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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180126
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】車両運搬車
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/32 20060101AFI20231213BHJP
   B60P 1/00 20060101ALI20231213BHJP
   B60P 1/43 20060101ALI20231213BHJP
   B60P 3/07 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
B60P1/32
B60P1/00 H
B60P1/43 A
B60P1/43 B
B60P3/07 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093255
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】弁理士法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祐太
(57)【要約】      (修正有)
【課題】チルトフレームをダンプさせるリフト装置と、チルトフレーム上をスライド可能なボデーと、ボデーをチルトフレーム上で強制スライドさせる前後駆動装置と、リモコン装置及びセンサ装置の出力に基づいて前後駆動装置及びリフト装置の動作切替えを制御可能な制御装置とを備え、ボデーの降ろし又は積込みの動作の一時停止中にボデーが一時停止位置よりずれ動いた場合に、ずれ動き情報(即ちずれ動きの方向と移動量)を把握可能とする車両運搬車を提供する。
【解決手段】前後駆動装置の回転量センサRSにおいて、センサ歯車71の複数のドグ歯は、これらを検知した近接センサ70の出力パターンがセンサ歯車の回転に伴い周期的に繰り返され且つセンサ歯車の正転時と逆転時で異なるような歯形及びピッチに設定され、制御装置は、前記出力パターンに基づいて回転量を演算可能であり且つボデーのスライド方向を判断可能である。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(F)後部にダンプ可能且つ前後動可能に支持されたチルトフレーム(T)と、このチルトフレーム(T)を強制的にダンプさせるリフト装置(L)と、他車両(V′)を載置可能な車両載置部を有して前記チルトフレーム(T)上を前後方向にスライド可能なボデー(B)と、そのボデー(B)に固定されるチェーン(26)を有して該ボデー(B)を前記チルトフレーム(T)上で強制的にスライドさせるチェーン伝動式の前後駆動装置(D)と、前記ボデー(B)の前記チルトフレーム(T)に対するスライド位置を検出するセンサ装置(S)と、他車両(V′)の積込み工程・降ろし工程に関与する前記前後駆動装置(D)及び前記リフト装置(L)の動作モードの実行と実行時の一時停止とを指令可能なリモコン装置(R)と、そのリモコン装置(R)及び前記センサ装置(S)の出力に基づいて前記前後駆動装置(D)及び前記リフト装置(L)の動作切替えを制御可能な制御装置(C)とを備えた車両運搬車において、
前記前後駆動装置(D)が、前記チェーン(26)と連動回転する回転軸(23f)を有すると共に、前記センサ装置(S)が、前記回転軸(23f)の回転量を検知可能な回転量センサ(RS)を少なくとも含み、
前記回転量センサ(RS)は、周方向に間隔をおいて並ぶ複数のドグ歯(7a,7b,7c,7a′,7b′,7c′)を外周部に有して前記回転軸(23f)と連動回転するセンサ歯車(71)と、前記ドグ歯(7a,7b,7c,7a′,7b′,7c′)を検知可能な近接センサ(70)とを備え、
前記複数のドグ歯(7a,7b,7c,7a′,7b′,7c′)は、これらを検知した前記近接センサ(70)の出力パターンが、前記センサ歯車(71)の回転に伴い周期的に繰り返され且つそのセンサ歯車(71)の正転時と逆転時で異なるような歯形及びピッチに設定され、
前記制御装置(C)は、前記近接センサ(70)の前記出力パターンに基づいて前記回転量を演算可能であり且つ前記回転軸(23f)の回転方向を判断可能であることを特徴とする車両運搬車。
【請求項2】
前記センサ歯車(71)の外周部には、歯幅が異なる前記複数のドグ歯(7a,7b,7c)が前記センサ歯車(71)の正転時と逆転時で異なる配列パターンとなるように配列されることを特徴とする、請求項1に記載の車両運搬車。
【請求項3】
前記制御装置(C)は、前記積込み工程又は前記降ろし工程における前記ボデー(B)の一時停止中に前記リモコン装置(R)の操作に依らずに該ボデー(B)がずれ動いた場合に、そのずれ動いた方向及び移動量を前記出力パターンに基づいて演算、記憶する手段を有していて、その記憶に基づいて、前記一時停止の解除時に前記ボデー(B)を一時停止の初期位置まで復帰させるか否かを判定可能であり、且つ復帰させると判定した場合は前記ボデー(B)が前記初期位置まで復帰するよう前記前後駆動装置(D)を制御可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両運搬車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両運搬車、特に車体後部にダンプ可能且つ前後動可能に支持されたチルトフレームと、このチルトフレームを強制的にダンプさせるリフト装置と、他車両を載置可能な車両載置部を有してチルトフレーム上を前後方向にスライド可能なボデーと、そのボデーに固定されるチェーンを有してボデーをチルトフレーム上で強制的にスライドさせるチェーン伝動式の前後駆動装置と、ボデーのチルトフレームに対するスライド位置を検出するセンサ装置と、他車両の積込み工程・降ろし工程に関与する前後駆動装置及びリフト装置の動作モードの実行と実行時の一時停止とを指令可能なリモコン装置と、そのリモコン装置及びセンサ装置の出力に基づいて前後駆動装置およびリフト装置の動作切替えを制御可能な制御装置とを備えた車両運搬車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した車両運搬車は、例えば特許文献1に開示されるように従来公知であり、この公知のものでは、ボデーのチルトフレームに対する複数の所定スライド位置を、ドグおよび近接センサを各々有してボデーとチルトフレームとの間に設けられる複数のリミットスイッチを用いて直接検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3648075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の車両運搬車では、リモコン操作でボデーの降ろし動作と、積込み動作とを随時に行うようにしており、そのボデーの降ろし又は積込みの動作途中で上記リモコン操作を止めると、ボデー動作を一時停止させることができる。
【0005】
ところが斯かるボデーの一時停止中、何らかの原因で(例えばメンテナンス時に作業員がリモコン操作無しでボデー駆動用の油圧制御バルブの操作部に触れる等して)ボデーが一時停止位置より万一ずれ動いた場合には、リモコン装置からの降ろし信号又は積込み信号がないため、ボデーがずれ動いた方向を容易に把握することが難しく、リモコン操作で工程を再開させた後で行われる制御の精度低下要因となる。例えば、降ろし工程途中で、ダンプ上げ開始を決める特定のリミットスイッチの検知前にボデーが一時停止状態となった場合において、一時停止中にボデーがずれ動いて特定のリミットスイッチの検知位置を超えたときでも、その状況を的確には把握することができないため、以後の制御に影響が及ぶ可能性がある。
【0006】
ところで特許文献1の車両運搬車のようにボデーが所定スライド位置にきたことを上記リミットスイッチにより直接検知する手法に代えて、或いは加えて、前後駆動装置の、チェーンと連動回転する回転軸の回転量を回転量センサで検知し、その回転量に基づいてボデーのスライド位置を検知する代案が考えられる。この場合、一般的な回転量センサは、例えば複数のドグ歯を外周部に有して回転軸と連動回転するセンサ歯車と、ドグ歯を検知可能な近接センサとを備えた構造が従来周知であるが、この周知の回転量センサのセンサ歯車は、歯幅が同一の複数のドグ歯が等ピッチに配列される関係で、回転量は検知できても回転方向の判別は困難となっている。
【0007】
そのため、上記代案においても、ボデーの降ろし又は積込みの動作途中でリモコン操作を止めてボデー動作を一時停止させた状態で、何らかの原因でボデーが一時停止位置よりずれ動いた場合には、上記回転量センサではボデーがずれ動いた方向を容易に把握することが難しい。従って、一時停止中の工程をリモコン操作で再開させる際に、制御装置は、これが一時停止前に把握しているボデー位置とは異なるボデー位置から工程を再開することになり、これまた制御の精度低下要因となる。
【0008】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、従来構造の問題を解決可能とした車両運搬車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は、車体後部にダンプ可能且つ前後動可能に支持されたチルトフレームと、このチルトフレームを強制的にダンプさせるリフト装置と、他車両を載置可能な車両載置部を有して前記チルトフレーム上を前後方向にスライド可能なボデーと、そのボデーに固定されるチェーンを有して該ボデーを前記チルトフレーム上で強制的にスライドさせるチェーン伝動式の前後駆動装置と、前記ボデーの前記チルトフレームに対するスライド位置を検出するセンサ装置と、他車両の積込み工程・降ろし工程に関与する前記前後駆動装置及び前記リフト装置の動作モードの実行と実行時の一時停止とを指令可能なリモコン装置と、そのリモコン装置及び前記センサ装置の出力に基づいて前記前後駆動装置及び前記リフト装置の動作切替えを制御可能な制御装置とを備えた車両運搬車において、前記前後駆動装置が、前記チェーンと連動回転する回転軸を有すると共に、前記センサ装置が、前記回転軸の回転量を検知可能な回転量センサを少なくとも含み、前記回転量センサは、周方向に間隔をおいて並ぶ複数のドグ歯を外周部に有して前記回転軸と連動回転するセンサ歯車と、前記ドグ歯を検知可能な近接センサとを備え、前記複数のドグ歯は、これらを検知した前記近接センサの出力パターンが、前記センサ歯車の回転に伴い周期的に繰り返され且つそのセンサ歯車の正転時と逆転時で異なるような歯形及びピッチに設定され、前記制御装置は、前記近接センサの前記出力パターンに基づいて前記回転量を演算可能であり且つ前記回転軸の回転方向を判断可能であることを第1の特徴とする。
【0010】
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記センサ歯車の外周部には、歯幅が異なる前記複数のドグ歯が前記センサ歯車の正転時と逆転時で異なる配列パターンとなるように配列されることを第2の特徴とする。
【0011】
また本発明は、第1又は第2の特徴に加えて、前記制御装置は、前記積込み工程又は前記降ろし工程における前記ボデーの一時停止中に前記リモコン装置の操作に依らずに該ボデーがずれ動いた場合に、そのずれ動いた方向及び移動量を前記出力パターンに基づいて演算、記憶する手段を有していて、その記憶に基づいて、前記一時停止の解除時に前記ボデーを一時停止の初期位置まで復帰させるか否かを判定可能であり、且つ復帰させると判定した場合は前記ボデーが前記初期位置まで復帰するよう前記前後駆動装置を制御可能であることを第3の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1の特徴によれば、ボデーをチルトフレームに対し強制スライドさせる前後駆動装置が、チェーンを駆動するための回転軸を有すると共に、その回転軸の回転量を検知可能な回転量センサがセンサ装置に含まれる車両運搬車であって、回転量センサが、複数のドグ歯を外周部に有して回転軸に連動回転するセンサ歯車と、ドグ歯を検知可能な近接センサとを備えるものにおいて、複数のドグ歯は、これらを検知した近接センサの出力パターンが、センサ歯車の回転に伴い周期的に繰り返され且つそのセンサ歯車の正転時と逆転時で異なるような歯形及びピッチに設定され、制御装置は、近接センサの出力パターンに基づいて回転軸の回転量を演算可能であり且つ回転軸の回転方向を判断可能である。これにより、ボデーの降ろし又は積込みの動作途中でリモコン操作により動作を一時停止させている最中に、何らかの原因でボデーが一時停止位置よりずれ動いた場合に、制御装置は、近接センサの特徴的な出力パターンに基づいてボデーの一時停止位置からのずれ動き情報(即ち、ずれ動き方向・ずれ動き量)を的確に把握可能となり、一時停止の解除後における工程制御の精度を高める上で有利となる。
【0013】
また第2の特徴によれば、センサ歯車の外周部には、歯幅が異なる複数のドグ歯がセンサ歯車の正転時と逆転時で異なる配列パターンとなるように配列されるので、制御装置は、複数のドグ歯の歯幅の違いに応じて近接センサが出力する、パルス幅の異なるパルスの配列パターン(即ち並び順)がセンサ歯車の正転時と逆転時で異なることを利用して、ボデーの一時停止中における前記ずれ動き情報を把握可能となる。しかも複数のドグ歯の歯幅を異ならせ且つ特定の配列パターンとするだけの簡単な構造で、上記ずれ動き情報の把握を的確に行えるため、コスト節減に寄与することができる。
【0014】
また第3の特徴によれば、制御装置は、積込み工程又は降ろし工程工程におけるボデーの一時停止中にリモコン装置の操作に依らずに該ボデーがずれ動いた場合に、そのずれ動いた方向及び移動量を近接センサの出力パターンに基づいて演算、記憶する手段を有していて、その記憶に基づいて、一時停止の解除時にボデーを一時停止の初期位置まで復帰させるか否かを判定可能であり、且つ復帰させると判定した場合はボデーが前記初期位置まで復帰するよう前後駆動装置を制御可能である。これにより、制御装置は、一時停止中にリモコン操作無しでボデーがずれ動いた場合に、近接センサの特徴的な出力パターンに基づいてボデーの一時停止位置からの前記ずれ動き情報を把握可能となるばかりか、その把握情報に基づいて、一時停止の解除時にボデーを一時停止の初期位置まで復帰させるか否かを判定でき、しかも復帰させると判定した場合はボデーをずれ動き直前の位置まで容易且つ的確に復帰動作させることができ、これにより、一時停止解除後に再開される工程の制御精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る車両運搬車の全体側面図
図2】前後駆動装置及びリフト装置を装備した、チルトフレーム及びサブフレームの組立体を示す斜視図
図3】前記サブフレームの斜視図
図4】前記チルトフレームの斜視図
図5】前記チルトフレームの平面図
図6図5の6-6線拡大断面図
図7図5の7-7線拡大断面図
図8図5の8矢視部拡大平面図
図9図8の9矢視図
図10】(A)は図5の10A-10A線拡大断面図、(B)は図5の10B-10B線拡大断面図、(C)は図5の10C-10C線拡大断面図
図11】リフト装置のサブフレームへの枢支連結部の縦断面図であって、(A)はリフト角が0の状態を、また(B)はリフト角が最大角の状態をそれぞれ示す
図12】ホイストアームの要部横断面図(図11(A)の12-12線断面図)
図13】車両運搬車の降ろし工程を概略的に示す説明図
図14】(A)は図13(e)の14A矢視部の拡大断面図、(B)は図13(f)の14B矢視部の拡大断面図
図15】車両運搬車に搭載される車両積載装置の制御ブロック図
図16】車両運搬車の降ろし工程(第1制御例)のフローチャート
図17】車両運搬車の積込み工程(第1制御例)のフローチャート
図18】車両運搬車の降ろし工程(第2制御例)のフローチャート
図19】車両運搬車の積込み工程(第2制御例)のフローチャート
図20】積込み又は降ろし工程を一時停止させた状況でのボデーのずれ動きに対応する制御例のフローチャート
図21】回転量センサ中のセンサ歯車の一例を示す正面図
図22】近接センサのオン信号パルスの出力例を示すタイミングチャートであって、(a)は回転軸(センサ歯車)正転時を、また(b)は同じく逆転時を示す
図23】近接センサの信号パルスの別の出力例を示すタイミングチャートであって、(a)はオフ信号パルスの出力例を、また(b)はオン信号パルスとオフ信号パルスとを組み合わせた出力例を示す
図24】センサ歯車の変形例を示す正面図(図21対応図)
図25】前記変形例の回転軸(センサ歯車)正転時において、近接センサのオン信号パルスの出力例を示すタイミングチャート(図22(a)対応図)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を、添付図面により以下に具体的に説明する。
【0017】
先ず、図1図15を参照して、実施形態の構造例について説明すると、車両運搬車Vの車体Fは、車両の骨格となって前後方向に延び且つ前部及び後部に前輪及び後輪を懸架したシャーシフレームFmと、そのシャーシフレームFm上に固定(例えば溶接、ボルト止め等)されて前後方向に延びるサブフレームFsとを備えている。シャーシフレームFm及びサブフレームFsは、前後方向に延びる左右一対の縦フレームと、その両縦フレーム間を前後に間隔をおいて結合する複数の横フレームとを各々有して、概ね梯子枠状に形成される。
【0018】
サブフレームFsの最後端の横フレームには、左右一対のローラ支持ブラケット11が突設されており、そのローラ支持ブラケット11には、図7で明らかなように、後述するチルトフレームTの左右一対の縦枠21下面をそれぞれ前後スライド可能に支持する左右一対のローラ12が回転自在に軸支される。
【0019】
上記車体Fには、車両運搬車Vで運搬される他車両を積込み・降ろし可能に積載するための車両積載装置Aが搭載される。この車両積載装置Aは、車体F後部にダンプ可能且つ前後動可能に支持されたチルトフレームTと、このチルトフレームTを強制的にダンプさせるリフト装置Lと、他車両V′を載置可能な車両載置部を有してチルトフレームT上を前後方向にスライド可能なボデーBと、そのボデーBに固定されるチェーン26を有してボデーBをチルトフレームT上で強制的にスライドさせるチェーン伝動式の前後駆動装置Dと、ボデーBのチルトフレームTに対するスライド位置を検出するセンサ装置Sと、他車両V′の積込み工程・降ろし工程に関与する前後駆動装置D及びリフト装置Lの動作モードの実行と実行時の一時停止とを指令可能なリモコン装置Rと、そのリモコン装置R及びセンサ装置Sの各出力に基づいて前後駆動装置D及びリフト装置Lを制御可能な制御装置Cとを備える。
【0020】
次に図2図14を主として参照して、車両積載装置Aの具体例を順に説明する。
【0021】
先ず、チルトフレームTは、図4で明らかなように、左右に間隔をおいて並ぶ一対の縦枠21と、その両縦枠21の相互間を前後に間隔をおいて結合する複数の横枠22とを有して梯子状に形成される。各々の縦枠21は、開口部を外側方に向けた横断面コ字状のチャンネル材で構成され、その縦枠21内には、ボデーBの前部をチルトフレームTにスムーズに前後スライドさせるのに用いる後述するローラ33(図6図10参照)が転動可能に受容される。
【0022】
また最後端の横枠22の両端は、縦枠21よりも外側方に長く延出しており、その延出部に左右一対のローラ支持ブラケット28が突設される。そして、ローラ支持ブラケット28には、ボデーBをチルトフレームTにスムーズに前後スライドさせるのに用いる後述するガイドローラ29(図4図7参照)が回転自在に軸支される。
【0023】
更に最後端の横枠22の中間部には、ガイドローラ29よりも内方側で接地用ブラケット51が下向きに突設される。この接地用ブラケット51には、チルトフレームTの傾斜角度が最大となってボデーBが地上に降ろされた状態(図13図14(B)参照)で、チルトフレームTの後端下部を地面に対しスムーズに前後動させるための接地ローラ52が回転自在に軸支される。
【0024】
チルトフレームTの前端部には、前後駆動装置Dの、チェーン26駆動用の回転駆動軸23fが回転自在に支持されると共に、その回転駆動軸23fを駆動する油圧作動式のモータMが、回転駆動軸23fと同一軸線上で固定される。尚、モータMの回転速度は、モータ駆動用の油圧制御回路により正逆転とも常に一定速度となるよう調整される。
【0025】
前後駆動装置Dは、回転駆動軸23fの中間部に間隔をおいて固定した左右一対の前部スプロケット24と、その左右の前部スプロケット24に対応してチルトフレームTの後端部に回転従動軸23r(図7参照)を介して回転自在に支持された左右一対の後部スプロケット25と、前、後部スプロケット24,25間に巻き掛けられたチェーン26と、各チェーン26の上方側をボデーBに連結する連結装置Jとを備える。
【0026】
而して、モータMの回転時に、これに連動したチェーン26の上方側の移動にボデーBが連結装置Jを介して同調し、これにより、モータMの回転に応じてボデーBを前後動させることができる。この場合、回転駆動軸23fの回転量(即ち回転数、回転角)は、ボデーBのチルトフレームTに対する前後方向のスライド量と比例関係にある。従って、後述する回転量センサRSにより、回転軸としての回転駆動軸23fの回転量を検出すれば、ボデーBのチルトフレームTに対する前進限からのスライド距離を検出可能となる。
【0027】
回転駆動軸23fは、チルトフレームTの各縦枠21の前端に固定の軸受ブラケット21bに回転自在に支持される。各々の軸受ブラケット21bは、図8で明らかなように、各縦枠21の前端に固定(例えば溶接)された前部端壁板21aにブラケット基部が結合(例えばボルト止め)される。また左右の縦枠21の後端には、その相互間を結合する後部端壁板21cが固定(例えば溶接)される。
【0028】
而して、前部端壁板21aは、ローラ33に接離可能に係合してボデーBのチルトフレームTに対する前進限を規定する前部ストッパとして機能し、また後部端壁板21cは、ローラ33に接離可能に係合してボデーBのチルトフレームTに対する後退限を規定する後部ストッパとして機能する。
【0029】
また回転駆動軸23fの右方の端部には、図21で明らかなように、周方向に一定間隔tをあけて並ぶ複数のドグ歯7a,7b,7cの配列組7Gを複数組、外周部に設けたセンサ歯車71が同心状に固定される。そして、特に右側の縦枠21の端壁板21aには、図8で明らかなように、センサ歯車71のドグ歯7a,7b,7cの接近を検出可能な近接センサ70が固定される。この近接センサ70は、ドグ歯7a,7b,7cが接近する度毎にオン・オフを交互に繰り返すパルス状の検出信号を制御装置Cに出力し、制御装置Cは、例えばオン信号のパルス幅(ドグ歯7a,7b,7cの歯幅に対応)と、オフ信号の幅(ドグ歯7a,7b,7c相互間のピッチ間隔tに対応)とに基づいて回転駆動軸23fの回転量、延いてはボデーBのチルトフレームTに対する前進限からのスライド距離を演算する。
【0030】
而して、センサ歯車71および近接センサ70は互いに協働して回転量センサRSを構成する。
【0031】
ところで本実施形態のセンサ歯車71において、上記した複数のドグ歯7a,7b,7cは、これらを検知した近接センサ70の出力パターンが、センサ歯車71の回転に伴い周期的に繰り返され且つそのセンサ歯車71の正転時と逆転時で異なるような歯形及びピッチに設定されている。一方、制御装置Cは、近接センサ70の上記出力パターンに基づいてセンサ歯車71の回転量を演算可能であり且つボデーBのスライド方向を判断可能である。
【0032】
より具体的に説明すると、実施形態のセンサ歯車71の外周部には、図21で明らかなように、歯幅が異なる3個のドグ歯7a,7b,7cをセンサ歯車71の正転時と逆転時で異なる(図示例ではドグ歯7a,7b,7cの歯幅の大小関係が逆の)配列パターンとなるように、歯幅のサイズ順に並べて配列したドグ歯配列組7Gが複数組、同一のピッチ間隔tで並設されている。
【0033】
そして、制御装置Cの記憶手段には、ドグ歯7a,7b,7cの歯幅(即ち該歯幅に応じてセンサ歯車71が出力するオン信号パルスPa,Pb,Pcのパルス幅)や、ドグ歯配列組7G相互のピッチ間隔tが予め記憶されている。而して、上記オン信号パルスPa,Pb,Pcの並び順は、図22でも明らかなように、回転軸としての回転駆動軸23f(従ってセンサ歯車71)の正転時(a)と逆転時(b)とで逆順となる。従って、それらの記憶情報と、前述の近接センサ70の出力パターンとに基づいて、制御装置Cはセンサ歯車71の回転量(即ちボデーBのスライド位置)及び回転方向(即ちボデーBのスライド方向)を何れも演算可能である。
【0034】
更に制御装置Cは、積込み工程又は降ろし工程におけるボデーBの一時停止中にリモコン装置Rの操作に依らずにボデーBがスライド、即ちずれ動いた場合に、そのずれ動き情報、即ちずれ動いた方向及び移動量が近接センサ70の上記出力パターンに基づいて演算、記憶される手段を備えている。そして、その記憶情報に基づいて、制御装置Cは、後述する如く一時停止の解除時にボデーBを一時停止の初期位置まで復帰させるか否かを判定可能であり、且つ「復帰させる」と判定した場合はボデーBが一時停止の初期位置まで復帰するよう前後駆動装置Dを制御可能である。
【0035】
尚、上記判定に際しては、一時停止中のボデーBのずれ動き量が所定限界を超えることで、一時停止解除後の工程制御の精度を低下(例えば降ろし工程でボデーBが後方にずれ動き過ぎてチルトフレームTのダンプ上げができなくなったり、或いは前方にずれ動き過ぎてダンプ上げのタイミングが早くなったり)する等の虞れがある場合には、「復帰させる」と判定する。そして、制御装置Cにおいて、上記虞れがないと判定した場合には、ボデーBは復帰動作させずに、一時停止中のボデーBのずれ動きに関する前記記憶情報に基づき、一時停止時に記憶していたボデーBの一時停止位置の初期位置を、上記ずれ動き情報(即ちずれ動きの方向・移動量)を加味して補正する。
【0036】
而して、制御装置Cは、他車両V′の積込み工程・降ろし工程の実行中は、回転量センサRSで検知した回転量に基づいてボデーBの前進限からの移動距離を演算し、且つその移動距離が所定距離となるのに応じて後述するような制御態様で前後駆動装置Dおよびリフト装置Lの動作切替えを行う。そして、その動作切替えには、後述するように傾斜角センサStの検出結果も加味される。
【0037】
次にボデーBの一例を説明する。ボデーBは、上面が他車両V′(図1参照)を載置させる車両載置部となる矩形平板状のボデー本体31と、ボデー本体31の前端上部に立設される門型のガードフレーム36と、ボデー本体31の下端に起伏回動可能に軸支されるゲートヒンジ37とを備える。ボデー本体31とゲートヒンジ37間には、ゲートヒンジ37を起立位置と伏倒位置間で任意に回動操作可能であり且つ起立位置に保持可能なクランプ機構が介装されるが、従来周知であるので、機能説明は省略する。
【0038】
またボデー本体31の下面には、下端が前記ガイドローラ29上に前後スライド可能にされる係合する受け枠33が下向きに突設される。その受け枠33は、ガイドローラ29に対応する位置に左右一対が配置されて、前後方向に長く直線状に延びている。
【0039】
また特にボデー本体31の前部下面には、図6図10で明らかなように、左右各一対のローラ支持ブラケット32が下向きに突設され、このローラ支持ブラケット32に三角状の可動支持板34の上部が相対回動可能に枢支連結される。そして、この可動支持板34の下部には、縦枠21内に転動可能に収納され且つ前後に並列した前記ローラ33が回転自在に軸支されると共に、その前後のローラ33の枢軸間において接触式の近接センサ36が下向きに突設される。
【0040】
更にローラ支持ブラケット32よりも左右中央側でボデー本体31の前部下面には、図6図8で明らかなように、チェーン連結用の左右各一対の連結ブラケット35が下向きに突設される。そして、各一対の連結ブラケット35間に連結ピン38pを介して連結された連結ブロック38bの前後両端部にチェーン26の一端部と他端部とがそれぞれピン連結される。かくして、実施形態では、前記した連結ブラケット35、連結ブロック38b及び連結ピン38pにより、前記連結装置Jが構成される。
【0041】
またボデー本体31の後端部には、ボデーBが後下がりの傾斜姿勢で接地したときに接地部となる接地ローラ39が回転自在に軸支され、これにより、この傾斜姿勢でボデーBの後端部が地面をスムーズに後方移動できるようになっている。
【0042】
更にセンサ装置Sは、ボデーBのスライド位置を直接、検知可能な、回転量センサRSから独立した第1~第4センサLSf,LSm,LSrを含む。
【0043】
第1センサとしての前進限センサLSfは、ボデーBのチルトフレームTに対する前進限を検知可能であり、それは、前記近接センサ36と、その近接センサ36の検知部と摺動可能に係合可能な前部ドグdfとで構成される。即ち、ボデーBが前進限に達するのと同時に、近接センサ36の検知部が前部ドグdfと摺接して、ボデーBの前進限への到達が近接センサ36で検知され、それと共に検知信号が制御装置Cに出力される。
【0044】
また中間位置センサLSmは、ボデーBをチルトフレームT上から地上に降ろすべく後方へスライドさせる途中で、チルトフレームTを上方にダンプさせるダンプ上げ開始位置を検知可能な第2センサとして機能するものであって、それは、近接センサ36と、近接センサ36の検知部と摺動可能に係合可能な中間ドグdmとで構成される。即ち、ボデーBがダンプ上げ開始位置に達するのと同時に、近接センサ36の検知部が中間ドグdmにそれの前端から摺接して、ボデーBのダンプ上げ開始位置への到達が近接センサ36で検知され、それと共に検知信号が制御装置Cに出力される。
【0045】
また中間位置センサLSmは、ボデーBを地上からチルトフレームT上に積み込むべく前方へスライドさせる途中で、チルトフレームTを下方にダンプさせるダンプ下げ開始位置を検知可能な第3センサとしても機能するものであって、それは、第2センサと同じく、近接センサ36と中間ドグdmとで構成される。但し、ボデーBがダンプ下げ開始位置に達するのと同時に、近接センサ36の検知部が中間ドグdmにそれの後端から摺接して、ボデーBのダンプ下げ開始位置への到達が近接センサ36で検知され、それと共に検知信号が制御装置Cに出力される。
【0046】
また第4センサとしての後退限センサLSrは、ボデーBのチルトフレームTに対する後退限を検知可能であり、それは、近接センサ36と、その近接センサ36の検知部と摺動可能に係合可能な後部ドグdrとで構成される。即ち、ボデーBが後退限に達するのと同時に、近接センサ36の検知部が後部ドグdrと摺接して、ボデーBの後退限への到達が近接センサ36で検知され、それと共に検知信号が制御装置Cに出力される。
【0047】
前部ドグdfはチルトフレームTの前端部(実施形態では軸受ブラケット21b)に、また中間ドグdmはチルトフレームTの前端寄りの中間部(実施形態では縦枠21の中間部下面に固定のブラケット21b′)に、また後部ドグdrはチルトフレームTの後端部(実施形態では縦枠21の後部下面に固定のブラケット21b″)にそれぞれ位置調節可能にボルト止めされる。
【0048】
而して、制御装置Cは、第1~第4センサLSf,LSm,LSrのうち何れかのセンサLSf,LSm,LSrで検知すべき検知位置が回転量センサRSでは検知されないのに該何れかのセンサLSf,LSm,LSrでは検知された場合には、後述するように報知手段80を報知作動させ、また、何れかのセンサLSf,LSm,LSrで検知すべき検知位置が回転量センサRSでは検知されるのに該何れかのセンサLSf,LSm,LSrでは検知されない場合にも、後述するように報知手段80を報知作動させる。
【0049】
さらに制御装置Cは、何れかのセンサLSf,LSm,LSrで検知すべき検知位置を該何れかのセンサLSf,LSm,LSrでは検知されないのに、ボデーBが該検知位置から所定距離行き過ぎた所定限界位置を回転量センサRSが検知した場合に、後述するように前後駆動装置Dおよびリフト装置Lを全停止させる。
【0050】
ところでリフト装置Lは、サブフレームFsに固定のシリンダ支持ブラケット14に一端部を相対回動可能に枢支連結p1されたリフトシリンダLcと、このリフトシリンダLcの他端部に中間部が相対回動可能に枢支連結p2されたホイストアーム40とを備える。そして、ホイストアーム40の一端部は、サブフレームFsに固定の第1アーム支持ブラケット15に相対回動可能に枢支連結p3され、またその他端部は、チルトフレームTに固定の第2アーム支持ブラケット27に相対回動可能に枢支連結p4される。
【0051】
ホイストアーム40は、リフト装置Lの作動時にチルトフレームTの角度変化よりも大きく角度変化する可動部として機能する。そして、その可動部としてのホイストアーム40の傾斜角をセンサ単体で(即ち近接センサのようなドグを必要としないで)検出可能な傾斜角センサStがホイストアーム40に固定される。この傾斜角センサStは、ホイストアーム40の傾動時に、鉛直線(即ち重力の作用方向)に対し姿勢変化するが、その姿勢変化に伴う重力加速度の変化を検出することでホイストアーム40の傾斜角を検出できるように構成される。
【0052】
実施形態のホイストアーム40は、リフトシリンダLcを左右より挟む一対の側板41と、それら側板41で挟まれた空間43をホイストアーム40の走行姿勢で上方より覆う天板42とを備える。そして、上記空間43に臨むホイストアーム40の内面に傾斜角センサStが設置され、その傾斜角センサStの検出信号は制御装置Cに出力される。
【0053】
またホイストアーム40は、これの走行姿勢(図11(A)及び図12を参照)で、傾斜角センサSt及びその周囲の空間43を下方より覆い且つ左右の側板41間を接続する底板45を備えている。この底板45は、車両走行時に下からの撥ね上げ物(例えば小石、水等)が傾斜角センサStに接触するのを抑制可能であり、またホイストアーム40の補強材としても機能する。
【0054】
制御装置Cは、チルトフレームT、従ってホイストアーム40が走行姿勢にあるとき(後述する図13(a)(b)を参照)の傾斜角センサStの検出値を基準値として記憶しており、更にチルトフレームTが所定中間角度、例えば12度にあるとき(後述する図13(c)~(e)を参照)のホイストアーム40の傾斜角度に対応した傾斜角センサStの検出値と、チルトフレームTが最大傾斜したとき(後述する図13(f)を参照)のホイストアーム40の傾斜角度に対応した傾斜角センサStの検出値とを記憶している。そして、それら基準値と検出値とを比較することでホイストアーム40の傾斜角を算出し、その算出した傾斜角から、チルトフレームTが所定中間角度(例えば12度)或いは最大傾斜角となったことを検知できるため、この検知結果も加味して前後駆動装置Dおよびリフト装置Lの動作切替えを後述する制御態様で実行する。
【0055】
またサブフレームFs上の第1アーム支持ブラケット15には、ホイストアーム40が最大傾斜したことを検知するための近接センサ46が固定され、この近接センサ46は、ホイストアーム40の天板42に固定のドグ42dとホイストアーム40の最大傾斜時に係合することで上記検知となり、その検知信号を制御装置Cに出力する。而して、近接センサ46及びドグ42dにより最大傾斜検知センサLStが構成される。
【0056】
車両運搬車Vの運転室には、前後駆動装置Dおよびリフト装置Lを作動制御可能なマイクロコンピュータを含む制御装置Cを内蔵した不図示の制御盤が設置される。そして、この制御盤には、例えば、電源オンオフ用のメインスイッチSWmと、前後駆動装置Dおよびリフト装置Lを一時停止させる停止スイッチSWeと、ボデーBをチルトフレームT上から地上に降ろす降ろし工程を指令する降ろしスイッチSWoと、ボデーBを地上からチルトフレームT上に積込む積込み工程を指令する積込スイッチSWiとが、任意に操作入力可能に設けられる。これらスイッチSWm,SWe,SWo,SWiは、互いに協働して前記したリモコン装置Rを構成するものであって、図15で明らかなように制御装置Cに各々接続される。
【0057】
特に実施形態の降ろしスイッチSWoは、これが押された状態でのみ降ろし工程が実行され、その実行中に降ろしスイッチSWoから手を放すと降ろし工程が一時停止するように構成される。また積込スイッチSWiは、これが押された状態でのみ積込み工程が実行され、その実行中に積込スイッチSWiから手を放すと積込み工程が一時停止するように構成される。従って、工程の実行中、降ろしスイッチSWo又は積込スイッチSWiから単に手を放すだけで、停止スイッチSWeに依らずとも降ろし工程又は積込み工程を一時停止させることができる。尚、上記した降ろし工程又は積込み工程の一時停止状態で、降ろしスイッチSWo又は積込スイッチSWiを再度押せば、降ろし工程又は積込み工程を再開させることができる。
【0058】
尚、上記実施形態のリモコン装置Rの変形例として、降ろしスイッチSWoは、これが押されると降ろし工程が開始し、その後に手を放しても降ろし工程が工程最後まで継続するように構成してもよい。また積込スイッチSWiは、これが押されると積込み工程が開始し、その後に手を放しても積込み工程が工程最後まで継続するように構成してもよい。この変形例において、降ろし工程又は積込み工程の実行中に停止スイッチSWeが押されると、実行中の降ろし工程又は積込み工程を一時停止させることができるが、その一時停止の状態で降ろしスイッチSWo又は積込スイッチSWiを押せば、降ろし工程又は積込み工程を再開させることができる。
【0059】
また制御装置Cには、前述の各種センサRS,LSf,LSm,LSr,Stが接続されて各々の検出信号を受けるようになっている。また制御装置Cには、前述のモータMを正,逆回転させるべく車載の油圧制御回路に設けた電磁式のモータ駆動用油圧制御バルブVmや、リフトシリンダLcを伸縮作動させるべく車載の油圧制御回路に設けた電磁式のリフトシリンダ駆動用油圧制御バルブVc、更にはセンサ類の不調を報知するための報知手段としての報知ランプ80(図15参照)等が接続される。
【0060】
尚、それら油圧制御バルブVm,Vcには、これを、車両運搬車Vのメンテナンス時等に作業員がリモコン装置Rや制御装置Cとは無関係に手動操作するための従来周知の操作部(図示せず)が各々付設される。
【0061】
ところでセンサ類の不調態様としては、次のような態様がある。例えば、回転量センサRSでは、センサ歯車71のドグ歯が一部欠けたり、チルトフレームTの振動衝撃等に因り一部のドグ歯を近接センサ70が検知ミス(即ち歯飛び)することが考えられる。また近接センサ70自体の故障の他、近接センサ70の取付位置のずれでドグ歯が検知不能となり又は検知し放しとなる事態も考えられる。
【0062】
一方、前進限センサLSf、中間位置センサLSmおよび後退限センサLSrの不調態様としては、例えば、近接センサ36自体の故障の他、近接センサ36の取付位置のずれ、或いはドグdf,dm,drの変形や位置ずれに因り、近接センサ36がドグdf,dm,drを検知不能となったり、正規位置とは異なる位置で検知してしまう事態が考えられる。
【0063】
尚、報知手段としては、報知ランプ80に代えて/又は加えて、報知ブザー、スピーカ等の報知音発生器を用いてもよい。また報知手段は、制御盤に設けてもよいし、或いは制御盤の外に設けてもよい。
【0064】
尚また、制御盤は、運転室に加えて/又は、運転室外の車両外板の適所あるいはボデーBに設けてもよい。また制御盤の少なくともスイッチ類や報知手段(報知ランプ80)は、制御盤から分離可能な有線式又は無線式のリモコン装置に設けてもよい。
【0065】
次に前記実施形態の作用を説明する。
【0066】
車両運搬車Vの車両積載装置Aにおいては、その走行姿勢では図1図13(a)に例示したように、サブフレームFs上に伏倒状態のチルトフレームTが搭載され、更にそのチルトフレームT上に、前進限に在って伏倒状態のボデーBが搭載される。そして、ボデーB上に載せた他車両V′を車両運搬車Vにより運搬可能である。
【0067】
この走行姿勢からボデーB(従って、その上の他車両V′)を地上に降ろす工程が、図13に時系列的に示される。
【0068】
その工程の概要を簡単に説明すると、先ず、前後駆動装置Dの正転によりボデーBをチルトフレームTに対し前進限より後方にスライドさせる。このスライドにより、図13(b)に示すようにボデーBの前進限からの移動距離が所定距離に達すると、これを回転量センサRSが検知し、その検知結果に基づいて制御装置Cが前後駆動装置Dを停止させると共に、リフト装置LでチルトフレームTをボデーBと一緒に上方にダンプさせる。
【0069】
尚、ボデーBを所定距離後退させてからチルトフレームTをダンプ上げする理由は、ボデーBの重心位置を後方に偏位させることで、チルトフレームTをガイドローラ12回りにダンプ上げする際のリフト装置Lの負荷を軽減するためである。
【0070】
そして、図13(c)に示すように、チルトフレームTの傾斜角が所定中間角度に達するのを傾斜角センサStが検知すると、その検知結果に基づいて制御装置Cがリフト装置Lを停止させると共に前後駆動装置Dの正転を再開させてボデーBを再び後方スライドさせる。
【0071】
そのボデーBの後方スライドに伴い、図13(d)に示すようにボデーBの後端部(より具体的には接地ローラ39)が接地すると、それ以後はボデーBが地面とチルトフレームTの両方で支持された支持形態となり、その支持形態でボデーBが更に後方にスライドする。
【0072】
そして、図13(e)に示すようにボデーBがチルトフレームTに対する後退限に達すると、これを後退限センサLSrが検知し、その検知結果に基づいて制御装置Cは、前後駆動装置Dを停止させると共に、リフト装置LによりチルトフレームTを再び上方にダンプさせる。その後、図13(f)に示すようにチルトフレームTが最大傾斜角に達したことを傾斜角センサStが検知すると、その検知結果に基づいて制御装置Cは、リフト装置Lを停止させる。尚、このとき、チルトフレームT後端の接地ローラ52が、図14(B)で明らかなように、接地状態に置かれる。
【0073】
尚、上記した図13(d)~(f)の何れの段階でも、他車両V′をボデーBに積み込んだり或いはボデーBから降ろしたりすることが可能であり、その積み降ろしの場合には、ボデーB後端のゲートヒンジ37を開いておき、この場合は、ゲートヒンジ37が、他車両V′の乗り入れをスムーズにする渡り板として機能する。これに対し、他車両V′の積み降ろしを行わないで図13(d)~(f)の工程を実行する場合には、ゲートヒンジ37は、これが開いたままだと地面と擦れて損傷する虞れがあるため、閉じ位置に保持しておく。
【0074】
また特に図13(f)の状態では、チルトフレームTに対し後退限にあるボデーBが略水平な接地状態となるため、ボデーBへの他車両V′の乗り入れが無理なく行われる。
【0075】
尚、図13(f)の状態から図13(a)の状態となるまでの積込工程については、前記した降ろし工程と逆の手順を行えばよい。
【0076】
以上概要を説明した降ろし工程及び積込工程のより具体的な制御態様を、図16図19のフローチャートで説明する。ここで図16及び図17のフローチャートは、チルトフレームTに対するボデーBの前後スライド位置の検知に回転量センサRSに加えて、近接センサ(即ち前進限センサLSf,中間位置センサLSm,後退限センサLSr)を併用した第1制御例に相当し、また図18及び図19のフローチャートは、チルトフレームTに対するボデーBの前後スライド位置の検知に回転量センサRSのみを用い、近接センサ(即ち前進限センサLSf,中間位置センサLSm,後退限センサLSr)を併用しない第2制御例に相当する。
【0077】
尚、回転量センサRSが検出する回転量は、ボデーBの前進限からの移動距離と換算可能であり、この移動距離は、以下の制御態様の説明において、単に「回転量センサRSの検出距離」と呼び、このときの数字の単位はミリメートルである。
【0078】
また、第2制御例に特化する実施形態の場合は、図15に示す制御ブロック図において、近接センサ(即ち前進限センサLSf,中間位置センサLSm,後退限センサLSr)が省略される。
[第1制御例による降ろし工程]
制御盤でメインスイッチSWmが押された後、降ろしスイッチSWoが押されると、ステップS1で前後駆動装置DのモータMが正転開始して、ボデーBを後方スライドさせる。次いで、ステップS2で回転量センサRSの検出距離が1100以上か?を判断し、そこでイエスならばステップS3に進んで中間位置センサLSm(第2センサ)がオンか?を判断する。
【0079】
ステップS3でイエスならば、ステップS4に進んで回転量センサRSの検出距離が正規距離1300に達したか?を判断し、そこでイエスならば、ステップS5に進んで報知作動を解除した後、ステップS6に進んでモータMを停止させると共にリフトシリンダLcを伸長させる。次いで、ステップS7に進んで、傾斜角センサStの検出角度が所定中間角度(例えばボデーBの傾動角が12度)に達したか?を判断し、そこでイエスならば、ステップS8に進んでリフトシリンダLcを停止させると共にモータMを再度正転させてボデーBを再び後方スライドさせる。次いで、ステップS9に進んで、回転量センサRSの検出距離が4200以上か?を判断し、そこでイエスならばステップS10に進んで、後退限センサLSr(第4センサ)がオンか?を判断する。
【0080】
ステップS10でイエスならば、ステップS11に進んで回転量センサRSの検出距離が正規距離4400に達したか?を判断し、そこでイエスならば、ステップS12に進んで報知作動を解除した後、ステップS13に進んでモータMを停止させると共にリフトシリンダLcを再度伸長させる。次いで、ステップS14に進んで、傾斜角センサStの検出角度が最大傾斜角に達したか?を判断し、そこでイエスならば、ステップS15に進んでリフトシリンダLcを停止させてエンドとなる。
【0081】
ところでステップS4でノーならば、ステップS21に進んで、報知手段80を報知作動させると共に回転量センサRSの検出距離を正規距離1300に補正した後、ステップS6に戻る。
【0082】
またステップS11でノーならば、ステップS22に進んで、報知手段80を報知作動させると共に回転量センサRSの検出距離を正規距離である4400に補正した後、ステップS13に戻る。
【0083】
またステップS14でノーならば、ステップS23に進んで最大傾斜検知用近接センサLStがオン?かを判断される。ステップS23でイエスならばステップS15に進み、またノーならばステップS14に戻る。
【0084】
またステップS3でノーならば、ステップS31に進んで、回転量センサRSの検出距離が正規距離1300に達したか?を判断し、そこでイエスならばステップS32に進んで報知手段80を報知作動させた後、ステップS33に進む。ステップS33では、回転量センサRSの検出距離が限界距離1500に達したか?を判断し、そこでイエスならばステップS34に進んで、モータM及びリフトシリンダLcを全停止させる。尚、ステップS31及びステップS33でノーならば、何れもステップS3に戻る。
【0085】
またステップS10でノーならば、ステップS36に進んで、回転量センサRSの検出距離が正規距離4400に達したか?を判断し、そこでイエスならばステップS32に進んで報知手段80を報知作動させた後、ステップS37に進んで報知手段80を報知作動させてから、ステップS13に戻る。またステップS36でノーならば、ステップS10に戻る。
【0086】
以上のような降ろし工程の第1制御例では、ステップS32の後で、全停止の要否を判断するステップS33に進むが、図示しない別の制御例として、ステップS32から、ステップS33に進まないでステップS6に進む制御態様も実施可能である。この別の制御例では、ステップS3で中間位置センサLSmが非検知と判断されても、ステップS31で回転量センサRSが正規距離1300を検知するのに応じてステップS32で報知手段80を報知作動させた後、直ちにステップS6に進めることで、以後の処理手順が継続される。またステップS2及び/又はS9は、省略してもよい。
[第1制御例による積込工程]
制御盤でメインスイッチSWmが押された後、積込スイッチSWiが押されると、ステップS101でリフトシリンダLcが収縮を開始して、チルトフレームTを下方にダンプさせる。次いで、ステップS102で傾斜角センサStが中間開度(例えばボデーBの傾動角が12度)に達したか?を判断し、そこでイエスならばステップS103に進んで、リフトシリンダLcを停止させると共に、前後駆動装置DのモータMを逆転させてボデーBをチルトフレームTに対し前方へスライドさせる。
【0087】
次いでステップS104に進んで、回転量センサRSの検出距離が1500以下か?を判断し、そこでイエスならばステップS105に進んで中間位置センサLSm(第2センサ)がオンか?を判断する。ステップS105でイエスならば、ステップS106に進んで回転量センサRSの検出距離が正規距離1300に達したか?を判断し、そこでイエスならば、ステップS107に進んで報知作動を解除した後、ステップS108に進んで、モータMを停止させると共にリフトシリンダLcを再び収縮させる。
【0088】
次いで、ステップS109に進んで、傾斜角センサStの検出角度が最小角度(例えば0度)に達したか?を判断し、そこでイエスならば、ステップS110に進んで、リフトシリンダLcを停止させると共にモータMを再度逆転させてボデーBを再び前方スライドさせる。しかる後、ステップS111に進んで、回転量センサRSの検出距離が前進限手前の200以下になったか?を判断し、そこでイエスならばステップS112に進んで、前進限センサLSf(第1センサ)がオンか?を判断する。
【0089】
そして、ステップS112でイエスならば、ステップS113に進んで、リフトシリンダLcを停止させ、エンドとなる。
【0090】
ところでステップS106でノーならば、ステップS121に進んで、報知手段80を報知作動させると共に回転量センサRSの検出距離を正規距離1300に補正した後、ステップS108に戻る。
【0091】
またステップS105でノーならば、ステップS131に進んで、回転量センサRSの検出距離が正規距離1300以下となったか?を判断し、そこでイエスならばステップS132に進んで報知手段80を報知作動させた後、ステップS133に進む。ステップS133では、回転量センサRSの検出距離が限界距離1000以下となったか?を判断し、そこでイエスならばステップS134に進んで、モータM及びリフトシリンダLcを全停止させる。尚、ステップS131及びステップS133でノーならば、何れもステップS105に戻る。
【0092】
以上の積込み処理工程では、ステップS132の後で、全停止の要否を判断するステップS133に進むが、図示しない別の制御例として、ステップS132から、ステップS133に進まないでステップS108に進む制御態様も実施可能である。この別の制御例では、ステップS105で中間位置センサLSmが非検知と判断されても、ステップS131で回転量センサRSが正規距離1300を検知するのに応じてステップS132で報知手段80を報知作動させた後、直ちにステップS108に進めることで、以後の処理手順が継続される。またステップS104及び/又はS111は、省略してもよい。
[第2制御例による降ろし工程]
制御盤でメインスイッチSWmが押された後、降ろしスイッチSWoが押されると、ステップS201で前後駆動装置DのモータMが正転開始して、ボデーBを後方スライドさせる。次いで、ステップS202に進んで、回転量センサRSの検出距離が正規距離1300に達したか?を判断し、そこでイエスならば、ステップS203に進んで、モータMを停止させると共にリフトシリンダLcを伸長させる。
【0093】
次いで、ステップS204に進んで、傾斜角センサStの検出角度が所定中間角度(例えばボデーBの傾動角が12度)に達したか?を判断し、そこでイエスならば、ステップS205に進んでリフトシリンダLcを停止させると共にモータMを再度正転させてボデーBを再び後方スライドさせる。その後、ステップS206に進んで、回転量センサRSの検出距離が正規距離4400に達したか?を判断し、そこでイエスならば、ステップS207に進んで、モータMを停止させると共にリフトシリンダLcを再度伸長させる。
【0094】
しかる後、ステップS208に進んで、傾斜角センサStの検出角度が最大傾斜角に達したか?を判断し、そこでイエスならば、ステップS209に進んでリフトシリンダLcを停止させてエンドとなる。
[第2制御例による積込工程]
制御盤でメインスイッチSWmが押された後、積込スイッチSWiが押されると、ステップS211でリフトシリンダLcが収縮を開始して、チルトフレームTを下方にダンプさせる。次いで、ステップS212で傾斜角センサStが中間開度(例えばボデーBの傾動角が12度)に達したか?を判断し、そこでイエスならばステップS213に進んでリフトシリンダLcを停止させると共に、前後駆動装置DのモータMを逆転させてボデーBをチルトフレームTに対し前方へスライドさせる。
【0095】
次いでステップS214に進んで、回転量センサRSの検出距離が正規距離1300に達したか?を判断し、そこでイエスならば、ステップS215に進んで、モータMを停止させると共にリフトシリンダLcを再び伸長させる。
【0096】
次いで、ステップS216に進んで、傾斜角センサStの検出角度が最小角度(例えば0度)に達したか?を判断し、そこでイエスならば、ステップS217に進んで、リフトシリンダLcを停止させると共にモータMを再度逆転させてボデーBを再び前方スライドさせる。しかる後、ステップS218に進んで、回転量センサRSの検出距離が0になったか?を判断し、そこでイエスならばステップS219に進んでリフトシリンダLcを停止させ、エンドとなる。
[工程の一時停止中におけるボデーずれ動きに対応する制御例]
ところで降ろし工程又は積込み工程の実行中において、リモコン装置Rで工程を一時停止させた状態でボデーBが万一、ずれ動いた場合には、そのずれ動きが、一時停止の解除後にリモコン操作で工程を再開させたときの制御に影響が及ぶ虞れがある。そこで本実施形態では、図20のフローチャートで例示したような、ボデーずれ動きに対応する制御装置Cによる制御例が実行される。次に、その制御例について説明する。
【0097】
先ず、降ろし工程又は積込み工程の実行中に作業員が、工程を一時停止させるべくリモコン操作を止めると、ステップS301に進んで、実行中の工程(従ってボデーB)が一時停止状態に置かれる。次いで、ステップS302に進んで、一時停止解除のためにリモコン操作が再開されたかが判断され、再開されていなければステップS303に進んで、ボデーBが一時停止中にずれ動いているかが判断され、ずれ動いていなければステップS301に戻る。
【0098】
そして、ステップS303で、ボデーBが一時停止中にずれ動いていると判断された場合には、ステップS304に進んで、ずれ動き中の回転量センサRS(近接センサ70)の出力パターンが制御装置Cの記憶手段に読込まれ、次いでステップS305に進む。このステップS305では、ボデーBのずれ動きが終了したかが判断され、終了した場合はステップS301に戻り、終了してない場合はステップS304に戻って上記出力パターンの読込みが継続される。
【0099】
また前記ステップS302で、一時停止解除のためにリモコン操作が再開されたと判断された場合は、ステップS306に進んで、一時停止中にボデーBのずれ動きが生じたか(即ち一時停止中における前記出力パターンの読込み履歴が有ったか)が判断され、ずれ動きが生じた場合はステップS307に進んで、一時停止中の前記出力パターンの読込み履歴に基づきボデーBのずれ動き情報(即ちボデーBがずれ動いた移動方向と移動量)を制御装置Cが演算する。
【0100】
次いでステップS308に進んで、上記ずれ動き情報の演算結果から、一時停止解除時にボデーBを当初の一時停止位置(即ち一時停止の初期位置)に復帰させる必要が有るか判断され、そこでボデーBを復帰させる必要が無いと判断された場合は、ステップS309に進む。そして、このステップS309では、制御装置Cの記憶手段に記憶済みのボデーBの当初の一時停止位置が、実際の位置(即ちずれ動き後の位置)に修正されるように上記ずれ動き情報の演算結果に基づいて補正される。しかる後に、ステップS310に進んで、一時停止中の工程が再開される。
【0101】
ところで前記ステップS308で、上記ずれ動き情報の演算結果からボデーBを当初の一時停止位置(即ち一時停止の初期位置)に復帰させる必要が有ると判断された場合には、ステップS311に進む。このステップS311では、上記ずれ動き情報の演算結果に基づいて前後駆動装置D(モータM)を作動制御してボデーBを当初の一時停止位置に復帰移動させ、その復帰移動後にステップSステップS310に進んで、一時停止中の工程が再開される。
【0102】
尚、ステップS311では、ボデーBの復帰移動中に、その旨を前記報知手段80で、或いは別の報知手段で報知、警報するようにしてもよい。
【0103】
以上説明した実施形態によれば、ボデーBをチルトフレームTに対し強制スライドさせる前後駆動装置Dが、チェーン26を駆動するための回転軸としての回転駆動軸23fを有すると共に、その回転駆動軸23fの回転量を回転量センサRSで検知し、この検知した回転量に基づいてボデーBの前進限からの移動距離を演算し、且つその移動距離が所定距離となるのに応じて前後駆動装置D及びリフト装置の動作切替えを行うため、ボデーBの前進限からの移動距離を回転量センサRSできめ細かく検知可能となり、その検知結果に基づいて動作切替えが的確に行われる。
【0104】
これにより、従来構造のように複数の動作切替え位置を複数のリミットスイッチ(近接スイッチ)でピンポイント的に検知する場合と比べ、ボデーBのスライド途中でチルトフレームTが受ける振動・衝撃等に因る検知見逃しのリスク(従って上記動作切替えが実行されないリスク)を効果的に軽減可能となるため、例えば、ボデーBの降ろし動作中の検知見逃しでボデーBがダンプせずに後退限まで後方スライドしてしまう不都合や、ボデーBの積み込み動作中の検知見逃しでボデーBがダンプ状態のまま前進限まで前方スライドしてしまう不都合の抑制に効果的である。
【0105】
また実施形態のセンサ装置Sは、回転量センサRSに加えて、ボデーBの前進限を検知する第1センサとしての前進限センサLSfと、ボデーBを降ろすべく後方へスライドさせる途中でのダンプ上げ開始位置を検知する第2センサとしての中間位置センサLSmと、ボデーBを地上から積み込むべく前方へスライドさせる途中でのダンプ下げ開始位置を検知する第3センサとしての中間位置センサLSmと、ボデーBの後退限を検知する第4センサとしての後退限センサLSrとを含む。
【0106】
そして、第1~第4センサLSf,LSm,LSrのうち何れかのセンサLSf,LSm,LSrで検知すべき検知位置が回転量センサRSでは検知されないのに該何れかのセンサLSf,LSm,LSrでは検知された場合には、第1制御例(図16のステップS21,図17のステップS121)で明らかなように、制御装置Cが報知手段80を報知作動させる。これにより、第1~第4センサLSf,LSm,LSrの何れかと回転量センサRSとの検知結果が不一致となる状況、特に上記検知位置が回転量センサRSでは非検知なのに第1~第4センサLSf,LSm,LSrの何れかでは検知となる状況では報知がなされるため、回転量センサRSの不調を見つけ易くなる。
【0107】
また上記した検知位置が、回転量センサRSでは検知されるのに上記何れかのセンサLSf,LSm,LSrでは検知されない場合にも、第1制御例(図16のステップS32,図17のステップS132)で明らかなように、制御装置Cが報知手段80を報知作動させる。これにより、第1~第4センサLSf,LSm,LSrの何れかと回転量センサRSとの検知結果が不一致となる状況、特に上記検知位置が回転量センサRSでは検知されるのに第1~第4センサLSf,LSm,LSrの何れかでは非検知となる状況では報知がなされるため、第1~第4センサLSf,LSm,LSrの何れかの不調を見つけ易くなる。
【0108】
また特に上記検知位置を、第1~第4センサLSf,LSm,LSrの何れかでは検知されないのに、ボデーBが該検知位置から所定距離行き過ぎた所定限界位置を回転量センサRSが検知した場合には、第1制御例(図16のステップS33及びS34,図17のステップS133及びS134)で明らかなように、第1~第4センサLSf,LSm,LSrの何れかと回転量センサRSとの一方に不具合が発生したものとして、前後駆動装置D及びリフト装置を自動的に全停止させる。これにより、例えば、第1~第4センサLSf,LSm,LSrの何れかが検知位置を見逃してボデーBが過剰にスライドした状況でもボデーBの前後スライド動作やチルトフレームTの傾動動作を自動停止させることができ、作業の安全性がより高められる。
【0109】
ところで実施形態のリフト装置Lは、これの作動時にチルトフレームTの角度変化よりも大きく角度変化する可動部としてのホイストアーム40を有すると共に、そのホイストアーム40に、これの傾斜角を重力加速度変化で検出する傾斜角センサStが設置され、制御装置Cは、傾斜角センサStの検出角からチルトフレームTの傾斜角が所定角度であることを検知すると、前後駆動装置Dおよびリフト装置の動作切替えを行う。
【0110】
これにより、チルトフレームTがリフト装置Lでダンプする際に、傾斜角センサStは、チルトフレームTの角度変化よりも大きく角度変化するホイストアーム40の傾斜角を重力加速度変化に基づき検出可能となるため、その検出角から、チルトフレームTの傾斜角が上記動作切替えを行うべき所定角度であることを精度よく検知可能となる。しかも傾斜角センサStは、これ単体をホイストアーム40に単に取付けるだけでよいから、ドグおよびセンサ本体の2部品を有する近接センサを用いた従来構造と比べ、取付作業が頗る簡素化され、2部品相互の微調整作業も不要となる。以上の結果、重力加速度変化を利用した傾斜角センサStの利点を生かしながら、その欠点も克服できて、チルトフレームTの傾斜角を十分な精度で検知可能となる。
【0111】
さらに実施形態のホイストアーム40は、リフトシリンダを左右より挟む一対の側板41と、それら側板41で挟まれた空間43をホイストアーム40の走行姿勢で上方より覆う天板42とを備えていて、その空間43に臨むホイストアーム40の内面に傾斜角センサStが設置されるため、ホイストアーム40の強度を得るための天板42および両側板41が傾斜角センサStの雨除けカバーに兼用できる。これにより、傾斜角センサStを覆う専用の雨除けカバーが不要となり、それだけコスト節減が図られる。
【0112】
またチルトフレームTは、これの縦枠21が、図6及び図7で明らかなようにサブフレームFs後部に軸支したガイドローラ29上と、サブフレームFs前部の横フレーム上とにそれぞれ接離可能に載置されるため、振動・衝撃によりチルトフレームTが振れ易い傾向があり、従ってその傾斜角度も振れ易くなっている。これに対し、リフト装置LのリフトシリンダLcやホイストアーム40は、各々の基端がサブフレームFsに枢支連結p1,p3されるため、各々の傾斜角度が振れにくい。そのため、ホイストアーム40に固定の傾斜角センサStは、チルトフレームTに近接センサを設けた傾斜角センサよりも、より正確に傾斜角度を検出可能である。
【0113】
ところで実施形態では、ボデーBをチルトフレームTに対し強制スライドさせる前後駆動装置Dが、チェーン26駆動用の回転駆動軸23fを有すると共に、その回転駆動軸23fの回転量を検知可能な回転量センサRSが、複数のドグ歯7a,7b,7cを外周部に有して回転駆動軸23fに連動回転するセンサ歯車71と、ドグ歯7a,7b,7cを検知可能な近接センサ70とを備え、特に複数のドグ歯7a,7b,7cは、これらを検知した近接センサ70の出力パターンが、センサ歯車71の回転に伴い周期的に繰り返され且つそのセンサ歯車71の正転時と逆転時で異なるような歯形及びピッチに設定され、制御装置Cは、近接センサ70の出力パターンに基づいて回転駆動軸23f即ちセンサ歯車71の回転量(即ちボデーBのスライド量)を演算可能であり且つその回転方向(即ちボデーBのスライド方向)を演算し判断可能である。
【0114】
そして、ボデーBの降ろし工程又は積込み工程の途中でリモコン操作により工程を一時停止させている最中に、何らかの原因でボデーBが一時停止位置よりずれ動いた場合に、制御装置Cは、近接センサ70の特徴的な出力パターンに基づいて、ボデーBの当初の一時停止位置からのずれ動き情報(即ちずれ動きの方向やずれ動き量)を的確に認識可能である。従って、このずれ動き情報を活用することで、一時停止の解除後における工程制御の精度を高めることが可能となる。次にその作用効果を具体的に説明する。
【0115】
即ち、実施形態のセンサ歯車71の外周部には、歯幅が異なる複数のドグ歯7a,7b,7cがセンサ歯車71の正転時と逆転時で異なる並び順(図21参照)となるように配列される。このため、各ドグ歯7a,7b,7cの歯幅の違いに応じて近接センサ70が出力する、パルス幅の異なるパルスPa,Pb,Pcの配列パターン即ち並び順は、図22で明らかなように、センサ歯車71の正転時と逆転時で異なる(即ち逆の並び順となる)。そして、制御装置Cは、各ドグ歯7a,7b,7cの歯幅の違いに応じて近接センサ70が出力する、パルス幅の異なるパルスの配列パターンが正転時と逆転時で異なる事象を利用して、ボデーBの上記ずれ動き情報を認識可能となる。しかもドグ歯7a,7b,7cの歯幅を異ならせ且つ特定の配列パターンとするだけの簡単な構造で、上記ずれ動き情報の認識を的確に行えるため、コスト節減に寄与することができる。
【0116】
その上、実施形態の制御装置Cは、上記工程の一時停止中にリモコン装置Rの操作に依らずにボデーBが万一ずれ動いたような場合でも、そのずれ動き情報(即ち、ずれ動き方向・ずれ動き量、具体的には回転駆動軸23fの回転方向・回転量)を記憶する記憶手段を有していて、その記憶に基づいて、一時停止の解除時にボデーBを当初の一時停止位置まで復帰させるか否かを判定可能(前記ステップS308を参照)であり、且つ復帰させると判定した場合はボデーBが当初の一時停止位置まで復帰するよう前後駆動装置Dを制御可能(前記ステップS311を参照)である。
【0117】
このように制御装置Cは、上記一時停止中にリモコン操作無しでボデーBがずれ動いた場合に、近接センサ70の特徴的な出力パターンに基づいてボデーBの上記ずれ動き情報を認識可能となるばかりか、その認識情報に基づいて、一時停止の解除時にボデーBを当初の一時停止位置まで復帰させるか否かを判定できる。しかも復帰させると判定した場合はボデーBを当初の一時停止位置まで容易且つ的確に復帰動作させることができ、これにより、一時停止解除後に再開される工程の制御精度が高められる。
【0118】
尚、前記実施形態では、歯幅が異なる3個のドグ歯7a,7b,7cがセンサ歯車71の正転時と逆転時で異なる配列パターンとなるように配列(即ち歯幅のサイズ順に並べて配列)したドグ歯配列組7Gを複数組(8組)、同一のピッチ間隔tで配列したものを示したが、ドグ歯配列組7Gの1組当たりのドグ歯の数は4個以上でもよい。或いはまた、1個のセンサ歯車71に設けられるドグ歯配列組7Gの組数は、実施形態に限定されず、特に歯幅が異なる多数のドグ歯を有したドグ歯配列組7Gの場合は、実施形態より少ない組数でもよく、例えば1組でもよい。
【0119】
尚また、複数のドグ歯7a,7b,7cを検知するセンサ歯車71の出力パルス信号は、前記実施形態のようにパルス幅の異なるオン信号のみの出力パターンであってもよいし、或いは図23(a′)に例示したようにパルス幅の異なるオフ信号のみの出力パターンであってもよい。
【0120】
或いはまた、図23(a″)に例示したようにオン信号とオフ信号とを組み合わせた出力パターンであってもよく、この場合は、ドグ歯配列組7Gの1組当たりの、歯幅の異なるドグ歯の数は、図示例のように2個であっても成立する。即ち、オン信号のパルス幅(図23(a″)の例では「大」「小」の幅)と、オフ信号のパルス幅(同じく「中」の幅)とを組み合わせ使用することで、歯幅の異なるドグ歯の数が2個であっても、センサ歯車71の正転時の出力パターンと逆転時の出力パターンとを区別、認識できて、その回転方向を判定可能である。
【0121】
ところで図24には、前記実施形態のセンサ歯車71の変形例が示される。この変形例は、実施形態のセンサ歯車71のドグ歯配列組7Gのような、歯幅が異なる複数のドグ歯7a,7b,7cの組に代えて、それらドグ歯7a,7b,7cの歯幅サイズの大小に応じた個数で且つ更に小さい同一歯幅の小ドグ歯7a′,7b′,7c′の集合体7Ga,7Gb,7Gcの組が用いられる。
【0122】
そして、この変形例では、小ドグ歯7a′,7b′,7c′の集合体7Ga,7Gb,7Gcが、周方向で一定間隔t″置きに配列される。また特に小ドグ歯7a′,7b′が各々複数ある小ドグ歯集合体7Ga,7Gbにおいては、各複数の小ドグ歯7a′,7b′が、前記一定間隔t″よりも小さく且つ同一の小ピッチ間隔t′置きに配列される。尚、変形例のその他の構成は、前記実施形態の車両運搬車Vの構成と同様である。
【0123】
而して、この変形例において、制御装置Cは、各集合体7Ga,7Gb,7Gcの小ドグ歯7a′,7b′,7c′を近接センサ70が検知して小刻みに出力する小パルスPa′,Pb′,Pc′の周期的な発生パターン(換言すれば、各々の小ドグ歯集合体7Ga,7Gb,7Gcに対応した出力パルス数)が、図24で明らかなように、センサ歯車71の正転時と逆転時で異なることを利用して、ボデーBの一時停止位置からのずれ動き情報(即ち、ずれ動き方向やずれ動き量)を認識可能となる。
【0124】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施形態を実施可能である。
【0125】
例えば、前記実施形態では、第1~第4センサLSf,LSm,LSrのうち何れかのセンサLSf,LSm,LSrで検知すべき検知位置が、回転量センサRSでは検知されないのに該何れかのセンサLSf,LSm,LSrでは検知された第1の場合、並びに回転量センサRSでは検知されるのに該何れかのセンサLSf,LSm,LSrでは検知されない第2の場合の何れの場合でも、制御装置Cが報知手段80を報知作動させるものを示したが、本発明では、第1の場合には報知作動させるが、第2の場合には報知作動させないようにしてもよく、或いはその逆に、第2の場合には報知作動させるが、第1の場合には報知作動させないようにしてもよい。
【0126】
また前記実施形態では、中間位置センサLSmが、第2センサ(即ち降ろし過程のスライド途中で、チルトフレームTを上方にダンプさせるダンプ上げ開始位置を検知可能なセンサ)と、第3センサ(即ち積込み過程のスライド途中で、チルトフレームTを下方にダンプさせるダンプ下げ開始位置を検知可能なセンサ)とに兼用されるものを示したが、第2,第3センサを別々のセンサとして実施してもよい。
【0127】
また前記実施形態では、第1センサとしての前進限センサLSfと、第2・第3センサとしての中間位置センサLSmと、第4センサとしての後退限センサLSrとを何れも用いたものを示したが、これらセンサLSf,LSm,LSrを全て省略した別の実施形態(即ち図18図19に示す第2制御例)も実施可能であり、或いはまた、これらセンサLSf,LSm,LSrの少なくとも1つだけを用いた更に別の実施形態も実施可能である。
【0128】
また前記実施形態では、回転量センサRSが回転量を検出する回転軸として、モータMに同軸配置されて直結駆動される回転駆動軸23fを例示したが、本発明の回転軸としては、モータMと同軸配置されない回転駆動軸23f(即ちモータに連動機構を介して連動回転する回転駆動軸)であってもよく、或いは、少なくともチェーン26と連動回転する他の回転軸、例えばチルトフレームTの後端部に位置する回転従動軸23rや、チルトフレームTの前後中間に位置してチェーン26と連動回転する中間スプロケット付き中間軸であってもよい。
【0129】
また前記実施形態では、降ろし工程・積込み工程の制御に当たり、前後駆動装置D及びリフト装置Tの動作切替え制御に必要となるボデーBのスライド位置の検知を、前後駆動装置Dの、チェーン26と連動回転する回転軸としての回転駆動軸23f(センサ歯車71)の回転量を検知する回転量センサRのみで行うか、或いはボデーBが所定スライド位置に来たことを直接検知可能な複数のリミットスイッチ(第1~第4センサLSf,LSm,LSr)と併用して行う車両運搬車Vを例示した。これに対し、上記複数のリミットスイッチ(第1~第4センサLSf,LSm,LSr)のみで、上記動作切替えのためのボデーBのスライド位置の検知を行うタイプの車両運搬車(特許文献1参照)においても、本発明を適用して工程の一時停止中におけるボデーBのずれ動きに対応できるようにしてもよく、この場合でも、ずれ動き情報(ボデーBのずれ動き方向・ずれ動き量)は、前記実施形態と同様に、本発明の回転量センサR(近接センサ70)の出力パターンに基づいて演算、取得可能である。
【0130】
その場合、制御装置Cには、ボデーBの一時停止当初の(即ちずれ動き前の)停止位置への復帰を指令する復帰指令スイッチが接続される。そして、例えば、作業員が工程の一時停止中にボデーBのずれ動きを認識し且つ自動復帰が必要と判断した場合には、この復帰指令スイッチを押すことで、ボデーBの一時停止当初の停止位置への自動復帰(前記ステップS311と同様の自動復帰のための移動処理)が制御装置Cにより制御され、その自動復帰の後でリモコン装置Rのリモコン操作により一時停止中の工程が再開される。これに対し、作業員が工程の一時停止中にボデーBのずれ動きを認識したものの、自動復帰不要と判断した場合には、上記復帰指令スイッチを押すことなくリモコン操作で一時停止中の工程を再開させればよい。
【0131】
また本発明の別の実施形態として、本発明の回転軸(例えば回転駆動軸23f)に前記センサ歯車71とは別に、同一歯幅のドグ歯を等ピッチで有する第2センサ歯車を設けると共に、この第2センサ歯車のドグ歯を、近接センサ70とは別途設けた第2近接センサで検知して、これら第2センサ歯車及び第2近接センサにより回転軸(23f)が一定速度で回転していることを検知できるようにしてもよい。この別の実施形態において、降ろし工程又は積込み工程の一時停止中に、リモコン操作に依らずにボデーBがずれ動いた場合、特にそのとき回転軸(23f)が一定速度で回転したことが第2センサ歯車及び第2近接センサで検知できた場合には、本発明の前述の技術的特徴によりボデーBのずれ動き方向(即ち回転軸の回転方向)を判定した結果と勘案して、ボデーBのずれ動き情報(即ちずれ動き方向及び移動量)をより精度よく的確に把握することができる。
【符号の説明】
【0132】
B・・・・・ボデー
C・・・・・制御装置
D・・・・・前後駆動装置
F・・・・・車体
L・・・・・リフト装置
R・・・・・リモコン装置
RS・・・・回転量センサ
S・・・・・センサ装置
T・・・・・チルトフレーム
V・・・・・車両運搬車
V′・・・・他車両
23f・・・回転軸としての回転駆動軸
26・・・・チェーン
図1
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