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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180065
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】再放送システム及び再放送方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/16 20150101AFI20231213BHJP
   H04B 17/18 20150101ALI20231213BHJP
【FI】
H04B17/16
H04B17/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093153
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 正俊
(72)【発明者】
【氏名】酒井 秀明
(72)【発明者】
【氏名】永元 慶輔
(72)【発明者】
【氏名】小松 聡幸
(72)【発明者】
【氏名】林田 修
(57)【要約】
【課題】IF中継方式のラジオ再放送設備において、装置故障ではないが放送波停波による送信低下異常が、遠方監視設備へ出力されてしまうことを防ぐ再放送システムを提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、受信した放送波をIF中継方式で中継して再放送する再放送システムは、受信部、送信部、判定部、及び出力制御部を備える。前記受信部は、前記放送波を受信し、前記IF中継方式で前記放送波を中継する。前記送信部は、前記受信部で中継される前記放送波を前記再放送エリアに向けて送信する。前記判定部は、前記受信部による前記放送波の受信状態及び前記送信部による前記放送波の送信状態に基づき前記放送波の送信異常を判定する。前記出力制御部は、判定結果に基づき前記放送波の送信異常を出力する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した放送波をIF中継方式で中継して再放送する再放送システムにおいて、
前記放送波を受信し、前記IF中継方式で前記放送波を中継する受信部と、
前記受信部で中継される前記放送波を再放送エリアに向けて送信する送信部と、
前記受信部による前記放送波の受信状態及び前記送信部による前記放送波の送信状態に基づき前記放送波の送信異常を判定する判定部と、
判定結果に基づき前記放送波の送信異常を出力する出力制御部と、
を備える再放送システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記放送波の受信が有り、前記放送波の送信レベルの出力低下が有る場合に、前記放送波の送信異常が有ることを判定する、
請求項1の再放送システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記放送波の受信が無く、前記放送波の送信レベルの出力低下が有る場合に、前記放送波の送信異常が無いことを判定する、
請求項1の再放送システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記放送波の受信が有り、前記放送波の送信レベルの出力低下が無い場合に、前記放送波の送信異常が無いことを判定する、
請求項1の再放送システム。
【請求項5】
前記出力制御部は、前記放送波の送信異常が有る場合に、前記放送波の送信異常を出力する、
請求項2の再放送システム。
【請求項6】
前記出力制御部は、前記放送波の送信異常が無い場合に、前記放送波の送信異常を出力しない、
請求項3又は4の再放送システム。
【請求項7】
前記受信部は、AM放送波又はFM放送波を受信し、前記IF中継方式で前記AM放送波又は前記FM放送波を中継し、
前記送信部は、前記受信部で中継される前記AM放送波又は前記FM放送波を前記再放送エリアに向けて送信する、
請求項1の再放送システム。
【請求項8】
前記判定部は、前記AM放送波の受信が有り、前記AM放送波の送信レベルの出力低下が有る場合に、前記AM放送波の送信異常が有ることを判定する、又は、前記FM放送波の受信が有り、前記FM放送波の送信レベルの出力低下が有る場合に、前記FM放送波の送信異常が有ることを判定する、
請求項7の再放送システム。
【請求項9】
前記判定部は、前記AM放送波のチャンネルごとの受信の有無を判定し、第1のチャンネルの受信が有り、前記第1のチャンネルの送信レベルの出力低下が有る場合に、前記AM放送波の送信異常が有ることを判定する、又は、前記FM放送波のチャンネルごとの受信の有無を判定し、第2のチャンネルの受信が有り、前記第2のチャンネルの送信レベルの出力低下が有る場合に、前記FM放送波の送信異常が有ることを判定する、
請求項7の再放送システム。
【請求項10】
前記出力制御部は、前記AM放送波の送信異常が有る場合に、前記AM放送波の送信異常を出力し、前記FM放送波の送信異常が有る場合に、前記FM放送波の送信異常を出力する、
請求項8又は9の再放送システム。
【請求項11】
受信した放送波をIF中継方式で中継して再放送する再放送方法において、
受信部において前記放送波を受信し、前記IF中継方式で前記放送波を中継し、
送信部において前記受信部で中継される前記放送波を再放送エリアに向けて送信し、
前記受信部による前記放送波の受信状態及び前記送信部による前記放送波の送信状態に基づき前記放送波の送信異常を判定し、
判定結果に基づき前記放送波の送信異常を出力する、再放送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、再放送システム及び再放送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラジオ再放送設備は、放送局からの電波が直接届かないようなトンネル内において、ラジオ放送(AM(Amplitude Modulation)ラジオ放送、FM(Frequency Modulation)ラジオ放送)を受信できるように、トンネル内にラジオ再放送波を提供するものである。
【0003】
ラジオ再放送設備の方式としては、AF(音声)中継方式、IF(中間周波数)中継方式の2つがある。AF中継方式はラジオ受信音声を複数の離れた場所に伝送することが可能であるが、ラジオ波と再放送波に位相ずれを生じる。IF中継方式はラジオ受信音声を複数の離れた場所に伝送できないが、ラジオ波と再放送波に位相ずれを生じない。
【0004】
このため、AF中継方式は、周辺の山の影響でラジオ波の良好な受信場所がトンネル近くに確保しにくく、かつ、トンネル付近に民家が少ない地方のAMラジオの再放送に採用されることが多い。一方、IF中継方式は、トンネル付近に民家が多く、ラジオ波と再放送波の位相ずれにより、ラジオ音声にノイズが発生しやすい都市部のAMラジオの再放送や、都市部・地方に関係なくFMラジオの再放送に採用されることが多い。
【0005】
今後の動向として、民放AMラジオ放送局が、AM放送をワイドFM放送へ移行していく状勢を考えると、IF中継方式の装置の台数が増大していくことが予想される。なお、ワイドFM放送は、AM放送局の放送エリアにおいて、難聴対策や災害対策のために、新たにFM放送用として使用可能とした周波数(90.0~94.9MHz)を加えたFM放送用の周波数(76.1~94.9MHz)によりAM放送の放送番組を放送するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭59-23938号公報
【特許文献2】特開2008-177804号公報
【特許文献3】特開平6-237460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
IF中継方式のラジオ再放送設備は、サービスの一環としてトンネル内へのラジオ再放送を提供するが、ラジオ再放送設備の装置故障によりラジオの音声が途絶えると、道路利用者(ドライバー)からの道路管理者へのクレームになることがある。そのため、道路管理者は、ラジオ再放送設備を監視する遠方監視設備を介して、装置故障を遠隔監視し、故障発生時は早急な復旧対応を行う。
【0008】
例えば、遠方監視設備は、ラジオ再放送設備の「送信出力低下」、「電源異常」、「誘導線断」の3項目を監視する。
【0009】
IF中継方式のラジオ再放送設備の場合は、装置故障とは別に、ラジオ放送局の放送終了後の夜間放送停波時間帯において、放送波が停波すると送信異常(例えば送信出力低下異常)を遠方監視設備に出力してしまう(方式の違いにより、AF中継方式では放送波が停波しても送信異常は発生しない)。
【0010】
道路管理者は、遠方監視設備を介して送信異常を把握すると、ラジオ再放送設備の設置場所へ移動し、異常の確認や復旧に向けての対応を行う。実際に、ラジオ再放送設備の装置故障であれば移動したことに意味があるが、装置故障ではなく放送波が停波したことによる送信異常の場合は移動した労力は無駄になる。
【0011】
そこで、夜間に放送停波時間帯が毎日発生することに着目し、この時間帯での送信異常に対して、毎度、道路管理者が装置の設置場所に移動することは行わず、次のラジオ放送局の放送が開始されるタイミングで送信異常が復旧するか否かで故障を判断する運用がなされている。放送波停波による送信低下異常が、遠方監視設備へ出力されなければ、道路管理者の保守的な負担が大幅に軽減されるため、改善が望まれている。
【0012】
本発明の目的は、IF中継方式のラジオ再放送設備において、装置故障ではないが放送波停波による送信低下異常が、遠方監視設備へ出力されてしまうことを防ぐ再放送システム及び再放送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実施形態によれば、受信した放送波をIF中継方式で中継して再放送する再放送システムは、受信部、送信部、判定部、及び出力制御部を備える。前記受信部は、前記放送波を受信し、前記IF中継方式で前記放送波を中継する。前記送信部は、前記受信部で中継される前記放送波を再放送エリアに向けて送信する。前記判定部は、前記受信部による前記放送波の受信状態及び前記送信部による前記放送波の送信状態に基づき前記放送波の送信異常を判定する。前記出力制御部は、判定結果に基づき前記放送波の送信異常を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態に係るラジオ再放送システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るラジオ再放送システムにおけるIF中継方式の信号出力の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るラジオ再放送システムにおける放送波停波時のIF中継方式の信号出力の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るラジオ再放送システムにおける異常検出を説明するための図である。
図5図5は、受信入力信号と送信出力低下の関係に基づく異常出力の一例を示す図である。
図6図6は、受信入力信号と送信出力低下の関係に基づく異常出力処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。
図1は、実施形態に係るラジオ再放送システムの概略構成を示す図である。
ラジオ再放送システム1は、受信した放送波をIF中継方式で中継して再放送する。ラジオ再放送システム1は、再放送装置2、トンネル設備3、及び監視装置4を備える。
【0016】
再放送装置2は、AM放送局からのAMラジオ波を受信し、また、FM放送局からのFMラジオ波を受信し、トンネル設備3が敷設されたトンネル内でAMラジオ波及びFMラジオ波を再放送する。なお、ラジオ再放送システム1は、ワイドFM放送にも対応し、新たにFM放送用として使用可能とした周波数(90.0~94.9MHz)を加えたFM放送用の周波数(76.1~94.9MHz)により番組を再放送することもできる。
【0017】
再放送装置2は、AMアンテナ21、FMアンテナ22、受信部23、及び送信部24を備える。受信部23は、AM受信部231、FM受信部232、及び電源部233を備える。送信部24は、AM送信部241、FM送信部242、制御部243、電源部244、及び電源部245を備える。送信部24の各部は、電源部244又は245からの電力に基づき動作する。
【0018】
AMアンテナ21は、AM放送局からのAMラジオ波を受信する。FMアンテナ22は、FM放送局からのFMラジオ波を受信する。
【0019】
AM受信部231は、AM受信変換部2311、及び電源端子部2313を備える。電源端子部2313は、電源部233からの電力をAM受信部231の各部に供給する。AM受信部231は、AMアンテナ21からの放送波を受信し、IF中継方式で放送波を中継する。即ち、AM受信部231は、AM受信変換部2311によりAMアンテナ21からのAMラジオ波をIF信号に変換し、変換されたIF信号をAM送信部241へ出力する。
【0020】
FM受信部232は、FM受信変換部2321、及び電源端子部2322を備える。電源端子部2322は、電源部233からの電力をFM受信部232の各部に供給する。FM受信部232は、FMアンテナ22からの放送波を受信し、IF中継方式で放送波を中継する。即ち、FM受信部232は、FM受信変換部2321によりFMアンテナ22からのFMラジオ波をIF信号に変換し、変換されたIF信号をFM送信部242へ出力する。
【0021】
AM送信部241は、AM変調部2410、AM放送切換部2411、AM送信部2412、AM出力混合部2413、及び誘導線断検出部2414を備える。AM送信部241は、AM受信部231で中継される放送波を再放送エリアに向けて送信する。即ち、AM送信部241は、アプローチケーブル2415を介してトンネル設備3が敷設されたトンネルに向けて、AM受信部231からのAM放送局の内容を各々の周波数で再送信する。例えば、AM送信部241は、AM放送切換部2411によりAM受信部231から出力されるIF信号からAM送信部2412及びAM出力混合部2413により生成されるAMラジオ波を出力する。また、AM送信部241は、誘導線断検出部2414によりトンネル設備3の誘導線31の遮断を検出する。
【0022】
FM送信部242は、FM変調部2421、FM放送切換部2422、FM送信部2423、及びFM出力混合部2424を備える。FM送信部242は、FM受信部232で中継される放送波を再放送エリアに向けて送信する。即ち、FM送信部242は、アプローチケーブル2425を介してトンネル設備3が敷設されたトンネルに向けて、FM受信部232からのFM放送局の内容を各々の周波数で再送信する。例えば、FM送信部242は、FM放送切換部2422によりFM受信部232から出力されるIF信号からFM送信部2423及びFM出力混合部2424により生成されるFMラジオ波を出力する。
【0023】
トンネル設備3は、誘導線31によりAM送信部241からのAMラジオ波を再放送し、また、LCX(漏洩同軸ケーブル)32によりFM送信部242からのFMラジオ波を再放送する。
【0024】
制御部243は、操作制御部2431、メモリ再生部2432、及び伝送制御部2433を備える。操作制御部2431は、係員の操作入力に基づく制御信号を出力する。例えば、操作制御部2431は、緊急放送の操作入力に基づく緊急放送制御信号を出力する。メモリ再生部2432は、緊急時に流す緊急情報の音声を記憶し、操作制御部2431からの緊急放送制御信号に基づき、記憶した緊急情報の音声を再生し出力する。
【0025】
AM放送切換部2411は、操作制御部2431からの緊急放送制御信号に基づき、AM受信部231から出力されるIF信号をメモリ再生部2432から出力される緊急情報に切り換えて出力する。このようにして、AM送信部241は、トンネル設備3に向けて緊急情報等を放送する。また、FM放送切換部2422は、操作制御部2431からの緊急放送制御信号に基づき、FM受信部232から出力されるIF信号をメモリ再生部2432から出力される緊急情報に切り換えて出力する。このようにして、FM送信部242は、トンネル設備3に向けて緊急情報等を放送する。
【0026】
また、操作制御部2431は、判定部として機能し、受信部231及び受信部232による放送波の受信状態を検出し、送信部241及び送信部242による放送波の送信状態を検出し、受信状態及び前記送信状態に基づき放送波の送信異常を判定する。送信異常判定については後に詳しく説明する。なお、操作制御部2431は、受信状態及び前記送信状態に基づき放送波の送信正常を判定するようにしてもよい。
【0027】
伝送制御部2433は、監視情報等を監視装置4へ伝送する。伝送制御部は、出力制御部として機能し、操作制御部2431による放送波の送信異常の判定結果に基づき放送波の送信異常を出力する。送信異常出力については後に詳しく説明する。なお、伝送制御部は、操作制御部2431による放送波の送信正常の判定結果に基づき放送波の送信正常を出力するようにしてもよい。
【0028】
監視装置4は、監視情報等を受信し、受信した監視情報等を記憶部に記憶し、また、モニタ等に出力する。例えば、監視装置は、伝送制御部2433から出力される放送波の送信異常を受信し、受信した放送波の送信異常を記憶部に記憶し、また、モニタ等に出力する。また、監視装置は、伝送制御部2433から出力される放送波の送信正常を受信し、受信した放送波の送信正常を記憶部に記憶し、また、モニタ等に出力してもよい。
【0029】
図2は、実施形態に係るラジオ再放送システムにおけるIF中継方式の信号出力の一例を示す図である。図2は、AM受信部からAM送信部へのIF中継方式と、FM受信部からFM送信部へのIF中継方式とを纏めた図である。
【0030】
図2に示すように、AM受信変換部2311は、ミキサ(M)2311a及び局部発振器(Lo)2311bを備える。AM受信変換部2311は、ミキサ2311aによりAMアンテナ21からのAMラジオ波と局部発振器2311bからのLo信号とをミキシングしてIF信号を出力する。また、FM受信変換部2321は、ミキサ2321aによりFMアンテナ22からのFMラジオ波と局部発振器2321bからのLo信号とをミキシングしてIF信号を出力する。
【0031】
AM送信部2412は、ミキサ2412aを備える。AM送信部2412は、ミキサ2412aにより、ミキサ2311aからのIF信号と局部発振器2311bからのLo信号とをミキシングしてラジオ波を出力する。また、FM送信部2423は、ミキサ2423aを備える。FM送信部2423は、ミキサ2423aにより、ミキサ2321aからのIF信号と局部発振器2321bからのLo信号とをミキシングしてラジオ波を出力する。
【0032】
図3は、実施形態に係るラジオ再放送システムにおける放送波停波時のIF中継方式の信号出力の一例を示す図である。図3は、AM受信部からAM送信部へのIF中継方式と、FM受信部からFM送信部へのIF中継方式とを纏めた図である。
【0033】
例えば、深夜等の時間帯等において、AM放送が終了しAM放送波が停波すると、AM受信変換部2311は、AM放送局からのAMラジオ波を受信しなくなる。結果、AM受信変換部2311のミキサ2311aは、IF信号を出力せず、ミキサ2412aにはIF信号が入力されなくなり、ミキサ2412aはラジオ波を出力しない(ミキサ2412aはIF信号をラジオ波に戻して出力できない)。
【0034】
また、深夜等の時間帯において、FM放送が終了しFM放送波が停波すると、FM受信変換部2321は、FM放送局からのFMラジオ波を受信しなくなる。結果、FM受信変換部2321のミキサ2321aは、IF信号を出力せず、ミキサ2423aにはIF信号が入力されなくなり、ミキサ2423aはラジオ波を出力しない(ミキサ2423aはIF信号をラジオ波に戻して出力できない)。
【0035】
図4は、実施形態に係るラジオ再放送システムにおける異常検出を説明するための図である。図4に示すラジオ再放送システムの各部構成は、図1で説明した通りである。再放送装置2は、電源異常、誘導線切断異常、及び送信異常等を検出し、検出結果を監視装置4へ通知する。電源異常、誘導線切断異常、及び送信異常等の検出及び通知について説明する。
【0036】
・電源異常
図4に示す(A)は、電源の異常情報である。電源部233、244、245は、電圧低下等の異常を検出すると、電源の異常情報(A)を出力する。操作制御部2431は、電源部233、244、245からの電源の異常情報(A)を検出すると、電源の異常情報(A)を伝送制御部2433へ出力する。伝送制御部2433は、電源の異常情報(A)を監視装置4へ出力する。監視装置4は、電源の異常情報(A)を検出すると、電源の異常情報(A)を記憶部に記憶し、またモニタ等に電源の異常情報(A)を表示する。電源の異常情報(A)は、異常発生日時等を含む。
【0037】
・誘導線切断異常
図4に示す(B)は、誘導線切断の異常情報である。誘導線断検出部2414は、誘導線を流れる電流を監視し、電流値に基づき誘導線の切断有無を検出する。誘導線断検出部2414は、誘導線の切断を検出すると、誘導線切断の異常情報(B)を出力する。操作制御部2431は、誘導線断検出部2414からの誘導線切断の異常情報(B)を検出すると、誘導線切断の異常情報(B)を伝送制御部2433へ出力する。伝送制御部2433は、誘導線切断の異常情報(B)を監視装置4へ出力する。監視装置4は、誘導線切断の異常情報(B)を検出すると、誘導線切断の異常情報(B)を記憶部に記憶し、またモニタ等に誘導線切断の異常情報(B)を表示する。誘導線切断の異常情報(B)は、異常発生日時等を含む。
【0038】
・送信異常
先ず、AM放送について説明する。
図4に示す(C11)は、AMラジオ波の受信入力信号の検出結果を示す情報である。AM受信変換部2311は、AMラジオ波の受信入力信号の有無を検出し、AMラジオ波の受信入力信号の有無を示す検出結果(C11)を出力する。
複数チャンネルのAMラジオ波の放送エリアであれば、AM受信変換部2311は、AMラジオ波の受信入力信号の有無をチャンネルごとに検出し、AMラジオ波の受信入力信号の有無をチャンネルごとに示す検出結果(C11)を出力する。
AM受信変換部2311は、各チャンネルに対応する接点出力を利用し、所定のチャンネル(第1のチャンネル)の受信入力が有れば所定のチャンネル(第1のチャンネル)に対応する接点を閉じ(又は開き)、所定のチャンネル(第1のチャンネル)の受信入力が無ければ所定のチャンネル(第1のチャンネル)に対応する接点を開く(又は閉じる)。操作制御部2431は、受信変換部2311からのAMラジオ波のチャンネルごとの受信入力信号の検出結果を入力する。
【0039】
図4に示す(C12)は、AM送信出力の検出結果を示す情報である。AM送信部2412は、AM送信出力レベルと閾値とを比較し、比較結果に基づきAM送信出力レベルの低下の有無を検出し、AM送信出力レベルの低下の有無を示す検出結果(C12)を出力する。
複数チャンネルのAMラジオ波の放送エリアであれば、AM送信部2412は、チャンネルごとのAM送信出力レベルと閾値とを比較し、比較結果に基づきチャンネルごとのAM送信出力レベルの低下の有無を検出し、チャンネルごとのAM送信出力レベルの低下の有無を示す検出結果(C12)を出力する。
【0040】
操作制御部2431は、AMラジオ波の受信入力信号の有無を示す検出結果(C11)及びAM送信出力レベルの低下の有無を示す検出結果(C12)に基づき、AM送信異常(例えばAM送信出力低下異常)の有無を判定し、判定結果を出力する。操作制御部2431は、AMラジオ波の受信入力信号が有り、AM送信出力レベルの低下が有る場合は、放送波の異常と判定し、伝送制御部2433に対して、放送波の送信異常(送信出力の低下異常)を出力する。伝送制御部2433は、操作制御部2431からの放送波の送信異常を監視装置4へ出力する。監視装置4は、放送波の送信異常を記憶部に記憶し、またモニタ等に放送波の送信異常を表示する。放送波の送信異常は、異常発生日時等を含む。
複数チャンネルのAMラジオ波の放送エリアであれば、操作制御部2431は、AMラジオ波のチャンネルごとの受信入力信号の有無を示す検出結果(C11)及びチャンネルごとのAM送信出力レベルの低下の有無を示す検出結果(C12)に基づき、AM送信異常(例えばAM送信出力低下異常)の有無を判定し、判定結果を出力する。操作制御部2431は、AMラジオ波の所定のチャンネルの受信入力信号が有り、所定のチャンネルのAM送信出力レベルの低下が有る場合は、放送波の異常と判定し、伝送制御部2433に対して、放送波の送信異常(送信出力の低下異常)を出力する。伝送制御部2433は、操作制御部2431からの放送波の送信異常を監視装置4へ出力する。監視装置4は、放送波の送信異常を記憶部に記憶し、またモニタ等に放送波の送信異常を表示する。放送波の送信異常は、所定のチャンネルの異常、及び所定のチャンネルの異常発生日時等を含む。
【0041】
続いて、FM放送について説明する。
図4に示す(C21)は、FMラジオ波の受信入力信号の検出結果を示す情報である。FM受信変換部2321は、FMラジオ波の受信入力信号の有無をチャンネルごとに検出し、FMラジオ波の受信入力信号の有無をチャンネルごとに示す検出結果(C21)を出力する。
複数チャンネルのFMラジオ波の放送エリアであれば、FM受信変換部2321は、各チャンネルに対応する接点出力を利用し、所定のチャンネル(第2のチャンネル)の受信入力が有れば所定のチャンネル(第2のチャンネル)に対応する接点を閉じ(又は開き)、所定のチャンネル(第2のチャンネル)の受信入力が無ければ所定のチャンネル(第2のチャンネル)に対応する接点を開く(又は閉じる)。操作制御部2431は、受信変換部2311からのFMラジオ波のチャンネルごとの受信入力信号の検出結果を入力する。
【0042】
図4に示す(C22)は、FM送信出力の検出結果を示す情報である。FM送信部2423は、FM送信出力レベルと閾値とを比較し、比較結果に基づきFM送信出力レベルの低下の有無を検出し、FM送信出力レベルの低下の有無を示す検出結果(C22)を出力する。
複数チャンネルのFMラジオ波の放送エリアであれば、FM送信部2423は、チャンネルごとのFM送信出力レベルと閾値とを比較し、比較結果に基づきチャンネルごとのFM送信出力レベルの低下の有無を検出し、チャンネルごとのFM送信出力レベルの低下の有無を示す検出結果(C22)を出力する。
【0043】
操作制御部2431は、FMラジオ波の受信入力信号の有無を示す検出結果(C21)及びFM送信出力レベルの低下の有無を示す検出結果(C22)に基づき、FM送信異常(例えばFM送信出力低下異常)の有無を判定し、判定結果を出力する。例えば、操作制御部2431は、FMラジオ波の受信入力信号が有り、FM送信出力レベルの低下が有る場合は、放送波の送信異常と判定し、伝送制御部2433に対して、放送波の送信異常(送信出力の低下異常)を出力する。伝送制御部2433は、操作制御部2431からの放送波の送信異常を監視装置4へ出力する。
監視装置4は、放送波の送信異常を記憶部に記憶し、またモニタ等に放送波の送信異常を表示する。放送波の送信異常は、異常発生日時等を含む。
【0044】
複数チャンネルのFMラジオ波の放送エリアであれば、操作制御部2431は、FMラジオ波のチャンネルごとの受信入力信号の有無を示す検出結果(C21)及びチャンネルごとのFM送信出力レベルの低下の有無を示す検出結果(C22)に基づき、FM送信異常(例えばFM送信出力低下異常)の有無を判定し、判定結果を出力する。
例えば、操作制御部2431は、FMラジオ波の所定のチャンネルの受信入力信号が有り、所定のチャンネルのFM送信出力レベルの低下が有る場合は、放送波の送信異常と判定し、伝送制御部2433に対して、放送波の送信異常(送信出力の低下異常)を出力する。伝送制御部2433は、操作制御部2431からの放送波の送信異常を監視装置4へ出力する。監視装置4は、放送波の送信異常を記憶部に記憶し、またモニタ等に放送波の送信異常を表示する。放送波の送信異常は、所定のチャンネルの異常、及び所定のチャンネルの異常発生日時等を含む。
【0045】
図5は、受信入力信号と送信出力低下の関係に基づく異常出力の一例を示す図である。
まず、AM放送について説明する。
操作制御部2431は、受信部231においてAM放送波の受信が無く、送信部241においてAM放送波の送信レベルの出力低下が有る場合に、AM放送波の送信異常が無いことを判定する。伝送制御部2433は、AM放送波の送信異常が無い場合に、AM放送波の送信異常を出力しない。或いは、伝送制御部2433は、AM放送波の送信異常が無い場合に、AM放送波の送信正常を出力する。
【0046】
複数チャンネルのAMラジオ波の放送エリアであれば、操作制御部2431は、受信部231においてAM放送波の所定のチャンネルの受信が無く、送信部241においてAM放送波の所定のチャンネルの送信レベルの出力低下が有る場合に、AM放送波の所定のチャンネルの送信異常が無いことを判定する。
伝送制御部2433は、AM放送波の全てのチャンネルの送信異常が無い場合に、AM放送波の送信異常を出力しない。或いは、伝送制御部2433は、AM放送波の全てのチャンネルの送信異常が無い場合に、AM放送波の送信正常を出力する。
【0047】
また、操作制御部2431は、受信部231においてAM放送波の受信が有り、送信部241においてAM放送波の送信レベルの出力低下が無い場合に、AM放送波の送信異常が無いことを判定する。伝送制御部2433は、AM放送波の送信異常が無い場合に、AM放送波の送信異常を出力しない。或いは、伝送制御部2433は、AM放送波の送信異常が無い場合に、AM放送波の送信正常を出力する。
【0048】
複数チャンネルのAMラジオ波の放送エリアであれば、操作制御部2431は、受信部231においてAM放送波の所定のチャンネルの受信が有り、送信部241においてAM放送波の所定のチャンネルの送信レベルの出力低下が無い場合に、AM放送波の所定のチャンネルの送信異常が無いことを判定する。
伝送制御部2433は、AM放送波の全てのチャンネルの送信異常が無い場合に、AM放送波の送信異常を出力しない。或いは、伝送制御部2433は、AM放送波の全てのチャンネルの送信異常が無い場合に、AM放送波の送信正常を出力する。
【0049】
また、操作制御部2431は、受信部231においてAM放送波の受信が有り、送信部241においてAM放送波の送信レベルの出力低下が有る場合に、AM放送波の送信異常が有ることを判定する。伝送制御部2433は、AM放送波の送信異常が有る場合に、AM放送波の送信異常を出力する。
複数チャンネルのAMラジオ波の放送エリアであれば、操作制御部2431は、受信部231においてAM放送波の所定のチャンネルの受信が有り、送信部241においてAM放送波の所定のチャンネルの送信レベルの出力低下が有る場合に、AM放送波の送信異常(AM放送波の所定のチャンネルの送信異常)が有ることを判定する。伝送制御部2433は、AM放送波の送信異常が有る場合に、AM放送波の送信異常を出力する。
【0050】
続いて、FM放送について説明する。
操作制御部2431は、受信部232においてFM放送波の受信が無く、送信部242においてFM放送波の送信レベルの出力低下が有る場合に、FM放送波の送信異常が無いことを判定する。
伝送制御部2433は、FM放送波の送信異常が無い場合に、FM放送波の送信異常を出力しない。或いは、伝送制御部2433は、FM放送波の送信異常が無い場合に、FM放送波の送信正常を出力する。
【0051】
複数チャンネルのFMラジオ波の放送エリアであれば、操作制御部2431は、受信部232においてFM放送波の所定のチャンネルの受信が無く、送信部242においてFM放送波の所定のチャンネルの送信レベルの出力低下が有る場合に、FM放送波の所定のチャンネルの送信異常が無いことを判定する。
伝送制御部2433は、FM放送波の全てのチャンネルに送信異常が無い場合に、FM放送波の送信異常を出力しない。或いは、伝送制御部2433は、FM放送波の全てのチャンネルに送信異常が無い場合に、FM放送波の送信正常を出力する。
【0052】
また、操作制御部2431は、受信部232においてFM放送波の受信が有り、送信部242においてFM放送波の送信レベルの出力低下が無い場合に、FM放送波の送信異常が無いことを判定する。伝送制御部2433は、FM放送波の送信異常が無い場合に、FM放送波の送信異常を出力しない。
【0053】
複数チャンネルのFMラジオ波の放送エリアであれば、操作制御部2431は、受信部232においてFM放送波の所定のチャンネルの受信が有り、送信部242においてFM放送波の所定のチャンネルの送信レベルの出力低下が無い場合に、FM放送波の所定のチャンネルの送信異常が無いことを判定する。
伝送制御部2433は、FM放送波の全ての送信異常が無い場合に、FM放送波の送信異常を出力しない。或いは、伝送制御部2433は、FM放送波の全てのチャンネルに送信異常が無い場合に、FM放送波の送信正常を出力する。
【0054】
また、操作制御部2431は、受信部232においてFM放送波の受信が有り、送信部242においてFM放送波の送信レベルの出力低下が有る場合に、FM放送波の送信異常が有ることを判定する。伝送制御部2433は、FM放送波の送信異常が有る場合に、FM放送波の送信異常を出力する。
複数チャンネルのFMラジオ波の放送エリアであれば、操作制御部2431は、受信部232においてFM放送波の所定のチャンネルの受信が有り、送信部242においてFM放送波の所定のチャンネルの送信レベルの出力低下が有る場合に、FM放送波の送信異常(FM放送波の所定のチャンネルの送信異常)が有ることを判定する。
伝送制御部2433は、FM放送波の送信異常が有る場合に、FM放送波の送信異常を出力する。
【0055】
図6は、受信入力信号と送信出力低下の関係に基づく異常出力処理の一例を示すフローチャートである。
まず、AM放送について説明する。
操作制御部2431は、AMラジオ波の受信入力信号の有無を監視し(S1)、また、AM送信波の出力レベル低下異常を監視する(S2)。
【0056】
操作制御部2431は、AM送信波の出力レベルの低下異常を検出しなければ(S3、NO)、引き続き、AMラジオ波の受信入力信号の有無とAM送信波の出力レベルの低下異常の監視を継続する。
【0057】
操作制御部2431は、AM送信波の出力レベル低下異常を検出した上で(S3、YES)、AMラジオ波の受信入力信号を検出する場合(S4、NO)、AM送信波の送信異常と判定し、異常フラグをセットし(S5)、伝送制御部2433に対して、AM送信波の送信異常を出力する(S6)。
【0058】
伝送制御部2433は、操作制御部2431からのAM送信波の送信異常を監視装置4へ出力する。監視装置4は、AM送信波の送信異常を記憶部に記憶し、またモニタ等にAM送信波の送信異常を表示する。
【0059】
その後は、保守員対応となり、保守員が、送信部24の保守にあたり、AM送信波の送信異常が改善され、操作制御部2431が、異常フラグのリセットを受け付け、異常フラグをリセットすると(S7、YES)、再び、操作制御部2431は、AMラジオ波の受信入力信号の有無を監視し(S1)、また、AM送信波の出力レベル低下異常を監視する(S2)。
【0060】
また、操作制御部2431は、AM送信波の出力レベル低下異常を検出した上で(S3、YES)、AMラジオ波の受信入力信号を検出しない場合(S4、YES)、正常と判定し、伝送制御部2433に対するAM送信波の送信異常の出力をマスクする(S8)。この後、再び、操作制御部2431は、AMラジオ波の受信入力信号の有無を監視し(S1)、また、AM送信波の出力レベル低下異常を監視する(S2)。
【0061】
操作制御部2431によるFM放送の異常出力処理は、上記説明した「AM」を「FM」に読み替えて実現することができるので、その詳細説明を省略する。
また、複数チャンネルのAMラジオ波の放送エリアであれば、操作制御部2431は、AMラジオ波のチャンネルごとに送信異常を判定し、少なくとも一つのチャンネルの送信異常に基づき、AM放送の送信異常を出力する。また、複数チャンネルのFMラジオ波の放送エリアであれば、操作制御部2431は、FMラジオ波のチャンネルごとに送信異常を判定し、少なくとも一つのチャンネルの送信異常に基づき、FM放送の送信異常を出力する。
【0062】
上記説明したように本実施形態によれば、IF中継方式のラジオ再放送設備において、装置故障ではないが放送波停波による送信低下異常が、遠方監視設備へ出力されてしまうことを防ぐ再放送システム及び再放送方法を提供することができる。
【0063】
IF中継方式の再放送装置2は、放送波が停波し放送波が受信できなくなくと、送信出力低下が生じる。送信出力を監視して送信出力の有無に依存して異常を出力する仕組みの場合、このような放送波の停波に起因し、異常を出力してしまう。
【0064】
本実施形態の再放送装置2は、AM受信部231によるAM放送波の受信状態及びAM送信部241によるAM放送波の送信状態に基づきAM放送波の送信異常を判定し、また、FM受信部232によるFM放送波の受信状態及びFM送信部242によるFM放送波の送信状態に基づきFM放送波の送信異常を判定し、判定結果に基づきAM放送波又はFM放送波の送信異常を出力する。
【0065】
例えば、再放送装置2は、AM放送波の受信が有り、AM放送波の送信レベルの出力低下が有る場合に、AM放送波の送信異常が有ることを判定し、AM放送波の送信異常を監視装置4へ出力する。AM放送の停波に起因するものではなく、実際にAM放送波の送信異常が有る場合に、監視装置4は、AM放送波の送信異常を表示する。
これにより、道路管理者は、監視装置4の表示内容に基づき、AM放送の停波に起因するものではなく、実際にAM放送波の送信異常が有る場合に、AM放送波の送信異常を把握でき、迅速に対応することができる。FM放送波についても同様である。
【0066】
また、再放送装置2は、AM放送波の受信が無く、AM放送波の送信レベルの出力低下が有る場合は、AM放送波の送信異常が無いことを判定し、AM放送波の送信異常を監視装置4へ出力しない。AM放送波受信が無ければ、AM放送波の送信レベルの出力低下が有っても、監視装置4は、AM放送波の送信異常を表示しない。
なお、再放送装置2は、AM放送波の受信が無く、AM放送波の送信レベルの出力低下が有ることを監視装置4へ出力してもよい。この場合、監視装置4は、AM放送波の受信が無く、AM放送波の送信レベルの出力低下が有ることを表示する。道路管理者は、監視装置4の表示内容に基づき、AM放送波の送信レベルの出力低下が有るが、異常ではないことを把握することができる。FM放送波についても同様である。
【0067】
また、再放送装置2は、AM放送波の受信が有り、AM放送波の送信レベルの出力低下が無い場合は、AM放送波の送信異常が無いことを判定し、AM放送波の送信異常を監視装置4へ出力しない。AM放送波受信が有り、AM放送波の送信レベルの出力低下が無ければ、監視装置4は、AM放送波の送信異常を表示しない。
なお、再放送装置2は、AM放送波の受信が有り、AM放送波の送信レベルの出力低下が無いことを監視装置4へ出力してもよい。この場合、監視装置4は、AM放送波の受信が有り、AM放送波の送信レベルの出力低下が無いことを表示する。道路管理者は、監視装置4の表示内容に基づき、AM放送波の送信レベルの出力低下は無く、正常ではないことを把握することができる。FM放送波についても同様である。
【0068】
このように、再放送装置2は、装置故障に起因する送信低下を異常と判定し異常を出力し、装置故障に起因しない放送波停波による送信低下を異常と判定せずに異常を出力しない。監視装置4は、装置故障に起因する送信低下に関する異常を表示し、装置故障に起因しない放送波停波による送信低下に関しては表示しない。これにより、道路管理者は、監視装置4の表示に基づき復旧作業を適切に実行することができる。
【0069】
さらに、再放送装置2は、送信異常だけでなく、電源異常及び誘導線切断異常を検出し出力することもできる。監視装置4は、送信異常だけでなく、電源異常及び誘導線切断異常を表示する。これにより、道路管理者は、監視装置4の表示に基づき、送信異常、電源異常、及び誘導線切断異常に適切に対応することができる。
【0070】
また、複数チャンネルのAMラジオ波及びFMラジオ波の放送エリアであれば、再放送装置2は、AM受信部231によるAM放送波のチャンネルごとの受信状態及びAM送信部241によるAM放送波のチャンネルごとの送信状態に基づきAM放送波のチャンネルごとの送信異常を判定する。また、FM受信部232によるFM放送波のチャンネルごとの受信状態及びFM送信部242によるFM放送波のチャンネルごとの送信状態に基づきFM放送波のチャンネルごとの送信異常を判定する。このため、判定結果に基づきAM放送波又はFM放送波の送信異常を出力する。
【0071】
例えば、再放送装置2は、AM放送波の所定のチャンネルの受信が有り、AM放送波の所定のチャンネルの送信レベルの出力低下が有る場合に、AM放送波の送信異常が有ることを判定し、AM放送波の送信異常を監視装置4へ出力する。AM放送の停波に起因するものではなく、実際にAM放送波の送信異常が有る場合に、監視装置4は、AM放送波の送信異常を表示する。
これにより、道路管理者は、監視装置4の表示内容に基づき、AM放送の停波に起因するものではなく、実際にAM放送波の送信異常が有る場合に、AM放送波の送信異常を把握でき、迅速に対応することができる。FM放送波についても同様である。
【0072】
将来、AM放送からワイドFM放送への移行が進み、AM放送のチャンネル数が減少し、ワイドFM放送を含むFM放送のチャンネル数が増加した場合でも、再放送装置2は、AM放送のチャンネルごとの送信異常、及びFM放送のチャンネルごとの送信異常を判定し、各チャンネルの停波に起因しない、実際のAM放送の送信異常又はFM放送の送信異常を出力することができる。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1…ラジオ再放送システム
2…再放送装置
3…トンネル設備
4…監視装置
21…アンテナ
22…アンテナ
23…受信部
24…送信部
31…誘導線
231…AM受信部
232…FM受信部
233…電源部
241…AM送信部
242…FM送信部
243…制御部
244…電源部
245…電源部
2311…AM受信変換部
2311a…ミキサ(M)
2311b…局部発振器(Lo)
2313…電源端子部
2321…受信変換部
2321a…ミキサ(M)
2321b…局部発振器(Lo)
2322…電源端子部
2411…AM放送切換部
2412…AM送信部
2412a…ミキサ(M)
2413…AM出力混合部
2414…誘導線断検出部
2415…アプローチケーブル
2421…FM変調部
2422…FM放送切換部
2422…FM放送切換部
2423…FM送信部
2423a…ミキサ(M)
2424…FM出力混合部
2425…アプローチケーブル
2431…操作制御部
2432…メモリ再生部
2433…伝送制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6