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特開2023-180181給電システム、システム、給電装置、端末装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180181
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】給電システム、システム、給電装置、端末装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20231213BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093358
(22)【出願日】2022-06-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1) ウェブサイトの掲載 ● 令和3年7月23日,https://portero.co.jp/ ● 令和3年7月23日,https://portero.co.jp/2021/07/23/%e3%83%9d%e3%83%ab%e3%83%86%e3%83%ad%e8%a8%ad%e7%bd%ae%e5%ba%97%e5%8b%9f%e9%9b%86%e4%b8%ad/ ● 令和3年7月28日,https://portero.co.jp/2021/07/28/%e3%82%a4%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%82%b8%e5%8b%95%e7%94%bb/ ● 令和3年8月5日,https://portero.co.jp/2021/08/05/%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%83%aa%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b9/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (2) ウェブサイトの掲載 ● 令和3年7月29日,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000083494.html ● 令和4年4月29日,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000083494.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (3) ウェブサイトの掲載 ● 令和3年7月29日,https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC295700Z20C21A7000000/ ● 令和3年7月30日,https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74300490Z20C21A7L83000/ ● 令和3年7月30日,https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74302310Z20C21A7L21000/ ● 令和3年7月30日,https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74309170Z20C21A7LB0000/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (4) ウェブサイトの掲載,令和4年5月10日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC0940N0Z00C22A5000000/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (5) ウェブサイトの掲載,令和3年8月17日,https://www.facebook.com/Laundry-Sun%E2%82%82-%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC-%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%B3-103403644514006/videos/?ref=page_internal
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (6) ウェブサイトの掲載,令和4年2月28日,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000096717.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (7) 長野県長野市中越1丁目11-1での展示,令和4年4月25日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (8) ウェブサイトの掲載,令和4年4月26日,https://stayport.info/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (9) アプリケーションソフトウェアの配布,令和4年4月25日,https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.portero.app
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (10)アプリケーションソフトウェアの配布,令和4年4月25日,https://apps.apple.com/jp/app/portero/id1586772740
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (11)リテールテックJAPAN2022,令和4年3月1日~3月4日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (12)第19回長野しんきんビジネスフェア2022,令和4年5月11日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (13)ウェブサイトの掲載,令和4年5月24日, ● https://www.youtube.com/watch?v=yHceF_rqgzs ● https://www.youtube.com/watch?v=D6lfiQYcE1A ● https://www.youtube.com/watch?v=5JB49Fdob3U
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (14)合同会社ポルテロ,案内パンフレット,令和3年7月22日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (15)信濃毎日新聞株式会社,信濃毎日新聞, ● 令和3年6月20日付朝刊 ● 令和3年7月30日付朝刊
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (16)長野市民新聞社,長野市民新聞,令和3年8月12日付朝刊
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (17)株式会社長野放送,NBSみんなの信州,令和4年5月11日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (18)長野県庁での記者会見,令和3年7月29日
(71)【出願人】
【識別番号】520103171
【氏名又は名称】合同会社ポルテロ
(74)【代理人】
【識別番号】100128886
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】設置コストを低減可能な装置を用いて給電などのサービスを提供するシステム、給電装置、端末装置及びプログラムを実現する。
【解決手段】給電システムは、ユーザの機器に給電する給電装置と、給電装置60を管理する管理装置10と、ユーザが所持する端末装置30と、を備える。端末装置30は、管理装置10および給電装置60それぞれと通信可能であり、給電装置60は、管理装置10と通信できず、端末装置30と通信可能であり、管理装置10は、給電装置60の利用を可能にする利用情報を作成する。そして、管理装置10から取得した利用情報を給電装置60に送信する操作画像が端末装置30の画面に表示され、操作画像をユーザが操作することに応じて給電装置60が機器に給電する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの機器に給電する給電装置と、
前記給電装置を管理する管理装置と、
前記ユーザが所持する端末装置と、
を備え、
前記端末装置は、前記管理装置および前記給電装置それぞれと通信可能であり、
前記給電装置は、前記管理装置と通信できず、前記端末装置と通信可能であり、
前記管理装置は、前記給電装置の利用を可能にする利用情報を作成し、
前記管理装置から取得した前記利用情報を前記給電装置に送信する操作画像が前記端末装置の画面に表示され、当該操作画像をユーザが操作することに応じて当該給電装置が前記機器に給電する、
ことを特徴とする給電システム。
【請求項2】
前記端末装置は、前記ユーザからタッチ選択を受け付ける前記操作画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の給電システム。
【請求項3】
前記端末装置は、前記ユーザから予め定められた入力情報の入力操作を受け付ける前記操作画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の給電システム。
【請求項4】
前記端末装置は、前記給電装置の利用時間に基づいて前記操作画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の給電システム。
【請求項5】
前記端末装置は、前記給電装置から当該給電装置を一意に特定する特定情報を取得し、
前記管理装置は、前記端末装置を介して受信した前記特定情報を用いて前記利用情報を作成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の給電システム。
【請求項6】
前記端末装置は、前記特定情報に基づいて前記管理装置から取得した前記給電装置に関する詳細情報を画面に表示する、
ことを特徴とする請求項5に記載の給電システム。
【請求項7】
前記端末装置は、前記給電装置の利用時間が終了する前に、前記給電装置の継続利用を前記ユーザから受け付ける受付画面を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の給電システム。
【請求項8】
前記管理装置は、前記給電装置による給電のサービスの利用料の支払に関する支払情報に基づいて前記利用情報を発行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の給電システム。
【請求項9】
前記給電装置のユーザによる利用を管理する管理者が用いる管理者端末装置を備え、
前記管理者端末装置は、前記管理装置が前記利用情報の作成に用いる認証情報を前記管理装置から取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の給電システム。
【請求項10】
前記管理者端末装置は、前記認証情報を前記端末装置に取得させる、
ことを特徴とする請求項9に記載の給電システム。
【請求項11】
ユーザにサービスを提供する提供装置と、
前記提供装置を管理する管理装置と、
前記ユーザが所持する端末装置と、
を備え、
前記端末装置は、前記管理装置および前記提供装置それぞれと通信可能であり、
前記提供装置は、前記管理装置と通信できず、前記端末装置と通信可能であり、
前記管理装置は、前記提供装置の利用を可能にする利用情報を作成し、
前記管理装置から取得した前記利用情報を前記提供装置に送信する操作画像が前記端末装置の画面に表示され、当該操作画像をユーザが操作することに応じて当該提供装置がサービスを提供する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項12】
管理装置と通信できず、ユーザが所持する端末装置と相互に通信可能でありユーザの機器に給電する給電装置であって、
ユーザが用いる機器の給電する給電手段と、
前記機器に対する給電を可能にする利用情報に基づいて前記給電手段による給電を実行する実行手段と、
前記端末装置の画面に表示され前記利用情報を前記給電装置に送信する操作画像がユーザによって操作されることに応じて送信された当該利用情報を取得する取得手段と、
ことを特徴とする給電装置。
【請求項13】
ユーザの機器に給電する給電装置を操作可能な端末装置であって、
前記給電装置を管理する管理装置と通信する第1通信手段と、
前記管理装置と通信できない前記給電装置と通信する第2通信手段と、
前記管理装置から前記給電装置の利用を可能にする利用情報を取得する取得手段と、
前記管理装置から取得した前記利用情報を前記給電装置に送信する操作画像を画面に表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項14】
ユーザの機器に給電する給電装置を操作可能な端末装置のコンピュータに、
前記給電装置を管理する管理装置と通信する機能と、
前記管理装置と通信できない前記給電装置と通信する機能と、
前記管理装置から前記給電装置の利用を可能にする利用情報を取得する機能と、
前記管理装置から取得した前記利用情報を前記給電装置に送信する操作画像を画面に表示する機能と、
を実現するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電システム、システム、給電装置、端末装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の車両と、充電ステーションと、管理サーバとを備える情報提供システムが開示されている。この管理サーバは、車両および充電ステーションと通信可能である。各車両は、充電ステーションからの電力を用いて搭載された蓄電装置の充電が可能であり、かつ、蓄電装置の電力を用いて他の車両を充電する車両間充電が可能である。管理サーバは、充電ステーションの混雑度を取得し、車両の目的地を取得し、車両の目的地に充電ステーションが併設されており、かつ、充電ステーションの混雑度がしきい値を上回る場合に、車両と目的地が同じ他の車両の中から車両間充電が可能な候補車両を選択し、選択された候補車両に関する情報を車両へ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-092260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば電気自動車の充電やキャンピングカーなどに対する給電などのサービスを行う装置の設置コストが高いと、システムの拡充が妨げられることがある。例えば、装置を、インターネットなどのネットワークに接続可能な構成とすると、装置の設置コストが増加し、設置可能な装置の数が低減する可能性がある。
そこで、本発明では、設置コストを低減可能な装置を用いて給電などのサービスを提供するシステムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、ユーザの機器に給電する給電装置と、前記給電装置を管理する管理装置と、前記ユーザが所持する端末装置と、を備え、前記端末装置は、前記管理装置および前記給電装置それぞれと通信可能であり、前記給電装置は、前記管理装置と通信できず、前記端末装置と通信可能であり、前記管理装置は、前記給電装置の利用を可能にする利用情報を作成し、前記管理装置から取得した前記利用情報を前記給電装置に送信する操作画像が前記端末装置の画面に表示され、当該操作画像をユーザが操作することに応じて当該給電装置が前記機器に給電する、ことを特徴とする給電システムである。
【0006】
ここで、前記端末装置は、前記ユーザからタッチ選択を受け付ける前記操作画像を表示するとよい。
また、前記端末装置は、前記ユーザから予め定められた入力情報の入力操作を受け付ける前記操作画像を表示するとよい。
また、前記端末装置は、前記給電装置の利用時間に基づいて前記操作画像を表示するとよい。
また、前記端末装置は、前記給電装置から当該給電装置を一意に特定する特定情報を取得し、前記管理装置は、前記端末装置を介して受信した前記特定情報を用いて前記利用情報を作成するとよい。
また、前記端末装置は、前記特定情報に基づいて前記管理装置から取得した前記給電装置に関する詳細情報を画面に表示するとよい。
また、前記端末装置は、前記給電装置の利用時間が終了する前に、前記給電装置の継続利用を前記ユーザから受け付ける受付画面を表示するとよい。
また、前記管理装置は、前記給電装置による給電のサービスの利用料の支払に関する支払情報に基づいて前記利用情報を発行するとよい。
また、前記給電装置のユーザによる利用を管理する管理者が用いる管理者端末装置を備え、前記管理者端末装置は、前記管理装置が前記利用情報の作成に用いる認証情報を前記管理装置から取得するとよい。
また、前記管理者端末装置は、前記認証情報を前記端末装置に取得させるとよい。
【0007】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、ユーザにサービスを提供する提供装置と、前記提供装置を管理する管理装置と、前記ユーザが所持する端末装置と、を備え、前記端末装置は、前記管理装置および前記提供装置それぞれと通信可能であり、前記提供装置は、前記管理装置と通信できず、前記端末装置と通信可能であり、前記管理装置は、前記提供装置の利用を可能にする利用情報を作成し、前記管理装置から取得した前記利用情報を前記提供装置に送信する操作画像が前記端末装置の画面に表示され、当該操作画像をユーザが操作することに応じて当該提供装置がサービスを提供する、ことを特徴とするシステムである。
【0008】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、管理装置と通信できず、ユーザが所持する端末装置と相互に通信可能でありユーザの機器に給電する給電装置であって、ユーザが用いる機器の給電する給電手段と、前記機器に対する給電を可能にする利用情報に基づいて前記給電手段による給電を実行する実行手段と、前記端末装置の画面に表示され前記利用情報を前記給電装置に送信する操作画像がユーザによって操作されることに応じて送信された当該利用情報を取得する取得手段と、ことを特徴とする給電装置である。
【0009】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、ユーザの機器に給電する給電装置を操作可能な端末装置であって、前記給電装置を管理する管理装置と通信する第1通信手段と、前記管理装置と通信できない前記給電装置と通信する第2通信手段と、前記管理装置から前記給電装置の利用を可能にする利用情報を取得する取得手段と、前記管理装置から取得した前記利用情報を前記給電装置に送信する操作画像を画面に表示する表示手段と、を備えることを特徴とする端末装置である。
【0010】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、ユーザの機器に給電する給電装置を操作可能な端末装置のコンピュータに、前記給電装置を管理する管理装置と通信する機能と、前記管理装置と通信できない前記給電装置と通信する機能と、前記管理装置から前記給電装置の利用を可能にする利用情報を取得する機能と、前記管理装置から取得した前記利用情報を前記給電装置に送信する操作画像を画面に表示する機能と、を実現するプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、設置コストを低減可能な装置を用いて給電などのサービスを提供するシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の給電システムの概略図である。
図2】管理装置の構成例を説明するための図である。
図3】本実施形態の給電管理テーブルの一例を示す図である。
図4】管理装置のハードウェア構成例を示した図である。
図5】端末装置の構成例を説明するための図である。
図6】端末装置のハードウェア構成例を示した図である。
図7】本実施形態の給電端末装置の概略斜視図である。
図8】本実施形態の給電端末装置の構成例を示した図である。
図9】第1実施形態の給電システムの給電動作を示すフローチャートである。
図10】本実施形態の端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
図11】本実施形態の端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
図12】給電サービスの終了の際に端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
図13】第2実施形態の給電システムの概略図である。
図14】第2実施形態の給電システムの給電動作を示すフローチャートである。
図15】第2実施形態の管理者端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の給電システム1の概略図である。
【0015】
(給電システム1)
図1に示すように、給電システム1は、システムにおける情報を管理する管理装置10と、ユーザが所持する端末装置30と、機器に電力を供給する給電端末装置60とを有する。そして、給電システム1は、給電端末装置60を介してユーザに給電サービスを提供する。
【0016】
管理装置10および端末装置30は、ネットワーク90を介して互いに接続されている。これに対して、給電端末装置60は、ネットワーク90に接続されていない。すなわち、管理装置10および端末装置30は、互いに通信可能になっている。一方で、給電端末装置60は、管理装置10と通信できず、端末装置30と互いに通信可能になっている。そして、詳細は後述するが、給電端末装置60は、端末装置30を介して、管理装置10との間での情報のやり取りを行うようになっている。
【0017】
管理装置10は、コンピュータ装置によって構成される。この管理装置10は、給電システム1におけるサーバとして機能する。本実施形態の管理装置10は、端末装置30を所持するユーザが、給電端末装置60を利用して、電力を消費する機器に対して給電を行うことを可能にする。
【0018】
端末装置30の各々は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、あるいはノート型コンピュータなどのコンピュータ装置によって構成される。この端末装置30は、給電システム1におけるクライアントとして機能する。
なお、本実施形態においては、一のユーザが、給電システム1が実現する給電サービスを利用する例を用いて説明する。そのため、図1においては、一のユーザが所持する1台の端末装置30を表示している。ただし、実際の給電システム1においては、異なる複数のユーザが各々所持する複数の端末装置がネットワーク90に接続可能である。
【0019】
給電端末装置60は、例えば、電源ケーブル(不図示)を介して、ユーザの自動車と接続され、接続された自動車に給電する。給電端末装置60は、自動車が例えばキャンピングカーである場合には、キャンピングカーの外部電源として機能する。また、給電端末装置60は、自動車が例えば電気自動車である場合には、電気自動車に備えられた充電池(不図示)に電力を供給する充電スタンドとして機能する。
【0020】
ここで、給電端末装置60は、例えば駐車場に設けられる。さらに説明をすると、給電端末装置60は、駐車場に駐車される自動車と電源ケーブルで接続可能な位置に設けられる。
なお、図1においては、1基の給電端末装置60を設置することが例示されているが、給電端末装置60は、複数設けられていてもよい。
【0021】
ネットワーク90は、装置間のデータ交換に用いられる通信ネットワークである。図示のネットワーク90は、インターネットにより構成されるが、特に限定されるものではない。ネットワーク90は、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)であってもよい。また、ネットワーク90の通信回線は、例えば無線を用いることができる。
そして、ネットワーク90が、例えばTCP/IPに基づくインターネットワークである場合、管理装置10および端末装置30は、各々に設定されるIPアドレスに基づいて、通信相手を指定した情報の送受信を行うことができる。
【0022】
なお、図1に示す例においては、給電端末装置60の各々は、例えば駐車場の管理者(オーナー)などによって所有および管理される。すなわち、給電システム1の所有および管理者と、給電端末装置60の所有および管理者とは互いに異なる。
【0023】
また、給電端末装置60が設けられる場所は特に限定されない。すなわち、給電端末装置60は、1か所の駐車場施設に設けられてもよい。あるいは、給電端末装置60の各々は、互いに離間する複数の駐車場施設に設けられてもよい。
【0024】
そして、第1実施形態の給電システム1では、ユーザが給電端末装置60の給電サービスを利用しようとする際に、例えば予約を必須とせずに、ユーザが所持する端末装置30を用いて給電端末装置60を利用可能になっている。以下、給電システム1について詳細に説明する。
【0025】
(管理装置10)
図2は、管理装置10の構成例を説明するための図である。
【0026】
次に、図2を参照しながら管理装置10の構成例について説明をする。
管理装置10は、ユーザの管理を行うユーザ管理部110と、給電端末装置60の管理を行う電源管理部130と、給電端末装置60による給電動作の管理を行う給電管理部150とを有する。
【0027】
ユーザ管理部110は、アプリケーションの配布を行うアプリケーション配布部111と、ユーザの登録を行うユーザ登録部113とを有する。
【0028】
アプリケーション配布部111は、本実施形態の給電システム1を利用するためのソフトウェア、すなわちアプリケーションを、ネットワーク90を介して端末装置30に送信(配布)する。言い替えると、アプリケーション配布部111は、ユーザがアプリケーションを端末装置30にダウンロードすることを可能とする。
【0029】
ユーザ登録部113は、ユーザが端末装置30を操作することにより行われる、ユーザの登録を実行する。本実施形態のユーザ登録部113は、ユーザ登録の処理において、ユーザ名やパスワードの指定を受け付けるとともに、ユーザの識別情報であるユーザIDの出力を行う。
【0030】
電源管理部130は、電源情報を管理する電源情報管理部131と、電源情報管理部131が管理する電源情報を出力する管理情報出力部135とを有する。
【0031】
電源情報管理部131は、給電端末装置60を管理するための情報である電源情報の取得および記憶を行う。ここで、電源情報としては、給電端末装置60の識別情報である給電デバイスID(例えば特定情報の一例)、給電端末装置60の位置情報、給電端末装置60の利用履歴などが含まれる。給電デバイスIDは、例えば給電端末装置60ごとに割り当てられたMACアドレス(Media Access Control address)を例示できる。MACアドレスは、給電端末装置60ごとに固有のものであるため、給電端末装置60を一意に特定可能な情報である。
【0032】
また、電源情報としては、給電端末装置60の所有者の氏名および連絡先などを含む。ここで所有者の連絡先とは、所有者の電話番号やメールアドレスなどを含む。さらに、本実施形態の電源情報には、給電端末装置60の詳細情報を表示するウェブページのURL(Uniform Resource Locator)の情報を有する。ウェブページは、給電端末装置60ごとに個別に作成されるページである。ウェブページには、給電端末装置60の写真画像、給電端末装置60が設置されている場所に関する情報、給電端末装置60を示す名称など対象となる給電端末装置60に関する各種の情報(例えば詳細情報の一例)が含まれる。
【0033】
管理情報出力部135は、電源情報管理部131が管理する電源情報を、給電システム1の管理者および給電端末装置60の所有者などに出力する。管理情報出力部135は、給電端末装置60ごとに設けられるウェブページのURL情報を出力する。また、管理情報出力部135は、例えば電源情報管理部131によって記憶された給電端末装置60の利用履歴を、給電端末装置60の所有者に送信する。このことにより、給電端末装置60の所有者は、自身が所有する給電端末装置60の利用状況を把握することが可能となる。
【0034】
また、管理情報出力部135は、給電端末装置60においてトラブルが発生した場合などにおいて、給電システム1の管理者に通知を行うとともに、給電端末装置60の所有者に通知を行う。このことにより、給電端末装置60の所有者によって給電端末装置60のトラブルを早期に解消することが可能となる。ここで、例えば、管理情報出力部135は、給電端末装置60の利用履歴を、給電端末装置60の所有者のコンピュータ装置(スマートフォン等(不図示))に対して、メールなど文字情報あるいは画像情報として出力する。一方で、管理情報出力部135は、給電端末装置60のトラブルを、所有者のスマートフォンなどに対して音声情報として出力する。電話などで音声情報として出力することで、文字情報などのように管理者が確認し忘れることが低減される。その結果、給電端末装置60の所有者がより確実にトラブルを認識し、給電端末装置60のトラブルをより早く解消し得る。
【0035】
給電管理部150は、給電端末装置60の利用申請を受け付ける利用申請受付部151と、給電サービスを開始する処理を行う給電処理部153とを有する。
【0036】
利用申請受付部151は、ユーザが端末装置30を操作することにより行われるログインを受け付ける。また、利用申請受付部151は、給電端末装置60の利用申請を受け付ける。この利用申請においては、ユーザの識別情報(すなわち、ユーザID)、給電を行う給電端末装置60の給電デバイスID(例えば、MACアドレス等)、給電サービスの利用時間(すなわち、給電時間)などを指定する申請情報をユーザから受け付ける。なお、利用時間には、給電サービスの利用を開始する時刻、および給電サービスが開始されてから終了するまでの時間(すなわち、期間)の情報が含まれる。
【0037】
また、利用申請受付部151は、給電サービスを受けるための料金の支払い、すなわち決済を行う。ここでの料金は、例えば給電時間に応じて変化するよう設定される。また、利用申請受付部151は、例えば給電端末装置60など給電サービスの内容に応じたユーザの利用料金を記憶している。利用申請受付部151は、給電端末装置60の例えば単位時間あたりの利用料金を記憶している。決済処理は、クレジットカードによる支払いなど、周知の技術によって実行される。
【0038】
なお、本実施形態では、給電サービスを管理する管理装置10が決済を受け付ける例を用いているが、この態様に限定されない。管理装置10とは別のサーバ装置によって決済を行い、その決済情報を管理装置10の利用申請受付部151が受け付けるようにしてもよい。
【0039】
給電処理部153は、利用申請受付部151が受け付けた利用申請に基づいて、ユーザの給電端末装置60を用いた給電サービスの利用を可能にする。給電処理部153は、端末装置30に対して、給電端末装置60が機器に給電を行うための指示を出力する。具体的には、給電処理部153は、給電端末装置60の給電の利用を許可する利用情報を作成する。そして、給電処理部153は、作成した利用情報を端末装置30に送信する。さらに、利用情報は、端末装置30から給電端末装置60に送信される。給電端末装置60は、利用情報を取得することで、利用情報に含まれる利用時間、給電をONにする。
【0040】
利用情報は、給電端末装置60の給電デバイスIDに関連付けて作成される。すなわち、給電処理部153は、給電端末装置60ごとに個別の利用情報を作成する。例えば、ある給電端末装置60を対象として作成された利用情報を他の給電端末装置60が受信しても、他の給電端末装置60において給電がONにならないようになっている。
【0041】
また、利用情報には、給電端末装置60の利用時間の情報が含まれている。本実施形態では、利用時間は、給電端末装置60の利用の開始時間および終了時間の情報である。
【0042】
図3は、本実施形態の給電管理テーブル200の一例を示す図である。
本実施形態の給電管理部150は、図3に示す給電管理テーブル200を用いて給電サービスに関する各種の情報を管理する。
【0043】
図3に示すように、給電管理テーブル200は、管理番号、名称、給電デバイスID、URL、利用状況、時間情報、ユーザ情報および決済情報の項目を有している。これらの項目は、複数の給電端末装置60ごとに関連付けて管理される。
【0044】
管理番号は、給電端末装置60を給電管理テーブル200において管理するための番号である。
名称は、給電端末装置60に付けられた名称である。
給電デバイスIDは、給電端末装置60に個別の特定するための情報である。給電デバイスIDは、例えば給電端末装置60の通信ハードウェアに設定されたMACアドレスを例示することができる。
【0045】
URLは、給電端末装置60に関する各種の詳細情報をまとめたウェブサイトのアドレスを示す。
利用状況は、給電端末装置60による給電サービスの状況を示す。給電端末装置60がユーザによって利用されている状態では、例えば「利用中」となる。一方で、給電端末装置60が利用されていない状態では、例えば「空き」となる。
ユーザ情報は、給電端末装置60の給電サービスを利用しているユーザの情報を示す。ユーザ情報は、利用申請を行ったユーザ名を表示することができる。また、ユーザ情報は、ユーザ登録部113に登録されている情報を参照することができる。
決済情報は、ユーザが給電サービスを利用する際に行った決済処理の情報を示す。決済情報は、ユーザが決済処理を完了している場合、例えば「済」となる。
【0046】
なお、管理装置10は、複数の給電端末装置60のうちユーザによる利用を中止したい給電端末装置60がある場合には、対象となる給電端末装置60のウェブサイトへのアクセスを停止させてもよい。これによってウェブサイトによる給電端末装置60の公開が停止され、ユーザによる給電端末装置60の利用を停止できる。このように、管理装置10は、給電端末装置60の利用を管理可能になっている。
また、上述した利用状況において利用中の給電端末装置60についても、その給電端末装置60の公開を停止したり、利用中を示す画面を表示したりすることができる。これによって、利用中の給電端末装置60についての他のユーザの利用を抑制できる。
【0047】
(管理装置10のハードウェア構成)
図4は、管理装置10のハードウェア構成例を示した図である。
【0048】
図4に示すように、管理装置10は、CPU101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、ネットワークI/F105とを備える。
【0049】
CPU101は、ROM103等に記憶された各種プログラムをRAM102にロードして実行することにより、管理装置10の上記各機能を実現する。
RAM102は、CPU101の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM103は、CPU101が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
HDD104は、給電端末装置60の電源情報等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
ネットワークI/F105は、ネットワーク90(図1参照)を介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0050】
ここで、CPU101によって実行されるプログラムは、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、管理装置10へ提供することができる。また、CPU101によって実行されるプログラムは、管理装置10を介して端末装置30などにダウンロードしてもよい。例えば、管理装置10の上記各機能を実現するプログラムを管理装置10にダウンロードしてもよい。
【0051】
(端末装置30)
図5は、端末装置30の構成例を説明するための図である。
【0052】
次に、図5を参照しながら端末装置30の構成例について説明をする。
端末装置30は、アプリケーションの管理を行うアプリケーション管理部31と、給電端末装置60を利用するための申請を行う利用申請部33と、給電端末装置60の利用を有効にするための利用部35と、ユーザに対して情報を提示する画像表示部37と、給電端末装置60と通信を行う通信部39とを有する。
【0053】
アプリケーション管理部31は、端末装置30にインストールされた本実施形態の給電システム1を利用するためのアプリケーションを管理する。利用申請部33、利用部35、画像表示部37および通信部39の各種機能は、本実施形態のアプリケーションによって実現される。
【0054】
利用申請部33は、ユーザが端末装置30を介して本実施形態の給電サービスを利用する際に、ユーザから利用の申請を受け付ける。利用申請部33は、端末装置30の画面に利用の申請に必要な情報の入力部を表示する。利用申請部33は、ユーザから情報の入力を受け付ける。そして、利用申請部33は、ユーザから受け付けた利用申請の内容を管理装置10に送信する。
【0055】
利用部35は、給電端末装置60の利用を可能にするための各種の処理を行う。利用部35は、通信部39を介して給電端末装置60の給電デバイスIDを取得する。そして、利用部35は、給電デバイスIDを管理装置10に送信する。また、利用部35は、ユーザが給電サービスを利用する際に行った決済の決済情報(例えば支払情報の一例)を管理装置10に送信する。
さらに、利用部35は、管理装置10が発行した利用情報を管理装置10から取得する。そして、利用部35は、取得した利用情報を給電端末装置60に送信する。
【0056】
画像表示部37は、給電サービスの利用に際してユーザに通知する各種の情報を画面に表示する。また、画像表示部37は、ユーザから情報の入力や操作を受け付ける際に、入力や操作を受け付けるための画像を画面に表示する。
【0057】
通信部39は、BLE I/F313(後述)を介してBLE通信を行うことが可能になっている。すなわち、通信部39は、無線通信機能を有する。BLE通信は、近距離無線通信規格の1つを用いた通信である。さらに説明をすると、BLE通信とは、Bluetooth(登録商標)の拡張仕様の1つであるBluetooth Low Energy(登録商標)による通信のことをいう。そして、通信部39は、BLE通信によって給電端末装置60と相互に情報の通信が可能になっている。
【0058】
また、通信部39は、移動通信システムに基づくモバイルデータ通信規格やWi-Fi(登録商標、Wireless Fidelity)無線通信規格を用いた通信が可能になっている。そして、通信部39は、これらの通信によって管理装置10と相互に情報の通信が可能になっている。
【0059】
(端末装置30のハードウェア構成)
図6は、端末装置30のハードウェア構成例を示した図である。
【0060】
図6に示すように、端末装置30は、CPU301と、RAM302と、ROM303と、記憶部304と、操作パネル305と、スピーカ306と、マイク307と、カメラ308と、GPSセンサ309と、ネットワークI/F312と、BLE I/F313と、を備える。
【0061】
CPU301は、ROM303等に記憶された各種プログラムをRAM302にロードして実行することにより、端末装置30の上記各機能を実現する。
RAM302は、CPU301の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM303は、CPU301が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
記憶部304は、各種アプリのプログラム、および当該プログラムによって使用される各種データ等を記憶する例えばフラッシュメモリである。
操作パネル305は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。
【0062】
スピーカ306は、通話先から受信された受話音声を含む種々の音声を出力する。
マイク307は、ユーザの発話音声を含む種々の音声を取得する。なお、本実施形態におけるマイク307は、例えば給電端末装置60が超音波を発信することができる場合に、その超音波を受信することで、給電端末装置60との超音波通信を実現可能である。
カメラ308は、レンズと、CMOS(Complementary Metal‐Oxide Semiconductor)などの撮像素子(画像センサ)とを含み、被写体を撮影する。
【0063】
GPSセンサ309は、GPS(Global Positioning System)信号を取得し、端末装置30の位置情報を取得する。
ネットワークI/F312は、他の通信機器との間でデータを送受信する。ここで、ネットワークI/F312は、ネットワーク90(図1参照)を介して管理装置10などと通信を行う。
BLE I/F313は、BLE通信回路(不図示)を有し、このBLE回路を用いて給電端末装置60とBLE通信を行う。
【0064】
ここで、CPU301によって実行されるプログラム(アプリケーション)は、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、端末装置30などに提供し得る。また、CPU301によって実行されるプログラムは、ネットワーク90を介して端末装置30などにダウンロードしてもよい。例えば、端末装置30などの上記各機能を実現するプログラムを、アプリとして端末装置30にダウンロードしてもよい。
【0065】
(給電端末装置60)
図7は、本実施形態の給電端末装置60の概略斜視図である。
図8は、本実施形態の給電端末装置60の構成例を示した図である。
【0066】
図7に示すように、給電端末装置60は、柱状のポール600と、ポール600に設けられた筐体601とを有する。給電端末装置60は、例えば、駐車場における駐車スペースの側に設けられる。給電端末装置60は、駐車スペースに駐車された例えばキャンピングカーや電気自動車に対して、電源ケーブルを介して接続されることにより給電が可能となる。
【0067】
図8に示すように、筐体601は、外部から印加されるAC100Vのアナログ電圧をデジタル信号に変換するA/D変換器610と、給電端末装置60の各構成部材を制御する制御部630と、制御部630からの制御信号を受け取りオン/オフを切り替える電源リレー650とを有する。また、筐体601は、発光するLED67と、通信するBLE I/F679とを有する。
【0068】
ここで、図7に示す電源リレー650は、タイマ651を有する。このタイマ651は、通電時間、すなわち給電時間の計測を行う。さらに説明をすると、タイマ651は、制御部630からの信号を受信することにより経過時間の計測を開始し、予め定めた時間が経過すると電源リレー650を遮断する。このことにより、予め定めた時間が経過した後に、キャンピングカーに対する給電が終了する。
【0069】
LED67は、制御部630からの制御信号を受け取り、点灯および消灯を切り替える発光素子である。LED67は、点灯態様により、給電端末装置60の作動状態をユーザに通知する。そして、LED67は、第1LED671、第2LED672および第3LED673(図7参照)を備えて構成される。例えば、第1LED671を赤色に点灯させることにより、給電中であることがユーザに通知される。また、第2LED672を緑色に点灯させることにより、給電が終了していることがユーザに通知される。また、第3LED673を黄色に点灯させることにより、給電端末装置60が待機中であることがユーザに通知される。
【0070】
BLE I/F679は、制御部630からの制御信号を受け取り、端末装置30との通信を行う。このBLE I/F679は、BLE通信回路(不図示)を有し、このBLE回路を用いて端末装置30とBLE通信を行う。
【0071】
本実施形態において、端末装置30と給電端末装置60とBLE通信を用いた通信範囲は、例えば30メートルに設定されている。これによって、端末装置30と給電端末装置60との間でBLE通信が可能な場合には、給電端末装置60の付近に端末装置30が存在すると判断できる。
なお、BLE通信による通信範囲は、上記の例に限定されず、通信規格等に応じて、最大で例えば500メートルまで設定することができる。
【0072】
電源端子681には、電源ケーブルの端子が挿入される。この電源端子681は、電源ケーブルの端子が挿入された状態で、電源ケーブルを介して電源リレー650から例えばキャンピングカーや電気自動車などに電力を供給する。
【0073】
以上のように構成される給電端末装置60は、例えば端末装置30のネットワークI/F312のようにインターネットなどのネットワーク90に接続するため構成を備えていない。すなわち、本実施形態の給電端末装置60は、ネットワーク90に接続されていない。例えば、給電端末装置60は、IPアドレスが設定されず、例えば管理装置10を通信先に指定して、ネットワーク90を介した管理装置10との情報の通信を行うことができない。これは、管理装置10からしても同様であり、管理装置10は、給電端末装置60を通信先に指定して、ネットワーク90を介した給電端末装置60との情報の通信を行うことができない。
【0074】
一方で、給電端末装置60は、BLE I/F679を有しており、端末装置30との間で通信が確立した状態で、端末装置30と一対一での通信を行うことができる。ただし、端末装置30は、端末装置30との間で通信が確立した状態で、さらに他の端末装置などの通信機器とはBLE通信を行うことができない。
このように、給電端末装置60は、BLE通信によって、端末装置30などの1台の通信機器との間で通信を行うことができるが、2台以上の通信機器と同時に通信を行うことができない構成になっている。
【0075】
(給電システム1の動作)
次に、給電システム1における動作を説明する。
給電システム1は、ユーザがユーザIDを取得するユーザ登録動作と、ユーザが給電端末装置60における給電サービスの利用を予め申請する利用申請動作と、例えばキャンピングカーなどの対象に対して給電を行う給電動作とを行う。
以下、ユーザ登録動作、利用申請動作、および給電動作の各々について説明をする。
【0076】
(ユーザ登録動作)
ユーザ登録動作は、ユーザが端末装置30を操作することを契機として開始される。具体的には、ユーザが端末装置30を操作することで、管理装置10のアプリケーション配布部111が、ネットワーク90を介して端末装置30にアプリケーションを送信する。すなわち、端末装置30にアプリがダウンロードされる。
【0077】
次に、ユーザが端末装置30を操作することを契機として、端末装置30のアプリケーション管理部31から、管理装置10にユーザ名およびパスワードが送信される。このユーザ名およびパスワードは、ユーザ登録部113によって記憶される。そして、ユーザ登録部113は、端末装置30に対してユーザごとに付与されるユーザIDを送信する。このユーザIDは、端末装置30のユーザ登録部113に記憶される。
【0078】
(利用申請動作)
利用申請時においては、ユーザが端末装置30を操作することを契機として、端末装置30のアプリケーション管理部31がアプリケーションからログイン処理を実行する。そして、ユーザが、端末装置30を操作し、給電サービスを受ける給電端末装置60を選択するとともに、利用時間(すなわち、給電時間)を指定する。この指定を管理装置10の利用申請受付部151が受信する。そして、利用申請受付部151は、受信した給電端末装置60および利用時間に応じて利用料金を算出し、端末装置30に送信する。そして、端末装置30が操作されることにより、管理装置10の利用申請受付部151が決済を実行する。また、管理装置10の給電処理部153は、ユーザが選択した給電端末装置60の利用情報を発行する。
【0079】
(給電動作)
図9は、第1実施形態の給電システム1の給電動作を示すフローチャートである。
【0080】
本実施形態の給電システム1は、ユーザが近くにある給電端末装置60を利用しようとした際に、即時にその給電端末装置60を使えるようになっている。以下、ユーザが即時に給電端末装置60を利用する例として、図9を参照しながら、給電システム1の給電動作を説明する。
【0081】
例えば、ユーザは、給電端末装置60が設置される場所に到着する。端末装置30にインストールされている本実施形態の給電システム1用のアプリを起動する。そして、ユーザは、端末装置30を所持しながら給電端末装置60に接近する。端末装置30は、給電端末装置60に対して予め定められた距離の範囲内に位置すると、給電端末装置60がキャストするアドバタイズ信号を受信する(S901)。端末装置30は、アドバタイズ信号に応じて、給電端末装置60に対して接続要求を行う(S902)。そして、給電端末装置60と端末装置30との間でBLE通信が確立する。
【0082】
なお、本実施形態のアプリは、アドバタイズ信号に基づいて接続をすべき給電端末装置60であることを認識可能になっている。また、アプリ画面において、給電端末装置60を識別するためのボタンの操作をユーザから受け付けても良い。
【0083】
次に、給電端末装置60は、端末装置30に対して給電デバイスID(例えばMACアドレス)を送信する(S903)。さらに、端末装置30は、給電端末装置60から取得した給電デバイスID(例えばMACアドレス)を管理装置10に送信する(S904)。
その後、管理装置10は、給電デバイスIDに基づいて給電端末装置60の情報である給電端末情報を端末装置30に送信する(S905)。具体的には、管理装置10は、給電デバイスIDに関連付けられたウェブページのURLを端末装置30に送信する。
【0084】
そして、端末装置30には、給電端末装置60に関する給電端末画面(後述する図10(A)参照)が表示される。さらに、端末装置30には、給電端末装置60による給電サービスの利用を申請するための利用申請画面(後述する図10(B)参照)が表示される。端末装置30では、利用申請画面を介してユーザから給電端末装置60の利用申請を受け付ける(S906)。そして、利用申請には、給電端末装置60の利用時間に関する情報が含まれる。また、端末装置30では、利用申請画面を介して給電サービスの利用料の決済が行われる(S907)。その後、端末装置30は、給電サービスの利用時間、および決済に関する決済情報が含まれる情報である利用申請情報を管理装置10に送信する(S908)。このように、第1実施形態の給電システム1では、給電端末装置60による給電のサービスの利用料の支払に関する支払情報に基づいて利用情報を発行するようになってる。
【0085】
管理装置10は、端末装置30から取得した利用申請情報に基づいて、給電端末装置60のユーザによる利用を可能にする利用処理を実行する(S909)。具体的には、管理装置10は、給電管理テーブル200を参照し、利用の対象となっている給電端末装置60の利用状況を確認する。また、管理装置10は、給電端末装置60が空いていてユーザが給電端末装置60を利用可能である場合には、給電端末装置60の利用時間に基づいて給電開始時間および給電終了時間の設定を行う。
そして、管理装置10は、設定した利用時間において給電端末装置60が給電を行うことを許可する利用情報を端末装置30に対して送信する(S910)。
【0086】
端末装置30は、利用情報の取得に応じて、画面にボタンアイコン(後述する図11(A)参照)が表示される(S911)。ボタンアイコンは、例えばユーザがタッチ操作することが可能な画像である。そして、端末装置30は、画面に表示されるボタンアイコンに対するユーザの操作を受け付ける(S912)。さらに、端末装置30は、ボタンアイコンに対するユーザの操作を受け付けると、管理装置10から取得した利用情報を給電端末装置60に送信する(S913)。
【0087】
そして、給電端末装置60は、端末装置30から受信した利用情報に含まれる利用時間に基づいてタイマ651をセットする(S914)。次に、給電端末装置60は、制御部630が電源リレー650を動作させ給電を開始する(S915)。また、タイマ651が計時を開始する。
【0088】
なお、本実施形態の給電端末装置60は、給電を開始して給電中の状態になると、アドバタイズ信号の発報を停止する。すなわち、給電端末装置60は、給電中の状態において、給電サービスを利用しているユーザの端末装置30とは異なる別のユーザの端末装置との間で通信確立をしないようになっている。これによって、本実施形態の給電システム1では、例えば一の給電端末装置60が異なるユーザによる利用が重複しないようにしている。
【0089】
その後、ユーザによる給電端末装置60の給電サービスの利用が行われる。
そして、給電端末装置60は、タイマ651が利用時間の終了を検知すると、電源リレー650が通電を停止して給電が終了する(S916)。
【0090】
以上のように、本実施形態の給電システム1では、ユーザが端末装置30を所持し、利用対象の給電端末装置60の付近に位置し、端末装置30の操作を行うだけで、給電端末装置60を給電可能な状態にすることができる。
【0091】
そして、本実施形態の給電システム1では、例えばネットワーク90によって管理装置10とは通信ができない給電端末装置60に対し、端末装置30を介した情報のやり取りに基づいて給電の指示を行う。このように、給電端末装置60は、例えばネットワーク90を介した上位通信を行うためのデバイスを必要としないため、設置コストが低減される。
【0092】
次に、本実施形態の端末装置30に表示される各種画面について詳細に説明する。
図10および図11は、本実施形態の端末装置30に表示される画面の一例を示す図である。
【0093】
端末装置30が給電端末情報を取得すると、図10(A)に示すように、端末装置30の操作パネル305には給電端末情報画面400が表示される。
給電端末情報画面400には、端末名称401、端末画像402、料金情報403および申請ボタン404など給電端末装置60に関する詳細情報が含まれる。
【0094】
端末名称401は、給電端末装置60に付された名称を示す。なお、端末名称401は、給電端末装置60の外装に付された名称と同じものを用いることができる。これによって、ユーザは、利用対象の給電端末装置60と、端末装置30の画面に表示される利用申請の対象となっている装置との対応関係を各々の名称の表示によって確認することができる。
【0095】
端末画像402は、給電端末装置60の外観を示す画像である。端末画像402には、例えば給電端末装置60を撮影した画像や、給電端末装置60を描く図面などを用いることができる。
料金情報403は、給電端末装置60を利用する際に掛かる費用の情報を示す。例えば、料金情報403は、単位時間あたりの利用料金を表示することを例示できる。
【0096】
申請ボタン404は、画面に表示される給電端末装置60に対してユーザが利用申請を行う際に、ユーザの操作を受け付けるボタン画像である。申請ボタン404が例えばタッチ操作されることで、端末装置30の画面に後述する利用申請画面410が表示される。
【0097】
そして、図10(B)に示すように、端末装置30には利用申請画面410が表示される。利用申請画面410には、端末名称401、開始時設定欄411、終了時設定欄412、料金表示413および決済ボタン414が含まれる。
【0098】
開始時設定欄411は、給電端末装置60を用いた給電サービスの開始時間を設定するための欄である。開始時設定欄411には、例えば開始時間の選択肢から任意の時間を選んだり、具体的な時間を数字で入力したりすることができる。また、開始時設定欄411に表示される選択肢には、例えば「現在」といったように即時利用を開始する際に用いる選択項目も含められている。
【0099】
終了時設定欄412は、給電端末装置60を用いた給電サービスの終了時間を設定するための欄である。終了時設定欄412には、例えば終了時間の選択肢から任意の時間を選んだり、具体的な時間を数字で入力したりすることができる。
【0100】
料金表示413は、給電端末装置60の利用時間に応じたトータルの費用を表示する。すなわち、料金表示413は、ユーザが決済をする必要のある料金を表示する。
決済ボタン414は、ユーザが利用対象とする給電端末装置60および利用時間に関する情報をユーザが確定する際に用いるボタン画像である。決済ボタン414が例えばタッチ操作などによってユーザによって操作されると、給電端末装置60の画面には、利用料金を支払うための決済画面(不図示)が表示される。ユーザは、決済画面において利用料金の決済を行う。
【0101】
続いて、端末装置30に表示されるボタンアイコン450について説明する。
図11(A)に示すように、端末装置30は、管理装置10から利用情報を取得した場合、ボタンアイコン450(例えば操作画像の一例)を画面に表示する。そして、ボタンアイコン450は、給電端末装置60の利用時間に基づいて表示される。例えば、ボタンアイコン450は、利用開始時間から端末装置30に表示することができる。また、ユーザが給電端末装置60の即時利用を行う場合、ボタンアイコン450は、例えば管理装置10から利用情報を取得したときに端末装置30に表示することができる。
【0102】
ボタンアイコン450は、例えば鍵をモチーフとした画像を用いることができる。また、ボタンアイコン450は、ユーザによるタッチ操作を受け付けることが可能な画像である。そして、本実施形態の給電システム1では、ユーザがボタンアイコン450をタッチ操作した際に、例えば施錠された鍵を開けるようにユーザが感じられるようにしている。
【0103】
そして、本実施形態では、ユーザがボタンアイコン450を操作することによって、端末装置30から給電端末装置60に利用情報が送信される。給電端末装置60は、利用情報を取得することで、ユーザが給電サービスを利用可能な状態になる。すなわち、本実施形態では、管理装置10から取得した利用情報を給電端末装置60に送信するボタンアイコン450が端末装置30の画面に表示される。そして、そのボタンアイコン450をユーザが操作することに応じて給電端末装置60がユーザの用いる機器に給電する。
【0104】
図11(B)に示すように、給電端末装置60が給電サービスを提供可能な状態になると、端末装置30には、給電中画面470が表示される。
給電中画面470には、給電中表示471、給電終了時間472および給電残時間473が表示される。
【0105】
給電中表示471は、例えば「給電中」のテキスト表示をすることで、給電端末装置60が給電中であることを示す。
給電終了時間472は、ユーザが利用申請を行った際に設定した給電サービスの終了時刻を表示する。
給電残時間473は、給電サービスが終了するまでの残り時間を表示する。給電残時間473は、現在時刻と終了時刻との情報に基づいて表示される。
【0106】
以上のように、本実施形態の端末装置30には、給電端末装置60に関する各種の情報が表示される。本実施形態の給電システム1では、端末装置30の画面において給電端末装置60に関する情報を表示する。これによって、例えば給電端末装置60に画像を表示する画像表示部(ディスプレイ)を設けることが必須にならない。この場合において、給電端末装置60の設置コストやメンテナンスコストなどが大幅に低減される。
【0107】
なお、ユーザの周囲に複数の給電端末装置60が存在する場合、端末装置30は、複数の給電端末装置60との間でそれぞれ通信が可能になる。この場合、端末装置30は、複数の給電端末装置60の給電端末情報をそれぞれ取得する。そして、端末装置30の画面には、複数の給電端末装置60の給電端末情報のリストが表示される。ユーザは、端末装置30に表示される複数の給電端末装置60のリストから利用を希望とする給電端末装置60を選択して利用申請を行うことができる。
【0108】
続いて、給電サービスの延長利用について説明する。
図12は、給電サービスの終了の際に端末装置30に表示される画面の一例を示す図である。
【0109】
図12に示すように、給電サービスの終了時間の直前に、端末装置30に給電サービスの延長を受け付ける延長受付画面500(例えば受付画面の一例)が表示される。延長受付画面500の表示タイミングは、例えば給電サービスの終了時間の5分前に設定することを例示できる。
【0110】
端末装置30に表示される延長受付画面500には、利用時間が終了することを予告する予告画像501と、給電時間の延長を促すメッセージ画像502と、が含まれる。さらに、端末装置30の画面に表示される画像には、給電時間の延長の指示をユーザから受け付ける延長ボタン画像503と、延長を行わずに予め定められた時間で終了することの承諾をユーザから受け付ける終了ボタン画像504とが含まれる。
【0111】
そして、ユーザによって端末装置30の画面にて延長ボタン画像503の操作が受け付けられた場合に、上述した初回の利用申請と同様に、給電サービスの利用に関する処理が行われる。
【0112】
本実施形態の給電システム1では、あるユーザによる一の給電端末装置60の利用時間中は、他のユーザによる一の給電端末装置60の利用申請が行えないようになっている。ただし、一の給電端末装置60を利用しているユーザに対しては、利用時間中において給電端末装置60の利用申請を可能にしている。これによって、本実施形態の給電システム1は、一の給電端末装置60を利用しているユーザに対して一の給電端末装置60の延長利用を可能にし、ユーザによる利便性を向上させている。
【0113】
<変形例>
本実施形態の説明において、上述のとおり利用情報を端末装置30から給電端末装置60に送信する際に、ボタンアイコン450(図11(A)参照)の操作を受け付けるようにしているが、この態様に限定されない。
例えば、ボタンアイコン450に対するタッチ操作に代えて、パスコードの入力を受け付けても良い。パスコードは、例えば4桁の数字など英数字などの入力情報を例示できる。この場合、端末装置30からの利用申請に応じて、管理装置10から端末装置30にパスコードを送信する。パスコードの通知は、メール送信や、アプリケーションを介して画面に表示するなど各種の方法を用いることができる。
【0114】
そして、管理装置10から取得した利用情報を給電端末装置60に送信するためのパスコードの入力操作画像(例えば操作画像の一例)が端末装置30の画面に表示される。そして、パスコードの入力操作画像をユーザが操作し、パスコードを入力することに応じて給電端末装置60がユーザの機器に給電するようになっている。
【0115】
<変形例>
本実施形態では給電端末装置60を一意に特定する給電デバイスIDとして、MACアドレスを一例として用いているが、この態様に限定されない。給電端末装置60を一意に特定することができれば、予め定めれられたコード(任意の英数字)などを給電デバイスIDとして用いることができる。
さらに、本実施形態では、給電端末装置60を一意に特定する給電デバイスIDを給電端末装置60と端末装置30との間の通信によって取得しているが、この態様に限定されない。例えば給電デバイスIDの情報が含まれる二次元コードを給電端末装置60に設けたり、給電デバイスIDの情報を給電端末装置60に明記したりする。そして、給電端末装置60の給電デバイスIDの取得を、端末装置30と給電端末装置60との間の例えばBLE通信とは別の方法によって行ってもよい。
【0116】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態の給電システム1について説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0117】
図13は、第2実施形態の給電システム1の概略図である。
図13に示すように、第2実施形態の給電システム1は、システムにおける情報を管理する管理装置10と、ユーザが所持する端末装置30と、機器に電力を供給する複数の給電端末装置60と、給電端末装置60を利用するユーザを管理する管理者が所持する管理者端末装置70とを有する。
【0118】
管理装置10、端末装置30および管理者端末装置70は、ネットワーク90を介して互いに接続されている。これに対して、複数の給電端末装置60は、ネットワーク90に接続されていない。
また、管理者端末装置70のハードウェア構成は、管理装置10や端末装置30と同様である。
【0119】
以上のように構成される第2実施形態の給電システム1では、ユーザによる給電端末装置60の利用を管理者が管理できるようになっている。
例えば、管理者は、給電端末装置60が設置されているキャンプ施設のオーナーを例示することができる。また、ユーザは、キャンプ施設を利用する利用客を想定することができる。利用客であるユーザがキャンプ施設の給電端末装置60を利用する際、ユーザが端末装置30を介して管理装置10に対して利用申請を行うのではなく、管理者が管理者端末装置70を介して利用申請を行う。そして、ユーザは、管理者が行った利用申請に基づいて、給電端末装置60を利用可能になっている。
【0120】
そして、第2実施形態の給電システム1は、例えば管理者がキャンプ施設の予約などを管理するためのシステムに組み込むことを必須とせずに、給電端末装置60の利用の管理を行えるようになっている。以下、詳細に説明する。
【0121】
第2実施形態の管理装置10の基本構成は、第1実施形態と同様である。ただし、第2実施形態の管理装置10は、給電管理部150(利用申請受付部151、給電処理部153)の構成が第1実施形態とは異なる。
【0122】
第2実施形態の利用申請受付部151は、管理者が管理者端末装置70を操作することにより行われるログインを受け付ける。また、利用申請受付部151は、給電端末装置60の利用申請を受け付ける。この利用申請においては、管理者の識別情報(すなわち、ユーザID)、給電を行う給電端末装置60の給電デバイスID(例えば、MACアドレス等)、給電サービスの利用時間(すなわち、給電時間)などを指定する申請情報を管理者から受け付ける。なお、利用時間には、給電サービスを利用する日付、給電サービスの利用を開始する時刻、および給電サービスが開始されてから終了するまでの時間(すなわち、期間)の情報が含まれる。
【0123】
ここで、第2実施形態において、管理者の管理者端末装置70には、給電端末装置60の給電デバイスIDの情報が予め記憶されている。管理者が複数の給電端末装置60を管理している場合、管理者端末装置70は、各々の給電端末装置60の給電デバイスIDの情報を保持している。そして、管理者は、利用申請を行う際、申請の対象となる給電端末装置60の給電デバイスIDを管理者端末装置70から管理装置10に送信する。
【0124】
また、第2実施形態においては、給電端末装置60を用いた給電サービスの利用料は、管理者が決済するようになっている。決済の方法は、クレジットカードや銀行振込による支払いなど、周知の技術によって実行される。また、支払いの内容についても特に限定されず、給電端末装置60の利用料を例えば月ごとにまとめたり、複数の給電端末装置60の利用料をまとめたりすることもできる。
【0125】
第2実施形態の給電処理部153は、利用申請受付部151が受け付けた利用申請に基づいて、給電端末装置60を用いた給電サービスのユーザによる利用を可能にする。
給電処理部153は、管理者端末装置70から利用申請がされた場合に、利用申請ごとにワンタイムパスワード(例えば認証情報の一例)を発行する。そして、給電処理部153は、発行したワンタイムパスワードを管理者端末装置70に送信する。
また、給電処理部153は、端末装置30に対して、給電端末装置60が機器に給電を行うための指示を出力する。具体的に、給電処理部153は、給電端末装置60の給電の利用を許可する利用情報を作成する。そして、給電処理部153は、作成した利用情報を端末装置30に送信する。
【0126】
ワンタイムパスワードは、例えば一回だけ有効な一時的なパスワードである。本実施形態では、例えば英数字によって構成される。管理装置10により作成されたパスワードは、ユーザに口頭やメモで知らされたり、管理者端末装置70からユーザの端末装置30に向けてメール等によって送信されたりする。
【0127】
利用情報は、給電端末装置60の給電デバイスIDに関連付けて作成される。すなわち、給電処理部153は、給電端末装置60ごとに個別の利用情報を作成する。管理装置10によって作成される利用情報は、端末装置30に対して送信される。また、利用情報には、給電端末装置60の利用時間の情報が含まれている。
【0128】
(給電動作)
図14は、第2実施形態の給電システム1の給電動作を示すフローチャートである。
なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様な動作の説明を省略する。
第2実施形態の給電システム1は、ユーザが給電端末装置60の利用を希望する際に、管理者が管理者端末装置70を介して利用申請を行う。その後、ユーザが給電端末装置60を利用する際には、管理者が行った利用申請に基づいて、ユーザが給電端末装置60の利用を可能にするようになっている。以下、第2実施形態の給電システム1の給電動作について詳細に説明する。
【0129】
まず、管理者は、管理者端末装置70を介して、ユーザが利用する給電端末装置60の利用申請を行う。このとき、管理者端末装置70には、利用を申請するための利用申請画面が表示される。管理者端末装置70では、利用申請画面を介して管理者から給電端末装置60の利用申請を受け付ける(S1401)。そして、利用申請には、給電端末装置60の給電デバイスIDと、給電端末装置60の利用時間に関する情報とが含まれる。さらに、管理者端末装置70は、利用申請情報を管理装置10に送信する(S1402)。
【0130】
管理装置10は、端末装置30から取得した利用申請情報に基づいて、給電端末装置60のユーザによる利用を可能にする利用処理を実行する(S1403)。具体的には、管理装置10は、給電管理テーブル200を参照し、利用の対象となっている給電端末装置60の利用状況を確認する。また、管理装置10は、給電端末装置60が空いていてユーザが給電端末装置60を利用可能である場合には、給電端末装置60の利用時間に基づいて給電開始時間および給電終了時間の設定を行う。
【0131】
そして、管理装置10は、利用申請に基づいてワンタイムパスワードを発行する(S1404)。さらに、管理装置10は、ワンタイムパスワードを管理者端末装置70に送信する(S1405)。また、管理者は、管理者端末装置70を用いて、ユーザの端末装置30にワンタイムパスワードを送信する(S1406)。
【0132】
管理者端末装置70は、後述するように管理装置10が利用情報の作成に用いる認証情報(ワンタイムパスワード)を、予め管理装置10から取得するようになっている。また、管理者端末装置70は、端末装置30に対してワンタイムパスワードを直接的に通知したり、メールによってワンタイムパスワードを送信したりする。このワンタイムパスワードは、最終的に端末装置30に取得されればよい。このように、管理者端末装置70は、ユーザが用いる端末装置30にワンタイムパスワードが取得されるようにする。
【0133】
そして、例えばユーザは、給電端末装置60の利用時間に、給電端末装置60が設置される場所に到着する。ユーザは、端末装置30を所持しながら給電端末装置60に接近する。そして、給電端末装置60と端末装置30との間でBLE通信が確立する。
【0134】
次に、給電端末装置60は、端末装置30に対して給電デバイスID(例えばMACアドレス)を送信する(S1407)。さらに、端末装置30は、管理者端末装置70から取得したワンタイムパスワードを給電デバイスIDに関連付けて管理装置10に送信する(S1408)。
【0135】
管理装置10は、給電デバイスIDと、予め発行していたワンタイムパスワードとの組み合わせが一致しているか認証する(S1409)。組合せが一致していた場合には、管理装置10は、設定した利用時間において給電端末装置60が給電を行うことを許可する利用情報を端末装置30に対して送信する(S1410)。
【0136】
その後、端末装置30を介した給電端末装置60の利用については第1実施形態の給電システム1と同様である。すなわち、端末装置30を所持するユーザが給電端末装置60の付近に存在することで、端末装置30と給電端末装置60との間で通信が確立される。また、端末装置30から給電端末装置60に利用情報が送信される。そして、給電端末装置60は、利用情報に基づいて対象となる機器に対する給電を行う。
【0137】
ここで、第2実施形態の給電システム1では、例えばユーザが給電端末装置60を利用する利用日時よりも以前に利用申請が行われ、利用日時よりも前に利用情報が端末装置30に受信されてる場合がある。この場合に、第1実施形態の給電システム1では、利用申請に基づいて定まる利用日時になったタイミングで、ユーザの端末装置30の画面にボタンアイコン450(図11(A)参照)が表示される。
なお、利用時間以降は、ユーザがボタンアイコン450をタッチ操作しない限り、ボタンアイコン450が画面に表示されるようになっている。
【0138】
次に、第2実施形態の管理者端末装置70に表示される各種画面について詳細に説明する。
図15は、第2実施形態の管理者端末装置70に表示される画面の一例を示す図である。
【0139】
図15に示すように、管理者端末装置70の画面には、管理者によるユーザの給電端末装置60の利用を管理する利用管理画面700が表示される。
利用管理画面700には、施設名称701、オーナー情報702、給電装置情報703、申請ボタン704、利用時間情報705および送信ボタン706が含まれる。
【0140】
施設名称701は、第2実施形態の給電システム1を利用する管理者(オーナー)が所有する施設の名称である。本実施形態において施設は、オートキャンプ場、電気自動車の駐車場などを例示できる。
オーナー情報702は、管理者に関する情報である。オーナー情報702は、例えば管理者としてのユーザIDなどを例示できる。
【0141】
給電装置情報703は、管理者の施設に設置されている給電端末装置60に関する情報である。給電装置情報703は、各々の給電端末装置60に付された管理番号や名前を例示できる。本実施形態において、管理者の施設には複数の給電端末装置60が設置されている。給電装置情報703は、各々の給電端末装置60ごとに設けられる。
【0142】
申請ボタン704は、給電端末装置60の利用申請を行う際に用いるボタン画像である。申請ボタン704をクリックするなど選択操作をすることで、対応する給電端末装置60の利用申請を行うことができる。具体的には、申請ボタン704を選択操作すると、給電端末装置60の利用時間を設定したりするための申請画面が表示される。管理者は、申請画面を用いて給電端末装置60の利用申請を行うことができる。
【0143】
利用時間情報705は、既に利用申請が完成している場合に、その利用時間の情報を表示する。利用時間情報705は、給電端末装置60ごとそれぞれ表示される。
【0144】
送信ボタン706は、利用申請によって得られたワンタイムパスワードをユーザに送信するためのボタン画像である。送信ボタン706は、各々の給電端末装置60に対応して設けられる。送信ボタン706をクリックするなど選択操作を行うことで、対応する給電端末装置60を利用するユーザに、ワンタイムパスワードを送信するための送信画面が表示される。送信画面には、ワンタイムパスワードをメールで送信したり、ユーザの端末装置30にインストールされたアプリを介して通知したりするための画面が含まれる。
【0145】
このように、第2実施形態の給電システム1では、管理者が管理者端末装置70を用いてユーザによる給電端末装置60の利用を管理できるようになっている。
また、管理者は、管理者端末装置70を介して管理装置10との間で決済をすることが可能になっている。一方で、給電端末装置60を利用するユーザは、給電システム1において決済を行う必要がない。なお、給電端末装置60を利用するユーザによる支払いは、例えば本実施形態のシステムとは別のシステムを用いることができる。このように、例えば給電端末装置60の利用料の支払いの観点についても管理者が管理することが可能になっている。
【0146】
<変形例>
上記の説明においては、端末装置30と給電端末装置60とがBLE通信を行うことを説明したが、端末装置30と給電端末装置60との間で通信を行うものであれば、これに限定されない。例えば、BLE通信に替えて、あるいはBLE通信に加えて、超音波通信など他の無線通信を用いてもよい。例えば、超音波通信および超音波以外の無線通信のいずれが先に開始されてもよいし、超音波通信および超音波以外の無線通信が同時に開始されてもよい。
【0147】
また、例えば、超音波通信のみで端末装置30と給電端末装置60との間の通信を行ってもよい。さらに説明をすると、端末装置30および給電端末装置60の間において、超音波で双方向に通信を行う構成としてもよい。この構成においては、給電端末装置60にマイク(不図示)が設けられる。そして、この給電端末装置60のマイク(不図示)が、端末装置30から発信される超音波信号を受信する。
【0148】
<給電サービスの他の適用例>
さらに、本実施形態の給電システム1によって給電される機器は、キャンピングカーに限定されない。例えば、給電システム1によって給電される機器は、例えば、電気自動車、電動バイク、電動カート、電動自転車などの車両であってもよい。さらに、給電システム1によって給電される機器は、PC、スマートフォンやタブレット端末、携帯型充電池などでもよい。
【0149】
また、給電システム1が備える給電端末装置60などは、ユーザが料金を支払うことでユーザに給電サービスを提供する装置であるが、他のサービスをユーザに提供する装置の利用に関して、給電システム1の構成を用いてもよい。
【0150】
例えば、給電端末装置60に替えて、コインランドリーの洗濯機(不図示)を設け、洗濯機と端末装置30との間でBLE通信を行うシステムに適用してもよい。この場合においても、管理装置10は、例えば端末装置30を介してユーザから洗濯機の利用についての利用申請を受け付ける。そして、ユーザが所持する端末装置30が洗濯機の付近に位置すると、洗濯機の制御部、端末装置30および管理装置10の間で情報の通信が行われ、洗濯機の利用が可能な状態になる。
【0151】
上記のシステムにおいて、管理装置10は、端末装置30を介して例えば洗濯機のデバイスIDを取得する。また、管理装置10は、端末装置30を介して洗濯機の利用を可能にするための利用情報を洗濯機に送る。この利用情報には、ユーザの利用申請に基づく、サービスの利用許可および利用時間の情報が含まれる。そして、洗濯機は、取得した利用時間の情報と、内蔵されるタイマ(不図示)の計時とによって、ユーザによる利用の制御を行う。
【0152】
なお、給電サービスの他のサービスの例としては、上述したコインランドリーのみならず、コインパーキング、キャンプサイトなどのシャワールームやトイレの鍵の電子錠や給水の電磁弁、カーシェアリングにおける施錠やスイッチなどの各種サービスを例示することができる。この場合においても、サービスを提供する機器がネットワーク90を介して管理装置10と直接的に通信ができなくても、端末装置30を介してサービスの利用を可能にするための利用情報のやり取りを行えばよい。この場合においても、利用情報には、ユーザがサービスを利用する時間に関する利用情報が含まれる。そして、サービスを提供するサービス提供装置は、取得した利用時間の情報と、内蔵されるタイマ(不図示)の計時とによって、ユーザによるサービスの利用の制御を行えばよい。
【0153】
また、上記の説明においては、クレジットカードによる決済を行うことを説明したが、これに限定されない。給電システム1においては、例えば、非接触型ICカードや、QRコード(登録商標)など二次元コード決済、バーコード決済など、周知の決済手段を採用することができる。
【0154】
また、上記の説明においては、LED67の点灯態様により、給電端末装置60の作動状態を示すことを説明したが、これに限定されない。例えば、端末装置30に画像などを表示することで、給電端末装置60の作動状態を示してもよい。ここで、給電端末装置60の作動状態としては、利用中(残り利用時間)、未払い(未払い時間)、予約あり(予約利用開始時間)、利用不可(障害種別、復旧見込み時間)などが含まれる。
【0155】
<変形例>
本実施形態では、あるユーザが所持する端末装置30が保持する利用情報を用いて一の給電端末装置60を利用する例を用いたが、一の給電端末装置60の利用は、あるユーザの端末装置30のみの利用に限定されない。
例えば一の端末装置30が保持する利用情報を他のユーザの端末装置に送信する。これによって、利用情報を複数のユーザの端末装置で共有することができる。そして、各ユーザは、各々の端末装置を用いて、一の給電端末装置60を共同で利用することが可能になる。
特に、利用するサービスが電子錠の開閉を用いた空間施設の利用や、電磁弁の開閉を用いた給水設備の利用である場合、利用情報を複数のユーザで用いることができることで利便性が向上する。
【0156】
ここで、給電システム1は、給電システムおよびシステムの一例である。管理装置10は、管理装置の一例である。端末装置30は、端末装置の一例である。給電端末装置60は、給電装置の一例である。筐体601は、給電手段および実行手段の一例である。ネットワークI/F312は、第1通信手段の一例である。通信部39は、取得手段の一例である。BLE I/F313は、第2通信手段の一例である。操作パネル305は、表示手段の一例である。BLE I/F679は、取得手段の一例である。
【0157】
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例同士を組み合わせて構成してもよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0158】
1…給電システム、10…管理装置、30…端末装置、60…給電端末装置、70…管理者端末装置、110…ユーザ管理部、150…給電管理部、130…電源管理部、450…ボタンアイコン、312…ネットワークI/F、313…BLE I/F、679…BLE I/F
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15