(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180155
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】平型導体用コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/88 20110101AFI20231213BHJP
【FI】
H01R12/88
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093307
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 崇
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB31
5E223BA04
5E223BA07
5E223BA08
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB29
5E223CB39
5E223CD01
5E223CD02
5E223DA05
5E223DB25
5E223EC22
5E223EC47
(57)【要約】
【課題】平型導体用コネクタにおいて、開位置にある回動部材が不所望に閉位置へと回動してしまうことを抑制する。
【解決手段】平型導体用コネクタ10が備える回動部材50の被支持部52には、開位置にあるときに支持部43に接触する開位置接触部58と、開位置又は途中位置(開位置から閉位置までの途中位置)において支持部43に接触する規制凸部57と、が形成される。そして、開位置接触部58と規制凸部57との間には、支持部43に接触しない非接触凹部54が形成される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平型導体と接触する端子と、
前記端子を保持するハウジングと、
開位置と閉位置との間で回動可能な回動部材であって、前記開位置にあるときは前記平型導体を挿入可能な状態とし、前記閉位置にあるときは挿入された前記平型導体を押圧して前記平型導体と前記端子とが押圧接触した状態とする前記回動部材と、
を備える平型導体用コネクタであって、
前記コネクタには、前記回動部材を支持する支持部が形成され、
前記回動部材には、当該回動部材が回動するときに前記支持部に支持される被支持部が形成され、
前記被支持部には、
前記開位置において前記支持部に接触する開位置接触部と、
前記開位置又は前記開位置から前記閉位置までの途中位置において前記支持部に接触する規制凸部であって、前記開位置接触部と当該規制凸部との間に前記支持部に接触しない非接触凹部が形成される前記規制凸部と、が形成されている、
平型導体用コネクタ。
【請求項2】
前記被支持部には、閉位置において前記支持部に接触する閉位置接触部が形成され、
前記閉位置接触部と前記規制凸部の頂部との間には、前記支持部に連続して接触可能な湾曲した中継面が形成される、
請求項1に記載の平型導体用コネクタ。
【請求項3】
前記非接触凹部は、前記規制凸部の一部を構成しない第一非接触面と、前記規制凸部の一部を構成する第二非接触面と、から構成され、
前記中継面と前記第二非接触面とが成す角度θ1は、100度以下である、
請求項2に記載の平型導体用コネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングを取付対象物に固定するための固定金具を備え、
前記支持部は、前記固定金具に形成されている、
請求項1又は請求項2に記載の平型導体用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、平型導体用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されたような平型導体用コネクタが知られている。このコネクタは、平型導体と接続する導電性の端子と、端子を保持するハウジングと、ハウジングに取り付けられた回動部材と、を備えている。回動部材は、平型導体をハウジングに挿入可能にする開位置と、挿入された平型導体を押圧して端子に接触させる閉位置と、の間で回動可能に構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記コネクタでは、回動部材を開位置にした状態で平型導体を挿入する必要があるところ、作業時に生じる衝撃等によって、不所望に回動部材が開位置から閉位置に回動してしまうことがある。そうすると、再度、回動部材を開位置へ戻した後に平型導体を挿入する必要があり、作業が煩雑となってしまう。
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、平型導体用コネクタにおいて、開位置にある回動部材が不所望に閉位置へと回動してしまうことを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る平型導体用コネクタは、平型導体と接触する端子と、前記端子を保持するハウジングと、開位置と閉位置との間で回動可能な回動部材であって、前記開位置にあるときは前記平型導体を挿入可能な状態とし、前記閉位置にあるときは挿入された前記平型導体を押圧して前記平型導体と前記端子とが押圧接触した状態とする前記回動部材と、を備える平型導体用コネクタであって、前記コネクタには、前記回動部材を支持する支持部が形成され、前記回動部材には、当該回動部材が回動するときに前記支持部に支持される被支持部が形成され、前記被支持部には、前記開位置において前記支持部に接触する開位置接触部と、前記開位置又は前記開位置から前記閉位置までの途中位置において前記支持部に接触する規制凸部であって、前記開位置接触部と当該規制凸部との間に前記支持部に接触しない非接触凹部が形成される前記規制凸部と、が形成されている。
【0007】
本態様では、平型導体用コネクタは、平型導体と接触する端子と、端子を保持するハウジングと、開位置と閉位置との間で回動可能な回動部材と、を備える。回動部材は、開位置にあるときは、平型導体を挿入可能な状態とし、閉位置にあるときは、挿入された平型導体を押圧して平型導体と端子とが押圧接触した状態とする。
このため、回動部材を開位置にした状態で平型導体を挿入し、回動部材を閉位置にまで回動させることで平型導体と端子とを押圧接触した状態にして安定した接続を実現することができる。
【0008】
また、コネクタには、回動部材を支持する支持部が形成され、回動部材には、当該回動部材が回動するときに支持部に支持される被支持部が形成される。
ここで、被支持部には、開位置において支持部に接触する開位置接触部と、開位置又は途中位置(開位置から閉位置までの途中位置)において支持部に接触する規制凸部と、が形成される。そして、開位置接触部と規制凸部との間には、支持部に接触しない非接触凹部が形成される。
このため、回動部材が閉位置へ向けて回動しようとするときに、非接触凹部を跨いで互いに離れた2箇所(そのうち一箇所は規制凸部)で被支持部が支持部に支持される状態が生じ、回動が停止しやすくなる。換言すると、回動部材が閉位置へ向けて回動しようとするときに、規制凸部が引っ掛かるように機能し、回動が停止しやすくなる。その結果、回動部材が不所望に閉位置にまで回動してしまうことが抑制される。
【0009】
なお、後述する実施形態では、規制凸部が、開位置において支持部に接触している例を説明する。しかし、本開示の規制凸部は、これに限定されず、開位置において支持部に接触しておらず、途中位置においてはじめて支持部に接触するものであってもよい。
また、後述する実施形態では、支持部が、ハウジングを取付対象物に固定するための固定金具の一部として形成される例を説明する。しかし、本態様の支持部は、これに限定されず、ハウジングの一部として形成されてもよいし、端子の一部(例えば、端子のうちハウジングに対して変位しない部分)として形成されてもよい。
【0010】
第2の態様に係る平型導体用コネクタは、第1の態様において、前記被支持部には、閉位置において前記支持部に接触する閉位置接触部が形成され、前記閉位置接触部と前記規制凸部の頂部との間には、前記支持部に連続して接触可能な湾曲した中継面が形成される。
【0011】
本態様では、被支持部には、閉位置において支持部に接触する閉位置接触部が形成される。
ここで、閉位置接触部と規制凸部の頂部との間には、支持部に連続して接触可能な湾曲した中継面が形成される。このため、回動が規制凸部を乗り越えた後は、閉位置に向けてスムーズに回動部材を回動させることができる。
【0012】
第3の態様に係る平型導体用コネクタは、第2の態様において、前記非接触凹部は、前記規制凸部の一部を構成しない第一非接触面と、前記規制凸部の一部を構成する第二非接触面と、から構成され、前記中継面と前記第二非接触面とが成す角度θ1は、100度以下である。
【0013】
本態様では、非接触凹部は、規制凸部の一部を構成しない第一非接触面と、規制凸部の一部を構成する第二非接触面と、から構成される。
ここで、中継面と第二非接触面とが成す角度θ1は、100度以下である。このため、上述した引っ掛かりの効果を発揮しやすくなり、より一層不所望な回動を抑制することができる。
【0014】
第4の態様に係る平型導体用コネクタは、第1~第3の何れかの態様において、前記ハウジングを取付対象物に固定するための固定金具を備え、前記支持部は、前記固定金具に形成されている。
【0015】
本態様では、コネクタは、ハウジングを取付対象物に固定するための固定金具を備える。そして、支持部は、固定金具に形成されている。このため、支持部がハウジングに形成される態様よりも、支持部が塑性変形しにくいので、回動部材の動作が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態の平型導体用コネクタの分解斜視図である。
【
図2】実施形態の平型導体用コネクタの斜視図であって、回動部材が開位置にある状態を示す。
【
図3】実施形態の平型導体用コネクタの斜視図であって、回動部材が閉位置にある状態を示す。
【
図4】実施形態の平型導体用コネクタの断面図(端子に対応する位置)であって、回動部材が開位置にある状態を示す。
【
図5】実施形態の平型導体用コネクタの断面図(端子に対応する位置)であって、回動部材が閉位置にある状態を示す。
【
図6】実施形態の平型導体用コネクタの断面図(支持部に対応する位置)であって、回動部材が開位置にある状態を示す。
【
図7】実施形態の平型導体用コネクタの断面図(支持部に対応する位置)であって、回動部材が閉位置にある状態を示す。
【
図9】回動部材の被支持部における規制凸部付近を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示に係る平型導体用コネクタの実施形態について説明する。
【0018】
図1~
図3は、本実施形態の平型導体用コネクタ10(以下、単にコネクタ10という。)を示す。
【0019】
コネクタ10は、図示しない平型導体(例えばFFC、FPC)と接続可能に構成されるコネクタである。
【0020】
図1に示すように、コネクタ10は、複数の端子20と、ハウジング30と、一対の固定金具40と、回動部材50と、を備える。
【0021】
複数の端子20の各々は、互いに同一の構造である。端子20は、金属の板材に抜き加工等を施すことで作られる。端子20は、板厚方向に曲げられた曲部を有しない。複数の端子20は、コネクタ幅方向(Y方向)を端子配列方向として配列される。
【0022】
図4、
図5に示すように、端子20は、取付対象物である基板90の面に接続される接続部21と、ハウジング30に保持される被保持部22と、平型導体に接触する接触部23と、回動部材50に係合する係合部24と、を有する。
【0023】
接触部23は、第一接触片25と、第二接触片26と、から構成される。第一接触片25の先端側には第一接点部25aが形成され、第二接触片26の先端側には第二接点部26aが形成される。第一接点部25aは、第二接点部26aよりもコネクタ前方側(+X方向側)の位置で平型導体と接触するように構成される。
【0024】
被保持部22は、ハウジング30の中央底板部31aと中央天板部31bとの間に圧入されることでハウジング30に保持される。
【0025】
係合部24は、被保持部22の上部から前方に向けて延びる。係合部24の先端側には、下方向に開放された凹部24aが形成される。凹部24a内に、回動部材50の一部(軸部51b)が配置される。このように係合部24が回動部材50と係合することで、回動部材50がコネクタ10から分離してしまうことが防止される。
【0026】
ハウジング30は、合成樹脂等の絶縁体で一体に形成される。
図1に示すように、ハウジング30は、複数の端子20が配置される中央部31と、一対の固定金具40が配置される一対の側方部32と、に分けられる。
【0027】
一対の側方部32の各々は、一対の固定金具40の各々がコネクタ前方側から圧入可能に構成される。
【0028】
一対の固定金具40は、互いにコネクタ幅方向に対称な構造であるが、それ以外の点では共通の構造を有する。
固定金具40は、板厚方向をコネクタ幅方向に向ける第一板部41と、板厚方向をコネクタ上下方向に向ける第二板部42と、を有する。第二板部42は、第一板部41の下端に形成された曲部からコネクタ幅方向外側に延びる。
【0029】
図6、
図7に示すように、第一板部41は、コネクタ前後方向に延びる第一延在部41aと、第一延在部41aの下方でコネクタ前後方向に延びる第二延在部41bと、第一延在部41aと第二延在部41bとをコネクタ前方側で上下方向に連結する連結部41cと、を有する。
【0030】
第一延在部41aは、支持部43と、先端圧入部44と、を有する。
支持部43は、回動部材50の被支持部52を支持する部分である。支持部43は、前後方向を長手方向とする長方形状である。支持部43は、コネクタ前後方向に平行に延びる支持端面43aを有する。支持端面43aは、支持部43を構成する板材の端面であり、回動部材50の一部(被支持部52)が直接接触する面である。
先端圧入部44は、ハウジング30の側方底板部32aと側方天板部32bとの間に圧入される部分である。先端圧入部44には係止突起44aが形成される。係止突起44aは、先端圧入部44の上側にのみ形成され、下側には形成されない。先端圧入部44の下端は、支持部43の下端と上下方向の位置が一致する。先端圧入部44の上端は、支持部43の上端よりも下側に位置する。これにより、先端圧入部44の上下寸法は、支持部43の上下寸法よりも小さくなっている。
【0031】
第二延在部41bは、前後方向の長さに関し、第一延在部41aよりも短い。第二延在部41bには上側に突出する係止突起41b1が形成される。第一延在部41aの根元部分と第二延在部41bとの間にはハウジング30の中央底板部31aの一部が圧入される状態となる。第一板部41と第二板部42と接続する曲部は、第二延在部41bの下側に形成される。
【0032】
連結部41cには、固定金具40を順送り加工で製造する際、固定金具40をキャリアから切り離すために最後に切断されるキャリア切断部45が形成される。
【0033】
第二板部42は、基板90の面に載置された状態で半田付け等で基板90に固定される固定部として機能する。
【0034】
(回動部材50)
図1に示すように、回動部材50は、幅方向中央部に形成された中央部51と、幅方向外側に形成された一対の被支持部52と、を有する。
【0035】
図4、
図5に示すように、中央部51は、コネクタ10に挿入された平型導体を端子20に押圧接触させるために平型導体を押圧する押圧面51aを有する。また、中央部51は軸部51bを有する。軸部51bは、複数の端子20がそれぞれ有する係合部24と係合する。
【0036】
図6、
図7に示すように、被支持部52は、固定金具40の支持部43に支持される。回動部材50の軸部51bが複数の端子20の係合部24と係合し、かつ、被支持部52が固定金具40の支持部43に支持されることで、回動部材50は、開位置(
図6)と閉位置(
図7)との間で回動可能に構成される。
【0037】
図8、
図9に示すように、被支持部52には、第一平面53と、第一非接触面54aと、第二非接触面54bと、接続湾曲面55と、第二平面56と、がこの順に形成される。
【0038】
図9に示すように、第一平面53、第一非接触面54a、第二非接触面54b及び第二平面56は、略矩形の平面であり、接続湾曲面55は、湾曲した面である。接続湾曲面55と第二平面56とは、スムーズに接続される。他方、接続湾曲面55と第二非接触面54bとは、スムーズに接続されず、境界位置に規制凸部57が形成される。
【0039】
図6、
図8に示すように、回動部材50が開位置にあるとき、第一平面53と第一非接触面54aとの境界部分58(開位置接触部)が支持部43に接触し、かつ、規制凸部57が支持部43に接触する。このように、回動部材50が開位置にあるとき、非接触凹部54を跨いで互いに離れた2箇所で被支持部52が支持部43に接触する。なお、
図6に示すように、回動部材50が開位置にあるとき、回動部材50の重心Gは、規制凸部57に対してコネクタ後方側かつ上方側に位置する。また、
図6に示すように、被支持部52が非接触凹部54を跨いで互いに離れた2箇所で支持部43に支持された状態では、中継面55と支持部43との成す角度θ2は、10度以上であることが好ましい。
【0040】
図7に示すように、回動部材50が閉位置にあるとき、第二平面56が支持部43に接触する。以下、第二平面56を閉位置接触部56と呼ぶことがある。なお、第二平面56が支持部43に接触する状態(
図7の状態)になるのは、平型導体が挿入されていない場合である。平型導体が挿入されている場合において回動部材50が閉位置にあるときは、第二平面56は支持部43から離れた状態となる。挿入された平型導体が回動部材50の下側に配置され、回動部材50が若干上側に持ち上がる状態となるからである。なお、
図7に示すように、回動部材50が閉位置にあるとき、回動部材50の重心Gは、規制凸部57に対してコネクタ前方側に位置する。
【0041】
<作用効果>
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0042】
本実施形態では、
図1に示すように、平型導体用コネクタ10は、平型導体と接触する端子20と、端子20を保持するハウジング30と、開位置(
図2、
図4、
図6参照)と閉位置(
図3、
図5、
図7参照)との間で回動可能な回動部材50と、を備える。回動部材50は、開位置にあるときは、平型導体を挿入可能な状態とし、閉位置にあるときは、挿入された平型導体を押圧して平型導体と端子20とが押圧接触した状態とする。
このため、回動部材50を開位置にした状態で平型導体を挿入し、回動部材50を閉位置にまで回動させることで平型導体と端子20とを押圧接触した状態にして安定した接続を実現することができる。
【0043】
また、
図6、
図7に示すように、コネクタ10には、回動部材50を支持する支持部43が形成され、回動部材50には、当該回動部材50が回動するときに支持部43に支持される被支持部52が形成される。
ここで、
図8に示すように、被支持部52には、開位置にあるときに支持部43に接触する開位置接触部58と、開位置又は途中位置(開位置から閉位置までの途中位置)において支持部43に接触する規制凸部57と、が形成される。そして、開位置接触部58と規制凸部57との間には、支持部43に接触しない非接触凹部54が形成される。
このため、回動部材50が閉位置へ向けて回動しようとするときに、非接触凹部54を跨いで互いに離れた2箇所(本実施形態では、開位置接触部58及び規制凸部57)で被支持部52が支持部43に支持される状態が生じ、回動が停止しやすくなる。換言すると、回動部材50が閉位置へ向けて回動しようとするときに、規制凸部57が引っ掛かるように機能し、回動が停止しやすくなる。その結果、回動部材50が不所望に閉位置にまで回動してしまうことが抑制される。
【0044】
また、本実施形態では、
図7に示すように、被支持部52には、閉位置において支持部43に接触する閉位置接触部56が形成される。
ここで、
図8に示すように、閉位置接触部56と規制凸部57の頂部との間には、支持部43に連続して接触可能な湾曲した中継面55が形成される。このため、回動が規制凸部57を乗り越えた後は、閉位置に向けてスムーズに回動部材50を回動させることができる。
【0045】
また、本実施形態では、
図8に示すように、非接触凹部54は、規制凸部57の一部を構成しない第一非接触面54aと、規制凸部57の一部を構成する第二非接触面54bと、から構成される。
ここで、中継面55と第二非接触面54bとが成す角度θ1は、100度以下である。このため、上述した引っ掛かりの効果を発揮しやすくなり、より一層不所望な回動を抑制することができる。なお、本実施形態では、回動部材50の成形の際、回動部材50を成形するための2以上の金型の境界に規制凸部57が位置する。このため、上述の構成の回動部材50を製造しやすい。
【0046】
また、本実施形態では、コネクタ10は、ハウジング30を取付対象物90に固定するための固定金具40を備える。そして、支持部43は、固定金具40に形成されている。このため、支持部43がハウジング30に形成される態様よりも、支持部43が塑性変形しにくいので、回動部材の動作が安定する。なお、同様の効果は、端子に支持部を形成する場合にも奏される。
【0047】
〔補足説明〕
なお、上記実施形態では、コネクタ100が一対の固定金具40を備える例を説明した。しかし、本開示のコネクタはこれに限定されない。
【0048】
また、上記実施形態では、複数の端子20の係合部24に回動部材50の軸部51bが係合すること等で、回動部材50が回動可能に構成される例を説明した。しかし、本開示の回動部材は、これに限定されず、その他の構造により回動可能に構成されてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、端子20の接触部23が、所謂2点接点を実現する構造である例を説明した。しかし、本開示の端子は、これに限定されない。
【符号の説明】
【0050】
10 平型導体用コネクタ
20 端子
30 ハウジング
40 固定金具
43 支持部
50 回動部材
52 被支持部
53 第一平面
54 非接触凹部
54a 第一非接触面
54b 第二非接触面
55 接続湾曲面(中継面)
56 第二平面(閉位置接触部)
57 規制凸部
58 第一平面と第一非接触面との境界部分(開位置接触部)
90 基板(取付対象物)