大工工事業」、保有資格「2級建築士」、権限「主任技術者」、2行目は、技術者コード「100001」、技術者名「山田 太郎」、建設業種「大工工事業」、保有資格「1級建築施工」、権限「監理技士 監理技術者」、3行目は、技術者コード「100002」、技術者名「佐藤 次郎」、建設業種「大工工事業」、保有資格「2級建築士」、権限「監理技術者」となっている。
【0055】
図3(B)は、配置状況情報のデータ例を示す図である。配置状況情報は、案件NO、予定又は契約の区分、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、技術者名、補佐の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、案件NO「A0000」、予定又は契約の区分「契約」、工期開始日「2022/1/1」、工期終了日「2022/1/10」、専任又は兼任の区分「専任」、技術者名「100001:山田 太郎」、2行目は、案件NO「A0001」、予定又は契約の区分「契約」、工期開始日「2022/1/10」、工期終了日2022/1/31」、専任又は兼任の区分「専任補」、技術者名「100001:山田 太郎」、補佐「100003:鈴木 一郎」、3行目は、案件NO「A0002」、予定又は契約の区分「契約」、工期開始日「2022/2/1」、工期終了日「2022/2/28」、専任又は兼任の区分「兼任」、技術者名「100001:山田 太郎」となっている。
【0056】
(S1:案件入力処理)
図4図8を参照して、案件入力処理の具体例を説明する。案件入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される案件入力画面上でのオペレータの操作に応じて、営業(引合見積)段階で、案件番号、工期開始日、工期終了日、受注が成立する確度である案件確度、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を入力して、案件番号、工期開始日、工期終了日、受注する確度である案件確度、建設業種、専任、兼任又は選任補の区分を含む案件基本情報をデータテーブル106aに登録する。
【0057】
また、案件入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される技術者検索画面上でのオペレータの操作に応じて、技術者、建設業種、権限の少なくとも1つを検索条件として指定し、指定した検索条件に該当する技術者を技術者一覧情報から検索して表示し、検索した技術者を指定し、指定した技術者について、データテーブル106aに登録されている案件配置状況情報に指定される工期開始日から工期終了日に重複する案件がある場合に当該案件を表示し、検索した技術者について当該重複する案件のない技術者を選択し、案件入力画面で入力される案件番号、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、契約又は予定の区分を「予定」、選択した技術者を含む配置状況情報をデータテーブル106aに登録する。
【0058】
図4(A)は、案件基本情報のデータ例を示している。案件基本情報は、案件NO、案件名、顧客名、物件、工期開始日、工期終了日、案件確度、建設業種、元請又は下請の区分、監理又は主任の区分、売上予算、原価予算の項目を備えている。案件基本情報は、案件入力画面でのオペレータの入力操作により登録される。同図に示す例では、1行目は、案件NO「A0006」、案件名「○○○ビル 外壁面修繕工事」、顧客名「SEI001:□△工業」、物件「BK001:○○○ビル」、工期開始日「2022/04/01」、工期終了日2022/07/31」、案件確度「Aランク」、建設業種「大工工事業」、元請又は下請の区分「元請」、監理又は主任の区分「監理」、売上予算「¥1,000,000」、原価予算「¥800,000」となっている。
【0059】
図4(B)は、配置状況情報のデータ例を示す図である。配置状況情報は、案件NO、予定又は契約の区分、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、技術者名、補佐の項目を備えている。配置状況情報は、案件入力画面及び技術者検索画面でのオペレータの操作により登録される。同図に示す例では、案件NO「A0006」、予定又は契約の区分「予定」、工期開始日「2022/4/1」、工期終了日「2022/7/31」、専任又は兼任の区分「専任」、技術者名「100001:山田 太郎」となっている。
【0060】
図5は、案件入力画面の表示例を示す図である。案件入力画面は、案件NO、案件名、顧客名、物件、案件確度、工期、売上予算(不図示)、原価予算(不図示)等の案件の基本的な内容を入力する案件基本入力エリアと、建設業種、元請・下請、監理・主任、専任・兼任、技術者、補佐技術者等の内容を入力するための工事関連入力エリアと、登録ボタンと、を備えている。登録ボタンを押すと、案件入力画面の入力内容に応じた案件基本情報及び配置状況情報がデータテーブル106aに登録される。
【0061】
「兼任」は、兼任同士の案件であれば期間重複を許可する。「専任」は、専任の場合は他の案件との重複をエラーとする。「専任補」は、補佐を付けることで2案件まで兼務を可能とする。
【0062】
工事関連入力エリアの技術者については、技術者検索画面で決定した技術者が設定される。検索ボタンを押すと技術者検索画面が表示される。
【0063】
図6は、技術者検索画面の表示例を示す図である。技術者検索画面は、技術者、建設業種、保有資格、権限等の検索条件を指定するための検索条件指定エリアと、検索条件指定エリアで技術者を検索するための表示ボタンと、検索した技術者一覧が表示される技術者一覧表示エリアと、期間(工期開始日~工期終了日)、検索結果表示エリアで表示されている技術者のうち指定した技術者の配置状況一覧が表示される配置状況一覧表示エリアと、を備えている。
【0064】
検索条件指定エリアでは、技術者、建設業種、保有資格、権限で検索可能となっており、案件入力画面で直前に入力した建設業種、権限、期間が初期値として表示される。表示ボタンが押されると、検索条件指定エリアで指定される検索条件に該当する技術者一覧が技術者一覧情報から検索されて技術者一覧表示エリアに表示される。技術者一覧表示エリアでは、技術者コード、技術者名、建設業種、保有資格、権限の項目が表示される。技術者一覧では、技術者毎に有している資格を確認することができる。技術者一覧表示エリアで技術者(行)を選択(フォーカス)すると、配置状況一覧表示エリアに、配置状況情報で選択した技術者が指定される期間と重複する期間に配置されている場合に、選択した技術者の配置状況が表示される。配置状況一覧表示エリアでは、技術者の配置状況を、工期を踏まえて確認することができる。
【0065】
同図に示す例では、検索条件指定エリアで、建設業種「大工工事業」、権限「監理」が指定されており、表示ボタンが押されると、図3(A)に示す技術者一覧情報から建設業種「大工工事業」及び権限「監理」に該当する技術者「田中一郎」、「山田太郎」、「佐藤次郎」が検索されて技術者一覧表示エリアに表示される。技術者一覧表示エリアで「田中一郎」を選択すると、図3(B)に示す配置状況情報において、「田中一郎」は指定される期間「2020/04/01~2022/07/31」と重複する期間に配置されているので、技術者コード「100000」、技術者名「田中 一郎」、案件NO「A0005」、予定/契約「契約」、工期開始日「2022/4/15」、工期終了日「2022/6/15」、専任・兼任「専任」が表示される。この例では、「田中 一郎」は、期間が重複するのでこのままでは割り当てることができない。
【0066】
図7に示すように、つぎに、技術者一覧表示エリアで「山田一郎」を選択すると、図3(B)に示す配置状況情報において、「山田一郎」は指定される期間「2020/04/01~2022/07/31」と重複する期間に配置されていないので、配置状況は表示されない。決定ボタンを押すと、当該案件に選択された技術者が配置される。配置状況に既存案件が出ていなければ、技術者を選択する。配置できる技術者がいない場合は、他案件の配置状況を確認し、配置を解除するか、案件の工期をずらすか検討する。ここでは、「00001:山田 太郎」を選択したものとして以下の処理を記載する。
【0067】
図8に示すように、案件入力画面では、技術者検索画面で選択(決定)した技術者が設定される。同図に示す例では、「00001:山田 太郎」が設定される。この例では、登録ボタンを押下すると、図4(A)及び図4(B)に示すような案件基本情報及び配置状況情報が登録される。案件入力画面で登録ボタンを押下したタイミングで技術者の配置状況チェック処理を行う。配置状況チェック処理でエラーとなった場合は、エラーが表示されこのままでは登録できないようになっている。配置状況チェック処理については後述する。
【0068】
図9を参照して、見積入力処理及び工事入力処理の具体例を説明する。
【0069】
(S2:見積入力処理)
見積入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される見積入力画面上でのオペレータの操作に応じて見積書を作成して出力する。当該見積書で顧客からOKがでた場合には、注文書を受領して、契約が成立する。
【0070】
(S3:工事入力処理)
工事入力部102cは、例えば、モニタ114に表示される工事入力画面上でのオペレータの操作に応じて、案件基本情報に基づいて工事基本情報を入力して、データテーブル106aに登録し、また、当該案件についての配置状況情報の予定又は契約の区分を「予定」から「契約」に変更する。
【0071】
図9(A)は、工事基本情報のデータ例を示している。工事基本情報は、案件基本情報に対して、「工事NO」を追加し、「案件確度」を削除したものとなっている。工事基本情報は、案件NO、工事NO、案件名、顧客名、物件、工期開始日、工期終了日、建設業種、元請又は下請の区分、監理又は主任の区分、売上予算、原価予算の項目を備えている。同図に示す例では、案件NO「A0006」、工事NO「K0001」、案件名「○○○ビル 外壁面修繕工事」、顧客名「SEI001:□△工業」、物件「BK001:○○○ビル」、工期開始日「2022/04/01」、工期終了日2022/07/31」、建設業種「大工工事業」、元請又は下請の区分「元請」、監理又は主任の区分「監理」、売上予算「¥1,000,000」、原価予算「¥800,000」となっている。
【0072】
また、図9(B)に示すように、配置状況情報の予定又は契約の区分が「予定」から「契約」に変更される。
【0073】
(S4:配置状況出力処理)
図10を参照して、配置状況出力処理の具体例を説明する。配置状況出力部102dは、例えば、モニタ114に表示される配置状況出力画面上でのオペレータの操作に応じて、データテーブル106aの案件基本情報及び配置状況情報を参照して、配置状況を出力したり、案件確度別の案件数を出力する。
【0074】
図10(A)は、配置状況の出力例を示している。配置状況の出力例は、案件NO、予定/契約、案件確度、工期開始日、工期終了日、元請・下請、監理・主任、専任・兼任、技術者コード、技術者名の項目を含んでいる。
【0075】
「予定/契約」は、案件入力段階を予定、工事入力まで至ったものを契約と表現する。「案件確度」は、A(受注する確度が高い)~C(受注する確度が低い)を表現している。「工期」は、技術者のアサイン期間を示している。
【0076】
図10(B)は、案件確度別の案件数の出力例を示している。案件確度(契約、A、B、C)毎の月別の案件数が出力される。これにより、確定している契約分のアサインの積み上がりを確認することができる。また、翌月、翌々月などの案件確度が高い(A、B)案件にアサインがついているか確認することでき、必要に応じて、個々の案件の情報を参照する。合計を確認することで、半年~1年の案件確度が低い(C)案件も含めて、会社全体の配置状況を確認することができる。
【0077】
(配置状況チェック処理)
図11図13Bを参照して、配置状況チェック処理の具体例を説明する。案件入力部102aは、選択した技術者について、案件入力画面で入力される専任、兼任又は選任補の区分に応じて、「兼任」の場合は、兼任同士の案件であれば期間重複を許可、「専任」の場合は、他の案件との期間重複を禁止、「専任補」の場合は、補佐を付けることで2案件までの期間重複の兼務を許可という条件で、データテーブル106aに登録されている配置状況情報を参照して、指定される工期開始日及び工期終了日について、当該条件を満たすか否かをチェックして、当該条件を満たさない場合は、エラーを表示出力する。
【0078】
配置状況チェック処理では、配置状況の重複チェックを行い、「兼任」の場合は、兼任同士の案件であれば期間重複を許可し、「専任」の場合は、他の案件との重複をエラーとし、「専任補」の場合は、補佐を付けることで2案件まで兼務を可能とする。
【0079】
図11は、配置状況チェック処理の具体例1を説明するための図である。図11(A)は、技術者一覧情報の例、図11(B)は登録されている配置状況情報の例、図11(C)は、技術者の追加登録パターンの例とそのチェック結果(OK、NG)を示している。
【0080】
図12は、配置状況チェック処理の具体例2を説明するための図である。図12(A)は、技術者一覧情報の例、図12(B)は登録されている配置状況情報の例、図12(C)は、技術者の追加登録パターンの例とそのチェック結果(OK、NG)を示している。
【0081】
図13A及び図13Bは、配置状況チェック処理の処理フローの一例を示す図である。技術者一覧情報及び配置状況情報の案件NO、技術者、専任・兼任、工期開始日、工事終了日をもとに以下のチェックを行う。
【0082】
図13A及び図13Bにおいて、まず、ステップ11では、案件入力画面の「専任・兼任」が「専任」である場合、配置状況情報の案件NO<>案件入力画面の案件NO、かつ配置状況情報の技術者=案件入力画面の技術者、かつ配置状況情報の工期開始日≦案件入力画面の開始日、かつ配置状況情報の工期終了日≧案件入力画面の終了日、かつ配置状況情報の専任・兼任=専任、兼任、専任補佐に該当するか否かをチェックする。該当する場合、エラーとし、「指定された建設配置技術者は、既に下記案件に登録されているため、登録できません。案件NO:配置状況情報の案件NO、工期:配置状況情報の開始日~配置状況情報の終了日」というメッセージを表示する。
【0083】
ステップS12では、案件入力画面の「専任・兼任」が「兼任」である場合、配置状況情報の案件NO<>案件入力画面の案件NO、かつ配置状況情報の技術者=案件入力画面の技術者、かつ配置状況情報の工期開始日≦案件入力画面の開始日、かつ配置状況情報の工期終了日≧案件入力画面の終了日、かつ配置状況情報の専任・兼任=専任、専任補佐に該当するか否かをチェックする。該当する場合は、エラーとし、「指定された建設配置技術者は、既に下記案件に登録されているため、登録できません。案件NO:配置状況情報の案件NO 工期:配置状況情報の開始日~配置状況情報の終了日」というメッセージを表示する。
【0084】
ステップS13では、案件入力画面の「専任・兼任」が「専任補佐」である場合、配置状況情報の案件NO<>案件入力画面の案件NO、かつ配置状況情報の技術者=案件入力画面の技術者、かつ配置状況情報の工期開始日≦案件入力画面の開始日、かつ配置状況情報の工期終了日≧案件入力画面の終了日、かつ配置状況情報の専任・兼任=専任、兼任に該当するか否かをチェックする。該当する場合は、エラーとし、「指定された建設配置技術者は、既に下記案件に登録されているため、登録できません。案件NO:配置状況情報の案件NO 工期:配置状況情報の開始日~配置状況情報の終了日」というメッセーを表示する。
【0085】
ステップS14では、案件入力画面の「専任・兼任」が「専任補佐」である場合、配置状況情報の案件NO<>案件入力画面の案件NO、かつ配置状況情報の技術者=案件入力画面の技術者、かつ配置状況情報の工期開始日≦案件入力画面の開始日、かつ配置状況情報の工期終了日≧案件入力画面の終了日、かつ配置状況情報の専任・兼任=補佐に該当するか否かをチェックする。該当が2件以上あった場合、エラーとし、「補佐を伴い兼任可能な案件は2件までです。」というメッセージを表示する。案件基本情報の「専任・兼任」が「専任補佐」である場合、案件基本情報の案件NO、補佐、専任・兼任、開始日終了日に基づいてステップS15のチェックを行う。
【0086】
ステップS15では、配置状況情報の案件NO<>案件入力画面の案件NO、かつ配置状況情報の技術者=案件入力画面の補佐、又は、配置状況情報の補佐=案件入力画面の補佐、かつ配置状況情報の工期開始日≦案件入力画面の開始日、かつ配置状況情報の工期終了日≧案件入力画面の終了日、かつ配置状況情報の専任・兼任=専任、兼任、補佐に該当するか否かをチェックする。該当する場合は、エラーとし、「指定された補佐は、既に下記案件に登録されているため、登録できません。案件NO:配置状況情報の案件NO 工期:配置状況情報の開始日~配置状況情報の終了日」というメッセージを表示する。
【0087】
以上説明したように、本実施の形態によれば、モニタ114に表示される案件入力画面において、営業段階で、案件、工期開始日、工期終了日、受注が成立する確度である案件確度、建設業種、監理又は主任の区分、専任、兼任又は選任補の区分を入力して、案件、工期開始日、工期終了日、案件確度、建設業種、専任、兼任又は選任補の区分を含む案件基本情報をデータテーブル106aに登録し、また、モニタ114に表示される技術者検索画面で、技術者、建設業種、権限の少なくとも1つを検索条件として指定し、指定した検索条件に該当する技術者を前記技術者一覧情報から検索して表示し、検索した技術者を指定し、指定した技術者について、前記案件配置状況情報に指定される工期開始日から工期終了日に重複する案件がある場合に当該案件を表示し、検索した技術者について当該重複する案件のない技術者を選択し、前記案件入力画面で入力される案件、工期開始日、工期終了日、専任又は兼任の区分、契約又は予定の区分の「予定」、前記選択した技術者を含む配置状況情報を前記記憶エリアに登録する案件入力部102aを備えているので、
営業段階より工事の技術者の配置予定管理を行うことで、工事契約の締結から技術者の調整をスムーズに行うことが可能となる。
【0088】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0089】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0090】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0091】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0092】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0093】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0094】
また、技術者配置管理システム100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0095】
例えば、技術者配置管理システム100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU及び当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて技術者配置管理システム100に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0096】
また、このコンピュータプログラムは、技術者配置管理システム100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0097】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0098】
また、「プログラム」とは、任意の言語又は記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成及び読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0099】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0100】
また、技術者配置管理システム100は、既知のパーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、技術者配置管理システム100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0101】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0102】
100 技術者配置管理システム
102 制御部
102a 案件入力部
102b 見積入力部
102c 工事入力部
102d 配置状況出力部
102e 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a データテーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B