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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180178
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】昇降台装置の作業台
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/06 20060101AFI20231213BHJP
   B66F 11/04 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
B66F9/06 M
B66F11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093353
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】597048986
【氏名又は名称】株式会社シィップ
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 真人
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA08
3F333AB03
3F333AC02
3F333AC07
3F333BD02
3F333FA15
(57)【要約】
【課題】手摺を取り外すことなく高さを可変とする昇降台装置の作業台を提供する。
【解決手段】作業床6の周囲を取り囲む複数の手摺を備えた昇降台装置1の作業台4であって、前記複数の手摺は前記作業床6上に折り畳まれた収納状態と、前記作業床6に対してほぼ略垂直に立設された使用状態との間で相互に回動自在とされ、前記使用状態において前記作業床6の長手方向に立設される第1の手摺9と第2の手摺10、前記作業床6の短手方向Yの少なくとも一方に第3の手摺8を備え、前記収納状態において、前記第3の手摺8の上方に前記第1の手摺9または前記第2の手摺10を収納する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業床の周囲を取り囲む複数の手摺を備えた昇降台装置の作業台であって、
前記複数の手摺は前記作業床上に折り畳まれた収納状態と、
前記作業床に対してほぼ略垂直に立設された使用状態との間で相互に回動自在とされ、
前記使用状態において前記作業床の長手方向に立設される第1の手摺と第2の手摺、
前記作業床の短手方向の少なくとも一方に第3の手摺を備え、
前記収納状態において、前記第3の手摺の上方に前記第1の手摺または前記第2の手摺を収納することを特徴とする昇降台装置の作業台。
【請求項2】
前記第1の手摺及び前記第2の手摺の下端に桁側巾木が設けられ、
前記第3の手摺は相互に対向する前記桁側巾木間に形成される空間に収納されることを特徴とする請求項1に記載の昇降台装置の作業台。
【請求項3】
前記複数の手摺は、前記第3の手摺に対向する前記作業床の短手方向に第4の手摺を備え、
前記第4の手摺は、前記第1の手摺と前記第2の手摺のいずれかに回動自在に軸着され、
前記収納状態において、前記第1の手摺と前記第2の手摺のいずれかに重なった状態で折り畳み可能とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の昇降台装置の作業台。
【請求項4】
前記第3の手摺と前記第4の手摺は下端に妻側巾木が設けられ、収納状態において前記妻側巾木の一部または全部が立設状となり、
前記第1の手摺及び前記第2の手摺は収納状態において、前記桁側巾木に支持されていることを特徴とする請求項3に記載の昇降台装置の作業台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降台装置の作業台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、昇降台装置の作業台には、その作業床における周囲の縁に手摺を立設していた(特許文献1)。そして、昇降台装置をトラックの荷台に積載する際には、手摺を作業床から取り外し、取り外した手摺を底板の上に積み重ねて昇降台装置の高さを低く抑え、道路や作業区域等の高さ制限に適用させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-56459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、手摺は作業床にボルト・ナットにより固定されており、手摺を収容するには、ボルト・ナットによる手摺の固定を解除しなければならないため、作業に手間がかかり、またボルト・ナットの紛失の恐れがあるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するために、手摺を取り外すことなく高さを可変とする昇降台装置の作業台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明は、作業床の周囲を取り囲む複数の手摺を備えた昇降台装置の作業台であって、前記複数の手摺は前記作業床上に折り畳まれた収納状態と、前記作業床に対してほぼ略垂直に立設された使用状態との間で相互に回動自在とされ、前記使用状態において前記作業床の長手方向に立設される第1の手摺と第2の手摺、前記作業床の短手方向の少なくとも一方に第3の手摺を備え、前記収納状態において、前記第3の手摺の上方に前記第1の手摺または前記第2の手摺を収納することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の本発明は、前記第1の手摺及び前記第2の手摺の下端に桁側巾木が設けられ、前記第3の手摺は相互に対向する前記桁側巾木間に形成される空間に収納されることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の本発明は、前記複数の手摺は、前記第3の手摺に対向する前記作業床の短手方向に第4の手摺を備え、前記第4の手摺は、前記第1の手摺と前記第2の手摺のいずれかに回動自在に軸着され、前記収納状態において、前記第1の手摺と前記第2の手摺のいずれかに重なった状態で折り畳み可能とすることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の本発明は、前記第3の手摺と前記第4の手摺は下端に妻側巾木が設けられ、収納状態において前記妻側巾木の一部または全部が立設状となり、前記第1の手摺及び前記第2の手摺は収納状態において、前記桁側巾木に支持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の昇降台装置の作業台によれば、複数の手摺を作業床から取り外すことなく、作業床に折り畳むことが可能となり、作業台の高さを低くすることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例1を示す手摺を立てた使用状態の昇降台装置の側面図である。
図2】同、手摺を立てた使用状態の作業台の斜視図である。
図3】同、手摺を折り畳んだ収納状態の作業台の斜視図である。
図4】同、手摺を折り畳んだ収納状態の作業台の正面図である。
図5】同、手摺を折り畳んだ収納状態の作業台の背面図である。
図6】同、手摺を折り畳んだ収納状態の作業台の左側面図である。
図7】同、図2の状態から後側手摺を折り畳んだ状態の作業台の斜視図である。
図8】同、図7の状態から後側手摺の一部を左側手摺に折り畳んだ状態の作業台の斜視図である。
図9】同、図7の状態から扉側巾木を上昇させた状態の作業台の斜視図である。
図10】同、図9の状態から扉本体と後側手摺の一部を左側手摺に折り畳んだ状態の作業台の斜視図である。
図11】同、図9の状態から前側手摺を右側手摺に折り畳んだ状態の作業台の斜視図である。
図12】同、図10の状態から左側手摺を折り畳んだ状態の作業台の斜視図である。
図13】同、貨物自動車に手摺を折り畳んだ収納状態の昇降台装置を積載した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例0013】
本実施例において、1は昇降台装置であって、この昇降台装置1は、台車本体2と、走行用の車輪3と、作業者が搭乗する作業台4と、作業台4を支持するリンク機構5と、リンク機構5を昇降させる昇降装置としての油圧シリンダ(図示せず)を備えている。図2及び図3図7図12において作業台4の長手方向をX方向とし、短手方向をY方向とする。尚、X方向の手前側を作業台4の前側とし、X方向の奥側を作業台4の後側とする。また、Y方向の手前側を作業台4の左側とし、Y方向の奥側を作業台4の右側とする。
【0014】
作業台4は、矩形状の作業床6と、作業床6の周囲を取り囲むように立設された前側手摺7、後側手摺8、左側手摺9、右側手摺10とを備えている。
【0015】
作業床6の四隅には右前端柱11、左前端柱12、右後端柱13および左後端柱14がそれぞれ立設されている。また、作業床6の前側端部6A、後側端部6B、右側端部6Cおよび左側端部6Dには、前側巾木15、後側巾木16、右側巾木17および左側巾木18がそれぞれ立設されている。各巾木15~18は、作業床6にボルト・ナットによる固定又は溶接などにより強固に固着されているものとする。尚、前側巾木15と後側巾木16は作業床6の短手方向Yである妻側に設けられた妻側巾木とし、右側巾木17と左側巾木18は作業床6の長手方向Xである桁側に設けられた桁側巾木となる。
【0016】
前側巾木15は、作業床6の前側端部6A右側のみを塞ぐように立設されており、前側巾木15によって塞がれていない作業床6の前側端部6A左側に形成された開口部を作業床への出入口19としている。そして、前側巾木15の右端は右前端柱11によって支持されているとともに、前側巾木15の左端は、前述の出入口19を左前端柱12とともに区画する前側支柱20によって支持されている。後側巾木16の左端及び右端は、右後端柱13及び左後端柱14によって支持されている。右側巾木17の前端及び後端は、右前端柱11及び右後端柱13によって支持されている。左側巾木18の前端及び後端は、左前端柱12及び左後端柱14によって支持されている。
【0017】
右側巾木17の前端には、右前端柱11の上端を上方に延長して形成された右前延長部21を備えている。右側巾木17の後端には、右後端柱13の上端を上方に延長して形成された右後延長部22を備えている。左側巾木18の前端には、左前端柱12の上端を上方に延長して形成された左前延長部23を備えている。左側巾木18の後端には、左後端柱14の上端を上方に延長して形成された左後延長部24を備えている。
【0018】
ここで、右前延長部21と左前延長部23は互いに開放方向が対向するように配置された断面コ字型形状の管材からなる。同様に、右後延長部22と左後延長部24は互いに開放方向が対向するように配置された断面コ字型形状の管材からなる。
【0019】
右前延長部21と右後延長部22の上部には、右側手摺10の下部を左方向に向けて上下方向に軸支する右前軸部25と右後軸部26を備えている。同様に、左前延長部23と左後延長部24の上部には、左側手摺9の下部を右方向に向けて上下方向に軸支する左前軸部27と左後軸部28を備えている。右前延長部21と右後延長部22は同じ長さに形成され、左前延長部23と左後延長部24も同じ長さに形成され、右前延長部21と右後延長部22は左前延長部23と左後延長部24よりも長く形成されているため、右前軸部25と右後軸部26は左前軸部27と左後軸部28よりも高い位置に配置されている。
【0020】
右側手摺10は、前後一対に備えた右前縦材29及び右後縦材30と、右前縦材29の上端と右後縦材30の上端を連結する右上横材31と、右前縦材29の中段と右後縦材30の中段を連結する右下横材32と、右上横材31と右下横材32の中間に架設された補強材33とを備えている。ここで、前述の右前軸部25は右前縦材29の下部を軸支するとともに、前述の右後軸部26は右後縦材30の下部を軸支するものである。ここで、図2に示すように右前縦材29及び右後縦材30において、それらの上端部分から右前軸部25及び右後軸部26までの寸法d1は、作業床6の短手方向Yの寸法Wより小さく設定されている。これによって、折り畳まれた右側手摺10は空間Sに収納可能となる。ここで空間Sは、相互に対向する右側巾木17と左側巾木18の間の空間とするが、その空間Sを真上へ平行に延長した空間S´も含むものとする(図3図6参照)。
【0021】
また、右前延長部21に備えた右前プランジャ34によって、右前縦材29を右前延長部21に対して起立した状態で固定可能に備えている。同様に、また、右後延長部22に備えた右後プランジャ35によって、右後縦材30を右後延長部22に対して起立した状態で固定可能に備えている。
【0022】
左側手摺9は、右側手摺10と同一形状としており、前後一対に備えた左前縦材36及び左後縦材37と、左前縦材36の上端と左後縦材37の上端を連結する左上横材38と、左前縦材36の中段と左後縦材37の中段を連結する左下横材39と、左上横材38と左下横材39の中間に架設された補強材40とを備えている。尚、左前縦材36及び左後縦材37は右前縦材29及び右後縦材30よりも短く形成されている。ここで、前述の左前軸部27は左前縦材36の下部を軸支するとともに、前述の左後軸部28は左後縦材37の下部を軸支するものである。ここで、図2に示すように左前縦材36及び左後縦材37において、それらの上端部分から左前軸部27及び左後軸部28までの寸法d2は、作業床6の短手方向Yの寸法Wより小さく設定されている。これによって、折り畳まれた左側手摺9は空間Sに収納可能となる。
【0023】
また、左前延長部23に備えた左前プランジャ41によって、左前縦材36を左前延長部23に対して起立した状態で固定可能に備えている。同様に、また、左後延長部24に備えた左後プランジャ42によって、左後縦材37を左後延長部24に対して起立した状態で固定可能に備えている。
【0024】
後側手摺8は、折畳用後側手摺体43と、回動用後側手摺体44を備えている。折畳用後側手摺体43は、左右一対に備えた後右縦材45と後左縦材46と、後右縦材45の上端と後左縦材46の上端を連結する後上横材47と、後右縦材45の中段と後左縦材46の中段を連結する後下横材48と、を備えている。後側巾木16の上部に左右一対の後右軸部49と後左軸部50を備えている。前述の後右軸部49は後右縦材45の下部を前方向に向けて上下方向に軸支するとともに、前述の後左軸部50は後左縦材46の下部を前方向に向けて上下方向に軸支するものである。ここで、図2に示すように後右縦材45及び後左縦材46において、それらの上端部分から後右軸部49及び後左軸部50までの寸法d3は、作業床6の長手方向Xの寸法Dより小さく設定されている。これによって、折り畳まれた折畳用後側手摺体43は空間Sに収納可能となる。
【0025】
後上横材47の右端部は、右上横材31の後端部の左側に配置した前方向に開放方向を向けた断面コ字型形状の金具からなる右上後受け部材51に対して、右上後プランジャ52によって固定可能に備えている。尚、右上後プランジャ52は右上後受け部材51の下面に設置されている。同様に、後下横材47の右端部は、右下横材32の後端部の左側に配置した前方向に開放方向を向けた断面コ字型形状の金具からなる右下後受け部材53に対して、右下後プランジャ54によって固定可能に備えている。尚、右下後プランジャ54は右下後受け部材53の下面に設置されている。
【0026】
後上横材47の左端部は、後述する回動用後縦材59の上端部の右側に配置した前方向に開放方向を向けた断面コ字型形状の金具からなる左上後受け部材55に対して、左上後プランジャ56によって固定可能に備えている。尚、左上後プランジャ56は左上後受け部材55の下面に設置されている。同様に、後下横材47の左端部は、回動用後縦材59の中段の右側に配置した前方向に開放方向を向けた断面コ字型形状の金具からなる左下後受け部材57に対して、左下後プランジャ58によって固定可能に備えている。尚、左下後プランジャ58は左下後受け部材57の下面に設置されている。
【0027】
回動用後側手摺体44は、回動用後縦材59と、回動用後上横材60と、回動用後下横材61とを備えている。回動用後上横材60は、一方を回動用後縦材59の上端に固定されるとともに、他方を左後縦材37の上端に備えた後左上軸部62によって回動用後上横材60が左上横材38と対向した平行な状態から回動用後上横材60が左上横材38と直交する状態まで回動自在に軸支されている。回動用後下横材61は、一方を回動用後縦材59の中段に固定されるとともに、他方を左後縦材37の中段に備えた後左下軸部63によって回動用後下横材61が左下横材39と対向した平行な状態から回動用後下横材61が左下横材39と直交する状態まで回動自在に軸支されている。回動用後縦材59の下部は、後側ロックピン64を介して後側巾木16に固定可能としている。
【0028】
前側手摺7は、前縦材66と、前上横材67と、前下横材68とを備え、回動用後側手摺体44と同一の構成、かつ対称な位置に設置されているものである。前上横材67は、一方を前縦材66の上端に固定されるとともに、他方を右前縦材29の上端に備えた前右上軸部69によって前上横材67が右上横材31と対向した平行な状態から前上横材67が右上横材31と直交する状態まで回動自在に軸支されている。前下横材68は、一方を前縦材66の中段に固定されるとともに、他方を右前縦材29の中段に備えた前右下軸部70によって前下横材68が右下横材32と対向した平行な状態から前下横材68が右下横材32と直交する状態まで回動自在に軸支されている。前縦材66の下部は、前側ロックピン71を介して前側巾木15に固定可能としている。
【0029】
作業台4への出入口19を開閉する扉73は、扉本体74と、扉側巾木75とを備えている。扉本体74は、固定側縦材76と、開放側縦材77と、固定側縦材76の上端と開放側縦材77の上端を連結する扉側上横材78と、固定側縦材76の中段と開放側縦材77の中段を連結する扉側下横材79と、を備えている。固定側縦材76は、上下一対に備えた扉側上軸部80と扉側下軸部81によって左前縦材36と接続されている。
【0030】
扉本体74は、内開き式の扉としており、扉側上横材78及び扉側下横材79が左上横材38及び左下横材39と対向した平行な状態から扉側上横材78及び扉側下横材79が左上横材38及び左下横材39と直交する状態まで左側手摺に回動自在に軸支されている。開放側縦材77は、その中段に前縦材66に係止可能な施錠手段を兼用するハンドル82を回動自在に備えている。一方、固定側縦材76と開放側縦材77は中空管材としており、それぞれの内部に左右一対の左側スライド用縦材83及び右側スライド用縦材84が挿通可能となっている。左右一対の左側スライド用縦材83及び右側スライド用縦材84は、それぞれ固定側縦材76と開放側縦材77の下部に備えた扉左側ロックピン85及び扉右側ロックピン86により上下動可能且つ上昇位置にて固定可能に備えている。各スライド用縦材83,84を扉側巾木75の左端と右端にそれぞれ形成された各貫通孔87,88に固定して扉本体74と扉側巾木75を一体化しておき、ロックピン85,86で各スライド用縦材83,84を上昇させて扉側巾木75の下端が左側巾木18の上端より十分に高い位置で固定して(図9参照)、扉本体74を扉側巾木75ごと左側手摺9と一体的に折り畳む構成としている(図10参照)。
【0031】
図2に示すように作業台4の付属品としては、後部手摺8の後上横材47には、一対の取付金具A1、A2が取り付けられている。取付金具A1、A2は、上部に後上横材47に係止可能なフック状の係止部を備えている。取付金具A1、A2には、工具類や各種を載置可能な棚A3が取り付けられている。また、片方の取付金具A2の棚A3の下方には各種制御を行う制御盤A4が取り付けられている。後部手摺8の回動用後上横材60には、前述の一対の取付金具A1、A2と同様の別の取付金具A5が取り付けられており、この取付金具A5には緊急停止ボタン等の押しボタン装置A6が取り付けられている。また、作業台4の四隅から作業台4の上方に作業者の頭上の保護する空間を保持するための支柱(図示せず)を立てるための各筒体B1、B2、B3、B4も、各手摺7,8,9,10の折り畳み動作を妨げない位置に配置されている。
【0032】
以上の構成の昇降台装置1の作業台4に備えた手摺の折り畳み方法について説明する。図2の状態の作業台4から、軸部の位置が低い順番から手摺を折り畳んでいく。最初に、最も軸部の位置が低い後側手摺8の折り畳み方法について説明する。右上後プランジャ52, 右下後プランジャ54, 左上後プランジャ56, 左下後プランジャ58を解除して、折畳用後側手摺体43を右側手摺10と回動用後側手摺体44との位置決め固定を解除した状態で後右軸部49, 後左軸部50から作業床6に向けて折り畳む(図7参照)。この折り畳まれて収納状態にある後側手摺8は、桁側巾木17,18間に形成される空間Sに収納される。
【0033】
次に、後側手摺8に次いで軸部の位置が低い左側手摺9の折り畳み方法について説明する。左側手摺9を折り畳む前の工程として、後側ロックピン64を解除して回動用後側手摺体44を回動用後上横材60と回動用後下横材61がそれぞれ左上横材38と左下横材39と対向して平行な状態になるまで内側に折り畳んでおき(図8参照)、さらにハンドル82を開けた扉本体74を扉側上横材78,と扉側下横材79がそれぞれ左上横材38と左下横材39と対向して平行な状態になるまで内側に折り畳んでおく(図10参照)。次に、左前プランジャ41と左後プランジャ42を解除して、回動用後側手摺体44と扉本体74を一緒に掴んだまま、左前軸部27と左後軸部28から左側手摺9を作業床6に向けて折り畳む(図12参照)。図3図5に示すように、この折り畳まれて収納状態にある左側手摺9では、妻側巾木15,16の上面に立設された支持部材15A,16Aによって、左前縦材36及び左後縦材37が妻側巾木15,16の上面に対して離間した状態かつ平行に保持されており、左前縦材36と妻側巾木15との間には隙間が設けられ、また左後縦材37と妻側巾木16との間にも隙間が設けられている。これらの隙間により、折り畳む際に作業者が指を挟むことを防止したり、左前縦材36及び左後縦材37と妻側巾木15,16とが衝突するのを防止している。
【0034】
最後に、最も軸部の位置が高い右側手摺10の折り畳み方法について説明する。右側手摺10を折り畳む前の工程として、前側ロックピン71を解除して前側手摺7を前上横材67と前下横材68がそれぞれ右上横材31と右下横材32と対向して平行な状態になるまで内側に折り畳んでおく(図12参照)。次に、右前プランジャ34と右後プランジャ35を解除して、前側手摺7を一緒に掴んだまま、右前軸部25と右後軸部26から右側手摺10を作業床6に向けて折り畳む(図3参照)。
【0035】
上述の通り、後側手摺8、左側手摺9、右側手摺10の順に折り畳むと作業台4の高さは、右前延長部21及び右後延長部22の高さまで低くなるので、この状態の昇降台装置1を貨物自動車の荷台に積載することで、車載時2.1メートル以下に抑えることで道路や地下駐車場等の作業区域の高さ制限に対応することができる(図13参照)。また、各手摺9,10が桁側巾木17,18間に収まるように収納される。尚、手摺の組立方法は、前述の手摺の折り畳み方法の手順とは逆の順序で各手摺を組み立てていき、上述の作業台の構成に組み立てることになるが、ここではその説明は省略する。
【0036】
本実施例では作業床6の周囲を取り囲む複数の手摺を備えた昇降台装置1の作業台4であって、前記複数の手摺は前記作業床6上に折り畳まれた収納状態と、前記作業床6に対してほぼ略垂直に立設された使用状態との間で相互に回動自在とされ、前記使用状態において前記作業床6の長手方向Xに立設される第1の手摺9と第2の手摺10、前記作業床6の短手方向Yの少なくとも一方に第3の手摺8を備え、前記収納状態において、前記第3の手摺8の上方に前記第1の手摺9または前記第2の手摺10を収納することで、複数の手摺をかさ張ることなく折り畳むことが可能となる。
【0037】
また、本実施例では、前記第1の手摺9及び前記第2の手摺10の下端に桁側巾木17,18が設けられ、前記第3の手摺8は相互に対向する前記桁側巾木17,18間に形成される空間Sに収納することで、各手摺9,10が桁側巾木17,18間に収まるように収納可能な昇降台装置1の作業台4を提供することができる。
【0038】
また、本実施例では、前記複数の手摺は、前記第3の手摺8に対向する前記作業床6の短手方向Yに第4の手摺7を備え、前記第4の手摺7は、前記第1の手摺9と前記第2の手摺10のいずれかに回動自在に軸着され、前記収納状態において、前記第1の手摺9と前記第2の手摺10のいずれかに重なった状態で折り畳み可能とすることで、複数の手摺を全て折り畳むことが可能な昇降台装置1の作業台4を提供することができる。
【0039】
また、本実施例では、前記第3の手摺8と前記第4の手摺7は下端に妻側巾木15,16が設けられ、収納状態において前記妻側巾木15,16の一部または全部が立設状となり、前記第1の手摺9及び前記第2の手摺10は収納状態において、前記桁側巾木17,18に支持されているため、各手摺7,8,9,10の収納状態において各巾木15,16,17,18が折り畳まれずに作業床6に立設していることで、各手摺7,8,9,10と作業床6との連結強度が向上して、組み立てられた各手摺7,8,9,10が作業床6から安定して立設したものとなる。
【0040】
実施例上の効果として、作業床6の周囲を取り囲む複数の手摺として前側手摺7、後側手摺8、左側手摺9、右側手摺10を備えた昇降台装置1の作業台4であって、少なくとも左側手摺9、右側手摺10は、前記作業床6上に折畳み可能とする関節部として右前軸部25、右後軸部26、左前軸部27、左後軸部28を備え、前記右前軸部25と右後軸部26、左前軸部27と左後軸部28は互いに異なる高さとすることで、複数の手摺を作業床6から取り外すことなく、作業床6に折り畳むことが可能となり、作業台4の高さを低くすることが容易となる。また、折り畳まれた状態での複数の手摺同士の重ね合わせが容易となり、複数の手摺の折畳み作業が容易となる。
【0041】
また、前側手摺7、後側手摺8、左側手摺9、右側手摺10は、前記作業床6の周囲を取り囲むように立設された複数の巾木としての前側巾木15、後側巾木16、右側巾木17、左側巾木18の上方に備えたことにより、前側巾木15、後側巾木16、右側巾木17、左側巾木18は作業床6に固定されたまま、前側手摺7、後側手摺8、左側手摺9、右側手摺10のみを折り畳み可能とする機構とすることで、作業台4の強度を損なうことなく、前側手摺7、後側手摺8、左側手摺9、右側手摺10を折り畳むことが可能となる。
【0042】
また、前記複数の手摺としての後側手摺8、右側手摺10は、隣接する前記手摺同士を位置決め固定するロックピン機構として右上後プランジャ52、右下後プランジャ54を一体的に備えたことにより、部品の紛失を防ぎつつ、隣接する手摺同士の位置決め固定作業を簡便なものとすることができる。
【0043】
また、右側手摺10と左側手摺9は互いに重なり合うように折畳み可能とすることで、複数の手摺をかさ張ることなく折り畳むことが可能となる。
【0044】
また、作業台4の出入口19に扉73を備えるとともに、前記複数の手摺は、第3の手摺として前側手摺7を備え、前記扉73は左側手摺9と一体的に作業床6上に折畳み可能とするとともに、前記前側手摺7は前記右側手摺10と一体的に作業床6上に折畳み可能とすることで、複数の手摺と扉73をかさ張ることなく折り畳むことが可能となる。
【0045】
また、前記複数の手摺は、後側手摺8を備え、後側手摺8は、前記作業床6上に折畳み可能とする関節部としての後右軸部49と後左軸部50を備え作業床6上に折畳み可能とする折畳用後側手摺体43と、左側手摺9と一体的に前記作業床6上に折畳み可能な回動用後側手摺体44を備えたことにより、複数の手摺をかさ張ることなく折り畳むことが可能となる。
【0046】
また、前記第3の手摺8と前記第4の手摺7は、前記妻側巾木15,16と着脱自在に設けられるとともに、前記第3の手摺8と前記第4の手摺7は、それぞれ前記第1の手摺9と前記第2の手摺10に折畳み可能に備えたことで、第3の手摺8と第4の手摺7を第1の手摺9及び第2の手摺10と一緒に折り畳んで収納することで収納工程の簡略化を図ることができる。
【0047】
尚、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。本実施例の各プランジャ及び各ロックピンは適宜変更可能とする。例えばロックピンの形状はストレート形状以外に固着状態が確認しやすいL型形状としてもよい。また、前側手摺7と扉73は作業床6から着脱可能としても良いものとする。また、後側手摺8は、折畳用後側手摺体43と回動用後側手摺体44を一体的に備え、後右軸部49と後左軸部50を介して作業床6上に折畳み可能としてもよいものとする。また、扉側巾木について、左側スライド用縦材83及び右側スライド用縦材84を扉側巾木75の左端と右端にそれぞれ形成された貫通孔87,88に対して上下方向にスライド可能に挿通しておき扉本体と扉側巾木を一体化しておき、各ロックピンで各スライド用縦材を上昇位置で固定すると、貫通孔から各スライド用縦材が完全に抜け出た状態となり、扉本体と扉側巾木は分離して、扉本体は扉側上軸部及び扉側下軸部を介して左前縦材に対して回動し、扉側巾木は扉巾木軸部を介して左前端柱に対して回動する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 昇降台装置
4 作業台
6 作業床
7 前側手摺(第4の手摺)
8 後側手摺(第3の手摺)
9 左側手摺(第1の手摺)
10 右側手摺(第2の手摺)
15 前側巾木(妻側巾木)
16 後側巾木(妻側巾木)
17 右側巾木(桁側巾木)
18 左側巾木(桁側巾木)
S 空間
X 長手方向
Y 短手方向
図1
図2
図3
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図5
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