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特開2023-180160電動工具システム、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180160
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】電動工具システム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20231213BHJP
   B25B 23/14 20060101ALI20231213BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
B25B23/14 620J
B25F5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093313
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀規
(72)【発明者】
【氏名】中村 雅道
(72)【発明者】
【氏名】田中 尚武
【テーマコード(参考)】
3C038
3C064
3C100
【Fターム(参考)】
3C038CA06
3C038EA05
3C064AA01
3C064AA02
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA12
3C064BA25
3C064BB89
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA43
3C064CA53
3C064CB17
3C064CB62
3C064CB71
3C064CB95
3C064EA05
3C100AA22
3C100AA27
3C100AA29
3C100AA59
3C100BB13
3C100BB15
3C100BB19
3C100BB33
3C100CC02
3C100CC14
(57)【要約】
【課題】作業効率を向上すること。
【解決手段】電動工具システム1は、作業対象に対する作業に使用される電動工具2と、電動工具2と通信を行う管理システム3と、を備える。作業は、第1作業と、第1作業の完了後に行われる第2作業と、を含む。管理システム3は、電動工具2が第1作業を完了した後に、第2作業に関する設定情報を電動工具2に送信する。電動工具2は、設定情報の受信後に、第1作業の作業結果を管理システム3に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業対象に対する作業に使用される電動工具と、
前記電動工具と通信を行う管理システムと、を備え、
前記作業は、第1作業と、前記第1作業の完了後に行われる第2作業と、を含み、
前記管理システムは、前記電動工具が前記第1作業を完了した後に、前記第2作業に関する設定情報を前記電動工具に送信し、
前記電動工具は、前記設定情報の受信後に、前記第1作業の作業結果を前記管理システムに送信する
電動工具システム。
【請求項2】
前記電動工具は、前記第1作業を完了した後に、作業完了信号を前記管理システムに送信し、
前記管理システムは、前記作業完了信号の受信後に、前記設定情報を前記電動工具に送信する
請求項1に記載の電動工具システム。
【請求項3】
前記電動工具は、
前記作業を行う先端工具を駆動する駆動部と、
前記駆動部を動作させるための操作を受け付ける操作部と、
前記駆動部の動作状態を前記操作部からの入力信号に基づいて制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記作業結果の送信中に前記操作部が操作された場合、前記作業結果の送信を中断し、前記駆動部を動作させる
請求項1に記載の電動工具システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2作業の完了後であって前記駆動部が動作していない場合に、前記作業結果に含まれるすべてのデータの前記管理システムへの送信を再開する
請求項3に記載の電動工具システム。
【請求項5】
前記電動工具は、記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記作業結果の送信を中断した場合、前記管理システムが受信した前記作業結果に含まれるデータの破棄を要求する要求情報を前記管理システムに送信し、
前記記憶部は、前記作業結果の送信が中断された場合、前記作業結果に含まれるすべてのデータを記憶する
請求項4に記載の電動工具システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2作業の完了後であって前記駆動部が動作していない場合に、前記作業結果に含まれるデータのうち、前記管理システムに送信していないデータの前記管理システムへの送信を再開する
請求項3に記載の電動工具システム。
【請求項7】
前記電動工具は、記憶部を更に備え、
前記記憶部は、前記作業結果の送信が中断された場合、前記作業結果に含まれるデータのうち、前記管理システムに送信していないデータを記憶する
請求項6に記載の電動工具システム。
【請求項8】
前記電動工具は、
前記作業を行う先端工具を駆動する駆動部と、
前記駆動部を動作させるための操作を受け付ける操作部と、
前記駆動部の動作状態を前記操作部からの入力信号に基づいて制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、少なくとも前記設定情報の受信中に前記操作部が操作された場合、前記駆動部の動作を抑止する
請求項1に記載の電動工具システム。
【請求項9】
前記駆動部の動作モードは、駆動が抑止される駆動不許可モードと、駆動が許可される駆動許可モードと、を有し、
前記制御部は、前記第1作業の完了後に前記駆動部の動作モードを前記駆動不許可モードとし、前記設定情報の受信完了後に前記駆動部の動作モードを前記駆動許可モードとする
請求項8に記載の電動工具システム。
【請求項10】
作業対象に対する作業に使用される電動工具と、前記電動工具と通信を行う管理システムと、を備える電動工具システムの前記電動工具の制御方法であって、
前記作業は、第1作業と、前記第1作業の完了後に行われる第2作業と、を含み、
前記第1作業を実行する第1作業実行ステップと、
前記第1作業の実行後に、前記第2作業に関する設定情報を前記管理システムから受信する受信ステップと、
前記設定情報の受信後に、前記第1作業の作業結果を前記管理システムに送信する作業結果送信ステップ、を含む、
制御方法。
【請求項11】
コンピュータシステムに、請求項10に記載の制御方法を実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電動工具システム、制御方法及びプログラムに関する。より詳細には、本開示は、作業対象に対する作業に使用される電動工具を含む電動工具システム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の作業管理装置は、作業情報取得部と、位置情報取得部と、作業対象情報取得部と、情報管理部と、を備える。作業情報取得部は、作業対象に対して作業を行うために使用される工具から作業対象に行った作業の内容に関する作業情報を取得する。位置情報取得部は、工具を用いて作業対象に対する作業が行われた場所の位置情報を取得する。作業対象情報取得部は、作業対象から読み取った情報をもとに作業対象を特定する作業対象情報を取得する。情報管理部は、作業情報と位置情報と作業対象情報とを対応付けて記憶部に記憶させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-91316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、作業対象に対して作業を行う工具から、完了した作業の作業情報を受信する作業管理装置が知られている(特許文献1参照)。このような作業管理装置を含む作業管理システムにおいて、工具が作業情報を作業管理装置に送信完了してから、次の作業の設定情報を作業管理装置から受信するように構成されている場合、作業結果の送信が完了するまでは次の作業を開始できないため、作業効率が低下する可能性があった。
【0005】
本開示は、上記事由に鑑みてなされており、作業効率を向上することができる電動工具システム、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電動工具システムは、作業対象に対する作業に使用される電動工具と、前記電動工具と通信を行う管理システムと、を備える。前記作業は、第1作業と、前記第1作業の完了後に行われる第2作業と、を含む。前記管理システムは、前記電動工具が前記第1作業を完了した後に、前記第2作業に関する設定情報を前記電動工具に送信する。前記電動工具は、前記設定情報の受信後に、前記第1作業の作業結果を前記管理システムに送信する。
【0007】
本開示の一態様に係る制御方法は、作業対象に対する作業に使用される電動工具と、前記電動工具と通信を行う管理システムと、を備える電動工具システムの前記電動工具の制御方法である。前記作業は、第1作業と、前記第1作業の完了後に行われる第2作業と、を含む。前記制御方法は、第1作業実行ステップと、受信ステップと、作業結果送信ステップと、を含む。前記第1作業実行ステップでは、前記第1作業を実行する。前記受信ステップでは、前記第1作業の実行後に、前記第2作業に関する設定情報を前記管理システムから受信する。前記作業結果送信ステップでは、前記設定情報の受信後に、前記第1作業の作業結果を前記管理システムに送信する。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、前記制御方法を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る電動工具システムの概略的なシステム構成図である。
図2図2は、同上の電動工具システムの動作を説明するシーケンス図である。
図3図3は、同上の電動工具システムのブロック図である。
図4図4は、同上の電動工具システムに用いられる電動工具の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態に係る電動工具システム1について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0012】
(1)概要
まず、本実施形態に係る電動工具システム1の概要について図1及び図2を参照して説明する。
【0013】
電動工具システム1は、図1に示すように、電動工具2と、管理システム3と、を備える。なお、以下の実施形態では、管理システム3が、受信機4と、上位装置5と、を含んでいるが、受信機4及び上位装置5の機能が1つの筐体に集約されていてもよい。
【0014】
電動工具2は、作業対象に対する作業に使用される。
【0015】
管理システム3は、電動工具2と通信を行う。
【0016】
電動工具2によって行われる作業は、図2に示すように、第1作業と、第1作業の完了後に行われる第2作業と、を含む。
【0017】
管理システム3は、電動工具2が第1作業を完了した後に、第2作業に関する設定情報を電動工具2に送信する。
【0018】
電動工具2は、第2作業に関する設定情報の受信後に、第1作業の作業結果を管理システム3に送信する。
【0019】
ここにおいて、電動工具2はユーザが携帯して使用する可搬型の工具である。電動工具2を使用して行われる「作業」は、例えばねじ又はボルトなどの締付部材を、被取付部材に締結する作業であり、この場合の「作業対象」は締付部材となる。なお、電動工具2を使用する「作業」及びその「作業対象」は上記のものに限定されず、適宜変更が可能である。
【0020】
また、「設定情報」は、電動工具2を使用して行う作業の作業内容に関する情報を含む。電動工具2を使用して行う作業が締付部材の締付作業である場合、設定情報は、締付トルクに関する情報を含むのが好ましい。締付トルクに関する情報は、締付トルクの設定値(トルク値)でもよいし、電動工具2がインパクト工具の場合は打撃回数でもよい。
【0021】
本実施形態の電動工具システム1では、管理システム3は、電動工具2が第1作業を完了した後に、第2作業に関する設定情報を電動工具2に送信し、電動工具2は、第2作業に関する設定情報の受信後に、第1作業の作業結果を管理システム3に送信する。つまり、電動工具システム1では、第2作業に関する設定情報の受信が、第1作業の作業結果の送信よりも優先して実施される。これにより、例えば、第1作業の作業結果のデータ量が多く、作業結果の送信に時間がかかる場合に、第1作業の作業結果の送信中に、第1作業の作業結果の送信を中断して第2作業を開始することができるため、電動工具2を用いた作業の作業効率を向上させることができる。
【0022】
(2)詳細
以下、実施形態に係る電動工具システム1の詳細について説明する。
【0023】
(2.1)構成
以下、電動工具システム1の構成について、図1図3及び図4を参照して説明する。
【0024】
本実施形態の電動工具システム1は、例えば、工場において製品の組立作業を行う組立ラインに用いられる。なお、電動工具システム1の使用用途は、工場の組立ラインに限らず、他の使用用途であってもよい。電動工具システム1は、例えば、建設工事等の施工現場において建築物を施工する作業に用いられてもよい。
【0025】
電動工具システム1は、図1に示すように、電動工具2と、管理システム3と、を備える。管理システム3は、受信機4と、上位装置5と、を備える。ここで、受信機4と、上位装置5とは、例えばEthernet(登録商標)等の有線ネットワーク6を介して接続されている。なお、図1では電動工具2の数が1つであるが、1つの受信機4が通信可能な電動工具2の数は1つに限定されず、2つ以上でもよく、適宜変更が可能である。また、図1では受信機4の数が1つであるが、1つの上位装置5に複数の受信機4が接続されてもよく、受信機4の数は適宜変更が可能である。
【0026】
次に、電動工具システム1を構成する各機器の詳細について図3を参照して説明する。
【0027】
(2.1.1)電動工具
電動工具2は、図3に示すように、制御部21と、操作部22と、駆動部23と、センサ部24と、第1通信部25と、電源部26と、記憶部27と、表示部28と、を備える。
【0028】
また、図4に示すように、電動工具2は、各部を収容又は保持するためのボディ200を備えている。ボディ200は、筒形状の胴体部201と、胴体部201の周面から径方向に突出する握り部202とを備える。胴体部201の軸方向における一端側からは出力軸231が突出している。出力軸231には、作業対象の締付部材に合わせた先端工具7(例えばドライバービットなど)が着脱自在に取り付けられるソケット232が設けられている。握り部202の一端(図4における下端)には、樹脂製のケース内に電源部26を収納した電池パック203が着脱自在に取り付けられている。
【0029】
制御部21は、駆動部23、センサ部24、第1通信部25等の動作を制御する。制御部21は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されており、1以上のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部21として機能する。プログラムは、ここでは制御部21のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部21は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成されてもよい。制御部21を構成するマイクロコントローラ(回路基板等)は、例えば握り部202の内部に収容されている。
【0030】
操作部22は、握り部202に設けられたトリガスイッチ221を備える。トリガスイッチ221は、駆動部23を動作させるための操作を受け付ける。詳細には、トリガスイッチ221がユーザ等により操作されると、トリガスイッチ221の引き込み量(操作量)に比例した大きさの入力信号が、制御部21に入力される。制御部21は、駆動部23の動作状態を操作部22からの入力信号に基づいて制御する。具体的には、制御部21は、操作部22からの入力信号に応じた速度で回転するように、駆動部23を制御してモータ233の速度を調整する。
【0031】
駆動部23は、モータ233に加えて、駆動回路(図示せず)と、インパクト機構234と、出力軸231と、を備えている。駆動部23は、例えばねじ又はボルトなどの締付部材である作業対象に対する作業を行う先端工具7を駆動する。詳細には、駆動回路は、制御部21から入力される制御信号に応じて、モータ233の回転を制御する。モータ233の回転は、インパクト機構234を介して出力軸231及び出力軸231にソケット232を介して取り付けられる先端工具7に伝達される。出力トルクが所定レベル以下であれば、インパクト機構234は、モータ233の出力軸の回転を減速して出力軸231及び先端工具7に伝達する。出力トルクが所定レベルを超えると、インパクト機構234は、出力軸231及び先端工具7に打撃力を加えて、作業対象の締結部品を回転させるように構成されている。図4に示すように、モータ233及びインパクト機構234は、胴体部201の内部に収容されている。なお、駆動部23がインパクト機構234を備えることは必須ではなく、駆動部23は、モータ233の出力軸の回転を減速して出力軸231及び先端工具7に伝達する減速機構(例えば遊星歯車機構)のみを有してもよい。つまり、電動工具2はインパクト工具に限定されず、スクリュードライバー及びドリルドライバー等の回転工具であってもよい。
【0032】
センサ部24は、駆動部23による締付トルクを測定する。センサ部24は、出力軸231に取り付けられた磁歪式のトルクセンサ241を備えている。磁歪式のトルクセンサ241は、モータ233の出力軸にトルクが加わることにより発生する歪みに応じた透磁率の変化を、非回転部分に設置したコイルで検出し、歪みに比例した電圧信号を出力する。これによりセンサ部24は、出力軸231に加わったトルクを測定する。つまり、センサ部24は、電動工具2が作業対象に与えるトルク(締付トルク)を測定する。センサ部24は、測定したトルク(締付トルク)を制御部21へ出力する。なお、センサ部24はトルクセンサ241を備えるものに限定されず、回転センサによって検出されたモータ233の出力軸の回転数の変化を締付トルク値に変換するものを含む。
【0033】
制御部21は、締付トルクが設定情報に基づいて設定されるトルク設定値となるように駆動部23を制御する。制御部21は、例えば、トルクセンサ241で測定された締付トルクが、トルク設定値に達すると、モータ233の回転を停止させる。なおトルク設定値は変更可能であり、受信機4から電動工具2に送信される設定情報に基づいて制御部21によって変更される。
【0034】
また、駆動部23の動作モードは、駆動が抑止される駆動不許可モードと、駆動が許可される駆動許可モードと、を有し、制御部21は、駆動部23の動作モードを、駆動不許可モードと駆動許可モードとに切り替える。ここで、駆動を「抑止」するとは、駆動部23を駆動させないことであり、駆動部23の動作モードが駆動不許可モードであるときに、ユーザによって操作部22のトリガスイッチ221が操作されても、制御部21は、駆動部23を駆動させない。
【0035】
第1通信部25は、例えばWi-Fi(登録商標)に準拠した近距離無線通信を行う通信モジュールである。第1通信部25は、この種の通信方式で、受信機4との間で無線通信を行う。なお、第1通信部25と受信機4との間の無線通信の方式は、例えば、920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信であってもよい。また、第1通信部25は、通信線を介して有線通信を行う通信モジュールであってもよい。この場合、第1通信部25は、受信機4と例えばEthernet等の有線ネットワークを介して有線通信を行う。
【0036】
第1通信部25は、例えば、握り部202の内部に収容されており、第1通信部25のアンテナ251は、胴体部201の内部に収容されている。
【0037】
電源部26は、蓄電池を備えている。電源部26は、電池パック203内に収容されている。電池パック203は、樹脂製のケース内に電源部26を収容して構成されている。電池パック203を握り部202から取り外し、取り外した電池パック203を充電器に接続することによって、電源部26の蓄電池を充電することができる。電源部26は、蓄電池に充電された電力で、制御部21を含む電気回路とモータ233とに動作に必要な電力を供給する。
【0038】
記憶部27は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、不揮発性メモリを含む。不揮発性メモリには、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等がある。記憶部27は、制御部21が実行する制御プログラムを記憶する。また記憶部27は、管理システム3から受信した設定情報、及び、設定情報に基づいて行った作業の実行を示す作業結果を記憶する。作業結果は、例えば、作業を実行したことを示す情報でもよいし、作業の実行結果に関する情報でもよい。作業が締付部材の締付作業である場合、作業の実行結果に関する情報は、例えば、センサ部24が測定した締付トルクの測定値等の情報を含むことが好ましい。また記憶部27は、個々の電動工具2に割り当てられた識別情報や、個々の電動工具2の品種(例えば製造メーカとその製造メーカで決められた品番とを含む情報)などの情報(工具種別の情報)を記憶する。ここで、識別情報は、例えば電動工具2に割り当てられるIPアドレスを含むことが好ましい。
【0039】
表示部28は、例えば、ボディ200の表面に露出して設けられた、2桁の7セグメントLED(Light Emitting Diode)を有する。また、表示部28は、ボディ200の表面に露出して設けられた、例えば青色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとを有している。
【0040】
(2.1.2)受信機
受信機4は、図3に示すように、第2通信部41と、第3通信部42と、制御部43と、操作部44と、表示部45と、記憶部46と、を備えている。
【0041】
制御部43は、第2通信部41、第3通信部42、表示部45等の動作を制御する。制御部43は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されており、1以上のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部43として機能する。プログラムは、ここでは制御部43のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部43は、例えば、FPGA、又はASIC等で構成されてもよい。
【0042】
第2通信部41は、電動工具2の第1通信部25と同じ通信方式(例えばWi-Fi)で、近距離の無線通信を行う通信モジュールである。第2通信部41は、電動工具2の第1通信部25と無線通信を行う。
【0043】
第3通信部42は、通信線を介して有線通信を行う通信モジュールである。第3通信部42は、上位装置5の第4通信部51と例えばEthernet等の有線ネットワーク6を介して有線通信を行う。
【0044】
操作部44は、ユーザの操作を受け付ける操作スイッチ等を含む。
【0045】
表示部45は、例えば複数の発光ダイオードを含み、複数の発光ダイオードの点灯、点滅、又は消灯により受信機4の動作状態等を表示する。なお表示部45は、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置を含んでもよい。
【0046】
記憶部46は、例えば、ROM、RAM、及び不揮発性メモリ(例えば、EEPROM又はフラッシュメモリ等)を含む。記憶部46は、電動工具2に設定する設定情報、電動工具2から受信した作業結果等を電動工具2の識別情報と対応付けて記憶する。これにより、記憶部46は、複数の電動工具2の各々について、電動工具2に送信する設定情報及び電動工具2から受信した作業結果を記憶することができる。また、記憶部46は、個々の受信機4に割り当てられた識別情報や、個々の受信機4の品種(例えば製造メーカとその製造メーカで決められた品番とを含む情報)などの情報を記憶する。ここで、識別情報は、例えば受信機4に割り当てられるIPアドレスを含む。
【0047】
(2.1.3)上位装置
上位装置5は、例えばサーバである。上位装置5は、第4通信部51と、記憶部52と、制御部53と、を備えている。
【0048】
第4通信部51は、通信線を介して有線通信を行う通信モジュールである。第4通信部51は、受信機4の第3通信部42と例えばEthernet等の有線ネットワーク6を介して有線通信を行う。
【0049】
記憶部52は、例えば、ROM、RAM、及び不揮発性メモリ(例えば、EEPROM又はフラッシュメモリ等)を含む。記憶部52は、複数の電動工具2の各々について、電動工具2を使用して行う作業の設定情報、及び電動工具2が行った作業の作業結果の履歴等を、電動工具2の識別情報と対応付けて記憶する。
【0050】
制御部53は、第4通信部51等の動作を制御する。制御部53は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されており、1以上のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部53として機能する。プログラムは、ここでは制御部53のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部53は、例えば、FPGA、又はASIC等で構成されてもよい。
【0051】
制御部53は、電動工具2が行う作業の設定情報を第4通信部51から受信機4に対して送信させる。
【0052】
また制御部53は、第4通信部51が受信機4から受信した、電動工具2が行った作業の作業結果の履歴を記憶部52に記憶させる。
【0053】
(2.2)動作説明
次に、電動工具システム1の動作を図2等に基づいて説明する。
【0054】
図2は、ユーザが電動工具2を用いて、第1作業、第1作業の完了後に行われる第2作業及び第2作業の完了後に行われる第3作業を実行する一連の動作を説明するシーケンス図である。なお、図2に示すシーケンス図は、本実施形態に係る電動工具システム1の動作の一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
【0055】
上位装置5の記憶部52には、電動工具2を使用して行われる第1作業、第2作業及び第3作業の各々の作業内容に関する情報である第1設定情報、第2設定情報及び第3設定情報が記憶されているものとする。また、電動工具2を使用した締付作業を開始する初期状態では、受信機4と電動工具2との間の無線通信が可能な状態であるものとして動作を説明する。また、初期状態では、駆動部23の動作モードは、駆動が抑止される駆動不許可モードであるとする。
【0056】
上位装置5の制御部53は、電動工具2を使用した第1作業を開始させるため、第1設定情報を記憶部52から読み出す。そして、制御部53は、第1設定情報を第4通信部51から受信機4の第3通信部42に送信させる(ステップST1)。
【0057】
第3通信部42が第1設定情報の受信を完了すると、受信機4の制御部43は、第2通信部41から電動工具2の第1通信部25に第1設定情報を送信させる(ステップST2)。
【0058】
第1通信部25が第1設定情報の受信を完了すると、電動工具2の制御部21は、第1通信部25から送信元の受信機4へ応答信号を送信させ(ステップST3)、第1設定情報を記憶部27が有する不揮発性メモリに記憶する。
【0059】
また、制御部21は、第1通信部25が第1設定情報の受信を完了すると、駆動部23の動作モードを、駆動不許可モードから駆動許可モードに切り替える(ステップST4)。このとき、制御部21は、駆動部23が駆動許可モードに切り替わったことを表示部28にて表示してもよい。
【0060】
電動工具2の記憶部27に第1設定情報が記憶されている状態、かつ、駆動部23の動作モードが駆動許可モードである状態で、電動工具2を用いた第1作業が実施可能となる。具体的には、ユーザが電動工具2の操作部22を操作すると(ステップST5)、電動工具2の制御部21は、第1設定情報で規定された締付トルクで締付部材の締付作業を行うように駆動部23を制御し、第1作業を行う(ステップST6)。このとき、センサ部24が締付部材の締付トルクを測定する。制御部21は、第1作業の完了後に締付トルクの測定値を含む第1作業の作業結果(第1作業結果)を生成する(ステップST7)。ここで、制御部21によって生成された第1作業結果は、制御部21が有するメモリに一時的に記憶される。
【0061】
制御部21は、第1作業の完了後に、駆動部23の動作モードを、駆動許可モードから駆動不許可モードに切り替える(ステップST8)。
【0062】
また制御部21は、第1作業の完了後に、第1作業の完了通知信号を第1通信部25から受信機4の第2通信部41に送信させる(ステップST9)。
【0063】
第2通信部41が第1作業の完了通知信号を受信すると、受信機4の制御部43は、第1作業の完了通知信号を第3通信部42から上位装置5の第4通信部51に送信させる(ステップST10)。
【0064】
第4通信部51が第1作業の完了通知信号を受信すると、上位装置5の制御部53は、電動工具2を使用した第2作業を開始させるため、第2設定情報を記憶部52から読み出す。そして、制御部53は、第2設定情報を第4通信部51から受信機4の第3通信部42に送信させる(ステップST11)。
【0065】
第3通信部42が第2設定情報の受信を完了すると、受信機4の制御部43は、第2通信部41から電動工具2の第1通信部25に第2設定情報の送信を開始させる(ステップST12)。
【0066】
ここで、第2設定情報の受信中は、駆動部23の動作モードは駆動不許可モードであるため、制御部21は、第2設定情報の受信中に操作部22が操作された場合、駆動部23の動作を抑止する。制御部21は、第2設定情報の受信完了後に、駆動部23の動作モードを、駆動許可モードとする。
【0067】
以下に、第2設定情報の受信完了後の動作を説明する。
【0068】
第1通信部25が第2設定情報の受信を完了すると、電動工具2の制御部21は、第1通信部25から送信元の受信機4へ応答信号を送信させ(ステップST13)、第2設定情報を記憶部27が有する不揮発性メモリに記憶する。
【0069】
第1通信部25から受信機4への応答信号の送信後、制御部21は、第1通信部25から受信機4への第1作業結果の送信を開始させる(ステップST14)。
【0070】
ここで、ユーザが、第1作業結果の送信中に、第2作業を開始するために電動工具2の操作部22を操作すると、電動工具2の制御部21は、第1作業結果の送信を中断し、駆動部23を動作させる。また、制御部21は、第2作業の完了後であって駆動部23が動作していない場合に、第1作業結果の受信機4への送信を再開する。詳細には、ユーザが、第1作業結果の送信中に、第2作業を開始するために電動工具2の操作部22を操作すると(ステップST15)、制御部21は、第1作業結果の送信を中断し(ステップST16)、受信機4が受信した第1作業結果に含まれるデータの破棄を要求する要求信号を受信機4に送信する(ステップST17)。また第1作業結果の送信を中断すると、制御部21は、記憶部27に第1作業結果に含まれるすべてのデータを記憶する(ステップST18)。
【0071】
第1作業結果に含まれるすべてのデータが記憶部27に記憶されると、制御部21は、駆動部23の動作モードを、駆動不許可モードから駆動許可モードに切り替える(ステップST19)。
【0072】
駆動部23の動作モードを駆動許可モードに切り替えると、制御部21は、第2設定情報で規定された締付トルクで締付部材の締付作業を行うように駆動部23を制御し、第2作業を行う(ステップST20)。このとき、センサ部24が締付部材の締付トルクを測定する。制御部21は、第2作業の完了後に締付トルクの測定値を含む第2作業の作業結果(第2作業結果)を生成する(ステップST21)。ここで、制御部21によって生成された第2作業結果は、制御部21が有するメモリに一時的に記憶される。
【0073】
制御部21は、第2作業の完了後に、駆動部23の動作モードを、駆動許可モードから駆動不許可モードに切り替える(ステップST22)。
【0074】
また制御部21は、第2作業の完了後に、第2作業の完了通知信号を第1通信部25から受信機4の第2通信部41に送信させる(ステップST23)。
【0075】
第2通信部41が第2作業の完了通知信号を受信すると、受信機4の制御部43は、第2作業の完了通知信号を第3通信部42から上位装置5の第4通信部51に送信させる(ステップST24)。
【0076】
第4通信部51が第2作業の完了通知信号を受信すると、上位装置5の制御部53は、電動工具2を使用した第3作業を開始させるため、第3設定情報を記憶部52から読み出す。そして、制御部53は、第3設定情報を第4通信部51から受信機4の第3通信部42に送信させる(ステップST25)。
【0077】
第3通信部42が第3設定情報の受信を完了すると、受信機4の制御部43は、第2通信部41から電動工具2の第1通信部25に第3設定情報の送信を開始させる(ステップST26)。
【0078】
第1通信部25が第3設定情報の受信を完了すると、電動工具2の制御部21は、第1通信部25から送信元の受信機4へ応答信号を送信させ(ステップST27)、第3設定情報を記憶部27が有する不揮発性メモリに記憶する。
【0079】
第1通信部25から受信機4への応答信号の送信後、駆動部23が動作していない場合に、制御部21は、記憶部27から第1作業結果に含まれるすべてのデータを読み出し(ステップST28)、第1作業結果に含まれるすべてのデータを、第1通信部25から受信機4へ送信を開始する(ステップST29)。このとき、制御部21は、第1作業結果に含まれるすべてのデータに続いて、第2作業結果を受信機4へ送信する。
【0080】
第2通信部41が第1作業結果及び第2作業結果を受信完了すると、制御部43は、第2通信部41から電動工具2へ作業結果を受信したことを示す応答信号を送信させる(ステップST30)。なお、第1作業結果及び第2作業結果の送信中に、ユーザが第3作業を開始するために電動工具2の操作部22を操作すると、制御部21は、第1作業結果及び第2作業結果の送信を中断し、駆動部23を動作させる。
【0081】
以上のように、本実施形態の電動工具システム1では、完了した第1作業の第1作業結果の送信を中断して、第2作業を行うことができる。これにより、第1作業結果のデータ量が多く、送信に時間がかかることが予測される場合に、第1作業結果の送信の完了を待たずに第2作業を行うことができ、電動工具2を用いた作業の作業効率を向上させることができる。
【0082】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、電動工具システム1と同様の機能は、制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0083】
上記の実施形態に係る制御方法は、作業対象に対する作業に使用される電動工具2と、電動工具2と通信を行う管理システム3と、を備える電動工具システム1の電動工具2の制御方法である。電動工具2によって行われる作業は、第1作業と、第1作業の完了後に行われる第2作業と、を含む。電動工具システム1の制御方法は、第1作業実行ステップと、受信ステップと、作業結果送信ステップと、を含む。第1作業実行ステップでは、第1作業を実行する。受信ステップでは、第1作業の実行後に、第2作業に関する設定情報を管理システム3から受信する。作業結果送信ステップでは、設定情報の受信後に、第1作業の作業結果を管理システム3に送信する。また、上記の実施形態に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、上述の制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0084】
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0085】
ユーザが、第1作業結果の送信中に、第2作業を開始するために電動工具2の操作部22を操作すると、電動工具2の制御部21は、第1作業結果の送信を中断し、駆動部23を動作させる。第1作業結果の送信の中断後、制御部21は、第2作業の完了後であって駆動部23が動作していない場合に、第1作業結果に含まれるデータのうち、受信機4に送信していないデータの受信機4への送信を再開してもよい。この場合、ユーザが、第1作業結果の送信中に、第2作業を開始するために電動工具2の操作部22を操作すると、制御部21は、第1作業結果の送信を中断し、記憶部27に第1作業結果に含まれるデータのうち、受信機4に送信していないデータを記憶する。これにより、記憶部27の容量を節約することができる。またこれにより、第2作業の完了後の第1作業結果の送信にかかる時間を短縮することができる。
【0086】
第1設定情報~第3設定情報は、第1作業の開始前に受信機4の記憶部46に記憶されてもよい。この場合、第1作業~第3作業の各作業の開始前に、受信機4から第1設定情報~第3設定情報の各々が電動工具2に送信されてもよい。この場合、第1設定情報~第3設定情報は、受信機4の操作部44を用いて入力された情報でもよいし、上位装置5から受信した情報でもよい。
【0087】
本開示における電動工具システム1又は制御方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における電動工具システム1又は制御方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1又は複数の電子回路で構成される。
【0088】
上記の実施形態で、管理システム3の機能が、受信機4と管理装置5に分散されていたが、受信機4及び管理装置5の機能が一つの筐体内に集約されてもよい。
【0089】
(4)まとめ
以上述べたように、第1の態様に係る電動工具システム(1)は、作業対象に対する作業に使用される電動工具(2)と、電動工具(2)と通信を行う管理システム(3)と、を備える。作業は、第1作業と、第1作業の完了後に行われる第2作業と、を含む。管理システム(3)は、電動工具(2)が第1作業を完了した後に、第2作業に関する設定情報を電動工具(2)に送信する。電動工具(2)は、設定情報の受信後に、第1作業の作業結果を管理システム(3)に送信する。
【0090】
この態様によれば、第1作業の作業結果の送信中に、第2作業を開始することができるため、電動工具(2)を用いた作業の作業効率を向上させることができる。
【0091】
第2の態様に係る電動工具システム(1)では、第1の態様において、電動工具(2)は、第1作業を完了した後に、作業完了信号を管理システム(3)に送信する。管理システム(3)は、作業完了信号の受信後に、設定情報を電動工具(2)に送信する。
【0092】
この態様によれば、管理システム(3)は、第1作業が完了したか否かを判定することができる。
【0093】
第3の態様に係る電動工具システム(1)では、第1又は第2の態様において、電動工具(2)は、駆動部(23)と、操作部(22)と、制御部(21)と、を備える。駆動部(23)は、作業を行う先端工具(7)を駆動する。操作部(22)は、駆動部(23)を動作させるための操作を受け付ける。制御部(21)は、駆動部(23)の動作状態を操作部(22)からの入力信号に基づいて制御する。制御部(21)は、作業結果の送信中に操作部(22)が操作された場合、作業結果の送信を中断し、駆動部(23)を動作させる。
【0094】
この態様によれば、第1作業の作業結果の送信を中断して第2作業を開始することができるため、電動工具(2)を用いた作業の作業効率を向上させることができる。
【0095】
第4の態様に係る電動工具システム(1)では、第3の態様において、制御部(21)は、第2作業の完了後であって駆動部(23)が動作していない場合に、作業結果に含まれるすべてのデータの管理システム(3)への送信を再開する。
【0096】
この態様によれば、作業結果に含まれるデータの一部が管理システム(3)に送信されない可能性を低減することができる。
【0097】
第5の態様に係る電動工具システム(1)では、第4の態様において、電動工具(2)は、記憶部(27)を更に備える。制御部(21)は、作業結果の送信を中断した場合、管理システム(3)が受信した作業結果に含まれるデータの破棄を要求する要求情報を管理システム(3)に送信する。記憶部(27)は、作業結果の送信が中断された場合、作業結果に含まれるすべてのデータを記憶する。
【0098】
この態様によれば、管理システム(3)に送信する作業結果に含まれるデータの一部が中断の前後で重複する可能性を低減することができる。
【0099】
第6の態様に係る電動工具システム(1)では、第3~第5のいずれかの態様において、制御部(21)は、第2作業の完了後であって駆動部(23)が動作していない場合に、作業結果に含まれるデータのうち、管理システム(3)に送信していないデータの管理システム(3)への送信を再開する。
【0100】
この態様によれば、作業結果の送信の再開後に、作業結果の送信にかかる時間を短縮することができる。
【0101】
第7の態様に係る電動工具システム(1)では、第6の態様において、電動工具(2)は、記憶部(27)を更に備える。記憶部(27)は、作業結果の送信が中断された場合、作業結果に含まれるデータのうち、管理システム(3)に送信していないデータを記憶する。
【0102】
この態様によれば、記憶部(27)の容量を節約することができる。
【0103】
第8の態様に係る電動工具システム(1)では、第1~第7のいずれかの態様において、電動工具(2)は、駆動部(23)と、操作部(22)と、制御部(21)と、を備える。駆動部(23)は、作業を行う先端工具(7)を駆動する。操作部(22)は、駆動部(23)を動作させるための操作を受け付ける。制御部(21)は、駆動部(23)の動作状態を操作部(22)からの入力信号に基づいて制御する。制御部(21)は、少なくとも設定情報の受信中に操作部(22)が操作された場合、駆動部(23)の動作を抑止する。
【0104】
この態様によれば、設定情報の受信中に作業が行われる可能性を低減することができる。
【0105】
第9の態様に係る電動工具システム(1)では、第8の態様において、駆動部(23)の動作モードは、駆動が抑止される駆動不許可モードと、駆動が許可される駆動許可モードと、を有する。制御部(21)は、第1作業の完了後に駆動部(23)の動作モードを駆動不許可モードとし、設定情報の受信完了後に駆動部(23)の動作モードを駆動許可モードとする。
【0106】
この態様によれば、設定情報の受信中に作業が行われる可能性を低減することができる。
【0107】
第10の態様に係る制御方法は、作業対象に対する作業に使用される電動工具(2)と、電動工具(2)と通信を行う管理システム(3)と、を備える電動工具システム(1)の電動工具(2)の制御方法である。作業は、第1作業と、第1作業の完了後に行われる第2作業と、を含む。制御方法は、第1作業実行ステップと、受信ステップと、作業結果送信ステップと、を含む。第1作業実行ステップでは、第1作業を実行する。受信ステップでは、第1作業の実行後に、第2作業に関する設定情報を管理システム(3)から受信する。作業結果送信ステップでは、設定情報の受信後に、第1作業の作業結果を管理システム(3)に送信する。
【0108】
この態様によれば、第1作業の作業結果の送信中に、第2作業を開始することができるため、電動工具(2)を用いた作業の作業効率を向上させることができる。
【0109】
第11の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、第10の態様の制御方法を実行させる。
【0110】
この態様によれば、第1作業の作業結果の送信中に、第2作業を開始することができるため、電動工具(2)を用いた作業の作業効率を向上させることができる。
【0111】
第2~第9の態様に係る構成については、電動工具システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0112】
1 電動工具システム
2 電動工具
3 管理システム
7 先端工具
21 制御部
22 操作部
23 駆動部
27 記憶部
図1
図2
図3
図4