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特開2023-180171商取引業務システム、商取引業務方法、及び商取引業務プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180171
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】商取引業務システム、商取引業務方法、及び商取引業務プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/00 20230101AFI20231213BHJP
【FI】
G06Q30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093333
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長岡 直樹
(72)【発明者】
【氏名】中野 公伸
(72)【発明者】
【氏名】小関 峻介
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB22
(57)【要約】
【課題】フロント側のデータベースとバックヤード側のデータベースを区別し、データを相互に同期させることで、フロント側で参照できるデータを制限すること。
【解決手段】本実施の形態に係る商取引業務システムでは、フロント側システムは、第1の取引データを格納するためのフロントデータベースと、Webサイトを介した取引先からのリクエストに応じて、第1の取引データを入力して前記フロントデータベースに格納又は前記フロントデータベースに格納された第1の取引データを出力する第1の処理手段と、を含み、バックヤード側システムは、第2の取引データを格納するためのバックヤードデータベースと、第2の取引データを入力して前記バックヤードデータベースに格納する第2の処理手段と、前記フロントデータベースと前記バックヤードデータベースのデータを双方向に同期させて連携させる連携処理手段と、を含んでいる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロント側システムとバックヤード側システムを備え、取引先と所定の取引に関して電子商取引を行うための商取引業務システムであって、
前記フロント側システムは、
第1の取引データを格納するためのフロントデータベースと、
Webサイトを介した取引先からのリクエストに応じて、第1の取引データを入力して前記フロントデータベースに格納又は前記フロントデータベースに格納された第1の取引データを出力する第1の処理手段と、
を含み、
前記バックヤード側システムは、
第2の取引データを格納するためのバックヤードデータベースと、
第2の取引データを入力して前記バックヤードデータベースに格納する第2の処理手段と、
前記フロントデータベースと前記バックヤードデータベースのデータを双方向に同期させて連携させる連携処理手段と、
を含むことを特徴とする商取引業務システム。
【請求項2】
前記所定の取引は、注文・受注に関する取引であり、
前記フロント側システムでは、
前記フロントデータベースは、
注文番号、得意先、商品、更新時刻、受注データとの未連携又は連携済を指定する連携済フラグ、連携時刻、受注番号を含む注文データを格納するためのフロントデータテーブルと、
注文番号、新規、更新、又は削除を指定する履歴区分、得意先、商品、更新時刻、受注履歴データとの未連携又は連携済を指定する連携済フラグ、連携時刻、受注番号を含む注文履歴データを格納するためのフロント履歴テーブルと、
を含み、
前記第1の処理手段は、提供するWebサイトの注文入力画面での取引先の入力操作に応じて、新規の注文データを入力して、前記フロントデータテーブルに登録し、当該注文データに応じた注文履歴データを前記フロント履歴テーブルに登録し、
前記バックヤード側システムでは、
前記バックヤードデータベースは、
受注番号、得意先、商品、連携する注文データの注文番号である連携番号、更新時刻を含む受注データを格納するためのバックヤードデータテーブルと、
受注番号、新規、更新、又は削除を指定する履歴区分、得意先、商品、連携する注文データの注文番号である連携番号、更新時刻を含む受注履歴データを格納するためのバックヤード履歴テーブルと、
を含み、
前記第2の処理手段は、受注データを入力して、前記バックヤードデータテーブルに登録し、当該受注データに応じた受注履歴データを前記バックヤード履歴テーブルに登録し、
前記連携処理手段は、前記フロントデータテーブルの注文データ/前記フロント履歴テーブルの注文履歴データと、前記バックヤードデータテーブルの受注データ/前記バックヤード履歴テーブルの受注履歴データを連携させることを特徴とする請求項1に記載の商取引業務システム。
【請求項3】
前記第2の処理手段は、前記注文データの修正がある場合は、前記受注データ及び前記注文履歴データを修正することを特徴とする請求項2に記載の商取引業務システム。
【請求項4】
前記連携処理手段は、前記フロントデータテーブルから連携済フラグ=未連携の注文データを連携対象として取得し、取得した注文データを、前記バックヤードデータテーブルの受注データ/前記バックヤード履歴テーブルの受注履歴データに追加し、その際、受注番号は新規な番号を割り当て、連携番号を「注文番号」、更新時刻を「連携処理の実行時刻」とし、連携後に、前記フロントデータテーブルの連携対象の注文データについて、連携済フラグを「連携済」、連携時刻を「連携処理の実行時刻」に更新することを特徴とする請求項2に記載の商取引業務システム。
【請求項5】
前記バックヤード側システムは、さらに、受注入力を許可する得意先を登録した連携取引先管理マスタと、
連携処理の実行時刻を含む連携実行データを格納するための連携実行データテーブルと、
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の商取引業務システム。
【請求項6】
前記連携処理手段は、
前記連携実行データテーブルの連携実行データの更新時刻を取得し、
前記バックヤード履歴テーブルから前記連携取引先管理マスタに登録されている得意先と一致し、かつ、取得した更新時刻以降の更新時刻の受注履歴データを連携対象として取得し、取得した受注履歴データで前記フロントデータテーブルの注文データ/前記フロント履歴テーブルの注文履歴データを更新し、
取得した受注履歴データの連携番号が注文データの注文番号に一致する場合又は受注番号が注文データの受注番号に一致する場合は、注文データについて、受注番号を一致した受注データの受注番号に更新するとともに、受注履歴データの修正事項がある場合は更新し、当該注文データの更新に応じた注文履歴データを、履歴区分を「更新」として前記フロント履歴テーブルに追加し、
取得した受注履歴データの連携番号が注文データの注文番号に一致しない場合かつ受注番号が注文データの受注番号に一致しない場合は、注文データを新規作成し、当該新規作成した注文データに応じた注文履歴データを、履歴区分を「新規」として前記フロント履歴テーブルに追加し、
受注履歴データにおいて、履歴区分「削除」のデータは受注番号が一致する注文データを削除し、当該削除した注文データに応じた注文履歴データを、履歴区分を「削除」として前記フロント履歴テーブルに追加し、
連携後に、連携実行データの更新時間を連携処理の実行時間に更新することを特徴とする請求項5に記載の商取引業務システム。
【請求項7】
前記第1の処理手段は、提供するWebサイトの注文履歴照会画面での取引先の操作に応じて、前記フロントデータテーブルの注文データ及び/又は前記フロント履歴テーブルの注文履歴データを参照して、注文の実績及び/又は履歴を出力することを特徴とする請求項2に記載の商取引業務システム。
【請求項8】
前記所定の取引は、商品・役務の提供取引又は商品・役務の調達取引を含むことを特徴とする請求項1に記載の商取引業務システム。
【請求項9】
フロント側システムとバックヤード側システムを備え、取引先と所定の取引に関して電子商取引を行うための商取引業務システムが実行する商取引業務方法であって、
前記フロント側システムが、Webサイトを介した取引先からのリクエストに応じて、第1の取引データを入力してフロントデータベースに格納又は前記フロントデータベースに格納された第1の取引データを出力する第1の処理工程と、
前記バックヤード側システムが、第2の取引データを入力してバックヤードデータベースに格納する第2の処理工程と、
前記バックヤード側システムが、前記フロントデータベースと前記バックヤードデータベースのデータを双方向に同期させて連携させる連携処理工程と、
を含むことを特徴とする商取引業務方法。
【請求項10】
フロント側システムとバックヤード側システムを備え、取引先と所定の取引に関して電子商取引を行うための商取引業務システムに実行させるための商取引業務プログラムであって、
前記フロント側システムが、Webサイトを介した取引先からのリクエストに応じて、第1の取引データを入力してフロントデータベースに格納又は前記フロントデータベースに格納された第1の取引データを出力する第1の処理工程と、
前記バックヤード側システムが、第2の取引データを入力してバックヤードデータベースに格納する第2の処理工程と、
前記バックヤード側システムが、前記フロントデータベースと前記バックヤードデータベースのデータを双方向に同期させて連携させる連携処理工程と、
をコンピュータに実行させるための商取引業務プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商取引業務システム、商取引業務方法、及び商取引業務プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、WebEDI(Electronic Data Interchange)システムを使用して取引先と電子データを交換するシステムが普及している。WebEDIの特性上、自社が管理するデータベースに取引先がデータを登録・参照できるため公開したくないデータまで参照できてしまうリスクがある。WebEDIシステムを使用して取引先と電子商取引を行うシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-234220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、WebEDI(Electronic Data Interchange)システムにおいて、フロント(「フロントヤード」ともいう)側のデータベースとバックヤード側のデータベースを区別し、データを相互に同期させることで、フロント側で参照できるデータを制限することに関して、何ら記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、フロント側のデータベースとバックヤード側のデータベースを区別し、データを相互に同期させることで、フロント側で参照できるデータを制限することが可能な商取引業務システム、商取引業務方法、及び商取引業務プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、フロント側システムとバックヤード側システムを備え、取引先と所定の取引に関して電子商取引を行うための商取引業務システムであって、前記フロント側システムは、第1の取引データを格納するためのフロントデータベースと、Webサイトを介した取引先からのリクエストに応じて、第1の取引データを入力して前記フロントデータベースに格納又は前記フロントデータベースに格納された第1の取引データを出力する第1の処理手段と、を含み、前記バックヤード側システムは、第2の取引データを格納するためのバックヤードデータベースと、第2の取引データを入力して前記バックヤードデータベースに格納する第2の処理手段と、前記フロントデータベースと前記バックヤードデータベースのデータを双方向に同期させて連携させる連携処理手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記所定の取引は、注文・受注に関する取引であり、
前記フロント側システムでは、前記フロントデータベースは、注文番号、得意先、商品、更新時刻、受注データとの未連携又は連携済を指定する連携済フラグ、連携時刻、受注番号を含む注文データを格納するためのフロントデータテーブルと、注文番号、新規、更新、又は削除を指定する履歴区分、得意先、商品、更新時刻、受注履歴データとの未連携又は連携済を指定する連携済フラグ、連携時刻、受注番号を含む注文履歴データを格納するためのフロント履歴テーブルと、を含み、前記第1の処理手段は、提供するWebサイトの注文入力画面での取引先の入力操作に応じて、新規の注文データを入力して、前記フロントデータテーブルに登録し、当該注文データに応じた注文履歴データを前記フロント履歴テーブルに登録し、前記バックヤード側システムでは、前記バックヤードデータベースは、受注番号、得意先、商品、連携する注文データの注文番号である連携番号、更新時刻を含む受注データを格納するためのバックヤードデータテーブルと、受注番号、新規、更新、又は削除を指定する履歴区分、得意先、商品、連携する注文データの注文番号である連携番号、更新時刻を含む受注履歴データを格納するためのバックヤード履歴テーブルと、を含み、前記第2の処理手段は、受注データを入力して、前記バックヤードデータテーブルに登録し、当該受注データに応じた受注履歴データを前記バックヤード履歴テーブルに登録し、前記連携処理手段は、前記フロントデータテーブルの注文データ/前記フロント履歴テーブルの注文履歴データと、前記バックヤードデータテーブルの受注データ/前記バックヤード履歴テーブルの受注履歴データを双方向に同期させて連携させることにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記第2の処理手段は、前記注文データの修正がある場合は、前記受注データ及び前記注文履歴データを修正することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記連携処理手段は、前記フロントデータテーブルから連携済フラグ=未連携の注文データを連携対象として取得し、取得した注文データを、前記バックヤードデータテーブルの受注データ/前記バックヤード履歴テーブルの受注履歴データに追加し、その際、受注番号は新規な番号を割り当て、連携番号を「注文番号」、更新時刻を「連携処理の実行時刻」とし、連携後に、前記フロントデータテーブルの連携対象の注文データについて、連携済フラグを「連携済」、連携時刻を「連携処理の実行時刻」に更新することにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記バックヤード側システムは、さらに、受注入力を許可する得意先を登録した連携取引先管理マスタと、連携処理の実行時刻を含む連携実行データを格納するための連携実行データテーブルと、を備えることにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記連携処理手段は、前記連携実行データテーブルの連携実行データの更新時刻を取得し、前記バックヤード履歴テーブルから前記連携取引先管理マスタに登録されている得意先と一致し、かつ、取得した更新時刻以降の更新時刻の受注履歴データを連携対象として取得し、取得した受注履歴データで前記フロントデータテーブルの注文データ/前記フロント履歴テーブルの注文履歴データを更新し、取得した受注履歴データの連携番号が注文データの注文番号に一致する場合又は受注番号が注文データの受注番号に一致する場合は、注文データについて、受注番号を一致した受注データの受注番号に更新するとともに、受注履歴データの修正事項がある場合は更新し、当該注文データの更新に応じた注文履歴データを、履歴区分を「更新」として前記フロント履歴テーブルに追加し、取得した受注履歴データの連携番号が注文データの注文番号に一致しない場合かつ受注番号が注文データの受注番号に一致しない場合は、注文データを新規作成し、当該新規作成した注文データに応じた注文履歴データを、履歴区分を「新規」として前記フロント履歴テーブルに追加し、受注履歴データにおいて、履歴区分「削除」のデータは受注番号が一致する注文データを削除し、当該削除した注文データに応じた注文履歴データを、履歴区分を「削除」として前記フロント履歴テーブルに追加し、連携後に、連携実行データの更新時間を連携処理の実行時間に更新することにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、前記第1の取引手段は、提供するWebサイトの注文履歴照会画面での取引先の操作に応じて、前記フロントデータテーブルの注文データ及び/又は前記フロント履歴テーブルの注文履歴データを参照して、注文の実績及び/又は履歴を出力することにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様によれば、前記所定の取引は、商品・役務の提供取引又は商品・役務の調達取引を含むことにしてもよい。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、フロント側システムとバックヤード側システムを備え、取引先と所定の取引に関して電子商取引を行うための商取引業務システムが実行する商取引業務方法であって、前記フロント側システムが、Webサイトを介した取引先からのリクエストに応じて、第1の取引データを入力してフロントデータベースに格納又は前記フロントデータベースに格納された第1の取引データを出力する第1の処理工程と、前記バックヤード側システムが、第2の取引データを入力してバックヤードデータベースに格納する第2の処理工程と、前記バックヤード側システムが、前記フロントデータベースと前記バックヤードデータベースのデータを双方向に同期させて連携させる連携処理工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、フロント側システムとバックヤード側システムを備え、取引先と所定の取引に関して電子商取引を行うための商取引業務システムに実行させるための商取引業務プログラムであって、前記フロント側システムが、Webサイトを介した取引先からのリクエストに応じて、第1の取引データを入力してフロントデータベースに格納又は前記フロントデータベースに格納された第1の取引データを出力する第1の処理工程と、前記バックヤード側システムが、第2の取引データを入力してバックヤードデータベースに格納する第2の処理工程と、前記バックヤード側システムが、前記フロントデータベースと前記バックヤードデータベースのデータを双方向に同期させて連携させる連携処理工程と、をコンピュータに実行させるための商取引業務プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フロント側のデータベースとバックヤード側のデータベースを区別し、データを相互に同期させることで、フロント側で参照できるデータを制限することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、販売業務システムの一例を示す図である。
図2図2は、フロント環境とバックヤード環境を分離した本発明の商取引業務システムのイメージを示す図である。
図3図3は、本発明の業務フローの一例を示す図である。
図4図4は、本実施の形態に係る商取引業務システムの構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、本実施の形態における商取引業務システムの全体の処理の概略を説明するためのフローの一例を示す図である。
図6図6は、本実施の形態に係る商取引業務システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図7図7は、本実施の形態に係る商取引業務システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図8図8は、本実施の形態に係る商取引業務システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図9図9は、本実施の形態に係る商取引業務システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図10図10は、本実施の形態に係る商取引業務システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図11図11は、本実施の形態に係る商取引業務システムの処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図12図12は、本発明の商取引業務システムの適用例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る商取引業務システム、商取引業務方法、及び商取引業務プログラムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
本発明では、電子商取引を行うシステムにおいて、フロント側のデータベースとバックヤード側のデータベースを区別し、データを相互に同期させるための仕組みを構築し、データの更新情報を正しく管理することで、フロント側で参照できるデータを最小限に留めることを可能とした。
【0020】
(1.WebEDI)
企業間の取引を電子化したいというニーズがあり、WebEDIのニーズが増加している。WebEDIとは、企業間電子商取引を実現するための一つの方式であり、Webシステムを導入し、インターネットを介して商取引を行う仕組みである。
【0021】
図1は、販売業務システムの一例を示す図である。運営会社は、WebEDIシステムを運営し、商取引業務システムを導入する会社であり、商取引業務データ管理の主体となる会社である。
【0022】
取引先(例えば、得意先、仕入先)は、運営会社から見た「商品・役務等の提供先」または、「商品・役務等の調達先」の会社であり、商取引業務システムを導入する会社ではない。取引先は、運営会社とWebEDIを使用して取引するという契約を結び、運営会社によって払い出されたユーザアカウントを使用してシステムにログインする。
【0023】
(2.本発明の商取引業務システムの概要)
本発明では、WebEDIシステムを運用する商取引業務システムを、フロント環境とバックヤード環境によって構成する。フロント環境は、取引先ユーザ及び運営会社ユーザがログインして使用する環境であり、インターネット上に公開し、運営会社と取引先関係にある多数のユーザが共同で接続利用できる環境を想定している。「商品・役務等の提供先」、「商品・役務等の調達先」と運営会社との間で発生する取引の一次保管データベースにアクセス可能である。取引先数が少ない場合は、接続元を制限することでより高いセキュリティの下公開することができる。
【0024】
バックヤード環境は、運営会社ユーザのみログインして使用する環境である。取引先などの外部会社等の接続を許可せず、運営会社からのみ接続できる想定を想定している。主体である運営会社の基幹システムである商取引業務データ管理データベースにアクセス可能である。
【0025】
本発明で、フロント環境とバックヤード環境を分離する理由は、環境を分離する場合に生じるデメリットより、得られるメリットの方が大きいため、WebEDIにおいては原則環境を分離する。
【0026】
デメリットとしては、ふたつの環境の取引データを格納するデータベースを分離されてしまうため、リアルタイムにデータを同期することができない。このため、データ同期処理を実装する必要がある。
【0027】
メリットとしては、一方の環境がダウンしても他方の環境を稼働させ続けることで業務を継続することができる。それぞれの環境の利用人数の想定に即したスペックの環境を構築し、リソースを最適化することができる。例えば、フロント環境は利用人数が多いので高スペックのマシンで構築し、バックヤード環境は低スペックマシンで構築することができる。
【0028】
また、それぞれのデータベースに保存されるデータの性質に即した運用をとることができる。例えば、フロント環境のデータベースには取引先ユーザの個人情報が登録されうるため、特殊な暗号化処理を施す。
【0029】
また、サーバ/ネットワークにインフラ的な境界を設けて分断し、特定通信のみを許可することでセキュリティを強化することができる。
【0030】
図2は、フロント環境とバックヤード環境を分離した本発明の商取引業務システムのイメージを示す図である。フロント環境では、取引先ユーザ(A社ユーザ、B社ユーザ、C社ユーザ)や運営会社ユーザがアクセス可能なWebサイトを提供し、ユーザデータと、業務データ(一次保管用)を格納する。ユーザデータには、取引先ユーザの個人情報が登録されうる(名前、メールアドレス等)。バックヤード環境には連携しない。
【0031】
業務データ(一次保管用データ)は、「商品・役務等の提供先」、「商品・役務等の調達先」と運営会社との間で発生する取引データである。
【0032】
バックヤード環境は、運営会社ユーザのみがアクセス可能な環境(例えば、Webサイト、ローカルプログラム、リモート接続等によるアクセス環境)を提供し、連携ツールを備え、業務データ(データ管理用)を格納する。連携ツールは、フロント環境とバックヤード環境の業務データを定期的に同期する。環境間の連携ツールの通信以外を制限する。
【0033】
WebEDIの特性上、自社が管理するデータベースに取引先がデータを登録・参照できるため公開したくないデータまで参照できてしまうリスクがある。そのため、本発明の商取引業務システムは、フロント側のデータベースとバックヤード側のデータベースを区別することで、フロント側で参照できるデータを最小限に留ることでセキュリティ対策を行う。
【0034】
また、フロント側では登録のみを許容しており、修正したデータの情報などはバックヤード側で行う必要がある。そのため、修正したデータを同期するためにフロント側のデータベースとバックヤード側のデータベースにおけるデータを相互に同期させることが必要不可欠である。
【0035】
また、全てのデータを連携するには処理に時間もかかるため、連携時点の時間を別途テーブルに保持することで、次回連携時に前回連携後に更新されたデータのみ対象として連携することが可能である。ここでは、フロント側における注文(バックヤード側における受注)を例として記載する。
【0036】
取引先が登録した発注データを自社の受注データとして、データベースを跨いだ更新を行う。また、自社が登録した受注データを取引先の発注データとして、データベースを跨いだ更新を行い、取引先はWeb上で確認することができる。
【0037】
(3.本発明の商取引業務システムの主要構成)
本発明の商取引業務システムは、フロント側システムとバックヤード側システムを備え、取引先と所定の取引に関して電子商取引を行う。フロント側システムは、第1の取引データを格納するためのフロントデータベースと、Webサイトを介した取引先からのリクエストに応じて、第1の取引データを入力してフロントデータベースに格納又はフロントデータベースに格納された第1の取引データを出力する第1の処理手段とを備えている。バックヤード側システムは、第2の取引データを格納するためのバックヤードデータベースと、第2の取引データを入力してバックヤードデータベースに格納する第2の処理手段と、フロントデータベースとバックヤードデータベースのデータを双方向に同期させて連携させる連携処理手段と、を備えている。
【0038】
所定の取引は、各種の商品・役務の提供取引又は商品・役務の調達取引を含む。以下の説明では、注文・受注の取引の実施例を一例として説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、他の商品・役務の提供取引又は商品・役務の調達取引にも適用可能であり、例えば、鉄鋼・メーカー・食品・流通小売など物販業全体に適用可能であり、また、業務委託先への作業依頼等も取引として含むことで、サービス業界全般に対しても適用可能である。
【0039】
(4.本発明の業務フローの一例)
図3は、本発明の業務フローの一例を示す図である。以下の実施例では、フロント環境における注文/バックヤード環境における受注の例を説明する。
【0040】
図3において、フロント環境では、(1)Webサイトを介して取引先の注文入力を受け付けて注文データをフロント側データベースに格納する。フロント側データベースの注文データとバックヤード側データベースの受注データを連携させ、(2)フロント側データベース→バックヤード側データベース、(3)バックヤード側データベース→フロント側データベースと連携させる。
【0041】
他方、バックヤード環境では、(4)取引先の受注入力を受け付けて受注データをバックヤード側データベースに格納する。バックヤード側データベースの受注データとフロント側データベースの注文データとを連携させ、(5)バックヤード側データベース→フロント側データベースと連携させる。
【0042】
フロント環境では、(6)Webサイトを介して、取引先はフロント側データベースの注文データの受注照会(例えば、注文履歴一覧の照会)が可能となっている。
【0043】
(5.本発明の商取引業務システムの機能概要)
次に、本発明の商取引業務システムの機能概要を説明する。
【0044】
1.フロント側の注文データを連携するために連携済フラグを用意する。具体的には、以下の通りである。
(1)連携処理(フロント側→バックヤード側)は、フロント側での入力は新規のみ許容しており必ず連携することが前提となっている。
(2)注文データの登録時点では、連携済フラグは未連携として登録を行う。
(3)連携対象データ取得の際に、連携済フラグが未連携のデータのみ連携対象とする。
(4)連携処理(フロント側→バックヤード側)が行われると連携済フラグを連携済へ更新する。
(5)バックヤード側から連携されたデータは連携済として更新する(次回連携対象としないため)。
【0045】
2.バックヤード側の受注データを連携するために連携実行データを用意する。具体的には、以下の通りである。
(1)連携処理(バックヤード側→フロント側)を使用しない入力・履歴データ管理もバックヤードでは行っているため、別途、連携実行データを用意し、データ区分によって連携対象のテーブルを特定する。かかる仕組みを実装することで、フロント側の業務範囲拡大に対してバックヤードシステムの構造を変更することなく、柔軟に対応可能となる。
(2)連携実行データに保持する更新時刻以降に更新されたデータを対象として連携を行う。
(3)更新されたデータは履歴データから取得する。
【0046】
[2.構成]
本実施の形態に係る商取引業務システム1の構成について、図4を参照して説明する。図4は、本実施の形態に係る商取引業務システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
商取引業務システム1は、例えば、WebEDIを使用して、取引先と所定の商取引業務を行うシステムであり、互いにデータ通信可能に構成された、フロント側システム100と、バックヤード側システム200とで構成されている。「フロント側システム100」は、WebEDIシステムを適用したシステムであり、単に「フロント側」と称する場合がある。「バックヤード側システム200」は、社員が業務を行うための業務システムであり、単に「バックヤード側」と称する場合がある。
【0048】
フロント側システム100及びバックヤード側システム200は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータやワークステーション等である。
【0049】
フロント側システム100は、図4に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。フロント側システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0050】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、フロント側システム100をネットワーク300に通信可能に接続する機能(ネットワークインターフェース機能)を有する。ここで、ネットワーク300は、フロント側システム100と取引先端末310・・・等の他の装置とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットである。取引先端末310は、例えば、得意先の端末である。フロント側システム100と取引先端末310は、ネットワーク(インターネット)300を介して通信可能に接続されている。
【0051】
また、通信インターフェース部104は、他の装置と直接データを通信する機能(通信インターフェス機能)を有し、バックヤード側システム200と通信可能に接続されている。
【0052】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。また、ユーザが出力装置(モニタ)114の画面(GUI等)に対して入力装置112で操作することを、単に「ユーザ操作」と記載する場合がある。
【0053】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0054】
記憶部106は、フロントデータテーブル106a、フロント履歴テーブル106b等を備えている。
【0055】
フロントデータテーブル106aは、注文データを格納するためのテーブルである。注文データは、注文番号、得意先、商品、更新時刻、受注データとの未連携又は連携済を指定する連携済フラグ、連携時刻、受注番号を含んでいてもよい。
【0056】
フロント履歴テーブル106bは、注文履歴データを格納するためのテーブルである。注文履歴データは、注文番号、履歴区分(新規、更新、削除)、得意先、商品、更新時刻、受注履歴データとの未連携又は連携済を指定する連携済フラグ、連携時刻、受注番号を含んでいてもよい。
【0057】
制御部102は、フロント側システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0058】
制御部102は、機能概念的に、第1の処理部102aを備えている。
【0059】
第1の処理部102aは、WebEDI提供部として機能し、例えば、提供するWebサイトの注文入力画面での取引先端末310の入力操作に応じて、新規の注文データを入力して、フロントデータテーブル106aに登録する。また、第1の処理部102aは、注文データに応じた注文履歴データをフロント履歴テーブル106bに登録する。連携取引先管理マスタ206cに登録されている得意先(取引先)には、提供するWebサイトのアクセスを許可するパスワードが発行されており、取引先端末310はアクセスする場合にパスワードを入力する。
【0060】
また、第1の処理部102aは、提供するWebサイトの注文履歴照会画面での取引先端末310の操作に応じて、フロントデータテーブル106aの注文データ又はフロント履歴テーブル106b参照して、注文の実績又は履歴を表示出力する。
【0061】
また、バックヤード側システム200は、図4に示すように、制御部202と通信インターフェース部204と記憶部206と入出力インターフェース部208と、を備えている。バックヤード側システム200が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0062】
通信インターフェース部204は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、バックヤード側システム200をネットワーク400に通信可能に接続する機能(ネットワークインターフェース機能)を有する。ここで、ネットワーク400は、バックヤード側システム200と社員端末410・・・等の他の装置とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えば社内LANである。社員端末410・・・は、例えば、社員の端末である。バックヤード側システム200と社員端末410は、ネットワーク(社内LAN(Local Area Network))400を介して通信可能に接続されている。このように、バックヤード側システム200に接続できる装置は制限されている。
【0063】
また、通信インターフェース部204は、他の装置と直接データを通信する機能(通信インターフェス機能)を有し、フロント側システム100と通信可能に接続されている。
【0064】
入出力インターフェース部208には、入力装置212および出力装置214が接続されている。出力装置214には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置212には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置214をモニタ214とし、入力装置212をキーボード212またはマウス212として記載する場合がある。また、ユーザが出力装置(モニタ)214の画面(GUI等)に対して入力装置212で操作することを、単に「ユーザ操作」と記載する場合がある。
【0065】
記憶部206には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部206には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0066】
記憶部206は、バックヤードデータテーブル206a、バックヤード履歴テーブル206b、連携取引先管理マスタ206c、連携実行データテーブル206d等を備えている。
【0067】
バックヤードデータテーブル206aは、受注データを格納するためのテーブルである。受注データは、受注番号、得意先、商品、連携する注文データの注文番号である連携番号、更新時刻を含んでいてもよい。
【0068】
バックヤード履歴テーブル206bは、受注履歴データを格納するためのテーブルである。受注履歴データは、受注番号、履歴区分(新規、更新、削除)、得意先、商品、連携する注文データの注文番号である連携番号、更新時刻を含んでいてもよい。
【0069】
連携取引先管理マスタ206cは、WebEDIの使用を許可する得意先を登録している。この得意先には、WebEDIを使用するためのパスワードを発行しており、得意先は、フロント側(WebEDI)にアクセスする場合に、パスワードを入力する。
【0070】
連携実行データテーブル206dは、連携実行データを格納するためのテーブルである。連携実行データは、データ区分、更新時刻を含んでいてもよい。
【0071】
制御部202は、バックヤード側システム200を統括的に制御するCPU等である。制御部202は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0072】
制御部202は、機能概念的に、第2の処理部202a、連携処理部202bを備えている。
【0073】
第2の処理部202aは、例えば、社員端末410の操作に応じて、受注データを入力して、バックヤードデータテーブル206aに登録する。また、第2の処理部202aは、受注データに応じた受注履歴データをバックヤード履歴テーブル206bに登録する。
【0074】
第2の処理部202aは、例えば、注文データの修正がある場合は、例えば、社員端末410の操作に応じて、受注データ及び注文履歴データを修正する。
【0075】
連携処理部202bは、フロントデータテーブル106aの注文データ/フロント履歴テーブル106bの注文履歴データとバックヤードデータテーブル206aの受注データ/バックヤード履歴テーブル206bの受注履歴データを双方向に同期させて連携させる。
【0076】
連携処理部202bは、フロント側→バックヤード側の連携処理を実行し、まず、フロントデータテーブル106aから連携済フラグ=未連携の注文データを連携対象として取得し、取得した注文データを、バックヤードデータテーブル206aの受注データ/バックヤード履歴テーブル206bの受注履歴データに追加し、その際、受注番号は新規な番号を割り当て、連携番号を「注文番号」、更新時刻を「連携処理の実行時刻」とし、連携後に、フロントデータテーブル106aの連携対象の注文データについて、連携済フラグを「連携済」、連携時刻を「連携処理の実行時刻」に更新してもよい。
【0077】
連携処理部202bは、バックヤード側→フロント側の連携処理を実行し、まず、連携実行データテーブル206dの連携実行データの更新時刻を取得し、バックヤード履歴テーブル206bから連携取引先管理マスタ206cに登録されている得意先と一致し、かつ、取得した更新時刻以降の更新時刻の受注履歴データを連携対象として取得し、取得した受注履歴データでフロントデータテーブル106aの注文データ/フロント履歴テーブル106bの注文履歴データを更新し、その際、取得した受注履歴データの連携番号が注文データの注文番号に一致する場合又は受注番号が注文データの受注番号に一致する場合は、注文データについて、受注番号を一致した受注データの受注番号に更新するとともに、受注履歴データの修正事項がある場合は更新し、当該注文データの更新に応じた注文履歴データを、履歴区分を「更新」としてフロント履歴テーブル106bに追加し、取得した受注履歴データの連携番号が注文データの注文番号に一致しない場合かつ受注番号が注文データの受注番号に一致しない場合は、注文データを新規作成し、当該新規作成した注文データに応じた注文履歴データを、履歴区分を「新規」としてフロント履歴テーブル106bに追加し、受注履歴データにおいて、履歴区分「削除」のデータは受注番号が一致する注文データを削除し、当該削除した注文データに応じた注文履歴データを、履歴区分を「削除」としてフロント履歴テーブル106bに追加し、連携後に、連携実行データの更新時間を連携処理の実行時間に更新することにしてもよい。
【0078】
[3.処理の具体例]
図4図11を参照して、本実施の形態における商取引業務システム1の処理の具体例を説明する。図5図11は、本実施の形態における商取引業務システム1の処理の具体例を説明するための図である。
【0079】
(全体の処理)
図5は、本実施の形態における商取引業務システム1の全体の処理の概略を説明するためのフローの一例を示す図である。同図において、フロント側での注文登録、バックヤード側での受注登録を行うタイミングは一例であり、このフローのタイミングに限られるものではなく、他のタイミングで行われる場合もある。
【0080】
図5において、フロント側で注文登録、バックヤード側で受注登録を行う(ステップS1)。具体的には、フロント側において、第1の処理部102aは、提供するWebサイトの注文入力画面での取引先端末310の入力操作に応じて、新規の注文データを入力して、フロントデータテーブル106aに登録する。また、第1の処理部102aは、注文データに応じた注文履歴データをフロント履歴テーブル106bに登録する。この段階では、連携処理が行われていないので、注文データ及び注文履歴データの連携済フラグは「未連携」、連携時刻「-」、受注番号「-」とする。
【0081】
バックヤード側では、第2の処理部202aは、例えば、社員端末410の操作に応じて、受注データを入力して、バックヤードデータテーブル206aに登録する。また、第2の処理部202aは、受注データに応じた受注履歴データをバックヤード履歴テーブル206bに登録する。この段階では、連携処理が行われていないので、受注データ及び受注履歴データの連携番号「-」とする。
【0082】
注文登録は、連携取引先管理マスタ206cに登録された得意先ついてのみ可能となっている。受注登録は、連携取引先管理マスタ206cに登録された得意先に加えて、登録されていない得意先についても可能となっている。
【0083】
以下、フロントデータテーブル106aの注文データ/フロント履歴テーブル106bの注文履歴データをバックヤードデータテーブル206aの受注データ/バックヤード履歴テーブル206bの受注履歴データに連携させる処理を「連携処理(フロント側→バックヤード側)」と記載する。また、バックヤードデータテーブル206aの受注データ/バックヤード履歴テーブル206bの受注履歴データをフロントデータテーブル106aの注文データ/フロント履歴テーブル106bの注文履歴データに連携させる処理を「連携処理(バックヤード側→フロント側)」と記載する。
【0084】
バックヤード側では、連携処理(フロント側→バックヤード側)を実施する(ステップS2)。
【0085】
連携処理部202bは、まず、連携処理の実行時間を取得する。連携処理部202bは、フロントデータテーブル106aから連携済フラグ=未連携の注文データを連携対象として取得して、取得した注文データを、バックヤードデータテーブル206aの受注データ/バックヤード履歴テーブル206bの受注履歴データに追加し、その際、受注番号は新規な番号を割り当て、連携番号を「注文番号」、更新時刻を「取得した連携処理の実行時刻」とする。連携後に、フロントデータテーブル106aの連携対象の注文データについて、連携済フラグを「連携済」、連携時刻を「取得した連携処理の実行時刻」に更新する。
【0086】
バックヤード側では、連携処理(バックヤード側→フロント側)を実施する(ステップS3)。
【0087】
連携処理部202bは、連携実行データテーブル206dの連携実行データのデータ区分が「受注」の更新時刻を取得する。連携処理部202bは、バックヤード履歴テーブル206bから連携取引先管理マスタ206cに登録されている得意先と一致し、かつ、取得した更新時刻以降の更新時刻の受注履歴データを連携対象として取得する。
【0088】
取得した受注履歴データでフロントデータテーブル106aの注文データ/フロント履歴テーブル106bの注文履歴データを更新する。この場合、取得した受注履歴データの連携番号が注文データの注文番号に一致する場合又は受注番号が注文データの受注番号に一致する場合、一致した受注データの受注番号に更新し、注文履歴データの履歴区分を「更新」に更新する。
【0089】
他方、取得した受注履歴データの連携番号が注文データの注文番号に一致しない場合かつ受注番号が注文データの受注番号に一致しない場合、注文データを新規作成し、注文履歴データの履歴区分は「新規」とする。受注履歴データにおいて、履歴区分「削除」のデータは受注番号が一致する注文データを削除し、注文履歴データの履歴区分は「削除」とする。
【0090】
注文データ/注文履歴データの追加・更新を行ったデータの連携時刻を「連携処理の実行時刻」で更新する。連携後に、連携実行データの更新時刻を「連携処理の実行時刻」に更新する。
【0091】
バックヤード側で受注登録(修正等)を行う(ステップS4)。フロント側(WebEDI)での登録は新規のみとしているため、追加・変更・削除などの修正は、バックヤード側で行う。第2の処理部202aは、バックヤードデータテーブル206aの受注データの修正を行う。また、第2の処理部202aは、受注データの修正に応じて受注履歴データを更新する。
【0092】
バックヤード側で連携処理(バックヤード側→フロント側)実施する(ステップS5)
連携実行データの更新時刻以降に更新されたデータを連携対象として、バックヤード側で連携処理(バックヤード側→フロント側)実施する。連携処理(バックヤード側→フロント側)は、ステップS3と同様な方法で実行する。
【0093】
フロント側では、注文データを確認する(ステップS6)。注文データの実績・履歴の二つの確認が可能となっている。第1の処理部102aは、例えば、提供するWebサイトの注文履歴一覧画面での取引先端末310の操作に応じて、フロントデータテーブル106aの注文データ又はフロント履歴テーブル106b参照して、注文の実績又は履歴を出力する。
【0094】
(3-2.サンプルデータ)
図6図11は、本実施の形態に係る商取引業務システム1の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。図6図11を参照して、図5の処理の具体例を説明する。
【0095】
(S1.フロント側で注文データを登録、バックヤード側で受注データを登録)
図6を参照して、ステップS1の処理の具体例を説明する。フロント側では、例えば、注文入力画面上での取引先端末310の入力操作に応じて、例えば、注文番号(D001、D002、D003)の注文データをフロントデータテーブル106aに登録する。注文データの連携済フラグは「未連携」とする。また、注文データについての注文履歴データをフロント履歴テーブル106bに登録する。
【0096】
図6(A)は、注文入力画面の表示例を示す図である。注文入力画面は、注文日と商品を入力する欄を備えている。
【0097】
図6(B)は、注文データのデータ例を示している。注文データは、注文番号、得意先、商品、更新時刻、連携済フラグ、連携時刻、受注番号を含んでいてもよい。同図に示す例では、1行目は、注文番号「D001」、得意先「T001」、商品「ShouhinA」、更新時刻「2022/3/2 10:00」、連携済フラグ「未連携」、2行目は、注文番号「D002」、得意先「T001」、商品「ShouhinB」、更新時刻「2022/3/2 10:05」、連携済フラグ「未連携」、3行目は、注文番号「D003」、得意先「T002」、商品「ShouhinC」、更新時刻「2022/3/2 10:10」、連携済フラグ「未連携」が登録される。
【0098】
図6(C)は、注文履歴データのデータ例を示している。注文履歴データは、注文番号、履歴区分(新規、更新、削除)、得意先、商品、更新時刻、連携済フラグ、連携時刻、受注番号を含んでいてもよい。同図に示す例では、1行目は、注文番号「D001」、履歴区分「新規」、得意先「T001」、商品「ShouhinA」、更新時刻「2022/3/2 10:00」、連携済フラグ「未連携」、2行目は、注文番号「D002」、履歴区分「新規」、得意先「T001」、商品「ShouhinB」、更新時刻「2022/3/2 10:05」、連携済フラグ「未連携」、3行目は、注文番号「D003」、履歴区分「新規」、得意先「T002」、商品「ShouhinC」、更新時刻「2022/3/2 10:10」、連携済フラグ「未連携」が登録される。
【0099】
バックヤード側では、例えば、連携取引先管理マスタ206cに登録された取引先「T001」、「T002」から急ぎの注文を受け、WebEDI経由ではなく直接バックヤード側の受注入力にて、受注番号「J001」、「J002」の受注データをバックヤードデータテーブル206aに登録する。また、バックヤード側では、連携取引先管理マスタ206cに登録されていない得意先「T003」からの注文を受け、バックヤード側の受注入力にて受注番号「J003」の受注データをバックヤードデータテーブル206aに登録する。また、受注データについての受注履歴データをバックヤード履歴テーブル206bに登録する。
【0100】
図6(E)は、連携取引先管理マスタ206cのデータ例を示している。連携取引先管理マスタ206cは、WebEDIを使用する得意先を格納する。同図に示す例では、得意先「T001」と「T002」が登録されている。
【0101】
図6(D)は、連携実行データのデータ例を示している。連携実行データは、データ区分、更新時刻を含んでいてもよい。同図に示す例では、1行目は、データ区分「受注」、更新時刻「2022/3/2 10:01」、2行目は、データ区分「発注」、更新時刻「2022/3/2 10:00」が登録されている。
【0102】
図6(F)は、受注データのデータ例を示している。受注データは、受注番号、得意先、商品、連携番号、更新時刻を含んでいてもよい。同図に示す例では、1行目は、受注番号「J001」、得意先「T001」、商品「ShouhinA」、更新時間「2022/3/2 10:00」、2行目は、受注番号「J002」、得意先「T002」、商品「ShouhinA」、更新時刻「2022/3/2 10:05」、3行目は、注文番号「J003」、得意先「T003」、商品「ShouhinA」、更新時刻「2022/3/2 10:10」が登録される。
【0103】
図6(G)は、受注履歴データのデータ例を示している。受注履歴データは、受注番号、履歴区分、得意先、商品、連携番号、更新時刻を含んでいてもよい。同図に示す例では、1行目は、受注番号「J001」、履歴区分「新規」、得意先「T001」、商品「ShouhinA」、更新時刻「2022/3/2 10:00」、2行目は、受注番号「J002」、履歴区分「新規」、得意先「T001」、商品「ShouhinA」、更新時刻「2022/3/2 10:05」、3行目は、受注番号「J003」、履歴区分「新規」、得意先「T003」、商品「ShouhinA」、更新時刻「2022/3/2 10:10」が登録される。
【0104】
(S2:バックヤード側で連携処理(フロント側→バックヤード側)実施)
図7を参照して、ステップS2の処理の具体例を説明する。ステップS1で登録した注文データの連携済フラグ=未連携のD001、D002、D003のデータが連携対象となる。連携後に連携済フラグが「未連携」のものを「連携済」に更新する。以下に具体的な処理フローを記載する。
【0105】
(1)連携処理(フロント側→バックヤード側)を実行するにあたり、連携処理の実行時刻を取得する。ここでは例として、連携処理の実行時刻を「2022/3/2 10:30」とする。
【0106】
(2)注文データの連携済フラグ=未連携となっているデータを取得する。ここでは、連携処理の対象データは注文番号「D001」、「D002」、「D003」となる。
【0107】
(3)(2)で取得した対象データを、受注データ/受注履歴データに追加する(図7(E)及び図7(F)の○で示した行)。ここでは、注文番号「D001」、「D002」、「D003」の注文データが、図7(E)及び図7(F)に示すように、4~6行に、受注番号「J004」、「J005」、「J006」、履歴区分「新規」、連携番号「D001」、「D002」、「D003」、更新時刻「「2022/3/2 10:30」のデータが追加される。
【0108】
(4)(2)で取得した注文データの対象データの連携済フラグを「連携済」、連携時刻を(1)で取得した実行時刻で更新する。ここでは、図7(A)に示すように、注文番号「D001」、「D002」、「D003」のデータの連携済フラグが「連携済」に、連携時刻が「2022/3/2 10:30」に更新される。
【0109】
(S3:バックヤード側で連携処理(バックヤード側→フロント側)を実施)
図8を参照して、ステップS3の処理の具体例を説明する。ここでは、バックヤード側に保持している受注番号の更新のために更新する。受注履歴データのうち、連携取引先管理マスタ206cに登録してある得意先のデータかつ連携実行データの更新時刻以降に更新されたデータを連携対象とする。連携処理実行後に連携実行データの更新時刻を、連携処理を実行した時刻に更新する。以下に具体的な処理フローを記載する(ステップS5でも同様の手順で処理を行う。
【0110】
(1)連携処理(バックヤード側→フロント側)を実行するにあたり、連携実行データのデータ区分が「受注」の更新時刻を取得する。ここでは、図8(C)に示すように、更新時刻「2022/3/2 10:01」を取得する。
【0111】
(2)受注履歴データから連携取引先管理マスタ206cに存在する得意先と一致し、かつ(1)にて取得した更新時刻以降の更新時刻のデータを取得する。ここでは、図8(F)において、得意先「T001」、「T002」の受注履歴データの更新時刻「2022/3/2 10:05」、「10:30」≧(1)の更新時刻「2022/3/2 10:01」に該当する受注番号は、「J002」、「J004」、「J005」、「J006」となる。なお、受注番号「J001」は連携実行データの更新時刻以前のため連携対象外である。また、受注番号「J003」は連携取引先管理マスタ206cに存在しない得意先のため連携対象外となる。
【0112】
(3)連携処理(バックヤード側→フロント側)を実行するにあたり、連携処理の実行時刻を取得する。ここでは例として、実行時間を「2022/3/2 11:00」とする。
【0113】
(4)フロント側の注文データ/注文履歴データを更新する(図8(A)及び図8(B)の○で示した行)。その際、(2)で取得したデータの連携番号が注文データの注文番号に一致する場合又は受注番号が注文データの受注番号に一致する場合、一致した受注データの受注番号に更新する。また、注文履歴データの履歴区分を「更新」に更新する。
【0114】
(2)で取得したデータの連携番号が注文データの注文番号に一致しない場合かつ受注番号が注文データの受注番号に一致しない場合、注文データを新規作成する。注文履歴データの履歴区分は「新規」とする。受注履歴データにおいて、履歴区分「削除」のデータは受注番号が一致する注文データを削除する。注文履歴データの履歴区分を「削除」とする。
【0115】
図8(C)に示すように、注文データ/注文履歴データの追加・更新を行ったデータの連携時刻を(3)で取得した実行時刻で更新する(連携時刻:2022/3/2 11:00)。
【0116】
受注番号「J002」、連携番号「-」については、図8(A)及び(B)に示すように、対象の受注番号、連携番号ともに注文データの受注番号、注文番号に一致するデータがないため注文データを新規作成し、注文履歴データの履歴区分を「新規」とする。
【0117】
受注番号「J004」、連携番号「D001」、受注番号「J005」、連携番号「D002」、受注番号「J006」、連携番号「D003」については、図8(A)及び(B)に示すように、対象の受注番号、連携番号が注文データの受注番号、注文番号に一致するデータが存在するため、注文データを更新する。また、注文履歴データの履歴区分を「更新」とする。
【0118】
(S4.バックヤード側での受注登録(修正))
図9を参照して、ステップS4の具体例を説明する。WebEDIでの登録は新規のみとしている。そのため、修正などはバックヤード側で行う。フロント側で登録する際にミスがあったことがバックヤード側に連絡され、バックヤード側でデータの修正を行う。
【0119】
ここでは、例えば、得意先「T001」から新たに商品「ShouhinD」の注文依頼を受けたためバックヤード側の受注入力で登録する。また、注文番号「D002」の商品「ShouhinA」を「ShouhinE」にバックヤードの受注入力で変更する。注文番号「D003」は得意先T002から注文の取り消し依頼を受けたためバックヤードの受注入力で削除する。以下に具体的な処理フローを記載する。
【0120】
(1)「2022/3/2 11:05」に受注番号「J007」の受注データを新規登録する。具体的には、図9(E)、(F)に示すように、得意先「T001」から新たに「ShouhinD」の注文依頼を受けたためバックヤード側の受注入力で登録する。
【0121】
(2)「2022/3/2 11:10」に受注番号「J005」の商品を修正して更新する。具体的には、図9(E)、(F)に示すように、連携番号「D002」の商品を「ShouhinA」から「ShouhinE」にバックヤード側の受注入力で変更する。
【0122】
(3)「2022/3/2 11:15」に受注番号「J006」を削除する。具体的には、図9(E)、(F)に示すように、連携番号「D003」は得意先「T002」から注文の取り消し依頼を受けたためバックヤード側の受注入力で削除する。
【0123】
(S5:バックヤード側で連携処理(バックヤード側→フロント側)の実施)
図10を参照して、ステップS5の処理の具体例を説明する。連携実行データの更新時刻以降に更新されたデータを連携対象とする。以下に具体的な処理フローを記載する(S3と同様な処理を行う)。
【0124】
(1)連携処理(バックヤード側→フロント側)を実行するにあたり、連携実行データのデータ区分が「受注」の更新時刻を取得する。ここでは、更新時刻「2022/3/2 11:00を取得する」。
【0125】
(2)受注履歴データから連携取引先管理マスタ206cに存在する得意先と一致するデータ、かつ、(1)にて取得した更新時刻以降の更新時刻のデータを取得する。図10(F)に示すように、対象の得意先「T001」、「T002」で、受注履歴データの更新時刻「2022/3/2 11:05」、「11:10」、「11:15」≧(1)の更新時刻「2022/3/2 11:00」に該当するデータは、受注番号「J007」、「J005」、「J006」である。
【0126】
(3)連携処理(バックヤード側→フロント側)を実行するにあたり、連携処理の実行時刻を取得する。ここでは例として、「2022/3/2 11:30」とする。
【0127】
(4)フロント側の注文データ/注文履歴データを更新する(図10(A)、(B)の○で示した行)。その際、(2)で取得した受注履歴データの連携番号が注文データの注文番号に一致する場合または受注番号が注文データの受注番号に一致する場合、一致した受注データの受注番号を更新し、注文履歴データの履歴区分を「更新」に設定する。
【0128】
(2)で取得した受注履歴データの連携番号が注文データの注文番号に一致しない場合かつ受注番号が注文データの受注番号に一致しない場合は、注文データを新規作成し、注文履歴データの履歴区分を「新規」とする。
【0129】
バックヤード側の受注履歴データにおいて、履歴区分が「削除」のデータは受注番号が一致する注文データを削除し、注文履歴データの履歴区分を「削除」とする。
【0130】
注文データ/注文履歴データの追加・更新を行ったデータの連携時刻を(3)で取得した連携処理の実行時刻で更新する(連携時刻「2022/3/2 11:30」)。
【0131】
受注番号「J007」、連携番号「-」については、対象の受注番号、連携番号ともに注文データの受注番号、注文番号に一致するデータがないため、図10(A)の5行目に示すように、注文データを新規作成し、図10(B)の8行目に示すように、注文履歴データの履歴区分を「新規」に設定する。
【0132】
受注番号「J005」、連携番号「D002」については、対象の受注番号、連携番号が注文データの受注番号、注文番号に一致するデータが存在するため、図10(A)の2行目に示すように、注文データを更新し、図10(B)の9行目に示すように、注文履歴データの履歴区分を「更新」に設定する。
【0133】
受注番号「J006」、履歴区分「削除」については、履歴区分が「削除」のため対象の受注番号が注文データの受注番号と一致する注文データを図10(A)の3行目に示すように削除し、図10(B)の10行目に示すように、注文履歴データの履歴区分を「削除」に設定する。
【0134】
(S6:フロント側で注文データを確認)
図11を参照して、ステップS6の処理の具体例を説明する。注文データの実績・履歴の二つの確認が可能となっている。フロント側では、提供するWebサイトの注文履歴一覧照会画面での取引先端末310の操作に応じて、フロントデータテーブル106aの注文データ又はフロント履歴テーブル106b参照して、注文の実績又は履歴を出力する。
【0135】
図11(A)は、注文履歴一覧照会画面の表示例(モード(実績)の場合)を示す図である。図11(B)は、注文データのデータ例を示す図である。図11(C)は、注文履歴一覧照会画面の表示例(モード(履歴)の場合)を示す図である。図11(D)は、注文履歴データのデータ例を示す図である。
【0136】
注文履歴一覧照会画面は、モード(実績又は履歴)を選択するためのボタンと、抽出条件(受注番号、商品)を指定する抽出条件指定エリアと、抽出した注文データ又は注文履歴データが表示される抽出結果表示エリアを備えている。モード「実績」が選択された場合には、抽出条件に該当する注文データが抽出されて抽出結果表示エリアに表示される。他方、モード「履歴」が選択された場合には、抽出条件に該当する注文履歴データが抽出されて抽出結果表示エリアに表示される。抽出条件が指定されていない場合は、全データが表示される。
【0137】
以上説明したように、本実施の形態の商取引業務システム1は、フロント側システム100とバックヤード側システム200とを備え、フロント側システム100は、第1の取引データを格納するためのフロントデータベースと、Webサイトを介した取引先からのリクエストに応じて、第1の取引データを入力してフロントデータベースに格納又は前記フロントデータベースに格納された第1の取引データを出力する第1の処理部102aと、を含み、バックヤード側システム200は、第2の取引データを格納するためのバックヤードデータベースと、第2の取引データを入力してバックヤードデータベースに格納する第2の処理部202aと、フロントデータベースとバックヤードデータベースのデータを双方向に同期させて連携させる連携処理部102bと、を含んでいるので、フロント側のデータベースとバックヤード側のデータベースを区別し、データを相互に同期させることで、フロント側で参照できるデータを制限することが可能になる。
【0138】
[4.本発明の商取引業務システムの適用例]
図12は、本発明の商取引業務システムの適用例を説明するための図である。図12において、本発明の商取引業務システムの主要項目と適用可能なシステム(A)~(E)との対応関係を示している。
【0139】
システム(A)は、フロント側で注文入力、バックヤード側で受注入力を行うシステムの例を示している(図4図11で説明)。システム(B)は、フロント側で購入履歴確認、バックヤード側で売上入力を行うシステムの例を示している。システム(C)は、フロント側で受注照会、バックヤード側で発注入力を行うシステムの例を示している。システム(D)は、フロント側で納期回答入力、バックヤード側で発注納期回答入力を行うシステムの例を示している。システム(E)は、フロント側で受領照会、バックヤード側で仕入入力を行うシステムの例を示している。
【0140】
システム(A)及び(B)は、商品・役務の提供取引を行うシステムである。システム(C)~(E)は、商品・役務の調達取引を行うシステムである。例えば、図4図11で説明したシステム(A)は、主要項目の「取引関係」が「商品・役務の提供」であり、主要項目の「業務内容(フロント側)」が「EDI注文」であり、主要項目の「業務内容(バックヤード側)」が「受注」である場合の、フロント側のデータベースとバックヤード側のデータベースを双方向に同期するために必要な主要項目の対応関係を示しており、主要項目はシステム(A)における各内容の上位概念でもある。同様に、システム(B)~(E)についても、同じ同期方法を用いた双方向、又は片方向の同期が可能な対応関係を示しており、本願の仕組みにより、システム(A)で用いた主要項目に対する制御を各システムの対応部分に同様に適用することで、広範な電子商取引の形態に柔軟に対応し、または拡張することが可能となっている。
【0141】
[5.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0142】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0143】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0144】
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0145】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0146】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0147】
また、商取引業務システム1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0148】
例えば、商取引業務システム1が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて商取引業務システム1に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0149】
また、このコンピュータプログラムは、商取引業務システム1に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0150】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0151】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0152】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0153】
また、商取引業務システム1は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、商取引業務システム1は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0154】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0155】
1 商取引業務システム
100 フロント側システム
102 制御部
102a 第1の処理部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a フロントデータテーブル
106b フロント履歴テーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
300 ネットワーク
310 取引先端末
200 バックヤード側システム
202 制御部
202a 第2の処理部
202b 連携処理部
204 通信インターフェース部
206 記憶部
206a バックヤードデータテーブル
206b バックヤード履歴テーブル
206c 連携取引先管理マスタ
206d 連携実行データテーブル
208 入出力インターフェース部
212 入力装置
214 出力装置
400 ネットワーク
410 社員端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12